説明

レフィール容器及び吐出容器

【課題】レフィール容器を吐出容器に装填する時や装填前に容器体を倒したり落としたりしても内容物がこぼれ出ない、或いは、内容物がこぼれ出てもそのこぼれ量が少量に抑えられるレフィール容器および吐出容器を提供することを目的としている。
【解決手段】ポンプを有する吐出容器に対して交換可能なレフィール容器1であって、内容物を収容する容器体2と、容器体2の口部20に脱着可能に装着されるキャップ4と、口部20の内側に装着された中栓3と、が備えられており、中栓3には、口部20に装着される装着部30と、下方に向かうに従い漸次縮径された縮径部31と、が備えられ、縮径部31の下端部には、ポンプのシリンダの下端に連結されたチューブが挿通可能な挿通孔37が形成され、縮径部31には、縮径部31の上部から下端までそれぞれ延設されていると共に平面視において放射状に配列された破断容易な複数の縦弱化部38が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプを有する吐出容器に対して交換可能なレフィール容器、およびそのレフィール容器が装填された吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のレフィール容器として、従来、例えば下記特許文献1に記載されているような、吐出容器の内側に収納されるカートリッジ状の詰め替え容器が知られている。このレフィール容器は、内容物を収容した容器体の口部にキャップが装着された構成からなる。一方、上記した吐出容器は、上記したレフィール容器が収納される有底筒状の外装体と、その外装体の上端開口部に装着された蓋体と、その蓋体に装着されたポンプと、を備えている。
【0003】
上記した吐出容器においてレフィール容器の交換作業を行う際には、まず、ポンプ付きの蓋体を外装体から取り外し、外装体の上端部を開放させ、外装体内から既存のレフィール容器を取り出す。次に、外装体の内側に新たなレフィール容器を収納させると共にそのレフィール容器のキャップを口部から取り外す。次に、ポンプ付きの蓋体を外装体に再装着させる。このとき、ポンプのシリンダをレフィール容器の口部からレフィール容器の内側に挿入させ、シリンダの下端に連結されたチューブをレフィール容器の内側に配置させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−128108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来のレフィール容器では、レフィール容器のキャップを外した後、ポンプ付きの蓋体を再装着する前に、開封後のレフィール容器を誤って倒したり落としたりすると、レフィール容器(容器体)内の内容物が容器体の口部からこぼれ出るという問題が存在する。特に、ポンプ付きの吐出容器に用いるレフィール容器では、ポンプのシリンダを挿入させるために口部が大口径になっているので、容器体を倒したり落としたりしたときに容器体内の内容物の大部分がこぼれ出るという問題がある。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、容器体の口部からキャップを取り外した後、レフィール容器を吐出容器に装填する前や装填する時に容器体を倒したり落としたりしても内容物がこぼれ出ない、或いは、内容物がこぼれ出てもその量が少量に抑えられるレフィール容器及び吐出容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るレフィール容器は、ポンプを有する吐出容器に対して交換可能なレフィール容器であって、内容物を収容する容器体と、該容器体の口部に脱着可能に装着されるキャップと、前記口部に装着された中栓と、が備えられており、前記中栓には、前記口部に装着される装着部と、下方に向かうに従い漸次縮径された縮径部と、が備えられ、該縮径部の下端部には、前記ポンプのシリンダの下端に連結されたチューブが挿通可能な挿通孔が形成され、前記縮径部には、該縮径部の上部から下端までそれぞれ延設されていると共に平面視において放射状に配列された破断容易な複数の縦弱化部が形成されていることを特徴としている。
【0008】
このような特徴により、上記した吐出容器においてレフィール容器の交換を行う際には、まず、吐出容器から既存のレフィール容器を取り外す。
一方、内容物が収容された新たなレフィール容器の口部からキャップを取り外す。仮に、キャップを取り外した後、レフィール容器(容器体)を誤って倒したり落としたりしても、容器体の口部には中栓が装着されているので、容器体内の内容物がこぼれ出すことが防止され、或いは、仮に中栓の挿通孔から内容物がこぼれ出たとしても少量に抑えられる。すなわち、仮に中栓の挿通孔が閉塞されていれば中栓によって口部が閉塞されているので、容器体内の内容物がこぼれ出すことが防止される。また、仮に中栓の挿通孔が開放されていても、挿通孔は口部に比べて小口径であるので、挿通孔からこぼれ出る内容物は中栓が無い場合に比べて少量となる。
次に、レフィール容器が取り外された上記した吐出容器に、キャップを外した新たなレフィール容器を装填する。このとき、まず、吐出容器のチューブが中栓の挿通孔の内側に挿通され、その後、ポンプのシリンダの下端部が中栓の縮径部の内側に挿入される。続いて、縮径部の内周面にシリンダの下端部が当接して当該シリンダによって縮径部の内周面が押圧される。これにより、縮径部の縦弱化部が破断して縮径部が複数の分割片に分割され、それらの分割片をシリンダによって外方側に押し拡げながら上記したシリンダが容器体内の内側に差し込まれる。
【0009】
また、本発明に係るレフィール容器は、前記キャップの天壁部に、前記挿通孔に嵌入されるシール筒が垂下されていることが好ましい。
これにより、挿通孔がシール筒によってシールされるので、レフィール容器の口部にキャップが装着された未開封状態のときに、レフィール容器が倒れたり落下したりしても容器体内の内容物が漏出しない。
【0010】
