説明

ワンタッチ継手

【課題】プラグをソケットに簡単に装着することができるワンタッチ継手を提供する。また、ソケットを小型化し、製造コストを減少すると共に、回転トルクを確実に伝達することができるワンタッチ継手を提供する。
【解決手段】挿通孔21を有するソケット12と、ソケット12の挿通孔21に挿入されるプラグ13とを備え、ソケット12が、挿通孔21を有する本体12aと、本体12aから挿通孔21の内方に突出し、プラグ13と係止して固定する係止手段23と、係止手段23を挿通孔21の内方に向かって付勢するスリーブ28と、スリーブ28に付勢された係止手段23の挿通孔21の内方への移動を規制する規制手段とを有するワンタッチ継手11において、規制手段は、本体12aの内周面に沿って軸20方向に伸縮可能なばね部材38である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達用継手、流体継手などのソケットにプラグを接合するワンタッチ継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図10に示すように、動力伝達用継手のプラグ71とソケット72が離脱されている場合、ソケット72のばね73で弾着されたスリーブ74で、鋼球75が外径方向に規制されている。また、鋼球75はスリーブ74の内面に押圧され、孔76に形成されたテーパ面77と係合して、ソケット72の内周面に突出した状態で静止している。従って、そのままの状態ではプラグ71をソケット72に装着することができない。このため、プラグ71をソケット72に装着するためには、まず、スリーブ74を矢印C方向にスライドさせて、図11に示すように鋼球75の外径方向の拘束を解除する。次に、スリーブ74をスライドさせたままの状態でプラグ71を装着してから、スリーブ74を元の位置に戻し、装着が完了する(図12参照)。従って、プラグ71をソケット72に装着するのに、手間が掛かるという問題があった。
【0003】
特許文献1に記載のような、六角穴に挿入されたドライバビットを、スチールボールを介して、前記六角穴に固定するソケットを備えた電動工具においても、ガイドスリーブを移動させてから六角穴にドライバビットを装着する必要があるので、前記と同様の問題があった。
【0004】
そこで、スリーブをスライドすることなく、プラグをソケットに装着することができる構造が、図13から図15に示す流体継手に提案されている。すなわち、この流体継手85は、プラグ81とソケット82とからなり、ソケット82内に、軸方向にスライドするワンタッチリング83を設け、このワンタッチリング83により鋼球84の内径方向への移動することを規制している。ソケット82にプラグ81を挿入すると、プラグ81の傾斜部86がワンタッチリング83を押圧するので、ワンタッチリング83がばね87の付勢力に抗して矢印D方向に移動し、鋼球84の内径方向の拘束が解除される。これにより、更にプラグ81を挿入すると、プラグ81の溝部88に鋼球84が係合し、プラグ81がソケット82に固定される。
【0005】
前記プラグ81とソケット82では、ソケット82内に、ワンタッチリング83とばね87とを収容するために、ソケット82の内径部分に大きなスペースを設ける必要があった。また、ワンタッチリング83をソケット82の内径部分に設置するには、ソケット82を第1本体89と第2本体90とに分割し、ワンタッチリング83を設置してから、ねじ(図示せず)を介して第1本体89と第2本体90とを結合しソケット82を製造する必要があった。これにより、部品点数が増加し、製造コストが増大するという問題があった。また、ねじを介して第1本体89と第2本体90とを結合するので、プラグ81およびソケット82に回転トルクが掛かるような動力伝達継手には適用できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−254869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、プラグをソケットに簡単に装着することができるワンタッチ継手を提供することを課題とする。
【0008】
また、ソケットを小型化し、製造コストを減少すると共に、回転トルクを確実に伝達することができるワンタッチ継手を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段として、本発明に係るワンタッチ継手は、
挿通孔を有するソケットと、該ソケットの挿通孔に挿入されるプラグと、を備え、
前記ソケットが、前記挿通孔を有する本体と、該本体から前記挿通孔の内方に突出し、前記プラグと係止して固定する係止手段と、該係止手段を前記挿通孔の内方に向かって付勢するスリーブと、該スリーブに付勢された係止手段の前記挿通孔の内方への移動を規制する規制手段と、を有するワンタッチ継手において、
