説明

ワーク回転装置

【課題】ワーク回転装置における回転盤の回転検出の信頼性をより向上させる。
【解決手段】ワーク回転装置20は、減速機24と、図示せぬワークを回転させる回転盤26と、該回転盤26の回転を検出することを目的としたエンコーダ装置(回転検出手段)28と、を備える。回転盤26と一体的に回転する検出用円筒部(検出用回転部)26Aが、減速機24を貫通した状態で突出されている。この検出用円筒部26Aは、軸受30にて直接支持されている。回転盤26の回転は、エンコーダ装置28により、この軸受30にて直接支持された回転盤26自体の検出用円筒部26Aの回転を検出することによって検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク(加工等、何らかの処理を施す必要のあるもの)を回転させるために用いるワーク回転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークを回転させるための回転盤を備えたワーク回転装置が、例えば特許文献1において開示されている。このワーク回転装置2では、図9に示されるように、モータ3の回転を減速機4によって減速し、該減速機4の出力をフランジ6から取り出している。ワーク(図示略)を回転させる回転盤8は、該フランジ6にボルト14によって固定されている。このワーク回転装置2には回転盤8の回転を検出する目的でエンコーダ12が付設されている。エンコーダ12はスペース上の制約から回転盤8の付近に設けることができないため、このワーク回転装置2では、減速機4のフランジ6にボルト14を介して検出用の回転部材である円筒棒16を固定し、この円筒棒16の先端を減速機4の反回転盤側にまで延在させている。エンコーダ12がこの円筒棒16の先端部分の回転を検出することによって(間接的に)回転盤8の回転を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2007/125800(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のワーク回転装置2においては、回転盤8の回転を検出するための円筒棒16は、減速機4の出力部材であるフランジ6にボルト14を介して固定されており、且つそのまま減速機4の反回転盤側まで延在されていた。即ち、フランジ6側からの減速機4の駆動振動と、回転盤8側からの加工振動とが相互に影響し合い、しかも、それが増幅された状態でエンコーダ付近に届く構造となっていた。そのため、特に、加工誤差による回転盤8とフランジ6と円筒棒16との3者の軸心間の傾きやずれが僅かでもあると、エンコーダ12付近での円筒棒16の軸ぶれが大きくなり易く、エンコーダ12での回転検出エラーが発生し易いという問題があった。
【0005】
本発明では、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、ワーク回転装置における回転盤の回転検出の信頼性をより向上させることをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、減速機と、ワークを回転させる回転盤と、該回転盤の回転を検出することを目的とした回転検出手段と、を備えたワーク回転装置において、前記回転盤と一体的に回転する検出用回転部を、前記減速機を貫通させた状態で突出させると共に、該検出用回転部の少なくとも1カ所を軸受にて直接支持し、前記回転盤の回転を、前記回転検出手段により、該軸受にて直接支持された検出用回転部の回転を検出することによって検出する構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
【0007】
なお、本発明において、「検出用回転部」とは、回転盤と一体的に回転することで、該回転盤の回転(状態)を引き出してくる目的のために減速機を貫通させた状態で突出された部分のことを意味している。また、「軸受にて直接支持し」という文言は、「検出用回転部自体を支持する目的で軸受が配置されている」ことを意味している。即ち、単に、軸受の位置合わせや位置決め等のために、検出用回転部と軸受との間に補助部材が介在されている構成は、ここで言う「軸受にて直接支持し」という概念に含まれる。
【0008】
本発明においては、回転盤と一体的に回転する検出用回転部を減速機を貫通させた状態で突出させ、回転盤そのものの回転を引き出してくるようにしている。その上で、この検出用回転部の少なくとも1カ所を軸受にて直接的に支持する。これにより、回転盤の回転を、軸受にて安定支持された検出用回転部の回転を検出することによって検出できるため、検出エラーの発生を低減し、結果として、精度の高い(信頼性の高い)回転検出を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ワーク回転装置における回転盤の回転検出の信頼性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るワーク回転装置の実施形態の一例を示す断面図
