説明

ワーク移載装置およびワーク移載方法

【課題】使用するアクチュエータ数の削減に好適なワーク移載装置を提供する。
【解決手段】ワーク搬送手段5おける昇降手段6を、走行手段4に対して走行方向に相対移動可能であり且つ弾性手段(17)により相対移動範囲の中立位置に復帰付勢するよう配置され、前記走行手段4の受取り位置Bおよび受渡し位置Cへの所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパ10により停止されて走行手段4がストローク限に向かって前記中立位置から離れる方向に相対移動することを利用してフィンガ爪8を下降させ、走行手段4の受取り位置Bおよび受渡し位置Cからの離脱により、搬送路に設けた前記ストッパ10による相対移動状態から中立位置に復帰することを利用してフィンガ爪8を上昇させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを受取り位置から受け渡し位置に移載するワーク移載装置およびワーク移載方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から受取り位置でワークを把持すると共に搬送路まで上昇させ、次いで受け渡し位置上方に搬送し、次いでワークを下降させ、ワーク把持を解除して次工程設備へワークを受け渡すワーク移載装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
これは、受取り位置と受け渡し位置との間でワークを搬送する走行軸と、受取り位置および受け渡し位置でワークを昇降させる昇降軸と、ワークを把持および把持解除するワーク把持手段と、これらの手段を夫々独立に作動させる複数のアクチュエータとを備える。
【特許文献1】実公平6−41819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例では、走行軸、昇降軸、把持手段の夫々の動作に対してアクチュエータを備えるため、ワーク移載装置の構造が複雑となるとともに、これらのアクチュエータを制御するためのシーケンス制御装置も必要となり、高コストとなる不具合があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、使用するアクチュエータ数の削減に好適なワーク移載装置およびワーク移載方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ワークの受取り位置の上方と受渡し位置の上方とに跨って配置された搬送路に沿って往復動可能に設けた走行手段に装備され、受取り位置においてフィンガ爪を昇降手段により下降させるとともに爪開閉手段によりフィンガ爪を開放状態から閉じ状態に作動させることによりワークを把持させ、ワーク把持状態でフィンガ爪を昇降手段により上昇させ、走行手段によりワークの受渡し位置の上方に搬送し、受渡し位置において昇降手段によりフィンガ爪を下降させるとともに爪開閉手段によりフィンガ爪を閉じ状態から開放状態に作動させることによりワークを開放させ、その後に昇降手段によりフィンガ爪を上昇させるワーク搬送手段を備えたワーク移載装置において、前記ワーク搬送手段おける昇降手段は、前記走行手段に対して走行方向に相対移動可能であり且つ弾性手段により相対移動範囲の中立位置に復帰付勢するよう配置され、前記走行手段の受取り位置および受渡し位置への所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパにより停止されて走行手段がストローク限に向かって前記中立位置から離れる方向に相対移動することを利用してフィンガ爪を下降させ、走行手段の受取り位置および受渡し位置からの離脱により、搬送路に設けた前記ストッパによる相対移動状態から中立位置に復帰することを利用してフィンガ爪を上昇させるようにした。
【発明の効果】
【0007】
したがって、本発明では、ワーク搬送手段おける昇降手段を、走行手段に対して走行方向に相対移動可能であり且つ弾性手段により相対移動範囲の中立位置に復帰付勢するよう配置され、前記走行手段の受取り位置および受渡し位置への所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパにより停止されて走行手段がストローク限に向かって前記中立位置から離れる方向に相対移動することを利用してフィンガ爪を下降させ、走行手段の受取り位置および受渡し位置からの離脱により、搬送路に設けた前記ストッパによる相対移動状態から中立位置に復帰することを利用してフィンガ爪を上昇させるようにした。このため、フィンガ爪のワーク受取り位置およびワーク受渡し位置での昇降動作にアクチュエータを必要とせず、動力・電気信号が少なく安価にワーク移載装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明のワーク移載装置およびワーク移載方法を一実施形態に基づいて説明する。図1〜図6は、本発明を適用したワーク移載装置を示し、図1はワーク移載装置によるワークの搬送経路を示す概略図、図2はワーク移載装置の側面図、図3は平面図、図4はワーク搬送装置の中央部分の断面図、図5は爪切替ロッドの部分図、図6はワーク搬送装置の端部よりの正面図である。
