説明

レーダー信号を検出するための方法

【課題】レーダー信号を検出するための方法を提供する。
【解決手段】本発明によるレーダー信号の検出方法は、あらかじめ定めた基準時間または基準パルス収集個数に基づいて、複数のパルスを収集する段階(S100)と、複数のパルスをパルス幅に基づいて、類似パルス別にグループ化する段階(S300)と、全体グループをショートパルスタイプまたはロングパルスタイプ別に分類し、タイプ別グループ数を判断する段階と(S600)、タイプ別グループ数に基づいて、レーダー信号の存否を判断する段階(S700)と、を含みうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダー信号を検出するための方法に係り、より詳細には、パルス幅(Pulse Width)及びパルス反復間隔(Pulse Repetition Interval)を用いてレーダーパルスの類型別パターンを分析することによって、レーダー信号を感知するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術が発達するにつれて、通信時、常に電線が必要な有線通信の不便さを克服するために多様な無線通信の方法が使われている。IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11系列の無線LANは、そのうちの一つであって、最近大きく注目されている。IEEE802.11は、使われる周波数と方法などによってa/b/g/(n)に分けられるが、そのうち、IEEE802.11aでは、5GHzの周波数帯域をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いて送受信を行っている。
【0003】
しかし、前記5GHzの周波数帯域は、軍事用レーダーを含めて、気象用、無線航海用、衛星用レーダーなどで既に使っており、ITU−R(International Telecommunications Union−Radiocommunications)だけではなく、ヨーロッパ電気通信標準化機構(ETSI、European Telecommunications Standards Institute)及びFCC(Federal Communications Commission)でも、この帯域を使う無線LANがレーダー信号に深刻な影響をもたらすということを認知し、これを解決するために、‘能動周波数選択(DFS、Dynamic FrequencySelection)’と‘伝送出力制御(TPC、Transmit Power Control)’という方法を使って、レーダー信号に及ぶ影響を最小化した。
【0004】
‘能動周波数選択(DFS)’は、レーダー信号を検出し、そのレーダーが位置したチャンネルを回避して、新たなチャンネルで通信を再開させる方法であって、IEEE802.11hに定義されている。しかし、IEEE802.11hには、レーダー信号を検出した後、ネットワークを構成する要素に知らせて、チャンネルを移すようにするメカニズムのみが定義されており、実際に如何にレーダー信号を検出するかについての内容は含まれていない。したがって、レーダーを検出するための具体的な方案が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−302874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的な課題は、受信パルスを分析してレーダー信号の存否を判断するためのレーダー信号の検出方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるレーダー信号の検出方法は、あらかじめ定めた基準時間または基準パルス収集個数に基づいて、複数のパルスを収集する段階と、前記複数のパルスをパルス幅に基づいて、類似パルス別にグループ化する段階と、全体グループをショートパルス(short−pulse)タイプまたはロングパルス(long−pulse)タイプ別に分類し、タイプ別グループ数を判断する段階と、前記タイプ別グループ数に基づいて、レーダー信号の存否を判断する段階と、を含みうる。
【0008】
また、前記レーダー信号の検出方法は、グループ化する段階によってグループ化されたパルスを、グループ別に分析する段階をさらに含みうる。
【0009】
また、前記レーダー信号の検出方法は、前記グループ別パルスの分析に基づいて、前記グループ別パルスの損失パルスを補償する段階をさらに含みうる。
【0010】
また、前記レーダー信号の検出方法は、前記グループ別パルスの分析に基づいて、新たなグループを追加的に生成する段階をさらに含みうる。
【0011】
