説明

レジストインキ組成物

【課題】 高感度で予備乾燥時の熱管理幅が広く、さらに予備乾燥後のタック性に優れ、かつアルカリ現像性が良好で、熱硬化後の半田耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性などの諸特性のバランスの良い、アルカリ現像型プリント配線板用ソルダーレジストインキとして有用なレジストインキ組成物を提供すること。
【解決手段】 酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレート中のカルボキシル基に、エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体を反応させて得られ、且つ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による重量平均分子量が4000〜10,000である感光性樹脂(A)、熱反応性硬化剤(B)、希釈剤(C)および光重合開始剤(D)を含有するレジストインキ組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高感度で予備乾燥時の熱管理幅が広く、さらに予備乾燥後のタック性に優れ、かつアルカリ現像性が良好で、熱硬化後の半田耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性などの諸特性のバランスの良い、アルカリ現像型プリント配線板用ソルダーレジストインキとして有用なレジストインキ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント配線板のレジストパターン形成法においては、高密度化への対応から有機溶剤を現像液として使用するものや、希アルカリ水溶液で現像するものが用いられているが、前者は、大気汚染の問題の他に、溶剤が高価なうえ、更に耐溶剤性、耐酸性にも劣るという問題を内在していることから、後者の希アルカリ現像型レジストインキが注目されている。
【0003】
希アルカリ現像型レジストインキ用の主剤としては、例えば、エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を反応させ、さらに多塩基酸無水物を付加させて得られる活性エネルギー線硬化樹脂を用いたものが広く用いられていたが、近年、生産ラインの高スピード化に対応した高感度のレジストインキのニーズが高まっている。
【0004】
そのようなニーズに対して、高感度のレジストインキ組成物として、例えば、多官能型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸と多塩基酸無水物とを反応させて得られる酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレートにエポキシ基含有のラジカル重合性単量体を反応させて得られる感光性樹脂を主剤として用いたレジストインキとする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、該レジストインキは予備乾燥時の熱管理幅が著しく狭いという問題を有していた。熱管理幅とは、即ち塗膜乾燥後の未露光部分の現像性が維持可能な熱的許容限度の管理であり、熱管理幅が狭いと、アルカリ現像型感光性樹脂組成物をプリント配線板へ塗布し、その溶剤を除去する乾燥過程で、その許容範囲を超えた時間もしくは温度により塗布膜の樹脂組成物が硬化をし始め、その後に露光し、現像すると、未露光部分が現像液により除去され難いという問題を生じる。そのため乾燥時間、乾燥温度が限定され、塗布回数の制限が必要となり、残存する溶剤のためにタック性が残り、指触乾燥性を悪化させるなどの問題を生じている。特に既存ラインの温度条件を適用できないという点は実用上深刻な問題となる。
【0005】
【特許文献1】特開平10−282665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、高感度で予備乾燥時の熱管理幅が広く、さらに予備乾燥後のタック性(耐タック性)に優れ、かつアルカリ現像性が良好で、熱硬化後の半田耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性などの諸特性のバランスの良い、アルカリ現像型プリント配線板用ソルダーレジストインキとして有用なレジストインキ組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、前記特許文献1において予備乾燥時の熱管理幅が著しく狭いのは用いている感光性樹脂の重量平均分子量が大きい、具体的には10,000を超えていることによるものである事、そして前記感光性樹脂として重量平均分子量が4000〜10,000である感光性樹脂を用い、更に、熱反応性硬化剤、希釈剤及び重合性開始剤を含有する組成物は、高感度、且つ、予備乾燥時の熱管理幅が広く、さらに予備乾燥後のタック性に優れ、かつアルカリ現像性が良好で、熱硬化後の半田耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性などの諸特性のバランスも良好で、アルカリ現像型プリント配線板用ソルダーレジストインキとして有用なレジストインキ組成物である事等を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は、酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレート中のカルボキシル基に、エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体を反応させて得られ、且つ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による重量平均分子量が4000〜10,000である感光性樹脂(A)、熱反応性硬化剤(B)、希釈剤(C)および光重合開始剤(D)を含有することを特徴とするレジストインキ組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば高感度で予備乾燥時の熱管理幅が広く、さらに予備乾燥後のタック性に優れ、かつアルカリ現像性が良好で、熱硬化後の半田耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性などの諸特性のバランスの良い、アルカリ現像型プリント配線板用ソルダーレジストインキとして有用なレジストインキ組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明で用いる感光性樹脂(A)は酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレート中のカルボキシル基に、エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体を反応させて得られ、且つ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法による重量平均分子量が4,000〜10,000である必要がある。重量平均分子量が4,000より小さいと予備乾燥時の耐タック性の低下が著しく、露光時のパターンフィルムが粘着する等、レジストインキとしての操作性に劣るので好ましくない。重量平均分子量が10,000より大きいと得られるレジストインキの予備乾燥時の熱管理幅が著しく狭くなり好ましくない。重量平均分子量は6000〜9500がより好ましい。
【0011】
尚、GPC測定による重量平均分子量とは、GPC分析で得られるポリスチレン換算の重量平均分子量であり、測定条件は、具体的には、[GPC装置:トーソー HLC−8220、カラム:TSKgel G4000HXL(1本)+G3000HXL(1本)+G2000HXL(2本)、溶媒:テトラヒドロフラン1ml/分、検出器:RI検出器]なる条件である。
