説明

ローカル測位システム、及びローカル領域内の無線携帯ユニットの位置を推定する方法

ローカル測位システムは、携帯ユニットと無線方式で通信する複数のセンサーエレメントを含む。携帯ユニットの応答性は、イエス/ノー回答により測定され平均化されて、携帯ユニットと或るセンサーエレメントとの距離の尺度を提供する。この尺度とセンサーエレメントの既知の位置とに基づき、たとえば理想的なスプリングのモデルにより、携帯ユニットの位置を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、無線携帯ユニットの位置を推定する方法及びシステムに関し、更には、無線携帯ユニットの位置を反映する位置データを用いるアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクス技術の急速な進歩により、無線送信チャンネルにより情報を受信及び/または送信するコンパクトで高効率な通信ユニットの開発が開始された。その結果、多くのアプリケーションにおいて、データ接続性の高度化及びユーザー可動性の改善が提案されている。同時に、ケーブル接続を不要にすること等で、ユーザーフレンドリー性も向上している。更に、共用空間での無線接続の広範な利用可能性を持つ無線技術により、携帯機器のユーザーのためにインテリジェントなロケーションベースの[location based]サービスを提供する無数の機会が提供される。例えば、携帯電話機をエンドユーザーの位置の大まかな推定に利用することができる。推定された位置データを複雑な[sophisticated]アプリケーションにて使用することができる。例えば、携帯機器内の特別のルーチンを作動させることで、緊急時に位置データを警察署または消防署に送ることができる。他のケースでは、ビルなどの限定された領域内で移動する複数の携帯機器の位置情報には、合理的な空間分解能を持たせることが要求される。しかし、ビルなどの限定された領域内でのユーザー位置の計算は、しばしば煩わしく間違いやすいものであり、また、携帯機器側に特別に設計された装備を必要とする。従って、それに対応して測位システムもコストがかかり複雑なものとなる。更に、ローカル領域への適用のために設計された従来の測位システムは、追跡されるべき携帯ユニットの数がやや多くなると、良好な測定が常にできるとは限らない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明の目的は、複雑さが低減され、更に追跡されるべき携帯ユニットの数が多くても高い測定性が可能な、ローカルに限定された領域内での携帯ユニットの位置を推定する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上のような問題に鑑みて、本発明の第1の態様によれば、ローカル測位システムが提供される。このシステムは、複数のセンサーエレメントを含む。該センサーエレメントのそれぞれは、限定された領域内の或る特定の位置に配置される。各センサーエレメントは、当該領域内の無線携帯ユニットのための通信信号の列を無線送信し、携帯ユニットから前記信号列の通信信号の少なくともいくつかに応答して発せられる肯定応答信号を同定し、肯定応答信号の同定結果に基づきデジタル値を供給するように構成されている。システムは、更に、1つ以上の平均化ユニットを含む。この平均化ユニットは、各信号列についての複数のデジタル値を受け、前記複数のセンサーエレメントのそれぞれについてのデジタル値に基づき平均値を発生させる。このローカル測位システムは、更に、制御ユニットを含む。該制御ユニットは、前記センサーエレメントのそれぞれ及び前記1つ以上の平均化ユニットに接続される。制御ユニットは、前記1つ以上の平均化ユニットから前記平均値を受け、前記平均値及び前記複数のセンサーエレメントの前記或る特定の位置に基づき、前記携帯ユニットの位置を推定する。
【0005】
本発明によれば、ビル等の限定された領域のための高効率の測位システムが提供される。携帯ユニット側及びセンサー側では、計算資源及びデータ処理能力を低く維持することが出来る。短長距離アプリケーション用の市販の携帯ユニットは、本質的に特定の通信信号に応答するように設計されている。例えば、ブルートゥース[bluetooth]規格などの特定の通信プロトコルに適合する多くの種類の無線ユニットがローカルエリアネットワークとの通信に利用可能であり、これにより、携帯ユニットで受信される或る特定の信号の検知における携帯ユニットの応答性が供給される。本発明によるローカル測位システムでは、いくつかの実施形態で特別の変更なしに市販のハードウェアユニットである携帯ユニットの応答性が利用される。ここでは、通信信号に対する携帯ユニットの応答性の尺度を提供するために、センサーエレメントのそれぞれにおいてデジタル値が発生せしめられる。ここで、或る時間内での携帯ユニットの応答性をテストするために、センサーエレメントのそれぞれから複数の通信信号が信号列の形態で放出される。応答性は、携帯ユニットとそれぞれのセンサーエレメントとの結合の強さと見なすことができる。1つ以上の平均化ユニットにより、複数の平均値が生成せしめられる。この平均値は、或るセンサーエレメントにより送信された或る信号列の1つ以上の通信信号について各センサーエレメントにより生ぜしめられるかなり粗いデジタル値に比べて、反応性の程度を一層正確に反映する。従って、これらの応答性即ち携帯ユニットと各センサーエレメントとの結合強度を示す平均値を使用することにより、携帯ユニットのローカル位置をセンサーエレメントの既知の位置に基づき決定することができる。ここで、センサー側に要求されるハードウェア及び/またはソフトウェアの資源は極めて緩やかなものとなり、本発明のいくつかの実施形態では、特定の無線通信用に設計された携帯ユニットを実質上いかなる変更もなしに使用することができる。従って、本発明のローカル測位システムは、ユーザー側には、携帯ユニットを作動状態に維持して所持すること以外は、いかなる行動をも要求することなしに、実用化することができる。例えば、多くの現行の携帯電話機はローカルエリアネットワークのとのデータ通信を可能にするハードウェア及び/またはソフトウェアの資源を備えており、これらの資源を、本発明のローカル測位システムにおいて、ユーザーから更なるいかなる入力をも要求することなく簡単に使用することができる。
【0006】
他の好ましい実施形態においては、本発明のローカル測位システムのセンサーエレメントは、更に各信号列の通信信号を互いに異なる複数のパワーレベルで送信するように構成されている。少なくとも2つの異なるパワーレベルを持つ或る特定の信号列の通信信号を送る機能を含むことで、或る通信信号列に随伴する複数のデジタル値の信頼性を向上させることができる。これは、携帯ユニットの応答性は、或る特定のセンサーエレメントからの距離に依存するからである。この理由から、低減された送信パワーレベルでは携帯ユニットが反応しないことがある。これは、低い送信パワーレベルで肯定応答信号を受けるセンサーエレメントに比べて、大きな距離にあることを示す。例えば、各信号列が複数の異なる送信パワーレベルを持つことで、実質上一定の送信パワーレベルの特定のセンサーエレメントの周囲を調査する[enquiring]場合よりも、肯定応答信号を受信する頻度は、各センサーエレメントのまでの距離を一層信頼性高く反映する。
【0007】
更に別の実施形態では、デジタル値は、前記デジタル値を発生させた或る特定のセンサーエレメントの同定を含むセンサー信号の形態で供給される。従って、制御ユニットはデジタル値の源を信頼性高く同定し、これにより、各デジタルとそれに随伴するセンサーエレメントとの相関関係を損なうことなく、センサーエレメントと制御ユニットとの間のデータ通信の信頼性を高めることができる。このようにして、制御ユニットにデジタル値を提供するのに使用される通信の媒体及びチャンネルに関わらず、更に制御ユニットに接続されるセンサーエレメントの数に関わらず、各デジタル値は良好に特定された位置座標により随伴され、携帯ユニットの高信頼性の位置推定が可能になる。