また、前記レーダー信号の検出方法は、前記複数のパルスをパルス幅に基づいて、類似パルス別にグループ化した後、グループ別にパルス幅を平均化する段階をさらに含みうる。
【0012】
また、前記グループ別に分析する段階は、グループ別損失パルス数に基づいて分析する段階を含みうる。
【0013】
また、前記グループ別に分析する段階は、レーダー規定パルスのパルス反復間隔に基づいて分析する段階を含みうる。
【0014】
また、前記レーダー信号の検出方法は、不要なパルスまたは不要なグループをフィルタリングする段階をさらに含みうる。
【0015】
また、前記レーダー信号の検出方法は、レーダー信号が存在すると判断されれば、通信チャンネルを他のチャンネルに変更する段階をさらに含みうる。
【0016】
本発明によるレーダー信号検出モジュールは、複数のパルスを収集して保存するためのパルス収集ブロックと、あらかじめ定めた基準時間または基準パルス収集個数に基づいて、前記パルス収集ブロックが、前記複数のパルスを収集するように制御するための制御ブロックと、前記複数のパルスの情報に基づいて、レーダー信号の存否を分析する分析ブロックと、を含み、前記複数のパルスの情報は、パルス幅及びパルス反復間隔を含みうる。
【0017】
また、前記分析ブロックは、収集された前記複数のパルスが、第1基準に該当するか否かを判断するための判断ブロックと、前記判断ブロックの判断結果に基づいて、前記複数のパルスを類似パルス別にグループ分類し、第1平均化演算、第2平均化演算、損失パルス数演算、及びグループ数演算を行う演算ブロックと、前記判断ブロックの判断結果に基づいて、前記複数のパルス及び前記グループをフィルタリングするためのフィルターと、前記判断ブロックの判断結果に基づいて、前記複数のパルスの損失パルスを補償するための補償ブロックと、を含みうる。
【0018】
また、前記第1基準は、パルス幅比較基準、パルス反復間隔比較基準、損失パルス数基準、グループ別パルス数基準、及びグループ数基準を含みうる。
【0019】
また、前記フィルターは、レーダーパルスの類型によるレーダー規定パルスのパルス幅に基づいて、前記複数のパルスをフィルタリングし、グループ別パルス数に基づいて、前記グループをフィルタリングする。
【0020】
また、前記補償ブロックは、グループ別パルス反復間隔の損失パルス数に基づいて、損失パルスを補償する。
【0021】
また、前記判断ブロックは、グループ別パルス反復間隔の損失パルス数に基づいて、グループを追加的にさらに生成する。
【0022】
また、前記複数のパルスは、ショートパルス及びロングパルスを含みうる。
【0023】
また、前記グループ分類は、内部的にショートパルスは1個のグループに、ロングパルスは少なくとも一つのグループに分類されうる。
【0024】
本発明による無線送受信器は、前記レーダー信号検出モジュールと、前記レーダー信号検出モジュールが発生する制御信号によってチャンネルを変更させるプロセッサと、を含みうる。
【0025】
また、前記無線送受信器を用いてMIMO(Multi Input、Multi Output)無線送受信器が具現可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によるレーダー信号検出モジュール及びそれを含む無線送受信器は、受信パルスのパルス幅及びパルス反復間隔を分析して、レーダー信号の存否を判断することができる。
【0027】
本発明によるレーダー信号検出モジュール及びそれを含む無線送受信器は、レーダー信号を検出すれば、当該チャンネルをレーダー信号のないチャンネルに移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明の一実施形態によるレーダー信号検出モジュールを含む無線送受信器を示す図である。
【図1B】図1Aのレーダー信号検出モジュールを含む無線送受信器の一例を示す図である。
【図2】図1Bのレーダー信号検出モジュールを示すための図である。
【図3】本発明の一実施形態によるレーダー信号の検出方法を示すフローチャートである。
【図4】図3のパルス収集段階の一例を示すフローチャートである。
【図5A】図3のパルスフィルタリング段階の一例を示すフローチャートである。
【図5B】図3のパルスフィルタリング段階を具体的に説明するための図である。
【図6A】図3のパルスグループ化段階の一例を示すフローチャートである。
【図6B】図3のパルスグループ化段階を具体的に説明するための図である。
【図7】図3のグループ分析段階の一例を示すフローチャートである。
【図8A】図3の補償段階の一例を示すフローチャートである。
【図8B】図3の補償段階を具体的に説明するための図である。
【図9】図3のグループフィルタリング段階の一例を示すフローチャートである。