【0012】
酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、多官能型エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸と多塩基酸無水物(a2)から誘導される。ここで用いる多官能型エポキシ樹脂(a1)は、特に制限されるものではなく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ハロゲン化フェノールノボラック樹脂およびアルキルフェノールノボラック樹脂などのノボラック樹脂と、エピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSおよびテトラブロムビスフェノールA等のビスフェノール類とエピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるビスフェノール類のジグリシジルエーテル;前記ビスフェノール類のジグリシジルエーテルを、更にビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSおよびテトラブロムビスフェノールA等で高分子量化させたビスフェノール型エポキシ樹脂;トリスフェノールメタン、トリスクレゾールメタン等とエピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、ビフェニルジグリシジルエーテル等の脂環式エポキシ樹脂;グリシジルメタクリレートとスチレンとメチルスチレンの共重合体、グリシジルメタクリレートとシクロヘキシルマレイミドとの共重合体等の共重合型エポキシ樹脂等が挙げられる。多官能型エポキシ樹脂(a1)は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0013】
多官能型エポキシ樹脂はアルカリ可溶性、耐熱性が良好なことからクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。また、多官能型エポキシ樹脂の軟化点は、70〜100℃の範囲が好ましく、特にレジストインキのタック性や半田耐熱性が良好となるので75〜95℃の範囲がより好ましい。
【0014】
前記(メタ)アクリル酸としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸等が挙げられ、これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。また、置換基を有していても良い。
【0015】
前記多塩基酸無水物(a2)は、特に限定されるものではなく、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、ドデシル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−(4−メチル−3−ペンテニル)テトラヒドロ無水フタル酸、3−ブテニル−5,6−ジメチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレン−テトラヒドロ無水フタル酸、7−メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の脂肪族酸無水類;無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水クロレンド酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香物酸無水物が挙げられる。
【0016】
多塩基酸無水物(a2)は溶剤溶解性が良好な事から脂肪族酸無水類が好ましく、テトラヒドロ無水フタル酸と無水コハク酸を併用した併用物が更にレジストインキの耐タック性が良好で熱管理幅が広いことからより好ましい。該併用物中のテトラヒドロ無水フタル酸と無水コハク酸の量比(テトラヒドロ無水フタル酸/無水コハク酸)は重量比で99/1〜60/40が好ましく、95/5〜50/50がより好ましい。
【0017】
前記酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレートは多官能型エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸と多塩基酸無水物(a2)から誘導される。酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレートを得るには、前記多官能型エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸と多塩基酸無水物(a2)とを一括反応させても良いが、多官能エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸の反応によって生じた二級水酸基に多塩基酸無水物(a2)が反応してカルボキシル基が生成し、このカルボキシル基と多官能型エポキシ樹脂(a1)がさらに反応して分子間架橋を生じる副反応によって分子量が増加し、増粘やゲル化の原因になることから、多官能型エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸とを反応させてエポキシ(メタ)アクリレートを得、これに多塩基酸無水物(a2)を反応させて得られるものが好ましい。この反応について以下に詳しく説明する。
【0018】
まず、工程1として多官能型エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸とを必要に応じてエステル化触媒を用いて反応させ、エポキシ(メタ)アクリレートを得る。多官能型エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸とを反応させる際の、それらの反応割合は特に限定されないが、通常、多官能型エポキシ樹脂(a1)のエポキシ基1モルに対し、(メタ)アクリル酸を0.8〜1.1モル反応させることが好ましい。即ち、(メタ)アクリル酸の比率が0.8モル以上の範囲で反応させることにより、次の多塩基酸無水物(a2)との反応時のゲル化を良好に抑制でき、また、1.1モル以下の範囲で反応させることにより、得られるレジストインキの予備乾燥後のタック性が優れたものとなる。これらの性能バランスに優れ、また感度や樹脂の貯蔵安定性に優れる樹脂が得られる点で、なかでも0.9〜1.05モルとなる範囲が好ましい。
【0019】
前記エステル化触媒としては、特に制限されるものではないが、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリンもしくはジアザビシクロオクタンの如き3級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩類;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンなどのホスフィン類;2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリフェニルスチビン等が挙げられる。
【0020】
また、多官能型エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸との反応は、希釈剤の存在下に行うことがゲル化抑制の点から好ましい。使用し得る希釈剤は、具体的には、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等の有機溶剤類等が挙げられる。これらのなかでも、特に高温条件での反応が可能で、また、レジストインキの予備乾燥後の平滑性が良好となる点からプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートの単独使用、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート若しくはジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートと芳香族炭化水素類との併用が好ましい。
