説明

ローラユニットの位置決め機構、画像形成装置

【課題】画像形成装置等において、ローラユニットの位置合わせを容易に行う。
【解決手段】レジストローラ151及び152を回転自在に格納するユニットフレーム153を有するレジストローラユニット154を画像形成装置1の搬送フレーム155に位置決めする位置決め機構であって、嵌合端11dが、前記ローラフレームの、レジストローラ151及び152の駆動軸151aが固定された手前側板153cに、搬送フレーム155の手前側板155cに設けられた開口部を介して、挿入されるピン本体11cと、ピン本体11cの他端に設けられ、ピン本体11cを一定位置で固定するための保持部材11aとを備え、保持部材11aは、手前側板155cに設けられた調整用スリット12cに嵌合可能な凸部11eを有し、嵌合位置は、搬送フレーム155内のレジストローラユニット154の位置に対応して複数存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置等において利用されるローラユニットの位置決め機構それを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、その内部において画像形成の前後で用紙を搬送する用紙搬送装置が内蔵されている。図8は、そのような画像形成装置の模式的構成図である。
【0003】
図8に示すように、画像形成装置100は、画像をトナー像として生成し、手差しトレイ110又は給紙装置120から供給された用紙上に形成させる画像形成部130、及び用紙上のトナー像を定着して印刷物とする画像定着部140を備えている。
【0004】
又、画像形成部130等の下部には複数の給紙装置120が積層して備えられており、それぞれの給紙装置120から搬出された用紙は、共通の搬送路を通って画像形成部130へ搬入される。
【0005】
以上のような画像形成装置においては、給紙装置120、画像形成部130、及び画像定着部140の各部の間にも搬送ローラによる搬送経路が形成され、画像形成前から画像形成後まで用紙を搬送している。
【0006】
特に、画像形成部130の上流側に設けられた用紙搬送装置150(図8中破線で囲んだ部分)は、画像形成直前の用紙を搬送する手段であり、画像形成部130内の感光体ドラム131に対して用紙の位置決め精度を、他の部分にも増して確保する必要がある。
【0007】
ここで図9は、用紙搬送装置150の一例を模式的に示す図である(例えば、特許文献1を参照)。図9に示すように、用紙搬送装置150は、一対のレジストローラ151及び152と、レジストローラ151及び152を収納するユニットフレーム153とを有するレジストローラユニット154、並びにレジストローラユニット154を固定する搬送フレーム155を主要部として構成される。なお、説明の便宜上、図中白抜き矢印に示すように、図中左側を「奥」、右側を「手前」として、各側板を定義した。
【0008】
レジストローラユニット154において、ユニットフレーム153は、レジストローラ151及び152のローラ面と対向配置された底板153a、底板153aの両側端に設けられ、レジストローラ151及び152の軸を回転可能に固定する奥側板153b及び手前側板153cとを備える。手前側板153cの外側には、レジストローラ151の軸が延伸され、外部からの回転駆動力が伝達される駆動軸151aを形成している。なお、駆動軸151aの端部は、図示しない外部回転駆動源と連結可能な構成を有する。
【0009】
又、搬送フレーム155は、レジストローラユニット154が載置される底板155a、底板153aの両側端に設けられた奥側板155b及び手前側板155cとを備える。図示されるように、手前側板155cは、レジストローラ151の駆動軸151aが通過するように一部に切り欠が設けられている。
【0010】
レジストローラユニット154と搬送フレーム155とは、搬送フレーム155の奥側板155bの外側から当該奥側板155bを貫通してユニットフレーム153の奥側板153bに嵌合する嵌合ピン156、及び搬送フレーム155の手前側板155cの外側から当該手前側板155cを貫通してユニットフレーム153の手前側板153cに嵌合する嵌合ピン157によって位置決め固定される。
【0011】
なお、本来の用紙搬送装置の構成においては、レジストローラ151及び152間を所定のニップ圧に保つためのスプリング、紙詰まり(ジャム)が発生した場合に搬送路を開放するための搬送ガイド板等は当然備えられているが、これらは周知技術であり、本明細書においては直接関係ないため図示並びに説明を省略した。
【特許文献1】特開2002−311794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上のような構成の用紙搬送装置150においては、レジストローラユニット154と搬送フレーム155との位置決めは、レジストローラ151及び152のアライメントを図8に示す画像形成部130の感光体ドラム131に対して保証するために行われる。
【0013】
