説明

ロボットハンド及びロボット

【課題】段取り換えを容易に行うことができるようにする。
【解決手段】左アーム6L及び右アーム6Rに設けられた左ハンド9L及び右ハンド9Rは、液晶ガラス基板Wを載置可能な3つのフォーク12と、フォーク12の長手方向に互いに離れて配置される一対の固定部材15と、一対の固定部材15の間にそれぞれ配置され、フォーク12に載置された液晶ガラス基板Wの長手方向の移動を規制する一対のガイド部材13とを有しており、一対のガイド部材13の少なくとも一方は、フォーク12の長手方向位置が、複数の位置に選択的に設定可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、対象物を搬送するためのロボットハンド及びそれを備えたロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物を搬送するためのロボットハンドが知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術のロボットハンド(基板搬送用ハンド)は、ロボット(自動搬送装置)のハンド取付部にハンド取付用プレートを介して取り付けられている。そして、対象物(基板)の周縁部より外側に配したアームと、このアームに取り付けられ、対象物の周縁部を把持する基板把持部とを備えている。
【0003】
基板把持部の基材把持材は、ガイド部材(把持母材)と、このガイド部材を移動・案内するガイドと、対象物の裏面を支持する支持ピンとから構成されている。ガイド部材は、アームに固定したガイドに沿ってアームの長手方向に移動でき、所望の位置でボルトネジにより固定される。また、ガイド部材は、基板ガイド部と基板対面部とを備えている。基板ガイド部は、対象物の受取時に対象物の位置が多少ずれている場合でも、基板対面部に囲われる部分に対象物をガイドする。基板対面部は、支持ピン上に把持されている対象物の端面と所定の隙間を介して対向するように配されており、対象物がずれるのを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−254374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術のロボットハンドは、ガイド部材のボルトネジによる固定位置を変えることで、対象物の支持位置を変えることができるので、互いに寸法の異なる対象物を搬送する環境に用いることができる。このように、対象物を搬送するためのロボットハンドを、互いに寸法の異なる対象物を搬送する環境に用いる場合、搬送対象となる対象物の寸法を変更する度に、対象物と所定の隙間を介して対向するように、ガイド部材の固定位置を変更する段取り換えを行う必要がある。一般には、教示時に、対象物の寸法ごとに、ガイド部材の固定位置を設定して目印を記録しておき、搬送対象となる対象物の寸法を変更する際に、ガイド部材を上記教示時に記録した目印に合致するように配置して固定することにより段取り換えを行う。このため、段取り換えに手間がかかり、作業性が良いとは言えなかった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、段取り換えを容易に行うことができるロボットハンド及びロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、ロボットアームに設けられ、対象物を搬送するためのロボットハンドであって、前記対象物を載置可能な少なくとも1つのフォークと、前記フォークの長手方向に互いに離れて配置される一対の第1固定部材と、前記一対の第1固定部材の間にそれぞれ配置され、前記フォークに載置された前記対象物の前記長手方向の移動を規制する一対の第1ガイド部材と、を有し、前記一対の第1ガイド部材の少なくとも一方は、前記フォークの長手方向位置が、複数の位置に選択的に設定可能に構成されているロボットハンドが適用される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のロボットハンド及びロボットによれば、段取り換えを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施の形態のロボットの全体構成を表す斜視図である。
【図2】最も寸法の大きな液晶ガラス基板を搬送対象とする場合の、段取り換えを説明するための説明図である。
【図3】図2中のIII−III断面に相当する断面図である。
【図4】2番目に寸法の大きな液晶ガラス基板を搬送対象とする場合の、段取り換えを説明するための説明図である。
【図5】図4中のV−V断面に相当する断面図である。
【図6】最も寸法の小さな液晶ガラス基板を搬送対象とする場合の、段取り換えを説明するための説明図である。
【図7】図6中のVII−VII断面に相当する断面図である。
【図8】フォークの短手方向にもガイド部材を配置する変形例において、最も寸法の大きな液晶ガラス基板を搬送対象とする場合の、段取り換えを説明するための説明図である。
【図9】図8中のIX−IX断面に相当する断面図である。
【図10】2番目に寸法の大きな液晶ガラス基板を搬送対象とする場合の、段取り換えを説明するための説明図である。
【図11】図10中のXI−XI断面に相当する断面図である。
【図12】最も寸法の小さな液晶ガラス基板を搬送対象とする場合の、段取り換えを説明するための説明図である。
【図13】図12中のXIII−XIII断面に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態のロボット1は、図示しないカセットに収納された薄板状の液晶ガラス基板W(対象物)を所定の領域に搬送する多関節ロボットである。このロボット1は、所定の方向に走行可能な走行台車2と、走行台車2に取り付けられた固定ベース3と、昇降アーム4と、水平ベース5と、水平ベース5に対称構造で連結された左アーム6L及び右アーム6Rとを有している。なお、走行台車2は必ずしも必要ではなく、ロボットは架台等に固定されたものでもよい。
【0012】
昇降アーム4は、先端が固定ベース3に連結された第1昇降リンク4aと、先端が水平ベース5に連結された第2昇降リンク4bとを有しており、第1昇降リンク4aが第1旋回軸7を中心に旋回し、第2昇降リンク4bが第2旋回軸8を中心に旋回して、昇降アーム4より上側に配置された水平ベース5、左アーム6L、及び右アーム6Rを上下動させる。
【0013】
水平ベース5は、第3旋回軸20を中心に旋回して、左アーム6L及び右アーム6Rを水平方向に旋回させる。
【0014】
