説明

レーザコーティング剥離のための色感知

共通の光学パスを用いて、コーティングされた表面(50)にレーザパルスを供給し、コーティングされた表面から反射した照明光(34)を、光検出器及び解析器に向けるコーティング除去装置を提供する。このコーティング除去装置は、レーザ光源(12)、ビームスプリッタ(14)、走査光学素子(16)、不要物除去装置(26)、1つ以上の照明器(18)、光検出器(20)、比較器(22)及び制御論理回路(24)を備える集積デバイスである。これに代えて、レーザ光源を集積デバイスの外部に設け、光ファイバを用いてレーザ光源を集積デバイスに接続してもよい。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、同じ発明者により、2004年1月9日に出願された米国仮特許出願番号60/535、725号、発明の名称「レーザコーティング剥離のための色感知(Color Sensing for Laser Decoating)」の優先権を主張する。2004年1月9日に出願された米国仮特許出願番号60/535、725号、発明の名称「レーザコーティング剥離のための色感知(Color Sensing for Laser Decoating)」は、参照により本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、レーザを用いたコーティングの除去に関する。特に、本発明は、レーザ及び色感知装置を用いた、表面のコーティングの除去に関する。
【背景技術】
【0003】
柔軟なシリカ製光ファイバを介して伝送することによって、任意の波長の放射エネルギを伝達することが容易になっている。このエネルギは、光ファイバの出射端から円錐状に広がるように分散される。エネルギ強度は、通常、出射端においては、光ファイバの中心軸に対して対称である(例えば、アジマス方向に一様に分布する)。アジマス角に直交する放射エネルギの分布は、非常に不均一であり、エネルギ強度は、光ファイバの中心軸において最も強く、光ファイバの中心軸に対する広がり角が大きくなるに従って急激に減少し、この減少は、広がり角のコサインのべき関数(power cosine function)によって近似される。
【0004】
エネルギビーム案内構造(energy beam guiding structures)は、屈折媒体(例えば、光学レンズ)と、可動反射性媒体(例えば、ミラー)とを組み合わせて用いて、入射ビーム軸の周りに発散される放射エネルギを、対象となるターゲットにフォーカスし、指向させる。光学レンズは、通常、発散する放射エネルギを、入射ビーム軸に平行な放射エネルギを有する第2のビームに変換する(コリメートする)。第2のエネルギは、第2のビームの光軸に交わる横断面であるターゲット表面上に定義される領域に亘って発散する。この定義された領域のサイズは、通常、レンズの直径によって制限される。可動反射性媒体は、輸送機構に接続され、通常、ラスタパターン走査モードにおいて、コリメートされたビームの方向を、時間の関数として変更するように配設される。反射性媒体は、通常、複数の走査サイクルに亘って平均された第2のビームのエネルギが、所望のターゲット表面領域に亘って、集中度が低く、より一定のエネルギ強度で分布するように動的に位置決めされる。更に、1つ以上の集光(フォーカス)レンズを用いて、コリメートされたビームエネルギの焦点をターゲット表面の点に精密に合わせることができる。ミラー及びレンズの組合せを用いて、両方の効果を実現することができる。反射性素子及び屈折性素子を組み合わせる主な目的は、限定的な横断領域の幅に亘るビーム強度の分布を変更し、ターゲット表面の上で走査領域を移行させ、より広い領域に亘って、集中度が低く、より均一なエネルギ強度分布を実現することである。
【0005】
従来のレーザ走査ヘッドでは、ビームは、通常、筐体に可動に装着された2つのラスタ走査ミラーから反射され、これらのうち、第1のミラーは、入力ビームを受け、第2のミラーに反射し、第2のミラーは、ビームをターゲットに向けて反射する。
【0006】
レーザベースのコーティング除去装置は、高パワーレーザからの光のパルスを用いて、ターゲットの表面から、塗料又は他のコーティングを除去し又は蒸発させる。各パルスは、通常、0.1〜100mmといった小さい領域からコーティングを除去する。レーザは、各パルス毎に異なる領域に向けられ、除去プロセスは、表面全体からコーティングが除去されるまで繰り返される。
【0007】
コーティング除去にレーザを用いる利点は、パルスが衝突する小さい領域で、各レーザパルスが、予測可能な厚さのコーティングを除去できるという点である。これにより、例えば、下地(primer)を残し、上塗り(topcoat)だけを除去する等、選択的な剥離が可能になった。
【0008】
例えば、米国特許第5,643,476号、米国特許第6,288,362号、及び米国特許出願番号10/272,329には、選択的な剥離のために、選択基準として色を用いる手法が開示されている。これらの従来のプロセスでは、テレビジョンカメラを用いて剥離されるフィールドを観察し、コンピュータを用いて画像を解析する。この手法の短所は、テレビジョンカメラの視野と、レーザスキャナの視野との間で対応関係を維持することが困難であるという点である。表面に何らかの湾曲又は動きがあると、テレビジョンカメラ及びレーザ走査の座標間で不一致が生じる。この結果、意図した部分を削除できなかったり、意図しない部分を削除してしまったりするといった問題が生じる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施の形態は、表面からコーティングを除去するコーティング除去装置及びコーティング除去方法を提供する。また、レーザ走査光学素子は、好ましくは、走査光学素子条件と、ローカル表面の色パラメータとの間の対応関係を明らかにする色センサの感知パスとして機能する。
【0010】
焦点及び光学素子の位置は、コーティングされた表面上の目的箇所へのレーザ光路を決定する。目標位置にレーザ光パルスを出射する直前に、1つ以上の照明器によって、表面上の目標位置に照明光を提供する。照明光は、走査及び合焦点光学素子によって、反射され、集光される。反射光は、ある場所でレーザパスから分離され、光検出器に供給される。好ましくは、ビームスプリッタを用いて、反射光の向きをレーザパスから光検出器に変更する。そして、検出された照明光信号を所定の条件と比較し、この信号を用いて、この特定のターゲット場所にレーザを向けるか否かを決定する。
【0011】
この設計には、幾つかの可能な変形例がある。1つの構成では、走査光学素子は、反射スキャナとしても機能するミラーを含む。他の構成では、走査光学素子は、透過性光学素子によって光の向きを変更する屈折スキャナを含む。他の変形例では、照明光を反射させる素子を設ける。照明光は、好ましくは、表面に供給される。これに代えて、照明光は、合焦点及び走査光学素子を介して提供してもよい。また、合焦点及び走査光学素子を介して照明光を提供し、検出器が表面から直接受光してもよい。
