ワーク供給装置
【課題】搬送体内におけるワークの滞留や、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付き等を低減することにより、ワークの汚れや帯電を抑制するとともに、生産性の向上に寄与しうるワーク供給装置を実現する。
【解決手段】本発明のワーク供給装置100は、軸線周りに閉じた円環状に構成されるとともに外周縁にワーク保持面122cbを備えたワーク周回路122c、及び、ワーク周回路122cの所定位置より外周側へ向けて前記軸線周りの所定の向きに斜めに分岐し、軸線周りに徐々に上昇するように構成されたワーク搬送路122dを有する搬送体122と、搬送体122を軸線周りに往復振動させる加振体121と、を具備し、搬送体122の軸線周りの往復振動によりワークがワーク周回路122c及びワーク搬送路122d上で前記所定の向きへ移動することを特徴とする。
【解決手段】本発明のワーク供給装置100は、軸線周りに閉じた円環状に構成されるとともに外周縁にワーク保持面122cbを備えたワーク周回路122c、及び、ワーク周回路122cの所定位置より外周側へ向けて前記軸線周りの所定の向きに斜めに分岐し、軸線周りに徐々に上昇するように構成されたワーク搬送路122dを有する搬送体122と、搬送体122を軸線周りに往復振動させる加振体121と、を具備し、搬送体122の軸線周りの往復振動によりワークがワーク周回路122c及びワーク搬送路122d上で前記所定の向きへ移動することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワーク供給装置に係り、特に、微小な電子部品を振動により高速に搬送する場合に好適なワーク供給構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーツフィーダと呼ばれる振動式の部品供給装置が多くの電子部品を扱う工場などで使用されている。特に、近年では、表面実装型の微小な電子部品を正確に整列させ、高速で供給することが要求されるようになってきているので、電子部品用の小型のパーツフィーダの需要が増加している。このような小型のパーツフィーダとしては一般的にボウル型で内部に螺旋状の搬送路を形成した搬送体を備えたボウル型パーツフィーダが知られている。このボウル型パーツフィーダは、上記搬送体を回転振動機上に設置して軸線周りに往復振動させることにより、内底部に溜められた多数の部品を上記螺旋状の搬送路上で徐々に整列させながら上昇させるように構成したものである。
【0003】
また、従来のボウル型パーツフィーダとしては、上記のような典型的な構造を有するものの他に、種々の状況に合わせて改良されたものが知られている。例えば、以下の特許文献1には、部品の詰りを防止するために調整部に加圧エアを吹き付ける構成を有するとともに、単一の円環を構成する螺旋状の搬送路を備えたボウル型パーツフィーダが開示されている。また、特許文献2には、静電気の除去や効率的な搬送を実現するために、ボウル状の振動体の内底部からエアチューブを通して除電エアとともに部品を振動体の上縁部に搬送し、この上縁部において螺旋状の搬送路に沿って部品を搬送していくようにしたボウル型パーツフィーダが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−313211号公報
【特許文献2】特開2000−335735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、振動式部品供給装置は上記のように高速に大量の微小部品を正確に供給できる点で優れているが、多数のワークが搬送体の内底部に滞留し、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどが生じやすいので、搬送体の内底部に溜められた状態の多数のワークが振動を受けて互いに擦られるとともに、螺旋状の搬送路上においても振動によってボウルから摩擦を受けながら搬送されていくため、搬送部品が汚れたり静電気が溜まったりすることがある。また、ワークが帯電すると静電気により汚れが付着しやすくなるため、ワークの汚れがさらにひどくなるとともにその程度もばらつきやすくなる。したがって、近年特に要求される製品の信頼性向上や性能低下の防止を充分に図ることができないという問題点がある。
【0006】
特に、LEDなどの発光素子においては、窓部などに透過性の高い樹脂材料を使用する必要があるために汚れが付着しやすいものが多く、また、当該樹脂材料は絶縁体であるために帯電しやすくなっていて、帯電するとますます汚れが付着しやすくなるため、安定した清浄度を有する部品供給が困難であり、また、搬送体にも汚れが付着するので、頻繁に清浄化処理(清掃などのメンテナンス作業)を施す必要があるという問題点もある。
【0007】
さらに、近年では多品種小ロットで頻繁にワークの種類を変更する場合が多くなってきているため、ワークのロット替えの際に装置から残余の部品を排出するのに時間がかかると、それだけ生産性が低下するという問題点もある。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、搬送体内におけるワークの滞留や、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付き等を低減することにより、ワークの汚れや帯電を抑制するとともに、生産性の向上に寄与しうるワーク供給装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
斯かる実情に鑑み、本発明のワーク供給装置は、軸線周りに閉じた円環状に構成されるとともに外周縁にワーク保持面を備えたワーク周回路、及び、前記ワーク周回路の所定位置より外周側へ向けて前記軸線周りの所定の向きに斜めに分岐し、前記軸線周りに徐々に上昇するように構成されたワーク搬送路を有する搬送体と、該搬送体を前記軸線周りに往復振動させる加振体と、を具備し、前記搬送体の前記軸線周りの往復振動によりワークが前記ワーク周回路及び前記ワーク搬送路上で前記所定の向きへ移動することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、ワーク周回部にワークが導入されると、加振体による加振作用によって軸線周りに搬送体が往復振動することにより、導入されたワークは、閉じた円環状のワーク周回路上で遠心力を受けて外周側のワーク保持面に押し付けられながら所定の向きに周回する。このとき、ワークがワーク周回路の所定位置に到達すると、ワーク周回路上から分岐したワーク搬送路上へ押し出され、このワーク搬送路上を上記所定の向きに上昇しながら搬送されていく。また、ワーク搬送路へ押し出されなかったワークはさらにワーク周回路上を周回する。このように閉じた円環状のワーク周回路が形成されることで、導入されたワークを周回方向に分散させることができるため、ワーク周回路上におけるワークの滞留を抑制して、複数のワークの積み重なり、絡み合い、貼り付きを抑制できるとともに、これらに起因するワークの汚れや帯電を低減することもできる。また、この状態でワーク周回路上の所定位置から外周側へ所定の向きに斜めに分岐したワーク搬送路へと遠心力によりワークを少しずつ押し出すことができるため、ワーク搬送路上のワークが当初より整列状態に近い態様で搬送されることとなるから、ワークを整列させるためのワーク搬送路の距離を短縮できるので、ワークの汚れの付着や帯電をさらに低減することができるとともに効率的に搬送することも可能になる。さらに、ワークの搬送距離が低減されることで、ワークのロット替え作業の時間を低減することができるため、全体として生産性を向上させることが可能になる。
【0011】
本発明において、前記ワーク周回路は周回方向に平坦に構成されることが好ましい。これによれば、ワーク周回路が周回方向に向けて平坦に構成されることにより、ワークの周回速度を周回方向に均一化でき、全体としては速度を多少でも高めることができるため、ワーク周回路上のワークの分散性、均一性を高めることができるから、ワーク同士の擦れなどによる汚れの付着や帯電をさらに抑制できる。また、ワーク周回路上におけるワークに作用する遠心力も均一化されるので、ワークをワーク保持面に沿って安定した状態で外周側へ集められる。したがって、ワーク搬送路へのワークの供給効率を向上させて実質的に搬送速度を高めることができる。
【0012】
本発明において、前記ワーク周回路のワークの周回速度は、前記ワーク搬送路の最外周部分のワークの搬送速度の0.8倍以上、1.3倍以下であることが好ましい。特に、上記周回速度が上記搬送速度の0.9倍以上、1.2倍以下であることが望ましく、0.95倍以上、1.1倍以下であることがさらに望ましい。上記周回速度が上記範囲未満であると、ワーク周回路のワーク数若しくはワーク密度を高めないとワーク搬送路へ搬入されるワーク数を確保しにくくなり、従来のボウル型フィーダと同様にワーク周回路でワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどが生じやすくなる。周回速度が上記範囲を越えると、ワーク周回路やワーク搬送路の一部にワークの滞留箇所が発生し、却ってワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどが生じやすくなるとともに、全体として搬送効率が低下する。
【0013】
本発明において、前記ワーク周回路の内周側から前記ワーク周回路上の前記ワークにイオン化された気流を吹き付ける気流吹付手段をさらに具備することが好ましい。これによれば、気流吹付手段により、ワーク周回路の内周側からワークへイオン化された気流が吹き付けられるので、ワーク全体に均一かつ十分に除電作用を施すことができるため、帯電によるワークへの汚れの付着やワークのワーク搬送路に対する吸着などの不具合を回避することができる。
【0014】
本発明において、前記ワーク周回路の内周側から前記ワーク周回路上の前記ワークに気流を吹き付ける気流吹付手段をさらに具備し、前記気流吹付手段は、前記ワーク周回路上に向けて前記所定の向きに斜めに気流を吹き付けることが望ましい。これによれば、イオン化された気流がワークに対して斜め進行方向へ向けて吹き付けられるので、ワーク周回路のワークの周回方向への移動を阻害せず、その周回速度を高めることができる。また、この気流吹付手段は、前記ワーク周回路の内周側に周回方向に沿って、好ましくは均等に、分散配置された複数の気流噴出口を備えることが望ましい。
【0015】
本発明において、前記ワーク周回路上へ前記ワークを導入するワーク導入機構をさらに具備し、前記ワーク導入機構はワーク導入量を制御可能に構成されることが好ましい。これによれば、ワーク導入機構によりワーク周回路へのワーク導入量を制御できるので、ワーク周回路内で周回移動するワーク量を制限することにより、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きをさらに低減できる。この場合に、ワーク導入機構は前記ワーク周回路の内周側に配置され、内周側から外周側に向けて開口して前記ワーク周回路上に臨むワーク導入口を備えることが望ましい。これによれば、ワーク導入機構の設置空間を搬送体の外側に確保する必要がなくなるので、装置全体をコンパクトに構成できる。
【0016】
本発明において、前記ワーク周回路上の前記ワークを検出するワーク検出手段と、該ワーク検出手段の検出値に応じて前記ワーク導入機構によるワークの導入量若しくは導入頻度を制御するワーク導入制御手段をさらに具備することが好ましい。
【0017】
本発明において、前記搬送体は、前記ワーク周回路の内周側に開口部を備えたリング状に構成されることが好ましい。これによれば、搬送体はワーク周回路の内周側に開口部を備えるので、開口部の分だけ搬送体の重量を軽減することができ、その結果、加振体の駆動付加を低減できるとともに、搬送体の振動効率を向上させて搬送効率を高めることが可能になる。また、開口部があることで搬送体の加工(特に内周部分の加工)を容易に行うことが可能になる。さらに、搬送体の内周側において上記ワーク導入機構や上記給気構造の少なくとも一部を配置しやすくなるので、これらの設置が容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ワークの滞留を低減してワークの汚れや帯電を抑制するとともに、生産性の向上に寄与しうるワーク供給装置を実現できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るワーク供給装置の実施例の全体構成を示す斜視図。
