説明

レーザ超音波検査のための多関節ロボット

ターゲット材料を検査するように動作可能な超音波非破壊評価(NDE)システムが提供される。この超音波非破壊評価システムは、多関節ロボット、超音波検査ヘッド、処理モジュール、及び制御モジュールを含む。超音波検査ヘッドは、多関節ロボットに接続され、又はこれに取り付けられる。超音波検査ヘッドは、発振レーザ・ビーム、検出レーザ・ビームを送出し、ターゲット材料によって散乱される位相変調された光を集光するように動作可能である。処理モジュールは、位相変調された光を処理し、ターゲット材料の内部構造についての情報を生成する。制御モジュールは、予め決められたスキャン計画に従って超音波検査ヘッドを配置するように多関節ロボットを方向付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、Thomas E.Drakeの「ARTICULATED ROBOT FOR LASER ULTRASONIC INSPECTION」という表題の、2006年12月22日に出願した米国仮特許出願第60/871680号の優先権を主張するものであり、同仮特許出願を全体として参照により援用している。
【0002】
本出願は、1998年6月30日に出願した米国仮特許出願第60/091240号を全体として参照により援用している。
【0003】
本出願は、Thomas E.Drakeの「METHOD AND APPARATUS FOR DETECTING ULTRASONIC SURFACE DISPLACEMENTS USING POST−COLLECTION OPTICAL AMPLIFICATION」という表題の、1998年6月30日に出願した米国仮特許出願第60/091229号を全体として参照により援用している。
【0004】
本出願は、Thomas E.Drakeの「REMOTE LASER BEAM DELIVERY SYSTEM AND METHOD FOR USE WITH A ROBOTIC POSITIONING SYSTEM FOR ULTRASONIC TESTING PURPOSES」という表題の、2004年1月7日に出願した米国特許出願第10/753208号を全体として参照により援用している。
【0005】
本出願は、Thomas E.Drakeの「METHOD AND APPARATUS FOR ULTRASONIC LASER TESTING」という表題の、2004年2月12日に出願した米国特許出願第10/634342号を全体として参照により援用している。
【0006】
本出願は、2006年7月18日に出願した「FIBER LASER FOR ULTRASONIC TESTING」という表題の、米国特許出願第11/458377号を全体として参照により援用している。
【0007】
本出願は、2006年DD月MMM日に出願した「Fiber−Based Mid−Infrared Generation Laser for Laser Ultrasound Ispection」という表題の、米国特許出願第NN/NNNNNN号を全体として参照により援用している。
【0008】
本出願は、「SYSTEM AND METHOD FOR LASER ULTRASONIC FREQUENCY CONTROL USING OPTIMAL WAVELENGTH TUNING」という表題の、2001年1月23日に発行された米国特許第6176135号を全体として参照により援用している。
【0009】
本出願は、「SYSTEM AND METHOD FOR ULTRASONIC LASER TESTING USING A LASER SOURCE TO GENERATE ULTRASOUND HAVING A TUNABLE WAVELENGTH」という表題の、2002年1月1日に発行された米国特許第6335943号を全体として参照により援用している。
【0010】
本発明は、一般に、非破壊評価(NDE)に関し、より詳細には、ロボット・プラットフォームからの材料についてのレーザ超音波非破壊評価の性能に関する。
【背景技術】
【0011】
近年、進歩した複合構造体の使用は、航空宇宙産業、自動車産業、及び多くの他の商工業において極めて大きな成長を経験した。複合材料は、性能の著しい改善を提供するものであるが、これらは、製造工程において及びこの材料が完成品に使用されている後のいずれにも厳しい品質管理手順を必要とする。具体的には、非破壊評価法では、複合材料の構造的一体性を評価しなければならない。この評価は、介在物、層間剥離、及び気孔を検出する。従来の非破壊評価法は、緩慢で、労働集約的で、かつ高価である。その結果、試験手順により、複合構造体に関連する製造コストが不利に増大してしまう。
【0012】
複合構造体の構造的一体性を評価するために、さまざまな方法及び装置が提案されている。1つの解決策は、超音波源を用いてワークピースに超音波表面変位を発生して、次いで超音波表面変位を測定し、解析するものである。超音波の外部のソースは、ターゲットに方向付けられるパルス発振レーザ・ビームであることが多い。別個の検出レーザからのレーザ光線は、ワークピースのところで超音波表面変位によって散乱される。次いで、集光系光学部品が散乱されたレーザ・エネルギーを集光する。集光系光学部品は、干渉計又は他の装置に接続され、複合構造体の構造的一体性についてのデータを、散乱されたレーザ・エネルギーの解析によって得ることができる。レーザ超音波は、製造工程の間中ずっと、部品の検査に非常に有効であることが示されている。
【0013】
しかし、レーザ超音波に使用される装置は、特注設計であり、現在、検査速度に関して制限因子がある。使用された前世代の発振レーザは、フラッシュランプ励起のロッド構造、ダイオード励起のスラブ形態、又はガス・レーザであった。