【0012】
レーザ光源は、好ましくは、合焦点光学素子に接続される。これに代えて、レーザ光源は、光ファイバを介して、合焦点及び走査光学素子に接続してもよい。この代替の構成では、光検出器及びビームスプリッタ及び照明器は、光ファイバのレーザ端部側に配設される。
【0013】
照明及び検出プロセスは、幾つかの手法で実現できる。このプロセスは、例えば、単純な単一のセンサと、単一の波長又は広範囲の波長の照明光とによって実現できる。このような構成では、広スペクトル照明器を有する単一の検出器が、グレースケールセンサを構成し、表面の相対的明度だけを測定する。より複雑な実現例として、分光測定器センサが数百の異なる波長で反射率を測定してもよい。好ましい実施の形態では、赤色及び青色の2つの色を測定のために用いる。
【0014】
これらの色は、様々な手法で分離できる。ある手法では、フィルタを用いて色を分離し、分離された各色を対応する検出器に供給する。他の手法として、格子を用いて色を分離してもよい。好ましい実施の形態では、単一の検出器を用いて、色を時間的に分離する。この好ましい実施の形態では、まず、赤色照明器を駆動し、赤色を測定し、次に、青色照明器を駆動し、同じ検出器で青色を測定する。これに代えて、先に青色照明器を駆動し、青色を測定し、次に赤色照明器を駆動して赤色を測定してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態として、共通の光学パスを用いて、コーティングされた表面にレーザパルスを供給し、コーティングされた表面から反射した照明光を、光検出器及び解析器に向ける装置及び方法を説明する。好ましくは、この装置は、レーザ光源、ビームスプリッタ、走査光学素子、不要物除去装置、1つ以上の照明器、光検出器、比較器及び制御論理回路を含む集積デバイスである。これに代えて、レーザ光源を集積デバイスの外部に設け、光ファイバを用いてレーザ光源を集積デバイスに接続してもよい。
【0016】
合焦点及び走査光学素子は、レーザ光路がコーティングされた表面上の第1の位置に向けられるように配設される。コーティングされた表面の第1の位置にレーザ光パルスを出射する直前に、照明器は、好ましくは、コーティングされた表面の第1の位置に向けて照明光を照射する。照明光は、反射し、合焦点及び走査光学素子によって集光され、レーザパスの所定の位置で、ビームスプリッタによって分離される。分離された反射光は、光検出器に向けられる。比較器は、光検出器が検出した反射光を所定の条件と比較し、コーティングされた表面上の第1の位置にレーザを出射するか否かを決定する。
【0017】
制御論理回路は、レーザ光源に制御信号を供給し、各レーザパルスを生成する。また、制御論理回路は、走査光学素子にも制御信号を供給し、これにより、走査光学素子は、コーティングされた表面上の所定の位置にレーザパルスを向けるよう、適切に構成される。レーザパルスがコーティングされた表面に衝突した後、制御論理回路は、再び走査光学素子に制御信号を供給し、これにより、走査光学素子は、次のレーザパルスがコーティングされた表面上の第2の位置に向けられるように再構成される。走査光学素子が再構成されると、制御論理回路は、レーザ光源に制御信号を供給し、コーティングされた表面上の第2の位置に向けられる次のレーザパルスを生成する。コーティングされた表面に対するプロセスは、所定のコーティング除去パターンに基づいて継続される。このパターン内の各位置において、反射光は、集光及び解析される。各位置において、好ましくは、比較器は、十分な量のコーティングが除去されているか否かを判定する。ある位置において、十分な量のコーティングがまだ除去されていないと判定された場合、その位置にレーザパルスが出射され、そして、次の位置で同様の判定が行われる。一方、ある位置において、十分な量のコーティングが除去されていると判定された場合、レーザパルスは出射されず、次の位置で同様の判定が行われる。このプロセスは、領域内の所定の割合の位置がレーザの出射を必要としなくなるまで、この領域に対して、繰り返される。そして、領域内の所定の割合の位置がレーザの出射を必要としなくなると、プロセスは、次の領域に移行する。これに代えて、判定メモリを用いて、コーティングされた表面上の位置から十分な量のコーティングがまだ除去されていないと比較器が判定した場合、制御論理回路が記録リストにその位置を登録し、コーティング除去パターンに基づいて実行される次のサイクルの間、記録リストに登録されている位置だけにレーザパルスを出射するようにしてもよい。
【0018】
コーティングを除去すると、不要副産物(waste byproduct)が生じる。不要物除去装置は、好ましくは、除去された表面から不要副産物を回収し、回収された不要物を、外部に連結された不要物容器に供給する。これに代えて、不要物除去装置は、回収された不要副産物のためのローカルストレージを備えていてもよい。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に基づくコーティング除去装置のブロック図である。コーティング除去装置10は、レーザ光源12、ビームスプリッタ14、走査光学素子16、照明器18、光検出器20、比較器22、制御論理回路24及び不要物回収器26を含む集積デバイスである。図1では、要素間の実線は、光路を表し、破線は、データ信号パスを表す。レーザ光源12は、光30として表されるレーザパルスを生成する。光30は、ビームスプリッタ14を介して、走査光学素子16に入射する。走査光学素子16は、光30がコーティングされた表面50上の特定の位置52に衝突するように、光30を配向及びフォーカスする。レーザ走査パスは、レーザパルスが、コーティングされた表面50に到達するまでに横断するパスとして定義される。図1に示すように、レーザパスは、ビームスプリッタ14及び走査光学素子16を経由するパスを含む。
【0020】
レーザ光学の分野では周知であるが、光30が衝突する位置52の表面積は、位置52のコーティングを除去する所望の機能を実現するために、必要に応じて、可能な限り狭く又は広くできる。衝突する表面積を広くすると、表面積に当たる光強度が低下し、衝突する表面積を狭くすると、表面積に当たる光強度が向上する。光強度は、様々な応用例の仕様を満たすために調整可能なパラメータである。なお、所定の表面領域に供給される光強度は、所定の表面積だけではなく、レーザ光源の仕様及び集積デバイス内の損失にも部分的に依存する。
【0021】
