説明

一体型テレビ装置

【課題】 磁気テープに記録状態が悪い箇所があっても、画像が途切れることなく再生
することができる機能を有する一体化テレビ装置を提供する。
【解決手段】 磁気テープがVCR部2により再生されている時、磁気テープに記録の
悪い箇所があった場合、このまま再生すると、再生画像が見えなくなることがある。そこ
で、システムコントローラ13は、VCR2からのトラッキングエラー信号のエンベロー
プ信号レベルと予め定めた閾値とを比較し、エンベロープ信号レベルが閾値未満になった
とき、Y/C信号からコンポジット信号に切り換え、コンポジット信号をテレビ部7の信
号処理回路8に入力する。信号処理回路8では、入力されたコンポジット信号に基づいて
RGB信号を生成して出力する。したがって、磁気テープの記録状態が悪い区間を再生し
ても、再生画像が見えなくなるようなことはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録再生装置と光ディスク記録再生装置とテレビ受信機とが一体化した
一体型テレビ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4はこの種の従来の一体型テレビ装置の要部構成を示すブロック図である。この従来
の一体型テレビ装置は、テレビ放送を受信するチューナ部1と、磁気テープに対して情報
の記録/再生を行うVCR部(ビデオカセットレコーダ部)2と、DVDに対して情報の
記録/再生を行うDVDレコーダ部5と、チューナ部1で受信したテレビ放送を画面表示
および音声出力するテレビ部7aとを備え、更にチューナ1、VCR部2、DVDレコー
ダ部5、テレビ部7aなどを制御するためのシステムコントローラ13aを備えている。
このシステムコントローラ13aは、コントロールバスを介して各構成要素を制御する。
L1〜L7はコントロールバスに含まれるラインを示す。また、この一体型テレビ装置は
、チューナ部1からのコンポジット信号とVCR部2からのコンポジット信号と外部入力
端子AUXからのコンポジット信号との何れかを選択してDVDレコーダ部5の信号処理
回路6に入力するコンポジット選択スイッチ3,4を備えている。
【0003】
例えば、VCR部2を再生動作させる指示が、図示しないリモコンよりシステムコント
ローラ13aに与えられると、システムコントローラ13aは、コンポジット選択スイッ
チ3をVCR部2側に設定し、コンポジット選択スイッチ4をコンポジット選択スイッチ
3側に設定する。即ち、システムコントローラ13はVCR部2からのコンポジット信号
を選択すると、DVDレコーダ部5は、VCR部2からのコンポジット信号を入力し、信
号処理回路6でアナログ/デジタル変換およびデジタル/アナログ変換してコンポジット
信号をY/C分離してC信号とY信号をテレビ部7aに入力する。
【0004】
テレビ部7aの信号処理回路8aでは、DVDレコーダ部5の信号処理回路6からのC
信号とY信号を入力し、C信号とY信号を処理してRGB信号を生成し出力する。そして
、このRGB信号は図示しない表示装置に入力されることによって、表示装置にはVCR
部2からの再生画像が表示される。
【特許文献1】特開2000−4410号公報
【特許文献2】特開平6−70249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の一体型テレビ装置では、VCR部2、チューナ部1、および外部入力
端子AUXからのコンポジット信号はDVDレコーダ部5の信号処理回路6でY/C分離
されて、テレビ部7aに供給されているので、解像度も高く、ノイズの影響のない鮮明な
画像を得ることができるが、VCR部2で再生される磁気テープに記録の悪い箇所がある
と、そのコンポジット信号を入力したDVDレコーダ部5の信号処理回路6は、アナログ
/デジタル変換やデジタル/アナログ変換が正常に行うことができず、このためにブロッ
キングノイズが発生して、この結果、磁気テープの記録状態が悪い箇所は、再生画像が見
えなくなり、画像が途切れるという課題が生じる。
【0006】
なお、特許文献1,2の従来技術は、何れも、磁気記録再生装置と光ディスク記録再生
装置とテレビ受信機とが一体化した一体型テレビ装置に関するものではない。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、磁気テープに記録状態
