説明

ロボットハンド及びそれを備えたロボット

【課題】仮組みが必要な部品の組立作業に使用されるロボットにおいて、第2の部品を第1の部品に対して仮組みできるハンドの構造を開示し、第2の部品を仮組みした後、第2の部品を仮組みしたロボットのハンドが他の作業に使用できるようにする。
【解決手段】ロボットハンドが、ロボットのアーム先端22に固定され、把持動作が可能な一対の把持部材を備えた第1のハンド21と、第1のハンド21によって把持されたときに保持ツメ16を閉じることができる第2のハンド10と、から構成され、第2の部品の穴と第1の部品の穴に挿入された第2のハンド10が、第1のハンド21によって離されたとき、保持ツメ16が付勢手段13によって開き、第2の部品が第1の部品に対して係止されるよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品の組み立てを行うためのロボットハンドの構造及びそれを備えたロボットに関し、特に部品が仮組みを必要とする形態の場合のロボットハンドの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品を組み立てていく作業は人手により行われることが多く、その自動化は未だ十分進んでいない。また、その部品を組み立てていくための専用の部品組立機が構成されて使用される場合があるが、専用の部品自動組立機の場合は、専用であるがゆえに高価でコストがかかる、機構が複雑となり信頼性が落ちる、専用のため組立変更等に対応できず汎用性がない。
一方、ロボットは、部品の搬送を主な目的としてその開発が行われてきた。しかし、近年、ロボットの位置決め精度向上や、複数台のロボットの協調動作の性能向上などの理由から、従来、人手で行っていた比較的小さな部品で構成された複雑なものの組み立てを、ロボットで行うようになってきている。
複雑な部品を組み立てていく工程では、部品を一旦仮組みする必要が発生する場合がある。例えば第1の部品に対して固定されるべき第2の部品が、第3の部品や第4の部品によって固定されるとき、すなわち、第2の部品を一旦第1の部品に対して位置決めしながら仮組みし、第3の部品や第4の部品によって、第2の部品を第1の部品に対して固定する場合などである。このような部品の組み立てにおいてロボットを使用すると、第1のロボットが第2の部品を仮組みのために保持した状態で、第2や第3のロボットが第3或いは第4の部品を搬送してきて、これにより第2の部品を第1の部品に固定する。このとき、第2の部品を保持する第1のロボットは、それを保持した状態で他のロボットが作業を完了するまで待機することになる。
昨今の産業用ロボットは、6軸或いは7軸の自由度を備えたものが一般的で、こういった組立工程においても様々な作業を教示させることができ、汎用性があるものの、仮組みを保持するだけにロボットを使用するとかえって高コストで過剰な設備になってしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上のように、仮組みを伴う組み立て作業にロボットを使用すると、第1の部品に対して仮組みする第2の部品を一旦保持しておくロボットは、それを保持する間作業が停止する。一方、第3や第4の部品を組み付けることが必要な場合、その部品数に応じたロボットの台数が必要となる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、仮組みが必要な部品の組立作業に使用されるロボットにおいて、第2の部品を第1の部品に対して仮組みできるハンドの構造を開示し、そして、第2の部品を仮組みした後、第2の部品を保持していた第1のロボットのハンドが他の作業に使用できるようにし、さらに仮組みを行うハンドのロボットも他の作業に使用できるようにすることを目的とする。