説明

ロールバー装置を有する自動車

【課題】 本発明は、ロールバー装置を有する自動車であって、このロールバー装置が、少なくとも、U字形のロールバー11、クロスバー12、および、収容開口部21を有する結合要素20を備え、この収容開口部内が、このロールバー11の端部を収容する。その際、この結合要素20は、基本的に垂直方向、及び/または水平方向に設けられている、外側のボディーシェル壁部および内側のボディーシェル壁部と、解離可能または解離不能に結合されている。更に、この結合要素20に、支承部位が設けられており、これら支承部位において、折畳み可能な幌、及び/またはシートベルト方向転換レバー32が固定され得る。
【解決手段】 クロスバー12の端部は、この収容開口部21内において収容されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールバー装置を有する自動車であって、このロールバー装置が、
少なくとも、ロールバー、クロスバー、および、収容開口部を有する結合要素を備え、この収容開口部内においてこのロールバーの端部が収容されている様式の上記自動車に関する。更に、本発明は、この自動車内における、ロールバー装置のための結合要素に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車内における公知のロールバー装置は、通常、基本的に水平方向の、および車両横軸線に対して平行に設けられた、クロスバー、並びに、2つの大抵U字形のロールバーを備えている。これらロールバーは、この場合、車両中央の方を向いた端部でもってこのクロスバーに固定されており、且つ、車両外側へと延在している、このロールバーの第2の端部でもって、結合装置を介して、車両ボディーシェル(Fahrzeugkarosserie)と結合されている。このクロスバーは、有利には同様にこのクロスバーの結合装置を用いて車体(Fahrzeugaufbau)に固定されている。
【0003】
このようなロールバー装置のために、種々の実施形態が公知である。従って、例えば、ドイツ連邦共和国特許第102 18 701号明細書(特許文献1)は、軽合金鋳物から成る固定脚部を記載しており、これら固定脚部に、クロスバーが、これら固定脚部に1つの部材から成るように形成された係合部分の上に差し込まれており、且つこの上で固定されている。このロールバーの、車両外側の方を向いた端部は、その際、別個に、この固定脚部のクロスバーに相対して位置している側でねじ止めされている。この実施形態の場合、その幌支承部内において折畳み可能な車両幌が移動可能に枢着されている、該幌支承部は、鋳物の固定脚部内に一体にまとめられている。
【0004】
ヨーロッパ特許出願公開第1 547 874号明細書(特許文献2)は、ロールバー装置を記載しており、このロールバー装置の場合、車両外側の方を向いているロールバーの端部が、明確に、クロスバーの端部を介して、下方へと延在している。これらロールバーの延長された端部は、このクロスバーを貫通し、且つ、このクロスバーとねじ止めされている。このねじ止め部において、連結部材が装着されており、これら連結部材は、クロスバー−ロールバー−固定結合部を、他方また側方のボディーシェル内側壁部に固定されている固定要素と結合している。付加的に、下方へと延長された、このロールバーの端部は、水平方向に指向するボディーシェル壁部(Karosseriewand)とねじ止めされており、且つ、このクロスバーと水平方向のボディーシェル壁部との間の領域内において、同様に、連結部材を介してボディーシェル外側壁部と結合されている。このロールバー装置は、成形部材から成る固定要素は、このボディーシェル外側壁部において、延長部を有しており、この延長部に、ボルト、および他の固定要素が幌の支承のための装着されている。
【0005】
これら要素とロールバー装置との間の力の伝達経路(Kraftfluss)は、この公知のシステムの場合、しばしば、ロールバー装置の車両安全性のために重要な結合部の最適な耐負荷能力が、車体に対して達せられるように構成されていない。このことは、更に、車体の強度に不利な影響を与える。
【0006】
更に、例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第199 31 224号明細書(特許文献3)から、これらロールバー装置の力の収容のための能力を改善するために、変形要素をロールバー装置内に組み込むことが公知であり、このことによって、付加的な組み付け経費が生じさせられる。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第102 18 701号明細書
【特許文献2】ヨーロッパ特許出願公開第1 547 874号明細書
【特許文献3】ドイツ連邦共和国特許出願公開第199 31 224号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の課題は、特に車体の強度を高める、改善されたロールバー装置を有する自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は本発明に従い、請求項1もしくは請求項4の対象よって解決される。