【図2】同実施例の正面図。
【図3】同実施例の背面図。
【図4】同実施例の左側面図及び右側面図。
【図5】同実施例の平面図。
【図6】同実施例の拡大部分斜視図(図1に示すVI領域を拡大して示す斜視図)。
【図7】同実施例からホッパ(ワーク導入機構)を取り外した様子を示す斜視図。
【図8】同実施例の図7に示す状態からさらに給気構造の上部を取り外した様子を示す斜視図。
【図9】同実施例における搬送ボウル及び給気構造の分解斜視図、並びに、給気構造の上部の側面図及び底面図。
【図10】同実施例の主要部の平面図。
【図11】同実施例の主要部の拡大説明斜視図。
【図12】同実施例の主要部の縦断面図。
【図13】図12に示すVIII領域を拡大して示す拡大部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1乃至図6は、本発明の実施例に係るワーク供給装置100の全体構成及び外観を示す斜視図、正面図、背面図、左側面図及び右側面図、平面図、並びに、拡大部分斜視図(図1に示すVI領域の斜視図)である。また、図12は実施例の縦断面図、図13は図12に示すVIII領域を拡大して示す拡大部分断面図である。
【0021】
本実施例のワーク供給装置100は、図1に示すように、ホッパ型の外観構造を備えたワーク導入ユニット110と、このワーク導入ユニット110からワークの供給を受けるボウル型フィーダ構造を備えた第1ワーク搬送ユニット120と、第1ワーク搬送ユニット120からワークの供給を受けるリニア型フィーダ構造を備えた第2ワーク搬送ユニット130とを備えている。これらのワーク導入ユニット110、第1ワーク搬送ユニット120及び第2ワーク搬送ユニット120は、設置台101と、この設置台101上に図示しない防振ばねや防振ゴム等の防振部材を介して取り付けられた防振台102とを含む基台構造によって支持されている。なお、本発明のワーク供給装置は、基本的には第1ワーク搬送ユニット120に相当するものであるが、本実施形態のように、上記ワーク導入機構に相当するワーク導入ユニット110やさらに付加的に接続される上記第2ワーク搬送ユニット130を含むことができる。
【0022】
ワーク導入ユニット110は、投入口111aを備えた拡径された上部と、排出口111b(図12参照)を備えた縮径された下部とを有する、図示例では漏斗状のホッパ容器111と、このホッパ容器111の下部の排出口111bに対し間隔を有して下方より臨む基部112a、及び、第1ワーク供給ユニット120へワークを導入するワーク導入口112bを備えた、樋状の取出シュート112と、この取出シュート112を駆動するシュート駆動部113とを備えている。
【0023】
ホッパ容器111は防振台102に固定された支柱114及び支持アーム115により支持固定される。ここで、図12に示すように、ホッパ容器111はシリコーン樹脂等よりなる筒状の防振材116及びスリーブ117を介して支持アーム115に取り付けられている。ホッパ容器111と支持アーム115の間に介在する防振材116はワーク導入ユニット110の振動を低減している。また、ホッパ容器111の下部に保持体118が固定され、この保持体118に上記取出シュート112及びシュート駆動部113が支持されている。すなわち、ワーク導入ユニット110においては、支持アーム115によってホッパ容器111が支持されるとともに、その下方に取出シュート112及びシュート駆動部113が吊り下げられた構造となっている。
【0024】
本実施形態のシュート駆動部113においては、保持体118に対して基材113aが固定され、この基材113aに板状の圧電駆動体113bの基端が取り付けられるとともに、圧電駆動体113bの先端がスペーサ113cを介して弾性ばね板113dの基端に接続される。弾性ばね板113dの先端は上記取出シュート112の基部112aに接続されている。ここで、圧電駆動体113bと弾性ばね板113dはスペーサ113cを介してU字状に接続される。これによりシュート駆動部113をコンパクトに構成できる。圧電駆動体113bが交流駆動されて撓み振動を生ずると、弾性ばね板113dを介して振動が取出シュート112の基部112aに伝達され、取出シュート112の基部112aが上下に振動する。これにより、ホッパ容器111内から取出シュート112の基部112a上にもたらされたワークは少しずつワーク導入口112bから排出される。
【0025】
保持体118にはワーク検出器119が取り付けられている。このワーク検出器119はワーク周回路122c上のワークを検出する。図示例ではワーク検出器119は反射型光センサである。ワーク検出器119によって検出された、ワーク周回路122c上を周回するワーク数若しくはワーク密度が減少すると、上記シュート駆動部113が動作し、取出シュート112のワーク導入口112bからワーク周回路122c上へワークが導入され、上記ワーク数若しくはワーク密度が増大すると、ワークの導入が停止されるなど、ワーク周回路122c上のワーク数やワーク密度の変動を小さくするように、ワークの導入量が制御される。
【0026】
本実施形態では、ワーク導入ユニット110はワーク周回路122cの内周側に配置される。そして、取出シュート112は、内周側から外周側に向けてワークをワーク導入口112bからワーク周回路122c上へ導入している。ここで、取出シュート112による軸線周りのワーク導入角度位置は特に限定されないが、図示例では支持アーム115の直下にワーク導入位置が設定されている。また、このワーク導入角度位置は、図示例では、後述するワーク搬送路122dの搬送開始部122d1に対して後述する既定の向きを基準として手前(例えば、10〜50度程度手前)に設定される。また、ワーク検出器119によるワーク数若しくはワーク密度の検出位置は上記ワーク導入角度位置に対して上記既定の向きの側であって、上記搬送開始部122d1よりも上記既定の向きとは逆側に配置される。これにより、導入されたワークが直接にワーク搬送路122dへ入ることを防止しつつ、ワーク搬送路122dへの供給量の低下を迅速に補償して最小限にとどめることができるとともに、ワーク導入角度位置におけるワーク導入によるワーク数若しくはワーク密度の変動をすばやく検出できるので、ワーク搬送路122dへのワークの供給量を安定させ、当該供給量の変動を低減することができる。
【0027】
上記ワーク導入ユニット110の下方には上記第1ワーク搬送ユニット120が配置される。第1ワーク搬送ユニット120は、防振台102上に固定された上記加振体に相当する回転振動機121と、この回転振動機121の上部にある振動盤121a上に固定された上記搬送体に相当する搬送ボウル122とを有する。搬送ボウル122は、回転振動機121によって垂直な軸線周りに往復振動する。具体的には、振動方向は、図示上方から装置を見たときに反時計回りとなる向き(以下、単に「既定の向き」という。)に斜め上方へ向けた方向とされるので、正確にはねじり振動となっている。このねじり振動により、搬送ボウル112上の後述するワーク周回路122c及びワーク搬送路122dにおいて上記既定の向きにワークが移動する。搬送ボウル112の外周底部には周回方向に伸びる係合溝122bが形成され、この係合溝122bに係合するクランプ部材(図示せず)を上記振動盤121aの外周部に取り付けることにより、搬送ボウル122の外周底部を振動盤121aの外周部に固定している。
【0028】
搬送ボウル122は、本実施例ではボウル状の内底部の中央に開口部122aを備えたリング枠状に構成されている。そして、搬送ボウル122の開口部122a内には上記保持体118及びこれに固定されたシュート駆動部113が上方より吊り下げられた状態で配置され、その下端は、回転振動機121の上記振動盤121aと間隔を有して対向している。ただし、搬送ボウル122は、一般的にはそうであるように、内底部が閉鎖されたボウル状に構成されていてもよい。
【0029】
搬送ボウル122は、図9に示すように、内部表面が全体として中央(上記開口部122aの縁部)側で低く、周縁側で高くなるように、ボウル状に構成されている。搬送ボウル122の内部表面の内周部分には、軸線周りに閉じた円環状に形成されたワーク周回路122cが形成されている。このワーク周回路122cは周回方向に平坦に構成されている。また、ワーク周回路122cは、内周側に配置され、半径方向に少なくともワークの最大寸法の2〜5倍以上の幅に構成されたリング帯状のワーク支持面122caと、このワーク支持面122caの外周側に隣接してリング状に設けられ、半径方向斜め内側に向くように傾斜したワーク保持面122cbとを有する(図11及び図13参照)。なお、図示例の場合、厳密に言うと、ワーク周回路122cの上記ワーク支持面122caは外周側(半径方向外側)に向けて下り勾配を有する態様で幅方向外側に僅かに傾斜しているが、これに限定されるものではなく、幅方向に見て平坦に構成されていてもよい。
【0030】
搬送ボウル122の内部表面には、図10に示すように、上記ワーク周回路122cの一箇所から外周側へ斜めに分岐し、分岐点より周回方向に向けて徐々に外周側へ進みながら徐々に上昇する螺旋状のワーク搬送路122dが形成されている。ワーク搬送路122dの分岐の向きは、図示上方から見たときに上記既定の向きに対して斜め外周側へ向かう向きである。ワーク搬送路122dは、略水平若しくは外周側に向けて傾斜したワーク支持面122daと、このワーク支持面122dの外周側に隣接して形成され、略垂直若しくは内周側に向けて傾斜したワーク保持面122dbとを備えている(図10及び図13参照)。
【0031】
ワーク搬送路122dにおいて、上記ワーク周回路122cに接続された端部に相当する搬送開始部122d1は、ワーク周回路122cのワーク保持面122cbが欠落することによりワーク周回路122cに開口している。したがって、この開口範囲AP(図10参照)では、ワーク周回路122cの上記ワーク支持面122caと、ワーク搬送路122dの上記ワーク支持面122daとが直接に隣接若しくは連結される。このとき、ワーク周回路122cのワーク保持面122cbは、上記搬送開始部122d1に臨む、ワーク搬送路122dのワーク周回路122cに対する開口範囲APの上記既定の向きの側の端部から上記既定の向きへさらに進むに従って徐々に高さを増して立ち上がるように構成されている。また、この搬送開始部122d1のワーク支持面122daは、上記既定の向きとは逆側の端部から上記既定の向きに進むに従って徐々に幅広になるように構成されている。
【0032】
上記搬送開始部122d1においては、ワーク支持面122daが、ワーク周回路122cのワーク支持面122caとの境界から外周側に向けて下り勾配に形成される。これにより、ワーク周回路122cからワーク搬送路122d内へワークをスムーズに搬入することができる。また、ワーク搬送路122dは、上記搬送開始部122d1から上記既定の向きへ進むに従って徐々に上昇し、この上昇勾配に伴って、その内周側に隣接するワーク周回路122cの上記ワーク保持面122cbの高さが上述のように増大している。
【0033】
ワーク搬送路122dは、上記搬送開始部122d1から搬送終端部122d7までがほぼ軸線周りを一周する程度の長さに形成されている。搬送開始部122d1から徐々に幅広になった部分の先には、ワーク支持面122daが凹円弧状の断面とされた第1姿勢制御部122d2が設けられ、この第1姿勢制御部122d2の底部に接続された部分からワーク支持面122daとワーク保持面122dbが開始される第2姿勢制御部122d3が形成される。この第2姿勢制御部122d3の先にはワーク支持面122daが上流側よりも幅狭とされた狭幅部122d4が形成され、この狭幅部122d4の先にはワーク支持面122daが上流側よりも幅広とされた広幅部122d5が形成される。広幅部122d5の先には、再びワーク支持面122daが上流側よりも幅狭とされた狭幅部122d6が形成されて、最終的に上記搬送終端部122d7に達する。
【0034】
ワーク搬送路122dの少なくとも一部領域(特に、上記狭幅部122d4、122d6)の内周側下方には傾斜面122hが構成され、ワーク搬送路122d上から落下したワークが当該傾斜面122h上を滑落し、上記ワーク周回路122c、又は、ワーク回収路122iへ戻るようになっている。なお、ワーク回収路122i内に滑落したワークは、上記ねじり振動により上記既定の向きに搬送されながら、最終的にはワーク周回路122cに戻る。
