説明

ワイヤを連結するための低抵抗率ジョイント並びにその製作方法

【課題】超伝導ワイヤにおける永続性ジョイントを形成する方法を提供する。
【解決手段】低抵抗率ジョイント(136、150、164、166、170)を用いてワイヤ(116、118、152、154)を連結するための方法を提供する。より具体的には、2ホウ化マグネシウムフィラメント(120、126、156)などの超伝導性フィラメントを有する1つまたは複数のワイヤ(116、118、152、154)を連結する方法(104、140)を提供する。ワイヤ(116、118、152、154)は、医用撮像用途などの用途向けの所望の長さを有するワイヤ(116、118、152、154)が形成されるように低抵抗率ジョイント(136、150、164、166、170)によって連結させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的には超伝導ワイヤにおける永続性ジョイントの形成方法に関し、より具体的には2ホウ化マグネシウムワイヤにおける永続性ジョイントの形成に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴撮像(MRI)、発電機、モータ及び障害電流制限器などの用途の超伝導体としては2ホウ化マグネシウム(magnesium diboride)が利用されるのが典型的である。2ホウ化マグネシウム粉末は、薄膜内に概ね10A/cmの大きな臨界電流密度(J)を有する極めて強力にリンクした電流を表出するので有利である。さらにワイヤ、テープまたはリボンの形状とした2ホウ化マグネシウム粉末は、概ね10A/cmのJ値を表出する。さらに、これらの粉末の上側臨界磁場(H)及び不可逆性磁場(Hirr)は薄膜内において約30テスラより大きい。
【0003】
典型的には、2ホウ化マグネシウム粉末は元素のマグネシウムとホウ素を反応させることによって形成される。この処理過程の結果、大型で強力なマグネットが必要となるMRIなどの用途において望ましい特性である高磁場における大きな電流搬送能力を示す微細粉末が生産される。しかし、これらの粉末を製作する既存の方法では、2ホウ化マグネシウムが極めて大きな動作磁場及び臨界電流値を実現することが妨げられる(特に、ワイヤの形に処理される場合)。これによって、MRIなどの用途でこのテクノロジーを利用することが妨げられる。このため、こうした用途を可能にするようにこれらの粉末をカスタマイズする必要がある。例えばMRI用途では、従来の延伸法を利用しながら破断させずに細いワイヤに延伸できるような2ホウ化マグネシウム粉末を有することが望ましい。幾つかのケースでは、これらの特性は、粉末の処理中に2ホウ化マグネシウム粉末の組成内へのドーピングと別の添加剤の追加とを組み合わせることによって実現することができる。しかし、このドーピング/追加の処理過程は、2ホウ化マグネシウムの粒子に対する非超伝導性の不純物によるコーティングが防止されるような方式で実施する必要がある。さらに、2ホウ化マグネシウム粉末全体にわたって添加剤を均一に分散させることが望ましい。
【0004】
さらに超伝導ワイヤは、MRIなどの多くの用途で必要となる長さと比べてその長さをかなり短くしたユニットとして製作されるのが一般的である。したがって超伝導ワイヤは、所与の用途にとって十分な長さを有する超伝導体を提供するように互いに端部同士を連結させることがある。ワイヤ長に沿った抵抗性損失を防止するために、2つのワイヤを接続するジョイントは「永続性(persistent)」とさせるべきである。すなわち、ジョイントを通過する抵抗を非常に低く、理想的にはゼロとさせるべきである。こうした永続性ジョイントを形成することによって多くの設計上の問題が生ずる。こうした問題はさらに2ホウ化マグネシウムワイヤの導入に伴って増幅される。
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0090403号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0127353号
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0245400号
【特許文献4】米国特許第5,082,164号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、MRIなどの用途にとって十分な長さをもち接続ジョイントの抵抗を最小としたワイヤが形成されるように2ホウ化マグネシウムワイヤを結合させる方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技法の一態様では、ワイヤを連結する方法を提供する。本方法は、ジョイント部位において第1のワイヤの端部及び第2のワイヤの端部に2ホウ化マグネシウムジョイント材料を導入する工程であって、該第1及び第2のワイヤのうちの少なくとも1つは超伝導2ホウ化マグネシウムフィラメントを備える導入工程を含む。本方法はさらに、該第1のワイヤの端部及び該第2のワイヤの端部が該ジョイント材料を介して電気的かつ機械的に結合されるようにジョイント部位を処置する工程を含む。
【0007】
本技法の別の態様では、超伝導ワイヤを連結する方法を提供する。本方法は、伝導性クラッドにより囲繞された超伝導2ホウ化マグネシウムフィラメントを含む第1のワイヤの端部をかみ合わせ可能構成で準備する工程を含む。本方法はさらに、伝導性クラッドにより囲繞された超伝導2ホウ化マグネシウムフィラメントを含む第2のワイヤの端部をかみ合わせ可能構成で準備する工程を含む。本方法はさらに、該第1のワイヤの端部を該第2のワイヤの端部にかみ合わせ可能に連結する工程を含む。本方法はさらに、かみ合わせ可能に連結させた第1のワイヤの端部及び第2のワイヤの端部をラッピング材料で囲繞する工程を含む。
【0008】
本技法の別の態様では、超伝導ワイヤを提供する。本超伝導ワイヤは、2ホウ化マグネシウムを含む超伝導フィラメントを有する第1のワイヤセグメントを備える。本ワイヤはさらに、2ホウ化マグネシウムを含む超伝導フィラメントを有する第2のワイヤセグメントを備える。本ワイヤはさらに、第1のワイヤセグメントを第2のワイヤセグメントに結合させている2ホウ化マグネシウムを含んだ永続性ジョイントである低抵抗率ジョイントを備える。
【0009】
本発明に関するこれらの特徴、態様及び利点、並びにその他の特徴、態様及び利点については、同じ参照符号が図面全体を通じて同じ部分を表している添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによってより理解が深まるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
ここで図1を参照すると、スキャナ12、スキャナ制御回路14及びシステム制御回路16を含むようにして磁気共鳴撮像(MRI)システム10を模式的に表している。MRIシステム10は適当な任意のMRIスキャナや検出器を含むことがあるが、図示した実施形態のシステムは、患者22を希望するスキャン位置に配置させるためにその内部にテーブル20が位置決めされる患者ボア18を備えた全身用スキャナを含む。スキャナ12は、0.5テスラ定格から1.5テスラ定格及びこれを超える定格までの様々なスキャナを含む適当な任意のタイプの定格とすることがある。
【0011】