【0021】
また、反応中のゲル化抑制の点から、重合禁止剤を使用することが望ましく、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキノン、トルハイドロキノン、トルキノン、1,4−ナフトキノン、フェノチアジン等が好ましい。
【0022】
工程1での反応温度は、エステル化触媒の添加時期を問わず、60〜150℃で反応を好適に進行させることができるが、特に、重量平均分子量が4000〜10000の樹脂を得るためには反応初期の副反応を可能な限り抑制することが好ましく、そのためには反応温度は比較的低温域の60〜120℃が好ましい。特にエステル化触媒の添加直後の反応温度は60〜110℃が好ましい。また、工程1の総反応時間はスケールによっても相違するが、5〜40時間が好ましい。
【0023】
工程1においてエステル化触媒は多官能型エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸とを反応させる際に添加(一括添加)すれば良いが、多官能型エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸とを反応させる際にエステル化触媒の一部を添加(一次添加)して反応を進行させた後、更にエステル化触媒を添加(二次添加)する方法(多段添加)が、副反応が抑制されると共に、反応時間が短縮されるので好ましい。一次添加と二次添加で用いる際の触媒量は特に限定されないが、一次添加で総触媒量の50〜90%を添加し、二次添加で残りを添加することが好ましい。
【0024】
次に工程2として前記エポキシ(メタ)アクリレートに多塩基酸無水物(a2)を反応させる。この際、前記エポキシ(メタ)アクリレートと多塩基酸無水物(a2)との反応割合は特に限定されるものではないが、希アルカリ溶液での現像性が実用的なレジストインキが得られること、予備乾燥時の熱反応性硬化剤(B)との反応性を抑制できることから、エポキシ(メタ)アクリレートの水酸基1モルに対し、多塩基酸無水物(a2)の酸無水物基を0.3〜1.0モルとなる割合で反応させる割合が好ましく、エポキシ(メタ)アクリレートの水酸基1モルに対し、0.40〜0.95モルの範囲で反応させることが好ましい。
【0025】
また、工程2における反応温度は、特に制限されるものではないが、60〜150℃が好ましい。工程2における反応時間は、1〜10時間が好ましい。
【0026】
本発明で用いる感光性樹脂(A)は前記酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレート中のカルボキシル基にエポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体を反応させることで得られる。酸ペンダント型エポキシアクリレートとエポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体の反応割合は、酸ペンダント型エポキシアクリレート中のカルボキシル基と、エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体中のエポキシ基との当量比で、(酸ペンダント型エポキシアクリレート中のカルボキシル基)/(エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体中のエポキシ基)で1/0.05〜1/0.6となる割合が、感度が飛躍的に向上し、また、0.6モル以下とすることにより希アルカリ現像性に優れた感光性樹脂が得られる他、予備乾燥後のタック性が良好となるレジストインキが得られることから好ましい。また、当該範囲に調整することにより、最終的に得られる感光性樹脂の分子量と酸価のバランスを適正範囲に調整することができる。(酸ペンダント型エポキシアクリレート中のカルボキシル基)/(エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体中のエポキシ基)は1/0.1〜1/0.5なる範囲であることがより好ましい。
【0027】
前記酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレート中のカルボキシル基にエポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体を反応させる際の反応温度は特に制限されるものではないが、60〜150℃が好ましい。反応時間は、特に制限されるものではないが、1〜10時間が好ましい。
【0028】
ここで、エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体としては、特に制限されるものではないが、グリシジル(メタ)アクリレートが本発明の効果が顕著なものとなる点から好ましい。
【0029】
本発明で用いる感光性樹脂(A)の酸価は希アルカリ溶液での現像性が良好なレジストインキが得られることから40〜100mgKOH/gが好ましく、50〜100がより好ましい。
【0030】
本発明で用いる熱反応性硬化剤(B)の具体例としては、エポキシ樹脂;ブトキシ化メラミン樹脂、メトキシ化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂が挙げられる。これらの中でも、特に硬化物の耐熱性及び耐溶剤性が良好なものとなる点からエポキシ樹脂が好適である。このエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、ジフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルジフェニルジグリシジルエーテル、オキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂の中でも、オキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂が好ましい。
【0031】
前記オキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂は特に制限はないが、例えば、多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるエポキシ樹脂等を好ましく用いることができる。
【0032】
前記多官能型エポキシ樹脂(b1)としては、例えば、多官能型エポキシ樹脂(a1)で例示した多官能型エポキシ樹脂等が挙げられる。多官能型エポキシ樹脂(b1)は多官能型エポキシ樹脂(a1)と同一であっても良いし、異なっていても良い。また、1種類を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0033】
前記芳香族モノイソシアネート類(b2)としては、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、キシリルイソシアネート、トリメチルフェニルイソシアネート、アセチルフェニルイソシアネート、エトキシフェニルイソシアネート、シアノフェニルイソシアネート、ジメトキシフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート、ビフェニリルイソシアネート、フェノキシフェニルイソシアネート、フルオロフェニルイソシアネート、ブロモフェニルイソシアネート、ベンゼンスルホニルイソシアネート、トルエンスルホニルイソシアネート等が挙げられる。これら芳香族モノイソシアネート類は2種以上を併用することができる。
