ロック機器制御装置
【課題】給電プラグロック装置及びリッドロック装置の両装置を搭載する場合であっても、全体の装置構成を簡素化することができるロック機器制御装置を提供する。
【解決手段】リッド26の収納室27内に、リッド26の開閉を検出するリッド開閉検出スイッチ54を設ける。また、リッド26の収納室27内に、給電プラグロック装置及びリッドロック装置の両方で共用可能なアンロックスイッチ60を設ける。そして、リッド26が開状態のときは、アンロックスイッチ60を給電プラグロック装置用として機能させ、リッド26が閉状態のときは、アンロックスイッチ60をリッドロック装置用として機能させる。
【解決手段】リッド26の収納室27内に、リッド26の開閉を検出するリッド開閉検出スイッチ54を設ける。また、リッド26の収納室27内に、給電プラグロック装置及びリッドロック装置の両方で共用可能なアンロックスイッチ60を設ける。そして、リッド26が開状態のときは、アンロックスイッチ60を給電プラグロック装置用として機能させ、リッド26が閉状態のときは、アンロックスイッチ60をリッドロック装置用として機能させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッドロック装置及び給電プラグ装置の両装置の動作を制御するロック機器制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への意識の高まりから、二酸化炭素の排出量の少ない車両として、例えばハイブリッド車や電気自動車等の普及が進んでいる。これら車両は、バッテリの電力でモータを回転させ、モータの駆動力により走行するものである。よって、長距離走行してバッテリの残量が減ると、その度にバッテリを充電しなくてはならない(特許文献1等参照)。
【0003】
ところで、バッテリ充電は、バッテリの構成要素である電池セルで化合物やイオンの電解反応を伴うため、充電時間が相対的に長くかかる現状がある。よって、バッテリ充電中、仮に車両から立ち去ってしまうと、その隙に第三者によって給電プラグを付け替えられるなどして、電力を盗電される可能性も否めない。従って、バッテリ充電可能な車両では、給電プラグを車両に挿し込んだ際、給電プラグが不正に車両から引き抜かれないようにロック装置を搭載することが検討されている。
【0004】
また、この種の車両には、給電プラグの接続先であるインレットを開閉するリッドが車体に開閉可能に設けられ、バッテリを充電するときには、リッドを開いてインレットを露出させてから行う。この場合、リッドの不正な開操作を防止するために、閉じたリッドを閉状態にてロックするリッドロック装置を設けることが想定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、これらロック装置においてロック状態を手動解除する場合は、ロックを手動解除するためのアンロックスイッチが別途必要となる。このとき、仮に給電プラグロック装置及びリッドロック装置のそれぞれに、個別のアンロックスイッチを設けたとすると、部品点数が多くなってしまい、構成の簡素化に支障を来す問題があった。また、仮にスイッチが複数並ぶと、どちらを操作してよいのか分かり難くなるので、ユーザを困惑させる問題もあった。
【0007】
本発明の目的は、給電プラグロック装置及びリッドロック装置の両装置を搭載する場合であっても、全体の装置構成を簡素化することができるロック機器制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記問題点を解決するために、本発明では、インレットの収納室を開閉するリッドをリッドロック装置によって施錠可能であり、前記インレットに接続された給電プラグを給電プラグロック装置によって前記インレットにロック可能なロック機器制御装置であって、前記リッドロック装置及び前記給電プラグロック装置に共用される操作手段と、前記リッドの開閉を検出するリッド開閉検出手段と、前記リッドが閉状態のとき、前記操作手段を前記リッドロック装置に割り当て、前記リッドが開状態のとき、前記操作手段を前記給電プラグロック装置に割り当てる割当手段とを備えたことを要旨とする。
【0009】
本発明の構成によれば、1つの操作手段を、リッドロック装置及び給電プラグロック装置で共用するので、各ロック装置のそれぞれに、個別の操作手段を別途設ける必要がない。よって、リッドロック装置及び給電プラグロック装置の装置全体に係る部品点数が少なく済むので、全体構成を簡素化することが可能となる。
【0010】
本発明では、前記操作手段は、前記リッドロック装置の操作手段として機能するとき、当該リッドロック装置のアンロックスイッチとして機能し、前記給電プラグロック装置の操作手段として機能するとき、当該給電プラグロック装置の少なくともアンロックスイッチとして機能することを要旨とする。この構成によれば、アンロックスイッチが操作されたときにリッドロック装置や給電プラグロック装置がアンロック動作を実行するので、アンロック動作の必要がないときに、これら装置がアンロック動作を実行してしまう状況が少なく済む。よって、これら装置の製品寿命を確保することが可能となる。
【0011】
本発明では、前記操作手段は、前記インレットの収納室内に配置され、前記リッドが閉状態のときは、前記リッドを基準閉じ位置から更に奥に押し込むことにより、前記操作手段を該リッドにて操作可能であり、前記リッドが開状態のときは、前記操作手段を直に操作可能であることを要旨とする。この構成によれば、リッドが閉状態のときは、リッドごと奥に押し込むことでリッドロック装置がアンロックとなるので、ロックを解除するときの利便性がよいものとなる。また、操作手段がインレットの近傍に位置することになるので、給電プラグをインレットに接続するとき、ユーザは場所を大きく変えることなく操作手段を操作することが可能となる。よって、この点からも利便性がよいと言える。
【0012】
本発明では、電子キーと無線によりID照合する照合手段と、前記照合手段がID照合成立を確認することと、前記操作手段が操作されたこととを条件に、前記リッドロック装置又は前記給電プラグロックをアンロックする解錠手段とを備えたことを要旨とする。この構成によれば、電子キーとのID照合が成立することと、操作手段が操作されたこととの2条件が成立しなければ、リッドロック装置又は給電プラグロック装置のアンロック動作が許可されない。よって、不正アンロックを生じ難くすることが可能となる。
【0013】
本発明では、前記リッドロック装置がアンロックされたとき、前記リッドを自動で開き状態にする自動開動作手段を備えたことを要旨とする。この構成によれば、リッドロック装置がアンロックされたとき、リッドが自動で開くので、リッドの開操作をユーザに課さずに済み、利便性がよくなる。
【0014】
本発明では、前記リッドロック装置は、前記リッドが閉操作されたとき、該閉操作に連動して前記リッドの突起が被係止部に機械的に係止することによりロック状態をとり、当該ロック状態のとき、アンロック動作用に設けた駆動手段を通電すると、前記被係止部が前記突起から離間してアンロック状態をとることを要旨とする。この構成によれば、リッドが閉操作されるとき、この閉じ操作に連動してリッドロック装置が機械的にロック状態となるので、リッドロック装置をロック状態にするときの利便性を確保することが可能となる。
【0015】
本発明では、前記リッド開閉検出手段が前記リッドの開状態を検出してから前記操作手段が操作されるまでの経過時間を計測し、当該経過時間が閾値以上をとれば、前記リッドロック装置のアンロック動作を実行し、該経過時間が閾値未満であれば、前記リッドロック装置のアンロック動作を実行しない判断手段を備えたことを要旨とする。ところで、閉状態のリッド越しに操作手段を操作可能とする場合、リッドを開けるときと閉じるときとの両方で、リッド開閉検出手段がリッド閉を検出する状態下で操作手段が操作されたことを検出する状態が生じる。しかし、本構成によれば、リッド開とリッド閉とを区別することが可能となるので、正常な動作を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、給電プラグロック装置及びリッドロック装置の両装置を搭載する場合であっても、全体の装置構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態のロック機器制御装置のブロック図。
【図2】給電プラグをインレットに接続するときの外観を示す斜視図。
【図3】給電プラグをインレットに接続するときの外観を示す側面図。
【図4】ロック機器制御装置の分解斜視図。
【図5】リッドが開又は閉のときのロック機器制御装置を示す模式図。
【図6】(a)はアンロックスイッチを給電プラグロック装置用として使用する際の状態図、(b)はアンロックスイッチをリッドロック装置用として使用する際の状態図。
【図7】ロック機器制御装置の動作の流れを示す表。
【図8】(a)〜(d)はリッドを開操作する際の動作の流れを示す遷移図。
【図9】(a),(b)給電プラグロック装置の動作の様子を示す模式図。
【図10】アンロックスイッチ及びリッド開閉スイッチの動作タイミングを示すタイミングチャート。
【図11】(a)〜(e)はリッドを閉操作する際の動作の流れを示す遷移図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した給電プラグロック装置の一実施形態を図1〜図11に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車(以下、単に車両1と記す)には、車輪を回す動力をエンジン2及びモータ3にて発生させるハイブリッドシステム4が設けられている。ハイブリッドシステム4には、モータ3の電源としてバッテリ5が設けられている。車両1は、エンジン2の動力で発電してモータ3により走行するモード、エンジン2及びモータ3の両方を動力として走行するモード、モータ3のみで走行するモード等の各種モードにより走行する。
【0019】
車両1には、車両1からの通信を契機に電子キー6と狭域無線通信(通信距離:数m程度)にてID照合を行うキー操作フリーシステム7が搭載されている。キー操作フリーシステム7には、実際のキー操作を行うことなくドア開閉の一連の操作過程の中でドアロックが自動で施解錠される乗降車機能と、車内に設置されたエンジンスイッチ8を単に押し操作するのみでエンジンを始動停止することが可能なエンジン始動停止機能とがある。
【0020】
この場合、車両1には、電子キー6とのID照合を実行するキー照合装置9と、車両ドアのドアロック施解錠を実行するドアロック装置10とが設けられている。ハイブリッドシステム4、キー照合装置9及びドアロック装置10は、LAN(Local Area Network)やCAN(Controller Area Network)等のバス11を介して接続されている。なお、キー照合装置9が照合手段に相当する。
【0021】
キー照合装置9には、キー照合装置9の動作を統括制御する照合ECU(Electronic Control Unit)12が設けられている。照合ECU12のメモリには、電子キー6のIDコードが登録されている。照合ECU12には、車外にLF(Low Frequency)帯の電波を送信可能な車外発信機13と、車内にLF帯の電波を送信可能な車内発信機14と、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信可能な車両受信機15とが接続されている。車外発信機13及び車内発信機14は、電子キー6にID返信要求としてリクエスト信号Srqを断続的に送信して、スマート通信を実行する。
