説明

レーザ溶接されたバッテリモジュール筐体部品の赤外線熱画像化

溶接部がその間に形成される第1および第2のバッテリモジュール筐体部品を含むバッテリモジュール筐体のための熱画像システムは、溶接部が形成された後に所定時間内で第1および第2のバッテリモジュール筐体部品に焦点を合わせて熱痕跡を取得する熱画像カメラを含んでいる。制御モジュールは、熱痕跡を受けるとともに、熱痕跡において所定の基準点を見つける画像処理モジュールを含んでいる。画像比較モジュールは、熱痕跡を受けるとともに、所定の基準点を使用して熱痕跡とテンプレート痕跡とを比較することにより溶接部の構造的完全性を検証する。画像比較モジュールは、テンプレート痕跡からの熱痕跡のずれの相対的測度を計算するとともに、ずれの相対的測度が所定値よりも大きいときに溶接部を欠陥があるとして認定する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[0001]本発明は、プラスチック溶接部の熱画像化に関し、特に、バッテリモジュール筐体で使用される熱可塑性部品の赤外線熱画像化に関する。
【発明の背景】
【0002】
[0002]バッテリモジュール筐体は、電力を供給するために利用される1つ以上のバッテリセルを収容している。例えば、バッテリモジュール筐体は、所望の電圧を供給するために直列に接続された複数のバッテリセルを含んでいる場合がある。幾つかのケースでは、バッテリセルは、水酸化カリウムなどの液体材料を備えており、短絡状態を防止するためにバッテリモジュールおよび個々のセル間を外部から気密シールする必要がある。また、バッテリモジュールは、しばしば、ハイブリッド電気用途における車両などの物理的に不安定な環境で利用される。したがって、バッテリモジュール筐体は、一般に、ポリマーブレンドなどの熱可塑性材料を備えている。バッテリモジュール筐体は一般に少なくとも2つのインタフェース部品を含んでいるため、しばしば、複数の部品間にシールを形成するために溶接が必要とされる。
【0003】
[0003]理想的には、そのような溶接によってセルポケットが電気的に絶縁される。しかしながら、バッテリモジュール筐体を形成するために使用されるプラスチック部品間のばらつきにより、欠陥領域で弱い溶接部または溶接部の不存在が生じる可能性がある。例えば、成形プロセス中またはプラスチック部品の輸送または取り扱い中にばらつきが生じる場合がある。1つの手法では、外部漏れを検出し及び/又は弱い溶接部を特定するために品質制御技術および検査技術が使用される。しかしながら、バッテリモジュール筐体の外部検査は、視覚的に明らかでない内部漏れ或いは弱い溶接部を特定することができない。また、製造される全てのプラスチック筐体部品の全ての溶接部を手動検査することは、高価であり、時間がかかる。
【発明の概要】
【0004】
[0004]溶接部がその間に形成される第1および第2のバッテリモジュール筐体部品を含むバッテリモジュール筐体のための本発明に係る熱画像システムは、溶接部が形成された後に所定時間内で第1および第2のバッテリモジュール筐体部品に焦点を合わせて熱痕跡を取得する熱画像カメラを含んでいる。制御モジュールは、熱痕跡を受けるとともに、熱痕跡において所定の基準点を見つける画像処理モジュールを含んでいる。画像比較モジュールは、熱痕跡を受けるとともに、所定の基準点を使用して熱痕跡とテンプレート痕跡とを比較することにより溶接部の構造的完全性を検証する。
【0005】
[0005]他の特徴において、熱画像カメラは赤外線熱画像カメラである。画像処理モジュールは、熱痕跡およびテンプレート痕跡の両方に共通の構造的特徴を見つける画像処理アルゴリズムを利用する。第1および第2のバッテリモジュール筐体部品は高分子熱可塑性物質を備えている。バッテリモジュール筐体はハイブリッド電気自動車用の少なくとも1つのバッテリセルを収容する。レーザ源は、溶接部を形成するために第1および第2のモジュール筐体部品にレーザビームを合焦させる。第1および第2のモジュール筐体部品は、モータを含むターンテーブル上に固定される。制御モジュールは、レーザ源が溶接部を形成するときに第1および第2のモジュール筐体部品がレーザビームの経路内に位置されるように且つ熱画像カメラが熱痕跡を取得するときに第1および第2のモジュール筐体部品が熱画像カメラの視野内に入るようにターンテーブルの位置を調整するターンテーブルモジュールを含む。
【0006】