左アーム6Lは、水平ベース5に連結された第1左リンク6Laと、液晶ガラス基板Wを搬送するための左ハンド9Lを先端に備えた第2左リンク6Lbとを有しており、第1左リンク6Laが第3旋回軸10Lを中心に旋回し、第2左リンク6Lbが第4旋回軸11Lを中心に旋回して、左ハンド9Lを進退移動させる。
【0015】
右アーム6Rは、水平ベース5に連結された第1右リンク6Raと、液晶ガラス基板Wを搬送するための右ハンド9Rを先端に備えた第2右リンク6Rbとを有しており、第1右リンク6Raが第3旋回軸10Rを中心に旋回し、第2右リンク6Rbが第4旋回軸11Rを中心に旋回して、右ハンド9Rを進退移動させる。
【0016】
左ハンド9L及び右ハンド9Rは、上下方向の位置がずれて配置されている(この例では、左ハンド9Lが上側、右ハンド9Rが下側に配置されている)が、基本的には互いに同様の構造であり、液晶ガラス基板Wを載置可能な3つのフォーク12をそれぞれ有している。なお、フォーク12の数は、この例のように3つに限られず、1つや2つ、あるいは4つ以上でもよい。
【0017】
なお、左アーム6L及び右アーム6R(以下、これらを「アーム6」と総称する)のそれぞれが、特許請求の範囲に記載のロボットアームに相当する。また、左ハンド9L及び右ハンド9R(以下、これらを「ハンド9」と総称する)のそれぞれが、特許請求の範囲に記載のロボットハンドに相当する。
【0018】
以上のように基本構成されたロボット1は、アーム6を揺動させることで、ハンド9を前方に移動させ、昇降アーム4を上方に駆動させることで、ハンド9を上方に移動させ、カセット内の液晶ガラス基板Wをフォーク12上に載置する。その後、アーム6を揺動させることで、ハンド9を後方に移動させ、水平ベース5を旋回させることで、アーム6を水平方向に旋回させる。そして、アーム6を揺動させることで、ハンド9を前方に移動させ、昇降アーム4を下方に駆動させることで、ハンド9を下方に移動させ、フォーク12上に載置した液晶ガラス基板Wを所定の領域に載置する。以上により、ロボット1は、カセットに収納された液晶ガラス基板Wを所定の領域に搬送する。
【0019】
ここで、本実施形態では、ロボット1の搬送対象として、互いに寸法の異なる3種類の液晶ガラス基板Wが準備されている。この例では、最も寸法の大きな(例えば、730×920)液晶ガラス基板W1(後述の図2及び図3参照)と、2番目に寸法の大きな(例えば、680×880)液晶ガラス基板W2(後述の図4及び図5参照)と、最も寸法の小さな(例えば、620×750)液晶ガラス基板W3(後述の図6及び図7参照)とが準備されている。フォーク12は、これら3種類の液晶ガラス基板W1〜W3のいずれも載置可能となっている。
【0020】
また、図1中では図示省略しているが、フォーク12上に載置された液晶ガラス基板Wがフォーク12の長手方向(以下適宜、「フォーク長手方向」と称する)にずれるのを防止する(フォーク12上に載置された液晶ガラス基板Wのフォーク長手方向の移動を規制する)ため、フォーク12上に、当該フォーク12上に載置される液晶ガラス基板Wのフォーク長手方向の両端からそれぞれ所定の間隙(例えば、0.5mmのクリアランス)を介して対向するように、一対のガイド部材13(第1ガイド部材。後述の図2等参照)が固定されるようになっている。したがって、搬送対象となる液晶ガラス基板Wの寸法を変更する度に、液晶ガラス基板Wとフォーク長手方向に所定の間隙を介して対向するように、ガイド部材13の固定位置を変更する段取り換えが行われる。なお、上記のクリアランスは、液晶ガラス基板Wの寸法に比べ十分に小さく設定する必要がある。クリアランスが大きすぎると、一対のガイド部材13の間で液晶ガラス基板Wが大きく動くため、液晶ガラス基板Wに衝撃が加わる等の不都合が生じる。一方、クリアランスが小さすぎると、液晶ガラス基板Wの公差やロボット1等の機械類の経時変化等が許容されず、液晶ガラス基板Wが一対のガイド部材13の間に収まらないことが起こりうる。
【0021】
ここで、段取り換えについて説明する前に、左ハンド9L及び右ハンド9Rに備えられた3つのフォーク12について説明する。
【0022】
図2〜図7において、左ハンド9L及び右ハンド9Rに備えられた3つのフォーク12は、互いに同様の構造であり、フォーク長手方向に互いに離れた2箇所に、フォーク長手方向に沿って上面に孔設された、ネジ14が締結される複数のネジ孔12a,12b,12c,12d,12e,12fをそれぞれ有し、さらに、フォーク長手方向に沿って上面に立設された、液晶ガラス基板Wを支持する複数のピン12gをそれぞれ有している。また、各フォーク12上のフォーク長手方向に対応する上記2箇所には、一対の固定部材15(第1固定部材)がフォーク長手方向に互いに離れて配置されている。詳細には、一対の固定部材15は、各フォーク12上の、ロボット1の装置基準等に応じて設定されたフォーク長手方向に沿った所定の位置(以下適宜、「所定の長手方向位置」と称する)に、それぞれ配置されている。
【0023】
一対の固定部材15は、フォーク長手方向に沿って長孔状に形成された、ネジ14を挿通させフォーク12上のネジ孔12aに締結させるための長孔15a(第1挿通孔)をこの例では2つ有しており、2つのネジ14が各長孔15aに挿通され各ネジ孔12aに締結されることで、上記所定の長手方向位置にそれぞれ固定される。なお、上記「長孔状」とは、短軸方向の寸法より長軸方向の寸法の方が大きくなるように設けられた孔の形状を意味する。各長孔15aはそれぞれ、フォーク12の短手方向の長さが、ネジ14の軸部より長く、かつ、ネジ14の頭部より短くなるように設定されると共に、フォーク長手方向の長さが、少なくとも上記短手方向の長さより長く設定されている。
【0024】
また、一対の固定部材15は、段取り換えを行う際でも固定位置が変更されない、すなわち搬送対象が液晶ガラス基板W1〜W3のいずれの場合でも同じ位置に固定されるようになっており、上記一対のガイド部材13のそれぞれは、上記所定の長手方向位置に固定された一対の固定部材15の間に配置され、当該固定部材15を基準に、固定位置が設定されるようになっている。具体的には、上記一対のガイド部材13のぞれぞれは、フォーク長手方向に沿ったフォーク長手方向位置が、上記所定の長手方向位置に固定された一対の固定部材15の間の複数の位置に選択的に設定可能に構成されている。
【0025】
なお、図2〜図8に示す例では、固定部材15の各長孔15aに挿通され、フォーク12上の各ネジ孔12aに締結されて、固定部材15とフォーク12とを締結する2つのネジ14が、特許請求の範囲に記載の第1締結部材に相当し、これら2つのネジ14が締結される各ネジ孔12aが、特許請求の範囲に記載の第1締結孔に相当する。
【0026】
以下、段取り換えについて説明する。
【0027】
