説明

ワイヤーハーネス用プロテクタ

【課題】車体からプロテクタを容易に取り外せるようにするワイヤーハーネス用プロテクタを提供する。
【解決手段】断面略U字状のプロテクタ本体10と蓋体20とからなり、蓋体の四隅に、下方へ長く延びたロックアーム25が形成されている。各ロックアームの上部には、プロテクタ本体の側壁外面の係合枠15に係合する蓋体固定用フック27が設けられ、下端には外向きに、車体パネル50の係止孔51に係合するプロテクタ本体固定用フック26が設けられている。プロテクタ本体の底壁11と蓋体20の天壁21には、左右方向に伸縮自在なU字状のバネ部13、23が設けられ、バネ部の付勢方向が、プロテクタ本体固定用フック26を車体パネルの係止孔に係合させる方向に設定されている。従って、力Fで側壁12を左右から押すことで、フック26の係合を外して、プロテクタを車体パネルから取り外すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用のワイヤーハーネス用プロテクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6は、特許文献1に記載された従来のワイヤーハーネス用プロテクタの例を示している。
【0003】
このプロテクタは、内部にワイヤーハーネスWを収容可能な上面が開口した断面U字状のプロテクタ本体110と、このプロテクタ本体110の上面開口を塞ぐ蓋体120と、からなる。
【0004】
プロテクタ本体110の底壁の下面には、プロテクタ本体110を車体パネル150の係止孔151に固定するためのロック部117、118が設けられている。また、プロテクタ本体110と蓋体120には、蓋体120を、プロテクタ本体110の上面開口を塞いだ状態でロックするためのロック突起115及びロック枠125が設けられている。
【特許文献1】特開平11−41743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両には多数のワイヤーハーネスが使用されており、車両の解体時にリサイクルのため、ワイヤーハーネスを容易に取り外せるようにしたいという要望がある。
【0006】
ワイヤーハーネスの取り外しの際には、例えば、ワイヤーハーネスを車体に固定しているプロテクタごと車体から外さなくてはならないが、上述のプロテクタの場合、プロテクタ本体110のロック部117、118が車体パネル150から容易に外れないために、ロック部117、118を破損させながら、強い力でワイヤーハーネスWを引き上げなくてはならず、容易にワイヤーハーネスWを取り外すことが困難であった。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮し、通常の取付時においては作用しない方向の小さい力を加えるだけで、容易に車体から取り外すことのできるワイヤーハーネス用プロテクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明のワイヤーハーネス用プロテクタは、底壁と左右両側壁を有し、上面が開口し、内部にワイヤーハーネスを収容可能な断面略U字状のプロテクタ本体と、該プロテクタ本体の上面開口を塞ぐ天壁を有した蓋体と、前記蓋体を、前記プロテクタ本体の上面開口を塞いだ状態で、プロテクタ本体に固定する蓋体ロック手段と、前記プロテクタ本体を車体パネルに固定するプロテクタ固定手段と、を備えたワイヤーハーネス用プロテクタにおいて、前記プロテクタ固定手段として、前記プロテクタ本体の左右方向の両側部に、下方に向けて延出し、且つ、先端部が前記車体パネルの係止孔に対して挿脱自在な左右ロック片が設けられると共に、該左右ロック片の各先端部に、側方に向けて突出し、且つ、前記各ロック片の先端部が前記車体パネルの係止孔に挿入された状態で該係止孔の孔縁に係合することにより、該ロック片を抜け止めするプロテクタ本体固定用フックが設けられ、一方、前記プロテクタ本体の底壁の前記左右ロック片の中間位置に、該底壁を左右方向に伸縮可能とする第1バネ部が設けられ、該第1バネ部による前記底壁の付勢方向が、前記プロテクタ本体固定用フックが前記係止孔の孔縁に係合する方向に設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、前記プロテクタ本体固定用フックが前記左右ロック片に外向きに設けられると共に、前記第1バネ部による付勢方向が外向きに設定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、前記ロック片が、前記プロテクタ本体