[0006]本発明の更なる他の特徴において、画像比較モジュールは、テンプレート痕跡からの熱痕跡のずれの相対的測度を計算するとともに、ずれの相対的測度が所定値よりも大きいときに溶接部を欠陥があるとして認定する。データモジュールはテンプレート痕跡を記憶する。画像比較モジュールは、当該画像比較モジュールが溶接部の構造的完全性を検証した後、熱痕跡と熱痕跡に関連付けられる溶接部完全性値とをデータモジュール内に記憶する。データ解析モジュールは、データモジュール内に記憶される複数の溶接部完全性値に基づいて溶接部完全性統計値を生成する。
【0007】
[0007]本発明の更なる適用分野は、以下で与えられる詳細な説明から明らかとなる。言うまでもなく、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、単なる例示を目的としたものであり、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0008】
[0008]本発明は、詳細な説明および添付図面から更に十分に理解されよう。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0009】
[0019]好ましい実施形態の以下の説明は、本質的に単なる典型例であり、決して、本発明、本発明の用途、または、使用を限定しようとするものではない。明確にするため、図面においては、同様の要素を特定するために同じ参照符号が使用される。本明細書中で使用されるモジュールという用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、1つ以上のソフトウェアプログラムまたはファームウェアプログラムを実行するプロセッサ(共有プロセッサ、専用プロセッサまたはグループプロセッサ)およびメモリ、組み合わせ論理回路、及び/又は、記載された機能を与える他の適した構成部品のことを示している。
【0010】
[0020]ここで、図1を参照すると、バッテリモジュール筐体12のための典型的な熱画像システム10は、レーザ源14と、赤外線熱画像カメラ16と、ターンテーブル18とを含んでいる。溶接にとって望ましいプラスチック筐体部品12がターンテーブル18に対して固定されている。例えば、ターンテーブル18は、3つの異なる位置間でプラスチック筐体部品12を移動させてもよい。第1の位置では、プラスチック筐体部品12がターンテーブル18に対して固定される。プラスチック筐体部品12が第2の位置へと移動され、この第2の位置では、レーザ源14が2つ以上のプラスチック筐体部品12間の接合部に溶接部を形成する。最後に、プラスチック筐体部品12が第3の位置へと移動され、この第3の位置において、赤外線熱画像カメラ16は、溶接部の完全性を検証するために熱痕跡を捕らえる。
【0011】
[0021]制御モジュール20は、熱画像システム10の動作を制御する。制御モジュール20は、ターンテーブル18のモータ24と通信し且つプラスチック筐体部品12の溶接中および熱撮像中にターンテーブル18の位置を調整するターンテーブル制御モジュール22を含んでいる。例えば、テーンテーブル制御モジュール22は、それぞれの位置間で所定の角度にわたってターンテーブル18を回転させるようにプログラムされていてもよい。レーザ制御モジュール26は、レーザ源14の動作を制御する。例えば、レーザ制御モジュール26は、レーザ源14をONおよびOFFするとともに、レーザ源14が放射するレーザビーム28の波長などのレーザ源14の作動パラメータを調整してもよい。カメラ制御モジュール30は、赤外線熱画像カメラ16の動作を制御する。例えば、カメラ制御モジュール30は、赤外線熱画像カメラ16をONおよびOFFするとともに、解像度およびズームなどの作動パラメータを調整してもよい。
【0012】
[0022]典型的な実施形態において、プラスチック筐体部品12はポリマーブレンドなどの熱可塑性物質を備えている。熱可塑性物質は不良導体であるため、プラスチック筐体部品12の溶接温度は所定の期間にわたって一貫したままである。したがって、赤外線熱画像カメラ16は、溶接処理が終了した後、所定の時間内に、溶接されたプラスチック筐体部品12の熱痕跡を取得することが好ましい。例えば、赤外線熱画像カメラ16は、溶接処理が行なわれた後、5秒内に、熱痕跡を取得するように設定されてもよい。
【0013】
[0023]画像処理モジュール32は、プラスチック筐体部品12に対応する熱痕跡を赤外線熱画像カメラ16から受ける。データベース34は、所定の満足のいく溶接部を有するプラスチック筐体部品12に対応するテンプレート痕跡を含んでいる。例えば、テンプレート痕跡は、満足のいく溶接部を確保するために顕微鏡技術を使用して厳格に検査されるプラスチック筐体部品12に対応していてもよい。テンプレート痕跡は、テンプレート痕跡および他の想定し得る熱痕跡の両方に共通の構造に対応する1つ以上の基準点を含んでいる。したがって、画像処理モジュール32は、画像処理アルゴリズムを利用して、テンプレート痕跡上の1つの基準点に対応する熱痕跡上の1つの基準点を見つける。例えば、基準点は、プラスチック筐体部品12の目に見える表面または縁部であってもよい。