【0009】
図1において、本実施形態のワーク移載装置は、例えば、自動搬送台車(以下では、単に「AGV」という)により次工程設備Lのすぐ脇に搬送されてきたワークを受け取り、次工程設備Lに搬送し、次工程設備Lに受け渡すワーク移載装置である。
【0010】
前記ワーク移載装置は、複数の支柱1により水平に支持されてAGV上のワークWの上方から次工程設備Lの上方に向かって延びる走行レール2からなる搬送路と、この搬送路に沿ってAGV上と次工程設備L上との間で走行用のロッドレスシリンダ3により往復ストローク移動する走行手段4と、この走行手段4に保持されたワーク搬送手段5と、を備える。
【0011】
前記ワーク搬送手段5は、走行手段4のストローク限においてワーク把持用のフィンガ爪8を昇降させる昇降手段6と、同じく走行部のストローク限においてワーク把持用のフィンガ爪8を下降限において閉動作若しくは開放動作させる爪開閉手段7と、を備える。
【0012】
従って、このワーク搬送手段5は、AGVにより運ばれてきたワークWをストローク限(B)においてワーク保持用の開放状態のフィンガ爪8を昇降手段6により下降させ、下降限(A)において爪開閉手段7により開放状態から閉状態に動作させて、AGV上のワークWにフィンガ爪8を係合させてワークWを把持させ、その状態で昇降手段6によりフィンガ爪8を上昇させる(B)。次いで、走行手段4により次工程設備L上に移動させ、そのストローク限(C)において、昇降手段6によりフィンガ爪8を下降させ、その下降限(D)において爪開閉手段7によりフィンガ爪8を閉状態から開放状態に動作させて、把持したワークWを次工程設備L上に開放してワークWを受け渡すよう作動する。
【0013】
前記走行手段4は、前記搬送路の走行レール2上をロッドレスシリンダ3により往復移動可能に配置され、リミットスイッチ9により設定されたワーク受取り位置Bとワーク受渡し位置Cに達する毎に停止される走行体4Aを備える。前記走行体4Aは、次の搬送指令により他方のストローク限であるワーク受取り位置B若しくはワーク受渡し位置Cにロッドレスシリンダ3により移動される。
【0014】
前記搬送路のストローク限となる両端には、前記昇降手段6を作動させるための昇降用ストッパ10と、前記爪開閉手段7の作動方向、即ち、開→閉若しくは閉→開の作動方向を設定するための開閉用ストッパ11と、が、前記走行レール2から下方に夫々突出させて設けている。
【0015】
前記昇降手段6は、図2に示すように、前記走行体4Aの下方に配置され、走行体4Aと一体となったベース本体15と、ベース本体15に対してスライダ21を介して走行体4Aの走行方向と同方向に相対移動可能に配置されたスライド本体20と、を備える。以下では、走行方向とは走行レール2に平行な方向を走行方向とし、走行方向に直交する横方向を幅方向とし、AGV若しくは次工程設備Lに接近離間する方向を上下方向とする。
【0016】
前記ベース本体15には走行方向の両端から突出させてブラケット16を備え、各ブラケット16の先端に一端が掛止めされた引張りスプリング17の他端を夫々スライド本体20のスライダ21の両端に夫々掛止めすることにより、スライド本体20をベース本体15に対して、そのスライド方向の中立位置(待機位置)にセンタリングさせて保持している。
【0017】
また、前記ベース本体15には、前記両ブラケット16の中途部から下方に延び且つ互いに向き合う方向に突出させて、その先端面を互いに向き合わせて配置した作動突起18を備え、この作動突起18は後述する昇降リンク22の作動端と係合可能とされる。
【0018】
前記スライダ21は、走行体4Aのストローク限への所定以上の接近において、走行レール2に設けた昇降用ストッパ10に当接してその移動が停止され、一対の引張りスプリング17を伸長および収縮させて、走行体4A側のみが前進移動される。そして、所定以上の前進移動により、スライド本体20に設けた昇降リンク22の一方の作動端に前記ベース本体15の作動突起18が係合し、それ以上のスライド移動により、後述するように、作動突起18により昇降リンク22を回動させるよう作動する。
【0019】
前記スライド本体20は、前記スライダ21から下方に延び且つ所定の間隔を幅方向に空けて配置された一対の(逆Y字状)プレート23と、この一対の(逆Y字状)プレート23の下端に固定したベースプレート24と、を備える。前記一対の(逆Y字状)プレート23は、前記ベース本体15のブラケット16に設けた両作動突起18で挟まれる空間を両側から挟むよう前記所定の間隔を空けて配列され、両プレート23間に一対の昇降リンク22が回動可能に支持されている。
【0020】
また、前記ベースプレート24には、スライド本体20(ベースプレート)とは一体となって走行方向に移動するも、上下方向に配置された複数の昇降ガイド25によりベースプレート24に対して昇降移動可能な昇降枠26を備える。前記昇降ガイド25は、昇降枠26から上方に突出させた昇降軸26Aを、ベースプレート24に上下方向に配置したガイド24A内に、摺動自在に挿入して、昇降枠26を昇降可能に支持している。そして、昇降軸26Aの先端突起とガイド24Aの付け根のベースプレート24との間に圧縮コイルスプリング25Aを介在させて、圧縮コイルスプリング25Aの付勢力により、昇降枠26を常に引き上げ方向に付勢し、通常時は昇降枠26が上昇した待機位置(図中の2点鎖線で示す位置)に位置される。図1に実線で示す昇降枠26は、その構造を明確に示すために、下降された位置に図示している。