【0008】
1つの好ましい実施形態では、センサーエレメントの少なくともいくつかは、無線方式で前記制御ユニットへセンサ信号を送信するように構成されている。これにより、センサーエレメントを限定された領域内に配置する際の自由度は、ケーブル接続に限定されることがないので、高められる。更に、制御ユニットと無線で接続することにより、空間分解能及び/または限定領域全体のカバー性[coverage]の変更に関して、センサーエレメントを再配置するのが容易になる。いくつかのケースでは、少なくとも無線データ通信機能を持つセンサーエレメントを非固定のパワー源を持つものとすることで、ビルでの重大な改修を要することなく、ビルまたはその他の限定領域内に複数のセンサーエレメントを一時的または恒久的に設置することが可能になる。
【0009】
1つの好ましい実施形態では、センサーエレメントの少なくともいくつかは、ケーブル接続で制御ユニットと接続されている。これにより、センサーエレメントと制御ユニットとの間の高信頼性のデータ通信が確立される。ここで、データ処理及びデータ符号化に関するセンサー側のソフトウェア及びハードウェアの資源は低レベルのものとすることができる。更に、電源及びセンサーエレメントと制御ユニットとの間の他の追加的通信リンクを、ケーブル接続に基づき確立することができる。
【0010】
更なる好ましい実施形態では、センサーエレメントは、デジタル値を2値として供給するように構成されている。かくして、センサーエレメントにより供給されるデジタル値は、各センサーエレメントにより送信される通信信号への単なる「イエス[yes]」及び「ノー[no]」の回答を反映したものとなる。例えば、通信信号の信頼性の高い受信を可能にするセンサーエレメントの範囲内においては、携帯ユニットは対応するセンサーエレメントにより送信される通信信号に応答するものとしても良い。この場合、通信信号のそれぞれに随伴するデジタル値のそれぞれは、使用される論理のタイプに応じて、「1」または「0」で表される。センサーエレメントとの距離の増加に応じて、またはセンサーエレメントと携帯ユニットとの間の無線通信チャンネルに影響する干渉により、センサーエレメントは予め定められた時間内で信号列の通信信号のいくつかについて肯定応答信号を受信しないことがある。この状態は、「0」または「1」に反映される。携帯ユニットと各センサーエレメントとの結合強度を推定するために2つの異なる量的レベルしか提供されておらず、それによりセンサー側のソフトウェア及びハードウェアの資源の複雑化を十分に低減している。しかし、それにも関わらず、1つ以上の平均化ユニットは、十分に信頼性の高いアナログ値または擬似アナログ値を推定しても良い。この値は、上記2値表示と比較して十分に微細な分解能またはステップ幅を持つ。互いに異なる送信パワーレベルの通信信号を送信する機能を持つセンサーエレメントと組み合わせて、精度の高められた有意義な平均値を得るプロセスは一層効果的である。これは、2値の信号列が互いに異なる送信パワーレベルに関する情報を内在的に持つからである。即ち、センサーエレメントが、制御ユニットで既知の変調方式に応じて送信パワーレベルを変更するように構成されていてもよい。それには、制御ユニットにおいて、互いに異なる送信パワーレベルで送信される通信信号列への応答性を表す「1」及び「0」の列の間の相関関係を同定するようにする。
【0011】
他の実施形態では、デジタル値は、或る特定のパワーレベルの通信信号に対する応答性を示す2値からなるものでも良いし、或る特定のパワーレベルのデジタル表示からなるものでも良い。このケースでは、制御ユニットは或る特定の通信信号のために使用される互いに異なるパワーレベルのそれぞれを追跡[track]するので、センサーエレメントは或る特定の送信パワーレベルを独立して選択することができる。いくつかの実施形態では、センサー信号は信号列の間においてパワーレベルを実質上ランダムに変化させるように構成されており、これにより通信信号のそれぞれに対する応答性を示すのに2値表示が使用されているとしても、デジタル値の精度を高めることができる。
【0012】
更なる実施形態では、1つ以上の平均化ユニットは、各センサーエレメントに対応する平均化部を含む。このような構成により、各センサーエレメントが各平均化部を随伴するので、高い信頼性が得られる。制御ユニット及び/または随伴するセンサーエレメント及び/または他の平均化部が一時的に無効の操作状態であったとしても、各平均化部のハードウェア構成に依存して、以前に得た平均値及び/または現在有効な平均値を保持することが出来る。1つの好ましい実施形態では、平均化部のそれぞれは、それに随伴するセンサーエレメントに含まれる。このような構成では、制御ユニットにおけるハードウェア及びソフトウェアの複雑性を十分に低減しながら、高い信頼性を得ることができる。例えば、平均化部は、送信された通信信号への応答性に対応する2値のビットストリームを受信するアナログ及び/またはデジタルのローパスフィルターとして構成しても良い。ローパスフィルターから得られる平均値を制御ユニットへと送信しても良く、その際にはアナログ信号またはパルス幅変調信号のようなデジタル信号としてとして簡単に実行することができる。これにより、複雑な符号化の労力を要することなく、高い送信効率を提供することができる。
【0013】
他の好ましい実施形態では、1つ以上の平均化ユニットは制御ユニットに含まれる。ここで、1つ以上の平均化ユニットは、全体的にハードウェアにより構成しても良いし、ソフトウェアとハードウェアとの組合せにより構成しても良い。それにより、典型的には制御ユニットで利用されるハードウェア及び/またはソフトウェアの資源を各平均値を生成させるのにも有効に使用しながら、センサー側の複雑性を極めて低く維持することが出来る。更に、制御ユニットのハードウェア及び/またはソフトウェアの資源を使用することにより、種々のフィルターまたは平均化アルゴリズムを使用することができ、または極めて短い時間内に多数のセンサーエレメントについて平均値を供給し、限定領域内で多数の携帯ユニットを追跡することが可能になる。
【0014】
更なる好ましい実施形態では、制御ユニットは、位置を推定するための推定部を含む。推定部は、その中に、或る特定のセンサーエレメントから携帯ユニットまでの距離と上記の或る特定のセンサーエレメントに随伴する平均値とのリニアな関係に基づく計算モデルを内蔵している。
【0015】
かくして、リニアなモデルを備えた推定部を用いて高効率で位置の計算がなされ、それにより或る特定の時間内に複数の携帯ユニットの位置を推定するための能力が提供される。例えば、公共ビル等の内部の多数の携帯ユニットの位置を数秒またはそれ以下の時間で更新することができ、ビル内での携帯ユニットの典型的な速度に対する合理的な空間分解能をもって携帯ユニットの位置を追跡することが可能になる。
【0016】
更なる実施形態では、制御ユニットは、更に、携帯ユニットの推定位置を保持しながら、限定領域内の更に少なくとももう1つの携帯ユニットの位置を推定するように構成されている。ここでは、複数の携帯ユニットの位置データは、或る特定の時間フレーム内で決定され、使用される。即ち、或る特定の携帯ユニットに関する複数のセンサーエレメントの命令[prompting]がパラレルまたはシリアルの何れの形式でなされるかに関わらず、既に得られた位置データは保持され、特定の時間フレームで複数のセンサーエレメントの範囲内に存在する全ての携帯ユニットの概要が供給される。更なる有利な実施形態では、システムは、更に、インターフェースを含む。該インターフェースは、それに接続されるプラットフォームに推定位置を供給する。この構成によれば、ローカル測位システムにより得られる位置データは、ロケーションベースのサービスを提供すべくプラットフォームでアプリケーションを作動させるのに使用することができる。例えば、1つの基本的なアプリケーションでは、与えられた時間内で限定領域内に存在する携帯ユニットの数が推定される。
