説明

ローラ形式の直動案内ユニット

【課題】この直動案内ユニットは,エンドキャップの方向転換路の端部から階段状に突出した凸部とケーシングのリターン路を形成するパイプ体の端面とを相補的に嵌合させ,ローラ端面をガイドする壁面の連結部を両側で異ならせ,ローラが方向転換路とリターン路との連結部でスムーズに転走させる。
【解決手段】リターン路10をケーシング3に形成された嵌挿孔9に挿通された長手状のパイプ体30の矩形状の通し孔22で形成し,パイプ体30の両端面を方向転換路20から連通してエンドキャップ4の端面35から突出して嵌挿孔9に嵌挿された突出部50の端面に連結し,突出部50の端面とパイプ体30の端面との連結部36〜40におけるローラ5のローラ端面5Eをそれぞれ案内する壁面77を互いに相補的に合致する凹凸嵌合で形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,例えば,長尺な軌道レール及び該軌道レールに跨架して転動体であるローラを介して相対移動するスライダから構成された小型のローラ形式の直動案内ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年,直動案内ユニットは,工作機械,各種の組立装置,搬送機械,半導体製造装置,測定装置などの各種の装置の摺動部に組み込まれて使用され,適用する技術分野が拡大しているのが現状である。また,ローラ形式の直動案内ユニットとしては,各種の技術分野で多く使用されているが,高剛性で高精度でなるものが求められると共に,小形化したもの,高速,高加減速摺動の便用条件にも適合するものが要望されており,特に,半導体製造装置や測定装置において上記の性能が求められている。
【0003】
従来,本出願人が開発した四条列無限直動案内ユニットが知られている。該四条列無限直動案内ユニットは,リターン孔が形成されたスリーブの両端と側板に形成された方向転換路の開口端周縁とは,端面形状の凹凸部の嵌合で結合されている。詳細には,スリーブの端面は,半月形状の凸部と欠円状の凹部とで形成され,側板の開口部には,スリーブの凹部に合致する凸部が形成され,開口部の残り一辺はスリーブの凸部に合致する側板の端面の部分になっている。上記の結合構造により,ケーシングとスリーブと側板との相対的位置が正確に決定され,リターン孔と方向転換路とが正確に位置合わせできるものになっている(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
また,リニアガイド装置として,戻り路を形成するスリーブの位相決めや組立を容易に行うことができ,作動性や騒音特性の悪化を抑制せんとするものが知られている。該リニアガイド装置は,戻り路を形成したスリーブの両端の開口部に傾斜開口面を形成し,その傾斜開口面に突き合わすようにエンドキャップの外側突起と内側突起とが組合された連通部の端部に突合斜面が形成されている。転動体はボールになっているので,スリーブの戻り路の断面形状は円形状に形成されている(例えば,特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平4−194413号公報
【特許文献2】特開2007−92902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,上記特許文献1の四条列無限直動案内ユニットでは,近年の小形な直動案内ユニットの要望,高速化,多種用途などから,更に小径なローラであっても,ローラが循環路を滑らかに循環できるものが求められている。上記従来例では,スリーブの凹部と側板の凸部との結合位置がリターン孔の矩形の3辺で一致している。従って,直動案内ユニットにおいて,小径なローラでは,上記結合位置でローラが引っ掛からないようにローラの循環を滑らかにするために,上記結合位置における段差量を小さくする,即ち,組立精度を上げなければならない状況になっている。
【0006】
また,上記特許文献2に開示されている従来のリニアガイド装置では,スリーブの外形も円形状になるために結合斜面がぴったりと合致しなければならず,軸方向に隙間(ガタ)がある場合などは,スリーブがガタ分回転してしまう。スリーブが多少回転しても転動体がボールの場合は問題にならないが,ローラの場合では,ローラの通路が矩形形状のために,スリーブが回転してしまうと,互いの矩形形状が合致しなくなってしまい,ローラの循環に支障が生じてしまうことになる。
【0007】