が悪い箇所があっても、画像が途切れることなく再生することができる機能を有する一体
化テレビ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、テレビ放送を受信するチューナ部と、
磁気テープに対して情報の記録/再生を行うVCR部と、DVDに対して情報の記録/再
生を行うDVDレコーダ部と、前記チューナ部で受信したテレビ放送を画面表示および音
声出力するテレビ部とを備えた一体型テレビ装置において、前記チューナ部からのコンポ
ジット信号と前記VCR部のコンポジット信号と外部入力端子からのコンポジット信号と
の何れかを選択して前記DVDレコーダ部の信号処理回路に入力するコンポジット選択手
段と、前記コンポジット信号が前記DVDレコーダ部の信号処理回路にて処理されて出力
されたY/C信号のうちのY信号と前記コンポジット選択手段からのコンポジット信号と
の何れかを選択するY/コンポジット選択手段と、前記DVDレコーダ部の信号処理回路
からのC信号と前記コンポジット信号から取り出した3.58MHz搬送色信号との何れ
かを選択するC/3.58選択手段と、前記コンポジット選択手段と前記Y/コンポジッ
ト選択手段と前記C/3.58選択手段と装置全体をコントロールバスを介して制御する
システムコントローラとを備えた構成を有し、前記システムコントローラは、前記コンポ
ジット選択手段を制御して前記VCRからのコンポジット信号を選択して前記DVDレコ
ーダ部の信号処理回路に入力しているときに、前記VCRにおけるトラッキングサーボに
用いられるトラッキングエラー信号のエンベロープ信号レベルと予め定めた閾値とを比較
し、エンベロープ信号レベルが閾値未満になったとき前記Y/コンポジット選択手段およ
び前記C/3.58選択手段を制御してY/C信号からコンポジット信号にリアルタイム
で切り換え、またはタイムラグを持たせて切り換え、コンポジット信号を前記テレビ部の
RGB信号を出力する信号処理回路に入力し、エンベロープ信号レベルが閾値以上になっ
たとき前記Y/コンポジット選択手段および前記C/3.58選択手段を制御してコンポ
ジット信号からY/C信号にリアルタイムで切り換え、またはタイムラグを持たせて切り
換え、Y/C信号を前記テレビ部の信号処理回路に入力することを特徴とする一体型テレ
ビ装置を提供する。
【0009】
この構成において、磁気テープに記録された画像がVCR部により再生されている時、
磁気テープに記録の悪い箇所や傷があった場合、このまま再生すると、DVDレコーダ部
の信号処理回路は、アナログ/デジタル変換やデジタル/アナログ変換が十分にできず、
そのためにブロッキングノイズが発生して、再生画像が見えなくなることがある。そこで
、システムコントローラは、VCR部からのトラッキングエラー信号のエンベロープ信号
レベルと予め定めた閾値とを比較し、エンベロープ信号レベルが閾値未満になったとき、
Y/コンポジット選択手段およびC/3.58選択手段を制御して、Y/C信号からコン
ポジット信号に、リアルタイムまたはタイムラグを持たせて切り換える。
【0010】
これにより、VCR部からのコンポジット信号はテレビ部に直接入力されることになり
、テレビ部の信号処理回路では、入力されたY信号と3.58MHz搬送色信号とに基づ
いてRGB信号を生成して出力する。したがって、この場合は、磁気テープの記録状態が
悪い区間を再生しても、再生画像が見えなくなるようなことはない。
【0011】
そして、磁気テープの記録状態が悪い区間を過ぎると、エンベロープ信号レベルは閾値
以上になるので、システムコントローラは、エンベロープ信号レベルが閾値以上になった
ことを検出し、テレビ部に入力される信号をコンポジット信号からY/C信号にリアルタ
イムまたはタイムラグを持たせて切り換え、Y信号とC信号をテレビ部の信号処理回路に
入力する。これにより、テレビ部の信号処理回路では、入力されたY信号とC信号に基づ
いてRGB信号を生成し出力する。
【0012】
したがって、この構成によれば、磁気テープに記録状態が悪い区間があったとき、テレ
ビ部に入力される信号はY/C信号からコンポジット信号に切り換えられるので、即ち、
VCR部からのコンポジット信号はテレビ部に直接入力されることになるので、再生画像
は途切れることなく表示することができ、視聴者にとっては快適に再生画像を見ることが
できる。また、DVDレコーダ部のアナログ/デジタル変換やデジタル/アナログ変換の
