説明

レーザービームを用いた材料切断方法

本発明はレーザービームを用いた材料切断方法に関し、レーザービームは内側端を有する切断ノズルを備えた切断ヘッドから出射し、切断前面に吸収される。レーザービームの軸は加工物の切断方向内の固定された方向の切断線に沿って、加工物と関連して移動する。本方法は切断ヘッドの位置(p)が時間的平均値に関して変調される、または切断ヘッドのレーザーパワーとガス圧が変調されるところに特徴がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザービームを用いた材料切断方法に関し、レーザービームは内側端を有する切断ノズルを備えた切断ヘッドから出射し、切断前面に吸収され、レーザービームの軸は加工物の切断方向内の、加工物に対して固定された方向の切断線に沿って移動する。
【背景技術】
【0002】
レーザービームによる加工物の切断は確立された切断方法である。これは工業的応用におけるレーザー支援製造方法の中で主要な機能である。ユーザーから常に寄せられるひとつの要求は方法の向上した効率であるが、一方品質要求も高まり続けている。
【0003】
レーザービーム切断を含む溶融切断において保証されなければならない必須の特性は、工程の効率、切断端の品質、可能な限り小さい波紋幅、付着屑の非形成、非酸化である。
【0004】
同様に厚い板材のより短い加工時間と高品質切断が今日の工業開発の傾向である。絶えず向上しているレーザーの性能と高性能駆動装置を有するシステムが製造工程に導入される。
【0005】
レーザー照射による金属切断の既知技術は切断エネルギーの注入に含まれる機構により、
・活性切断ガス噴射によるレーザービーム切断と、
・不活性切断ガス噴射によるレーザービーム切断
とに細分される。
【0006】
活性切断ガス噴射(例えば酸素、高圧空気)によるレーザービーム切断においては、レーザービームと発熱化学反応が共同で切断パワーを供給する。活性切断ガス噴射によるレーザービーム切断の技術は、レーザービームが切断切り込みに支配的な役割を果たすか(レーザービーム活性ガス切断)、それとも板材の上面に付加的に照射されるか(燃焼安定レーザービーム炎切断)という点に関する特徴により更に区別される。
【0007】
不活性切断ガス噴射(例えば窒素)によるレーザービーム切断の場合、レーザービームが切断パワーを供給する。不活性切断ガス噴射によるレーザービーム切断は溶融物を促進し排出するための異なる機構により更に区別される。切断ガス噴射に加え溶融した材料が蒸発し、蒸発が溶融を促進する。前進速度が速くなるほど駆動作用は蒸発により増加する。以下の三つの改良方法の間に区別がある。
【0008】
・レーザービーム溶融切断:
溶融表面の温度は蒸発温度より低く、溶融物は切断ガス噴射のみにより排出される。この改良方法は工業的には薄い、中程度の、そして厚い板材に用いられる。溶融物は主に切断前面の先端つまりレーザービーム軸の前面で流出する。速すぎる、または遅すぎる切断速度において見られる付着屑形成は品質を損なう。
【0009】
・急速切断:
切断前面下部において蒸発温度を超えており、切断ガスによる排出作用と蒸発材料による排出作用が同じ位である。溶融物は主に切断前面の前部分、レーザービーム軸に隣接した左右の側で流出する。この改良方法は薄い、および中程度の厚さの板材に用いられる。超高速切断で見られるウィスカー形成は品質に悪影響を及ぼす。
【0010】
・高速切断
切断前面のほぼ全体について蒸発温度を超えている。蒸発による駆動作用が支配的である。溶融物はレーザービーム軸の回りを流れ、レーザービームに続く切断切り込みの一部を塞ぎ、そこは切断ガスの作用で排出される。この改良方法は薄い板材に用いられる。
【0011】
レーザー照射で金属を切断することに関する先行技術は、レーザー切断装置の一定に設定される変数により工程を最適化するための手段を記載している。このような手段は、レーザービームパワーを可能な限り全て有効利用すること(切断前面の照射)、切り込みに隣接する材料の加熱により生じるパワー損失を減らすこと、溶融物を可能な限り完全に排出するための切断ガス効率を高めることを目的とする。
【0012】
文献はレーザービームのパワーは材料に一部吸収され、一部反射されると述べている。吸収された部分は切断工程に利用でき、有効パワーと種々のパワー損失に分割される。
【0013】
文献から、切断装置の加速には限界があるため狭い輪郭の切断では切断速度は減速すべきであることも知られている。過度のレーザーパワーによる切り込みの所望しない拡張と、過度に遅い切断速度による付着屑またはウィスカーの形成を避けるため、レーザーパワーは変調できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来の方法では切断装置の変数は一定値に設定され、高品質切断の限界に到達しようとする。既知の方法では対流損失の削減目標は可能でない。
【0015】