従来の直動案内ユニットでは,図示していないが,方向転換路のリターン路側になるエンドキャップの開口部とスリーブとの連結部は, 従来,方向転換路から連通してエンドキャップの背面から延びる突出部が分割されることなく,その端面が平ら面となってケーシングの嵌挿孔に僅かに嵌入してスリーブに連結していた。その連結でローラの端面側の連結状態は, エンドキャップの背面の端面から距離で延びる壁面の幅全面で連結するものであった。そうすると, その連結部を通過するローラは, スリーブと突出部との連結部で段差があると, そのまま倒れるように傾斜して壁面間に引っ掛かり易くなってしまう。そこで,直動案内ユニットについて,転動体がボールに比較してローラの場合には,転動面を案内するだけでなく,ローラの端面を摺接案内し,ローラの姿勢を傾き無く整然と案内することが必要であり,小径なローラにあっては,リターン路と方向転換路との連結境界における僅かな段差でも,ローラの転走に支障が生じることから,更に,ローラを循環路において安定して滑らかに案内する課題があった。
【0008】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,転動体としてローラを用いた場合に,ローラが方向転換路とリターン路との接続部即ち連結部でスムーズに転走できるように,エンドキャップに形成されている方向転換路から階段状の突出部を突出させ,階段状の突出部に相補的に対応してリターン路を形成するパイプ体の端面を形成し,しかもローラの両端面をガイドする突出部を移動方向に沿って二分割して両側でそれぞれ異なる位置でリターン路を形成するパイプ体に連結するように構成し,ローラ端面をガイドする壁面の連結部を分割した両側且つ対向する両側で異ならせ,ローラを連結部でスムーズに転走させることができるローラ形式の直動案内ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は,長手方向に沿って第1軌道面が形成された軌道レール及び前記軌道レールに転動体であるローラを介して摺動自在なスライダから成り,前記スライダは,前記軌道レールの前記第1軌道面に対向して第2軌道面が形成され且つ前記第1軌道面と前記第2軌道面との間に形成される軌道路に平行なリターン路が形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記軌道路と前記リターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ,及び前記軌道路と前記リターン路と一対の前記方向転換路とで構成される循環路を転走する複数の前記ローラを有することから成る直動案内ユニットにおいて,
前記リターン路は前記ケーシングに形成された嵌挿孔に挿通された長手状のパイプ体の矩形状の通し孔で形成され,前記パイプ体の両端面は前記方向転換路から連通して前記エンドキャップの端面から突出して前記嵌挿孔に嵌挿された突出部の端面に連結し,前記突出部の前記端面と前記パイプ体の前記端面との連結部における前記ローラの端面をそれぞれ案内する壁面は互いに相補的に合致する凹凸嵌合でそれぞれ形成されていることを特徴とする直動案内ユニットに関する。
【0010】
また,この直動案内ユニットにおいて,前記凹凸嵌合は,前記エンドキャップの前記端面からの連結位置を互いに異にする第1連結部と第2連結部とでなり,前記壁面の幅を前記ローラの移動方向に平行に延びる前記第1連結部と前記第2連結部との連結面で二分割されて凹凸になり,対向する両側の前記壁面で前記凹凸が互い違いに形成されている。更に,前記壁面の前記幅の前記二分割は,等分に分割されている。
【0011】
更に,この直動案内ユニットは,一対の対向する前記壁面間では,一方の前記第1連結部に他方の前記第2連結部が対向し,一方の前記第2連結部に他方の前記第1連結部が対向して形成されている。
【0012】
また,前記パイプ体は,縦割り状の一つの分割体を2つ合わせて構成され,前記分割体の対向する端面間では,一方の前記第1連結部を構成する第1端面が他方の前記第2連結部を構成する第2端面に対向し,一方の前記第2連結部を構成する第2端面が他方の前記第1連結部を構成する第1端面に対向して形成されている。更に,前記連結部は,前記ローラの前記端面をガイドする前記第1連結部と前記第2連結部との他に,前記ローラの転動面をガイドする前記エンドキャップの前記端面からの連結位置をそれぞれ異にする第3連結部,第4連結部及び第5連結部から構成されている。
【0013】
また,この直動案内ユニットでは,前記パイプ体の前記端面は,前記第1端面,前記第2端面,前記第3連結部を構成する第3端面,前記第4連結部を構成する第4端面,及び前記第5連結部を構成する第5端面がそれぞれ一対ずつ形成されている。
【0014】
また,前記エンドキャップに設けられた前記突出部は,前記ローラの前記端面をガイドするための前記第1連結部を構成する突出量の小さい第1凸部と前記第2連結部を構成する突出量の大きい第2凸部,及び前記ローラの転動面をガイドするための前記第3連結部を構成する突出量の大きい第3凸部と前記第4連結部を構成する突出量の小さい第4凸部から構成されている。
【0015】
