説明

レゾルシノール系らせん状高分子及び炭素とその製造方法

【課題】新規な合成プロセスで調製された、新規な物性、形態を有する高分子材料及び炭素材料を提供する。
【解決手段】芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーとアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーとの共重合体(アルキルアンモニウム塩及びアルキルアミンよりなる群から選択された1種以上のカチオン性界面活性剤、並びに分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤を含んでいるものもある)の骨格成分を持ち、形状が直径50〜500nmのらせん構造である高分子、及び該高分子を不活性雰囲気下で焼成することにより得られる、形状が直径30〜500nmのらせん構造である炭素である。また、そのらせん状高分子及びらせん状炭素の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高性能分離剤、吸着剤、繊維・ゴム・フィルム・プラスチック製品・インキ・塗料・接着剤・紙塗工剤などへの添加剤、液晶スペーサなどとして使用されるらせん状高分子、及び電磁波吸収材、高性能分離剤、吸着剤、物質貯蔵剤、繊維・ゴム・フィルム・プラスチック製品・インキ・塗料・接着剤などへの添加剤、各種電極材、断熱材、電子素子、磁場素子などとして使用されるらせん状炭素と、それらの製造方法に関する。
【0002】
本明細書において、らせん状とは、高分子粒子あるいはこれを前躯体として合成された炭素粒子の外形形状を指し、これらの外形形状がらせん状を呈している状態を指しているものである。さらに云うと、DNAの二重らせん構造のように分子鎖自体がらせん状に巻回しているのではなく、非らせん分子構造を持つ高分子あるいは炭素で構成されるワイヤー状粒子がらせん状に巻いているものを云う。
【背景技術】
【0003】
フェノールのメタ位にヒドロキシル基が置換したレゾルシノールとホルムアルデヒド等のアルデヒド類を酸またはアルカリで縮合させて得られる油状または固体状の無定形ポリマーであるレゾルシノール樹脂は、フェノール樹脂と同様に、その熱硬化性を利用して、樹脂単独で、あるいはアルコールに溶かしたワニス、または木粉、染料などとともに硬化剤を加えて処理することにより、接着剤、絶縁積層板、化粧板等に用いられてきた。これらはいずれも専ら液状または固体ポリマーとしての流動性、接着性、熱硬化性、成形性を応用したものである。
【0004】
これに対して近年、レゾルシノール樹脂を多孔質化あるいは微粒子化する技術の開発が進んでいる。Pekalaらは、レゾルシノール(R)−ホルムアルデヒド(F)の加水分解・縮合反応機構と無機酸化物のゾル−ゲル反応との類似性を指摘するとともに、RF縮合体の超臨界乾燥により比表面積約700m/gのエアロゲルが得られることが見出されたとの報告がされている(非特許文献1)。
【0005】
そして、この多孔性のRFゲルを炭化することにより、多孔質カーボンが得られることを報告した(非特許文献2)。さらに、関連技術として、シリカ微粒子(非特許文献3)、ポリスチレンラテックス(非特許文献4)あるいはブロックコポリマー(非特許文献5、6)とレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂との複合体を調製後、これを炭化することにより細孔構造を制御した炭素材料を合成した事例も報告されている。
【0006】
レゾルシノール/ホルムアルデヒド系樹脂の微粒子の合成法には、疎水媒体中で水溶性モノマーを重合する方法があり、直径数μmの球状粒子が得られる。これを不活性ガス中で焼成すると直径数μmの球状炭素粒子得られることが報告されている(非特許文献7)
【0007】
本発明者らも、界面活性剤のアルキルトリメチルアンモニウムブロミドと水酸化ナトリウム、1,3,5−トリメチルベンゼン及びtert−ブタノールなどの添加剤の存在下でレゾルシノールとホルムアルデヒドを共重合することにより、レゾルシノール/ホルムアルデヒド共重合体のマイクロワイヤー、ナノワイヤー、ナノスフィア、ナノチューブを合成した(特許文献1、2、3)。これらの粒子を炭化することにより形状を保持した炭素が得られた(特許文献4、5、6、非特許文献8、9)。
【0008】
このように、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂を炭素源として、樹脂の構造・形態それ自体、あるいは各種多孔体の細孔構造に樹脂を導入してできる骨格構造を炭素構造体として写し取ることにより、特異な形状や細孔構造を有する炭素材料ならびにこれを創製する技術が開発されてきた。
【0009】
一方、らせん状カーボン(炭素)は、炭素の従来の汎用的使用に加えて、その特異な形状とサイズから電磁波吸収材、電子源、微小磁場発生源、磁場検出素子、バネのほか、機械的強度、伸縮性などに優れた高機能性材料のナノコンポジット素材としての応用が期待されている。
【0010】