【図10】図3のレーダー信号有無判断段階の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書に開示されている本発明の実施形態についての特定の構造的ないし機能的説明は、単に本発明による実施形態を説明することを目的として例示されたものであって、本発明による実施形態は、多様な形態で実施され、本発明の技術的範囲は、本明細書に説明された実施形態のみに限定されるものと解析されてはならない。
【0030】
本発明による実施形態は、多様な変更を加えることができ、さまざまな形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に例示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、これは、本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術的範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものと理解しなければならない。
【0031】
第1及び/または第2などの用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用しており、例えば、本発明の概念による権利範囲から逸脱されないまま、第1構成要素は、第2構成要素と名付けられ、同様に、第2構成要素は、第1構成要素とも名付けられうる。
【0032】
ある構成要素が、他の構成要素に“連結されて”、または“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解しなければならない。一方、ある構成要素が、他の構成要素に“直接連結されて”、または“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解しなければならない。構成要素の間の関係を説明する他の表現、すなわち、“〜の間に”と“すぐ〜の間に”または“〜に隣り合う”と“〜に直接隣り合う”なども同様に解釈しなければならない。
【0033】
本明細書で使った用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味として使用しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、“含む”または“有する”などの用語は、実施された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたもの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解しなければならない。
【0034】
異なる定義がない限り、技術的や科学的な用語を含んで、ここで使われるあらゆる用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者によって、一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味として解釈されない。
【0035】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳しく説明する。各図面に付された同じ参照符号は、同じ部材を表わす。
【0036】
図1Aは、本発明の一実施形態によるレーダー信号検出モジュール100を含む無線送受信器200を示す図である。無線送受信器200は、アンテナ300、フロントエンドモジュール20、プロセッサ216及びレーダー信号検出モジュール100を含む。
【0037】
図1Aを参照すれば、アンテナ300で受信されたRF信号は、フロントエンドモジュール20に入力され、前記フロントエンドモジュール20は、前記受信されたRF信号を増幅または他の信号とミキシングするか、フィルタリングした後、デジタル信号に変換してプロセッサ216及びレーダー信号検出モジュール100に出力する。
【0038】
レーダー信号検出モジュール100は、前記デジタル信号を入力してレーダー信号の存否を検出する。レーダー信号が検出されれば、前記レーダー信号検出モジュール100は、前記プロセッサ216が検出されたレーダー信号を妨害しない他のチャンネルに通信チャンネルを変更するように制御する。
【0039】
図1Bは、図1Aのレーダー信号検出モジュール100を含む無線送受信器200の一例を示す図である。無線送受信器200は、アンテナ300、低雑音増幅器202、第1ミキサー204、第2ミキサー206、第1低域通過フィルター208、第2低域通過フィルター210、第1可変利得増幅器212、第2可変利得増幅器214、第1アナログ−デジタル変換器217、第2アナログ−デジタル変換器218、プロセッサ216、局部発振器400、位相変換モジュール500及びレーダー信号検出モジュール100を含む。