【0022】
電子キー6には、キー側の通信動作を制御するキー制御部16が設けられている。キー制御部16のメモリには、電子キー6のIDコードが登録されている。電子キー6には、LF電波を受信可能な受信部17と、UHF電波を送信可能な送信部18とが接続されている。
【0023】
電子キー6が車外に位置するとき、車外発信機13は、リクエスト信号Srqを断続的に車外に送信して、車外スマート通信を実行する。電子キー6が車外通信エリアに進入してリクエスト信号Srqを受信すると、電子キー6はリクエスト信号Srqによって起動し、ID信号SidをUHF電波によって送信する。照合ECU12は、ID信号Sidを車両受信機15で受信すると、自身に登録したIDコードによりID照合(スマート照合)として車外照合を行い、車外照合が成立すると、ドアロック装置10によるドアロック施解錠を許可又は実行させる。
【0024】
ユーザの乗車が例えば車両1のカーテシスイッチ(図示略)により検出されると、車外発信機13に代えて、今度は車内発信機14からリクエスト信号Srqの送信が開始される。そして、車内の電子キー6と車両1との間でID照合(スマート照合)として車内照合を行い、車内照合が成立すると、プッシュモーメンタリ式のエンジンスイッチ8による車両電源遷移操作及びエンジン始動操作が許可される。
【0025】
車両1には、外部電源にてバッテリ5を充電する充電システム19が設けられている。充電システム19は、例えば街の一角に設置された充電スタンドや住宅の商用電源などを充電設備20として、充電設備20の充電ケーブル21の先端に設けられた給電プラグ23を車両1に接続して、バッテリ5を充電する。
【0026】
図1及び図2に示すように、車体24の側壁には、給電プラグ23の接続箇所として受電コネクタ25が設けられている。受電コネクタ25は、横開き式のリッド26によって開閉される収納室27に収納されている。受電コネクタ25には、電気接続端子(パワー端子、制御端子等)を有するインレット28が設けられている。インレット28には、給電プラグ23が完挿されたことを検出するプラグ接続検出センサ29が設けられている。
【0027】
図2及び図3に示すように、給電プラグ23は、充電システム19の電源側であって、インレット28に接続される電気接続端子が設けられている。給電プラグ23のプラグ本体23aには、接続時の抜け止めとしてロックアーム30が揺動可能に取り付けられている。ロックアーム30は、長手方向中央を回動軸31として、長手方向と交差する方向に揺動する。ロックアーム30は、先端の爪部32と根元の操作部33とがプラグ本体23aの外部に露出されている。ロックアーム30において操作部33寄りの位置には、ロックアーム30を閉じ側に常時付勢する付勢部材34が設けられている。
【0028】
給電プラグ23を受電コネクタ25に接続する際には、給電プラグ23を受電コネクタ25へ挿入方向(図3の−Y軸方向)に真っ直ぐ挿し込む。このとき、爪部32がインレット28の突部35に当接すると、ロックアーム30は斜面35aに案内されて突部35を上る。そして、給電プラグ23がインレット28に完挿されると、付勢部材34の付勢力によってロックアーム30が閉じ側に揺動する。このため、爪部32が突部35に引っ掛かって、給電プラグ23がインレット28に抜け止めされる。
【0029】
ハイブリッドシステム4は、インレット28に給電プラグ23が完挿されたことをプラグ接続検出センサ29により検出すると、給電プラグ23に充電開始要求を出力する。給電プラグ23は、ハイブリッドシステム4から充電開始要求を入力すると、受電コネクタ25に電流を流して、バッテリ5を充電する。ハイブリッドシステム4は、バッテリ5が満充電されたことを確認すると、充電終了要求を給電プラグ23に出力する。給電プラグ23は、ハイブリッドシステム4から充電終了要求を入力すると、受電コネクタ25への電流供給を停止し、充電を終了する。
【0030】
給電プラグ23をインレット28から取り外す際には、操作部33を押してロックアーム30を開き側に揺動させ、突部35から離間させる。そして、この状態で給電プラグ23をインレット28から真っ直ぐ引き抜くことで、車両1から取り外す。
【0031】
図1に示すように、受電コネクタ25には、インレット28に接続された給電プラグ23の不正な取り外しを防止する給電プラグロック装置36が設けられている。給電プラグロック装置36には、ロックアーム30の操作を制限することで給電プラグ23をインレット28に固定可能なロックバー37が設けられている。ロックバー37は、例えば装置幅方向(図2のX軸方向)に直線往復動可能であって、ロックアーム30の爪部32の真上に位置してロックアーム30の操作を不可とするロック位置と、ロックアーム30から離間してロックアーム30の操作を許容するアンロック位置との2位置をとる。
【0032】
給電プラグロック装置36には、ロックバー37の動作駆動源としてプラグロックアクチュエータ38が設けられている。プラグロックアクチュエータ38には、例えばモータが使用され、ギヤ等の連結機構(図示略)を介してロックバー37に連結されている。そして、例えばプラグロックアクチュエータ38が一方向(ロック方向)に動作してロックバー37がロック位置に位置すると、給電プラグ23がインレット28にロックされる。一方、プラグロックアクチュエータ38が他方向(アンロック方向)に動作してロックバー37がアンロック位置に位置すると、給電プラグ23がインレット28に対してアンロックされる。
【0033】
図1、図4及び図5に示すように、車両1には、受電コネクタ25(インレット28)の蓋をなすリッド26を施解錠するリッドロック装置39が設けられている。この場合、車体24には、受電コネクタ25の枠体40が取り付けられ、この枠体40にリッド26がヒンジ機構41を介して連結されている。リッド26は、ヒンジ機構41のリッド回転軸42回りに横開きする。リッド26の裏面には、閉時のインレット28の防水性を確保する蓋部43が着脱可能に取り付けられている。
【0034】
リッド回転軸42には、リッド26に自動で開動作させるリッド自動オープン用付勢部材44が取り付けられている。リッド自動オープン用付勢部材44は、例えばトーションばねが使用されている。また、リッド回転軸42には、リッド26が勢いよく開いてしまわないようにダンパー45が取り付けられている。リッド26の裏面には、リッド26の開閉方向に突出するリッド突起46が突設されている。一方、枠体40には、リッド26を閉じたときにリッド突起46を挿し込み可能な突起挿込部47が貫設されている。なお、リッド自動オープン用付勢部材44が自動開動作手段に相当し、リッド突起46が突起に相当する。
【0035】
突起挿込部47には、リッド突起46の先端の爪部46aと協同してリッド26の閉状態を維持するリッドロック48が設けられている。リッドロック48には、筒状の筐体49が設けられ、筐体49の内部に、棒状のリッドロック用ピン50がリッド26の開閉方向に対して交差する方向に直線往復移動可能、かつ抜け止めされた状態で収納されている。リッドロック用ピン50には、リッドロック用ピン50を突出側に常時付勢する付勢部材51が取り付けられている。このため、リッドロック用ピン50は、付勢部材51の付勢力によってロック方向(図4の矢印K1方向)に直線移動し、付勢部材51の付勢力に抗してアンロック方向(図4の矢印K2方向)に直線移動する。付勢部材51は、例えばコイルばねが使用され、一端がリッドロック用ピン50に係止されるとともに、他端が筐体49の内壁面に固定されている。なお、リッドロック48が被係止部に相当する。
【0036】
リッドロック用ピン50には、ケーブル52を介してリッドロックアクチュエータ53が接続されている。リッドロックアクチュエータ53は、例えばソレノイドが使用されている。リッドロックアクチュエータ53は、非通電のとき、リッドロック用ピン50を突出位置に位置させ、通電されたとき、ケーブル52によりリッドロック用ピン50を引込位置に引き込む。リッドロック用ピン50は、リッドロックアクチュエータ53が非通電のとき、装置高さ方向(図4のZ軸方向)の直線往復移動が許容されている。なお、リッドロックアクチュエータ53が駆動手段に相当する。
【0037】
突起挿込部47の奥には、リッド26の開閉状態を検出するリッド開閉検出スイッチ54が設けられている。リッド開閉検出スイッチ54は、例えばモーメンタリ式のスライドスイッチ(マイクロスイッチ)が使用されている。リッド開閉検出スイッチ54には、突起挿込部47内を直線往復移動するスライドピース55と、スライドピース55によってオン/オフされるスイッチ接点56と、これらを保護するカバー57とが設けられている。突起挿込部47の内壁とスライドピース55の背面との間には、スライドピース55をリッド突起46側(図5のY軸方向)に常時付勢する付勢部材58が介装されている。突起挿込部47の底面には、スライドピース55の抜け止め部59が突設されている。なお、リッド開閉検出スイッチ54がリッド開閉検出手段に相当する。
【0038】
リッド26が開状態のとき、スライドピース55は、付勢部材58の付勢力によって突出位置をとる。このとき、スライドピース55の端子55aがスイッチ接点56の接点部56aから離間するので、リッド開閉検出スイッチ54はオフ信号を出力する。また、リッド26が閉状態のとき、リッド突起46は、スライドピース55を奥の押込位置に押し込む。このため、端子55aが接点部56aに接触するので、リッド開閉検出スイッチ54はオン信号を出力する。
【0039】
図4に示すように、枠体40の裏面には、受電コネクタ25(リッド26)の周囲において電子キー6とスマート通信する車外発信機(受電コネクタ用車外発信機)13aが設けられている。車外発信機13aは、車両ドア付近に設置された他の車外発信機13とともに、スマート通信を実行する。そして、これら車外発信機13,13aのいずれかで車外照合が成立すれば、キー照合が成立として処理される。
【0040】
本例の受電コネクタ25は、1つのスイッチ(アンロックスイッチ60)を、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39の共用のアンロックスイッチとして使用する。本例の場合、リッド26が閉状態のとき、アンロックスイッチ60が給電プラグロック装置36のアンロックスイッチとして機能し、リッド26が開状態のとき、アンロックスイッチ60が給電プラグロック装置36のアンロックスイッチとして機能する。なお、アンロックスイッチ60が操作手段に相当する。
【0041】
図4及び図5に示すように、アンロックスイッチ60は、枠体40に取り付けられるとともに、例えばモーメンタリ式のマイクロスイッチが使用されている。枠体40には、開口孔40aが設けられ、この開口孔40aからアンロックスイッチ60のノブ部61が外部に露出されている。また、リッド26の裏面には、ノブ部61を押し込み可能なノブ押込部62が突設されている。ノブ押込部62の背面には、ノブ押込部62を後から押す付勢部材61aが介装されている。図6に示すように、ノブ部61は、リッド26が開状態のとき、ユーザの手等で直に押し操作可能であり、リッド26が閉状態のとき、基準閉じ位置から更に奥のオーバーストローク位置に押し込まれたリッド26の裏面(ノブ押込部62)でも押し操作可能である。