【0014】
[0024]画像比較モジュール36は、画像処理モジュール32から熱痕跡を受けるとともに、データベース34からテンプレート痕跡を受ける。画像比較モジュール36は、熱痕跡とテンプレート痕跡とを比較して、欠陥のあるプラスチック筐体部品12すなわち弱い溶接部または溶接部の不存在を検出する。例えば、画像比較モジュール36は、プラスチック筐体部品12が溶接される接合部に沿って熱痕跡における目に見える不一致を検出してもよい。比較に基づいて、画像比較モジュール36は、プラスチック筐体部品12が満足できるものであるか或いは満足できないものであるのかどうかを決定する。例えば、画像比較モジュール36は、テンプレート痕跡からの熱痕跡のずれの相対的測度を計算してもよい。満足のいく熱痕跡は、所定の値以下のずれの相対的測度に対応していてもよい。例えば、所定の値は、プラスチック筐体部品12を検査するために用いる所望の許容範囲に応じて調整されてもよい。
【0015】
[0025]また、痕跡比較の後、画像比較モジュール36は、熱痕跡を、関連する満足識別子または不満足識別子と共にデータベース34内に記憶する。制御モジュール20は、データベース34内に記憶された熱痕跡検査結果を読み取って溶接完全性統計値を生成するデータ解析モジュール38を含んでいる。例えば、データ解析モジュール38は、品質を制御する目的で、欠陥溶接の存在の相対比率を監視してもよい。
【0016】
[0026]ここで、図2A−2Cを参照すると、典型的なバッテリモジュール46は、バッテリセルを収容する内部キャビティ48を含んでいる。内部キャビティ48は複数のプラスチック筐体部品50によって画定されており、これらのプラスチック筐体部品50は、つなぎ合わされて、当該プラスチック筐体部品50同士の間の接合部に沿って互いに溶接される。例えば、図2Cは、バッテリモジュール46の側面および上面プラスチック筐体部品50−3,50−2のそれぞれの間の接合部54の拡大図52を示している。レーザビーム28を接合部54で合焦させるために透過レーザ溶着(TTLW)プロセスが使用される。例えば、レーザ源14は、所望の領域を連続的に照射するために利用される複数のレーザビーム28を含んでいてもよいが、他のレーザ源形態も可能である。加熱領域58内に溶融プール56が形成し、それにより、レーザ源14がOFFされて溶融プール56が冷えると、プラスチック筐体部品50−2,50−3間に構造的な接着部が残存する。
【0017】
[0027]熱可塑性物質は一般に低い導電率を有し且つレーザ源14は高い集束能力を有しているため、加熱領域58は、比較的小さく、内部キャビティ48内に収容される部品に対して危険を殆ど与えない。図2A−2Cに示されるバッテリモジュール46はシングルセルバッテリモジュール46であるが、当業者であれば分かるように、バッテリモジュール46は、個別に分離されて直列に接続される複数のバッテリセルを含んでいてもよい。
【0018】
[0028]ここで、図3Aおよび図3Bを参照すると、レーザビーム28をプラスチック筐体部品50間の接合部54に到達させるために、プラスチック筐体部品のうちの少なくとも1つ50−4及び/又は50−3がレーザビーム28の波長を透過する。典型的な実施形態において、レーザビーム28の波長は800nm〜1100nmであるが、他の波長も可能である。レーザビーム28は、プラスチック筐体部品50−3を貫いて、プラスチック筐体部品50間の接合部54に加熱領域58を形成する。図3Aは、溶接前に欠陥が無いプラスチック筐体部品50を示しており、溶接部は、溶接プロセス中にバッテリモジュール46をシールするためにプラスチック筐体部品50の周囲に沿って形成される。図3Bは、プラスチック筐体部品50のための熱痕跡66の平面図を示している。バッテリモジュール46の周囲に沿う溶接点68の温度差は、熱痕跡66上の色を変動させることによって示されている。
【0019】
[0029]ここで、図4を参照すると、典型的な熱痕跡勾配76は、熱痕跡66上の様々な温度の出現を示している。例えば、熱痕跡勾配76によれば、室温を下回る温度が熱痕跡66中では目立たず、熱可塑性物質の溶接に必要とされる温度が非常に暗く或いは不透明に見える。したがって、図3Bに示されるように、色は、溶接点68に沿って予期される温度と一致したままである。溶接点68の内側部分78(図3Bに示される)は、プラスチック筐体部品50の周囲に沿って非常に暗く見え、また、内側部分78から離れると色が明るくなる。
【0020】