【0035】
ここで、上記のワーク導入ユニット110のワーク導入口112bから導入されるワークは、直接にワーク周回路122c上に導入されるとは限らず、ワーク周回路122cよりも外周側上方の上記傾斜面122hや上記ワーク回収路122i上に導入されてもよい。この場合、傾斜面122hやワーク回収路122i上に導入されたワークは、傾斜面に沿って滑落しながら分散されてワーク周回路122cへ入るので、ワーク周回路122c上のワークの分散効果をさらに高めることができる。
【0036】
なお、図9及び図10においては、搬送ボウル122の外周部に切り欠き領域122e、122f、122gが設けられている。これらの切り欠き領域に図示しない部材を嵌合させることにより、ボウル本体において欠落している搬送路部分122d3′、122d5′を構成して、ワーク搬送路122dが完成される。例えば、上記切り欠き領域122eに開閉ゲートを備えたゲートブロックが取り付けられる場合には、当該ゲートブロックは、上記搬送路部分122d3′を構成するとともに、上記開閉ゲートを開くことで当該搬送路部分122d3′に開口するゲート口を通してワークを搬送ボウル122内から排出することができるように構成される。また、上記切り欠き領域122fに光センサ等のワーク検知器とワーク排除用の気流吹付口とを備えたワーク選別ブロックが取り付けられる場合には、ワーク検知器により搬送路部分122d5′上を正規の姿勢とは異なる姿勢で搬送されてきたワークが検出されると、気流吹付口から気流が噴出してワークを搬送ボウル122の内周側下方へ落下させるように構成できる。
【0037】
図7乃至図9に示すように、搬送ボウル122の内周部分には、搬送ボウル122の上記開口部122aと対応する位置に開口部123aを備えた下部ディスク123と、同様の位置に開口部124aを備えた上部ディスク124とが取り付けられる。下部ディスク123の上面123bには外周側(ワーク周回路122cの側)に向けて上記既定の向きに斜めに伸びる通気路123cが軸線周りに複数(図示例では周回方向に均等に)形成され、その先端が内周側からワーク周回路122cに臨む気流噴出口123dとなっている。上部ディスク124の下面124bには円環状の給気溝からなる給気路124cが形成されている。また、この給気路124cの内部に開口し、上記既定の向きに傾斜して上部ディスク124を貫通する給気孔124dが形成されている。下部ディスク123及び上部ディスク124の材質は特に制限されないが、後述する除電機能を持たせるには絶縁体であることが好ましい。
【0038】
上部ディスク124は下部ディスク123上に重ねて配置された状態で上記搬送ボウル122の内周部上に固定される。上記の上面123bと下面124bが密接し、給気路124cを構成する給気溝は、複数の上記通気路123cの基端部に対向して配置される。給気孔124dに圧縮空気や窒素ガスなどの気体を供給すると、給気路124cを介して上記複数の通気路123cに気体が供給され、気流噴出口123dから気流がワーク周回路122cに向けて上記既定の向きの側寄りに斜めに噴出し、ワークに当たるようになっている。給気孔124dへの気体の導入は、図13に示すジョイント125に図示しない配管を接続することによってなされる。なお、後述するように、本実施形態では、給気孔124dに供給される空気はイオナイザ等によりイオン化された除電エアである。下部ディスク123及び上部ディスク124、特に上部ディスク124は、内部の気体通路を視認できるように透明若しくは透光性を有する素材で構成されることが好ましい。なお、下部ディスク123と上部ディスク124は上記のように固定されることにより、ワーク周回路122c上のワークに内周側から気流を吹付ける給気構造(気流吹付手段)を構成する。
【0039】
このとき、下部ディスク123は、図9に示すように、搬送ボウル122の上記開口部122aの周囲に設けられた内周座面122j上に固定される。内周座面122jは、ワーク周回路122cの半径方向内側において、ワーク周回路122cよりも下方に形成される。このように、ワーク周回路122cよりも低く形成された内周座面122j上に下部ディスク123と上部ディスク124からなる給気構造(気流吹付手段)が取り付けられることにより、気流噴出口123dをワーク周回路122c上のワークに対してほぼ水平方向に配置できるため、気流をワークに確実に当てることができる。
【0040】
第2ワーク搬送ユニット130は、上記防振台102上に固定された直線振動機131と、この直線振動機131の上部の振動体131a上に固定された直線搬送体132とを有する。直線振動機131には、図4に示すように、上記振動体131aと基台部131bとの間に直列に接続された板状の弾性支持部である、圧電駆動体131c及び増幅ばね体131dと、同様の圧電駆動体131e及び増幅ばね体131fとが、搬送方向前後にそれぞれ配置されている。これらの弾性支持部は搬送方向に向けて斜め上方に向かう板状表面を備えるように傾斜し、これによって搬送方向に向けて斜め上方へ向かう往復直線振動を生じ、上記振動体131aを介して直線搬送体132を振動させる。
【0041】
直線搬送体132には、直線状に伸びるワーク搬送路132aが形成され、このワーク搬送路132aの搬送開始部132a1は、上記搬送ボウル122のワーク搬送路122dの搬送終端部122d7に接続(実際には、ワーク寸法よりも小さな僅かな間隙を有して対向配置)されている。また、ワーク搬送路132aの搬送終端部132a2は、好ましくは防振台102や基台部131b等に支持されて実質的に無振動状態とされた図示しないワーク移載部を介して、検査装置、実装装置などの各種の取扱装置の図示しない供給端に対向している。本実施形態のワークは最終的にワーク搬送路132aを通って上記供給端に供給される。
【0042】
以上のように構成された本実施形態のワーク供給装置100においては、所定形状のワークを以下のように搬送する。なお、本実施形態の搬送ボウル122及び直線搬送体132は、直方体形状のワーク(電子部品)を搬送することを想定して構成され、当該ワークに適した搬送路形状を備えている。ただし、図11では、図示によりワークを視認しやすいように、想定されるワーク形状ではなく、想定されるワークよりも大きな球でワークを模式的に示してある。なお、本実施形態に適したワークとしては、LED(発光ダイオード)チップなど、表面が汚れやすかったり、搬送中に帯電しやすかったりする、粘着表面を備えたものや、絶縁性で帯電しやすい表面を備えた電子部品が挙げられる。
【0043】
本実施形態では、上記ワーク導入ユニット110において、上記ワーク検出器119によってワーク周回路122c上のワーク数若しくはワーク密度が第1の閾値よりも低下すると、圧電駆動体113bが振動し、弾性ばね板113dを介して取出シュート112が振動し、ワークがワーク導入口112bからワーク周回路122cへ導入される。また、ワーク周回路122c上のワーク数若しくはワーク密度が上記第1の閾値よりも大きな第2の閾値よりも増加すると、圧電駆動体113bの振動が停止し、ワーク周回路122cへのワークの導入も停止する。
【0044】
上記のようにして、ワーク導入頻度を調整することにより、ワーク周回路122c上のワーク数若しくはワーク密度は第1の閾値と第2の閾値の間に維持される。なお、ワーク検出器119によるワーク数若しくはワーク密度の検出値は、ワーク周回路122c上の周回方向に沿ったワークの偏りにより時間的変動を生ずるため、或る一定時間の平均値を求め、当該平均値を上記第1の閾値又は第2の閾値と比較してワーク導入の有無を決定してもよい。また、上記検出値若しくは上記平均値と上記第1の閾値又は第2の閾値との差に応じてワーク導入量を増減させてもよい。もちろん、ワーク導入量とワーク導入頻度の双方を制御してもよい。また、本実施形態ではワーク導入ユニット110によるワークの導入は上述のように間欠的に行われるが、上記圧電駆動体113bの駆動強度などを制御することで、ワーク導入を連続的に行うとともにその導入速度を制御するようにしてもよい。
【0045】
上記のようにして、ワーク周回路122cに導入されたワークは、ワーク支持面122ca上を上記既定の向きに周回するように移動する。このとき、ワークは遠心力により、或いは、上記ワーク支持面122caの半径方向外側への傾斜により、外周側に形成されたワーク保持面122cbに押し付けられるようにして周回する。ただし、ワーク周回路122c内に多数のワークが存在する場合には、複数のワークが半径方向に連なり、ワーク支持面122ca上の内外位置に分散して周回移動する。
【0046】
ワーク周回路122cを周回するワークに対しては、ワーク周回路122の内周側から既定の向きに斜めに気流が吹き付けられる。この気流は、上記気流吹付手段に設けられた複数の気流噴出口123dが周回方向に分散して設けられていることにより、ワーク周回路122cの全周にわたって均一に生ずる。本実施形態では、上記気流が既定の向きに斜めに噴出することで、ワーク周回路122c上のワークの周回移動を妨げず、却って促進する効果をもたらす。また、上記気流を除電エアなどのイオン化された気体で構成することにより、ワーク周回路122c上のワークの帯電量を低減する作用も得られる。
【0047】
ワーク周回路122c内のワークが上記ワーク搬送路122dの搬送開始部122d1に臨む位置に到達すると、ワーク保持面122cbが欠落していることにより、少なくとも最も外周側において周回してきたワークは搬送開始部122d1内に入り込む。このとき、搬送開始部122d1のワーク支持面122daが半径方向外側に下り勾配となるように傾斜していることにより、入り込んだワークは直ちにワーク周回路122cから離反し、他のワークに妨げられない限り、ワーク搬送路122dのワーク保持面122cbに押し付けられるようにして、ワーク搬送路122dに沿って徐々に上昇しながら搬送されていく。
【0048】
一方、ワーク周回路122cから搬送開始部122d1へ導入されなかったワークは、そのまま搬送開始部122d1の内周側のワーク周回路122c上を通過し、さらに周回移動を続ける。この状況は、ワーク周回路122cのワーク密度が高い場合に、ワーク周回路122cのワーク支持面122caの幅方向の外周側を周回してきたワークはワーク搬送路122dの上記搬送開始部122d1へ導入されるものの、ワーク支持面122caの内周側を周回してきたワークは上記の外周側を周回するワークに妨げられて開口範囲APの内周側をそのまま周回方向に通過してしまうことにより発生する。これにより、内周側を周回してきたワークの一部については実質的な搬送距離が増大することもあるが、ワーク周回路122cに導入された多数のワーク全般に関しては、ワークを周回路上で分散させて、ワークの滞留を回避しつつ、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどを防止する上で効果的である。
【0049】
その後、ワーク搬送路122dのワークは、上記第1姿勢制御部122d2における円弧状のワーク支持面122daにより幅方向の姿勢が調整されながら、これに続く第2姿勢制御部122d3のワーク支持面122daとワーク保持面122dbにより制御された姿勢で搬送される。その後、狭幅部122d4における幅狭のワーク支持面122daにより、正規の姿勢とは幅方向の姿勢が異なる姿勢のワークが下方へ傾斜面122hに沿って滑落し、ワーク周回路122cに戻される。
【0050】
正規の姿勢のワークはそのまま狭幅部122d4から広幅部122d5に入り、安定した搬送状態において、切り欠き領域122fに装着された図示しないワーク選別ブロックに設けられたワーク選別手段により、ワークの表裏の姿勢又は前後の姿勢が正規の姿勢とは異なるワーク、或いは、形状などの他の点が不良のワークが排除され、傾斜面122h上を滑落し、ワーク回収路122i内にて既定の向きに搬送され、再びワーク周回路122cへ戻される。
【0051】
