説明

レール車両の、少なくとも一つの輪軸を有している台車の状態を監視するための方法

本発明は、レール車両の、少なくとも一つの輪軸(4)を有している台車(3)の状態を監視するための方法に関する。本方法では、輪軸(4)の車輪(8)は軸(6)によって固く結合されており、且つ、ほぼ円錐形の車輪輪郭を有しており、台車に配置されているセンサ手段(10)から供給される信号から、車輪(8)の円錐形の車輪輪郭を基礎としている、台車(3)の輪軸(4)の蛇行動に対応する信号がフィルタリングされて取り出され、蛇行動の周波数(f)が、その都度存在している車両速度(v)のような周囲条件を基準にして求められ、蛇行動の周波数(f)に関して記憶されている、存在している周囲条件に対して典型的な値又は値領域と比較され、測定された前記周波数(f)の、該周波数(f)に関して記憶されている値又は値領域からの偏差が監視される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び4の上位概念に記載されている、レール車両の、少なくとも一つの輪軸を有している台車の状態監視に関するものであり、輪軸の車輪は軸によって固定結合されており、且つ、ほぼ円錐形の車輪輪郭を有している。請求項9には本方法を実施するための装置が記載されている。
【0002】
レール車両交通においては今日、診断及び監視システムがますます使用されるようになってきている。それらの診断及び監視システムにより、レール車両の構成部分及びユニットの状態変化が検出され、それらの構成部分及びユニットの欠陥が識別されている。特にレール車両の台車では、運転の安全性を鑑みて、許容できない摩耗状態の検出に高い関心が寄せられている。
【0003】
請求項1の上位概念に記載されている構成が開示されているDE 10 2006 001 540 B3には、台車の輪軸の車輪が軸によって固定結合されており、且つ、円錐形の車輪輪郭を有している、レール車両の台車の状態を監視するための方法が開示されている。この方法では、車輪の円錐形の車輪輪郭を基礎とする、少なくとも一つの輪軸の蛇行動が監視され、蛇行動が生じない場合には、輪軸が脱線していることを表す信号が形成される。
【0004】
しかしながらこの方法は、蛇行動が存在している場合には特徴的で周期的な信号を形成するが、この信号は脱線後には全く生じないことから、蛇行動が存在しているか、又は、バイナリの状態の範囲に無いかに応じて輪軸の脱線を検出できるものに過ぎない。従ってこの公知の方法では、台車パラメータの緩慢な又は潜行的な変化又は摩耗状態の観察を基礎とする早期の警告が不可能である。
【0005】
請求項4の上位概念に記載されている構成が開示されているDE 100 20 521 B4によれば、レール車両の少なくとも一つの車両コンポーネントの振動特性が監視される。この刊行物に開示されている方法は、個々の車両コンポーネントの所定の周波数、振幅及び減衰の固有振動での動作時の振動励起に反応することを基礎としている。求められた実際固有振動と、基準値として記憶されている、期待される固有振動との比較によって、監視される車両コンポーネントの変化した振動特性が推定されるので、この変化した振動特性が何らかの障害源に関してセットされ、それによりレール車両のオンボード診断が実現される。この場合、関連する車両コンポーネントの固有振動の周波数パラメータ、振幅パラメータ及び/又は減衰パラメータが常に監視される。
【0006】
換言すれば、公知の刊行物によれば、車両コンポーネントに対して一種のモード解析が行われ、固有周波数および減衰のようなモードパラメータが損傷を識別するためにオンボート診断の範囲で監視される。しかしながらこの公知の方法は、測定信号の時間経過を大まかにしか評価しない。特にこの方法では、例えば異なる静摩擦特性もしくは動摩擦特性のような完全に異なる周囲条件下で取得された信号が共通に評価される。従って、フーリエ変換により得られる特性値、例えば固有周波数に関する値並びにその振幅極大値のばらつきが比較的大きくなり、このばらつきによって周波数応答を一義的且つ高い信頼性で評価することが難しくなる。
【0007】
公知の方法では、個々の各時点において、関連する車両コンポーネントの固有振動が測定された信号において、そもそもどの部分を有しているのかが明瞭でないほど動作時のレール車両の励起スペクトルが種々様々であることも欠点である。この考察は、車両コンポーネントのいかなる異種振動も車両コンポーネントの固有振動又は関連する固有周波数における振動を生じさせないことを基礎としている。
【0008】
特にコストの理由から、複数の車両コンポーネントから成る構造群、例えば輪軸及びアンチローリング装置を備えている台車のいずれの車両コンポーネントにも固有のセンサが対応付けられないことが考えられる。従って、その種の構造群にセンサが一つしか設けられておらず、公知のオンボード監視によって、それらの構造群が種々の固有特性値を有する結果となる場合には、構造群のどの車両コンポーネント(輪軸の車輪、アンチローリング装置)が欠陥を有しているのかが不明なままである。
