説明

レーザー加工装置

【課題】被加工物を効率良く加工することができるレーザー加工装置を提供する。
【解決手段】本発明は、レーザー加工装置(1)であって、噴流液柱を噴射するためのノズル(20)と、液体の流れの乱れを減衰させる整流室(30)と、この整流室から流入した液体をノズル入口開口に導く液体加振室(24c)と、レーザーを生成するレーザー発振器(4)と、このレーザー発振器により生成されたレーザーが、噴流液柱により導光されるように、レーザーをノズル入口開口の上方に合焦させる合焦光学系(6)と、この合焦光学系から射出されたレーザーが液体加振室内に入射されるように、ノズル入口開口と向かい合うように配置されたウインドウ(22)と、を有し、液体加振室は、ノズルから被加工物に向けて噴射された噴流液柱が加工点で霧化されやすくなるように、噴流液柱外表面の表面波を大きくすることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザー加工装置に関し、特に、噴流液柱により導かれたレーザーにより加工を行うレーザー加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第3680864号公報(特許文献1)には、レーザーによって材料を加工する装置が記載されている。この装置においては、ノズルにより液体ビームが噴射されると共に、レーザービームはノズルの入口開口のところで収束される。これにより、レーザービームは、液体ビームによりガイドされながら被加工物に到達し、被加工物が加工される。
【0003】
また、特開2010−221265号公報(特許文献2)には、レーザー加工装置が記載されている。このレーザー加工装置においては、ノズルから液体が噴射され、噴射された噴流液柱内に導かれたレーザーによって被加工物が加工される。また、ノズルと被加工物との間には、保護カバーが配置されており、噴射された液体は保護カバーに設けられた貫通穴を通って被加工物に到達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3680864号公報
【特許文献2】特開2010−221265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許第3680864号公報記載の装置(レーザー加工装置)においては、レーザービームを導光するために噴射された液体ビーム(噴流液柱)が被加工物に当たると、液体が被加工物により跳ね返され、跳ね返った液体の液塊が噴流液柱に当たり、噴流液柱に乱れが生じるという問題がある。噴流液柱に乱れが生じると、噴流液柱内で全反射を繰り返しながら導かれていたレーザーが、噴流液柱から外部へ漏れやすくなり、レーザーを導光する効率が低下し、加工性能も低下する。また、レーザー加工装置により厚い被加工物を切断したり、被加工物に深い穴を加工する場合には、一回の走査では加工を完了することができず、噴流液柱は、同一の加工経路を何回か往復することになる。このような加工を行う場合には、跳ね返った液体の影響が特に大きくなる。
【0006】
一方、特開2010−221265号公報記載のレーザー加工装置においては保護カバーを設けることにより、被加工物に当たって跳ね返った液体から噴流液柱を保護し、これにより、レーザーの導光効率の低下を抑制している。しかしながら、このレーザー加工装置においても、噴流液柱の、保護カバーと被加工物の間の部分には、跳ね返った液体が当たり、噴流液柱が乱されるという問題がある。また、噴流液柱が、被加工物により跳ね返された液体の液滴から保護されたとしても、噴射された液体が被加工物の表面に滞留して水の層を形成すると、滞留した液体により導光効率が低下するという問題がある。即ち、被加工物の表面に水の層ができると、噴流液柱により導かれたレーザーが滞留している液体により散乱したり、水の層の影響によりレーザーの光路がずれるという問題がある。特に、レーザー加工装置により深い穴を加工する場合には、加工中の穴の中に水が滞留し易く、水の層による悪影響が大きい。
【0007】
従って、本発明は、被加工物を効率良く加工することができるレーザー加工装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、噴流液柱によって加工点に導かれたレーザーにより加工を行うレーザー加工装置であって、ノズル入口開口を備え、噴流液柱を噴射するためのノズルと、供給された液体の流れの乱れを減衰させる整流室と、この整流室を通過した液体を流入させる加振室流入口を備え、流入した液体をノズル入口開口に導く液体加振室と、レーザーを生成するレーザー発振器と、このレーザー発振器により生成されたレーザーが、噴流液柱により導光されるように、レーザーをノズル入口開口の上方に合焦させる合焦光学系と、この合焦光学系から射出されたレーザーが液体加振室内に入射されるように、ノズル入口開口と向かい合うように配置されたウインドウと、を有し、液体加振室は、ノズルから被加工物に向けて噴射された噴流液柱が加工点で霧化されやすくなるように、噴流液柱外表面の表面波を大きくすることを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明においては、供給された液体は、整流室に流入して流れの乱れが減衰され、次いで、液体は、加振室流入口を通って液体加振室に流入する。液体加振室に流入した液体は、ノズル入口開口を通って噴流液柱としてノズルから噴射される。一方、レーザー発振器により生成されたレーザーは、ノズル入口開口と向かい合うように配置されたウインドウを透過して液体加振室に入射されると共に、合焦光学系によりノズル入口開口の上方に合焦される。これにより、レーザーは噴流液柱により導光される。また、液体加振室は、噴流液柱外表面の表面波を大きくすることにより、ノズルから被加工物に向けて噴射された噴流液柱を加工点において霧化されやすくする。
【0010】
このように構成された本発明によれば、液体加振室が噴流液柱を加工点において霧化されやすくするので、被加工物に到達した噴流液柱は速やかに霧化され、被加工物から跳ね返った液体が噴流液柱に与える外乱を抑制することができる。また、被加工物に到達した噴流液柱が速やかに霧化されるので、液体が被加工物の加工点に滞留しにくく、滞留した液体により導光が阻害されるのを抑制することができる。これにより、被加工物を効率良く加工することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、加振室流入口は、ノズル入口開口を取り囲むように設けられた液体加振室の側壁面の一方向から液体が流入するように配置されている。
このように構成された本発明によれば、液体加振室の側壁面の一方向から液体が流入するので、ウインドウの近傍において液体の適度な流れが発生し、レーザートラップ現象によりウインドウに異物が付着するのを防止することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、液体加振室は、高さがノズル入口開口の直径の20〜300倍、横幅がノズル入口開口の直径の15〜200倍に構成されている。
このように構成された本発明によれば、液体加振室により液体が効果的に加振され、噴流液柱に十分な表面波を形成することができるので、噴流液柱を速やかに霧化させることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、整流室は、液体加振室の少なくとも一部を取り囲む環状に形成されている。