【0017】
本発明の更なる態様によれば、上記実施形態のようなローカル測位システム、または後述の発明を実施するための最良の形態の項に記載されているようなローカル測位システムを含んでなるサービスシステムが提供される。このサービスシステムは、更に、携帯ユニットの位置に関するデータを受信するようにローカル測位システムに接続されたプラットフォームを含む。プラットフォームは、上記データに基づき位置検索サービスを提供する1つ以上のアプリケーションルーチンを作動させるように構成されている。
【0018】
更なる実施形態では、このサービスシステムはロケーション[location]に基づく室内環境用に設計されている。このアプリケーションでは、ローカルエリアネットワーク通信機能を備えた有利には現存する携帯機器を、本発明と組み合わせて使用することができる。ここでは、センサー側の複雑性が適度に低いことと、本発明のシステムの接続性及び設置性に関する高い柔軟性とが組み合わされて、優れた全体的性能が得られる。
【0019】
有利には、データは少なくとも携帯ユニットの限定領域への出入りを示すものである。この構成により、前述のようにして、限定領域内の携帯ユニットの数が推定される。ここで、いくつかの実施形態では、計算のための資源に関する要求は適度に低く、同様のことが多数の携帯ユニット及び/または短い時間についてもいえる。
【0020】
更なる有利な実施形態では、システムは、1つ以上のアプリケーションにより生ぜしめられるサービス情報を示す1つ以上の指示手段を含む。従って、サービス情報は位置データに基づく高度に選択的な形式で提供される。ここでは、音響的、光学的、その他の適宜の指示手段が用いられて、サービス情報がユーザーに提供される。有利には、指示手段は、ローカライズされた形態でサービス情報を提供する。
【0021】
有利な実施形態では、指示手段は、携帯ユニットへの無線データ送信用に構成された通信ユニットを含む。このケースでは、サービス情報は高い選択性をもって伝達される。それにより、センサーエレメントの通信ハードウェアとしては、有利には、使用される携帯ユニットのタイプに応じて、該携帯ユニットのものに最も近いものが使用される。それにより、データ通信の効率が高められる。
【0022】
本発明の更に別の態様によれば、無線携帯ユニットの位置を推定する方法が提供される。この方法は、限定領域内に配置された複数の或る特定の送信位置のそれぞれから対応する通信信号列を送信することを含む。次に、各信号列内の少なくともいくつかの通信信号について設定または確立されたデジタル値により、各通信信号列に対する携帯ユニットの応答性[responsiveness]を評価する。次に、信号列のそれぞれに随伴するデジタル値を平均化して信号列のそれぞれについての平均値を生成する。最後に、上記平均値及び上記の或る特定の送信位置に基づき無線携帯ユニットの位置データを決定する。
【0023】
前述のように、本発明によれば、センサーエレメントの近傍に携帯ユニットが存在することに関する純粋なデジタル情報に基づき、有意義な位置データを生成することが可能になる。例えばデジタルローパスフィルターにより平均化されたデジタル値に基づき、用いられる送信位置の数及び間隔に適した空間分解能をもって位置データを得ることができる。ここで、センサーエレメントは、実質上連続する様式で環境の“問い合わせ”を行うように構成されている。連続する様式とは、各センサーエレメントから送信された信号列のそれぞれが多数の通信信号を含むものであり、これにより或る特定のセンサーエレメントの近傍の携帯ユニットを実質上連続的に追跡することが可能になる。他のケースでは、最小の送信パワーで所望の位置データを含むのに適切と見なされるような所望の時間パターンの通信信号を送信するように、センサーエレメントが制御される。従って、センサーエレメント/携帯ユニットの各ペアについてのイエス[yes]−ノー[no]情報に基づき、限定領域内のセンサーエレメントの数に依存する空間分解能をもって、位置の推定がなされる。
【0024】
有利には、通信信号によるセンサーエレメントの問い合わせ(照会)[inquiry]は、異なる複数の送信パワーレベルでなされ、これによりセンサーエレメントの極めて近くに位置する携帯ユニットは実質的に常時応答する傾向にあり、センサーエレメントから更に離れて位置する携帯ユニットは高い送信パワーの使用時にのみ応答する傾向にある。従って、互いに異なる複数の送信パワーにより生ぜしめられたデジタル数に基づき得られる平均値は、一定の送信パワーで通信信号を生成した場合に比べて、それぞれのセンサーエレメントと携帯ユニットとの間の距離を、一層正確に反映する。
【0025】
更なる有利な実施形態では、位置データの決定は、次のようにしてなされる:
それぞれの送信位置から携帯ユニットまでの距離の尺度[measure]として、それぞれの送信位置に随伴する各信号列の平均値のそれぞれを考慮し;
平均値のそれぞれに基づき各送信位置からの前記距離を得;
該距離に基づき携帯ユニットの位置を推定する。
【0026】
1つの有利な実施形態では、位置データの決定は、携帯ユニットを送信位置のそれぞれと接続する理想的なスプリングのモデルに基づきなされる。このケースにおいては、位置データの計算は高効率で迅速に行われ、これにより限定領域内で多数の携帯ユニットを追跡する能力が提供される。ここで、位置データの更新は、例えば歩行者により運ばれるような携帯ユニットのゆっくりとした移動に典型的な位置変化に伴う時間フレーム内で行うことが可能である。
【0027】
更なる実施形態では、この方法は、更に、限定領域内で携帯ユニットを追跡するための所望の空間分解能を決定し、決定された空間分解能に基づき特定の送信位置の数及び位置を選択し、複数の送信位置のそれぞれに少なくとも1つの位置センサーを配置することを含む。従って、位置センサーの配置ひいてはローカル測位システムの性能は、考慮されるアプリケーションに適したものとされる。例えば、限定領域内での携帯ユニットの存在に関して実質上イエス/ノー情報が要求される場合には、対応するセンサーエレメントのネット[net]を限定領域の出入り口に配置し、内部にはセンサーエレメントがない状態とすることができる。また、空間分解能は、ビルの構造、そこに用いられている厚い壁などの材質、及び予想される来訪者の数などの限定領域の特性に依存する。従って、これらの条件を満たすようにセンサーエレメントの位置が選択され、この位置は携帯ユニットのハードウェア構造に適合したものとされ、これによりシステム全体の効率が向上する。かくして、空間分解能は、約10メートルまたはそれ未満、例えば約2メートルまたはそれ未満である。この空間分解能は、広範囲の室内環境におけるロケーションベースのサービスのために十分である。
【0028】
有利には、ロケーションベースのサービスは、前記位置データを受信するステップと、前記位置データに基づき情報を提供するステップとを含む。従って、情報は、極めて局所化された位置データに基づき生成され、及び/または、1つ以上のアプリケーションにより供給される情報は高度に選択的な様式にて提供される。ここで、情報は、携帯ユニットの近傍に直接的に表示するか、または、携帯ユニットのユーザーが自分が存在する位置に特に関連する情報に接することができるようにして提供される。
【0029】
本発明の更なる有利な実施形態、目的及び利点は、特許請求の範囲及び発明を実施するための最良の形態の項において、本発明の更なる理解を得るために添付図面を参照して、記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1a】本発明の実施形態によるローカル測位システムを示す模式図である。