前記規制手段は、前記本体の内周面に沿って軸方向に伸縮可能なばね部材である。
【0010】
前記ばね部材が、係止手段の挿通孔内方への移動を規制するので、係止手段がソケットの内周面から突出することを防止し、スリーブをスライドさせることなく、簡単にプラグをソケットに装着することができる。
【0011】
また、規制手段をばね部材で構成することで、規制手段としてワンタッチリングをソケットに装着する場合と比べて、装着のためにソケットを分割し、ねじを介して結合する必要がなく、ソケット本体を一体に設けることができる。従って、部品点数を削減して製造コストを減少すると共に、回転トルクを確実に伝達することができる。
【0012】
更に、ソケット本体内にワンタッチリングを設けるスペースが必要なく、ソケット本体を小型化することができる。
【0013】
具体的な1つの手段として、前記ばね部材は、外周部で前記係止手段を外方に押圧し、前記係止手段の内方への移動を規制することが好ましい。
【0014】
前記ばね部材は、圧縮コイルばねであることが好ましい。
【0015】
前記プラグが前記ソケットに挿入する際、前記プラグの先端部と段部を介して連続する円周縁部が、前記ばね部材を軸方向に押圧することが好ましい。
【0016】
前記プラグが前記ソケットに挿入する際、前記プラグの先端部が、前記ばね部材を軸方向に押圧することが好ましい。
【0017】
ソケットの円周縁部、または先端部がばね部材を軸方向に押圧し、ばね部材が圧縮されるので、ばね部材と鋼球との係合を解除し、鋼球がソケット内方へ移動できるようになり、鋼球を介してプラグをソケットに固定することができる。
【0018】
前記ソケットの挿通孔に、前記プラグと摺接する摺接手段を設けたことが好ましい。
【0019】
これにより、プラグをソケットから取り外す際にプラグと摺接手段とが摺接するので、プラグが圧縮されたばね部材の付勢力で、ソケットから不用意に飛び出すのを防止することができる。
【0020】
前記摺接手段は、前記挿通孔の周方向に設けたOリングであることが好ましい。
【0021】
前記係止手段は、前記ばね部材の外周部と、前記スリーブの内周側に設けた傾斜面との間で狭持されることが好ましい。
【0022】
前記ソケットの内周面に座ぐり部を設け、該座ぐり部の段部間に前記ばね部材を設置したことが好ましい。
【0023】
前記座ぐり部の段部は手前側段部と奥側段部とからなり、前記手前側段部が前記係止手段の中心を含有し前記軸に直交する面内で、前記ばね部材と当接することが好ましい。
【0024】
これにより、ばね部材は係止手段を、ソケットの外方に軸と直交する方向に押圧する。従って、ばね部材の押圧力を確実に係止手段に伝達することができる。
【0025】
前記手前側段部の高さは、前記ばね部材を構成する線材の半径と略同じ長さであることが好ましい。
【0026】
手前側段部の高さが、線材の半径と略同じ長さである。すなわち、手前側段部と当接するばね部材の中心よりも内側は、ソケットの内周面から突出しているので、ソケット内に挿入してきたプラグと当接し、押圧される。
【0027】
前記手前側段部を構成する大径部の半径をr1とし、前記手前側段部を構成する小径部の半径をr2とし、前記ばね部材を構成する線材の径をd1とし、前記大径部と前記ばね部材との間に設けた所定の間隔をαとした場合に、以下の関係を満たす値に決定するようになっていることが好ましい。
r1=r2+r3+α(ただし、r3=(d1)/2)
【発明の効果】
【0028】
ばね部材が係止手段の内方への移動を規制するので、係止手段がソケットの内周面から突出することを防止し、スリーブをスライドさせることなく、簡単にプラグをソケットに装着することができる。また、規制手段をばね部材で構成することで、規制手段としてワンタッチリングをソケットに装着する場合と比べて、ソケット本体を一体に設けることができるので、部品点数を削減して製造コストを減少すると共に、回転トルクを確実に伝達することができる。更に、ソケット本体内にワンタッチリングを設けるスペースが必要なく、ソケット本体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態によるワンタッチ継手を動力伝達継手として使用する場合のソケットおよびプラグの断面図である。
【図2】図1のソケットの部分拡大断面図である。
【図3】図1のソケットにプラグを挿入する状態を示すソケットおよびプラグの断面図である。
【図4】図1のソケットおよびプラグを結合した状態を示す断面図である。
【図5】図1のワンタッチ継手の変形例であるソケットに変形例であるプラグを挿入する状態を示すソケットおよびプラグの断面図である。
【図6】図5のソケットおよびプラグを結合した状態を示す断面図である。
【図7】図5のソケットからプラグを取り外す際の断面図である。