広幅部122d5を通過したワークは、狭幅部122d6の幅狭のワーク支持面122daによりさらに選別され、最終的に幅方向、表裏若しくは前後方向において正規の姿勢とされたワークが一列に整列した状態で搬送終端部122d7に達する。その後、ワークが搬送終端部122d7からワーク搬送路132a上に進むと、必要に応じてさらにワーク搬送路132a上で姿勢の選別や反転などの種々の処理が行われ、最終的に完全な姿勢で完全なワークのみが整列状態で供給される。なお、上記の姿勢の制御、姿勢の選別、外観や形状の良否の選別などの処理については、ワークの種類(形状や大きさ)や供給時に要求される条件(姿勢や品質の良否)などに応じて適宜に設定される。
【0052】
なお、ワークを取り換える場合には、ワーク導入ユニット110によるワーク導入を停止し、或いは、既にホッパ容器111内に収容されているワークを排出するためにワーク導入を連続的に実施した上で、搬送ボウル122内に既に供給したワークをワーク搬送路122dが通過する上記切り欠き領域122eに装着された図示しないゲートブロックの開閉ゲートを開き、そのゲート口を通して搬送ボウル122の外部へワークを排出する。これによって、ワーク搬送路122dの搬送終端部122d7やワーク搬送路132aの搬送終端部132a2までワークが達する前に迅速にワークを装置から排除することができる。
【0053】
本実施形態によれば、閉じた円環状のワーク周回路122cを構成し、このワーク周回路122c上でワークを高速で周回移動させることで、導入された複数のワークを周回方向に分散させることができる。このため、従来のボウル型パーツフィーダのように、ワーク同士が積み重なったり、絡み合ったり、貼り付いたりすることが抑制されるから、ワークに汚れが付着したり帯電が生じたりしにくくなる。特に、本実施形態では、ワーク導入ユニット110によりワーク周回路122cへのワークの導入量が制御されることで、ワーク周回路122c上のワーク数若しくはワーク密度が制限されるので、ワークの汚れや帯電をさらに効果的に回避できる。
【0054】
ワーク周回路122cは周回方向に平坦に構成されるので、搬送方向に徐々に上昇するワーク搬送路122dに比べて、ワーク周回路122c上のワークの移動速度は高くなる。また、ワークの周回速度も軸線周りに均一化される。したがって、ワーク支持面122caの振動により周回移動していくワークの周回方向の分散作用も増大し、ワークの積み重なり、絡み合い、貼り付きを抑制できる。また、同じ理由から、ワーク周回路122cのワーク支持面122ca上においてワークが受ける遠心力も増大するので、ワークの外周側への押し付け作用も高められるため、搬送開始部122d1におけるワークの搬入速度も増大し、ワーク周回路122cからワーク搬送路122dへのスムーズな移動、ひいてはワークの効率的で高速な供給を実現できる。
【0055】
本実施形態では、ワーク搬送路122dの搬送開始部122d1にワークが或る程度整列した状態で搬入されるため、整列状態を得るための搬送距離を低減できる。その結果、ワーク搬送路122dは図示例では軸線周りをほぼ一周する長さに設定できるなど、従来の何周にもわたる螺旋状の搬送路に比べてワークの搬送距離を大幅に短縮できる。これにより、ワークの汚れや帯電をさらに抑制できる。
【0056】
本実施形態の場合には、ワーク周回路122cにおけるワークの周回速度は、ワーク搬送路122dにおけるワークの最大搬送速度(具体的には、最も外周側にある部分、図示例では搬送終端部122d7におけるワークの搬出速度)の0.8〜1.3倍の範囲内に設定されることが好ましく、1.9〜1.2倍の範囲内に設定されることが望ましい。本実施形態では、実際には1.95〜1.1倍の範囲内に設定されている。ここで、これらの範囲を下回ると、ワーク搬送路122dにおける搬送効率を確保するためには、ワーク周回路122cに過剰なワークを導入する必要が生ずるため、ワーク周回路122cにおいてワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどが生じやすくなる。逆にワーク周回路122cにおいてワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどを回避しようとしてワーク数やワーク密度を低下させると、ワーク搬送路122dにおける搬送効率が低下してしまう。一方、上記範囲を上回ると、ワーク搬送路122dにおいてワークの滞留が生じやすくなってワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどが生じるとともに、これにより却って搬送効率が低下する。逆に、これを防止するためにはワーク周回路122cのワーク数やワーク密度を低下させる必要があるので、やはりワークの効率的な搬送ができなくなる。
【0057】
一般的には、ボウル型搬送体の内部中央の内底部から螺旋状に伸びるワーク搬送路を備えた従来のボウル型フィーダの場合、軸線から離れて半径位置が大きくなるほど振動の振幅も増大してワークの搬送速度が増大するため、内底部に近い内周側部分(上流側)では多数のワークが積み重なった状態でゆっくりと搬送され、外周側部分(下流側)に進むほど搬送速度が増大していき、ワークが分離して整列状態に近づく。しかしながら、本実施形態では、上記従来の既成概念を撤廃して、ワーク周回路122cの半径位置を外周寄りに設定し、さらに上述のように周回方向に平坦に構成したり気流吹付手段による気流の吹付けによりワークの周回速度を高める一方で、ワーク搬送路122dの最大半径位置をワーク周回路122cの上記半径位置の1.5倍以下、好ましくは1.3倍以下、実際には1.2倍以下に抑えることにより、上記周回速度を上記最大搬送速度に対して上記範囲内に設定している。このようにすることで、ワーク周回路122cにおいてワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きを招くワークの滞留を防止しつつ、ワーク搬送路122dにおいても同様のワークの滞留を防止し、これによってワークの汚れや帯電を抑制しつつ、全体として搬送効率を高めることに成功している。
【0058】
すなわち、本実施形態では、ワーク周回路122cにおいてワークを分散させるとともに上記最大搬送速度に近い速度まで加速し、さらに遠心力によってワークを或る程度整列した状態でワーク搬送路122dに送り込むようにしている。これにより、ワーク搬送路122dでは、或る程度整列した状態のワークをさらに整列させ、必要に応じて選別を行うだけでよくなるから、搬送距離を短縮できる。したがって、ワーク周回路122c及びワーク搬送路122dの全体を見ても、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きが抑制されるとともに、搬送距離を大幅に低減することができるので、ワークの汚れや帯電を従来に比べて大幅に低減することが可能になる。ここで、ワーク周回路122cからワーク搬送路122dへ遠心力を利用してスムーズにワークを送り込むにはワーク搬送路122dをワーク周回路122cの外周側に引き出す必要があるが、このようにすると、ワーク速度は振動振幅に応じて上記半径位置にほぼ比例すると考えられるので、必然的に外周側にあるワーク搬送路122dのワーク速度は半径位置の増大によりワーク周回路122cのワーク速度よりも増大する。しかし、本実施形態ではワーク周回路122cが周回方向に平坦に構成される一方でワーク搬送路122dが軸線周りの搬送方向に上昇する勾配を有するので、ワーク搬送路122dにおけるワーク速度を低下させることができ、また、ワーク周回路122cでは上記給気構造によりワークが加速される方向に気流が吹き付けられるので、ワーク周回路122cにおけるワーク速度を増大させることができるから、ワーク周回路122cとワーク搬送路122dのワーク速度の差は抑制される。図示例の場合には、ワーク周回路122cにおけるワークの周回速度とワーク搬送路122dにおけるワークの搬送速度の平均値は実質的に等しくなるように構成され、これにより極めて高い搬送効率が得られている。
【0059】
本実施形態では、搬送ボウル122が中央に開口部122aを有する構造とされているため、搬送ボウル122を軽量化することができるから、搬送効率を高めることができ、搬送速度も向上できる。また、これによって回転振動機121の駆動負荷も軽減されるため、回転振動機121の製造コストの低減も図ることができる。さらに、搬送ボウル122では、ワーク周回路122cの形状や内周座面122jの形状も重要であるが、これらの内周部分の加工が開口部122aの存在により容易になるという利点もある。さらに、上記の給気構造やワーク導入ユニット110の設置も容易になり、しかも装置全体をコンパクト化できる。
【0060】
尚、本発明のワーク供給装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、ワーク周回路122cから分岐するワーク搬送路122dは一本のみであるが、本発明としては、ワーク周回路122cから複数のワーク搬送路が分岐する態様としても構わない。
【符号の説明】
【0061】
100…ワーク供給装置、101…設置台、102…防振台、110…ワーク導入ユニット、111…ホッパ容器、112…取出シュート、112a…基部、112b…ワーク導入口、113…ワーク取出機構、113a…基材、113b…圧電駆動体、113c…スペーサ、113d…弾性ばね板、114…支柱、115…支持アーム、116…防振材、117…スリーブ、118…保持体、119…ワーク検出器、120…第1ワーク搬送ユニット、121…回転振動機、121a…振動盤、122…搬送ボウル、122a…開口部、122b…係合溝、122c…ワーク周回路、122ca…ワーク支持面、122cb…ワーク保持面、122d…ワーク搬送路、122da…ワーク支持面、122db…ワーク保持面、122d1…搬送開始部、122d7…搬送終端部、123…下部ディスク、123a…開口部、123b…上面、123c…通気路、123d…気流吹付口、124…上部ディスク、124a…開口部、124b…下面、124c…給気路、124d…給気孔、130…第2ワーク搬送ユニット、131…直線振動機、131a…振動体、132…直線搬送体、132a…ワーク搬送路、132a1…搬送開始部、132a2…搬送終端部
【技術分野】
【0001】
本発明はワーク供給装置に係り、特に、微小な電子部品を振動により高速に搬送する場合に好適なワーク供給構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーツフィーダと呼ばれる振動式の部品供給装置が多くの電子部品を扱う工場などで使用されている。特に、近年では、表面実装型の微小な電子部品を正確に整列させ、高速で供給することが要求されるようになってきているので、電子部品用の小型のパーツフィーダの需要が増加している。このような小型のパーツフィーダとしては一般的にボウル型で内部に螺旋状の搬送路を形成した搬送体を備えたボウル型パーツフィーダが知られている。このボウル型パーツフィーダは、上記搬送体を回転振動機上に設置して軸線周りに往復振動させることにより、内底部に溜められた多数の部品を上記螺旋状の搬送路上で徐々に整列させながら上昇させるように構成したものである。
【0003】
また、従来のボウル型パーツフィーダとしては、上記のような典型的な構造を有するものの他に、種々の状況に合わせて改良されたものが知られている。例えば、以下の特許文献1には、部品の詰りを防止するために調整部に加圧エアを吹き付ける構成を有するとともに、単一の円環を構成する螺旋状の搬送路を備えたボウル型パーツフィーダが開示されている。また、特許文献2には、静電気の除去や効率的な搬送を実現するために、ボウル状の振動体の内底部からエアチューブを通して除電エアとともに部品を振動体の上縁部に搬送し、この上縁部において螺旋状の搬送路に沿って部品を搬送していくようにしたボウル型パーツフィーダが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−313211号公報
【特許文献2】特開2000−335735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、振動式部品供給装置は上記のように高速に大量の微小部品を正確に供給できる点で優れているが、多数のワークが搬送体の内底部に滞留し、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどが生じやすいので、搬送体の内底部に溜められた状態の多数のワークが振動を受けて互いに擦られるとともに、螺旋状の搬送路上においても振動によってボウルから摩擦を受けながら搬送されていくため、搬送部品が汚れたり静電気が溜まったりすることがある。また、ワークが帯電すると静電気により汚れが付着しやすくなるため、ワークの汚れがさらにひどくなるとともにその程度もばらつきやすくなる。したがって、近年特に要求される製品の信頼性向上や性能低下の防止を充分に図ることができないという問題点がある。