スキャナ12は、制御磁場を発生させるため、無線周波数励起パルスを生成するため、かつこのパルスに応答して患者内部の磁気回転材料からの放出を検出するために一連の対応コイルを含む。図1の模式図では、全体的に患者ボア18と一致させた主磁場を発生させるために主マグネットコイル24が設けられている。検査シーケンスの間に制御された傾斜磁場を発生させるためにコイルアセンブリ内で一連の傾斜コイル26、28及び30がグループ分けされている(これについては以下でより完全に説明することにする)。磁気回転材料を励起するようなRFパルスを生成するために無線周波数コイル(RF)32が設けられている。図1に示した実施形態では、コイル32は受信コイルの役割も果たしている。したがってRFコイル32は、磁気回転材料からの放出を受け取ること及び無線周波数励起パルスを印加することのそれぞれのために受動モード及び能動モードで駆動回路及び受信回路と結合させることがある。別法として、RFコイル32と別に受信コイルの様々な構成を提供することがある。これらのコイルは、頭部コイルアセンブリなどの目標の解剖部位向けに特に適応させた構造、その他を含むことがある。さらに受信コイルは、フェーズドアレイコイルを含む適当な任意の物理的構成やその他の形で設けられることがある。
【0012】
目下企図されている構成では、傾斜コイル26、28及び30は、撮像システム10内におけるその機能に適応させた異なる物理的構成を有している。これらのコイルは、以下に記載するような制御パルスを印加したときに傾斜磁場を発生させるコイル構造を形成するために巻きつけまたは切断されたワイヤ、ケーブル、棒材、プレートなどの超伝導素子からなることは当業者であれば理解されよう。具体的には、そのコイルは超伝導2ホウ化マグネシウムワイヤを備えることがある。ある種の実施形態では、その超伝導素子は第1相及び第2相を有するドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を含む。ある種の実施形態では、その第1相は、第2相によって囲繞された複数の2ホウ化マグネシウム粒子を含むことがある。以下で詳細に記載することにするが、この第2相は、炭化物、ホウ化物、窒化物、酸化物、オキシ炭化物、オキシホウ化物、オキシ窒化物、あるいはこれらの組み合わせからなる粒子または薄膜を含むことがある。これらのコイルの傾斜コイルアセンブリ内部への配置は、幾つかの異なる順序で実施されることがあるが、本実施形態では、Z軸コイルを最内側箇所に位置決めすると共に、これをRF磁場に対する影響が比較的小さい全体的にソレノイド様の構造として形成させている。したがって図示した実施形態では、傾斜コイル30がZ軸ソレノイドコイルであり、またコイル26及び28がそれぞれY軸コイルとX軸コイルである。
【0013】
スキャナ12の各コイルは、所望の磁場及びパルスの生成のため、並びに制御された方式による磁気回転材料からの信号の読み取りのために外部回路によって制御を受けている。患者の組織内に典型的には拘束されている材料が主磁場を受けると、組織内の常磁性の原子核の個々の磁気モーメントが該磁場と部分的に整列することは当業者であれば理解されよう。正味の磁気モーメントが偏向磁場の方向に生成されると、垂直面内で該モーメントのランダムな方向を向いた成分が全体として相殺される。
【0014】
傾斜コイル26、28及び30は、精細に制御された磁場を、その強度が事前定義の視野域全体にわたり典型的には正極性と負極性に伴って変化するように発生させる役割をする。各コイルが既知の電流によって付勢されると、得られる磁場傾斜は、主磁場の上に重なり合うと共に、視野域全体にわたる磁場強度のZ軸方向成分に望ましい線形変動を生じさせる。この磁場はある1つの方向では線形に変動するが、別の2つの方向では均一となる。
【0015】
スキャナ12の各コイルは、所望の磁場及び無線周波数パルスを生成するようにスキャナ制御回路14によって制御を受ける。図1の模式図では、制御回路14は検査中に利用するパルスシーケンスを指令するため並びに受信した信号を処理するための制御回路36を含む。制御回路36は、汎用または用途特定のコンピュータのCPUやディジタル信号プロセッサなどの適当な任意のプログラム可能論理デバイスを含むことがある。制御回路36はさらに、スキャナにより実現させた検査シーケンス中に使用される物理及び論理軸構成パラメータ、検査パルスシーケンス記述、収集画像データ、プログラミングルーチン、その他を保存するための揮発性及び不揮発性のメモリデバイスなどのメモリ回路38を含む。
【0016】
制御回路36とスキャナ12のコイルの間のインタフェースは、増幅/制御回路40によって、また送信/受信インタフェース回路42によって管理されている。回路40は、制御回路36からの制御信号に応答して磁場コイルに対して駆動電流を供給するための各傾斜磁場コイル向けの増幅器を含む。インタフェース回路42はRFコイル32を駆動するための追加的な増幅回路を含む。さらに、RFコイルが無線周波数励起パルスの放出とMR信号の受信の両方の役割をしている場合には、回路42は典型的には、能動モードすなわち送信モードと受動モードすなわち受信モードとの間でRFコイルをトグル切り替えするためのスイッチングデバイスを含む。主マグネット24を付勢させるために、その全体を図1の参照番号34で表した電源が設けられている。最後に回路14は、構成及び画像データをシステム制御回路16とやり取りするためのインタフェース構成要素44を含む。本記述は超伝導主マグネットアセンブリを利用している水平円筒状ボア撮像システムに関連させているが、本技法は超伝導マグネット、永久磁石、電磁石あるいはこれら手段の組み合わせにより発生させた垂直磁場を利用しているスキャナなどの別の様々な構成に適用されることがあることに留意すべきである。
【0017】
システム制御回路16は、オペレータや放射線医とスキャナ12の間のスキャナ制御回路14を介したインタフェースを容易にするために広範なデバイスを含むことがある。図示した実施形態では例えば、汎用または用途特定のコンピュータを利用するコンピュータワークステーションの形態をしたオペレータ制御装置46が設けられている。このワークステーションもまた典型的には、検査パルスシーケンス記述、検査プロトコル、ユーザ/患者データ、画像データ(未処理データと処理済みデータの両方)、その他を保存するためにメモリ回路を含んでいる。このワークステーションはさらに、データの受信並びにローカル及びリモートのデバイスとのデータやり取りのために様々なインタフェース及び周辺ドライバを含むことがある。図示した実施形態では、こうしたデバイスには、従来のコンピュータキーボード50や、マウス52などの代替的入力デバイスが含まれる。ドキュメントや収集データから再構成した画像のハードコピー出力を作成するためにプリンタ54が設けられている。オペレータインタフェースを容易にするためにコンピュータモニタ48が設けられている。さらにシステム10は、様々なローカル及びリモートの画像アクセス/検査制御デバイス(図1において全体を参照番号56で表す)を含むことがある。これらのデバイスには、画像蓄積伝送システム(Picture archiving and Communication Systems:PACS)、遠隔放射線(teleradiology)システム、その他を含むことがある。
【0018】
ここで図2及び3を見ると、第1相及び第2相を有するドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を表している。図示した実施形態では、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末は、粒子や薄膜などの第2相コーティングによって囲繞された複数の2ホウ化マグネシウム粒子を含む第1相を含む。ある種の実施形態では、その第2相は、炭化物、ホウ化物、窒化物、酸化物、オキシ炭化物、オキシホウ化物、オキシ窒化物、あるいはこれらの組み合わせを含むことがある。例示的な一実施形態では、その第2相は炭化ケイ素を含むことがある。別の実施形態では、その第2相はケイ素のオキシ炭化物を含むことがある。
【0019】