また、本発明に係るレフィール容器は、前記縮径部の下端部に、前記挿通孔を閉塞する蓋部が破断容易な周弱化部を介して一体に設けられていることが好ましい。
これにより、レフィール容器の装填時または装填前に、レフィール容器(容器体)を誤って倒したり落としたりしても、蓋部によって挿通孔が閉塞されているので、容器体内の内容物がこぼれ出すことが防止される。
また、新たなレフィール容器を吐出容器に装填する際、吐出容器のチューブが蓋部を押圧することで、周弱化部が破断して挿通孔が開放され、チューブが挿通孔に挿通される。
【0011】
また、本発明に係るレフィール容器は、前記縮径部の下端部に、前記挿通孔を閉塞する破断容易な閉塞膜が貼着されていることが好ましい。
レフィール容器の装填時または装填前に、レフィール容器(容器体)を誤って倒したり落としたりしても、閉塞膜によって挿通孔が閉塞されているので、容器体内の内容物がこぼれ出すことが防止される。
また、新たなレフィール容器を吐出容器に装填する際、吐出容器のチューブが閉塞膜を突き破ることで、チューブが挿通孔に挿通される。
【0012】
また、本発明に係る吐出容器は、内容物を収容する容器体と、該容器体の口部の内側に装着された中栓と、前記容器体内の内容物を吐出させるためのポンプを有する吐出器と、が備えられており、前記中栓には、前記口部に装着される装着部と、該装着部の下端に垂下されていると共に該装着部の下端全周に亘って並設された複数の分割片と、が備えられ、該複数の分割片は、下方に向かうに従い漸次縮径された縮径部の内側に前記ポンプのシリンダを挿通させることで分割されたものであり、前記縮径部の下端部には、前記ポンプのシリンダの下端に連結されたチューブが挿通可能な挿通孔が形成され、前記縮径部には、該縮径部の上部から下端までそれぞれ延設されていると共に平面視において放射状に配列された破断容易な複数の縦弱化部が形成されていることを特徴としている。
【0013】
このような特徴により、口部に中栓を装着させた状態で容器体を吐出器から取り外し、その後、口部に中栓が装着された新たな容器体を吐出器に装填することにより、内容物の詰め替えを行うことができる。
【0014】
また、本発明に係る吐出容器は、前記口部に脱着可能に装着されて前記容器体の外周面を被覆する外装体が備えられ、該外装体に前記吐出器が取り付けられていることが好ましい。
【0015】
これにより、外装体の内側に容器体が収納され、容器体が外装体に覆われた状態となるので、容器体の装飾を省略したり容器体を安価な材料で形成したり容器体の厚みを薄くしたりすることができる。また、外装体が容器体の口部に脱着可能に装着され、その外装体に吐出器が取り付けられているので、吐出器を口部に装着させるための装着キャップと容器体を覆うための外容器とを別々に設ける必要がなく、部品数が低減される。また、外装体を容器体の口部に装着させることで、吐出器が容器体の口部に取り付けられるので、吐出器と外装体とを別々に脱着する必要がなく、レフィール容器の交換作業が簡略化される。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るレフィール容器によれば、容器体の口部に中栓が装着されているので、口部からキャップを取り外した後に容器体を倒したり落としたりした場合であっても、内容物がこぼれ出ることを防止したり、或いは、こぼれ出る内容物の量を少量に抑えたりすることができる。
また、本発明に係る吐出容器によれば、内容物の詰め替え作業を容易に行うことができると共に、内容物がこぼれ出ることを防止したり、或いは、こぼれ出る内容物の量を少量に抑えたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るレフィール容器の第1の実施の形態を説明するためのレフィール容器の破断図である。
【図2】本発明に係るレフィール容器の第1の実施の形態を説明するための中栓の斜視図である。
【図3】本発明に係るレフィール容器の第1の実施の形態を説明するためのレフィール容器が装填された吐出容器の破断図である。
【図4】本発明に係るレフィール容器の第1の実施の形態を説明するためのポンプのシリンダの差し込み状況を表した斜視図である。
【図5】本発明に係るレフィール容器の第2の実施の形態を説明するための中栓の斜視図である。
【図6】本発明に係るレフィール容器の第2の実施の形態を説明するためのチューブの差し込み状況を表した斜視図である。
【図7】本発明に係るレフィール容器の第2の実施の形態を説明するためのポンプのシリンダの差し込み状況を表した斜視図である。
【図8】本発明に係るレフィール容器の第3の実施の形態を説明するための中栓の斜視図である。
【図9】本発明に係るレフィール容器の第4の実施の形態を説明するためのレフィール容器の破断図である。
【図10】本発明に係るレフィール容器の第4の実施の形態を説明するための中栓の斜視図である。
【図11】本発明に係るレフィール容器の第4の実施の形態を説明するためのレフィール容器が装填された吐出容器の半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るレフィール容器および吐出容器の第1〜第4の実施の形態について、図面に基いて説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係るレフィール容器および吐出容器の第1の実施の形態について、図1〜図4に基いて説明する。
図1に示す鎖線Oはレフィール容器1の中心軸線を示しており、以下「軸線O」と記す。また、本発明では、この軸線Oに沿った方向を「軸方向」とし、軸線Oに直交する方向を「径方向」とし、軸線O回りの方向を「周方向」とする。また、本実施の形態では、軸方向の口部20側(図1における上側)を「上方」とし、その反対側、つまり軸方向の底部22側(図1における下側)を「下方」とする。
【0020】
まず、本実施の形態におけるレフィール容器1の構成について説明する。
図1に示すように、レフィール容器1は、図3に示す吐出容器100に対して交換可能なカートリッジ状のボトル容器であり、その概略構成としては、内容物を収容する容器体2と、容器体2の口部20に装着された筒状の中栓3と、口部20に脱着可能に被着されたキャップ4と、を備えている。
