説明

レバースイッチ装置

【課題】静かな環境下において静粛性を維持するレバースイッチ装置を提供する。
【解決手段】上ケース12と、上ケースに弾性変形可能に支持されたレバー13と、下ケース1内に設けられた固定接点3、4、5と、固定接点に対して接離可能に設けられた可動接点8と、可動接点を移動させる操作部材6とを備え、操作部材が移動して可動接点と固定接点との導通状態が切り換えられるレバースイッチ装置において、レバーは折り曲げ形成されて弾性変形部13aと取り付け部13cとを有しており、弾性変形部は上ケースから突出された状態で支持され、上ケースには取り付け部が挿入支持されるレバー収納部12dが設けられており、取り付け部とレバー収納部との間には取り付け部をレバー収納部の内壁面に押し付けるための押付部13dを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー操作に応じて回路が開閉するレバースイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レバースイッチ装置は、レバーを固定する方法として、例えば、特許文献1に開示されるものがある。この従来技術は図10に示すように、レバー100の取り付け部100aに係止部100bが設けられており、下ケース110にはレバー収納部120が設けられている。このレバー収納部120に取り付け部100aを圧入し、係止部100bの上端がレバー収納部120の下端に達すると、係止部100bが弾性力によってレバー収納部120の下端開口部より拡がることにより、レバーを上方に引っ張っても抜けない構造となっている。
【0003】
このような従来技術によるレバースイッチ装置では、レバー取り付け部とレバー収納部の内壁面との間には、組立て上隙間が必要であり、レバー取り付け部がレバー収納部の内壁面に押し付けられる構造とはなっていない。そのため、レバースイッチ装置に振動が加えられた場合、レバー取り付け部とレバー収納部の内壁面とが接触することによりわずかな接触音が発生する虞があった。しかし、レバースイッチ装置が、例えば音響機器等の室内で使用される機器に使用される場合には、通常では機器には振動が加えられることはなく、従来技術によるレバースイッチ装置が振動による接触音を発生する事はなかった。
また、レバースイッチ装置が常時振動が発生する自動車等に使用される場合でも、自動車が発生する運転騒音等が大きいため、振動によりレバースイッチ装置が発生するわずかな接触音が問題となることはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4323363号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年自動車が発生する運転騒音が小さくなり、特にモーターのみで走行する事が可能な自動車では運転騒音が非常に小さくなってきたため、振動により発生するレバースイッチ装置のわずかな接触音が問題となる可能性がでてきた。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、より静かな環境下であっても静粛性を維持するレバースイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレバースイッチ装置は、ケースと、前記ケースに弾性変形可能に支持されたレバーと、前記ケースに設けられた固定接点と、前記固定接点に対して接離可能に設けられた可動接点と、前記可動接点を移動させる操作部材とを備え、前記レバーが弾性変形することで前記操作部材が移動して前記可動接点と前記固定接点との導通状態が切り換えられるレバースイッチ装置において、前記レバーは折り曲げ形成されて弾性変形部と取り付け部とを有しており、前記弾性変形部は前記ケースから突出された状態で支持され、前記ケースには前記取り付け部が挿入支持されるレバー収納部が設けられており、前記取り付け部と前記レバー収納部との間には前記取り付け部を前記レバー収納部の内壁面に押し付けるための押付部を備えていることを特徴とする。
【0008】
これにより、本発明は、取り付け部がレバー収納部のいずれかの内壁面に押し付けられていることにより、振動等により取り付け部がレバー収納部の内壁面と繰り返し衝突することがなく、衝突音の発生を防止できるので、より静かな環境下であっても静粛性を維持するレバースイッチ装置を提供することができる。
【0009】
また、前記押付部は、前記取り付け部または前記レバー収納部の少なくとも一方に設けられた凸部であることを特徴とする。
【0010】

これにより、本発明は、取り付け部もしくはレバー収納部の少なくとも一方に設けられた凸部が、取り付け部をレバー収納部の内壁面に押し付けることができるため、より確実に取り付け部とレバー収納部とのがたつきを無くすることができ、振動等により取り付け部とレバー収納部とが衝突する音の発生を防ぐことが可能となる。
【0011】
また、前記レバーは、前記弾性変形部と前記取り付け部との間に屈曲部が形成され、前記凸部は前記取り付け部の前記屈曲部よりに形成され、前記レバー収納部の入り口付近において、前記凸部によって、前記取り付け部が前記内壁面に押し付けられることを特徴とする。