【図1b】本発明の実施形態によるローカル測位システムの一部を更に詳細に示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態によるロケーションベースのサービスシステムを示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明のローカル測位システムのアーキテクチャは、複数のセンサー機器が周囲の空間内の携帯ユニットを探索し、照会パケットを一斉送信し(ここで、好ましい実施形態では、互いに異なる複数のパワーレベルで送信し)、応答を聞くように構成されている。集められた応答は、制御ユニットへと送られる。この応答は、特定の照会レポートを送ったセンサー機器を制御ユニットが同定することができるような形態をなしている。センサー機器と制御ユニットとの間のデータ送信は、無線及び/または有線の送信チャンネルを含む適宜のネットワーク接続により行うことができる。1つ以上の特定の携帯ユニットに関して或るセンサー機器によりレポートされる情報は、本質的にはデジタルである。即ち、或る時刻において、携帯ユニットは、照会パケットに接することができ従ってこれに応答することができるか、または照会パケットに接することができず従ってこれに応答することができないか、のいずれかである。これらの基本的な情報部分[elementary piece of information]を、先ず特定のセンサーエレメント(センサー機器)と携帯ユニットとのペア(組)についての複数のデジタル情報を平均化することにより、精度の高められた値(平均値)へと変換する。最後に、上記の精度の高められた平均値を、適宜の所望精度の座標値へと変換する。この精度は、典型的な室内アプリケーション(室内での適用)については、約10メートルまたはそれ以下の範囲とすることができ、たとえば1または2メートルとすることができる。
【0032】
図1aは、本発明によるローカル測位システム100を示す模式図である。システム100は、限定された領域(限定領域)101内に適当に位置する複数のセンサーエレメント110a・・・・110cを含む。センサーエレメント110a・・・・110cは、適宜の通信プロトコルに適合する通信信号列を無線送信するように構成されている。例えば、センサーエレメント110a・・・・110cは、通信信号を時間制御方式で送るための適宜の出力モジュールを内蔵することができる。ここでは、通信信号は、適宜備えられた携帯ユニット102a・・・・102eの応答を開始させるために必要な情報を伝達する。例えば、センサーエレメント110a・・・・110cは、ブルートゥース(bluetooth)規格のような従来のローカルエリアネットワークのプロトコルに対応している(コンパチである)送信部を含むことができる。しかし、携帯ユニット102a・・・・102eがセンサーエレメント110a・・・・110cにより送信される通信信号に応答する対応送受信部を備える限りにおいて、センサーエレメント110a・・・・110cには他の適宜の無線通信技術を用いても良いことに、注意されたい。センサーエレメント110a・・・・110cがブルートゥース規格のような標準的な通信プロトコルに準拠した通信信号を送信するように構成されている場合には、携帯ユニット102a・・・・102eが携帯電話機の場合に典型的なように作動する限りにおいて、好ましくは、携帯ユニットに如何なる変更をも要せずまたはユーザー側に如何なる副次的な情報または作用を要求することなしに、携帯ユニット102a・・・・102eにロケーションベースのサービス(location based service)を提供することができる。強調すべきことは、2つ以上の異なる通信プロトコルに準拠した通信信号を供給することで異なる構成の携帯ユニットとの通信が可能となるように、センサーエレメント110a・・・・110cを構成することができるということである。他の実施形態では、携帯ユニット102a・・・・102eはシステム100の一部であっても良く、この場合、これらの携帯ユニットは、エンドユーザーが限定領域101に入ったときにのみ利用することができるように特別に設計された機器であっても良い。好ましい実施形態では、センサーエレメント110a・・・・110cを、互いに異なる複数のパワーレベルの通信信号の送信が可能となるように、構成することができる。即ち、少なくともいくつかのセンサーエレメント110a・・・・110cを、2つ以上の互いに異なる送信パワーレベルで特定の信号列の通信信号を発信することが出来るように、構成しても良い。ここで、送信パワーレベルは、ランダムにまたは特定のパターンに従って変化しても良い。例えば、特定のリスニング期間[listening period]を含む特定の数の通信信号である特定の信号列では、各送信パワーは同等の頻度で用いられる。ここで、信号列全体の期間は、携帯ユニットが限定領域101内で典型的な速度で予め定められた距離移動するのに要する時間に比べて、適度に短い。
【0033】
センサーエレメント110a・・・・110cは、平均化手段120と機能上結合されている。平均化手段120は、制御ユニット130と機能上結合されている。平均化手段120は、携帯ユニット102a・・・・102eと各センサーエレメント110a・・・・110cとのペアのそれぞれについての複数のデジタル値を受け、この受けたデジタル値に比べて精度の高められた平均値を携帯ユニット/センサーエレメントのペアのそれぞれにつき供給するように構成されている。例えば、携帯ユニット/センサーエレメントのペアのそれぞれについての複数のデジタル値は、携帯ユニット/センサーエレメントのペアに随伴する携帯ユニットの応答性(responsiveness)を示す2値の信号列の形態で受けられる。ここで、2値の信号列は、適宜の同定を含んでもよいし、適宜の同定により先行されてもよい。かくして、平均化手段120が、携帯ユニット/センサーエレメントのペアのそれぞれについて専用の平均化部またはチャンネルを割り当てることが可能になる。有利には、平均化手段120は、デジタル値の受領が可能で該デジタル値をデジタル的に処理して携帯ユニット/センサーエレメントのペアのそれぞれについての平均値を提供することが可能なハードウェア資源を含む。また、例えば、平均化手段120は、デジタル的ローパスフィルタとして機能するようなソフトウェア資源を含むものであってもよい。デジタル的ローパスフィルタにおいては、各センサーエレメント110a・・・・110cから受けた複数のデジタル信号列が、平均化手段120のハードウェア構成に応じてパラレルで或いは連続的に処理されてもよい。典型的には、平均化手段120の計算資源(演算手段)は、重大な性能低下を来すことなく複数の信号列を処理するのに十分である。これは、携帯ユニット/センサーエレメントのペアのそれぞれについてのデジタル値の提供速度に比べて、演算手段のデータ処理速度は十分に高いからである。
【0034】
いくつかの実施形態では、平均化手段120は、センサーエレメント110a・・・・110cのいくつかがそれぞれの平均化部を内蔵するように、個別の機器として提供されてもよい。例えば、センサーエレメント110a・・・・110cのいくつは、変化する数または一定の数の平均化チャンネルの構成を可能となすようなハードウェア資源を備えていてもよい。ここで、平均化チャンネルの容量は、システムの要求に合致するように選択される。かくして、1つ以上のセンサーエレメント110a・・・・110cの範囲内に或る最大数の携帯ユニット102a・・・・102eが近接して位置することが予想される場合には、それぞれのセンサーエレメント110a・・・・110cに近接して寄り集まった上記の最大数の携帯ユニット102a・・・・102eに対応する数の平均化チャンネルが提供されるように、ハードウェア/ソフトウェアの資源を選択することができる。従って、それぞれの平均化部を内蔵するセンサーエレメント110a・・・・110cは、それぞれのセンサーエレメントの範囲内の携帯ユニットの数に対応してそれぞれの値を提供することができ、次いでそれぞれの平均値を制御ユニット130へと送信することができる。従って、携帯ユニット/センサーエレメントのペアのそれぞれについての複数のデジタル値を平均化手段120へと送信する代わりに、携帯ユニット/センサーエレメントのペアのそれぞれについての平均値を単に制御ユニット130へと送信すればよく、これによりセンサーエレメント110a・・・・110cから制御ユニット130へのデータ送信に関する要求を低減することができる。他の実施形態では、平均化手段120は制御ユニット130に含まれ、これにより制御ユニット130により提供されるハードウェア及びソフトウェアの資源を利用することができる。制御ユニット130は、携帯ユニット/センサーエレメントのペアのそれぞれについて平均化手段120により供給された平均値に基づいて、更にセンサーエレメント110a・・・・110cの位置に基づいて、携帯ユニット102a・・・・102eの位置の推定値を計算するように構成されている。