【0021】
容器体2は、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂からなる樹脂製部材であり、射出成形によって形成された図示せぬプリフォームをブロー成形することで形成されたボトルである。この容器体2の概略構成としては、軸線Oに沿って延びる略円筒形状の胴部21と、その胴部21の下端に連設された底部22と、前記胴部21の上端に連設された肩部23と、肩部23の上端に立設された口部20と、を備えている。これら胴部21、底部22、肩部23及び口部20は、互いに連通されていると共に一体に形成されている。
【0022】
底部22は、下方に向かうに従い漸次拡径された有底筒状の筒部である。この底部22の上端は、胴部21の下端よりも大径であり、底部22の上端と胴部21の下端との間には段差24が形成されている。肩部23は、胴部21の上端から上方に向かうに従い漸次縮径されたテーパー状の壁部である。口部20は、軸線Oを中心軸線にして軸方向上側に突出された略円筒形状の筒部である。口部20の上端部は、外径が段差状に縮径されている。また、その上端部よりも下方の口部20の外周面には、図示せぬキャップを螺合させるための雄ねじ25が形成されている。
【0023】
図1、図2に示すように、中栓3は、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂からなる樹脂製部材であり、射出成形によって形成された筒状部材である。この中栓3の概略構成としては、容器体2の口部20に装着される装着部30と、下方に向かうに従い漸次縮径された縮径部31と、が備えられている。
【0024】
装着部30は、口部20の上方に配置される円環状の天板部32と、天板部32の内縁から垂下された内筒部33と、天板部32の外縁から垂下された外筒部34と、が備えられている。内筒部33は口部20の内側に嵌合されており、内筒部33の外周面は口部20の内周面に密接されている。また、内筒部33は、外筒部34の内側に配設されており、内筒部33と外筒部34とは軸線Oを共通軸にして同軸上に配設されている。外筒部34は、口部20の上端部(縮径された上端部)の外周にアンダーカット嵌合されており、外筒部34の外周面は、口部20の外周面(上端部よりも下方の部分の外周面)と面一に形成されている。
【0025】
縮径部31は、上記した内筒部33の下端に連設された横断面視円形のテーパー部35と、テーパー部35の下端に連設された円筒形状の挿通筒部36と、が備えられている。テーパー部35は、内筒部33の下端から下方にいくに従い漸次縮径されている。このテーパー部35の上端の内径及び上記した内筒部33の内径は、後述する図3に示す吐出容器100のシリンダ14の最大の外径(上筒部17の外径)よりも大径であり、テーパー部35の下端の内径は、後述する図3に示す吐出容器100のシリンダ14の下端部の外径(下筒部19の外径)よりも小径となっている。挿通筒部36は、テーパー部35の下端から軸方向に沿って垂下されており、軸線Oを共通軸にして口部20と同軸上に配設されている。挿通筒部36の内周孔は、後述する図3に示す吐出容器100のチューブ13が挿通可能な挿通孔37であり、挿通筒部36の内径(挿通孔37の径)は、チューブ13の外径と略同径、或いはチューブ13の外径よりも若干大径になっている。
【0026】
また、上記した縮径部31には、破断容易な複数の縦弱化部38が形成されている。詳しく説明すると、縮径部31の外周面には、縦方向に延在する横断面視V字状の溝が周方向に間隔をあけて複数形成されており、この溝によって薄肉状の縦弱化部38が形成されている。縦弱化部38は、縮径部31(テーパー部35)の上端から縮径部31(挿通筒部36)の下端まで延設されている。また、複数の縦弱化部38は、全周に亘って均等に配列されており、平面視において放射状に配列されている。そして、これら複数の縦弱化部38によって、縮径部31が、複数の分割片39に分割可能となっている。すなわち、分割片39は、略扇状の傾斜板部39aと略矩形の鉛直板部39bとからなり、傾斜板部39aの上端は、内筒部33の下端に連結されている。そして、複数の分割片39は、軸線O回りに円環状に配設されており、隣り合う分割片39の側端同士が縦弱化部38を介して連結されている。
【0027】
図1に示すように、キャップ4は、容器体2の口部20に螺着された蓋体であり、その概略構成としては、軸線Oに対して垂直に配設された円盤状の天壁部40と、天壁部40の外縁から垂下された周壁部41と、天壁部40の中央部分から垂下された円筒形状のシール筒42と、天壁部40の下面に配設されたパッキン43と、を備えている。
【0028】
天壁部40は、口部20の外径よりも大径の平面視円形の板部であり、中栓3の天板部32の上方に配置されている。周壁部41は、口部20の外側に周設された円筒形状の筒部であり、軸線Oを共通軸にして口部20と同軸上に配設されている。この周壁部41の内周面には、口部20の雄ねじ25に螺合された雌ねじ44が形成されている。シール筒42は、周壁部41の内側に配設された円筒形状の筒部であり、軸線Oを共通軸にして周壁部41と同軸上に配設されている。シール筒42の下端部は、上記した中栓3の挿通筒部36の内側(挿通孔37)に嵌入されており、このシール筒42によって挿通孔37が液密に閉塞されている。パッキン43は、周壁部41の内側に配設されていると共にシール筒42の外周に周設された円環板状の緩衝部材であり、キャップ4の天壁部40と中栓3の天板部32との間に介在されている。
【0029】
次に、上記したレフィール容器1が装填される吐出容器100の構成について説明する。
図3に示すように、吐出容器100は、キャップ4が取り外されたレフィール容器1´が吐出容器本体5に装填され、レフィール容器1´の容器体2内に収容された内容物を吐出させる容器である。吐出容器本体5の概略構成としては、容器体2内の内容物を吐出させるための吐出器6と、容器体2の外周面を被覆する外装体7と、吐出器6の押下ヘッド11を覆う蓋体8と、を備えている。