有利な更なる構成は、従属請求項の対象である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の1つの実施形態による、ロールバー装置を有する自動車の場合、結合要素は、それぞれに、1つの収容開口部を備えており、この収容開口部内において、ロールバーの端部、およびクロスバーの端部が収容される。このクロスバーは、その際、例えば、通例の管体形状の半製品から、成形部材または有利には押出し成形形材として製造されている。
クロスバーおよびロールバーの端部の共通の支承の際に、共通の力の伝達経路内における両方の要素の結束は有利であり、このことによって外側からこれら両方の要素の内の1つの要素に作用する力が同様にそれぞれに他の要素によっても収容され得ることが達成され、このことによって、明確に高められた車両剛性が得られる。
【0010】
結合要素内における収容開口部は、その際、有利には、上方へと、および車両中央への方向へと開いて形成されている。この収容開口部が、それぞれに、収容されるべき要素、ロールバーの端部並びにクロスバーの方向へと開放されている。車両側面、および車両底部への方向へと閉鎖されている。従って、導入された力は、実際的に結合要素の内で収容される。走行作動において、および衝突の場合に、形状一体的な結合をこの方向において必要とする、如何なる危険な力も、垂直方向において、車両底部から離れるように指向しては生じない。本発明に従うロールバー装置の鏡対称的な配設に基づいて、水平方向に車両横軸線に沿って、車両中央への方向において作用する力は、相対して位置している車両側面上で、車体内へと導入される。
【0011】
ロールバーの一方の端部、並びにクロスバーの一方の端部は、その際、有利には、これらが、結合要素の収容開口部によって、基本的に、形状一体的に、且つ有利には、1つのユニットとして収容されるように構成されている。このような形態は、自動車内におけるロールバー装置の組み付けを簡略化し、且つ、接触面を介しての結合要素内への、生じた力の、力の伝達経路に適合した導入を可能にする。同様にロールバーのこれら端部とクロスバーとの間の力の伝達も、構造部材エッジ部、もしくは構造部材面における支持部を介して行なわれる。
【0012】
収容開口部内における要素の固定のために、解離可能な固定装置が設けられていることは同様に可能である。このことは、組み付けを容易にし、且つ、特に、損傷された構造部材の比較的に簡単な後における交換を可能にする。同様に、解離不能な固定装置も設けられていることは可能である。これら解離不能な固定装置は、有利には、組み付けステップ、およびこの場合に必要とされる構造部材の数を減少し、この装置の重量を減少し、且つ、結合部の強度を向上する。この(一方の車両側面から他方の車両側面への)結合要素−ロールバー端部−クロスバー−ロールバー端部−結合要素の配設によって、従って、車両横方向内において極めて剛性な配設が形成され、この配設は、機構構造部材として未塗装ボディ内に組み付けられた状態で、未塗装ボディ剛性を明確に向上する。その際、有利には管体形状である、このロールバーのこれら端部は、例えば側方衝突の際に生じる横方向力を収容する変形部材としての役目を果たす。収容開口部を介しての、付加的に補強する状態で作用する、このロールバーのこれら端部の付加的なはめ込みに基づいて、エネルギーの更なる根絶が可能である。車両長手軸線方向における、この収容開口部の閉鎖された形態によって、この結合要素によって、車両長手軸線方向に対して傾斜した、またはこの車両長手軸線方向において導入される、比較的に高い力も収容され得る。
【0013】
同様に1つのロールバーを介して導入された力は、このコンパクトな、ボディーシェル壁部からボディーシェル壁部へと達するロールバー装置によって、公知のロールバー装置に比して、改善された状態で収容される。このロールバーに対して垂直方向の力は、その際、直接的に、有利には平面状に、この収容開口部内において収容されたロールバー横断面によって、この結合要素の上に、且つ従って車体内に伝達される。このロールバーに対して傾斜して付与される力は、この力の方向の依存して、クロスバー、および結合要素によって収容され、且つ、車体に導入される。
【0014】
力伝達する固定要素のための簡略化された構造、および従って欠けている必要条件に基づいて、大部分は、有利には、ロールバー装置の個別の要素の差込み結合によって行なわれる、組み付けは極めて簡略化された状態で実施され得る。
【0015】
上記された課題の解決のために、結合要素が、更に有利な実施形態において、車両の外側および内側のボディーシェル壁部に支持されている場合に有利である。その際、内側のボディーシェル壁部は、本発明のボディシェル構造(Karosserieaufbau)に相応して、基本的に垂直方向に、及び/または、基本的に水平方向に設けられている。特に、このボディーシェル壁部がエンジン室の屋根であることは可能である。
