説明

レバー式コネクタ

【課題】レバーの組付性を向上させ、レバーの変形や破損のおそれをなくし、組付後のレバーの脱落のおそれをなくす。
【解決手段】上壁部11と下壁部12にボス部17を有するコネクタハウジング10と、上板21と下板22と連結部23を有する断面コ字状をなし、上板と下板に形成されたボス受部27をボス部に嵌合させることで、回動自在にコネクタハウジングに装着されるレバー20とを有し、上壁部と下壁部の間にサブハウジングの挿入スペースが形成され、その挿入スペースの上側の上壁部と下側の下壁部に2本のスリットで挟まれた可撓壁が形成され、その可撓壁にボス部が突設され、ボス受部をボス部にそれぞれ嵌合させる際、可撓壁を撓ませながら嵌合させ、ボス部とボス受部を嵌合した状態で、挿入スペースにサブハウジング30を挿入し係止することで可撓壁18の撓みを阻止した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタハウジングに装着したレバーを回動操作することで、相手側コネクタとの嵌合を小さい力で容易に達成できるようにしたレバー式コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コネクタハウジングの外側に断面コ字状のレバーを装着し、相手側コネクタとの嵌合時に、このレバーを初期位置から嵌合達成位置まで回動操作することにより、てこの作用を利用して小さい力で相手側コネクタとの嵌合を達成するようにしたレバー式コネクタが従来より広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のレバー式コネクタでは、一般的にコネクタハウジングの上壁部の上面と下壁部の下面に、それぞれレバーの回動支点となるボス部が突設されている。また、レバーは、コネクタハウジングの上壁部の上面に重なる上板と、コネクタハウジングの下壁部の下面に重なる下板と、上板と下板を連結する連結部とを有する断面コ字状に形成されており、上板と下板にそれぞれ形成されたボス受部(嵌合孔)を、コネクタハウジングの各ボス部に嵌合させることにより、それら嵌合部を支点として回動自在にコネクタハウジングに装着されている。
【0004】
従来、この断面コ字状のレバーをコネクタハウジングに装着する際には、上板と下板を外側に撓ませて拡げながら、コネクタハウジングのボス部にレバーのボス受部に嵌合させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−93871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した従来のレバー式コネクタは、上板と下板を拡げながらレバーをコネクタハウジングに装着する必要があるため、組付性が悪い上、レバーの変形や破損のおそれがあった。また、何らかの外力が働いて上板と下板が撓んだ場合、ボス受部がボス部から外れてしまい、レバーが脱落するおそれもあった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、レバーの組付性を向上させることができると共に、レバーの変形や破損のおそれをなくすことができ、しかも、組付後のレバーの脱落のおそれをなくすことのできるレバー式コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 上壁部の上面と下壁部の下面にそれぞれ突設された一対のボス部を有するコネクタハウジングと、
該コネクタハウジングの上壁部の上面に重なる上板と、コネクタハウジングの下壁部の下面に重なる下板と、前記上板と下板を連結する連結部とを有する断面コ字状をなし、前記上板と下板にそれぞれ形成されたボス受部を前記コネクタハウジングの各ボス部に嵌合させることで、それら嵌合部を支点として回動自在にコネクタハウジングに装着されるレバーと、
を有し、
相手側コネクタとの嵌合時に、前記レバーを初期位置から嵌合達成位置まで回動させることにより、てこの作用により前記相手側コネクタとの嵌合を達成するレバー式コネクタにおいて、
前記上壁部と下壁部の間に、端子収容室を備えたサブハウジングの挿入スペースを形成し、
該挿入スペースの上側の前記上壁部と下側の前記下壁部に、それぞれ2本のスリットを入れることで、上壁部および下壁部の一部に前記2本のスリットに挟まれ且つ前記サブハウジングの挿入スペースを撓み空間とする可撓壁を形成し、
それら上壁部の可撓壁の上面と下壁部の可撓壁の下面に前記ボス部をそれぞれ突設し、