まず、図2及び図3を用いて、上記3種類の液晶ガラス基板W1〜W3のうち、最も寸法の大きな液晶ガラス基板W1を搬送対象とする場合について説明する。
【0028】
図2及び図3に示すように、液晶ガラス基板W1を搬送対象とする場合、左ハンド9L及び右ハンド9Rに備えられた各フォーク12上には、一対の固定部材15と、一対のガイド部材13とがそれぞれ配置される。一対の固定部材15は、上述したように、上記所定の長手方向位置にそれぞれ固定されている。
【0029】
一対のガイド部材13は、フォーク12上に載置される液晶ガラス基板Wを支持するパッド131aが液晶ガラス基板W側の上端部に立設された平板部131と、平板部131上のパッド131aより固定部材15側においてネジ16により固定されたガイド部132とから構成されている。平板部131は、フォーク長手方向に沿って長孔状に形成された、ネジ14を挿通させフォーク12上のネジ孔12b〜12fのいずれかに締結させるための長孔131b(第2挿通孔)をこの例では2つ有している。各長孔131bはそれぞれ、フォーク12の短手方向の長さが、ネジ14の軸部より長く、かつ、ネジ14の頭部より短くなるように設定されると共に、フォーク長手方向の長さが、少なくとも上記短手方向の長さより長く設定されている。
【0030】
液晶ガラス基板W1を搬送対象とする場合、まず、一対のガイド部材13が、上記所定の長手方向位置に固定された一対の固定部材15の間にそれぞれ配置される。詳細には、一対のガイド部材13は、平板部131の液晶ガラス基板W1とは反対側の面が、近い方の固定部材15の液晶ガラス基板W1側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される。そして、この状態で、2つのネジ14が各長孔131bに挿通されネジ孔12b,12cに締結されることで、一対のガイド部材13は、フォーク12上にそれぞれ固定される。以上により、ガイド部材13は、一対の固定部材15の間の複数の位置のうち、ガイド部132の端面が、フォーク12上に載置される液晶ガラス基板W1の端面に対しフォーク長手方向に所定の間隙を介して対向するように、フォーク12上の固定部材15より液晶ガラス基板W1側となる位置に固定される。
【0031】
なお、図2及び図3に示す例では、上記所定の長手方向位置に配置された一対の固定部材15の液晶ガラス基板W1側の面に当接する、一対のガイド部材13の平板部131の液晶ガラス基板W1とは反対側の面が、特許請求の範囲に記載の第1当接面に相当する。また、ガイド部材13の平板部131の各長孔131bに挿通され、フォーク12上のネジ孔12b,12cに締結されて、ガイド部材13とフォーク12とを締結する2つのネジ14が、特許請求の範囲に記載の第2締結部材に相当し、これら2つのネジ14が締結されるネジ孔12b,12cが、特許請求の範囲に記載の第2締結孔に相当する。
【0032】
以上のように段取り換えが行われることで、搬送対象となる液晶ガラス基板W1は、その端面が、一対のガイド部材13のガイド部132の端面のフォーク長手方向の両端からそれぞれ所定の間隙を介して対向するように、フォーク12上のピン12g及びガイド部材13の平板部131上のパッド131aに支持されつつフォーク12上に載置される。
【0033】
次に、図4及び図5を用いて、上記3種類の液晶ガラス基板W1〜W3のうち、2番目に寸法の大きな液晶ガラス基板W2を搬送対象とする場合について説明する。
【0034】
図4及び図5に示すように、液晶ガラス基板W2を搬送対象とする場合、左ハンド9L及び右ハンド9Rに備えられた各フォーク12上には、一対の固定部材15と、液晶ガラス基板W1〜W3の寸法に応じて準備された、互いにフォーク長手方向寸法の異なる2種類の、一対の中間部材17A(図4及び図5参照)及び一対の中間部材17B(後述の図6及び図7参照)のうち、フォーク長手方向寸法の小さな一対の中間部材17Aと、一対のガイド部材13とがそれぞれ配置される。なお、図4及び図5に示す例では、中間部材17Aが、特許請求の範囲に記載の第1中間部材に相当する。一対の固定部材15は、上述したように、上記所定の長手方向位置にそれぞれ固定されている。
【0035】
一対の中間部材17Aは、フォーク長手方向に沿って長孔状に形成された、ネジ14を挿通させフォーク12上のネジ孔12b〜12dのいずれかに締結させるための長孔17Aa(第3挿通孔)をこの例では1つ有している。長孔17Aaは、フォーク12の短手方向の長さが、ネジ14の軸部より長く、かつ、ネジ14の頭部より短くなるように設定されると共に、フォーク長手方向の長さが、少なくとも上記短手方向の長さより長く設定されている。
【0036】
液晶ガラス基板W2を搬送対象とする場合、まず、一対の中間部材17Aが、上記所定の長手方向位置に固定された一対の固定部材15の間にそれぞれ配置される。詳細には、一対の中間部材17Aは、液晶ガラス基板W2とは反対側の面が、近い方の固定部材15の液晶ガラス基板W2側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される。そして、この状態で、ネジ14が長孔17Aaに挿通されネジ孔12bに締結されることで、一対の中間部材17Aは、フォーク12上にそれぞれ固定される。その後、一対のガイド部材13が、フォーク12上に固定された一対の中間部材17Aの間にそれぞれ配置される。詳細には、一対のガイド部材13は、平板部131の液晶ガラス基板W2とは反対側の面が、近い方の中間部材17Aの液晶ガラス基板W2側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される。そして、この状態で、2つのネジ14が各長孔131bに挿通されネジ孔12c,12dに締結されることで、一対のガイド部材13は、フォーク12上にそれぞれ固定される。以上により、中間部材17Aは、フォーク12上の固定部材15と当該固定部材15に近い方のガイド部材13との間に固定され、ガイド部材13は、一対の固定部材15の間の複数の位置のうち、ガイド部132の端面が、フォーク12上に載置される液晶ガラス基板W2の端面に対しフォーク長手方向に所定の間隙を介して対向するように、フォーク12上の固定部材15より液晶ガラス基板W2側となる位置に固定される。
【0037】
