説明

レーザ装置

【課題】 レーザ装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、折り畳み式共振器を備え、この共振器の分岐部1a、1b内に、それぞれ1つの活性媒質が配置されている、固体レーザのためのレーザ装置に関する。折り畳み素子がレンズ装置11の焦点合わせレンズ10の湾曲した折り畳みミラー9として形成され、共振器分岐部1a、1bが別個の2つのコリメータレンズ6を用いてレンズ装置によって片側からポンピングされる。焦点合わせレンズ10の外面上の湾曲した折り畳みミラー9は、ポンピングエネルギーの波長に関して高透過性であり、かつ基本波長に関して高反射性であり、そして、例えば、焦点合わせレンズ10の適切なコーティングによって実現可能である。実現可能な約4°の小さな折り畳み角度βに基づいて、不所望な非点収差が十分に回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの活性媒質を共振器内に有し、この共振器がそれぞれ1個の共振器ミラーを有する2つの共振器分岐部を備え、この共振器分岐部が光学系を用いて共通のレンズ装置を通って片側からポンピングされ、レンズ装置が共振器分岐部のV字状配置のための折り畳み素子を形成している、レーザ装置、特に固体レーザに関する。
【背景技術】
【0002】
固体レーザの場合には、活性媒質が通過する光について熱誘導される屈折力を有するという問題が生じる。ポンピングプロセスは媒質内の温度を上昇させることになる。というのは、吸収されたポンピングパワーの一部だけが利用可能なビームに変換され、残りが熱の形態で材料に放出されるからである。外面の同時冷却は温度分布を生じることになる。この温度分布は屈折率と熱光学的応力の温度依存性に基づいて屈折率分布を伴うことになる。
【0003】
基本的には、すべての熱レンズに対して適当な共振器で対処することができる。レーザロッドの一端または両端の凹形の端面を研磨し、個々の負レンズを共振器に挿入するかまたは通常適当な共振器構成を選択することが周知である。特に、レーザ閾値(このレーザ閾値自体は選択された共振器に大きく依存する)から最大ポンピングパワーまでのポンピンビパワー全体範囲に適した共振器を探し求めることは困難である。
【0004】
ダイオードレーザポンピング式固体レーザの縦方向励起は、横方向ポンピングと比べて重要な利点を生じる。その際、半導体レーザから発振されたビームはレーザモード軸線の方向に入射するかまたは増幅器の場合には振動ビームの方向に入射するので、ポンピングビーム容積とモード容積または増幅器内の増幅すべきビームとの最適なオーバーラップが生じる。ポンピングビーム容積とモード容積との最適なオーバーラップに基づいて、一層高い効率が生じる。さらに、改善されたビーム品質が得られる。というのは、基本的なレーザモードだけが励起されるからである。
【0005】
特許文献1は、レーザダイオードを備えたレーザ共振器をポンピングするための方法に関する。この場合、共振器の縦方向端面は特別な光学的特性を有する。レーザの波長は端面によって反射せず、ポンピングビームの波長が部分的に反射する。
【0006】
特許文献2により、熱源に熱的に連結された要素が知られている。この要素は、レーザビームによって引き起こされる、レーザシステムのビーム経路内に配置された素子の変形の補償を行う。
【0007】
特許文献3は、温度に依存して屈折率と縦方向の膨張を適切に変化させる光学素子を開示している。この光学素子は、固体レーザ媒質内で熱複屈折を補償するために熱レンズと熱複屈折の適切な作用を光学素子内に発生するように熱源に連結されている。
【0008】
特許文献4は、光学的にポンピングされる固体レーザ媒質内で熱レンズを補償するための光学素子に関する。熱レンズの補償は、活性媒質内で熱レンズを補償する適切な光学素子を作るために、ポンピング光のパワーが変化しても、ポンピング光の一部を利用することによって達成される。この素子は変形された入射ミラーであるかあるいは負の(レーザ媒質内の負の熱レンズの場合には正の)焦点距離を有するレンズとして作用する付加的に挿入された素子である。
【0009】
第1の変形例は特別な入射ミラーに関する。この入射ミラーはポンピングビームを適切に吸収しかつ正または負の熱膨張係数を有する基板から作られ、ミラー端面の形成される曲率に基づいて共振器モードのための凸形または凹形のミラーとして作用する。
【0010】
第2の変形例は好ましくは反射防止膜を有するプレートに関する。このプレートは屈折率の負また正の熱的係数と、ポンピング波長の適切な吸収作用と、レーザ波長の小さな損失を有する。
【0011】
特許文献5はダイオードポンピングされるレーザに関する。このレーザの場合には、第1線形分極状態を有するポンピングビームがポンピング軸線に沿って増幅器媒質の方に向けられる。レーザ軸線はレーザ空洞の内部軸線であるかまたはレーザビームの放出軸線である。ポンピング軸線は、ポンピングビームがレーザ空洞内で受け取られるや否やレーザ軸線に沿って進ませるために折り畳まれている。
【0012】
さらに、特許文献6は両側からポンピングされる活性媒質を有するレーザに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許出願公開2005/0152426A1号明細書
