説明

レセプターのシグナル伝達の増強をもたらすNOTCH変異

【課題】癌の存在を同定するのを助け、NOTCHシグナル伝達のインヒビターに応答する癌細胞を同定することにおいて診断上有用であり、NOTCHシグナル伝達経路インヒビターによる直接的で合理的な癌処置を可能にする、ヒト腫瘍における新規な変異を同定する方法を提供する。
【解決手段】実質的に精製された変異NOTCH−1レセプターであって、当該変異NOTCH−1レセプターは、特定のアミノ酸配列を含み、ただし、当該アミノ酸配列は、アミノ酸1571〜1622および/または1674〜1730および/またはアミノ酸2311〜アミノ酸2556に1以上の変異を有し、その結果、当該変異NOTCH−1レセプターは、γ−セクレターゼとのインキュベーションに応じて、変異していないNOTCH−1と比べて増強したシグナル伝達を示す、実質的に精製された変異NOTCH−1レセプター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の援用)
本出願は、米国仮特許出願第60/598,546号(2004年8月4日出願)および同第60/672,053号(2005年4月18日出願)に対する優先権、およびこれらの利益を主張する。これらの先行出願の内容は、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、生物学的刺激に対する反応性の増大または他の刺激の必要性に依存しない構成的活性化のいずれかを生じる変異がなされた、ヒトNOTCHレセプターに関する。これらの変異は、NOTCHレセプターの特定の十分に規定された領域に生じ、悪性転換のプロセスの一部として癌細胞によって体細胞的に獲得される。これらの癌細胞の増殖は、レセプターのシグナル伝達を妨害する因子を用いて遅延されるかまたは停止され得る。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
NOTCHレセプター1〜4は、調節されたタンパク質分解に依存する経路を通してシグナルを送る膜貫通レセプタータンパク質である。リガンド結合の後、このレセプターは、順に、i)ADAMファミリーのメタロプロテアーゼによって細胞外で切断され(非特許文献1;非特許文献2);ii)膜貫通ドメインに対してちょうど内部にあるリジン残基でモノユビキチン化し(非特許文献3);iii)エンドサイトーシスされ(非特許文献3);そしてiv)γ−セクレターゼ酵素によってタンパク質分解で切断される(非特許文献4)。この活性化プロセスの最終工程は、NOTCHレセプターの細胞内部分が、細胞核にトランスロケーションすることを可能にし、そこでその細胞内部分は、転写因子と相互作用して、遺伝子活性を変化させる。NOTCHレセプターのシグナル伝達は、細胞の分化および増殖、ならびにアポトーシスを制御すること(これらは、腫瘍性転化(neoplastic transformation)に関連して重要である3つのプロセスである)において重要な役割を果たすようである(特許文献1を参照のこと)。
【0004】
NOTCH−1遺伝子は、1%未満のT細胞急性リンパ芽球性白血病(T−ALL)に見出される(7;9)染色体転座にその遺伝子が関与することを通じて発見された(非特許文献5)。NOTCH−1は、胸腺細胞で高度に発現され(非特許文献5)、その胸腺細胞でNOTCH−1は、T細胞の運命を選択するようにリンパ系共通前駆細胞(common lymphoid progenitor)を誘導する(非特許文献6)。その後、NOTCH−1は、プレT細胞レセプター複合体の構築を促進し、この複合体は、CD4−/CD8− 胸腺細胞のCD4+/CD8+ 発達段階への変異を伴う増殖性バースト(proliferative burst)を駆動することにおいて重要な役割を果たす(非特許文献7)。
【0005】
その休止状態(resting state)において、成熟NOTCH−1は、リガンド結合細胞外サブユニット(NEC)および非共有結合で結合された膜貫通サブユニット(NTM)から構成されるヘテロ二量体のレセプターである(非特許文献8;非特許文献9)。NECは、上皮増殖因子様反復と、3つの反復されたLin12/NOTCH反復と、保存された103アミノ酸の配列とから構成される、リガンド結合ドメインからなり(本明細書で以後、ヘテロ二量体化ドメインとしてHDと称する)、このドメインはNTMの細胞外部分と結合するのに十分である。
【0006】
NOTCHレセプターの生理学的活性化は、Delta−Serrate−Lag2(DSL)ファミリーのリガンドがNECサブユニットに結合し、NTMサブユニットにおける連続的なタンパク質分解性切断のカスケードを惹起する場合に起こる。γ−セクレターゼ(プレセニリン−1もしくはプレセニリン−2、ニカストリン、APH−1、およびPEN−2を含む、多タンパク質複合体)によって触媒される最後の切断(非特許文献10;非特許文献11)は、膜からNTMの細胞内部分(細胞内NOTCHまたはICNと呼ばれる)を放出し、この細胞内部分が細胞核にトランスロケーションすることを可能にする。そこで、その細胞内部分は、DNA結合因子CSLおよびMastermindファミリーの活性化補助因子と結合して、一時的な転写活性化複合体を形成する(非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14)。その複合体の分解およびターンオーバー(turnover)は、SEL−10ファミリーのFボックス因子によって調節されるようである(非特許文献15)。
【0007】
(7;9)転座は、ICNと類似する、N末端が欠失した構成的に活性なNOTCH−1ポリペプチドをコードするNOTCH−T細胞レセプターβ融合遺伝子を生じ(非特許文献5;非特許文献16;Dasら、J.Biol.Chem.,2004年5月3日電子出版))、これらのNOTCH−1の短縮型の構成的に活性な形態は、マウスモデルにおいてT−ALLを誘導する(非特許文献17)。NOTCH−1はまた、マウスT−ALLの発症をもたらす多段階経路においてE2A−PBX1トランスジーンおよびcMYCトランスジーンと共働する(cooperate)、頻繁にレトロウイルスに挿入されるものの部位である(非特許文献18;非特許文献19)。さらに、NOTCHインヒビターは、ヒトおよびマウスのNOTCH−1に関連するT−ALLに由来する細胞株において、G/G細胞周期の阻止を生じ、これはNOTCHシグナル伝達がこれらの白血病の持続的な増殖に必要とされることを示す(非特許文献20)。
【0008】
(7;9)転座は、T−ALLを有する患者のうちの非常に低い割合の患者と関連するのみである。NOTCH−1に関連するさらなる変異の同定は、この型の癌の病原論にとって重要な意味を有する。NOTCH−2、NOTCH−3およびNOTCH−4における変異は、ヒト癌では同定されておらず、他の哺乳動物におけるこれらのNOTCHレセプターの機能の異常な上昇がT−ALL(NOTCH−2およびNOTCH−3、非特許文献21;非特許文献22;非特許文献23)および乳癌(NOTCH−4、非特許文献24)を生じ得ることが知られている。ヒト腫瘍における新規な変異の同定は、癌の存在を同定するのを助けること、およびNOTCHシグナル伝達のインヒビターに応答する癌細胞を同定することにおいて診断上有用であるはずであり、それによってNOTCHシグナル伝達経路インヒビターによる直接的で合理的な癌処置を可能にする。
【特許文献1】米国特許第6,703,221号明細書
【非特許文献1】Brouら、Mol.Cell 5:207−216(2000)
【非特許文献2】Mummら、Mol Cell 5:197−206(2000)
【非特許文献3】Gupta−Rossiら、J.Cell Biol.166:73−83(2004)
【非特許文献4】De Strooperら、Nature 398:518−522(1999)
【非特許文献5】Ellisenら、Cell 66:649−661(1991)
【非特許文献6】Radtkeら、Immunity 10:547−558
【非特許文献7】Wolferら、Immunity 16:869−879(2002)
【非特許文献8】Randら、Mol.Cell.Biol.20:1825−1835
【非特許文献9】Logeatら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:8108−8112(1998)
【非特許文献10】Francisら、Dev.Cell 3:85−97(2002)
【非特許文献11】Kimberlyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 100:6382−6387(2003)
【非特許文献12】Wallbergら、Mol.Cell Biol.22:7812−7819(2002)
【非特許文献13】Fryerら、Genes Dev.16:1397−1411(2002)
【非特許文献14】Namら、J.Biol.Chem.278:21232−21239(2003)
【非特許文献15】Obergら、J.Biol.Chem.276:35847−35853(2001)
【非特許文献16】Asterら、Cold Spring Harb.Symp.Quant.Biol.59:125−136(1994)
【非特許文献17】Asterら、Mol.Cell Biol.20:7505−7515(2000)
【非特許文献18】Hoemannら、Mol.Cell.Biol.20:3831−3842(2000)
【非特許文献19】Feldmanら、Blood 96:1906−1913(2000)
【非特許文献20】Wengら、Mol.Cell Biol.23:655−664(2003)
【非特許文献21】Bellaviaら、Embo J.19:3337−3348(2000)
【非特許文献22】Rohn,J.Virol.70:8071−8080(1996)
【非特許文献23】Wengら、Mol.Cell.Biol.23:655−664)
【非特許文献24】CallahanおよびRafat,J.Mammary Gland Biol Neoplasia 6:23−36(2001)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、NOTCH−1レセプターの2つの特定の領域における変異が、レセプターのシグナル伝達の増強をもたらし、無制御の細胞増殖と関連するという、発見に基づく。第一の領域は、ヘテロ二量体化ドメイン内の領域であり、種間で高度に保存される多くのアミノ酸の存在によって特徴付けられる。そのアミノ酸(配列番号1の残基1571〜1622(配列識別番号について図1および図3を参照のこと))は、エキソン26によってコードされ、NOTCH−1タンパク質のNECサブユニット(すなわち、細胞外部分)内に見出される。無傷の(intact)NOTCH−1において、そのアミノ酸は、NTMサブユニット(すなわち、そのレセプターの膜貫通部分)に位置するエキソン27(アミノ酸1674〜1730)によってコードされるアミノ酸に非共有結合される。このHDドメインのこれらの「ホットスポット」(すなわち、NECサブユニットの1571〜1622およびNTMサブユニットの1674〜1730)における変異(特に、非保存的変異)は、NOTCH−1ヘテロ二量体を不安定化すると考えられる。これは、NECの分解、ならびに連続的なメタロプロテアーゼ切断、ユビキチン化(ubiquination)、エンドサイトーシス、およびγ−セクレターゼによる切断をもたらし、NOTCH−1の細胞内部分の核トランスロケーションおよび標的遺伝子の活性化を可能にする。
【0010】
無制御の細胞増殖をもたらす変異に関係する第二の領域は、PEST領域(アミノ酸2423〜アミノ酸2556)を含むNOTCH−1のC末端部分(アミノ酸2311〜2556)である。これらの変異は、レセプターが活性化後(すなわち、レセプターがγ−セクレターゼ切断に起因して放出された後)に細胞内で分解される速度を低下させるようである。結果として、NOTCH−1応答性遺伝子の転写は不適切に長期間継続し、再び、シグナル伝達の増強をもたらし、最終的に、無制御の増殖をもたらす。
【0011】
HDドメインおよびPESTドメインにおける変異がしばしば、T細胞急性リンパ芽球性白血病(T−ALL)を有する患者から得られる白血球細胞株および生物学的サンプル中に見出されることが発見されている。これらの細胞における無制御の増殖は、γ−セクレターゼインヒビターのようなNOTCHシグナル伝達を妨害する因子を用いて阻止され得る。全体的に、行われた実験は、無制御の増殖を維持するための異常なNOTCH活性に依存する癌細胞の群が存在し、NOTCH−1のHDドメインおよびPESTドメイン中の変異がγ−セクレターゼインヒビターもしくはNOTCH活性を低下させる他の因子に応答する可能性のある癌細胞を同定するために診断的に使用され得るという、結論を導いてきた。