光30は、位置52に衝突すると、位置52に対応するコーティングの一部を除去する。各レーザパルスは、一定量のコーティングを除去すると見込まれる。除去されるコーティングの量は、光30が衝突した表面領域及び位置52におけるコーティングの深さによって決まる。除去される深さは、光30の強度、光30が衝突する表面積及びコーティングの性質等に基づいて算出できる。実際の動作では、除去されるコーティングの実際の深さは、計算上の深さとは異なることがある。除去するべきコーティングの下層には、異なる材料を含み又は異なる色を有する異なるコーティング(下塗り)、若しくはコーティングが施された元の表面材料がある。いずれの場合も、下塗り又は元の材料の表面は、除去されるコーティングによって反射される光とは異なる波長の光を反射することが見込まれる。したがって、除去するべきコーティングが実際に完全に除去されたことは、位置52から反射される光の波長を測定することによって判定できる。照明器18は、コーティングされた表面50上の位置52に照明光32を照射する。照明光32は、位置52で反射し、反射光34として、走査光学素子16を介して、ビームスプリッタ14に入射する。反射光34は、ビームスプリッタ14において、分離され、又は向きを変更された反射光36として、レーザ走査パスからリダイレクトされる。反射光36は、光検出器20に向けられ、光検出器20は、反射光36の特性を測定する。光検出器20は、測定した特性に対応するデータを、データライン40を介して比較器22に供給する。
【0022】
色感知パスは、コーティングされた表面50から光検出器20に反射光が横断するパスとして定義される。図1に示すように、色感知パスは、走査光学素子16及びビームスプリッタ14を経由するパスを含む。好ましい実施の形態では、色感知パスは、レーザ走査パスを含む光学系を含む。
【0023】
比較器22は、反射光の測定された特性を、予め定義されたパラメータ及び閾値と比較する。予め定義されたパラメータ及び閾値は、比較器22の内部に保存してもよく、比較処理で用いるために、独立したメモリから読み込んでもよい。このメモリは、好ましくは、コーティング除去装置10内に設けられた周知の種類のメモリである。予め定義されたパラメータ内に含まれているのは、除去するべきコーティングの特性、例えば、コーティングの色である。
【0024】
比較器22による比較の結果は、データライン42を介して、制御論理回路24に供給される。この比較により、位置52からコーティングが十分に除去されたかが判定される。この判定のために、反射光の波長が測定される。この反射光の波長は、光の衝突によってコーティングの一部が除去された後の、コーティングされた表面50の位置52における最上位層の色を示す。この測定された最上位層の色が、保存されたコーティングパラメータによって定義されている除去するべきコーティングの色と実質的に同じである場合、除去するべきコーティングの一部が位置52に未だ残っていると判定される。この場合、この装置は、この位置にレーザパルスを出射した後、次の位置に移行する。このプロセスは、領域内の所定の割合の位置がレーザの出射を必要としなくなるまで、この領域に対して、繰り返される。そして、領域内の所定の割合の位置がレーザの出射を必要としなくなると、プロセスは、次の領域に移行する。
【0025】
比較器22によって実行された比較により、最上位層色が、予め定義されたコーティングの色とは実質的に異なると判定された場合、位置52には、これ以上レーザパルスを当てる必要がないと判断される。レーザパルスが位置52に衝突した後、又はレーザパルスを位置52に出射する必要がないと判定された後、制御論理回路24は、データライン44を介して走査光学素子16に制御信号を送り、この制御信号は、次のレーザパルスがコーティングで表面50上の位置52とは異なる位置に向けられるように、走査光学素子16を再構成する。走査光学素子16が次の位置に再構成された後、レーザパルスを新たな位置に向けて出射する必要があるか否かが判定される。
【0026】
一実施の形態においては、走査光学素子16が再構成されると、色感知回路の遅延により、位置52等の色感知位置と、次の出射位置との間にオフセットが生じる。この誤差が大きすぎると、動作が不適切になる。この問題を解決するために、除去位置に対して色感知位置をオフセットさせ、先読み機能(look ahead function)を実現させてもよい。また、走査方向又は速度が変化する状況では、これらの条件を考慮するとよい。これらの状況では、色センサを移動させてオフセットを変更してもよく又は異なる走査速度及び方向のために複数のセンサを使用してもよい。
【0027】
図には示さないが、走査光学素子16内の個々の光学素子は、1つ以上の個々の光学素子を物理的に動かすための周知の如何なる手法で構成してもよい。例えば、光学素子に駆動ギヤを連結し、駆動ギヤにモータを連結してもよい。この場合、制御論理回路24からの制御信号は、モータを用いた駆動ギヤの動きに関する指示を提供する。
【0028】
不要物回収器26は、レーザパルスがコーティングされた表面50に衝突し、コーティングの最上位層が除去されることによって生じた不要副産物を回収する。不要物回収器26は、回収された不要副産物を収容するローカルストレージを備える。変形例として、図2に示すように、不要物回収器112は、外部の不要物容器124に連結された不要物除去装置として機能し、回収された不要副産物を外部の不要物容器124に輸送してもよい。この不要物回収器112の動作について、後に詳細に説明する。
【0029】
図2は、他の本発明の実施の形態に基づくコーティング除去装置100を示している。コーティング除去装置100は、ヘッドコンポーネント110とボディコンポーネント120から構成されている。ボディコンポーネント120は、レーザ光源122及び不要物容器124を備える。光ファイバ116、不要物輸送管114及びデータライン118は、ボディコンポーネント120をヘッドコンポーネント110に接続している。光ファイバ116、不要物輸送管114及びデータライン118は、好ましくは、単一のリンクとして纏めて結束されている。また、ボディコンポーネント120は、好ましくは、電力線(図示せず)を介してヘッドコンポーネント110に電力を提供する。また、ボディコンポーネント120とヘッドコンポーネント110の間を結ぶ結束されたリンクには、好ましくは、電力線も含まれている。これに代えて、ヘッドコンポーネント110は、ボディコンポーネント120の電源から独立した他の電源(図示せず)を備えていてもよい。
【0030】
ヘッドコンポーネント110は、ビームスプリッタ14、走査光学素子16、照明器18、光検出器20、比較器22及び制御論理回路24を備え、これらは、図1に関連して説明した具体例と同様に機能する。光ファイバ116は、レーザ光源122からの光30(レーザパルス)を提供する。制御論理回路24は、データライン118を介してレーザ光源122に上述と同様の手法で制御信号を提供し、すなわち、制御論理回路24は、データライン46(図1)を介して、レーザ光源12(図1)に、制御信号を提供する。