前記レバーのボス受部を前記ボス部にそれぞれ嵌合させる際、前記可撓壁を撓ませながら嵌合させ、前記ボス部とボス受部を嵌合した状態で、前記挿入スペースに前記サブハウジングを挿入し係止したことを特徴とするレバー式コネクタ。
【0009】
(2) 前記レバーの連結部を、前記相手側コネクタと嵌合する際の回動操作部とし、前記連結部から遠い前記上板と下板の各先端に近い位置に前記ボス受部を設けると共に、該ボス受部と前記上板と下板の各先端との間の位置に、前記相手側コネクタと係合することで、前記レバーの回動操作時に前記相手側コネクタに嵌合力を伝達する係合部を設けたことを特徴とする上記(1)に記載のレバー式コネクタ。
【0010】
(3) 前記コネクタハウジングの上壁部と下壁部に、前記ボス受部を前記ボス部に嵌合させる際に、前記レバーの連結部から遠い前記上板と下板の各先端を挿入することで前記レバーの回動支点となる先端受部を設けたことを特徴とする上記(2)に記載のレバー式コネクタ。
【0011】
上記(1)の構成のレバー式コネクタによれば、ボス部を形成するコネクタハウジングの上壁部と下壁部の間に、端子収容室を備えたサブハウジングの挿入スペースを形成し、その挿入スペースの上側の上壁部と下側の下壁部に、それぞれ2本のスリットを入れることで、上壁部および下壁部の一部に2本のスリットに挟まれ且つサブハウジングの挿入スペースを撓み空間とする可撓壁を形成し、それら上壁部の可撓壁の上面と下壁部の可撓壁の下面にボス部をそれぞれ突設したので、レバーのボス受部をコネクタハウジングのボス部に嵌合させる際に、コネクタハウジング側の可撓壁を撓ませながら嵌合させることができる。従って、レバーを撓ませる必要が全くないので、レバーの組付性を向上させることができると共に、レバーが変形したり損傷したりするおそれも解消することができる。また、ボス部とボス受部を嵌合した状態で、コネクタハウジングの上壁部と下壁部の間の挿入スペースにサブハウジングを挿入して係止することにより、サブハウジングによって可撓壁の撓みを阻止することができるので、ワイヤーハーネスの取り回し時などに可撓壁が撓んでボス部とボス受部の嵌合が外れるのを防止することができ、レバーの脱落を確実に防ぐことができる。
【0012】
上記(2)の構成のレバー式コネクタによれば、レバーの連結部から遠い上板と下板の各先端に近い位置にボス受部を設けると共に、ボス受部と上板と下板の各先端との間の位置に相手側コネクタと係合する係合部を設けたので、連結部を操作してボス部を支点にレバーを回動させることにより、てこの作用を最大限に利用しながら小さい力で相手側コネクタとの嵌合を達成することができる。
【0013】
上記(3)の構成のレバー式コネクタによれば、コネクタハウジングの上壁部と下壁部に、ボス受部をボス部に嵌合させる際に、レバーの連結部から遠い上板と下板の各先端を挿入することでレバーの回動支点となる先端受部を設けたので、先端受部に上板と下板の各先端を挿入した状態でレバーを回動操作することにより、コネクタハウジングのボス部にレバーのボス受部を容易に嵌合させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コネクタハウジングに設けた可撓壁にボス部を突設することにより、レバーを撓ませることなく、レバーのボス受部をコネクタハウジングのボス部に嵌合させることができるので、レバーの組付性を向上させることができると共に、レバーが変形したり損傷したりするおそれも解消することができる。また、ボス部とボス受部を嵌合した状態で、コネクタハウジングにサブハウジングを挿入して係止するので、サブハウジングによって可撓壁の撓みを阻止することができ、それにより、ワイヤーハーネスの取り回し時などに可撓壁が撓んでボス部とボス受部の嵌合が外れるのを防止することができ、レバーの脱落を確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態のレバー式コネクタの分解斜視図である。
【図2】同レバー式コネクタのレバーとコネクタハウジングの組立手順を示す図で、図2(a)はコネクタハウジングにレバーを組み付けている途中の状態を示す上面図、図2(b)はコネクタハウジングにレバーを組み付け終わった状態を示す上面図である。
【図3】図3(a)は図2のIII−III矢視断面図、図3(b)は図3(a)の状態からレバーを更に押し込み、ボス部を突設した可撓壁を内側に撓ませている状態を示す断面図である。
【図4】前記レバー式コネクタの全体の組立手順を示す図で、図4(a)はサブハウジングの端子収容室に後方から端子を挿入しようとしている状態を示す斜視図、図4(b)は図2に示す手順を経て組み立てたレバー付きコネクタハウジングに、端子を組み込んだサブハウジングを挿入しようとしている状態を示す上面図、図4(c)は組み立て終わったレバー式コネクタの上面図である。