【0042】
図1に示すように、受電コネクタ25には、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39のロック/アンロックの動作を管理するロックコントローラ63が設けられている。ロックコントローラ63には、バス11を介してキー照合装置9やドアロック装置10が接続されている。また、ロックコントローラ63には、プラグ接続検出センサ29、プラグロックアクチュエータ38、リッドロックアクチュエータ53、リッド開閉検出スイッチ54及びアンロックスイッチ60が接続されている。
【0043】
ロックコントローラ63には、リッド26の開閉状態に応じてアンロックスイッチ60にスイッチ機能を割り当てるスイッチ機能割当部64が設けられている。スイッチ機能割当部64は、リッド開閉検出スイッチ54から入力するスイッチ信号を基に、アンロックスイッチ60のスイッチ機能を設定する。例えば、スイッチ機能割当部64は、リッド26が閉状態のとき、アンロックスイッチ60をリッドロック装置39のアンロックスイッチとして機能させ、リッド26が開状態のとき、アンロックスイッチ60を給電プラグロック装置36のアンロックスイッチとして機能させる。なお、スイッチ機能割当部64が割当手段に相当する。
【0044】
ロックコントローラ63には、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39のロック/アンロックの動作を制御する動作制御部65が設けられている。動作制御部65は、プラグ接続検出センサ29からオン信号を入力し、かつドアロック装置10がドアロック信号を入力すると、プラグロックアクチュエータ38をロック動作させて、給電プラグロック装置36をロック状態にする。
【0045】
一方、動作制御部65は、給電プラグロック装置36のアンロックスイッチとして機能しているアンロックスイッチ60からオン信号を入力し、かつ照合ECU12からスマート照合成立済み通知を入力すると、給電プラグロック装置36をアンロック状態にする。つまり、動作制御部65は、この条件が成立したことを確認すると、プラグロックアクチュエータ38をアンロック動作させて、給電プラグロック装置36をアンロック状態にする。
【0046】
動作制御部65は、リッドロック装置39のアンロックスイッチとして機能しているアンロックスイッチ60からオン信号を入力し、かつ照合ECU12からスマート照合成立済み通知を入力すると、リッドロック装置39をアンロック状態にする。つまり、動作制御部65は、この条件が成立したことを確認すると、リッドロックアクチュエータ53を通電して、リッドロック装置39をアンロック状態にする。なお、動作制御部65が解錠手段及び判断手段を構成する。
【0047】
次に、本例の充電システム19の動作を、図7の動作表66の流れに沿い、図8〜図11を用いて説明する。
図8(a)に、閉状態のリッド26を示す。このとき、リッドロック用ピン50が突出位置をとり、リッド突起46と係止するので、リッド26は基準閉じ位置で維持される。また、リッド開閉検出スイッチ54は、オン状態をとり、アンロックスイッチ60は、オフ状態をとる。よって、スイッチ機能割当部64は、リッド開閉検出スイッチ54からオフ信号を入力するので、アンロックスイッチ60をリッドロック装置39のアンロックスイッチとして機能させる。
【0048】
リッド26を開けるとき、ユーザは電子キー6を所持して車両1(リッド26)に近づく。このとき、受電コネクタ25に設置された車外発信機13a(車両ドアの車外発信機13でも可)の通信エリアに電子キー6が進入すると、車外発信機13aから送信されたリクエスト信号Srqを契機に車外照合が実行される。そして、ユーザが正規キーを所持していれば、車外照合が成立する。
【0049】
図8(b)に示すように、リッド26を開くには、基準閉じ位置に位置するリッド26を、手で押し操作してオーバーストローク位置まで深く押し込む。このとき、ノブ押込部62がアンロックスイッチ60のノブ部61を押し、アンロックスイッチ60がオンする。動作制御部65は、アンロックスイッチ60からオン信号を入力すると、照合ECU12にスマート照合(車外照合、車内照合のどちらでも可)の成立結果を確認する。リッド26をオーバーストローク位置に押した後は、リッド26から手を離す。
【0050】
図8(c)に示すように、動作制御部65は、リッドロック装置39のアンロックスイッチとして機能するアンロックスイッチ60からオン信号を入力し、かつスマート照合が成立済みであることを確認すると、リッドロックアクチュエータ53を所定時間(2秒程度)、通電して、リッドロック用ピン50を突出位置から引込位置に引き込む。すると、リッド突起46とリッドロック用ピン50との係止が外れ、リッド自動オープン用付勢部材44の付勢力によって、リッド26が自動で開動作する。リッド26が開くと、リッド開閉検出スイッチ54はオフする。
【0051】
図8(d)に示すように、リッドロックアクチュエータ53の通電が停止すると、リッドロック用ピン50は、付勢部材51の付勢力によって、引込位置から元の突出位置に復帰する。なお、リッドロックアクチュエータ53が非通電のとき、突出位置にあるリッドロック用ピン50は上から押せば下がり、押す力がなくなると、付勢部材51の付勢力にて突出位置に復帰する動きをとる。
【0052】
リッド26の開操作後、バッテリ5を充電するには、給電プラグ23をインレット28に挿し込む。また、給電プラグロック装置36のロック動作は、車両ドアのドアロック連動となっているので、給電プラグロック装置36をロック状態にするには、車両ドアをドアロックする。ドアロック装置10は、車両ドアのドアロックを実行すると、ドアロック信号を動作制御部65に出力する。
【0053】
動作制御部65は、プラグ接続検出センサ29からオン信号を入力し、ドアロック装置10からドアロック信号を入力すると、プラグロックアクチュエータ38にロック動作を実行させ、給電プラグロック装置36をロック状態にする。よって、図9(a)に示すように、ロックバー37がロックアーム30の上方に位置するので、ロックアーム30の操作が規制され、給電プラグ23がインレット28にロックされる。このため、充電中、ユーザが車両1から立ち去っても問題ない。
【0054】
充電を終了するとき、ユーザは電子キー6を所持して車両1(リッド26)に再度近づく。このとき、受電コネクタ25に設置された車外発信機13a(車両ドアの車外発信機13でも可)の通信エリアに電子キー6が進入すると、車外照合が成立する。
【0055】
ところで、本例の場合、スイッチ機能割当部64は、リッド開閉検出スイッチ54からオフ信号を入力した時点で、アンロックスイッチ60のスイッチ機能を、給電プラグロック装置36のアンロックスイッチに切り換えている。つまり、リッド開閉検出スイッチ54がオフとなった時点で、アンロックスイッチ60は、それまでのリッドロック装置39用のアンロックスイッチから、給電プラグロック装置36用のアンロックスイッチに切り換わっている。
【0056】
よって、図6(a)に示すように、給電プラグロック装置36をアンロック状態にするには、給電プラグロック装置36用のアンロックスイッチとして機能するアンロックスイッチ60のノブ部61を手で直に押し操作する。動作制御部65は、アンロックスイッチ60からオン信号を入力すると、照合ECU12にスマート照合(車外照合、車内照合のどちらでも可)の成立結果を確認する。
【0057】
動作制御部65は、給電プラグロック装置36のアンロックスイッチとして機能するアンロックスイッチ60からオン信号を入力し、かつスマート照合が成立済みであることを確認すると、プラグロックアクチュエータ38にアンロック動作を実行させ、給電プラグロック装置36をアンロック状態にする。よって、図9(b)に示すように、ロックバー37がロックアーム30から離間するので、ロックアーム30の操作が許可される。従って、充電完了後は、ロックアーム30を押し操作して、給電プラグ23をインレット28から引き抜く。
【0058】
図11(a)に示すように、充電完了後、リッド26を閉じるには、開状態のリッド26を手で押し込む。ところで、リッドロックアクチュエータ53が非通電のときは、リッドロック用ピン50が突出位置から外力によって下に移動することが可能である。よって、図11(b)に示すように、リッド26の閉じ過程でリッド突起46がリッドロック用ピン50に至ると、リッド突起46がリッドロック用ピン50を押し下げながら、リッド26は閉動作を継続する。
【0059】
図11(c)に示すように、リッド突起46の先端の爪部46aがリッドロック用ピン50を完全に乗り越えると、リッドロック用ピン50は、爪部46aによる押し込みから開放されるので、付勢部材51の付勢力によって元の突出位置に復帰する。このため、爪部46aとリッドロック用ピン50とが係止するので、リッドロック装置39がロック状態となる。また、爪部46aがリッド開閉検出スイッチ54のスライドピース55を押すと、リッド開閉検出スイッチ54がオンとなる。
【0060】
図11(d)に示すように、リッド26を閉じる際の押し操作は、リッド26の最大押し込み位置であるオーバーストローク位置まで行われる。よって、リッド26の閉じ操作は、爪部46aとリッドロック用ピン50が係止した後も継続される。そして、リッド26のオーバーストローク位置への移動過程でアンロックスイッチ60がオンするとともに、リッド26がオーバーストローク位置をとると、リッド26がその位置で止まる。
【0061】
ところで、リッド26を閉じるときは、リッド26を開くときと同様に、リッド開閉検出スイッチ54及びアンロックスイッチ60が、同時にオンする状況が生じる。しかし、図10に示すように、リッド26を閉じるときは、リッド開閉検出スイッチ54がオンした後、直ぐにアンロックスイッチ60がオンになるのに対し、リッド26の開操作は、リッド26が閉じられてから長い時間が経過した後に行われるはずである。
【0062】
よって、動作制御部65は、リッド開閉検出スイッチ54がオンしてからの経過時間を計時し、リッド開閉検出スイッチ54がオンの状況下でアンロックスイッチ60がオンしたとき、経過時間が設定時間Tk(約2秒程度)未満であれば、リッドロックアクチュエータ53への通電は実行せず、リッドロック装置39をロック状態にする。一方、動作制御部65は、経過時間が設定時間Tk以上であれば、リッドロックアクチュエータ53を通電して、リッドロック装置39をアンロック状態にする。なお、設定時間Tkが閾値に相当する。
【0063】
図11(e)に示すように、リッド26をオーバーストローク位置まで深く押し込んだ後、ユーザはリッド26から手を離す。このとき、リッド26はリッド自動オープン用付勢部材44の付勢力によって開き側に動作するとともに、リッド突起46がリッドロック用ピン50に係止する。よって、リッド26は、基準閉じ位置で保持されながらロック状態をとる。リッド26が基準閉じ位置に位置すると、アンロックスイッチ60はオフに戻る。
【0064】