【0021】
前記各昇降リンク22は、その中央部がプレート23に軸支持され、支持された中央部から約90度の角度をもって延びる横方向レバー22Aおよび上下方向レバー22Bを備える2個のL字状のベルクランクで形成されている。前記2個の昇降リンク22は、待機位置において、その横方向レバー22Aを互いに接近させ且つやや斜め上方向に延ばして、その先端同士をピンにより連結して備える。また、他方の上下方向レバー22Bは、夫々上方へ延び、その先端を互いにやや離れる方向に突出させて備え、その先端にはローラを回転可能に備える。これらのローラは、前記ベース本体15に設けた作動突起18と夫々対面している。前記昇降リンク22の横方向レバー22Aの端部同士を連結するピンには、上下方向の連結リンク27の上端が連結され、連結リンク27の下端は、前記昇降枠26に連結されている。
【0022】
前記ベース本体15、スライド本体20、2個の昇降リンク22、昇降枠26は、前記した昇降手段6を構成する。従って、昇降リンク22が前記ベース本体15の作動突起18との係合により、待機位置から波線で示す作動位置(上下方向レバー22Bが互いに近づく方向)に回動された際には、横方向レバー22Aが下方に回動し、連結リンク27を介して前記昇降枠26を、昇降ガイド25の圧縮コイルスプリング25Aに抗して、待機位置から下方に下降させるよう作動する。また、昇降リンク22が破線の状態から実線の状態に回動復帰される場合には、昇降ガイド25に内蔵されている圧縮コイルスプリング25Aにより昇降枠26も上方へ上昇させて待機位置に復帰するよう作動する。
【0023】
前記昇降枠26には、図3に示すように、幅方向の両側において、幅方向に延びる複数のブラケット30(2つの端部ブラケット30Aおよび中央ブラケット30B)を一体に備え、これらのブラケット30の先端には、夫々走行方向に平行に延びる爪軸31が回動可能に支持され、これらの爪軸31の端部ブラケットから突出した両端には、ワークWに係合してワークWを把持するフィンガとしてのフィンガ爪8が一体に固定されている。従って、昇降枠26の昇降につれてフィンガ爪8も共に上下方向に昇降することとなる。前記フィンガ爪8は、夫々ストッパで設定した開放状態と閉じた状態との間で、後述するように、切替え可能に構成されている。
【0024】
前記爪開閉手段7は、前記爪軸31の略中央部に固定され、昇降枠26の下降時に後述する爪切替リンク32に2つの作動端のローラ33B,33Cのいずれかを係合させて、爪軸31を回動させてフィンガ爪8を開→閉作動若しくは閉→開作動させる爪リンク33と、前記スライド本体20のベースプレート24に配置され、昇降枠26の下降時に、爪リンク33の2つの作動端のローラ33B,33Cのいずれかを選択して係合することで、爪リンク33を選択したいずれか一方に回動させ、フィンガ爪8を開→閉作動若しくは閉→開作動させる爪切替リンク32と、前記スライド本体20のベースプレート24に配置され、走行体4Aのストローク限への所定以上の接近において、走行レール2に設けた前記開閉用ストッパ11に先端を当接させて、前記爪切替リンク32を選択した回動位置に回動させる爪切替ロッド34と、フィンガ爪8を開放した位置および閉じた位置に保持する自己保持スプリング42と、を備える。この爪開閉手段7は、爪軸31の数(ここでは、昇降枠26の両側に夫々爪軸31を備えるため、2個)に対応して配置される。
【0025】
前記爪リンク33は、図3,4に示すように、中央に爪軸31に止めピン(図示せず)等により固定されるボス部を備え、ボスから両側に延びたレバーの先端の下方側に夫々ピンが立設させて備え、各ピンには夫々ローラ33B,33Cを回転可能に支持させている。各ローラ33B,33Cの下面はレバーより下方に突出し、ローラ33B,33Cの下面が前記爪切替リンク32の係合面に接触するようにしている。この爪リンク33は爪軸31に固定されることにより、爪軸31およびフィンガ爪8と一体となって回動する。
【0026】
前記爪切替リンク32は、図4に示すように、スライド本体20のベースプレート24から両側に突出させたブラケット24Bに固定した上下方向のピン35にベース部分36が回動可能に支持され、後述する爪切替ロッド34に係合するレバー37をベース部分36から突出させて備える。また、ベース部分36から下方に突出され且つ水平方向に折曲げられて、前記爪リンク33のローラ33B,33Cに係合する一対の係合片32B,32Cを備える。前記一対の係合片32B,32Cは、図3に示すように、爪切替リンク32の回動位置に応じて、いずれか一方32B(32C)が爪リンク33の一方のローラ33B(33C)に係合するよう位置する場合には、他方の係合片32C(32B)は爪リンク33の他方のローラ33C(33B)とは係合しないよう位置される。また、他方の係合片32C(32B)が爪リンク33の他方のローラ33C(33B)と係合するよう爪切替リンク32が回動された場合には、前記一方の係合片32B(32C)は爪リンク33の一方のローラ33B(33C)とは係合しない位置に移動される。