感光体ドラム131上のトナー像の回転方向と、図9中の矢印Aにより示す用紙の搬送方向とが交差する角度を持った状態であると、画像形成部130において用紙がねじれた状態で搬入されるため、感光体ドラム131上のトナー像が用紙上に正しく転写できないからである。
【0014】
したがって、レジストローラ151及び152のアライメントを保証するためには、用紙搬送装置150を構成する、ローラフレーム143等の個々の部品が精度良く作成され、かつ、当該個々の部品が精度良く組み立てられている必要があるが、個々の部品の精度、及び部品同士の組立の精度が双方とも高い場合は希であり、これら精度によらず、レジストローラ151及び152のアライメントを保証することが必要である。
【0015】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置等において、ローラユニットの位置合わせを容易に行うことができる、ローラユニットの位置決め機構及びそれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、第1の本発明は、用紙を搬送する搬送ローラ、及び前記搬送ローラを回転自在に格納するフレームを有するローラユニットを画像形成装置内の所定位置に位置決めする、ローラユニットの位置決め機構であって、
その一端が、前記フレームの前記搬送ローラのローラ軸が固定された側面に、前記画像形成装置本体の、前記フレームの前記側面に対向する側板に設けられた開口部を介して、挿入される挿入ピンと、
前記挿入ピンの他端に設けられ、前記挿入ピンを前記画像形成装置本体に対して一定位置で固定するための保持部材とを備え、
前記保持部材は、前記画像形成装置本体の前記側面に設けられた第1の嵌合部に嵌合可能な第2の嵌合部を有し、
前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とが嵌合する嵌合位置が、前記画像形成装置内における前記ローラユニットの位置に対応して複数存在する、
ローラユニットの位置決め機構である。
【0017】
又、第2の本発明は、前記開口部は、その高さは前記挿入ピンの直径に対応し、その幅が前記挿入ピンの直径より大きい、第1の本発明のローラユニットの位置決め機構である。
【0018】
又、第3の本発明は、前記第1の嵌合部は、それぞれが同一の形状を有する複数のパターンの一部同士が重なりあって形成されたスリットであり、
前記第1の嵌合部は、前記複数のパターンにおける一つの形状に対応した突起である、第1の本発明のローラユニットの位置決め機構である。
【0019】
又、第4の本発明は、前記複数のパターンは、複数の窪み又は複数の貫通孔により形成されている、第1の本発明のローラユニットの位置決め機構である。
【0020】
又、第5の本発明は、前記第1の嵌合部は、それぞれが同一の形状を有する複数の窪み又は貫通孔である、第1の本発明のローラユニットの位置決め機構である。
【0021】
又、第6の本発明は、給紙部と、
前記給紙部から給紙される用紙に対し画像形成を行う画像形成部と、
前記給紙部と前記画像形成部との間、前記用紙の搬送方向からみて前記画像形成部の下流、又は前記搬送方向からみて前記給紙部の上流のいずれかに配置されたローラユニットとを備えた画像形成装置であって、
前記ローラユニットは、
前記用紙を搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラを回転自在に格納するフレームと、
前記画像形成装置の本体と前記ローラユニットとを位置決め固定する、第1から第5のいずれかの本発明のローラユニットの位置決め機構を備えた、画像形成装置である。
【発明の効果】
【0022】
以上のような本発明によれば、画像形成装置等において、ローラユニットの位置合わせを容易に行うことができる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態によるローラユニットの位置決め機構を用いた用紙搬送装置の要部斜視図である。ただし、図1において、従来例と同一又は相当部には、図9と同一符号を付し、詳細な説明は省略する。又図9同様、説明の便宜上、図中白抜き矢印に示すように、図中左側を「奥」、右側を「手前」として、各側板を定義した。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の用紙搬送装置1は、レジストローラユニット154と搬送フレーム155との位置決めのために、従来の嵌合ピン157に代えて、レジストローラユニット154の位置を可変可能に位置決めするローラユニットの位置決め機構10を設けたことを特徴とする。なお、嵌合ピン156は従来例と同様の構成である。
【0026】
図2は、用紙搬送装置1におけるローラユニットの位置決め機構10近傍の構成を示す分解斜視図である。図2に示すように、ローラユニットの位置決め機構10は、搬送フレーム155に嵌合する嵌合端11dをその先端に有するピン本体11c、及びピン本体11cが固定された保持部材11aとを有する。
【0027】