この直動案内ユニットにおいて,前記エンドキャップは,外側の前記方向転換路の外側壁面と内側の前記方向転換路の外側壁面の一部を形成するエンドキャップ本体,前記エンドキャップ本体の凹部に嵌入配置されて外側の前記方向転換路の内側壁面と内側の前記方向転換路の外側壁面の残部を形成する第1スペーサ,及び前記エンドキャップ本体と前記第1スペーサとの段部に嵌入配置されて内側の前記方向転換路の内側壁面を形成する第2スペーサから構成されている。また,この直動案内ユニットは,前記エンドキャップ本体の突出部には前記方向転換路の前記外側壁面と前記ローラの前記両端面をガイドする前記壁面が形成されている。更に,この直動案内ユニットにおいて,前記エンドキャップにおける前記エンドキャップ本体の前記外側の前記方向転換路の前記外側壁面には,前記転動体を潤滑するため,前記エンドキャップ本体の凹部に配設された潤滑剤含浸部材を露出させる潤滑剤供給口が形成されている。
【発明の効果】
【0016】
この発明による直動案内ユニットは,上記のように構成したので,小径なローラであっても,該ローラが方向転換路とリターン路との連結部で,ローラが接続壁面で引っかからずにスムーズに転走することができ,高速,高加減速摺動の便用条件でも高剛性で高精度の性能を発揮でき,特に,半導体製造装置や測定装置における摺動部に組み込まれても良好な性能を発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下,図面を参照して,この発明によるローラ形式の直動案内ユニットの実施例を説明する。この発明による直動案内ユニットは,転動体がローラ5から成る小形でなるローラ形式に構成されており,スライダ2が軌道レール1上をより高速に,より高加減速に相対往復動する状況にあっても,ローラ5の循環路60における循環を滑らかに案内することができるものである。この直動案内ユニットは,特に,方向転換路20とリターン路10との連結部,具体的には,方向転換路20が形成されたエンドキャップ4とケーシング3の嵌挿孔9に嵌入されたリターン路10が形成されたパイプ体30との連結構造に特徴を有するものであり,方向転換路20から連通して延びてエンドキャップ4の端面である背面35から突出して形成された突出部50とパイプ体30との連結部は,第1連結部36〜第5連結部40で構成され,特に,ローラ5の端面5Eを案内する壁面が互いに相補的に合致する凹凸嵌合でなり,第1連結部36及び第2連結部37の連結構造になっていることを特徴としている。各連結部36〜40の連結位置は,互いに一致することがなく形成され,ローラ5が連結部36〜40で引っ掛かり難い構造に形成されている。
【0018】
この直動案内ユニットにおいて,エンドキャップ4の突出部50とパイプ体30の端部との連結構造は, エンドキャップ4に形成された凸部とパイプ体30に形成された凸部とが互いに凹凸嵌合に連結されているので,パイプ体30の外形が円形に形成されていても回転することがなくエンドキャップ4とパイプ体30との位置合わせが合致するものになっている。また,この直動案内ユニットは,小径なローラ5の循環路60の循環にあっては,従来の各部品の連結構成では,ローラに対する連結部の食い違い即ち段差が大きなものになってしまい,段差を小さくしようとすれば,各部品の精度をさらに高精度に仕上げなければならなくなり,高価なものになってしまうが,現状の加工精度であっても,この発明の直動案内ユニットにおける連結構造によってそのような食い違い等の問題が解決される。
【0019】
図1及び図3に示すように,この直動案内ユニットは,両側面29の長手方向に沿ってそれぞれ一対の軌道面11(第1軌道面)が形成された長尺状の軌道レール1,及び軌道レール1に跨架して転動体であるローラ5を介して摺動自在なスライダ2から成る。軌道レール1には,ベース,ベッド等の他の部材に取り付けるため,ボルトを挿通する長手方向に隔置して取付け用孔17が形成されている。スライダ2は,軌道面11に対向して形成された軌道面12(第2軌道面)及び軌道面11,12間の軌道路25に平行なリターン路10が形成されたケーシング3,ケーシング3の両端面27に固着されて軌道路25とリターン路10とを連通する方向転換路20が形成されたエンドキャップ4,エンドキャップ4の外端面28に配置されて軌道レール1とスライダ2との隙間をシールするリップ部16を備えたエンドシール15,軌道路25とリターン路10と両側にそれぞれ位置する方向転換路20とから成る循環路60を転走する複数のローラ5,軌道路25にてケーシング3の長手方向に対向して延び且つローラ5を保持する保持板13,及び保持板13をケーシング3に固定する保持バンド14から構成されている。ケーシング3には,スライダ2に他の機器等の部材を固定ため取付け用ねじ孔18が形成されている。この直動案内ユニットは,エンドシール15の端面にはグリースニップル23が取り付けられており,グリースニップル23はエンドキャップ4の給油孔62に連通している。
【0020】