【0027】
即ち、この爪切替リンク32は、前記爪切替ロッド34の軸方向位置が、後述するように、受取り位置Bと受渡し位置Cとに切替られることにより、爪切替リンク32が2つの回動位置(受取り位置Bと受渡し位置C)のいずれか一方に切替られる。受取り位置Bに切替られた際には、内側に位置する係合片32Bが爪リンク33の内側のローラ33Bに係合するよう回動し、受渡し位置Cに切替られた際には、外側に位置する係合片32Cが爪リンク33の外側のローラ33Cに係合するよう回動する。
【0028】
前記爪切替ロッド34は、前記爪切替リンク32を支持するブラケッ24Bの下方に中央部近傍が摺動自在に支持されて走行方向に延びるロッドで構成され、このロッド34の両端側の部分は、スライド本体20のベースプレート24から前後方向に突出して設けたブラケット24Cに摺動自在に支持されている。ロッド34の略中央部には、図5に示すように、前記爪切替リンク32のレバー37の先端に両側から係合する一対のローラ34Aが配置されている。
【0029】
そして、前記ロッド34の両側の先端は前記ブラケット24Cより先に突出されて、走行体4Aのストローク限への所定以上の接近において、走行レール2に設けた前記開閉用ストッパ11に当接して押込められることにより、軸方向位置が受取り位置B若しくは受渡し位置Cに切替られるよう構成している。
【0030】
前記自己保持スプリング42は、図6に示すように、爪軸31を支持する端部ブラケット30Aに設けたピン40とフィンガ爪8の突起8Aに設けたピン41とに夫々端部を係合させる引張りスプリング42を備える。前記フィンガ爪8の突起8Aに設けたピン41の位置は、フィンガ爪8が開放された状態において、端部ブラケット30Aに設けたピン40と爪軸31の軸心とを結ぶ線(デッドポイント)の一方の片側にあり、フィンガ爪8の開放状態から閉じ状態に移行させると、前記ピン位置は前記線(デッドポイント)を越えて他方の片側に移動するよう構成している。(図6は上記閉じ状態と開放状態との2つの状態が記載されている。)このため、自己保持スプリング42は、フィンガ爪8が開放状態に位置する場合には、フィンガ爪8を開放側に回動させる回転力を付与して、その開放状態を保持するよう作用し、フィンガ爪8が閉じた状態に位置する場合には、フィンガ爪8を閉じる側に回動させる回転力を付与して、その閉じた状態を保持するよう作用する。そして、フィンガ爪8〜爪リンク33に前記自己保持スプリング42による自己保持力を超える回転力を作用させた場合に、状態を切替ることができる。
【0031】
以上の構成のワーク移載装置の動作について以下に説明する。
【0032】
ワーク搬送手段5が図1のC位置(待機位置)に位置する状態では、図2に示すように、D位置において爪開閉手段7によりワークWを開放し、走行手段4がストローク限より若干受取り位置B側に後退されて、昇降手段6によりD位置から上昇された状態であり、ワーク保持用のフィンガ爪8は開放状態となっている。スライド本体20はベース本体15に対して一対のスプリング17により中立位置(待機位置)に復帰しており、一対の昇降リンク22も待機位置に復帰され、昇降枠26も上昇した待機位置に位置している。また、爪開閉手段7の爪切替ロッド34は受渡し位置Cに配置された爪開閉用ストッパ11に当接されたことにより押込められたフィンガ爪8を開放する受渡し位置Cにあり、爪切替リンク32は爪開放位置側(外側)の係合片32Cが爪リンク33と係合可能な受渡し位置Cとなっている。
【0033】
前記AGVにより運ばれてきたワークWを把持する際には、まず、走行手段4によりワーク搬送手段5をAGV上の受取り位置Bに移動させる。受取り位置Bへの所定以上の接近において、図7に示すように、走行レール2に設けた前記開閉用ストッパ11に爪切替ロッド34の先端が当接して爪切替ロッド34が押込められて、その軸方向位置が受取り位置Bに切替られる。これにより、爪切替リンク32が爪開放位置側(外側)の係合片32Cが爪リンク33と係合可能な受渡し位置Cから、図8に示すように、爪閉じ位置側(内側)の係合片32Bが爪リンク33と係合可能な受取り位置Bに切替られる。
【0034】
同時に、スライド本体20のスライダ21が、走行レール2に設けた昇降用ストッパ10に当接し、スライド本体20の一体移動を停止させる一方、一対の引張りスプリング17を伸長および収縮させて、走行体4Aおよびベース本体15側のみがロッドレスシリンダ3によりストローク限に向かって移動される。そして、所定以上の前進移動により、スライド本体20に設けた昇降リンク22の一方の作動端に前記ベース本体15の作動突起18が係合し、それ以上のスライド移動により、作動突起18により昇降リンク22を回動させるよう作動する。
【0035】