なお、図4及び図5に示す例では、上記所定の長手方向位置に配置された一対の固定部材15の液晶ガラス基板W2側の面に当接する、一対の中間部材17Aの液晶ガラス基板W2とは反対側の面が、特許請求の範囲に記載の第2当接面に相当する。また、一対の固定部材15の液晶ガラス基板W2側の面に液晶ガラス基板W2とは反対側の面が当接するようにフォーク12上に固定された一対の中間部材17Aの、液晶ガラス基板W2側の面に当接する、一対のガイド部材13の液晶ガラス基板W2とは反対側の面が、特許請求の範囲に記載の第3当接面に相当する。さらに、ガイド部材13の平板部131の各長孔131bに挿通され、フォーク12上のネジ孔12c,12dに締結されて、ガイド部材13とフォーク12とを締結する2つのネジ14が、特許請求の範囲に記載の第2締結部材に相当し、これら2つのネジ14が締結されるネジ孔12c,12dが、特許請求の範囲に記載の第2締結孔に相当する。またさらに、中間部材17Aの長孔17Aaに挿通され、フォーク12上のネジ孔12bに締結されて、中間部材17Aとフォーク12とを締結するネジ14が、特許請求の範囲に記載の第3締結部材に相当し、このネジ14が締結されるネジ孔12bが、特許請求の範囲に記載の第3締結孔に相当する。
【0038】
以上のように段取り換えが行われることで、搬送対象となる液晶ガラス基板W2は、その端面が、一対のガイド部材13のガイド部132の端面のフォーク長手方向の両端からそれぞれ所定の間隙を介して対向するように、フォーク12上のピン12g及びガイド部材13の平板部131上のパッド131aに支持されつつフォーク12上に載置される。
【0039】
次に、図6及び図7を用いて、上記3種類の液晶ガラス基板W1〜W3のうち、最も寸法の小さな液晶ガラス基板W3を搬送対象とする場合について説明する。
【0040】
図6及び図7に示すように、液晶ガラス基板W3を搬送対象とする場合、左ハンド9L及び右ハンド9Rに備えられた各フォーク12上には、一対の固定部材15と、上記2種類の、一対の中間部材17A及び一対の中間部材17Bのうち、フォーク長手方向寸法の大きな一対の中間部材17Bと、一対のガイド部材13とがそれぞれ配置される。なお、図6及び図7に示す例では、中間部材17Bが、特許請求の範囲に記載の第1中間部材に相当する。一対の固定部材15は、上述したように、上記所定の長手方向位置にそれぞれ固定されている。
【0041】
一対の中間部材17Bは、フォーク長手方向に沿って長孔状に形成された、2つのネジ14を挿通させフォーク12上のネジ孔12c,12dに締結させるための長孔17Ba(第3挿通孔)をこの例では1つ有している。長孔17Baは、フォーク12の短手方向の長さが、ネジ14の軸部より長く、かつ、ネジ14の頭部より短くなるように設定されると共に、フォーク長手方向の長さが、少なくとも上記短手方向の長さより長く設定されている。
【0042】
液晶ガラス基板W3を搬送対象とする場合、まず、一対の中間部材17Bが、上記所定の長手方向位置に固定された一対の固定部材15の間にそれぞれ配置される。詳細には、一対の中間部材17Bは、液晶ガラス基板W3とは反対側の面が、近い方の固定部材15の液晶ガラス基板W3側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される。そして、この状態で、2つのネジ14が長孔17Baに挿通されネジ孔12c,12dに締結されることで、一対の中間部材17Bは、フォーク12上にそれぞれ固定される。その後、一対のガイド部材13が、フォーク12上に固定された一対の中間部材17Bの間にそれぞれ配置される。詳細には、一対のガイド部材13は、平板部131の液晶ガラス基板W3とは反対側の面が、近い方の中間部材17Bの液晶ガラス基板W3側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される。そして、この状態で、2つのネジ14が各長孔131bに挿通されネジ孔12e,12fに締結されることで、一対のガイド部材13は、フォーク12上にそれぞれ固定される。以上により、中間部材17Bは、フォーク12上の固定部材15と当該固定部材15に近い方のガイド部材13との間に固定され、ガイド部材13は、一対の固定部材15の間の複数の位置のうち、ガイド部132の端面が、フォーク12上に載置される液晶ガラス基板W3の端面に対しフォーク長手方向に所定の間隙を介して対向するように、フォーク12上の固定部材15より液晶ガラス基板W3側となる位置に固定される。
【0043】
なお、図6及び図7に示す例では、上記所定の長手方向位置に配置された一対の固定部材15の液晶ガラス基板W3側の面に当接する、一対の中間部材17Bの液晶ガラス基板W3とは反対側の面が、特許請求の範囲に記載の第2当接面に相当する。また、一対の固定部材15の液晶ガラス基板W3側の面に液晶ガラス基板W3とは反対側の面が当接するようにフォーク12上に固定された一対の中間部材17Bの、液晶ガラス基板W3側の面に当接する、一対のガイド部材13の液晶ガラス基板W3とは反対側の面が、特許請求の範囲に記載の第3当接面に相当する。さらに、ガイド部材13の平板部131の各長孔131bに挿通され、フォーク12上のネジ孔12e,12fに締結されて、ガイド部材13とフォーク12とを締結する2つのネジ14が、特許請求の範囲に記載の第2締結部材に相当し、これら2つのネジ14が締結されるネジ孔12e,12fが、特許請求の範囲に記載の第2締結孔に相当する。またさらに、中間部材17Bの長孔17Baに挿通され、フォーク12上のネジ孔12c,12dに締結されて、中間部材17Bとフォーク12とを締結する2つのネジ14が、特許請求の範囲に記載の第3締結部材に相当し、これら2つのネジ14が締結されるネジ孔12c,12dが、特許請求の範囲に記載の第3締結孔に相当する。
【0044】
以上のように段取り換えが行われることで、搬送対象となる液晶ガラス基板W3は、その端面が、一対のガイド部材13のガイド部132の端面のフォーク長手方向の両端からそれぞれ所定の間隙を介して対向するように、フォーク12上のピン12g及びガイド部材13の平板部131上のパッド131aに支持されつつフォーク12上に載置される。
【0045】
以上説明したように、本実施形態のロボット1は、左アーム6L及び右アーム6Rに左ハンド9L及び右ハンド9Rを備えており、これら左ハンド9L及び右ハンド9Rを用いて液晶ガラス基板Wを搬送する。
【0046】
ここで、一般に、液晶ガラス基板Wを搬送する方式としては、ハンドに設けた適宜の吸着部材により液晶ガラス基板Wを真空吸着しつつ搬送する吸着方式や、ハンドに設けたフォーク上に液晶ガラス基板Wを載置しつつ搬送する非吸着方式がある。吸着方式の場合、吸着部材により液晶ガラス基板Wを真空吸着しつつハンドの移動を行うことで、液晶ガラス基板Wの位置ずれを防止しつつ液晶ガラス基板Wを搬送することができるが、吸着により液晶ガラス基板Wが撓んだり、液晶ガラス基板Wの吸着面に形成されたコーティング層に斑が発生するおそれがある。非吸着方式の場合、フォークを液晶ガラス基板Wの下側に移動させ、その後フォークを上昇させてフォーク上に液晶ガラス基板Wを載置し、その状態でハンドの移動を行うことで、液晶ガラス基板Wを搬送する。このような非吸着方式の場合、一般に、フォーク上に載置される液晶ガラス基板Wの位置ずれを防止するため、フォーク上に、液晶ガラス基板Wに対し長手方向に所定の間隙を介して対向するように、一対のガイド部材が配置される。フォーク上に一対のガイド部材が配置されたハンドを用いることにより、フォーク上に載置された液晶ガラス基板Wの位置ずれを防止しつつ液晶ガラス基板Wを搬送することができる。