【0040】
図1Bを参照すれば、アンテナ300で受信されたRF信号は、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)202に入力され、前記低雑音増幅器202は、前記RF信号を増幅して第1ミキサー204及び第2ミキサー206に出力する。
【0041】
前記第1ミキサー204は、前記増幅されたRF信号と局部発振器400から出力された局部発振信号とをミキシングして、前記RF信号を下向き−変換された(down−converted)I(In−phase)チャンネル信号を生成するために、低周波信号(例えば、基底帯域周波数または中間周波数のうち一つ)に下向き−変換する。
【0042】
前記第2ミキサー206は、前記増幅されたRF信号と位相変換モジュール500を通じて位相シフトされた(phase−shifted)局部発振信号とをミキシングして、下向き−変換されたQ(Quadrature)チャンネル信号を生成する。この際、前記位相変換モジュール500は、局部発振器400から局部発振信号を入力して90°シフトされた位相を有する局部発振信号を出力する。下向き−変換されたQチャンネル信号も低周波信号(例えば、基底帯域周波数または中間周波数のうち一つ)である。
【0043】
第1低域通過フィルター(LPF:Low Pass Filter)208及び第2低域通過フィルター(LPF:Low Pass Filter)210は、それぞれ前記下向き−変換されたI及びQチャンネル信号を入力されてフィルタリングされたI及びQチャンネル信号を生成して、第1可変利得増幅器212及び第2可変利得増幅器214に出力する。
【0044】
前記第1可変利得増幅器212及び第2可変利得増幅器214は、前記フィルタリングされたI及びQチャンネル信号を入力し、プロセッサ216から利得制御信号GCSを受信して、前記利得制御信号GCSによって利得を可変する。
【0045】
第1アナログ−デジタル変換器217及び第2アナログ−デジタル変換器218は、前記第1可変利得増幅器212及び第2可変利得増幅器214の出力信号を入力してデジタル信号に変換し、前記プロセッサ216に出力する。
【0046】
レーダー信号検出モジュール100は、前記第1アナログ−デジタル変換器217及び第2アナログ−デジタル変換器218の出力端に連結され、レーダー信号の存否を検出する。レーダー信号が検出されれば、前記レーダー信号検出モジュール100は、制御信号CSを前記プロセッサ216に出力して、前記プロセッサ216が、検出されたレーダー信号を妨害しない他のチャンネルに通信チャンネルを変更させうる。
【0047】
図2は、図1Bのレーダー信号検出モジュール100を示すための図である。前記レーダー信号検出モジュール100は、パルス収集ブロック110、制御ブロック120及び分析ブロック130を含む。
【0048】
図2を参照すれば、前記パルス収集ブロック110は、前記第1アナログ−デジタル変換器217及び第2アナログ−デジタル変換器218の出力端から出力される信号の複数のパルスを収集して保存する。この際、収集される複数のパルスは、そのパルス幅によってショートパルスタイプ及びロングパルスタイプを含みうる。前記収集される複数のパルスは、到着時間、パルス幅及びパルス反復間隔などの情報を含みうる。
【0049】
前記制御ブロック120は、あらかじめ定めた基準時間(例えば、既定のパルス収集時間)または基準パルス収集個数によって、前記パルス収集ブロック110がパルスを収集させうる。基準パルス収集個数は、既定の収集パルスの個数として2以上の整数であり得る。例えば、基準時間を1000μsecと定めた場合、制御ブロック120は、前記パルス収集ブロック110が100μsecの間にパルスを収集して保存するように制御し、基準パルス収集個数を10と定めた場合、制御ブロック120は、前記パルス収集ブロック110が10個のパルスを収集して保存するように制御する。
【0050】
前記のように、複数のパルスが収集されれば、分析ブロック130は、前記パルス収集ブロック110に収集された複数のパルスの情報を分析して、レーダー信号存否を分析し、レーダー信号が存在すると判断されれば、制御信号CSを前記プロセッサ216に出力する。この際、前記複数のパルスの情報は、パルス幅(PW:Pulse Width)及びパルス反復間隔(PRI:Pulse Repetiton Interval)を含む。前述したように、本発明の一実施形態によれば、一つのパルスが到着(受信)する度にパルスを分析するものではなく、あらかじめ定めた基準時間または基準パルス収集個数を満足して初めて前記パルス収集ブロック110に収集された複数のパルスを分析することによって、パルス検出装置やシステムの負荷が軽減される。