【0012】
その第一の局面において、本発明は、HDドメインのホットスポット内の変異を除いて野生型NOTCH−1のアミノ酸配列(本明細書で配列番号1として示される)を有する実質的に精製された変異NOTCH−1レセプターに関する。これらの変異は、γ−セクレターゼによる切断に対する感受性が増大することによって、変異されていないNOTCH−1と比べて増大したレセプターのシグナル伝達がもたらされる。変異が生じる配列番号1の特定のホットスポット領域は、アミノ酸1571〜1622および/またはアミノ酸1674〜1730である。
【0013】
本明細書で使用される場合、用語「実質的に精製された(実質的に純粋な)」とは、そのレセプタータンパク質(またはそのタンパク質をコードするポリヌクレオチド)が天然で見出されるようなNOTCH−1に関連する生物学的成分から分離されていることを意味する。代表的に、実質的に純粋なタンパク質(またはポリヌクレオチド)は、サンプルの少なくとも85%を占め、より高い割合が好ましい。多くの手段が、タンパク質サンプルまたは核酸サンプルの純度を評価するために利用可能であり、電気泳動、クマトグラフィーおよび分析用遠心分離による分析が挙げられる。用語「変異されていないNOTCH−1」とは、配列番号1の配列を有するNOTCH−1レセプター、およびこの配列を有するレセプターをコードするポリヌクレオチドを指す。この用語はまた、これらの配列中の対立遺伝子改変体を包含し、この改変体は、通常は細胞中に見出されるが、異常なNOTCH−1シグナル伝達にも、異常な無制御の細胞増殖にも関連しない。
【0014】
変異がγ−セクレターゼのシグナル伝達の増強をもたらすかどうかを決定するために、本明細書の実施例の節で記載されるアッセイが使用され得る。最も好ましい方法は、NOTCH−1シグナル伝達に応答して刺激される調節エレメントの制御下にあるレポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼをコードするポリヌクレオチド)でトランスフェクトされた細胞の使用に関する。細胞がγ−セクレターゼに曝される際のレポーター遺伝子の活性化は容易に測定され得、NOTCH活性を反映し得る(例えば、Hsiehら、Mol.Cell.Biol.16:952−959(1996)を参照のこと)。
【0015】
種々の種からのHDアミノ酸配列の比較により、ホットスポットで高度に保存されるある一定の特定のアミノ酸位置の同定がなされている。これらの位置での変異(特に、非保存的変異)は、特に、NOTCH−1のNECサブユニットとNTMサブユニットとの間の相互作用を不安定化する可能性がある。用語「非保存的変異」とは、野生型アミノ酸が、異なる化学的特徴を有するアミノ酸で置換される変異を指す。非保存的置換の例としては、よく構成されたタンパク質ドメイン(すなわち、HDドメイン)内の他のアミノ酸に代わってプロリンにする置換、非塩基性アミノ酸に代わって塩基性アミノ酸にする置換、非酸性アミノ酸に代わって酸性アミノ酸にする置換、非極性アミノ酸に代わって極性アミノ酸にする置換などが挙げられる。保存的変異と非保存的変異との区別は、当業者に十分に認識されている。変異がNOTCH−1シグナル伝達の増強に関連するHDドメイン中の保存されたアミノ酸は、以下の位置:1571;1573;1575;1576;1578;1579;1583;1586;1588;1590;1593;1594;1595;1598;1600−1607;1610−1618;1674;1675;1677;1679−1684;1686;1695;1696;1703;1706;1715;1720;1725;および1728に見出される。これらのすべての位置は、配列番号1に関して同定される。
【0016】
本発明は、癌細胞の無制御の増殖に関連する特定の変異を包含する。HDドメインに関して、この変異は、アミノ酸1571〜1618が配列番号12〜配列番号22、配列番号102〜配列番号118または配列番号145からなる群より選択される配列で置換される場合に生じる。癌細胞の増殖に関連する他の変異としては、配列番号23〜配列番号29または配列番号119〜配列番号127からなる群より選択される配列による、アミノ酸1571〜1622の置換が挙げられる。同様に、アミノ酸1674からアミノ酸1730までの配列は、配列番号70〜配列番号75または配列番号128〜配列番号137からなる群より選択される配列で置換され得る。
【0017】
本発明者らはまた、NOTCH−1のC末端部分(すなわち、アミノ酸2311〜アミノ酸2556)において生じる配列番号1における変異が、細胞をγ−セクレターゼに曝すことに応答してNOTCH−1シグナル伝達の増強をもたらすことを見出した。これらのすべての変異は、未熟終止コドンまたは翻訳読み取り枠シフトの出現を引き起こし、したがって、PEST領域(アミノ酸2423〜2556)に対応する配列のうちのいくつかもしくはすべての欠失をもたらす。これらの変異は、レセプターが分解される速度の低下をもたらすと考えられる。具体的な変異としては、配列番号30〜配列番号59または配列番号139〜配列番号144からなる群より選択される配列による、配列番号1におけるアミノ酸2311〜2556に対応する部分の置換が挙げられる。
【0018】
HDドメインおよびPESTドメイン中の変異は、互いに独立して生じ得るか、または単一のNOTCH−1レセプターに存在し得る。例えば、実質的に精製された変異NOTCH−1レセプターは、配列番号1のアミノ酸配列を含み得るかまたはこのアミノ酸配列からなり得るが、ここで、
a)そのレセプターは、以下の変異:
i)上記配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸1571〜アミノ酸1618の部分が、配列番号12〜配列番号22、配列番号102〜配列番号118、または配列番号145からなる群より選択される配列で置換されている;
ii)上記配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸1571〜アミノ酸1622の部分が、配列番号23〜配列番号29、配列番号119〜配列番号127からなる群より選択される配列で置換されている;
iii)上記配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸1674〜アミノ酸1730の部分が、配列番号70〜配列番号75または配列番号128〜配列番号137からなる群より選択される配列で置換されている;
のうちの少なくとも1つを有し;
b)そしてさらに、そのレセプターは、配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸2311〜アミノ酸2556の部分が配列番号30〜配列番号59または配列番号138〜配列番号144からなる群より選択される配列で置換されるように、さらに変異されている。
【0019】
あるいは、実質的に精製された変異NOTCH−1レセプターは、配列番号1のアミノ酸配列を含み得るかまたはこのアミノ酸配列からなり得るが、ここで、
a)配列番号1のアミノ酸配列が、1571;1573;1575;1576;1578;1579;1583;1586;1588;1590;1593;1594;1595;1598;1600〜1607;1610〜1618;1674;1675;1677;1679−1684;1686;1695;1696;1703;1706;1715;1720;1725;および1728からなる群より選択される1以上のアミノ酸位置で変異されており;そして
b)配列番号1のアミノ酸配列が、このアミノ酸配列のアミノ酸2311〜アミノ酸2556の部分が配列番号30〜配列番号59からなる群より選択される配列で置換されるように、さらに変異されている。
変異がHDおよびPEST領域の両方に存在する場合、これは、γ−セクレターゼに応答したシグナル伝達が特に増強されるレセプターをもたらす。
【0020】
別の局面において、本発明は、上記の変異NOTCH−1レセプターのいずれかをコードするポリヌクレオチドを包含する。その変異レセプターをコードする核酸配列は、ベクターに取り込まれ得、そのベクターにおいてその核酸配列はプロモーターに作動可能に連結される。用語「作動可能に連結」とは、一定の様式で結合される遺伝要素を指し、この様式は、その遺伝要素がその正常な機能を果たすのを可能にする様式である。例えば、遺伝子は、その転写があるプロモーターの制御下にあり、最終的に、その遺伝子によって正常にコードされたタンパク質が生成される場合、そのプロモーターに作動可能に連結されている。本発明は、変異レセプターをコードするベクター、およびそのベクターで形質転換された宿主細胞を包含する。
【0021】
別の局面において、本発明は、上記の変異NOTCH−1レセプターのいずれかについて生物学的サンプルをアッセイすることによって、癌細胞の存在についてそのサンプルを診断的に試験する方法に関する。用語「生物学的サンプル」は、本明細書中で使用される場合、診断を行う際に医学の分野で一般に使用される様々な型のサンプルのすべてを包含する。したがって、この用語は、組織または流体、血液、血漿、血清、リンパ、尿などの生検サンプルを包含する。考察される癌の型に依存して、特定の型のサンプルが主に使用されるものになる。例えば、白血病について、血液、血漿または血清のサンプルが好まれる傾向にある。試験のために適切なサンプルの選択は、臨床医学において日常的である。
【0022】
また、NOTCH−1について記載される変異を含む領域と高レベルの同一性を有する領域を含むNOTCH−2レセプター、NOTCH−3レセプターおよびNOTCH−4レセプターに適用される同じ方法が包含される。NOTCH−1レセプター、NOTCH−2レセプター、NOTCH−3レセプターおよびNOTCH−4レセプターは、極めて高度に関連しており、種々の細胞型において非常に類似の機能もしくは同一の機能を果たす可能性があり、これらは、このレセプターファミリーの異なるメンバーが発現され、様々な組織および細胞型で優先的に用いられるという点で主に異なる。したがって、異なる組織で生じる癌は、NOTCH−1レセプター、NOTCH−2レセプター、NOTCH−3レセプターまたはNOTCH−4レセプターのいずれかに影響を及ぼす非常に類似の型の変異を獲得し得、これらの癌が生じる組織によってどのレセプターサブタイプが発現されるかに依存して、腫瘍細胞増殖を促進するという点で同一の結果を伴う。したがって、本出願において、他に示されない限り、用語「NOTCH」レセプターは、NOTCH−1レセプター、NOTCH−2レセプター、NOTCH−3レセプターおよびNOTCH−4レセプターの各々に対して集合的に適用される診断的適用を指すように使用される。
【0023】
変異レセプターの存在は、タンパク質に対するアッセイまたはタンパク質をコードする遺伝子に対するアッセイのいずれかによって検出され得る。遺伝子に対するアッセイに関して、好ましい試験方法は、変異NOTCHレセプターをコードする全長ポリヌクレオチド、またはこのポリヌクレオチドの一部のいずれかを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅することである。増幅反応のために使用され得るオリゴヌクレオチドプライマーは、実施例の節で記載されるが、当業者は、本明細書とともに含まれる配列情報および当該分野で公知の配列情報に基づいて他の適切なプライマーを容易に同定し得る。
【0024】
あるいは、遺伝子変異は、野生型核酸とではなく変異核酸とハイブリッドを形成することを可能にする条件下で、プローブを用いてハイブリダイゼーションを行うことによって検出され得る。そのアッセイおよびそのアッセイで使用されるオリゴヌクレオチドの両方が、本発明によって包含される。オリゴヌクレオチドは、少なくとも15塩基の長さであるべきであり、ハイブリダイゼーションアッセイは、ストリンジェントな条件下で行われるべきである。本明細書で使用される場合、用語「ストリンジェントな条件」とは、約60℃〜70℃で、低い塩濃度(例えば、0.02M〜0.15MのNaClに相当する濃度)で行われるハイブリダイゼーションを指す。
【0025】
