説明

ロラゼパムの安定化

【解決手段】 本発明は、保存に安定であり約90秒またはそれ以下で分解可能な、口腔内で分解可能なロラゼパム含有剤形に関するものである。一実施形態では、ロラゼパムおよび約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する高分子材料を含有するロラゼパム保護粒子を含む、保存に安定な口腔内崩壊剤形を提供する。さらに開示するところのものは、保存に安定なロラゼパム含有錠剤の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
我々皆のような製剤化学者にとって、朝ベッドから這い出すことは、時にそれほど苦労を要さない。7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1,3ジヒドロ−3−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン[846−49−1]は、不安神経症治療およびひきつけ予防に用いられることで知られている。それは、オーラルコンセントレイト、注射剤、経口液剤、および経口嚥下錠を含む様々な異なる輸送形式で入手可能である。最後のものは、0.5、1、および2ミリグラムの用量で最近認可された。
【0002】
この特定の医薬品有効成分(active pharmaceutical ingredient:「API」)が既に様々広範な輸送形式で製造されており、口腔内崩壊錠(orally disintegrable tablets:「ODT」)(orally disintegrating tabletと同義で使用される)のための様々な形式が知られることから、ロラゼパムを輸送可能な口腔内崩壊剤形の製造が当然可能であると考えるのは無理からぬことである。しかしそうした仮説の多くと同じく、この考えも誤りであると判明した。マンニトールなどの典型的に使用されるODT賦形剤、および架橋PVP(架橋ポリビニルピロリドン、別称クロスポビドンまたはPVPP)などの超崩壊剤と共に用いると、ロラゼパムは不安定であることが発見された。加えて、嚥下するための錠剤には通常不要であるところの、口腔内崩壊錠中に用いる香味剤もまた、ロラゼパムを不安定化する可能性がある。
【0003】
その結果、ロラゼパムを含む口腔内崩壊剤形の製剤化の試みは、強制分解試験で測定すると通常16%またはそれ以上(多くの場合20%またはそれ以上)のポテンシー減少に終わった。さらに悪いことには、不安定化する可能性のある賦形剤からロラゼパムを隔離する様々な技術は役に立たなかった。例えば、いくつかの口腔内崩壊錠で有用である、可能性のあるコーティングは、ユードラジット(登録商標)E−100の商標名で市販されているアクリル系材料である。この材料は矯味において特に有用であり、約6.5以下のpHで、すなわちコーティング材が胃へ一旦入ると、溶解する。ロラゼパムは特に悪い味ではないものの、それが胃へ到達すると自由に利用可能となることを意味するので、このタイプのコーティングはロラゼパムに対して望ましいものであろう。しかしながら、ロラゼパムをユードラジット(登録商標)E−100でコーティングすると、やはり不安定化したのである。さらに、ロラゼパムは水へ曝した場合にあまり安定ではなく、他の標準的な溶媒についても安定性の問題が予想される。このことは、医薬品業界で頻繁に使用されるコーティングおよび造粒技術は、さらに問題を複雑化するだけであることを示唆する。そのことを知る者は、完全に乾燥した工程またはさらに使用頻度の低い溶媒の使用のいずれかに限定しようとするかもしれないが、そのどちらも、それら固有の問題を引き起こすであろう。
【0004】
従って、ロラゼパムを含有する口腔内崩壊錠に対する必要性が残されているのである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、ロラゼパムおよび約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する高分子材料を含有するロラゼパム保護粒子を含む、保存に安定な口腔内崩壊剤形を提供する。そうした高分子材料は、限定するわけではないが、セルロース系材料、ポビドン(povidone:「PVP」)またはポロキサマー(プルロニック(登録商標)の商標名で多くが市販されている、エチレンオキシドおよび酸化プロピレンの合成共重合体)を含むことが可能である。ロラゼパム保護粒子は、剤形当たり約0.1〜約100mgの範囲の治療効果のある量のロラゼパムを提供するのに十分な量だけ存在する。前記剤形は、架橋PVP、クロスカルメロースナトリウムなどのクロスカルメロース塩、または澱粉グリコール酸ナトリウムなどの澱粉グリコール酸塩、といった少なくとも1つの崩壊剤、および/または発泡性カップルもまた、含有する。好ましい実施形態では、剤形は、少なくとも1つの、炭水化物を基材とした充填剤をさらに含有する。前記剤形は、非コーティング錠剤の「分解(disintegration)」と題するU.S.P.29第<701>章(2006)(本願明細書では「U.S.P.」として言及する)に説明されている方法で測定して約90秒またはそれ以内に患者の口中で分解可能であり、強制分解での決定によると約15%またはそれ以下のポテンシー損失を有する。
【0006】
一実施形態では、支持体上へのAPI−含有層の重層化と、選択的にそれに続くコーティングによって、ロラゼパム保護粒子を製造する。他の一実施形態では、造粒と、選択的にそれに続くコーティングによって、ロラゼパム保護粒子を製造する。
【0007】
さらに他の一実施形態では、本発明は、ロラゼパムおよび約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する高分子材料を含有するロラゼパム保護粒子を含有する、保存に安定な口腔内崩壊錠(「ODT」)を提供する。好ましい実施形態では、それらの高分子はセルロース系材料またはPVPである。ロラゼパム保護粒子は、錠剤当たり約0.1〜約100mgの範囲の治療効果のある量のロラゼパムを提供するために十分な量だけ存在する。少なくとも1つの崩壊剤を、架橋PVP、クロスカルメロース塩、澱粉グリコール酸塩、および/または発泡性カップルから成る群から選択し、提供する。錠剤は、少なくとも1つの、炭水化物を基材とする充填剤もまた、含有する。錠剤は、強制分解で決定すると約10.5%またはそれ以下のポテンシー損失を有し、本願明細書で記述するロラゼパムを含む非経口崩壊錠と生物学的に同等、および/またはU.S.P.により決定すると約60秒またはそれ以内で分解可能である。
【0008】
さらに考察するところのものは、それらの錠剤の製造方法であって、造粒または重層化の工程のいずれかによるロラゼパム保護粒子の製造工程と、それに選択的に続くコーティングの工程、混合の工程であって、ロラゼパム保護微粒子と、少なくとも1つの、炭水化物を基材とする充填剤、少なくとも1つの崩壊剤であって、架橋PVP、クロスカルメロース塩または澱粉グリコール酸塩、および/または発泡性カップルから選択するものである、前記少なくとも1つの崩壊剤、および選択的に、他の賦形剤であって、圧縮した際にU.S.P.で計測すると約90秒またはそれ以下、さらに好ましくは約60秒またはそれ以下で分解可能であり、強制分解で測定すると保存に安定な口腔内崩壊錠を形成するところの、前記他の賦形剤、とを混合するものである、前記混合の工程、および錠剤を形成するためと同様な圧縮の工程、を含む方法である。患者への必要に応じた、それら剤形の投与方法もまた考察した。
【0009】