【0035】
更に、センサーエレメント110a・・・・110cから平均化手段120及び/または制御ユニット130へのデータ通信は、1つ以上の適宜の送信チャンネルを含む他の適宜のネットワーク140により実行することができる。或る実施形態においては、平均化手段120及び/または制御ユニット130に接続するデータ通信ネットワーク140を、無線通信チャンネルに基づき確立し、これによりセンサーユニット(センサーエレメント)110a・・・・110cの高周波または光による通信の容量を利用するようにしてもよい。他の実施形態では、データの保全[integrity]及び/または電磁的干渉が重要な側面であると見なされる場合には、データ通信ネットワーク140を、金属導体または光ファイバーのようなケーブル接続により提供してもよい。ここで注意すべきことは、システム140により達成される空間分解能即ち位置精度が、センサーエレメント110a・・・・110cの数及びセンサーエレメント110a・・・・110c内でのそれらの特定の位置に依存することである。かくして、例えば公共のビル、地下街、病院、空港、鉄道の駅等の与えられた限定領域101内でのシステム100の構築の際には、システム100の総合的性能を向上させるべく、センサーエレメントの再配置及び/または更なるセンサーエレメントの追加を行うようにしてもよい。この場合、センサーエレメント110a・・・・110cの少なくともいくつかを、可搬式ユニットの形態、好ましくは平均化手段120及び/または制御ユニット130と通信する無線通信機能を有する可搬式ユニットの形態、にするのが有利である。いくつかの有利な実施形態では、電源は可搬式センサーエレメントと一体化される。この場合、限定領域101の特殊性にセンサーエレメント110a・・・・110cの配置すなわちセンサーエレメントの位置及び数を適合させる際のフレキシビリティの程度が高められる。
【0036】
図1a及び図1bを参照して、システム100の作用につき、以下に更に詳細に説明する。複数のセンサーエレメント110a・・・・110cを適宜配置し、これにより制御ユニット130においてセンサーエレメント110a・・・・110cのそれぞれに対する位置データを発生させて記憶した後に、センサーエレメント110a・・・・110cにより限定領域101を探索することができる。その際、これらの機器のそれぞれは通信信号列を送信する。センサーエレメントは、各通信信号の送信後に、各通信信号に対する応答を待つ。例えば、センサーエレメント110a・・・・110cのそれぞれは、ブルートゥース規格のような或る通信プロトコルに従ったデーパケットを送信する。このデータパケットは、1つ以上の携帯ユニット102a・・・・102eの範囲内にある携帯ユニット102a・・・・102eにより同定される。同一の携帯ユニット102a・・・・102eにより受信される互いに異なる通信信号同士で発生することがある干渉を低減するために、個々のセンサーエレメントからの通信信号の送信を少なくともある程度同期させることが有利である。例えば、各通信信号を互いに僅かな遅れをもって送信するために、複数のセンサーエレメントまたは少なくともいくつかの隣接センサーエレメントをネットワーク配列により互いに機能上結合させることができる。これにより、互いに異なるセンサーエレメント110a・・・・110cの2つ以上の通信信号が特定の携帯ユニットに同時に到達するのを避け、携帯ユニットが1つ以上の同時に送信するセンサーエレメントとデータ通信するのを阻止することができる。1つ以上の携帯ユニット102a・・・・102eが1つ以上のセンサーエレメント110a・・・・110cの範囲内に至ると、すぐに、各照会通信信号に対して、最初に送られた通信信号の受領の肯定応答が送られる。好ましくは、或るセンサーエレメントの通信信号の受領の肯定応答は、携帯ユニット102a・・・・102eの同定を含む。イエス/ノー[yes/no]の情報である応答を、或る携帯ユニットの同定の同定と共に平均化手段120へと通信することができる。いくつかの有利な実施形態では、センサーエレメント110a・・・・110cの通信信号列の送信は、互いに異なる複数のパワーレベルで行うことができ、これにより或るセンサーエレメントの近くに位置する携帯ユニットに比べて、或るセンサーエレメントから遠くに位置する携帯ユニットの応答が低くなるようにすることができる。従って、或るセンサーエレメントの近くに位置する携帯ユニットが、或るセンサーエレメントから遠くに位置する携帯ユニットに比べて、十分に大きなイエス回答[significantly more−yes answers]を含むイエス/ノー回答の列を発生するようにすることができる。他の実施形態では、それぞれのイエス/ノー情報がそれぞれの携帯ユニットで生成された送信パワーレベルを示す各値と共に、イエス/ノー情報を平均化手段120へとレポートすることができる。複数のセンサーエレメント110a・・・・110cから受信したデジタル値に基づき、平均化手段120は、携帯ユニット/センサーエレメントのペアのそれぞれの距離を示す携帯ユニット/センサーエレメントのペアのそれぞれについての各平均値を発生させる。上記のように、平均値の数は、限定領域101内の携帯ユニットの数に依存し、典型的には平均化手段120は対応する数の平均値を計算し保持するに十分な資源すなわちハードウェア資源及びソフトウェア資源を含む。ここで注目すべきことは、センサーエレメント110a・・・・110cからのデジタル値を、個別の値または他の適宜のデータフォーマットとしてデータパケットの形式で平均化手段120に適用することができることである。例えば、センサーエレメントの通信信号のうちの1つに応答して携帯ユニットのうちの1つから最初の肯定応答がなされた後に、平均化手段120がそれぞれのデータチャンネルを確立し、次いで或る携帯ユニットが或るセンサーエレメントに応答する限りはデータチャンネルを保持するようにすることができる。センサーエレメント110a・・・・110cは、周囲環境を探索し、その際に携帯ユニット102a・・・・102eのいずれかの存在に関する環境を照会する1つ以上の通信信号列を送る。以下において、携帯ユニット102a・・・・102eのそれぞれがセンサーエレメント110a・・・・110cのそれぞれにより送信された通信信号の少なくともいくつかに応答し、これによりセンサーエレメント110a・・・・110cの送信範囲内での携帯ユニットの存在が示されるものと仮定する。ここで、上記のように、センサーエレメント110a・・・・110cは、互いに異なる複数のパワーレベルでの通信信号に基づき環境を照会することができる。応答する携帯ユニットの適宜の同定と共に通信信号のうちの1つに対する応答を検知すなわち受信すると、センサーエレメント110a・・・・110cのそれぞれは、通信信号の少なくとも1つに応答した各携帯ユニットの同定及び応答性[responsiveness]のデジタル表現を含む照会レポート[inquiry report]を確立することができる。例えば、センサーエレメント110a・・・・110cのそれぞれの対応照会レポートは、センサーエレメント110a・・・・110cのそれぞれの通信信号列に応答する携帯ユニット102a・・・・102eのそれぞれについてのイエス/ノー回答の列を含むことができる。