変異タンパク質自体を検出するように設計されたアッセイは、変異されていないNOTCHレセプターに対する親和性よりも少なくとも100倍大きい親和性で変異NOTCHレセプターに結合する抗体を用いて行われ得る。これらの抗体は、事実上モノクローナルまたはポリクローナルのいずれでもよく、変異を含むNOTCHレセプターの領域に由来するペプチドで抗体産生動物を注射することによって作製され得る。この様式で作製され、変異レセプターに優先的に結合する抗体もまた、本発明の一部である。
【0026】
本発明はまた、細胞を、NOTCHレセプターのシグナル伝達を妨害する有効量の因子(例えば、γ−セクレターゼインヒビター)に曝すことによって、上記の変異レセプターを用いて細胞の増殖を遅延または停止させるための方法に関する。適切なインヒビターの例としては、III−31−C、N−[N−(3,5−ジフルオロフェンアセチル)−L−アラニル]S−フェニルグリシン t−ブチルエステル)(DAPT)、化合物E、D−らせん状ペプチド294、イソクマリン、BOC−Lys(Cbz)Ile−Leu−エポキシド、および(Z−LL)−ケトンが挙げられる(Kornilovaら、J.Biol.Chem.278:16479−16473(2003)を参照のこと)。用語「有効量」は、NOTCH−1活性を有意に低下させるのに十分なインヒビターまたは他の因子の濃度(例えば、活性を少なくとも20%低下させるのに十分な量)を示す。Notchレセプター活性を阻害する有効量の因子の存在はまた、臨床的に反映されるはずである。例えば、癌細胞の増殖速度が処置前に生じる増殖の速度と比べて顕著な程度(例えば、少なくとも20%)遅くされるはずである。
【0027】
γ−セクレターゼインヒビターは、治療剤として有効であることが見出されているが、NOTCH活性を阻害する他の因子もまた使用され得る。本明細書に記載される変異は、数種の効果を生じるはずであり、i)メタロプロテアーゼ切断の増強;ii)モノユビキチン化(E3リガーゼによって行われる酵素段階)の増大;iii)エンドサイトーシスの増大;iv)γ−セクレターゼ切断の増強(すでに議論されるとおり);v)核トランスロケーションの増大;およびvi)核NOTCH転写活性化複合体の形成の増大が挙げられる。これらの工程のいずれかで作用する薬物は、癌細胞の増殖を停止させるはずである。ある因子(核複合体(mastermind様−1と呼ばれるタンパク質のドミナントネガティブ形態)のインヒビター)が、以前に記載されており、4つすべてのNOTCHレセプターサブタイプを阻害する(Wengら、Mol Cell Biol 23:655−664(2003))。
【0028】
また、変異されたNOTCHレセプターの存在によって誘導される異常な細胞増殖を試験化合物が阻害する能力について、その試験化合物をアッセイする方法が、本発明によっ
て包含される。この方法は、試験化合物を、上記の変異NOTCH−1レセプターのうちのいずれかを発現する細胞とともにインキュベートする工程を包含する。そのような細胞は、生物学的サンプルから単離されるか、またはその変異レセプターをコードする発現ベクターで細胞をトランスフェクトすることによって作製されるかのいずれであってもよい。インキュベーションは、γ−セクレターゼの存在下で行われ、そして生じるNOTCHレセプター活性の量が決定される。レセプター活性を測定するための任意の方法が使用され得るが、Hsiehら(Mol.Cell.Biol.16:952−959(1996))に記載されるルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイが好ましい。次いで、得られた結果が、本質的に同じ条件であるが試験化合物の非存在下で行われたアッセイからの結果と比較される。試験化合物によって生じる活性の低下は、それがNOTCHレセプターインヒビターであり、そのレセプターを発現する細胞の増殖を制限するのに有用であり得ることを示唆する。これは、増加する濃度の試験化合物の存在下と非存在下とでそのような細胞の増殖を比較することによって直接確認され得る。
【0029】
試験化合物がNOTCHレセプター活性を阻害する能力を評価するように設計されたアッセイにおいて価値があることに加えて、変異NOTCHレセプターをコードするポリヌクレオチドは、上で議論されるハイブリダイゼーションアッセイで使用され得るプローブの供給源として、および診断アッセイにおけるコントロールとして、役割を果たし得る。変異レセプタータンパク質は、NOTCHの変異形態に特異的な抗体を生成するために使用され得、そしてサンプル中に存在するNOTCHレセプターの量を定量するかまたはレセプターの正常形態と変異形態とを区別するかのいずれかのために設計された免疫アッセイにおいて、コントロールとしての役割を果たし得る。変異タンパク質およびその変異タンパク質をコードするポリヌクレオチドの両方が、分化およびアポトーシスのような生物学的プロセスを研究する研究者にとって興味深いものでもあるはずである。
【0030】
上で議論されるように、本発明は、変異NOTCH−1レセプターをコードする単離された核酸分子を包含する。そのような核酸分子は、
以下:
a)本明細書に記載される変異アミノ酸配列のいずれかを含む変異NOTCH−1レセプターをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、変異アミノ酸をコードするコドンを除いてそのヌクレオチド配列が配列番号76のヌクレオチド配列である、ヌクレオチド配列;
b)本明細書に記載されるアミノ酸配列のいずれかを有する変異NOTCH−1レセプターをコードするヌクレオチド配列;
c)(a)または(b)の配列をコードする変異NOTCH−1と縮重するヌクレオチド配列
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含み得る。
【0031】
別の局面において、本発明は、本明細書に記載されるような1以上の変異NOTCH−1レセプターのいずれかの存在について生物学的サンプルをアッセイすることによって、そのサンプルの発癌の潜在能力を決定する方法を包含する。変異レセプターの存在は、そのような変異NOTCH−1レセプターが存在しないサンプルと比べて増大された発癌の潜在能力を示す。
【0032】
さらに、本発明は、変異NOTCH−1レセプターの異常な発現によって特徴付けられる状態を緩和するように設計された治療レジメンの進行を追跡するための方法を包含し、この方法は、
a)被験体に由来するサンプルをアッセイして、第一の時点での変異NOTCH−1レセプター(または変異NOTCH−1レセプターをコードする核酸)のレベルを決定する工程;
b)第二の時点で同じレセプター(または核酸)のレベルをアッセイする工程;および
c)第二の時点でのレベルを第一の時点で決定されたレベルと比較する工程
を包含する。変異タンパク質または変異核酸のレベルが低下することは、治療が効いていることの指標である。レベルが上昇することは、治療が効いていないことの指標である。
【0033】
本発明はまた、NOTCH−1シグナル伝達の機能不全によって特徴付けられる病理学的障害の後退、進行または発症を決定するための方法を包含する。この方法は、その障害を有するかもしくはその障害を有すると疑われる患者から得られたサンプルを、本明細書に記載されるような1以上の変異NOTCH−1レセプターをコードするヌクレオチド配列と実質的に相同であるヌクレオチド配列を有する相補的核酸ハイブリダイゼーションプローブとともにインキュベートする工程を包含する。プローブは、一般的に、配列番号1に示されるような正常形態と相互作用せず、レセプターの変異形態をコードする核酸と相互作用するように設計されるべきである。プローブとサンプル中に存在し得る任意の相補mRNA(complimentary mRNA)との間の結合は、上記患者における病理学的障害の後退、進行または発症を示すように使用される。あるいは、アッセイは、レセプターの変異形態に特異的な抗体(好ましくは、モノクローナル抗体)を用いて行われ得る。変異レセプターレベルまたは変異レセプターをコードする核酸のレベルが上昇するにつれて、その障害が存在するかまたは進行している可能性もまた高まる。変異レセプターまたは核酸のレベルが低下することまたは無いことは、障害の後退または不在の指標である。
・本出願はさらに、以下を提供し得る:
・(項目1)
実質的に精製された変異NOTCH−1レセプターであって、当該変異NOTCH−1レセプターは、
配列番号1のアミノ酸配列を含み、
ただし、当該アミノ酸配列は、アミノ酸1571〜1622および/または1674〜1730および/またはアミノ酸2311〜アミノ酸2556に1以上の変異を有し、その結果、当該変異NOTCH−1レセプターは、γ−セクレターゼとのインキュベーションに応じて、変異していないNOTCH−1と比べて増強したシグナル伝達を示す、
実質的に精製された変異NOTCH−1レセプター。
・(項目2)
上記1以上の変異を除いて、上記変異レセプターが、配列番号1のアミノ酸配列からなる、項目1に記載の実質的に精製された変異レセプター。
・(項目3)
項目1に記載の実質的に精製された変異NOTCH−1レセプターであって、ここで、上記1以上の変異が、以下:
a)配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸1571〜アミノ酸1618の部分が、配列番号12〜配列番号22、配列番号102〜配列番号118、および配列番号145からなる群より選択される配列で置換されている;
b)配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸1571〜アミノ酸1622の部分が、配列番号23〜配列番号29、または配列番号119〜配列番号127からなる群より選択される配列で置換されている;
c)配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸1674〜アミノ酸1730の部分が、配列番号70〜配列番号75または配列番号128〜配列番号137からなる群より選択される配列で置換されている;
d)配列番号1のアミノ酸配列のアミノ酸2311〜アミノ酸2556の部分が、配列番号30〜配列番号59または配列番号138〜配列番号144からなる群より選択される配列で置換されている;
のうちの1以上を含む、実質的に精製された変異NOTCH−1レセプター。
・(項目4)
上記1以上の変異を除いて、上記変異レセプターが、配列番号1のアミノ酸配列からなる、項目2に記載の実質的に精製された変異レセプター。
・(項目5)
上記配列が、1571;1573;1575;1576;1578;1579;1583;1586;1588;1590;1593;1594;1595;1598;1600〜1607;1610〜1618;1674;1675;1677;1679〜1684;1686;1695;1696;1703;1706;1715;1720;1725;および1728からなる群より選択される1以上のアミノ酸位置で変異されている、項目1に記載の実質的に精製された変異NOTCH−1レセプター。
・(項目6)
上記1以上の変異されたアミノ酸を除いて、上記レセプターが、配列番号1のアミノ酸配列からなる、項目5に記載の実質的に精製されたレセプター。
・(項目7)
項目1に記載の変異NOTCH−1レセプターをコードするヌクレオチド配列を含む、実質的に精製されたポリヌクレオチド。
・(項目8)
上記ポリヌクレオチドが、項目1に記載の変異レセプターをコードするヌクレオチド配列からなる、項目7に記載の実質的に精製されたポリヌクレオチド。
・(項目9)
実質的に精製されたポリヌクレオチドであって、当該ポリヌクレオチドは、長さが少なくとも15ヌクレオチドであり、ストリンジェントな条件下で項目8に記載のポリヌクレオチドにハイブリダイズするが、変異されていないNOTCH−1をコードするポ
リヌクレオチドに同じ条件下でハイブリダイズしない、実質的に精製されたポリヌクレオチド。
・(項目10)
項目1に記載の変異NOTCH−1レセプターをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む、ベクター。
・(項目11)
項目10に記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
・(項目12)
項目1に記載の変異NOTCH−1レセプターに、配列番号1の変異されていないNOTCH−1レセプターに対する親和性よりも少なくとも100倍大きい親和性で結合する、抗体。
・(項目13)
癌細胞の存在について生物学的サンプルを診断的に試験する方法であって、
項目1に記載の変異NOTCH−1レセプターについて当該生物学的サンプルをアッセイする工程