ピン本体11c及び嵌合端11dは一体形成されたステンレス、スチール等の金属性の部材であり、図示しないレジストローラユニット154の手前側面153cは嵌合端11dの外形に対応した孔を有し、嵌合端11dが当該孔に嵌合することでレジストローラユニット154は固定される。ピン本体11cは嵌合端11dの径、すなわちレジストローラユニット154の手前側板153cの孔より大きな径を有することで、レジストローラユニット154が、ピン本体11cの延伸方向に沿って移動することを防ぐようにしている。
【0028】
保持部材11aは、ピン本体11cと同様の金属材料をプレス加工等して得られる板状部材であって、ピン本体11cの固定位置を上下に挟む位置に一対の湾曲スリット11bが両主面を貫通するように開口されるとともに、ピン本体11cが設けられているのと同一の面に、後述する突起が設けられている。
【0029】
一方、搬送フレーム155の手前側板155c、位置決め機構10が取り付けられる側においては、長孔12a、長孔12aを上下から挟むように設けられた一対のビス孔12b、及び後述する調整用スリット12cがそれぞれ設けられている。長孔12aはピン本体11cが通過する大きさを有するが、その図中高さ寸法hはピン本体11cの外径と実質上同一であり、又図中幅寸法wはピン本体11cの外径より大きい。
【0030】
次に、図3(a)(b)は、ローラユニットの位置決め機構10単体の斜視図であり、図2と同一又は相当部には、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。図3(b)に示すように、保持部材11aにおいては、ピン本体11cが設けられた面に、外形が円形であって、その先端が曲面の凸形状を有する凸部11eが打ち出しにより形成されている。なお、図3(a)等に示すように、保持部材11aの面上であって凸部11eに対応する部分においては、打ち出し形成痕11fが残っている。
【0031】
以上の構成において、用紙搬送装置1のレジストローラユニット154は本発明のローラユニットに相当する。又、搬送フレーム155は本発明の画像形成装置本体に相当する。又、ローラユニットの位置決め機構10は本発明のローラユニットの位置決め機構に相当し、ピン本体11c及び嵌合端11dは本発明の挿入ピンに相当する。又、保持部材11aは本発明の保持部材に相当する。又、凸部11eは本発明の第2の嵌合部に相当し、長孔12aは本発明の開口部に相当し、調整用スリット12cは本発明のスリットとしての第1の嵌合部に相当する。
【0032】
このような構成を有する本実施の形態のローラユニットの位置決め機構10の機能を、上記図2、3及び図4を参照して説明する。
【0033】
図1及び図2に示すように、ローラユニットの位置決め機構10の、レジストローラユニット154及び搬送フレーム155への取り付けは、ピン本体11cを、搬送フレーム155の手前側板155cの長孔12aを通過させるようにするが、このとき、調整用スリット12cに図3(b)に示す凸部11eが嵌合するような配置とする。
【0034】
図4は、搬送フレーム155の手前側板155cの各部と、ローラユニットの位置決め機構10の各部との位置の対応を示す図である。
【0035】
図4に示すように、調整用スリット12cは、凸部11eの外形に対応した貫通孔パターン41〜45が、互いに一部同士が重なり合うよう配列された形状を有する。更に、各貫通孔パターン41〜45の中心41a〜45aは、長孔12aからの距離がそれぞれ異なっており、かつ、中心41a〜45aは同一円周上に配置される関係にない。
【0036】
調整用スリット12cに対して、凸部11eを貫通孔パターン41〜45のいずれか一つに対応する位置で嵌合させた場合、ピン本体11cの長孔12aの幅方向における配置位置は、当該嵌合位置に応じて変化する。ローラユニットの位置決め機構10において、ピン本体11cと凸部11eとは保持部材11a上に一定の間隔で固定されており、かつ、ピン本体11cが通過する長孔12aのため、ピン本体11cは長孔12aの高さ方向の動作が規制されているためである。
【0037】
換言すれば、調整用スリット12cの貫通孔パターン41〜45の配置は、ピン本体11cの、長孔12aの幅方向における移動距離を考慮することにより決定されている。
【0038】
このような構成を備えたことにより、本実施の形態においては、凸部11eの嵌合位置を調整用スリット12cの貫通孔パターン41〜45のいずれかに定めることにより、ピン本体11cを、搬送フレーム155の手前側板155cの長孔12aの幅方向に沿って段階的に位置決めすることができる。
【0039】
図4に示す例においては、長孔12aの重心にピン本体11cが配置された時の状態(ピン本体11cの輪郭は図中破線(イ)により示される)に対応して貫通孔パターン43を設定し、長孔12aの最も左寄りにピン本体11cが接する場合の状態(ピン本体11cの輪郭は図中一点鎖線(ロ)により示される)に対応して貫通孔パターン45を設定し、長孔12aの最も右寄りにピン本体11cが接する場合の状態(ピン本体11cの輪郭は図中点線(ハ)により示される)に対応して貫通孔パターン41を設定した。又、左右両端と重心との間の中間位置に、貫通孔パターン42及び44を設定した。
【0040】