前記昇降リンク22の回動は、横方向レバー22Aに連結した連結リンク27を介して前記昇降枠26を、昇降ガイド25の圧縮コイルスプリング25Aに抗して、待機位置から下方に下降させ、昇降枠26に保持している爪開閉手段7を構成する爪軸31および爪リンク33を共に下降させる。前記爪リンク33の下降限近傍への下降により、爪リンク33の内側のローラ33Bが、その下側で待機している爪切替リンク32の爪閉じ位置側(内側)の係合片32Bに係合する。そして、爪リンク33を自己保持スプリング42による自己保持力を超える回転力により回動させ、爪軸31を介してフィンガ爪8を閉じ側に回動させ、フィンガ爪8をAGV上のワークWに係合させてワークWを把持する。同時に、自己保持スプリング42がフィンガ爪8の閉じ状態を保持する。
【0036】
次に、走行手段4により搬送手段をAGV上の受取り位置Bから次工程設備Lの受渡し位置Cに向かって移動させる。この移動が開始されると、スライド本体20のスライダ21が次工程設備L側に移動し、一対の引張りスプリング17の収縮した一方を伸長させると共に伸長した他方を収縮させて、走行レール2に設けた昇降用ストッパ10に当接して停止しているスライド本体20を中立位置(待機位置)に復帰させ、この復帰に伴い、前記ベース本体15の作動突起18による昇降リンク22の一方の作動端への押圧が緩められ、昇降リンク22も徐々に待機位置に回動されていく。
【0037】
前記昇降リンク22の待機位置への回動は、横方向レバー22Aに連結した連結リンク27を介して前記昇降枠26への下降方向への押動を緩め、昇降ガイド25の圧縮コイルスプリング25Aにより、下降位置から待機位置に向かって上昇させる。昇降枠26に保持している爪開閉手段7を構成する爪軸31および爪リンク33を共に上昇させる。上昇される爪リンク33は、爪切替リンク32の両係合片32B,32Cに対して上方へ離れるものであるため、爪リンク33を回動させる作用はなく、そのまま上昇される。このため、フィンガ爪8は閉じたまま、即ち、AGV上のワークWを把持したまま、上昇する。
【0038】
次いで、走行手段4によりワーク搬送手段5を次工程設備L上の受渡し位置Cに移動させる。受渡し位置Cへの所定以上の接近において、図9に示すように、走行レール2に設けた前記爪開閉用ストッパ11に爪切替ロッド34の先端が当接して爪切替ロッド34が押込められて、その軸方向位置が受渡し位置Cに切替られる。これにより、爪切替リンク32が爪閉じ位置側(内側)の係合片32Bが爪リンク33と係合可能な受取り位置Bから、図10に示すように、爪開放位置側(外側)の係合片32Cが爪リンク33と係合可能な受渡し位置Cに切替られる。
【0039】
同時に、図9に示すように、スライド本体20のスライダ21が、走行レール2に設けた昇降用ストッパ10に当接し、スライド本体20の一体移動を停止させる一方、一対の引張りスプリング17を伸長および収縮させて、走行体4Aおよびベース本体15側のみがロッドレスシリンダ3によりストローク限に向かって移動される。そして、所定以上の前進移動により、スライド本体20に設けた昇降リンク22の一方の作動端に前記ベース本体15の作動突起18が係合し、それ以上のスライド移動により、作動突起18により昇降リンク22を回動させるよう作動する。
【0040】
前記昇降リンク22の回動は、横方向レバー22Aに連結した連結リンク27を介して前記昇降枠26を、昇降ガイド25の圧縮コイルスプリング25Aに抗して、待機位置から下方に下降させ、昇降枠26に保持している爪開閉手段7を構成する爪軸31および爪リンク33を共に下降させる。前記爪リンク33の下降限近傍への下降により、爪リンク33の外側のローラ33Cが、その下側で待機している爪切替リンク32の爪開放位置側(外側)の係合片32Cに係合する。そして、爪リンク33を自己保持スプリング42による自己保持力を超える回転力により回動させ、爪軸31を介してフィンガ爪8を開放側に回動させ、フィンガ爪8を次工程設備L上にワークWを開放する。同時に、自己保持スプリング42がフィンガ爪8を開放状態に保持する。
【0041】
次に、走行手段4によりワーク搬送手段5を次工程設備L上の受渡し位置CからAGV上の受取り位置Bに向かって若干移動させる。この移動が開始されると、スライド本体20のスライダ21がAGV側に移動し、一対の引張りスプリング17の収縮した一方を伸長させると共に伸長した他方を収縮させて、走行レール2に設けた昇降用ストッパ10に当接して停止しているスライド本体20を中立位置(待機位置)に復帰させ、この復帰に伴い、前記ベース本体15の作動突起18による昇降リンク22の一方の作動端への押圧が緩められ、昇降リンク22も徐々に待機位置に回動されていく。
【0042】
前記昇降リンク22の待機位置への回動は、横方向レバー22Aに連結した連結リンク27を介して前記昇降枠26への下降方向への押動を緩め、昇降ガイド25の圧縮コイルスプリング25Aにより、下降位置から待機位置に向かって上昇させる。昇降枠26に保持している爪開閉手段7を構成する爪軸31および爪リンク33を共に上昇させる。上昇される爪リンク33は、爪切替リンク32の両係合片32B,32Cに対して上方へ離れるものであるため、爪リンク33を回動させる作用はなく、そのまま上昇される。このため、フィンガ爪8は開放したまま上昇し、走行手段4の初期位置に復帰する。
【0043】