特に好ましい実施形態では、造粒および/または重層化の工程は、水を用いて達成する。この溶媒/担体を用いるにも関わらず、結果として得られる錠剤は秀逸な保存安定性および崩壊時間を有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
明細書は最終的には、本発明を特に指し示して明確に請求するところの請求項に尽きるものの、本発明は以下の記述からより良く理解されるであろうと信ずる。特に示さない限り、本願明細書の全てのパーセンテージおよび比率は文脈に従って剤形全体、またはロラゼパム被覆粒子、の重量に対するものである。特に示さない限り、全ての測定は25℃および常用圧力で行った。特に明記しない限り、全ての温度は摂氏である。本発明は、本願明細書に記述する他の原材料または要素と同様に、本発明の構成要素を含む(限定するわけではないが)、または原則的にそれらから成る。本願明細書で用いる場合、「有する、含む、含有する(comprise)」は、そこに挙げる要素、またはそれらの構造的、または機能的な同等物、さらに挙げていない他の要素、または要素群、を意味する。文脈が特に示さない限り、「有する(having)」および「含む(including)」もまた、非限定的に解釈されるべきである。本願明細書で用いる場合、「原則的に〜から成る(consisting essentially of)」は、本発明が請求する基本的および新規な特性を追加的な原材料が物質的に変化させるのでない限り、請求項で挙げたものに追加的な原材料を本発明は含むことができることを意味する。好ましくは、そうした添加物は全く存在しない、または微量である。しかし、化合物の有用性(有用性の度合いとは対照的に)が保たれる限りにおいては、本発明の基本的および新規な特性を物質的に変化させる可能性がある物質を重量で約10%まで含むことが可能である。本願明細書で挙げる全ての範囲は、2つの値「の間」を挙げる場合を含めて、末端の値を含む。「約」、「(generally)」、「十分に(substantially)」、およびそれらに類する用語は、それが絶対的ではなく、しかし先行技術にはないように、用語または値を修正するものと解釈されるべきである。そうした用語は、状況およびその用語が修正する用語によって、当業者がそれらの用語を理解するように、定義される。これは、最低限でも、予想される実験誤差、技術的なエラー、および値を測定するのに用いる技術のための器具のエラーを含むものである。
【0011】
本発明に従って「保存に安定」とは、強制分解試験に供した場合、約15%またはそれ以下のロラゼパムのポテンシー損失を有することを意味する。本発明に従った強制分解試験は、包装していない錠剤(5つの2−mg錠剤、または8つの1−mg錠剤)を空のフラスコへ入れて、それに続いて前記フラスコを5日間、摂氏80度の対流式オーブンへ設置することで達成する。湿度は通常の研究環境の制御を超えては設定しない。用量に応じて100mg〜270mgの量の、造粒によって製造したもの、および重層化によって製造したものの両方のロラゼパム保護粒子もまた、同様の状況下へ置く。ロラゼパムのポテンシーのパーセント損失を、強制分解の前後で剤形または保護粒子中のロラゼパム濃度をHPLC試験で比較することで測定する。最終的には、比較は、強制分解後に残るロラゼパムの重量間のものとなる。この情報を提供可能な他のあらゆる分析技術もまた、使用することができる。
【0012】
さらに好ましい実施形態では、本発明に従った剤形は、約13%またはそれ以下、およびより好ましくは約10.5%またはそれ以下のポテンシー損失を有する。好ましい一実施形態では、本発明の保存に安定な剤形は、試験によると1ミリグラム錠剤で10.4%、2ミリグラム錠剤で3.6%のポテンシーの最大損失を有するところのアチバン(登録商標)の商標名で市販されているロラゼパム嚥下錠(分解または溶解なしに嚥下可能なもの)の同等の用量に対しての比較試験で得られたのと同様またはより良好なポテンシー損失を有する。
【0013】
本発明の剤形とは対照的に、発明者が様々な賦形剤および様々な形式の製造技術を用いてロラゼパムから作製したODT錠剤で試験した場合、ポテンシー損失は約15%またはそれ以上であった。実際、そうした製剤の大半は約20%またはそれ以上のポテンシー損失を、最小でも16.7%のポテンシー損失を提供した。以下の表I〜IVを参照されたい。
【0014】
【表1】


【0015】
【表2】


【0016】
【表3】


【0017】
【表4】

【0018】
従って、本発明の剤形は、発明者によって試みられた他の多くの可能なODT輸送形式を用いて達成されるのと比較して、優れた安定性を提供するものである。
【0019】
本発明に従った剤形は、保存の安定性に加えて、口腔内で分解可能である。「口腔内で分解可能(orally disintegrable)」、および本発明の文脈にある「口腔内で分解する(orally disintegrating)」など、それに類した用語は、患者の口腔内へ設置した場合に分解可能/溶解可能な剤形を意味する。このことは、例えば患者の口中の舌の上へ置いた場合、剤形の少なくとも一部が分解および/または溶解することができることを意味する。この用語は、舌下錠やバッカル錠のように口腔粘膜を通したロラゼパムの移送を促進するよう設計した剤形を含まない。本発明の剤形の分解/溶解が十分に達成された場合、結果として生じた被覆ロラゼパム粒子の分散液、懸濁液、または溶液は、続いて嚥下される。
【0020】
本発明に従った剤形は典型的には、約90秒またはそれ以内、より好ましくは約60秒またはそれ以内、およびさらに好ましくは約30秒またはそれ以内に患者の口腔内で分解/溶解することが可能である。再度、これは前述のとおり、U.S.P.に説明されている方法によって測定したものである。しかし、口腔内では、剤形に含まれる全ての可溶性材料が実際には溶解しない、または剤形が完全に分解するということを、理解されたい。しかし、もしインビトロ試験が満足されたならば、上述の時間内に感覚的に快いかたちで結果として生じた溶液、懸濁液、または分散液の嚥下を許すのに十分な溶解および分解が引き起こされるはずである。
【0021】
本発明の特定の実施形態では、本発明の保存に安定な口腔内崩壊剤形は、同等の用量のロラゼパムを含む非経口崩壊剤形と「生物学的に同等」である。これについて、標準的な生物学的同等性試験によって剤形が生物学的に同等であるというのは、本明細書が最初に特許庁へ出願された日時において施行されているC.F.R.21章および21章の意味の範囲内においてであることが理解される。すなわち、U.S.C.355(j)章に準拠した要約した新薬申請へ出願する際の、そのような請求を米国食品医薬品局へ支持するのに必要な生物学的同等性の標準的プロトコルでの測定によって、同等の用量のアチバン嚥下錠と比較した場合、Cmaxおよび/または濃度曲線下面積(area under the curve:AUC)に関して、それらは80〜125%の範囲内である。試験の(例えば、ジェネリック製剤)、基準に対する(例えばイノベーターブランド製剤)、相対平均、Cmax、AUC(0−t)、およびAUC(0−00)の90%信頼区間を満たす場合、米国食品医薬品局は2つの製品を生物学的に同等であるとみなす。
【0022】