【0009】
本発明が基礎とする課題は、例えば、台車と構体との間の回転振動(横揺れ)を減衰するために使用されるアンチローリング装置及び輪軸の車輪のような、走行安定性に大きな影響を及ぼすレール車両の台車コンポーネントの摩耗状態に関する信頼性の高い情報を実現するように、冒頭で述べたような方法及び装置を更に発展させることである。更には、許容できない摩耗状態又は欠陥状態を有しているそれぞれの台車コンポーネントを本発明による方法によって識別できるべきである。
【0010】
本発明によれば、この課題は請求項1及び請求項4の特徴部分に記載されている構成によって解決される。
【0011】
本発明の技術的な背景
レール車両の台車の走行安定性はその減衰特性に大きく影響される。従って一般的には、しかしながら特に高速列車に対しては、台車と構体との間のアンチローリング装置が必要になる。台車の総減衰は複数のパラメータによって決定される:
−車輪の特性、特に、摩耗に起因して変化する車輪の踏面勾配及び輪郭に依存する減衰。
−一つ又は複数のアンチローリング装置による減衰を含んでいる、台車と構体との間の回転減衰。
−レール車両の速度。
【0012】
アンチローリング装置は公知のように、縦軸についての振動時の台車の回転振動を緩和する。従って、減衰特性の変化も車輪の踏面勾配の変化も車輪の走行安定性、特に、台車のいわゆる横揺れの値に直接的に影響を及ぼす。
【0013】
台車の横揺れはレールの異種振動によって惹起される。この異種振動として以下のものが挙げられる:
−レール位置の欠陥、
−ポイント通過、
−カーブ走行、
−輪軸の蛇行動。
【0014】
輪軸の蛇行動は更に、台車の輪軸の車輪の等価踏面勾配又は輪郭変化が大きくなることに基づいて、又は、台車の減衰が小さくなることに基づいて走行安定性が低下しているか否かについての情報も提供する。
【0015】
蛇行動は円錐形の車輪輪郭(踏面勾配)を有しているレール車両輪軸の走行特性を表す。蛇行動によって直線路において、また大きい半径のカーブにおいて、フランジが動き始める必要なく、走行路上での輪軸のセルフセンタリングが行われる。これによって、輪軸が蛇行動を有していない円筒形の車輪輪郭を備えている場合に比べて、走行特性が改善され、また摩耗も低下される。
【0016】
輪軸が偏心した円錐形の車輪輪郭を備えている場合、レール上の二つの接点において車輪半径が異なっていることによって蛇行動が生じる。輪軸の二つの車輪は軸によって固定結合されているので、大きい半径を有している車輪は小さい半径を有している車輪よりも速く前方に移動する。従って、車輪半径は右側の接点では左側の接点よりも大きいので、過度に右側に位置する輪軸は左側に向けられる。相応に、過度に左側に位置する輪軸は右側に向けられる。これによって、正弦波曲線の形態の輪軸の長手方向移動が生じる。
【0017】
例えば、蛇行動をクリンゲル(Klingel)の式によって表すことができ、これはレール車両の波状の移動の蛇行動の周波数fを表す。
【数1】

【0018】
上記式において、
tanγ 関連する車輪の等価踏面勾配
等価踏面勾配は、純粋な円錐形ではない車輪輪郭に関して拡張された円錐傾斜を表し、この円錐傾斜を有する純粋な円錐形の車輪輪郭は非常に類似する運動力学的な走行特性を有することになる。
1,r2 回転半径[m]
0 平均回転半径[m]、但しr0=(r1+r2)/2
s 軌道平均尺度[標準軌間1500mm]
f 蛇行動の周波数[Hz]
v 速度[m/s]
【0019】
式(1)からは、踏面勾配tanγが増加すると蛇行動の周波数fも上昇すること、即ち、車両は輪軸の蛇行動に由来する高い励起周波数fで運転されることが分かる。これによって、車両が依然として安定して走行することができるクリティカルな速度は低下する。従って、高速車両において生じるような高い走行速度に関しては、車輪とレールとの間の接触幾何学形状が、低い等価踏面勾配が存在する状態になければならない。換言すれば、レール車両の安定した直線走行のためには、輪軸の蛇行動の周波数fは可能な限り小さいことが望ましく、このことは可能な限り小さい踏面勾配tanγを必要とする。
【0020】
従ってこの考察の背景は、ほぼ円錐形の車輪輪郭を有している車輪とレールとの相互作用に起因する蛇行動が所定の周囲条件下では所定の振幅経過及び所定の周波数を有しているということである。
【0021】
例えば、フーリエ変換によって横加速度経過の測定された時間信号から求められた周波数が所定の値を上回って、この周囲条件に関して期待される周波数値から偏差する場合、このことは許容できない高い等価踏面勾配tanγの形態の許容できない摩耗状態の存在に関する兆候を表している。
【0022】
