説明

レーザー加工装置

【課題】レーザービームの集光点位置を、高速でかつ広範囲に調整可能なレーザー加工装置を提供する。
【解決手段】加工対象のワークを保持する保持手段2と、この保持手段2に保持されたワークにレーザービームを照射する加工手段3とを有するレーザー加工装置において、加工手段3に、少なくとも、加工用のレーザービームを発振する発振器と、発振器から発せられたレーザービームをワークに集光する集光レンズと、レーザービームの集光点位置を調整するための集光点位置調整機構30を設ける。そして、この集光点位置調整機構30を、永久磁石を備え集光レンズを支持する可動部と、この可動部をワークに対して垂直な方向に移動させるためのコイル部及び可動部を気体によって支持する気体軸受部を備える固定部と、磁気反発作用によって可動部を下方から支持する支持部材とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザービームを使用して半導体ウエーハなどのワークを加工するレーザー加工装置に関する。より詳しくは、レーザービームの集光点位置を補正するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、略円板形状の半導体ウエーハの表面に、IC(integrated circuit:集積回路)又はLSI(large-scale integration:大規模集積回路)などの回路をマトリクス状に形成し、その後、この複数の回路が形成されたウエーハを、所定のストリート(分割予定ライン)に沿って格子状に切断することにより、各回路を分離してチップ化している。
【0003】
また、電気機器などに広く利用されている発光ダイオード及びレーザダイオードなどの光デバイスの製造工程においても、サファイヤなどからなる基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体などが積層された光デバイスウエーハを、分割予定ラインに沿って切断することにより個々のデバイスに分割し、チップ化している。
【0004】
このような各種ウエーハの切断(ダイシング)には、ダイサーと称される切断装置が使用されている。また、近年、レーザービームを利用して、半導体ウエーハなどのワークを切断する方法も開発されている(例えば、特許文献1,2参照。)。例えば、特許文献1に記載の加工方法では、酸化物単結晶からなるワークにレーザービームを照射して、光化学的な反応によって酸化物単結晶の分子を解離及び蒸発させることで、ワークの所定位置に溝を形成し、この溝に沿ってワークを劈開している。
【0005】
また、特許文献2に記載の切断方法では、ワークに対して透過性を有するパルスレーザービームを、ワーク内部に集光点を合わせて照射し、分割予定ラインに沿って変質領域を形成している。この変質領域は、他の部分よりも強度が低いため、分割予定ラインに沿って外力を加えることにより、変質層が起点となってワークが分割される。
【0006】
一方、加工対象のワークによっては、ダイシング工程に至るまでの過程で、反りやうねりが生じたり、表面が平坦ではなく凹凸が形成されていたりすることがある。このようなワークを加工する場合、加工面の表面変位が一定でないため、レーザービームの集光点位置が深さ方向でばらつき、加工精度が低下してしまう。前述したワーク内部に変質層を形成するレーザー加工においては、特に、加工対象のワークの反り、うねり及び凹凸の影響が大きい。
【0007】
そこで、従来、予めワークにおけるレーザービーム照射領域の表面変位を測定し、その結果に基づいて、集光点の深さ方向位置を調整しながら、レーザービームを照射するレーザー加工装置が提案されている(例えば、特許文献3,4参照。)。
【0008】
また、応答性が良く高速移動が可能なボイスコイルモータを利用して、レーザービームの集光点位置を調整する構成のレーザー加工装置も提案されている(特許文献5参照)。この特許文献5に記載のレーザー加工装置では、集光レンズを支持する支持部に磁石を内蔵させると共に、その周囲に配置された筐体にコイルを設け、コイルの駆動力を利用して支持部を移動させることにより、集光レンズの位置を調整している。
【0009】
【特許文献1】特開平10−305420号公報
【特許文献2】特開2002−192370号公報(特許第3408805号)
【特許文献3】特開2007−152355号公報
【特許文献4】特開2008−16577号公報
【特許文献5】特開2008−68308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前述した従来の技術には、以下に示す問題点がある。即ち、従来のレーザー加工装置では、レーザービームの集光点位置の調整に、ピエゾ素子などのアクチュエータが利用されているが、一般にこのようなアクチュエータは可動距離が短いため、集光点位置を調整可能な範囲が狭いという問題点がある。
【0011】
一方、ボイスコイルモータを使用した特許文献5に記載のレーザー加工装置は、ボール軸受けを使用しているため、可動部とボール軸受けとの間に静止摩擦抵抗が発生し、応答速度が遅くなるという問題点がある。更に、このレーザー加工装置は、移動範囲が数百μm以下、特に200μm以下の場合に、オーバーシュートが発生するという問題点もある。
【0012】