の矩形状の底部の四隅に配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、前記蓋体の天壁に、該天壁を左右方向に伸縮可能とする第2バネ部が設けられ、該第2バネ部による前記天壁の付勢方向が、前記第1バネ部の付勢方向と同じ方向に設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、前記プロテクタ本体の底壁に設けた第1バネ部と前記蓋体の天壁に設けた第2バネ部とが共に、前記底壁及び天壁をそれぞれプロテクタの内方に向けてU字状に湾曲させることによって構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、前記蓋体ロック手段として、前記蓋体の左右両側部に、下方に向けて長く延出し、且つ、前記プロテクタ本体の左右両側壁に設けられた係合枠の係合孔に挿脱自在なロックアームが設けられ、該ロックアームの上部に、側方に向けて突出し、且つ、前記ロックアームが前記係合枠の係合孔に挿入された際に、該係合枠に係合することで、前記ロックアームを抜け止めして、前記蓋体をプロテクタ本体に固定する蓋体固定用フックが設けられ、前記蓋体をプロテクタ本体にロックした状態において、前記ロックアームの、プロテクタ本体の底部から下方へ延びる下端部が、前記プロテクタ固定手段としてのロック片を兼用していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、第1バネ部の付勢力に抗して、プロテクタ本体の底壁を変形させると、左右ロック片の先端に設けてあるプロテクタ本体固定用フックが、車体パネルの係止孔の孔縁から外れる。従って、その状態で、ロック片を係止孔から引き抜くことにより、プロテクタ本体を車体から容易に取り外すことができる。また、車体にプロテクタを取り付ける際には、左右ロック片の先端を車体パネルの係止孔に差し込むと、係止孔の裏側で、プロテクタ本体固定用フックが第1バネ部の付勢力によって係止孔の孔縁に係合してロック片が抜け止めされるので、プロテクタ本体を車体に固定することができる。従って、工具を使用しないで、プロテクタを車体に固定することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、プロテクタ本体の両側壁を左右から押すだけで、プロテクタ本体固定用フックと車体パネルの係止孔の係合を解除することができる。従って、プロテクタの取り外し操作が簡単にできる。
【0016】
請求項3の発明によれば、プロテクタの四つの角部を固定できるため、頑丈に車体にプロテクタを固定することができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、蓋体もプロテクタ本体と同じ方向にバネ性を持つようにしてあるので、蓋体の天壁とプロテクタ本体の底壁の両方を、バネ部の付勢力に抗して変形させることによって、無理なく容易にプロテクタを車体から取り外すことができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、プロテクタ本体の底壁にある第1バネ部と蓋体の天壁にある第2バネ部が共に、プロテクタの内方に向けてU字状に湾曲した部分により構成されているので、上下のバネ部によって、プロテクタの内部空間に仕切りを形成することができ、ワイヤーハーネスをプロテクタ内部に左右に分けて収容することができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、蓋体ロック手段として設けられロックアームの下端部が、プロテクタ固定手段としてのロック片を兼用しているので、ロック構造の簡略化を図ることができる。また、蓋体を直接車体パネルに固定することによって、プロテクタの全体を車体に固定することになるので、頑丈に車体にプロテクタを固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は実施形態のワイヤーハーネス用プロテクタの構成図で、プロテクタ本体と蓋体を組み立てる前の状態を示す斜視図、図2はプロテクタ本体と蓋体を組み立てて車体パネルに取り付ける前の状態を示す斜視図、図3は車体パネルに取り付けた後の状態を示す斜視図、図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5は図4の状態からプロテクタを取り外す際の途中の状態を示す断面図である。
【0022】