ある種の実施形態では、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末は、化学式MgB2−x(ここで、Sはドーパントを表し、またBは化学元素のホウ素を意味している)によって表現できる複数の2ホウ化マグネシウム粒子を含むことがある。ある種の実施形態では、Sは炭素、ホウ素、酸素、窒素あるいはこれらの組み合わせのうちの1つまたは幾つかを含むことがある。一実施形態では、Sが炭素を含む、すなわち2ホウ化マグネシウム粉末は炭素ドープされている。別の実施形態では、Sはホウ素、窒素または酸素を含む。これらの実施形態では、その2ホウ化マグネシウム粉末は、ホウ素ドープされている、窒素ドープされている、あるいは酸素ドープされている。さらに、xは2ホウ化マグネシウム格子内のホウ素を置換しているドーパントSの原子百分率を表している。幾つかの実施形態では、xの値は約5パーセント〜約15パーセント、約6パーセント〜約12パーセント、また好ましくは約8パーセント約10パーセントの範囲内で変動させることができる。2ホウ化マグネシウム格子のドーピングSは均一とさせることが好ましい。2ホウ化マグネシウム格子内へのSのドーピングによってより高い上側臨界磁場(H)を得ることができる。さらに、2ホウ化マグネシウムの微細構造全体にわたって炭化ケイ素粒子などの第2相を分散させることによって臨界電流密度(J)を増強させることがある。MRI用途ではHとJの両方が高い値である必要があることが理解されよう。
【0020】
図2に示すように、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末58のある種の実施形態では、2ホウ化マグネシウム粒子60を有する第1相が炭化ケイ素粒子などの比較的より小さい第2相粒子62によって囲繞されることがある。これらの実施形態では、2ホウ化マグネシウム粒子60のサイズが約20ナノメートル〜約500マイクロメートルの範囲内で変動することがあり、また第2相粒子62のサイズは約5ナノメートル〜約50ナノメートルの範囲内にあることがある。したがって、2ホウ化マグネシウム粉末58は粒子サイズが比較的より小さいために、より大きな比率の超伝導材料を有する(すなわち、2ホウ化マグネシウム粉末からなる別の従来式ケーブルと比較して2ホウ化マグネシウムがより大きい比率であるような)これらの粉末からワイヤを形成することが可能となる。これらのワイヤは一方、ケーブルを形成するために使用することができる。
【0021】
超伝導材料の量をより大きくすると、高い電流密度(I)、臨界電流密度(J)及び上側臨界磁場(H)が可能となることが理解されよう。例示的な一実施形態では、自己磁場下で4KにおけるIは約80A〜約1000Aの範囲内にあることがある。別の実施形態では、Jは約10A/cm〜約10A/cmの範囲内にあることがある。一実施形態では、Hは約10テスラ〜約100テスラの範囲内にあることがある。
【0022】
図3は、図2のドープされた2ホウ化マグネシウム粉末58に対する代替的な一実施形態を表している。図示した実施形態では、2ホウ化マグネシウム粉末64は、炭化ケイ素などの第2相からなる薄膜68によって囲繞された2ホウ化マグネシウム粒子66を有する第1相を含む。この実施形態では、2ホウ化マグネシウム粒子66及び炭化ケイ素薄膜68によって、2ホウ化マグネシウム粒子66がコアを形成し炭化ケイ素薄膜68がシェルを形成するような1つのコア−シェル(core−shell)構造を形成させることができる。ある種の実施形態では、薄膜68の厚さ70は概ね数ナノメートルとすることがある。例示的な一実施形態では、薄膜68の厚さ70は、炭化ケイ素が非伝導性であることに由来するパーコレーション(percolation)電流密度の損失を防止するために約9ナノメートル未満とすることがある。
【0023】
図4及び5は、本技法に従ってドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を製作する方法を表した例示的な実施形態である。図4に図示した実施形態では、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末が2つの工程により形成される。ブロック72では、第1相すなわち複数の2ホウ化マグネシウム粒子を有する2ホウ化マグネシウム粉末が高分子前駆体によってコートされており、この高分子前駆体は1つまたは複数の第2相粒子を産正するように構成された化学元素を含んでいる。例えば、高分子前駆体は、熱処理時に炭化ケイ素を生成するように構成された化学元素を含むことがある。引き続きブロック74では、コートされた2ホウ化マグネシウム粉末が熱処理を受け、第2相粒子すなわちコーティングをその上に配置させて含む2ホウ化マグネシウム粒子を含んだドープされた2ホウ化マグネシウム粉末が形成される。本明細書で使用する場合、「第2相コーティング」とは、2ホウ化マグネシウムの微細構造全体にわたって分散させた第2相を有する実施形態に言及したものであり、また2ホウ化マグネシウム粒子上に第2相薄膜コーティングを有する実施形態に言及したものでもある。
【0024】
図5は、本技法の実施形態に従ってドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を形成するさらに詳細な方法を表している。ブロック76では、高分子前駆体が提供される、ここでこの高分子前駆体はさらに1つの第2相を生成するように構成させた化学元素を含む。高分子前駆体は、例えば炭化ケイ素を産生するように構成させた化学元素を含むことがある。一実施形態では、炭化ケイ素の有機金属前駆体を使用することがある。例示的な一実施形態では、炭化ケイ素高分子前駆体は、ポリシラザン、変性シロキサン、[RSiCH−][−SiRCH−]−[−SiR(CH2−)1.5[−Si(CH−)](ここでRは、H、−CHCH=CH、あるいは部分的アリル置換の誘導体「AHPCS」、すなわち[′Si(allyl)0.1H0.9CH2′]nとすることがある)のタイプをした多分岐のポリカルボシラン、ポリアクリルニトレート(polyacrylic nitrate)(炭素供給源とする)、ポリオキサン(polyoxane)、シアノオキサン(cyanoxane)、炭酸塩、あるいはこれらの組み合わせを含むことがある。
【0025】
ブロック78では、高分子前駆体を溶剤内に溶解させて溶液を形成させる。高分子前駆体が熱可塑性樹脂であるような実施形態では、その高分子前駆体を制御された雰囲気下で液体になるように事前溶融させることがあり、また引き続いて2ホウ化マグネシウム粒子上に高分子前駆体の均一コーティングを形成するための高密度ミキシングであるミリング(milling)などの技法を用いて2ホウ化マグネシウム粉末をこの液体内に混合させることがある。幾つかの実施形態では、その溶剤は、1つまたは複数のケトン、アルコール、THF、あるいはこれらの組み合わせを含むことがある。一実施形態では、その溶剤はエタノールを含む。
【0026】
ブロック80では、この溶液に2ホウ化マグネシウム粉末を加えて混合物を形成させる。2ホウ化マグネシウム粉末は一般に入手可能である。引き続いて工程82では、ミリング(例えば、高密度ミキシング)によって2ホウ化マグネシウム粉末と高分子前駆体溶液を混合し、粉末と前駆体の均一混合物を形成させると共に、高分子前駆体溶液を2ホウ化マグネシウム粒子上にコートさせる。
【0027】
さらに、炭素、酸素、窒素またはホウ素のドーピング量は、そのそれぞれの供給源の追加によって制御された方式で増加させることができる。例えば、炭素ドーピングの量は、適当な量の炭素繊維、炭素ナノ粒子などの炭素供給源を混合物に追加することによって増加させることができる。Jをさらに増強するためにこの混合物にはさらに、チタン、リチウム、イットリア、アルミニウム、ケイ素、及び/またはジルコニウムが追加されることもある。これらの添加物は2ホウ化マグネシウム粉末全体にわたるこれら添加物の均一分散を容易にさせるためにナノ粒子の形態とさせることが好ましい。