[0030]ここで、図5Aおよび図5Bを参照すると、バッテリモジュール86のプラスチック筐体部品50−5は欠陥がある。例えば、プラスチック筐体部品50−5のチップ88は、構造的にしっかりとした溶接が2つのプラスチック筐体部品50−3,50−5間の接合部54で生成されるのを妨げる場合がある。図5Bは、図5Aのバッテリモジュール86における熱痕跡90の平面図を示している。溶接点68に沿う熱痕跡90の色の一貫性は、チップ68が位置される領域92で壊される。溶接点68の内側部分78の概して暗い色は、見当たらず、溶接点68の外側部分94と一致する更に明るい色と置き換えられる。画像処理モジュール32によって実行される画像処理アルゴリズムは、熱痕跡90の一貫性の無さを検出し、熱痕跡90をデータベース34内に記憶する前にバッテリモジュール86を欠陥があるとして認定する。
【0021】
[0031]ここで、図6を参照すると、熱画像アルゴリズムがステップ102で始まる。ステップ104において、制御は、溶接にとって望ましい次のプラスチック筐体部品50が所定の位置にあるかどうかを決定する。所定の位置にない場合には、制御がステップ104へループする。所定の位置にある場合には、ステップ106において、ターンテーブル制御モジュール22がターンテーブル18の位置を調整し、それにより、プラスチック筐体部品50が溶接のためにレーザ源14の下側に位置される。ステップ108において、レーザ制御モジュール26は、溶接を行なうためにレーザ源14を作動させる。ステップ110においては、ターンテーブル制御モジュール22がターンテーブル18の位置を調整し、それにより、プラスチック筐体部品50が赤外線熱画像カメラ16の視野内に位置される。ステップ112において、カメラ制御モジュール30は、プラスチック筐体部品50の熱痕跡90を取得するために赤外線熱画像カメラ16を作動させる。
【0022】
[0032]ステップ114において、画像処理モジュール32は、熱痕跡90を受けるとともに、テンプレート痕跡66と一致する基準点を見つける。ステップ116において、画像比較モジュール36は、熱痕跡90とテンプレート痕跡66とをそれぞれ比較して、テンプレート痕跡66からの熱痕跡90のずれの相対的測度を計算する。ステップ118において、制御は、相対的なずれが所定値よりも大きいかどうかを決定する。大きい場合には、制御がステップ120へ移行する。大きくない場合には、画像比較モジュール36が、ステップ122において、バッテリモジュール86を満足できるとして認定し、制御がステップ124へ移行する。ステップ120では、画像比較モジュール36がバッテリモジュール86を欠陥があるとして認定し、制御がステップ124へ移行する。ステップ124では、画像比較モジュール36が熱痕跡90をデータベース34内に記憶し、制御が終了する。
【0023】
[0033]本発明の熱画像システム10は、ハイブリッド電気自動車用のバッテリセルなどのバッテリモジュール86のプラスチック筐体部品50の適正な溶接を検証するために利用される。熱画像システム10は、非破壊的であり、欠陥のある溶接を即座に識別するためにレーザ溶接プロセスと完全に一体化されてもよく、それにより、コストが低減されて製造時間が減少される。
【0024】
[0034]以上の説明から当業者であれば分かるように、本発明の幅広い教示内容は様々な形態で実施できる。したがって、この発明をその特定の実施例に関連して説明してきたが、本発明の真の範囲はそれに限定されるべきではない。これは、図面、明細書、および、以下の請求項を検討すれば他の改良が当業者に明らかとなるからである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るバッテリモジュールのプラスチック筐体部品のための熱画像システムの機能ブロック図である。
【図2A】典型的なシングルセルバッテリモジュール筐体の正面図である。
【図2B】プラスチックバッテリモジュール筐体部品間の界面を示すシングルセルバッテリモジュール筐体の側断面図である。
【図2C】レーザ溶接を使用してプラスチック筐体部品間に形成される溶接部を示す図2Bの部分拡大図である。
【図3A】2つのプラスチック筐体部品間の界面に沿う溶接部を示すシングルセルバッテリモジュール筐体の第1の断面図である。
【図3B】溶接処理後の図3Aのシングルセルバッテリモジュール筐体の熱痕跡の斜視平面図である。
【図4】温度変化に起因する熱痕跡の視覚画像変動を特定する典型的な熱痕跡を示している。
【図5A】プラスチック様態部品の欠陥を示すシングルセルバッテリモジュール筐体の第2の断面図である。
【図5B】欠陥領域での視覚的一貫性の無さを示す図5Aのシングルセルバッテリモジュール筐体の熱痕跡の斜視平面図である。