【0014】
ここで説明したさまざまな超音波発振レーザ構造はそのすべてが本来、大きくて重いことに留意することが重要である。したがって、これらの構造は、いかなる種類の稼働中の、遠隔の、又は現場の配備についても、可搬式レーザ超音波検査システムで使用するには不適当である。加えて、これらは非常に大きくて重いので、これらの構造は、工場環境に配備される場合であっても、実質的なロボット式固定具及び複雑なビーム送出システムを必要とし、そのすべてにより、レーザ超音波検査システムの初期のコスト全体、並びにこの検査システムを製造環境において稼働状態に維持する保守コストが大いに増大する。これらの大きくて複雑な構造体は、外装部品の検査に適しており、組立構造体のすべての面を検査することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の実施例は、上で明らかにした要求、及び他の要求にも実質的に対処するシステム及び方法を対象としている。本発明の実施例は、次に続く説明及び特許請求の範囲においてさらに説明される。本発明の実施例の利点及び特徴は、この説明、添付の図面、及び特許請求の範囲から明らかになり得る。
【0016】
本発明の実施例は、ターゲット材料を検査するように動作可能な超音波非破壊評価(NDE)システムが提供するものである。この超音波非破壊評価システムは、多関節ロボット、超音波検査ヘッド、処理モジュール、及び制御モジュールを含む。超音波検査ヘッドは、多関節ロボットに接続される、又はこれに取り付けられる。超音波検査ヘッドは、発振レーザ・ビーム、検出レーザ・ビームを送出し、ターゲット材料によって散乱される位相変調された光を集光するように動作可能である。処理モジュールは、位相変調された光を処理し、ターゲット材料の内部構造についての情報を生成する。制御モジュールは、決められたスキャン計画に従って超音波検査ヘッドを配置するように多関節ロボットを方向付ける。
【0017】
レーザ超音波検査は、ポリマー・マトリックス複合体を検査するための最も経済的な道具として実証されている。さまざまな産業、及びより複雑な構造体において複合体の使用が増大するにつれて、本発明は、一体化構成部品を稼働中に検査する能力を与える。本発明の実施例では、多関節ロボットの端部にレーザ超音波センサや超音波検査ヘッドを配置する。このことは、改良されたレーザ源、及び/又は遠隔のレーザ源を使用することによって可能になり、この遠隔のレーザ源は、超音波検査ヘッド内で発振レーザ・ビームと検出レーザ・ビームの両方について、レーザ・ビーム送出ヘッドにファイバ結合することができる。このことは、ガントリー・ロボットでこれまで近づき難かった組立構造体内の部位を検査するために、多関節ロボットを使用することができるという点で、重要な利点を提供するものである。
【0018】
さらに、本発明の他の実施例は、遠隔ターゲットの表面に超音波表面変位を発生するように動作可能なロボット複合検査システムを提供している。この大面積複合体検査システムは、大きな産業用ロボット・ガントリーベースの検査システムの一部であってもよく、又は発振レーザ・ビーム及び/又は検出レーザ・ビームを生成するようにダイオード励起ファイバ・レーザを使用してもよく、そうすることにより、よりコンパクトなロボット及び検査システムを構成することができる。
【0019】
本発明及び本発明の利点をより完全に理解するために、同じ参照番号は同じ特徴部を示している添付の図面と関連して、以下の説明が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例により、ターゲット材料に対して超音波検査ヘッドを配置するために使用される多関節ロボットを示す図である。
【図2】本発明の実施例により、レーザ超音波変位を発生し、検出するための発振レーザ・ビーム及び検出レーザ・ビームの使用を例示する図である。
【図3】レーザ超音波システムの基本的な構成要素を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例による、超音波検査ヘッドの1つの実施例の機能図である。
【図5】本発明の実施例による、分散リソースを利用する超音波検査ヘッドの1つの実施例の機能図である。
【図6】本発明の実施例による、材料の非破壊評価を容易にする複数の位置に関節接続される多関節ロボットを示す図である。
【図7】本発明の実施例による、予め決められた作業範囲内で多関節ロボット及びレーザ超音波ヘッドの制御された動きを可能にするレールに搭載された多関節ロボットを示す図である。
【図8】本発明の実施例による、関節部が閉じ込められた空間内で多関節ロボット及びレーザ超音波ヘッドの制御された動きを可能にする航空機胴体などの組立構造体内に関節接続される多関節ロボットを示す図である。
【図9】本発明の実施例により提供される超音波非破壊評価システムの稼働中の応用を示す図である。
【図10】本発明の実施例により提供される超音波非破壊評価システムのモバイル応用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の好ましい実施例が各図に例示されており、同じ番号は、さまざまな図面についての同一及び対応する部分を指すように使用されている。
【0022】
レーザ超音波検査は、ポリマー・マトリックス複合体の非破壊評価(NDE)のための最も経済的な道具として説明されてきた。これらの複合体は、さまざまな産業でますます使用されているので、複合部品の量及び複雑さが増大している。また、複合体の設置ベースも増大している。複合体から製作される物体のサイズ及び複雑さが増大すると、検査すべき表面に対してレーザ超音波センサを配置することがますます困難になる。ここで開示される本発明の実施例は、この問題の解決策を提案するものである。