このワイヤーハーネス用プロテクタ1は、図1〜図3に示すように、共に樹脂成形品よりなるプロテクタ本体10と蓋体20とからなるもので、車体パネル50に取り付け固定されるものとして構成されている。プロテクタ本体10は、底壁11と左右両側壁12を有し、上面が開口し、内部にワイヤーハーネスWを収容可能な断面略U字状のものであり、蓋体20は、プロテクタ本体10の上面開口を塞ぐ天壁21を有するものである。
【0023】
プロテクタ本体10の底壁11の左右幅方向の中央には、底壁11を左右方向に伸縮可能とする第1バネ部13が設けられている。また、蓋体20の天壁21の左右幅方向の中央にも、天壁21を左右方向に伸縮可能とする第2バネ部23が設けられている。これら第1、第2バネ部13、23は、それぞれ底壁11及び天壁21をプロテクタの内方に向けてU字状に湾曲させることによって構成されており、図4に示すように、車体パネル50に取り付けた状態で、左右方向の外側に向けて付勢力を発生するように設定されている。
【0024】
この場合、図4に示すように、プロテクタ本体10側のU字状の第1バネ部13と、蓋体20側のU字状の第2バネ部23の最接近部の距離Hは、収容する2本のワイヤーハーネスWの径Dよりも小さくなるように設定されており、これにより、プロテクタ1の内部を2つの空間に仕切っている。
【0025】
図1、図2に示すように、蓋体20の左右両側の四隅には、蓋体20を、プロテクタ本体10の上面開口を塞いだ状態で、プロテクタ本体10に固定するための蓋体ロック手段としてのロックアーム25が設けられている。これら各ロックアーム25の先端部(下端部)は、プロテクタ本体10を車体パネル50に固定するためのロック片(プロテクタ固定手段)を兼用するものであり、ロックアーム25は、蓋体20をプロテクタ本体10にロックした状態において、プロテクタ本体10の底部から下方へ下端部が適当な長さだけ突出する長さに設定され、そのプロテクタ本体10の底部から下方へ突出した部分が、プロテクタ固定手段としてのロック片として機能するように構成されている。
【0026】
これらロックアーム25は、プロテクタ本体10の左右両側壁12の外面に設けられた係合枠15の上下方向に貫通した係合孔にそれぞれ挿脱自在なものであり、ロックアーム25の上部には、ロックアーム25が係合枠15の係合孔に挿入された際に、係合枠15に係合することで、ロックアーム25を抜け止めして、蓋体20をプロテクタ本体10に固定する蓋体固定用フック27が設けられている。
【0027】
また、プロテクタ固定用のロック片として機能するロックアーム25の下端部は、車体パネル50の係止孔51に対して挿脱自在なものとして構成されており、それぞれ各下端部には、側方に向けて突出したプロテクタ本体固定用フック26が設けられている。これらのプロテクタ固定用フック26は、各ロックアーム25の下端部が車体パネル50の係止孔51に挿入された状態で、係止孔51の孔縁に係合することにより、ロックアーム25を抜け止めして、プロテクタ1を車体パネル50に固定するものである。
【0028】
この場合、プロテクタ本体固定用フック26は、ロックアーム25に外向きに突設されており、第1、第2バネ部13、23の付勢力により、係止孔51の孔縁(外側の孔端)に係合するようになっている。
【0029】
なお、車体パネル50の係止孔51の左右方向の幅Sは、プロテクタ本体固定用フック26の係合代βとロックアーム25の厚さtの合計よりも若干大きめ(S>β+t)に設定されており、フック26を外す際に、係止孔51の内端に当たるまでロックアーム25を移動すれば、フック26を係止孔51から楽に抜けるようになっている。従って、この場合の片側のロックアーム25の移動代αは、係止孔51の幅Sからロックアーム25の肉厚tを引いた値(α=S−t)になる。
【0030】
次に作用を説明する。
【0031】
このワイヤーハーネス用プロテクタ1を用いてワイヤーハーネスWを車体パネル50に固定する場合は、まず、図1、図2に示すように、プロテクタ本体10の内部にワイヤーハーネスWを収容して、蓋体20をプロテクタ本体10の上に被せる。そして、ロックアーム25の先端(下端)を、プロテクタ本体10の側壁12の外面に設けた係合枠15の係合孔に上から下に向けて通し、蓋体固定用フック27の位置までロックアーム25を係合枠15に通す。そうすると、蓋体固定用フック27が係合枠15に係合し、蓋体20とプロテクタ本体10がロックされる。この状態で、ロックアーム25の下端部は、プロテクタ本体10の底部より下方へ突出する。
【0032】