【0012】
これにより、本発明は、凸部が取り付け部に形成されているため、安定した部品加工が容易に可能となる。また、レバー収納部の内壁面に凸部が設けられていないので、レバー取り付け部をレバー収納部に挿入する際に、取り付け部の下部がレバー収納部の内壁面に設けられた凸部に接触して破損するといった問題を回避できるので、製品の信頼性が向上できる。
【0013】
また、前記凸部は、前記取り付け部の前記弾性変形部が折り曲げられた方向とは反対方向の側面に2つ形成されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、本発明は、取り付け部に設けられた複数の凸部がレバー収納部の内壁面と接触する構造となっているため、取り付け部が安定して内壁面と接触するのでねじれにくく、外部からの様々な振動に対しても安定して接触を維持することができる。また、凸部をレバーの弾性変形部が折り曲げられた方向とは反対方向の側面に形成しているため、レバーの弾性変形部の押し込み方向に沿う方向でのがたつきを無くすることができ、振動等によるレバーの弾性変形部の揺れにより取り付け部が揺れることで取り付け部とレバー収納部とが衝突する音の発生を防ぐことが可能になる。
【0015】
また、前記レバー収納部の入り口において、前記レバーの弾性変形方向の前記内壁面の一部が切りかかれて逃げ部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
これにより、本発明は、レバーの押し込み方向である弾性変形方向でのレバー収納部の内壁面に逃げ部が設けられたことにより、弾性変形部に押圧力が加わって取り付け部が弾性変形部側に傾倒しても、発生する応力が緩和されるので、より安定した操作寿命が期待できる。
【0017】
また、前記取り付け部の下端側に前記レバー収納部に係止される係止部が形成されており、前記取り付け部は前記係止部と前記レバー収納部との係止箇所と、前記逃げ部の端部との接触部分と、前記凸部と前記内壁面との接触部による3箇所によって保持されていることを特徴とする。
【0018】
これにより、本発明は、取り付け部が3箇所で保持されているため、外部からの振動によって弾性変形部が振動しても、取り付け部はレバー収納部の内壁面に確実に固定されている。そのため、取り付け部とレバー収納部の内壁面とが衝突を繰り返すことはなく、さらに静かな環境下であっても静粛性を維持するレバースイッチ装置を提供することができる。

【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、レバーの取り付け部がレバー収納部の内壁面に押し付けられていることにより、振動等によりレバーの取り付け部がレバー収納部の内壁面に接触する際に発生する音を防止できるので、より静かな環境下であっても静粛性を維持するレバースイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態によるレバースイッチ装置の分解斜視図である。
【図2】第1実施形態によるレバースイッチ装置の非操作時の断面図である。
【図3】第1実施形態によるレバースイッチ装置の被押圧操作時の断面図である。
【図4】第1実施形態によるレバースイッチ装置のレバーの固定方法を説明する要部拡大図である。
【図5】第1実施形態によるレバースイッチ装置の取り付け部に設けられた凸部の変形例を説明する正面図および側面図である。
【図6】第1実施形態によるレバースイッチ装置の取り付け部に設けられた凸部の変形例を説明する正面図および側面図である。
【図7】第2実施形態によるレバースイッチ装置の変形例を説明する要部拡大図である。
【図8】第2実施形態によるレバースイッチ装置の変形例を説明する要部拡大図である。
【図9】第3実施形態によるレバースイッチ装置の説明をする要部拡大図である。
【図10】従来例を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
以下、本発明に係るレバースイッチ装置の第1実施形態を図に基づいて説明する。
【0022】
図1は本発明に係るレバースイッチ装置の第1実施形態の構成を示す分解斜視図、図2はレバースイッチ装置の非操作時の断面図、図3レバースイッチ装置の被押圧操作時の断面図、図4はレバースイッチ装置のレバーの固定方法を説明する要部拡大図である。
【0023】
本実施形態のレバースイッチ装置は、図1および図2に示すように下ケース1(ケース)と、下ケース1に固定されて接点収納部2内に配設された3本の固定接点3、4、5と、操作部6dを立設して下ケース1に昇降可能に保持されたスライダ6(操作部材)と、このスライダ6に取り付けられた可動接点8と、接点収納部2内に配置されてスライダ6を上向きに常時弾性付勢するコイルばね9と、平板部11aおよびドーム状の膨出部11bを有するゴムカバー11と、貫通孔12aを有して下ケース1に取り付けられた上ケース12(ケース)と、操作部6dを上方から押圧操作するためのレバー13とによって、主に構成されている。