を包含する、方法。
・(項目14)
癌細胞の存在について生物学的サンプルを診断的に試験する方法であって、項目7に記載のポリヌクレオチドを発現する細胞について当該生物学的サンプルをアッセイする工程を包含する、方法。
・(項目15)
癌細胞の存在について生物学的サンプルを診断的に試験する方法であって、
項目8に記載のポリヌクレオチドを発現する細胞について当該生物学的サンプルをアッセイする工程
を包含する、方法。
・(項目16)
上記方法が、上記変異NOTCH−1レセプターをコードする全長ポリヌクレオチド、または当該変異NOTCH−1レセプターをコードするポリヌクレオチドの一部のいずれかをPCR増幅することによって行われる、項目15に記載の方法。
・(項目17)
項目1に記載の変異NOTCH−1レセプターを有すると同定された細胞の増殖を遅延させるかまたは停止させる方法であって、
当該細胞を有効量のγ−セクレターゼインヒビターと接触させる工程
を包含する、方法。
・(項目18)
癌について患者を処置する方法であって、
a)当該患者由来の生物学的サンプルを、項目1に記載の変異NOTCH−1レセプターを有する癌細胞の存在についてアッセイする工程;
b)当該生物学的サンプルが当該変異NOTCH−1レセプターを有すると見出された場合、当該患者をNOTCH−1レセプターのシグナル伝達を阻害する因子の有効量で処置する工程
を包含する、方法。
・(項目19)
上記癌がT細胞急性リンパ芽球性白血病である、項目18に記載の方法。
・(項目20)
上記因子がγ−セクレターゼインヒビターである、項目18に記載の方法。
・(項目21)
試験化合物を、変異したNOTCH−1レセプターの存在によって誘導される異常な細胞増殖をその試験化合物が阻害する能力についてアッセイする方法であって、
a)当該試験化合物を、項目1に記載の変異NOTCH−1レセプターを発現する細胞とインキュベートする工程であって、当該インキュベーションがγ−セクレターゼの存在下で行われる、工程;
b)工程a)のインキュベーションの結果として生じるレセプター活性の量を、当該試験化合物の非存在下で行われた同様のインキュベーションで生じる活性の量と比較する工程
;および
c)当該試験化合物の存在下で観察された活性の量が当該試験化合物の非存在下で観察された活性の量よりも小さい場合、当該試験化合物が変異NOTCH−1レセプターを発現する細胞の増殖を阻害するはずであると結論付ける工程
を包含する、方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
(発明の詳細な説明)
本発明は、レセプターのシグナル伝達の増強をもたらすヒトNOTCH−1レセプターにおける変異の同定に関する。これらの変異は、γ−セクレターゼインヒビターのようなNOTCH−1活性化を妨害する因子による処置にポジティブに応答する癌細胞に関連し、NOTCH−1タンパク質の2つの特定の領域(HDドメインおよびPESTドメイン)内に位置する。NOTCH−2レセプターサブタイプ、NOTCH−3レセプターサブタイプおよびNOTCH−4レセプターサブタイプの対応する領域における類似の変異もまた、シグナル伝達の増強および異常な増殖をもたらすはずであることが予期される。
【0035】
NOTCH−1変異の存在を検出するように設計されるアッセイ(例えば、PCR増幅に基づくアッセイ)は、異常なNOTCH−1レセプターのシグナル伝達が生じており、結果として無制御の増殖を示す可能性が高い細胞を含む組織サンプルを同定するために、診断的に使用され得る。この特定の異常性によって特徴付けられる癌は、γ−セクレターゼインヒビターのようなNOTCH−1シグナル伝達を軽減する因子による処置を受け入れやすいはずである。本明細書に記載されるかまたは当該分野で(例えば、アルツハイマー病の処置における潜在的な用途に関連して)記載されているインヒビターのいずれもが、処置レジメンで使用され得る。診断アッセイおよび治療方法は、T−ALLに加えて他の型の癌に適用され得る。そのような癌としては、乳癌、前立腺癌、肺癌、膵臓癌、卵巣癌、結腸癌、膀胱癌、腎臓癌および胃腸(GI)管癌、B細胞白血病、B細胞リンパ腫およびT細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、黒色腫、神経芽細胞腫、髄芽腫、多形性膠芽腫および脳の他のグリア癌、ならびに中皮腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
(I.変異NOTCH−1レセプターをコードするポリヌクレオチドの生成)
ヒトNOTCH−1の全長アミノ酸配列が図1に示され、配列識別番号の配列番号1を付与されている。これは、レセプターの正常な変異していない形態である。癌患者または癌細胞株に由来するサンプルに伴っていたHDドメインおよびPESTドメインにおける変異は、図3に示される。HDドメインのホットスポット中の特定の位置が異なる種間で高度に保存され(図3Aを参照のこと)、γ−セクレターゼにより引き起こされる活性の増大をもたらす変異に対して特に感受性であることが留意されるべきである。
【0037】
多くの方法が、本明細書で示される変異された配列を有するNOTCH−1レセプターをコードするポリヌクレオチドを生成するために利用可能である(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Press(1989)を参照のこと)。例えば、変異NOTCH遺伝子を発現する細胞から単離されたmRNAを逆転写することによって調製されるcDNAライブラリーは、図1に示される配列に基づいて合成されたプローブを用いてスクリーニングされ得る。あるいは、所望の配列は、逆転写されたRNAを増幅するPCRによって得られ得る。PCR用のプライマーは本明細書で示される配列を用いて構築され得、増幅に適していることが見出されている特定のオリゴヌクレオチドが実施例の節に記載される。正確な配列が増幅されたことの確認および特定の変異の存在の同定は、増幅産物を配列決定することによって得られ得る。
【0038】
あるいは、核酸は、当該分野で周知の標準的な化学的合成方法を用いて生成され得る。一旦得られると、そのポリヌクレオチドは、レポータータンパク質を作製するための組換え方法で使用され得るか、潜在的な治療因子をスクリーニングする目的で細胞で発現され得るか、または診断アッセイでコントロールとして使用され得る。
【0039】
(II.変異レセプタータンパク質の生成)
NOTCH−1レセプタータンパク質は、化学的方法用いて合成され得るか、または上記のポリヌクレオチドを用いて生成され得る。後者の場合、変異レセプターをコードするDNA配列は、適切な宿主によって認識可能な転写シグナルおよび翻訳シグナルを含むベクター中に配置され得る。二本鎖形態のクローン化レセプター配列が、作動可能に結合されて発現ベクターに挿入される。レセプターをクローニングし発現させるために適切なベクターおよび技術は、分子生物学の分野で周知である。
【0040】
発現ベクターは、リン酸カルシウム沈殿、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションまたはウイルス移入のような方法によって、宿主細胞(好ましくは、哺乳類宿主細胞)に導入され得る。組換え変異レセプターを発現する細胞は、標準的な十分に確立された方法を用いて選択され得る。細胞中の変異レセプター核酸の存在を確認するための1つの単純な方法は、レセプターをコードするヌクレオチド配列に隣接することが公知のプライマーを用いるPCR増幅を行うことである。レセプターの存在はまた、NOTCH−1の機能アッセイ(例えば、実施例の節および当該分野で記載されるルシフェラーゼアッセイ(Hsiehら、Mol.Cell.Biol.16:952−959(1996)を参照のこと))を用いて確認され得る。一旦組換え変異NOTCH−1レセプターを生成する細胞が同定されると、その細胞は、例えば、γ−セクレターゼとのインキュベーションによってシグナル伝達を軽減し得る因子を同定するように設計されるアッセイ、またはNOTCH−1インヒビターが無制御の細胞増殖を阻止する能力を測定するアッセイで、使用され得る。NOTCH−1レセプターそれ自体は、診断アッセイで、またはそのようなアッセイで使用され得る変異レセプターに特異的な抗体を生成するために、使用され得る。
【0041】
(III.変異NOTCHレセプターに対する抗体)
本発明は、NOTCHレセプターの変異形態に特異的に結合する抗体、およびそのような抗体を生成するためのプロセスを包含する。「変異NOTCHレセプターに特異的に結合」する抗体は、そのレセプターの変異されていない形態に対する親和性よりもその変異形態に対して少なくとも100倍高い親和性を有する抗体と定義される。そのような抗体を生成するためのプロセスは、全長変異レセプタータンパク質(または、好ましくは、変異が生じる領域を含む短いペプチド)を適切な動物に注射することを包含し得る。そのペプチドは、少なくとも5アミノ酸の長さであるべきであり、個々にかまたは組み合わせてかのいずれで注入されてもよい。
【0042】
抗体を作製および選択するための方法は、標準的な参考資料(例えば、Harlowら、Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,N.Y.(1988);Klein,Immunology:The Science of Self−Nonself Discrimination(1982); ;Kennettら、Monoclonal
Antibodies and Hybridomas:A New Dimension in Biological Analyses(1980); およびCampbell,“Monoclonal Antibody Technology”,Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology(1984))によって証明されるように、当業者に周知である。
【0043】
用語「抗体」は、本明細書中で使用される場合、無傷の分子、および抗原に結合する能力を保持するフラグメント(例えば、FabフラグメントおよびF(ab’)フラグメント)を包含することが意味される。用語「抗体」はまた、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の両方を指すと定義される。ポリクローナル抗体は、適切な抗原で免疫された動物の血清に由来する。モノクローナル抗体は、参考文献(例えばHammerlingら、Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas,Elsevier,N.Y.,pp.563−681(1981))によって教示されるようなハイブリドーマ技術を用いて調製され得る。一般に、この技術は、免疫応答性動物(代表的には、マウス)を無傷のタンパク質またはそれに由来するフラグメントのいずれかを用いて免疫することを含む。次いで、その免疫された動物から脾細胞が抽出され、適切な骨髄腫細胞(例えば、SPO細胞)と融合される。その後、得られたハイブリドーマ細胞が、HAT培地に選択的に維持され、次いで、限界希釈によってクローニングされる(Wandsら、Gastroenterology 80:225−232(1981))。次いで、そのような選択を通して得られた細胞は、NOTCH−1の変異形態または他のNOTCHレセプターの変異形態に優先的に結合する抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイされ得る。
【0044】
本発明の抗体または抗体のフラグメントは、種々の免疫アッセイを用いて変異NOTCHレセプタータンパク質の存在を検出するために使用され得る。例えば、抗体は、ラジオイムノアッセイまたは免疫測定(immunometric)アッセイ(「ツーサイト(two site)」アッセイまたは「サンドイッチ」アッセイとしても公知)で使用され得る(Chard,“An Introduction to Radioimmune Assay and Related Techniques”,Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology,North Holland Publishing Co.,N.Y.(1978)を参照のこと)。典型的な免疫測定アッセイにおいて、一定の量の非標識抗体が、試験される流体(例えば、血液、リンパ、細胞抽出物など)に不溶性の固体支持体に結合される。固定された抗体に対する抗原の最初の結合の後、一定量の検出可能に標識された第二の抗体(これは第一の抗体と同じであっても同じでなくてもよい)が添加されて、結合した抗原の検出および/または定量を可能にする(例えば、Kirkhamら、Radioimmune Assay Methods,pp.199−206(1970)を参照のこと)。これらのアッセイの型の多くのバリエーションが当該分野で公知であり、変異NOTCHレセプターの検出のために使用され得る。