【0047】
また、ここで、上記フォーク上に一対のガイド部材が配置されたハンドをアームの先端に備えたロボットを、互いに寸法の異なる液晶ガラス基板Wを搬送する環境に用いる場合が考えられる。この場合、搬送対象となる液晶ガラス基板Wの寸法を変更する度に、液晶ガラス基板Wと所定の間隙を介して対向するように、ガイド部材の固定位置を変更する段取り換えを行う必要がある。一般には、教示時に、液晶ガラス基板Wの寸法ごとに、ガイド部材の固定位置を設定して目印を記録しておき、搬送対象となる液晶ガラス基板Wの寸法を変更する際に、ガイド部材を上記教示時に記録した目印に合致するように配置して固定することにより段取り換えを行う。このため、段取り換えに手間がかかり、作業性が良いとは言えなかった。
【0048】
そこで本実施形態においては、左ハンド9L及び右ハンド9Rが、液晶ガラス基板Wを載置可能な3つのフォーク12と、フォーク12上のフォーク長手方向に互いに離れて配置される一対の固定部材15と、一対のガイド部材13とを有している。一対のガイド部材13は、一対の固定部材15の間にそれぞれ配置され、フォーク12上に載置された液晶ガラス基板Wのフォーク長手方向の移動を規制する。そして、一対のガイド部材13のそれぞれは、フォーク12上のフォーク長手方向位置が、一対の固定部材15の間の複数の位置に選択的に設定可能に構成されている。これにより、互いに寸法の異なる液晶ガラス基板Wを搬送する環境に用いる場合でも、フォーク12上に配置された固定部材15を基準に、ガイド部材13の固定位置を設定できるので、段取り換えを容易に行うことができる。また、予め、液晶ガラス基板Wの寸法ごとに、液晶ガラス基板Wとの間隙が所定の間隔となるようにガイド部材13をフォーク12上に配置したハンドを用意して、液晶ガラス基板Wを搬送する際に、搬送対象となる液晶ガラス基板Wの寸法に応じてハンドを付け替える場合に比べ、コストを大幅に削減することができると共に、作業性を向上することができる。
【0049】
また、本実施形態では特に、一対のガイド部材13は、平板部131の液晶ガラス基板W1とは反対側の面が、フォーク12上の所定の長手方向位置に固定された一対の固定部材15の液晶ガラス基板W1側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される(図2及び図3参照)。また、一対のガイド部材13は、平板部131の液晶ガラス基板W2,W3とは反対側の面が、中間部材17A,17Bの液晶ガラス基板W2,W3側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される(図4〜図7参照)。ガイド部材13をフォーク12上に固定された固定部材15に突き当てて配置したり、ガイド部材13をフォーク12上に固定された、フォーク12上に固定された固定部材15に突き当てて配置された中間部材17A,17Bに突き当てて配置することにより、ガイド部材13を、フォーク12上に載置される液晶ガラス基板Wに対しフォーク長手方向に所定の間隙を介して対向するように、容易かつ確実に配置することができる。
【0050】
また、本実施形態では特に、固定部材15、ガイド部材13、及び中間部材17A,17Bは、フォーク長手方向に沿って長孔状に形成された、長孔15a、長孔131b、及び長孔17Aa,17Baを有している。これにより、固定部材15及びガイド部材13、及び中間部材17A,17Bをフォーク12上に固定する際の組み付け性を向上することができる。
【0051】
なお、実施の形態は、上記内容に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0052】
(1)フォークの短手方向にもガイド部材を配置する場合
図8〜図13において、本変形例の左ハンド9L及び右ハンド9Rは、前述の液晶ガラス基板Wを載置可能な5つのフォーク112A,112B,112C,112D,112Eを有している。なお、フォーク112の数は、この例のように5つに限られず、1つや2つ、あるいは4つ以上でもよい。フォーク112A〜112E(以下適宜、これらを「フォーク112」と総称する)は、前述の3種類の液晶ガラス基板W1〜W3のいずれも載置可能となっている。
【0053】
また、本変形例においては、フォーク112上に載置された液晶ガラス基板Wがフォーク112の短手方向(以下適宜、「フォーク短手方向」と称する)にずれるのを防止する(フォーク112上に載置された液晶ガラス基板Wのフォーク短手方向の移動を規制する)ため、上記5つのフォーク112A〜112Eのうち、1番目のフォーク112A上と5番目のフォーク112E上に、フォーク112上に載置される液晶ガラス基板Wのフォーク短手方向の両端からそれぞれ所定の間隙(例えば、0.5mmのクリアランス)を介して対向するように、液晶ガラス基板W1〜W3の寸法に応じて準備された、互いにフォーク短手方向寸法の異なる3種類の、一対のガイド部材113A(図8及び図9参照)、一対のガイド部材113B(図10及び図11参照)、及び一対のガイド部材113C(図12及び図13参照)のいずれかが固定されるようになっている。したがって、搬送対象となる液晶ガラス基板Wの寸法を変更する度に、液晶ガラス基板Wとフォーク短手方向に所定の間隙を介して対向するように、ガイド部材113の種類を変更する段取り換えが行われる。
【0054】
1番目のフォーク112Aと5番目のフォーク112Eとは、互いに対称構造となっており、フォーク長手方向に沿って適宜の間隙で3箇所に、フォーク短手方向に沿って上面に孔設された、ネジ114が締結される複数のネジ孔112a,112b,112cをそれぞれ有している。また、フォーク112A,112E上のフォーク長手方向の対応する上記3箇所には、一対の固定部材115(第2固定部材)の一方又は他方が、2つのフォーク112A,112E間でフォーク短手方向に互いに離れて配置されている。つまり、フォーク112A上の上記3箇所には、一対の固定部材115の一方がそれぞれ配置され、フォーク112E上の上記3箇所には、一対の固定部材115の他方がそれぞれ配置されている。詳細には、一対の固定部材115は、フォーク112A,112E上の、ロボット1の装置基準等に応じて設定されたフォーク短手方向に沿った所定の位置(以下適宜、「所定の短手方向位置」と称する)に、それぞれ配置されている。