【0006】
特に、LEDなどの発光素子においては、窓部などに透過性の高い樹脂材料を使用する必要があるために汚れが付着しやすいものが多く、また、当該樹脂材料は絶縁体であるために帯電しやすくなっていて、帯電するとますます汚れが付着しやすくなるため、安定した清浄度を有する部品供給が困難であり、また、搬送体にも汚れが付着するので、頻繁に清浄化処理(清掃などのメンテナンス作業)を施す必要があるという問題点もある。
【0007】
さらに、近年では多品種小ロットで頻繁にワークの種類を変更する場合が多くなってきているため、ワークのロット替えの際に装置から残余の部品を排出するのに時間がかかると、それだけ生産性が低下するという問題点もある。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、搬送体内におけるワークの滞留や、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付き等を低減することにより、ワークの汚れや帯電を抑制するとともに、生産性の向上に寄与しうるワーク供給装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
斯かる実情に鑑み、本発明のワーク供給装置は、軸線周りに閉じた円環状に構成されるとともに外周縁にワーク保持面を備えたワーク周回路、及び、前記ワーク周回路の所定位置より外周側へ向けて前記軸線周りの所定の向きに斜めに分岐し、前記軸線周りに徐々に上昇するように構成されたワーク搬送路を有する搬送体と、該搬送体を前記軸線周りに往復振動させる加振体と、を具備し、前記搬送体の前記軸線周りの往復振動によりワークが前記ワーク周回路及び前記ワーク搬送路上で前記所定の向きへ移動することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、ワーク周回部にワークが導入されると、加振体による加振作用によって軸線周りに搬送体が往復振動することにより、導入されたワークは、閉じた円環状のワーク周回路上で遠心力を受けて外周側のワーク保持面に押し付けられながら所定の向きに周回する。このとき、ワークがワーク周回路の所定位置に到達すると、ワーク周回路上から分岐したワーク搬送路上へ押し出され、このワーク搬送路上を上記所定の向きに上昇しながら搬送されていく。また、ワーク搬送路へ押し出されなかったワークはさらにワーク周回路上を周回する。このように閉じた円環状のワーク周回路が形成されることで、導入されたワークを周回方向に分散させることができるため、ワーク周回路上におけるワークの滞留を抑制して、複数のワークの積み重なり、絡み合い、貼り付きを抑制できるとともに、これらに起因するワークの汚れや帯電を低減することもできる。また、この状態でワーク周回路上の所定位置から外周側へ所定の向きに斜めに分岐したワーク搬送路へと遠心力によりワークを少しずつ押し出すことができるため、ワーク搬送路上のワークが当初より整列状態に近い態様で搬送されることとなるから、ワークを整列させるためのワーク搬送路の距離を短縮できるので、ワークの汚れの付着や帯電をさらに低減することができるとともに効率的に搬送することも可能になる。さらに、ワークの搬送距離が低減されることで、ワークのロット替え作業の時間を低減することができるため、全体として生産性を向上させることが可能になる。
【0011】
本発明において、前記ワーク周回路は周回方向に平坦に構成されることが好ましい。これによれば、ワーク周回路が周回方向に向けて平坦に構成されることにより、ワークの周回速度を周回方向に均一化でき、全体としては速度を多少でも高めることができるため、ワーク周回路上のワークの分散性、均一性を高めることができるから、ワーク同士の擦れなどによる汚れの付着や帯電をさらに抑制できる。また、ワーク周回路上におけるワークに作用する遠心力も均一化されるので、ワークをワーク保持面に沿って安定した状態で外周側へ集められる。したがって、ワーク搬送路へのワークの供給効率を向上させて実質的に搬送速度を高めることができる。
【0012】
本発明において、前記ワーク周回路のワークの周回速度は、前記ワーク搬送路の最外周部分のワークの搬送速度の0.8倍以上、1.3倍以下であることが好ましい。特に、上記周回速度が上記搬送速度の0.9倍以上、1.2倍以下であることが望ましく、0.95倍以上、1.1倍以下であることがさらに望ましい。上記周回速度が上記範囲未満であると、ワーク周回路のワーク数若しくはワーク密度を高めないとワーク搬送路へ搬入されるワーク数を確保しにくくなり、従来のボウル型フィーダと同様にワーク周回路でワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどが生じやすくなる。周回速度が上記範囲を越えると、ワーク周回路やワーク搬送路の一部にワークの滞留箇所が発生し、却ってワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどが生じやすくなるとともに、全体として搬送効率が低下する。
【0013】
本発明において、前記ワーク周回路の内周側から前記ワーク周回路上の前記ワークにイオン化された気流を吹き付ける気流吹付手段をさらに具備することが好ましい。これによれば、気流吹付手段により、ワーク周回路の内周側からワークへイオン化された気流が吹き付けられるので、ワーク全体に均一かつ十分に除電作用を施すことができるため、帯電によるワークへの汚れの付着やワークのワーク搬送路に対する吸着などの不具合を回避することができる。
【0014】
本発明において、前記ワーク周回路の内周側から前記ワーク周回路上の前記ワークに気流を吹き付ける気流吹付手段をさらに具備し、前記気流吹付手段は、前記ワーク周回路上に向けて前記所定の向きに斜めに気流を吹き付けることが望ましい。これによれば、イオン化された気流がワークに対して斜め進行方向へ向けて吹き付けられるので、ワーク周回路のワークの周回方向への移動を阻害せず、その周回速度を高めることができる。また、この気流吹付手段は、前記ワーク周回路の内周側に周回方向に沿って、好ましくは均等に、分散配置された複数の気流噴出口を備えることが望ましい。
【0015】
本発明において、前記ワーク周回路上へ前記ワークを導入するワーク導入機構をさらに具備し、前記ワーク導入機構はワーク導入量を制御可能に構成されることが好ましい。これによれば、ワーク導入機構によりワーク周回路へのワーク導入量を制御できるので、ワーク周回路内で周回移動するワーク量を制限することにより、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きをさらに低減できる。この場合に、ワーク導入機構は前記ワーク周回路の内周側に配置され、内周側から外周側に向けて開口して前記ワーク周回路上に臨むワーク導入口を備えることが望ましい。これによれば、ワーク導入機構の設置空間を搬送体の外側に確保する必要がなくなるので、装置全体をコンパクトに構成できる。
【0016】
本発明において、前記ワーク周回路上の前記ワークを検出するワーク検出手段と、該ワーク検出手段の検出値に応じて前記ワーク導入機構によるワークの導入量若しくは導入頻度を制御するワーク導入制御手段をさらに具備することが好ましい。
【0017】
本発明において、前記搬送体は、前記ワーク周回路の内周側に開口部を備えたリング状に構成されることが好ましい。これによれば、搬送体はワーク周回路の内周側に開口部を備えるので、開口部の分だけ搬送体の重量を軽減することができ、その結果、加振体の駆動付加を低減できるとともに、搬送体の振動効率を向上させて搬送効率を高めることが可能になる。また、開口部があることで搬送体の加工(特に内周部分の加工)を容易に行うことが可能になる。さらに、搬送体の内周側において上記ワーク導入機構や上記給気構造の少なくとも一部を配置しやすくなるので、これらの設置が容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ワークの滞留を低減してワークの汚れや帯電を抑制するとともに、生産性の向上に寄与しうるワーク供給装置を実現できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るワーク供給装置の実施例の全体構成を示す斜視図。
【図2】同実施例の正面図。
【図3】同実施例の背面図。
【図4】同実施例の左側面図及び右側面図。
【図5】同実施例の平面図。
【図6】同実施例の拡大部分斜視図(図1に示すVI領域を拡大して示す斜視図)。
【図7】同実施例からホッパ(ワーク導入機構)を取り外した様子を示す斜視図。
【図8】同実施例の図7に示す状態からさらに給気構造の上部を取り外した様子を示す斜視図。
【図9】同実施例における搬送ボウル及び給気構造の分解斜視図、並びに、給気構造の上部の側面図及び底面図。
【図10】同実施例の主要部の平面図。
【図11】同実施例の主要部の拡大説明斜視図。
【図12】同実施例の主要部の縦断面図。
【図13】図12に示すVIII領域を拡大して示す拡大部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1乃至図6は、本発明の実施例に係るワーク供給装置100の全体構成及び外観を示す斜視図、正面図、背面図、左側面図及び右側面図、平面図、並びに、拡大部分斜視図(図1に示すVI領域の斜視図)である。また、図12は実施例の縦断面図、図13は図12に示すVIII領域を拡大して示す拡大部分断面図である。
【0021】
本実施例のワーク供給装置100は、図1に示すように、ホッパ型の外観構造を備えたワーク導入ユニット110と、このワーク導入ユニット110からワークの供給を受けるボウル型フィーダ構造を備えた第1ワーク搬送ユニット120と、第1ワーク搬送ユニット120からワークの供給を受けるリニア型フィーダ構造を備えた第2ワーク搬送ユニット130とを備えている。これらのワーク導入ユニット110、第1ワーク搬送ユニット120及び第2ワーク搬送ユニット120は、設置台101と、この設置台101上に図示しない防振ばねや防振ゴム等の防振部材を介して取り付けられた防振台102とを含む基台構造によって支持されている。なお、本発明のワーク供給装置は、基本的には第1ワーク搬送ユニット120に相当するものであるが、本実施形態のように、上記ワーク導入機構に相当するワーク導入ユニット110やさらに付加的に接続される上記第2ワーク搬送ユニット130を含むことができる。
【0022】
ワーク導入ユニット110は、投入口111aを備えた拡径された上部と、排出口111b(図12参照)を備えた縮径された下部とを有する、図示例では漏斗状のホッパ容器111と、このホッパ容器111の下部の排出口111bに対し間隔を有して下方より臨む基部112a、及び、第1ワーク供給ユニット120へワークを導入するワーク導入口112bを備えた、樋状の取出シュート112と、この取出シュート112を駆動するシュート駆動部113とを備えている。
【0023】
ホッパ容器111は防振台102に固定された支柱114及び支持アーム115により支持固定される。ここで、図12に示すように、ホッパ容器111はシリコーン樹脂等よりなる筒状の防振材116及びスリーブ117を介して支持アーム115に取り付けられている。ホッパ容器111と支持アーム115の間に介在する防振材116はワーク導入ユニット110の振動を低減している。また、ホッパ容器111の下部に保持体118が固定され、この保持体118に上記取出シュート112及びシュート駆動部113が支持されている。すなわち、ワーク導入ユニット110においては、支持アーム115によってホッパ容器111が支持されるとともに、その下方に取出シュート112及びシュート駆動部113が吊り下げられた構造となっている。
【0024】