そして、これらにより組立工程で必要なロボット台数を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、前記ロボットハンドが、 前記ロボットのアーム先端に固定され、把持動作が可能な一対の把持部材を備えた第1のハンドと、前記第1の部品の穴と前記第2の部品の穴に挿入可能な円筒状のケースと、前記第1の部品の穴の一端に係止可能な前記ケースの鍔部と、前記円筒状のケースに挿入され、その上端から突出し、付勢手段によって前記ケースに対して常に上方に付勢されるシャフトと、前記シャフトの下端に設けられた一対のプッシャと、前記ケースの下端に回転可能に設けられ、前記一対のプッシャの下降動作によって閉じる一対の保持ツメと、を備えた第2のハンドと、を備え、前記把持部材によって前記ケースを把持したとき、前記第1のハンドが前記シャフトの上端を押下し、前記一対の保持ツメを閉じて、前記第1の部品の穴の径及び前記第2の部品の穴の径よりも前記一対の保持ツメの幅を減少させ、前記把持部材が前記ケースを開放し、前記第1のハンドが前記第2のハンドを離したとき、前記一対の保持ツメが開いて、前記第2の部品の穴の径よりも前記一対の保持ツメの幅を大きくするロボットハンドとするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載のロボットハンドを備え、前記第1及び第2の部品の形状に適するよう構成された少なくとも1以上の前記第2のハンドが前記アームの動作範囲内に備えられた第1のロボットと、前記第2の部品を把持して前記第1の部品の近傍に搬送可能な第2のロボットと、を備えたロボットシステムとするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載のロボットハンドを備え、前記第1及び第2の部品の形状に適するよう構成された少なくとも1以上の前記第2のハンドが動作範囲内に備えられた第1のアームと、前記第2の部品を把持して前記第1の部品の近傍に搬送可能な第2のアームと、を備えた双腕ロボットとするものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によると、第1のハンドが第2のハンドを把持したときに保持ツメが閉じ、その幅が第1及び第2の部品の穴の径よりも小さくなるので第2のハンドを第1及び第2の部品の穴に挿入することが可能となり、さらに、第1のハンドが第2のハンドを開放したとき、保持ツメが広がって第1及び第2の部品にケースの鍔部とともに係止することができるので、第2のハンドによって第1の部品に対して第2の部品を仮組みすることができる。また、第1のハンドは第2のハンドを開放するので、第1のハンドは、さらに別の部品の組み立て作業を開始することができる。これにより、部品の組み立てにおいて必要なロボットの台数が削減できる。
請求項2に記載の発明によると、組み立ての部品の形状、形態が複数あるとき、それに応じた第2のハンドを用意し、それらをロボットのアームの動作範囲内に設置しておけば、第1のロボットは第1のハンドで第2のハンドを適宜交換していくことで、部品の仮組み作業が実行でき、一方、第2の部品を保持していた第2のロボットも別の作業が開始できるので、組立作業の効率を高めることができ、ロボットの台数も削減できるロボットシステムを構築できる。
請求項3に記載の発明によると、請求項1記載のロボットハンドを備え、前記第1及び第2の部品の形状に適するよう構成された少なくとも1以上の前記第2のハンドが動作範囲内に備えられた第1のアームと、前記第2の部品を把持して前記第1の部品の近傍に搬送可能な第2のアームと、を備えたことを特徴とする双腕ロボットであるので、第2のアームのハンドが第2の部品を把持して第1の部品まで搬送し、一方の第1のアームのハンドは第2の部品を第2のハンドによって仮組みした後、すぐに次の組立作業に移ることができるとともに第2のアームもすぐに次の組立作業に移ることができ、これらを1台のコントローラで協調して行えるので、組み立ての作業効率が向上し、作業スペースも削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0007】
図2は本発明のハンドが適用された部品組み立て用のロボットの外観図を示している。
ロボット20は、6軸の自由度を備えた産業用のロボットである。或いは7軸のロボットを用いることもできる。また、これらを1つの共通した基台に搭載して協調動作をさせる双腕ロボットを使用することも可能である。いずれにしてもこれらのロボットの構成は公知なので、ここでは詳細な説明は省略する。ロボット20のアーム20aの先端には、本発明の第1のハンド21と第2のハンド10とが設けられている。第1のハンド21が第2のハンド10を把持しており、第1のハンド21が把持を開放することにより第2のハンド10は第1のハンド21から分離できる。図2はそのことを示している。台座30はロボット20の近傍に設置されている。台座30には、円筒状の載置治具31が搭載されていて、載置治具31には第2のハンド10が挿入されるようにそれを載置している。