【図5】図4(c)のV−V矢視断面図である。
【図6】図6(a)は図4の手順を経て組み立て終わったレバー式コネクタの上面図、図6(b)はレバーを図6(a)の本係止位置から仮係止位置に戻して、本実施形態のレバー式コネクタを相手側コネクタと嵌合できるようにした状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態のレバー式コネクタの分解斜視図、図2は同レバー式コネクタのレバーとコネクタハウジングの組立手順を示す図で、図2(a)はコネクタハウジングにレバーを組み付けている途中の状態を示す上面図、図2(b)はコネクタハウジングにレバーを組み付け終わった状態を示す上面図、図3(a)は図2(a)のIII−III矢視断面図、図3(b)は図3(a)の状態からレバーを更に押し込み、ボス部を突設した可撓壁を内側に撓ませている状態を示す断面図である。また、図4はレバー式コネクタの全体の組立手順を示す図で、図4(a)はサブハウジングの端子収容室に後方から端子を挿入しようとしている状態を示す斜視図、図4(b)は図2に示す手順を経て組み立てたレバー付きコネクタハウジングに、端子を組み込んだサブハウジングを挿入しようとしている状態を示す上面図、図4(c)は組み立て終わったレバー式コネクタの上面図、図5は図4(c)のV−V矢視断面図である。
【0017】
この実施形態のレバー式コネクタは、相手側コネクタとの嵌合時に、レバーを初期位置から嵌合達成位置まで回動させることにより、てこの作用により小さい力で、相手側コネクタとの嵌合を達成するものである。図1に示すように、本実施形態のレバー式コネクタ1は、長方形枠状のコネクタハウジング10と、レバー20と、コネクタハウジング10内に収容される2つのブロック状のサブハウジング30と、電線41の先端に取り付けられた複数の端子40と、から構成されている。
【0018】
コネクタハウジング10は、上壁部11と下壁部12と左右の側壁部13、14とを有する。上壁部11と下壁部12の間には、左右に仕切られた2つの前後方向に貫通したサブハウジング挿入スペース15、16が設けられており、各挿入スペース15、16に、後方からそれぞれサブハウジング30を挿入することができるようになっている。サブハウジング30には、後方から端子40を挿入することのできる多数の端子収容室31が形成されており、サブハウジング30をコネクタハウジング10に挿入して、図示しない係止手段によって係止することにより、サブハウジング30の前面がコネクタ1の前面1A〔図5(c)参照〕を構成するようになっている。
【0019】
コネクタハウジング10の上壁部11の上面と下壁部12の下面には、それぞれレバー20の回動支点となるボス部17が突設されている。また、図中後方から見て右側のサブハウジングの挿入スペース16の上側の上壁部11と下側の下壁部12には、それぞれ2本のスリット18a、18aが、上壁部11の後縁11aおよび下壁部12の後縁12aから前方に向けて互いに平行に形成されており、それにより、上壁部11および下壁部12の一部に、2本のスリット18a、18aによって挟まれ且つサブハウジングの挿入スペース16を撓み空間16S〔図3(a)参照〕とする矩形の可撓壁18が形成されている。そして、それら上壁部11の可撓壁18の上面と下壁部12の可撓壁18の下面に、レバー20の回動支点となるボス部17がそれぞれ突設されている。なお、ボス部17は円柱状の突起であり、その円形端面の後側半円部に、レバー20の乗り上げを容易にするための誘導斜面17aが設けられている。また、挿入スペース16にサブハウジング30を挿入することによって、可撓壁18の撓み空間16Sをなくして、可撓壁18の撓みを阻止できるようになっている。
【0020】
一方、レバー20は、コネクタハウジング10の上壁部11の上面に重なる上板21と、コネクタハウジング10の下壁部12の下面に重なる下板22と、上板21と下板22を連結する連結部23とを有する断面コ字状をなしている。連結部23は相手側コネクタと嵌合する際の回動操作部であり、後方から見て左端部に位置している。連結部23から遠い上板21と下板22の各先端(図中後方から見て右端)21a、22aに近い位置には、コネクタハウジング10のボス部17に嵌合するボス受部27が設けられている。ボス受部27は貫通した嵌合孔として形成されている。
【0021】