【0023】
1つの実施例では、多関節ロボットの端部(すなわち、レーザ超音波ヘッド)のところにレーザ超音波センサを配置する。レーザ超音波検査は、通常、直角座標(x−y−z)系に沿って移動するガントリー位置決めシステムを用いてレーザ超音波センサを移動することによって実行される。
【0024】
多関節ロボットは、いくつかの産業で使用されている。多関節ロボットは、レーザ超音波ヘッドのサイズ及び重量を低減することができる場合にガントリー・システムと比べるといくつかの利点をもたらす。また、多関節ロボットは、配備時に一層多くの融通性も提供する。多関節ロボットは、ガントリー・システムよりも一層容易に設置し、移動することができる。そのうえ、多関節ロボットは、多くのモバイル(すなわち、運搬車ベースの)・システムの場合には利用できない位置決めを提供する。多関節ロボットは、部屋のサイズ及び施設の必要条件について相対的にガントリー・システムよりも一層少ない拘束しか課さない。また、多関節ロボットは、複雑な部品や組立部品内にレーザ超音波センサを配置する能力も提供する。
【0025】
ロボット技術は、専用の特殊目的機器に比べてオートメーションのためにリスクの低いアプローチを可能にする。図1に示されるように、多関節ロボット101は、超音波非破壊評価システム100に設置される。システム100は、多関節ロボット101、分散リソース134、及び超音波検査ヘッド112を含む。この実施例に示される多関節ロボット101は、多数の独立した動作を可能にするように(多数の自由度に対応するように)多数の関節(すなわち、回転関節)を使用することができ、そこではエンド・エフェクタやマニピュレータを再配置することができる。通常、産業用多関節ロボットは、6自由度を有するが、いくつかの情況では一層多くの又はより少ない自由度を有することもできる。多関節ロボット101は、プラットフォーム・マウント102、第1回転関節104、第2回転関節106、第3回転関節108、第4回転関節110、及びエンド・エフェクタ若しくはマニピュレータ114、肩126、第1アーム128、及び第2アーム130を含む。関節104、関節106、関節108、及び関節110は、「一続き」になって配置することができ、その結果、1つの関節がもう1つの関節をさらに鎖になって支持する。超音波検査ヘッド112は、マニピュレータ又は端部検出装置124を用いて多関節ロボット101に接続される。そのうえ、超音波検査ヘッド112は、さまざまなケーブル132を通して分散リソース134に接続することができる。分散リソース134は、図1に例示するように、完全に地上に配置することができ、又は、ロボットの異なる位置に配置することができる。例えば、ここでは例示されないが、発振レーザ用のリソースは、地上に配置することもでき、発振レーザのいくつかの他のリソースは、アーム128又はアーム130、或いはこの両方のようなロボットの1つのアームに配置することもできる。発振レーザの最終の送出系光学部品は、超音波検査ヘッド112にやはり配置されることになる。超音波検査ヘッド112は、ターゲット材料に対して図2及び図3を参照して議論されるレーザ・ビームのような発振レーザ・ビーム及び検出レーザ・ビームを送出することができる。図1は、地上で上方へ方向付けた多関節ロボットを示している。ここでは例示されていない類似の実施例では、ロボットは、下方へ方向付けて天井に取り付けられることになる。また、ロボットは、ガントリー・ロボットに取り付けることもでき、その結果、ロボットを位置決めできるように最大の融通性が与えられる。ここでは例示していないその実施例では、分散リソース134は、多関節ロボットの任意の部分、ガントリー・ロボットの任意の部分、又は地上に配置することもできる。
【0026】
図2は、2つの入射したレーザ・ビームを示し、このレーザ・ビームは、本発明の実施例により提供されるレーザ超音波変位を発生し、検出する。レーザ・ビーム202は超音波を発生し、同時に、照明用(検出)レーザ・ビーム204は、試験下の複合材料などの遠隔ターゲット206のところで超音波を検出する。図示のように、これらのレーザは、遠隔ターゲット206に同軸に印加される。発振レーザ・ビーム202は、ターゲット206において熱弾性膨張212を生じ、それにより超音波変形又は超音波208を形成することになる。変形又は超音波208は、ターゲット206内に伝搬し、照明用レーザ・ビーム204を変調し、散乱し、反射して、ターゲット206から遠ざかるように方向付けられる位相変調された光210を発生し、それにより、遠隔ターゲット206の内部構造を説明する情報を得るように集光され、処理される。この開示の目的の場合、位相変調はまた、周波数変調も含んでいる。位相変調の時間微分は、周波数変調に対応する。本文脈における変調という用語は、時間の関数として変動を意味するので、任意の位相変調は周波数変調に対応する。
【0027】
図3は、超音波レーザ試験を行うための基本的な構成要素を有するブロック図を提供する。発振レーザ310は、発振レーザ・ビーム312を生成し、その光学アセンブリ314はターゲット316に向けている。図示のように、光学アセンブリ314は、走査装置、又はスキャン計画やテスト計画318に沿ってレーザ・ビーム312を移動させる他の同様な機構を含む。光学アセンブリ314は、可視カメラ、深さカメラ、範囲検出器、狭帯域カメラ、又は当業者に知られている他の同様な光学センサを含むことができる。これらの光学センサはそれぞれ、検査を行う前にキャリブレーションを必要とすることがある。このキャリブレーションは、さまざまなセンサによって集められる情報をシステムが統合できることを検証する。発振レーザ310は、ターゲット316内で超音波208を発生する。
【0028】