このように構成された本発明によれば、整流室が液体加振室の少なくとも一部を取り囲む環状に形成されているので、少ないスペースで液体の流れの乱れを減衰させることができ、これにより、レーザー加工装置を小型化することができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、液体加振室は、ほぼ円筒形に形成され、この円筒の高さが、直径よりも大きく構成されている。
このように構成された本発明によれば、液体加振室の高さは液体加振室の直径よりも大きく、この液体加振室により液体が効果的に加振され、噴流液柱に十分な表面波を形成することができるので、噴流液柱を速やかに霧化させることができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、液体加振室の側壁面には、加振室流入口とは別に、エア抜き穴が設けられている。
このように構成された本発明によれば、加振室流入口の反対側にエア抜き穴が設けられているので、液体加振室内に滞留している空気を、加振室流入口から流入した液体により押し出すことができ、空気を迅速に排出することができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、さらに、被加工物を保持すると共に、X軸方向の被加工物の移動、X軸に直交するY軸方向の被加工物の移動、及び、X軸方向、Y軸方向と平行な各軸を中心軸とする被加工物の回動を同時に行うことができる被加工物保持装置を有し、立体空間において自由な加工を可能にする。
【0017】
このように構成された本発明によれば、加工中に、被加工物をX軸方向、Y軸方向に移動させることができると共に、被加工物をX軸方向、Y軸方向と平行な軸線を中心軸として回動させることができる。これにより、被加工物を高い自由度で移動させることができるので、非常に広範な加工が可能であると共に、加工精度を向上させることができる。また、加工中に、被加工物を移動させることにより、液体の加工点付近への滞留を抑制することができる。
【0018】
本発明において、好ましくは、さらに、被加工物を保持すると共に、X軸方向の被加工物の移動、X軸に直交するY軸方向の被加工物の移動、及び、被加工物の回転を同時に行うことができる被加工物保持装置を有し、立体空間において自由な加工を可能にする。
【0019】
このように構成された本発明によれば、被加工物を回転させながら、加工中に、被加工物をX軸方向、Y軸方向に移動させることができる。また、加工中に、被加工物を高速で回転させることにより、液体の加工点付近への滞留を更に抑制することができる。
【0020】
本発明において、好ましくは、合焦光学系は、ノズル入口開口に対し、ウインドウに近い側でレーザーを合焦させるように構成され、これにより、噴流液柱が形成される縮流部にレーザーの一部を当て、噴流液柱外表面の表面波をより大きくする。
【0021】
このように構成された本発明によれば、レーザーの一部は、ノズル入口開口近傍の縮流部で噴流液柱に当たるので、噴射される噴流液柱に外乱が与えられる。この外乱により、噴流液柱に表面波が励起され、表面波を、より大きくすることができ、被加工物に到達した噴流液柱を、速やかに霧状にすることができる。
【0022】
本発明において、好ましくは、さらに、加工により発生する残渣が除去されるように、被加工物の表面にミスト噴流を噴射するミスト噴流噴射装置を有する。
このように構成された本発明によれば、被加工物の表面にミスト噴流が噴射されるので、被加工物を加工することにより発生した加工粉を加工点から除去することができ、被加工物表面に発生する残渣をなくすことができる。
【0023】
本発明において、好ましくは、さらに、整流室から加振室流入口に液体を導く加振室流入通路を備え、この加振室流入通路は、ウインドウに沿って、液体加振室の一方の側から加振室流入口へ液体を導くように構成されている。
【0024】
このように構成された本発明によれば、液体は、ウインドウに沿って液体加振室の一方の側から加振室流入口へ導かれるので、ウインドウに沿う液体の流れにより液体中の異物を洗い流すことができ、より確実にウインドウへの異物の付着を防止することができる。
【0025】
本発明において、好ましくは、さらに、加振室流入通路の形態を画定する加振室流入通路調整部材を備え、この加振室流入通路調整部材を交換することにより、噴流液柱外表面の表面波の大きさを調整することができる。
【0026】
このように構成された本発明によれば、加振室流入通路調整部材の交換により、噴流液柱外表面の表面波の大きさを調整することができるので、加工対象物に応じて、噴流液柱を適切に霧化させることができ、本発明のレーザー加工装置により広汎な対象物を加工することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明のレーザー加工装置によれば、被加工物を効率良く加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態によるレーザー加工装置のヘッド部の断面図である。
【図2】図1におけるII-II断面を示す斜視図である。
【図3】液体加振室形成部材の(a)上面図、(b)側面断面図、及び(c)下面図である。
【図4】ノズルから噴射された噴流液柱の状態を示す図である。
【図5】ノズル入口開口より噴流液柱内に導入されるレーザーを拡大して示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるレーザー加工装置に内蔵されている液体加振室形成部材の(a)上面図、及び(b)正面図である。
【図7】本発明の第3実施形態によるレーザー加工装置を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態によるレーザー加工装置を示す図である。
【図9】本発明の第5実施形態によるレーザー加工装置を示す図である。
【図10】本発明の第6実施形態によるレーザー加工装置のヘッド部の断面図である。
【図11】図10におけるXI-XI断面を示す斜視図である。
【図12】レーザー加工装置のヘッド内部に形成された液体加振室、加振室流入通路、及び整流室の形態を示す斜視図である。
【図13】本発明の第6実施形態、第1変形例、及び第2変形例における加振室流入通路調整部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、図1乃至図5を参照して、本発明の第1実施形態によるレーザー加工装置を説明する。
【0030】
図1に示すように、本発明の第1実施形態によるレーザー加工装置1は、レーザー加工ヘッド2と、このレーザー加工ヘッド2にレーザーを送るレーザー発振器4と、レーザー発振器4から送られたレーザーを合焦させる合焦光学系6と、レーザー加工ヘッド2に液体である水を供給する液体供給源8と、を有する。また、液体供給源8から送り出された液体は、液体処理装置10、高圧ポンプ12、及び高圧フィルタ14を介してレーザー加工ヘッド2に供給される。
【0031】
さらに、図1に示すように、レーザー加工ヘッド2は、ヘッド本体部16と、ノズル20と、ウインドウ22と、液体加振室形成部材24と、を有する。
レーザー発振器4は、所定強度のレーザーを生成するように構成されている。本実施形態においては、レーザーとしてグリーンレーザーを使用しているが、水に吸収されにくい吸収率の低いレーザーであれば、その種類は任意に選択することができる。
【0032】