【0037】
図1bには、センサーエレメント110a・・・・110cのそれぞれにより生成される3つの照会レポート111a・・・・111cが示されている。かくして、本実施形態では、照会レポート111a・・・・111cのそれぞれは、携帯ユニット102a・・・・102eのそれぞれに随伴する5つの情報チャンネル[information channel]を含む。ここで注目すべきことは、センサーエレメント110a・・・・110cのそれぞれにより検知される携帯ユニットの数に依存して、より多くの又はより少ない情報チャンネルが含まれていてもよいことである。例えば、センサーエレメント110cにより新しい携帯ユニットの存在が初めて検知されるとすぐに、照会レポート111c中に新規な情報チャンネルを確立するようにしてもよい。同様に、以前に同定された携帯ユニットが或るセンサーエレメントの通信信号に応答しない状態が継続するとすぐに、1以上の情報チャンネルを削除するようにしてもよい。ここで注目すべきことは、情報チャンネルの確立又は削除を、単に平均化手段120に通信されるデータ速度が対応して減少し又は増加すると言う仮想概念として捉えてもよいことである。すなわち、以前に肯定応答した携帯ユニットについての応答を継続して検知しない場合には、イエス/ノー情報を対応する同定と共に、平均化手段120へ送信されるデータストリームから単純に除外することができる。同様に、新たに検知された携帯ユニットについての情報を、平均化手段120へ送信されるデータストリーム中に組み込むことができる。他の実施形態では、同定がセンサー側で最終的に捨てられる限りは、検知と同定を伴うイエス/ノー情報とが平均化手段120へ送信された時に、或る情報チャンネルを実際に生成してもよい。
【0038】
照会レポート111a・・・・111cを受信する平均化手段は、図1bにおいて、フィルターチャンネル121a・・・・125a,121b・・・・125b,121c・・・・125cを有するローパスフィルタのマトリックス含むように示されている。このフィルターチャンネルは、各照会レポートの情報チャンネルに対応し、例えばイエス/ノー情報として提供されるデジタル値から、センサーエレメント110a・・・・110cのそれぞれから携帯ユニット102a・・・・102eのそれぞれまでの距離を示す各平均値を生成するように設計されている。例えば、単純な実施形態では、フィルターチャンネル121a・・・・125cのそれぞれがカウンター及びドライバーを含み、照会の総数に対するイエス回答の比率に基づき平均値を得ることができる。更新されたイエス/ノー情報を受信すると、対応する平均値も更新され、これによりセンサーエレメント110a・・・・110cのそれぞれから携帯ユニット102a・・・・102eのそれぞれまでの距離の変化の傾向が反映される。しかし、ここで注目すべきことは、その他の平均化の機構又はアルゴリズムを適用してもよいことである。例えば、以前のイエス/ノー情報に比べて最新のデジタル値がより強く重み付けされるような動的平均化アルゴリズムを使用することができる。ソフトウェア資源を構成するデジタルユニットとしてフィルターチャンネル121a・・・・125cが提供されているが、RCフィルターエレメント等のアナログのローパスフィルターを使用し、その出力をデジタル化して制御ユニット130での更なる処理のための適宜の平均値を提供するようにしてもよい。
【0039】
図1bでは、制御ユニット130は、フィルターチャンネル121a・・・・125cにより提供される平均値に基づき、位置データを得るためのモデルを内蔵することができる。ここに示されたモデルでは、各携帯ユニット102a・・・・102eとの間の距離は平均化手段120のフィルターチャンネルのそれぞれにより供給される平均値にリニアに依存するものとしてもよい。1つの実施形態では、このリニアな依存は、バネのモデル(スプリングモデル)[spring−model]に基づく。ここで、平均値はモデル中の対応する理想的なスプリングの弾性定数を示すことができる。かくして、例えば、或る携帯ユニットの反応性を“1”としてコード化し、通信信号への応答がない場合を“0”として示すことにすれば、平均化手段120により提供される高い平均値は弾性定数が増加したことを示し、センサーエレメントのそれぞれから携帯ユニットのそれぞれまでの距離が減少することを意味する。ここで、制御ユニット130では、それに含まれるセンサーエレメントと理想的なスプリングにより結合された空間中の点として携帯ユニットをモデル化することができる。次に、その位置を携帯ユニットの位置とし、そこにかかる全ての力が平衡するものと仮定する。次に、それに基づき、制御ユニット130により計算を行って、各位置データを提供することができる。この位置データを、広範囲のアプリケーションでの当該位置データの使用を可能にするような座標値で提供することが好ましい。他の実施形態では、制御ユニット130により提供される位置データは、或る関心のある位置への近接(近接の程度)に関する情報を示すことができる。例えば、位置データは、センサーエレメント110a・・・・110cのいずれかへの近接を反映するものとして、又は、着目する携帯ユニットに最も近いセンサーエレメントを同定するものとして提供することができる。ここで注目すべきことは、上記のモデルを使用することで、照会レポート111a・・・・111cに含まれる情報が考慮されることである。携帯ユニットが或るセンサーエレメントに応答することは、携帯ユニットがセンサーエレメントの領域内にあることを意味し、このことは、対応するフィルターチャンネルが増加した平均値を与え、これにより対応するスプリングが強くなり、携帯ユニットを対応するセンサーエレメントの方へと引き寄せる、ということに反映される。反対に、携帯ユニットが通信信号に応答しないことは、携帯ユニットがセンサーエレメントの領域外にあることを自動的には意味しない。これは、環境ノイズが通信を妨害することがあるからである。上記モデルに基づけば、このタイプの損失情報は弱くなったスプリングにより考慮され、極限のケースではスプリングは無限に伸ばされるが、何れの携帯ユニットをも押しやることがない。理想的スプリングのモデルは、最小限の計算資源で信頼性のある位置データを得、これにより相当の時間内で限定領域101内の多数の携帯ユニットの位置を決定する能力を提供するのに、非常に有効である。例えば、数秒間以下の範囲内で、公共ビル及びショッピングモール等への来訪者を示す携帯ユニットについての位置データを得ることができる。
【0040】
他の実施形態では、携帯ユニットの位置を計算するのに、他の異なるモデルを用いることができる。例えば、通信信号が実質上等方的に出射されるものと仮定すれば、平均化手段120により供給される平均値は、送信パワーの強度を示すことができ、距離の2乗反比例するものと見なすことができる。この家庭に基づき、対応する距離を計算し、次いでこれをセンサーエレメントの既知の位置と組み合わせて用いて、各センサーエレメントについての位置データを得ることができる。
【0041】