超音波208は、複合材料が発振レーザ・ビームを吸収するので、複合材料の熱弾性膨張212の結果である。複合材料は、除去され又は弱まることなく発振レーザ・ビーム312を容易に吸収する。より高出力の発振レーザは、ワークピースの表面で材料のアブレーションを生じさせることになり、その結果、潜在的にその構成部品を損なうことがあるので、信号対雑音比(SNR)の問題を克服するためには必ずしも好ましくない。他の実施例では、試験されている材料によって、いくらかのアブレーションは、検出信号の信号対雑音比を増大するために受け入れられる場合がある。発振レーザ・ビーム312は、超音波表面変位を生じるように適切なパルス幅、パルス出力、及びパルス周波数を有する。例えば、横励起大気(TEA)CO2レーザは、100ナノセカンドのパルス幅について10.6ミクロンの波長のビームを生成することができる。レーザのパワーは、例えば、ターゲットに対して0.25ジュールのパルスを送出するのに十分でなければならず、これは、400Hzのパルス繰返し数で動作する100ワットのレーザを必要とすることがある。発振レーザ・ビーム312は、ターゲット表面に熱として吸収され、それによって、アブレーションなしに熱弾性膨張を生じる。
【0029】
パルス・モード又はCWモードで動作する照明用又は検出レーザ320は、超音波変位を生じない。例えば、Nd:YAGレーザを用いることができる。このレーザのパワーは、例えば、100ミリジュール、100マイクロ秒のパルスを送出するのに十分でなければならず、これは、1キロワット(KW)のレーザを必要とすることがある。照明用(検出)レーザ320は、検出レーザ・ビーム322を生成する。照明用レーザ320は、フィルタリング機構324を含み、又はこれに光学的に結合されて、検出レーザ・ビーム324からノイズを除去する。光学アセンブリ314は、検出レーザ・ビーム324を散乱し及び/又は反射する複合材料316の表面に照明用レーザ・ビーム324を向ける。結果として生じる位相変調された光は、集光系光学部品326によって集光される。ここで図示されるように、散乱され及び/又は反射された検出レーザ光線は、光学アセンブリ314を通して後ろへ進む。オプションの光処理装置328及び干渉計330が、位相変調された光を処理して、複合材料316の表面で超音波変位を表わす情報を含む信号を生成する。データ処理及び制御システム332は、レーザ超音波システムの構成要素の動作を連係させる。データ処理及び制御システム332は、単一の処理装置、又は複数の処理装置であることができる。この種の処理装置は、マイクロプロセッサ、マイクロ・コントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル論理装置、ステート・マシン、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はメモリに格納された操作指令に基づく信号(アナログ及び/又はデジタル)を処理する任意の装置であることができる。メモリは、単一のメモリ装置又は複数のメモリ装置であることができる。この種のメモリ装置は、リード・オンリー・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティック・メモリ、ダイナミック・メモリ、フラッシュ・メモリ、キャッシュ・メモリ、及び/又はデジタル情報を格納する任意の装置であることができる。メモリは、例示されるようなステップ及び/又は機能のうちの少なくともいくつかに対応する操作指令を記憶し、データ処理及び制御システム332はこれらを実行する。
【0030】
図1の超音波検査ヘッド112は、ターゲット材料によって分散される位相変調された光を集光することができる。超音波検査ヘッドの能力に応じて、超音波検査ヘッドは、集められた位相変調された光を処理し、ターゲット材料の内部構造についての情報を生成するように動作可能な処理モジュールを含むことができる。或いは、レーザ・ビームの生成及び検出された光信号の処理は、分散リソース114を用いて対処することができる。分散リソース114は、発振レーザ源316、検出ユニット318、発振レーザ源322、及び処理及び制御モジュール320を含むことができる。
【0031】
本発明の実施例は、超音波非破壊評価システム内でファイバ・レーザを利用することができる。ファイバ・レーザ技術は、発振及び検出レーザと組み合わせ、これに適用することができる。ファイバ・レーザの検出レーザは、全体として参照により援用されている、2006年7月18日に出願した「FIBER LASER FOR ULTRASONIC TESTING」という表題の、米国特許出願第11/458377号に開示されている。ファイバ・レーザ・ベースの発振レーザは、全体として参照により援用されている、2006年9月9日に出願した「FIBER−BASED MID−INFRARED GENERATION LASER FOR LASER ULTRASOUND」という表題の、米国特許出願第11/524046号に開示されている。
【0032】
「第1の」検出レーザの主要なタスクは、試験中の部品に超音波を発生するために、「第2の」レーザが用いられるスポットを照明することである。第1のレーザからの散乱光は、集光され、干渉計を用いて解析されて、この部品の表面において超音波の帰還エコーによって生じる表面振動を復調する。検出レーザ(第1のレーザ)及び発振レーザ(第2のレーザ)は、ダイオード励起ファイバ・レーザを使用して高パワーの出力を発生することができる。
【0033】
1000Hzより大きい繰返し率で確実に動作できるガス・レーザは、非常に重く、嵩張ることになる。ガス・レーザのもう1つの制約は、部品を取り換えるために、また光学部品を清浄にするために、10億から30億ショットごとに手入れを必要とすることである。
【0034】