【0034】
また、相溶性やドレーブ性の調整等を目的として、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プチルイソシアネート、ヘキサンイソシアネート、オクタデシルイソシアネート等の脂肪族モノイソシアネート類やシクロヘキシルイソシアネート、アダマンチルイソシアネート等の脂環式モノイソシアネート類を併用することができる。
【0035】
芳香族モノイソシアネート類と共に、ポリイソシアネート化合物を併用する事もできる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4(または2,4,4)−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート。イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート。テトラメチルキシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。これらポリイソシアネート化合物の使用量は、芳香族モノイソシアネート中のイソシアネート1当量に対して、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネートを0.5当量以下となるように用いることが好ましく、より好ましくは0.2当量以下である。
【0036】
芳香族モノイソシアネート類(b2)の使用量は、そのイソシアネート基が、多官能エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基1当量に対して、0.05〜0.5当量となる量で用いるのが好ましく、0.05〜0.3当量である。
【0037】
これらイソシアネート基とエポキシ基との反応は、岩倉ら、J.Polymer Sci.Part A−1、4、751(1966)などに記載の公知な方法で行うことが出来、基本的には、適当な溶媒の存在下又は不存在下これら2成分を適量容器に入れ、加熱撹拌すればよい。
【0038】
また、芳香族モノイソシアネート類(b2)中のイソシアネート基は、エポキシ基と反応してオキサゾリドン環を形成する他に、一部、副反応としてエポキシ樹脂中のアルコール性水酸基とのウレタン結合の形成や、イソシアネート基の環化3量化によるイソシアヌレート環の形成に使用される。
【0039】
多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂の製造は、通常、触媒の存在下に行われる。触媒としては、例えば、ブトキシリチウム、メトキシナトリウム等の金属アルコラート、塩化リチウム、塩化アルミニウム等のルイス酸およびルイス酸とトリフェニルホスフィンオキサイド等のルイス塩基との混合物、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム等のクロライド、ブロマイド、ヨーダイド、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、ベンジルトリブチルホスホニウム等のクロライド、ブロマイド、ヨーダイド、アセテート等の4級アンモニウム塩、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。2種以上の触媒を併用しても構わない。触媒としては、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩および3級アミンが特に好ましい。触媒の使用量は、通常、多官能エポキシ樹脂(b1)に対して、5ppm〜2重量%の範囲で使用される。好ましくは20ppm〜0.5重量%である。触媒は、適当な溶剤に希釈して用いる事もできる。
【0040】
多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂の製造は、無溶剤で行うこともできるし、適当な溶剤の存在下に行うこともできる。溶剤を使用する場合は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メシチレン、キシレン、トルエン、メチルセロソルブアセテート、エチルジグリコールアセテート、テトラヒドロフラン等の活性水素を含まない溶剤が好ましい。
【0041】
反応温度は、通常、80℃〜220℃である。好ましくは100℃〜200℃、更に好ましくは120℃〜190℃である。反応温度が低すぎると、触媒の活性が低く、イソシアヌレート環の生成等の副反応が起こる。また、反応温度が高すぎても、触媒の活性低下が起こり、やはり副反応が進行する。
【0042】
多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂の製造は、多官能エポキシ樹脂(b1)を所定の温度に昇温し、乾燥空気や窒素の吹き込みや、減圧乾燥などにより樹脂中の水分を極力除去した後、芳香族モノイソシアネート類(b2)および触媒を投入するのが好ましい。芳香族モノイソシアネート類(b1)および触媒の投入は、同時に一括して行ってもよいが、それぞれ別々に、または同時に、数回に分けて、あるいは連続的に投入するのが好ましい。連続的に投入する場合、その投入時間は、0.5〜10時間が好ましく、より好ましくは、0.5〜5時間である。投入時間が短い場合、イソシアヌレート環の生成量が多くなる場合がある。
【0043】
多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂は、多官能エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基の5〜50当量%、好ましくは5〜30当量%が、芳香族モノイソシアネート類(b2)中のイソシアネート基と反応してオキサゾリドン環を形成している。5当量%未満では、効果が小さく、乾燥管理幅の広いアルカリ現像型感光性樹脂組成物が得られない。一方、50当量%を越えると、硬化物の耐熱性や機械物性が低下する。
【0044】
この多官能エポキシ樹脂(b1)中のエポキシ基のうち、オキサゾリドン環形成に関与するものの割合は、例えば、実施例の項で後述する化学的手法によりOxd化率を測定する方法や、赤外分光法、核磁気共鳴分光法等の機器分析的手法を用いて定量する方法により知ることができる。
【0045】
また、前記多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂のエポキシ当量は、220〜300g/当量の範囲のものであることが好ましい。
【0046】
多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂は、多官能エポキシ樹脂(b1)中のアルコール性水酸基の一部と、芳香族モノイソシアネート類(b2)中のイソシアネート基との反応により得られるウレタン結合を含有していてもよい。ウレタン結合量は、オキサゾリドン環の含有量の10当量%以下が好ましく、より好ましくは5当量%以下である。ウレタン結合量が多いと、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の溶融粘度が高くなる。
【0047】
多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂は、イソシアネート化合物中のイソシアネート基が環化3量化したイソシアヌレート環を含有する事ができる。イソシアヌレート環の含有量は、オキサゾリドン環の含有量の10当量%以下が好ましく、より好ましくは5当量%以下、更に好ましくは1当量%以下である。イソシアヌレート環が多すぎると、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を製造する時に重合安定性が低下したり、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の溶融粘度が高くなる。多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂は、実質的にイソシアネート基を含有しないのが好ましい。