踏面勾配tanγはここでもまた、台車の減衰特性に影響を及ぼす。踏面勾配の大きさは、減衰特性値が変化した際に、アンチローリング装置が摩耗しているのか、又は、それが輪軸の低下した減衰特性値に由来するものであるのかを区別することができる。
【0023】
衝撃後に次第に振動が弱くなる振幅経過によって、台車、特にアンチローリング装置の減衰特性を推定することができる。測定された横加速度経過と期待される経過、もしくはその経過から形成される特性値との比較によって、台車コンポーネント、例えば回転ダンパ及びアンチローリング装置の摩耗状態に関する情報を提供することができる。
【0024】
従って、車輪の減衰の変化また踏面勾配tanγの変化も検出される場合には、レール車両が将来的にもはや許容できないほどの不安定な状態で動作することになるか否かに関する情報を提供することができる。
【0025】
これまで従来技術においては、レール車両の台車の横加速度の極大値が監視され、所定の限界値を超えると警告信号が形成されている。しかしながら、このイベント制御式の方式の改善の本質は状態監視にあり、この状態監視においては、横方向の運動を基準とする台車の減衰又は減衰特性値が求められ、特に関連する台車に必要とされるメンテナンス又は修理に関して早期に信号が形成される。
【0026】
例えばポイント通過時の側方の衝撃によって、通常の場合は振動が減衰され、これによって台車系全体の減衰特性値を決定することができる。
【0027】
速度が比較的高い場合には、蛇行動による衝撃に感心が集まり、この場合には、減衰特性値を車輪の踏面勾配を考慮するだけで決定することができる。車輪の踏面勾配は一定ではなく、摩耗によって変化し、その摩耗が大きくなるにつれて傾向的に大きくなる。
【0028】
蛇行動の測定された周波数に基づき車輪の踏面勾配を推定することができ、しかも、振動の振幅及び台車系全体の減衰に依存せずに推定することができる。これによって車両速度を考慮して、例えば、アンチローリング装置の減衰特性値を決定することができる。
【0029】
レール車両の速度が低い場合には、蛇行動の減衰への影響は小さいので、蛇行動の衝撃を考慮することなく減衰特性値を決定することができる。
【0030】
上記において一般的に述べた関係を物理的に以下のように表すことができる。
【0031】
以下では、台車系全体とは、所属の輪軸及びアンチローリング装置も含めた台車であると解される。台車(ボギー台車)の走行特性及び安定性は総減衰Dgに依存する。台車の総減衰Dgは近似的に、台車の踏面勾配tanγに基づいた、アンチローリング装置の減衰Dschl及び輪軸の減衰Dradから成る:
g=Dschl+Drad (2)
【0032】
輪軸の減衰Dradは更に速度vと蛇行動の周波数fの関数である:
rad=f(v,f) (3)
【0033】
速度が低い場合には、輪軸の減衰Dradは非常に小さく、無視することができる。従って速度が低い場合には、台車の総減衰Dgはアンチローリング装置の減衰Dschlに近似的に等しい:
g=Dschl (4)
【0034】
従って速度が低い場合には、総減衰Dgの変化、特に低下が確認され、この変化によって台車の一つ又は複数のアンチローリング装置の減衰Dschlの低下を推定することができる。
【0035】
速度が高い場合には、車輪の踏面勾配tanγがより強く作用する。総減衰
g=Dschl+Drad (5)
からは、アンチローリング装置及び輪軸踏面勾配に由来する減衰成分をもはや直接的には推定することができない。
【0036】
しかしながら、車輪の踏面勾配tanγは、所定の車両速度vにおいて生じる蛇行動の周波数fの関数である:
tanγ=f(v,f) (6)
【0037】
この場合、輪軸の減衰Dradは、車輪の踏面勾配tanγの関数又は車両速度vでの蛇行動の動周波数fの関数である:
rad=f(tanγ)=f(v,f) (7)
【0038】
従って、車両速度vが比較的高い場合には、測定された蛇行動の周波数fは期待値に対応し、このことは、その踏面勾配tanγに関する車輪の許容できる摩耗を示唆し、この場合には、総減衰Dgの変化は関連する台車の一つ又は複数のアンチローリング装置の減衰Dschlの変化を示唆する。
【0039】
パラメータとしての速度v及び蛇行動の周波数fに依存する輪軸の減衰Drad(v,f)を表すために、十分な測定データが特性マップの形態で存在している場合には、速度vが高い場合であってもアンチローリング装置の減衰係数Dschl及び輪軸の減衰係数Dradを決定することができる。
【0040】
発明の開示
上述の関係を背景として、本発明は一つの態様によれば、レール車両の、少なくとも一つの輪軸並びに少なくとも一つのアンチローリング装置を有している台車の状態を監視するための方法を提供する。この方法では、
−輪軸の車輪が軸によって固定結合されており、ほぼ円錐形の車輪輪郭を有しており、