図2に示すように,スライダ2の両袖部56には,それぞれ一対の循環路60が形成され,一対の循環路60のうち一方の循環路60を転走するローラ5は,スライダ2の下方向負荷を受ける下側の軌道路25からケーシング3の上側のリターン路10に循環し,他方のの循環路60を転走するローラ5は,スライダ2の上方向負荷を受ける上側の軌道路25からケーシング3の下側のリターン路10に循環する。方向転換路20は,エンドキャップ4の両袖部58にたすき掛けに交差状態(図8参照)にそれぞれ形成されている。軌道路25を転走するローラ5は,保持板13によって保持され,スライダ2を軌道レール1から外した場合に,スライダ2からローラ5が脱落することが無いものになっており,保持板13は,保持バンド14によりケーシング3の軌道面12間に保待され,保持バンド13の両端がエンドキャップ4の保持バンド溝59に嵌入して係止することによって,スライダ2に固着されている。
【0021】
図2又は図6に示すように,リターン路10を構成するパイプ体30は, 転動体のローラ5が滑らかに転走可能になるように, ローラ5よりも若干に大きな通し孔22で断面が矩形孔状に形成され, 矩形孔の断面における一辺は, ローラ5の長さ方向でなり,ローラ5の長さよりも若干に大きい一辺の長さLでなり, もう一辺は, ローラ5の直径方向でなり,ローラ5の直径よりも若干に大きい一辺の長さBでなっている。ローラ5が転走する通し孔は,エンドキャップ4の突出部50においても同様である。リターン路10の一辺の長さLでなる一対の壁面は, ローラ5の円形の転動面5Rを案内し, 上記一辺の長さBでなる一対の壁面77は, ローラ5の端面5Eを案内するように構成されている。リターン路10は, 軌道路25と平行に直線路に形成されている。
【0022】
図3に示すように,エンドキャップ4に形成されたたすき掛けに交差状態の方向転換路20は,長円状でなる外側方向転換路20Lと短円状でなる内側方向転換路20Sにより構成され(図5参照),循環路60は,軌道路25,リターン路10及び一対の方向転換路20である長円状の外側方向転換路20Lと短円状の内側方向転換路20Sで構成されている。エンドキャップ4の端面28の凹部21には,潤滑剤含浸部材6が配設され,方向転換路20のローラ5に潤滑剤が供給され,小形な直動案内ユニットであっても,多量の潤滑剤を保留できる構造に構成されており,潤滑剤のメンテナンスフリーを達成している。図2及び図3に示すように,リターン路10は,ケーシング3の嵌挿孔9に挿通された長手状でなるパイプ体30の矩形状の通し孔22で形成されている。パイプ体30の端面は,方向転換路20から連通して延びてエンドキャップ4の端面である背面35から突出して形成され,嵌挿孔9に嵌挿されたエンドキャップ4の突出部50に連結している。
【0023】
図3及び図4に示すように,方向転換路20は, 一部に直線路64を含んで曲線路65に形成され, 軌道路25とリターン路10とを連通する通路に形成されている。スライダ2に形成された循環路60は, 具体的には,ケーシング3に形成された軌道面12と軌道レール1の軌道面11間に形成される軌道路25, ケーシング3に軌道面11に平行に延びるパイプ体30の通し孔22で形成されたリターン路10,及びエンドキャップ4に形成された一対の方向転換路20によって形成され, 各構成部品即ちケーシング3にエンドキャップ4を連結することによって構成される。従って, ローラ5が循環路60を滑らかに循環するためには, 各構成部品,特に,方向転換路20とリターン路10との連結部でローラ5が引っ掛かることが無いようにしなければならない。ローラ5が引っ掛からない構成とは, 循環路60の断面矩形状の通路が連結部において食い違いが無いように段差が生じないようにすることがベストである。しかしながら, ケーシング3,エンドキャップ4,潤滑剤含浸部材6,エンドシール15等の構成部品を組み立てた状態では, 加工誤差, 組立誤差などから段差を零にすることができない。現物合わせで修正すれば,連結領域での段差も零にすることが可能になるがコストが高いものになってしまう。また, 連結領域での段差量が同じでもローラ5が小径のものになると, ローラ5の大きさに対する段差量の割合が大きくなるので, 引っ掛かり易くなってしまう。
【0024】
この直動案内ユニットは, 小径なローラ5にあって, 連結部36〜40において多少の段差があってもローラ5が容易に乗り越えられれば,ベターとしたものである。ローラ5の転動面5R側の段差は, 乗り越え易いものであるが, ローラ5の端面5E側の段差はローラ5に傾きが生じやすく乗り越え難いものであり, この発明による直動案内ユニットは, ローラ5の端面5E側の段差を乗り越え易くなるように移動方向に沿って第1連結部36と第2連結部37とに分割して二等分に形成すると共に,分割した連結部36,37の連結面41,42を移動方向に異なった位置で連結するように凹凸に構成し,対向する両側の壁面77で凹凸が互い違いに形成されたものになっている。
【0025】