本発明の目的は、切断端の品質、小さい波紋幅、僅かのウィスカー形成そして無酸化切断端に注意しつつ、より高速の切断速度が得られる、ないしはより厚い板材が切断できるように、上述のタイプのレーザー照射による切断方法を進歩させることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は以下のレーザービームを用いた材料切断方法により達成される、レーザービームは内側端を有する切断ノズルを備えた切断ヘッドから出射し切断前面に吸収され、レーザービームの軸は加工物の切断方向内の、加工物に対して固定された方向の切断線に沿って移動し、この方法は切断ヘッドの位置(p)が時間平均値に関して変調される、またはレーザーパワーと切断ノズルのガス圧が変調される点に特徴がある。
【0017】
本発明の材料切断方法は、レーザービームを用いた材料切断方法で、前記レーザービームは内側端を有する切断ノズルを備えた切断ヘッドから出射して切断前面に吸収され、前記レーザービームの軸は加工物の切断方向内の前記加工物に相対的に固定された方向の切断線に沿って移動する方法において、前記切断ヘッドの位置(p)がその時間平均値に関して変調され、または前記切断ノズルのレーザーパワーとガス圧が変調されることを特徴とする。
【0018】
本発明の材料切断方法は、前記切断ヘッドの位置(p)の変調は切断方向に、少なくとも焦点位置における前記レーザービーム半径(w)に到達し、最大で距離A=w+w(z=d)であるような、但し距離Aは前記レーザービーム軸と前記ノズルの内側端前方位置との間の距離(w)と板材の下端(z=d)におけるレーザービーム半径w(z=d)との和、zは上端から測定された前記板材の深さ、dは板厚の、十分な長距離(p)にわたり実行されることを特徴とする。
【0019】
本発明の材料切断方法は、前記切断ヘッドの位置(p)は切断方向と逆方向に距離(−p)(但しp<0)移動し、前記距離(−p)は最大で値(w)に達し、この値(w)は前記レーザービームの軸と前記ノズルの内側端の前方位置との間の距離(w)と等しいことを特徴とする。
【0020】
本発明の材料切断方法は、更に時間平均値に比較し前記レーザーパワーと前記切断ヘッドの位置(p)とのほぼ同相の時間変調が実行されることを特徴とする。
【0021】
本発明の材料切断方法は、前記レーザーパワーと前記切断ヘッド位置との位相差は変調周期の20%を超えないことを特徴とする。
【0022】
本発明の材料切断方法は、前記レーザーパワーの変調は、後位置(p)での最小レーザーパワー(Pmin)が可能な限り小さい値で、しかも既に溶融した材料の凝固を避けるため十分高く維持されることを特徴とする。
【0023】
本発明の材料切断方法は、前記切断ノズルのガス圧の変調は、前記ノズルの開口から流出する切断ガスの流量が前記レーザーパワーと前記切断ヘッドの位置にほぼ逆位相に変調されるようにおこなわれることを特徴とする。
【0024】
本発明の材料切断方法は、前記流量と前記切断ヘッドとの間の逆位相変調からの逸脱は、前記変調周期の20%を超えないことを特徴とする。
【0025】
本発明の材料切断方法は、前記レーザーパワーと前記切断ノズルのガス圧の変調は、前記レーザーパワーと前記ノズル開口から流出する切断ガスの流量がほぼ逆位相で変調されることを特徴とする。
【0026】
本発明の材料切断方法は、前記レーザーパワーと前記ノズル開口から流出する切断ガスの流量との間の逆位相変調からの逸脱は変調周期の20%を超えないことを特徴とする。
【0027】
本発明の材料切断方法は、前記ノズル出口での流量変調は前記切断ガスの通過流量変化によることを特徴とする。
【0028】
本発明の材料切断方法は、前記切断前面で吸収される前記レーザーパワーの変調は切断線に沿った交互方向の前記レーザービーム軸の移動により実行されることを特徴とする。
【0029】
本発明の材料切断方法は、前記レーザービーム軸の移動は、zを上端から測定した板材の深さ、dを板厚として、少なくとも焦点位置における前記レーザービームの半径(w)であり、前記板材の下端(z=d)における前記レーザービームの半径w(z=d)値の4倍を超えないような十分長距離(p)で切断方向に起こることを特徴とする。
【0030】
本発明の材料切断方法は、前記レーザービーム軸の移動は切断方向と逆方向に距離(−p)(但しp<0)で起こり、前記距離(−p)は最大で前記板材の下端(z=d)における前記レーザービームの半径w(z=d)の2倍に達することを特徴とする。
【0031】
本発明の材料切断方法は、前記レーザービーム軸の移動は往復形式で起こり、十分な長距離(p)と前記板材の下端(z=d)における前記レーザービーム軸の距離(−p)の移動が、往復移動を通して監視されることを特徴とする。
【0032】
本発明の材料切断方法は、前記変調周期はより厚い材料、より速い切断速度に対して、増加的により長くなることを特徴とする。
【0033】
本発明の材料切断方法は、前記変調は切断変数の非線形変化により実行されることを特徴とする。
【0034】
本発明の材料切断方法は、前記変調周期は変調振幅(pti)における変化の4つの異なる割合の4つの時間間隔(t但しi=1、2、3、4)に細分されることを特徴とする。