グリーンレーザーの代表的なものは、YAGレーザー基本波(波長1064nm)の第2高調波であり、波長が532nmである。グリーンレーザーは、YAGレーザー基本波(波長1064nm)やCO2レーザー(波長10.6μm)と異なり、水に吸収されにくい性質を有するため、噴流液体として安価で入手が容易な水を使用する場合には、レーザーの伝搬効率を向上させることができる。
【0033】
合焦光学系6は、レーザー発振器4により生成されたレーザーを所定の位置に集光させるように構成されている。レーザー発振器4から出射されたレーザーは光ファイバ等(図示せず)でレーザー加工ヘッド2に導かれ、コリメートレンズ(図示せず)で平行光に変換された後、この光を集光レンズにより、レーザー加工ヘッド2内のノズル20の軸線上に合焦させるように構成されている。なお、図1においては、合焦光学系6として、その一部である1枚の集光レンズのみを符号「6」で示している。
【0034】
液体供給源8は、ノズル20から噴射すべき液体として、水を供給するように構成されている。液体処理装置10は、液体供給源8から供給された液体からイオンを除去する等の処理を行うように構成されている。高圧ポンプ12は、液体処理装置10によって処理された液体を高圧に加圧してレーザー加工ヘッド2に送り込むように構成されている。また、高圧フィルタ14は、高圧ポンプ12により加圧された液体から異物等を取り除くように構成されている。この高圧フィルタ14により異物等を除去された水が、レーザー加工ヘッド2内に導入される。なお、本実施形態においては、水は、高圧ポンプ12により10〜30MPaに加圧され、レーザー加工ヘッド2に導入される。
【0035】
ヘッド本体部16は、段付きの概ね円筒状の部材であり、レーザー発振器4から送られたレーザーが内側を通るように構成されている。また、ヘッド本体部16の内側の段部には、集光レンズ6が取り付けられており、レーザー発振器4からのレーザーは、この集光レンズ6により合焦される。さらに、ヘッド本体部16の内部には、ウインドウ22を受け入れるための円筒状のウインドウ受入凹部16aが形成されており、このウインドウ受入凹部16aの中にウインドウ22が配置されている。集光レンズ6から射出されたレーザーは、このウインドウ22を透過して、ノズル穴の入口開口付近で合焦される。
【0036】
ウインドウ22は、レーザーを透過させる円柱形の部材であり、ウインドウ受入凹部16aの中に配置される。ウインドウ22は、石英、サファイア等で構成することができる。また、ウインドウ22の周囲にはシールが配置され、ウインドウ受入凹部16aとウインドウ22の間の水密性が確保されている。
【0037】
また、ウインドウ22の下方には、液体加振室形成部材24が配置されている。液体加振室形成部材24はヘッド本体部16に内蔵され、ウインドウ22は、液体加振室形成部材24とウインドウ受入凹部16aの間に挟まれて固定される(図1)。
【0038】
ヘッド本体部16の下部には、ノズル20を受け入れるためのノズル受入凹部16bが形成されており、ノズル20は、このノズル受入凹部16b内に配置される。ヘッド本体部16の下端部内周には、雌ネジ山が形成されており、この雌ネジ山と、ノズル押え部材28外周に形成された雄ネジ山を螺合させることにより、ノズル20は、ノズル受入凹部16b内に固定される。また、ノズル20の周囲にはシールが配置され、ヘッド本体部16とノズル20の間の水密性が確保されている。
【0039】
また、ヘッド本体部16の側面には、液体導入通路16cが形成されている。この液体導入通路16cは、ヘッド本体部16の外側から内側まで貫通した、ほぼ水平方向に延びる液体の通路であり、液体供給源8から供給された液体は、液体導入通路16cを介してレーザー加工ヘッド2の内部に流入するように構成されている。液体導入通路16cから流入した液体は、ヘッド本体部16内の概ね円環状の空間内に入る。この円環状の空間は、液体導入通路16cから供給された液体の乱れを減衰させるので、整流室30として機能する(図2)。さらに、液体は、整流室30から加振室流入口24bを通って、液体加振室24cに流入する。
【0040】
次に、ノズル20は概ね円柱状の部材であり、その中心軸線上に円形断面のノズル穴20aが形成されている。液体加振室24c内の液体は、ノズル穴20a上端のノズル入口開口を通ってノズル穴20aに流入し、ノズル20から噴流液柱Jとして噴射される。なお、本実施形態においては、ノズル穴20a(ノズル入口開口)の直径は約60μmであるが、ノズル穴の直径は加工対象等に応じて適宜変更することができる。
【0041】
次に、図3を参照して、液体加振室形成部材24の構造を詳細に説明する。
図3(b)に示すように、液体加振室形成部材24は、概ね円筒状の部材であり、ヘッド本体部16内に配置されることにより、その外側に整流室30を形成すると共に、内側に円筒状の液体加振室24cを形成するように構成されている。即ち、液体加振室形成部材24の内周面が、ノズル入口開口を取り囲む、液体加振室24cの側壁面を構成する。また、整流室30は、液体加振室形成部材24の周囲に、液体加振室24cを取り囲む環状の空間として形成される。
【0042】
また、図3(a)(b)に示すように、液体加振室形成部材24の上端部には、ウインドウ22と当接するウインドウ当接面24dが形成されており、このウインドウ当接面24dがウインドウ22の下端面と当接することにより、ウインドウ22が位置決めされる。
【0043】
また、液体加振室形成部材24の下端面24eは、ノズル20の上端面と当接し、液体加振室形成部材24下部の傾斜面24fは、ヘッド本体部16の内壁面と当接するように構成されている。このように、ウインドウ22とウインドウ当接面24dが当接し、ノズル20と下端面24eが当接することにより、ウインドウ22の下端面、ノズル20の上端面、及び液体加振室形成部材24の内周面により、円筒状の液体加振室24cが画定される。本実施形態においては、画定された液体加振室24cは、高さが6mm、直径が5mmであり、直径よりも高さが高い円筒状に構成されている。好ましくは、液体加振室の高さはノズル穴(ノズル入口開口)の直径の20〜300倍に構成し、液体加振室の直径はノズル穴(ノズル入口開口)の直径の15〜200倍に構成すると共に、液体加振室の高さを横幅よりも大きくする。
【0044】
さらに、図3(c)に示すように、液体加振室形成部材24の側壁面は、中心角約90゜に亘って切り欠かれている。この切欠により、液体加振室形成部材24の外周側と内側が連通されるので、この切欠は、整流室30と液体加振室24cを連通させる加振室流入通路24h及び加振室流入口24bとして機能する。即ち、加振室流入通路24hは、整流室30から液体加振室24cに向けてすぼまった通路であり、加振室流入口24bは、液体加振室24cの側壁面に設けられた加振室流入通路24hと液体加振室24cを接続する開口部である。従って、供給された液体は、整流室30から加振室流入通路24hを通過して、加振室流入口24bから液体加振室24cに流入する。このように、液体は、液体加振室24cの側壁面の一方向から液体加振室24c内に流入する。
【0045】
また、図3(b)に示すように、液体加振室形成部材24の側壁面には、液体加振室24cから外周面まで貫通したエア抜き穴24gが、加振室流入口24bとは別に形成されている。このエア抜き穴24gは、加振室流入口24bよりも断面積が小さい円形断面の小穴であり、加振室流入口24bの反対側に設けられている。エア抜き穴24gは、流路抵抗が大きいため、レーザー加工装置1の稼働中においては、整流室30内の液体は、全量が加振室流入口24bを通って液体加振室24cに流入する。
【0046】
