説明

ローラ加熱装置

【課題】低温期のローラ圧延による麺帯品質劣化防止のためローラを加熱する。
【解決手段】ローラを電磁誘導加熱し短時間でローラ表面温を20から30℃に昇温する。そして、ローラ表面温度を設定温度に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製麺に使用する金属ローラを加熱する事に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、冬季等の低温時に製麺ローラ温度を加熱する為には、ローラ軸端から温水を入れローラに循環させている。 他の方法としては赤外線照射、あるいは製麺室全体を事前に暖房する等の方法が取られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ローラに熱媒を循環させる方法は圧延ローラの構造が複雑になると共に別途にボイラ等の水加熱装置及び循環装置が必要となる。 既設圧延ローラをこの方法で改造する事は難しい。
【0004】
ローラに赤外線を照射してローラを加熱する方法は簡便であり後付けも容易な事から広く用いられている。 しかし、赤外線照射でローラに与える事ができる熱量は小さく低効率である。 目標温度までローラを加熱するのに時間が掛かかる。 また,最近はローラがステンレス化しているため赤外線が反射されてしまう。
【0005】
製麺室全体を暖房する方法は効果的ではあるがエネルギの無駄使いが大きい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
金属製圧延ローラを電磁誘導加熱する。
【発明の効果】
【0007】
短時間でローラ温度を目標温度まで加熱する事ができるようになった。
【0008】
これにより、冬季等の低温期間始業時における麺帯品質を向上させることができた。
【0009】
冬季等の低温期間時においてもローラ圧延により麺帯温度を低下させることなく麺帯圧延できた。
【0010】
電磁誘導加熱によるローラ発熱量は自体温度を上げるより十分に大きくとることができる。 麺帯温度よりローラ温度を高めに設定することにより麺帯温度を上げる事ができた。 このことは麺帯熟成において良好に作用すると思われた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
既設圧延ローラに容易に後付けできる衛生的簡易構造であり、麺帯圧延適温帯である20から35℃の任意温度へローラを短時間に調整する事ができる。 且つ、エネルギ効率が高い。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は本発明実施例立体図である。 図2は本発明実施制御図である。
【0013】
インバータIV1により、電磁誘導加熱用高周波電流を発生する。この高周波電流は電磁誘導コイルCO1に給電される。この電磁誘導によりローラは加熱される。
【0014】
歯車GE1はローラ駆動軸に取り付けられており、ローラと共に矢印AR1方向へ回転運動する。 近接センサPX1と歯車GE1によりローラの回転状況はパルス信号となって制御器PC1に入力される。 制御器PC1はローラ回転運動によるパルス信号が入力されない場合はIV01に対して出力指令を出さない。 この制御により、ローラ円周面が均等に加熱されるようにしている。
【0015】
放射温度センサRT1は電磁誘導コイル直近のローラ回転方向側ローラ表面温度を検知するように設置されている。 このセンサにより、ローラ表面温度を検知し電磁誘導加熱のフィードバック制御を行っている。 この制御により、ローラ表面温度が正確に制御される。 また,このセンサはローラの過熱防止も行う。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のローラ加熱装置立体図
【図2】本発明のローラ加熱装置制御図
【符号の説明】
【0017】
AR1 ローラ回転方向矢印
CO1 電磁誘導コイル
GE1 歯車
PX1 回転検知近接センサ
RT1 ローラ表面温検知センサ
SU1 コイル給電点
SU2 コイル給電点
IV1 高周波インバータ
PC1 制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製麺において、電磁誘導加熱により圧延ローラを加熱する。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−202522(P2007−202522A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27833(P2006−27833)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(593109872)
【Fターム(参考)】