【0045】
変異NOTCHレセプターに対する抗体もまた、無傷のレセプターまたはこれらのレセプターのフラグメントのいずれかの精製において使用され得る(一般に、Deanら、A
ffinity Chromatograph,A Practical Approach,IRLP Press(1986)を参照のこと)。代表的に、抗体は、クロマトグラフィーのマトリックス(例えば、Sepharose4B)上に固定される。次い
で、マトリックスはカラムに充填され、変異レセプターを含む調製物が、結合を促進する条件下(例えば、塩が少ない条件下)でカラムに通される。次いで、カラムは洗浄され、結合したレセプターが、抗体からの解離を促進する緩衝液(例えば、pHまたは塩濃度が変化された緩衝液)を用いて溶出される。溶出したレセプタータンパク質は、例えば、透析によって選択した緩衝液に移され得、そして保管され得るかまたは直接使用され得る。好ましいレセプターは、上記のイムノアッセイで、またはアッセイで使用するための抗体の生成のために、使用され得る。
【0046】
(IV.アッセイ方法)
生物学的サンプルが、本明細書で記載される変異が無制御の増殖をもたらす癌細胞を含むかどうかを決定するための診断アッセイは、タンパク質を分析するための上記のイムノアッセイを用いて、または、好ましくは、レセプターの変異形態をコードする核酸配列の存在についてサンプルをアッセイすることによって、のいずれかで行われ得る。核酸分析のために好ましい方法は、当該分野で周知の方法を用いて細胞から抽出されたポリ核酸をPCR増幅することによる。増幅は、以下の実施例の節に記載されるオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、または配列番号1として示されるNOTCH−1の配列に基づく他のオリゴヌクレオチドを用いて行われ得る。次いで、増幅されたNOTCHレセプター生成物は配列決定され得て、その生成物がシグナル伝達の増強をもたらす変異を有するかどうかが決定され得る。
【0047】
あるいは、ハイブリダイゼーションは、変異配列にのみ結合するプローブを用いて、ストリンジェントな条件で行われ得る。このプローブは、長さが最低限15ヌクレオチドであるべきであり、NOTCH−1の変異された領域をコードするポリヌクレオチド配列部分を含まなければならない。ストリンジェントな条件は、代表的に、60℃〜70℃の温度で、低い塩濃度(0.02M〜0.15M NaCl)でのハイブリダイゼーションを含む。プローブを同定し標識するため、およびハイブリダイゼーションを行い結果を分析するための手順は、分子生物学の分野で周知である。
【0048】
組換え変異NOTCHレセプターをコードするベクターで形質転換された宿主細胞もまた、レセプターによる不適切なシグナル伝達を減少する試験化合物を同定するように設計されるアッセイで使用され得る。このアッセイは、代表的に、γ−セクレターゼおよび試験化合物の存在下で細胞をインキュベートすることを含む。次いで、NOTCHレセプターのシグナル伝達が、アッセイ(例えば、本明細書に記載されるようなアッセイ)を用いて、または当該分野で公知の他のアッセイ(また、Hsiehら、Mol.Cell.Biol.16:952−959(1996)を参照のこと)を用いて定量され得る。簡便な代替法として、無制御の増殖をもたらすNOTCH−1の変異形態を発現することが公知の細胞が、γ−セクレターゼおよび試験化合物の存在下および非存在下で培養されて、その化合物が増殖を防止し得る程度が決定され得る。
【0049】
(V.処置方法)
γ−セクレターゼインヒビターは、アルツハイマー病に対する処置としてのその潜在的な用途に関心のある製薬会社によって開発されている。これらの同様のインヒビターが、無制御の増殖が本明細書に記載されるNOTCHレセプター変異に関連する場合において、癌細胞を処置するために使用され得る。
【0050】
治療レジメンは、患者から除去された癌細胞を含む生物学的サンプルを第一に試験してNOTCHレセプターの変異形態が存在するかどうかを決定することを含む。次いで、そのサンプルが変異の存在を証明する患者は、γ−セクレターゼインヒビターを用いてか、またはNOTCHレセプター活性を妨害する別の因子を用いて処置される。投与される投薬量は、処置される特定の状態、投与経路および臨床的考慮事項に依存し、これらは当該分野で周知である。投薬量は、有益な効果(例えば、腫瘍増殖の遅延)が検出されるまで、徐々に増加され得る。因子は、単一または複数のいずれかの投薬レジメンで提供され得、単独でまたは他の治療因子と組み合わせて与えられ得る。
【0051】
変異NOTCHレセプターに関連する癌の処置は、任意の投与経路および投薬形態に適合し得る。処置される特定の状態に依存して、特定の投薬形態が他の形態よりもより簡便であるかまたは有効である傾向がある。例えば、局所投与は、皮膚癌の処置において好ましくあり得るが、白血病に対しては非経口投与が好ましい可能性がある。非経口用調製物および局所用調製物は別として、因子は、口腔(orally)投与、経口(perorally)投与、内部(internally)投与、鼻腔内投与、直腸投与、経膣投与、舌側(lingually)投与および経皮投与され得る。特定の投与形態としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、エアロゾル、坐剤、皮膚用パッチ、非経口剤(parenteral)、経口液体(懸濁剤、液剤および乳剤を含む)が挙げられる。徐放性投薬形態もまた、使用され得る。すべての投薬形態は、当該分野において標準的である方法を用いて調製され得る(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版,Easton,PA(1980)を参照のこと)。
【実施例】
【0052】
本実施例は、ヒトT細胞急性リンパ芽球性白血病(T−ALL)(すべての主要な分子発癌性サブタイプに由来する腫瘍ならびに小児および成人に発生している腫瘍を含む)の約65%が、NOTCH−1変異を有することを示唆する結果を提供する。これらの変異のほとんどが、細胞外ヘテロ二量体化ドメインをコードする領域で、C末端PEST破壊ボックスを除去する切断として生じる。これらの変異は、NOTCH−1シグナル伝達の増強を引き起こし、そのような変異を有するT−ALL細胞株は、NOTCH−1経路インヒビターによって増殖が阻止される。
【0053】
(緒言)
T細胞急性リンパ芽球性白血病(T−ALL)は、小児および青年が優先的に罹患する侵攻性の(aggressive)新生物である。これは、一般に、獲得された染色体転座および他の遺伝的異常もしくは後成的異常に関連し、これは、転写因子の選択群(ヘリックス−ループ−ヘリックスタンパク質TAL1、TAL2、LYL1、およびBHLHB1、オーファンホメオボックスタンパク質HOX11およびHOX11L2、ならびに融合タンパク質MLL−ENLおよびCALM−AF10を含む)の異常な発現をもたらす。これらのタンパク質の誤発現(単独または組み合わせ)は、T細胞の発生、増殖および生存の正常な経路を混乱させ、独特な遺伝子発現プロフィールを有するT−ALLのサブグループを規定する。それにもかかわらず、マウスモデルにおいてこれらのタンパク質のいずれか1つの発現が単独で増強されても、T−ALLを引き起こすには十分ではなく、この疾患に関する多段階の分子病原論が重視される。
【0054】
(材料および方法)
(細胞株)
すべてのT−ALL細胞株を、10%ウシ胎仔血清(Hyclone)、1mM ピルビン酸ナトリウム、2mM L−グルタミン、100U/ml ペニシリンGおよび100μ/ml ストレプトマイシンを補充したRPMI(Invitrogen)中で、5%CO下で37℃にて培養した。U2OS細胞を、10% ウシ胎仔血清(Hyclone)、2mM L−グルタミン、100U/ml ペニシリンGおよび100μ/ml ストレプトマイシンを補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で、5%CO下で37℃にて増殖させた。
【0055】
(細胞株のγ−レダクターゼインヒビター処置)
γ−レダクターゼ活性を、増殖細胞に1μ/Mの最終濃度で化合物Eを添加することによって阻害した。モック(Mock)処理した培養物をビヒクルのみ(最終濃度0.01%のDMSO)に曝露した。以下のヒトT−ALL細胞株を、化合物Eに対する感受性について試験した:T−ALL−1、ALL−SIL、KOPT−K1、HPB−ALL、DND−41、CCRF−HSB2、RPMI8402、THP−6、BE−13、JM−Jurkat、Jurkat−E6、REX、CEM、LOUCY、DU−528、KE−37、SKW−3、MKB−1、MOLT−3、MOLT−4、MOLT−13、MOLT−15、MOLT−16、SUPT−7、SUPT−11、SUPT−13、P12−Ichikawa、KARPAS−45、DSMZ−PEERおよびPF−382。マウス細胞株T−6E(これは、活性化のためにγ−セクレターゼ切断を必要とする短縮型の膜係留形態NOTCH−1で誘導したT−ALLに由来した)をポジティブコントロールとして使用した。
【0056】
(レトロウイルス)
レトロウイルス発現プラスミド(MSCV−GFP−ICN1およびMSCV−ドミナントネガティブMastermind様−1−GFP)の構築、高力価の偽型(pseudotyped)両種向性(amphotropic)複製欠損型レトロウイルスの生成、およびスピノキュレーション(spinoculation)手順を、以前に記載されるように行った(Wengら、Mol.Cell Biol.23:655−664)。
【0057】
(細胞周期分析)
細胞を、70%冷エタノール中で一晩固定した後、ヨウ化プロピジウムで染色したか、またはGFP蛍光およびDNA含量測定を同時に測定する場合は、(製造業者によって示されるようま)完全培地中でDRAQ5(Biostatus,Leicester,UK)で染色した。DNA含量をフローサイトメトリーによって確認し、細胞周期因子をマルチサイクルソフトウェア(Phoenix Flow Systems,San Diego)を用いて決定した。
【0058】
(NOTCH−1発現プラスミド)
pcDNA3中のNOTCH−1発現プラスミドは以前に記載されている。一般的なPEST欠失を作製するために、T−ALL細胞株ALL−SILのPESTドメイン中の挿入変異をPCRによって増幅し、配列決定によって同定し、次いで、pcDNA3−NOTCH−1にサブクローニングした。HDドメインの部位特異的変異誘発を、QuikChangeキット(Stratagene)を用いて行った。変異PCRプライマーを、Stratageneウェブツールを用いて設計した。
【0059】
(レセプター遺伝子アッセイ)
NOTCH−1発現プラスミド(pcDNA3)を、Lipofectamine Plus(Invitrogen)を用いて、以前に記載されるように(Asterら、Mol.Cell Biol.20:7505−7515(2000))、(i)CSL結合部位を含むプロモーターの制御下にある人工的ルシフェラーゼレポーター遺伝子および(ii)内部Renillaルシフェラーゼ制御遺伝子とともにU2OSで、一過性トランスフェクトした。必要に応じて空のベクターを添加することによって、全DNAを定常に保った。すべてのトランスフェクションは三連で行い、各実験を少なくとも3回繰り返した。トランスフェクションの44〜48時間後に細胞溶解物を収集し、ルシフェラーゼアッセイを、製造業者の提案どおりにTurner Systems照度計でDual Luciferase Assay System(Promega)を用いて行った。
【0060】
(NOTCH−1 cDNAのPCR増幅)