なお、上記実施形態において、フィンガ爪8のワーク受取り位置Bおよびワーク受渡し位置Cでの昇降動作と、フィンガ爪8の開閉動作と、フィンガ爪8の開閉方向を設定動作とを、全て走行手段4を移動させるロッドレスシリンダ3の搬送動作により実現するものについて説明したが、図示はしないが、フィンガ爪8のワーク受取り位置Bおよびワーク受渡し位置Cでの昇降動作が前記ロッドレスシリンダ3の搬送動作により実現され、その他の作動については夫々独自にアクチュエータを備えるものであってもよく、また、フィンガ爪8の開閉動作が前記ロッドレスシリンダ3の搬送動作により実現され、その他の作動については夫々独自にアクチュエータを備えるものであってもよく、さらに、フィンガ爪8の開閉方向を設定動作が前記ロッドレスシリンダ3の搬送動作により実現され、その他の作動については夫々独自にアクチュエータを備えるものであってもよい。また、前記動作の二つ以上が前記ロッドレスシリンダ3の搬送動作により実現され、残りの作動については独自にアクチュエータを備えるものであってもよい。
【0044】
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
【0045】
(ア)ワークWの受取り位置Bの上方と受渡し位置Cの上方とに跨って配置された搬送路に沿って往復動可能に設けた走行手段4に装備され、受取り位置Bにおいてフィンガ爪8を昇降手段6により下降させるとともに爪開閉手段7によりフィンガ爪8を開放状態から閉じ状態に作動させることによりワークWを把持させ、ワーク把持状態でフィンガ爪8を昇降手段6により上昇させ、走行手段4によりワークWの受渡し位置Cの上方に搬送し、受渡し位置Cにおいて昇降手段6によりフィンガ爪8を下降させるとともに爪開閉手段7によりフィンガ爪8を閉じ状態から開放状態に作動させることによりワークWを開放させ、その後に昇降手段6によりフィンガ爪8を上昇させるワーク搬送手段5を備えたワーク移載装置において、ワーク搬送手段5おける昇降手段6を、走行手段4に対して走行方向に相対移動可能であり且つ弾性手段(17)により相対移動範囲の中立位置に復帰付勢するよう配置され、前記走行手段4の受取り位置Bおよび受渡し位置Cへの所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパ10により停止されて走行手段4がストローク限に向かって前記中立位置から離れる方向に相対移動することを利用してフィンガ爪8を下降させ、走行手段4の受取り位置Bおよび受渡し位置Cからの離脱により、搬送路に設けた前記ストッパ10による相対移動状態から中立位置に復帰することを利用してフィンガ爪8を上昇させるようにした。このため、フィンガ爪8のワーク受取り位置Bおよびワーク受渡し位置CCでの昇降動作のためのアクチュエータを必要とせず、動力・電気信号が少なく安価にワーク移載装置を提供できる。
【0046】
(イ)ワーク搬送手段5おける爪開閉手段7を、フィンガ爪8の下降限への所定以上の接近により当接して、フィンガ爪8を閉じ状態から開放状態に変化させる開放側係合片32Cおよび閉じ状態から開放状態に変化させる閉じ側係合片32Bとを備える爪切替リンク32と、ワークWの受取り位置Bでは爪切替リンク32を閉じ側係合片32Bが作動可能となるよう切替え、ワークWの受渡し位置Cでは爪切替リンク32を開放側係合片32Bが作動可能となるよう切替る爪切替機構(34)と、を備えて構成してことにより、フィンガ爪8の開閉動作のためのアクチュエータを必要とせず、動力・電気信号が少なく安価にワーク移載装置を提供できる。
【0047】
(ウ)爪切替機構(34)は、前記走行手段4の受取り位置Bおよび受渡し位置Cへの所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパ11により作動されて、ワークWの受取り位置Bでは爪切替リンク32を閉じ側係合片32Bが作動可能となるよう切替え、ワークWの受渡し位置Cでは爪切替リンク32を開放側係合片32Cが作動可能となるよう切替る爪切替ロッド34により構成したことにより、フィンガ爪8の開閉方向を設定するためのアクチュエータを必要とせず、動力・電気信号が少なく安価にワーク移載装置を提供できる。
【0048】
(エ)ワーク搬送手段5おける昇降手段6を、前記走行手段4に対して走行方向に相対移動可能であり且つ弾性手段により相対移動範囲の中立位置に復帰付勢するよう配置され、前記走行手段4の受取り位置Bおよび受渡し位置Cへの所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパ10により停止されて走行手段4がストローク限に向かって前記中立位置から離れる方向に相対移動することを利用してフィンガ爪8を下降させ、走行手段4の受取り位置Bおよび受渡し位置Cからの離脱により、搬送路に設けた前記ストッパ10による相対移動状態から中立位置に復帰することを利用してフィンガ爪8を上昇させるよう構成し、ワーク搬送手段5おける爪開閉手段7を、フィンガ爪8の下降限への所定以上の接近により当接して、フィンガ爪8を閉じ状態から開放状態に変化させる開放側係合片32Bおよび閉じ状態から開放状態に変化させる閉じ側係合片32Cとを備える爪切替リンク32と、前記走行手段4の受取り位置Bおよび受渡し位置Cへの所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパ11により作動されて、ワークWの受取り位置Bでは爪切替リンク32を閉じ側係合片32Bが作動可能となるよう切替え、ワークWの受渡し位置Cでは爪切替リンク32を開放側係合片32Cが作動可能となるよう切替る爪切替ロッド34と、を備えて構成されることにより、フィンガ爪8のワーク受取り位置Bおよびワーク受渡し位置Cでの昇降動作のためのアクチュエータと、フィンガ爪8の開閉動作のためのアクチュエータと、フィンガ爪8の開閉方向を設定するためのアクチュエータとを、全て必要とせず、動力・電気信号をより一層少なくでき、安価にワーク移載装置を提供できる。