性能が高ければ、両信号の切り換えはリアルタイムで行うことが可能であるが、リアルタ
イムで切り換えに追従できない場合には、タイムラグを持たせてY/C信号とコンポジッ
ト信号間の切り換えを行えば、切り換えに追従させることが可能になる。
【0013】
請求項2の発明は、テレビ放送を受信するチューナ部と、磁気テープに対して情報の記
録/再生を行う磁気記録再生部と、光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディス
ク記録再生部と、前記チューナ部で受信したテレビ放送を画面表示および音声出力するテ
レビ部とを備えた一体型テレビ装置において、前記磁気記録再生部からのコンポジット信
号を選択して前記光ディスク記録再生部の信号処理回路に入力しているときに、前記磁気
記録再生部におけるトラッキングサーボに用いられるトラッキングエラー信号のエンベロ
ープ信号レベルと予め定めた閾値とを比較し、エンベロープ信号レベルが閾値未満になっ
たとき、Y/C信号からコンポジット信号に切り換え、コンポジット信号を前記テレビ部
のRGB信号を出力する信号処理回路に入力し、エンベロープ信号レベルが閾値以上にな
ったときコンポジット信号からY/C信号に切り換え、Y/C信号を前記テレビ部の信号
処理回路に入力する制御を行うシステムコントローラを備えたことを特徴とする一体型テ
レビ装置を提供する。
【0014】
この構成において、磁気テープに記録された画像が磁気記録再生部により再生されてい
る時、磁気テープに記録の悪い箇所や傷があった場合、このまま再生すると、光ディスク
記録再生部の信号処理回路は、アナログ/デジタル変換やデジタル/アナログ変換が十分
にできず、そのためにブロッキングノイズが発生して、再生画像が見えなくなることがあ
る。そこで、システムコントローラは、磁気記録再生部からのトラッキングエラー信号の
エンベロープ信号レベルと予め定めた閾値とを比較し、エンベロープ信号レベルが閾値未
満になったとき、Y/C信号からコンポジット信号に切り換え、コンポジット信号をテレ
ビ部の信号処理回路に入力する。
【0015】
これにより、磁気記録再生部からのコンポジット信号はテレビ部に直接入力されること
になり、テレビ部の信号処理回路では、入力されたコンポジット信号に基づいてRGB信
号を生成して出力する。したがって、この場合は、磁気テープの記録状態が悪い区間を再
生しても、再生画像が見えなくなるようなことはない。
【0016】
そして、磁気テープの記録状態が悪い区間を過ぎると、エンベロープ信号レベルは閾値
以上になるので、システムコントローラは、エンベロープ信号レベルが閾値以上になった
ことを検出し、テレビ部に入力される信号をコンポジット信号からY/C信号に切り換え
、Y信号とC信号をテレビ部の信号処理回路に入力する。これにより、テレビ部の信号処
理回路では、入力されたY信号とC信号に基づいてRGB信号を生成し出力する。
【0017】
したがって、この構成によれば、磁気テープに記録状態が悪い区間があったとき、テレ
ビ部に入力される信号はY/C信号からコンポジット信号に切り換えられるので、即ち、
磁気記録再生部からのコンポジット信号はテレビ部に直接入力されることになるので、再
生画像は途切れることなく表示することができ、視聴者にとっては快適に再生画像を見る
ことができる。
【0018】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記チューナ部からのコンポジット信
号と前記ビデオカセットレコーダ部のコンポジット信号と外部入力端子からのコンポジッ
ト信号との何れかを選択して前記DVDレコーダ部の信号処理回路に入力するコンポジッ
ト選択手段と、前記コンポジット信号が前記DVDレコーダ部の信号処理回路にて処理さ
れて出力されたY/C信号のうちのY信号と前記コンポジット選択手段からのコンポジッ
ト信号との何れかを選択するY/コンポジット選択手段と、前記DVDレコーダ部の信号
処理回路からのC信号と前記コンポジット信号から取り出した3.58MHz搬送色信号
との何れかを選択するC/3.58選択手段とを備え、前記システムコントローラは、前
記コンポジット選択手段と前記Y/コンポジット選択手段と前記C/3.58選択手段と
装置全体をコントロールバスを介して制御するので、テレビ部の信号処理回路に入力する
Y/C信号とコンポジット信号との切り換えを容易に実現することができる。
【0019】