【0028】
引き続きブロック84では、複数の2ホウ化マグネシウム粒子上に高分子前駆体のコーティングを形成するために溶液から溶剤が除去されることがある。一実施形態では、溶剤を溶液から気化させることがある。ある種の実施形態では、この溶剤の気化は不活性の雰囲気や真空内で実施し、これにより酸素など望ましくない汚染物質が、2ホウ化マグネシウム粉末全体に入り込むのを防止することがある。この溶剤は、約15℃〜約100℃の温度で混合物を加熱することによって除去されることがある。さらに、混合物は不活性の雰囲気や真空中で加熱されることがある。
【0029】
代替的実施形態では、金属有機化学蒸着法、反応性プラズマ支援式化学蒸着法、反応性プラズマ支援式物理的蒸着法、化学気相含浸法(chemical vapor infiltration)、あるいはこれらの組み合わせなどの被着技法を利用することによって2ホウ化マグネシウム粒子を高分子前駆体でコートすることがある。
【0030】
ブロック86では、均一の粒子サイズを得るためにこの高分子前駆体でコートした2ホウ化マグネシウム粉末をふるい処理及び/または顆粒化処理にかけることがある。ブロック88では、2ホウ化マグネシウム粉末を熱処理にかけ、2ホウ化マグネシウム粒子上に炭化ケイ素コーティングなどの第2相コーティングを形成すると共に、炭素などのドーパントを2ホウ化マグネシウムの格子内に拡散させている。例示的な一実施形態では、加熱の間に、前駆体の高分子分解や熱分解によって炭化ケイ素が形成され、これによって2ホウ化マグネシウム粒子上に炭化ケイ素コーティングを形成させている。ある種の実施形態では、Jの低下を起こす可能性がある粉末内での非伝導性酸化物の形成を防止するために、その熱処理を無酸素環境内で実施することがある。別の実施形態では、その熱処理を不活性の雰囲気や真空中で実施することがある。
【0031】
さらに、2ホウ化マグネシウム格子内へのドーパントの均一な拡散並びに該全体への第2相粒子の均一な分散を容易にするために、その熱処理が低速度で実施されることがある。一実施形態では、第2相粒子の均一分散及び均一ドーピングを容易にするために、高分子前駆体でコートした2ホウ化マグネシウム粒子が焼結処理を受けることがある。ある種の実施形態では、その熱処理は約1400℃〜約1900℃の範囲の温度で実施されることがある。幾つかの実施形態では、その熱処理が約1時間から約24時間までの範囲の時間期間にわたって実施されることがある。さらに、その熱処理は、約10−6atmから約1atmまでの範囲の圧力で実施されることがある。
【0032】
その2ホウ化マグネシウム粉末がドープされたものか非ドープのものかに関わらず、2ホウ化マグネシウム粉末は、ワイヤ、ケーブル、シートなどの様々な形状になるように延伸を受けることがある。一実施形態では、そのシートを金属内に収容することがある。この実施形態では、金属内に収容した2ホウ化マグネシウムシートからなるこうした合成構造を生成するために同時押出成形(co−extrusion)やスエージ加工(swagging)を利用することがある。本技法の2ホウ化マグネシウム粉末から形成させたケーブルはMRIなどの撮像用途に利用することができる。上述したように、これらのケーブルはI、J及びHが高いため、これらのケーブルをMRI用途における望ましい候補の1つとすることができる。さらに、本技法の2ホウ化マグネシウム粉末は、直径が約1mmから5mmまでの範囲の単一フィラメントまたはマルチフィラメントケーブルになるように容易に延伸させることができる。さらに、これらのケーブルの機械的強度は様々な用途に適合させることができる。例示的な一実施形態では、ワイヤ/ケーブルが受ける応力は約50MPaから約500MPaまでの範囲とすることができ、またワイヤ/ケーブルが受ける歪みは約−1%から約1%までの範囲内とすることができる。一実施形態では、ワイヤ/ケーブルの長さは約10cmから約10cmまでの範囲内とすることができる。
【0033】
図6は、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末のワイヤを製作する方法を表した例示的な一実施形態である。ブロック90では、中空の金属チューブを画定している金属チューブを通過する穴が、ドープされたまたは非ドープの2ホウ化マグネシウム粉末で満たされる。ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末の粒子は、かん状体、ペレット、粉末、粒子、フレーク状、あるいはこれらの組み合わせの形態をしている。一実施形態では、その金属チューブは、銅、銅合金、ステンレス鋼、タンタル、マグネシウム、ニッケル合金、あるいはこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、チューブの半径に対する穴の半径の比は、変形(ブロック94)前において約0.1〜約0.99である。
【0034】
ブロック92では、金属チューブの端部が封止される。引き続きブロック94では、長さを増大させかつ断面積を低下させるように金属チューブが変形される。このワイヤは、所望であればさらに、テープまたは薄膜まで平たくさせることがある。一実施形態では、その金属チューブは、押し出し成形、鍛造、圧延、スエージ加工、延伸あるいはこれらの組み合わせなどの処理を利用することによって変形させることがある。変形処理過程に続いて、このワイヤ、テープまたは薄膜を熱処理しその超伝導特性及び/または機械的特性を向上させることがある。一実施形態では、そのワイヤは約600℃以上の温度で約1時間以上の時間期間にわたって熱処理を受けることがある。
【0035】
ワイヤは平坦なテープや巻き合わせマルチワイヤケーブルなど別の同様の導電性構造となるように形成すると有利なことがある。超伝導ワイヤに関する用途は、超伝導マグネット、モータ、変圧器、発電機などの電磁的デバイスに見出される。一方、こうした電磁的デバイスは、例えば磁気共鳴撮像システムなどのより大型のシステム内に組み込まれることがある。
【0036】
図7は、超伝導ワイヤ98の例示的な一実施形態の断面像を表した概要図である。超伝導ワイヤ98は、ドープされたまたは非ドープの2ホウ化マグネシウム粉末を有する少なくとも1つのフィラメント100を含む。フィラメント100は金属基102内に配置させている。例えば金属基102は、図6を参照しながら上述したような2ホウ化マグネシウム粉末を満たすために利用される金属チューブ材料を含むことがある。図7ではこうしたフィラメント100を7つ図示しているが、超伝導ワイヤ98の内部に包含させるフィラメント100の数は制限を受けることがなく、超伝導ワイヤ98のサイズ、フィラメント100のそれぞれのサイズ及び超伝導ワイヤ98の所望の特性に応じた数にすることができる。例示的な一実施形態では、その超伝導ワイヤ98は概ね0.5mm〜概ね1.0mmの範囲の直径を有することがある。さらに、フィラメント100はその各々が概ね0.02mm〜概ね0.1mmの範囲の直径を有することがある。
【0037】
別の例示的な実施形態では、上述のように超伝導ワイヤ98を形成させた後、ワイヤを通過するAC損失を低下させるためにワイヤに撚りを加えることがある。ワイヤに撚りを加えることにより一般にワイヤを通過する磁束鎖交が低下し、これによりワイヤを通過するAC損失を低下させ得ることが理解されよう。超伝導ワイヤ98内に形成させる撚りの回数は、希望する効果に応じて様々とすることができる。この点は、撚りを加えた超伝導ワイヤ98の「ピッチ」を参照することによって定量化することができる。本明細書で使用する場合、撚りを加えた超伝導ワイヤ98の「ピッチ」とは、ワイヤが1回の完全な回転(捻り)を終えたときにワイヤがずれを生じる長さを意味している。例えば超伝導ワイヤ98が、50mmに等しいワイヤ長で1回の完全な撚りでワイヤが回転するような撚りを受けている場合、その超伝導ワイヤ98は50mmに等しい「ピッチ」を有すると言われる。例示的な一実施形態では、そのピッチは概ね20mm〜概ね200mmの範囲とすることがある。撚りは例えば、200Hz未満の周波数など低周波数用途で特に有利となることがある。