【0051】
前記分析ブロック130は、判断ブロック131、演算ブロック132、フィルター133及び補償ブロック134を含む。前記判断ブロック131は、演算ブロック132、フィルター133及び補償ブロック134とともにレーダー信号検出有無を判断する。
【0052】
前記判断ブロック131は、前記複数のパルスが既定の少なくとも一つの基準(例えば、前記パルス幅及びパルス反復間隔と関連した少なくとも一つの基準)に相応する第1基準に該当するか否かを判断し、レーダー信号が感知されたと最終的に判断された場合、制御信号CSを前記プロセッサ216に出力する。
【0053】
この際、第1基準は、前記複数のパルスのパルス幅とレーダーパルスの類型によるレーダー規定パルスのパルス幅との比較に基づいて設定されたパルス幅比較基準、前記複数のパルスのパルス反復間隔とレーダーパルスの類型によるレーダー規定パルスのパルス反復間隔との比較に基づいて設定されたパルス反復間隔比較基準、前記複数のパルスの損失パルスの数に基づいて設定された損失パルス数基準、グループ別パルス数に基づいて設定されたグループ別パルス数基準及びグループ数に基づいて設定されたグループ数基準を含む。
【0054】
前記演算ブロック132は、前記判断ブロック131の判断結果に基づいて、前記複数のパルスを類似パルス別にグループ分類することができる。例えば、受信された前記複数のパルスのパルス幅を判断し、類似したグループ別に前記複数のパルスをグループ分類することができる。この際、ショートパルスグループは、内部的に1個のグループのみに分類され、ロングパルスグループは、内部的に一つ以上の他のグループに分けられる。
【0055】
前記演算ブロック132は、前記グループで分類基準(例えば、パルス幅)をグループ別に平均化する第1平均化演算、前記グループのパルスの少なくとも一つの情報(例えば、パルス反復間隔)を平均化する第2平均化演算、前記複数のパルスのパルス反復間隔の損失パルス数と関連した損失パルス数演算及びパルスタイプ別グループ数と関連したグループ数演算を行う。
【0056】
判断ブロック131は、前記損失パルス数に基づいてグループを追加的にさらに生成させうる。例えば、前記損失パルス数が5であり、基準値が4であれば、前記損失パルス数が基準値より1が大きくなるので、パルス反復間隔以後、パルスを他のグループとみなし、追加グループを生成する。
【0057】
前記フィルター133は、前記判断ブロック131の判断結果に基づいて、前記複数のパルスをフィルタリングするか、分類された前記グループをフィルタリングする。例えば、レーダーパルスの類型によるレーダー規定パルス(RegulationPulse、例えば、FCCまたはETSI規定パルス)のパルス幅に基づいた判断によって、前記複数のパルスの一部をフィルタリングし、前記グループのグループ別パルス数に基づいた判断によって、前記グループをフィルタリングする。
【0058】
前記補償ブロック134は、前記判断ブロック131の判断結果に基づいて、前記複数のパルスの損失パルスを補償することができる。例えば、前記グループのパルス反復間隔に損失パルスが存在するとの判断及び前記損失パルス数が基準値以下であるとの判断によってパルス損失が発生したとみなし、パルス補償を行うことができる。具体的には、前記損失パルスの数が3であり、基準値が4である場合、前記損失パルス数が基準値以下であるので、前記補償ブロック134は、パルス補償を行うことができる。
【0059】
図3は、本発明の一実施形態によるレーダー信号の検出方法を示すフローチャートである。図3のレーダー信号の検出方法は、図1のレーダー信号検出モジュール100によって行われる。
【0060】
図3を参照すれば、前記レーダー信号検出モジュール100は、複数のパルスを収集する(ステップS100)。次いで、収集された複数のパルスをレーダーパルスのあらゆる類型に対するレーダー規定パルスのパルス幅の範囲に基づいてフィルタリングする(ステップS200)。
【0061】
次いで、フィルタリングされたパルスをパルス幅の類似度によってグループ別に分類する(ステップS300)。この際、前記レーダー信号検出モジュール100は、前記グループ別パルス幅を平均化して保存する。
【0062】
次いで、前記レーダー信号検出モジュール100は、グループ別パルスを分析する(ステップS400)。この際、グループ別パルス幅に相応するレーダー規定パルス類型のパルス反復間隔の範囲によって、前記グループに含まれたパルスの一部をフィルタリングするか、前記パルス反復間隔を平均化して保存する。
【0063】
次いで、前記グループ別にパルス反復間隔の損失パルス数を分析して、損失パルスを補償する(ステップS500)。
【0064】