本発明の口腔内崩壊剤形はロラゼパム保護粒子を含む。ロラゼパム保護粒子は、ロラゼパム、および約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する高分子(「GTT65高分子」)を含有する。セルロース系材料、PVP、および適切なガラス転移温度を有するポロキサマーを用いることもできる。セルロース系材料およびPVPが好ましい。ロラゼパムおよび高分子は層中で共に用いることができ、結合剤中で共に用いることができ、分離した層または粒子および結合剤中でというように分離することができる。ロラゼパム保護粒子は、選択的に1若しくはそれ以上のコーティングを含むこともまた、できる。本発明に従ったロラゼパム保護粒子は、あらゆる数の技術で製造することが可能である。しかし、2つのそうした技術は重層化/コーティングおよび造粒である。一実施形態では、ロラゼパム保護粒子は重層化によって、多くの場合、ロラゼパムをGTT65高分子および溶媒と混合したもの(好ましくは水溶液)の溶液、懸濁液、分散液の、多くの場合糖またはセルロース系の球の担体粒子の表面上への、噴霧コーティングによって、製造することができる。このことはまた、2つの連続的な層、1つはロラゼパム、1つはGTT65高分子、によって行うこともできる。選択的には、ロラゼパムを含む層による層を形成した後、結果として得られる粒子を、1若しくはそれ以上の付加的なコーティングでコーティングする、より具体的にはオーバーコーティングすることが可能である。コーティングはまた、GTT65高分子、好ましくはセルロース系材料またはPVPで構成することもできるが、必ずしもそうでなくともよい。
【0023】
本発明に従った固体支持体または担体粒子は、本願明細書のおよび他の標準的な薬学的応用に従った重層化に便利なあらゆる材料から構成することが可能である。それらは、限定するわけではないが、粒子、結晶、顆粒、カプセル、ミニ錠、微小粒子、微粒剤、微結晶、またはマイクロカプセルを含むことが可能である。粒子(particles)、顆粒(granules)、結晶(crystals)は、それらの伝統的な意味を有する。本発明に従った「カプセル(capsule)」は、リポソーム、ミセル、およびそれらに類するもののような、中空の、球状の容器を含む。担体粒子の文脈にある「マイクロ、微、微小(micro)」は、約50ミクロン以下の粒子サイズを有する担体粒子を意味する。好ましくは、担体粒子は、粒子の寸法が変化可能であり、限定するわけではないが、楕円形、卵形、棒状、形が整っているおよび/または不揃いな形である可能性があるにも関わらず、十分に球状である。
【0024】
担体粒子は、1若しくはそれ以上の矯味剤から製造した粒子、高分子、第二リン酸カルシウムの固体、およびそれらに類するものを含む、あらゆる数の材料およびそれらの混合物から構成することが可能である。しかし、固体支持体は選択的であることに留意されたい。ロラゼパム保護粒子を製造するためには、ロラゼパムの粒子を、セルロース系材料またはPVPといったGTT65高分子でコーティングすることが可能であろう。
【0025】
しかし、好ましい実施形態では、担体粒子は糖から製造する。本発明に従った「糖(sugar)」は、例えば、糖、糖アルコール、ケトース、単糖類、多糖類、オリゴ糖、およびそれらに類するもの、さらにはセルロースおよび修飾セルロースなど、炭水化物の他の構造を含む。それらは、限定するわけではないが、スクロース、マンニトール(噴霧乾燥および粒状)乳糖、および微晶質セルロースを含む。本発明に従って最も好ましいのは、スクロースおよび微晶質セルロースである。便利なスクロース球は、ニュージャージー州08512、Cranbury,105 Melrich RoadのPaulaur corporationから入手可能である。便利な微晶質球は、以下の住所のAsahi Kasei Chemicals Corp.がCELPHERES(登録商標)の商標名で販売している:日本100−8440東京都千代田区有楽町1丁目1−2日比谷三井ビル。
【0026】
担体粒子の大きさは、特に、適用、製剤に用いる際の単体粒子の量、それが含まれる剤形のタイプ、およびそれがコーティングする層の厚み、に伴って大幅に変化することが可能である。小さすぎる担体粒子は重層化するのが難しくなる可能性がある。大きすぎる担体粒子は扱いにくくなる可能性があり、含量均一性に影響する可能性があり、口腔内で感覚的に不快な刺激を提供する可能性がある。
【0027】
本発明に従えば、担体粒子の大きさは好ましくは、約10ミクロンと1,000ミクロンとの間、より好ましくは約20ミクロンと600ミクロンとの間である。これは、担体粒子の重量で少なくとも約90%が、それらの範囲内で篩過することを意味する。用いるところの1つの好ましい固体支持体は、以下の粒子サイズ分布を有する糖球(60/80)NFである:50メッシュ、≧100%が篩過;60メッシュ、≧90%が篩過;80メッシュ、≦10%以下が篩過。2番目に好ましい固体支持体の規格は、40メッシュ、≧100%が篩過;45メッシュ、≧90%が篩過;60メッシュ、≦10%が篩過、するところの糖球(45/60)である。
【0028】
ロラゼパムを含む層を、担体粒子または固体支持体の少なくとも一部の上へ重層する。本願明細書に記述するあらゆるコーティングまたは重層化の文脈上の「少なくとも一部の上へ重層する」では、それぞれの担体粒子または被覆粒子の完全な表面積をカバーする必要は無い。実際、実質的に完全で均一なコーティングの利用によって、システムの効率性は著しく向上するが、例えば、ロラゼパムによるコーティングは担体粒子の大部分すら、または担体粒子の表面積の大部分をカバーする必要は無い。しかし、好ましくは、ロラゼパムを含む層が、それを適用する担体粒子の実質上全てをカバーし(もし望むならば、いくらかのコーティングされた、およびコーティングされていない固体支持体を混合することも可能である)、続くそれぞれの層も好ましくは同様にする。
【0029】
層中のロラゼパムの量、層中のGTT65高分子の量、およびロラゼパム保護粒子の製造に用いる重層化材料の量を大いに変化させることが可能であることも、大いに評価されるであろう。考慮されるべき1つの最も重要な要素は、それぞれの剤形へ輸送されるロラゼパムの量であり、それは剤形当たり、約0.01〜約500ミリグラムの間、より好ましくは、約0.10〜約100ミリグラムの間、最も好ましくは約0.25〜約10ミリグラムの間である。剤形の大きさおよび用量は、重層化材料中のロラゼパムの相対濃度をさらに決定し、前述のものは使用される重層化材料を含むロラゼパムの量に影響する。しかし、重層化混合物中のロラゼパム濃度は、重量で、約0.1〜約20、より好ましくは約1〜約10、最も好ましくは約3〜約4%の範囲になる。コーティング材中のセルロース系材料またはPVPの量は、重量で、約0.3〜約10、より好ましくは約2〜約8、最も好ましくは約4〜約6%の範囲になる。バランス(balance)は、溶媒およびあらゆるコーティング賦形剤または本願明細書で議論して用いるところの他のコーティング材である。残留溶媒は極少量または存在しないので、それは明らかに乾燥層中にある材料の量ではない。
【0030】
パーセント増量を単位として適用するロラゼパム含有層の量は、コーティングしていない(または望ましい下層でコーティングした)担体顆粒または固体支持体に対して測定した増量に基づいた重量で、約5〜約100%の間、より好ましくは約10〜約30%の間、最も好ましくは約15〜約22%の間である。これは、粒子および/または必要に応じてはコーティングの、乾燥重量に基づく。本明細書では、他に明確に述べない限り、記述するロラゼパムの量は薬剤の遊離塩基型の重量に基づいた計算のことを言う点に留意されたい。塩、溶媒和物、水和物、または他の誘導体の対応する量もまた、本願明細書で述べる遊離塩基と同等の量を提供する限りにおいては、用いることができる。
【0031】