【0048】
多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂の加水分解性塩素量は、特に制限されないが、例えば電気・電子用途で使用する場合は、500ppm以下が好ましい。
【0049】
多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂は、エポキシ基の一部を、変性剤(c)で変性し、オキサゾリドン環含有変性エポキシ樹脂とする事ができる。
【0050】
本発明で使用される変性剤(c)としては、エポキシ基と反応する官能基を有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、キシレノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類、n−ブタノール、ブチルセロソルブ、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酢酸塩、アミノエチルエタノールアミンのジメチルケチミン等のアミン類、酢酸、乳酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、安息香酸、ジメタノールプロピオン酸等のカルボン酸類、ジエチルジスルフィド・酢酸混合物等のスルフィド類、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプタン類等、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。これら変性剤(c)は、2種以上を併用する事もできる。
【0051】
また、変性剤(c)による変性量は、特に制限はないが、変性により得られたオキサゾリドン環含有変性エポキシ樹脂の硬化形態により、選択するのがよい。オキサゾリドン環含有変性エポキシ樹脂の硬化形態が、エポキシ基を用いた硬化の場合、変性量が多くなると架橋密度の低下が起こるため、変性量はエポキシ基に対して、50当量%以下が好ましい。より好ましくは、1〜40当量%である。オキサゾリドン環含有変性エポキシ樹脂の硬化形態が、変性により組み込まれた架橋性基や、変性により生成した2級水酸基を利用する場合は、変性量が少ないと架橋密度が上がらないため、変性量はエポキシ基に対して、50当量%以上が好ましい。より好ましくは、60〜100当量%である。
【0052】
例えば、アミン類で変性した後、酢酸等を用いて、アミノ基をアンモニウム塩に変換する等の、イオン性基への変換を行う事もできる。
【0053】
多官能型エポキシ樹脂(b1)と芳香族モノイソシアネート類(b2)とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂の軟化点は50℃〜150℃の範囲のものが好ましく、この中で、仮乾燥後の指触乾燥性が良好となるのは70〜150℃の範囲ものであり、はんだ耐熱性が良好となるのは50℃〜130℃の範囲のものである。
【0054】
また、熱反応性硬化剤(B)として、前記エポキシ樹脂を使用する場合、硬化促進剤を使用するのが好ましい。硬化促進剤の具体例としては、例えば、メラミン誘導体、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、フェノール誘導体などの公知のエポキシ硬化促進剤等が挙げられる。
【0055】
熱反応性硬化剤(B)の使用量は、前記感光性樹脂(A)100重量部に対して5〜40重量部が好ましい。即ち、5重量部以上用いることにより、最終的に得られる硬化塗膜の耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、密着性等の諸物性に優れたものとなる他、絶縁抵抗等の電気特性に十分な性能が得られ、一方、40重量部以下とすることにより、感光性、現像性に優れたものとなる。
【0056】
本発明で用いる希釈剤(C)としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の有機溶剤や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、メラミン(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、あるいはヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール、又はこれらのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類等の光重合性反応性希釈剤等を挙げることができる。これらの中でも予備乾燥後の平滑性が良好となるのでエステル類が好ましく、エステル類と芳香族炭化水素類との併用物がより好ましく、エステル類と芳香族炭化水素類と光重合性反応性希釈剤の併用物が更に好ましい。前記エステル類の中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましい。
【0057】
希釈剤(C)は、単独または2種以上の混合物として用いられ、その含有量は、感光性樹脂(A)100重量部当り、30〜300重量部が好ましく、特に好ましくは50〜200重量%である。
【0058】
光重合開始剤(D)の具体例としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、シクロロアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、P,P−ビスジエチルアミノベンゾヘェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール等のケタール類;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2,4,6−トリス−S−トリアジン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらのなかでも、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1が反応性が高く好ましい。これらの光重合開始剤(D)は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0059】
本発明において、光重合開始剤(D)の量は、特に制限されるものではないが、感光性樹脂(A)100重量部に対して、通常0.5〜50重量部の範囲であることが好ましい。即ち、0.5重量部以上においては、感光性樹脂(A)の反応生成物の光硬化反応が良好に進行し、また、50重量部以下では硬化塗膜の機械物性が良好なものとなる。感度、硬化塗膜の機械物性などの面から、この光重合開始剤(D)のより好ましい配合量は2〜30重量部の範囲である。
【0060】
本発明のレジストインキ組成物は前記感光性樹脂(A)、熱反応性硬化剤(B)、希釈剤(C)及び光重合開始剤(D)を混合し、3本ロール等の機械的手段により混合分散させることにより目的とするレジストインキ組成物が得られる。
【0061】
ここで、感光性樹脂(A)の使用量は、特に制限されるものではないが、感度、タック性の改善効果が良好なものとなり、更に硬化物の耐熱性、耐溶剤性に優れる点からソルダーレジストインキ組成物中10〜70重量%が好ましく、特に30〜60重量%となる範囲であることが好ましい。
【0062】