図4〜図7には,エンドキャップ4とパイプ体30との連結構造が示されている。エンドキャップ4は,断面矩形状でなる方向転換路20の外周面及び側壁面が形成されたエンドキャップ本体8と方向転換路20の内周面が形成されエンドキャップ本体8の凹部74に嵌入されたスペーサ7とからなっている。方向転換路20のリターン路10側になるエンドキャップ4の開口部63には, 方向転換路20から連通して延びてエンドキャップ本体8の端面35から突出した突出部50が形成され,突出部50は嵌挿孔9に嵌挿して配設される。突出部50は,方向転換路20の外周面,及び一対の側壁面から延びた矩形状の開口部63の三辺によって形成されている。
【0026】
図4及び図5に示すように,エンドキャップ4とパイプ体30との連結構造は,エンドキャップ4から見て突出量の小さい第1凸部46で構成される第1連結部36,突出量の大きい第2凸部47で構成される第2連結部37,突出量の大きい第3凸部48で構成される第3連結部38,突出量の小さい第4凸部49で構成される第4連結部39,及び突出量が無いスペーサ7で構成される第5連結部40になっており,特に,ローラ5の端面5Eに対応するガイド面を二分割した第1連結部36及び第2連結部37とパイプ体30との結合位置即ち連結位置がエンドキャップ4の背面の端面35からそれぞれ異なっている。即ち,ローラ5の端面5Eを案内する壁面77における第1連結部36と第2連結部37とは,突出量の異なっていることによってパイプ体30の端面と互いに相補的に合致する凹凸嵌合態様に形成されて構成されている。第1連結部36と第2連結部37とは,ガイド面の壁面Bの幅を等分(B/2)しており,対向面では互い違いに位置しており,エンドキャップ4の端面35からの連結位置を互いに異にした長さL1 , L2に形成されており,第2連結部37の側面即ちローラ5の移動方向に平行に延びる連結面73は,パイプ体39の第1端面51を構成する突出量が大きい側面即ちローラ5の移動方向に平行に延びる連結面75に整合して嵌合し合っている。
【0027】
この直動案内ユニットは,図4に示すように,突出部50の連結部36,37の壁面の幅Bを等分するようにして階段状に形成したものになっている。即ち, その部分の突出部50は, エンドキャップ4の背面の端面35から距離L2で延びる壁面幅B/2の第2凸部47とエンドキャップ4の背面の端面35から距離L1で延びる壁面幅B/2の第1凸部46とに形成されている(L1<L2)。即ち,エンドキャップ4の第2凸部47は,第1凸部46より長く突出しており,第2凸部47の第1凸部46より突出した部分には,移動方向に延びる連結面73が形成されている。また,パイプ体30では,第1端面51は第2端面より突出しており,第1端面51の第2端面52より突出した部分には,移動方向に延びる連結面75が形成されている。連結面73と75とは,ローラ5の移動方向に平行な面となって互いに接触する面となり,ローラ5の端面5Eをスムーズにガイドするように移動方向に延びる連結部を構成している。
【0028】
この直動案内ユニットは, 図4に示すように, ローラ5の端面5Eを案内する壁面77の連結構造にあって, 壁面77の幅Bを二分割して等分するようにして階段状に形成したことから次の如くなっている。この直動案内ユニットは, 従来のものに対して,第1連結部36及び/又は第2連結部37のそれぞれの端面間に隙間があっても, ローラ5が該隙間に入り込むことが無いので, ローラ5は連結部をスムースに転走する。例えば, 転動体であるΦ2×2.5のローラ5において, 従来のものでは,連結部の端面間の隙間が0.16mmで引っ掛かり状態になっていたが, 本発明では連結部の端面間の隙間が0.31mmでも引っ掛かりが無い状態になっている。また,この直動案内ユニットは, 対向即ち対応する壁面77間にあって, 一方の第1連結部36に対応して他方の第2連結部37, 及び, 一方の第2連結部37に対応して他方の第1連結部36に形成されていることも合わせて, 連結部に段差が有っても,ローラ5は連結部をスムースに転走する。例えば, 転動体であるΦ2×2.5のローラ5において, 従来のものでは連結部の段差量が0. 05mmでも引っ掛かり状態になっていたが, 本発明では連結部の段差量が0.26mmでも引っ掛かりが無い状態になっている。
【0029】
この直動案内ユニットは,パイプ体30の端面もエンドキャップ4の突出部50に合致するように,相補的に階段状に形成され, 第1凸部46に対応して第1端面51及び第2凸部47に対応して第2端面52に形成されている。第1凸部46と第1端面51とで第1連結部36とし, 第2凸部47と第2端面52とで第2連結部37とすると, 第1連結部36と第2連結部37との間も, 互いに合致する連結面73,75になっている。また, 第1連結部36及び/又は第2連結部37は, 必ずしも常に当接状態でなく,僅かな隙間状態であってもよいものであるが,どちらかといえば, 連結側面部でパイプ体30が回転しないように, 隙間無く合致して形成されることが好ましい。また, 突出部50のローラ5の端面5Eをガイドする対応する壁面77間では, 一方の第1連結部36に対応して他方の第2連結部37, 及び一方の第2連結部37に対応して他方の第1連結部36に形成されている。上述のように, この発明による階段状の連結構造により, 連結部を通過するローラ5は, 半分の壁面でなる段差に対して, そのまま倒れること無く, 壁面77間に引っ掛かり難くなる。また,この直動案内ユニットの連結構造は, 全く小さな部分の構成であるが, 小形なローラ形式の直動案内ユニットにあって, 近年の使用環境に適用可能な滑らかな摺動を実現している。