【0055】
一対の固定部材115は、フォーク短手方向に沿って長孔状に形成された、ネジ114を挿通させフォーク112A上又はフォーク112E上のネジ孔112aに締結させるための長孔115aをこの例では2つ有しており、2つのネジ114が各長孔115aに挿通され各ネジ孔112aに締結されることで、上記所定の短手方向位置にそれぞれ固定される。各長孔115aはそれぞれ、フォーク長手方向の長さが、ネジ114の軸部より長く、かつ、ネジ114の頭部より短くなるように設定されると共に、フォーク短手方向の長さが、少なくとも上記長手方向の長さより長く設定されている。また、一対の固定部材115は、段取り換えを行う際でも固定位置が変更されない、すなわち搬送対象が液晶ガラス基板W1〜W3のいずれの場合でも同じ位置に固定されるようになっている。
【0056】
また、上記5つのフォーク112A〜112Eのうち、2番目のフォーク112Bと4番目のフォーク112Dとは、上記実施形態におけるフォーク12とほぼ同様の構造であり、搬送対象となる液晶ガラス基板Wの寸法を変更する度に、液晶ガラス基板Wとフォーク長手方向に所定の間隙を介して対向するように、前述のガイド部材13の固定位置を変更する段取り換えが行われる(前述の図2〜図7参照)。
【0057】
また、上記5つのフォーク112A〜112Eのうち、3番目のフォーク112Cは、フォーク長手方向に沿って上面に立設された、液晶ガラス基板Wを支持する複数のピン112Caを有している。
【0058】
以下、段取り換えについて説明する。
【0059】
まず、図8及び図9を用いて、上記3種類の液晶ガラス基板W1〜W3のうち、最も寸法の大きな液晶ガラス基板W1を搬送対象とする場合について説明する。
【0060】
図8及び図9に示すように、液晶ガラス基板W1を搬送対象とする場合、左ハンド9L及び右ハンド9Rに備えられた1番目のフォーク112A上と5番目のフォーク112E上には、一対の固定部材115の一方又は他方と、上記3種類の、一対のガイド部材113A、一対のガイド部材113B、及び一対のガイド部材113Cのうち、最もフォーク短手方向寸法の小さな一対のガイド部材113Aの一方又は他方とがそれぞれ配置される。なお、図8及び図9に示す例では、ガイド部材113Aが、特許請求の範囲に記載の第2ガイド部材に相当する。一対の固定部材115は、上述したように、上記所定の短手方向位置にそれぞれ固定されている。
【0061】
一対のガイド部材113Aは、フォーク112上に載置される液晶ガラス基板Wを支持するパッド231aが液晶ガラス基板W側の上端部に立設された平板部231Aと、平板部231A上のパッド231aより固定部材115側においてネジ116により固定されたガイド部232とから構成されている。平板部231Aは、フォーク短手方向に沿って長孔状に形成された、ネジ114を挿通させフォーク112A上又はフォーク112E上のネジ孔112b,112cに締結させるための長孔231Aaをこの例では2つ有している。各長孔231Aaはそれぞれ、フォーク長手方向の長さが、ネジ114の軸部より長く、かつ、ネジ114の頭部より短くなるように設定されると共に、フォーク短手方向の長さが、少なくとも上記長手方向の長さより長く設定されている。
【0062】
液晶ガラス基板W1を搬送対象とする場合、まず、一対のガイド部材113Aが、上記所定の短手方向位置に固定された一対の固定部材115の間にそれぞれ配置される。詳細には、一対のガイド部材113Aは、平板部231Aの液晶ガラス基板W1とは反対側の面が、近い方の固定部材115の液晶ガラス基板W1側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される。そして、この状態で、2つのネジ114が各長孔231Aaに挿通されネジ孔112b,112cに締結されることで、一対のガイド部材113Aは、フォーク112A,112E上にそれぞれ固定される。以上により、ガイド部材113Aは、ガイド部232の端面が、フォーク112上に載置される液晶ガラス基板W1の端面に対しフォーク短手方向に所定の間隙を介して対向するように、フォーク112A,112E上の固定部材115より液晶ガラス基板W1側となる位置に固定される。
【0063】
なお、図8及び図9に示す例では、上記所定の短手方向位置に配置された一対の固定部材115の液晶ガラス基板W1側の面に当接する、一対のガイド部材113Aの液晶ガラス基板W1とは反対側の面が、特許請求の範囲に記載の第4当接面に相当する。
【0064】
以上のように段取り換えが行われると共に、フォーク112B,112D上のガイド部材13の固定位置を変更する段取り換え(図2及び図3参照)も行われることで、搬送対象となる液晶ガラス基板W1は、そのフォーク短手方向側の端面が、一対のガイド部材113Aのガイド部232の端面のフォーク短手方向の両端からそれぞれ所定の間隙を介して対向すると共に、そのフォーク長手方向側の端面が、一対のガイド部材13のガイド部132の端面のフォーク長手方向の両端からそれぞれ所定の間隙を介して対向するように、フォーク112A,112E上のガイド部材113Aの平板部231A上のパッド231aと、フォーク112B,112D上のピン12g及びガイド部材13の平板部131上のパッド131aと、フォーク112C上のピン112Caとに支持されつつフォーク112上に載置される。
【0065】
次に、図10及び図11を用いて、上記3種類の液晶ガラス基板W1〜W3のうち、2番目に寸法の大きな液晶ガラス基板W2を搬送対象とする場合について説明する。
【0066】
図10及び図11に示すように、液晶ガラス基板W2を搬送対象とする場合、左ハンド9L及び右ハンド9Rに備えられた1番目のフォーク112A上と5番目のフォーク112E上には、一対の固定部材115の一方又は他方と、上記3種類の、一対のガイド部材113A、一対のガイド部材113B、及び一対のガイド部材113Cのうち、2番目にフォーク短手方向寸法の小さな一対のガイド部材113Bの一方又は他方とがそれぞれ配置される。なお、図10及び図11に示す例では、ガイド部材113Bが、特許請求の範囲に記載の第2ガイド部材に相当する。一対の固定部材115は、上述したように、上記所定の短手方向位置にそれぞれ固定されている。
【0067】