本発明のレジストインキ組成物には、以下に示すような当該技術分野で常用される顔料、充填剤、添加剤等が使用できる。例えば、キナクリドン系、アゾ系、フタロシアニン系等の有機顔料;酸化チタン、金属箔状顔料、防錆顔料等の無機顔料;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、球状溶融シリカ、破砕状溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ、カーボンブラック、タルク、クレー等の充填剤;ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤;ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系、ヒドラジド系等の酸化防止剤;シラン系、チタン系等のカップリング剤;フッ素系界面活性剤等のレベリング剤;アエロジル等のレオロジーコントロール剤;顔料分散剤:ハジキ防止剤;消泡剤等の添加剤等が挙げられる。また必要に応じてガラス繊維、ガラス布、炭素繊維等の強化材を含有する事ができる。また必要に応じて難燃付与剤も添加できる。この難燃付与剤としては種々のものが使用できるが、例えば、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールAなどのハロゲン化合物;赤リンや各種燐酸エステル化合物などの燐原子含有化合物;メラミン或いはその誘導体などの窒素原子含有化合物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、硼酸カルシウムなどの無機系難燃化合物が例示できる。
【0063】
このようにして得られたレジストインキ組成物は、スクリーン印刷、カーテンコート法、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法等によりプリント基板上に10〜150μm(液膜厚)の厚さに塗布した後、60〜80℃で15〜60分予備乾燥し有機溶剤等の揮発分を揮発させ(塗布と予備乾燥工程を複数回繰り返して積層させる場合もある)、その乾燥塗膜に所望のソルダーマスクパターンのネガフィルムを密着させ、その上から紫外線又は電子線などの放射線を照射する。それから、ネガフィルムを取り除き、希アルカリ水溶液を現像液として現像することにより非露光領域の塗膜は除去されるが、露光部分の塗膜は光硬化しているので除去されず残留する。この際の希アルカリ水溶液としては、0.5〜5重量%の炭酸ナトリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリ溶液も使用可能である。次いで、130〜160℃で20〜90分熱風乾燥機等で熱硬化させることにより硬化物を得る。
【0064】
本発明のレジストインキ組成物は、例えばプリント配線板等の回路基板のソルダーレジストや層間絶縁層等に好ましく使用される。
【実施例】
【0065】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。例中部及び%は断りのない限り重量基準である。なお、生成物の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析で得られるポリスチレン換算の重量平均分子量である。GPCの分析条件は次のとおりである。
GPC装置:トーソー HLC−8220
カラム:TSKgel G4000HXL(1本)+G3000HXL(1本)+G2000HXL(2本)
溶 媒 :テトラヒドロフラン1ml/分
検出器:RI検出器
【0066】
合成例1〔感光性樹脂(A)の合成〕
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1240gにオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、EPICLON N−695、軟化点95℃、エポキシ当量214〕2140g(10当量)、アクリル酸720g(10モル)及びハイドロキノン1.4gを仕込み、90℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで反応液を70℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン8.6gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、更にトリフェニルホスフィン2.3gを追加し、120℃に加熱してさらに10時間反応を行った。得られた反応液に芳香族系炭化水素(ソルベッソ150)1240g、テトラヒドロ無水フタル酸912g(6.0モル)及び無水コハク酸50g(0.5モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行った。さらに、得られた反応液にグリシジルメタクリレート213g(1.5モル)を仕込み、引き続き110℃で4時間反応を行ない、酸価73(固形分、mgKOH/g)、重量平均分子量8250(固形分)の樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液A−1とする。
【0067】
合成例2(同上)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1220gにEPICLON N−695 2140g(10当量)、アクリル酸720g(10モル)、ハイドロキノン1.4gを仕込み、90℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで反応液を70℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン8.6gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、トリフェニルホスフィン2.3gを追加し、120℃に加熱してさらに10時間反応を行った。得られた反応液にソルベッソ150 1220g、テトラヒドロ無水フタル酸684g(4.5モル)、無水コハク酸200g(2.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行った。さらに、得られた反応液にグリシジルメタクリレート213g(1.5モル)を仕込み、引き続き110℃で4時間反応を行ない、酸価75(固形分、mgKOH/g)、重量平均分子量8290(固形分)の樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液A−2とする。
【0068】
合成例3(同上)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1200gにEPICLON N−695 2140g(10当量)、アクリル酸720g(10モル)、ハイドロキノン1.4gを仕込み、90℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで反応液を70℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン8.6gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、トリフェニルホスフィン2.3gを追加し、120℃に加熱してさらに10時間反応を行った。得られた反応液にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1200g、テトラヒドロ無水フタル酸456g(3.0モル)、無水コハク酸350g(3.5モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行った。さらに、得られた反応液にグリシジルメタクリレート213g(1.5モル)を仕込み、引き続き110℃で4時間反応を行ない、酸価78(固形分、mgKOH/g)、重量平均分子量8100(固形分)の樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液A−3とする。