【図2】図1の矢視II−II線に沿う断面図
【図3】本発明の他の実施形態の一例を示す断面図
【図4】図3の矢視IV方向から見た側面図
【図5】本発明の更に他の実施形態の一例を示す断面図
【図6】図5の矢視VI付近の拡大断面図
【図7】本発明の更に他の実施形態の一例を示す断面図
【図8】図7の矢視VIII−VIII線に沿う断面図
【図9】従来のワーク回転装置の一例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明に係るワーク回転装置の実施形態の一例を示す断面図、図2は図1の矢視II−II線に沿う断面図である。
【0013】
このワーク回転装置20は、モータ22と、減速機24と、図示せぬワークを回転させる回転盤26と、該回転盤26の回転を検出することを目的としたエンコーダ装置(回転検出手段)28と、を備える。回転盤26からは、検出用円筒部(検出用回転部)26Aが、片持ち状態で且つ減速機24の半径方向中央を貫通させた状態で一体に突出されている。この検出用円筒部26Aは軸受30によって直接支持されている。回転盤26の回転は、エンコーダ装置28により、この軸受30にて直接支持された回転盤26自体の検出用円筒部26Aの回転を検出することによって直接検出される。
【0014】
以下、詳述する。
【0015】
モータ22の出力軸22Aには第1プーリ40が固定されている。第1プーリ40の回転は、タイミングベルト46を介して第2プーリ44に伝達可能であり、これにより減速機24の入力軸42が回転する構造とされている。
【0016】
この実施形態に係る減速機24は、外歯歯車48、50を入力軸42の外周で偏心揺動させながら内歯歯車52に内接噛合させる(これ自体は公知の)揺動内接噛合型の減速機である。内歯歯車52は、減速機24の外周部を構成する減速機ケーシング32と一体化されている。なお、本実施形態では、減速機ケーシング32は、ボルト39を介してワーク回転装置20の外周部を構成する外側ケーシング35に固定されている。外側ケーシング35は、ケーシング本体35Aと、該ケーシング本体35Aに固定されると共に、ワーク回転装置20の端部を覆うカバー35Bとで構成されている。
【0017】
図2に示されるように、内歯歯車52の内歯は、ころ52Aによって構成されている。内歯の機構学的な歯数は「90」である。ただし、実際には内歯歯車52の(内歯を構成する)ころ52Aの数は半数の「45」に間引いてある。一方、外歯歯車48、50の歯数はこの例では「89」である。即ち、内歯歯車52の機構学的な歯数は、外歯歯車48、50の歯数より「1」だけ多い。この構成でも、(伝達容量は若干少なくなるものの)内歯歯車の歯数(ころの数)が90、外歯歯車48、50の歯数が89の減速機と全く同様の動きをする。
【0018】
外歯歯車48、50には内ピン54が遊嵌(隙間を有して貫通)されており、内ピン54は、外歯歯車48、50の軸方向両側に配置された第1、第2フランジ56、58に圧入されている。なお、第1、第2フランジ56、58は、内ピン54とは別に設けたキャリヤピン60によっても連結・一体化されている。第1、第2フランジ56、58は、軸受62、64によって減速機ケーシング32に回転自在に支持され、減速機24の「出力回転部材」を構成している。
【0019】
回転盤26は、ボルト66を介して出力回転部材である第2フランジ58に固定されている。ボルト66は、第2フランジ58の円周方向において、該第2フランジ58と第1フランジ56とを連結・一体化している前記内ピン54あるいはキャリヤピン60の配置されている部位(軸方向から見たときに、第1、第2フランジの連結部材である内ピン54あるいはキャリヤピン60と重なる位置)にねじ込まれている。これは、できるだけ大きな(深くねじ込める)ボルト66を用いて、回転盤26を第2フランジ58に強固に連結することを意図したためである。
【0020】
前記検出用円筒部26Aは、回転盤26と一体化され、片持ち状態で且つ減速機24の半径方向中央を貫通した状態で突出されている。この実施形態では、検出用円筒部26Aは、(ボルトによる連結ではなく)初めから回転盤26と一体的に成形されている。検出用円筒部26Aは、回転盤26の回転を検出するために、回転盤26からエンコーダ装置28が配置されている部位にまで、当該回転盤26の回転を引き出す(伝達する)ために使用される。
【0021】
回転盤26から片持ち状態で突出された検出用円筒部26Aは、その先端部26A1において軸受30によって直接支持されている。本実施形態では、前記外側ケーシング35のカバー35Bに軸受収容部35B1が突出形成されており、軸受30は、この軸受収容部35B1に組み込まれている。なお、符号31は、軸受30を該軸受収容部35B1内に係止するための止め輪である。
【0022】