【0035】
本発明の材料切断方法は、第1時間間隔(t)は排出段階の一部分をあらわし、前記第1時間間隔(t)の振幅(p11)と継続時間は、溶融物排出が支配的になるか、または開始する前に、溶融物から現在切断中の材料への熱拡散により溶融材料が冷却されるように設定されることを特徴とする。
【0036】
本発明の材料切断方法は、第2時間間隔(t)は排出段階の第二部分をあらわし、前記第2時間間隔(t)の振幅(p12)と継続時間は、可能な限り多量の溶融物が排出され、しかも溶融物の凝固が避けられるように設定されることを特徴とする。
【0037】
本発明の材料切断方法は、第3時間間隔(t)は除去段階の一部分をあらわし、前記第3時間間隔(t)の振幅(p13)と継続時間は、除去段階中に可能な限り多量の材料が溶融され、レーザービームが全切断前面を照射するように設定されることを特徴とする。
【0038】
本発明の材料切断方法は、第4時間間隔(t)は除去段階の一部分をあらわし、前記第4時間間隔(t)の振幅(p14)と継続時間は、除去段階は全板厚が除去されるまで継続し、しかも熱い溶融物の増加する排出は可能な限り少なく保つように設定されることを特徴とする。
【0039】
本発明の材料切断方法は、溶融膜の熱い表面の熱放射はカメラで記録され、前記カメラの記録の強く輝いている部分の領域の長さlと測定信号の強度が、前記溶融物の排出と除去の異なる段階の開始と終了、または制御の効率を監視するのに使用されるのを特徴とする。
【0040】
本発明の材料切断方法は、前記溶融膜の熱い表面の熱放射が空間的に平均化されて記録されることを特徴とする。
【0041】
本発明の材料切断方法は、前記熱い表面がフォトダイオードにより記録されることを特徴とする。
【0042】
本発明の材料切断方法は、監視操作から得られた測定値が前記4つの異なる振幅(pti)と前記4つの異なる時間間隔(t)との制御に用いられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0043】
この方法はレーザー照射を用いた金属切断の従来技術を、より高速の切断速度を実現できる、あるいはより厚い板材を切断できる、そしてあらゆる溶融凝固した付着物を避けられるように改良する。切断装置の一定に設定された変数による品質の良い切断の工程枠は、より速い切断速度及び/またはより厚い板厚を実現するため拡大される。切断のパワー損失は低減される。特定の実施態様では切断ガスの必要流量も低減でき、これは切断ガスの消費とコストを削減する。本発明による手段は小さな波紋幅(溝振幅)、ウィスカー非形成、またはあったとしても問題にならないようなウィスカー形成、非酸化切断端を実現することが見出されている。レーザー照射が板材の下側端に至るまで切断方向に材料に吸収される、即ちレーザー照射が材料の切断方向の切断前面全体を照射することが必須であり、それにより板全体の厚さが除去される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
切断端の品質、波紋幅、ウィスカー形成、酸化に関する上記の詳細が以下簡潔に説明される。
【0045】
・切断端の品質:粗さ、付着屑、ウィスカー、酸化層形成以外に、平坦度、直角度が切断端の必須の品質特性である。切断−溶接の工程連鎖は結合隙間の準備に関していかに切断端の品質が重要であるかを示す例である。研磨や平坦化による仕上げ作業を何ら必要としない細幅の溶接をレーザーで生産可能とするため、結合される部品の切断は付着屑や酸化物の無い平坦で直角で滑らかな切断端であることが望ましい。
【0046】
・可能なら小さい波紋幅:特に切断端の下部に、切断端での溶融した金属の凝固により作られる幅の広い波紋が形成される。
【0047】
・ウィスカーが形成されないこと:特に高速進行速度では、溶融物が加工物の下端から完全には分離しない。付着して凝固した溶融物は望ましくない付着屑を形成する。
【0048】
・酸化がないこと:溶接線におけるひび、空孔の形成は活性ガス切断で形成されるように、酸化した結合端によることがある。不活性切断ガスを用いた溶融切断が無酸化切断端を得るため用いられる。
【0049】
板材の厚さ、使用される切断ガスノズル、切断切り込みの幅、切断材料に応じて本発明の方法により、より厚い板厚、より速い切断速度、より少ない切断ガス消費、より高品質の板切断が可能となる。
【0050】
本発明の方法に重要なのは切断ヘッドの位置、レーザーパワー、プレナム圧力、ノズル圧力を高品質切断の工程枠を拡大するため変調しなければならないことで、従来既知のように一定値に設定することはできない。
【0051】
切断材料(材料の性質、板厚など)、使用レーザー(パワー、強度分布、変調能力)、使用切断ノズル(断面円形ノズル、長円ノズル、ノズル−板材上面間距離、ノズル内レーザービーム軸位置)に応じて切断装置の上述の変数の複合した変調を供給することが本発明の利点である。パワー変調だけでは有益でなく、他変数の変調の付加または組み合わせのみが有益なことが本発明の特徴である。