【0069】
合成例4(同上)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1120gにEPICLON N−695 2140g(10当量)、アクリル酸720g(10モル)、ハイドロキノン1.4gを仕込み、90℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで反応液を70℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン8.6gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、トリフェニルホスフィン2.3gを追加し、120℃に加熱してさらに10時間反応を行った。得られた反応液にソルベッソ150 1120g、テトラヒドロ無水フタル酸1140g(7.5モル)、無水コハク酸200g(2.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行った。さらに、得られた反応液にグリシジルメタクリレート426g(3.0モル)を仕込み、引き続き115℃で4時間反応を行ない、酸価89(固形分、mgKOH/g)、重量平均分子量9310(固形分)の樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液A−4とする。
【0070】
合成例5(同上)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1120gにオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、EPICLON N−680、軟化点80℃、エポキシ当量212)2120g(10当量)、アクリル酸720g(10モル)、ハイドロキノン1.4gを仕込み、90℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで反応液を70℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン2.3gを仕込み、120℃に加熱して4時間反応後、トリフェニルホスフィン8.6gを追加し、さらに10時間反応を行った。得られた反応液にソルベッソ150 1120g、テトラヒドロ無水フタル酸1140g(8.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行った。さらに、得られた反応液にグリシジルメタクリレート426g(3.0モル)を仕込み、引き続き115℃で4時間反応を行ない、酸価80(固形分、mgKOH/g)、重量平均分子量8590(固形分)の樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液A−5とする。
【0071】
合成例6(比較対照用感光性樹脂の製造)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1120gにEPICLON N−695 2140g(10当量)、アクリル酸720g(10モル)、ハイドロキノン1.4gを仕込み、90℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで反応液を70℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン2.3gを仕込み、120℃に加熱して4時間反応後、トリフェニルホスフィン8.6gを追加し、さらに12時間反応を行った。得られた反応液にソルベッソ150 1120g、テトラヒドロ無水フタル酸1140g(6.5モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行った。さらに、得られた反応液にグリシジルメタクリレート213g(1.5モル)を仕込み、引き続き110℃で4時間反応を行ない、酸価73(固形分、mgKOH/g)、重量平均分子量11510(固形分)の樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液a−1とする。
【0072】
合成例7(同上)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1130gにオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、EPICLON N−665、軟化点65℃、エポキシ当量209)2090g(10当量)、アクリル酸720g(10モル)、ハイドロキノン1.4gを仕込み、90℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで反応液を70℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン8.6gを仕込み、100℃に加熱して6時間反応後、トリフェニルホスフィン2.3gを追加し、110℃に加熱してさらに15時間反応を行った。得られた反応液にソルベッソ150 1130g、無水コハク酸650g(6.5モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行った。さらに、得られた反応液にグリシジルメタクリレート213g(1.5モル)を仕込み、引き続き110℃で4時間反応を行ない、酸価87(固形分、mgKOH/g)、重量平均分子量3960(固形分)の樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液a−2とする。
【0073】
合成例8〔熱反応性硬化剤の合成〕
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート92gを100℃に加熱し、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N−695 (大日本インキ化学工業製)(軟化点95℃、エポキシ当量214g/当量)214gを均一溶解し樹脂分70wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液をB−1とする。
【0074】
合成例9(同上)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N−695 (大日本インキ化学工業製)(軟化点95℃、エポキシ当量214g/当量)214gを入れたセパラブルフラスコに、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付け、フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下150℃に昇温し、150℃到達後30分間撹拌を続けた。反応温度を150℃に維持したまま、フェニルイソシアネート18gとテトラブチルアンモニウムクロライド(和光純薬;Practical Grade)0.05gの混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を150℃に保ったまま6時間撹拌を続け、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を得た。この樹脂のエポキシ当量は272g/当量であった。この樹脂を100℃に冷却し、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート99gを加え、100℃で均一溶解して樹脂分70wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液をB−2とする。