エンコーダ装置(回転検出手段)28は、検出用円筒部26Aの軸方向における当該軸受30に隣接して該軸受30の減速機構側に配置され、軸受30にて安定支持されている部分において該検出用円筒部26Aの回転を検出する。このエンコーダ装置28は、検出用円筒部26Aの外周に形成された図示せぬスリットの数をカウントする公知の反射型の光学式エンコーダである。この実施形態では、位相差のあるエンコーダ28A、28Bを2連1組で用い、検出用円筒部26Aの回転速度と回転方向を検出している。尤も、本発明においては、エンコーダを2連1組で用いるのは、必須ではない。また、2連1組で用いるとしても、各エンコーダの活用の仕方は、上記例に限定されない。
【0023】
エンコーダ装置28は、潤滑剤を嫌う。そのため、この実施形態では、減速機24は、減速機ケーシング32と第1、第2フランジ56、58との間がオイルシール70、72にてシールされ、また、第1、第2フランジ56、58と、該第1、第2フランジ56、58を貫通する入力軸42との間がオイルシール74、76にてシールされている。これにより、結果として、減速機24の内部が潤滑剤の封入される閉じた空間P1とされる。検出用円筒部26Aは、該閉じた空間P1の外部にまで延在され、この延在された部分(即ち潤滑剤の存在しない部分)において、エンコーダ装置28による回転検出が行われる。
【0024】
次に、このワーク回転装置20の作用を説明する。
【0025】
モータ22の出力軸22Aの回転は、第1プーリ40、タイミングベルト46、及び第2プーリ44により減速された後、減速機24の入力軸42に入力される。入力軸42が回転し、外歯歯車48、50が揺動回転しながら内歯歯車52に内接噛合すると、該外歯歯車48、50と内歯歯車52との噛合位置が順次ずれる。内歯歯車52は、減速機ケーシング32に固定されているため、外歯歯車48、50は、該内歯歯車52に対して相対回転(自転)し、この相対回転(自転)が内ピン54を介して第1、第2フランジ56、58に伝達される。これにより、回転盤26は、第1、第2フランジ56、58と一体的に回転する。
【0026】
回転盤26が回転すると、検出用円筒部26Aも、該回転盤26と同一の回転速度で同一の方向に回転する。検出用円筒部26Aの反回転盤側は、軸受30によって外側ケーシング35のカバー35Bに直接支持されている。このため、検出用円筒部26Aの回転に「がたつき」等が発生することはなく、検出用円筒部26Aのエンコーダ装置28の検出部位の回転は極めて安定している。更に、この実施形態では、検出用円筒部26Aは、回転盤26自体と一体化されているため、例えば結合不良に起因したぶれ等の心配がなく(更なる剛性の強化が期待でき)、且つ、検出する回転は、回転盤の回転そのものであるため、当然に、実際の回転盤の回転とのずれが生じる恐れもない。この結果、エンコーダ装置28は、検出エラー等を発生させることなく、検出用円筒部26Aの回転状態を正確に検出することができる。
【0027】
次に、図3及び図4を用いて、本発明の他の実施形態について説明する。
【0028】
この実施形態では、外側ケーシング135の一部を構成しているカバー135Bの構成のみが先の実施形態と異なっている。即ち、この実施形態に係るワーク回転装置120では、外側ケーシング135の本体135Aに対し、該ケーシング本体135Aから前記軸受130を含む位置まで延在されたカバー135Bが固定されている。検出用円筒部126Aを固定するための軸受130は、このカバー135Bの先端部の軸受収容部135B1に組み込まれている。
【0029】
先の実施形態と比較して、外側ケーシング135のカバー135Bが軽量・小型化されたことに伴い、ワーク回転装置120の重量を軽減できると共に、図3の斜線で施した空間P2を他の機器の配置等に活用することができる。
【0030】
その他の構成は、先の実施形態と同様であるため、同一又は機能的に類似する部分に図中で下2桁が同一の符号を付すにとどめ、重複説明を省略する。
【0031】
図5及び図6に、本発明の更に他の実施形態を示す。
【0032】
先の2つの実施形態では、検出用円筒部26A(126A)を支持するための軸受30(130)を、ワーク回転装置20(120)の外側ケーシング35(135)の一部を構成するカバー35B(135B)に組み込むようにしていたが、この実施形態に係るワーク回転装置220では、当該軸受230を入力軸242と検出用円筒部226Aとの間に配置するようにしている。
【0033】
この実施形態で採用されている減速機224も、基本的構造は先の実施形態に係る減速機24、124と同一であり、外歯歯車248、250を揺動させながら内歯歯車252に内接噛合させる揺動内接噛合型の減速機である。既に説明したように、この減速機224の入力軸242は、半径方向中央部に中空部242Aを有した部材とされている。検出用円筒部226Aを支持する軸受230は、この実施形態ではこの中空の部材である入力軸242の内側に組み込まれている。
【0034】