【0016】
外側および内側のボディーシェル壁部における結合要素の結合によって、特に剛性且つ強固な結合部が得られ、この結合部内において、この結合要素内へと導入された力、特に垂直方向力が、有利には、車両ボディーシェル内へと導入される。このために、一方では、3重の結合によって拡大された結合面が寄与することは可能である。同様に、外側および内側のボディーシェル壁部とのこれら結合部が、異なって整向されていることは可能であり、且つ、従って最適に異なって整向された力を収容可能である。例えば内側のボディーシェル壁部が、基本的に水平方向である限りは、この結合要素が垂直方向にこの内側のボディーシェル壁部の上で支持されることは可能であり、従って、大抵、基本的に垂直方向である外側のボディーシェル壁部との結合が、ただ僅かな摺動力だけを収容する。その張力が例えばこの結合要素に枢着された幌の開放の際に生じるような、水平方向の車両長手軸線方向の該張力も、有利には、基本的に水平方向の内側のボディーシェル壁部との結合部を介して収容され、且つ、外側のボディーシェル壁部内において生じる摺動力を低減する。
【0017】
結合要素の装着は、これら2つのボディーシェル壁部において、本発明により、それぞれに、解離可能と同様に、解離不能にも行なわれる。その際、解離可能な結合部のために、有利には、ねじ、リベット、ボルト、またはスナップ止め結合部のような固定要素が使用され、解離不能な結合部のために、有利には、溶接、半田付け、接着、または解離不能な成形方法のような結合技術が使用される。
【0018】
特に有利には、結合要素からボディーシェル壁部を介して車体内へと導入される力の大部分は、形状一体的に伝達される。その際、この結合要素が、例えば車両転覆の場合に、水平方向のボディーシェル壁部の上に支持され得る場合、特に有利である。同様に基本的に垂直方向のボディーシェル壁部において、この結合要素が、これら壁部内に一体にまとめられており、力の導入を改善する、突出部に支持されていることは可能である。
【0019】
同様に、幌支承部が、結合要素内に一体にまとめられることは、特に有利である。この結合要素からのボディーシェル壁部の上への、およびロールバー装置内への、上記された改善された力伝達によって、この幌支承部内へと導入される横方向力、および、特に開放および閉鎖の際に極めて高いそこに作用する引張力が収容され、且つ、車体内へと伝播される。
【0020】
特に、以前に記した理由に基づいて、車両ボディーシェルのこの領域内において設けられたシートベルト方向転換レバーを、同様に、この結合要素に設けることは、同様に合目的である。まさに、乗員保護のために、このシートベルト方向転換レバーからこの結合要素を介して車体内への、本発明による自動車内において設けられたロールバー装置によって使用に供せられる最適化された力の導入は、極めて有利である。
【0021】
前記された役目および構成を結合要素に対して課す、多様な諸要件を満たすために、この結合要素は、有利には、溶接構造物、鍛造構造物、または成形構造物として構成されている。この結合要素を鋳造部材として製造することは、しかしながら特に有利である。
何故ならば、鋳造部材は、極めて高い機械的な強度を有しており、且つその際このような結合要素のために必要な造形的な利点を与えるからである。
【0022】
特に有利な実施形態において、ロールバー装置内へと一体にまとめられた結合要素は、内側のボディーシェル壁部および外側のボディーシェル壁部に支持されている。上記のことによって、上記した本発明による利点が補完され、このことによって、従来公知の従来技術と比較して、明確に改善されたロールバー装置を有する自動車が提供される。
【0023】
本発明によるロールバー装置を有する自動車のこの実施形態における、
改善された収容部、
車体内への伝播、および、
必要のある場合には、それどころか一方ではロールバーを介し、他方では例えば側方衝突の場合のように、相対して位置している車両側面を通して車体内へと導入される力の根絶は、特に有利である。本発明によるロールバー装置は、従って、オープンカーの明確に向上された横方向補強を提供する。
【0024】
本発明による車両内における一体にまとめられた幌支承部は、この幌を介してこの車両に対して伝達する力を、シートベルト方向転換レバーからの力と同様に、最適化された状態で車体内へと導入し、且つ、従って車両乗員の安全性を向上する。
【0025】
車両幌は、ウインドシールドガラスにおけるロック機構を除いて、ただ幌支承部においてだけ、強固に車両と結合されている。従って、既に僅かな横風速度の場合に相対的に高い可能性のある、この幌に作用する横方向力を、ロールバー装置の領域内における幌支承部位によって、収容することは特に有利である。このロールバー装置の力の伝達経路内へのこの幌支承部の統合によって、従って、既存の可能性が、この幌支承部の安定化のために利用し尽くされる。
【0026】