その利用が本発明の目的にかなう限りでは、ロラゼパムの重層化に、あらゆる材料を用いることが可能である。従って、胃で不溶性の、ユードラジット(登録商標)E−100などのようにロラゼパムとネガティヴに反応する、または処理のしづらい材料は、望ましくないであろう。従って、アクリル系材料はあまり望ましくない。ロラゼパムを溶解、懸濁、または分散させるのに特に望ましい重層化材料は、GTT65高分子である。それらは、限定するわけではないが、セルロース系材料およびポリビニルピロリドン(「PVP」)である。特に好ましいセルロース系材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropylmethylcellulose:HPMC、別称ヒプロメロース)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropylcellulose:HPC)、およびエチルセルロース(ethylcellulose:EC)およびポロキサマーを含む。一実施形態では、例えば、重量で5%のHPMCおよび重量で3.6%のロラゼパムを含む水溶液を調製して糖球の表面上へ噴霧することが可能である。前述の通り、糖球(60/80)へ適用した場合、結果として得られるポテンシーは約3.3%である。これは、層状生成物中の薬剤の重量でのパーセンテージとしての量である。ポテンシーは、アッセイによって決定することもまた、できる。
【0032】
一旦ロラゼパムを含む層で重層化した後、担体粒子を選択的にさらにコーティングまたはオーバーコーティングすることが可能である。本発明の目的にかなえば、あらゆる材料をコーティングに用いることが可能である。特に好ましい材料は、上述の通り、セルロース系材料およびPVPである。しかし、必ずしもそうである必要は無い。例えば、ユードラジット(登録商標)E100の層を、矯味を提供するためのコーティングとして用いることが可能である。あるいは、まず、セルロース系材料またはPVPの薄層で層状粒子をコーティングして、その後に、セルロース系材料またはPVPを間隔層として働かせてユードラジット(登録商標)E100でコーティングすることが可能であろう。
【0033】
ロラゼパム重層化担体粒子へ適用するコーティングの量は、0〜100%増量の範囲である(増量の全ての事例と同様に、層状粒子の重量および適用するコーティング材の量に基づいて、またはコーティングの前後での秤量によって計算することができる)。しかし、好ましい実施形態では、このオーバーコーティング(もし1つより多いならば全てのコーティング層を含む)の量は0〜30%増量、より好ましくは約5〜約15%増量の範囲である。これは、コーティング前後の乾燥被覆粒子に基づいている。
【0034】
本発明に従った特に好ましい一実施形態では、コーティングは、ロラゼパム含有層中でロラゼパムを溶解、分散、または懸濁させるために用いるのと同一の材料を含有する。このことは、重層化とそれに続くコーティングの操作との間に、コーティング装置を空にして洗浄する必要がないので、処理において大きなフレキシビリティーを提供する。例えば、上述のロラゼパム被覆糖球を、量で5%のHMPC水溶液による2番目のコーティングでオーバーコーティングして、十分な時間の後に、全体で8.4%の増量を達成することが可能である。これは、ロラゼパム・コーティング材でコーティングした糖球の重量が、重量で8.4%増加したことを意味する。
【0035】
ロラゼパム含有層、およびさらにはあらゆるコーティング層も、コーティング材が反応装置の下部から入るところのウルスターカラムを有する流動層の利用といった、あらゆる標準的なコーティング処理によって、適用することが可能である。ロラゼパムは好ましくは、溶媒へ溶解、懸濁、または分散して、結果として得られる溶液、分散液、または懸濁液を次に、好ましくは十分に均一なコーティングを提供する方法で、担体粒子の表面上へコーティングする。溶媒は、米国食品医薬品局またはそれに類する政府機関によって認可可能であるべきであり、ロラゼパムへの損傷を引き起こさない温度での空気乾燥または他の乾燥装置の利用によって迅速に除去するのに十分なだけ揮発性である。溶媒中のロラゼパムの濃度は、溶媒、使用するコーティング材、および溶液、懸濁液、または分散液が形成されるか否かによって、変化する。しかし、必要最小限の溶媒を用いるべきことを理解されたい。本発明に従った溶媒は、例えば、水、アルコール、無水エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ジオキサン、およびクロロホルム、を含む。ロラゼパムは水へ曝した場合に比較的不安定になると考えられているという事実にも関わらず、水および水性溶媒が好ましい。
【0036】
代替的な実施形態では、本発明のロラゼパム保護粒子は、造粒およびさらに好ましくは湿式造粒法によって製造することが可能である。ロラゼパムは水へ曝した場合に比較的不安定になると考えられているという事実にも関わらず、水または水性溶媒を用いる湿式造粒法は特に好ましい。ロラゼパムを他の賦形剤から保護する「被覆様」構造の作製を結果として与えるのが、造粒処理である。一実施形態では、ロラゼパムは適切な担体または溶媒中で溶解、分散、または懸濁させ、造粒機中の何らかの固体支持体上へ噴霧することが可能である。あるいは、ロラゼパムは造粒機中へ設置し、溶媒および/または結合剤で湿らせて、直接的に粒状化することが可能である。さらに他の一実施形態では、ロラゼパムをコグラニュレイト(cogranulate)材料と混合し、結果として得られる粒子の混合物を粒状化液および/または粒状化結合剤と共に粒状化することが可能である。共に粒状化するアプローチが好ましい。
【0037】
造粒に用いる溶媒は、使用するコーティング/結合剤、および顆粒のサイズ、コグラニュレイト材料、使用する造粒技術、顆粒に含ませるロラゼパムの割合、およびそれらに類する事柄を含む、本願明細書に記述する他の要因に依存する。しかし、使用する溶媒、および重層化に関連して前述したGTT65高分子は顆粒を製造するのに用いる(この場合、結合剤として用いる)。高剪断条件下での造粒が最も好ましい。
本発明に従ったコグラニュレイトは、限定するわけではないが、炭酸塩、重炭酸塩、微晶質セルロース、マンニトール、乳糖、およびそうした他の炭水化物、およびセルロース系材料、またはそれ自体がロラゼパムを分解させない不活性材料を含む。
【0038】
顆粒は造粒機から出して(乾燥の後)直接用いることができ、または望みの平均粒子サイズまたは粒子サイズ分布が得られるように粉末化および寸法で分類することができる。コーティングしていない顆粒のサイズの範囲は約10ミクロン〜1000ミクロンとすることができる。コーティングしていない顆粒のサイズの範囲は、約44〜約590ミクロンの間、より好ましくは約74〜約420ミクロンの間、最も好ましくは約149〜約250ミクロンの間である。顆粒のサイズは、その後にコーティングするか否かによってもまた、変化する。
【0039】
ロラゼパムおよびコグラニュレイトの相対的比率は幅広く変化させることが可能である。それは、必要とする保護の度合い、輸送するロラゼパムの量、剤形のサイズ、使用するコグラニュレイトの種類、使用する結合剤の種類、湿式造粒溶液中および結果として得られる顆粒中の結合剤の濃度、およびそれらに類する事柄に、依存することが可能である。しかし、使用するロラゼパムの量は、コグラニュレイトの量よりも少ない。より好ましくは、顆粒中に用いるコグラニュレイトの量は、重量で約50〜約99.5%の間、より好ましくは重量で約60〜約90%の間、最も好ましくは完成した顆粒の重量に基づく重量で約75〜約85%の間の範囲となる。ロラゼパムの量は、重量で約0.5〜50%の間、より好ましくは重量で約3〜約30%の間、最も好ましくは重量で約5〜約15%の間である。残りは、結合剤、なにかしらの付加的な賦形剤、および/または残留溶媒である。