【0031】
光検出器20による、照明器18からの照射光及びこれに基づく反射光の検出は、幾つかの異なる手法で実現できる。照明器は、単一の波長の光を提供する単一の照明器であってもよく、様々な波長の光を提供する複数の個別の照明器であってもよい。同様に、光検出器20は、光を検出するために、1又は複数のセンサを備えることができる。広スペクトル照明器と共に単一のセンサを用いる手法では、表面の相対的明度を測定するグレースケールセンサを用いてもよい。他の実施の形態として、異なる数百の波長で反射率を測定する分光測定器センサを用いてもよい。好ましい実施の形態では、赤色及び青色の2色の照明光を用い、これを感知する。照明器18の好適な構成は、2つの赤色照明器及び2つの青色照明器を含む。これに代えて、これより多い又は少ない赤色照明器及び青色照明器を用いてもよい。なお、コーティング除去装置がコーティングされた表面の最上位層の色を判定することができれば、如何なる照明光及びセンサを用いてもよい。
【0032】
照明光の色は、周知の如何なる手法を用いて分離してもよい。一手法では、光検出器内にフィルタを設け、フィルタは、色を分離し、分離された各色を対応するセンサに供給する。他の手法として、格子を用いて色を分離してもよい。好ましい実施の形態では、光検出器20内で単一のセンサを用いて色を時間的に分離する。この場合、まず、赤色照明器を駆動し、光検出器20のセンサが対応する反射光を測定する。次に、青色照明器を駆動し、同じセンサが対応する反射光を測定する。この順序は、逆にしてもよく、すなわち、赤色光の前に青色光を測定してもよい。
【0033】
図2に示すように、ヘッドコンポーネント110は、不要物回収器112を含み、不要物回収器112は、不要物輸送管114に接続されている。不要物回収器112は、レーザパルスがコーティングされた表面50に衝突したことによって生じる不要副産物を回収する。回収された不要副産物は、不要物輸送管114を介して不要物容器124に輸送される。不要物回収器112及び不要物回収器26(図1)は、好ましくは、引用によって本願に援用される、同じ出願人によって2002年10月15日に出願された係属中の米国特許出願番号第10/272,329号、発明の名称「回転走査同軸屈折光学素子を有するレーザ走査ヘッド(Laser Scanning Head with Rotary Scanning Coaxial Refractive Optics)」に開示されている不要物回収器と同じ種類のものである。
【0034】
好ましい実施の形態では、フォーカスされたレーザビームがターゲット表面に衝突することによって、通常、ビームの入射方向とは逆方向に、除去された不要物が飛び出す。この不要副産物は、ノーズピース(図示せず)の排出アパーチャ(exit aperture)からヘッドコンポーネント110に入り、好ましくは、内部でパージガス流と混合される。ノーズピースは、好ましくは、不要副産物を拾った後に、パージガス流の方向を変更するような構造を有する。排出される不要物を含むパージガス流は、ノーズピースの後方に、筐体内の流路に向けて送られる。この流路により、パージガス流は、不要物輸送管114に供給され、ボディコンポーネント120内の不要物容器124に輸送される。ボディコンポーネント120内の真空ポンプ(図示せず)は、サービスホースを介してパージガス流を引き込む。
【0035】
ノーズピースの内部には、排出アパーチャに隣接して、収束ノズルが装着されている。排出ストリームは、ノズルから排出アパーチャに保護用の高速気流を引き込み、ターゲットスポットからのガス及び粒子が走査光学素子及び走査光学素子を駆動する駆動ギヤに到達し、これらを汚染することを防止する。
【0036】
パージガスは、好ましくは、ヘッドコンポーネント110の筐体の側面に配設された管状のインレットを介して供給される。リモート機器ユニットに接続されたホースは、不燃ガスを供給し、又は動作領域において許容できる場合、インレットは、周囲の空気に開かれている。
【0037】
好適な不要物回収器26、112のより詳細な構成については、上述した米国特許出願番号第10/272、329号に開示されている。
【0038】
走査光学素子16(図1、図2)内では、コーティングされた表面50に光30を向け、及びコーティングされた表面50からビームスプリッタ14に反射光34を向けるために様々な異なる光学的構成を用いることができる。このような構成の1つとして、図3に示すように、合焦点光学素子及び反射スキャナ、例えばミラー等を用いてもよい。
【0039】
他の構成として、図4に示すように、合焦点光学素子及び屈折スキャナ、例えばプリズム等を用いてもよい。なお、走査光学素子16は、任意の数の光学素子を用いて、様々な異なる光学的構成で構成でき、これにより、走査光学素子16は、第1の光学的位置(ビームスプリッタ14等)からコーティングされた表面にレーザ光パルスを向け、コーティングされた表面から第1の光学的位置に反射光を向ける。
【0040】
図3は、第1の構成の走査光学素子を含むコーティング除去装置を示している。走査光学素子16(図1及び図2)は、合焦点光学素子202、208及び反射スキャナ204、206を備える。図3は、コーティング除去装置100(図2)に適用される走査光学素子16の第1の構成を示している。この第1の構成は、コーティング除去装置10(図1)にも同様に適用できる。図面を簡潔にするために、図3では、コーティング除去装置100の全ての要素は示していない。
【0041】
合焦点光学素子202は、光30をコリメートし、コリメートされた光を反射スキャナ204に向ける。この光30は、反射スキャナ204、206から合焦点光学素子208に反射する。合焦点光学素子208は、例えば、コーティングされた表面50上の位置52等の所定の位置に光30を向け、焦点を合わせる。コーティングされた表面50上の正確な位置及びコーティングされた表面50に衝突する光の寸法は、制御論理回路24が送信する制御信号によって制御される合焦点光学素子202、反射スキャナ204、206、合焦点光学素子208の構成によって定まる。なお、図3では、合焦点光学素子202、208を単一の要素として示しているが、合焦点光学素子202、208の一方又は両方は、1つ以上の光学素子から構成してもよいことは当業者にとって明らかである。同様に、図3では、2つの反射スキャナ204、206を示しているが、これより多い又は少ない反射スキャナを用いてもよいことも明らかである。
【0042】
また、図3には、照明器18の第1の構成も示している。この第1の構成では、照明器18は、2つの赤色照明器212と、2つの青色照明器214とを備える。
【0043】