したがって、貫通孔パターン43に対応する位置を基準として左右それぞれ2段階にピン本体11cを移動させることができる。ピン本体11cの移動幅は任意に設定してよいが、例えば0.25mm刻みとすることができる。
【0041】
なお、板状部材11の一対の湾曲スリット11bも、凸部11eと調整用スリット12cの貫通パターン41〜45との嵌合位置に応じて移動するが、湾曲スリット11bも、調整用スリット12の形状に対応して湾曲しているため、図中ピン本体11cの輪郭に対応する図中破線(イ)、一点鎖線(ロ)及び点線(ハ)にて示される移動位置のいずれにおいてもビス孔12bが常に含まれる。これにより、確定した位置決め箇所で、ビス孔12bをビス留めすることで、ローラユニットの位置決め機構10、手前側板155c及び手前側板153cを固定することができる。
【0042】
一方、図1や図5(a)に示すように、ローラユニットの位置決め機構10が設けられているのは搬送フレーム155の手前側板155cであり、図1に示すように、奥側板155bは従来例同様嵌合ピン156によって一定個所に固定されている。図5(b)を参照して更に詳細に説明すると、嵌合ピン156は、搬送フレーム155の奥側板155bを貫通し、レジストローラユニット154の奥側板153bの図示しない嵌合孔に嵌合端156cが嵌合するが、嵌合ピン156の根元の保持部材156aは固定位置のビス孔156bによって、奥側板155bに対して一意な場所でビス留め固定されるようになっている。
【0043】
したがって、ローラユニットの位置決め機構10によって、レジストローラユニット154は、底板155a上を嵌合ピン156の嵌合端156cの嵌合部分を中心に回動し、図1中の矢印Aに示す用紙の搬送方向に対して斜交する向きにアライメントが調整される。例えば、貫通孔パターン43から45に凸部11eを調整した場合、レジストローラユニット154は、手前側板153cの側が、用紙の搬送方向下流の図示しない感光体ドラム131に対して右方向に0.5mmチルトした位置に対応することとなる。
【0044】
以上のように、本実施の形態のローラユニットの位置決め機構10によれば、レジストローラユニット154の位置決めを、凸部11eと調整用スリット12cとの嵌合位置に応じて決定することができ、画像形成装置を動作させ、形成した画像を確認後でも、容易且つ正確にレジストローラ151及び152のアライメントを保証することができる。又、予め画像形成を用紙に行っておき、用紙上における画像のチルトの大きさを定めて、当該チルトの大きさと調整用スリット12cの貫通孔パターン41〜45の位置との関係をテーブルとして記録しておけば、用紙搬送装置1のアライメント調整をより容易に行うことができる。
【0045】
なお、上記の説明においては、調整用スリット12cを、搬送フレーム155の手前側板155cに設け、凸部11eを保持部材11aに設けるものとして説明を行ったが、図6に示すように、凸部11eに相当する凸部12dを手前側板155cに設け、調整用スリット12cに相当する調整用スリット11gを保持部材11aに設けた構成としてもよい。要するに、本発明の第1の嵌合部及び第2の嵌合部は、互いに嵌合可能な構成となっていればよく、その嵌合の具体的な向きによって限定されるものではない。特に図6に示す構成とした場合、位置決め時に、位置決めしようとする目標箇所を目視により直感的に把握できる効果がある。
【0046】
又、上記の説明においては、本発明の第1の嵌合部としての調整用スリット12cは、同一形状の貫通孔パターン41〜45が互いに重なり合って配列してなる構成であるとして説明を行ったが、図7に示すように、調整用スリット12cに代えて、互いに離隔した同一形状の貫通孔71〜75からなる調整孔列12eとして構成してもよい。要するに、本発明の第1の嵌合部及び第2の嵌合部は、互いに嵌合可能な構成となっていればよく、その嵌合のための形状、寸法、配置によって限定されるものではない。貫通孔パターン又は貫通孔の個数は任意でよい。又、形状も円形の他、矩形、長円等の形状であってよい。
【0047】
又、上記の説明においては、本発明の第1の嵌合部としての調整用スリット12c又は調整孔列12eは、手前側板155cの両面を貫通する貫通孔であるとして説明を行ったが、手前側板155cの、凸部11eと対向する面のみをえぐって形成した窪みであってもよい。
【0048】
又、上記の説明においては、用紙搬送装置1はレジストローラ151及び152を有するレジストローラユニット154を備え、図8に示す画像形成部130の上流に設けられるものとしたが、本発明のローラユニットの位置決め機構は、画像形成装置内の他の搬送路、及び各部とのアライメントが必要な用紙搬送装置であれば、画像形成装置100内の任意の用紙搬送装置において用いることができる。したがって本発明の搬送ローラはレジストローラに限定されず、任意の用途のローラに適用することができ、当然、レジストローラユニット以外の各種のローラユニットに対して実施することができる。
【0049】