レバー20は、上板21と下板22にそれぞれ形成したボス受部27をコネクタハウジング10の各ボス部17に嵌合させることで、それら嵌合部を支点として回動自在にコネクタハウジング10に装着されるものである。また、ボス受部27と上板21と下板22の各先端21a、22aとの間の位置には、相手側コネクタと係合することで、レバー20の回動操作時に相手側コネクタに嵌合力を伝達する係合部24が設けられている。
【0022】
また、コネクタハウジング10の上壁部11と下壁部12の後方から見て右端には、ボス受部27をボス部17に嵌合させる際に、レバー20の連結部23から遠い上板21と下板22の各先端21a、22aを挿入することでレバー20の回動支点となるレバー先端受部19が設けられている。
【0023】
次に実施形態のレバー式コネクタの組立手順を説明する。
組み立てを行う場合は、まず、レバー20をコネクタハウジング10に装着する。その際、図2(a)に示すように、レバーの先端21a、22aをコネクタハウジング10のレバー先端受部19へ潜らせ、レバー20の先端21a、22aを支点S1にして、レバー20を矢印A方向へ回転させて、コネクタハウジング10のボス部17にレバー20のボス受部27を嵌合させる。
【0024】
このときの動作は、図3(a)、図3(b)に示すように、レバー20の上板21と下板22が、回動方向の前端からボス部17の誘導斜面17aに乗り上げることで、ボス部17が突設された可撓壁18を、内側に撓ませながら押し下げる。従って、レバー20の上板21と下板22は、特に撓むことなくそのままの状態で楽にスライドして行き、レバー20のボス受部27が可撓壁18の上のボス部17に嵌まる。この段階で可撓壁18は撓みから復帰し、元の上壁部11と下壁部12の位置に戻る。ボス部17とボス受部27が嵌合したら、レバー20を前方の嵌合達成位置まで回動させて、一旦本係止状態にする。
【0025】
次に、図4(a)に示すように、サブハウジング30の各端子収容室31に電線41の先端に取り付けた端子40を矢印Bのように挿入する。端子40を全て挿入したら、図4(b)に示すように、サブハウジング30をコネクタハウジング10の挿入スペース15、16に矢印Cのように挿入して係止させる。これにより、図4(c)に示すようなレバー式コネクタ1が完成する。このように、サブハウジング30をコネクタハウジング10に挿入することにより、ボス部17が突設された可撓壁18はサブハウジング30によって撓み阻止される。
【0026】
図6(a)は図4の手順を経て組み立て終わったレバー式コネクタの上面図、図6(b)はレバーを図6(a)の本係止位置から仮係止位置に戻して、本実施形態のレバー式コネクタを相手側コネクタと嵌合できるようにした状態(相手側コネクタを受け入れ可能な状態)を示す上面図である。
【0027】
図6(a)に示すように組み立て終わったレバー式コネクタ1は、搬送時などはこの形態で持ち運ぶことができるが、相手側コネクタと嵌合する段階では、図6(b)に示すように、レバー20を初期位置に矢印Dのように戻して仮係止させる。この仮係止状態で、レバー式コネクタ1の前面1A側から相手側コネクタ(図示略)を初期嵌合させる。そうすると、レバー20の係合部24に相手側コネクタの被係合部が係合し、その状態で、レバー20をボス部17とボス受部27の嵌合部を回動支点S2として矢印E方向に回動させることで、相手側コネクタとレバー式コネクタ1を小さい操作力で適正に嵌合させることができる。
【0028】
以上説明したように、本実施形態のレバー式コネクタ1によれば、ボス部17を形成するコネクタハウジング10の上壁部11と下壁部12の間に、端子収容室31を備えたサブハウジング30の挿入スペース15、16を形成し、その挿入スペース16の上側の上壁部11と下側の下壁部12に、それぞれ2本のスリット18a、18aを入れることで、上壁部11および下壁部12の一部に2本のスリット18a、18aに挟まれ且つサブハウジングの挿入スペース16を撓み空間16Sとする可撓壁18を形成し、それら上壁部11の可撓壁18の上面と下壁部12の可撓壁18の下面にボス部17をそれぞれ突設したので、レバー20のボス受部27をコネクタハウジング10のボス部17に嵌合させる際に、コネクタハウジング10側の可撓壁18を撓ませながら嵌合させることができる。従って、レバー20を撓ませる必要が全くないので、レバー20の組付性を向上させることができると共に、レバー20が変形したり損傷したりするおそれも解消することができる。また、ボス部17とボス受部27を嵌合した状態で、コネクタハウジング10の上壁部11と下壁部12の間の挿入スペース16にサブハウジング30を挿入して係止することにより、サブハウジング30によって可撓壁18の撓みを阻止することができるので、ワイヤーハーネスの取り回し時などに可撓壁18が撓んでボス部17とボス受部27の嵌合が外れるのを防止することができ、レバー20の脱落を確実に防ぐことができる。