【0052】
更に切断装置の永久的に設定された変数と比較し、切断ヘッドの位置変調のみで高品質切断の工程枠を拡大するのに十分であることが重要である。
【0053】
時間平均値に比べ切断ヘッドの位置pの時間的変調が特徴的である。切断ヘッドpの位置に関して、レーザービーム軸と切断ノズルとの互いに固定された位置は変えられる。
【0054】
好ましくは切断ヘッドの位置pの変調は、少なくとも焦点位置でのレーザービームの半径wに達し、距離A=w+w(z=d)は超えない、切断方向の十分長い距離pについて実行される。距離Aは、レーザービーム軸とノズル内側端の前位置間の距離wと、板材の下端(z=d)でのレーザービーム半径w(z=d)との和であり、zは上端から測定した板材の深さ、dは板材の厚さを示す。
【0055】
更に切断ヘッドの位置pは好ましくは距離(−p)(p<0)だけ切断方向と逆方向に動く。距離(−p)は最大で値wに達する。移動pとpの合計ds=p+pは変調周期内の時間平均前進移動に対応する。
【0056】
本発明の方法に必須である、固体材料の溶融(除去段階)と溶融した材料の排出(排出段階)は連続した時間間隔で起こり、この時間系列はレーザーパワーまたは切断ヘッド位置または切断ノズルのガス圧力の変調と切断ヘッドの位置変調により達成される。基本設定で用いられるこれらの手段とは別に、レーザーパワーが追加して変調され、従来技術の場合のように一定値に設定されることはない。この点に関して本方法は更に、時間平均値に比較して、レーザーパワーと切断ヘッドの位置pがほぼ同相の時間変調をするようにレーザーパワーが発生するように変形され、それにより切断ヘッドの位置が不必要に長距離(−p)を動く必要がなくなる。負および正のp値に対し、レーザーパワーは時間平均値に対しより小さく、およびより大きく制御される。
【0057】
上記の手順に関して、レーザーパワーと切断ヘッドの位置の位相差は変調周期の20%を超えてはならない。これは溶融(除去段階)と排出(排出段階)が時間的に分離されることを保証する。
【0058】
レーザーパワーが、後位置p(排出段階中の位置)の最小レーザーパワーPminが可能な限り小さい値で、かつ既溶融材料の凝固を避けるのに十分大きく維持するように変調されるとき、本発明の更なる利点となる。
【0059】
上記の工程変数が監視されるとき、切断ノズルのガス圧(プレナム圧力またはノズル圧力とも呼ばれる)は変調できる。この目的のため、ノズル開口から流出する切断ガスの流量がレーザーパワーと切断ヘッドの位置に関してほぼ逆相に変調されるように、切断ノズルのガス圧が変調される。
【0060】
この手段は、より高い達成可能な平均切断速度の利益とより厚い切断可能な板厚の利益を増すが、大口径ノズル(変調行程が過大となる)と厚い板厚(圧縮率、ガス流の緩和時間が増加する)についての効果は減少する。したがって排出段階の継続時間は十分長く選択すべきである。
【0061】
上記の切断ノズルのガス圧の変調について、流量と切断ヘッド位置の間の逆位相変調からの偏差は変調周期の20%を超えるべきでない。
【0062】
レーザーパワーと切断ノズルのガス圧との変調は、レーザーパワーとノズル開口から流出する切断ガスの流量とがほぼ逆位相で変調するようにする。このことは溶融(除去段階)と排出(排出段階)が異なる時間に実行される効果を有する。この種の変調に関して、レーザーパワーとノズル開口から流出する切断ガスの流量との間の逆位相変調からの偏差は変調周期の20%を超えるべきでない。このことが溶融(除去段階)と排出(排出段階)が時間的に顕著に分離されることを確実にする。
【0063】
排出段階への可能な限りの速い変化を達成するため、切断ガスの流速の変化によるノズル出口での流量変調が有益である。
【0064】
更に切断前面に吸収されるレーザーパワーの変調は、切断線に沿った交互方向のレーザー軸の移動により、切断ノズルの移動なしに実行される(ここで交互方向とはレーザービーム軸の位置が前後に移動することを意味する)。この手段こそ変調周期を小さな値にすることを可能にする、というのはレーザービームには質量が無く、鏡の慣性は切断ノズルの慣性より小さいからである。
【0065】
レーザービーム軸が切断方向に、少なくとも焦点位置でのレーザービーム半径(w)から板材の下端のレーザービーム半径w(z=d)の4倍値を超えない十分な長距離(p)を移動するとき、ここでzは上端から測った板材の深さ、dは板厚であるが、固体材料内を溶融前面が移動する最大距離がもたらされ、同時に全切断前面の照射が確実になる。
【0066】
レーザービーム軸の移動が切断方向と逆方向に距離(−p)(p<0)となるとき、ここで距離(−p)は最大で板材の下端(z=d)のレーザービームの半径w(z=d)の2倍であるが、切断前面は排出段階中もはやレーザービームに囲まれない。
【0067】
変調周期として小さな値が設定可能である状況を達成するため、例えば走査鏡が用いられ、レーザービーム軸の移動が往復または振り子形式で実行される。更に十分長距離(p)、および板材の下端(z=d)での距離(−p)のレーザービーム軸の移動が往復移動により監視される。ここで往復移動とはレーザービーム軸の方向が変化することを意味する。