全ファイバ・ポンプ・レーザ方式は、本発明によって採用することができ、多くの小さな連続波(CW)ダイオード・レーザ(「ポンプ・ダイオード」)を使用して、ドープされた能動型レーザ・ファイバを励起することができる。これはいくつかの利点を有する。まず第1に、これらの低パワー・ダイオードは、テレコム・アプリケーションに要求される非常に高い信頼性を提供し、1000000時間という平均故障間隔(MTBF)数を有する。また、ファイバ結合されるポンプ・ダイオードのすべては、パワーが比較的小さく(通常、数ワットに過ぎない)、いずれのダイオードの故障もファイバ・レーザの全性能にほとんどインパクトを与えないであろう。そのうえ、重量が軽減されると、多関節ロボットの機械的な要求事項が減少することになり、分散リソース内で部分的に配置することもできる。
【0035】
ファイバ・レーザ/増幅器の熱管理は、従来のバルク結晶の利得媒質内でよりも、より容易に対処される。ファイバ結合されるポンプ・ダイオードからの熱の除去は、利得媒質(ドープされた能動型レーザ・ファイバ)から別々に管理され、ファイバ表面積(そこで、熱が取り出される)と容積の割合は、ロッド又はスラブ・レーザ構造についての表面と容積の割合よりも桁違いにより大きい。結果として、ファイバ・レーザは、非常に小さい波面歪(M^2<1.2)の基本横モード(TEM00)で動作することができる。ファイバ・レーザは、鏡やレンズなどの従来のディスクリート光学部品やバルク光学部品を使用しない。したがって、レーザ・キャビティ内の汚染の問題が除去される。このことは、生産応用において24時間稼働する工業用検査システムについて特に有利である。ファイバ・レーザは、一個の産業用電子機器であるように見える。融通性に富む構造により、移動式、また或いは可搬式のレーザ超音波検査機器の設計が可能になる。全体的に見て、ファイバ・レーザは厳しい産業環境用にうまく適している。
【0036】
図4は、本発明の実施例による、超音波検査ヘッド112の1つの実施例の機能図を提供する。1つの実施例では、発振レーザ402は、発振レーザ・ビーム202を生成するように設けることができ、次いで、この発振レーザ・ビーム202はターゲット材料に向けられる。同様に、検出レーザ406は、やはりターゲット材料に向けられる検出レーザ・ビーム204を生成するように使用することができる。集光系光学部品410は、遠隔ターゲットによって分散される位相変調された光を集光するように使用することができる。次いで、この位相変調された光は、光学検出及び処理ユニット412を用いて処理される。ビジョン・システム416及びその関連するプロセッサは次いで、超音波検査ヘッドに対してターゲット材料の位置及び方向付けを決定することができる。図5は、検査すべき部品に対して相対的に光走査装置の位置決めを容易にすることができる回転装置418を示す。超音波検査ヘッドのサイズを小さくするために、回転装置418は、超音波検査ヘッドからなくすことができる(ここでは例示されていない)。この後者の実施例では、部品を検査するための超音波ヘッドの位置決めは、多関節ロボットのさまざまな自由度によって完全に完了する。重量の問題及び経済上の問題により、超音波検査ヘッドの重量、及び多関節ロボットの機械的要求事項を低減するために、これらのモジュール(レーザ源など)のうちのいくつかは発振レーザ、検出レーザと関連させ、要求される処理は超音波検査ヘッドから移動させた。
【0037】
この種の実施例は、図5に示されており、そこでは、光ファイバ502、光ファイバ504、及び光ファイバ506は、検出レーザ源及び発振レーザ源を検出レーザ・ヘッド508、発振レーザ・ヘッド510、及び光処理装置514にそれぞれ接続するように使用することができる。ここで、発振レーザ源及び検出レーザ源512は、図4で示されるように、分散リソースの一部として遠く離れて配置される。光ファイバ504は、図1の検出ユニット128内で光処理システム514に集光された位相変調された光を与えるように使用することができる。超音波検査ヘッドからこれらのリソースを取り除くことにより、多関節ロボットの全体のサイズ及び重量の要求事項が減じられる。このことにより、ロボットのコストがより低くなるばかりでなく、融通性及び能力も増大する可能性がある。検出レーザ源512及び発振レーザ源510は、ロボットのさまざまなアームに、又はロボットから完全に離して分散させることができる。
【0038】
図6は、位置「A」、及び位置「B」に関節移動された多関節ロボット101を示している。ロボットのこれらの異なる位置により、ターゲット材料を完全に取扱範囲に入れ、完全に検査するためにレーザ超音波ヘッド112を異なる位置に配置でき、同時にターゲット材料に挑むことができる。
【0039】
図7は、多関節ロボット101が予め決められた作業範囲内で多関節ロボット及びレーザ超音波ヘッド112の制御された動きを可能にするレール702に搭載され得ることを示している。作業範囲は、多関節ロボット101がレーザ超音波ヘッド112を位置決めするために到達できる境界を画定する。レール702は、必ずしも真直ぐであるとは限らず、半円状、円形、又は要求される作業範囲に適合するのに必要な任意の形状を採ることができる。そのうえ、プラットフォーム704は、ターゲット材料に完全に到達し、検査するためにレーザ超音波検査ヘッド112を上げ下げするのを助けるようにZ軸に沿って並進させることができる。プラットフォーム704は、レール702が存在しないことになる場合でも、存在することができる。
【0040】