−台車に配置されているセンサ手段から供給される信号から、車輪の円錐形の車輪輪郭を基礎としている、台車の輪軸の蛇行動に対応する信号がフィルタリングされて取り出され、
−蛇行動の周波数が、各時点で存在している車両速度のような周囲条件を基準にして求められ、蛇行動の周波数に関して記憶されている、存在している周囲条件に対して典型的な値又は値領域と比較され、測定された周波数の、この周波数に関して記憶されている値又は値領域からの偏差が監視される。
【0041】
例えば、フーリエ変換によって横加速度信号の測定及びフィルタリングされた時間信号から求められた蛇行動の周波数が所定の値を上回って、この周囲条件に関して期待される周波数値から偏差する場合、このことは台車の輪軸の車輪の許容できない高い等価踏面勾配tanγの形態の許容できない摩耗状態の存在に関する兆候を表している。
【0042】
特に有利には、蛇行動の周波数に関する特徴的な基準値が事前に求められて記憶される周囲条件は、車両速度の他に以下のパラメータの内の少なくとも一つを含んでいる:レール車両の積載量、目下作用している制動力又は駆動力、カーブ走行又は直線走行、直線走行区間の区間状態など。この場合には、例えば、それぞれの周囲条件に関して特長的な蛇行動の周波数を有する特性マップが記憶され、蛇行動に関して動作時に求められた周波数と比較される。
【0043】
本発明の別の態様によれば、レール車両の、少なくとも一つの輪軸並びに少なくとも一つのアンチローリング装置を有している台車の状態監視のための方法が提供される。この方法では、
−輪軸の車輪が軸によって固定結合されており、ほぼ円錐形の車輪輪郭を有している、
−台車に配置されている少なくとも一つのセンサから供給される信号から減衰特性値が求められる、
−求められた減衰特性値は減衰特性値に関して記憶されている典型的な値又は値領域と比較される、ここで、
−求められた減衰特性値がこの減衰特性値に関して記憶されている値又は値領域から所定量を超えて偏差する場合、所定の限界速度に対してレール車両の速度がどの程度高いかが検査され、且つ、
−レール車両の速度が所定の限界速度を下回る場合、台車のアンチローリング装置の領域に変化が存在することを表す信号が形成され、又は、
−レール車両の速度が限界速度に達するか、又は限界速度を上回ると、台車に配置されているセンサ手段から供給される信号から、車輪の円錐形の車輪輪郭を基礎とする、台車の輪軸の蛇行動に対応する信号がフィルタリングされて取り出され、且つ、輪軸の減衰特性値とレール車両の速度及び蛇行動の周波数との関係を表す、記憶されている特性マップに基づき、台車の輪軸の減衰特性値が求められた蛇行動の周波数及び現在の速度に依存して求められ、且つ、
−台車の輪軸の求められた減衰特性値が、台車の輪軸の減衰特性値に関して記憶されている、レール車両の正にその時点に存在している速度及び蛇行動の正にその時点に存在している周波数に対して典型的な値又は値領域と比較され、且つ、
−台車の輪軸の求められた減衰特性値が、この台車の輪軸の減衰特性値に関して記憶されている値又は値領域から所定量を超えて偏差する場合、台車の輪軸の領域に変化が存在することを表す信号が形成され、又は、
−台車の輪軸の求められた減衰特性値と、この台車の輪軸の減衰特性値に関して記憶されている値又は値領域との偏差が所定量に達するか、又は所定量を下回る場合、台車のアンチローリング装置の領域に変化が存在することを表す信号が形成される。
【0044】
有利には、センサから供給される信号は横加速度信号であり、この横加速度信号からフィルタによって3Hzから9Hzの周波数領域がフィルタリングされて取り出される。この周波数領域は典型的には、蛇行動が生じる周波数領域である。
【0045】
従って上述の方法を用いることにより、許容できない摩耗状態又は欠陥状態を有しているそれぞれの台車コンポーネント(車輪又はアンチローリング装置)を一義的に識別することができる。
【0046】
この信号に基づいて、自動的に又は機関手によって対抗措置を講じることができ、この対抗措置は台車の該当する輪軸又はアンチローリング装置のメンテナンスの即座の実施、又は、極端な場合にはレール車両又はレール車両群の即座の制動を内容とすることが考えられる。信号のメンテナンスステーションへの遠隔データ伝送も考えられる。
【0047】
本発明による方法は、台車の運動を監視するためのセンサ手段並びにこのセンサ手段のセンサ信号を評価するための評価装置によって廉価に実現することができる。
【0048】
従属請求項に記載されている措置によって、独立請求項に記載されている本発明の有利な実施の形態及び改善形態が実現される。
【0049】
信号をレール車両群の機関手に光学的及び/又は音響的に、例えば点滅する警告ランプの形態又は警告音によって通知することができ、それによって対抗措置を講じることができる。特に信号は、関連する輪軸又は台車が受けるべきメンテナンスについてのメンテナンス信号を表し、そのメンテナンスにおいては、等価踏面勾配が再び許容できる値又はクリティカルでない値を取り、アンチローリング装置の検査又は交換が行われるように輪軸が処理されなければならない。更なる詳細は、以下の実施例の説明より明らかになる。