【0068】
より厚い板厚とより高速の平均切断速度のため、変調周期(特に切断ヘッド位置または切断ノズルのガス圧またはレーザーパワーについての変調)が増加するより大きな値に設定されるとき、本発明の方法は更に有利になる。これは非変調切断と比較し、より厚い板厚またはより高速の平均切断速度を意味する。
【0069】
上記の規則が守られないとき常に、例えば切断ヘッドの位置pからの非常に小さいまたは大きい値とレーザーパワーの非常に小さい値Pminのとき、得られる平均切断速度または切断可能な厚さが小さくなり、溶融物の排出が不完全となり、または付着屑やウィスカーが形成されることが見出されている。
【0070】
この方法においては切断条件を最適化するため変調の時間系列に注意しなければならない。個々の切断変数の変調が調和的な(例えば正弦曲線の)方式で実行されなければ、利点が達成できることが見出されている。この目的を達成するため切断変数の非線形的変化が予定される。
【0071】
更に変調周期は、変調振幅ptiにおいて4つの異なる変化割合をもつ4つの時間間隔t(i=1、2、3、4)に細分される。
【0072】
4つの時間間隔のうち第1時間間隔tは排出段階の一部分をあらわし、振幅(pt1)と第1時間間隔(t)の継続時間は、溶融物排出が支配的になるかまたは開始する前に、溶融した材料の冷却が溶融物から現在切断中の材料への熱拡散により実行されるように設定される。
【0073】
更に排出段階の第2部分を示す第2時間間隔tに関して、振幅p12と第2時間間隔tの継続時間はできる限り多くの溶融物が排出され、溶融物の凝固が避けられるように設定される。
【0074】
更に除去段階の一部分をあらわす第3時間間隔tは、振幅pt3と継続時間に関して、除去段階の間にできる限り多くの材料が溶融され、レーザービームが全切断前面を照射するように設定される。これは溶融前面ができる限り短い時間にできる限り遠くへ、現在切断中の材料中へ移動することを意味する。あらゆる深さの溶融前面をできる限り一様に加熱するため、全切断前面がレーザービームで照射されることが有益である。
【0075】
4つの時間間隔の最後、即ち時間間隔tは除去段階の一部分をあらわし、振幅pt4と継続時間に関して、除去段階は板材の全厚が除去状態になり、熱い溶融物の排出の増加は極力重要でない状態に止まるような長さの時間続くように設定される。これは除去行為が十分長い時間にわたり起こらねばならないことを意味する、その結果溶融前面はあらゆる深さでできる限り一様に前進する。除去段階は、排出が支配的な形で開始し、その時熱くなり続ける状態で流出する溶融物が熱エネルギーの不必要な損失をもたらす前に完成すると有利である。
【0076】
制御された変調の効果が監視されると、または変調変数が制御されるだけでも有益である。
【0077】
このような監視操作内において、溶融膜の熱い表面の熱放射がカメラで記録される。カメラ記録の強く輝いている場所の範囲の長さと測定信号の強度は、溶融物の排出と除去という異なる段階の始点と終点、または制御効率を監視するため用いられる。
【0078】
溶融膜の熱い表面の熱放射がフォトダイオードで記録されるとき、監視または制御操作はカメラに比べ安価な装置でより高い記録周波数で実行できる。この時、カメラ記録の強く輝いている場所の範囲の長さと測定信号の強度はフォトダイオードの空間的に平均化した信号によっても定性的に感知される。この時、この監視操作から導かれる測定値は4つの異なる振幅(p)と4つの異なる時間間隔(t)を上記のように制御するのに用いられる。
【0079】
本発明による方法が以下図面を参照して説明される:
図1(a)〜1(c)は切断ヘッドの位置の変調を説明する3つの個別図であり、
図2は切断加工物の概略図であり、
図3は4つの時間間隔に細分された切断ヘッドの変調の時間曲線を示す概略図であり、
図4A〜Cは排出段階中の切断前面からの熱放射の監視をあらわす3つの個別図である。
【0080】
図1(a)から1(c)は4つの段階における切断ヘッドの変調を概略的に示す。切断ヘッドのこのような変調は増加した切断速度、増加した切断厚さを実現し、切断端にほとんど波紋やウィスカーが形成されず実質的に酸化がない高品質の切断端を成し遂げるのに既に十分である。
【0081】
図1は切断または分離すべき加工物を符号1で示す。図1(b)に示すように加工物1は厚さdである。符号2のレーザービームは詳細は示されないレーザー切断装置の切断ヘッド3から出射する。切断ガスノズルのノズル出口での内半径wは、図1(a)に示されるが、ノズルの内端4で定義される。加工物1に対する切断ヘッド3の各位置はレーザービーム軸の位置により定義され、符号5で表わされる。
【0082】