ここに例示されていない同様な実施例では、多関節ロボットは、二次元(X−Y)で連結されるものを移動するレール・システム上にあることもできる。プラットフォーム704は、Z方向に追加の位置決め能力を与えるために存在してもよく、又は存在しなくてもよい。ここに例示されていない他の同様な実施例では、レール・システム及びプラットフォーム704を、ガントリー・ロボットによって置き換えることもあり、多関節ロボットは、このガントリー・ロボットに下向きの方向付けで取り付けられることになり、このガントリー・ロボットは、三次元(X−Y−Z)で追加の位置決め能力を与えることになる。
【0041】
大切な利点を図8に例示している。図8は、超音波検査ヘッド112を有する多関節ロボット101を示し、この超音波検査ヘッド112は、検査すべき内面を含む完成された又は一体化された構造体の内側に配置することができる。図8は、多関節ロボットが航空機胴体などの完成された構造体802に完全に又は部分的に入ることができることを示している。この航空機胴体は、検査を必要とする複合材料から作製される個々の構成部品から作ることができる。したがって、部品の作製ばかりではなく、完成された構造体も検査することができる。これにより、検査プロセスは、構造体の組み立て中、又は、構造体の稼働中に潜在的な問題を確認することができる。
【0042】
ロボット101は、完成された構造体802ついて必要としている動作を行わずに超音波検査ヘッド312の移動を容易にするようにレール702に搭載することができる。多関節ロボットに関連する作業範囲は、多関節ロボットが完全に検査することができるが一体化構造体802とは衝突しないような境界を画定することができる。図4及び図5を参照して議論したビジョン・システムや他の同様な位置検出システム(すなわち、レーザ・ベース、レーダベース、又は音響ベースのシステム)は、衝突を回避するため、並びに、超音波レーザ・ヘッド及び多関節ロボットに対してターゲット材料(組立構造体を含む)の方向付け及び位置を決定するために使用することができる。
【0043】
図9は、本発明の実施例により提供される超音波非破壊評価システムの稼動応用を示している。この実施例では、多関節ロボット101及びレーザ超音波検査ヘッド112は、限定されることはないが航空機902などの一体化構造体の検査を容易にするために、ハンガーのようなサービス位置に取り付けることができる。航空機902は、複合材料から構築され又は作製される多くの構成部品を有することができ、そこでは、稼働中検査により、航空機の分解を必要とすることなく複合材料の構造的一体性を評価することができる。
【0044】
図10は、多関節ロボット101をモバイル・プラットフォーム1002に搭載することができるもう1つの稼動応用を示している。トレーラ1004がモバイル・プラットフォーム1002に連結している。トレーラ1004は、非破壊評価システムに必要とされる分散リソースを収容することができる。この例では、超音波非破壊評価システムを、検査すべき一体化構造体まで持ってくることができる。このことは図9とは異なっており、図9では、稼働中システムが、この検査システムまで持ってきた統合システムを検査するのが常であった。いずれの実施例も、稼働中検査を行う際に融通性を増加することが可能になる。加えて、図10により例示される実施例は、製造環境において複合部品の超音波検査にいくつかの利点を提示することができる。例えば、特にその部品が複合材胴体のように非常に大きい場合、製造された部品まで検査システムを持ってくることによって部品の取扱いを最小限にすることができる。部品の取扱いを最小限にすると、製造中に部品を損傷する可能性が低減される。製造環境におけるモバイル・プラットフォーム1002の追加の利点は、必要なときには検査システムを邪魔にならない所に移動することができることである。結局、製造ラインを改変することによって必要に応じてプラント内の異なる位置に検査リソースを移動することができる。
【0045】
発振レーザ・ビーム送出ヘッドから遠ざかるようにポンプ・レーザのヘッド・メータを配置すると、発振レーザ・ビームを送出するのに使用されるロボット・システムの全ペイロード及び安定性の要求事項が著しく緩和されるので、コンパクトな中赤外線発振レーザ・ヘッドが可能になる。発振レーザ・ビーム送出ヘッド、検出レーザ・ビーム送出ヘッド、及び集光系光学部品を含むコンパクトで軽量のモジュールのみが、ロボット・システムの検出ヘッド内に取り付けられるように求められる。これにより、より小さな多関節ロボットを用いて中赤外線レーザ源の配備が可能になる。したがって、新しい複合検査の機会が、可搬式レーザ超音波システムを用いた稼働中複合非破壊評価について作り出される。
【0046】
動作時に、本発明により、より広範な環境でレーザ超音波試験機器を使用することができ、同時に、より複雑な表面、又はアクセスが制限される領域内の表面を試験することができる。本発明の実施例は、ファイバ・レーザや分散リソースを利用して、試験すべきターゲット材料に検出レーザ・ビーム及び発振レーザ・ビームを生成し送出することができる。こうすることにより、レーザ超音波ベースの非破壊評価システムのサイズ全体を大いに縮小することができる。例えば、大きいガントリー・ロボット・ベースのシステムの代わりに、一層小さな多関節ロボット・システムを、発振レーザ・ビーム及び検出レーザ・ビームを送出し、試験すべきターゲットの表面から位相変調された光を集光するために使用することができる。これにより、本発明の実施例により提供されるレーザ超音波検査システムを、個々の構成部品を検査するためばかりでなく、一体化構成部品の内部構造を評価するためにも使用することができる。したがって、個々の部品を本発明の実施例により提供されるレーザ超音波システムによって検査できるばかりでなく、個々の部品から作られる組立構造体を検査することもできる。これによって、一体化構造体が組み立てられた後に行われることになる検査により構造体の寿命を通して内部構造の変化が生じたかどうかを判定することができる。さらに、本発明の実施例は、完全なモバイル・システムを提供することができ、このモバイル・システムでは、発振レーザ・ビーム及び検出レーザ・ビームの自由空間送出にしばしば関連する問題がない場での遠隔ターゲットの超音波変位を発生し検出するためにファイバ・レーザが使用される。