【特許文献2】国際公開第96/05637A1号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第0202322A1号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第19714175A1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102007023298A1号明細書
【特許文献6】米国特許第7,016,389B2明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の根底をなす課題は、光学的ビーム品質および大きなパワーを簡単に実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は本発明に従い、請求項1の特徴を有するレーザ装置によって解決され、このレーザ装置は、共振器内に活性媒質を有し、この共振器はそれぞれ1個の共振器ミラーを有する2つの共振器分岐部を備え、この共振器分岐部は光学系を用いて共通の1個のレンズ装置を通って片側からポンピングされ、レンズ装置は共振器分岐部のV字状配置のための折り畳み素子を備えている。その際、本発明は、共振器の折り畳みがわずか1個の素子、すなわちレンズ装置によって実現され、このレンズ装置内にポンピングエネルギーが一緒に入射し、各共振器分岐部内に活性容積が配置されていると、パワーが簡単に高められ、レーザのビーム品質が改善されるという認識から出発している。これにより、簡単に実現することができかつ比較的に少数の構成要素で十分である構造が作られる。その際、ポンピングエネルギーは光波導体を用いて共通の一方の側から供給され、そのために光波導体を強く曲げる必要はない。折り畳み素子はその際ポンピングエネルギーの波長に関して高透過性であり、かつ基本波長に関して高反射性である。折り畳み素子はさらに、例えば、平面ミラーとして形成可能である。光学的構成要素の数が最少であることにより、同時に実際に発生する損失も最小限に抑えることができる。各共振器分岐部に付設された活性容積はその際好ましくは、当該の共振器分岐部の光軸に対して同軸にかつ同心的に位置決めされて配向されている。特に、活性容積は空間的に分離されている。その際、共振器分岐部の活性容積のオーバーラップまたはオーバーラップ領域が回避される。活性容積と、形成される共振器モードとの最大のオーバーラップによって、高い効率が達成される。
【0016】
特に有利な実施形態は、共振器が球面状に湾曲した表面を有することによって実現される。入射素子を形成しポンピングパワーを入射するレンズ装置の、凸形の折り畳みミラーとして作用する外側表面により、熱レンズの共通の光学的力が低減される。
【0017】
きわめて有利な本発明の他の実施形態は、少なくとも1つの活性媒質が球面状の端面を有することによって実現される。これにより、ポンピングパワーのパワー密度に基づいて発生する強い正の熱レンズが、発生する熱レンズの領域において相殺される。そのために、例えば、凹形に湾曲した、負レンズとして作用する活性媒質の端面によって、熱レンズが補償される。
【0018】
きわめて実際に近い、本発明の変形例に従って、共振器がレンズ装置の焦点合わせレンズの外面によって形成されていると、共振器分岐部の方に向いた焦点合わせレンズの面によって共振器を形成することにより、必要な光学的構成要素の数をさらに減らすことができる。
【0019】
さらに、共振器が別個の折り畳みミラーとして、特にメニスカス折り畳みミラーとして形成されていると有利である。それによって、例えば、一方ではポンピングパワーを結像するシステムと、他方では凸形の折り畳み素子の独立した調整のために、機能を分離することができる。
【0020】
その際、折り畳み角度をできるだけ小さくし、非点収差を回避すると有利である。その際、共振器分岐部は、その間に挟まれる折り畳み角度が特に約4°になるように配置されている。
【0021】
ポンピングパワーはそれ自体公知のごとく、別個の光波導体によって供給される。この場合、各光波導体には、光学式ポンピング結像システムの付加的な固有の焦点合わせレンズまたはコリメータレンズを付設することができる。
【0022】
さらに、レーザが焦点合わせレンズとレンズ装置との間に配置された少なくとも1個の方向変更要素、特に方向変更ミラーおよび/またはプリズムを含む方向変更要素を備えていると、特別な成果が得られる。これにより、非点収差を回避するために、共振器分岐部の小さな折り畳み角度を実現することができる。これによって同時に、ポンピングパワー供給の際、光学系の配置が構造的に複雑になるかまたは不利になることがない。この光学系は他方では、ファイバコリメータまたはファイバ結像レンズの大きな直径に相応して、レンズ装置によって形成された入射素子から大きく離して配置しなければならない。好ましくは共振器分岐部によって決まる対称軸線に隣接して位置決め可能である、方向変更要素、好ましくは方向変更ミラーまたはプリズムにおける方向変更は、コンパクトな実施形態を可能にする。
【0023】
同様に、所望な方向変更を達成するために、方向変更要素が透過性に、特に少なくとも1個の折り畳みくさびとして形成されていることによっても所望な成果が得られる。