らせん状カーボンの一般的な合成法は、In、Sn、Fe等の遷移元素を含む金属、炭化物等を触媒とし、その近傍に原料のカーボン源を共存させて高温プロセスで処理することにより、カーボンをらせん状に巻回成長させた例が多数報告されている。(特許文献7〜15、非特許文献10、11)
【0011】
また、高分子を前駆体とした例も報告されている。ポリアクリロニトリル(PAN)をジメチルホルムアミドに溶かした後、コイル状に紡糸し、得られた生成物を炭化することにより、らせん状カーボンを合成している。(非特許文献12)
【0012】
1992年、Mobil社により、界面活性剤ミセルを鋳型として、直径2〜8nmのハニカム状のメソ細孔を有するメソボーラスシリカが創製された(非特許文献11)。その後、同様の手法により、立方格子状等各種の細孔構造をもつメソ多孔質シリカに加えて、金属酸化物や硫化物を骨格成分とする数多くのメソ多孔体が相次いで合成された(非特許文献13)。
【0013】
本発明者らも、ドデシル硫酸イオンを鋳型として、尿素を用いる均一沈澱法により生成した複合体を作製し、ついで鋳型イオンを酢酸イオンで交換することにより六方構造型希土類酸化物メソ多孔体を得ている(非特許文献14、15)。さらに、二種類のノニオン性界面活性剤からなる液晶中で塩化白金酸を還元することにより、白金ナノチューブの合成にも成功した(非特許文献16)。
【0014】
界面活性剤とモノマーあるいはポリマーをクーロン的に結合させながら重合あるいは複合化させる方法も開発されている。ポリマー電解質に界面活性剤を添加することによって生成する複合化ポリアクリル酸/ドデシルトリメチルアンモニウムイオン複合体(非特許文献17)はその代表例である。同様な反応法により、ハニカム構造をもつフェノール/ホルムアルヒド高分子複合体も得られている(非特許文献18)。
【0015】
本発明者らも界面活性剤のアルキルトリメチルアンモニウムブロミド存在下でフェノールとフルフラールを共重合することにより、チューブ状ナノ構造体を合成した(非特許文献19)。
【0016】
また、最近、セチルトリメチルアンモニウムブロミド存在下で、レゾルシノール、ホルムアルデヒド、炭酸ナトリウム、溶媒から成る混合溶液を加熱反応させると、100nm以下の不定形のクラスター集合体を生じ、さらに、デシルトリメチルアンモニウムブロミドあるいはテトラプロピルアンモニウムブロミド存在下での同様な反応では直径1〜3μmの球状のレゾルシノール−ホルムアルデヒド重合体粒子が生成し、これを不活性ガス中で焼成すると同様サイズの球状炭素粒子が得られることが報告されている(非特許文献20)。
【0017】
さらに、水相に分散された油相を含んでなり、その油小球が150nm未満の数平均サイズを有する水中油型ナノエマルジョンにおいて、少なくとも一種の油、少なくとも一種の両親媒性脂質、及び少なくとも1つの疎水性ブロックと少なくとも1つの親水性ブロックとを含む少なくとも一種の非イオン性ポリマーを含み、前記両親媒性脂質に対する油の量の比率を1から10とすることによってナノエマルションを得ること(特許文献16)が提案されている。
【0018】
【非特許文献1】Pekala、J.Mater.Sci.、24、3221〜3227(1989)
【非特許文献2】R.W.Pekala,J.Non−Cryst.Solids,145,90(1992)
【非特許文献3】S.Hanほか2名、Chem.Mater.、12、3337〜3341(2000)
【非特許文献4】T.F.Baumannほか1名、J.Non−Cryst.Solids、350、120〜125(2004)
【非特許文献5】C.Liangほか4名、Angew.Chem.Int.Ed.、43、5785〜5789(2004)
【非特許文献6】T.Tanakaほか3名、Chem.Comm.、2125〜2127(2005)
【非特許文献7】S.Yamamotoほか4名、Carbon、40、1345〜1351(2002)
【非特許文献8】D.Fujikawaほか4名、Chem.Lett.、35、 432〜433(2006)
【非特許文献9】D.Fujikawaほか3名、Carbon、In Press(2007)
【非特許文献10】Y.Nakayamaほか2名、J.Appl.Phys.、8、91、10058、(2002)
【非特許文献11】S.Motojimaほか4名、Chemical Vapor Deposition、8、No.6、57〜62、(2002)
【非特許文献12】Ashraf A.Ali、Materials Letters、60、2858〜2862、(2006)
【非特許文献13】木島剛ほか1名、J.Soc.Inorg.Mater.、8、3〜16(2001)
【非特許文献14】M.Yadaほか3名、Inorg.Chem.、37、6470〜6475(1998)、
【非特許文献15】M.Yadaほか3名、Angew.Chem.Int. Ed.、38、3506〜3509(1999)
【非特許文献16】T.Kijimaほか5名,Angew.Chem.Intern.Ed.,43,228−232(2004).