【0029】
また、本実施形態のレバー式コネクタ1によれば、レバー20の連結部23から遠い上板21と下板22の各先端21a、22aに近い位置にボス受部27を設けると共に、ボス受部27と上板21と下板22の各先端21a、22aとの間の位置に相手側コネクタと係合する係合部24を設けているので、連結部23を操作してボス部17を支点にレバー20を回動させることにより、てこの作用を最大限に利用しながら、小さい力で相手側コネクタとの嵌合を達成することができる。
【0030】
また、コネクタハウジング10の上壁部11と下壁部12に、ボス受部27をボス部17に嵌合させる際に、レバー20の連結部23から遠い上板21と下板21の各先端21a、22aを挿入することでレバー20の回動支点S1となるレバー先端受部19を設けたので、レバー先端受部19に上板21と下板22の各先端21a、22aを挿入した状態でレバー20を回動操作することにより、コネクタハウジング10のボス部17にレバー20のボス受部27を容易に嵌合させることができ、組付性の向上が図れる。
【0031】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0032】
1 レバー式コネクタ
10 コネクタハウジング
11 上壁部
12 下壁部
16 サブハウジングの挿入スペース
16S 撓み空間
17 ボス部
18 可撓壁
18a スリット
19 レバー先端受部
20 レバー
21 上板
21a 先端
22 下板
22a 先端
23 連結部(回動操作部)
24 係合部
27 ボス受部
S1 回動支点
S2 回動支点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上壁部の上面と下壁部の下面にそれぞれ突設された一対のボス部を有するコネクタハウジングと、
該コネクタハウジングの上壁部の上面に重なる上板と、前記コネクタハウジングの下壁部の下面に重なる下板と、前記上板と下板を連結する連結部とを有する断面コ字状をなし、前記上板と下板にそれぞれ形成されたボス受部を前記コネクタハウジングの各ボス部に嵌合させることで、それら嵌合部を支点として回動自在に前記コネクタハウジングに装着されるレバーと、
を有し、
相手側コネクタとの嵌合時に、前記レバーを初期位置から嵌合達成位置まで回動させることにより、てこの作用により前記相手側コネクタとの嵌合を達成するレバー式コネクタにおいて、
前記上壁部と下壁部の間に、端子収容室を備えたサブハウジングの挿入スペースを形成し、
該挿入スペースの上側の前記上壁部と下側の前記下壁部に、それぞれ2本のスリットを入れることで、上壁部および下壁部の一部に前記2本のスリットに挟まれ且つ前記サブハウジングの挿入スペースを撓み空間とする可撓壁を形成し、
それら上壁部の可撓壁の上面と下壁部の可撓壁の下面に前記ボス部をそれぞれ突設し、
前記レバーのボス受部を前記ボス部にそれぞれ嵌合させる際、前記可撓壁を撓ませながら嵌合させ、前記ボス部とボス受部を嵌合した状態で、前記挿入スペースに前記サブハウジングを挿入し係止したことを特徴とするレバー式コネクタ。
【請求項2】
前記レバーの連結部を、前記相手側コネクタと嵌合する際の回動操作部とし、前記連結部から遠い前記上板と下板の各先端に近い位置に前記ボス受部を設けると共に、該ボス受部と前記上板と下板の各先端との間の位置に、前記相手側コネクタと係合することで、前記レバーの回動操作時に前記相手側コネクタに嵌合力を伝達する係合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレバー式コネクタ。
【請求項3】
前記コネクタハウジングの上壁部と下壁部に、前記ボス受部を前記ボス部に嵌合させる際に、前記レバーの連結部から遠い前記上板と下板の各先端を挿入することで前記レバーの回動支点となる先端受部を設けたことを特徴とする請求項2に記載のレバー式コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−89385(P2013−89385A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227292(P2011−227292)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】