【0038】
ワイヤ98などのドープされたまたは非ドープの2ホウ化マグネシウム超伝導ワイヤの製作に続いて、ワイヤを同様のワイヤと結合させて、互いに結合させた超伝導ワイヤのそれぞれの長さの和に概ね等しい長さを有するような連続長の超伝導ワイヤを生成させることがある。本発明の実施形態においてワイヤ98は、熱溶着、冷間圧接または拡散ボンディング(ただし、これらに限らない)を含め多くの技法のうちの任意の1つによって互いに結合させることがある。拡散結合は、超伝導ワイヤの結合させようとする部分にマクロな変形を伴わない原子移動を通じて実現される固相処理である。接続点またはジョイントあるいは「ジョイント部位」は低抵抗率のジョイントとするのが理想的である。すなわち、ワイヤ98の超伝導的性格を劣化させることがあるようなジョイントを通過する電気抵抗がほとんどまたは全く存在しない。ワイヤ98の様々なセグメントの接続については図9〜16を参照しながらさらに記載することにする。本明細書で使用する場合、「低抵抗率ジョイント」とは「非常に低抵抗率のジョイント」または「永続性ジョイント」とすることがある。本明細書で使用する場合、「低抵抗率ジョイント」は10−8オーム/cm以下のジョイント部位通過抵抗を有する。本明細書で使用する場合、「非常に低抵抗率」のジョイントは概ね10−8オーム/cm〜概ね10−13オーム/cmの範囲のジョイント部位通過抵抗を有する。本明細書で使用する場合、「永続性ジョイント」または「超伝導ジョイント」は10−13オーム/cm以下のジョイント部位通過抵抗を有する。
【0039】
図8は、超伝導ワイヤ98の別の例示的な実施形態の断面像を表した概要図である。図7に示した実施形態の場合と同様に、図8に示した超伝導ワイヤ98は、ドープされたまたは非ドープの2ホウ化マグネシウム粉末を有する少なくとも1つのフィラメント100を含む。フィラメント100は金属基102内に配置させている。幾つかの実施形態では、金属基102はバリア層の役割をするように構成させることがある。別の実施形態では、バリア層101などの追加的なバリア層を、フィラメント100の周りに少なくとも部分的に配置させることがある。これらの実施形態では、ここで図示した実施形態に従ってフィラメント100を金属基102内に配置させる前に、各フィラメント100をバリア層101でコートすることがある。バリア層101は例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、ニッケルなどの非超伝導材料、あるいはニオブなどの超伝導材料を含むことがある。さらに、バリア層101は概ね0.001mm〜概ね0.05mmの範囲の厚さを有することがある。このバリア層101は個々のフィラメント100の間の抵抗値を増加させることによって超伝導ワイヤ98を通過するAC損失を低下させるために利用できるので有利である。さらに、バリア層101を使用すると、フィラメント100と金属基102の間の化学変化に由来した合金形成の可能性を低減させることができる。例示的な一実施形態では、フィラメント100を配置させる金属基102を導入する前に、ドープされたまたは非ドープの2ホウ化マグネシウム粉末をその内部に配置させる(例えば、図6のブロック90)ための金属チューブをバリア層101内に包み込むことがある。
【0040】
上で検討したように、上述の超伝導性2ホウ化マグネシウムワイヤを十分に利用するために、MRI用途などにおいて1つの単一ユニットとして手頃に製作する場合と比べてより長いワイヤ長が要求される(したがって、2本以上のワイヤの連結を要求する)用途でこうしたワイヤを連結する技法を利用することができる。図9〜16を参照しながら以下で記載するように本発明の実施形態に従ってより長いワイヤを提供するために、個々のワイヤの連結は熱的、機械的及び/または化学的手段あるいはこれらの組み合わせを用いて実現することができる。本明細書に記載した技法の多くは、超伝導性配合物のうちジョイント部位の変化に影響を与えるために互いに連結させる部分に向けられた光ビームにより提供されるエネルギーなどの少なくとも1つのエネルギー源を利用する。このエネルギーの超伝導配合物との相互作用によって配合物の加熱が促進されると共に、この温度上昇によって超伝導性配合物の連結が促進される。電子ビーム溶着、レーザー溶着、超音波溶着、プラスマアーク溶着、抵抗溶着、その他は、以下で詳細に記載する技法と連係して使用されることがある。例えばワイヤ端部の変形、プレス、スエージ加工、圧延、延伸、押出加工またはアイソプレスなど他の技法では純粋に機械的な処理過程が利用されることがある(これについては以下でさらに記載することにする)。
【0041】
ここで図9〜11を参照すると、2ホウ化マグネシウムワイヤ(ドープを受けることや受けないことがある)を連結するための一技法を記載し例証している。より具体的には図9は、2本の2ホウ化マグネシウムワイヤを互いに連結させるための方法(その全体を参照番号104で表す)の流れ図であり、また図10及び11は処理過程104の各部分に関する概要を表している。したがって図10及び11については図9の処理過程104を参照しながら記載することにする。本明細書に記載した技法は、図2〜8を参照しながら記載したようなドープされた2ホウ化マグネシウムワイヤ、あるいは非ドープの2ホウ化マグネシウムワイヤを連結してより長いワイヤを形成するために利用されることがあることが理解されよう。さらに、図面及び対応する本文はワイヤを連結するための本技法について2ホウ化マグネシウムフィラメントを有する2本の超伝導性ワイヤを連結するための方法として記載しているが、本方法はさらに、2ホウ化マグネシウムフィラメントを有するあるワイヤを別のワイヤと連結するためにも使用可能であり、この際に第2のワイヤのフィラメントを超伝導性とし2ホウ化マグネシウムとしないか、フィラメントを非超伝導性とする。
【0042】
方法104では、連結しようとする2本のワイヤの端部がブロック106に示したようにかみ合わせ可能構成で準備される。図10を簡単に見ると、それぞれが2ホウ化マグネシウムフィラメント(ドープを受けることや受けないことがある)を有する第1のワイヤ116と第2のワイヤ118について、その端部のかみ合わせ可能構成(図9のブロック106)での準備後の状態を表している。具体的には、ワイヤ116は金属クラッドまたはチューブ122により囲繞された2ホウ化マグネシウムフィラメント120を含む。この金属クラッド122は例えば銅やステンレス鋼を含むことがある。さらにワイヤ116は拡散バリア124を含むことがある。同様にワイヤ118は、金属クラッドまたはチューブ128により囲繞されると共に拡散バリア130を有する2ホウ化マグネシウムフィラメント126を含む。ワイヤ116をかみ合わせ可能構成で準備するために、2ホウ化マグネシウムフィラメント120の一部分がボア穴132を提供するように除去されている。2ホウ化マグネシウムフィラメントの一部分を取り除いてボア穴132を作成するためには、2ホウ化マグネシウムフィラメント120は、例えばピックを用いて機械的に穴ぐりすることが可能であり、あるいは2ホウ化マグネシウム材料を溶解させ、拡散バリア124や金属チューブ122は溶解させないような適当な化合物を用いて化学的に穴ぐりされることもある。例えば第1のワイヤ116内にボア穴132を作成するために、硝酸(HNO)などの化合物が用いられることがある。