本実施形態のシュート駆動部113においては、保持体118に対して基材113aが固定され、この基材113aに板状の圧電駆動体113bの基端が取り付けられるとともに、圧電駆動体113bの先端がスペーサ113cを介して弾性ばね板113dの基端に接続される。弾性ばね板113dの先端は上記取出シュート112の基部112aに接続されている。ここで、圧電駆動体113bと弾性ばね板113dはスペーサ113cを介してU字状に接続される。これによりシュート駆動部113をコンパクトに構成できる。圧電駆動体113bが交流駆動されて撓み振動を生ずると、弾性ばね板113dを介して振動が取出シュート112の基部112aに伝達され、取出シュート112の基部112aが上下に振動する。これにより、ホッパ容器111内から取出シュート112の基部112a上にもたらされたワークは少しずつワーク導入口112bから排出される。
【0025】
保持体118にはワーク検出器119が取り付けられている。このワーク検出器119はワーク周回路122c上のワークを検出する。図示例ではワーク検出器119は反射型光センサである。ワーク検出器119によって検出された、ワーク周回路122c上を周回するワーク数若しくはワーク密度が減少すると、上記シュート駆動部113が動作し、取出シュート112のワーク導入口112bからワーク周回路122c上へワークが導入され、上記ワーク数若しくはワーク密度が増大すると、ワークの導入が停止されるなど、ワーク周回路122c上のワーク数やワーク密度の変動を小さくするように、ワークの導入量が制御される。
【0026】
本実施形態では、ワーク導入ユニット110はワーク周回路122cの内周側に配置される。そして、取出シュート112は、内周側から外周側に向けてワークをワーク導入口112bからワーク周回路122c上へ導入している。ここで、取出シュート112による軸線周りのワーク導入角度位置は特に限定されないが、図示例では支持アーム115の直下にワーク導入位置が設定されている。また、このワーク導入角度位置は、図示例では、後述するワーク搬送路122dの搬送開始部122d1に対して後述する既定の向きを基準として手前(例えば、10〜50度程度手前)に設定される。また、ワーク検出器119によるワーク数若しくはワーク密度の検出位置は上記ワーク導入角度位置に対して上記既定の向きの側であって、上記搬送開始部122d1よりも上記既定の向きとは逆側に配置される。これにより、導入されたワークが直接にワーク搬送路122dへ入ることを防止しつつ、ワーク搬送路122dへの供給量の低下を迅速に補償して最小限にとどめることができるとともに、ワーク導入角度位置におけるワーク導入によるワーク数若しくはワーク密度の変動をすばやく検出できるので、ワーク搬送路122dへのワークの供給量を安定させ、当該供給量の変動を低減することができる。
【0027】
上記ワーク導入ユニット110の下方には上記第1ワーク搬送ユニット120が配置される。第1ワーク搬送ユニット120は、防振台102上に固定された上記加振体に相当する回転振動機121と、この回転振動機121の上部にある振動盤121a上に固定された上記搬送体に相当する搬送ボウル122とを有する。搬送ボウル122は、回転振動機121によって垂直な軸線周りに往復振動する。具体的には、振動方向は、図示上方から装置を見たときに反時計回りとなる向き(以下、単に「既定の向き」という。)に斜め上方へ向けた方向とされるので、正確にはねじり振動となっている。このねじり振動により、搬送ボウル112上の後述するワーク周回路122c及びワーク搬送路122dにおいて上記既定の向きにワークが移動する。搬送ボウル112の外周底部には周回方向に伸びる係合溝122bが形成され、この係合溝122bに係合するクランプ部材(図示せず)を上記振動盤121aの外周部に取り付けることにより、搬送ボウル122の外周底部を振動盤121aの外周部に固定している。
【0028】
搬送ボウル122は、本実施例ではボウル状の内底部の中央に開口部122aを備えたリング枠状に構成されている。そして、搬送ボウル122の開口部122a内には上記保持体118及びこれに固定されたシュート駆動部113が上方より吊り下げられた状態で配置され、その下端は、回転振動機121の上記振動盤121aと間隔を有して対向している。ただし、搬送ボウル122は、一般的にはそうであるように、内底部が閉鎖されたボウル状に構成されていてもよい。
【0029】
搬送ボウル122は、図9に示すように、内部表面が全体として中央(上記開口部122aの縁部)側で低く、周縁側で高くなるように、ボウル状に構成されている。搬送ボウル122の内部表面の内周部分には、軸線周りに閉じた円環状に形成されたワーク周回路122cが形成されている。このワーク周回路122cは周回方向に平坦に構成されている。また、ワーク周回路122cは、内周側に配置され、半径方向に少なくともワークの最大寸法の2〜5倍以上の幅に構成されたリング帯状のワーク支持面122caと、このワーク支持面122caの外周側に隣接してリング状に設けられ、半径方向斜め内側に向くように傾斜したワーク保持面122cbとを有する(図11及び図13参照)。なお、図示例の場合、厳密に言うと、ワーク周回路122cの上記ワーク支持面122caは外周側(半径方向外側)に向けて下り勾配を有する態様で幅方向外側に僅かに傾斜しているが、これに限定されるものではなく、幅方向に見て平坦に構成されていてもよい。
【0030】
搬送ボウル122の内部表面には、図10に示すように、上記ワーク周回路122cの一箇所から外周側へ斜めに分岐し、分岐点より周回方向に向けて徐々に外周側へ進みながら徐々に上昇する螺旋状のワーク搬送路122dが形成されている。ワーク搬送路122dの分岐の向きは、図示上方から見たときに上記既定の向きに対して斜め外周側へ向かう向きである。ワーク搬送路122dは、略水平若しくは外周側に向けて傾斜したワーク支持面122daと、このワーク支持面122dの外周側に隣接して形成され、略垂直若しくは内周側に向けて傾斜したワーク保持面122dbとを備えている(図10及び図13参照)。
【0031】
ワーク搬送路122dにおいて、上記ワーク周回路122cに接続された端部に相当する搬送開始部122d1は、ワーク周回路122cのワーク保持面122cbが欠落することによりワーク周回路122cに開口している。したがって、この開口範囲AP(図10参照)では、ワーク周回路122cの上記ワーク支持面122caと、ワーク搬送路122dの上記ワーク支持面122daとが直接に隣接若しくは連結される。このとき、ワーク周回路122cのワーク保持面122cbは、上記搬送開始部122d1に臨む、ワーク搬送路122dのワーク周回路122cに対する開口範囲APの上記既定の向きの側の端部から上記既定の向きへさらに進むに従って徐々に高さを増して立ち上がるように構成されている。また、この搬送開始部122d1のワーク支持面122daは、上記既定の向きとは逆側の端部から上記既定の向きに進むに従って徐々に幅広になるように構成されている。
【0032】
上記搬送開始部122d1においては、ワーク支持面122daが、ワーク周回路122cのワーク支持面122caとの境界から外周側に向けて下り勾配に形成される。これにより、ワーク周回路122cからワーク搬送路122d内へワークをスムーズに搬入することができる。また、ワーク搬送路122dは、上記搬送開始部122d1から上記既定の向きへ進むに従って徐々に上昇し、この上昇勾配に伴って、その内周側に隣接するワーク周回路122cの上記ワーク保持面122cbの高さが上述のように増大している。
【0033】
ワーク搬送路122dは、上記搬送開始部122d1から搬送終端部122d7までがほぼ軸線周りを一周する程度の長さに形成されている。搬送開始部122d1から徐々に幅広になった部分の先には、ワーク支持面122daが凹円弧状の断面とされた第1姿勢制御部122d2が設けられ、この第1姿勢制御部122d2の底部に接続された部分からワーク支持面122daとワーク保持面122dbが開始される第2姿勢制御部122d3が形成される。この第2姿勢制御部122d3の先にはワーク支持面122daが上流側よりも幅狭とされた狭幅部122d4が形成され、この狭幅部122d4の先にはワーク支持面122daが上流側よりも幅広とされた広幅部122d5が形成される。広幅部122d5の先には、再びワーク支持面122daが上流側よりも幅狭とされた狭幅部122d6が形成されて、最終的に上記搬送終端部122d7に達する。
【0034】
ワーク搬送路122dの少なくとも一部領域(特に、上記狭幅部122d4、122d6)の内周側下方には傾斜面122hが構成され、ワーク搬送路122d上から落下したワークが当該傾斜面122h上を滑落し、上記ワーク周回路122c、又は、ワーク回収路122iへ戻るようになっている。なお、ワーク回収路122i内に滑落したワークは、上記ねじり振動により上記既定の向きに搬送されながら、最終的にはワーク周回路122cに戻る。
【0035】
ここで、上記のワーク導入ユニット110のワーク導入口112bから導入されるワークは、直接にワーク周回路122c上に導入されるとは限らず、ワーク周回路122cよりも外周側上方の上記傾斜面122hや上記ワーク回収路122i上に導入されてもよい。この場合、傾斜面122hやワーク回収路122i上に導入されたワークは、傾斜面に沿って滑落しながら分散されてワーク周回路122cへ入るので、ワーク周回路122c上のワークの分散効果をさらに高めることができる。
【0036】
なお、図9及び図10においては、搬送ボウル122の外周部に切り欠き領域122e、122f、122gが設けられている。これらの切り欠き領域に図示しない部材を嵌合させることにより、ボウル本体において欠落している搬送路部分122d3′、122d5′を構成して、ワーク搬送路122dが完成される。例えば、上記切り欠き領域122eに開閉ゲートを備えたゲートブロックが取り付けられる場合には、当該ゲートブロックは、上記搬送路部分122d3′を構成するとともに、上記開閉ゲートを開くことで当該搬送路部分122d3′に開口するゲート口を通してワークを搬送ボウル122内から排出することができるように構成される。また、上記切り欠き領域122fに光センサ等のワーク検知器とワーク排除用の気流吹付口とを備えたワーク選別ブロックが取り付けられる場合には、ワーク検知器により搬送路部分122d5′上を正規の姿勢とは異なる姿勢で搬送されてきたワークが検出されると、気流吹付口から気流が噴出してワークを搬送ボウル122の内周側下方へ落下させるように構成できる。
【0037】
図7乃至図9に示すように、搬送ボウル122の内周部分には、搬送ボウル122の上記開口部122aと対応する位置に開口部123aを備えた下部ディスク123と、同様の位置に開口部124aを備えた上部ディスク124とが取り付けられる。下部ディスク123の上面123bには外周側(ワーク周回路122cの側)に向けて上記既定の向きに斜めに伸びる通気路123cが軸線周りに複数(図示例では周回方向に均等に)形成され、その先端が内周側からワーク周回路122cに臨む気流噴出口123dとなっている。上部ディスク124の下面124bには円環状の給気溝からなる給気路124cが形成されている。また、この給気路124cの内部に開口し、上記既定の向きに傾斜して上部ディスク124を貫通する給気孔124dが形成されている。下部ディスク123及び上部ディスク124の材質は特に制限されないが、後述する除電機能を持たせるには絶縁体であることが好ましい。
【0038】
上部ディスク124は下部ディスク123上に重ねて配置された状態で上記搬送ボウル122の内周部上に固定される。上記の上面123bと下面124bが密接し、給気路124cを構成する給気溝は、複数の上記通気路123cの基端部に対向して配置される。給気孔124dに圧縮空気や窒素ガスなどの気体を供給すると、給気路124cを介して上記複数の通気路123cに気体が供給され、気流噴出口123dから気流がワーク周回路122cに向けて上記既定の向きの側寄りに斜めに噴出し、ワークに当たるようになっている。給気孔124dへの気体の導入は、図13に示すジョイント125に図示しない配管を接続することによってなされる。なお、後述するように、本実施形態では、給気孔124dに供給される空気はイオナイザ等によりイオン化された除電エアである。下部ディスク123及び上部ディスク124、特に上部ディスク124は、内部の気体通路を視認できるように透明若しくは透光性を有する素材で構成されることが好ましい。なお、下部ディスク123と上部ディスク124は上記のように固定されることにより、ワーク周回路122c上のワークに内周側から気流を吹付ける給気構造(気流吹付手段)を構成する。
【0039】