以上により、本例においては、アンロックスイッチ60を給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39の共用スイッチとしたので、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39に各々個別のアンロックスイッチを設けた場合と比較して、部品点数を少なく抑えることが可能となる。よって、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39の全体構成を簡素化することが可能となる。また、同じようなアンロックスイッチが複数並ばずに済むので、操作間違いも生じ難くすることが可能となる。
【0065】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)1つのアンロックスイッチ60を給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39の両方で共用するので、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39の装置全体に係る構成を簡素化することができる。
【0066】
(2)仮に、給電プラグロック装置36のアンロック動作を車両ドアのドアアンロック動作に連動することもできるが、この場合はインレット28に給電プラグ23が接続されているかどうかにかかわらず、車両ドアがアンロックされる度に給電プラグロック装置36がアンロック動作を実行してしまい、製品寿命に影響が生じる。しかし、本例の場合は、アンロックスイッチ60が操作されたときにのみ給電プラグロック装置36がアンロック動作を実行するので、無駄なアンロック動作を実行させずに済み、製品寿命を確保することができる。また、これはリッドロック装置39でも同様に言える。
【0067】
(3)リッド26の収納室27内にアンロックスイッチ60を配置し、リッド26が閉状態のときはリッド26を奥に押すことでリッド26越しにアンロックスイッチ60を操作可能とし、リッド26が開状態のときはアンロックスイッチ60を直に押し操作可能とした。このため、リッド26を開操作するときは、閉状態のリッド26を押すという感覚的に分かり易い操作でリッドロック装置39をアンロック状態にすることができる。また、アンロックスイッチ60がインレット28の近傍に位置することになるので、給電プラグ23をインレット28から取り外すとき、ユーザは場所を大きく変えずにアンロックスイッチ60を操作することが可能であるので、この点からも利便性がよいと言える。
【0068】
(4)給電プラグロック装置36やリッドロック装置39のアンロック動作の開始条件を、スマート照合が成立することと、アンロックスイッチ60が押し操作されたこととの2条件とした。よって、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39において不正アンロックを生じ難くすることができる。
【0069】
(5)リッド26にリッド自動オープン用付勢部材44を設けたので、リッドロック装置39がアンロックされたとき、リッド26が自動で開状態をとる。よって、リッド26の開操作をユーザに課さずに済むので、利便性をよくすることができる。
【0070】
(6)リッドロック装置39のロック動作を、リッド突起46及びリッドロック用ピン50による機械的な構成としたので、リッド26が閉操作されるとき、この閉じ操作に連動してリッドロック装置39が機械的にロック状態となる。このため、リッドロック装置39をロック状態にするとき、別の操作部材を別途操作する必要がないので、ロック状態に切り換えるときの利便性をよくすることができる。
【0071】
(7)リッド開閉検出スイッチ54及びアンロックスイッチ60がともにオンしたとき、リッド開閉検出スイッチ54がオンした後にアンロックスイッチ60がオンするまでの経過時間を計時し、この経過時間と設定時間Tkとを比較することにより、現在の状況がリッド26を開けるときなのか閉じるときなのかを判別する。よって、リッド26の開又は閉を、精度よく区分けすることができ、リッドロック装置39の好適な動作を確保することができる。
【0072】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・バッテリ5の充電開始条件は、適宜変更可能である。例えば、プラグ接続検出センサ29がインレット28への給電プラグ23の挿し込みを検出し、かつ電子キー6とID照合が成立することを充電開始条件としてもよい。
【0073】
・バッテリ5の充電停止は、車両内のスイッチを切ることで行ってもよい。
・給電プラグロック装置36の構造は、実施形態に述べたものに限定されず、適宜変更可能である。
【0074】
・給電プラグロック装置36は、ロックが手動操作により実行されるものでもよい。
・給電プラグロック装置36は、ロックバー37が給電プラグ23の孔に挿し込まれてロック状態をとるものでもよい。
【0075】
・リッドロック装置39の構造は、実施形態に述べたものに限定されず、例えばロック及びアンロックともモータにより行う構造のものなどに適宜変更可能である。
・給電プラグロック装置36やリッドロック装置39のアンロック動作は、アンロックスイッチ60の操作により機械的に行われるものでもよい。
【0076】
・給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39のロック/アンロックの開始条件は、実施形態の例に限定されず、適宜変更可能である。
・キーシステムは、キー操作フリーシステム7に限定されない。例えば、電子キー6からの通信を契機にID照合を行うワイヤレスキーシステムや、通信にNFC(Near Field Communication)等の近距離通信を用いる近距離無線認証システムとしてもよい。また、メカニカルキーを使用したシステムでもよい。また、車両1にキー操作フリーシステム7及びワイヤレスキーシステムの両方を搭載してもよい。
【0077】
・車両1がワイヤレスキーシステムを備える場合、電子キー6の遠隔操作によってリッド26を開操作可能としてもよい。この場合、電子キー6にリッド開操作用ボタンを設け、このボタンが操作されると、電子キー6からリッド開用のワイヤレス信号が送信される。ワイヤレス信号には、電子キー6のIDコードと、リッド開動作を指示する機能コードとが含まれる。照合ECU12は、このワイヤレス信号を車両受信機15で受信すると、ID照合を行い、ID照合が成立すれば、リッド開要求を動作制御部65に出力する。動作制御部65は、照合ECU12からリッド開要求を入力すると、リッドロック48のリッドロック用ピン50を引いて、リッド26を開状態に切り換える。よって、電子キー6による遠隔操作によっても、リッド26を開けることができる。
【0078】
・アンロックスイッチ60の配置場所は、リッド26の収納室27に限定されず、例えば運転席の下など、適宜変更可能である。
・操作手段は、アンロックスイッチ60に限定されず、ロックスイッチとしてもよい。また、操作手段が操作される度に、ロックとアンロックとが交互に切り換わるものでもよい。
【0079】
・操作手段は、押し操作式(プッシュ式)に限定されず、例えば回転式としてもよい。
・給電プラグロック装置36やリッドロック装置39の駆動手段は、モータに限定されず、例えばソレノイドを使用してもよい。
【0080】
・ロックコントローラ63は、例えば給電プラグロック装置36やリッドロック装置39に部品として一体組み込みされていてもよい。
・リッド開閉検出手段は、マイクロスイッチに限定されず、センサを使用してもよい。
【0081】
・操作手段は、マイクロスイッチに限定されず、センサを使用してもよい。
・自動開動作手段は、ばね部材に限定されず、例えばモータを使用してもよい。
・リッド自動オープン用付勢部材44を省略し、ユーザが自らリッド26を開操作するものでもよい。
【0082】
・車両1は、ハイブリッド車に限定されず、例えばモータのみで走行する電気自動車でもよい。
・給電プラグロック装置36は、車両1に適用されることに限らず、他の装置や機器に応用してもよい。
【符号の説明】
【0083】
6…電子キー、9…照合手段としてのキー照合装置、23…給電プラグ、26…リッド、27…収納室、28…インレット、36…給電プラグロック装置、39…リッドロック装置、44…自動開動作手段としてのリッド自動オープン用付勢部材、46…突起としてのリッド突起、48…被係止部としてのリッドロック、53…駆動手段としてのリッドロックアクチュエータ、54…リッド開閉検出手段としてのリッド開閉検出スイッチ、60…操作手段としてのアンロックスイッチ、64…割当手段としてのスイッチ機能割当部、65…解錠手段及び判断手段を構成する動作制御部、Tk…閾値として設定時間。
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッドロック装置及び給電プラグ装置の両装置の動作を制御するロック機器制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への意識の高まりから、二酸化炭素の排出量の少ない車両として、例えばハイブリッド車や電気自動車等の普及が進んでいる。これら車両は、バッテリの電力でモータを回転させ、モータの駆動力により走行するものである。よって、長距離走行してバッテリの残量が減ると、その度にバッテリを充電しなくてはならない(特許文献1等参照)。
【0003】
ところで、バッテリ充電は、バッテリの構成要素である電池セルで化合物やイオンの電解反応を伴うため、充電時間が相対的に長くかかる現状がある。よって、バッテリ充電中、仮に車両から立ち去ってしまうと、その隙に第三者によって給電プラグを付け替えられるなどして、電力を盗電される可能性も否めない。従って、バッテリ充電可能な車両では、給電プラグを車両に挿し込んだ際、給電プラグが不正に車両から引き抜かれないようにロック装置を搭載することが検討されている。
【0004】
また、この種の車両には、給電プラグの接続先であるインレットを開閉するリッドが車体に開閉可能に設けられ、バッテリを充電するときには、リッドを開いてインレットを露出させてから行う。この場合、リッドの不正な開操作を防止するために、閉じたリッドを閉状態にてロックするリッドロック装置を設けることが想定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、これらロック装置においてロック状態を手動解除する場合は、ロックを手動解除するためのアンロックスイッチが別途必要となる。このとき、仮に給電プラグロック装置及びリッドロック装置のそれぞれに、個別のアンロックスイッチを設けたとすると、部品点数が多くなってしまい、構成の簡素化に支障を来す問題があった。また、仮にスイッチが複数並ぶと、どちらを操作してよいのか分かり難くなるので、ユーザを困惑させる問題もあった。
【0007】
本発明の目的は、給電プラグロック装置及びリッドロック装置の両装置を搭載する場合であっても、全体の装置構成を簡素化することができるロック機器制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記問題点を解決するために、本発明では、インレットの収納室を開閉するリッドをリッドロック装置によって施錠可能であり、前記インレットに接続された給電プラグを給電プラグロック装置によって前記インレットにロック可能なロック機器制御装置であって、前記リッドロック装置及び前記給電プラグロック装置に共用される操作手段と、前記リッドの開閉を検出するリッド開閉検出手段と、前記リッドが閉状態のとき、前記操作手段を前記リッドロック装置に割り当て、前記リッドが開状態のとき、前記操作手段を前記給電プラグロック装置に割り当てる割当手段とを備えたことを要旨とする。