【0047】
当業者には理解されるように、本明細書において使用することがある用語「実質上」や「およそ」とは、その対応する用語に関して産業上受け入れられる許容誤差を与えるものである。この種の産業上受け入れられる許容誤差範囲は、1パーセントより小さい値から20パーセントに及び、限定されないが、構成要素値、集積回路のプロセスばらつき、温度変化、立ち上がり及び立ち下がり時間、並びに/或いは熱雑音に対応している。また、当業者には理解されるように、本明細書において使用することがある用語「動作可能に結合した」とは、他の構成要素、要素、回路、又はモジュールを介した直接的結合、及び間接的結合を含み、間接的結合の場合、介在する構成要素、要素、回路、又はモジュールは、信号のもつ情報を改変しないが、その電流レベル、電圧レベル、及び/又はパワー・レベルを調整することができる。また、当業者には理解されるように、推論結合(すなわち、1つの要素が推論により他の要素に結合される)とは、「動作可能に結合した」と同じ方法での2つの要素の間の直接的結合及び間接的結合を含む。また、当業者には理解されるように、本明細書において使用することがある用語「有利に比較する」とは、2つ以上の要素、項目、信号等の間の比較が、所望の関係を実現することを示す。例えば、所望の関係が、信号2よりも信号1が大きいということである場合、有利な比較は、信号1の大きさが信号2の大きさよりも大きい場合又は信号2の大きさが信号1の大きさよりも小さい場合に達成することができる。
【0048】
本発明を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書にさまざまな変更、置換、及び交替を行うことができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多関節ロボットと、
前記多関節ロボットに接続される超音波検査ヘッドにして、ターゲット材料のところで超音波変位を発生する発振レーザ・ビームを複合材料に送出し、検出レーザ・ビームを前記ターゲット材料に送出し、前記ターゲット材料によって散乱される位相変調された光を集光するように動作可能な超音波検査ヘッドと、
前記位相変調された光を処理し、前記ターゲット材料の内部構造についての情報を生成するように動作可能な処理モジュールと、
スキャン計画に従って前記超音波検査ヘッドを配置するために前記多関節ロボットを方向付けるように動作可能な制御モジュールと
を備える、ターゲット材料を検査するように動作可能な超音波非破壊評価システム。
【請求項2】
前記多関節ロボット及び前記超音波検査ヘッドに接続される分散リソースをさらに有しており、
該分散リソースが、
前記超音波検査ヘッドに接続される発振レーザ源と、
前記超音波検査ヘッドに接続される検出レーザ源と、
検出信号を生成するように前記位相変調された光を光学的に処理し、前記処理モジュールに前記検出信号を与えるように動作可能な光処理装置と
を含む、請求項1に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項3】
前記多関節ロボットが、組立構造体内に前記超音波検査ヘッドを配置するように動作可能である、請求項1に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項4】
前記超音波検査ヘッドに対して前記ターゲット材料の位置を決定するように動作可能な位置測定システムをさらに備える、請求項1に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項5】
前記位置測定システムが、前記超音波検査ヘッドに対して前記ターゲット材料の位置及び方向付けを決定するように動作可能なビジョン・システムを備える、請求項4に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項6】
前記多関節ロボットが取り付けられる位置決めシステムをさらに有し、
前記多関節ロボットが前記ターゲット材料に対して移動できるように動作可能であり、
前記位置決めシステムが、単一のレール、1組のレール、プラットフォーム、又はガントリー・ロボットを含む、請求項1に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項7】
遠隔ターゲットの表面に超音波表面変位を発生するための大面積複合体検査装置であって、該大面積複合体検査装置が、
多関節ロボットと、
前記多関節ロボットに接続された超音波検査ヘッドにして、発振レーザ・ヘッドと、検出レーザ・ヘッドと、可視化システムと、集光系光学部品とを備え、ターゲット材料のところで超音波変位を発生する発振レーザ・ビームを複合材料に送出し、前記ターゲット材料に検出レーザ・ビームを送出し、前記ターゲット材料によって散乱される位相変調された光を集光するように動作可能である、超音波検査ヘッドと、
前記位相変調された光を処理し、前記ターゲット材料の内部構造についての情報を生成するように動作可能な処理モジュールと、
スキャン計画に従って前記超音波検査ヘッドを配置するために前記多関節ロボットを方向付けるように動作可能な制御モジュールと
を備える、大面積複合体検査装置。
【請求項8】
前記検出レーザ・ヘッドが、検出レーザ・ビームで前記遠隔ターゲットの前記表面の超音波表面変位を照明し、前記ターゲット材料の前記表面を横切って前記検出レーザ・ビームを走査するように動作可能であり、
前記集光系光学部品が、前記ターゲット材料によって反射され又は散乱される前記検出レーザ・ビームから位相変調された光を集光できるように、走査光学組立体に光学的に接続され、