図2は、図1a及び図1bを参照して説明されたものと同様に構成されたローカル測位システム200を含むロケーションベースのサービスシステム[location based service system]250を模式的に示すものである。かくして、ローカル測位システム200は、限定領域201内の既定の位置に配置された複数のセンサーエレメント210a・・・・210iを含むことができる。センサーエレメント210a・・・・210iは、平均化手段220と通信するように構成され、平均化手段220は制御ユニット230と機能上結合されている。制御ユニット230は、平均化手段220により供給される平均値とセンサーエレメント210a・・・・210iの既知の位置とに基づき、位置データを確立するよう構成されている。更に、ローカル測位システム200はインターフェース231を含む。インターフェース231は、ローカル測位システム200の外部情報源260とのデータ通信を可能となすように構成された制御ユニットと接続されている。外部情報源260は、インターフェース231を介して受信した位置データに基づきサービス情報を提供するように構成されている。図示された実施形態では、2つの携帯ユニット202a,202bが限定領域201内に現に存在しており、センサーエレメント210a・・・・210iのそれぞれのデジタル値(たとえば携帯ユニット202a,202bのそれぞれについてのイエス/ノー情報)を平均化手段220へと配信することができる。平均化手段220は、制御ユニット230へとそれぞれの平均値を供給するように既に内部にフィルターチャンネルを確立している。制御ユニット230により計算された位置データを情報源260へと提供することができ、情報源260は位置データに基づきサービス情報を提供することができる。たとえば、情報源260は限定領域201内の携帯ユニット202a,202bの現在位置を考慮して該携帯ユニットに関連のあるファッション情報を表示する表示手段を表すことができる。いくつかの実施形態では、情報源260は、限定領域201に接続されて、当該限定領域201の状況についての情報を受信するようにしてもよい。この情報を、位置データと組み合わせて双方の携帯ユニット202a,202bについてのそれぞれのサービス情報を生成するのに用いるようにしてもよい。たとえば、限定領域201は、情報源260が、例えば何らかの異常条件を考慮して、現在の状況を評価するための、制作領域を示すものとすることができる。操作者の注意を要求する何らかのローカルなイベントを検知すると、ローカル測位システム200により配信された位置データに基づき、着目するイベントに最も近い操作者に通知がなされるようにすることができる。
【0042】
他のシナリオでは、単に、来訪者すなわち携帯ユニットの数を、いずれかの時点でモニターすることができる。更に、携帯ユニットの保持者が限定領域201内で仕事を行う際の手助けとなるように、携帯ユニットが限定領域201内に入ったときに、当該携帯ユニットに何らかの情報メッセージを供給することができる。別の状況たとえばショッピングモール及びその他の共用スペースにおいては、情報源260は、携帯ユニット同士及び/または携帯ユニットと近くの資源との相互作用を可能ならしめるような情報を提供する。たとえば、情報源260から情報の提供を受けたユーザーが、ショッピングモールの従業員を容易に同定することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、情報源260により提供される情報は、高度にローカライズされた様式で携帯ユニット202a,202bへと通信され、情報に特別の関心がある携帯ユニット202a,202bによってのみ、この情報を使用するようにしてもよい。ここで、センサーエレメント210a・・・・210iの無線通信機能を、情報がセンサーエレメントのうちの1つたとえばそれぞれの携帯ユニットに最も近いセンサーエレメントへと通信されるようにし、このセンサーエレメントから携帯ユニットへと情報を無線形式で送信するようにしてもよい。
【0044】
以上のように、本発明によれば、ローカル測位システム及びロケーションベースのサービスシステムが提供され、そのいくつかの実施形態では、携帯機器側に何らの測位のためのソフトウェア部の配置も必要でなく、かくしてカスタムまたは市販の機器の使用が可能となる。ローカル測位システムの空間分解能は、所望の限定領域中に無線センサーエレメントを適宜配置することで、所要のレベルとすることができる。これにより、センサーエレメントには適度に低い計算資源しか必要なくなり、その無線通信機能は情報を平均化手段または制御ユニットへと搬送するだけでよく、低コストで大規模な配備が可能となる。好ましい実施形態では、制御ユニットで実行される測位アルゴリズムは、その簡易性及び耐久性から、1秒間あたり極めて多くの数の位置を計算することができ、かくして本発明の手法は空港及び地下街(モール)等の人が密集するビルへの適用が好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサーエレメント、1つ以上の平均化ユニット、及び制御ユニット、を含んでなり、
前記センサーエレメントのそれぞれは、限定領域内の或る位置に配置されており、前記限定領域内の無線携帯ユニットのための通信信号列を無線送信し、前記携帯ユニットから前記信号列の通信信号の少なくとも一部に応答して発せられる肯定応答信号を同定し、前記肯定応答信号の同定の結果に基づきデジタル値を供給するように構成されており、
前記平均化ユニットは、前記信号列のそれぞれについての複数の前記デジタル値を受信し、前記複数のセンサーエレメントのそれぞれについての前記複数のデジタル値に基づき平均値を発生させるように構成されており、
前記制御ユニットは、前記複数のセンサーエレメントのそれぞれ及び前記1つ以上の平均化ユニットに接続されており、前記1つ以上の平均化ユニットから前記平均値を受信するように構成され、更に、前記平均値及び前記複数のセンサーエレメントの前記或る位置に基づき前記携帯ユニットの位置を推定するように構成されている、
ことを特徴とするローカル測位システム。
【請求項2】
前記センサーエレメントは、更に前記各信号列の通信信号を互いに異なる複数のパワーレベルで送信するように構成されている、請求項1に記載のローカル測位システム。
【請求項3】
前記デジタル値は、前記デジタル値を発生させた特定のセンサーエレメントの同定を含むセンサー信号の形態で提供される、請求項1または2に記載のローカル測位システム。
【請求項4】
前記センサーエレメントの少なくともいくつかは、無線方式で前記制御ユニットへ前記センサー信号を送信するように構成されている、請求項3に記載のローカル測位システム。
【請求項5】
前記センサーエレメントの少なくともいくつかは、ケーブル接続で前記制御ユニットと接続されている、請求項1または2に記載のローカル測位システム。
【請求項6】
前記センサーエレメントは、前記デジタル値を2値として供給するように構成されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のローカル測位システム。
【請求項7】
前記1つ以上の平均化ユニットは、各センサーエレメントのための階層的[scaleable]平均化部を含み、該平均化部は、前記各センサーエレメント及び前記携帯ユニット宛に指定される前記平均値を供給するように構成されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のローカル測位システム。
【請求項8】
前記平均化部のそれぞれは、それに随伴する前記センサーエレメントに含まれている、請求項7に記載のローカル測位システム。
【請求項9】
前記1つ以上の平均化ユニットは、前記制御ユニットに含まれている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のローカル測位システム。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記位置を推定する推定部を含み、該推定部は、或るセンサーエレメントから前記携帯ユニットまでの距離と前記或るセンサーエレメントに随伴する前記平均値とのリニアな関係に基づくモデルを含んでいる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のローカル測位システム。
【請求項11】
前記制御ユニットは、更に、前記携帯ユニットの推定位置を保持しながら、前記限定領域内の更に少なくとももう1つの携帯ユニットの位置を推定するように構成されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のローカル測位システム。
【請求項12】