【0043】
ワイヤ118は、金属クラッド128及び拡散バリア130の一部分を除去して2ホウ化マグネシウムフィラメント126の延長部分134を露出させることによってかみ合わせ可能に準備されている。金属クラッド128及び拡散バリア130は機械的または化学的手段を用いて剥ぎ取られることがある。2ホウ化マグネシウムフィラメントの延長部分134の長さは、ワイヤ116内のボア穴132の深さと概ね同じ長さになるように構成されている。本明細書で使用する場合、この構成のことを「かみ合わせ可能構成」と呼んでおり、これによりワイヤ118の延長部分134はワイヤ116のボア穴132とかみ合うような構成としたサイズとなる。
【0044】
再度図9を参照すると、かみ合わせ可能構成(ブロック106)でワイヤの端部を準備した後、延長部分を有するワイヤ(例えば、図10のワイヤ118)の端部がブロック108に示したようにボア穴を有するワイヤ(例えば、図10のワイヤ116)内に挿入される。ワイヤの端部をかみ合わせ可能に挿入した後、ブロック110に示したように、ジョイント部位に対して機械的強度を提供できるような別の材料並びに銅や鋼鉄などの拡散バリア及び/または電気的クエンチ媒質を用いてジョイント部位に対してラッピングまたはスリーブをはめている。ジョイント部位をラッピングした後、ブロック112に示したように、このジョイントは超伝導領域の形成を支援するような局所性加熱を受けることがある。
【0045】
図11は、図9の処理過程104を利用してワイヤ116及び118(図10)をかみ合わせ可能結合させた後のジョイント部位136を表している。図11に示すように、ワイヤ116及び118はかみ合わせ可能に結合されており、またジョイント136は追加的な機械的強度、拡散バリア及び/または電気的クエンチ媒質を提供できるような材料138によって囲繞されている。例えば材料138は上述のように銅または鋼鉄からなることがある。
【0046】
ここで図12〜16を参照すると、本発明の実施形態に従って超伝導ワイヤを連結するための追加的実施形態を表している。具体的には図12は、本技法の実施形態に従って2本の超伝導2ホウ化マグネシウムワイヤ(ドープを受けることや受けないことがある)を連結するための方法140を表した流れ図である。図13〜16は、方法140の様々な実施形態に関する理解を支援するための概要図である。一般に、図12〜16を参照しながら説明している連結技法は、2ホウ化マグネシウムジョイント材料をワイヤの端部に導入する工程と、ワイヤの端部が互いに電気的かつ機械的に結合されるようにジョイント部位を処置する工程と、を利用する。一般に、ジョイント部位を処置する工程は、化学的処理過程、機械的処理過程、熱的処理過程、あるいはこれらの組み合わせ過程によって実施することができる。例えば一実施形態では、その処理過程はジョイント部位を高密度化するようにワイヤの端部を変形する工程と、該ジョイント部位内の材料を焼結させるためにジョイント部位を加熱する工程と、を含むことがある。2ホウ化マグネシウムジョイント材料に加えてジョイント部位には、ジョイント部位の電気的性能と超伝導性を支援し永続的な結合を提供するために多くの別の材料が導入されることがある。図13〜16に表した概要図は、方法140の様々な実施形態の説明に関する詳細事項を提供する。しかし最初は、方法140の各工程について全般的に説明することにする。
【0047】
ここで図12を参照すると、方法140の第1の工程はブロック142に示したように、連結しようとするワイヤの端部を清浄し準備することである。次にブロック144に示したように、ジョイント材料がジョイント部位に導入されることがある。ジョイント材料の導入は図13〜16を参照しながら以下でさらに記載し例証することにする。ジョイント材料の導入の後、ワイヤの端部(すなわち、ジョイント部位)は、ブロック146に示したようにワイヤの端部及びジョイント材料が互いに電気的かつ機械的に結合されるように処置されることがある。
【0048】
ジョイント部位は、化学的処理過程、機械的処理過程、熱的処理過程、あるいはこれらの組み合わせを利用することによって処置されることがある。ジョイント部位を処置することによって、2本のワイヤの2ホウ化マグネシウムフィラメントと2ホウ化マグネシウムジョイント材料とが互いに電気的かつ機械的に結合されることになる。利用し得る例示的な化学的処理過程には、スラリー成分の気化、スラリー成分の硬化、スラリー成分の揮発、昇華や発熱反応などの反応ベースの処理過程(ただし、これらに限らない)が含まれる。利用し得る例示的な機械的処理過程には、変形、プレス、スエージ加工、圧延、延伸、押出加工またはアイソプレス(ただし、これらに限らない)が含まれる。利用し得る例示的な熱的処理過程には、放射、対流、誘導、抵抗、rricting、電気的アーク、レーザー処理または電子ビーム処理による加熱を通じて与えられる固体状態焼結、液相焼結、焼きなましまたは拡散ボンディング(ただし、これらに限らない)が含まれる。機械的、熱的及び化学的な処理過程の組み合わせ(例えば、熱間プレス、反応性レーザー焼結、など)が利用されることもある。
【0049】
図13は図12の方法140に従って製作したジョイント150の一実施形態を表した概要図である。図13に表した実施形態では、ジョイント150は突合せジョイントである。図13には突合せジョイントを表しているが、ジョイント150は別の多くの幾何学構成をなすことがあり得ることが理解されよう。例えばジョイント150の幾何学構成は、例えばスカーフジョイント、ラップジョイント、ブライドル/ボックスジョイント、テレスコープ型ジョイントまたはブリッジジョイントをなすことがあり得る。図示したように、第1のワイヤ152の端部は第2のワイヤ154の端部に結合されている。ワイヤ152及び154のそれぞれは、伝導性クラッド158により囲繞された2ホウ化マグネシウムフィラメント156(ドープを受けることや受けないことがある)を含む。図示していないが、ワイヤ152及び154は上で記載したように拡散バリア層など別の層を含むことがある。図13に表した実施形態において方法140では、ワイヤ152及び154の端部は当初、図12のブロック142に示したようにして準備される。ワイヤ152及び154の端部は、各ワイヤ152及び154の2ホウ化マグネシウムフィラメント156を露出させるように切削または正方形切断されている。ワイヤ152及び154の端部は端部の正方形切断によって生じた屑をすべて除去するように清浄されると共に、ワイヤ152及び154は互いにごく接近させて配置される。
【0050】
次にジョイント材料160が導入される(図12のブロック144)。ジョイント材料160は、液体または粉末形態をした2ホウ化マグネシウム(ドープを受けることや受けないことがある)を含むことがある。別法としてその連結材料160は、別の材料と組み合わせた2ホウ化マグネシウムを含んだ2ホウ化マグネシウム複合物を含むことがある。例えばその2ホウ化マグネシウム材料は、例えばNbSn、NbTi、YBCO及び関連化合物、BiStCaCuO、TlBaCaCuOまたはHgBaCaCuOの超伝導材料群に関連する任意の配合物などの従来の低温及び/または高温超伝導体と組み合わされることがある。これらの追加的な材料は2ホウ化マグネシウム以外の高温超伝導(HTS)材料とすることがあり、あるいは非超伝導材料とすることがある。これらの材料は、ワイヤ152及び154の2ホウ化マグネシウムフィラメント156の場合の値を超えるその超伝導遷移温度に基づいて2ホウ化マグネシウムワイヤの端部に連結された後に超伝導特性を保持するような連結/フラックス剤の役割をすることがある。別の例示的な実施形態ではその連結材料160は、YBa2Cu3O(7−d)など高い遷移温度を有するクプラートと混合させた2ホウ化マグネシウム粉末を含むことがある。さらにまたそのジョイント材料160は、クプラートに酸化マグネシウム、炭化物、ホウ化物、酸化物などの析出物を加えたものを含むことがある。別の実施形態ではそのジョイント材料160は、2ホウ化マグネシウム(ドープを受けることや受けないことがある)とはんだなどの抵抗性材料からなる複合物を含むことがある。さらにまたそのジョイント材料160は、2ホウ化マグネシウムと2ホウ化マグネシウム粉末の複合物、あるいはドープした2ホウ化マグネシウムと非ドープの2ホウ化マグネシウムの複合物を含むことがある。