【0024】
小さな折り畳み角度を可能にするために、中間像を結像する際の結像平面は好ましくは対称軸線の近くに配置される。そのために、方向変更は、ポンピングビームが空間的に分離されている領域で行うことができる。
【0025】
ポンピングパワーの供給が平行な光波導体を用いて、特に一平面内に配置された光波導体の端面によって行われ、そして光学系がテレセントリック結像レンズを備えているときわめて有利である。というのは、それによって、光学系のきわめてコンパクトな構造とさらなる簡単化が達成可能であるからである。
【0026】
本発明に係るレーザ装置はもちろん、各共振器分岐部内にそれぞれ1つの活性媒質を有することによって実現可能である。これに対して、別個の光波導体によって供給されるポンピングエネルギーが共通の1つの活性媒質内で合流することによっても、簡単な他の実施形態が達成される。1つだけの共通の活性媒質を使用することにより、折り畳みミラーとしての働きをする共振器からの活性媒質の間隔と、光学系の大きさをさらに小さくすることができる。
【0027】
きわめて実際に近い他の変形例では、代替的に、光学系は、光波導体によって供給されるポンピングエネルギーを2つの部分ビームに分割するように形成可能である。
【0028】
本発明はいろいろな実施形態を許容する。本発明の基本原理をさらに明確にするために、この実施形態のうちの1つが図に示してある。次に、この実施形態について説明する。図はそれぞれ、折り畳み式共振器を備えるレーザ装置の原理図である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】共振器分岐部に付設された活性媒質と、焦点合わせレンズと、平らな外面を有する折り畳みミラーを示す。
【図2】共振器分岐部に付設された活性媒質と、焦点合わせレンズと、レンズの湾曲した折り畳みミラーを示す。
【図3】共振器が分離したメニスカス折り畳みミラーとして形成されている変形例を示す。
【図4】各焦点合わせレンズとレンズ装置との間における方向変更要素の配置を示す。
【図5】各光波導体とレンズ装置との間における折り畳みくさびの配置を示す。
【図6】2つの光波導体によって供給されるポンピングエネルギーが共通の1つの活性媒質に入射する変形例を示す。
【図7】1つの光波導体によって供給されるポンピングエネルギーが共通の1つの活性媒質に入射する変形例を示す。
【図8】図5に示した原理に従って構成された、共通の平面内に配置された2つのV字状構造体を示し、このV状字構造体は全部で4つの共振器分岐部を備えている変形例を示す。
【図9】ポンピングエネルギーを共通の1個のレンズ装置に入射する4つの光波導体を有する変形例を示す。
【図10】共振器分岐部に非線形モジュールを有する変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、特に固体レーザで使用可能であるようなレーザ装置を示している。このレーザ装置は共振器分岐部1a、1b間に折り畳み角度αを有する折り畳み式共振器を備えている。この共振器分岐部はそれぞれ活性媒質2a、2bと共振器ミラー3a、3bを備えている。分離された光波導体4a、4bによって供給されるポンピングパワーは、それぞれのコリメータレンズ5a、5bを用いてレンズ装置11によって片側からポンピングされる。このレンズ装置は平らな外面を有する折り畳み素子7を備えている。両コリメータレンズ5a、5bはレンズ装置11と共にポンピング結像システム25を形成している。両活性媒質2a、2bはそれぞれ、活性媒質内で発生する熱レンズを必要に応じて補償するために、付設の共振器ミラー3a、3bの方に向いた球面状の端面8a、8bを備えている。
【0031】
これに対して、図2に示した変形例では、折り畳み素子がレンズ装置11のレンズ10の球状に湾曲した折り畳み素子9として形成されている。共振器分岐部1a、1bは分離した両コリメータレンズ5a、5bを用いて、折り畳み素子によって片側からポンピングされる。両コリメータレンズ5a、5bはレンズ装置11と共にポンピング結像システム25を形成している。レンズ10の湾曲した外面9はその際ポンピング波長に関して高透過性であり、レーザの基本波長に関して高反射性であり、そして、例えば、レンズ10の適当なコーティングによって実現可能である。図1に示した変形例と比較して湾曲した折り畳み素子9によって実現可能な熱レンズの補償に基づいて、端面の単なる平らな状態が有利になるように、両活性媒質の端面の凹形の形成を省略することができる。その際、約4°の小さな折り畳み角度βによって、非点収差が実際に認められないようにすることができる。しかしながら、この変形例の場合には、レンズ装置11からのコリメータレンズ5a、5bの距離が構造に起因して比較的に大きくなる。
【0032】
図3には、折り畳み素子が別個のメニスカスミラー18として形成され、レンズ装置17と共に1個のポンピング結像システム25内に配置されている変形例が示してある。ポンピングパワーを供給するための光波導体4a、4bは、レンズ装置17の手前に平行に配置されている。
【0033】