図1(a)は変調のない切断ヘッドの静止位置を示すが、図1(b)と1(c)は時間変調中の切断ヘッドの最も離れた位置を示す。これらの最も離れた位置には図1(b)に示される排出段階と図1(c)に示される除去段階の区別がある。排出段階中は(図1(b)参照)切断方向で見ると切断ヘッドは後位置にあり、溶融物はガス噴射により排出される。除去段階では(図1(c)参照)レーザービームは切断前面を加熱し、まず薄い溶融膜をつくり、そして溶融した前面が移動する。各段階について時間平均値に対する切断ヘッドの位置pの時間変調が特徴的である。図1(b)と1(c)に示す段階で実行される変調は十分長距離pで実行され、この距離pは少なくとも焦点位置におけるレーザービームの半径w(図1(b))に対応し、距離A=w+w(z=d)(zは上端から測った加工物1の深さ)を超えてはならない。切断ヘッド3が切断方向と逆方向に距離−p移動することが必須である。しかし距離−pは値wを超えてはならない。移動距離pとpの合計ds(図1(c)参照)は変調周期における平均前進移動に対応する(ds=p+p)。排出段階の初めにおいて(図1(b)参照)切断前面は符号1’の位置にある。排出段階中に溶融物はほぼ完全に排出される。除去段階の初めにおいて(図1(c)参照)切断前面は符号1’の位置にある。除去段階中に固体材料は溶融し、ほとんどの溶融物は排出されない。
【0083】
図2は切断端に沿った効果と有効パワーPをパワー損失P、Pλおよび吸収パワーPを含め説明するため、方向矢印6に沿ってレーザービームにより切断される厚さdの加工物の一部を示す。固体材料と液体材料(溶融物)との間の領域は溶融前面と呼ばれる。切断方向即ち矢印6の方向から見ると、切断前面上の溶融膜7が前進するレーザービームの領域に形成される。図2でPと呼ばれる有効パワーは排出されるべき材料を加熱、溶融するパワーである。有効パワーPは切断切り口を形成するのに必要な最小のパワーである。
【0084】
更に熱伝導損失Pλが切断または分離工程中に発生する。これは切断切り口に隣接する加工物1の材料を加熱するパワーに関係する。このパワー損失は切断された材料に残存し、有効パワーPを減少させる。
【0085】
更に対流損失Pが発生する。これは溶融物を融点より高い温度に加熱するパワーに関係する。このパワーは溶融物と一緒に排出され、符号8の付された付着屑の冷却中に再び材料に伝わる。対流損失Pにより引き起こされるパワー損失も有効パワーPを減少させる。
【0086】
更に他のパワー損失がある;高温の表面の熱放射と切断ガスまたは雰囲気ガスへの熱伝導がこのパワー損失の例である。しかしこれらのパワー損失は有効パワーPに比べて僅かである。
【0087】
更に図2のように符号9をつけた切断端には波紋または溝10ができる。これらの波紋と切断端に沿った付着屑あるいはウィスカー8は避けるべきである。
【0088】
既に述べたように、切断変数の非線形変化が供給される。この目的のため連続的変調周期が図3のグラフに示されるように4つの時間間隔t、t、t、tに細分される。この4つの時間間隔の間に切断ヘッドの位置Pが変化する。図3の位置データds、p、pは図1のデータと関連する。
【0089】
周期t−tは第1節つまり時間間隔t、tを含む溶融物の排出段階と第2節つまり時間間隔t、tを含む溶融物の除去段階に細分できる。
【0090】
排出段階で切断ヘッドの位置は、溶融した材料の冷却が溶融した材料から現在切断中の材料への熱の拡散を通じて起こるように、即ち溶融物の排出が支配的になり開始する前に設定される(この時間間隔tは切断ヘッドの位置が後位置に移動する時間に対応する(図1(b)参照))。
【0091】
切断ヘッドは、ガス噴射が排出動作を可能な限り速やかに全深さについておこなうように、後位置へ高速で移動する(振幅pt1は大きく選択されなければならない)。
【0092】
第2部分、排出段階、即ち時間間隔tでは、振幅と時間間隔tの長さは可能な限り多くの溶融物が排出され、しかも溶融材料の凝固が避けられるように設定される。
【0093】
除去段階は時間間隔tに始まる。この除去段階においては可能な限り多量の材料が溶融され、全切断前面がレーザービームにより照射される。切断ヘッドは高速で切断方向に移動する(振幅p13は大きく選ばれなければならない)、その結果溶融前面は可能な限り遠くまで可能な限り短い時間間隔内に現在切断中の材料内へ移動できる。溶融前面があらゆる深さで可能な限り一様に加熱されることを確実にするため、全切断前面がレーザービームで照射されるのが有益である。
【0094】
第4時間間隔t即ち除去段階の第2節は、ここで切断ヘッドの位置が切断方向にゆっくり移動するが、できる限り長く続くべきであるものの、この継続時間は高温状態の溶融物の増加する排出が可能な限り少なくなければならないため限界がある。図3の説明に見られるように時間間隔tと時間間隔tでは速度が異なる。
【0095】