【0050】
以下では、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】それぞれ二つの輪軸と、二つのアンチローリング装置とを有している二つの台車を備えているレール車両の概略図を示す。
【図2】台車の横方向振動に関する信号が時間tにわたりプロットされているグラフを示す。
【図3】本発明の一つの有利な実施の形態による台車の状態を監視するための装置の概略図を示す。
【図4】減衰特性値を決定するための、加速度信号が時間にわたりプロットされているグラフを示す。
【図5】本発明による方法の一つの有利な実施の形態のフローチャートを示す。
【0052】
実施例の説明
図1にはレール車両群の内の一つのレール車両が示されており、このレール車両は例えば、それぞれ二つの輪軸4と二つのアンチローリング装置5とを備えている二つの台車3とを有している。輪軸4は平行なレール2上を回転しながら進み、軸6とこの軸6に固く固定されている二つの車輪8とから構成されている。輪軸4の車輪8はそれぞれ、ほぼ円錐形の車輪輪郭を有している。即ち、滑走面における車輪直径は公知のようにフランジから離れる方向に向かって小さくなる。これによって、輪軸4がレール2上を回転しながら進む間に、冒頭で述べたような蛇行動、即ちレール車両の構体1及びレール2に相対的な周期的な振動が生じる。
【0053】
走行方向を横切る方向に生じる台車3の振動を記録するためのセンサ10が二つの台車3にそれぞれ固定されている。有利には、台車3の横加速度を記録する加速度センサ10が使用される。しかしながら、距離センサ又は速度センサも考えられる。センサ10からの横加速度信号は、図3において概略的に示されている、マイクロプロセッサを基礎とする評価装置12に供給される。センサ10から供給される信号から、例えばフィルタによって3Hzから9Hzの周波数領域がフィルタリングされる。この周波数領域は典型的には、蛇行動が生じる周波数領域である。
【0054】
レール車両の蛇行動を特徴付ける、センサ10の相応の信号Bが図2において時間tにわたりプロットされている。図2から見て取れるように、台車3の蛇行動を表す信号は周期的な正弦波の形状であり、実質的に減衰しない。何故ならば、輪軸4はこの蛇行動によって定常的な異種振動に晒されるからである。従って、振動振幅は速度vが一定の場合にはほぼ同じ大きさである。
【0055】
蛇行動の周波数fは周囲条件、特に、レール車両の瞬時走行速度v又は車輪8の回転速度に依存している。特に有利には、蛇行動の周波数fに影響を及ぼす周囲条件は、車両速度vの他に以下のパラメータの内の少なくとも一つを含んでいる:レール車両の積載量、目下作用している制動力又は駆動力、カーブ走行又は直線走行、直線走行区間の区間状態など。各周囲条件に関して、特に、車輪とレールの接触面の幾何学形状(等価踏面勾配:equivalent conicity)のようなファクタに依存する各速度vに関して、特徴的な周波数f又は蛇行動の周波数fに関する特徴的な周波数領域が存在する。それらは実験によって事前に求めることができ、基準値として評価装置の特性マップに記憶することができる。
【0056】
図3による評価装置12は有利にはフィルタ14、信号処理ユニット16並びに比較器18を備えている。速度センサ20を介して評価装置12は更に、瞬時車両速度vに関する信号を取得する。測定された車両速度vに依存する、蛇行動の形態の台車3の瞬時振動の周波数f(v)は有利には、加速度センサ10の時間信号(図2を参照されたい)の高速フーリエ変換(FFT)によって信号処理ユニット16内で求められる。
【0057】
更に有利には、評価装置12の比較器18には特性マップが記憶されており、この特性マップは蛇行動の周波数fとレール車両の周囲条件又は動作条件、例えばレール車両の瞬時走行速度v又は車輪8の回転速度との関係を表す。蛇行動に関する特徴的な周波数fを有するそれらの特性マップは例えば実験によって事前に求められる。
【0058】
測定された時間信号Bを基礎とする、その都度存在する車両速度v又は車輪回転速度に関する周期的な振動の、信号処理ユニット16によってフィルタリングされた周波数f(v)は更に、蛇行動の周波数f(v)に関して記憶されている、今まさに存在している車両速度vのような存在している周囲条件についての典型的な値又は値領域と比較され、記憶されている値f(v)又は記憶されている値領域からの測定された周波数f(v)の偏差が監視される。
【0059】