次に、図3、図4に示すように、ロックアーム25の下端部を車体パネル50の各係止孔51に上から差し込む。そうすると、第1、第2バネ部13、23の付勢力により、左右のロックアーム25は外向きに付勢されているので、ロックアーム25の下端部に設けた外向きのプロテクタ本体固定用フック26が、車体パネル50の係止孔51の外側に孔縁に係合し、ロックアーム25が車体パネル50に抜け止めされて、プロテクタ1が車体に固定される。
【0033】
この場合、4つのロックアーム25により、プロテクタ1を四隅で固定できるため、頑丈に車体にプロテクタ1を固定することができる。
【0034】
また、この取り付け状態において、プロテクタ本体10の底壁11にある第1バネ部13と蓋体20の天壁21にある第2バネ部23が、プロテクタ1の内部空間に左右に仕切るので、2本のワイヤーハーネスWをプロテクタ1の内部に左右に分けて安定して収容することができる。
【0035】
次に、車両解体時などにおいてワイヤーハーネスWを車体から取り外す必要が生じた場合は、図4に示すように、第1、第2バネ部13、23の付勢力に打ち勝つ力Fで、プロテクタ本体10の側壁12を左右から押すことにより、バネ部13、23を圧縮させる。そして、左右のロックアーム25が係止孔51の内端に当たるまで、ロックアーム25間の間隔LをLー2αに縮める。
【0036】
そうすると、図5に示すように、左右のロックアーム25の先端(下端)に設けてあるプロテクタ本体固定用フック26が、車体パネル50の係止孔51の孔縁から外れる。従って、その状態で、ロックアーム25の先端を係止孔51から引き抜くことにより、プロテクタ1を車体から容易に取り外すことができる。従って、ワイヤーハーネスWの解体を容易に行うことができるようになる。
【0037】
この場合、プロテクタ本体10の両側壁12を左右から押すだけで、プロテクタ本体固定用フック26と係止孔51の係合を解除することができるので、プロテクタ1の取り外し操作が簡単にできる。
【0038】
また、プロテクタ本体10ばかりでなく、蓋体20にも、プロテクタ本体10と同じ方向の付勢力を発揮する第2バネ部23を設けてあるので、車体パネル50に対するプロテクタ本体固定用フック26の係合力を強くすることができるし、蓋体20の天壁21とプロテクタ本体10の底壁11の両方に伸縮性を付与できるので、無理なく容易にプロテクタ1を車体パネル50から取り外すことができる。
【0039】
また、本実施形態では、蓋体ロック手段として設けられロックアーム25の下端部で、プロテクタ固定手段としてのロック片を兼用しているので、ロック構造の簡略化を図ることができるし、蓋体20を直接車体パネル50に固定することができるので、プロテクタ1の全体を車体に頑丈に固定することができる。
【0040】
なお、上記実施形態においては、蓋体20をプロテクタ本体10に固定するロックアーム25の下端部を、プロテクタ1を車体に固定するロック片として兼用しているが、別々に設けてもよい。つまり、蓋体20の固定のための蓋体ロック手段と、プロテクタ1の固定のためのプロテクタ固定手段を、独立してそれぞれに設けてもよい。
【0041】
また、上記実施形態においては、底壁11や天壁21をU字状に湾曲させることでバネ部13、23を構成しているが、それ以外の構成のバネ部を設けてもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、プロテクタ本体10と蓋体20の両方にバネ部13、23を設けた場合を示しているが、少なくともプロテクタ本体10の底壁11にバネ部13が設けられていれば、ロックアーム25間の間隔を縮めてロックを外すことはできる。
【0043】
また、上記実施形態においては、ロックアーム25をプロテクタ1の四隅に設けた場合を示しているが、長さの短いプロテクタの場合は、左右対にしてロックアーム25を設けさえすれば、上記と同様の効果を得ることができる。
【0044】
また、上記実施形態においては、プロテクタ本体固定用フック26の向きと、第1、第2バネ13、23の付勢力の向きとを外向きに設定した場合を示したが、内向きに設定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態のワイヤーハーネス用プロテクタの構成図で、プロテクタ本体と蓋体を組み立てる前の状態を示す斜視図である。
【図2】前記プロテクタ本体と蓋体を組み立てて車体パネルに取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図3】前記プロテクタ本体と蓋体を組み立てて車体パネルに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】図3のIVーIV矢視断面図である。