そこで、本発明は、レーザービームの集光点位置を、高速でかつ広範囲に調整可能なレーザー加工装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るレーザー加工装置は、加工対象のワークを保持する保持手段と、該保持手段に保持されたワークにレーザービームを照射する加工手段と、を有するレーザー加工装置であって、前記加工手段には、少なくとも、前記レーザービームを発振する発振器と、前記レーザービームを前記ワークに集光する集光レンズと、前記集光レンズを支持し、前記ワークに対して垂直方向に移動する可動部と、前記可動部を気体によって支持する気体軸受部を備え、前記可動部と共にボイスコイルモータを構成する固定部と、磁気反発作用によって前記可動部を下方から支持する支持部材と、が設けられているものである。
【0014】
本発明においては、可動部と固定部とでボイスコイルモータを構成し、コイルに流れる電流による磁界と磁石により形成される磁界との間に生じる磁気吸引反発力によって集光レンズの位置を調整しているため、高速応答及び可動範囲の拡大を実現することができる。また、集光レンズを保持する可動部を気体軸受により支持することで、静止抵抗を低減しているため、微調整が可能となり、集光点位置の補正精度が向上する。
【0015】
このレーザー加工装置では、前記可動部に永久磁石を設け、前記固定部に前記可動部を駆動するためのコイル部を設けてもよい。これにより、可動部に配線を接続する必要がなくなるため、可動部に不意な力がかからなくなる。
【0016】
また、前記可動部は、環状の永久磁石からなり、内部に集光レンズが配置されるレンズ支持部材と、前記気体軸受部に支持される一対のロット部材と、前記レンズ支持部材と前記ロッド部材とを連結する連結部材と、を有していてもよく、その場合、前記コイル部は、前記レンズ支持部材を囲繞するように配置することができる。
【0017】
更に、前記可動部の可動範囲は、例えば200μm以下である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、集光レンズの位置調整機構にボイスコイルモータを利用し、更に、その可動部を気体軸受により支持しているため、レーザービームの集光点位置を、高速でかつ広範囲に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付の図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。図1は本実施形態のレーザー加工装置の構成を示す図である。また、図2は図1に示すレーザー加工装置1における集光点位置調整機構の構成を示す分解斜視図であり、図3はその固定部を示す斜視図、図4は可動部を示す斜視図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のレーザー加工装置1は、少なくとも、ワークを保持する保持手段2と、ワーク10の所定位置にレーザービームを照射する加工手段3とを備えている。このレーザー加工装置1における保持手段2は、ワークを保持する保持面21を備えていればよく、例えば、負圧を利用してワークを吸着保持するチャックテーブルなどが挙げられる。また、保持手段2には、必要に応じて、リングフレームを脱着自在に固定する複数のクランプ22を設けることもできる。
【0021】
更に、保持手段2は、送り手段によってx方向、及びこのx方向に直交するy方向に移動可能となっている。具体的には、台座51上に相互に平行に配置された1対の案内レール52a,52b間にボールねじ53aが配置され、このボールねじ53aの一方の端部にはモータ53bが取り付けられており、他方の端部は軸受けブロック53cに回転可能に支持されている。
【0022】
また、案内レール52a,52b及びボールねじ53aの上には、滑動ブロック54が載置されており、この滑動ブロック54上に、1対の案内レール55a,55b及びボールねじ56aが相互に平行に配置されている。このボールねじ56aも、一方の端部にモータ56bが取り付けられ、他方の端部は軸受けブロック56cに回転可能に支持されている。更に、案内レール55a,55b及びボールねじ56aの上には、滑動ブロック57が載置されており、この滑動ブロック57上に保持手段2が設置されている。
【0023】
そして、これらの部材により構成される送り手段においては、モータ53bによりボールねじ53aを駆動させると、滑動ブロック54が案内レール52a,52bによって案内されて移動し、これにより保持手段2がx方向に移動する。一方、モータ56bによりボールねじ56aを駆動させると、滑動ブロック57が案内レール55a,55bによって案内されて移動し、これにより保持手段2がy方向に移動する。
【0024】
一方、加工手段3には、少なくとも、加工用のレーザービームを発振する発振器(図示せず)と、発振器から発せられたレーザービームをワークに集光する集光レンズ(図示せず)と、レーザービームの集光点位置を調整するための機構(集光点位置調整機構30)とが設けられている。
【0025】
この加工手段3に設けられる発振器は、ワークの種類及び加工形態などに応じて適宜選択することができ、例えばYAGレーザー発振器やYVOレーザー発振器などを使用することができる。なお、本実施形態の加工装置1における加工手段3には、発振器と集光レンズとの間に、レーザービームの進行方向を変えるため、1又は複数のミラーが設けられていてもよい。
【0026】
また、集光点位置調整機構30は、図2〜4に示すように、可動部32、固定部33、及び可動部32を下方から支持するための支持部材34で構成されており、集光レンズ31は可動部32に支持されている。この集光点位置調整機構30における可動部32は、永久磁石を備え、集光レンズ31を支持可能な構成であればよく、例えば、図4に示すように、環状の永久磁石からなるレンズ支持部材321と、一対のロット部材322a,322bとを、一対の連結部材323a,323bで相互に連結した構成とすることができる。この構成の場合、レンズ支持部材321の内部に集光レンズ31が配置される。