測定された周波数f(v)が記憶されている値f(v)又は記憶されている値領域から所定量だけ偏差する場合、有利には、輪軸4の許容できない摩耗状態の存在に関する信号Sが形成される。より正確には、そのような信号Sが存在する場合、関連する台車の輪軸4の踏面勾配は台車3の走行安定性に関してクリティカルな値を取ることを想定できる。例えば各台車3にセンサ10が設けられているので、信号をそれぞれの台車3又は台車3の輪軸4に対応付けることができる。
【0060】
この信号Sをレール車両群の機関手又はメンテナンススタッフに光学的及び/又は音響的に、例えば警告ランプの形態又は警告音によって通知することができ、それによって対抗措置を講じることができる。特に、信号Sは関連する台車3の輪軸4が受けるべきメンテナンスについてのメンテナンス信号を表し、またその信号Sをメンテナンススタッフのために評価装置の読み出し可能なメモリに記憶することもできる。対抗措置の内容として以下のことが考えられる。即ち、車輪とレールの接触面の幾何学形状、特に等価踏面勾配が信頼性の高い値又はクリティカルではない値を有し、またそれによって輪軸4の減衰特性が蛇行動の範囲において形成されるように、関連する台車3の輪軸4が修正される。これによって、特に速度vが高い際に蛇行動がクリティカルな値を取ることが阻止される。
【0061】
図5には、方法の別の実施例のフローチャートが示されている。この方法は同様に、図3に示した評価装置12によって実施される。
【0062】
プログラムが開始されると、このフローチャートに基づきステップ100において、レール車両が静止状態にあるか否かが検査される。静止状態にある場合にはプログラムはスタートへと戻る。これに対してレール車両が走行状態にある場合には、台車3に配置されているセンサ10から供給される信号からステップ101の範囲において、台車3の総減衰特性値又は総減衰係数Dgが求められる。
【0063】
有利には、センサ10から供給される、図4に応じた時間信号aが使用される。台車3が時点t1に単一のイベント、即ち、ポイント通過のような1回の衝突振動によって横方向振動が励起されたとすると、図4に示されているような典型的な減衰する振動経過、従って次第に弱くなる振動経過が生じ、この横方向信号の台車3の総減衰Dgには、一方では車輪とレールの接触面の幾何学形状、特に車輪8の踏面勾配に由来する、輪軸4の減衰係数Dradが寄与し、他方ではアンチローリング装置5の減衰係数Dschlが寄与する。
【0064】
励起の時点t1から、振動振幅が再びほぼ一定になる時点t2までの振動振幅の経過は漸次的に弱くなる。即ち、振動振幅の極大値の値は時間の経過と共に小さくなる。この特性を、時点t1と時点t2との間の時間領域における振動振幅の振動極大値における接線又はエンベロープによって特徴付けることができる。続いて、この接線の勾配に基づき、台車3の総減衰係数Dgを求めることができる。
【0065】
ステップ102の範囲において、台車3の求められた総減衰係数Dgが、台車3の総減衰Dgに関して記憶されている典型的な値又は値領域と比較される。
【0066】
台車3の求められた総減衰係数Dgと、台車3の総減衰係数Dgに関して記憶されている値又は値領域との偏差が所定量を超えない場合(減衰特性値OK)、台車3の十分な減衰が想定され、プログラムを再び開始に戻る。
【0067】
これに対して、台車3の求められた総減衰係数Dgと、台車3の総減衰係数Dgに関して記憶されている値又は値領域との偏差が所定量を超える場合(減衰特性値not OK)、ステップ103の範囲において、所定の限界速度に対してレール車両の速度がどの程度の速さであるかが検査される。ここで術語「限界速度」とは、その速度を超えると台車3の輪軸4が総減衰係数Dgに及ぼす影響が無視できなくなる速度を意味している。この限界速度は有利には実験によって事前に求められる。
【0068】
冒頭で述べたように、速度が低い場合には、車輪とレールの接触面が減衰特性に及ぼす影響を無視することができ、台車3の減衰特性はその台車3のアンチローリング装置5によって決定的に影響が及ぼされる。従って、レール車両の速度が所定の限界速度を下回る場合、且つ、前述のステップ102の範囲において決定された総減衰Dgが不十分な場合、評価装置12によって、台車3のアンチローリング装置5の減衰係数Dschlの変化に関する信号Sが形成される。この信号Sの符号と値は可変である。関連する台車3のアンチローリング装置5の領域における変化を示唆することのみが重要である。
【0069】
しかしながら、レール車両の速度が限界速度を上回るか下回る場合、アンチローリング装置5の減衰係数Dschlの他に輪軸4の減衰係数Dradも重要である。
【0070】
速度が比較的高い場合には、台車3に配置されているセンサ10から供給される信号から、車輪8の円錐形の車輪輪郭を基礎とする、台車3の輪軸4の蛇行動に対応する信号が評価装置12のフィルタ14によってフィルタリングされて取り出される。
【0071】