【0030】
吐出器6は、ポンプ10と、押下ヘッド11と、ノズル12と、チューブ13と、が備えられている。
ポンプ10は、容器体2内の内容物を送り出す送出器であり、多段状のシリンダ14と、シリンダ14の上端から突出されたステム15と、シリン14の径方向外側に突出したフランジ部16と、を備えている。
【0031】
シリンダ14は、軸線Oを中心軸線にして軸方向に沿って延設された円筒形状の筒部であり、下方にいくに従い段状に縮径されている。このシリンダ14の概略構成としては、口部20の内側に配設された上筒部17と、上筒部17の下端に連結されていると共に上筒部17よりも小径の中筒部18と、中筒部18の下端に連結されていると共に中筒部18よりも小径の下筒部19と、が備えられており、上筒部17の下端と中筒部18の上端との間、及び、中筒部18の下端と下筒部19の上端との間には、それぞれ段差が形成されている。なお、このシリンダ14の外周面には、レフィール容器1´の中栓3の縮径部31が摺接されている。詳しく説明すると、縮径部31の複数の縦弱化部38(図2に示す)がそれぞれ破断され、複数の分割片39が拡がった状態となっている。そして、テーパー部35の下端と挿通筒部36の上端との連結部分、つまり、分割片39のうちの傾斜板部39aと鉛直板部39bと連結部分が上記した上筒部17の外周面に摺接されている。
【0032】
ステム15は、上記した上筒部17の上端から上方に向けて突出された筒部であり、軸線Oを中心軸線にして軸方向に沿って延設されている。このステム15は、図示せぬスプリング等によって上方付勢状態で立設されており、このステム15が押し下げられることでポンプ10が作動する。
フランジ部16は、上記した上筒部17の外周面に沿って全周に亘って形成された円環状の板部である。このフランジ部16は、後述するパッキン9とガイド筒部73の底部76との間に挟み込まれており、このフランジ部16を介してポンプ10(吐出器6)が外装体7に支持されている。
【0033】
押下ヘッド11は、上記したステム15の上端部に装着された操作部であり、押下ヘッド11の上端面には、使用者が指等で押下する押下面11aが形成されている。また、押下ヘッド11には、ステム15に連通される図示せぬ連通路が形成されている。
ノズル12は、内容物を吐出させる吐出口であり、上記した押下ヘッド11に突設されている。このノズル12は、上記した押下ヘッド11内の図示せぬ連通路を介してステム15に連通されており、ポンプ10によってステム15の先端から送り出された内容物は上記した連通路を通ってノズル12から吐出される。
チューブ13は、容器体2内の内容物をポンプ10(シリンダ14)内に供給するための供給管であり、容器体2内に収容されて容器体2内の内容物の中に配置されたディップチューブである。このチューブ13は、一端がシリンダ14の下筒部19の下端に連結され、他端が容器体2内に開放されている。
【0034】
外装体7は、レフィール容器1´の口部20に装着されてレフィール容器1´を覆うカバーであり、その概略構成としては、円環板状の天壁部70と、天壁部70の外縁から垂下された周壁部71と、天壁部70の内縁から垂下された装着筒部72と、天壁部70の内側に配設された有底筒状のガイド筒部73と、を備えている。
【0035】
天壁部70は、外装体7の肩部であり、容器体2の肩部23の上方に配設されている。また、天壁部70は、径方向内側から外側に向けて下向きに傾斜されている。
周壁部71は、容器体2の胴部21の外側に周設された略円筒形状の筒部であり、軸線Oを共通軸にして容器体2の胴部21と同軸上に配設されている。この周壁部71は、天壁部70の外縁から容器体2の胴部21の下端(段差24)まで延設されており、この周壁部71の下方に容器体2の底部22が配設されている。つまり、容器体2の底部22は外装体7の外側に配設されており、容器体2のうちの底部22は露出されている。
【0036】
装着筒部72は、容器体2の口部20に装着されるキャップ状の筒部であり、周壁部71の上部の内側に配設されている。詳しく説明すると、装着筒部72は、口部20に螺着される筒部であり、軸線Oを共通軸にして口部20及び上記した周壁部71と同軸上に配設されていると共に口部20の外側に周設されている。この装着筒部72の内周面には、口部20の雄ねじ25に螺合された雌ねじ78が形成されている。また、装着筒部72の上端部の内周面には、径方向内側に突出した段差部79が全周に亘って形成されており、この段差部79は、装着筒部72内に配設された円環板状のパッキン9を介して、口部20に装着された中栓3の天板部32の上面に載置されて支持されている。
【0037】
ガイド筒部73は、押下ヘッド11の押下動作を案内するガイドであり、軸線Oを中心軸線にして軸方向に沿って延設されている。このガイド筒部73は、装着筒部72の内側から装着筒部72(天壁部70)の上方に向けて突出された円筒形状の筒部75と、筒部75の下端に設けられた底部76と、を備えており、上記した筒部75の軸方向中間部が、段差部74を介して天壁部70の内縁に連結されている。また、底部76の中央部分には、ポンプ10(シリンダ14)を挿通するための挿通孔77が形成されている。
【0038】
蓋体8は、軸線Oに対して垂直に配設された円盤状の天壁部80と、天壁部80の外縁から垂下された筒状の周壁部81と、を備えている。天壁部80は、押下ヘッド11の上端面の上方に配設されている。周壁部81は、天壁部80の外縁から下方にいくに従い漸次縮径されたすり鉢状の筒部であり、その下端部がガイド筒部73の外周に脱着可能にアンダーカット嵌合されている。また、周壁部81には、上記したノズル12を通すためのノズル開口82が形成されている。このノズル開口82は、縦方向に延在するスリット状の開口であり、周壁部81の全長に亘って延設されている。つまり、周壁部81は、横断面視においてC字形状を成している。
【0039】
次に、上記した構成からなる吐出容器100におけるレフィール容器1´の交換方法について説明する。
