説明

レバー装置構造

【課題】本発明は、複数のギヤボックス部を有する筐体を嵌め合い部を介してハウジングに装着することにより、ハウジングのリンク機構との位置合わせを所定通りとすることを目的とする。
【解決手段】本発明によるレバー装置構造は、複数のギヤボックス部(11)及び回動レバー(25)を有する筐体(10)の両側外面(41)に第1嵌め合い部(43)を設け、前記筐体(10)をその両側部(2,3)に設けられた第2嵌め合い部(45)を有するハウジング(1)に取付ける場合、第1、第2嵌め合い部(43,45)を嵌め合わせ、ハウジング(1)に対する筐体(10)の位置決めを容易化する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー装置構造に関し、特に、複数のギヤボックス部を有する筐体を嵌め合い部を介してハウジングに装着することにより、ハウジングのリンク機構との位置合わせを所定通りとするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種の回動レバーを用いた複数のギヤボックス部を用いたユニット型の筐体の場合、社内製作のみで特許出願をしていないため、特許文献を開示していないが、ハウジングに対する筐体の装着は、ねじ止めによって行われていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のレバーを有するハウジングに対する筐体の装着は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、ハウジングに対して筐体を複数のねじを介して装着するため、ハウジングの所定位置に対する軸芯を出して位置決めすることが難しく、ハウジング側に取付けたレバーのリンク機構との位置関係を設計通りとすることは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によるレバー装置構造は、筐体の長手方向に沿って設けられた複数のギヤボックス部と、前記各ギヤボックス部に各々回転自在に設けられた個別駆動軸と、前記筐体の上部に設けられモータにより駆動する上部駆動軸と、前記上部駆動軸と連動すると共に前記個別駆動軸を駆動するスリップクラッチと、前記各ギヤボックス部の下部に設けられた回動レバーと、前記各回動レバーに設けられ前記スリップクラッチと連動するレバー用ギヤと、前記筐体の両側外面に形成され凹又は凸形状の一対の第1嵌め合い部と、前記筐体を収納するハウジングと、前記ハウジングの両側部に設けられ凸又は凹形状の一対の第2嵌め合い部と、を備え、前記各第1嵌め合い部と各第2嵌め合い部とを嵌め合い接続することにより、前記ハウジングにおける前記筐体の位置決めを行う構成であり、また、前記ハウジングに回動自在に軸支された回動レバーのリンク機構は、前記筐体のギヤボックス部のギヤに接続されている構成である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によるレバー装置構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、筐体の長手方向に沿って設けられた複数のギヤボックス部と、前記各ギヤボックス部に各々回転自在に設けられた個別駆動軸と、前記筐体の上部に設けられモータにより駆動する上部駆動軸と、前記上部駆動軸と連動すると共に前記個別駆動軸を駆動するスリップクラッチと、前記各ギヤボックス部の下部に設けられた回動レバーと、前記各回動レバーに設けられ前記スリップクラッチと連動するレバー用ギヤと、前記筐体の両側外面に形成され凹又は凸形状の一対の第1嵌め合い部と、前記筐体を収納するハウジングと、前記ハウジングの両側部に設けられ凸又は凹形状の一対の第2嵌め合い部と、を備え、前記各第1嵌め合い部と各第2嵌め合い部とを嵌め合い接続することにより、前記ハウジングにおける前記筐体の位置決めを行うことができ、筐体のギヤボックス部とレバーのリンク機構との位置関係を簡単かつ正確に一致させることができる。
また、前記ハウジングに回動自在に軸支された回動レバーのリンク機構は、前記筐体のギヤボックス部のギヤに接続されていることにより、レバーによってギヤボックス部を正確に作動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、複数のギヤボックス部を有する筐体を嵌め合い部を介してハウジングに装着することにより、ハウジングのリンク機構との位置合わせを所定通りとするレバー装置構造を提供することを目的とする。
【実施例】
【0007】
以下、図面と共に本発明によるレバー装置構造の好適な実施の形態について説明する。
図1において符号1で示されるものは全体形状が箱形をなすハウジングであり、このハウジング1の互いに対向する一対の側部2、3間には、4個のレバー4が第1軸支部5を介して矢印Aの方向に沿って往復回動自在に設けられている。
【0008】
前記各側部2、3に設けられた第1軸支部5の下方位置には、図3の点線で示される内部ユニットとしての筐体10が配設され、この筐体10内には四個のギヤボックス部11がこの筐体10の長手方向に沿って配設されている。
【0009】
前記レバー4の下端部12には第2軸支部13を介して第1ロッド14が接続され、この第1ロッド14には第3軸支部15を介して第2ロッド16が接続され、この第2ロッド16は前記ギヤボックス部11のギヤ17に接続されている。