次に、図4及び図5を更に参照して、本発明の第1実施形態によるレーザー加工装置1の作用を説明する。
レーザー加工装置1の起動時には、まず、高圧ポンプ12を起動させる。これにより、液体供給源8から液体処理装置10を介して高圧ポンプ12に液体が供給され、高圧ポンプ12により加圧された液体は、高圧フィルタ14を通って液体導入通路16cに送り込まれる。液体導入通路16cを通ってレーザー加工ヘッド2の内部に流入した液体は、整流室30を通り、加振室流入口24bから液体加振室24cに流入する。ここで、レーザー加工装置1の起動時において、液体加振室24c内に滞留していた空気は、加振室流入口24bの向かい側に設けられているエア抜き穴24gを通って液体加振室24cの外部に排出される。液体加振室24cから排出された空気は、エア抜き用通路16d(図1)を通って、レーザー加工ヘッド2の外部に排出される。エア抜き用通路16dはバルブ(図示せず)に接続されている。空気が外部に排出された後、このバルブを閉鎖すると、液体加振室24c、整流室30等は液体により満たされた状態となり、液体導入通路16cから導入された液体は全てノズル穴20aから噴流液柱Jとして噴射される。この状態においては、整流室30内の液体は、専ら一方向(加振室流入口24b)から、液体加振室24cへ流入し、ノズル穴20aを通って噴射される。液体は、整流室30内で整流された後、一方向から液体加振室24cに流入して加振され、液体の流れに適度な乱れが与えられる。
【0047】
次に、レーザー発振器4を起動させ、レーザーを生成させる。生成されたレーザーは、集光レンズ6により集光されてウインドウ22を透過し、液体加振室24c内においてノズル穴20a(ノズル入口開口)上方の中心軸線上で合焦される。合焦されたレーザーは、ノズル穴20aから噴射されている噴流液柱の内部に入り、噴流液柱内で全反射を繰り返しながら導光され、被加工物Wに到達する。被加工物Wに達したレーザーは、被加工物Wを加工する。
【0048】
図4はノズル20から噴射された噴流液柱Jの状態を模式的に示す図であり、図4(a)は空気中に噴射された噴流液柱Jの状態を示している。図4(b)(c)は、被加工物Wを加工するために噴流液柱Jを被加工物Wに当てた状態を示すものであり、図4(b)は被加工物Wの切断途中の状態を示し、図4(c)は噴流液柱Jが被加工物Wを貫通した状態を示している。
図4(a)に示すように、ノズル20から噴射された液体は、噴射されている液柱の外表面に表面波32が形成された状態で噴射される。この表面波32は、ノズル20から遠ざかるにつれて振幅が大きくなり、やがて、液柱表面の液体の一部が液滴34として液柱から分離されるようになる。さらに、液柱から分離される液滴は、ノズル20から遠ざかるにつれて次第に多くなり、やがて、液柱の本体も液滴よりも大きな液塊36に分割され、液柱は消滅する。
【0049】
噴流液柱Jによりレーザーを導光するには、噴流液柱Jの内部でレーザーが全反射されるように、噴流液柱Jが液滴34の発生が殆どない状態で被加工物Wに到達する必要がある。従って、レーザーを導光するという機能に関しては、表面波が小さく、液滴34が発生していない状態で、噴流液柱Jが被加工物Wに到達することが好ましい。しかしながら、実際には、表面波が小さい状態で噴流液柱Jが被加工物Wに到達すると、被加工物Wから跳ね返った液体が噴流液柱Jに外乱を与え、却って導光に支障を来すことになる。特に、噴流液柱Jを複数回走査することにより切断が完了する被加工物Wの場合には、被加工物Wから跳ね返った液体による外乱の影響が大きくなる。即ち、複数回の走査により切断が行われる場合には、被加工物Wの加工点が貫通していない状態で加工が行われるため、噴射された液体が被加工物Wの下方に排出されず、噴射された液体の全量が噴流液柱Jの側に跳ね返り、これが噴流液柱Jに外乱を与えることになる。
【0050】
ここで、本実施形態のレーザー加工装置1は、ノズル20から噴射された噴流液柱Jの表面波が或る程度大きくなった状態で、噴流液柱Jが被加工物Wに当たるように構成されている。このため、図4(b)に示すように、噴流液柱Jが被加工物Wに当たると跳ね返り水は霧状になり、加工点が貫通していない状態においても噴流液柱Jに殆ど影響を与えることがない。また、図4(c)に示すように、加工点が貫通した状態においては、噴射された液体の多くが被加工物Wの下方に排出され、跳ね返り水の影響は更に少なくなる。
【0051】
本実施形態のレーザー加工装置1では、液体加振室24cを介してノズル穴20aに液体を流入させているので、液体の流れに適度な乱れが与えられており、これにより、ノズル20から噴射された噴流液柱Jの表面には適度な表面波が励起される。この表面波は、被加工物W付近に到達するまでに適度な大きさに発達する。このように、表面波が適度な大きさに発達した状態で噴流液柱Jが被加工物Wに当たると、噴流液柱Jは速やかに霧状になるため、噴流液柱Jに外乱を与えにくい。また、噴流液柱Jが霧状になると、噴射された液体は被加工物Wの加工点付近から即座に分散するので、加工点付近に液体が滞留しにくく、滞留した液体による導光の障害が抑制される。一方、表面波が小さい状態で噴流液柱Jが被加工物Wに当たる従来のレーザー加工装置では、被加工物Wに当たった液体が被加工物W上の加工点付近に滞留しやすく、この滞留した液体がレーザーの導光を阻害する。これに対し、本実施形態のレーザー加工装置1では、深い穴を形成する場合においても、加工点で霧状になった液体は加工中の穴の中から容易に舞い上がり、穴の中に滞留する液体が少なくなる。
【0052】
本実施形態によるレーザー加工装置1においては、整流室30で液体の流れの乱れを減衰させた後、液体を液体加振室24cに導き、そこからノズル20を介して噴流液柱Jを噴射するので、噴射された噴流液柱Jに適度な表面波が与えられ、噴流液柱Jが被加工物Wに当たると速やかに霧化する。なお、本実施形態のレーザー加工装置1においては、ノズル20の下端面と被加工物Wの間の距離を約5〜40mmに設定することにより、レーザーを被加工物Wまで効率良く導くことができると共に、被加工物Wに当たった噴流液柱Jは霧状になり、良好な加工を行うことができる。
【0053】
次に、図5を参照して、レーザーの噴流液柱J内への導入を説明する。図5(a)は、噴流液柱Jによりレーザーを導光する一般的な装置において、レーザーを噴流液柱Jに導入する状態を示す図であり、図5(b)は、本実施形態のレーザー加工装置1において、レーザーを噴流液柱Jに導入する状態を示す図である。
【0054】
図5(a)(b)に示すように、液体は、ノズル20の上端面のノズル入口開口からノズル穴20aに流入し、噴流液柱Jとして噴射される。ここで、液体がノズル入口開口に流入する際に縮流が発生するため、噴射される噴流液柱Jの直径は、ノズル入口開口の直径よりも僅かに小さくなる。
【0055】
図5(a)に示すように、一般的な装置においては、レーザーは、ノズル入口開口の円の中心点で合焦され、合焦点から下方に向かって広がったレーザーは、噴流液柱Jと外気の境界面に当たり、その後、噴流液柱J内で全反射を繰り返しながら導光される。これに対し、本実施形態のレーザー加工装置1においては、レーザーは、ノズル入口開口の上方で、即ち、ノズル入口開口に対してウインドウ22に近い側で合焦される。ノズル入口開口の上方で合焦されたレーザーは、下方に向かって広がり、ノズル入口開口近傍の縮流部Cで噴流液柱Jに当たり、その後、噴流液柱J内で全反射を繰り返しながら導光される。このように、レーザーを噴流液柱Jが形成される縮流部C近傍に当てることにより、噴射される噴流液柱Jに、レーザーにより外乱が与えられる。この外乱により、噴流液柱Jに表面波が励起され、表面波を、より大きくすることができ、噴流液柱Jが被加工物Wに到達した後、液体を速やかに霧状にすることができる。