【0049】
(オ)フィンガ爪8に対して、フィンガ爪8が開放状態に位置する場合には、フィンガ爪8を開放側に回動させる回転力を付与して、その開放状態を保持するよう作用し、フィンガ爪8が閉じた状態に位置する場合には、フィンガ爪8を閉じる側に回動させる回転力を付与して、その閉じた状態を保持するよう作用する自己保持スプリング42を備えることにより、アクチュエータを使用しないで、フィンガ爪8の開閉状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態を示す移載装置によるワークの搬送経路を示す概略図。
【図2】同じくワーク移載装置の側面図。
【図3】同じくワーク移載装置の平面図。
【図4】ワーク搬送装置の中央部分の断面図。
【図5】爪切替ロッドの部分図。
【図6】ワーク搬送装置の端部よりの正面図。
【図7】ワーク移載装置の受取り位置側での作動状態を示す側面図。
【図8】図7における爪開閉手段の作動状態(A)および(B)を示す説明図。
【図9】ワーク移載装置の受渡し位置側での作動状態を示す側面図。
【図10】図9における爪開閉手段の作動状態(A)および(B)を示す説明図。
【符号の説明】
【0051】
1 支柱
2 走行レール
3 ロッドレスシリンダ
4 走行手段
5 ワーク搬送手段
6 昇降手段
7 爪開閉手段
8 フィンガ爪
9 リミットスイッチ
10 昇降用ストッパ
11 開閉用ストッパ
15 ベース本体
20 スライド本体
22 昇降リンク
26 昇降枠
31 爪軸
32 爪切替リンク
33 爪リンク
34 爪切替ロッド
42 自己保持スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの受取り位置の上方と受渡し位置の上方とに跨って配置された搬送路に沿って往復動可能に設けた走行手段に装備され、受取り位置においてフィンガ爪を昇降手段により下降させるとともに爪開閉手段によりフィンガ爪を開放状態から閉じ状態に作動させることによりワークを把持させ、ワーク把持状態でフィンガ爪を昇降手段により上昇させ、走行手段によりワークの受渡し位置の上方に搬送し、受渡し位置において昇降手段によりフィンガ爪を下降させるとともに爪開閉手段によりフィンガ爪を閉じ状態から開放状態に作動させることによりワークを開放させ、その後に昇降手段によりフィンガ爪を上昇させるワーク搬送手段を備えたワーク移載装置において、
前記ワーク搬送手段おける昇降手段は、前記走行手段に対して走行方向に相対移動可能であり且つ弾性手段により相対移動範囲の中立位置に復帰付勢するよう配置され、前記走行手段の受取り位置および受渡し位置への所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパにより停止されて走行手段がストローク限に向かって前記中立位置から離れる方向に相対移動することを利用してフィンガ爪を下降させ、走行手段の受取り位置および受渡し位置からの離脱により、搬送路に設けた前記ストッパによる相対移動状態から中立位置に復帰することを利用してフィンガ爪を上昇させることを特徴とするワーク移載装置。
【請求項2】
ワークの受取り位置の上方と受渡し位置の上方とに跨って配置された搬送路に沿って往復動可能に設けた走行手段に装備され、受取り位置においてフィンガ爪を昇降手段により下降させるとともに爪開閉手段によりフィンガ爪を開放状態から閉じ状態に作動させることによりワークを把持させ、ワーク把持状態でフィンガ爪を昇降手段により上昇させ、走行手段によりワークの受渡し位置の上方に搬送し、受渡し位置において昇降手段によりフィンガ爪を下降させるとともに爪開閉手段によりフィンガ爪を閉じ状態から開放状態に作動させることによりワークを開放させ、その後に昇降手段によりフィンガ爪を上昇させるワーク搬送手段を備えたワーク移載装置において、
前記ワーク搬送手段おける爪開閉手段は、フィンガ爪の下降限への所定以上の接近により当接して、フィンガ爪を閉じ状態から開放状態に変化させる開放側係合片および閉じ状態から開放状態に変化させる閉じ側係合片とを備える爪切替リンクと、ワークの受取り位置では爪切替リンクを閉じ側係合片が作動可能となるよう切替え、ワークの受渡し位置では爪切替リンクを開放側係合片が作動可能となるよう切替る爪切替機構と、を備えて構成されることを特徴とするワーク移載装置。
【請求項3】
前記爪切替機構は、前記走行手段の受取り位置および受渡し位置への所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパにより作動されて、ワークの受取り位置では爪切替リンクを閉じ側係合片が作動可能となるよう切替え、ワークの受渡し位置では爪切替リンクを開放側係合片が作動可能となるよう切替る爪切替ロッドと、により構成されることを特徴とする請求項2に記載のワーク移載装置。