【0024】
下ケース1は、上方を開口させた箱型の樹脂成形品であり、この下ケース1の外壁には傾斜面を有する複数の係合凸部1aが突設されている。これらの係合凸部1aは上ケース12の複数の係合孔12bにそれぞれスナップ嵌合させるためのものである。
【0025】
固定接点3、4、5は、導電性のある金属板からなり、下ケース1と一体に形成されている。固定接点3、4、5の一方は下ケース1の底板部1bから上方に延出しており、他方は下ケース1の底板部1bから下方に延出している。3本の固定接点3、4、5のうち、固定接点3と固定接点5は固定接点4よりも上方側に長く形成されている。下ケース1の下方に延出している端子部3a、4a、5aは、外部と電気的に接続される端子として使用される。
【0026】
スライダ6は、樹脂成形品であり、接点収納部2内に昇降可能に組み込まれた本体部6aと、この本体部6aから上方へ突出する円柱状の操作部6dとを有している。本体部6aには可動接点8が取り付けられる中空部6bが設けられており、本体部6aを接点収納部2内に組み込むと中空部6b内に固定接点3、4、5が位置するようになっている。また、本体部6aの外壁2箇所には逃げ溝6cが形成されている。本体部6aの外形は接点収納部2の内壁の形状に略合致させてある。したがって、スライダ6の昇降時に本体部6aを接点収納部2の内壁でガイドすることができる。一方、操作部6dの先端近傍には細径部を形成する係合溝6eが設けられており、この係合溝6eよりも先端側の頂部6fは円椀状に形成されている。
【0027】
可動接点8は、りん青銅等の導電性とともにばね性を有する金属板をU字上に折り曲げて形成したもので、この可動接点8はクリップ状の接点部8a、8b、8cを有している。可動接点8はスライダ6の中空部6bに取り付けられており、スライダ6の昇降動作に伴って接点部8a、8b、8cがそれぞれ固定接点3、4、5に対して接離または摺動するようになっている。また、コイルばね9は本体部6aの操作部6dの底面に当接してスライダ6を上向きに常時弾性付勢している。
【0028】
ゴムカバー11の平板部11aは下ケース1の上面2a上に載置されて上ケース12にとの間で挟み込まれている。
【0029】
上ケース12は下方を開口させた箱型の樹脂成形品であり、この上ケース12の天板部に設けられた貫通孔12aから上方へスライダ6の操作部6dおよびゴムカバー11の膨出部11bが突出している。上ケース12の側壁には複数箇所に係合孔12bが穿設されており、これらの係合孔12bに下ケース1の係合凸部1aをスナップ嵌合させることによって、下ケース1、上ケース12が一体化されている。
【0030】
レバー13は、金属板からなり、図2および図4に示すように取り付け部13cが下ケース1のレバー収納部12dの上方側を入り口として、そこに圧入・固定されており、自由端側の弾性変形部13aが屈曲部13bを支点として弾性変形可能である。取り付け部13cにはレバー収納部12dの内壁面12eに接するように、弾性変形部13aと反対方向の面に、取り付け部13cの挿入方向と垂直方向に併設して円椀状の凸部(押付部)13dが2個設けられている。上ケース12のレバー収納部12dには、レバー13の取り付け部13cに突設されている凸部13dと反対方向、言い換えると、レバー13の弾性変形部13aが折り曲げられた方向の内壁面12eにおける入り口側に勾配を設けた逃げ部12cが設けられている。また、取り付け部13cの下端側には係止部13eが設けられており、係止部13eがレバー収納部12dの下端部12f(係止箇所)に達すると、係止部13eが弾性力により下端部12fに引っかかるように広がり、取り付け部13cが上方に抜けないようになっている。この弾性変形部13aは操作部6d上に配置されており、弾性変形部13aを押し込むと操作部6dが押し込まれてスライダ6が下降するようになっている。
【0031】
このように構成されたレバースイッチ装置は、図3に示すように、レバー13の弾性変形部13aを下方へ押し込むと、操作部6dと接触し、コイルばね9を押し込みながらスライダ6が下降する。
【0032】
レバースイッチ装置の動作について説明すると、図2に示すように、非操作時にはコイルばね9によってスライダ6が上方に押し上げられているため、可動接点8のうち接点部8a、8cはそれぞれ長寸な固定接点3、5と接触して端子部3a、5a間が導通されているが、接点部8bは短寸な固定接点4とは非接触に保たれている。すなわち、端子部3a、5a間は導通し、端子部3a、4a間の導通は遮断されている。
【0033】
この状態でレバー13の弾性変形部13aを下方に押し込むと、コイルばね9を圧縮させながらスライダ6が下降するため、図3に示すように、膨出部11bの中央部が凹状に弾性変形すると共に、接点収納部2内で可動接点8が下降する。その結果、接点部8aは固定接点3との接触を維持するものの、接点部8cは固定接点5から離れるため非接触となり、接点部8bは短寸な固定接点4と接触するようになる。これにより、端子部3a、5a間の導通は遮断されて、端子部3a、4a間が導通された状態へ切り換えられる。