T−ALL細胞株から単離したRNA(1)μ/gを、製造業者の提案した条件のように、オリゴ−dTプライミングおよびSuperscript逆転写酵素(Invitrogen)を用いて20μl反応物中でcDNAに逆転写した。PCR増幅を、50μlの反応体積で、テンプレートとして1μlのcDNA、20pMolの5’-TTTGAATTCGGGCTGGACTGTGCGGAGCATGTACCCGA(配列番号78)NOTCH−1−特異的プライマーおよび5’−TTTGGATCCTCCGGAATGCGGGCGATCTGGGACTGCA(配列番号79)NOTCH−1−特異的プライマー、0.25μlのEx−Taq(Takara,Japan)、1×反応緩衝液、1×dNTPならびに7.5% DMSOを用いて行った。サイクルパラメータは、94℃で3分間;94℃で1分間、60℃で30秒間、72℃で2分間を30サイクル;および72℃で8分間、であった。PCR産物を、Qiagenカラムで精製し、Bam HIおよびEco RIで消化し、pSP72に連結し、DH5α細胞を形質転換するために使用した。個々のコロニーからのミニプレップDNAを、T7プライマーおよびSP6プライマーを用いて配列決定した。
【0061】
(患者の材料)
St.Jude Children’s Research HospitalおよびDana Farber Cancer Instituteで処置されたT−ALLを有する96例の小児および若年成人に由来する冷凍保存されたリンパ芽球のサンプルを、診断時にインフォームドコンセントを行って入手した。各サンプルからのゲノムDNAを、市販のキット(GENTRA)で製造業者の指示に従って抽出した。RNAを、RNA水性試薬(Ambion)を用いて製造業者の指示に従って、冷凍保存されたリンパ芽球から調製した。
【0062】
(定量的RT−PCR)
HOX11、HOX11L2、TAL1、LYL1、TAL2およびBHLHB1の定量的RT−PCR分析を、ABI PRISM 7700 Sequence Detection System機器(Perkin Elmer Applied Biosystems)を用いて、以前に記載されるように(Ferrandoら、Cancer
Cell 1:75−87;Ferrandoら、Lancet 363:535−536)行った。MLL−ENL融合転写物およびCALM−AF10融合転写物のRT−PCRベースの検出もまた、以前に記載されるように(Ferrandoら、Lancet 363:535−536;Asnafiら、Blood 102:1000−1006)行った。
【0063】
(ゲノムDNA調製)
ゲノムDNAを、製造業者の指示に従って、市販のキット(GENTRA)での抽出によって原発性(primary)T−ALLから調製した。DNAを、SDS溶解/プロテイナーゼK消化、その後のフェノール:クロロホルム抽出およびエタノール沈殿によって、細胞株から調製した。DNAをTE緩衝液に再懸濁し、分光光度的に定量し、−20℃で保管した。
【0064】
(変異検出)
NOTCH−1のエキソン26、エキソン27およびエキソン34における変異検出を、PCRベースの変性HPLCによって、DNASep HTカートリッジを備えるWAVE DNAフラグメント分析システム(Transgenomic)を用いて行った。変異分析用のアンプリコンを、以下のプライマーの組み合わせを用いて調製した。エキソン26でコードされるNOTCH−1のHDドメインのN末端領域を、2つのアンプリコンに分割した。アンプリコンHD−N1を、プライマーHD−N1FW1:5’−AGCCCCCTGTACGACCAGTA(配列番号80)、HD−N1RV1:5’−CTTGCGCAGCTCCTCCTC(配列番号81)を用いるPCRによって、そしてプライマーHD−N1FW2:5’−GACCAGTACTGCAAGGACCA(配列番号82)、HD−N1RV2:5’−TCCTCGCGGCCGTAGTAG(配列番号83)を用いるネスト化PCRによって増幅した。アンプリコンHD2を、プライマーHD−N2FW1:5’−GTGCTGCACACCAACGTG(配列番号84)、HD−N2RV1:5’−GAGGGCCCAGGAGAGTTG(配列番号85)を用いるPCRによって、そしてプライマーHD−N2FW2:5’−GCACACGGCCAGCAGATGAT(配列番号86)およびHD−N2RV2:5’−CGCCGGGTCTCACTCAC(配列番号87)を用いるネスト化PCRによって増幅した。
【0065】
エキソン27でコードされるNOTCH 1のHDドメインのC末端領域を、プライマーHD−CFW1:GTGGCGTCATGGGCCTCA(配列番号88)およびHD−CRV1:TAGCAACTGGCACAAACAGC(配列番号89)を用いるPCRによって、そしてプライマーHD−CFW2:CATGGGCCTCAGTGTCCT(配列番号90)およびHD−CRV2:GCACAAACAGCCAGCGTGTC(配列番号91)を用いるネスト化PCRによって増幅した。
【0066】
NOTCH−1のPESTドメインとTADを含む連続的N領域とをコードするエキソン34の配列を、3つのアンプリコンに分割した。アンプリコンPEST1およびPEST2を、プライマーPESTFW1:5’−GCAGCATGGCATGGTAGG(配列番号92)およびPESTRV1:5’−AACATGTGTTTTAAAAAGGCTCCTC(配列番号93)を用いるPCRによって、そしてプライマーPEST1FW:5’−AAACATCCAGCAGCAGCAAA(配列番号94)、PEST1RV:5’−CACAGGCGAGGAGTAGCTGTG(配列番号95)、ならびにPEST2FW:5’−GTGACCGCAGCCCAGTTC(配列番号96)およびPEST2RV:5’−AAAGGAAGCCGGGGTCTC(配列番号97)を用いるネスト化PCRによって増幅した。アンプリコンTAD1を、プライマーTAD1FW1:5’−AGACTGGCCCACCTCGTCTCT(配列番号98)、TAD1RV1:5’−GCTCTCCACTCAGGAAGCTC(配列番号99)を用いるPCRによって、そしてプライマーTAD1FW2:5’−CGTCTCTCCCACCTGCCTGT(配列番号100)およびTAD1RV2:5’−CTGAGCTCACGCCAAGGT(配列番号101)を用いるネスト化PCRによって増幅した。DHPLC分析の前に、変異対立遺伝子に対してヘテロ接合性のサンプル中でホモ二重鎖およびヘテロ二重鎖の形成を可能にするために、ネスト化PCR産物を、Peltier Thermal Cycler(MJ Research,PTC−225)を用いて95℃で5分間変性させ、40℃までゆっくりと傾斜をつけた。
【0067】
1サンプルあたり15μl〜30μlのアニーリングしたPCRフラグメントを、分析のためにDNASep HTカートリッジに注入した。生成物を、アンプリコンのサイズおよびGC含量に基づいてNavigatorソフトウェア(Transgenomic)によって決定した線形のアセトニトリル勾配を用いて、一定の流速(1.5ml/分)で溶出させた。この勾配は、0.1mの酢酸トリメチルアンモニウム(TEAA)緩衝液(pH7)(Transgenomic)と緩衝液B(25% アセトニトリルを含む0.1m TEAA)とを混合することによって生成した。このシステムのUV検出器によってモニタリングしたDNAフラグメントの溶出プロフィールを使用して、クロマトグラフを作成した。各サンプルについての分析順序は以下のとおりであった:検出器のための時間経過 1.9分間、緩衝液Bの3%減少を伴うローディング段階 0.1分間、1分間あたり2%の緩衝液Bの増加スロープでの線形勾配 2.0分間、75%アセトニトリルを用いる洗浄段階 0.1分間、および次の注入の前の平衡 0.1分間。ホモ二重鎖ピークおよびヘテロ二重鎖ピークを、反応中の残留ヌクレオチドとプライマーとによって生成された最初の注入ピークと、洗浄段階との間で検出した。
【0068】
276〜452塩基対の範囲のネスト化PCR産物についての融解プロフィールを、Navigatorソフトウェアを用いて構築した。変異検出のための適切な部分的変性温度(これは、目的の領域に含まれる各塩基における30%〜98%のらせん構造の割合を生じた)を、全アンプリコンについて予測した:PEST1、66.5℃;PEST2、65.0℃;HD1、67.0℃および64.5℃;HD2、67.0℃および64.0℃;ならびにTAD1、64.5℃および63.9℃。あまり安定でないヘテロ二重鎖は、ホモ二重鎖よりも速く変性し、したがって、溶出プロフィールにおいて最初に現れる。したがって、通常のホモ二重鎖の前に溶出した種を表すクロマトグラフを有するサンプルで、直接配列決定を行った。
【0069】
(結果)
t(7;9)に関連するまれな場合を越えてヒトT−ALLにおけるNOTCH−1シグナル伝達の果たし得る役割を評価するために、本発明者らは、最初に、t(7;9)を欠くT−ALL細胞株を、これらの細胞をγ−セクレターゼインヒビターで処理することによってNOTCH依存性について試験した(Wengら、Mol.Cell.Biol.23:655−64)。本発明者らは、試験した30個のヒトT−ALL細胞株のうち5つがG/G細胞周期停止を示し、これは参照のNOTCH−1依存性のマウスT−ALLであるT6E細胞株の細胞周期停止と等しいかまたはそれを上回ることを観察した(図2A)。γ−セクレターゼインヒビターによって引き起こされる増殖抑制は、ICN1(γ−セクレターゼ切断後に放出されるフラグメントである)のレトロウイルス発現によって排除され(図2B)、ドミナントネガティブなMastermind様−1のレトロウイルス発現によって再現された(図2C)。まとめると、これらの結果は、これらの5つの細胞株の増殖がNOTCH媒介性シグナルに依存することを示した。
【0070】
NOTCHレセプターはNOTCH細胞外ドメインの物理的解離によって活性化され得る(Randら、Mol.Cell.Biol.20:1825−35;Kramer,Sci.STKE 2000,PE1)ので、本発明者らは、新たに同定されたNOTCH−1のHDドメインが機能獲得型(gain−of−function)変異の部位であり得ると考えた。マウスT−ALLで観察されるレトロウイルス挿入の1つのクラスは、ネガティブな調節C末端PEST配列の欠失を生じ(Hoemannら、Mol.Cell.Biol.20:3831−42;Feldmanら、Blood 96:1906−13)、この挿入を発癌性NOTCH−1変異についての第二の候補領域にする。著しいことに、これらのゲノム領域のDNA配列決定は、5つのNOTCH依存性細胞株のうちの4つにおけるHDドメイン変異およびPESTドメイン変異の両方を明らかにした。(NOTCH−1のエキソン26によってコードされる)HDドメインに影響を与えるミスセンス変異は、脊椎動物NOTCH−1レセプターにおいて不変である残基を伴い、アミノ酸残基の非保存的変化を生じた(図3A〜図3C)。1つの細胞株、DND−41は、同じNOTCH−1対立遺伝子内に2つの異なるHDドメイン変異を有した。
【0071】
PEST変異(エキソン34に見出される)は、ネガティブな調節C末端PESTドメインの部分的もしくは完全な欠失を生じると予測されるリーディングフレームのシフトを引き起こす短い挿入または欠失であった(図3Dおよび図3E)。cDNAのPCR増幅、クローニングおよび配列決定により、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異が、試験した4つの細胞株の各々の同じNOTCH−1対立遺伝子中にcisに存在することが明らかにされた。正常なNOTCH−1 cDNAクローンもまた、各々の細胞株で同定され、これは、両方の対立遺伝子が発現されることを示す。これは、エキソン26変異およびエキソン34変異を有する細胞株が予期されるサイズのNTMのポリペプチドおよびNTMよりもわずかに小さいサイズのさらなる異常なポリペプチド含むことを明らかにしたウェスタンブロット分析の結果と一致する(図3F)。対照的に、エキソン26およびエキソン34を欠く細胞株TALL−1は、予期されるサイズのNOTCH−1ポリペプチドのみを含んでいた。
【0072】
本発明者らは、NOTCH−1のHDドメインおよびPESTドメインについての本発明者らの変異分析を、診断時に96例の小児および青年の骨髄から得られた冷凍保存された原発性T−ALLサンプルに拡張した。少なくとも1つの変異が49の腫瘍(51%)で同定され、20の腫瘍(20.8%)はHDドメイン変異のみを有し、15の腫瘍(15.6%)はPESTドメイン変異のみを有し、そして14の腫瘍(14.6%)は、HDドメインおよびPESTドメインの両方で変異を有した。変異は、HOX11、HOX11L2、TAL1、LYL1、MLL−ENLまたはCALM−AF10の誤発現に関連する腫瘍で見られ(HOX11(3例のうち2例)、HOX11L2(13例のうち10例、すなわち77%)、TAL1(31例のうち11例、すなわち35%)、LYL1(14例のうち7例、すなわち50%)、MLL−ENL(3例のうち1例)、CALM−AF10(2例のうち1例))、これは、一緒にT−ALLの主要な分子サブタイプを規定する。原発腫瘍中のHDドメイン変異は、残基1574〜1622に広がる「ホットスポット」においてクラスター化し、NOTCH依存性T−ALL細胞株でもともと同定された3つのLからPへのミスセンス変異、ならびに1〜2個の残基の欠失および短い「インフレーム」挿入の各々を含んでいた(図3A〜図3B)。PESTドメイン変異は、リーディングフレームのシフトを誘導する挿入または欠失、ならびに未熟終止コドンを生じる点変異を含んでいた(図3D〜図3Eおよび図6)。