【0027】
更に、固定部33は、可動部32をワークに対して垂直な方向に移動させるためのコイル部331、及び可動部32を気体によって支持する気体軸受部332a,332bを備えていればよい。例えば、可動部32を図4に示す構成とした場合であれば、固定部33は、図3に示すように、コイル部331をレンズ支持部材321よりも大径で、レンズ支持部材321を囲繞可能な筒型形状とし、連結部材333a,333bによってコイル部331と気体軸受部332a,332bとを一体化する構成とすることができる。この場合、コイル部331は、レンズ支持部材321を囲繞するように配置される。
【0028】
そして、本実施形態のレーザー加工装置1では、レンズ支持部材321とコイル部331とがボイスコイルモータとして作用し、これにより可動部32がワークに対して垂直方向に、例えば200μm以下の範囲で移動され、レーザービームの集光点位置が調整される。このとき、レンズ支持部材321は、コイル部331によって全周方向から支持されるため、レンズ支持部材321にXY方向のモーメントがかからなくなり、レンズ支持部321の動作が安定する。
【0029】
一方、支持部材34は、磁気反発作用によって可動部32を下方から支持可能な構成であればよく、例えば、図2〜4に示すように、可動部32における連結部材323a,323aと、固定部33における連結部材333a,333bとが相互に対向する位置に、同極の永久磁石341,342を取り付けることで実現することができる。このように同極の永久磁石341,342同士の反発作用を利用することで、コイル部331に電流が流れておらず、ボイスコイルが動作していないときに、可動部32を所定の位置に浮遊させ、保持することができる。
【0030】
なお、ボイスコイルが動作しておらず、浮遊状態にあるときは、可動部32は微小に振動している。そこで、本実施形態のレーザー加工装置においては、この振動を停止させるための最小限の電流を流し、可動部32の振動が停止した位置を原点(イニシャル位置)とする。これにより、コイル部331に電流を流し、ボイスコイルを動作させる際に、同等の電流値で可動部32をイニシャル位置から上方及び下方のどちらの方向にも、同等の距離を移動させることが可能となるため、制御が容易になる。また、可動部32を浮遊させるための電流が不要であり、コイル部331に電流を流した状態での可動部32の位置をイニシャル位置とする必要もないため、消費電力を低減できると共に発熱も抑制することができる。
【0031】
更に、本実施形態のレーザー加工装置1においては、ワークの表面変位を検出する表面変位検出手段4と、この表面変位検出手段4での検出結果に基づいて集光点位置調整機構30の駆動を制御する制御手段5とが設けられていることが好ましい。
【0032】
ここで使用される表面変位検出手段4としては、ワークの表面のうねり又は凹凸を示す表面変位を検出することができればその構成及び方法は特に限定するものではないが、例えば、保持手段2の上方に、レーザー発振器などを備えた光照射部とセンサなどからなる光検出部とを設置し、ワークの表面で反射される波長の光をワークに照射し、その反射光を検出する構成とすることができる。その場合、光検出部において反射光の光量を測定し、その値の変化からワークの表面から光検出部までの距離の変動、即ち、ワークの表面変位を求めることができる。
【0033】
また、制御手段5は、例えばコンピュータにより構成することができ、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)、制御プログラムなどを格納するリードオンメモリ(ROM)、演算結果などを格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、表面変位検出手段4の光検出部からの出力信号が入力される入力エンターフェース、並びに加工手段3の集光点位置調整機構30及び送り手段の各モータ53b、56bなどに動作信号を出力する出力インターフェースを備えた構成とすることができる。
【0034】
次に、本実施形態のレーザー加工装置1の動作、即ち、レーザー加工装置1を使用してワークを加工する方法について説明する。本実施形態のレーザー加工装置1が加工対象とするワークとしては、例えば、半導体ウエーハ、DAF(Die Attach Film)などの粘着テープ、ガラス、シリコン及びサファイヤなどの無機材料、金属材料又はプラスチックなどからなる各種基板、半導体製品のパッケージ、並びにミクロンオーダーの精度が要求される各種加工材料などが挙げられる。このようなワークは、裏面に貼付された粘着テープを介して、リングフレームの開口部に支持され、その状態で加工される。
【0035】
本実施形態のレーザー加工方法においては、先ず、リングフレームに支持された状態のワークを、保持手段2に載置する。そして、そのリングフレームをクランプ22で固定すると共に、ワークを保持面21で吸着保持する。次に、加工手段3により、所定波長の加工用レーザービームを、分割予定ラインに沿ってワークに照射する。このとき、表面変位検出手段4により、レーザービームを照射する部分、即ち、分割予定ラインの表面変位を検出し、その結果に基づいて制御手段5により集光点位置調整機構30の駆動を制御して、ワークの厚さ方向におけるレーザービームの集光点位置を調整する。
【0036】
図5は集光点位置調整機構30の動作を示す斜視図であり、図6はその断面図である。図5及び図6に示すように、本実施形態のレーザー加工装置1においては、加工用レーザービーム6は、レンズ支持部材321内を通過し、集光レンズ31でワークに向けて集光される。その際、レーザービーム6の集光点6aの位置は、可動部32をワークに対して垂直方向に移動することで調整される。