更に、インターフェースが含まれており、該インターフェースはそれに接続されるプラットフォームに前記推定位置を供給する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のローカル測位システム。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のローカル測位システム、及び
該ローカル測位システムに接続され、前記携帯ユニットの位置に関するデータを受信するプラットフォーム、
を含み、
前記プラットフォームは、前記データに基づき位置検索サービスを提供する1つ以上のアプリケーションルーチンを作動させるように構成されている、
ことを特徴とするサービスシステム。
【請求項14】
前記サービスシステムは、ロケーションに基づく室内環境用に設計されている、請求項13に記載のサービスシステム。
【請求項15】
前記データは、前記携帯ユニットが前記限定領域へ出入りすることを示すものである、請求項13または14に記載のサービスシステム。
【請求項16】
更に、前記1つ以上のアプリケーションにより生ぜしめられるサービス情報を示す1つ以上の指示ユニットが含まれている、請求項13乃至15のいずれか一項に記載のサービスシステム。
【請求項17】
前記1つ以上の指示ユニットは、ローカライズされた形態で前記サービス情報を提供するように構成されている、請求項16に記載のサービスシステム。
【請求項18】
前記1つ以上の指示ユニットは、前記携帯ユニットへの無線データ送信に適する通信ユニットを含む、請求項17に記載のサービスシステム。
【請求項19】
無線携帯ユニットの位置を推定する方法であって、該方法は、
限定領域内に配置された複数の或る送信位置のそれぞれから通信信号列を送信し、
各信号列内の少なくともいくつかの通信信号についてのデジタル値により、前記通信信号列のそれぞれに対する前記携帯ユニットの応答性[responsiveness]を評価し、
前記信号列のそれぞれに随伴するデジタル値を平均化して、前記通信信号列のそれぞれについての平均値を発生させ、
前記平均値及び前記或る送信位置に基づき前記無線携帯ユニットの位置データを決定する、
ことを特徴とする、無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項20】
各信号列の通信信号の少なくともいくつかは、互いに異なる送信パワーで送信される、請求項19に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項21】
前記デジタル値は、それぞれの通信信号が前記携帯ユニットにより受信されたか否かを示す2値である、請求項19または20に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項22】
各信号列についてのデジタル値の平均化は、前記信号列が送信される前記或る位置に関して遠隔にて実行される、請求項19乃至21のいずれか一項に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項23】
更に、前記各信号列についての前記デジタル値を遠隔の制御ユニットに送信する、請求項22に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項24】
前記デジタル値は、無線通信チャンネルを介して送信される、請求項23に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項25】
少なくとも1つの信号列のデジタル値がケーブル送信チャンネルを介して遠隔の制御ユニットに送信される、請求項22に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項26】
前記位置データの決定は、それぞれの送信位置から前記携帯ユニットまでの距離の尺度[measure]として、それぞれの送信位置に随伴する信号列の平均値を考慮し、前記平均値のそれぞれに基づき各送信位置についての前記距離を得、該距離に基づき前記携帯ユニットの位置を推定する、請求項19乃至25のいずれか一項に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項27】
前記位置データの決定は、前記携帯ユニットを前記送信位置のそれぞれと接続する理想的なスプリングのモデルに基づきなされる、請求項26に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項28】
更に、前記位置データをインターフェースに提供する、請求項19乃至27のいずれか一項に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項29】
更に、前記位置データをロケーションベースのサービスに提供する、請求項28に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項30】
更に、前記限定領域内の複数の携帯ユニットについて予め定められた時間内で位置データを決定する、請求項19乃至29のいずれか一項に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項31】
更に、前記限定領域内の前記携帯ユニットについての所望の空間分解能を決定し、この決定された空間分解能に基づき前記或る送信位置の数及び位置を選択し、前記複数の送信位置のそれぞれにおいて少なくとも1つの位置センサーにて測位する、請求項19乃至30のいずれか一項に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項32】
前記所望の空間分解能は大略10メートル未満である、請求項31に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項33】
前記通信信号は無線データ通信用に確立されたプロトコルとコンパチで[compatible]ある、請求項19乃至32のいずれか一項に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法。
【請求項34】
請求項19乃至33のいずれか一項に記載の無線携帯ユニットの位置推定方法を含み、更に、
前記位置データを受信し、
前記位置データに基づき情報を提供する、
ことを特徴とする、ロケーションベースのサービスの提供方法。
【請求項35】
前記位置データは、前記携帯ユニットが前記限定領域内に入ったことを示すものである、請求項34に記載のロケーションベースのサービスの提供方法。
【請求項36】
前記情報は、更に前記限定領域の状況に関連するものである、請求項34または35に記載のロケーションベースのサービスの提供方法。
【請求項37】
更に、前記位置データを前記携帯ユニットと複数のソースのうちの1つ以上との相互作用の確立[establishing]に使用し、ここで、前記複数のソースのうちの1つ以上は前記携帯ユニットの近くに位置するように選択される、請求項34に記載のロケーションベースのサービスの提供方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−546993(P2008−546993A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516333(P2008−516333)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063279
【国際公開番号】WO2006/134164
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(505347499)フォンダツィオーネ トリノ ワイヤレス (5)
【出願人】(507410928)イスティテュート スペリオレ マリオ ボエッラ スッレ テクノロジエ デッリンフォルマツィオネ エ デッレ テレコムニカツィオニ (1)
【Fターム(参考)】