請求項4の発明では、請求項2の発明において、Y/C信号からコンポジット信号への
切り換え、およびコンポジット信号からY/C信号への切り換えは、リアルタイムまたは
タイムラグを持たせて切り換えを行うので、光ディスク記録再生部のアナログ/デジタル
変換やデジタル/アナログ変換の性能が高ければ、両信号の切り換えはリアルタイムで行
うことが可能であるが、リアルタイムで切り換えに追従できない場合には、タイムラグを
持たせてY/C信号とコンポジット信号間の切り換えを行えば、切り換えに追従させるこ
とが可能になる。
【0020】
請求項5の発明では、請求項2の発明において、磁気記録再生部はビデオカセットレコ
ーダ部であり、光ディスク記録再生部はDVDレコーダ部であるので、磁気記録再生部と
してはスペースが小さくて済み、光ディスク記録再生部としては大量の画像情報を記録す
ることが可能になり、したがって一体型テレビ装置としては、テレビ部以外のスペースが
小さくて済み、デザイン的には単体のテレビジョン受信機と変わらないものを実現でき、
しかも、ビデオカセットレコーダ部およびDVDレコーダ部をも備えているので、使い勝
手が良く、また、それぞれ別々に購入するのに比べ、安価で手に入れることが可能になる

【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によれば、磁気テープに記録状態が悪い区間があったとき、テレビ
部に入力される信号はY/C信号からコンポジット信号に切り換えられるので、即ち、V
CR部からのコンポジット信号はテレビ部に直接入力されることになるので、再生画像は
途切れることなく表示することができ、視聴者にとっては快適に再生画像を見ることがで
きる。また、光ディスク記録再生部のアナログ/デジタル変換やデジタル/アナログ変換
の性能が高ければ、両信号の切り換えはリアルタイムで行うことが可能であるが、リアル
タイムで切り換えに追従できない場合には、タイムラグを持たせてY/C信号とコンポジ
ット信号間の切り換えを行えば、切り換えに追従させることが可能になる。
【0022】
また、本発明によれば、磁気テープに記録状態が悪い区間があったとき、テレビ部に入
力される信号はY/C信号からコンポジット信号に切り換えられるので、即ち、磁気記録
再生部からのコンポジット信号はテレビ部に直接入力されることになるので、再生画像は
途切れることなく表示することができ、視聴者にとっては快適に再生画像を見ることがで
きる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の
一実施形態に係る一体型テレビ装置の要部構成を示すブロック図である。
【0024】
この一体型テレビ装置は、テレビ放送を受信するチューナ部1と、磁気テープに対して
情報の記録/再生を行うVCR部(ビデオカセットレコーダ部)2と、DVDに対して情
報の記録/再生を行うDVDレコーダ部5と、チューナ部1で受信したテレビ放送を画面
表示および音声出力するテレビ部7とを備え、更にチューナ1、VCR部2、DVDレコ
ーダ部5、テレビ部7などを制御するためのシステムコントローラ13を備えている。こ
のシステムコントローラ13は、コントロールバスを介して各構成要素を制御する。L1
〜L9はコントロールバスに含まれるラインを示す。
【0025】
また、この一体型テレビ装置は、チューナ部1からのコンポジット信号とVCR部2の
コンポジット信号と外部入力端子AUXからのコンポジット信号との何れかを選択してD
VDレコーダ部5の信号処理回路6に入力するコンポジット選択スイッチ3,4と、前記
コンポジット信号がDVDレコーダ部5の信号処理回路6にて処理されて出力されたY/
C信号のうちのY信号(輝度信号)とコンポジット選択スイッチ3,4からのコンポジッ
ト信号との何れかを選択するY/コンポジット選択スイッチ9と、DVDレコーダ部5の
信号処理回路6からのC信号(色差信号)と前記コンポジット信号から取り出した3.5
8MHz搬送色信号との何れかを選択するC/3.58選択スイッチ10とを備えている

【0026】
Y/コンポジット選択スイッチ9がコンポジット信号を選択した場合は、コンポジット
信号は3.58トラップ回路11によって3.58MHz搬送色信号を除去してテレビ部
7の信号処理回路8に入力すると共に、C/3.58選択スイッチ10は3.58抽出回
路12によって抽出された3.58MHz搬送色信号を選択し、同じくテレビ部7の信号