【0040】
まず、吐出容器100に装着された既存のレフィール容器1´を取り外す。具体的に説明すると、外装体7の下方に露出された容器体2の底部22と吐出容器本体5とをそれぞれ把持し、吐出容器本体5をレフィール容器1´に対して相対的に軸線O回りに軸回転させる。これにより、外装体7の装着筒部72が容器体2の口部20から外され、吐出容器本体5とレフィール容器1´とが分離される。このとき、吐出容器本体5とレフィール容器1´とを軸方向に沿って引き離すことで、ポンプ10のシリンダ14とチューブ13とが容器体2の口部20から引き抜かれる。
【0041】
一方、図1に示すように、内容物が収容された新たなレフィール容器1を用意する。このとき、中栓3の挿通孔37の内側にシール筒42の先端が嵌入されており、このシール筒42によって挿通孔37がシールされているので、レフィール容器1が倒れたり落下したりしても容器体2内の内容物が漏出しない。
【0042】
続いて、上記した新たなレフィール容器1の口部20からキャップ4を取り外す。具体的に説明すると、容器体2とキャップ4とを軸線O回りに相対的に軸回転させ、口部20に螺合されたキャップ4を取り外す。このとき、容器体2の口部20の内側には、中栓3が装着されている。したがって、仮に、キャップ4を取り外した後、レフィール容器1´を誤って倒したり落としたりしても、容器体2内の内容物がこぼれ出すことが防止され、或いは、仮に中栓3の挿通孔37から内容物がこぼれ出たとしても、挿通孔37は口部20に比べて小口径であるので、挿通孔37からこぼれ出る内容物は少量に抑えられる。
【0043】
次に、上記したキャップ4を外した新たなレフィール容器1´を、既存のレフィール容器1´が取り外された上記した吐出容器本体5に装填する。詳しく説明すると、まず、吐出容器本体5のチューブ13をレフィール容器1´の中栓3の挿通孔37に挿入させる。続いて、そのまま吐出容器本体5をレフィール容器1´に対して相対的に下降させ、外装体7の周壁部71の内側に容器体2の胴部21を挿入させると共に、吐出容器本体5のシリンダ14の先端を中栓3内に挿入させる。そして、シリンダ14の下端を中栓3の縮径部31の内周面に当接させ、そのシリンダ14の下端で縮径部31の内周面を押圧する。これにより、図4に示すように、縮径部31の複数の縦弱化部38がそれぞれ破断し、縮径部31が複数の分割片39に分割され、シリンダ14によって複数の分割片39を外方側に押し拡げながらシリンダ14が容器体2内の内側に差し込まれる。そして、図3に示すように、外装体7の装着筒部72の下端が容器体2の口部20(中栓3の装着部30)の上端に係合するところまで、レフィール容器1´を外装体7内に押し込み、その後、レフィール容器1´と吐出容器本体5とを軸線O回りに相対的に軸回転させ、容器体2の口部20に外装体7の装着筒部72を螺合させる。
以上により、吐出容器本体5に新たなレフィール容器1´が装着され、吐出容器100におけるレフィール容器1´の交換作業が完了する。
【0044】
上記したレフィール容器1によれば、容器体2の口部20に中栓3が装着されているので、口部20からキャップ4を取り外した後、そのレフィール容器1´に吐出容器本体5を装着する前や装着途中に容器体2を倒したり落としたりした場合であっても、内容物がこぼれ出ることを防止したり、或いは、こぼれ出る内容物の量を少量に抑えたりすることができる。
【0045】
また、上記したレフィール容器1では、キャップ4の天壁部40にシール筒42が垂設されており、このシール筒42によって中栓3の挿通孔37がシールされているので、レフィール容器1が未開封の状態のときに、レフィール容器1を倒したり落としたりしても、容器体2内の内容物がこぼれ出ることを防止することができる。
【0046】
また、上記した吐出容器100では、レフィール容器1の口部20に装着される外装体7の周壁部71の内側に容器体2の胴部21及び肩部23が収納されており、レフィール容器1´が吐出容器本体5に装填された状態では、容器体2の胴部21が外装体7の周壁部71に覆われた状態となっているので、容器体2の胴部21の装飾を省略したり容器体2を安価な材料で形成したり容器体2の胴部21の厚みを薄くしたりすることができ、コストダウンを図ることができる。また、外装体7には、容器体2を覆う天壁部70や周壁部71の他に、口部20に装着される装着筒部72が備えられ、さらに、外装体7には、吐出器6が取り付けられているので、部品数を低減させることができると共に、レフィール容器1の交換作業を簡略化することができる。
【0047】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係るレフィール容器および吐出容器の第2の実施の形態について、図5〜図7に基いて説明する。
なお、本実施の形態の説明では、上述した第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0048】
図5に示すように、本実施の形態における中栓103には、縮径部31の下端部に、挿通孔37を閉塞する蓋部130が設けられている。この蓋部130は、挿通筒部36の下方に配設された円盤状の閉塞部材であり、破断容易な周弱化部131を介して挿通筒部36の下端に一体に形成されている。周弱化部131は、縮径部31に形成された縦弱化部38と同様に薄肉状の連結部であり、挿通筒部36の下端内周に沿って平面視円環状に形成されている。
【0049】
上記した中栓103を備えるレフィール容器1では、蓋部130によって挿通孔37(図6に示す。)が閉塞されているので、中栓103によって口部20が完全に閉塞される。したがって、図1に示すレフィール容器1の口部20からキャップ4を取り外した後、そのレフィール容器1´に図3に示す吐出容器本体5を装着させる前、及び装着する時に、レフィール容器1´(容器体2)を誤って倒したり落としたりしても、中栓103によって容器体2内の内容物がこぼれ出さない。
【0050】