【0030】
図5に示すように,この直動案内ユニットでは,第1〜第5連結部36〜40は,エンドキャップ4におけるエンドキャップ本体8の第1〜第4凸部46〜49の端面である第1〜第4連結面41〜44及びスペーサ7の端面である連結面45と,パイプ体30の第1〜第5端面51〜55とが対向好ましくは当接することによって構成されている。また,一対の対向する壁面77間では,一方の第1連結部36に他方の第2連結部37が対向し,一方の第2連結部37に他方の第1連結部36が対向して形成されている。第1〜第5連結部36〜40は,エンドキャップ4の背面の端面35から,距離L1の結合位置になる第1連結部,距離L2の結合位置になる第2連結部,距離L3の結合位置になる第3連結部38,距離L4の結合位置になる第4連結部,及び同一面になるスペーサ7の背面位置になる第5連結部からなっている。また,突出部50は,リターン路10の直線状態の通し孔22に形成されているので,ローラ5の姿勢も安定して連結部を転走可能になる。
【0031】
図5に示すように,第1〜第5連結部36〜40をエンドキャップ4側とパイプ体30側とに分離して考慮すると,第1連結部36は突出量の小さい第1凸部46の第1連結面41とパイプ体30の突出量の大きい第1端面41,第2連結部37は突出量の大きい第2凸部47の第2連結面42とパイプ体30の突出量の小さい第2端面42,第3連結部38は突出量の大きい第3凸部48の第3連結面43とパイプ体30の突出量の小さい第3端面43,第4連結部39は突出量の小さい第4凸部39の第4連結面44とパイプ体30の突出量の大きい第4端面44,及び第5連結部40はスペーサ7の端面である第5連結面45とパイプ体30の第5端面55とがそれぞれ合致して連結するものになっている。従って,エンドキャップ4とパイプ体30との第1〜第5連結部36〜40は,エンドキャップ4の突出部50の連結面41〜45とパイプ体30の端面51〜55が凹凸状に嵌合して位置決めして確実に連結されるように構成されている。
【0032】
図6に示すように,エンドキャップ4の突出部50について,ローラ5の端面5Eに対向する一方の壁面77側に第1凸部46及び第2凸部47,他方の壁面77側に第2凸部47及び第1凸部46が位置しており,また,方向転換路20の外周面から延びる中央位置にローラ5の転動面5Rをガイドする第4凸部49,第4凸部49の両側に第3凸部48,及びスペーサ7の背面部分に第5連結面45が形成されている。
【0033】
図7に示すように,パイプ体30は,ローラ5の円筒面5R側の中央位置(分割面)で長手方向に沿って2分割された分割体30S(図11〜図15参照)を合体させて構成されており,合体された端面は,ローラ5の端面5Eに対向する一方の壁面77側に第1端面51及び第2端面52,他方の壁面77側に第2端面52及び第1端面51が位置しており,また,方向転換路20の外周面から延びる中央位置にローラ5の転動面5Rをガイドする第4端面54,第4端面54の両側に第3端面53,及びスペーサ7の背面部分に対向する第5端面55が形成されている。従って,パイプ体30の端面には,第1端面51,第2端面52,第3端面53,第4端面54,及び第5端面55が一対に形成されている。
【0034】
図8,図9及び図10には,エンドキャップ4について,スペーサ7を取り外した状態のエンドキャップ本体8が示されている。エンドキャップ本体8は,上部76とその幅方向両側から垂下する両袖部58から構成され,軌道レール1に跨架する領域が凹部に形成されている。エンドキャップ本体8は,エンドキャップ4をケーシング3に固定するためのねじ71を挿通する取付け用孔26が両側に形成されている。エンドキャップ本体8は,両袖部58に方向転換路20を形成するためにスペーサ7を嵌入する凹部74が形成されている。外側方向転換路20Lの外周面を形成する凹部74には,潤滑剤供給口72がそれぞれ形成されている。また,両袖部58における外側方向転換路20Lと内側方向転換路20Sのリターン路10側の開口部63には,端面35から突出してなる突出部50がそれぞれ形成されている。エンドキャップ本体8の両袖部58の下面には,下面シール19を取り付けるためのフック24が設けられている。エンドキャップ本体8の上部76には,背面側の端面35の中央部に給油孔62が形成され,給油孔62から方向転換路20へと油溝61が形成されて給油できるように構成されている。
【0035】