【図8】本発明の実施形態によるワンタッチ継手を流体継手として使用する場合のソケットおよびプラグの断面図である。
【図9】図8のソケットにプラグを結合した状態を示すソケットおよびプラグの断面図である。
【図10】従来の継手でソケットとプラグとが分離した状態を示す断面図である。
【図11】図10のソケットにプラグを挿入する前の状態を示す断面図である。
【図12】図10のソケットとプラグとを結合した状態を示す断面図である。
【図13】従来のワンタッチリングを備えたワンタッチ継手のソケットおよびプラグが分離した状態を示す断面図である。
【図14】図13のソケットの部分拡大断面図である。
【図15】図13のソケットとプラグとが結合した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0031】
図1に、ワンタッチ継手11を、回転トルクを伝達する動力伝達継手として使用する例を示す。このワンタッチ継手11は、ソケット12と、プラグ13とからなる。ソケット本体12aの端部15(図1において右端)には四角孔16が形成され、ここに、回転トルクを伝達する装置(図示せず)が嵌合される。ソケット12と前記装置とは、四角孔16の側面に対向するように形成された一対の孔17と嵌合する固定棒(図示せず)を介して、固定される。前記装置に固定されたソケット12にはプラグ13が装着され、このプラグ13のソケット12と反対側には、例えばナットボックス13aを設けるものである。これにより、前記装置からの回転トルクを、ワンタッチ継手11を介してナットボックス13aに伝達し、このナットボックス13aでナット(図示せず)などを螺合する。
【0032】
ソケット12の開口端19(図1において左側)には、軸20に沿って延びる円形断面の挿通孔21が形成されている。
【0033】
挿通孔21には、係止手段である鋼球23を保持する複数の鋼球保持孔24が、周方向に等間隔の位置に挿通孔21から半径方向に向かって形成されている。
【0034】
また、ソケット12の外周面にはストッパ26が固定されている。このストッパ26からスプリング27を介してスリーブ28が嵌挿され、このスリーブ28はスプリング27により、ソケット12の外周面に形成された外周段部29に向かって付勢されている。スリーブ28がスプリング27に付勢されて外周段部29に当接しているときには、スリーブ28の内面が鋼球23を押圧して、挿通孔21の内側に突出させている(図4参照)。一方、スリーブ28が外周段部29と反対側に移動すると、鋼球23をスリーブ28の内周面に形成した内周溝31に退避するようになっている。内周溝31に退避した鋼球23は、内周溝31を形成する傾斜面32により、半径方向内方に向かって押圧されている。
【0035】
挿通孔21の開口端19から奥側の内周面には、座ぐり部34が形成されている。座ぐり部34は、ソケット12の手前側に形成された手前側段部35と、ソケットの奥側に形成された奥側段部37と、手前側段部35から奥側段部37に連続する内周面36と、からなる。座ぐり部34の、手前側段部35と奥側段部37との間には、ばね部材(規制手段)である圧縮コイルばね38が、軸20方向に伸縮するように配置されている。また、手前側段部35は鋼球23の中心を含有し、軸20に直交する面内で圧縮コイルばね38と当接している。
【0036】
図2に示すように、大径部である座ぐり部34の内周面36の半径をr1、小径部である挿通孔21の半径をr2とする。また、圧縮コイルばね38をなす線材の直径をd1とする。圧縮コイルばね38は、軸20方向の伸縮を可能とするため、内周面36と距離αを設けて座ぐり部34に設置されている。これらは、r1=r2+r3+α(ただし、r3=(d1)/2)である関係を満たす値に決定される。更に、圧縮コイルばね38は、線材断面41の中心が挿通孔21の延長線上に位置するように設置されている。
【0037】
また、圧縮コイルばね38が鋼球23を外方に押圧する力F1と、スリーブ28の傾斜面32が鋼球23を押圧する力の半径方向の分力F2とは、F1≧F2の関係にある。
【0038】
そして、挿通孔21の更に奥には、軸20に沿った4つの座面で囲まれた係合穴42が形成されている。
【0039】
プラグ13は、例えばナットボックス13aなどを備えた作動部44と、作動部44から伸び、作動部44よりも径の小さい円筒部45と、該円筒部45に設けられた外周溝46と、円筒部45の端面から突出する四角形断面の先端部である係合突48と、を備えている。円周縁部47の角部49は面取りされている。
【0040】