【図6】欠陥溶接部を検出するために熱画像システムによって実行されるステップを示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のバッテリモジュール筐体部品および第2のバッテリモジュール筐体部品を含むバッテリモジュール筐体のための、熱画像システムであって、
前記第1のバッテリモジュール筐体部品と前記第2のバッテリモジュール筐体部品との間に溶接部が形成されており、
前記溶接部が形成された後に所定時間内で前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のバッテリモジュール筐体部品に焦点を合わせて熱痕跡を取得する熱画像カメラと、制御モジュールとを備え、
前記制御モジュールが、
前記熱痕跡を受け、前記熱痕跡において所定の基準点を見つける画像処理モジュールと、
前記熱痕跡を受け、前記所定の基準点を使用して前記熱痕跡とテンプレート痕跡とを比較することにより前記溶接部の構造的完全性を検証する画像比較モジュールと
を含む、熱画像システム。
【請求項2】
前記熱画像カメラが赤外線熱画像カメラである、請求項1に記載の熱画像システム。
【請求項3】
前記画像処理モジュールが、前記熱痕跡および前記テンプレート痕跡の両方に共通の構造的特徴を見つける画像処理アルゴリズムを利用する、請求項1に記載の熱画像システム。
【請求項4】
前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のバッテリモジュール筐体部品が高分子熱可塑性物質を備えている、請求項1に記載の熱画像システム。
【請求項5】
前記バッテリモジュール筐体がハイブリッド電気自動車用の少なくとも1つのバッテリセルを収容する、請求項1に記載の熱画像システム。
【請求項6】
前記溶接部を形成するために前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のモジュール筐体部品にレーザビームを合焦させるレーザ源と、
前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のモジュール筐体部品が固定されるモータを含むターンテーブルと
を更に備え、
前記制御モジュールは、ターンテーブルモジュールを含んでおり、前記ターンテーブルモジュールは、前記レーザ源が溶接部を形成するときに前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のモジュール筐体部品が前記レーザビームの経路内に配置されるように、且つ、前記熱画像カメラが前記熱痕跡を取得するときに前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のモジュール筐体部品が前記熱画像カメラの視野内に入るように、前記ターンテーブルの位置を調整する、請求項1に記載の熱画像システム。
【請求項7】
前記画像比較モジュールが、前記テンプレート痕跡からの前記熱痕跡のずれの相対的測度を計算するとともに、前記ずれの相対的測度が所定値よりも大きいときに溶接部を欠陥があるとして認定する、請求項1に記載の熱画像システム。
【請求項8】
前記テンプレート痕跡を記憶するデータモジュールを更に備え、前記画像比較モジュールが、当該画像比較モジュールが溶接部の構造的完全性を検証した後、前記熱痕跡と前記熱痕跡に関連付けられる溶接部完全性値とを前記データモジュール内に記憶する、請求項1に記載の熱画像システム。
【請求項9】
前記データモジュール内に記憶される複数の溶接部完全性値に基づいて溶接部完全性統計値を生成するデータ解析モジュールを更に備える、請求項8に記載の熱画像システム。
【請求項10】
第1のバッテリモジュール筐体部品と第2のバッテリモジュール筐体部品との間の接合部にレーザビームを合焦させて前記第1のバッテリモジュール筐体部品と前記第2のバッテリモジュール筐体部品との間に溶接部を形成するレーザ源と、
前記溶接部が形成された後、所定時間内に前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のバッテリモジュール筐体部品に焦点を合わせて熱痕跡を取得する熱画像カメラと、
制御モジュールと
を備え、
前記制御モジュールが、
前記熱痕跡を受け、前記熱痕跡において所定の基準点を見つける画像処理モジュールと、
前記熱痕跡を受け、前記所定の基準点を使用して前記熱痕跡とテンプレート痕跡とを比較することにより前記溶接部の構造的完全性を検証する画像比較モジュールと
を含む、バッテリモジュール筐体溶接システム。
【請求項11】