構造長を短くするために、図4に示した変形例では、焦点合わせレンズ6a、6bとレンズ装置11との間で、方向変更素子12によってそれぞれ2回の方向変更が行われる。この方向変更素子は一方では焦点合わせレンズに付設されたそれぞれ1つの別個の方向変更ミラー13a、13bを備え、他方では直角三角形の直角を挟む辺に取付けられた2個のミラーの支持体としての共通の1個のプリズム14を備えている。これによって、レンズ装置11からの、それぞれの焦点合わせレンズ6a、6bの光波導体4a、4bのファイバ端部の間隔を短くすると同時に、共振器分岐部の折り畳み角度βを小さくすることができる。この場合、ファイバ端部の結像平面15a、15bはビーム経路において方向変換ミラー13a、13bの後方に、そしてプリズム14上の他の方向変換部の手前に配置することができる。ポンピング結像システム25は両焦点合わせレンズ6a、6bと、方向変更素子12と、レンズ装置11とを収容している。
【0034】
構造長の同様の短縮は図5に示した変形例に従って達成される。これは、折り畳みくさび16a、16bとして形成した透過性の方向変換素子を、各光波導体4a、4bとレンズ装置11との間に1個ずつ配置することによって行われる。それによって、ファイバの間に挟まれる角度Yを大きくすることができる。この角度Yはレンズ装置11に近接した位置決めを可能にする。
【0035】
これと比べてさらに簡単化した変形例が図6と図7に示してある。その際、共振器分岐部1a、1bの折り畳み角度βはそれ自体変更されないかまたは少しだけ変更され、2つの活性容積26a、26bを有する1つだけの共通の活性媒質19が使用される。この活性容積26a、26bでは、光波導体4、4a、4bによって供給されたポンピングパワーは、メニスカス折り畳みミラー18として形成された折り畳み素子によって、当該の共振器分岐部1a、1bの光軸27a、27bと同軸にかつ同心的に入射する。その際、光波導体4a、4bは共通の1個のレンズ装置17に開口している。このレンズ装置はメニスカス折り畳みミラー18と共にポンピング結像システム25を形成している。わかるように、レーザ装置の構造長がさらに短縮され、同時にそのために必要な部品の数が低減される。
【0036】
図7では、レンズ装置17とメニスカス折り畳みミラー18との間に、分割プリズム24が補足的に配置されている。従って、1個の光波導体4によってポンピングエネルギーを供給することができる。
【0037】
図8には、図5に示した原理に従って構成された変形例が示してある。この場合、素子が二重に設けられている。共通の平面内に延在する分離された4個の光波導体4a、4b、4a′、4b′によって供給されるポンピングエネルギーは、2個のポンピング結像システム25、25′に供給される。このポンピング結像システムはそれぞれレンズ装置11、11′を含んでいる。共通の平面内に配置された4個の共振器分岐部1a、1a′、1b、1b′内にそれぞれ1個の活性媒質2a、2b、2a′、2b′が配置されている。この場合、共振器分岐部1a、1b′にはそれぞれ共振器ミラー3a、3bが付設され、共振器分岐部1bと共振器分岐部1a′には付加的な折り畳みミラー3′が付設されている。
【0038】
図9には、ポンピングエネルギーが4個の光波導体4から、図示した上記変形例と同様に共通の1個のレンズ装置11に入射する変形例が補足的に示してある。ポンピングエネルギーは4つの活性容積を有する1つの共通の活性物質に入る。この変形例の場合、共振器分岐部は互いに垂直に延在する2つの平面X、Y(Zは共振器対称軸線である)内に配置されている。この場合、各共振器分岐部には、共振器ミラー3a、3bまたは付加的な折り畳みミラー3′、3″が付設されている。
【0039】
図10には、図3に示した実施形態の変形例が示してある。第1共振器分岐部1aには光学的なQスイッチ21が設けられ、第2共振器分岐部1bには、高い高調波を共振器内で発生するための少なくとも1個の非線形素子23を有する少なくとも1個のモジュール22が設けられている。
【符号の説明】
【0040】
1a、1b 共振器分岐部
2a、2b 活性媒質
3、3′、3″ 折り畳みミラー
4、4a、4b、4a′、4b′ 光波導体
5a、5b コリメータレンズ
6a、6b 焦点合わせレンズ
7 折り畳み素子
8 凹形端面
9 折り畳み素子
11 レンズ装置
12 方向変更素子
13a、13b 方向変更ミラー
14 プリズム
16a、16b 光学的くさび
17 レンズ装置
18 折り畳み素子
19、20 活性媒質
21 Qスイッチ変調器
22 モジュール
23 非線形素子
24 分割プリズム
25 結像システム
26a、26b 活性容積
27a、27b 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの活性媒質(2a、2b、19、20)と、基本波長に関して高反射性である折り畳み素子(7、9、18)を介して接続された、光学式共振器内の2つの共振器分岐部(1a、1b)のV字状構造体と、光学式ポンピング結像システム(25)とを備えた、特に縦方向ダイオードポンピング式固体レーザのレーザ装置において、
前記両共振器分岐部(1a、1b)にそれぞれ1つの活性容積(26a、26b)が付設され、前記両共振器分岐部が前記ポンピング結像システム(25)の共通のレンズ装置(11、17)を用いて、ポンピング波長に関して透過性の前記折り畳み素子(7、9、18)を通って片側からポンピングされることを特徴とするレーザ装置。