前記構成を備えたワンタッチ継手11を結合するには、まず、図3に示すように、プラグ13をソケット12の挿通孔21に差し込むと、圧縮コイルばね38が、円筒部45の角部49に押圧されて、座面42の方向に後退する。次に、圧縮コイルばね38により外方に押圧され、スリーブ28の内周溝31に退避していた鋼球23が、スリーブ28の傾斜面32に押圧されて内周溝31から離脱する。すると、鋼球23は鋼球保持孔24からソケット12の内面に突出し、プラグ13の外周溝46に係止して、ロックされる。鋼球23がロックされるので、プラグ13はソケット12の内周から離脱するのが阻止される。また、このとき、係合突48が係合穴42と嵌合するので、ソケット12に掛かる回転トルクが確実にプラグ13に伝達される。
【0041】
プラグ13とソケット12の結合を解除するには、図4に示す状態から、スリーブ28を矢印A方向に移動させ、プラグ13を引き離す方向に引っ張ると、鋼球23がスリーブ28の内周溝31に後退し、ロックが解除されるので、プラグ13を引き抜くことができる。プラグ13がソケット12から離れると、ソケット12の圧縮コイルばね38は弾性力により前進し、手前側段部35と当接する。これにより、圧縮コイルばね38の外周部が鋼球23を外方に押圧して、鋼球23を内周溝31に後退させる。
【0042】
本発明に係るワンタッチ継手11によれば、圧縮コイルばね38が鋼球23を外方に押圧し、鋼球23が挿通孔21の内周面から突出することを防止する。これにより、スリーブ28をスライドさせることなく、簡単にプラグ13をソケット12に装着することができる。
【0043】
また、鋼球23を外方に押圧するためにワンタッチリングをソケット12に装着する場合と比べて、ワンタッチリングの装着のためにソケット12を分割し、ねじを介して結合する必要がなく、ソケット本体12aを一体に設けることができる。従って、部品点数を削減して製造コストを減少すると共に、回転トルクを確実に伝達することができる。
【0044】
更に、ソケット本体12a内にワンタッチリングを設けるスペースが必要なく、ソケット本体12aを小型化することができる。
【0045】
ソケット12の円周縁部47が圧縮コイルばね38を軸20方向に押圧し、圧縮コイルばね38が圧縮されるので、鋼球23がソケット12内方へ移動できるようになり、鋼球23を介してプラグ13をソケット12に固定することができる。
【0046】
手前側段部35は鋼球23の中心を含有し、軸20に直交する面内で圧縮コイルばね38と当接するので、圧縮コイルばね38は鋼球23を、ソケット12の外方に軸と直交する方向に押圧する。従って、圧縮コイルばね38の押圧力を確実に鋼球23に伝達することができる。
【0047】
手前側段部35の高さが、線材の半径と略同じ長さである。すなわち、手前側段部35と当接する圧縮コイルばね38を構成する線材の中心よりも内側は、ソケット12の内周面から突出しているので、ソケット12内に挿入してきたプラグ13と当接し、押圧される。
【0048】
なお、本発明のワンタッチ継手11は前記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【0049】
鋼球23に関しては、ソケット12にプラグ13を固定することができる限り、鋼球23の数は特に限定されない。
【0050】
また、プラグ13がソケット12に挿入する際に、ソケット12内の圧縮コイルばね38を押圧して、鋼球23の半径方向内方への移動を可能にする限り、プラグ13の形状は特に限定されない。例えば図5および図6に示すように、プラグ13の外周溝46に直接連続する先端部48を設け、この先端部48が圧縮コイルばね38と当接し、押圧する構成も採用し得る。
【0051】
更に、挿通孔21の内周面には、摺接手段であるOリング54が設けられている。このOリング54の内径部は、プラグ13の先端部48の径よりも小さい。これにより、図7に示すように、プラグ13をソケット12から取り外す際に、先端部48とOリング54とが摺接する。従って、プラグ13が圧縮された圧縮コイルばね38の付勢力で、ソケット12から不用意に飛び出すのを防止することができる。なお、このOリング54は、図1に示すワンタッチ継手11のソケット12に設けてもよい。
【0052】
ばね部材は伸縮して、鋼球23を外方に押圧する、または押圧を解除する限り圧縮コイルばね38に限定されず、例えば、竹の子ばねを採用し得る。
【0053】
ワンタッチ継手11に関しては、プラグ13をソケット12に装着し固定する限り回転トルクを伝達するものに限定されず、例えば、図8に示す流体継手に適用しても同様の効果が得られる。この流体継手は、ソケット本体12a内に軸周りに回動する弁体56を備え、プラグ13をソケット12に装着することで、スリーブ28に従動して弁体56が回動する。これにより、弁体56に設けた貫通流路57を介して、流路58と流路59とを連通するものである。
【0054】
このワンタッチ継手11のプラグ13には、ソケット12側の端部51と外周溝46との間に、外周溝46に向かって径が大きくなる段差部52が形成されている。また、スリーブ28の開口端19側端部には、鋼球23を内方に押圧する傾斜面32が形成されている。更に、ソケット本体12aの外周面であって開口端19近傍には、スプリング27に付勢され、開口端19に向かって前進するスリーブ28を係止する係止リング53が設けられている。