図11〜図15に示すように,パイプ体30は,2分割状の一つの分割体30Sから同一の分割体30S同士を合体させて構成され,ここでは,その分割体30Sを図示している。パイプ体30は,両端の円筒部31,円筒部31間を一体に連結してローラ5の端面5Eを案内する壁面77が形成された一対の柱部32,及び円筒部31間を一体に連結してローラ5の転動面5Rを弾性的に可撓に案内する一対の可撓柱部33から構成され,柱部32と可撓柱部33との間にはスリット66が形成されている。パイプ体30の外形は,円形になっているが,可撓柱部33の外周部分は,ケーシング3の嵌挿孔9との間に可撓できる隙間ができるように,欠円状に凹部に形成されている。パイプ体30の分割体30Sの合体面34には,一方の円筒部31側に凸部67が形成され,他方の円筒部31側に凸部67が嵌入する凹部68が形成され,分割体30S同士を180°対応させることでパイプ体30に合体できるものになっている。また,パイプ体30の円筒部31において,一対の柱部32の延長部に位置する第1端面51と第2端面52とには,エンドキャップ4の第1凸部46の第1連結面41と第2凸部47の第2連結面42とに当接するために面取り部69が形成され,ローラ5のスムーズな乗り移りができるように形成されている。
【0036】
図12に示すように,パイプ体30の分割体30Sの対向する端面間では,一方の第1端面51が他方の第2端面52に対向し,一方の第2端面52が他方の第1端面51に対向して形成されている。従って,分割体30Sを合体することで,一対の壁面77間においても一方の第1端面51が他方の第2端面52に対向し,一方の第2端面52が他方の第1端面51に対向することになる。上記連結構造により,ローラ5は,方向転換路20とリターン路10との間をなめらかに転走できるものになっている。
【産業上の利用可能性】
【0037】
この発明による直動案内ユニットは,半導体製造装置,精密機械,測定・検査装置,工作機械,各種組立装置,搬送機械,各種ロボット,医療機器,マイクロマシーン等の各種装置における摺動部に組み込んで利用され,循環路の連結部である境界部をスムーズに連結し,連結領域を転動体のローラがスムーズに転走することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明による直動案内ユニットを示す正面図である。
【図2】図1の直動案内ユニットからエンドキャップを取り外したケーシングの端面位置で断面部分を含んだ状態で示す端面図である。
【図3】図2の一つの循環路を断面して示す説明図である。
【図4】図3のA部分における連結構造を示す説明図である。
【図5】図4の連結構造部分を分解して示す斜視図である。
【図6】図4のエンドキャップの突出部部分を正面に見た正面図である。
【図7】図4のパイプ体の端面を正面に見た正面図である。
【図8】図1のエンドキャップ本体を示す背面図である。
【図9】図8のエンドキャップ本体を示す下面図である。
【図10】図8のエンドキャップ本体のB−B断面図である。
【図11】図2のパイプ体における分割体を示す正面図である。
【図12】図11の背面図である。
【図13】図12の側面図である。
【図14】図12のパイプ体の分割体におけるC−C断面図である。
【図15】図12のパイプ体の分割体におけるD−D断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 軌道レール
2 スライダ
3 ケーシング
4 エンドキャップ
5 ローラ
5E 端面
5R 転動面
6 潤滑剤含浸部材
7 スペーサ
7L スペーサ(第1スペーサ)
7S スペーサ(第2スペーサ)
8 エンドキャップ本体
9 嵌挿孔
10 リターン路
11 軌道面(第1軌道面)
12 軌道面(第2軌道面)
20 方向転換路
20L 外側方向転換路
20S 内側方向転換路
21 凹部
22 通し孔
25 軌道路
27 端面
30 パイプ体
30S 分割パイプ体
35 端面
36 第1連結部
37 第2連結部
38 第3連結部
39 第4連結部
40 第5連結部
41 第1連結面
42 第2連結面
43 第3連結面
44 第4連結面
45 第5連結面
46 第1凸部
47 第2凸部
48 第3凸部
49 第4凸部
50 突出部
51 第1端面
52 第2端面
53 第3端面
54 第4端面
55 第5端面
60 循環路
72 潤滑剤供給口
73 連結面
74 凹部
75 連結面
77 壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って第1軌道面が形成された軌道レール及び前記軌道レールに転動体であるローラを介して摺動自在なスライダから成り,前記スライダは,前記軌道レールの前記第1軌道面に対向して第2軌道面が形成され且つ前記第1軌道面と前記第2軌道面との間に形成される軌道路に平行なリターン路が形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記軌道路と前記リターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ,及び前記軌道路と前記リターン路と一対の前記方向転換路とで構成される循環路を転走する複数の前記ローラを有することから成る直動案内ユニットにおいて,