走査光学素子の第2の構成を含むコーティング除去装置を図4に示す。図4に示すコーティング除去装置は、図3の合焦点光学素子202、反射スキャナ204、206及び合焦点光学素子208が合焦点光学素子302、屈折スキャナ304、306及び合焦点光学素子308に置換されている点を除いて図3のコーティング除去装置と同様の構成を有している。合焦点光学素子302は、光30をコリメートし、屈折スキャナ304にコリメートされた光を向ける。光30は、屈折スキャナ304、306によって屈折し、合焦点光学素子308に向けられる。合焦点光学素子308は、コーティングされた表面50上の位置52等の位置に光30を向け、焦点を合わせる。コーティングされた表面50上の正確な位置及びコーティングされた表面50に衝突する光の寸法は、制御論理回路24が送信する制御信号によって制御される合焦点光学素子302、屈折スキャナ304、306、合焦点光学素子308の構成によって定まる。合焦点光学素子302、308及び屈折スキャナ304、306のより詳細な構成については、上述した米国特許出願番号第10/272、329号に開示されている。なお、図4では、合焦点光学素子302、308を単一の要素として示しているが、合焦点光学素子302、308の一方又は両方は、1つ以上の光学素子から構成してもよいことは当業者にとって明らかである。同様に、図4では、2つの屈折スキャナ304、306を示しているが、これより多い又は少ない屈折スキャナを用いてもよいことも明らかである。
【0044】
図5は、コーティング除去装置300の変形例を示している。この変形例では、ビームスプリッタ14、光検出器20、比較器22及び制御論理回路24は、(図2のコーティング除去装置100のヘッドコンポーネント110等のヘッドコンポーネントではなく)ボディコンポーネント320内に配設されている。コーティング除去装置300は、反射光34が検出及び解析のためにボディコンポーネントに向けられる点を除いて、コーティング除去装置100(図2)と同様に動作する。図5のボディコンポーネント320内に配設された制御論理回路24は、データライン330を介して、ヘッドコンポーネント310の走査光学素子16に制御信号を送信する。ボディコンポーネント320内に配設されている合焦点光学素子322は、光ファイバ116の第1の端部に光30の焦点を合わせる。また、合焦点光学素子322は、光ファイバ116から受信した反射光34をビームスプリッタ14に向ける。
【0045】
このコーティング除去装置300と同様に、コーティング除去装置10(図1)は、レーザ光源12及びビームスプリッタ14が光ファイバを介して走査光学素子16に光学的に接続された構成とすることができる。このような構成では、光検出器20は、光ファイバのレーザ光源側に配設することができる。
【0046】
実際の動作では、コーティング除去装置は、コーティングされた表面上の所定の位置にレーザパルスを向ける。レーザパルスは、ビームスプリッタ、合焦点光学素子及び走査光学素子を含むレーザパスに基づいて、所定の位置に向けられる。レーザパルスは、所定の位置に衝突し、この所定の位置のコーティングの一部又は全部を除去する。所定の位置から適切な量のコーティングが除去されたことを確認するために、照明器は、所定の位置に照明光を照射する。照明光に由来する反射光は、色感知パスを介して光検出器に入射する。色感知パスは、好ましくは、レーザパスの光学的素子の一部又は全部を含む。ビームスプリッタは、レーザパスから光検出器に反射光をリダイレクトし、この光検出器において測定値が算出される。光検出器は、これらの測定値を比較器に供給し、比較器は、検出された光の特性を再定義されたパラメータ及び閾値と比較する解析を行う。
【0047】
好ましい実施の形態では、反射光の色を、除去すべきコーティングの既知の色と測定及び比較する。検出された光が既知の色と同じ色のものであると比較器が判定した場合、コーティングされた表面上の所定の位置にコーティングが未だ残っていると判断される。この場合、この所定の位置にレーザパルスが出射される。一方、検出された光が既知の色と同じ色ではないと比較器が判定した場合、コーティングされた表面上の所定の位置にはコーティングが残っていないと判断され、したがって、この位置にレーザパルスを出射する必要はない。いずれの場合も、制御論理回路は、合焦点及び走査光学素子に対し、コーティングされた表面の次の位置に対応するように再構成を命じる。
【0048】
レーザパルスの衝突によって除去されたコーティングは、不要物除去機構によって、不要副産物として回収される。不要物除去機構は、好ましくは、レーザ及び色感知パスを含む共通のヘッドアセンブリ内に統合されている。
【0049】
先に詳細に説明したように、レーザ光源によって生成された各レーザパルスは、コーティングされた表面上の所定の位置に向けられる。第1の位置からコーティングを除去した後に、制御論理回路は、合焦点及び走査光学素子に対し、次のレーザパルスが第1の位置とは異なる第2の位置に向けられるように構成することを命じる。殆どの用途では、コーティングされた表面の全体からコーティングを除去することが多い。すなわち、コーティングされた表面が10フィート×10フィートの表面領域を有する場合、100平方フィートの領域全体に亘ってコーティングされた表面を除去する。この場合、隣接する各位置において、コーティングを順次的に除去することが最も効率的である。換言すれば、第2の位置は、第1の位置に隣接する。但し、必ずしもこの通りではない。幾つかの用途では、表面全体領域のコーティングを除去することが望まれない場合もある。すなわち、表面積の一部だけのコーティングを除去する必要がある場合がある。除去するコーティングの実際のパターンは、任意の如何なるパターンであってもよい。制御論理回路は、好ましくは、保存されたアルゴリズム又はプログラムに基づいて、所望のパターンに基づく制御を行う。
【0050】
図6は、例示的なコーティング除去パターンを示している。大きなボックスは、7単位×7単位の表面領域を有するコーティングされた表面を表している。奇数番号が付された影付きのボックスは、コーティングされた表面上で、コーティングを除去すべき位置を表している。偶数番号が付された影無しのボックスは、コーティングされた表面上で、コーティングを除去する必要がない位置を表している。コーティング除去装置がボックス1においてコーティングの除去を開始し、コーティングを除去した後に、合焦点及び走査光学素子がレーザパルスを向ける次の位置は、奇数番号のボックスの1つである。殆どの場合、次の位置は、ボックス3、9又は15のいずれかであるが、この順序及び開始位置は任意である。これにより、コーティングされた表面上の任意の位置のみからコーティングを除去でき、コーティングされた表面を「不均一にする(roughed up)」ことができる。
【0051】