【0055】
このプラグ13をソケット12の挿通孔21に差し込むと、圧縮コイルばね38が段差部52に押圧されて、奥側段部37の方向に後退する。すると、鋼球23が傾斜面32に押圧され、図9に示すように、鋼球保持孔24からソケット12の内面に突出し、プラグ13の外周溝46に係止して、ロックされる。
【符号の説明】
【0056】
11 ワンタッチ継手
12 ソケット
12a ソケット本体
13 プラグ
21 挿通孔
23 鋼球(係止手段)
28 スリーブ
32 傾斜面
34 座ぐり部
35 手前側段部
37 奥側段部
38 圧縮コイルばね(ばね部材)
47 円周縁部
48 係合突(先端部)
54 Oリング(摺接手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿通孔を有するソケットと、該ソケットの挿通孔に挿入されるプラグと、を備え、
前記ソケットが、前記挿通孔を有する本体と、該本体から前記挿通孔の内方に突出し、前記プラグと係止して固定する係止手段と、該係止手段を前記挿通孔の内方に向かって付勢するスリーブと、該スリーブに付勢された係止手段の前記挿通孔の内方への移動を規制する規制手段と、を有するワンタッチ継手において、
前記規制手段は、前記本体の内周面に沿って軸方向に伸縮可能なばね部材であることを特徴とするワンタッチ継手。
【請求項2】
前記ばね部材は、外周部で前記係止手段を外方に押圧し、前記係止手段の前記挿通孔内方への移動を規制することを特徴とする請求項1に記載のワンタッチ継手。
【請求項3】
前記ばね部材は、圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項1または2に記載のワンタッチ継手。
【請求項4】
前記プラグが前記ソケットに挿入する際、前記プラグの先端部と段差を介して連続する円周縁部が、前記ばね部材を軸方向に押圧することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のワンタッチ継手。
【請求項5】
前記プラグが前記ソケットに挿入する際、前記プラグの先端部が、前記ばね部材を軸方向に押圧することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のワンタッチ継手。
【請求項6】
前記ソケットの挿通孔に、前記プラグと摺接する摺接手段を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のワンタッチ継手。
【請求項7】
前記摺接手段は、前記挿通孔の周方向に設けたOリングであることを特徴とする請求項6に記載のワンタッチ継手。
【請求項8】
前記係止手段は、前記ばね部材の外周部と、前記スリーブの内周側に設けた傾斜面との間で狭持されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のワンタッチ継手。
【請求項9】
前記ソケットの内周面に座ぐり部を設け、該座ぐり部の段部間に前記ばね部材を設置したことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のワンタッチ継手。
【請求項10】
前記座ぐり部の段部は手前側段部と奥側段部とからなり、前記手前側段部が前記係止手段の中心を含有し前記軸に直交する面内で、前記ばね部材と当接することを特徴とする請求項9に記載のワンタッチ継手。
【請求項11】
前記手前側段部の高さは、前記ばね部材を構成する線材の半径と略同じ長さであることを特徴とする請求項9または10に記載のワンタッチ継手。
【請求項12】
前記手前側段部を構成する大径部の半径をr1とし、前記手前側段部を構成する小径部の半径をr2とし、前記ばね部材を構成する線材の径をd1とし、前記大径部と前記ばね部材との間に設けた所定の間隔をαとした場合に、以下の関係を満たす値に決定するようになっていることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載のワンタッチ継手。
r1=r2+r3+α(ただし、r3=(d1)/2)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−196812(P2010−196812A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42722(P2009−42722)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(308037797)長堀工業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】