【0040】
顆粒は、顆粒または他の剤形に見られる、例えば重炭酸ナトリウムおよびポラクリリンカリウムといった追加的な結合剤または賦形剤を含むことができる。顆粒へ適用する、使用する溶媒混合物中の結合剤の量は、様々な条件、機器、および使用する材料に伴って変化させることが可能である。
【0041】
1〜35%、より好ましくは1〜20%、さらに好ましくは1〜15%の量の、結合剤としての1若しくはそれ以上のGTT65高分子の水溶液が有用である。重量で25%のポビドン水溶液が有用であると判明した。上限は結果として得られる溶液の粘性に依存するが、水性ポビドンでは30%と35%との間のいずれかの値である。下限は、目的のために十分とみなされる結合剤の最小量、および造粒の上首尾な「ウェットマッシング(wet massing)」に必要な溶媒量に、依存する。25%が、扱いやすい粘度を有し、溶媒の適切な量への十分な結合剤の添加を許す。
【0042】
結合剤中で用いるセルロース系材料に関しては、粘性の制約から、水溶液中の濃度は低くなるであろう。重量で1〜25%、より好ましくは重量で1〜15%、およびさらに好ましくは重量で1〜10%の溶液が有用である。水性HPMCについては、5%がほぼ最適であろう。
【0043】
上述した重層化粒子の場合と同様、造粒化粒子は、1若しくはそれ以上の追加的な層でコーティングまたはオーバーコーティングすることが可能である。特に好ましいコーティング材は、限定するわけではないが、セルロース系材料およびポリビニルピロリドン(polyvinylpyrolidone:「PVP」)を含むGTT65高分子である。特に好ましいセルロース系材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropylmethylcellulose:HPMC、別称、ヒプロメロース)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropylcellulose:HPC)、およびエチルセルロース(ethylcellulose:EC)、を含む。
【0044】
しかし、先と同様、顆粒をオーバーコーティングするのに用いる、この続くコーティング層は、セルロース系材料および/またはPVPの利用に限定する必要は無い。例えば、ユードラジット(登録商標)E100のコーティング層を、矯味を提供するためのコーティングに用いることが可能であろう。あるいは、顆粒をまず、セルロース系材料またはPVPといったGTT65高分子の薄層でコーティングし、その後に、GTT65高分子の薄層を間隔層として働かせて、ユードラジット(登録商標)E100でコーティングすることが可能である。
【0045】
ロラゼパム含有顆粒へ適用するコーティングの量は、0〜100%増量(増量の全ての場合と同様に、顆粒の重量および適用するコーティング材の量に基づいて、またはコーティングの前後での秤量によって、計算することができる)の範囲とすることが可能である。しかし、好ましい実施形態では、このオーバーコーティングの量(もし1つ以上であるなら全てのコーティング層を含む)は、0〜30%増量、およびさらに好ましくは約5〜約15%増量の範囲である。これは、コーティング前後の乾燥被覆顆粒に基づく。
【0046】
従って、本発明に従ったロラゼパム保護粒子は、とりわけ、ロラゼパムと混合したGTT65高分子の層で重層化した担体粒子、ロラゼパムと混合したGTT65高分子で重層化し、続いて1若しくはそれ以上の追加的な層でコーティングした担体粒子、ロラゼパムを含む顆粒であって、前記顆粒は、結合剤としてだけであってもGTT65高分子を含むものである前記ロラゼパムを含む顆粒、およびそうした顆粒であって、1若しくはそれ以上の追加的な層でコーティングしたもの、とすることが可能である。
【0047】
乾燥は受動的な処理とすることが可能であるにもかかわらず、ロラゼパム保護粒子は使用前に乾燥させる。乾燥は流動層を用いて、例えば追加的な溶媒またはコーティング材を追加せずに、達成することが可能である。それらは外気中で保存することができ、オーブンへ曝す、または温暖な環境へ置くことができる。しかし、加熱の度合いが、ロラゼパムの早過ぎるまたは過剰な分解を引き起こすのに十分にならぬよう、注意が必要である。
【0048】
本発明に従った剤形中に用いるロラゼパム保護粒子の量は、多くの要因に伴って変化させることが可能であるが、それらのうち最小のものでないのは、治療する医師の的確な医学的判断、意図する用量、および1日当たりおよび1回当たりに投与する剤形の数、および各剤形のサイズ、である。好ましくは、ロラゼパムの各1回分は2剤形以上に分割せず、最も好ましくは1つの剤形で投与する。本発明に従ったロラゼパム保護粒子の量は、各粒子中のロラゼパムの量、粒子のサイズ、使用する他の賦形剤の種類、コーティングの厚み、およびそれらに類する事柄、に伴ってもまた、変化する。しかし、剤形当たりのロラゼパム保護粒子の量は、重量で約4%〜重量で約40%の間の範囲である。さらに好ましくは、剤形当たりのロラゼパム保護粒子の量は、重量で約10%〜重量で約20%の範囲である。
【0049】
本発明に従った剤形のバランスは、業界および特にODT業界で用いられる標準的な賦形剤を含有する。本発明に従って特に好都合なのは、ロラゼパム嚥下錠と共に用いられることが今まで無かった材料の利用である。それら、別の方法では禁忌を示す賦形剤は、マンニトール、超崩壊剤、および香味剤を含む。本発明に従って有用な超崩壊剤は、超崩壊剤として知られるものを含む。それらは、限定するわけではないが、架橋PVP、クロスカルメロースナトリウムなどのカルメロース塩、澱粉グリコール酸ナトリウムなどの澱粉グリコール酸塩を含む。
【0050】
そうした超崩壊剤を用いる場合、それらは伝統的には約1と約15%との間、より好ましくは約4と約8%との間、最も好ましくは完成した剤形に対する重量で約5と約7%との間とする。超崩壊剤に加えて、超崩壊剤の一部の代わりに、または超崩壊剤の代わりに、本発明に従った剤形は少なくとも1つの発泡性カップルを含むことができる。
【0051】
発泡性カップルは、可溶性酸源と金属炭酸塩または重炭酸塩の反応で生成する。酸源または酸は、ヒトによる摂取に安全なあらゆるものとすることができ、食品酸、酸無水物、および酸性塩を含む。食品酸は、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、およびコハク酸、その他を含む。それらの酸は直接摂取されるため、それらの水中での全般的な溶解性は、本発明の発泡錠製剤をグラスに入った水中で溶解させようとする場合と比較して、重要性が低い。上述の酸無水物および酸性塩もまた、使用することができる。酸性塩は、ナトリウム、リン酸二水素塩、ピロリン酸二水素二ナトリウム、クエン酸塩、および亜硫酸水素ナトリウムを含む。
【0052】
炭酸塩源は、乾燥固体炭酸塩、および重炭酸ナトリウムなどの重炭酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、セスキ炭酸ナトリウム、グリシン炭酸ナトリウム、L−リシン炭酸塩、アルギニン炭酸塩、および非結晶性炭酸カルシウムを含む。それらの発泡性カップルは、剤形に対する重量で約3%と約50%との間、より好ましくは重量で約3%と約25%との間の量で提供する。
【0053】