【0073】
T−ALLとは対照的に、89個の原発性B−ALLサンプルでは変異は観察されなかった。変異はまた、そのT−ALLがNOTCH−1変異を有する患者から得られた4つの寛解骨髄サンプルには存在せず、これらの変異が生殖系列には存在しないが悪性クローン内で獲得されることを示す。多型はNOTCH−1のHDドメイン領域内で検出されていないが(NCBI SNPデータベース)、本発明者らにT−ALLで本発明者らが検出した保存残基中の変異が機能的な結果を有する可能性があることのさらなる推測をもたらす。
【0074】
この課題に直接取り組むために、本発明者らは、一過性発現アッセイにおけるNOTCH感受性ルシフェラーゼレポーター遺伝子の活性化に対する、共通するHDドメイン変異(PESTドメイン欠失を有するものおよびPESTドメイン欠失を有さないもの)の効果を研究した(図4A)。残基1575、1594または1601でのHDドメイン内の単一のLからPへの変異は、ルシフェラーゼ活性の3倍〜9倍の刺激を生じ、一方で孤立した(isolated)PEST欠失(アミノ酸2471での切断を生じるALL−SIL細胞株に見出される変異に対応する)は、約1.5倍〜2倍の刺激を生じた。より著しくは、cisにおける各々のHD変異および同じPESTドメイン切断は、20倍〜40倍の転写活性化の刺激を生じた。対照的に、transにおける同じ変異は、より低いレベルの刺激を生じ、これは単独で作用する各変異の平均に近かった。
【0075】
図4に記載されるように行ったさらなるレポーター遺伝子アッセイは、これまで試験したすべてのHDドメインがNOTCH−1における機能の増強を表すことを示している。これらの機能アッセイで試験した変異は:
V1577E 配列番号102
L1586Q 配列番号106
F1593S 配列番号117
L1597H 配列番号109
R1599P 配列番号15
I1617N 配列番号115
I1617T 配列番号116
V1677D 配列番号135
L1679P 配列番号71
I1681N 配列番号73
A1702P 配列番号129
I1719T 配列番号128
ins(RLGSLNIPYKIEAV) 配列番号137
である。
【0076】
これらのデータは、増強された機能がNOTCH1のHDドメインに見出される変異の一般的特徴であることを示唆する。
【0077】
cisにおけるHDドメイン変異およびPESTドメイン変異の相乗的相互作用は、(i)HDドメイン変異がγ−セクレターゼ切断を促進し、ICN1の生成速度を増加させ(ii)ICN1のPESTドメインを除去する切断がNOTCHのこの活性化形態の半減期を増大させる、モデルと一致する(図4B)。transでのこれらの変異によって生じる中程度のレベルの活性化は、おそらく、プロセシングおよびシグナル伝達に必要とされる因子について比較的弱い機能獲得型NOTCH−1ポリペプチドと強い機能獲得型NOTCH−1ポリペプチドとの間の競合を反映する。変異された膜貫通NOTCH−1ポリペプチドの刺激効果は、γ−セクレターゼインヒビターによって完全に排除され、シグナル伝達のために変異されたNTMサブユニットの膜近傍部位でのタンパク質分解の要件を示す(図4A)。対照的に、ICN1によって生じる刺激(構成的に核刺激である)は、γ−セクレターゼ阻害により影響を受けなかった(図4A)。
【0078】
ごく最近、本発明者らは、T−ALL以外の腫瘍において2つの変異を観察した。NOTCH−1のエキソン26における挿入変異は、急性骨髄性白血病の場合に見出された。これは、アミノ酸残基1593〜1594をFLからLSLに変化させる。この変異は、図4Aに示されるアッセイと類似するアッセイにおいてNOTCH−1がCSL感受性ルシフェラーゼ遺伝子を活性化する能力を刺激し、この変異がNOTCH−1機能を増大させることを示す。エキソン27における新規なNOTCH−1変異は、ランゲルハンス細胞組織球増殖症(高度に保存された残基であるアミノ酸1693がCからRに変化する)の場合に見出された。同時に、これらのデータは、T−ALLで発見された変異と同一または機能的に類似する変異がヒト新形成の他の形態で見出されるという予測を支持する。
【0079】
(考察)
T−ALLのあらゆる主要な分子発癌性サブタイプに見出される機能獲得型NOTCH−1変異の有病率は、この腫瘍の病原論における無制御のNOTCHシグナル伝達に対する卓越した役割を強く支持する。増殖のためにNOTCHシグナルを必要とするようであるがNOTCH−1 HDドメイン変異およびPEST領域変異を欠く少なくとも1つの細胞株(TALL−1)の存在は、NOTCH経路に関与するプレT細胞形質転換を説明する他の機構が存在することを示唆する。NOTCH−1の他の領域に影響を及ぼす活性化変異がヒトT−ALLの事例で同定され得ることが、考えられ得る。
【0080】
以前の研究は、NOTCHレセプターの活性化が、通常は、タンパク質分解を抑制するNECサブユニットの放出を通じて主に達成されることを示した(Randら、Mol.Cell.Biol.20:1825−35;Kramer,Sci.STKE 2000,PE1)。NEC HDドメインおよびNTMの細胞外部分のみからなる組換え「ミニレセプター(mini−receptor)」は、フリン切断後に安定なヘテロ二量体を形成し、この領域において重大なサブユニット間の接触が存在することを示す。したがって、HDドメイン変異は、NEC/NTMヘテロ二量体を不安定化させることによ
って作用し得る。したがって、同様の効果が、NTMサブユニットの類似のヘテロ二量体化領域に生じる変異によって与えられる可能性がある。
【0081】
数種の因子によって、T−ALLにおける高頻度のNOTCH−1変異が説明され得る。通常の早期T細胞発生の数個の段階の間のNOTCH−1シグナルの絶対的要件は、この経路の頻繁な関与の機能的根拠を提供する。さらに、方向付けられたT細胞前駆体におけるV−D−Jβ再構成の試みの間の異常な組換えによって作製されるt(7;9)とは異なり、本明細書で記載されるより一般的な点変異および挿入が、多分化能の造血前駆体(これもまた通常はNOTCH−1を発現する)で生じ得る(Calviら、Nature 425,841−6)。その場合、そのような変異は、娘細胞がT細胞の運命を選択するように誘導し(Allmanら、J.Exp.Med.194:99−106)、これによって、さらなる白血病誘発性事象(同じNOTCH−1対立遺伝子に影響を及ぼすさらなる変異を含み得る)、ならびに他の重大な転写因子の誤発現をもたらす染色体事象、遺伝的事象および後成的事象の危険性のある細胞のプールを増加させると予測される。類似のNOTCH変異は、NOTCHレセプターが多くの正常な組織および種々の悪性腫瘍で発現されるので、特定のより一般的な型のヒト癌の分子病原論に関与する可能性がある(Allenspachら、Cancer Biol.Ther.1:466−76)。
【0082】
本発明者ら知見は、NOTCH経路をT−ALLにおける分子治療のための合理的な標的と同定する。約75%の患者が現在、非常に集中的かつ細胞傷害性の化学療法レジメンでこの疾患の治療を受けているが(Puiら、N.Engl.J.Med.350:1535−48)、難治性疾患を有する患者に対して新しい治療が必要とされ、毒性が低くより有効な薬物の組み合わせがすべてのT−ALL患者に有益である。強力で特異的なγ−セクレターゼインヒビターの開発(Wolfe,Nat.Rev.Drug Discov.1:859−66)は、アルツハイマー病の病原論におけるこのプロテアーゼの関与に起因して、NOTCH−1活性をブロックすることを目的とする癌治療の臨床試験を促進するはずである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1−1】整列されたヒトNOTCHレセプターの全長アミノ酸配列。示される配列は、NOTCH−1(配列番号1);NOTCH−2(配列番号2);NOTCH−3(配列番号3);およびNOTCH−4(配列番号4)である。
【図1−2】整列されたヒトNOTCHレセプターの全長アミノ酸配列。示される配列は、NOTCH−1(配列番号1);NOTCH−2(配列番号2);NOTCH−3(配列番号3);およびNOTCH−4(配列番号4)である。
【図1−3】整列されたヒトNOTCHレセプターの全長アミノ酸配列。示される配列は、NOTCH−1(配列番号1);NOTCH−2(配列番号2);NOTCH−3(配列番号3);およびNOTCH−4(配列番号4)である。
【図1−4】整列されたヒトNOTCHレセプターの全長アミノ酸配列。示される配列は、NOTCH−1(配列番号1);NOTCH−2(配列番号2);NOTCH−3(配列番号3);およびNOTCH−4(配列番号4)である。
【図1−5】整列されたヒトNOTCHレセプターの全長アミノ酸配列。示される配列は、NOTCH−1(配列番号1);NOTCH−2(配列番号2);NOTCH−3(配列番号3);およびNOTCH−4(配列番号4)である。
【図1−6】整列されたヒトNOTCHレセプターの全長アミノ酸配列。示される配列は、NOTCH−1(配列番号1);NOTCH−2(配列番号2);NOTCH−3(配列番号3);およびNOTCH−4(配列番号4)である。
【図1−7】整列されたヒトNOTCHレセプターの全長アミノ酸配列。示される配列は、NOTCH−1(配列番号1);NOTCH−2(配列番号2);NOTCH−3(配列番号3);およびNOTCH−4(配列番号4)である。
【図2A】増殖にNOTCHシグナルを必要とするT−ALL細胞株の同定である。(2A)感受性の細胞株の細胞周期分布に対するγ−セクレターゼインヒビター化合物E(GSI、1μM)またはビヒクル単独(モック(mock))の効果。細胞を4〜8日間処理し、70%冷エタノール中で固定し、ヨウ化プロピジウムで染色し、フローサイトメトリーによって分析した。生細胞を、前方/側方散乱基準(forward/side scatter criteria)によってゲートした。(2B)MSCV−GFP−ICN1レトロウイルスによるGSI誘導性細胞周期停止のレスキュー。(2C)ドミナントネガティブなMSCV−GFP−Mastermind様−1レトロウイルスによる細胞周期停止の誘導。(2B)および(2C)において、コントロール培養物を、コントロールの空のMSCV−GFPレトロウイルスまたは示された試験ウイルスで形質導入した。形質導入の2日後、培養物を2つに分け、化合物E(GSI)またはDMSOビヒクル(モック(mock))のいずれかで、7〜10日間処理した。次いで、培養物を収集し、DNA色素DRAQ5で染色した。これによって、選別されていないGFP−およびGFP+の部分集団中のDNA含量のフローサイトメトリーによる測定を可能にする。最小限15,000の事象を集めて、各DNA含量のヒストグラムを作成した。
【図2B】増殖にNOTCHシグナルを必要とするT−ALL細胞株の同定である。(2A)感受性の細胞株の細胞周期分布に対するγ−セクレターゼインヒビター化合物E(GSI、1μM)またはビヒクル単独(モック(mock))の効果。細胞を4〜8日間処理し、70%冷エタノール中で固定し、ヨウ化プロピジウムで染色し、フローサイトメトリーによって分析した。生細胞を、前方/側方散乱基準(forward/side scatter criteria)によってゲートした。(2B)MSCV−GFP−ICN1レトロウイルスによるGSI誘導性細胞周期停止のレスキュー。(2C)ドミナントネガティブなMSCV−GFP−Mastermind様−1レトロウイルスによる細胞周期停止の誘導。(2B)および(2C)において、コントロール培養物を、コントロールの空のMSCV−GFPレトロウイルスまたは示された試験ウイルスで形質導入した。形質導入の2日後、培養物を2つに分け、化合物E(GSI)またはDMSOビヒクル(モック(mock))のいずれかで、7〜10日間処理した。次いで、培養物を収集し、DNA色素DRAQ5で染色した。これによって、選別されていないGFP−およびGFP+の部分集団中のDNA含量のフローサイトメトリーによる測定を可能にする。最小限15,000の事象を集めて、各DNA含量のヒストグラムを作成した。