【図5】図4の状態からプロテクタを取り外す場合の途中の状態を示す断面図である。
【図6】従来のプロテクタの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
W ワイヤーハーネス
1 ワイヤーハーネス用プロテクタ
10 プロテクタ本体
11 底壁
12 側壁
13 第1バネ部
15 係止枠
20 蓋体
21 天壁
23 第2バネ部
25 ロックアーム(蓋体ロック手段、ロック片)
26 プロテクタ本体固定用フック(プロテクタ固定手段)
27 蓋体固定用フック(蓋体ロック手段)
50 車体パネル
51 係止孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と左右両側壁を有し、上面が開口し、内部にワイヤーハーネスを収容可能な断面略U字状のプロテクタ本体と、該プロテクタ本体の上面開口を塞ぐ天壁を有した蓋体と、前記蓋体を、前記プロテクタ本体の上面開口を塞いだ状態で、プロテクタ本体に固定する蓋体ロック手段と、前記プロテクタ本体を車体パネルに固定するプロテクタ固定手段と、を備えたワイヤーハーネス用プロテクタにおいて、
前記プロテクタ固定手段として、前記プロテクタ本体の左右方向の両側部に、下方に向けて延出し、且つ、先端部が前記車体パネルの係止孔に対して挿脱自在な左右ロック片が設けられると共に、該左右ロック片の各先端部に、側方に向けて突出し、且つ、前記各ロック片の先端部が前記車体パネルの係止孔に挿入された状態で該係止孔の孔縁に係合することにより、該ロック片を抜け止めするプロテクタ本体固定用フックが設けられ、一方、前記プロテクタ本体の底壁の前記左右ロック片の中間位置に、該底壁を左右方向に伸縮可能とする第1バネ部が設けられ、該第1バネ部による前記底壁の付勢方向が、前記プロテクタ本体固定用フックが前記係止孔の孔縁に係合する方向に設定されていることを特徴とするワイヤーハーネス用プロテクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、
前記プロテクタ本体固定用フックが前記左右ロック片に外向きに設けられると共に、前記第1バネ部による付勢方向が外向きに設定されていることを特徴とするワイヤーハーネス用プロテクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、
前記ロック片が、前記プロテクタ本体の矩形状の底部の四隅に配置されていることを特徴とするワイヤーハーネス用プロテクタ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、
前記蓋体の天壁に、該天壁を左右方向に伸縮可能とする第2バネ部が設けられ、該第2バネ部による前記天壁の付勢方向が、前記第1バネ部の付勢方向と同じ方向に設定されていることを特徴とするワイヤーハーネス用プロテクタ。
【請求項5】
請求項4に記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、
前記プロテクタ本体の底壁に設けた第1バネ部と前記蓋体の天壁に設けた第2バネ部とが共に、前記底壁及び天壁をそれぞれプロテクタの内方に向けてU字状に湾曲させることによって構成されていることを特徴とするワイヤーハーネス用プロテクタ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、
前記蓋体ロック手段として、前記蓋体の左右両側部に、下方に向けて長く延出し、且つ、前記プロテクタ本体の左右両側壁に設けられた係合枠の係合孔に挿脱自在なロックアームが設けられ、該ロックアームの上部に、側方に向けて突出し、且つ、前記ロックアームが前記係合枠の係合孔に挿入された際に、該係合枠に係合することで、前記ロックアームを抜け止めして、前記蓋体をプロテクタ本体に固定する蓋体固定用フックが設けられ、前記蓋体をプロテクタ本体にロックした状態において、前記ロックアームの、プロテクタ本体の底部から下方へ延びる下端部が、前記プロテクタ固定手段としてのロック片を兼用していることを特徴とするワイヤーハーネス用プロテクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−142125(P2009−142125A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318456(P2007−318456)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】