また、キャップ4を外した新たなレフィール容器1´を吐出容器本体5に装填する際、まず、図6に示すように、吐出容器本体5のチューブ13をレフィール容器1´の中栓103の挿通孔37に挿入させ、そのチューブ13の先端で蓋部130を押圧して周弱化部131を破断させる。これにより、挿通孔37の下端が開放され、チューブ13が挿通孔37内を貫通する。このとき、蓋部130を連結していた周弱化部131の一部が破断されず、その破断されなかった部分を介して蓋部130が挿通筒部36に連結される。これにより、蓋部130が中栓3から分離されず、蓋部130が容器体2内に落下することを防止することができる。なお、蓋部130の落下を確実に防止するために、周弱化部131を環状に形成せず、平面視C字形状に形成してもよい。
【0051】
続いて、そのまま吐出容器本体5をレフィール容器1´に対して相対的に下降させ、吐出容器本体5のシリンダ14の先端を中栓103内に挿入させ、シリンダ14の下端を中栓103の縮径部31の内周面に当接させ、そのシリンダ14の下端で縮径部31の内周面を押圧する。これにより、図7に示すように、縮径部31の複数の縦弱化部38がそれぞれ破断し、縮径部31が複数の分割片39に分割され、シリンダ14によって複数の分割片39を外方側に押し拡げながらシリンダ14が差し込まれる。これにより、吐出容器本体5にレフィール容器1´が装填する際、
【0052】
上記した吐出容器1によれば、蓋部130によって挿通孔37が閉塞されているので、レフィール容器1の口部20からキャップ4を取り外した後、容器体2を誤って倒したり落としたりしても、容器体2内の内容物がこぼれ出すことを確実に防止することができる。
【0053】
また、上記した蓋部130が周弱化部131を介して通筒部36の下端に連結されており、吐出容器本体5のチューブ13の先端で蓋部130を押圧することで周弱化部131が破断して蓋部130が開くので、チューブ13やシリンダ14を差し込む作業を容易に行うことができる。
【0054】
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係るレフィール容器および吐出容器の第3の実施の形態について、図8に基いて説明する。
なお、本実施の形態の説明では、上述した第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0055】
図8に示すように、本実施の形態における中栓203には、縮径部31の下端部に、挿通孔37を閉塞する閉塞膜230が設けられている。この閉塞膜230は、挿通筒部36の下端面に張設された破断容易な薄膜であり、例えばアルミフィルムなどからなる。この閉塞膜230は、挿通筒部36の下端面に、接着剤による接着や加熱による溶着等で貼着されている。
【0056】
上記した中栓203を備えるレフィール容器1では、閉塞膜230によって図示せぬ挿通孔が閉塞されているので、図1に示すレフィール容器1の口部20からキャップ4を取り外した後、そのレフィール容器1´に図3に示す吐出容器本体5を装着させる前、及び装着する時に、レフィール容器1´(容器体2)を誤って倒したり落としたりしても、中栓203によって口部20が完全に閉塞されているので、容器体2内の内容物がこぼれ出すことを確実に防止することができる。
【0057】
また、キャップ4を外した新たなレフィール容器1´を吐出容器本体5に装填する際、まず、吐出容器本体5のチューブ13をレフィール容器1´の中栓203の挿通孔に挿入させ、そのチューブ13の先端で閉塞膜230を破断させてチューブ13を貫通させる。これにより、チューブ13を挿通筒部36内に挿通させることができ、チューブ13やシリンダ14を差し込む作業を容易に行うことができる。
【0058】
[第4の実施の形態]
次に、本発明に係るレフィール容器および吐出容器の第4の実施の形態について、図9〜図11に基いて説明する。
なお、本実施の形態の説明では、上述した第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
上記した第1から第3の実施の形態では、外装体7を備える吐出容器本体5に装着されるレフィール容器1について説明したが、本発明は、他の構成の吐出容器本体に装着されてもよく、例えば、口部20に装着される装着キャップ(図3に示す外装体7における天壁部70及び周壁部71が省略されたキャップ体)に吐出器6が取り付けられた構成の吐出容器本体にレフィール容器1を装填させることも可能である。
【0059】
図9に示すレフィール容器301は、後述する容器体302を囲う外装体が備えられていない図11に示す吐出容器300に対して交換可能なカートリッジ状のボトル容器である。
図9に示すように、レフィール容器301の概略構成としては、内容物を収容する容器体302と、容器体302の口部320に装着された筒状の中栓303と、口部320に脱着可能に被着されたキャップ304と、を備えている。容器体302の口部320の上部外周面には、キャップ304が螺着される雄ねじ325が形成され、容器体302の口部320の下部外周面には、径方向外側に突出したフランジ部326が周設されている。
【0060】
図9、図10に示すように、中栓303は、容器体302の口部320に装着される装着部30と、下方に向かうに従い漸次縮径された縮径部331と、を備えている。この縮径部331には、上記した装着部30の内筒部33の下端に連設された横断面視円形のテーパー部35と、テーパー部35の下端に連設された円筒形状の挿通筒部336と、が備えられている。
【0061】
挿通筒部336は、テーパー部35の下端から軸方向に沿って垂下された有底円筒形状の筒部であり、挿通筒部336の内周は、吐出容器300のチューブ13が挿通可能な挿通孔337となっている。この挿通筒部336の底部330には、縦弱化部38と連続して形成されていると共に径方向に延設された破断容易な径弱化部338が形成されている。径弱化部338は、縦弱化部38と同様に、挿通筒部336の底部330の下面に形成されたV字状の溝からなり、平面視において軸線Oを中心にして放射状に形成されている。
【0062】