【非特許文献17】M.Antoniettiほか1名、Angew.Chem.Int.Ed.Eng.、33、1869(1994)
【非特許文献18】I.Moriguchiほか5名、Chem.Lett.、1171〜1172(1999)
【非特許文献19】M.Uotaほか7名、MRS.Symp.Proc, 775,29−34(2003)
【非特許文献20】Nishiyama et al.、Carbon,43, 269−274,(2005)
【特許文献1】特開2007−039506号公報
【特許文献2】特開2007−039507号公報
【特許文献3】特開2007−254686号公報
【特許文献4】特開2007−039263号公報
【特許文献5】特開2007−039264号公報
【特許文献6】特開2007−254243号公報
【特許文献7】特開2001−192204号公報
【特許文献8】特開2001−310130号公報
【特許文献9】特開2003−200053号公報
【特許文献10】特開2003−213530号公報
【特許文献11】特開2003−26410号公報
【特許文献12】特開2004−261630号公報
【特許文献13】特開2005−35800号公報
【特許文献14】特開2007−252982号公報
【特許文献15】特開2007−302524号公報
【特許文献16】特開2001−226221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、以上、従来技術について紹介、有機系高分子及びカーボン(炭素)並びにその調製法に関する多岐にわたる研究報告、先行技術を念頭に置きつつ、新規な合成プロセスで調製された、新規な物性、形態を有する高分子材料及び炭素材料を提供しようというものである。
【0020】
高分子の骨格はレゾルシノールを主成分のひとつとする高分子組織で構成し、しかもその形状をナノオーダーのらせん状とすることにより、物質貯蔵能、分子分離能を有し、骨格形状及び組成に由来する化学的、熱的、物理的に優れた機能を特異的に発現させてなる高分子粒子を提供しようというものである。
【0021】
また、炭素の形状も、高分子の形状と同様ならせん状とすることにより、電気的、磁気的、化学的、熱的、物理的に優れた機能を特異的に発現させてなる炭素を提供しようというものである。また、これによって、化学、電子、情報、環境の技術革新に寄与する新規炭素素材を提供しようとするものである。
【0022】
らせん状カーボン(炭素)の一般的な合成法は、炭素源有機物を金属触媒近傍で熱分解させて触媒上で炭素を巻回成長させる方法であり、液相中でらせん状に加工された熱硬化性高分子を、形状を保ったまま炭化物に変換する技術はまだ報告されていない。
【0023】
らせん状に紡糸したポリアクリロニトリル(PAN)を炭化することで同形状のカーボンの合成例が報告されているが、得られるカーボンの大きさがマイクロサイズに限られる(非特許文献12)。
【0024】
そこで、もし、熱硬化性高分子のらせん状に加工でき、さらにその形態を保ったまま炭化物として写し取る技術を確立ことができれば、以前に開発したワイヤー状、球状、中空状の高分子・カーボン(炭素)に加えて(特許文献1〜6)、らせん状粒子の設計と合成を自在に行うことが可能となり、電極、発熱体、強化剤、吸着材、断熱材、導電材、集電体、抵抗、磁気遮蔽材、耐食性材料、多孔性吸着剤等として使用される炭素材料の高性能化・機能化・精密化を図ることができる。
しかし、RF共重合体をナノオーダーでらせん状に制御することに成功したとの報告はない。
【課題を解決するための手段】
【0025】
そこで、発明者は、レゾルシノール(R)とホルムアルデヒド(F)の共重合場をカチオン性界面活性剤とアミノ酸由来アニオン性界面活性剤の会合体とすることにより、生成するRF共重合体の構造と形態がらせん状に制御され、炭化後の炭素にもらせん構造を賦与することが可能ではないかと考え、反応に用いる原料、触媒及び界面活性剤の種類並びに反応条件、炭化前処理条件、炭化条件についてさらに鋭意研究を進めた。
【0026】
その結果、鋳型ミセルにカチオン性界面活性剤とアミノ酸由来のアニオン性界面活性剤の複合会合体、アルキルベンゼン等の添加剤及び触媒にアルカリを使用した条件で、らせん状に形態制御された熱硬化性ポリマー粒子の合成に成功した。さらに、これらを不活性雰囲気下で焼成するとその形態を反映した炭素が得られることを見出した。
【0027】
本発明者等は、鋭意研究をした結果、前示課題を、以下に記載する技術的構成が講じられた発明によって解決、達成することに成功したものである。
すなわち、第1の発明は、
(1)レゾルシノール類等の芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーと、ホルムアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーとの共重合体の骨格成分を持ち、形状が直径50〜500nmのらせん構造であることを特徴とする高分子である。
【0028】
すなわち、第2の発明は、