本発明に従った剤形は、適切な非発泡性の非超崩壊剤もまた含む。そうした非発泡性崩壊剤の非限定的な例は、微晶質セルロース、澱粉、コーンスターチ、じゃがいも澱粉、およびそれらの修飾澱粉、ベントナイトなどの粘土、アルギン酸塩、アガー、グアー、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン、およびトラガカントといったゴム、を含む。それらの崩壊剤は、約20重量パーセントまで、好ましくは剤形の総重量の約2%と約10%との間だけ含有することができる。
【0054】
本発明に従って用いる炭水化物を基材とした充填剤は、糖、糖アルコール、ケトース、セルロース、澱粉、およびそれらに類するものを含む。それらは、限定するわけではないが、噴霧乾燥した乳糖一水和物、無水直打用乳糖、スクロース、D−グルコース、マンニトール、噴霧乾燥マンニトール、ソルビトール、澱粉、微晶質セルロースなどのセルロース、およびマルトデキストリン、を含む。本願明細書では、それらを炭水化物と総称する。
【0055】
使用する炭水化物は、間接圧縮および/または直接圧縮炭水化物、およびそれらの混合物とすることができる。間接圧縮炭水化物は、製剤化する際は少なくとも、添加物または調節なしでは高速錠剤化処理における使用に非実用的な流量および/または圧縮特性を有する。例えば、製剤が十分に良く流れないので、例えば二酸化ケイ素などの流動促進剤を添加する。対照的に、直接圧縮炭水化物は同様な調節を必要としない。それらは直接使用することができる圧縮性および流量特性を有する。
【0056】
製剤が作られる方法によって、間接圧縮炭水化物に直接圧縮炭水化物の特性を与えることができることは、有名である。その逆もまた真である。直接圧縮炭水化物と比較した場合、間接圧縮炭水化物は比較的小さな粒子サイズを有する。しかし、噴霧乾燥マンニトールなど特定の炭水化物は比較的小さな粒子サイズを有するが、それでも、その後の処理方法いかんでは、しばしば直接圧縮可能である。比較的大きな間接圧縮炭水化物もまた良く知られている。本発明に従って用いる炭水化物の量は、約40〜約90%の間、より好ましくは約60〜約80%の間、最も好ましくは約65〜約75%の間である。一実施形態では、使用する炭水化物の大部分は間接圧縮炭水化物である。代わりの実施形態では、使用する炭水化物のうち少数が間接圧縮炭水化物である。実際、好ましい一実施形態では、間接圧縮炭水化物の量は重量で約15〜約35%の範囲である。
【0057】
本発明に従って用いる希釈剤および結合剤は、例えば二水和物または無水二塩基のリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、および硫酸カルシウム、を含む。使用する際は、それらは剤形の重量に対して0〜約50%の範囲の量である。
【0058】
組成物へ取り入れる香味剤は、合成香味油および香味のある芳香族化合物、および/または天然油、植物、葉、花、果実およびその他の抽出物、およびそれらの組合せから選択することができる。それらは、桂皮油、冬緑油、ペパーミント油、丁子油、ベイ油、アニス油、ユーカリ、タイム油、シーダーリーブ油、ナツメグの油、セージの油、苦扁桃の油、カッシア油を含む。さらに香味剤として有用なものは、バニラ、レモン、オレンジ、グレープ、ライム、およびグレープフルーツを含むシトラス油、および、りんご、西洋梨、桃、いちご、ラズベリー、さくらんぼ、プラム、パイナップル、アプリコット、およびその他を含むフルーツエッセンス、である。香味剤の量は、望まれる感覚的効果を含む要素の数に依存する。存在する香味剤の量は、剤形の重量に基づく重量で約0.05%〜約3%の範囲である。
【0059】
滑剤もまた使用できる。疎水的な滑剤が好ましい。疎水的な滑剤は、限定するわけではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、stearowet C、ミネラルオイル、植物油、ベヘン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、澱粉、およびその他を含む。親水性の滑剤は、限定するわけではないが、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、およびその他を含む。ステアリン酸マグネシウムが好ましい。それらは、重量で約0.5%と約5%との間、より好ましくは剤形の重量の0.5%〜約2.5%の量で用いることができる。もし望むならば、剤形は、湿潤剤または乳化剤といった少量の非毒性物質、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリエタノールアミンオレエート、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのpH緩衝剤およびそれに類するもの、もまた含むことができる。
【0060】
コロイダル二酸化ケイ素といった流動促進剤もまた、5%までの標準的な量、しかし好ましくは約1%またはそれ以下の量で、流動を促進するために用いることができる。
【0061】
ロラゼパムに加えて、本発明に従って利用することができる他の医薬品有効成分(other active pharmaceutical ingredients:「OAPIs」)は、限定するわけではないが、鎮痛剤、抗炎症剤、解熱剤、抗生剤、抗菌剤、抗不安剤、下剤、食欲抑制剤、抗ヒスタミン剤、抗鬱剤、抗喘息剤、抗利尿剤、整腸剤、抗偏頭痛薬、抗痙攣剤、鎮静剤、抗多動症剤、降圧剤、精神安定剤、充血除去剤、β遮断薬、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、および他の生物由来の物質、およびそれらの組合せ、を含む。他にOAPIsとして考えられるものは、Mantelleの米国特許第5,234,957号明細書、第18〜21列に記述されている薬剤および医薬品有効成分である。Mantelleのその文献はこれによって参照に取り込まれる。上に特定したOAPIsは、ロラゼパムと同一の担体粒子上にコーティングすることができる、または別の粒子として提供することができる。それらはコーティングする、またはコーティングしないことができる。
【0062】
錠剤は、本発明の一観点に従うことが好ましい。一実施形態では、本発明の錠剤は、約15ニュートンまたはそれ以上、より好ましくは20ニュートンまたはそれ以上、約200ニュートンまで、さらに好ましくは20〜約100ニュートンの硬度、および出願時点でのUSPによって測定して約2%またはそれ以下の脆性、を有する。さらに他の一実施形態では、それらの錠剤は充填剤として少なくとも1つの間接圧縮炭水化物を含むことができる。米国特許第6,024,981号明細書を参照のこと。好ましくは、それらの錠剤は、本願明細書に記述した客観テストによって測定して約60秒またはそれ以下、より好ましくは約30秒またはそれ以下で、速やかに分解/溶解することが可能である。ロラゼパム含有粒子は分散液、懸濁液、またはスラリーとして嚥下可能である。それらの錠剤はブリスター・パッケージ、または開封および再度閉じることができるマルチ錠剤パッケージへ包装する。
【0063】
本発明の他の一実施形態の錠剤はしばしば、約10〜約20ニュートンの硬度、および出願時点のU.S.P.方式で測定して2%以上の脆性、を有する。好ましくは、それらの錠剤は、ロラゼパム含有粒子が分散液、懸濁液、またはスラリーとして嚥下可能であるように、上述の通り患者の口腔内で約60秒またはそれ以下、より好ましくは約30秒またはそれ以下で速やかに分解/溶解することが可能である。
【0064】