従って、前述の各レバー4は、図1に示されるように、各ギヤボックス部11の各ギヤ17に各々接続されている。尚、前述のレバー4、第1ロッド14及び第2ロッド16により、レバー4をギヤ17に連結するためのリンク機構20を構成している。
【0010】
前記筐体10に設けられている各ギヤボックス部11は、図1、図2、図4及び図5で示されるように構成され、前記各ギヤボックス部11には個別駆動軸21が各々回転自在に設けられている。
【0011】
前記筐体10の最上部位置には、モータ22によって回転駆動される共通の上部駆動軸23が各ギヤボックス部11を軸方向に横断する状態で配設されており、この上部駆動軸23の回転はスリップクラッチ24を介して前記個別駆動軸21に伝達されるように構成されている。
【0012】
前記各ギヤボックス部11の下部位置には、四個の回動レバー25が各々接続されたレバー用ギヤ26が軸27を介して回動自在に設けられ、前記各個別駆動軸21の回転と連動して回転できるように構成されている。
【0013】
前記筐体10の両側外面40、41には、一対の第1嵌め合い部42、43が設けられ、各第1嵌め合い部42、43は、図1で示されるように(図1では一方のみしか示されていない)、全体形状が円盤形に形成され。図1の構成の場合には、断面で凹形状となるように構成されている。
【0014】
前記各第1嵌め合い部42、43は、図1では、前記凹形状の円盤形としたが、前記凹形状に限ることなく、断面凸形状とすることもできる。
前記筐体10が内設される前記ハウジング1の両側部2、3には、前記各第1嵌め合い部42、43に対して嵌め合い自在に形成され、断面凸形状又は凹形状の円盤形で前記各第1嵌め合い部42、43と同一形状の一対の第2嵌め合い部44、45が設けられている。
【0015】
従って、前記第1、第2嵌め合い部42、43、44、45は、オス・メス嵌合式に構成され、ハウジング1の各第1嵌め合い部42、43が凹形状であれば、筐体10の各第2嵌め合い部44、45は、凸形状で構成され、これらの逆の形状の組合わせとなることも可能で、何れも適用できる。
【0016】
前記第1、第2嵌め合い部42、43、44、45は、何れも前述のように、円盤状で形成されているため、互いに嵌め合わされた場合、所定の設計通りの軸心位置決めが容易に可能で、ハウジング1に対する予め決められた所定位置に前記筐体10を装着することができる。
そのため、前記レバー4のリンク機構20等と前記ギヤボックス部11のギヤ17等との位置関係を設計通りの位置で接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるレバー装置構造を示す透過斜視図である。
【図2】図1の筐体を示す拡大斜視図である。
【図3】図1の構成を簡略化して示す構成図である。
【図4】図2の拡大分解斜視図である。
【図5】図4の正面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 ハウジング
2、3 側部
4 レバー
5 第1軸支部
10 筐体
11 ギヤボックス部
12 下端部
13 第2軸支部
14 第1ロッド
15 第3軸支部
16 第2ロッド
17 ギヤ
20 リンク機構
21 個別駆動軸
22 モータ
23 上部駆動軸
24 スリップクラッチ
25 回動レバー
26 レバー用ギヤ
27 軸
40、41 側外面
42、43 第1嵌め合い部
44、45 第2嵌め合い部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(10)の長手方向(A)に沿って設けられた複数のギヤボックス部(11)と、前記各ギヤボックス部(11)に各々回転自在に設けられた個別駆動軸(21)と、前記筐体(10)の上部に設けられモータ(22)により駆動する上部駆動軸(23)と、前記上部駆動軸(23)と連動すると共に前記個別駆動軸(21)を駆動するスリップクラッチ(24)と、前記各ギヤボックス部(11)の下部に設けられた回動レバー(25)と、前記各回動レバー(25)に設けられ前記スリップクラッチ(24)と連動するレバー用ギヤ(26)と、前記筐体(10)の両側外面(40,41)に形成され凹又は凸形状の一対の第1嵌め合い部(43)と、前記筐体(10)を収納するハウジング(1)と、前記ハウジング(1)の両側部(2,3)に設けられ凸又は凹形状の一対の第2嵌め合い部(45)と、を備え、
前記各第1嵌め合い部(43)と各第2嵌め合い部(45)とを嵌め合い接続することにより、前記ハウジング(1)における前記筐体(10)の位置決めを行うことを特徴とするレバー装置構造。
【請求項2】
前記ハウジング(1)に回動自在に軸支された回動レバー(25)のリンク機構(20)は、前記筐体(10)のギヤボックス部(11)のギヤ(17)に接続されていることを特徴とする請求項1記載のレバー装置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−38292(P2010−38292A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203114(P2008−203114)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)
【Fターム(参考)】