【請求項2】
前記各共振器分岐部(1a、1b)がそれぞれ活性媒質(2a、2b)を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項3】
前記各活性媒質(2a、2b)が少なくとも1つの凹形端面(8)を有し、前記折り畳み素子(7)が平らに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ装置。
【請求項4】
前記活性媒質(2a、2b、19、20)が平らな端面を有し、前記折り畳み素子(9、18)が球状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項5】
前記折り畳み素子(9)が前記レンズ装置(11)の外面の高反射性面として形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項6】
前記折り畳み素子(18)がミラー、特にメニスカスミラーとして形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項7】
前記ポンピング結像システム(25)が少なくとも1個のコリメータレンズ(5a、5b)を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項8】
前記ポンピング結像システム(25)が中間結像を生じるための少なくとも1個の焦点合わせレンズ(6a、6b)を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項9】
ポンピングパワーが別個の光波導体(4a、4b、4a′、4b′)によって供給可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項10】
前記ポンピング結像システム(25)が少なくとも1個の方向変更素子(12)、例えば、方向変更ミラー(13a、13b)、プリズム(14)または光学的くさび(16a、16b)を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項11】
ポンピングパワーの供給が、特に一平面内に配置された光波導体(4)の端面を有する平行な光波導体(4a、4b)によって行われ、前記レンズ装置(11)が対物側テレセントリック結像レンズとして形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項12】
共通の1個の活性媒質(19、20)が両共振器分岐部(1a、1b)を備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項13】
前記ポンピング結像システム(25)が光波導体(4)によって供給されたポンピングビームを2つの部分ビームに分割するための分割プリズム(24)によって形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項14】
前記レーザ装置が付加的な折り畳みミラー(3′)によって光学的に連結された少なくとも2つのV字状構造体を備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項15】
前記レーザ装置が2個のV字状構造体と、この両V字状構造体にとって共通の1個のレンズ装置(11)を備え、このV字状構造体が特に互いに垂直な平面X、Y内に配向され、かつ付加的な折り畳みミラー(3′、3″)によって光学的に連結されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項16】
前記共振器の1つの共振器分岐部(1a)内に、パルスのレーザビームを発生するための少なくとも1個のQスイッチ変調器(21)が配置されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項17】
前記共振器の1つの共振器分岐部(1b)内に、少なくとも1つの高い高調波を発生するための少なくとも1個の非線形素子(23)を有する少なくとも1個のモジュール(22)が配置されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のレーザ装置。
【請求項18】
前記各共振器分岐部(1a、1b)に付設された活性容積(26a、26b)が、当該の共振器分岐部(1a、1b)の光軸(27a、27b)に対して同軸にかつ同心的に位置決めされて配向されていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載のレーザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−176315(P2011−176315A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36061(P2011−36061)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(399007154)エル・ピー・ケー・エフ・レーザー・ウント・エレクトロニクス・アクチエンゲゼルシヤフト (8)
【Fターム(参考)】