【0034】
また、操作部6dを押し込んでいるレバー13の弾性変形部13aから押圧操作力を解除すると、弾性変形部13aは自身の弾性で元の位置に戻り、かつスライダ6はコイルばね9の復元力により押し上げられるため、操作部6dと可動接点8は図2に示す高さまで上昇し、凹状に弾性変形していた膨出部11bも自身の弾性で元のドーム状に戻る。その結果、接点部8aは固定接点3との接触を維持するものの、接点部8bは短寸な固定接点4から離れ、接点部8cは固定接点5と接触する。これにより、端子部3a、5a間の導通が回復して端子部3a、4a間の導通は遮断される。
【0035】
レバー13の取り付け部13cは、図2に示すように、レバー13の弾性変形部13aに押圧力のない状態、いわゆる初期状態において、レバー13の取り付け部13cに突設されている2箇所の凸部13dはレバー収納部12dの内壁面12eの接触部12hと当接する。また、取り付け部13cの上部は上ケース12のレバー収納部12dに設けられている逃げ部12c側に押され、逃げ部12cの端部12g(接触部分)に接触する。一方、取り付け部13cの下部は逃げ部12cと向かい合った内壁面12eに押し付けられる。よって、取り付け部13cはレバー収納部12dの内壁面12eに対して3箇所で接触している。このことにより、取り付け部13cとレバー収納部12dの内壁面12eとはレバー13の押し込み方向である弾性変形方向でのがたつきが無くなり、振動を加えても取り付け部13cと内壁面12eとが常に接触しているため、お互いが衝突して発生する異音を無くすることができる。
【0036】
また、レバー13の取り付け部13cはレバー収納部12dの内壁面12eと常に接触しているため、レバー13の弾性変形部13aは、押圧力を加えない状態においては初期位置から変化しない。つまり、弾性変形部13aの位置が固定されているため、セットでの組立てにおいても良好な組立性が達成できる。
【0037】
また、レバー13の弾性変形部13aに押圧力を加えて下方に押し込んだ場合、図4に示すように、レバー13の取り付け部13cは更に傾斜し、上ケース12のレバー収納部12dの内壁面12eに押し付けられるため、この状態においても取り付け部13cとレバー収納部12dは常に接触した状態となる。よって、外部からの振動により取り付け部13cとレバー収納部12dの内壁面12eとが衝突することがないため、接触する際に発生する接触音はない。更に、上ケース12のレバー収納部12dに逃げ部12cが設けられていることにより、レバー13が押し込まれた際に発生する応力が緩和されるため、レバー13の良好な機械的強度を確保することができる。
【0038】
なお、本実施例ではレバー13の取り付け部13cには、レバー収納部12dの内壁面12eに接するように、弾性変形部13aが折り曲げられた方向とは反対方向の側面に、取り付け部13cの挿入方向と垂直方向に併設して円椀状の凸部13dが2個設けられているが、レバー13の取り付け部13cがレバー収納部12dのいずれかの内壁面12eに押し付けられていればよく、凸部は、レバー収納部12dのいずれかの内壁面12eまたはレバー13の取り付け部13cの内壁面12eに対向するいずれかの箇所に設けられていればよい。また、凸部の形状は円椀でなくてもよく、例えば図5に示すように凸部13fのような細長形状等であって同様の効果が得られる。
【0039】
また、本実施例ではレバー13の取り付け部13cには、凸部13dが2個設けられているが、複数個設けられていてもよく、例えば図6に示す凸部13gのように3個形成されていてもよい。
また、本実施例では凸部13dを取り付け部13cの上方側に設けているが、レバー13をレバー収納部12dに挿入する際に凸部13dがレバー収納部12dの内壁面12eを摺動する距離が少なくなるため、内壁面12eを削ってしまうことを軽減させることができる。
【0040】
<第2実施形態>
次に、本発明のレバースイッチ装置を具現化した第2実施形態について図7を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0041】
この実施形態によるレバースイッチ装置は、図7に示すように、上ケース12に設けられたレバー収納部12dの入り口側であり、弾性変形部13aが折り曲げられた方向とは反対方向の内壁面12eに凸部20が設けられている。
【0042】
このように、上記実施形態では、レバー収納部12dの内壁面12eに凸部20を設けていることにより、レバー13の取り付け部13cとレバー収納部12d内に設けられている凸部20とが接することにより、取り付け部13cとレバー収納部12dの内壁面12eとはレバー13の押し込み方向である弾性変形方向でのがたつきが無くなり、振動を加えても取り付け部13cとレバー収納部12dの内壁面12eとが常に接触しているため、お互いが衝突して発生する異音を無くすることができる。
【0043】