また、台座30には組み立てが必要な部品として、第1の部品32と第2の部品33を図示している。ロボット20は、第1の部品32に対して第2の部品33を仮組みし、さらに後述する第3、第4の部品によって第2の部品33を第1の部品32に対して固定する作業を行う。ロボット20は、図2内の矢印で示すように、載置治具31に載置されている第2のハンド10を第1のハンド21で把持し、第2の部品33を第1の部品に対して仮組みの作業を行うとき、第2のハンド10を第1のハンド21から分離し、第3、第4の部品によって第2の部品33を第1の部品32に対して固定した後、再び第2のハンド10を第1のハンド21によって回収する。以下、第1及び第2のハンドの詳細な構成について説明する。
【0008】
図1(a)は、第1のハンド21と第2のハンド10について図示する側面図である。説明のため、一部断面図としている。
第1のハンド21は、ロボットのアーム20aの先端に設けられているフランジ22に固定されている。ロボット20は6軸などの自由度を備えたものであるから、フランジ22に固定されている第1のハンド21を、所定の範囲内で自由に姿勢を変えることができる。第1のハンド21の母体はエアシリンダ23である。エアシリンダ23は、圧縮エアによって出力軸を動作する公知のものである。エアシリンダ23の出力軸には一対の把持部材24が固定されている。エアシリンダ23は、圧縮エアによって一対の把持部材24を図中矢印のように同時に反対方向に動作させることができ、これにより一対の把持部材24は互いに近接あるいは離反する。この把持部材24によって第2のハンド10のケース11を把持する。一方、一対の把持部材24の間には、エアシリンダ23の側面から押下部材25が下垂している。
なお、把持部材24を動作させる手段として特にエアシリンダ23に限定しない。モータなどの回転動作から把持部材24の把持動作を実現してもよい。
【0009】
第2のハンド10は、概ね円筒状のケース11が母体である。ケース11の上部外周は上述した把持部材24によって狭持されうる形状となっている。ケース11外周であって把持部材24が把持する箇所の下部には、ケース鍔部11aが設けられている。円筒の内部にはシャフト12が挿通されている。シャフト12の上端はケース11から突出しており、第1のハンド21の押下部材25と当接するボタン部12aとなっている。ロボット20が動作して、第2のハンド21を第1のハンド10に近接させ、把持部材24がケース11の所定の箇所を把持できる位置に到達したとき、押下部材25がシャフト12のボタン部12aを押下しているように、押下部材25と把持部材24とボタン部12aとケース11との寸法が決定されている。ケース11の内部において、シャフト12の周囲には圧縮バネ13が設けられている。圧縮バネ13の上端はシャフト12に設けられた段差部分で係止され、下端はケース11内周部の段差で係止されている。これにより、シャフト12は常にケース11に対して上方に向かうように付勢されている。圧縮バネ13について、シャフト12を上方に付勢する手段であればこれに限定されない。シャフト12の下端には、シャフト12の延在方向に一対のプッシャ14が設けられている。プッシャ14のそれぞれの先端部には、ピン14aが設けられている。一方、ケース11の下端には軸15がシャフト12の延在方向とは直角に設けられている。軸15には、これに回転可能に保持され対象に設けられた一対の保持ツメ16が設けられている。保持ツメ16のそれぞれには、長穴16aが設けられていて、プッシャ14のピン14aのそれぞれと係止されている。
これにより、シャフト12のボタン部12aが押下されたとき、シャフト12は圧縮バネ13を圧縮しながら、シャフト12内周を下降し、シャフト12下端のプッシャ14のピン14aが保持ツメ16の長穴16aを押下するので、一対の保持ツメ16は軸15を中心として互いに近接するよう動作する。保持ツメ16の左右端には、ツメから略水平方向に突出した係止部16bが設けられている。保持ツメ16が互いに近接していないとき、つまり開いているとき、それぞれの係止部16bがなす幅16cは、ケース鍔部11aの下方のケース外周の直径Wよりもやや大きくなるよう構成されている。一方保持ツメ16が閉じた状態では、係止部16bがなす幅16cが直径Wよりも小さくなるよう構成されている。
【0010】