【0051】
ジョイント材料160をワイヤの端部に導入した後、ジョイント部位は銅や鋼鉄など後から拡散バリアまたは電気的クエンチ媒質の役割をすることになる別の材料でラッピングされることがある。このラッピング材料162によってさらにジョイント150に対して機械的強度が提供されることがある。ジョイント材料160及びラッピング材料162を被着させた後、ワイヤ152及び154の端部は図12のブロック146に示したように、ジョイント材料160を介して2ホウ化マグネシウムフィラメント156を電気的及び機械的に連結するように処置されることがある。一実施形態ではそのワイヤ152及び154の端部は、ジョイント部位及び2ホウ化マグネシウムフィラメント156をジョイント材料160と共に高密度化し機械的結合を形成するように変形されることがある。この変形は、低温スエージ加工(cold swagging)、磁気パルス変形あるいはジョイント材料160の高密度化の役割をする別の任意の手段によって実行されることがある。ワイヤ152及び154の端部並びに高密度化ジョイント材料160は次いで、ジョイント150を焼結させるように局所加熱を受け、これにより例えば永続性超伝導となった領域が形成されることがある。
【0052】
ここで図14を見ると、突合せジョイント164の代替的実施形態を表している。図14に表した実施形態では、準備工程(図12のブロック142)の間に、クラッド材料158が各ワイヤ152及び154の端部から剥ぎ取られ、これによってクラッド材料158から突出させた2ホウ化マグネシウムフィラメント156の延長部分が残される。2ホウ化マグネシウムフィラメント156の突出部分を露出させることによって、フィラメント156とジョイント材料160の間の電気的結合が改善されることがあるので有利である。さらにこの実施形態では、その材料160は中実のジョイント材料(例えば、2ホウ化マグネシウム、ホウ素、あるいは中実のジョイント材料160が各ワイヤ152及び154の露出させた2ホウ化マグネシウムフィラメント156の突出した端部をかみ合わせ可能に受け入れるように構成されるようにして両側にボアを有するHTS材料)を含むことがある。
【0053】
ここで図15を見ると、図12の方法140に従って製作されたジョイント166の別の実施形態を表している。図15に表した実施形態では準備工程(ブロック142)の間に、そのワイヤ152及び154の端部は、各ワイヤ152及び154の2ホウ化マグネシウムフィラメントの粗面の端部、並びにクラッド材料158の粗面の端部が得られるように端部をシュレッダー加工してジョイント部位の形成を支援することによって準備される。これらの端部は例えば硝酸を用いてシュレッダー加工され、各ワイヤ152及び154のブラシ様またはほうき様(broom−like)の端部を生成させることがある。このシュレッダー加工端部によって機械的安定性及び接触表面積の増大をもたらすことができる。ここでは、2ホウ化マグネシウム/はんだ複合物168がジョイント材料として導入されている。ジョイント処置(ブロック146)の間に、2ホウ化マグネシウム/はんだ複合物168はクラッド158並びにワイヤ152及び154の2ホウ化マグネシウムフィラメント156と接触状態になるように機械的応力を受ける。ジョイント部位166はさらに、加熱処理過程の間に焼結させることがある。
【0054】
図16は、図12の方法140に従って製作できるさらに別のジョイント170の概要図を表している。図16に示すようにジョイント170は、2ホウ化マグネシウムフィラメント156と比べて有する臨界温度がより高いクプラート材料172を含む。さらにジョイント170は例えば、酸化マグネシウム、炭化物、ホウ化物または別の酸化物などの析出物174を含む。ジョイント材料(ここでは、クプラート172及び析出物174)がクラッド材料162によって囲繞されている。さらに図16の実施形態はさらに、ジョイント170の頑強性を高めるためにジョイント領域170の端部の周りに配置させたヒートシンク176を含む。このヒートシンク176は例えば、銀やはんだを含むことがある。
【0055】
さらに別の実施形態では、超伝導フィラメントの露出させた端部、並びにドープされた2ホウ化マグネシウム粉末、2ホウ化マグネシウム粉末、あるいはマグネシウム粉末とホウ素粉末の組み合わせを含む充填材料からなる重複セクションが抵抗性に加熱される。この加熱によって、2ホウ化マグネシウムを生成するためのマグネシウムとホウ素の間の化学変化が促進される。2ホウ化マグネシウムは超伝導ワイヤの結合を容易にするために使用されることがある。
【0056】
一実施形態では、その結合が一般に約650℃〜約1000℃の温度で実施される。第1の超伝導ワイヤの第1の端部と第2の超伝導ワイヤの第2の端部の間に「ブリッジ超伝導断面」が得られるような方式で結合を実施することが一般に望ましい。ブリッジ超伝導断面がフィラメントまたテープ上の超伝導断面より小さいときは、接続された超伝導素子内の電流搬送容量がこのブリッジ超伝導断面によって制限される。したがって、ブリッジ超伝導断面は、フィラメントまたはテープ上の超伝導断面と少なくとも同程度の大きさとすることが好ましい。
【0057】
形成させたジョイントの電流搬送容量は、当該溶着の両側で電圧探触子を超伝導フィラメントテープにはんだ付けすることによって試験することができる。ジョイントが超伝導体の臨界温度未満に冷却されると共に、探触子間の電圧変化を監視しながらこの溶着を通過する電流量を増加させる。十分な電圧変化(例えば、約0.02マイクロボルト)が検出された電流が臨界電流である。溶着の電流搬送容量がフィラメント及び/またはテープの電流搬送容量未満であれば、ジョイント内のブリッジの数またはブリッジのサイズを増加させ、より大きなブリッジ超伝導断面を形成することができる。
【0058】
上で述べたように、これらの結合方法は、平たいテープ、複数のワイヤから形成させた積層式(laminated)ワイヤ、及び巻き合わせマルチワイヤケーブル(ただし、これらに限らない)を含む導電性構造内で有利に使用可能な超伝導ワイヤの拡張セクションを作成するために有効に使用することができる。超伝導ワイヤの用途は、モータ、変圧器及び発電機向けの超伝導マグネット(ただし、これに限らない)などの電磁的デバイスに見出される。一方こうした電磁的デバイスは、例えば磁気共鳴撮像システムなどのこれよりより大きなシステム内に組み込まれることがある。
【0059】
本技法の2ホウ化マグネシウム粉末についてMRI用途に関連して記載してきたが、上で開示した2ホウ化マグネシウム粉末は、発電、発電機、モータ、障害電流制限器、あるいは別の任意の超伝導用途など別の幾つかの技法でも利用され得ることが理解されよう。
【0060】
本発明のある種の特徴についてのみ本明細書において図示し説明してきたが、当業者によって多くの修正や変更がなされるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲に属するこうした修正や変更のすべてを包含させるように意図したものであることを理解されたい。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本技法のある種の実施形態による医用診断撮像で使用するためのMRIシステムを表した概要図である。