前記リターン路は前記ケーシングに形成された嵌挿孔に挿通された長手状のパイプ体の矩形状の通し孔で形成され,
前記パイプ体の両端面は前記方向転換路から連通して前記エンドキャップの端面から突出して前記嵌挿孔に嵌挿された突出部の端面に連結し,
前記突出部の前記端面と前記パイプ体の前記端面との連結部における前記ローラの端面をそれぞれ案内する壁面は互いに相補的に合致する凹凸嵌合でそれぞれ形成されていることを特徴とする直動案内ユニット。
【請求項2】
前記凹凸嵌合は,前記エンドキャップの前記端面からの連結位置を互いに異にする第1連結部と第2連結部とでなり,前記壁面の幅を前記ローラの移動方向に平行に延びる前記第1連結部と前記第2連結部との連結面で二分割されて凹凸になり,対向する両側の前記壁面で前記凹凸が互い違いに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の直動案内ユニット。
【請求項3】
前記壁面の前記幅の前記二分割は,等分に分割されていることを特徴とする請求項2に記載の直動案内ユニット。
【請求項4】
一対の対向する前記壁面間では,一方の前記第1連結部に他方の前記第2連結部が対向し,一方の前記第2連結部に他方の前記第1連結部が対向して形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の直動案内ユニット。
【請求項5】
前記パイプ体は,縦割り状の一つの分割体を2つ合わせて構成され,前記分割体の対向する端面間では,一方の前記第1連結部を構成する第1端面が他方の前記第2連結部を構成する第2端面に対向し,一方の前記第2連結部を構成する第2端面が他方の前記第1連結部を構成する第1端面に対向して形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。
【請求項6】
前記連結部は,前記ローラの前記端面をガイドする前記第1連結部と前記第2連結部との他に,前記ローラの転動面をガイドする前記エンドキャップの前記端面からの連結位置をそれぞれ異にする第3連結部,第4連結部及び第5連結部から構成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。
【請求項7】
前記パイプ体の前記端面は,前記第1端面,前記第2端面,前記第3連結部を構成する第3端面,前記第4連結部を構成する第4端面,及び前記第5連結部を構成する第5端面がそれぞれ一対ずつ形成されていることを特徴とする請求項6に記載の直動案内ユニット。
【請求項8】
前記エンドキャップに設けられた前記突出部は,前記ローラの前記端面をガイドするための前記第1連結部を構成する突出量の小さい第1凸部と前記第2連結部を構成する突出量の大きい第2凸部,及び前記ローラの転動面をガイドするための前記第3連結部を構成する突出量の大きい第3凸部と前記第4連結部を構成する突出量の小さい第4凸部から構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の直動案内ユニット。
【請求項9】
前記エンドキャップは,外側の前記方向転換路の外側壁面と内側の前記方向転換路の外側壁面の一部を形成するエンドキャップ本体,前記エンドキャップ本体の凹部に嵌入配置されて外側の前記方向転換路の内側壁面と内側の前記方向転換路の外側壁面の残部を形成する第1スペーサ,及び前記エンドキャップ本体と前記第1スペーサとの段部に嵌入配置されて内側の前記方向転換路の内側壁面を形成する第2スペーサから構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。
【請求項10】
前記エンドキャップ本体の前記突出部には前記方向転換路の前記外側壁面と前記ローラの前記両端面をガイドする前記壁面が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の直動案内ユニット。
【請求項11】
前記エンドキャップにおける前記エンドキャップ本体の前記外側の前記方向転換路の前記外側壁面には,前記転動体を潤滑するため,前記エンドキャップ本体の凹部に配設された潤滑剤含浸部材を露出させる潤滑剤供給口が形成されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の直動案内ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−14177(P2009−14177A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−179786(P2007−179786)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(000229335)日本トムソン株式会社 (96)
【Fターム(参考)】