次いで、前記グループ別パルス幅及びパルス反復間隔を最終的に平均化し、前記グループ別パルス数に基づいてグループの一部をフィルタリングする(ステップS600)。
【0065】
次いで、総グループをタイプ別(例えば、ショートパルス及びロングパルス)に分類してタイプ別グループ数に基づいて、レーダー信号検出有無を判断する(ステップS700)。
【0066】
図4は、図3のパルス収集段階(ステップS100)の一例を示すフローチャートである。図4を参照すれば、パルス収集ブロック110は、複数のパルスを収集して保存する(ステップS110)。
【0067】
次いで、制御ブロック120は、あらかじめ定めた基準時間または基準パルス収集個数に基づいて、前記パルス収集ブロック110が、前記複数のパルスを収集するように制御する(ステップS120)。具体的には、前記制御ブロック120は、基準時間の間にのみ前記パルス収集ブロック110が複数のパルスを収集するように制御するか、基準パルス個数が収集されれば、前記パルス収集ブロック110が、これ以上パルスを収集しないように制御する。
【0068】
図5Aは、図3のパルスフィルタリング段階(ステップS200)の一例を示すフローチャートである。図5Aを参照すれば、判断ブロック131は、収集されたパルスがレーダーパルスのあらゆる類型に対するレーダー規定パルスの基準範囲に該当するか否かを判断し(ステップS210)、前記レーダー規定パルスの基準範囲を外れたパルスは、フィルター133を通じて除去する(ステップS220)。判断ブロック131は、S210段階が収集されたあらゆるパルスに対して行われたか否かを判断する(ステップS230)。
【0069】
図5Bは、図3のパルスフィルタリング段階(ステップS200)を具体的に説明するための図である。図5Bは、パルス収集ブロック110で収集されたパルスの一例を示す。この際、パルスP1及びP2は、それぞれパルス幅が0.5μsec及び150μsecに該当し、レーダーパルス類型に対するレーダー規定パルスのパルス幅の範囲(例えば、10〜100μsec)を外れる。したがって、前記パルスP1及びP2は、フィルター133によって除去される。
【0070】
図6Aは、図3のパルスグループ化段階(ステップS300)の一例を示すフローチャートである。図6Aを参照すれば、判断ブロック131は、S200からフィルタリングを経たパルスに対してパルス幅が類似しているか否かを判断し、演算ブロック132は、前記パルス幅の類似度に基づいて、前記パルスをグループ化し(ステップS310)、各グループ別にパルス幅値を平均化する(ステップS320)。
【0071】
図6Bは、図3のパルスグループ化段階(ステップS300)を具体的に説明するための図である。図6Bは、収集されたパルスをパルス幅の類似度に基づいてグループ化したものを示す。グループG1は、パルス幅が10μsecに近接したパルスをグループ化したものであり、グループG2は、パルス幅が20μsecに近接したパルスをグループ化した。グループG3ないしG7は、それぞれパルス幅が50μsec、90μsec、70μsec、100μsec及び60μsecに近接したパルスをグループ化したものであり、前記グループG3ないしG7は、それぞれ他のグループに該当する。
【0072】
図7は、図3のグループ分析段階(ステップS400)の一例を示すフローチャートである。図7を参照すれば、判断ブロック131は、平均化されたパルス幅によるレーダー規定パルスのパルス反復間隔の範囲を収集し(ステップS410)、前記グループ別パルスのパルス反復間隔が、前記レーダー規定パルスのパルス反復間隔の第1範囲(例えば、最小値)に該当するか否かを判断して(ステップS420)、前記第1範囲に該当しない場合、当該パルスをグループからフィルター133を通じて除去する(ステップS430)。前記第1範囲に該当する場合、判断ブロック131は、前記レーダー規定パルスのパルス反復間隔の第2範囲(例えば、最大値)に該当するか、及び/またはグループ内のパルス反復間隔間に類似性があるか否かを判断する(ステップS440)。これに該当する場合、演算ブロック132は、前記グループ内パルス反復間隔を平均化する(ステップS450)。
【0073】
次いで、判断ブロック131は、S420段階がグループ内あらゆるパルスに対して行われたか否かを判断する(ステップS455)。S455段階での判断結果、グループ内あらゆるパルスに対する検討が終了しなければ(すなわち、S455段階での判断結果、‘いいえ’であれば)、S420段階に復帰する。
【0074】
S455段階での判断結果、グループ内あらゆるパルスに対して検討されたならば(すなわち、S455段階での判断結果、‘はい’であれば)、判断ブロック131は、平均化された前記パルス反復間隔が有効であるか否かを判断し(ステップS460)、有効ではない場合、フィルター133で当該グループを除去する(ステップS470)。