図1(b)は、第1のハンド21が第2のハンド10を把持するときの動作を示す図である。第2のハンド10は、第2のハンド10が円筒状の載置治具31に挿入されているとき、ケース鍔部11aによって支持されている。ロボット20は第1のハンド21の把持部材24を広げた状態で、第2のハンド10に対して第1のハンド21を近接させる。把持部材24がケース11上部の所定の箇所を把持できる位置まで到達したとき、押下部材25がボタン部12aを押下する。ボタン部12aが押下されると、一対の保持ツメ16は閉じる。このとき、ケース鍔部11aの下方のケース外周の直径Wよりも、一対の保持ツメ16の係止部16bのなす幅は小さくなっている。そして、第1のハンド21がケース11を把持して、図1で示す状態を形成することができる。
【0011】
以上で説明した本発明のロボットハンドについて、仮組みを要する部品の組み立てに使用する場合を図3及び図4にて説明する。ここでは第1の部品32に対して第2の部品33を仮組みした後、第3の部品35や第4の部品36を第2の部品33に組み付ける必要があるとする。
まず、ロボット20は第1のハンド21を図3(a)のように第2のハンド10に対して近接させる。このとき、第1のハンド21の把持部材24は広げた状態である。図3(b)のように把持部材24がケース11を把持する所定の位置まで到達したとき、押下部材25がシャフト12のボタン部12aに当接してこれを押下する。同時に把持ツメ16が閉じる。図3(c)のように把持部材24を閉じ、ケース11を把持して第2のハンド10を把持して載置治具31から取り出す。
図4(a)のように、ロボット20は、第2のハンド10が第1の部品32のA穴32aに挿入されるよう近接させる。このとき、第1の部品32に対して仮組みが必要な第2の部品33は、ロボット20とは別の他のロボット34によって搬送されてきている。ロボット20とロボット34とによって第1及び第2の部品組み立て用のロボットシステムが構成されている。
図4(b)のように、第2のハンド10をA穴32aに挿入し、さらに第2の部品33のB穴33bまで挿入する。このとき、ケース鍔部11aの下面がA穴32aの上面にほぼ当接する位置になっている。
図4(c)のように、第1のハンド21は把持部材24を広げ、第2のハンド10から遠ざかる。このとき、押下部材25もボタン部12aから離れるので、把持ツメ16が広がる。
この状態を拡大した図が図5である。第2のハンド10のケース11において、ケース鍔部11aの下面から係止部16bの上面までの寸法Zは、第1の部品32の厚みXと第2の部品33の厚みYとを足した値とほぼ同一となるよう構成されている。よって、係止部16bとケース鍔部11aとによって第1の部品32と第2の部品33とは保持されるようになっている。一方、当然ながら、ケース11の外周の直径Wは、A穴32aの直径よりも小さく、またケース鍔部11aの外周の直径はそれよりも大きく形成されている。また、係止部16bは閉じたとき第2の部品33のB穴33aの直径よりも小さくなるように形成されていて、広がったときB穴33aの直径よりも大きくなるよう形成されている。第1の部品32や第2の部品33は、工程によって寸法や形状が変更される可能性があるので、ロボットが作業する各部品に応じた第2のハンド10をそれぞれ製作しておけばよい。
このように図4(c)において、第1のハンド21は第2のハンド10の把持を開放するとともに、第2のハンド10が第1の部品32に対して第2の部品33を仮組みした状態で保持するので、第2のハンド10及び他のロボット34は第2の部品34の仮組み作業から離れ、次の作業へと移ることができる。
図4(d)のように、他のロボット34は第3の部品35を搬送してくることができる。一方、第1のハンド21も第4の部品36を搬送してくることができ、これらが協調して第2の部品33を第1の部品32に対して固定する。
図4(e)のように、他のロボット34が作業を終えるとともに、第1のハンド21が再び第2のハンド10を把持し、第2の部品33の仮組みを開放する。なお、図では第1のハンド21が、上記で説明した押下部材25の作用によって把持ツメ16を閉じ、第1のハンド10を組み付け部品から取り外しているが、第2のハンド10のケース11を把持し、圧縮バネ13の反力に打ち勝つ力で第2のハンド10を仮組み部品から引き抜くことさえできれば、係止部16bの係止が第2の部品33から外れるので、第2のハンド10を他のロボット34が取り外すようにしてもよい。
【0012】