上記した構成の縮径部331は、複数の縦弱化部38及び径弱化部338によって、複数の分割片339に分割可能となっている。すなわち、分割片339は、略扇状の傾斜板部339aと略矩形の鉛直板部339bと平面視扇状の水平板部339cとからなり、傾斜板部339aの上端は、内筒部33の下端に連結されている。そして、複数の分割片339は、軸線O回りに円環状に配設されており、隣り合う分割片339の側端同士が縦弱化部38及び径弱化部338を介して連結されている。
【0063】
また、キャップ304は、上述した第1の実施の形態におけるキャップ4のシール筒42が設けられていないキャップ体であり、その概略構成としては、円盤状の天壁部40と、天壁部40の外縁から垂下された周壁部41と、天壁部40の下面に配設されたパッキン343と、が備えられている。パッキン343は、周壁部41の内周面に沿った円盤状に形成されている。
【0064】
次に、上記したレフィール容器301が装填される吐出容器300の構成について説明する。
図11に示すように、吐出容器300は、キャップ304が取り外されたレフィール容器301´が吐出容器本体305に装填され、レフィール容器301´の容器体302内に収容された内容物を吐出させる容器である。吐出容器本体305の概略構成としては、容器体302内の内容物を吐出させるための吐出器306と、容器体302の口部320に装着される装着キャップ307と、吐出器306の押下ヘッド311を覆う蓋体8と、を備えている。
【0065】
吐出器306は、ポンプ10と、押下ヘッド311と、ノズル312と、チューブ13と、が備えられている。押下ヘッド311は、二重筒構造の有頂円筒形状の筒部であり、図示せぬ内筒部の内側にポンプ10のステム15の上端部が嵌合されている。また、押下ヘッド311の上端面には、使用者が指等で押下する押下面311aが形成されている。
ノズル312は、内容物を吐出させる吐出口であり、上記した押下ヘッド311の側面に突設されていると共に押下ヘッド311の図示せぬ内筒部に連通されている。ノズル312の先端部は、斜め下向きに屈曲されている。
【0066】
装着キャップ307は、吐出器306を支持すると共にレフィール容器301´の口部320に装着されるキャップ体であり、その概略構成としては、口部320の径方向外側に周設された周壁部371と、周壁部371の上端の内縁から立設されたガイド筒部373と、を備えている。
【0067】
周壁部371は、容器体302の口部320に装着される円筒形状の筒部であり、軸線Oを共通軸にして口部320と同軸上に配設されている。この周壁部371の内周面には、口部320の雄ねじ325に螺合された雌ねじ378が形成されている。
【0068】
ガイド筒部373は、押下ヘッド311の押下動作を案内するガイドであり、軸線Oを中心軸線にして軸方向に沿って延設されている。このガイド筒部373は、周壁部371の上端部の内縁から立設された外筒部374と、外筒部374の内側に配設された内筒部375と、内筒部375の下端に設けられた底部376と、を備えている。外筒部374の内径は周壁部371の内径よりも小径であり、外筒部374の下端と周壁部371の上端との間には段差面372が全周に亘って形成されている。この段差面372は、ポンプ10のフランジ部16の上面に当接されている。また、外筒部374の上部は、上方に向かうに従い漸次縮径されており、外筒部374の上端は内筒部375の上端に連結されている。内筒部375は、軸線Oを共通軸にしてポンプ10のステム15と同軸上に配設された円筒形状の筒部である。この内筒部375の下端は、ポンプ10のフランジ部16の上面に当接されており、また、内筒部375の外周面と外筒部374の内周面との間には隙間があけられている。底部376は、内筒部375の下端から径方向内側に向けて突出されたフランジ部であり、内筒部375の内縁に沿って全周に亘って円環状に形成されている。つまり、底部376の中央部分には、ポンプ10(シリンダ14)を挿通するための挿通孔377が形成されている。
【0069】
上記した構成からなるレフィール容器301によれば、キャップ304を外した新たなレフィール容器301´を吐出容器本体305に装填する際、まず、吐出容器本体305のチューブ13の先端をレフィール容器301´の中栓303の挿通孔337に挿入させる。続いて、そのまま吐出容器本体305をレフィール容器1´に対して相対的に下降させ、チューブ13の先端で挿通孔337の底部330を押圧する。これにより、挿通孔337の底部330の径弱化部338、または、径弱化部338及び縦弱化部38の下端部が破断し、底部330が複数の水平板部339cに分割される。そして、これら複数の水平板部339cがチューブ13の先端に押圧されて下向きにそれぞれ回動することで、挿通孔337の下端が開口され、チューブ13が挿通孔337内を貫通する。ここで、仮に、吐出容器本体305のチューブ13を引き抜くと、下向きに開いた複数の水平板部339cは、弾性力によってそれぞれ元の位置に戻る。これにより、挿通孔337の底部330を開口させた後にチューブ13を引き抜き、その後、レフィール容器301´を倒したり落としたりしても、挿通孔337の下端が複数の水平板部339cで閉塞されているので、容器体302内の内容物はこぼれにくく、内容物のこぼれ出しを防止、或いは、内容物のこぼれ量を低減させることができる。
【0070】
続いて、チューブ13を挿通孔337内に貫通させた後、そのまま吐出容器本体305をレフィール容器1´に対して相対的に下降させ、吐出容器本体305のシリンダ14の先端を中栓303内に挿入させる。そして、シリンダ14の下端を中栓303の縮径部331の内周面に当接させ、そのシリンダ14の下端で縮径部331の内周面を押圧する。これにより、図11に示すように、縮径部331の複数の縦弱化部38がそれぞれ破断し、縮径部331が複数の分割片339に分割され、シリンダ14によって複数の分割片339を外方側に押し拡げながらシリンダ14が容器体2内の内側に差し込まれる。このとき、複数の分割片339は、シリンダ14の外周面に密接される。すなわち、複数の分割片339は、それぞれ弾性変形容易であるため、シリンダ14の外周面に押圧されることでシリンダ14の外周面に沿って弾性変形し、分割片339の傾斜板部339aと鉛直板部339bと水平板部339cとがシリンダ14の外周面にそれぞれ密接される。これにより、後述するように装着キャップ307を容器体302の口部320に装着させる前に、レフィール容器301´を倒したり落としたりしても、分割片339がシリンダ14の外周面に纏わり付いているので、容器体302内の内容物はこぼれにくく、内容物のこぼれ出しを防止、或いは、内容物のこぼれ量を低減させることができる。