前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のモジュール筐体部品が固定されるモータを含むターンテーブルを更に備え、
前記制御モジュールは、ターンテーブルモジュールを含んでおり、前記ターンテーブルモジュールは、前記レーザ源が前記溶接部を形成するときに前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のモジュール筐体部品が前記レーザビームの経路内に配置されるように、且つ、前記熱画像カメラが前記熱痕跡を取得するときに前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のモジュール筐体部品が前記熱画像カメラの視野内に入るように、前記ターンテーブルの位置を調整する、請求項10に記載のバッテリモジュール筐体溶接システム。
【請求項12】
間に溶接部が形成される第1のバッテリモジュール筐体部品および第2のバッテリモジュール筐体部品を含むバッテリモジュール筐体のための熱画像システムを作動させる方法であって、
前記溶接部が形成された後に所定時間内で前記溶接部の熱痕跡を取得するステップと、
画像処理アルゴリズムを利用して、前記熱痕跡内で所定の基準点を見つけるステップと、
前記熱痕跡とテンプレート痕跡とを比較して、前記溶接部の構造的完全性を検証するステップと
を備える方法。
【請求項13】
赤外線熱画像カメラを使用して前記熱痕跡を取得するステップを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記熱痕跡および前記テンプレート痕跡の両方に共通の構造的特徴を見つける画像処理アルゴリズムを利用するステップを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のバッテリモジュール筐体部品が高分子熱可塑性物質を備えている、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
ハイブリッド電気自動車用の少なくとも1つのバッテリセルを前記バッテリモジュール筐体内に収容するステップを更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のバッテリモジュール筐体部品をターンテーブル上に固定するステップと、
前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のバッテリモジュール筐体部品にレーザビームを合焦させて溶接部を形成するステップと、
前記溶接部が形成されるときに前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のバッテリモジュール筐体部品が前記レーザビームの経路内に配置されるように前記ターンテーブルの位置を調整するステップと、
前記熱痕跡を得るのに十分な視野内に前記第1のバッテリモジュール筐体部品および前記第2のバッテリモジュール筐体部品が入るように前記ターンテーブルの前記位置を調整するステップと
を更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記テンプレート痕跡からの前記熱痕跡のずれの相対的測度を計算するステップと、
前記ずれの相対的測度が所定値よりも大きいときに前記溶接部を欠陥があるとして認定するステップと
を更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記テンプレート痕跡をデータベースに記憶するステップと、
前記溶接部の構造的完全性を検証するステップと、
前記熱痕跡と前記熱痕跡に関連付けられる溶接部完全性値とを前記データベースに記憶するステップと
を更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記データベースに記憶される複数の溶接部完全性値に基づいて溶接部完全性統計値を生成するステップを更に備える、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−506324(P2009−506324A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528141(P2008−528141)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/033039
【国際公開番号】WO2007/025021
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(506338892)コバシス, エルエルシー (8)
【Fターム(参考)】