【0056】
また、従来のレーザー加工装置においては、液体中のゴミ、油分等がウインドウ表面に付着し、導光の妨げになるという問題が発生したが、本実施形態のレーザー加工装置によれば、これを抑制することができる。従来のレーザー加工装置においても、液体として純水を使用し、高圧ポンプにより加圧した後、高圧フィルタを介して液体を供給しているが、ポンプ、配管等から純水により溶出した僅かなゴミ、油分がウインドウに集められ表面に付着するという問題が発生していた。これは、強いレーザーがウインドウを通過した際に、ウインドウに接している水中のゴミ、油分等が強いレーザーによりウインドウ表面に引き寄せられる光ピンセットの原理(レーザートラップ現象)によるものである。特に、従来のレーザー加工装置においては、ノズルに液体を供給するために設けられた液体貯留室の周囲から中心に向かって液体が軸対称に流れるように構成されているため、液体貯留室の中心に淀み点が発生し、この付近における液体の流速が非常に遅くなる。このため、ウインドウの表面付近の水中のゴミ、油分等がウインドウに引き寄せられ、ウインドウに付着していた。
【0057】
これに対し、本実施形態のレーザー加工装置1によれば、液体は一方向から液体加振室24c内に流入するので、ウインドウ22の表面全体に亘って常に或る程度の速度で液体が流れる。このため、水中のゴミ、油分等はウインドウ22に付着し難く、ゴミ、油分等がウインドウ22に付着した場合でも、新たに供給された液体により速やかに洗い流される。これにより、本実施形態のレーザー加工装置1によれば、液体中の不純物のウインドウ22への付着を抑制することができる。
【0058】
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態によるレーザー加工装置を説明する。本実施形態のレーザー加工装置は、液体加振室形成部材の形状が上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の上述した第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
【0059】
図6(a)は、本発明の第2実施形態によるレーザー加工装置に内蔵されている液体加振室形成部材の上面図であり、(b)は正面図である。
図6に示すように、本実施形態における液体加振室形成部材40は、概ね円筒形に構成されており、その外径は8mm、内径は3.5mm、高さは4mmである。また、液体加振室形成部材40は、その上端面40dがウインドウ22の下端面に当接し、下端面40eがノズル20の上端面に当接するように配置される。従って、この液体加振室形成部材40により画定される液体加振室40cは、直径3.5mm、高さ4mmの円柱形となる。また、概ね円筒形の液体加振室形成部材40は、その一部が切り欠かれており、この切欠により加振室流入通路40f及び加振室流入口40bが形成される。加振室流入通路40f及び加振室流入口40bは高さが3mmであり、その上端面はウインドウ22の下端面により画定される。また、加振室流入通路40fは、幅が、外周から内周に向けてテーパ角30゜ですぼまるように構成されており、最奥部の加振室流入口40bにより液体加振室40cに接続されている。また、加振室流入口40bの幅は液体加振室40cの直径と一致しており、幅3.5mmである。
【0060】
このように構成された第2実施形態においては、液体加振室40cが小さく、また、整流室30内の液体は、液体加振室40c上方の一方向から液体加振室40c内に流入する。このため、液体加振室40c内の上側の流速が高くなり、液体は強く加振され、噴流液柱Jに強い表面波を生成することができる。これにより、図5(b)に示したように縮流部Cにレーザーを当てることなく、十分に強い表面波を与えることができ、液体加振室40cによる加振単独でも、被加工物Wに当たった噴流液柱Jを十分に霧化することができる。
【0061】
次に、図7を参照して、本発明の第3実施形態によるレーザー加工装置を説明する。本実施形態のレーザー加工装置は、被加工物Wを保持する被加工物保持装置が上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の上述した第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
【0062】
図7に示すように、本実施形態のレーザー加工装置は、レーザー加工ヘッド2の下方に配置された被加工物保持装置50を備えている。被加工物保持装置50は、XYテーブル52と、XYテーブル52上に設けられた軸受部54と、この軸受部54により支持された十字軸56と、この十字軸56に支持された傾斜テーブル58と、この傾斜テーブル58に被加工物Wを固定するクランプ59と、を有する。
【0063】
XYテーブル52は、水平面内で互いに直交するX軸、Y軸方向に並進移動可能に構成されている。
軸受部54は、XYテーブル52上に固定された軸受けであり、十字軸56を、XYテーブル52に平行な軸線(B軸)を中心に回動可能に支持する。
十字軸56は、軸受部54により回動可能に支持される第1の軸と、この軸に対して垂直に向けられた第2の軸が一体に構成された十字形の軸である。また、十字軸56の第1の軸はY軸方向と平行に向けられている。
【0064】
傾斜テーブル58は、十字軸56の第2の軸に対して回動可能に取り付けられたテーブルである。傾斜テーブル58は、十字軸56の第2の軸(A軸)を中心に回動可能に構成されている、また、十字軸56の第2の軸はX軸方向と平行に向けられている。
クランプ59は、被加工物Wを着脱可能に、傾斜テーブル58に固定するように傾斜テーブル58に設けられている。
また、レーザー加工ヘッド2は、鉛直方向に並進移動可能に構成されている。
【0065】
本実施形態のレーザー加工装置においては、加工中に、被加工物WをX軸方向、Y軸方向に並進移動させることができると共に、被加工物WをA軸、B軸を中心に回動させることができ、これらの並進移動及び回動を同時に行うことができる。これにより、立体空間において被加工物Wを高い自由度で移動させることができるので、非常に広範な加工が可能であると共に、加工精度を向上させることができる。また、本実施形態のレーザー加工装置によれば、加工中に、被加工物Wを移動させることにより、液体の加工点付近への滞留を抑制することができる。
【0066】
次に、図8を参照して、本発明の第4実施形態によるレーザー加工装置を説明する。本実施形態のレーザー加工装置は、被加工物Wを保持する被加工物保持装置が上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の上述した第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
【0067】
図8に示すように、本実施形態のレーザー加工装置は、レーザー加工ヘッド2の下方に配置された被加工物保持装置60を備えている。被加工物保持装置60は、XYテーブル62と、XYテーブル62上に設けられた回転駆動装置64と、この回転駆動装置64により支持された回転テーブル66と、この回転テーブル66に被加工物Wを固定するクランプ68と、を有する。
【0068】
回転駆動装置64は、XYテーブル62に設けられたモーターであり、回転テーブル66を回転駆動するように構成されている。