【図2C】増殖にNOTCHシグナルを必要とするT−ALL細胞株の同定である。(2A)感受性の細胞株の細胞周期分布に対するγ−セクレターゼインヒビター化合物E(GSI、1μM)またはビヒクル単独(モック(mock))の効果。細胞を4〜8日間処理し、70%冷エタノール中で固定し、ヨウ化プロピジウムで染色し、フローサイトメトリーによって分析した。生細胞を、前方/側方散乱基準(forward/side scatter criteria)によってゲートした。(2B)MSCV−GFP−ICN1レトロウイルスによるGSI誘導性細胞周期停止のレスキュー。(2C)ドミナントネガティブなMSCV−GFP−Mastermind様−1レトロウイルスによる細胞周期停止の誘導。(2B)および(2C)において、コントロール培養物を、コントロールの空のMSCV−GFPレトロウイルスまたは示された試験ウイルスで形質導入した。形質導入の2日後、培養物を2つに分け、化合物E(GSI)またはDMSOビヒクル(モック(mock))のいずれかで、7〜10日間処理した。次いで、培養物を収集し、DNA色素DRAQ5で染色した。これによって、選別されていないGFP−およびGFP+の部分集団中のDNA含量のフローサイトメトリーによる測定を可能にする。最小限15,000の事象を集めて、各DNA含量のヒストグラムを作成した。
【図3A】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3B−1】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3B−2】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3B−3】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3C】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3D−1】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3D−2】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3D−3】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3E】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3F】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3G−1】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図3G−2】γ−セクレターゼインヒビター感受性のT−ALL細胞株および原発性ヒトT−ALLサンプルにおける、HDドメイン変異およびPESTドメイン変異。(3A)脊椎動物NOTCH−1レセプター間のエキソン26HDドメイン変異性「ホットスポット」領域の配列保存。反復性の変異の位置は、ボールド体およびイタリック体である。(3B)細胞株(下線)および原発性T−ALLで同定されたミスセンス配列および欠失。1つの変異である配列番号145は、急性骨髄性白血病と関連していた。変異部位はボールド体およびイタリック体である。(3C)原発性T−ALLで同定されたHDドメイン中のインフレーム挿入。(3D)PESTドメイン変異。細胞株(下線)および原発性T−ALLにおける変異されたNOTCH−1対立遺伝子のアミノ酸配列が示される。終止コドンはアスタリスクで示される。(3E)PESTドメイン変異の模式的な説明。円(白色、原発性T−ALL;黒色、細胞株)は、NOTCH−1ポリペプチド配列が終結する位置に対応する。キー:NEC、NOTCH−1細胞外ドメイン;LNR、Lin/NOTCH反復;HD、ヘテロ二量体化ドメイン;NTM、NOTCH膜貫通サブユニット;TM、膜貫通ドメイン;ANK、アンキリン反復ドメイン;TAD、転写活性化ドメイン。(A〜D)において、アミノ酸残基は、ヒトpro−NOTCH−1のアミノ酸残基に対応する。(3F)NOTCH依存性T−ALL細胞株に由来する溶解物のウェスタンブロット分析。全細胞抽出物を、細胞内転写活性化ドメインに対して産生したNOTCH−1抗体を用いて分析した(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)。pro−NOTCH−1および正常なNTMサブユニットの位置が示される。下側のパネルは、同じブロットのより長く曝露したものであり、正常なNTMポリペプチドよりもサイズの小さいさらなるNOTCH−1ポリペプチドの存在を強調する。各レーンに25μgの総タンパク質をロードした。(3G)NOTCH−1 TMTサブユニットのHDドメインをコードする、エキソン27中の配列保存および変異。このNOTCHのサブユニットは、NECサブユニットのHDドメインであるエキソン26に非共有結合している。変異部位は、ボールド体およびイタリック体である。TALL 04.36について、配列中のiは、すぐ下に示される14個のアミノ酸の挿入部位を示す。
【図4A】HDドメイン変異およびPESTドメイン変異はNOTCH−1シグナル伝達を相乗的に活性化する。(4A)レポーター遺伝子アッセイ。U2OS細胞を、以前に記載された(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)ように、指定されたpcDNA3プラスミド、NOTCH応答性ルシフェラーゼレポーター遺伝子および内部Renillaルシフェラーゼ内部コントロールプラスミドを用いて24ウェル形式で一過性に同時トランスフェクトした。pcDNA3−ICN1を用いる実験を除いて、1ウェルあたり25ngのpcDNA3プラスミドを使用し、pcDNA3−ICN1を用いる実験では、1ウェルあたり5ngのプラスミドを使用した。全細胞溶解物における正規化ルシフェラーゼ活性を三連で決定し、空のベクターコントロールでトランスフェクトした細胞から調製した溶解物における活性と比較して表した。(4B)HDドメインおよびPESTドメインの両方に関与する二重変異による相乗的NOTCH−1活性化についてのモデル。
【図4B】HDドメイン変異およびPESTドメイン変異はNOTCH−1シグナル伝達を相乗的に活性化する。(4A)レポーター遺伝子アッセイ。U2OS細胞を、以前に記載された(Asterら、Mol.Cell.Biol.20:7505−15)ように、指定されたpcDNA3プラスミド、NOTCH応答性ルシフェラーゼレポーター遺伝子および内部Renillaルシフェラーゼ内部コントロールプラスミドを用いて24ウェル形式で一過性に同時トランスフェクトした。pcDNA3−ICN1を用いる実験を除いて、1ウェルあたり25ngのpcDNA3プラスミドを使用し、pcDNA3−ICN1を用いる実験では、1ウェルあたり5ngのプラスミドを使用した。全細胞溶解物における正規化ルシフェラーゼ活性を三連で決定し、空のベクターコントロールでトランスフェクトした細胞から調製した溶解物における活性と比較して表した。(4B)HDドメインおよびPESTドメインの両方に関与する二重変異による相乗的NOTCH−1活性化についてのモデル。
【図5−1】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図5−2】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図5−3】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図5−4】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図5−5】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図5−6】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図5−7】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図5−8】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図5−9】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図5−10】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図5−11】全長ヒトNOTCH−1遺伝子配列(配列番号76)およびコードされたアミノ酸配列(配列番号1)。
【図6−1】HDドメイン変異およびPESTドメイン変異の編集。
【図6−2】HDドメイン変異およびPESTドメイン変異の編集。
【図6−3】HDドメイン変異およびPESTドメイン変異の編集。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書および図面に記載されるような、変異。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図1−7】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B−1】
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【図3B−2】
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【図3B−3】
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【図3C】
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【図3D−1】
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【図3D−2】
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【図3D−3】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G−1】
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【図3G−2】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図5−5】
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【図5−6】
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【図5−7】
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【図5−8】
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【図5−9】
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【図5−10】
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【図5−11】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【公開番号】特開2009−55907(P2009−55907A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200113(P2008−200113)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【分割の表示】特願2007−524983(P2007−524983)の分割
【原出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(504412945)ザ ブライハム アンド ウイメンズ ホスピタル, インコーポレイテッド (54)
【出願人】(502206795)ダナ−ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】