一対のガイド部材113Bは、フォーク112上に載置される液晶ガラス基板Wを支持するパッド231aが液晶ガラス基板W側の上端部に立設された平板部231Bと、平板部231B上のパッド231aより固定部材115側においてネジ116により固定されたガイド部232とから構成されている。平板部231Bは、フォーク短手方向に沿って長孔状に形成された、ネジ114を挿通させフォーク112A上又はフォーク112E上のネジ孔112b,112cに締結させるための長孔231Baをこの例では2つ有している。各長孔231Baはそれぞれ、フォーク長手方向の長さが、ネジ114の軸部より長く、かつ、ネジ114の頭部より短くなるように設定されると共に、フォーク短手方向の長さが、少なくとも上記長手方向の長さより長く設定されている。
【0068】
液晶ガラス基板W2を搬送対象とする場合、まず、一対のガイド部材113Bが、上記所定の短手方向位置に固定された一対の固定部材115の間にそれぞれ配置される。詳細には、一対のガイド部材113Bは、平板部231Bの液晶ガラス基板W2とは反対側の面が、近い方の固定部材115の液晶ガラス基板W2側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される。そして、この状態で、2つのネジ114が各長孔231Baに挿通されネジ孔112b,112cに締結されることで、一対のガイド部材113Bは、フォーク112A,112E上にそれぞれ固定される。以上により、ガイド部材113Bは、ガイド部232の端面が、フォーク112上に載置される液晶ガラス基板W2の端面に対しフォーク短手方向に所定の間隙を介して対向するように、フォーク112A,112E上の固定部材115より液晶ガラス基板W2側となる位置に固定される。
【0069】
なお、図10及び図11に示す例では、上記所定の短手方向位置に配置された一対の固定部材115の液晶ガラス基板W2側の面に当接する、一対のガイド部材113Bの液晶ガラス基板W2とは反対側の面が、特許請求の範囲に記載の第4当接面に相当する。
【0070】
以上のように段取り換えが行われると共に、フォーク112B,112D上のガイド部材13の固定位置を変更する段取り換え(図4及び図5参照)も行われることで、搬送対象となる液晶ガラス基板W2は、そのフォーク短手方向側の端面が、一対のガイド部材113Bのガイド部232の端面のフォーク短手方向の両端からそれぞれ所定の間隙を介して対向すると共に、そのフォーク長手方向側の端面が、一対のガイド部材13のガイド部132の端面のフォーク長手方向の両端からそれぞれ所定の間隙を介して対向するように、フォーク112A,112E上のガイド部材113Bの平板部231B上のパッド231aと、フォーク112B,112D上のピン12g及びガイド部材13の平板部131上のパッド131aと、フォーク112C上のピン112Caとに支持されつつフォーク112上に載置される。
【0071】
次に、図12及び図13を用いて、上記3種類の液晶ガラス基板W1〜W3のうち、最も寸法の小さな液晶ガラス基板W3を搬送対象とする場合について説明する。
【0072】
図12及び図13に示すように、液晶ガラス基板W3を搬送対象とする場合、左ハンド9L及び右ハンド9Rに備えられた1番目のフォーク112A上と5番目のフォーク112E上には、一対の固定部材115の一方又は他方と、上記3種類の、一対のガイド部材113A、一対のガイド部材113B、及び一対のガイド部材113Cのうち、最もフォーク短手方向寸法の大きな一対のガイド部材113Cの一方又は他方とがそれぞれ配置される。なお、図12及び図13に示す例では、ガイド部材113Cが、特許請求の範囲に記載の第2ガイド部材に相当する。一対の固定部材115は、上述したように、上記所定の短手方向位置にそれぞれ固定されている。
【0073】
一対のガイド部材113Cは、平板部231Cと、平板部231C上の固定部材115側においてネジ116により固定されたガイド部232とから構成されている。平板部231Cは、フォーク短手方向に沿って長孔状に形成された、ネジ114を挿通させフォーク112A上又はフォーク112E上のネジ孔112b,112cに締結させるための長孔231Caをこの例では2つ有している。各長孔231Caはそれぞれ、フォーク長手方向の長さが、ネジ114の軸部より長く、かつ、ネジ114の頭部より短くなるように設定されると共に、フォーク短手方向の長さが、少なくとも上記長手方向の長さより長く設定されている。
【0074】
液晶ガラス基板W3を搬送対象とする場合、まず、一対のガイド部材113Cが、上記所定の短手方向位置に固定された一対の固定部材115の間にそれぞれ配置される。詳細には、一対のガイド部材113Cは、平板部231Cの液晶ガラス基板W3とは反対側の面が、近い方の固定部材115の液晶ガラス基板W3側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される。そして、この状態で、2つのネジ114が各長孔231Caに挿通されネジ孔112b,112cに締結されることで、一対のガイド部材113Cは、フォーク112A,112E上にそれぞれ固定される。以上により、ガイド部材113Cは、ガイド部232の端面が、フォーク112上に載置される液晶ガラス基板W3の端面に対しフォーク短手方向に所定の間隙を介して対向するように、フォーク112A,112E上の固定部材115より液晶ガラス基板W3側となる位置に固定される。
【0075】
なお、図12及び図13に示す例では、上記所定の短手方向位置に配置された一対の固定部材115の液晶ガラス基板W3側の面に当接する、一対のガイド部材113Cの液晶ガラス基板W3とは反対側の面が、特許請求の範囲に記載の第4当接面に相当する。
【0076】
以上のように段取り換えが行われると共に、フォーク112B,112D上のガイド部材13の固定位置を変更する段取り換え(図6及び図7参照)も行われることで、搬送対象となる液晶ガラス基板W3は、そのフォーク短手方向側の端面が、一対のガイド部材113Cのガイド部232の端面のフォーク短手方向の両端からそれぞれ所定の間隙を介して対向すると共に、そのフォーク長手方向側の端面が、一対のガイド部材13のガイド部132の端面のフォーク長手方向の両端からそれぞれ所定の間隙を介して対向するように、フォーク112B,112D上のピン12g及びガイド部材13の平板部131上のパッド131aと、フォーク112C上のピン112Caとに支持されつつフォーク112上に載置される。
【0077】
本変形例においては、フォーク112A,112E間でフォーク短手方向に互いに離れて配置される一対の固定部材115と、一対の固定部材115の間にそれぞれ配置され、フォーク112A,112E上に載置された液晶ガラス基板W側のフォーク短手方向の移動を規制する一対のガイド部材113A,113B,113Cとを有している。そして、一対のガイド部材113A,113B,113Cは、平板部231A,231B,231Cの液晶ガラス基板W1,W2,W3とは反対側の面が、フォーク112A,112E上の所定の短手方向位置に固定された一対の固定部材115の液晶ガラス基板W1,W2,W3側の面に突き当たり当接するように、それぞれ配置される。これにより、ガイド部材113を、フォーク112上に載置される液晶ガラス基板Wに対しフォーク短手方向に所定の間隙を介して対向するように、容易かつ確実に配置することができる。