回転テーブル66は、回転駆動装置64により、鉛直方向の軸線(C軸)を中心に回転されるように構成されている。
クランプ68は、被加工物Wを着脱可能に、回転テーブル66に固定するように回転テーブル66に設けられている。
レーザー加工ヘッド2は、Z軸方向に並進移動可能に構成されている。また、レーザー加工ヘッド2は、Z軸方向に対して傾斜できるように構成しても良い。
【0069】
本実施形態のレーザー加工装置においては、加工中に、被加工物WをX軸方向、Y軸方向に並進移動させることができると共に、被加工物Wを回転させることができ、これらの並進移動及び回転を同時に行うことができる。本実施形態のレーザー加工装置では、立体空間において自由な加工が可能であると共に、上述した第3実施形態によるレーザー加工装置よりも被加工物保持装置の制御が簡単であり、より高速に被加工物Wを移動させることができる。また、レーザー加工ヘッド2を被加工物に対して傾斜させることにより、被加工物に対してテーパ加工を施すことができる。さらに、本実施形態のレーザー加工装置によれば、加工中に、被加工物Wを高速で回転させることにより、液体の加工点付近への滞留を更に抑制することができる。
【0070】
次に、図9を参照して、本発明の第5実施形態によるレーザー加工装置を説明する。本実施形態のレーザー加工装置は、被加工物Wの加工点にミスト噴流を噴射するミスト噴流噴射装置を有する点が上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の上述した第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態のレーザー加工装置は、レーザー加工ヘッド2の下方に配置されたXYテーブル70と、このXYテーブル70上の被加工物Wの加工点にミスト噴流を噴射するミスト噴流噴射装置72と、を有する。
【0071】
XYテーブル70は、水平面内で互いに直交するX軸方向、Y軸方向に並進移動可能に構成されている。
ミスト噴流噴射装置72は、水を高速の空気流により霧状にして、被加工物Wの加工点に噴射するように構成されている。このミスト噴流により、被加工物Wを加工することにより発生した加工粉が、加工点から除去される。これにより、被加工物W表面に発生する残渣をなくすことができる。
【0072】
次に、図10乃至図13を参照して、本発明の第6実施形態によるレーザー加工装置を説明する。本実施形態によるレーザー加工装置は、液体加振室、加振室流入通路、加振室流入口の形態が、上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第6実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
【0073】
図10に示すように、本発明の第6実施形態によるレーザー加工装置100は、レーザー加工ヘッド102と、このレーザー加工ヘッド102にレーザーを送るレーザー発振器104と、レーザー発振器104から送られたレーザーを合焦させる合焦光学系106と、を有する。また、レーザー加工ヘッド102には、液体供給源(図示せず)から、液体処理装置、高圧ポンプ、及び高圧フィルタ(以上、図示せず)を介して水が供給される。
さらに、図10に示すように、レーザー加工ヘッド102は、ヘッド本体部116と、ノズル120と、ウインドウ122と、加振室流入通路調整部材124と、を有する。
【0074】
ヘッド本体部116は、段付きの概ね円筒状の部材であり、レーザー発振器104から送られたレーザーが内側を通るように構成されている。また、ヘッド本体部116の内側の段部には、集光レンズ106が取り付けられており、レーザー発振器104からのレーザーは、この集光レンズ106により合焦される。さらに、ヘッド本体部116の内部には、ウインドウ122を受け入れるための円筒状のウインドウ受入凹部116aが形成されており、このウインドウ受入凹部116aの中にウインドウ122が配置されている。集光レンズ106から射出されたレーザーは、このウインドウ122を透過して、ノズル穴の入口開口付近で合焦される。
【0075】
ウインドウ122は、レーザーを透過させる円柱形の部材であり、ウインドウ受入凹部116aの中に配置される。また、ウインドウ122の周囲にはシールが配置され、ウインドウ受入凹部116aとウインドウ122の間の水密性が確保されている。
【0076】
また、ウインドウ122の下方には、加振室流入通路調整部材124が配置されている。加振室流入通路調整部材124はヘッド本体部116に内蔵され、ウインドウ122は、加振室流入通路調整部材124とウインドウ受入凹部116aの間に挟まれて固定される(図10)。
【0077】
ヘッド本体部116の下部には、ノズル120を受け入れるためのノズル受入凹部116bが形成されており、ノズル120は、このノズル受入凹部116b内に配置される。ヘッド本体部116の下端部内周には、雌ネジ山が形成されており、この雌ネジ山と、ノズル押え部材128外周に形成された雄ネジ山を螺合させることにより、ノズル120は、ノズル受入凹部116b内に固定される。また、ノズル120の周囲にはシールが配置され、ヘッド本体部116とノズル120の間の水密性が確保されている。
【0078】
ノズル120は概ね円柱状の部材であり、その中心軸線上に円形断面のノズル穴120aが形成されている。供給された液体は、ノズル穴120a上端のノズル入口開口を通ってノズル穴120aに流入し、ノズル120から噴流液柱Jとして噴射される。なお、本実施形態においては、ノズル穴120a(ノズル入口開口)の直径は約60μmであるが、ノズル穴の直径は加工対象等に応じて適宜変更することができる。
【0079】
また、ヘッド本体部116の側面には、液体導入通路116cが形成されている。この液体導入通路116cは、ヘッド本体部116の外側から内側まで貫通した、ほぼ水平方向に延びる液体の通路であり、液体供給源(図示せず)から供給された液体は、液体導入通路116cを介してレーザー加工ヘッド102の内部に流入するように構成されている。液体導入通路116cから流入した液体は、ヘッド本体部116内の概ね円環状の空間内に入る。この円環状の空間は、液体導入通路116cから供給された液体の乱れを減衰させるので、整流室130として機能する(図10)。
【0080】
さらに、ヘッド本体部116の内部には、円環状の整流室130から下方に延びる円形の盆形の空間が形成されており、この空間内に加振室流入通路調整部材124を配置することにより、加振室流入通路116dの形態を画定している。また、ヘッド本体部116には、円形の盆形の空間の中心から下方に延びるように、円筒形のボアが形成されており、このボアの内部が液体加振室126として機能する。
【0081】
また、図10に示すように、液体導入通路116cの反対側には、エア抜き用通路116eが形成されている。このエア抜き用通路116eは、液体導入通路116cの反対側にほぼ水平方向に延びる通路である。エア抜き用通路116eは、レーザー加工装置100の初期使用時において、整流室130等に滞留していた空気を排出するための通路であり、レーザー加工装置100の実使用時にはバルブ(図示せず)により閉鎖される。
【0082】
次に、図11及び図12を参照して、液体加振室126及び加振室流入通路116dの構造を詳細に説明する。
図12は、ヘッド本体部116の内部に空洞として形成されている液体加振室126、加振室流入通路116d、及び整流室130の形態を三次元的に示す斜視図である。
【0083】