図1〜図5に示す具体例では、照明光は、照明器18によってコーティングされた表面50に直接提供されている。また、本発明では、走査光学素子16を介して照明光を提供するように照明器を構成してもよい。また、走査光学素子16を介して提供された照明光は、コーティングされた表面50から反射光を直接読み取る光検出器によって検出してもよい。
【0052】
合焦点光学素子及び反射スキャナを含む第1の構成及び合焦点光学素子及び屈折スキャナを含む第2の構成に基づいて走査光学素子16を説明したが、走査光学素子16は、合焦点光学素子、反射スキャナ及び屈折スキャナの如何なる組合せも含むことができる。また、図3及び図4は、それぞれ2対の合焦点光学素子202/208、302/308を示しているが、これらは、1対の合焦点光学素子に置き換えてもよい。
【0053】
ある特定の状況では反射光の感知は、レーザパスとは異なる色感知パスを提供することによって実現できる。この場合、レーザパスの光路と、色感知パスの光路とからなる別の光路を有する代替のコーティング除去装置が構成される。
【0054】
図1〜図5には示していないが、向きを変更された反射光をビームスプリッタから光検出器に供給するために、幾つの光学素子、例えば、レンズ及び/又はミラーを用いてもよい。
【0055】
本発明の構成及び動作原理を明瞭に説明するために、様々な詳細を含む特定の実施例を用いて本発明を説明した。このような特定の実施例の説明及びその詳細は、特許請求の範囲を限定するものではない。本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、例示的に選択された実施例を変更できることは、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態に基づくコーティング除去装置のブロック図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に基づくコーティング除去装置のブロック図である。
【図3】第1の構成の走査光学素子を含むコーティング除去装置の構成を示す図である。
【図4】第2の構成の走査光学素子を含むコーティング除去装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に基づくコーティング除去装置のブロック図である。
【図6】例示的なコーティング除去パターンを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面からコーティングを除去するレーザベースのコーティング除去装置において、
a.レーザパルスを提供するレーザ光源と、
b.上記レーザパルスが上記表面上の第1の位置に衝突し、該第1の位置からコーティングの一部を除去するように、上記レーザパルスを、レーザパスに沿って、該表面上の第1の位置に向ける走査光学素子と、
c.上記表面上の第1の位置に衝突する照明光を提供する1つ以上の照明器と、
d.上記照明光の衝突の結果、上記表面から反射した光を受光し、該反射光を測定する光検出器と、
e.上記走査光学素子を含み、上記反射光を、上記表面から上記光検出器に向ける色感知パスとを備えるコーティング除去装置。
【請求項2】
上記レーザ光源、走査光学素子、及び光検出器に接続され、該レーザ光源及び走査光学素子に制御信号を提供する制御論理回路を更に備える請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項3】
上記光検出器に接続され、上記測定された反射光と、所定のパラメータとを比較し、上記コーティングが上記表面上の第1の位置から除去されたか否かを判定する比較器を更に備える請求項2記載のコーティング除去装置。
【請求項4】
上記コーティングが第1の位置から除去されていないと判定された場合、上記制御論理回路は、上記レーザパルスを上記表面上の第1の位置に向ける第1の制御信号を上記走査光学素子に提供することを特徴とする請求項3記載のコーティング除去装置。
【請求項5】
上記表面上の第1の位置及び各連続した位置は、コーティング除去パターンに基づいて決定されることを特徴とする請求項4記載のコーティング除去装置。
【請求項6】
上記コーティングが第1の位置又は各連続した位置から除去されていないと判定された場合、上記制御論理回路は、該コーティングが除去されていない各位置の記録リストを作成し、該記録リストに示される各位置に更なるレーザパルスを向けることを特徴とする請求項5記載のコーティング除去装置。
【請求項7】
上記走査光学素子は、1つ以上の反射スキャナを備えることを特徴とする請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項8】
上記1つ以上の反射スキャナは、レンズ及びミラーアレーを備えることを特徴とする請求項7記載のコーティング除去装置。
【請求項9】
上記走査光学素子は、1つ以上の屈折スキャナを備えることを特徴とする請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項10】
上記1つ以上の屈折スキャナは、レンズ及びプリズムアレーを備えることを特徴とする請求項9記載のコーティング除去装置。
【請求項11】
上記走査光学素子は、合焦点光学素子を備えることを特徴とする請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項12】
上記反射光を、上記レーザパスから離し、上記光検出器に向けるビームスプリッタを更に備える請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項13】
上記1つ以上の照明器は、上記照明光を上記表面に直接供給することを特徴とする請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項14】
上記1つ以上の照明器は、上記照明光を、上記走査光学素子を介して上記表面に提供することを特徴とする請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項15】
上記レーザ光源及び走査光学素子の間に接続され、該レーザ光源から走査光学素子に上記レーザパルスを供給する光ファイバを更に備える請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項16】
上記1つ以上の照明器は、単一の広スペクトル照明器を備えることを特徴とする請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項17】
上記光検出器は、上記表面の相対的明度を測定する単一のセンサを備えることを特徴とする請求項16記載のコーティング除去装置。
【請求項18】
上記光検出器は、複数の異なる波長における反射率を測定する分光測定器センサを備えることを特徴とする請求項16記載のコーティング除去装置。