【0009】
本発明の構成によれば、1つの操作手段を、リッドロック装置及び給電プラグロック装置で共用するので、各ロック装置のそれぞれに、個別の操作手段を別途設ける必要がない。よって、リッドロック装置及び給電プラグロック装置の装置全体に係る部品点数が少なく済むので、全体構成を簡素化することが可能となる。
【0010】
本発明では、前記操作手段は、前記リッドロック装置の操作手段として機能するとき、当該リッドロック装置のアンロックスイッチとして機能し、前記給電プラグロック装置の操作手段として機能するとき、当該給電プラグロック装置の少なくともアンロックスイッチとして機能することを要旨とする。この構成によれば、アンロックスイッチが操作されたときにリッドロック装置や給電プラグロック装置がアンロック動作を実行するので、アンロック動作の必要がないときに、これら装置がアンロック動作を実行してしまう状況が少なく済む。よって、これら装置の製品寿命を確保することが可能となる。
【0011】
本発明では、前記操作手段は、前記インレットの収納室内に配置され、前記リッドが閉状態のときは、前記リッドを基準閉じ位置から更に奥に押し込むことにより、前記操作手段を該リッドにて操作可能であり、前記リッドが開状態のときは、前記操作手段を直に操作可能であることを要旨とする。この構成によれば、リッドが閉状態のときは、リッドごと奥に押し込むことでリッドロック装置がアンロックとなるので、ロックを解除するときの利便性がよいものとなる。また、操作手段がインレットの近傍に位置することになるので、給電プラグをインレットに接続するとき、ユーザは場所を大きく変えることなく操作手段を操作することが可能となる。よって、この点からも利便性がよいと言える。
【0012】
本発明では、電子キーと無線によりID照合する照合手段と、前記照合手段がID照合成立を確認することと、前記操作手段が操作されたこととを条件に、前記リッドロック装置又は前記給電プラグロックをアンロックする解錠手段とを備えたことを要旨とする。この構成によれば、電子キーとのID照合が成立することと、操作手段が操作されたこととの2条件が成立しなければ、リッドロック装置又は給電プラグロック装置のアンロック動作が許可されない。よって、不正アンロックを生じ難くすることが可能となる。
【0013】
本発明では、前記リッドロック装置がアンロックされたとき、前記リッドを自動で開き状態にする自動開動作手段を備えたことを要旨とする。この構成によれば、リッドロック装置がアンロックされたとき、リッドが自動で開くので、リッドの開操作をユーザに課さずに済み、利便性がよくなる。
【0014】
本発明では、前記リッドロック装置は、前記リッドが閉操作されたとき、該閉操作に連動して前記リッドの突起が被係止部に機械的に係止することによりロック状態をとり、当該ロック状態のとき、アンロック動作用に設けた駆動手段を通電すると、前記被係止部が前記突起から離間してアンロック状態をとることを要旨とする。この構成によれば、リッドが閉操作されるとき、この閉じ操作に連動してリッドロック装置が機械的にロック状態となるので、リッドロック装置をロック状態にするときの利便性を確保することが可能となる。
【0015】
本発明では、前記リッド開閉検出手段が前記リッドの開状態を検出してから前記操作手段が操作されるまでの経過時間を計測し、当該経過時間が閾値以上をとれば、前記リッドロック装置のアンロック動作を実行し、該経過時間が閾値未満であれば、前記リッドロック装置のアンロック動作を実行しない判断手段を備えたことを要旨とする。ところで、閉状態のリッド越しに操作手段を操作可能とする場合、リッドを開けるときと閉じるときとの両方で、リッド開閉検出手段がリッド閉を検出する状態下で操作手段が操作されたことを検出する状態が生じる。しかし、本構成によれば、リッド開とリッド閉とを区別することが可能となるので、正常な動作を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、給電プラグロック装置及びリッドロック装置の両装置を搭載する場合であっても、全体の装置構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態のロック機器制御装置のブロック図。
【図2】給電プラグをインレットに接続するときの外観を示す斜視図。
【図3】給電プラグをインレットに接続するときの外観を示す側面図。
【図4】ロック機器制御装置の分解斜視図。
【図5】リッドが開又は閉のときのロック機器制御装置を示す模式図。
【図6】(a)はアンロックスイッチを給電プラグロック装置用として使用する際の状態図、(b)はアンロックスイッチをリッドロック装置用として使用する際の状態図。
【図7】ロック機器制御装置の動作の流れを示す表。
【図8】(a)〜(d)はリッドを開操作する際の動作の流れを示す遷移図。
【図9】(a),(b)給電プラグロック装置の動作の様子を示す模式図。
【図10】アンロックスイッチ及びリッド開閉スイッチの動作タイミングを示すタイミングチャート。
【図11】(a)〜(e)はリッドを閉操作する際の動作の流れを示す遷移図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した給電プラグロック装置の一実施形態を図1〜図11に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車(以下、単に車両1と記す)には、車輪を回す動力をエンジン2及びモータ3にて発生させるハイブリッドシステム4が設けられている。ハイブリッドシステム4には、モータ3の電源としてバッテリ5が設けられている。車両1は、エンジン2の動力で発電してモータ3により走行するモード、エンジン2及びモータ3の両方を動力として走行するモード、モータ3のみで走行するモード等の各種モードにより走行する。
【0019】
車両1には、車両1からの通信を契機に電子キー6と狭域無線通信(通信距離:数m程度)にてID照合を行うキー操作フリーシステム7が搭載されている。キー操作フリーシステム7には、実際のキー操作を行うことなくドア開閉の一連の操作過程の中でドアロックが自動で施解錠される乗降車機能と、車内に設置されたエンジンスイッチ8を単に押し操作するのみでエンジンを始動停止することが可能なエンジン始動停止機能とがある。
【0020】
この場合、車両1には、電子キー6とのID照合を実行するキー照合装置9と、車両ドアのドアロック施解錠を実行するドアロック装置10とが設けられている。ハイブリッドシステム4、キー照合装置9及びドアロック装置10は、LAN(Local Area Network)やCAN(Controller Area Network)等のバス11を介して接続されている。なお、キー照合装置9が照合手段に相当する。
【0021】
キー照合装置9には、キー照合装置9の動作を統括制御する照合ECU(Electronic Control Unit)12が設けられている。照合ECU12のメモリには、電子キー6のIDコードが登録されている。照合ECU12には、車外にLF(Low Frequency)帯の電波を送信可能な車外発信機13と、車内にLF帯の電波を送信可能な車内発信機14と、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信可能な車両受信機15とが接続されている。車外発信機13及び車内発信機14は、電子キー6にID返信要求としてリクエスト信号Srqを断続的に送信して、スマート通信を実行する。
【0022】
電子キー6には、キー側の通信動作を制御するキー制御部16が設けられている。キー制御部16のメモリには、電子キー6のIDコードが登録されている。電子キー6には、LF電波を受信可能な受信部17と、UHF電波を送信可能な送信部18とが接続されている。
【0023】
電子キー6が車外に位置するとき、車外発信機13は、リクエスト信号Srqを断続的に車外に送信して、車外スマート通信を実行する。電子キー6が車外通信エリアに進入してリクエスト信号Srqを受信すると、電子キー6はリクエスト信号Srqによって起動し、ID信号SidをUHF電波によって送信する。照合ECU12は、ID信号Sidを車両受信機15で受信すると、自身に登録したIDコードによりID照合(スマート照合)として車外照合を行い、車外照合が成立すると、ドアロック装置10によるドアロック施解錠を許可又は実行させる。
【0024】
ユーザの乗車が例えば車両1のカーテシスイッチ(図示略)により検出されると、車外発信機13に代えて、今度は車内発信機14からリクエスト信号Srqの送信が開始される。そして、車内の電子キー6と車両1との間でID照合(スマート照合)として車内照合を行い、車内照合が成立すると、プッシュモーメンタリ式のエンジンスイッチ8による車両電源遷移操作及びエンジン始動操作が許可される。
【0025】
車両1には、外部電源にてバッテリ5を充電する充電システム19が設けられている。充電システム19は、例えば街の一角に設置された充電スタンドや住宅の商用電源などを充電設備20として、充電設備20の充電ケーブル21の先端に設けられた給電プラグ23を車両1に接続して、バッテリ5を充電する。
【0026】
図1及び図2に示すように、車体24の側壁には、給電プラグ23の接続箇所として受電コネクタ25が設けられている。受電コネクタ25は、横開き式のリッド26によって開閉される収納室27に収納されている。受電コネクタ25には、電気接続端子(パワー端子、制御端子等)を有するインレット28が設けられている。インレット28には、給電プラグ23が完挿されたことを検出するプラグ接続検出センサ29が設けられている。
【0027】
図2及び図3に示すように、給電プラグ23は、充電システム19の電源側であって、インレット28に接続される電気接続端子が設けられている。給電プラグ23のプラグ本体23aには、接続時の抜け止めとしてロックアーム30が揺動可能に取り付けられている。ロックアーム30は、長手方向中央を回動軸31として、長手方向と交差する方向に揺動する。ロックアーム30は、先端の爪部32と根元の操作部33とがプラグ本体23aの外部に露出されている。ロックアーム30において操作部33寄りの位置には、ロックアーム30を閉じ側に常時付勢する付勢部材34が設けられている。
【0028】
給電プラグ23を受電コネクタ25に接続する際には、給電プラグ23を受電コネクタ25へ挿入方向(図3の−Y軸方向)に真っ直ぐ挿し込む。このとき、爪部32がインレット28の突部35に当接すると、ロックアーム30は斜面35aに案内されて突部35を上る。そして、給電プラグ23がインレット28に完挿されると、付勢部材34の付勢力によってロックアーム30が閉じ側に揺動する。このため、爪部32が突部35に引っ掛かって、給電プラグ23がインレット28に抜け止めされる。
【0029】