処理回路8に入力する。信号処理回路8では、内部の3.58MHz発振器からの3.5
8MHzの信号と、Y信号とに基づいて、3.58MHz搬送色信号からRGB信号を生
成し出力する。
【0027】
Y/コンポジット選択スイッチ9がDVDレコーダ部5の信号処理回路6からのY信号
を選択し、これに伴ってC/3.58選択スイッチ10が同じく信号処理回路6からのC
信号を選択した場合は、テレビ部7の信号処理回路8にはY信号およびC信号が入力され
る。これにより、信号処理回路8は、Y信号およびC信号に基づいてRGB信号を生成し
て出力する。なお、Y/コンポジット選択スイッチ9がY信号を選択しているときは、Y
信号は3.58トラップ回路11をそのまま通過する。
【0028】
システムコントローラ13の特徴としては、コンポジット選択スイッチ3,4を制御し
てVCR部2からのコンポジット信号を選択してDVDレコーダ部5の信号処理回路6に
入力しているときに、VCR部2におけるトラッキングサーボに用いられるトラッキング
エラー信号のエンベロープ信号レベルと予め定めた閾値とをエンベロープ信号比較手段1
4で比較し、エンベロープ信号レベルが閾値未満になったときY/コンポジット選択スイ
ッチ9およびC/3.58選択スイッチ10を制御して、信号切換手段15により、Y/
C信号からコンポジット信号にリアルタイムで切り換え、またはタイムラグを持たせて切
り換え、コンポジット信号をテレビ部7のRGB信号を出力する信号処理回路8に入力し
、エンベロープ信号レベルが閾値以上になったときY/コンポジット選択スイッチ9およ
びC/3.58選択スイッチ10を制御してコンポジット信号からY/C信号にリアルタ
イムで切り換え、またはタイムラグを持たせて切り換え、Y/C信号をテレビ部7の信号
処理回路8に入力する。
【0029】
図2は本実施形態においてVCRの再生動作時での磁気テープとトラッキングエラー信
号のエンベロープ信号との関係を示す図である。図3は本実施形態においてVCRの再生
動作時でのY/C信号とコンポジット信号との切り換え動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【0030】
図2および図3を参照して図1に示す一体型テレビ装置の特徴とする動作について説明
する。例えば、VCR部2を再生動作させる指示が、図示しないリモコンよりシステムコ
ントローラ13に与えられると、システムコントローラ13は、コンポジット選択スイッ
チ3をVCR部2側に設定し、コンポジット選択スイッチ4をコンポジット選択スイッチ
3側に設定する。即ち、システムコントローラ13はVCR部2からのコンポジット信号
を選択する(ステップS1)。これにより、DVDレコーダ部5は、VCR部2からのコ
ンポジット信号を入力し、信号処理回路6でアナログ/デジタル変換およびデジタル/ア
ナログ変換してコンポジット信号をY/C分離してC信号とY信号をテレビ部7に入力す
る。
【0031】
テレビ部7では、システムコントローラ13の制御により、Y/コンポジット選択スイ
ッチ9がDVDレコーダ部5の信号処理回路6のY信号側に設定され、C/3.58選択
スイッチ10がDVDレコーダ部5の信号処理回路6のC信号側に設定されているので、
DVDレコーダ5の信号処理回路6からのY信号はY/コンポジット選択スイッチ9およ
び3.58トラップ回路11を介して信号処理回路8に入力され、DVDレコーダ部5の
信号処理回路6からのC信号はC/3.58選択スイッチ10を介して信号処理回路8に
入力される。信号処理回路8では、C信号とY信号に基づいてRGB信号を生成し出力す
る。そして、このRGB信号は図示しない表示装置に入力されることによって、表示装置
にはVCR部2からの再生画像が表示される。
【0032】
このようにして磁気テープに記録された画像がVCR部2により再生されている時には
、システムコントローラ13は、VCR部2におけるトラッキングサーボに用いられるト
ラッキングエラー信号のエンベロープ信号レベル(正常なときは例えば5V電圧)と予め
定めた閾値(例えば3V電圧)とを比較し、エンベロープ信号レベルが閾値未満になった
とき(ステップS2)、Y/コンポジット選択スイッチ9およびC/3.58選択スイッ
チ10を制御して、テレビ部7に入力する信号をY/C信号からコンポジット信号にリア
ルタイムで切り換える(ステップS3)。
【0033】
なお、DVDレコーダ部5のアナログ/デジタル変換やデジタル/アナログ変換の性能