前記処理モジュールが、前記集光系光学部品によって集光される前記位相変調された光を処理し、出力信号を生成するための光学処理装置と、前記ターゲット材料の前記内部構造についての前記情報を得るために前記出力信号を処理するように動作可能な処理装置とを備える、請求項7に記載の大面積複合体検査装置。
【請求項9】
前記検出レーザ・ヘッドが、前記超音波検査ヘッドの外部にある検出レーザに接続するファイバである、請求項7に記載の大面積複合体検査装置。
【請求項10】
前記検出ポンプ・レーザ・ヘッドが、
シード・レーザ・ビームを生成するように動作可能な主発振器と、
前記シード・レーザ・ビームを増幅するように動作可能な少なくとも1つのダイオード励起レーザ増幅器とを備え、
少なくとも前記主発振器又は前記少なくとも1つのダイオード励起レーザ増幅器がダイオード励起ファイバを含む、請求項9に記載の大面積複合体検査装置。
【請求項11】
前記検出レーザの前記主発振器又は前記少なくとも1つのダイオード励起レーザ増幅器が、ダイオード励起スラブ・レーザを備える、請求項10に記載の大面積複合体検査装置。
【請求項12】
前記発振レーザ・ヘッドが、ポンプ・レーザ・ビームから発振レーザ・ビームを生成し、前記ターゲット材料のところで超音波変位を発生する前記発振レーザ・ビームを前記遠隔ターゲットの表面に方向付けるように動作可能である、請求項7に記載の大面積複合体検査装置。
【請求項13】
前記発振レーザ・ヘッドが、前記超音波検査ヘッドの外部にある発振レーザに接続するファイバである、請求項7に記載の大面積複合体検査装置。
【請求項14】
前記発振レーザ・ヘッドが、前記超音波検査ヘッドの外部にありかつ光ファイバによって前記発振レーザ・ヘッドに接続されるポンプ・ビーム・ヘッドによって励起される、請求項7に記載の大面積複合体検査装置。
【請求項15】
前記発振レーザが、光パラメトリック増幅器を含むか又は含まない少なくとも1つの光パラメトリック発振器を励起するレーザ・ビームから成る、請求項7に記載の大面積複合体検査装置。
【請求項16】
ターゲット材料を検査するように動作可能な超音波非破壊評価システムであって、該システムが、
プラットフォームに動作可能に取り付けられる多関節ロボットと、
前記多関節ロボットに接続された超音波検査ヘッドにして、ターゲット材料のところで超音波変位を発生させる発振レーザ・ビームを複合材料に送出し、前記ターゲット材料に検出レーザ・ビームを送出し、前記ターゲット材料によって散乱される位相変調された光を集光するように動作可能な、超音波検査ヘッドと、
前記超音波検査ヘッドに対して前記ターゲット材料の位置を決定するように動作可能な位置決めシステムと、
前記位相変調された光を処理し、前記ターゲット材料の前記内部構造についての情報を生成するように動作可能な処理モジュールと、
スキャン計画に従って前記超音波検査ヘッドを配置するために前記多関節ロボットを方向付けるように動作可能な制御モジュールと
を備える、超音波非破壊評価システム。
【請求項17】
前記プラットフォームが、x方向、y方向、及びz方向に再配置するように動作可能である、請求項16に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項18】
前記プラットフォームが、前記ターゲット材料に対してレールに沿って並進する、請求項16に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項19】
前記プラットフォームが、前記ターゲット材料に対して前記プラットフォームを再配置するように動作可能な輸送手段を含む、請求項16に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項20】
分散リソースが前記多関節ロボット及び前記超音波検査ヘッドに接続し、前記分散リソースが、
前記超音波検査ヘッドに接続された発振レーザ源と、
前記超音波検査ヘッドに接続された検出レーザ源と、
検出信号を生成するように前記位相変調された光を光学的に処理し、前記処理モジュールに前記検出信号を与えるように動作可能な光処理装置と
を含む、請求項16に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項21】
分散リソース及びプラットフォームが、移動式搬送システム内に収容される、請求項16に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項22】
前記多関節ロボットが、組立構造体内に前記超音波検査ヘッドを配置するように動作可能である、請求項16に記載の超音波非破壊評価システム。
【請求項23】
前記位置決めシステムが、前記超音波検査ヘッドに対して前記ターゲット材料の位置及び方向付けを決定するように動作可能なビジョン・システムを備える、請求項16に記載の超音波非破壊評価システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−519540(P2010−519540A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550866(P2009−550866)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/088642
【国際公開番号】WO2008/103209
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(598028028)ロッキード マーティン コーポレイション (16)
【氏名又は名称原語表記】Lockheed Martin Corporation
【Fターム(参考)】