【図2】複数の粒子上に炭化ケイ素粒子を配置させた2ホウ化マグネシウム粉末の断面図である。
【図3】複数の粒子上に炭化ケイ素粒子を配置させた2ホウ化マグネシウム粉末の断面図である。
【図4】本技法のある種の実施形態による2ホウ化マグネシウム粉末を製造する例示的な方法を表した流れ図である。
【図5】本技法のある種の実施形態による2ホウ化マグネシウム粉末を製造する例示的な方法を表した流れ図である。
【図6】本技法のある種の実施形態によるワイヤを製作する例示的な方法を表した流れ図である。
【図7】図6の方法を用いて製作したワイヤの断面概要図である。
【図8】図7に表したワイヤの代替的実施形態を表した概要図である。
【図9】本技法のある種の実施形態に従ってワイヤを製作する一方法を表した流れ図である。
【図10】図9の方法に従って製作したワイヤを表した概要図である。
【図11】図9の方法に従って製作したワイヤを表した概要図である。
【図12】本技法のある種の実施形態によるワイヤを製作する別の方法を表した流れ図である。
【図13】図12の方法に従って製作したワイヤを表した概要図である。
【図14】図12の方法に従って製作したワイヤを表した概要図である。
【図15】図12の方法に従って製作したワイヤを表した概要図である。
【図16】図12の方法に従って製作したワイヤを表した概要図である。
【符号の説明】
【0062】
10 磁気共鳴撮像(MRI)システム
12 スキャナ
14 スキャナ制御回路
16 システム制御回路
18 患者ボア
20 テーブル
22 患者
24 主マグネットコイル
26 傾斜コイル
28 傾斜コイル
30 傾斜コイル
32 RFコイル
34 電源
36 制御回路
38 メモリ回路
40 制御回路
42 受信インタフェース回路
44 インタフェース構成要素
46 オペレータ制御装置
48 コンピュータモニタ
50 コンピュータキーボード
52 コンピュータマウス
54 プリンタ
56 ローカル及びリモートの画像アクセス/検査制御デバイス
58 ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末
60 2ホウ化マグネシウム粒子
62 第2位相粒子
64 2ホウ化マグネシウム粉末
66 2ホウ化マグネシウム粒子
68 薄膜
70 厚さ
72〜74 方法工程
76〜88 方法工程
90〜94 方法工程
98 超伝導ワイヤ
100 フィラメント
101 バリア層
102 金属基
104〜112 方法工程
116 第1のワイヤ
118 第2のワイヤ
120 2ホウ化マグネシウムフィラメント
122 金属クラッド
124 拡散バリア
126 2ホウ化マグネシウムフィラメント
128 金属クラッド
130 拡散バリア
132 ボア穴
134 延長部分
136 ジョイント
138 材料
140〜146 方法工程
150 ジョイント
152 第1のワイヤ
154 第2のワイヤ
156 2ホウ化マグネシウムフィラメント
158 クラッド材料
160 ジョイント材料
162 ラッピング材料
164 突合せジョイント
166 ジョイント
168 2ホウ化マグネシウム/はんだ複合物
170 ジョイント
172 クプラート材料
174 析出物
176 ヒートシンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ(116、118、152、154)を連結する方法(140)であって、
ジョイント部位(136、150、164、166、170)において第1のワイヤ(116、152)の端部及び第2のワイヤ(118、154)の端部に2ホウ化マグネシウムジョイント材料を導入する工程(144)であって、該第1及び第2のワイヤ(116、118、152、154)のうちの少なくとも1つは超伝導2ホウ化マグネシウムフィラメント(120、126、156)を備える導入工程と、
前記第1のワイヤ(116、152)の端部と前記第2のワイヤ(118、154)の端部が前記ジョイント材料を介して電気的かつ機械的に結合されるようにジョイント部位(136、150、164、166、170)を処置する工程(146)と、
を含む方法。
【請求項2】
ジョイント部位(136、150、164、166、170)を処置する前記工程(146)は、前記第1及び第2のワイヤ(116、118、152、154)の各々のフィラメント(120、126、156)と前記2ホウ化マグネシウムジョイント材料を高密度化させるように該ジョイント部位(136、150、164、166、170)を変形させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ジョイント部位(136、150、164、166、170)を処置する前記工程(146)は、前記第1及び第2のワイヤ(116、118、152、154)の各々のフィラメント(120、126、156)と前記2ホウ化マグネシウムジョイント材料を焼結させるように該ジョイント部位(136、150、164、166、170)を加熱する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ジョイント部位(136、150、164、166、170)を処置する前記工程(146)は、気化、昇華または揮発、あるいはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ジョイント部位(136、150、164、166、170)を処置する前記工程(146)は、スエージ加工、圧延、延伸、押出加工またはアイソプレス、あるいはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ジョイント部位(136、150、164、166、170)を処置する前記工程(146)は、固体状態焼結、液相焼結、焼きなまし、融解または拡散ボンディング、あるいはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ジョイント部位(136、150、164、166、170)を処置する前記工程(146)は、放射、対流、誘導、抵抗、レーザー処理または電子ビーム処理、あるいはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
2ホウ化マグネシウム(120、156)を含む超伝導フィラメントを有する第1のワイヤセグメント(116、152)と、
2ホウ化マグネシウム(126、156)を含む超伝導フィラメントを有する第2のワイヤセグメント(118、154)と、
前記第1のワイヤセグメント(116、152)を前記第2のワイヤセグメント(118、154)に結合させている2ホウ化マグネシウムを含んだ低抵抗率ジョイント(136、150、164、166、170)と、
を備える超伝導ワイヤ(98)。
【請求項9】
前記低抵抗率ジョイント(136、150、164、166、170)はジョイント(136、150、164、166、170)の通過抵抗が10−13オーム/cm以下の永続性ジョイントを含む、請求項8に記載の超伝導ワイヤ(98)。
【請求項10】
前記低抵抗率ジョイント(136、150、164、166、170)は2ホウ化マグネシウムと少なくとも1つの別の材料からなる複合材を含む、請求項9に記載の超伝導ワイヤ(98)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−258158(P2008−258158A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79436(P2008−79436)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】