本願明細書および請求項が、例えば含有粒子が特定の粒子サイズまたは分布として本発明の錠剤に言及するものの、その言及は、最終的な混合に先んじて使用する材料および錠剤の製剤が、その言及を満たす場合に満足されるものであることに留意されたい。他の一実施形態では、ロラゼパム被覆粒子の増量またはその粒子サイズ分布を、最終的な剤形から分析することが難しいものの、もし最終的な混合および圧縮の工程に先んじて、剤形を形成するロラゼパム保護粒子が、例えば、望みのコーティングレベルおよび/または粒子サイズを示したならば、それで十分である。
【0065】
錠剤は、直接圧縮、圧縮成形、湿式造粒法、乾式造粒法、または他のあらゆる錠剤加工技術のいずれでも製造可能である。例えば、本願明細書に参照として取り込まれるところの米国特許第5,178,878号明細書、米国特許第5,223,264号明細書、および米国特許第6,024,981号明細書を参照されたい。
【実施例1】
【0066】
ロラゼパム含有重層化組成は以下の混合によって調製した:
水 549.0g
ロラゼパム 21.3g
ヒプロメロース 30.0g
【0067】
ロラゼパムは、攪拌しながら水へ添加した。ヒプロメロースは攪拌しながらゆっくりと添加し、1時間攪拌した。600gの糖球(60/80)を、ボトムスプレーおよびウルスターカラムを取り付けたMP1 fluid bed coater中に設置した。重層化材料は3〜8ml/分の速度でポンプ注入した。流入空気温度は55℃に保った。重層化材料の適用に続いて、重層化した生成物を流動層中で10分間乾燥した。
【0068】
オーバーコーティング溶液の調製:
水 1140g
ヒプロメロース 60g
【0069】
ヒプロメロースは攪拌しながらゆっくりと水へ添加し、オーバーコーティング溶液ができるまで1時間攪拌した。オーバーコーティング溶液は同じ装置内へ3〜5ml/分の速度でポンプ注入した。オーバーコーティング溶液の適用に続いて、生成物を流動層中で10分間乾燥した。生成物はポリエチレンバッグへ放出して密封した。
【0070】
結果として得られたロラゼパム保護粒子は、以下の製剤に用いた。
【0071】
【表5】


【0072】
どちらの場合でも、ステアリン酸マグネシウムを除く全ての材料は、秤量し、20メッシュで篩過して、1クォートV−ブレンダー中で30分間混合した。ステアリン酸マグネシウムは、秤量し、20メッシュで篩過して、1クォートV−ブレンダーへ加えて5分間混合した。混合物はポリエチレンバッグ中へ放出して密封した。
【0073】
どちらの場合でも、フラットな表面でベベル縁の5/16インチ錠剤をロータリー錠剤プレス機上で、目標重量200mgおよび目標硬度30Nで圧縮した。脆性〜0.7%。
【実施例2】
【0074】
結合剤溶液は以下のように作製した:
水 450g
ポビドン 150g
ポビドンは攪拌しながら水へ添加し、混合物は1時間攪拌した。
【0075】
造粒A:
乳糖 170.4g
重炭酸ナトリウム 4.0g
ロラゼパム 20.0g
【0076】
材料を秤量して、高剪断造粒機のボウル中へ設置した。ボウルを密封して材料をインペラー速度300rpm、剪断機速度3000rpmで1分間乾燥混合した。同じ速度を保ちながら、21.7gの結合剤溶液を蠕動ポンプによって8ml/分の速度で添加した。造粒機を停止させ、顆粒をMP1 fluid bedへ移して乾燥した(空気吸入口温度65℃)。
【0077】
造粒B:
微晶質セルロース 151.0g
ポラクリリンカリウム 4.0g
ロラゼパム 20.0g
【0078】
材料を秤量して、高剪断造粒機のボウル中へ設置した。ボウルを密封して材料をインペラー速度300rpm、剪断機速度3000rpmで1分間乾燥混合した。同じ速度を保ちながら、蠕動ポンプによって8ml/分の速度で100gの結合剤溶液を、続いて20gの水を、添加した。造粒機を停止させ、顆粒をMP1 fluid bedへ移して乾燥した(空気吸入口温度65℃)。
【0079】
どちらの場合でも、乾燥顆粒は35メッシュおよび100メッシュで篩過し、−35/+100画分を使用のために採取した。
【0080】
【表6】


【0081】
どちらの場合でも、ステアリン酸マグネシウムを除く全ての材料は、秤量し、20メッシュで篩過して、1クォートV−ブレンダー中で30分間混合した。ステアリン酸マグネシウムは、秤量し、20メッシュで篩過して、1クォートV−ブレンダーへ加えて5分間混合した。混合物はポリエチレンバッグ中へ放出して密封した。
【0082】
錠剤の圧縮:
どちらの場合でも、フラットな表面でベベル縁の5/16インチ錠剤をロータリー錠剤プレス機上で、目標重量200mgおよび目標硬度30Nで圧縮した。脆性は測定しなかった。
【実施例3】
【0083】
層状/コーティング錠剤および顆粒錠剤と同様に活性ロラゼパム保護粒子も、強制分解を行った。錠剤の場合は5錠、活性中間体の場合は100〜270mgを空のフラスコへ入れて、対流式オーブン中で80℃で5日間放置した。5日目の最後にサンプルのポテンシーを測定し、ストレスを与えていない同じバッチの材料と結果を比較した。
【0084】
層状−コーティング 活性 − 3.2%
層状−コーティング、香味フリー錠剤 − 1.9%
層状−コーティング、ミントフレーバー錠剤 − 2.9%
顆粒A + 1.6%
顆粒B − 0.0%
顆粒A 錠剤 − 6.2%
顆粒B 錠剤 − 5.3%

比較:
アチバン(ロラゼパム)、1mg − 9.5%
マイラン(ロラゼパム)、1mg −15.0%
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、保存に安定な、医薬品有効成分としてロラゼパムを含む口腔内崩壊剤形(たとえば錠剤)の調製に有用である。さらに本発明は、水を用いた造粒および/または重層化の採用を許し、この溶媒/担体を利用するにも関わらず、結果として得られる錠剤は秀逸な保存安定性および崩壊時間を有するものである。
【0086】
本願明細書の発明は特定の実施形態への参照と共に記述してあるが、それらの実施形態は本発明の原理および適用の説明のためだけのものであることを理解されたい。従って、説明のための実施形態に対しては数々の変更を行うことができ、添付の請求項で定義されるところの本発明の精神および範囲を逸脱することなく、他の修正を考案することができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保存に安定な口腔内崩壊剤形であって、
ロラゼパムと約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する高分子とを有するロラゼパム保護粒子であって、
このロラゼパム保護粒子は、剤形当たり約0.1〜約100mgの範囲の治療効果のある量のロラゼパムを提供するために十分な量だけ存在するものである、前記ロラゼパム保護粒子と、
架橋PVP、クロスカルメロース塩、澱粉グリコール酸塩、および発泡性カップルから成る群から選択される少なくとも1つの崩壊剤と、
炭水化物を基材とした少なくとも1つの充填剤と、
を有し、
この剤形は、U.S.P.に従って測定した場合、約90秒またはそれ以下で分解可能であり、且つ強制分解で測定した場合、約15%またはそれ以下のポテンシー損失を有するものである、
ことを特徴とする、口腔内崩壊剤形。
【請求項2】
請求項1記載の剤形において、
前記ロラゼパム保護粒子は、さらに、担体粒子を有するものであり、
前記ロラゼパムと約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する前記高分子との混合物は、前記担体粒子上の層中に配置されるものである。
【請求項3】
請求項2記載の剤形において、この剤形は、さらに、