(2)レゾルシノール類等の芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーと、ホルムアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーとの共重合体中に、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルアンモニウム塩、及びヘキサデシルアミン等のアルキルアミンよりなる群から選択された1種以上のカチオン性界面活性剤、並びにミリストイルアラニン等から選択された1種以上の分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤を含んでなり、形状が直径50〜500nmのらせん構造であること特徴とする高分子である。
【0029】
すなわち、第3の発明は、
(3)レゾルシノール類等の芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーと、ホルムアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーとの共重合体を骨格成分とする化合物を不活性雰囲気下で焼成することにより得られる、形状が直径30〜500nmのらせん構造であることを特徴とする炭素である。
【0030】
すなわち、第4の発明は、
(4)レゾルシノール類等の芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーと、ホルムアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーとの共重合体中に、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルアンモニウム塩、及びヘキサデシルアミン等のアルキルアミンよりなる群から選択された1種以上のカチオン性界面活性剤、並びにミリストイルアラニン等から選択された1種以上の分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤を含んでなる高分子を不活性雰囲気下で焼成することにより得られる、形状が直径30〜500nmのらせん構造であることを特徴とする炭素である。
【0031】
以下、第5の発明は前記第2の発明のらせん状高分子の製造方法を提示するものである。
すなわち、第5の発明は、
(5)塩基性縮合剤の存在下、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルアンモニウム塩、及びヘキサデシルアミン等のアルキルアミンよりなる群から選択された1種類以上のカチオン性界面活性剤、ミリストイルアラニン等の分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤、メシチレン等のアルキルベンゼン、並びに水を混合した溶液に、レゾルシノール類等の芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーとホルムアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーを加え、反応させることを特徴とするらせん状高分子化合物の製造方法である。
【0032】
以下、第6の発明は前記第1の発明のらせん状高分子の製造方法を提示するものである。
すなわち、第6の発明は、
(6)第5の発明において、前記反応させることで得られる生成物を、さらに、エタノール等のアルコール類よりなる1種類以上の溶媒と塩酸等の酸の混合溶液で洗浄処理することを特徴とするらせん状高分子の製造方法である。この洗浄処理により、第2の発明のらせん状高分子に含有されていたヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルアミン等のカチオン性界面活性剤、及びミリストイルアラニン等のアニオン性界面活性剤は除去されて、第1の発明のらせん状高分子が得られる。
【0033】
以下、第7の発明は前記第4の発明のらせん状炭素の製造方法を提示するものである。
すなわち、第7の発明は、
(7)塩基性縮合剤の存在下、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルアンモニウム塩、及びヘキサデシルアミン等のアルキルアミンよりなる群から選択された1種類以上のカチオン性界面活性剤、ミリストイルアラニン等の分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤、メシチレン等のアルキルベンゼン、並びに水を混合した溶液に、レゾルシノール類等の芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーとホルムアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーを加え、反応させた後、得られた高分子を、不活性雰囲気下で焼成することを特徴とするらせん状炭素の製造方法である。