上述の変調の効果は監視でき、変調変数も検出値により制御できる。この目的のため熱放射が光学的に感知される。図4上部に各々溶融膜7と溶融膜の表面、切断前面1’(図1(b)、(c)にも示されている)を有する加工物1を示す。図の下部に図3の時間間隔t、tに対応する排出段階中の切断前面の熱放射の強度を示し、強度は各時点に上方即ち加工物1の表面に垂直な方向から見たものである。符号11はレーザービーム2の前進する切断を示す。「1」と称する領域は熱放射のより低い強度の領域であり、「2」と称する部分は中程度の強度で、「3」と称する部分は高強度の部分である。強く輝いている部分から得られる測定信号の各強度の検出と、この輝いている部分の広がりの長さlとは別に、これらの測定結果は各変調変数の制御に使用できる。
【0096】
図4から更に見られるように、測定信号の強度と長さlとは当然同時に大きな値、または小さな値になる。これが使用された変調変数の効果が、少なくとも定性的には正しい方法で、部分的に平均化した測定により検出できる理由である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】切断ヘッドの位置の変調を説明する3つの個別図。
【図2】切断加工物の概略図。
【図3】4つの時間間隔に細分された切断ヘッドの変調の時間曲線を示す概略図。
【図4】排出段階中の切断前面からの熱放射の監視をあらわす3つの個別図。
【符号の説明】
【0098】
1 加工物
1’ 切断前面
2 レーザービーム
3 切断ヘッド
4 ノズルの内端
5 レーザービーム軸
6 方向矢印
7 溶融膜
8 付着屑
9 切断端
10 波紋または溝
11 レーザービームの前進する切断

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザービームを用いた材料切断方法で、前記レーザービームは内側端を有する切断ノズルを備えた切断ヘッドから出射して切断前面に吸収され、前記レーザービームの軸は加工物の切断方向内の前記加工物に相対的に固定された方向の切断線に沿って移動する方法において、
前記切断ヘッドの位置(p)がその時間平均値に関して変調され、または前記切断ノズルのレーザーパワーとガス圧が変調されることを特徴とする材料切断方法。
【請求項2】
前記切断ヘッドの位置(p)の変調は、切断方向に少なくとも焦点位置における前記レーザービーム半径(w)に到達し、最大で距離A=w+w(z=d)であるような、但し距離Aは前記レーザービーム軸と前記ノズルの内側端前方位置との間の距離(w)と板材の下端(z=d)におけるレーザービーム半径w(z=d)との和、zは上端から測定された前記板材の深さ、dは板厚の、十分な長距離(p)にわたり実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記切断ヘッドの位置(p)は切断方向と逆方向に距離(−p)(但しp<0)移動し、前記距離(−p)は最大で値(w)に達し、この値(w)は前記レーザービームの軸と前記ノズルの内側端の前方位置との間の距離(w)と等しいことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
更に時間平均値に比較し前記レーザーパワーと前記切断ヘッドの位置(p)とのほぼ同相の時間変調が実行されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記レーザーパワーと前記切断ヘッド位置との位相差は変調周期の20%を超えないことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記レーザーパワーの変調は、後位置(p)での最小レーザーパワー(Pmin)が可能な限り小さい値で、しかも既に溶融した材料の凝固を避けるため十分高く維持されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記切断ノズルのガス圧の変調は、前記ノズルの開口から流出する切断ガスの流量が前記レーザーパワーと前記切断ヘッドの位置にほぼ逆位相に変調されるようにおこなわれることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記流量と前記切断ヘッドとの間の逆位相変調からの逸脱は、前記変調周期の20%を超えないことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記レーザーパワーと前記切断ノズルのガス圧の変調は、前記レーザーパワーと前記ノズル開口から流出する切断ガスの流量がほぼ逆位相で変調されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記レーザーパワーと前記ノズル開口から流出する切断ガスの流量との間の逆位相変調からの逸脱は変調周期の20%を超えないことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ノズル出口での流量変調は前記切断ガスの通過流量変化によることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記切断前面で吸収される前記レーザーパワーの変調は切断線に沿った交互方向の前記レーザービーム軸の移動により実行されることを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザービーム軸の移動は、zを上端から測定した板材の深さ、dを板厚として、少なくとも焦点位置における前記レーザービームの半径(w)であり、前記板材の下端(z=d)における前記レーザービームの半径w(z=d)値の4倍を超えないような十分長距離(p)で切断方向に起こることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記レーザービーム軸の移動は切断方向と逆方向に距離(−p)(但しp<0)で起こり、前記距離(−p)は最大で前記板材の下端(z=d)における前記レーザービームの半径w(z=d)の2倍に達することを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記レーザービーム軸の移動は往復形式で起こり、十分な長距離(p)と前記板材の下端(z=d)における前記レーザービーム軸の距離(−p)の移動が、往復移動を通して監視されることを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記変調周期はより厚い材料、より速い切断速度に対して、増加的により長くなることを特徴とする請求項1から8、9から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記変調は切断変数の非線形変化により実行されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記変調周期は変調振幅(pti)における変化の4つの異なる割合の4つの時間間隔(t但しi=1、2、3、4)に細分されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第1時間間隔(t)は排出段階の一部分をあらわし、前記第1時間間隔(t)の振幅(p11)と継続時間は、溶融物排出が支配的になるか、または開始する前に、溶融物から現在切断中の材料への熱拡散により溶融材料が冷却されるように設定されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第2時間間隔(t)は排出段階の第二部分をあらわし、前記第2時間間隔(t)の振幅(p12)と継続時間は、可能な限り多量の溶融物が排出され、しかも溶融物の凝固が避けられるように設定されることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第3時間間隔(t)は除去段階の一部分をあらわし、前記第3時間間隔(t)の振幅(p13)と継続時間は、除去段階中に可能な限り多量の材料が溶融され、レーザービームが全切断前面を照射するように設定されることを特徴とする請求項18から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
第4時間間隔(t)は除去段階の一部分をあらわし、前記第4時間間隔(t)の振幅(p14)と継続時間は、除去段階は全板厚が除去されるまで継続し、しかも熱い溶融物の増加する排出は可能な限り少なく保つように設定されることを特徴とする請求項1から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
溶融膜の熱い表面の熱放射はカメラで記録され、前記カメラの記録の強く輝いている部分の領域の長さlと測定信号の強度が、前記溶融物の排出と除去の異なる段階の開始と終了、または制御の効率を監視するのに使用されるのを特徴とする請求項1から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記溶融膜の熱い表面の熱放射が空間的に平均化されて記録されることを特徴とする請求項1から22のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記熱い表面がフォトダイオードにより記録されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
監視操作から得られた測定値が前記4つの異なる振幅(pti)と前記4つの異なる時間間隔(t)との制御に用いられることを特徴とする請求項23から25のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−517772(P2008−517772A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538291(P2007−538291)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010924
【国際公開番号】WO2006/045431
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(505201168)フラウンホファー ゲゼルシャフト ツール フェルドルンク デル アンゲヴァントテン フォルシュンク エー ファウ (10)
【Fターム(参考)】