それらの信号はフィルタリングされ、フーリエ変換によって周波数空間に変換される。この場合の結果は、正にその時点に存在している速度vでの、レール車両又は関連する台車3の正にその時点に存在している蛇行動の周波数fである。評価装置12の比較器18のメモリには、輪軸4の減衰係数Dradと、レール車両の速度v及び蛇行動の周波数fとの関係を表す特性マップが記憶されている。この場合、この特性マップに基づき、台車3の輪軸4の基準となる減衰特性値Dradを、事前に求められた既存の蛇行動の周波数f及び現在の速度vに依存して、ステップ104において求めることができる。
【0072】
続いて、台車3の輪軸4の求められた減衰特性値Dradはステップ105の範囲において、台車3の輪軸4の減衰特性値Dradに関して記憶されている、レール車両の正にその時点に存在している速度v及び蛇行動の正にその時点に存在している周波数fに対する典型的な値又は値領域と比較される。
【0073】
この比較105によって、ステップ104の範囲において求められた、台車3の輪軸4の減衰係数Dradが、この台車3の輪軸4の減衰係数Dradに関して記憶されている値又は値領域から所定量より大きく偏差していることが明らかになると、関連する台車3の輪軸4の領域に変化が存在することを表す信号106が形成される。この場合、この信号は台車3の輪軸4の減衰係数Dradの顕著な低下を示唆する。
【0074】
しかしながら比較105によって、ステップ104の範囲において求められた、台車3の輪軸4の減衰係数Dradが、この台車3の輪軸4の減衰係数Dradに関して記憶されている値又は値領域から所定量よりも大きく偏差していないことが明らかになると、台車3のアンチローリング装置5の領域に変化が存在することを表す信号107が形成される。この場合、この信号は台車3のアンチローリング装置5の減衰係数DSchlの顕著な低下を示唆する。
【0075】
信号106又は信号107をレール車両群の機関手に光学的及び/又は音響的に、例えば点滅する警告ランプの形態又は警告音によって通知することができ、それによって対抗措置を講じることができる。特に、信号106又は信号107は、該当する台車3の輪軸4又はアンチローリング装置が受けるべきメンテナンス、また計画外のメンテナンスについての警告信号を表す。択一的に、レール車両又はレール車両群の速度も自動的に減速させることができる。
【符号の説明】
【0076】
1 構体、 2 レール、 3 台車、 4 輪軸、 5 アンチローリング装置、 6 軸、 8 車輪、 10 加速度センサ、 12 評価装置、 14 フィルタ、 16 信号処理ユニット、 18 比較器、 20 速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール車両の、少なくとも一つの輪軸(4)を有している台車(3)の状態を監視するための方法であって、
a)前記輪軸(4)の車輪(8)は軸(6)によって固定結合されており、且つ、ほぼ円錐形の車輪輪郭を有しており、
b)前記台車に配置されているセンサ手段(10)から供給される信号から、前記車輪(8)の円錐形の車輪輪郭を基礎としている、前記台車(3)の前記輪軸(4)の蛇行動に対応する信号をフィルタリングして取り出す、台車(3)の状態を監視するための方法において、
c)前記蛇行動の周波数(f)を、各時点で存在している車両速度(v)のような周囲条件を基準にして求め、前記蛇行動の前記周波数(f)に関して記憶されている、前記存在している周囲条件に対して典型的な値又は値領域と比較し、測定された前記周波数(f)の、該周波数(f)に関して記憶されている値又は値領域からの偏差を監視することを特徴とする、台車(3)の状態を監視するための方法。
【請求項2】
前記蛇行動の測定された周波数(f)と、該周波数(f)に関して記憶されている値又は値領域との偏差が所定量を上回る場合には、前記輪軸(4)の前記車輪の幾何学形状に変化が存在することを表す信号(S)を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記周囲条件は、前記車両速度(v)の他に以下のパラメータ、即ち、レール車両の積載量、制動力又は駆動力、カーブ走行又は直線走行、直線走行区間の区間状態の内の少なくとも一つを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
レール車両の、少なくとも一つの輪軸(4)並びに少なくとも一つのアンチローリング装置(5)を有している台車(3)の状態を監視するための方法であって、
a)前記輪軸(4)の車輪(8)は軸(6)によって固定結合されており、且つ、ほぼ円錐形の車輪輪郭を有しており、
b)前記台車に配置されているセンサ手段(10)から供給される信号から減衰特性値を求め、
c)求められた前記減衰特性値を、該減衰特性値に関して記憶されている典型的な値又は値領域と比較する、