【請求項4】
ワークの受取り位置の上方と受渡し位置の上方とに跨って配置された搬送路に沿って往復動可能に設けた走行手段に装備され、受取り位置においてフィンガ爪を昇降手段により下降させるとともに爪開閉手段によりフィンガ爪を開放状態から閉じ状態に作動させることによりワークを把持させ、ワーク把持状態でフィンガ爪を昇降手段により上昇させ、走行手段によりワークの受渡し位置の上方に搬送し、受渡し位置において昇降手段によりフィンガ爪を下降させるとともに爪開閉手段によりフィンガ爪を閉じ状態から開放状態に作動させることによりワークを開放させ、その後に昇降手段によりフィンガ爪を上昇させるワーク搬送手段を備えたワーク移載装置において、
前記ワーク搬送手段おける昇降手段は、前記走行手段に対して走行方向に相対移動可能であり且つ弾性手段により相対移動範囲の中立位置に復帰付勢するよう配置され、前記走行手段の受取り位置および受渡し位置への所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパにより停止されて走行手段がストローク限に向かって前記中立位置から離れる方向に相対移動することを利用してフィンガ爪を下降させ、走行手段の受取り位置および受渡し位置からの離脱により、搬送路に設けた前記ストッパによる相対移動状態から中立位置に復帰することを利用してフィンガ爪を上昇させるよう構成され、
前記ワーク搬送手段おける爪開閉手段は、フィンガ爪の下降限への所定以上の接近により当接して、フィンガ爪を閉じ状態から開放状態に変化させる開放側係合片および閉じ状態から開放状態に変化させる閉じ側係合片とを備える爪切替リンクと、前記走行手段の受取り位置および受渡し位置への所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパにより作動されて、ワークの受取り位置では爪切替リンクを閉じ側係合片が作動可能となるよう切替え、ワークの受渡し位置では爪切替リンクを開放側係合片が作動可能となるよう切替る爪切替ロッドと、を備えて構成されることを特徴とするワーク移載装置。
【請求項5】
前記フィンガ爪は、フィンガ爪が開放状態に位置する場合には、フィンガ爪を開放側に回動させる回転力を付与して、その開放状態を保持するよう作用し、フィンガ爪が閉じた状態に位置する場合には、フィンガ爪を閉じる側に回動させる回転力を付与して、その閉じた状態を保持するよう作用する自己保持スプリングを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の移載装置。
【請求項6】
ワークの受取り位置の上方と受渡し位置の上方とに跨って配置された搬送路に沿って往復動可能な走行手段と、走行手段に装備された昇降手段および爪開閉手段と、から構成され、受取り位置においてフィンガ爪を下降させるとともにフィンガ爪を開放状態から閉じ状態に作動させることによりワークを把持させ、ワーク把持状態でフィンガ爪を上昇させ、ワークの受渡し位置の上方に搬送し、受渡し位置においてフィンガ爪を下降させるとともにフィンガ爪を閉じ状態から開放状態に作動させることによりワークを開放させるワーク移載方法において、
前記フィンガ爪は、前記走行手段に対して走行方向に相対移動可能であり且つ弾性手段により相対移動範囲の中立位置に復帰付勢するよう配置され、前記走行手段の受取り位置および受渡し位置への所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパにより停止されて走行手段がストローク限に向かって前記中立位置から離れる方向に相対移動することを利用して下降され、走行手段の受取り位置および受渡し位置からの離脱により、搬送路に設けた前記ストッパによる相対移動状態から中立位置に復帰することを利用して上昇され、
前記フィンガ爪は、下降限への所定以上の接近により、爪切替リンクの開放状態に変化させる開放側係合片若しくは閉じ状態に変化させる閉じ側係合片のいずれかに当接することにより、開放状態若しくは閉じ状態に作動され、
前記爪切替リンクは、前記走行手段の受取り位置および受渡し位置への所定以上の接近により、搬送路に設けたストッパにより作動する爪切替ロッドにより、ワークの受取り位置では爪切替リンクを閉じ側係合片が作動可能となるよう切替え、ワークの受渡し位置では爪切替リンクを開放側係合片が作動可能となるよう切替ることを特徴とするワーク移載方法。

【図5】
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【図8】
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【図10】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−40540(P2009−40540A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206295(P2007−206295)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】