なお、本実施例では、凸部20は、上ケース12に設けられたレバー収納部12dの入り口側で、弾性変形部13aが折り曲げられた方向とは反対方向の内壁面12eに設けられているが、レバー13とレバー収納部12dの内壁面12eが接触することによりがたつきがなくなればよく、例えば図8の凸部21に示すように、レバー収納部12dの入り口から遠い下方側で、弾性変形部13aが折曲げられた方向と同方向の内壁面12eに形成してもよい。
【0044】
<第3実施形態>
次に、本発明のレバースイッチ装置を具現化した第3実施形態について図9を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0045】
この実施形態によるレバースイッチ装置は、図9に示すように、レバー13と上ケース12に設けられたレバー収納部12dの内壁面12eとの間に、スペーサ22が挿入されている。
【0046】
スペーサ22は、レバー13の取り付け部13cがレバー収納部12dの内壁面12eに押し付けられるような材料であればよく、例えばPET等の樹脂やゴム等の弾性力を持った樹脂等が好適に用いられる。また、接着剤や粘着材をレバー13の取り付け部13cとレバー収納部12dの内壁面12eとの間に塗布することによりレバー13をレバー収納部12dの内壁面12eに押し付けてもよい。
【0047】
このように、上記実施形態では、レバー13の取り付け部13cとレバー収納部12dの内壁面12eとの間にスペーサ22を挿入することにより、取り付け部13cがレバー収納部12dの内壁面12eに押し付けられるため、レバー13の取り付け部13cとレバー収納部12dの内壁面12eとの間のがたつきが抑えられる。従って、振動を加えても取り付け部13cとレバー収納部12dとが常に接触しているため、お互いが衝突して発生する異音を無くすることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 下ケース(ケース)
1a 係合凸部
2 接点収納部
3、4、5 固定接点
3a、4a、5a 端子部
6 スライダ(操作部材)
6a 本体部
6b 中空部
6c 逃げ溝
6d 操作部
6e 係合溝
6f 頂部
8 可動接点
8a、8b、8c 接点部
9 コイルばね
11 ゴムカバー
11a 平板部
11b 膨出部
12 上ケース(ケース)
12a 貫通孔
12b 係合孔
12c 逃げ部
12d レバー収納部
12e 内壁面
12f 下端部(係止箇所)
12g 端面(接触部分)
12h 接触部
13 レバー
13a 弾性変形部
13b 屈曲部
13c 取り付け部
13d 凸部(押付部)
13e 係止部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、前記ケースに弾性変形可能に支持されたレバーと、前記ケースに設けられた固定接点と、前記固定接点に対して接離可能に設けられた可動接点と、前記可動接点を移動させる操作部材とを備え、前記レバーが弾性変形することで前記操作部材が移動して前記可動接点と前記固定接点との導通状態が切り換えられるレバースイッチ装置において、前記レバーは折り曲げ形成されて弾性変形部と取り付け部とを有しており、前記弾性変形部は前記ケースから突出された状態で支持され、前記ケースには前記取り付け部が挿入支持されるレバー収納部が設けられており、前記取り付け部と前記レバー収納部との間には前記取り付け部を前記レバー収納部の内壁面に押し付けるための押付部を備えていることを特徴とするレバースイッチ装置。
【請求項2】
前記押付部は、前記取り付け部または前記レバー収納部の少なくとも一方に設けられた凸部であることを特徴とする請求項1に記載のレバースイッチ装置。
【請求項3】
前記レバーは、前記弾性変形部と前記取り付け部との間に屈曲部が形成され、前記凸部は前記取り付け部の前記屈曲部よりに形成され、前記レバー収納部の入り口付近において、前記凸部によって、前記取り付け部が前記内壁面に押し付けられることを特徴とする請求項1または2に記載のレバースイッチ装置。
【請求項4】
前記凸部は、前記取り付け部の前記弾性変形部が折り曲げられた方向とは反対方向の側面に2つ形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレバースイッチ装置。
【請求項5】
前記レバー収納部の入り口において、前記レバーの弾性変形方向の前記内壁面の一部が切りかかれて逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のレバースイッチ装置。
【請求項6】
前記取り付け部の下端側に前記レバー収納部に係止される係止部が形成されており、前記取り付け部は前記係止部と前記レバー収納部との係止箇所と、前記逃げ部の端部との接触部分と、前記凸部と前記内壁面との接触部による3箇所によって保持されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のレバースイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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