台車(3)の状態を監視するための方法において、
d)求められた前記減衰特性値が該減衰特性値に関して記憶されている値又は値領域から所定量を超えて偏差する場合、所定の限界速度に対して前記レール車両の速度がどの程度高いかを検査し、且つ、
e)前記レール車両の速度が前記所定の限界速度を下回る場合、前記台車(3)の前記アンチローリング装置(5)の領域に変化が存在することを表す信号(S)を形成し、又は、
f)前記レール車両の速度前記が限界速度に達するか、又は前記限界速度を上回ると、前記台車(3)に配置されている前記センサ手段(10)から供給される信号から、前記車輪(8)の円錐形の車輪輪郭を基礎とする、前記台車の前記輪軸(4)の蛇行動に対応する信号をフィルタリングして取り出し、且つ、前記輪軸の減衰特性値と前記レール車両の速度(v)及び前記蛇行動の周波数(f)との関係を表す、記憶されている少なくとも一つの特性マップに基づき、前記台車の前記輪軸(4)の減衰特性値を前記蛇行動の求められた周波数(f)及び現在の速度(v)に依存して求め、且つ、
g)前記台車の前記輪軸(4)の求められた前記減衰特性値を、該台車(3)の輪軸(4)の減衰特性値に関して記憶されている、前記レール車両の正にその時点に存在している速度(v)及び前記蛇行動の正にその時点に存在している周波数(f)についての典型的な値又は値領域と比較し、且つ、
h1)前記台車(3)の前記輪軸(4)の求められた前記減衰特性値が、該台車(3)の輪軸(4)の減衰特性値に関して記憶されている値又は値領域から所定量を超えて偏差する場合、前記台車(3)の前記輪軸(4)の領域に変化が存在することを表す信号(S)を形成する、又は、
h2)前記台車(3)の前記輪軸(4)の求められた前記減衰特性値と、該台車(3)の輪軸(4)の減衰特性値に関して記憶されている値又は値領域との偏差が所定量に達する場合又は該所定量を下回る場合、前記台車(3)の前記アンチローリング装置(5)の領域に変化が存在することを表す信号(S)を形成する、
ことを特徴とする、台車(3)の状態を監視するための方法。
【請求項5】
前記信号(S)を光学的及び/又は音響的に表す、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記信号(S)は前記台車の関連する構成部分が受けるべきメンテナンスについてのメンテナンス信号である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記信号(S)に応じて前記レール車両の速度を低減する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記センサ(10)から供給される信号は横加速度信号であり、該横加速度信号から、フィルタ(14)によって、前記蛇行動にとって重要な3Hzから9Hzの周波数領域がフィルタリングされる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記台車(3)の運動を監視するための車両側のセンサ手段(10)と、該センサ手段(10)のセンサ信号(B)を評価するための評価装置(12)とを備えていることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置。
【請求項10】
前記センサ手段(10)は、前記台車(3)に配置されている、該台車(3)の横加速度を測定するための加速度センサを有している、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法を実施するためのプログラム手段を備えていることを特徴とする、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
コンピュータ読み出し可能記録媒体に記憶されているか、又は、コンピュータ読み出し可能記録装置に記憶されている、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−511704(P2013−511704A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539300(P2012−539300)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067562
【国際公開番号】WO2011/061182
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(503159597)クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (44)
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80,D−80809 Muenchen,Germany
【Fターム(参考)】