【0078】
(2)その他
以上では、一対のガイド部材13のそれぞれについて、フォーク長手方向位置が複数の位置に選択的に設定可能に構成されていたが、これに限られず、一対のガイド部材13の一方のみ、フォーク長手方向位置を複数の位置に選択的に設定可能に構成してもよい。
【0079】
また以上では、ロボット1の搬送対象として、互いに寸法の異なる3種類の液晶ガラス基板Wが準備されていた場合を例示したが、これに限られず、互いに寸法の異なる2種類の液晶ガラス基板Wが準備されている場合や、互いに寸法の異なる4種類以上の液晶ガラス基板Wが準備されている場合にも適用することができる。
【0080】
さらに以上では、対象物を液晶ガラス基板Wとしたが、これに限られず、対象物は他のもの(例えば半導体基板等)でもよい。
【0081】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0082】
その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0083】
1 ロボット
6 アーム(ロボットアーム)
6L 左アーム(ロボットアーム)
6R 右アーム(ロボットアーム)
9 ハンド(ロボットハンド)
9L 左ハンド(ロボットハンド)
9R 右ハンド(ロボットハンド)
12 フォーク
12a〜f ネジ孔
13 ガイド部材(第1ガイド部材)
14 ネジ
15 固定部材(第1固定部材)
15a 長孔(第1挿通孔)
17A,B 中間部材(第1中間部材)
17Aa,Ba 長孔(第3挿通孔)
112 フォーク
112A〜E フォーク
113A〜C ガイド部材(第2ガイド部材)
115 固定部材(第2固定部材)
131b 長孔(第2挿通孔)
W 液晶ガラス基板(対象物)
W1〜3 液晶ガラス基板(対象物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームに設けられ、対象物を搬送するためのロボットハンドであって、
前記対象物を載置可能な少なくとも1つのフォークと、
前記フォークの長手方向に互いに離れて配置される一対の第1固定部材と、
前記一対の第1固定部材の間にそれぞれ配置され、前記フォークに載置された前記対象物の前記長手方向の移動を規制する一対の第1ガイド部材と、
を有し、
前記一対の第1ガイド部材の少なくとも一方は、
前記フォークの長手方向位置が、複数の位置に選択的に設定可能に構成されている
ことを特徴とするロボットハンド。
【請求項2】
前記一対の第1ガイド部材の少なくとも一方は、
当該第1ガイド部材に近い方の前記第1固定部材に当接する第1当接面を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項3】
前記フォークは、
前記第1固定部材と前記フォークとを締結する第1締結部材が締結される第1締結孔と、
前記第1ガイド部材と前記フォークとを締結する第2締結部材が締結される第2締結孔と、
を有し、
前記第1固定部材は、
前記第1締結部材を挿通させ前記第1締結孔に締結させるための第1挿通孔を有し、
前記第1ガイド部材は、
前記第2締結部材を挿通させ前記第2締結孔に締結させるための第2挿通孔を有し、
前記第1挿通孔及び前記第2挿通孔は、
前記長手方向に沿って長孔状に形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロボットハンド。
【請求項4】
前記第1固定部材と、当該第1固定部材に近い方の前記第1ガイド部材との間に配置され、前記第1固定部材に当接する第2当接面を備える、中間部材をさらに有しており、
前記一対の第1ガイド部材の少なくとも一方は、
前記第1固定部材に当接した前記中間部材に当接する第3当接面を備える
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロボットハンド。
【請求項5】
前記フォークは、
前記第1固定部材と前記フォークとを締結する第1締結部材が締結される第1締結孔と、
前記第1ガイド部材と前記フォークとを締結する第2締結部材が締結される第2締結孔と、
前記中間部材と前記フォークとを締結する第3締結部材が締結される第3締結孔と、
を有し、
前記第1固定部材は、
前記第1締結部材を挿通させ前記第1締結孔に締結させるための第1挿通孔を有し、
前記第1ガイド部材は、
前記第2締結部材を挿通させ前記第2締結孔に締結させるための第2挿通孔を有し、
前記中間部材は、
前記第3締結部材を挿通させ前記第3締結孔に締結させるための第3挿通孔を有し、
前記第1挿通孔、前記第2挿通孔、及び前記第3挿通孔は、
前記長手方向に沿って長孔状に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のロボットハンド。
【請求項6】
前記フォークの短手方向に互いに離れて配置される一対の第2固定部材と、
前記一対の第2固定部材の間にそれぞれ配置され、前記フォークに載置された前記対象物の前記短手方向の移動を規制する一対の第2ガイド部材と、
を有し、
前記一対の第2ガイド部材の少なくとも一方は、
当該第2ガイド部材に近い方の前記第2固定部材に当接する第4当接面を備える
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のロボットハンド。
【請求項7】
ロボットアームと、当該ロボットアームに設けられたロボットハンドと、を備えたロボットであって、
前記ロボットハンドは、
対象物を載置可能な少なくとも1つのフォークと、
前記フォークの長手方向に互いに離れて配置される一対の第1固定部材と、
前記一対の第1固定部材の間にそれぞれ配置され、前記フォークに載置された前記対象物の前記長手方向の移動を規制する一対の第1ガイド部材と、
を有し、
前記一対の第1ガイド部材の少なくとも一方は、
前記フォークの長手方向位置が、複数の位置に選択的に設定可能に構成されている
ことを特徴とするロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−56390(P2013−56390A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195859(P2011−195859)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】