このとき、下部ディスク123は、図9に示すように、搬送ボウル122の上記開口部122aの周囲に設けられた内周座面122j上に固定される。内周座面122jは、ワーク周回路122cの半径方向内側において、ワーク周回路122cよりも下方に形成される。このように、ワーク周回路122cよりも低く形成された内周座面122j上に下部ディスク123と上部ディスク124からなる給気構造(気流吹付手段)が取り付けられることにより、気流噴出口123dをワーク周回路122c上のワークに対してほぼ水平方向に配置できるため、気流をワークに確実に当てることができる。
【0040】
第2ワーク搬送ユニット130は、上記防振台102上に固定された直線振動機131と、この直線振動機131の上部の振動体131a上に固定された直線搬送体132とを有する。直線振動機131には、図4に示すように、上記振動体131aと基台部131bとの間に直列に接続された板状の弾性支持部である、圧電駆動体131c及び増幅ばね体131dと、同様の圧電駆動体131e及び増幅ばね体131fとが、搬送方向前後にそれぞれ配置されている。これらの弾性支持部は搬送方向に向けて斜め上方に向かう板状表面を備えるように傾斜し、これによって搬送方向に向けて斜め上方へ向かう往復直線振動を生じ、上記振動体131aを介して直線搬送体132を振動させる。
【0041】
直線搬送体132には、直線状に伸びるワーク搬送路132aが形成され、このワーク搬送路132aの搬送開始部132a1は、上記搬送ボウル122のワーク搬送路122dの搬送終端部122d7に接続(実際には、ワーク寸法よりも小さな僅かな間隙を有して対向配置)されている。また、ワーク搬送路132aの搬送終端部132a2は、好ましくは防振台102や基台部131b等に支持されて実質的に無振動状態とされた図示しないワーク移載部を介して、検査装置、実装装置などの各種の取扱装置の図示しない供給端に対向している。本実施形態のワークは最終的にワーク搬送路132aを通って上記供給端に供給される。
【0042】
以上のように構成された本実施形態のワーク供給装置100においては、所定形状のワークを以下のように搬送する。なお、本実施形態の搬送ボウル122及び直線搬送体132は、直方体形状のワーク(電子部品)を搬送することを想定して構成され、当該ワークに適した搬送路形状を備えている。ただし、図11では、図示によりワークを視認しやすいように、想定されるワーク形状ではなく、想定されるワークよりも大きな球でワークを模式的に示してある。なお、本実施形態に適したワークとしては、LED(発光ダイオード)チップなど、表面が汚れやすかったり、搬送中に帯電しやすかったりする、粘着表面を備えたものや、絶縁性で帯電しやすい表面を備えた電子部品が挙げられる。
【0043】
本実施形態では、上記ワーク導入ユニット110において、上記ワーク検出器119によってワーク周回路122c上のワーク数若しくはワーク密度が第1の閾値よりも低下すると、圧電駆動体113bが振動し、弾性ばね板113dを介して取出シュート112が振動し、ワークがワーク導入口112bからワーク周回路122cへ導入される。また、ワーク周回路122c上のワーク数若しくはワーク密度が上記第1の閾値よりも大きな第2の閾値よりも増加すると、圧電駆動体113bの振動が停止し、ワーク周回路122cへのワークの導入も停止する。
【0044】
上記のようにして、ワーク導入頻度を調整することにより、ワーク周回路122c上のワーク数若しくはワーク密度は第1の閾値と第2の閾値の間に維持される。なお、ワーク検出器119によるワーク数若しくはワーク密度の検出値は、ワーク周回路122c上の周回方向に沿ったワークの偏りにより時間的変動を生ずるため、或る一定時間の平均値を求め、当該平均値を上記第1の閾値又は第2の閾値と比較してワーク導入の有無を決定してもよい。また、上記検出値若しくは上記平均値と上記第1の閾値又は第2の閾値との差に応じてワーク導入量を増減させてもよい。もちろん、ワーク導入量とワーク導入頻度の双方を制御してもよい。また、本実施形態ではワーク導入ユニット110によるワークの導入は上述のように間欠的に行われるが、上記圧電駆動体113bの駆動強度などを制御することで、ワーク導入を連続的に行うとともにその導入速度を制御するようにしてもよい。
【0045】
上記のようにして、ワーク周回路122cに導入されたワークは、ワーク支持面122ca上を上記既定の向きに周回するように移動する。このとき、ワークは遠心力により、或いは、上記ワーク支持面122caの半径方向外側への傾斜により、外周側に形成されたワーク保持面122cbに押し付けられるようにして周回する。ただし、ワーク周回路122c内に多数のワークが存在する場合には、複数のワークが半径方向に連なり、ワーク支持面122ca上の内外位置に分散して周回移動する。
【0046】
ワーク周回路122cを周回するワークに対しては、ワーク周回路122の内周側から既定の向きに斜めに気流が吹き付けられる。この気流は、上記気流吹付手段に設けられた複数の気流噴出口123dが周回方向に分散して設けられていることにより、ワーク周回路122cの全周にわたって均一に生ずる。本実施形態では、上記気流が既定の向きに斜めに噴出することで、ワーク周回路122c上のワークの周回移動を妨げず、却って促進する効果をもたらす。また、上記気流を除電エアなどのイオン化された気体で構成することにより、ワーク周回路122c上のワークの帯電量を低減する作用も得られる。
【0047】
ワーク周回路122c内のワークが上記ワーク搬送路122dの搬送開始部122d1に臨む位置に到達すると、ワーク保持面122cbが欠落していることにより、少なくとも最も外周側において周回してきたワークは搬送開始部122d1内に入り込む。このとき、搬送開始部122d1のワーク支持面122daが半径方向外側に下り勾配となるように傾斜していることにより、入り込んだワークは直ちにワーク周回路122cから離反し、他のワークに妨げられない限り、ワーク搬送路122dのワーク保持面122cbに押し付けられるようにして、ワーク搬送路122dに沿って徐々に上昇しながら搬送されていく。
【0048】
一方、ワーク周回路122cから搬送開始部122d1へ導入されなかったワークは、そのまま搬送開始部122d1の内周側のワーク周回路122c上を通過し、さらに周回移動を続ける。この状況は、ワーク周回路122cのワーク密度が高い場合に、ワーク周回路122cのワーク支持面122caの幅方向の外周側を周回してきたワークはワーク搬送路122dの上記搬送開始部122d1へ導入されるものの、ワーク支持面122caの内周側を周回してきたワークは上記の外周側を周回するワークに妨げられて開口範囲APの内周側をそのまま周回方向に通過してしまうことにより発生する。これにより、内周側を周回してきたワークの一部については実質的な搬送距離が増大することもあるが、ワーク周回路122cに導入された多数のワーク全般に関しては、ワークを周回路上で分散させて、ワークの滞留を回避しつつ、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどを防止する上で効果的である。
【0049】
その後、ワーク搬送路122dのワークは、上記第1姿勢制御部122d2における円弧状のワーク支持面122daにより幅方向の姿勢が調整されながら、これに続く第2姿勢制御部122d3のワーク支持面122daとワーク保持面122dbにより制御された姿勢で搬送される。その後、狭幅部122d4における幅狭のワーク支持面122daにより、正規の姿勢とは幅方向の姿勢が異なる姿勢のワークが下方へ傾斜面122hに沿って滑落し、ワーク周回路122cに戻される。
【0050】
正規の姿勢のワークはそのまま狭幅部122d4から広幅部122d5に入り、安定した搬送状態において、切り欠き領域122fに装着された図示しないワーク選別ブロックに設けられたワーク選別手段により、ワークの表裏の姿勢又は前後の姿勢が正規の姿勢とは異なるワーク、或いは、形状などの他の点が不良のワークが排除され、傾斜面122h上を滑落し、ワーク回収路122i内にて既定の向きに搬送され、再びワーク周回路122cへ戻される。
【0051】
広幅部122d5を通過したワークは、狭幅部122d6の幅狭のワーク支持面122daによりさらに選別され、最終的に幅方向、表裏若しくは前後方向において正規の姿勢とされたワークが一列に整列した状態で搬送終端部122d7に達する。その後、ワークが搬送終端部122d7からワーク搬送路132a上に進むと、必要に応じてさらにワーク搬送路132a上で姿勢の選別や反転などの種々の処理が行われ、最終的に完全な姿勢で完全なワークのみが整列状態で供給される。なお、上記の姿勢の制御、姿勢の選別、外観や形状の良否の選別などの処理については、ワークの種類(形状や大きさ)や供給時に要求される条件(姿勢や品質の良否)などに応じて適宜に設定される。
【0052】
なお、ワークを取り換える場合には、ワーク導入ユニット110によるワーク導入を停止し、或いは、既にホッパ容器111内に収容されているワークを排出するためにワーク導入を連続的に実施した上で、搬送ボウル122内に既に供給したワークをワーク搬送路122dが通過する上記切り欠き領域122eに装着された図示しないゲートブロックの開閉ゲートを開き、そのゲート口を通して搬送ボウル122の外部へワークを排出する。これによって、ワーク搬送路122dの搬送終端部122d7やワーク搬送路132aの搬送終端部132a2までワークが達する前に迅速にワークを装置から排除することができる。
【0053】
本実施形態によれば、閉じた円環状のワーク周回路122cを構成し、このワーク周回路122c上でワークを高速で周回移動させることで、導入された複数のワークを周回方向に分散させることができる。このため、従来のボウル型パーツフィーダのように、ワーク同士が積み重なったり、絡み合ったり、貼り付いたりすることが抑制されるから、ワークに汚れが付着したり帯電が生じたりしにくくなる。特に、本実施形態では、ワーク導入ユニット110によりワーク周回路122cへのワークの導入量が制御されることで、ワーク周回路122c上のワーク数若しくはワーク密度が制限されるので、ワークの汚れや帯電をさらに効果的に回避できる。
【0054】
ワーク周回路122cは周回方向に平坦に構成されるので、搬送方向に徐々に上昇するワーク搬送路122dに比べて、ワーク周回路122c上のワークの移動速度は高くなる。また、ワークの周回速度も軸線周りに均一化される。したがって、ワーク支持面122caの振動により周回移動していくワークの周回方向の分散作用も増大し、ワークの積み重なり、絡み合い、貼り付きを抑制できる。また、同じ理由から、ワーク周回路122cのワーク支持面122ca上においてワークが受ける遠心力も増大するので、ワークの外周側への押し付け作用も高められるため、搬送開始部122d1におけるワークの搬入速度も増大し、ワーク周回路122cからワーク搬送路122dへのスムーズな移動、ひいてはワークの効率的で高速な供給を実現できる。
【0055】
本実施形態では、ワーク搬送路122dの搬送開始部122d1にワークが或る程度整列した状態で搬入されるため、整列状態を得るための搬送距離を低減できる。その結果、ワーク搬送路122dは図示例では軸線周りをほぼ一周する長さに設定できるなど、従来の何周にもわたる螺旋状の搬送路に比べてワークの搬送距離を大幅に短縮できる。これにより、ワークの汚れや帯電をさらに抑制できる。
【0056】
本実施形態の場合には、ワーク周回路122cにおけるワークの周回速度は、ワーク搬送路122dにおけるワークの最大搬送速度(具体的には、最も外周側にある部分、図示例では搬送終端部122d7におけるワークの搬出速度)の0.8〜1.3倍の範囲内に設定されることが好ましく、1.9〜1.2倍の範囲内に設定されることが望ましい。本実施形態では、実際には1.95〜1.1倍の範囲内に設定されている。ここで、これらの範囲を下回ると、ワーク搬送路122dにおける搬送効率を確保するためには、ワーク周回路122cに過剰なワークを導入する必要が生ずるため、ワーク周回路122cにおいてワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどが生じやすくなる。逆にワーク周回路122cにおいてワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどを回避しようとしてワーク数やワーク密度を低下させると、ワーク搬送路122dにおける搬送効率が低下してしまう。一方、上記範囲を上回ると、ワーク搬送路122dにおいてワークの滞留が生じやすくなってワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きなどが生じるとともに、これにより却って搬送効率が低下する。逆に、これを防止するためにはワーク周回路122cのワーク数やワーク密度を低下させる必要があるので、やはりワークの効率的な搬送ができなくなる。