図11に示すように、加振室流入通路調整部材124は、ヘッド本体部116の内部に形成された円形の盆形の空間と合致するように構成された部材である。この加振室流入通路調整部材124は、円形の盆形の一部を概ね中心角90゜の扇形に切り欠いた形状を有する。ヘッド本体部116の内部に形成された円形の盆形の空間内に、この加振室流入通路調整部材124を配置することにより、残余の空間が加振室流入通路116dとして機能する。即ち、図12に示すように、円環状の整流室130と連通するように形成された円形の盆形の空間の一部が、加振室流入通路調整部材124によって閉塞されることにより、水平方向に延びる概ね中心角90゜の扇形の加振室流入通路116dが形成される。
【0084】
さらに、加振室流入通路116dと連通するように、円筒形の液体加振室126が形成されている。この液体加振室126は、円環状の整流室130の中心軸線上に、下方に延びるように形成されている。また、図10に示すように、液体加振室126の側壁面は、ヘッド本体部116の内部に形成された円筒形のボアの内周面により構成され、液体加振室126の底面は、ノズル120の上端面によって構成されている。また、液体加振室126の上端は、円形の加振室流入口126aを介して加振室流入通路116dと連通している。従って、供給された液体は、ウインドウ122に沿って、液体加振室126の一方の側から加振室流入通路116d内を流れ、加振室流入口126aを通って液体加振室126内に流入する。
【0085】
なお、本実施形態においては、液体加振室126の直径は約4.2mm、高さは約4.5mmであり、直径よりも高さが高い円筒状に構成されている。また、概ね扇形の加振室流入通路116dの高さは約1.5mmであり、ノズル120の上端面からウインドウ122の下端面までの距離は約6mmとなる。好ましくは、液体加振室の高さはノズル穴(ノズル入口開口)の直径の20〜300倍に構成し、液体加振室の直径はノズル穴(ノズル入口開口)の直径の15〜200倍に構成すると共に、液体加振室の高さを横幅よりも大きくする。
【0086】
次に、図10を参照して、本発明の第6実施形態によるレーザー加工装置100の作用を説明する。
レーザー加工装置100を起動すると、高圧ポンプ(図示せず)により、液体供給源(図示せず)から液体処理装置(図示せず)を介して供給された液体が加圧され、高圧フィルタ(図示せず)を通って液体導入通路116cに送り込まれる。液体導入通路116cを通ってレーザー加工ヘッド102の内部に流入した液体は、整流室130に導入され、ここで速度を低下させた後、加振室流入通路116dを通過し、加振室流入口126aから液体加振室126に流入する。ここで、レーザー加工装置100の起動時において、整流室130等に滞留していた空気は、エア抜き用通路116e(図10)を通って、レーザー加工ヘッド102の外部に排出される。また、液体加振室126に滞留していた空気は、ノズル穴120aからも排出される。また、エア抜き用通路116dはバルブ(図示せず)に接続されており、空気が外部に排出された後、このバルブを閉鎖すると、液体加振室126、整流室130等は液体により満たされた状態となる。これにより、液体導入通路116cから導入された液体は全てノズル穴120aから噴流液柱Jとして噴射される。この状態においては、整流室130内の液体は、専ら一方向(加振室流入通路116d)から、液体加振室126へ流入し、ノズル穴120aを通って噴射される。液体は、整流室130内で整流された後、一方向から液体加振室126に流入して加振され、液体の流れに適度な乱れが与えられる。また、液体は、液体導入通路116c内をウインドウ122の表面に沿って流れるため、液体内の異物はウインドウ122に付着しにくく、また付着した場合でも、異物は直ちに液体の流れによって洗い流される。
【0087】
次に、レーザー発振器104を起動させ、レーザーを生成させる。生成されたレーザーは、集光レンズ106により集光されてウインドウ122を透過し、液体加振室126内においてノズル穴120a(ノズル入口開口)上方の中心軸線上で合焦される。合焦されたレーザーは、ノズル穴120aから噴射されている噴流液柱の内部に入り、噴流液柱内で全反射を繰り返しながら導光され、被加工物Wに到達する。被加工物Wに達したレーザーは、被加工物Wを加工する。
【0088】
本実施形態のレーザー加工装置100では、液体加振室126を介してノズル穴120aに液体を流入させているので、液体の流れに適度な乱れが与えられており、これにより、ノズル120から噴射された噴流液柱Jの表面には適度な表面波が励起される。この表面波は、被加工物W付近に到達するまでに適度な大きさに発達する。このように、表面波が適度な大きさに発達した状態で噴流液柱Jが被加工物Wに当たると、噴流液柱Jは速やかに霧状になるため、噴流液柱Jに外乱を与えにくい。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、レーザーにより噴流液柱Jに外乱を与え、表面波をより大きくすることができる(図5)。これにより、噴流液柱Jは被加工物Wに到達した後、より速やかに霧状にされる。
【0089】
さらに、本実施形態のレーザー加工装置においても、液体中のゴミ、油分等がウインドウ表面に付着し、導光の妨げになるのを抑制することができる。なお、本実施形態のレーザー加工装置においては、加振室流入通路116dの上端面の一部がウインドウ122の下端面により構成されており、このウインドウ122の表面に沿って液体が流れるので、ウインドウ122の表面をより効果的に洗い流すことができ、不純物の付着をより確実に防止することができる。
【0090】
次に、図13を参照して、加振室流入通路調整部材124の変形例を説明する。
図13(a)は、本発明の第6実施形態における加振室流入通路調整部材124の平面図である。図13(b)(c)は、変形例による加振室流入通路調整部材の平面図である。
【0091】
図13(a)に示すように、加振室流入通路調整部材124は、ヘッド本体部116内に形成された円形の盆形の空間の一部を閉塞するように構成された部材であり、底面部124aと、この底面部124aの縁から垂直に立ち上がった縁部124bと、を有する。底面部124a及び縁部124bは、中心角約90゜の概ね扇形に切り欠かれており、この切り欠かれた部分が加振室流入通路116dとして機能する。また、切り欠かれた扇形の中心角の部分は、半径約10mmの円弧状に丸味がつけられている。なお、図13(a)には、加振室流入通路調整部材124に対する加振室流入口126aの位置を想像線で示している。
【0092】
図13(b)は、加振室流入通路調整部材の第1変形例を示している。第1変形例による加振室流入通路調整部材132は、底面部132a及び縁部132bを有し、これらに切欠が設けられている。底面部132aに設けられた切欠は、幅約10mmで半径方向に延びており、加振室流入口126aへの加振室流入通路を形成している。
【0093】
図13(c)は、加振室流入通路調整部材の第2変形例を示している。第2変形例による加振室流入通路調整部材134は、底面部134a及び縁部134bを有する。底面部134a及び縁部134bには、幅約4mmで半径方向に延びる切欠が設けられている。
【0094】
これら第1、第2変形例による加振室流入通路調整部材を使用した場合には、第6実施形態における加振室流入通路調整部材124を使用した場合よりも加振室流入通路116dが狭くなり、噴流液柱Jは、より強く加振され、表面波が大きくなる。このため、図13(a)に示す加振室流入通路調整部材124を使用した第6実施形態によるレーザー加工装置100においては、約48mmに亘って噴流液柱Jが液柱の状態に維持されたのに対し、第1変形例では約42mmで液柱が液塊に分解され、第2変形例では約28mmで液塊に分解された。