ハイブリッドシステム4は、インレット28に給電プラグ23が完挿されたことをプラグ接続検出センサ29により検出すると、給電プラグ23に充電開始要求を出力する。給電プラグ23は、ハイブリッドシステム4から充電開始要求を入力すると、受電コネクタ25に電流を流して、バッテリ5を充電する。ハイブリッドシステム4は、バッテリ5が満充電されたことを確認すると、充電終了要求を給電プラグ23に出力する。給電プラグ23は、ハイブリッドシステム4から充電終了要求を入力すると、受電コネクタ25への電流供給を停止し、充電を終了する。
【0030】
給電プラグ23をインレット28から取り外す際には、操作部33を押してロックアーム30を開き側に揺動させ、突部35から離間させる。そして、この状態で給電プラグ23をインレット28から真っ直ぐ引き抜くことで、車両1から取り外す。
【0031】
図1に示すように、受電コネクタ25には、インレット28に接続された給電プラグ23の不正な取り外しを防止する給電プラグロック装置36が設けられている。給電プラグロック装置36には、ロックアーム30の操作を制限することで給電プラグ23をインレット28に固定可能なロックバー37が設けられている。ロックバー37は、例えば装置幅方向(図2のX軸方向)に直線往復動可能であって、ロックアーム30の爪部32の真上に位置してロックアーム30の操作を不可とするロック位置と、ロックアーム30から離間してロックアーム30の操作を許容するアンロック位置との2位置をとる。
【0032】
給電プラグロック装置36には、ロックバー37の動作駆動源としてプラグロックアクチュエータ38が設けられている。プラグロックアクチュエータ38には、例えばモータが使用され、ギヤ等の連結機構(図示略)を介してロックバー37に連結されている。そして、例えばプラグロックアクチュエータ38が一方向(ロック方向)に動作してロックバー37がロック位置に位置すると、給電プラグ23がインレット28にロックされる。一方、プラグロックアクチュエータ38が他方向(アンロック方向)に動作してロックバー37がアンロック位置に位置すると、給電プラグ23がインレット28に対してアンロックされる。
【0033】
図1、図4及び図5に示すように、車両1には、受電コネクタ25(インレット28)の蓋をなすリッド26を施解錠するリッドロック装置39が設けられている。この場合、車体24には、受電コネクタ25の枠体40が取り付けられ、この枠体40にリッド26がヒンジ機構41を介して連結されている。リッド26は、ヒンジ機構41のリッド回転軸42回りに横開きする。リッド26の裏面には、閉時のインレット28の防水性を確保する蓋部43が着脱可能に取り付けられている。
【0034】
リッド回転軸42には、リッド26に自動で開動作させるリッド自動オープン用付勢部材44が取り付けられている。リッド自動オープン用付勢部材44は、例えばトーションばねが使用されている。また、リッド回転軸42には、リッド26が勢いよく開いてしまわないようにダンパー45が取り付けられている。リッド26の裏面には、リッド26の開閉方向に突出するリッド突起46が突設されている。一方、枠体40には、リッド26を閉じたときにリッド突起46を挿し込み可能な突起挿込部47が貫設されている。なお、リッド自動オープン用付勢部材44が自動開動作手段に相当し、リッド突起46が突起に相当する。
【0035】
突起挿込部47には、リッド突起46の先端の爪部46aと協同してリッド26の閉状態を維持するリッドロック48が設けられている。リッドロック48には、筒状の筐体49が設けられ、筐体49の内部に、棒状のリッドロック用ピン50がリッド26の開閉方向に対して交差する方向に直線往復移動可能、かつ抜け止めされた状態で収納されている。リッドロック用ピン50には、リッドロック用ピン50を突出側に常時付勢する付勢部材51が取り付けられている。このため、リッドロック用ピン50は、付勢部材51の付勢力によってロック方向(図4の矢印K1方向)に直線移動し、付勢部材51の付勢力に抗してアンロック方向(図4の矢印K2方向)に直線移動する。付勢部材51は、例えばコイルばねが使用され、一端がリッドロック用ピン50に係止されるとともに、他端が筐体49の内壁面に固定されている。なお、リッドロック48が被係止部に相当する。
【0036】
リッドロック用ピン50には、ケーブル52を介してリッドロックアクチュエータ53が接続されている。リッドロックアクチュエータ53は、例えばソレノイドが使用されている。リッドロックアクチュエータ53は、非通電のとき、リッドロック用ピン50を突出位置に位置させ、通電されたとき、ケーブル52によりリッドロック用ピン50を引込位置に引き込む。リッドロック用ピン50は、リッドロックアクチュエータ53が非通電のとき、装置高さ方向(図4のZ軸方向)の直線往復移動が許容されている。なお、リッドロックアクチュエータ53が駆動手段に相当する。
【0037】
突起挿込部47の奥には、リッド26の開閉状態を検出するリッド開閉検出スイッチ54が設けられている。リッド開閉検出スイッチ54は、例えばモーメンタリ式のスライドスイッチ(マイクロスイッチ)が使用されている。リッド開閉検出スイッチ54には、突起挿込部47内を直線往復移動するスライドピース55と、スライドピース55によってオン/オフされるスイッチ接点56と、これらを保護するカバー57とが設けられている。突起挿込部47の内壁とスライドピース55の背面との間には、スライドピース55をリッド突起46側(図5のY軸方向)に常時付勢する付勢部材58が介装されている。突起挿込部47の底面には、スライドピース55の抜け止め部59が突設されている。なお、リッド開閉検出スイッチ54がリッド開閉検出手段に相当する。
【0038】
リッド26が開状態のとき、スライドピース55は、付勢部材58の付勢力によって突出位置をとる。このとき、スライドピース55の端子55aがスイッチ接点56の接点部56aから離間するので、リッド開閉検出スイッチ54はオフ信号を出力する。また、リッド26が閉状態のとき、リッド突起46は、スライドピース55を奥の押込位置に押し込む。このため、端子55aが接点部56aに接触するので、リッド開閉検出スイッチ54はオン信号を出力する。
【0039】
図4に示すように、枠体40の裏面には、受電コネクタ25(リッド26)の周囲において電子キー6とスマート通信する車外発信機(受電コネクタ用車外発信機)13aが設けられている。車外発信機13aは、車両ドア付近に設置された他の車外発信機13とともに、スマート通信を実行する。そして、これら車外発信機13,13aのいずれかで車外照合が成立すれば、キー照合が成立として処理される。
【0040】
本例の受電コネクタ25は、1つのスイッチ(アンロックスイッチ60)を、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39の共用のアンロックスイッチとして使用する。本例の場合、リッド26が閉状態のとき、アンロックスイッチ60が給電プラグロック装置36のアンロックスイッチとして機能し、リッド26が開状態のとき、アンロックスイッチ60が給電プラグロック装置36のアンロックスイッチとして機能する。なお、アンロックスイッチ60が操作手段に相当する。
【0041】
図4及び図5に示すように、アンロックスイッチ60は、枠体40に取り付けられるとともに、例えばモーメンタリ式のマイクロスイッチが使用されている。枠体40には、開口孔40aが設けられ、この開口孔40aからアンロックスイッチ60のノブ部61が外部に露出されている。また、リッド26の裏面には、ノブ部61を押し込み可能なノブ押込部62が突設されている。ノブ押込部62の背面には、ノブ押込部62を後から押す付勢部材61aが介装されている。図6に示すように、ノブ部61は、リッド26が開状態のとき、ユーザの手等で直に押し操作可能であり、リッド26が閉状態のとき、基準閉じ位置から更に奥のオーバーストローク位置に押し込まれたリッド26の裏面(ノブ押込部62)でも押し操作可能である。
【0042】
図1に示すように、受電コネクタ25には、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39のロック/アンロックの動作を管理するロックコントローラ63が設けられている。ロックコントローラ63には、バス11を介してキー照合装置9やドアロック装置10が接続されている。また、ロックコントローラ63には、プラグ接続検出センサ29、プラグロックアクチュエータ38、リッドロックアクチュエータ53、リッド開閉検出スイッチ54及びアンロックスイッチ60が接続されている。
【0043】
ロックコントローラ63には、リッド26の開閉状態に応じてアンロックスイッチ60にスイッチ機能を割り当てるスイッチ機能割当部64が設けられている。スイッチ機能割当部64は、リッド開閉検出スイッチ54から入力するスイッチ信号を基に、アンロックスイッチ60のスイッチ機能を設定する。例えば、スイッチ機能割当部64は、リッド26が閉状態のとき、アンロックスイッチ60をリッドロック装置39のアンロックスイッチとして機能させ、リッド26が開状態のとき、アンロックスイッチ60を給電プラグロック装置36のアンロックスイッチとして機能させる。なお、スイッチ機能割当部64が割当手段に相当する。
【0044】
ロックコントローラ63には、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39のロック/アンロックの動作を制御する動作制御部65が設けられている。動作制御部65は、プラグ接続検出センサ29からオン信号を入力し、かつドアロック装置10がドアロック信号を入力すると、プラグロックアクチュエータ38をロック動作させて、給電プラグロック装置36をロック状態にする。
【0045】
一方、動作制御部65は、給電プラグロック装置36のアンロックスイッチとして機能しているアンロックスイッチ60からオン信号を入力し、かつ照合ECU12からスマート照合成立済み通知を入力すると、給電プラグロック装置36をアンロック状態にする。つまり、動作制御部65は、この条件が成立したことを確認すると、プラグロックアクチュエータ38をアンロック動作させて、給電プラグロック装置36をアンロック状態にする。
【0046】
動作制御部65は、リッドロック装置39のアンロックスイッチとして機能しているアンロックスイッチ60からオン信号を入力し、かつ照合ECU12からスマート照合成立済み通知を入力すると、リッドロック装置39をアンロック状態にする。つまり、動作制御部65は、この条件が成立したことを確認すると、リッドロックアクチュエータ53を通電して、リッドロック装置39をアンロック状態にする。なお、動作制御部65が解錠手段及び判断手段を構成する。
【0047】
次に、本例の充電システム19の動作を、図7の動作表66の流れに沿い、図8〜図11を用いて説明する。
図8(a)に、閉状態のリッド26を示す。このとき、リッドロック用ピン50が突出位置をとり、リッド突起46と係止するので、リッド26は基準閉じ位置で維持される。また、リッド開閉検出スイッチ54は、オン状態をとり、アンロックスイッチ60は、オフ状態をとる。よって、スイッチ機能割当部64は、リッド開閉検出スイッチ54からオフ信号を入力するので、アンロックスイッチ60をリッドロック装置39のアンロックスイッチとして機能させる。
【0048】
リッド26を開けるとき、ユーザは電子キー6を所持して車両1(リッド26)に近づく。このとき、受電コネクタ25に設置された車外発信機13a(車両ドアの車外発信機13でも可)の通信エリアに電子キー6が進入すると、車外発信機13aから送信されたリクエスト信号Srqを契機に車外照合が実行される。そして、ユーザが正規キーを所持していれば、車外照合が成立する。