前記担体粒子上の前記層上に配置された少なくとも1つのコーティングを有するものである。
【請求項4】
請求項3記載の剤形において、前記コーティングは、約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する高分子を有するものである。
【請求項5】
請求項4記載の剤形において、前記コーティングおよび前記層は、約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する同一の高分子を有するものである。
【請求項6】
請求項1記載の剤形において、前記保護粒子は顆粒である。
【請求項7】
請求項6記載の剤形において、前記顆粒は湿顆粒である。
【請求項8】
請求項6記載の剤形において、前記顆粒は、さらに、コグラニュレイト(cogranulate)および結合剤を有するものである。
【請求項9】
請求項8記載の剤形において、前記ロラゼパムは、前記結合剤中において溶解、懸濁、または分散するものである。
【請求項10】
請求項9記載の剤形において、前記結合剤は、さらに、約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する高分子を有するものである。
【請求項11】
請求項8記載の剤形において、前記ロラゼパムは、前記コグラニュレイトと混合するものである。
【請求項12】
請求項11記載の剤形において、前記結合剤は、約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する高分子を有するものである。
【請求項13】
請求項10記載の剤形において、前記顆粒は、さらに、コーティングを有するものである。
【請求項14】
請求項13記載の剤形において、前記コーティングは、約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する高分子を有するものである。
【請求項15】
請求項12記載の剤形において、前記顆粒は、さらに、コーティングを有するものである。
【請求項16】
請求項15記載の剤形において、前記コーティングは、約65℃またはそれ以上のガラス転移温度を有する高分子を有するものである。
【請求項17】
請求項1記載の剤形において、前記セルロース系材料はHPMCである。
【請求項18】
請求項1記載の剤形において、前記炭水化物を基材とした充填剤はマンニトールである。
【請求項19】
請求項18記載の剤形において、前記マンニトールの少なくとも一部は噴霧乾燥マンニトールである。
【請求項20】
請求項18記載の剤形において、前記コグラニュレイト材料は、微晶質セルロース、炭酸塩、重炭酸塩、炭水化物およびセルロース系材料、および不活性材料、から成る群から選択されるものである。
【請求項21】
保存に安定な口腔内崩壊錠剤であって、
ロラゼパムおよびセルロース系材料またはPVPを有するロラゼパム保護粒子であって、
このロラゼパム保護粒子は、錠剤当たり約0.1〜約100mgの範囲の治療効果のある量のロラゼパムを提供するために十分な量だけ存在するものである、前記ロラゼパム保護粒子と、
架橋PVP、クロスカルメロース塩、澱粉グリコール酸塩、および発泡性カップルから成る群から選択される少なくとも1つの崩壊剤と、
炭水化物を基材とした少なくとも1つの充填剤と
を有し、
この錠剤は、強制分解で測定した場合、約10.5%またはそれ以下のポテンシー損失を有し、且つ同用量のロラゼパムを含む非口腔内崩壊剤形と生物学的に同等であるか、またはU.S.P.に従って測定した場合、約60秒またはそれ以下で分解可能であるかのいずれかである
ことを特徴とする、口腔内崩壊錠剤。
【請求項22】
請求項21記載の剤形において、前記炭水化物を基材とした充填剤はマンニトールである。
【請求項23】
請求項21記載の剤形において、前記ロラゼパム保護粒子は、さらに、前記ロラゼパムおよび前記セルロース系材料またはPVPがその上に重層化する固体支持体、若しくは前記セルロース系材料またはPVPが結合剤として用いられて、前記ロラゼパムが共に顆粒化されるコグラニュレイトを有するものである。
【請求項24】
請求項21記載の剤形において、前記ロラゼパム保護粒子は、HPMC、HPC、またはECから成る群から選択されるセルロース系材料を有するものである。
【請求項25】
保存に安定なロラゼパム含有錠剤を製造する方法であって、
ロラゼパムおよびGTT65高分子の混合物を固体支持体の表面上に重層化する工程であって、それにより層状粒子を形成し、前記層は、約5〜約15%のパーセント増量となるのに十分な量だけ提供されるものである、前記重層化する工程と、
前記層状粒子をコーティングする工程であって、ロラゼパム保護粒子を形成するために、約5〜約15%のパーセント増量となるのに十分な量だけ、GTT65高分子から選択されたコーティングによって前記層状粒子をコーティングするものである、前記コーティングする工程と、
混合する工程であって、錠剤当たり約0.1〜約100mgのロラゼパムでコーティングした錠剤を形成するのに十分な量のロラゼパム保護粒子と、炭水化物を基材とした少なくとも1つの充填剤と、架橋PVP、クロスカルメロース塩、澱粉グリコール酸塩、および発泡性カップルから選択される崩壊剤とを混合して混合物を形成するものである、前記混合する工程と、
約0.1および約100mgのロラゼパムを含む錠剤に前記混合物を圧縮する工程と
を有する方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法において、前記錠剤は、約15〜約200ニュートンの硬度、且つ約2%またはそれ以下の脆性となるように圧縮されるものである。
【請求項27】
請求項25記載の方法において、前記錠剤は、約10〜約20ニュートンの硬度、且つ約2%またはそれ以上の脆性となるように圧縮されるものである。
【請求項28】
保存に安定なロラゼパム含有錠剤を製造する方法であって、
ロラゼパム保護粒子を形成するために、ロラゼパムおよび少なくとも1つのコグラニュレイトを、GTT65高分子を含有する結合剤と共に湿式造粒する工程と、
混合する工程であって、錠剤当たりロラゼパムを約0.1〜約100mg含む錠剤を製造するのに十分な量の前記ロラゼパム保護粒子と、炭水化物を基材とした少なくとも1つの充填剤と、架橋PVP、クロスカルメロース塩、澱粉グリコール酸塩、および発泡性カップルから選択される崩壊剤とを混合して混合物を形成するものである、前記混合する工程と、
約0.1および約100mgのロラゼパムを含む錠剤に前記混合物を圧縮する工程と
を有する方法。
【請求項29】
請求項28記載の方法において、前記錠剤は、約15〜約200ニュートンの硬度、および約2%またはそれ以下の脆性となるように圧縮されるものである。
【請求項30】
請求項28記載の方法において、前記錠剤は、約10〜約20ニュートンの硬度、および約2%またはそれ以上の脆性となるように圧縮されるものである。

【公表番号】特表2009−545632(P2009−545632A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523801(P2009−523801)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/017420
【国際公開番号】WO2008/019109
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(509025614)シマ ラブス インク. (6)
【Fターム(参考)】