【0095】
好ましくは、レーザー加工装置の用途又は加工対象物に応じて、各加振室流入通路調整部材を交換する。即ち、加工対象が薄板等であり、噴流液柱Jの1回の走査により切断が可能である場合には、加振室流入通路調整部材124(図13(a))を使用する。これにより、噴流液柱Jが長い距離に亘って維持されるので、加工対象物とレーザー加工ヘッドとの間の距離を、広い範囲で設定することができる。
【0096】
また、加工対象が厚い板等であり、切断するために噴流液柱Jを複数回走査する必要がある場合には、加振室流入通路調整部材132(図13(b))又は134(図13(c))を使用する。これにより、噴流液柱Jは加工対象物に当たると速やかに霧化されやすくなるので、加工点が貫通していない状態においても、加工により形成された溝の中に液体が滞留しにくくなり、滞留した液体による導光の阻害を抑制することができる。
【0097】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に、種々の変更を加えることができる。特に、上述した各実施形態に備えられていた各構成を、適宜組み合わせて本発明を構成することができる。また、上述した実施形態においては、ヘッド本体部は一体の部材として示されていたが、適宜複数の部材に分割して構成することができる。さらに、上述した第3実施形態と第4実施形態を組合せ、傾斜テーブル上に回転テーブルを設けるように、本発明を構成することもできる。
【符号の説明】
【0098】
1 本発明の第1実施形態によるレーザー加工装置
2 レーザー加工ヘッド
4 レーザー発振器
6 合焦光学系(集光レンズ)
8 液体供給源
10 液体処理装置
12 高圧ポンプ
14 高圧フィルタ
16 ヘッド本体部
16a ウインドウ受入凹部
16b ノズル受入凹部
16c 液体導入通路
16d エア抜き用通路
20 ノズル
20a ノズル穴
22 ウインドウ
24 液体加振室形成部材
24b 加振室流入口
24c 液体加振室
24d ウインドウ当接面
24e 下端面
24f 傾斜面
24g エア抜き穴
24h 加振室流入通路
28 ノズル押え部材
30 整流室
32 表面波
34 液滴
36 液塊
40 液体加振室形成部材
40b 加振室流入口
40c 液体加振室
40d 上端面
40e 下端面
40f 加振室流入通路
50 被加工物保持装置
52 XYテーブル
54 軸受部
56 十字軸
58 傾斜テーブル
59 クランプ
60 被加工物保持装置
62 XYテーブル
64 回転駆動装置
66 回転テーブル
68 クランプ
70 XYテーブル
72 ミスト噴流噴射装置
100 本発明の第6実施形態によるレーザー加工装置
102 レーザー加工ヘッド
104 レーザー発振器
106 合焦光学系
116 ヘッド本体部
116a ウインドウ受入凹部
116b ノズル受入凹部
116c 液体導入通路
116d 加振室流入通路
116e エア抜き用通路
120 ノズル
120a ノズル穴
122 ウインドウ
124 加振室流入通路調整部材
124a 底面部
124b 縁部
126 液体加振室
126a 加振室流入口
128 ノズル押え部材
130 整流室
132 第1変形例による加振室流入通路調整部材
134 第2変形例による加振室流入通路調整部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴流液柱によって加工点に導かれたレーザーにより加工を行うレーザー加工装置であって、
ノズル入口開口を備え、噴流液柱を噴射するためのノズルと、
供給された液体の流れの乱れを減衰させる整流室と、
この整流室を通過した液体を流入させる加振室流入口を備え、流入した液体を上記ノズル入口開口に導く液体加振室と、
レーザーを生成するレーザー発振器と、
このレーザー発振器により生成されたレーザーが、噴流液柱により導光されるように、レーザーを上記ノズル入口開口の上方に合焦させる合焦光学系と、
この合焦光学系から射出されたレーザーが上記液体加振室内に入射されるように、上記ノズル入口開口と向かい合うように配置されたウインドウと、を有し、
上記液体加振室は、上記ノズルから被加工物に向けて噴射された噴流液柱が加工点で霧化されやすくなるように、噴流液柱外表面の表面波を大きくすることを特徴とするレーザー加工装置。
【請求項2】
上記加振室流入口は、上記ノズル入口開口を取り囲むように設けられた上記液体加振室の側壁面の一方向から液体が流入するように配置されている請求項1記載のレーザー加工装置。
【請求項3】
上記液体加振室は、高さが上記ノズル入口開口の直径の20〜300倍、横幅が上記ノズル入口開口の直径の15〜200倍に構成されている請求項1又は2記載のレーザー加工装置。
【請求項4】
上記整流室は、上記液体加振室の少なくとも一部を取り囲む環状に形成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のレーザー加工装置。
【請求項5】
上記液体加振室は、ほぼ円筒形に形成され、この円筒の高さが、直径よりも大きく構成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載のレーザー加工装置。
【請求項6】
上記液体加振室の側壁面には、上記加振室流入口とは別に、エア抜き穴が設けられている請求項1乃至5の何れか1項に記載のレーザー加工装置。
【請求項7】
さらに、被加工物を保持すると共に、X軸方向の被加工物の移動、X軸に直交するY軸方向の被加工物の移動、及び、X軸方向、Y軸方向と平行な各軸を中心軸とする被加工物の回動を同時に行うことができる被加工物保持装置を有し、立体空間において自由な加工が可能である請求項1乃至6の何れか1項に記載のレーザー加工装置。
【請求項8】
さらに、被加工物を保持すると共に、X軸方向の被加工物の移動、X軸に直交するY軸方向の被加工物の移動、及び、被加工物の回転を同時に行うことができる被加工物保持装置を有し、立体空間において自由な加工が可能である請求項1乃至6の何れか1項に記載のレーザー加工装置。
【請求項9】
上記合焦光学系は、上記ノズル入口開口に対し、上記ウインドウに近い側でレーザーを合焦させるように構成され、これにより、噴流液柱が形成される縮流部にレーザーの一部を当て、噴流液柱外表面の表面波をより大きくする請求項1乃至8の何れか1項に記載のレーザー加工装置。
【請求項10】
さらに、加工により発生する残渣が除去されるように、被加工物の表面にミスト噴流を噴射するミスト噴流噴射装置を有する請求項1乃至9の何れか1項に記載のレーザー加工装置。
【請求項11】
さらに、上記整流室から上記加振室流入口に液体を導く加振室流入通路を備え、この加振室流入通路は、上記ウインドウに沿って、上記液体加振室の一方の側から上記加振室流入口へ液体を導くように構成されている請求項1に記載のレーザー加工装置。
【請求項12】
さらに、上記加振室流入通路の形態を画定する加振室流入通路調整部材を備え、この加振室流入通路調整部材を交換することにより、噴流液柱外表面の表面波の大きさを調整することができる請求項11に記載のレーザー加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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