最も高い力は、しかしながら、走行の間の幌の開放および閉鎖の際に、幌支承部内へと導入される。大きな走行風内において立っている面積に基づいて、その際、極めて高い引張力がこの幌支承部に作用する。更に、本発明による自動車のロールバー装置内へのこの幌支承部の統合は、この幌支承部、並びにこの幌の幌支承部における簡略化された組み付けを可能にする。
【0027】
同様に総じて、この特に有利な実施形態は、ロールバー装置の全ての構成要素の組み付け利便性の明確な改善によって特徴付けされている。このことは、結合要素内におけるロールバーおよびクロスバーの端部の収容に関してと同様に、車両ボディーシェルにおけるこの結合要素の力伝達的な固定に関しても言えることであり、この固定は、有利には、特に内側のボディーシェル壁部内において、少なくとも部分的に、形状一体的に行なわれる。付加的に必要な固定要素の、上記のことから結果として出てくる省略は、車両重量のため、および同様に車両の組み付け費用に有利であることは明らかである。その際、固定要素の費用だけでなく、車両内へのこれら固定要素の組み付けのための費用も考慮されない。特に有利な実施形態によるロールバー装置内における力の伝達経路、および、導入された力から車体内への伝達が、特に有利であることは明らかである。特に有利な実施形態の更なる利点として、この車両内における、簡単で且つ効果的な形態に基づいて低減される、このロールバー装置の所要スペースが記載されるべきである。
【0028】
本発明による自動車の特別の利点として、ロールバー装置のこれら要素の間の最適な力の伝達経路が強調されるべきである。このことによって、車両安全性、特に転覆安全性のため、並びに、車両強度、特に横方向強度のために重要なロールバー装置、即ちクロスバー装置の耐負荷能力は、著しく改善される。本発明による自動車のロールバー装置は、更に、力の伝達経路または強度を低減する力の経過のあらゆる中断を回避し、この中断が、公知のシステムの場合、クロスバーおよびロールバーの分離された状態の支承に基づいて、導入された力の収容能力を低減させる。
【0029】
本発明による自動車の更なる利点は、直接的に車両乗員の背当て部の後ろに設けられている、オープンカーの安全保護コンセプトへの付加的な横方向の補強としてのロールバー装置の統合である。この車両の設けられていないBピラー(センタピラー)に基づいて、この車両は、車両ドアの後方の領域内において、低減された横方向剛性を有しており、この横方向剛性が、このロールバー装置の挿入によって、明確に改善される。
【0030】
本発明の更なる利点、特徴、および使用の可能性は、以下の説明から、図との関連において与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、本発明によるロールバー装置10の立体的な図を示しており、このロールバー装置10が、自動車内に組み込まれた状態で図示されている。このロールバー装置10は、その際、2つのU字形のロールバー11、クロスバー12、並びに、収容開口部21を有する結合要素20を備えている。この収容開口部21内において、それぞれに、1つのロールバー11の一方の端部、並びに、クロスバー12の一方の端部が収容されている。両側に、このクロスバー12とボディーシェル内側壁部との間に設けられているこれら結合要素20は、鏡対称的に構成されている。接触面22において、この結合要素20は、外側のボディーシェル壁部23に沿って固定されている。この例示的な実施形態において、この結合要素20は、一方では形状一体的に、付加的にしかしながらねじ止め部28を用いてこの外側のボディーシェル壁部に沿って固定されている。
【0032】
この例示的な実施形態の場合にエンジン室の屋根によって形成されている、内側のボディーシェル壁部に、結合要素20が水平方向に接触面25を介して、および付加的に、垂直方向に接触面26を介して支持されている。示された実施形態の場合、如何なる更に別の固定要素も、これら接触面25および26に装着されていない。
【0033】
車両長手方向中心軸線の方を向いた、ロールバー11の端部は、適当な方法で、クロスバー内において、またはクロスバーに沿って固定されている。外側のボディーシェル壁部の方向に指向する、ロールバー11の端部は、図2内において図示されている、結合要素20の収容開口部21内において収容されている。
【0034】
図3は、収容開口部21を通る、図2内における切断線III−IIIに沿っての、および、この収容開口部内に存在するロールバー11並びにクロスバー12の端部に沿っての、結合要素20の断面図を示している。このクロスバー12は、この例示的な装置の場合、(車両長手軸線に対して横方向の)長手方向における負荷の際に、この結合要素20内におけるロールバー11の端部を介して、および従って、外側のボディーシェル壁部23において支持され得る。その際、同様に、付加的に収容開口部21によって囲繞されている、このロールバー11の管体形状の端部の横方向安定性も役に立つ。その負荷の場合に力が車両長手方向内において、またはこの車両に対して垂直の方向内において生じる、該負荷の際に、これら力は、直接的または部分的に、このロールバー11の端部を介して、この結合要素20内へと、および従って、車両ボディーシェルに対して伝達される。非常に高い、導入された力は、その場合にこのロールバー11の横断面の変形を誘起し、その際、この結合要素20の収容開口部21が同様に変形される。