【0075】
実施例1〜10、比較例1〜4
第1表、第2表に示す配合組成に従ってソルダーレジストインキ組成物を配合し、3本ロールで混合分散させて、インキ組成物の溶液を調製した。この得られたインキ組成物のタック性、感度、アルカリ現像性及び塗膜性能を第3表、第4表に示す。なお、インキ組成物のタック性、感度、アルカリ現像性及び塗膜性能は、以下に示す方法で評価した。ただし、塗膜性能は、予め面処理済みの基板に、スクリーン印刷法により、インキ組成物を60μmの厚さ(乾燥前)に塗布し、80℃で30分間予備乾燥後、200mJ/cm2の露光量で紫外線を照射し、次いで30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレー圧で60秒間現像処理したのち、150℃で30分後硬化することにより、硬化塗膜を作成して評価を行った。
【0076】
試験方法及び評価方法
(1)タック性
塗膜を80℃で30分間予備乾燥した。次に、塗膜を室温に冷却した状態でソルダーマスクパターンを塗膜面に接触させ、ネガフィルムを剥離することで後述する「タック性」の試験を行った。
(タック性)塗膜よりソルダーマスクパターンを剥離しその状態を評価した。
○:塗膜とパターンが全く付着せず容易に剥離できるもの
△:痕跡を残さずに剥離できるがわずかに付着感があるもの
×:剥離時ソルダーマスクパターンに付着するもの
【0077】
(2)感度
80℃30分間予備乾燥後の塗膜に、ステップタブレット21段(コダック社製)を密着させ、オーク製作所製メタルハライドランプ露光装置を用いて、アイグラフィック社製紫外線積算強度計を用い200mJ/cm2 の紫外線を照射露光した。次いで1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレー圧で60秒間現像を行った後の露光部分の除去されない部分の段数を数字にて示した。数字が大きい方が高感度であることを表す。
【0078】
(3)現像性
80℃30分間予備乾燥後の塗膜にソルダーマスクパターンを密着させ、200mJ/cm2 の紫外線を照射露光した。次いで30℃1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレー圧で60秒間現像を行った後の未露光部分を拡大鏡にて目視判定した。
○:現像時、完全にインキが除去され、完全な現像ができたもの
×:現像時、少しでも残渣が残っており、現像されない部分があるもの
【0079】
(4)熱管理幅
80℃20分から80℃120分まで10分間隔で予備乾燥時間を変更した各々の塗膜に(3)現像性と同様の評価を実施し、現像可能な最大の予備乾燥時間(分)を熱管理幅とした。
【0080】
(5)半田耐熱性
硬化塗膜をJIS C 6481の試験方法に従って、260℃で半田浴へ10秒間浸漬を3回行い、外観の変化を評価した。
○:外観に変化が認められないもの
△:硬化膜の変色が認められるもの
×:硬化膜の浮き、剥れ、半田潜りあり
【0081】
(6)耐薬品性
硬化塗膜を10重量%の塩酸に30分間浸漬した後の塗膜状態を評価した。
○:全く変化が認められないもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
【0082】
(7)耐溶剤性
硬化塗膜を塩化メチレンに30分間浸漬した後の塗膜状態を評価した。
○:全く変化が認められないもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

【0085】
【表3】

【0086】
【表4】

【0087】
第3表、第4表の結果から、本発明によると、高感度でありながら予備乾燥時の熱管理幅が長く、かつアルカリ現像性が良好で、さらに予備乾燥後のタック性に優れ、半田耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性などの諸特性のバランスの良い、アルカリ現像型プリント配線板用ソルダーレジストインキとして有用なレジストインキ組成物を提供できることが明らかである。特に、実施例6〜10に示すように、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を熱硬化剤(B)として使用した場合、著しく優れた特性を有するレジストインキ組成物を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸ペンダント型エポキシ(メタ)アクリレート中のカルボキシル基に、エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体を反応させて得られ、且つ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による重量平均分子量が4000〜10,000である感光性樹脂(A)、熱反応性硬化剤(B)、希釈剤(C)および光重合開始剤(D)を含有することを特徴とするレジストインキ組成物。
【請求項2】
前記酸ペンダント型エポキシアクリレートが多官能型エポキシ樹脂(a1)と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートに多塩基酸無水物(a2)を反応させて得られるものである請求項1記載のレジストインキ組成物。
【請求項3】
前記多官能型エポキシ樹脂(a1)がクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である請求項2記載のレジストインキ組成物。
【請求項4】
前記多官能型エポキシ樹脂(a1)の軟化点が70〜100℃である請求項2記載のレジストインキ組成物。
【請求項5】
前記多塩基酸無水物(a2)がテトラヒドロ無水フタル酸と無水コハク酸との併用物である請求項2記載のレジストインキ組成物。
【請求項6】
前記併用物中のテトラヒドロ無水フタル酸と無水コハク酸の量比(テトラヒドロ無水フタル酸/無水コハク酸)が重量比で99/1〜60/40である請求項5記載のレジストインキ組成物。
【請求項7】
前記エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体がグリシジル(メタ)アクリレートである請求項2記載のレジストインキ組成物。
【請求項8】
前記熱反応性硬化剤(B)が、多官能型エポキシ樹脂と芳香族モノイソシアネート類とを反応させて得られるオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂である請求項1〜7のいずれか1項記載のレジストインキ組成物。
【請求項9】
前記多官能型エポキシ樹脂がノボラック型エポキシ樹脂である請求項8記載のレジストインキ組成物。
【請求項10】
前記芳香族モノイソシアネート類が、フェニルイソシアネートである請求項8記載のレジストインキ組成物。
【請求項11】
前記希釈剤(C)がエステル類と芳香族炭化水素類との併用物である請求項1〜10のいずれか1つに記載のレジストインキ組成物。
【請求項12】
前記光重合開始剤(D)が、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン及び/又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1である請求項1〜10のいずれか1つに記載のレジストインキ組成物。
【請求項13】
感光性樹脂(A)の重量平均分子量が6000〜9500である請求項1〜12のいずれか1項記載のレジストインキ組成物。

【公開番号】特開2006−171279(P2006−171279A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362717(P2004−362717)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】