図6で拡大図示されているように、この軸受230は内輪230Aを備えたニードル230Bによって主に構成されている。ニードル230Bは、リテーナ230Cによって保持されている。外輪は備えられていない(入力軸242が外輪を兼ねている)。軸受230は、検出用円筒部226Aに形成された段差部226A1及び止め輪231によって軸方向の移動が規制されている。図6の符号233、235は、軸受230の軸方向位置を微調整するためのスペーサである。
【0035】
この実施形態に係る構成によれば、先の2つの実施形態において、軸受30(130)を組み込むために必須であった外側ケーシング35(135)のカバー35B(135B)を省略することができ、より一層の軽量化、及び省スペース化を図ることができる。
【0036】
その他の構成については、先の2つの実施形態と同様であるため、同一又は機能的に類似する部分に図中で下2桁が同一の符号を付すにとどめ、重複説明を省略する。
【0037】
上記実施形態においては、減速機24(124、224)としていずれも同じ構造の減速機が採用されていたが、本発明においては減速機の具体的な構造は特に限定されない。図7及び図8に、本発明を他の構造の減速機324を有するワーク回転装置320に適用した例を示す。
【0038】
この実施形態での減速機324の構造を簡単に説明すると、モータ322の出力軸322Aの回転は、第1プーリ340、タイミングベルト346、及び第2プーリ344を介して第1中間軸380に入力される。中間軸380の反プーリ側端部には第1歯車384が固定されている。第1歯車384は第2中間軸386と一体化された第2歯車388と噛合している。第2中間軸386は、減速機324の減速機ケーシング332のカバー332B及び第1フランジ356に軸受390、392を介して支持されており、第3歯車394を一体に有している。第3歯車394は3個(図では1個のみ図示)の偏心体軸歯車396と同時に噛合しており、3本の偏心体軸398を駆動している。この3本の偏心体軸398の回転により、該偏心体軸398に形成されている偏心体397、399を介して外歯歯車348、350が内歯歯車352に内接噛合する。
【0039】
この減速機324では、内歯歯車352が減速機ケーシング332の本体332Aと一体化されているため、内歯歯車352に対する外歯歯車348、350の相対回転(自転)は、各偏心体軸398のワーク回転装置320の軸心O1周りの公転として第1、第2フランジ356、358から取り出される。なお、第1、第2フランジ356、358は、連結体360及びボルト357によって一体化されている。回転盤326は、第2フランジ358にボルト366を介して固定される。
【0040】
この実施形態においても、検出用円筒部326Aは、回転盤326から片持ち状態で且つ減速機324の半径方向中央を貫通させた状態で一体的に突出され、該検出用円筒部326Aの軸方向における反減速機構側の1カ所で、軸受330にて直接支持されている。軸受330は、減速機ケーシング332のカバー332B(より具体的にはカバー332Bの内周における軸受390とオイルシール374との間)に組み込まれている。回転盤326の回転は、エンコーダ装置328により、該軸受330にて直接支持された検出用円筒部326Aの回転を検出することによって直接検出される。
【0041】
また、この実施形態でも、減速機324の第2フランジ358の軸受364がシール軸受とされ、且つ、減速機ケーシング332のカバー332Bと検出用円筒部326Aとの間がオイルシール374によってシールされ、且つ、該カバー332Bと第1中間軸380との間がオイルシール375によってシールされることによって、該減速機324の内部が潤滑剤の封入される閉じた空間P3とされている。検出用円筒部326Aは、該閉じた空間P3の外部にまで延在され、該延在された部分(即ち潤滑剤の存在しない部分)において、前記エンコーダ装置328による回転検出が行われている。
【0042】
なお、この実施形態でも、前記実施形態におけるカバー35Bに相当する部材を省略することができ、また、減速機324の潤滑剤を軸受330に利用できるという効果も得られる。
【0043】
その他の構成は、先の実施形態と同様であるため、同一又は機能的に類似する部分に図中で下2桁が同一の符号を付すにとどめ、重複説明を省略する。
【0044】
このように、本発明においては、ワーク回転装置に具体的に組み込まれている減速機の構造については、特に限定されない。上記のような減速機のほか、例えば、単純遊星歯車減速機、平行軸歯車減速機、あるいはトラクションドライブ機構を採用した減速機など、該減速機の潤滑構造との関係を含めて種々の構造の減速機を採用できる。この減速機の具体的な構成に合わせ、回転盤の回転を検出するための検出用回転部を支持するための軸受を、どのような部材にどのように組み込むかについても、本発明では特に限定されない。
【0045】