【請求項19】
上記1つ以上の照明器は、赤色照明光を提供する赤スペクトル照明器と、青色照明光を提供する青色スペクトル照明器とを備えることを特徴とする請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項20】
上記光検出器は、上記赤色照明光の衝突から生じる反射した赤色光と、上記青色照明光の衝突から生じる反射した青色光とを時間的に分離することを特徴とする請求項19記載のコーティング除去装置。
【請求項21】
上記表面から除去された部分を回収する不要物回収機構を更に備える請求項1記載のコーティング除去装置。
【請求項22】
表面からコーティングを除去する集積デバイスにおいて、
a.レーザパルスを提供するレーザ光源と、
b.上記レーザパルスが上記表面上の第1の位置に衝突し、該第1の位置からコーティングの一部を除去するように、上記レーザパルスを、レーザパスに沿って、該表面上の第1の位置に向ける走査光学素子と、
c.上記表面上の第1の位置に衝突する照明光を提供する1つ以上の照明器と、
d.上記照明光の衝突の結果、上記表面から反射した光を受光し、該反射光を測定する光検出器と、
e.上記走査光学素子を含み、上記反射光を、上記表面から上記光検出器に向ける色感知パスとを備える集積デバイス。
【請求項23】
上記表面から除去された部分を回収する不要物回収機構を更に備える請求項22記載の集積デバイス。
【請求項24】
上記レーザ光源、走査光学素子、及び光検出器に接続され、該レーザ光源及び走査光学素子に制御信号を提供する制御論理回路を更に備える請求項22記載の集積デバイス。
【請求項25】
上記走査光学素子は、1つ以上の反射スキャナを備えることを特徴とする請求項22記載の集積デバイス。
【請求項26】
上記走査光学素子は、1つ以上の屈折スキャナを備えることを特徴とする請求項22記載の集積デバイス。
【請求項27】
上記反射光を、上記レーザパスから離し、上記光検出器に向けるビームスプリッタを更に備える請求項22記載の集積デバイス。
【請求項28】
表面からコーティングを除去する集積デバイスにおいて、
a.レーザパルスを提供するレーザ光源と、
b.上記レーザパルスが上記表面上の第1の位置に衝突し、該第1の位置からコーティングの一部を除去するように、上記レーザパルスを、レーザパスに沿って、該表面上の第1の位置に向ける走査光学素子と、
c.上記表面上の第1の位置に衝突する照明光を提供する1つ以上の照明器と、
d.上記照明光の衝突の結果、上記表面から反射した光を受光し、該反射光を測定する光検出器と、
e.上記レーザパスとは異なり、上記反射光を、上記表面から光検出器に向ける色感知パスとを備える集積デバイス。
【請求項29】
上記表面から除去された部分を回収する不要物回収機構を更に備える請求項28記載の集積デバイス。
【請求項30】
上記レーザ光源、走査光学素子、及び光検出器に接続され、該レーザ光源及び走査光学素子に制御信号を提供する制御論理回路を更に備える請求項28記載の集積デバイス。
【請求項31】
上記走査光学素子は、1つ以上の反射スキャナを備えることを特徴とする請求項28記載の集積デバイス。
【請求項32】
上記走査光学素子は、1つ以上の屈折スキャナを備えることを特徴とする請求項28記載の集積デバイス。
【請求項33】
表面からコーティングを除去するレーザベースのコーティング除去装置において、
a.レーザパルスを提供するレーザ光源と、
b.上記レーザパルスが上記表面上の第1の位置に衝突し、該第1の位置からコーティングの一部を除去するように、上記レーザパルスを、レーザパスに沿って、該表面上の第1の位置に向ける走査光学素子と、
c.それぞれが他の照明器が提供する照明光から時間的に別の、それぞれが上記表面上の第1の位置に衝突する対応する複数の照明光を提供する複数の照明器と、
d.上記照明光の衝突の結果、上記表面から反射した光を受光し、該反射光を測定し、上記表面に衝突する時間的に別の照明光に基づいて、上記反射光を時間的に分離する光検出器とを備えるコーティング除去装置。
【請求項34】
上記複数の時間的に別の照明光は、タイミングシーケンスに基づいて構成されていることを特徴とする請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項35】
上記光検出器は、上記タイミングシーケンスに基づいて、上記反射光を時間的に分離することを特徴とする請求項34記載のコーティング除去装置。
【請求項36】
上記走査光学素子を含み、上記反射光を、上記表面から上記光検出器に向ける色感知パスを更に備える請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項37】
上記反射光を、上記レーザパスから離し、上記光検出器に向けるビームスプリッタを更に備える請求項36記載のコーティング除去装置。
【請求項38】
上記レーザ光源、走査光学素子、及び光検出器に接続され、該レーザ光源及び走査光学素子に制御信号を提供する制御論理回路を更に備える請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項39】
上記光検出器に接続され、上記時間的に分離され、測定された反射光と、所定のパラメータとを比較し、上記コーティングが上記表面上の第1の位置から除去されたか否かを判定する比較器を更に備える請求項38記載のコーティング除去装置。
【請求項40】
上記コーティングが第1の位置から除去されていないと判定された場合、上記制御論理回路は、上記レーザパルスを上記表面上の第1の位置に向ける第1の制御信号を上記走査光学素子に提供することを特徴とする請求項39記載のコーティング除去装置。
【請求項41】
上記表面上の第1の位置及び各連続した位置は、コーティング除去パターンに基づいて決定されることを特徴とする請求項40記載のコーティング除去装置。
【請求項42】
上記コーティングが第1の位置又は各連続した位置から除去されていないと判定された場合、上記制御論理回路は、該コーティングが除去されていない各位置の記録リストを作成し、該記録リストに示される各位置に更なるレーザパルスを向けることを特徴とする請求項41記載のコーティング除去装置。
【請求項43】
上記走査光学素子は、1つ以上の反射スキャナを備えることを特徴とする請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項44】
上記1つ以上の反射スキャナは、レンズ及びミラーアレーを備えることを特徴とする請求項43記載のコーティング除去装置。
【請求項45】
上記走査光学素子は、1つ以上の屈折スキャナを備えることを特徴とする請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項46】