【0034】
以下、第8の発明は前記第3の発明のらせん状炭素の製造方法を提示するものである。
すなわち、第8の発明は、
(8)第7の発明において、前記生成した高分子を、さらに、エタノール等のアルコール類よりなる1種類以上の溶媒と塩酸等の酸の混合溶液で洗浄処理した後、不活性雰囲気下で焼成することを特徴とするらせん状炭素の製造方法である。この洗浄処理により、第4の発明のらせん状炭素の前駆体である高分子に含有されていたヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルアミン等のカチオン性界面活性剤、及びミリストイルアラニン等のアニオン性界面活性剤は除去されて、この高分子を不活性雰囲気下で焼成することにより、第3の発明のらせん状炭素が得られる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の高分子は、前述のような組成と構造になっているため、次のような効果が期待できる。
(a)これを物質分離材として用いた場合、酸・アルカリ領域において化学的に安定でかつ粒子形態・サイズが制御されたクロマトグラフィーの担体、イオン交換樹脂等への応用が期待できる。
(b)これを物質貯蔵材として用いた場合、その特異な形状により、水素等の小分子やイオンの貯蔵に効果的に働くことが期待される。
(c)これを繊維、ゴム、フィルムあるいはプラスチック製品などの添加剤として用いた場合、化学的熱的に安定でその特異な形状より、製品の改質、補強に大きく貢献できる。
(d)これを塗料、インキ、接着剤あるいは紙塗工剤などの液体製品への添加剤として用いた場合、化学的熱的に安定でその特異な形状より、製品の改質に大きく貢献できる。
【0036】
本発明の炭素は、前述のような組成と構造になっているため、次のような効果が期待できる。
(a)これを物質分離材として用いた場合、酸・アルカリ領域において化学的に安定でかつ粒子形態・サイズが制御されたクロマトグラフィーの担体、イオン交換樹脂等への応用が期待できる。
(b)これを物質貯蔵材として用いた場合、その特異な形状により、水素等の小分子やイオンの貯蔵に効果的に働くことが期待される。
(c)これを繊維、ゴム、フィルムあるいはプラスチック製品などの添加剤として用いた場合、化学的熱的に安定でその特異な形状より、製品の改質、補強に大きく貢献できる。
(d)これを塗料、インキ、接着剤あるいは紙塗工剤などの液体製品への添加剤として用いた場合、化学的熱的に安定でその特異な形状より、製品の改質に大きく貢献できる。
(e)これを電池材料として用いた場合、粒子の特異な形状・組成より、電極材料として高性能化が期待できる。
(f)これを電気二重層キャパシタ材料として用いた場合、粒子の特異な形状・組成より、高性能化が期待できる。
(g)これを電磁波吸収材料として用いた場合、粒子の特異な形状より、高性能化が期待できる。
(h)これを電子源、微小磁場発生源、磁場検出素子として用いた場合、粒子の特異な形状より、高性能化が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の形状が直径50〜500nmのらせん構造である高分子・炭素の製造方法は、特許文献1〜6とほぼ同じである。先行文献の手法は界面活性剤水溶液中で調製したレゾルシノールとホルムアルデヒドの共重合体をHClで処理した後、炭化する手法であるが、本発明では先行文献と同じ工程により炭素調製に至るも、反応溶液に加える界面活性剤をカチオン性、アミノ酸由来のアニオン性の二種類とすることにより炭素のらせん化に導くことに成功したものである。すなわち、同じ合成プロセスであっても、反応溶液に加える界面活性剤成分が違うだけで得られる高分子・炭素の形状が異なり、これが、炭素のらせん化にとって重要である。
【0038】
本発明によって得られるらせん状炭素は、その構造において先に紹介した先行文献(非特許文献10、11)に記載されたらせん状炭素に類似するものであるが、合成法が異なるから、先行文献に記載されたらせん状炭素とは明確に区別し得るものである。以下に述べる製造方法及び実施例1の合成過程から明らかなように、合成法が、高分子の形態を液相で制御したのち、炭素に変換する手法であるため、先行文献の報告例とは根本的に大きな違いがある。
【0039】
製造方法の骨子は、カチオン性及びアミノ酸由来のアニオン性界面活性剤溶液中でフェノール類とアルデヒド類各1種類以上を混合し塩基性縮合剤のもとで反応させてらせん状高分子を合成したのち、これを酸処理してあるいはしないで炭化することでらせん状炭素に誘導するというものであり、構造体を構築するための各段階での最適反応温度や反応混合物組成も対象とするモノマー種や用いる界面活性剤の特性あるいは炭素前駆体の前処理条件、炭化条件によって多様に変化し、その結果、前駆体の焼成によって得られる炭素の構造・形態にも違いが現れる。
【0040】
その前駆体となる高分子の含有成分と構造は、1種類以上のフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーと1種以上のアルデヒド類との共重合体を骨格成分とする特定寸法・形態の高分子粒子であり、その構成成分であるフェノール類とアルデヒド類に関しても、組成的に多様な組み合わせを許容するものであることに加え、前駆体の合成条件、前駆体の前処理、焼成温度など炭化条件など実に多様な組み合わせを含むものである。
【0041】
2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類とアルデヒドの共重合体を主要成分として組織された高分子を前駆体として得られたらせん状高分子及び炭素の製造方法を、反応混合物の調製から実施する場合の製造方法における反応条件について言及、要約すると、以下の通りである。
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルアンモニウム塩、ヘキサデシルアミン等のアルキルアミンよりなる群から選択されたカチオン性界面活性剤1種とミリストイルアラニン等の分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤、メシチレン等のアルキルベンゼンよりなる群から選択された1種類以上の添加剤及び塩基性縮合剤の存在下、レゾルシノール類等の芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーと、ホルムアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーを反応させることによりらせん状高分子(第1及び第2の発明、第5及び第6の発明)あるいは高分子の炭化によりらせん状炭素(第3及び第4の発明、第7及び第8の発明)を製造する方法である。
【0042】
分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤(アミノ酸由来のアニオン性界面活性剤)としては、ミリストイルアラニン以外に、ミリストイルセリン等を使用することができる。
【0043】
アルキルベンゼンとしては、メシチレン以外に、トルエン、ベンゼン等を使用することができる。
塩基性縮合剤としては、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物を使用することができる。
【0044】
芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類は、典型的には、フェノールのメタ位にヒドロキシル基が置換したレゾルシノール類であるが、フロログルシン(1,3,5-トリヒドロキシベンゼン)等のフェノール類を使用することもできる。レゾルシノール類としては、m−ジオキシベンゼンだけでなく、その水素原子が他の原子によって置換された誘導体であっても良い。
【0045】
その反応条件は、例示的に要約すると以下の通りである。すなわち、レゾルシノール及びホルムアルデヒドをモノマーとする第1と第2の発明のらせん状高分子及び第3と第4の発明のらせん状炭素について説明する。
まず、共重合体よりなるらせん状高分子(第1の発明)あるいは共重合体/界面活性剤複合体よりなるらせん状高分子(第2の発明)の合成法を示す(第5及び第6の発明)。
レゾルシノール2モルに対し、セチルトリメチルアンモニウムブロミドを0.1〜2モル好ましくは0.95モル、ミリストイルL−アラニンを0.01〜0.2モル好ましくは0.05モル、水酸化ナトリウムを0.01〜3モル好ましくは0.3モル及び水を120〜1200モル好ましくは360モルを加えた溶液に、ホルムアルデヒドを1〜6モル好ましくは4モルを加え、撹拌しながら40〜100℃好ましくは50℃で0〜3時間好ましくは2時間続いて、40〜100℃好ましくは80℃で0〜100時間好ましくは24時間反応させることにより、共重合体(第2の発明)を合成した。
【0046】
以下、2通りの操作を行い、共重合体よりなるらせん状高分子(第1の発明)あるいは共重合体/界面活性剤複合体よりなるらせん状高分子(第2の発明)を前駆体とする炭素(第3及び第4の発明)を合成した(第7及び第8の発明)。
第7の発明では、重合反応によって得られた生成物を、洗浄、乾燥し、試料を得た。
第8の発明では、重合反応によって得られた生成物を洗浄、回収した。この回収物0.5gあたりエタノール10〜100ml好ましくは50mlを20〜60℃好ましくは25℃で0〜24時間好ましくは24時間浸漬したのち、これに1〜12mol/l好ましくは5mol/lの塩酸0.5〜5ml好ましくは1mlを添加し、20〜60℃好ましくは25℃で0〜24時間好ましくは6時間攪拌し、試料を得た。
得られた試料を不活性雰囲気下で600〜3000℃好ましくは600〜1400℃で、0.5〜12時間好ましくは6時間焼成した。
【0047】
以上、レゾルシノール−ホルムアルデヒド系高分子を前駆体とする炭素生成物を得る際の反応操作と反応条件を説明したが、それ以外のレゾルシノール−アルデヒド系高分子においても前示した反応操作、反応条件、炭化前処理条件と同様の手順ないしはこれに準じた操作条件によって実施される。