【0049】
図8(b)に示すように、リッド26を開くには、基準閉じ位置に位置するリッド26を、手で押し操作してオーバーストローク位置まで深く押し込む。このとき、ノブ押込部62がアンロックスイッチ60のノブ部61を押し、アンロックスイッチ60がオンする。動作制御部65は、アンロックスイッチ60からオン信号を入力すると、照合ECU12にスマート照合(車外照合、車内照合のどちらでも可)の成立結果を確認する。リッド26をオーバーストローク位置に押した後は、リッド26から手を離す。
【0050】
図8(c)に示すように、動作制御部65は、リッドロック装置39のアンロックスイッチとして機能するアンロックスイッチ60からオン信号を入力し、かつスマート照合が成立済みであることを確認すると、リッドロックアクチュエータ53を所定時間(2秒程度)、通電して、リッドロック用ピン50を突出位置から引込位置に引き込む。すると、リッド突起46とリッドロック用ピン50との係止が外れ、リッド自動オープン用付勢部材44の付勢力によって、リッド26が自動で開動作する。リッド26が開くと、リッド開閉検出スイッチ54はオフする。
【0051】
図8(d)に示すように、リッドロックアクチュエータ53の通電が停止すると、リッドロック用ピン50は、付勢部材51の付勢力によって、引込位置から元の突出位置に復帰する。なお、リッドロックアクチュエータ53が非通電のとき、突出位置にあるリッドロック用ピン50は上から押せば下がり、押す力がなくなると、付勢部材51の付勢力にて突出位置に復帰する動きをとる。
【0052】
リッド26の開操作後、バッテリ5を充電するには、給電プラグ23をインレット28に挿し込む。また、給電プラグロック装置36のロック動作は、車両ドアのドアロック連動となっているので、給電プラグロック装置36をロック状態にするには、車両ドアをドアロックする。ドアロック装置10は、車両ドアのドアロックを実行すると、ドアロック信号を動作制御部65に出力する。
【0053】
動作制御部65は、プラグ接続検出センサ29からオン信号を入力し、ドアロック装置10からドアロック信号を入力すると、プラグロックアクチュエータ38にロック動作を実行させ、給電プラグロック装置36をロック状態にする。よって、図9(a)に示すように、ロックバー37がロックアーム30の上方に位置するので、ロックアーム30の操作が規制され、給電プラグ23がインレット28にロックされる。このため、充電中、ユーザが車両1から立ち去っても問題ない。
【0054】
充電を終了するとき、ユーザは電子キー6を所持して車両1(リッド26)に再度近づく。このとき、受電コネクタ25に設置された車外発信機13a(車両ドアの車外発信機13でも可)の通信エリアに電子キー6が進入すると、車外照合が成立する。
【0055】
ところで、本例の場合、スイッチ機能割当部64は、リッド開閉検出スイッチ54からオフ信号を入力した時点で、アンロックスイッチ60のスイッチ機能を、給電プラグロック装置36のアンロックスイッチに切り換えている。つまり、リッド開閉検出スイッチ54がオフとなった時点で、アンロックスイッチ60は、それまでのリッドロック装置39用のアンロックスイッチから、給電プラグロック装置36用のアンロックスイッチに切り換わっている。
【0056】
よって、図6(a)に示すように、給電プラグロック装置36をアンロック状態にするには、給電プラグロック装置36用のアンロックスイッチとして機能するアンロックスイッチ60のノブ部61を手で直に押し操作する。動作制御部65は、アンロックスイッチ60からオン信号を入力すると、照合ECU12にスマート照合(車外照合、車内照合のどちらでも可)の成立結果を確認する。
【0057】
動作制御部65は、給電プラグロック装置36のアンロックスイッチとして機能するアンロックスイッチ60からオン信号を入力し、かつスマート照合が成立済みであることを確認すると、プラグロックアクチュエータ38にアンロック動作を実行させ、給電プラグロック装置36をアンロック状態にする。よって、図9(b)に示すように、ロックバー37がロックアーム30から離間するので、ロックアーム30の操作が許可される。従って、充電完了後は、ロックアーム30を押し操作して、給電プラグ23をインレット28から引き抜く。
【0058】
図11(a)に示すように、充電完了後、リッド26を閉じるには、開状態のリッド26を手で押し込む。ところで、リッドロックアクチュエータ53が非通電のときは、リッドロック用ピン50が突出位置から外力によって下に移動することが可能である。よって、図11(b)に示すように、リッド26の閉じ過程でリッド突起46がリッドロック用ピン50に至ると、リッド突起46がリッドロック用ピン50を押し下げながら、リッド26は閉動作を継続する。
【0059】
図11(c)に示すように、リッド突起46の先端の爪部46aがリッドロック用ピン50を完全に乗り越えると、リッドロック用ピン50は、爪部46aによる押し込みから開放されるので、付勢部材51の付勢力によって元の突出位置に復帰する。このため、爪部46aとリッドロック用ピン50とが係止するので、リッドロック装置39がロック状態となる。また、爪部46aがリッド開閉検出スイッチ54のスライドピース55を押すと、リッド開閉検出スイッチ54がオンとなる。
【0060】
図11(d)に示すように、リッド26を閉じる際の押し操作は、リッド26の最大押し込み位置であるオーバーストローク位置まで行われる。よって、リッド26の閉じ操作は、爪部46aとリッドロック用ピン50が係止した後も継続される。そして、リッド26のオーバーストローク位置への移動過程でアンロックスイッチ60がオンするとともに、リッド26がオーバーストローク位置をとると、リッド26がその位置で止まる。
【0061】
ところで、リッド26を閉じるときは、リッド26を開くときと同様に、リッド開閉検出スイッチ54及びアンロックスイッチ60が、同時にオンする状況が生じる。しかし、図10に示すように、リッド26を閉じるときは、リッド開閉検出スイッチ54がオンした後、直ぐにアンロックスイッチ60がオンになるのに対し、リッド26の開操作は、リッド26が閉じられてから長い時間が経過した後に行われるはずである。
【0062】
よって、動作制御部65は、リッド開閉検出スイッチ54がオンしてからの経過時間を計時し、リッド開閉検出スイッチ54がオンの状況下でアンロックスイッチ60がオンしたとき、経過時間が設定時間Tk(約2秒程度)未満であれば、リッドロックアクチュエータ53への通電は実行せず、リッドロック装置39をロック状態にする。一方、動作制御部65は、経過時間が設定時間Tk以上であれば、リッドロックアクチュエータ53を通電して、リッドロック装置39をアンロック状態にする。なお、設定時間Tkが閾値に相当する。
【0063】
図11(e)に示すように、リッド26をオーバーストローク位置まで深く押し込んだ後、ユーザはリッド26から手を離す。このとき、リッド26はリッド自動オープン用付勢部材44の付勢力によって開き側に動作するとともに、リッド突起46がリッドロック用ピン50に係止する。よって、リッド26は、基準閉じ位置で保持されながらロック状態をとる。リッド26が基準閉じ位置に位置すると、アンロックスイッチ60はオフに戻る。
【0064】
以上により、本例においては、アンロックスイッチ60を給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39の共用スイッチとしたので、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39に各々個別のアンロックスイッチを設けた場合と比較して、部品点数を少なく抑えることが可能となる。よって、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39の全体構成を簡素化することが可能となる。また、同じようなアンロックスイッチが複数並ばずに済むので、操作間違いも生じ難くすることが可能となる。
【0065】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)1つのアンロックスイッチ60を給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39の両方で共用するので、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39の装置全体に係る構成を簡素化することができる。
【0066】
(2)仮に、給電プラグロック装置36のアンロック動作を車両ドアのドアアンロック動作に連動することもできるが、この場合はインレット28に給電プラグ23が接続されているかどうかにかかわらず、車両ドアがアンロックされる度に給電プラグロック装置36がアンロック動作を実行してしまい、製品寿命に影響が生じる。しかし、本例の場合は、アンロックスイッチ60が操作されたときにのみ給電プラグロック装置36がアンロック動作を実行するので、無駄なアンロック動作を実行させずに済み、製品寿命を確保することができる。また、これはリッドロック装置39でも同様に言える。
【0067】
(3)リッド26の収納室27内にアンロックスイッチ60を配置し、リッド26が閉状態のときはリッド26を奥に押すことでリッド26越しにアンロックスイッチ60を操作可能とし、リッド26が開状態のときはアンロックスイッチ60を直に押し操作可能とした。このため、リッド26を開操作するときは、閉状態のリッド26を押すという感覚的に分かり易い操作でリッドロック装置39をアンロック状態にすることができる。また、アンロックスイッチ60がインレット28の近傍に位置することになるので、給電プラグ23をインレット28から取り外すとき、ユーザは場所を大きく変えずにアンロックスイッチ60を操作することが可能であるので、この点からも利便性がよいと言える。
【0068】
(4)給電プラグロック装置36やリッドロック装置39のアンロック動作の開始条件を、スマート照合が成立することと、アンロックスイッチ60が押し操作されたこととの2条件とした。よって、給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39において不正アンロックを生じ難くすることができる。
【0069】
(5)リッド26にリッド自動オープン用付勢部材44を設けたので、リッドロック装置39がアンロックされたとき、リッド26が自動で開状態をとる。よって、リッド26の開操作をユーザに課さずに済むので、利便性をよくすることができる。
【0070】
(6)リッドロック装置39のロック動作を、リッド突起46及びリッドロック用ピン50による機械的な構成としたので、リッド26が閉操作されるとき、この閉じ操作に連動してリッドロック装置39が機械的にロック状態となる。このため、リッドロック装置39をロック状態にするとき、別の操作部材を別途操作する必要がないので、ロック状態に切り換えるときの利便性をよくすることができる。
【0071】