また、上記実施形態においては、検出用回転部を、回転盤と一体的に成形することによって、該検出用回転部の剛性強化を図るようにしていたが、本発明においては、検出用回転部は必ずしも回転盤と一体成形されている必要はなく、例えばボルト連結や、圧入連結とされていてもよい。更に、回転盤と検出用回転部は、一体的に回転すれば、直接連結される必要もなく、例えば、回転盤をフランジに固定すると共に検出用回転部をフランジに固定することにより、結果として両者が一体的に回転するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態においては、減速機として、外歯歯車の軸方向両側に、連結体によって連結された第1、第2フランジを備えたものが採用され、且つ、回転盤を、この第1または第2フランジのうちの一方のフランジ(上記例では第2フランジ)の円周方向において、前記連結体の配置されている部位にねじ込まれた(大きくて長い)ボルトによって、該一方のフランジに固定する構造が採用されていた。しかし、本発明における減速機の出力回転部材と回転盤との連結態様は、この構成例に限定されない。例えば、連結部の位置とは関係のない位置でボルト連結される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
20…ワーク回転装置
22…モータ
24…減速機
26…回転盤
26A…検出用円筒部(検出用回転部)
28…エンコーダ装置(回転検出手段)
30…軸受
32…減速機ケーシング
32A…ケーシング本体
32B…カバー
35…外側ケーシング
35A…ケーシング本体
35B…カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速機と、ワークを回転させる回転盤と、該回転盤の回転を検出することを目的とした回転検出手段と、を備えたワーク回転装置において、
前記回転盤と一体的に回転する検出用回転部を、前記減速機を貫通させた状態で突出させると共に、
該検出用回転部の少なくとも1カ所を軸受にて直接支持し、
前記回転盤の回転を、前記回転検出手段により、該軸受にて直接支持された検出用回転部の回転を検出することによって検出する
ことを特徴とするワーク回転装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記検出用回転部が、前記軸受を介して、当該ワーク回転装置のケーシングに支持されている
こと特徴とするワーク回転装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記ケーシングが、前記ワーク回転装置の外周部を構成するケーシング本体と、該ケーシング本体に固定されると共に該ケーシング本体から前記軸受を含む位置まで延在されたカバーとを備え、
前記軸受が、該カバーに組み込まれている
ことを特徴とするワーク回転装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記減速機が、外歯歯車を揺動させながら内歯歯車に内接噛合させる揺動内接噛合型の減速機であって、該減速機の半径方向中央部に中空の部材を備えており、
前記軸受が、前記中空の部材の内側に組み込まれている
ことを特徴とするワーク回転装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記中空の部材が、前記外歯歯車を揺動させる偏心体を備えた前記減速機の入力軸である
ことを特徴とするワーク回転装置。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記減速機は、前記外歯歯車の軸方向両側に、連結体によって連結された第1、第2フランジを備え、
前記回転盤が、前記第1、第2フランジのうちの一方のフランジの円周方向において、前記連結体の配置されている部位にねじ込まれたボルトによって、該一方のフランジに固定されている
ことを特徴とするワーク回転装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記減速機のケーシングと前記検出用回転部との間がシールされることによって、該減速機の内部が潤滑剤の封入される閉じた空間とされ、
前記検出用回転部が該ケーシングの外部にまで延在され、該延在された部分において前記回転検出手段による回転検出が行われる
を特徴とするワーク回転装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記減速機のケーシングと前記検出用回転部との間がシールされている部分より減速機側で前記軸受による支持がなされている
ことを特徴とするワーク回転装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−230252(P2011−230252A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103727(P2010−103727)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】