【0057】
一般的には、ボウル型搬送体の内部中央の内底部から螺旋状に伸びるワーク搬送路を備えた従来のボウル型フィーダの場合、軸線から離れて半径位置が大きくなるほど振動の振幅も増大してワークの搬送速度が増大するため、内底部に近い内周側部分(上流側)では多数のワークが積み重なった状態でゆっくりと搬送され、外周側部分(下流側)に進むほど搬送速度が増大していき、ワークが分離して整列状態に近づく。しかしながら、本実施形態では、上記従来の既成概念を撤廃して、ワーク周回路122cの半径位置を外周寄りに設定し、さらに上述のように周回方向に平坦に構成したり気流吹付手段による気流の吹付けによりワークの周回速度を高める一方で、ワーク搬送路122dの最大半径位置をワーク周回路122cの上記半径位置の1.5倍以下、好ましくは1.3倍以下、実際には1.2倍以下に抑えることにより、上記周回速度を上記最大搬送速度に対して上記範囲内に設定している。このようにすることで、ワーク周回路122cにおいてワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きを招くワークの滞留を防止しつつ、ワーク搬送路122dにおいても同様のワークの滞留を防止し、これによってワークの汚れや帯電を抑制しつつ、全体として搬送効率を高めることに成功している。
【0058】
すなわち、本実施形態では、ワーク周回路122cにおいてワークを分散させるとともに上記最大搬送速度に近い速度まで加速し、さらに遠心力によってワークを或る程度整列した状態でワーク搬送路122dに送り込むようにしている。これにより、ワーク搬送路122dでは、或る程度整列した状態のワークをさらに整列させ、必要に応じて選別を行うだけでよくなるから、搬送距離を短縮できる。したがって、ワーク周回路122c及びワーク搬送路122dの全体を見ても、ワーク同士の積み重なり、絡み合い、貼り付きが抑制されるとともに、搬送距離を大幅に低減することができるので、ワークの汚れや帯電を従来に比べて大幅に低減することが可能になる。ここで、ワーク周回路122cからワーク搬送路122dへ遠心力を利用してスムーズにワークを送り込むにはワーク搬送路122dをワーク周回路122cの外周側に引き出す必要があるが、このようにすると、ワーク速度は振動振幅に応じて上記半径位置にほぼ比例すると考えられるので、必然的に外周側にあるワーク搬送路122dのワーク速度は半径位置の増大によりワーク周回路122cのワーク速度よりも増大する。しかし、本実施形態ではワーク周回路122cが周回方向に平坦に構成される一方でワーク搬送路122dが軸線周りの搬送方向に上昇する勾配を有するので、ワーク搬送路122dにおけるワーク速度を低下させることができ、また、ワーク周回路122cでは上記給気構造によりワークが加速される方向に気流が吹き付けられるので、ワーク周回路122cにおけるワーク速度を増大させることができるから、ワーク周回路122cとワーク搬送路122dのワーク速度の差は抑制される。図示例の場合には、ワーク周回路122cにおけるワークの周回速度とワーク搬送路122dにおけるワークの搬送速度の平均値は実質的に等しくなるように構成され、これにより極めて高い搬送効率が得られている。
【0059】
本実施形態では、搬送ボウル122が中央に開口部122aを有する構造とされているため、搬送ボウル122を軽量化することができるから、搬送効率を高めることができ、搬送速度も向上できる。また、これによって回転振動機121の駆動負荷も軽減されるため、回転振動機121の製造コストの低減も図ることができる。さらに、搬送ボウル122では、ワーク周回路122cの形状や内周座面122jの形状も重要であるが、これらの内周部分の加工が開口部122aの存在により容易になるという利点もある。さらに、上記の給気構造やワーク導入ユニット110の設置も容易になり、しかも装置全体をコンパクト化できる。
【0060】
尚、本発明のワーク供給装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、ワーク周回路122cから分岐するワーク搬送路122dは一本のみであるが、本発明としては、ワーク周回路122cから複数のワーク搬送路が分岐する態様としても構わない。
【符号の説明】
【0061】
100…ワーク供給装置、101…設置台、102…防振台、110…ワーク導入ユニット、111…ホッパ容器、112…取出シュート、112a…基部、112b…ワーク導入口、113…ワーク取出機構、113a…基材、113b…圧電駆動体、113c…スペーサ、113d…弾性ばね板、114…支柱、115…支持アーム、116…防振材、117…スリーブ、118…保持体、119…ワーク検出器、120…第1ワーク搬送ユニット、121…回転振動機、121a…振動盤、122…搬送ボウル、122a…開口部、122b…係合溝、122c…ワーク周回路、122ca…ワーク支持面、122cb…ワーク保持面、122d…ワーク搬送路、122da…ワーク支持面、122db…ワーク保持面、122d1…搬送開始部、122d7…搬送終端部、123…下部ディスク、123a…開口部、123b…上面、123c…通気路、123d…気流吹付口、124…上部ディスク、124a…開口部、124b…下面、124c…給気路、124d…給気孔、130…第2ワーク搬送ユニット、131…直線振動機、131a…振動体、132…直線搬送体、132a…ワーク搬送路、132a1…搬送開始部、132a2…搬送終端部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線周りに閉じた円環状に構成されるとともに外周縁にワーク保持面を備えたワーク周回路、及び、前記ワーク周回路の所定位置より外周側へ向けて前記軸線周りの所定の向きに斜めに分岐し、前記軸線周りに徐々に上昇するように構成されたワーク搬送路を有する搬送体と、該搬送体を前記軸線周りに往復振動させる加振体と、を具備し、前記搬送体の前記軸線周りの往復振動によりワークが前記ワーク周回路及び前記ワーク搬送路上で前記所定の向きへ移動することを特徴とするワーク供給装置。
【請求項2】
前記ワーク周回路は周回方向に平坦に構成されることを特徴とする請求項1に記載のワーク供給装置。
【請求項3】
前記ワーク周回路の内周側から前記ワーク周回路上の前記ワークにイオン化された気流を吹き付ける気流吹付手段をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク供給装置。
【請求項4】
前記ワーク周回路の内周側から前記ワーク周回路上の前記ワークに気流を吹き付ける気流吹付手段をさらに具備し、前記気流吹付手段は、前記ワーク周回路上に向けて前記所定の向きに斜めに気流を吹き付けることを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク供給装置。
【請求項5】
前記気流吹付手段は、前記ワーク周回路の内周側に周回方向に沿って分散配置された複数の気流噴出口を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載のワーク供給装置。
【請求項6】
前記ワーク周回路上へ前記ワークを導入するワーク導入機構をさらに具備し、前記ワーク導入機構はワーク導入量を制御可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のワーク供給装置。
【請求項7】
前記ワーク導入機構は前記ワーク周回路の内周側に配置され、内周側から外周側に向けて開口して前記ワーク周回路上に臨むワーク導入口を備えることを特徴とする請求項6に記載のワーク供給装置。
【請求項8】
前記ワーク周回路上の前記ワークを検出するワーク検出手段と、該ワーク検出手段の検出値に応じて前記ワーク導入機構によるワークの導入量若しくは導入頻度を制御するワーク導入制御手段をさらに具備することを特徴とする請求項6又は7に記載のワーク供給装置。
【請求項9】
前記搬送体は、前記ワーク周回路の内周側に開口部を備えたリング状に構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のワーク供給装置。
【請求項1】
軸線周りに閉じた円環状に構成されるとともに外周縁にワーク保持面を備えたワーク周回路、及び、前記ワーク周回路の所定位置より外周側へ向けて前記軸線周りの所定の向きに斜めに分岐し、前記軸線周りに徐々に上昇するように構成されたワーク搬送路を有する搬送体と、該搬送体を前記軸線周りに往復振動させる加振体と、を具備し、前記搬送体の前記軸線周りの往復振動によりワークが前記ワーク周回路及び前記ワーク搬送路上で前記所定の向きへ移動することを特徴とするワーク供給装置。
【請求項2】
前記ワーク周回路は周回方向に平坦に構成されることを特徴とする請求項1に記載のワーク供給装置。
【請求項3】
前記ワーク周回路の内周側から前記ワーク周回路上の前記ワークにイオン化された気流を吹き付ける気流吹付手段をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク供給装置。
【請求項4】
前記ワーク周回路の内周側から前記ワーク周回路上の前記ワークに気流を吹き付ける気流吹付手段をさらに具備し、前記気流吹付手段は、前記ワーク周回路上に向けて前記所定の向きに斜めに気流を吹き付けることを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク供給装置。
【請求項5】
前記気流吹付手段は、前記ワーク周回路の内周側に周回方向に沿って分散配置された複数の気流噴出口を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載のワーク供給装置。
【請求項6】
前記ワーク周回路上へ前記ワークを導入するワーク導入機構をさらに具備し、前記ワーク導入機構はワーク導入量を制御可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のワーク供給装置。
【請求項7】
前記ワーク導入機構は前記ワーク周回路の内周側に配置され、内周側から外周側に向けて開口して前記ワーク周回路上に臨むワーク導入口を備えることを特徴とする請求項6に記載のワーク供給装置。
【請求項8】
前記ワーク周回路上の前記ワークを検出するワーク検出手段と、該ワーク検出手段の検出値に応じて前記ワーク導入機構によるワークの導入量若しくは導入頻度を制御するワーク導入制御手段をさらに具備することを特徴とする請求項6又は7に記載のワーク供給装置。
【請求項9】
前記搬送体は、前記ワーク周回路の内周側に開口部を備えたリング状に構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のワーク供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−188202(P2012−188202A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51843(P2011−51843)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【特許番号】特許第4944260号(P4944260)
【特許公報発行日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【出願人】(599069507)株式会社ダイシン (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【特許番号】特許第4944260号(P4944260)
【特許公報発行日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【出願人】(599069507)株式会社ダイシン (27)
【Fターム(参考)】
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