(7)リッド開閉検出スイッチ54及びアンロックスイッチ60がともにオンしたとき、リッド開閉検出スイッチ54がオンした後にアンロックスイッチ60がオンするまでの経過時間を計時し、この経過時間と設定時間Tkとを比較することにより、現在の状況がリッド26を開けるときなのか閉じるときなのかを判別する。よって、リッド26の開又は閉を、精度よく区分けすることができ、リッドロック装置39の好適な動作を確保することができる。
【0072】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・バッテリ5の充電開始条件は、適宜変更可能である。例えば、プラグ接続検出センサ29がインレット28への給電プラグ23の挿し込みを検出し、かつ電子キー6とID照合が成立することを充電開始条件としてもよい。
【0073】
・バッテリ5の充電停止は、車両内のスイッチを切ることで行ってもよい。
・給電プラグロック装置36の構造は、実施形態に述べたものに限定されず、適宜変更可能である。
【0074】
・給電プラグロック装置36は、ロックが手動操作により実行されるものでもよい。
・給電プラグロック装置36は、ロックバー37が給電プラグ23の孔に挿し込まれてロック状態をとるものでもよい。
【0075】
・リッドロック装置39の構造は、実施形態に述べたものに限定されず、例えばロック及びアンロックともモータにより行う構造のものなどに適宜変更可能である。
・給電プラグロック装置36やリッドロック装置39のアンロック動作は、アンロックスイッチ60の操作により機械的に行われるものでもよい。
【0076】
・給電プラグロック装置36及びリッドロック装置39のロック/アンロックの開始条件は、実施形態の例に限定されず、適宜変更可能である。
・キーシステムは、キー操作フリーシステム7に限定されない。例えば、電子キー6からの通信を契機にID照合を行うワイヤレスキーシステムや、通信にNFC(Near Field Communication)等の近距離通信を用いる近距離無線認証システムとしてもよい。また、メカニカルキーを使用したシステムでもよい。また、車両1にキー操作フリーシステム7及びワイヤレスキーシステムの両方を搭載してもよい。
【0077】
・車両1がワイヤレスキーシステムを備える場合、電子キー6の遠隔操作によってリッド26を開操作可能としてもよい。この場合、電子キー6にリッド開操作用ボタンを設け、このボタンが操作されると、電子キー6からリッド開用のワイヤレス信号が送信される。ワイヤレス信号には、電子キー6のIDコードと、リッド開動作を指示する機能コードとが含まれる。照合ECU12は、このワイヤレス信号を車両受信機15で受信すると、ID照合を行い、ID照合が成立すれば、リッド開要求を動作制御部65に出力する。動作制御部65は、照合ECU12からリッド開要求を入力すると、リッドロック48のリッドロック用ピン50を引いて、リッド26を開状態に切り換える。よって、電子キー6による遠隔操作によっても、リッド26を開けることができる。
【0078】
・アンロックスイッチ60の配置場所は、リッド26の収納室27に限定されず、例えば運転席の下など、適宜変更可能である。
・操作手段は、アンロックスイッチ60に限定されず、ロックスイッチとしてもよい。また、操作手段が操作される度に、ロックとアンロックとが交互に切り換わるものでもよい。
【0079】
・操作手段は、押し操作式(プッシュ式)に限定されず、例えば回転式としてもよい。
・給電プラグロック装置36やリッドロック装置39の駆動手段は、モータに限定されず、例えばソレノイドを使用してもよい。
【0080】
・ロックコントローラ63は、例えば給電プラグロック装置36やリッドロック装置39に部品として一体組み込みされていてもよい。
・リッド開閉検出手段は、マイクロスイッチに限定されず、センサを使用してもよい。
【0081】
・操作手段は、マイクロスイッチに限定されず、センサを使用してもよい。
・自動開動作手段は、ばね部材に限定されず、例えばモータを使用してもよい。
・リッド自動オープン用付勢部材44を省略し、ユーザが自らリッド26を開操作するものでもよい。
【0082】
・車両1は、ハイブリッド車に限定されず、例えばモータのみで走行する電気自動車でもよい。
・給電プラグロック装置36は、車両1に適用されることに限らず、他の装置や機器に応用してもよい。
【符号の説明】
【0083】
6…電子キー、9…照合手段としてのキー照合装置、23…給電プラグ、26…リッド、27…収納室、28…インレット、36…給電プラグロック装置、39…リッドロック装置、44…自動開動作手段としてのリッド自動オープン用付勢部材、46…突起としてのリッド突起、48…被係止部としてのリッドロック、53…駆動手段としてのリッドロックアクチュエータ、54…リッド開閉検出手段としてのリッド開閉検出スイッチ、60…操作手段としてのアンロックスイッチ、64…割当手段としてのスイッチ機能割当部、65…解錠手段及び判断手段を構成する動作制御部、Tk…閾値として設定時間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレットの収納室を開閉するリッドをリッドロック装置によって施錠可能であり、前記インレットに接続された給電プラグを給電プラグロック装置によって前記インレットにロック可能なロック機器制御装置であって、
前記リッドロック装置及び前記給電プラグロック装置に共用される操作手段と、
前記リッドの開閉を検出するリッド開閉検出手段と、
前記リッドが閉状態のとき、前記操作手段を前記リッドロック装置に割り当て、前記リッドが開状態のとき、前記操作手段を前記給電プラグロック装置に割り当てる割当手段と
を備えたことを特徴とするロック機器制御装置。
【請求項2】
前記操作手段は、前記リッドロック装置の操作手段として機能するとき、当該リッドロック装置のアンロックスイッチとして機能し、前記給電プラグロック装置の操作手段として機能するとき、当該給電プラグロック装置の少なくともアンロックスイッチとして機能する
ことを特徴とする請求項1に記載のロック機器制御装置。
【請求項3】
前記操作手段は、前記インレットの収納室内に配置され、前記リッドが閉状態のときは、前記リッドを基準閉じ位置から更に奥に押し込むことにより、前記操作手段を該リッドにて操作可能であり、前記リッドが開状態のときは、前記操作手段を直に操作可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロック機器制御装置。
【請求項4】
電子キーと無線によりID照合する照合手段と、
前記照合手段がID照合成立を確認することと、前記操作手段が操作されたこととを条件に、前記リッドロック装置又は前記給電プラグロックをアンロックする解錠手段と
を備えたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のロック機器制御装置。
【請求項5】
前記リッドロック装置がアンロックされたとき、前記リッドを自動で開き状態にする自動開動作手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のロック機器制御装置。
【請求項6】
前記リッドロック装置は、前記リッドが閉操作されたとき、該閉操作に連動して前記リッドの突起が被係止部に機械的に係止することによりロック状態をとり、当該ロック状態のとき、アンロック動作用に設けた駆動手段を通電すると、前記被係止部が前記突起から離間してアンロック状態をとる
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のロック機器制御装置。
【請求項7】
前記リッド開閉検出手段が前記リッドの開状態を検出してから前記操作手段が操作されるまでの経過時間を計測し、当該経過時間が閾値以上をとれば、前記リッドロック装置のアンロック動作を実行し、該経過時間が閾値未満であれば、前記リッドロック装置のアンロック動作を実行しない判断手段を備えた
ことを特徴とする請求項3〜6のうちいずれか一項に記載のロック機器制御装置。
【請求項1】
インレットの収納室を開閉するリッドをリッドロック装置によって施錠可能であり、前記インレットに接続された給電プラグを給電プラグロック装置によって前記インレットにロック可能なロック機器制御装置であって、
前記リッドロック装置及び前記給電プラグロック装置に共用される操作手段と、
前記リッドの開閉を検出するリッド開閉検出手段と、
前記リッドが閉状態のとき、前記操作手段を前記リッドロック装置に割り当て、前記リッドが開状態のとき、前記操作手段を前記給電プラグロック装置に割り当てる割当手段と
を備えたことを特徴とするロック機器制御装置。
【請求項2】
前記操作手段は、前記リッドロック装置の操作手段として機能するとき、当該リッドロック装置のアンロックスイッチとして機能し、前記給電プラグロック装置の操作手段として機能するとき、当該給電プラグロック装置の少なくともアンロックスイッチとして機能する
ことを特徴とする請求項1に記載のロック機器制御装置。
【請求項3】
前記操作手段は、前記インレットの収納室内に配置され、前記リッドが閉状態のときは、前記リッドを基準閉じ位置から更に奥に押し込むことにより、前記操作手段を該リッドにて操作可能であり、前記リッドが開状態のときは、前記操作手段を直に操作可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロック機器制御装置。
【請求項4】
電子キーと無線によりID照合する照合手段と、
前記照合手段がID照合成立を確認することと、前記操作手段が操作されたこととを条件に、前記リッドロック装置又は前記給電プラグロックをアンロックする解錠手段と
を備えたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のロック機器制御装置。
【請求項5】
前記リッドロック装置がアンロックされたとき、前記リッドを自動で開き状態にする自動開動作手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のロック機器制御装置。
【請求項6】
前記リッドロック装置は、前記リッドが閉操作されたとき、該閉操作に連動して前記リッドの突起が被係止部に機械的に係止することによりロック状態をとり、当該ロック状態のとき、アンロック動作用に設けた駆動手段を通電すると、前記被係止部が前記突起から離間してアンロック状態をとる
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のロック機器制御装置。
【請求項7】
前記リッド開閉検出手段が前記リッドの開状態を検出してから前記操作手段が操作されるまでの経過時間を計測し、当該経過時間が閾値以上をとれば、前記リッドロック装置のアンロック動作を実行し、該経過時間が閾値未満であれば、前記リッドロック装置のアンロック動作を実行しない判断手段を備えた
ことを特徴とする請求項3〜6のうちいずれか一項に記載のロック機器制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−205361(P2012−205361A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66387(P2011−66387)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
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