以上のように、本発明のロボットハンドによれば、上述した第2のハンド10の構成による作用により仮組みが必要な部品を仮組みでき、さらに第1のハンド21が第2のハンド10を開放するので、仮組みを保持したまま、第1のハンドが仮組みとは別の作業を行うことができる。同時に、他のロボット34も次の作業を行うことができる。これにより、必要なロボットの台数を削減できると共に、部品組み立て工程の作業性を高めることができる。
なお、ロボット20と他のロボット34は、これらをアームとした双腕ロボットとして構成し、少なくともその一方のアームを本発明のハンドを搭載可能なロボット20のように構成し、他方のアームを、そのハンドによって少なくとも把持動作が可能なロボット34のように構成してもよい。これにより、1台のコントローラで双方のアームが協調制御され、共通の筐体に2つのアームが接続される形態となるので、上記の組み立て動作の効率が上がり、組み立てに必要なロボットの作業スペースも削減できる。
また、本発明は図6のように、第1の部品32のA穴32aが水平方向に向いており、この第1の部品32に対して第2の部品33を仮組みする必要があるにも使用できる。

【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のロボットハンドを示す側面図
【図2】本発明のロボットハンドを適用したロボットの外観側面図
【図3】本発明の第1のハンドが第2のハンドを把持するときの側面図
【図4】本発明のロボットハンドによって部品を仮組みするときの作業工程を示す側面図
【図5】本発明のロボットハンドによって部品を仮組みしたときの各部の詳細を示す側面図
【図6】本発明のロボットハンドによって部品を仮組みするときの他の実施例を示す側面図
【符号の説明】
【0014】
10 第2のハンド
11 ケース
11a ケース鍔部
12 シャフト
13 圧縮バネ
14 プッシャ
15 軸
16 保持ツメ
16a 長穴
16b 係止部

20 ロボット
20a アーム
21 第1のハンド
22 フランジ
23 エアシリンダ
24 把持部材
25 押下部材

30 台座
31 載置治具
32 第1の部品
33 第2の部品
34 他のロボット
35 第3の部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部品に対する第2の部品の仮組みを要する組立工程に使用されるロボットのロボットハンドにおいて、
前記ロボットハンドが、
前記ロボットのアーム先端に固定され、把持動作が可能な一対の把持部材を備えた第1のハンドと、
前記第1の部品の穴と前記第2の部品の穴に挿入可能な円筒状のケースと、前記第1の部品の穴の一端に係止可能な前記ケースの鍔部と、前記円筒状のケースに挿入され、その上端から突出し、付勢手段によって前記ケースに対して常に上方に付勢されるシャフトと、前記シャフトの下端に設けられた一対のプッシャと、前記ケースの下端に回転可能に設けられ、前記一対のプッシャの下降動作によって閉じる一対の保持ツメと、を備えた第2のハンドと、を備え、
前記把持部材によって前記ケースを把持したとき、前記第1のハンドが前記シャフトの上端を押下し、前記一対の保持ツメを閉じて、前記第1の部品の穴の径及び前記第2の部品の穴の径よりも前記一対の保持ツメの幅を減少させ、
前記把持部材が前記ケースを開放し、前記第1のハンドが前記第2のハンドを離したとき、前記一対の保持ツメが開いて、前記第2の部品の穴の径よりも前記一対の保持ツメの幅を大きくすること、を特徴とするロボットハンド。
【請求項2】
請求項1記載のロボットハンドを備え、前記第1及び第2の部品の形状に適するよう構成された少なくとも1以上の前記第2のハンドが前記アームの動作範囲内に備えられた第1のロボットと、
前記第2の部品を把持して前記第1の部品の近傍に搬送可能な第2のロボットと、を備えたことを特徴とするロボットシステム。
【請求項3】
請求項1記載のロボットハンドを備え、前記第1及び第2の部品の形状に適するよう構成された少なくとも1以上の前記第2のハンドが動作範囲内に備えられた第1のアームと、
前記第2の部品を把持して前記第1の部品の近傍に搬送可能な第2のアームと、を備えたことを特徴とする双腕ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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