【0071】
続いて、装着キャップ307の周壁部371の下端が容器体302の口部320(中栓303の装着部30)の上端に係合した後、レフィール容器301´と吐出容器本体305とを軸線O回りに相対的に軸回転させ、容器体302の口部320に装着キャップ307の周壁部371を螺合させる。
以上により、吐出容器本体305に新たなレフィール容器301´が装着され、吐出容器300におけるレフィール容器301´の交換作業が完了する。
なお、この吐出容器300では、隣り合う分割片339の上端部の間には隙間があけられている。これにより、吐出器306によって容器体302内の内容物を吐出させる際、上記した隙間によってエアー置換を行うことができるので、容器体302内の内容物をスムーズに吐出させることができる。
また、上記したレフィール容器301´を吐出容器本体305から取り外す際、中栓303の内側からシリンダ14やチューブ13が引き抜かれる。このとき、複数の分割片339によってシリンダ14やチューブ13の外周面に付着した内容物が掻き落とされる。これにより、吐出容器本体305をレフィール容器301´から分離させたときに、シリンダ14やチューブ13の外周面に付着する内容物が低減され、シリンダ14やチューブ13の外周面からの内容物の垂れ落ちを防止することができる。
【0072】
以上、本発明に係るレフィール容器および吐出容器の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、縮径部31の下端に筒状の挿通筒部36が垂設され、その挿通筒部36の内周が、チューブ13が挿通される挿通孔37となっているが、本発明は、筒状の挿通孔37でなくてもよく、単なる開口からなる挿通孔であってもよい。
【0073】
また、上記した実施の形態では、縦弱化部38が縮径部31の上端まで延在されているが、本発明に係る縦方向の弱化部は、縮径部31の上端まで延在されていなくてもよく、挿通筒部36の下端からテーパー部35の途中まで延びた弱化部であってもよい。
【0074】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 レフィール容器
2 容器体
3 中栓
4 キャップ
6 吐出器
10 ポンプ
13 チューブ
14 シリンダ
20 口部
30 装着部
31 縮径部
37 挿通孔
38 縦弱化部
40 天壁部
42 シール筒
100 吐出容器
130 蓋部
131 周弱化部
230 閉塞膜
300 吐出容器
301 レフィール容器
302 容器体
303 中栓
304 キャップ
306 吐出器
320 口部
331 縮径部
337 挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプを有する吐出容器に対して交換可能なレフィール容器であって、
内容物を収容する容器体と、該容器体の口部に脱着可能に装着されるキャップと、前記口部の内側に装着された中栓と、が備えられており、
前記中栓には、前記口部に装着される装着部と、下方に向かうに従い漸次縮径された縮径部と、が備えられ、
該縮径部の下端部には、前記ポンプのシリンダの下端に連結されたチューブが挿通可能な挿通孔が形成され、
前記縮径部には、該縮径部の上部から下端までそれぞれ延設されていると共に平面視において放射状に配列された破断容易な複数の縦弱化部が形成されていることを特徴とするレフィール容器。
【請求項2】
請求項1に記載のレフィール容器において、
前記キャップの天壁部に、前記挿通孔に嵌入されるシール筒が垂下されていることを特徴とするレフィール容器。
【請求項3】
請求項1に記載のレフィール容器において、
前記縮径部の下端部に、前記挿通孔を閉塞する蓋部が破断容易な周弱化部を介して一体に設けられていることを特徴とするレフィール容器。
【請求項4】
請求項1に記載のレフィール容器において、
前記縮径部の下端部に、前記挿通孔を閉塞する破断容易な閉塞膜が貼着されていることを特徴とするレフィール容器。
【請求項5】
内容物を収容する容器体と、該容器体の口部の内側に装着された中栓と、前記容器体内の内容物を吐出させるためのポンプを有する吐出器と、が備えられており、
前記中栓には、前記口部に装着される装着部と、該装着部の下端に垂下されていると共に該装着部の下端全周に亘って並設された複数の分割片と、が備えられ、
該複数の分割片は、下方に向かうに従い漸次縮径された縮径部の内側に前記ポンプのシリンダを挿通させることで分割されたものであり、
前記縮径部の下端部には、前記ポンプのシリンダの下端に連結されたチューブが挿通可能な挿通孔が形成され、
前記縮径部には、該縮径部の上部から下端までそれぞれ延設されていると共に平面視において放射状に配列された破断容易な複数の縦弱化部が形成されていることを特徴とする吐出容器。
【請求項6】
請求項5に記載の吐出容器において、
前記口部に脱着可能に装着されて前記容器体の外周面を被覆する外装体が備えられ、
該外装体に前記吐出器が取り付けられていることを特徴とする吐出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−11781(P2011−11781A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156341(P2009−156341)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】