【0048】
すなわち、この高分子粒子の反応混合物の調製から、最終生成物の炭素を得るまでの過程は、次のように構成される。まず、原料の選択の際には、アルキルトリメチルアンモニウムイオンと結合するフェノキシドを与えるフェノール系の中でも水に易溶であるレゾルシノールとホルムアルデヒドのように、モノマーが3次元的に重合し、界面活性剤と結合し、水(水系溶媒)に溶けやすいものを選択し、均一組成溶液から構造化を促すことが望ましい。
【0049】
セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ミリストイルL−アラニン存在下でレゾルシノール/ホルムアルデヒド共重合反応を行うと、レゾルシノール−ホルムアルデヒド共重合体とセチルトリメチルアンモニウム分子、ミリストイルL−アラニン分子が複合化した高分子粒子が生成する。この後行う塩酸/エタノール処理はこの複合体からセチルトリメチルアンモニウム分子、ミリストイルL−アラニン分子を除去することを目的としており、これらの分子が複合体から完全に除去されることが望ましい。
【0050】
この出願の発明は、以上の特徴を持つものであるが、以下、実施例を添付した図面に基づき、具体的に説明する。ただし、これらの実施例は、あくまでも本発明の一つの態様を開示するものであり、決して本発明を限定する趣旨ではない。すなわち、本発明のねらいとするところは、高分子及び炭素粒子が、らせん状の形態を持つことにあることは、前述したとおりである。
【実施例1】
【0051】
レゾルシノール、水酸化ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ミリストイルL−アラニン、メシチレン及び水2:0.3:0.95:0.05:1.0:360のモル比の溶液を調製した。この溶液にホルムアルデヒド(モル比4)の溶液を加え50℃で2時間攪拌した。続いて90℃で24時間攪拌した。得られた固相をろ過により水分を除去し、乾燥することにより、高分子試料を得た。その後、この生成物をエタノールに分散させ、ついで、この分散液にNaOHの仕込み物質量の10倍量のHClを加え、これを室温で3時間攪拌した後、ろ過した。得られた酸処理試料を炭素前駆体とし、これを窒素雰囲気下1000℃で焼成することにより、炭素試料を得た。
【0052】
図1(a、b)は、実施例1で合成されたらせん状高分子の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。図1(c)は、実施例1で合成されたらせん状炭素の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。
らせん状高分子もらせん状炭素も、コイルの直径50〜500nmのらせん構造であることが確認できた。大部分が、コイルの直径150〜300nmのらせん構造であった。コイルを構成するワイヤの径は30〜200nmであり、右巻き・左巻き混在型らせん状高分子及びらせん状炭素が生成することが分かった。
【0053】
本発明は、以上の実施例に加え、多岐にわたる実験例を積み重ね、得られたデータを整理した結果、前記(1)項ないし(2)項に記載した高分子及び前記(3)項ないし(4)項に記載した炭素であることが確認されたものである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、レゾルシノール系樹脂を主要成分として組織された高分子をらせん状に加工し、これを前駆体とすることでらせん状高分子及び炭素を得ることに成功したものであり、その意義は極めて大であると確信する。その詳細な物性や、諸特性及び各種技術分野における作用効果に関する具体的データ等の開示、及びこれに関連して誘導される新たな技術的可能性、発展性等の研究開発は、今後の研究に待つところ大であり、委ねられているものであるが、その組成と特徴的な構造からして、諸分野において優れた作用効果を奏しうることの可能性は極めて大である。
【0055】
本発明は、これまでになかった新規ならせん状粒子を提供したものであり、以下に列記する数々の効果が奏せられ、今後、各種分野において使用され、産業の発展に寄与することが期待される。
すなわち、らせん状高分子の場合、形態制御された高分子粒子の特異な形状と細孔の微細性、分子ふるい、物質分離、特定分子に対する選択的吸着特性等の各種有用な機能を有し、これら有用機能の発現によって高性能分離剤、吸着剤、物質貯蔵剤、超微細な球状の形態を有する繊維・フィルム・プラスチック製品・インキ・塗料・接着剤・紙塗工剤用添加剤など工業的に極めて重要な各種用途に供することができる。
【0056】