、Y/コンポジット選択スイッチ9およびC/3.58選択スイッチ10のスイッチング
性能が高ければ、Y/C信号からコンポジット信号にリアルタイムで切り換えることが可
能であるが、切り換えに追従できない場合には、タイムラグを持たせてY/C信号からコ
ンポジット信号への切り換えを行っても良い。また、後述するコンポジット信号からY/
C信号への切り換えについても同様に、タイムラグを持たせても良い。
【0034】
ところで、例えば図2(A)に示すように、時点T1から時点T2の期間(区間)で、
磁気テープ20に記録の悪い箇所や傷があった場合、このまま再生すると、DVDレコー
ダ部5の信号処理回路6は、アナログ/デジタル変換やデジタル/アナログ変換が十分に
できず、そのためにブロッキングノイズが発生して、再生画像が見えなくなることがある

【0035】
そこで、VCR部2におけるトラッキングサーボに用いられるトラッキングエラー信号
のエンベロープ信号レベルは、磁気テープの記録状態が正常なときは例えば図2(B)に
示すように5V電圧であり、図2(A)に示すように記録状態が悪い区間(時点Tから時
点Tまでの期間)では、エンベロープ信号レベルは例えば3V未満になったと仮定すると
、システムコントローラ13は、エンベロープ信号レベルが3Vの閾値未満であると判定
し(ステップS2)、Y/コンポジット選択スイッチ9およびC/3.58選択スイッチ
10を制御して、テレビ装置7に入力する信号をY/C信号からコンポジット信号にリア
ルタイムで切り換える(ステップS3)。
【0036】
これにより、VCR部2からのコンポジット信号はテレビ部7に直接入力されることに
なり、Y/コンポジット選択スイッチ9を介して3.58トラップ回路11に入力された
コンポジット信号は、3.58MHz成分が除去されてY信号のみ信号処理回路8に入力
され、3.58抽出回路12に入力されたコンポジット信号は3.58MHz成分(3.
58MHz搬送色信号)のみ信号処理回路8に入力される。信号処理回路8では、入力さ
れたY信号と3.58MHz搬送色信号とに基づいてRGB信号を生成して出力する。し
たがって、この場合は、磁気テープ20の記録状態が悪い区間(時点T1から時点T2ま
での期間)を再生しても、再生画像が見えなくなるようなことはない。
【0037】
そして、磁気テープ20の記録状態が悪い区間を過ぎると、図2(B)に示すようにエ
ンベロープ信号レベルが3V電圧以上になるので、システムコントローラ13は、エンベ
ロープ信号レベルが閾値(3V電圧)以上になったことを検出し(ステップS4)、Y/
コンポジット選択スイッチ9およびC/3.58選択スイッチ10を制御して、Y/コン
ポジット選択スイッチ9をY信号側に、C/3.58選択スイッチ10をC信号側に切り
換えることによって、テレビ部7に入力する信号をコンポジット信号からY/C信号にリ
アルタイムで切り換え(ステップS5)、Y信号とC信号をテレビ部7の信号処理回路8
に入力する。これにより、信号処理回路8では、入力されたY信号とC信号に基づいてR
GB信号を生成し出力する。この場合は、DVDレコーダ部5でデジタル処理されたY/
C信号を用いているので、特に鮮明な画像が表示装置に表示されることになる。
【0038】
ステップS5の処理の後は、再生が終了するまで(ステップS6)、ステップS2〜ス
テップS5の処理が繰り返され、例え、磁気テープに記録状態が悪い区間があっても、再
生画像は途切れることなく表示することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、エンベロープ信号レベルを比較する閾値の電圧を3Vにしたが
、エンベロープ信号レベルが低下して、ブロッキングノイズが発生するレベルが装置の性
能により異なるので、前記閾値の電圧は3Vに限らない。また、本実施形態では、正常な
エンベロープ信号レベルは5Vとして説明したが、装置によって異なるので、これに限ら
ない。
【0040】
以上説明したように本実施形態によれば、磁気テープに記録状態が悪い区間があったと
き、テレビ部7に入力される信号はY/C信号からコンポジット信号に切り換えられるの
で、即ち、VCR部2からのコンポジット信号はテレビ部7に直接入力されることになる
ので、再生画像は途切れることなく表示することができ、視聴者にとっては快適に再生画
像を見ることができる。また、DVDレコーダ部5のアナログ/デジタル変換やデジタル