【0075】
次いで、判断ブロック131は、前記S410ないしS470があらゆるグループで検討されたか否かを判断する(ステップS480)。
【0076】
図8Aは、図3の補償段階(ステップS500)の一例を示すフローチャートである。図8Aを参照すれば、演算ブロック132は、平均化された前記パルス反復間隔に基づいて損失パルス数を演算する(ステップS510)。判断ブロック131は、前記損失パルス数が0であるかを判断し(ステップS520)、0ではなければ、前記損失パルス数が基準値(または、最大臨界値)を超過するか否かを判断する(ステップS530)。前記基準値を超過すれば、判断ブロック131は、当該パルスを開始パルスとする新たなグループを追加的にさらに生成する(ステップS550)。前記基準値を超過しない場合、補償ブロック134は、パルス損失が発生したとみなし、パルスを補償する(ステップS540)。
【0077】
次いで、判断ブロック131は、前記S510ないしS550があらゆるパルス及びあらゆるグループで検討されたか否かを判断する(ステップS560、ステップS570)。
【0078】
図8Bは、図3の補償段階(ステップS500)を具体的に説明するための図である。図8Bは、損失パルス数に基づいてパルスを補償することを示す。基準値が2である場合、もし損失パルス数が2であれば、パルスが損失されたとみなし、パルスを補償する。もし損失パルス数が3であれば、前記基準値2を超過するので、新たなグループを追加的に生成する。
【0079】
図9は、図3のグループフィルタリング段階(ステップS600)の一例を示すフローチャートである。図9を参照すれば、演算ブロック132は、前記S500で得た最終パルス幅及びパルス反復間隔を平均化し、グループ別パルス数を求める(ステップS610)。
【0080】
次いで、判断ブロック131は、グループ別パルス数が非正常的な数であるかを判断し(ステップS620)、グループ別パルス数が非正常的なグループは、フィルター133を通じて除去する(ステップS630)。次いで、判断ブロック131は、前記S610ないしS630があらゆるグループで検討されたか否かを判断する(ステップS640)。
【0081】
図10は、図3のレーダー信号有無判断段階(ステップS700)の一例を示すフローチャートである。図10を参照すれば、演算ブロック132は、総グループをタイプ別(例えば、ショートパルス及びロングパルス)に分類し、タイプ別グループ数を演算する(ステップS710)。判断ブロック131は、タイプ別グループ数が基準範囲に該当するか否かを判断し(ステップS720)、基準範囲に該当すれば、レーダー信号が感知されたと判断する(ステップS730)。
【0082】
本発明は、またコンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なコードとして具現可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取れるデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。
【0083】
コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ保存装置などがあり、また、本発明による客体情報推定方法を行うためのプログラムコードは、キャリアウェーブ(例えば、インターネットを通じる伝送)の形態で伝送することもできる。
【0084】
また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散されて、分散方式でコンピュータによって読み取り可能なコードが保存されることで実行可能である。そして、本発明を具現するための機能的な(functional)プログラム、コード及びコードセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマーによって容易に推論されうる。
【0085】
本発明は、図面に示された一実施形態を参考にして説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、レーダー信号を検出するための方法関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0087】
20 フロントエンドモジュール、
100 レーダー信号検出モジュール、
200 無線送受信器、
202 低雑音増幅器、
204第1ミキサー、
206第2ミキサー、
208第1低域通過フィルター、
210第2低域通過フィルター、
212 第1可変利得増幅器、
214 第2可変利得増幅器、