らせん状炭素の場合、形態制御された炭素粒子の特異な形状とその細孔の微細性、あるいは分子ふるい、物質分離、小分子の貯蔵、電気伝導あるいは電気絶縁性、特定分子に対する選択的吸着特性等の各種有用な機能を有し、これら有用機能の発現によって高性能分離剤、吸着剤、物質貯蔵剤、繊維・フィルム・プラスチック製品・インキ・塗料・接着剤・紙塗工剤などへの添加剤、電池材料、キャパシタ材料、電磁波吸収材、電子源、微小磁場発生源、磁場検出素子など工業的に極めて重要な各種用途に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】a、bは実施例1のらせん状高分子の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察写真である。cは実施例1のらせん状炭素の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーとアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーとの共重合体の骨格成分を持ち、形状が直径50〜500nmのらせん構造であることを特徴とする高分子。
【請求項2】
芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーとアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーとの共重合体中に、アルキルアンモニウム塩及びアルキルアミンよりなる群から選択された1種以上のカチオン性界面活性剤、並びに分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤を含んでなり、形状が直径50〜500nmのらせん構造であること特徴とする高分子。
【請求項3】
芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーとアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーとの共重合体を骨格成分とする高分子を不活性雰囲気下で焼成することにより得られる、形状が直径30〜500nmのらせん構造であることを特徴とする炭素。
【請求項4】
芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーとアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーとの共重合体中に、アルキルアンモニウム塩及びアルキルアミンよりなる群から選択された1種以上のカチオン性界面活性剤、並びに分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤を含んでなる高分子を不活性雰囲気下で焼成することにより得られる、形状が直径30〜500nmのらせん構造であることを特徴とする炭素。
【請求項5】
塩基性縮合剤の存在下、アルキルアンモニウム塩及びアルキルアミンよりなる群から選択された1種類以上のカチオン性界面活性剤、分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤、アルキルベンゼン、並びに水を混合した溶液に、芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーとアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーを加え、反応させることを特徴とするらせん状高分子の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のらせん状高分子の製造方法において、前記反応させることで得られる生成物を、さらに、アルコール類よりなる溶媒と酸の混合溶液で洗浄処理することを特徴とするらせん状高分子の製造方法。
【請求項7】
塩基性縮合剤の存在下、アルキルアンモニウム塩及びアルキルアミンよりなる群から選択された1種類以上のカチオン性界面活性剤、分子構造にアミノ酸基を有するアニオン性界面活性剤、アルキルベンゼン、並びに水を混合した溶液に、芳香族環に2個以上のヒドロキシル基が置換した構造を持つフェノール類の中から選択された1種類以上のモノマーとアルデヒド類の中から選択された1種以上のモノマーを加え、反応させた後、生成した高分子を、不活性雰囲気下で焼成することを特徴とするらせん状炭素の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載のらせん状炭素の製造方法において、前記生成した高分子を、さらに、アルコール類よりなる溶媒と酸の混合溶液で洗浄処理した後、不活性雰囲気下で焼成することを特徴とするらせん状炭素の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−215470(P2009−215470A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61787(P2008−61787)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度独立行政法人科学技術振興機構「戦略的創造研究推進事業」、産業技術力強化法19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(504224153)国立大学法人 宮崎大学 (239)
【Fターム(参考)】