上記1つ以上の屈折スキャナは、レンズ及びプリズムアレーを備えることを特徴とする請求項45記載のコーティング除去装置。
【請求項47】
上記走査光学素子は、合焦点光学素子を備えることを特徴とする請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項48】
上記1つ以上の照明器は、上記照明光を上記表面に直接供給することを特徴とする請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項49】
上記1つ以上の照明器は、上記照明光を、上記走査光学素子を介して上記表面に提供することを特徴とする請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項50】
上記レーザ光源及び走査光学素子の間に接続され、該レーザ光源から走査光学素子に上記レーザパルスを供給する光ファイバを更に備える請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項51】
上記複数の照明器のそれぞれは、他の照明器からの照明光とは異なる波長の照明光を提供することを特徴とする請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項52】
上記1つ以上の照明器は、赤色照明光を提供する赤スペクトル照明器と、青色照明光を提供する青色スペクトル照明器とを備えることを特徴とする請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項53】
上記表面から除去された部分を回収する不要物回収機構を更に備える請求項33記載のコーティング除去装置。
【請求項54】
表面からコーティングを除去する集積デバイスにおいて、
a.レーザパルスを提供するレーザ光源と、
b.上記レーザパルスが上記表面上の第1の位置に衝突し、該第1の位置からコーティングの一部を除去するように、上記レーザパルスを、レーザパスに沿って、該表面上の第1の位置に向ける走査光学素子と、
c.上記表面上の第1の位置に衝突する照明光を提供する1つ以上の照明器と、
d.上記照明光の衝突の結果、上記表面から反射した光を受光し、該反射光を測定する光検出器と、
e.上記表面から除去された部分を回収する不要物回収機構とを備える集積デバイス。
【請求項55】
上記走査光学素子を含み、上記反射光を、上記表面から上記光検出器に向ける色感知パスを更に備える請求項54記載の集積デバイス。
【請求項56】
表面からコーティングを除去するレーザベースのコーティング除去装置において、
a.レーザパルスを提供するレーザ光源と、
b.上記レーザパルスが上記表面上の第1の位置に衝突し、該第1の位置からコーティングの一部を除去するように、上記レーザパルスを、レーザパスに沿って、該表面上の第1の位置に向ける走査光学素子と、
c.上記走査光学素子を介して上記表面上の第1の位置に衝突する照明光を提供する1つ以上の照明器と、
d.上記照明光の衝突の結果、上記表面から反射した光を直接受光し、該反射光を測定する光検出器とを備えるコーティング除去装置。
【請求項57】
表面からコーティングを除去するコーティング除去方法において、
a.レーザパルスを提供するステップと、
b.上記レーザパルスが上記表面上の第1の位置に衝突し、該第1の位置からコーティングの一部を除去するように、上記レーザパルスを、レーザパスに沿って、該表面上の第1の位置に向けるステップと、
c.上記表面上の第1の位置に衝突する照明光を提供するステップと、
d.上記表面に衝突した照明光から生じる反射光を、上記レーザパスの少なくとも一部を含む色感知パスに沿って向けるステップと、
e.光検出器において、上記反射光を受光するステップと、
f.上記受光した反射光を解析するステップとを有するコーティング除去方法。
【請求項58】
上記解析された反射光と、所定のパラメータとを比較し、上記コーティングが上記表面上の第1の位置から除去されたか否かを判定するステップを更に有する請求項57記載のコーティング除去方法。
【請求項59】
次のレーザパルスを提供し、上記表面上の第2の位置に向けるステップを更に有する請求項58記載のコーティング除去方法。
【請求項60】
コーティング除去パターンに基づいて、上記表面上の第1の位置、第2の位置及び各連続した位置を決定するステップを更に有する請求項59記載のコーティング除去方法。
【請求項61】
上記コーティングが第1の位置又は各連続した位置から除去されていないと判定された場合、該コーティングが除去されていない各位置の記録リストを作成し、上記コーティング除去パターンに基づいて、更なるレーザパルスを生成し、該記録リストに示される各位置に該更なるレーザパルスを向ける次のコーティング除去サイクルを実行することを特徴とする請求項60記載のコーティング除去方法。
【請求項62】
上記レーザパルスを第1のレーザパスに向けるステップは、該レーザパルスを反射させるステップを含むことを特徴とする請求項57記載のコーティング除去方法。
【請求項63】
上記レーザパルスを第1のレーザパスに向けるステップは、該レーザパルスを屈折させるステップを含むことを特徴とする請求項57記載のコーティング除去方法。
【請求項64】
上記照明光は、上記表面に直接供給されることを特徴とする請求項57記載のコーティング除去方法。
【請求項65】
上記照明光は、上記レーザパスの少なくとも一部を介して、上記表面に供給されることを特徴とする請求項57記載のコーティング除去方法。
【請求項66】
上記表面上の第1の位置に上記照明光を提供するステップは、複数の時間的に別の照明光を提供するステップを含むことを特徴とする請求項57記載のコーティング除去方法。
【請求項67】
上記受光した反射光を解析するステップは、上記反射光を時間的に分離するステップを含むことを特徴とする請求項66記載のコーティング除去方法。
【請求項68】
上記表面から除去された部分を回収するステップを更に有する請求項57記載のコーティング除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−517674(P2007−517674A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549436(P2006−549436)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/000511
【国際公開番号】WO2005/070093
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506236314)ゼネラル レーザートロニクス コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】