又、図8に示す画像形成装置において、本発明のローラユニットの位置決め機構を備えた用紙搬送装置1を内蔵した構成も、本発明に含まれる。このとき給紙装置120及び画像形成部130は本発明の給紙部及び画像形成部にそれぞれ相当する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、ローラユニットの位置合わせを容易に行うことができる効果を有し、ローラユニットの位置決め機構及びそれを用いた画像形成装置等において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態のローラユニットの位置決め機構10を備えた用紙搬送装置1の模式的斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態のローラユニットの位置決め機構10の要部を示す拡大図である。
【図3】(a)本発明の実施の形態のローラユニットの位置決め機構10の構成を示す斜視図である。(b)本発明の実施の形態のローラユニットの位置決め機構10の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態のローラユニットの位置決め機構10の作用効果を説明するための図である。
【図5】(a)本発明の実施の形態の画像形成装置1における、ローラユニットの位置決め機構10によるレジストローラユニット154の固定状態を示す図である。(b)本発明の実施の形態の画像形成装置1における、嵌合ピン156によるレジストローラユニット154の固定状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態のローラユニットの位置決め機構10の他の構成例を示す拡大図である。
【図7】本発明の実施の形態のローラユニットの位置決め機構10の他の構成例を示す拡大図である。
【図8】画像形成装置100の構成を模式的に示す図である。
【図9】従来の技術による用紙搬送装置を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1 用紙搬送装置
10 ローラユニットの位置決め機構
11a 保持部材
11b 湾曲スリット
11c ピン本体
11d 嵌合端
11e 突起
11f 打ち出し形成痕
11g 調整用スリット
12a 長孔
12b ビス孔
12c 調整用スリット
12d 突起
12e 調整孔列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する搬送ローラ、及び前記搬送ローラを回転自在に格納するフレームを有するローラユニットを画像形成装置内の所定位置に位置決めする、ローラユニットの位置決め機構であって、
その一端が、前記フレームの前記搬送ローラのローラ軸が固定された側面に、前記画像形成装置本体の、前記フレームの前記側面に対向する側板に設けられた開口部を介して、挿入される挿入ピンと、
前記挿入ピンの他端に設けられ、前記挿入ピンを前記画像形成装置本体に対して一定位置で固定するための保持部材とを備え、
前記保持部材は、前記画像形成装置本体の前記側面に設けられた第1の嵌合部に嵌合可能な第2の嵌合部を有し、
前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とが嵌合する嵌合位置が、前記画像形成装置内における前記ローラユニットの位置に対応して複数存在する、
ローラユニットの位置決め機構。
【請求項2】
前記開口部は、その高さは前記挿入ピンの直径に対応し、その幅が前記挿入ピンの直径より大きい、請求項1に記載のローラユニットの位置決め機構。
【請求項3】
前記第1の嵌合部は、それぞれが同一の形状を有する複数のパターンの一部同士が重なりあって形成されたスリットであり、
前記第1の嵌合部は、前記複数のパターンにおける一つの形状に対応した突起である、請求項1に記載のローラユニットの位置決め機構。
【請求項4】
前記複数のパターンは、複数の窪み又は複数の貫通孔により形成されている、請求項1に記載のローラユニットの位置決め機構。
【請求項5】
前記第1の嵌合部は、それぞれが同一の形状を有する複数の窪み又は貫通孔である、請求項1に記載のローラユニットの位置決め機構。
【請求項6】
給紙部と、
前記給紙部から給紙される用紙に対し画像形成を行う画像形成部と、
前記給紙部と前記画像形成部との間、前記用紙の搬送方向からみて前記画像形成部の下流、又は前記搬送方向からみて前記給紙部の上流のいずれかに配置されたローラユニットとを備えた画像形成装置であって、
前記ローラユニットは、
前記用紙を搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラを回転自在に格納するフレームと、
前記画像形成装置の本体と前記ローラユニットとを位置決め固定する、請求項1から5のいずれかに記載のローラユニットの位置決め機構を備えた、画像形成装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−66735(P2010−66735A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235719(P2008−235719)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】