216 プロセッサ、
217 第1アナログ−デジタル変換器、
218 第2アナログ−デジタル変換器、
300 アンテナ、
400 局部発信器、
500 位相変換モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ定めた基準時間または基準パルス収集個数に基づいて、複数のパルスを収集する段階と、
前記複数のパルスをパルス幅に基づいて、類似パルス別にグループ化する段階と、
全体グループをショートパルス(short−pulse)タイプまたはロングパルス(long−pulse)タイプに分類し、タイプ別グループ数を判断する段階と、
前記タイプ別グループ数に基づいて、レーダー信号の存否を判断する段階と、
を含むことを特徴とするレーダー信号の検出方法。
【請求項2】
前記レーダー信号の検出方法は、
前記グループ化する段階以前に、前記複数のパルスをパルスフィルタリング基準によってフィルタリングする段階と、
前記グループ化する段階以後に、前記グループ化する段階によってグループ化されたパルスをグループ別に分析する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレーダー信号の検出方法。
【請求項3】
前記レーダー信号の検出方法は、
前記グループ別パルスの分析に基づいて、前記グループ別パルスの損失パルスを補償する段階をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のレーダー信号の検出方法。
【請求項4】
前記レーダー信号の検出方法は、
前記グループ別パルスの分析に基づいて、新たなグループを追加的に生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項2または3に記載のレーダー信号の検出方法。
【請求項5】
前記レーダー信号の検出方法は、
前記複数のパルスをパルス幅に基づいて、類似パルス別にグループ化した後、グループ別にパルス幅を平均化する段階をさらに含むことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のレーダー信号の検出方法。
【請求項6】
前記グループ別に分析する段階は、
グループ別損失パルス数に基づいて分析する段階を含むことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のレーダー信号の検出方法。
【請求項7】
前記グループ別に分析する段階は、
レーダー規定パルスのパルス反復間隔に基づいて分析する段階を含むことを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載のレーダー信号の検出方法。
【請求項8】
前記レーダー信号の検出方法は、
前記類似パルス別にグループ化された各グループをグループフィルタリング基準によってフィルタリングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載のレーダー信号の検出方法。
【請求項9】
あらかじめ定めた基準時間または基準パルス収集個数に基づいて、複数のパルスを収集する段階と、
前記複数のパルスのそれぞれをパルスフィルタリング基準によってフィルタリングする段階と、
前記フィルタリングされたパルスをパルス幅に基づいて、類似パルス別にグループ化する段階と、
各グループをグループフィルタリング基準によってフィルタリングする段階と、
グループフィルタリングを経た各グループをショートパルスタイプまたはロングパルスタイプに分類し、タイプ別グループ数を判断する段階と、
前記タイプ別グループ数に基づいて、レーダー信号の存否を判断する段階と、
を含むことを特徴とするレーダー信号の検出方法。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のうち何れか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図6A】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図5B】
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【図6B】
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【公開番号】特開2011−128157(P2011−128157A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280568(P2010−280568)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】