【0035】
図4は、車両後尾から、車両前部の方向に見た、結合要素20を示している。この眺望において、この結合要素内において一体にまとめられた幌支承部30が認識され得、この幌支承部に、幌は回転可能に枢着される。この幌内に導入された横方向力、並びに、特に走行している車両の開放および閉鎖の際に生じる引張力は、幌支承部30によって収容され、且つ、結合要素20、およびこの結合要素の接触面22、25および26を介して、車両ボディーシェル内へと導入される。同様に、ここで、衝突の場合に同様に高い力を車体内に導入する、シートベルト方向転換レバー32が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】自動車内における、本発明によるロールバー装置の立体図である。
【図2】車両後尾の方向に見た、結合要素の立体図である。
【図3】収容開口部を通る、図2内における切断線III−IIIに沿っての、この収容開口部内に配設されたロールバー11並びにクロスバー12の端部とを共に示した、結合要素の断面図である。
【図4】車両前部の方向に見た、結合要素の立体図である。
【符号の説明】
【0037】
10 ロールバー装置
11 ロールバー
12 クロスバー
20 結合要素
21 収容開口部
22 接触面
23 ボディーシェル壁部
25 接触面
26 接触面
28 ねじ止め部
30 幌支承部
32 シートベルト方向転換レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールバー装置を有する自動車であって、このロールバー装置が、
少なくとも、ロールバー(11)、クロスバー(12)、および、収容開口部(21)を有する結合要素(20)を備え、この収容開口部内においてこのロールバーの端部が収容されている様式の上記自動車において、
クロスバー(12)の端部が、この収容開口部(21)内において収容されていることを特徴とする自動車。
【請求項2】
収容開口部(21)は、上方へと、および車両横軸線の方向へと開いていることを特徴とする請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
ロールバー(11)は、U字形であることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車。
【請求項4】
その結合要素にクロスバー(12)およびロールバー(11)の端部が配設されている、該結合要素(20)を有する請求項1に記載の自動車において、
結合要素(20)が、外側および内側のボディーシェル壁部に支持されていることを特徴とする自動車。
【請求項5】
その内側のボディーシェル壁部に結合要素(20)が支持される該内側のボディーシェル壁部は、基本的に垂直方向に、及び/または、基本的に水平方向に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の自動車。
【請求項6】
結合要素(20)は、外側及び/または内側のボディーシェル壁部と解離可能に結合されていることを特徴とする請求項4または5に記載の自動車。
【請求項7】
結合要素(20)は、外側及び/または内側のボディーシェル壁部と解離不能に結合されていることを特徴とする請求項4または5に記載の自動車。
【請求項8】
結合要素(20)に、折畳み可能な幌が枢着されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の自動車。
【請求項9】
結合要素(20)は、少なくとも1つの支承部位を有しており、この支承部位に、シートベルト方向転換レバー(32)が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の自動車。
【請求項10】
結合要素(20)は、構成された構造部材、特に溶接構造物として、成形部材、特に鍛造部材として、または、成形部材、特に鋳造部材として構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−62928(P2008−62928A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230981(P2007−230981)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(390009335)ドクトル インジエニエール ハー ツエー エフ ポルシエ アクチエンゲゼルシヤフト (123)
【氏名又は名称原語表記】Dr.Ing.h.c.F.Porsche  Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1,D−70435 Stuttgart,Germany
【Fターム(参考)】