【0037】
具体的には、表面変位検出手段4での検出結果に基づいて、制御手段5により電流調整手段7を操作し、コイル部331に供給される電流値を変更する。これにより、コイル部331に電流を流すことにより生じる磁界と、レンズ支持部材321を構成する永久磁石により形成される磁界との間に生じる磁気吸引反発力が変化するため、可動部32の位置を調整することができる。このような構成とした場合、可動部32の可動範囲は、例えば200μm以下の範囲で任意に設定することが可能となる。
【0038】
更にこのとき、気体軸受部332a,332b内に所定の圧力で空気などの気体を導入することにより、可動部32のロット部材322a,322bをその移動方向に垂直な方向に支持する。このように、可動部32を気体軸受により支持することにより、可動部32の静止抵抗を0に近づけることができるため、オーバーシュートの問題がなくなる。その結果、高速応答が可能となり、数百μm以下の範囲の移動であっても、集光レンズ31の位置を精度良く調整することが可能となり、例えば±60nm程度の位置決め精度を実現することができる。
【0039】
上述の如く、本実施形態のレーザー加工装置1では、レンズ支持部材321とコイル部331とでボイスコイルモータを構成し、その磁界及び電流により生じる力で可動部32を駆動し、集光レンズ31の位置を調整しているため、高速応答が可能となると共に、従来のピエゾ素子などのアクチュエータに比べて可動範囲の拡大を実現することができる。また、可動部32を気体軸受により支持しているため、静止抵抗を大幅に低減することが可能となり、レーザービームの集光点位置を高精度で調整することが可能となる。
【0040】
なお、本実施形態のレーザー加工装置1では、可動部32を永久磁石で形成し、固定部33にコイル部331を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動部32にコイルを形成し、固定部33に永久磁石を設けることもできる。ただし、コイル部331を固定部33に設けると、可動部32には配線が不要となるため、可動部32に不意な力がかかることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザー加工装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示すレーザー加工装置における集光点位置調整機構の構成を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示す集光点位置調整機構の固定部を示す斜視図である。
【図4】図2に示す集光点位置調整機構の可動部を示す斜視図である。
【図5】図2に示す集光点位置調整機構の動作を示す斜視図である。
【図6】図2に示す集光点位置調整機構の動作を示す断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 レーザー加工装置
2 保持手段
3 加工手段
4 表面変位検出手段
5 制御手段
6 加工用レーザービーム
6a 集光点
7 電流調整手段
21 保持面
22 クランプ
30 集光点位置調整機構
31 集光レンズ
32 可動部
33 固定部
34 支持部材
51 台座
52a、52b、55a、55b 案内レール
53a、56a ボールねじ
53b、56b モータ
53c、56c 軸受けブロック
54、57 滑動ブロック
321 レンズ支持部材
322a、322b ロット部材
323a、323a、333a、333b 連結部材
331 コイル部
332a、332b 気体軸受部
341、342 永久磁石


【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象のワークを保持する保持手段と、該保持手段に保持されたワークにレーザービームを照射する加工手段と、を有するレーザー加工装置であって、
前記加工手段には、少なくとも、
前記レーザービームを発振する発振器と、
前記レーザービームを前記ワークに集光する集光レンズと、
前記集光レンズを支持し、前記ワークに対して垂直方向に移動する可動部と、
前記可動部を気体によって支持する気体軸受部を備え、前記可動部と共にボイスコイルモータを構成する固定部と、
磁気反発作用によって前記可動部を下方から支持する支持部材と、
が設けられているレーザー加工装置。
【請求項2】
前記可動部は永久磁石を備えており、前記固定部には前記可動部を駆動するためのコイル部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー加工装置。
【請求項3】
前記可動部は、環状の永久磁石からなり、内部に集光レンズが配置されるレンズ支持部材と、前記気体軸受部に支持される一対のロット部材と、前記レンズ支持部材と前記ロッド部材とを連結する連結部材と、を有し、
前記コイル部は、前記レンズ支持部材を囲繞するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のレーザー加工装置。
【請求項4】
前記可動部の可動範囲が200μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザー加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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