/アナログ変換の性能が高ければ、両信号の切り換えはリアルタイムで行うことが可能で
あるが、リアルタイムで切り換えに追従できない場合には、タイムラグを持たせてY/C
信号とコンポジット信号間の切り換えを行えば、切り換えに追従させることが可能になる

【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係る一体型テレビ装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】前記実施形態においてVCRの再生動作時での磁気テープとトラッキングエラー信号のエンベロープ信号との関係を示す図である。
【図3】前記実施形態においてVCRの再生動作時でのY/C信号とコンポジット信号との切り換え動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】従来の一体型テレビ装置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0042】
1 チューナ部
2 VCR部(磁気記録再生部)
3,4コンポジット選択スイッチ(コンポジット選択手段)
5 DVDレコーダ部(光ディスク記録再生部)
6 DVDレコーダ部の信号処理回路
7 テレビ部
8 テレビ部の信号処理回路
9 Y/コンポジット選択スイッチ(Y/コンポジット選択手段)
10 C/3.58選択スイッチ(C/3.58選択手段)
13 システムコントローラ
L1〜L9 コントローラバスのライン
AUX 外部入力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送を受信するチューナ部と、磁気テープに対して情報の記録/再生を行うビデ
オカセットレコーダ部と、DVDに対して情報の記録/再生を行うDVDレコーダ部と、
前記チューナ部で受信したテレビ放送を画面表示および音声出力するテレビ部とを備えた
一体型テレビ装置において、前記チューナ部からのコンポジット信号と前記ビデオカセッ
トレコーダ部のコンポジット信号と外部入力端子からのコンポジット信号との何れかを選
択して前記DVDレコーダ部の信号処理回路に入力するコンポジット選択手段と、前記コ
ンポジット信号が前記DVDレコーダ部の信号処理回路にて処理されて出力されたY/C
信号のうちのY信号と前記コンポジット選択手段からのコンポジット信号との何れかを選
択するY/コンポジット選択手段と、前記DVDレコーダ部の信号処理回路からのC信号
と前記コンポジット信号から取り出した3.58MHz搬送色信号との何れかを選択する
C/3.58選択手段と、前記コンポジット選択手段と前記Y/コンポジット選択手段と
前記C/3.58選択手段と装置全体をコントロールバスを介して制御するシステムコン
トローラとを備えた構成を有し、前記システムコントローラは、前記コンポジット選択手
段を制御して前記ビデオカセットレコーダからのコンポジット信号を選択して前記DVD
レコーダ部の信号処理回路に入力しているときに、前記ビデオカセットレコーダにおける
トラッキングサーボに用いられるトラッキングエラー信号のエンベロープ信号レベルと予
め定めた閾値とを比較し、エンベロープ信号レベルが閾値未満になったとき前記Y/コン
ポジット選択手段および前記C/3.58選択手段を制御してY/C信号からコンポジッ
ト信号にリアルタイムで切り換え、またはタイムラグを持たせて切り換え、コンポジット
信号を前記テレビ部のRGB信号を出力する信号処理回路に入力し、エンベロープ信号レ
ベルが閾値以上になったとき前記Y/コンポジット選択手段および前記C/3.58選択
手段を制御してコンポジット信号からY/C信号にリアルタイムで切り換え、またはタイ
ムラグを持たせて切り換え、Y/C信号を前記テレビ部の信号処理回路に入力することを
特徴とする一体型テレビ装置。
【請求項2】
テレビ放送を受信するチューナ部と、磁気テープに対して情報の記録/再生を行う磁気
記録再生部と、光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディスク記録再生部と、前
記チューナ部で受信したテレビ放送を画面表示および音声出力するテレビ部とを備えた一
体型テレビ装置において、前記磁気記録再生部からのコンポジット信号を選択して前記光
ディスク記録再生部の信号処理回路に入力しているときに、前記磁気記録再生部における
トラッキングサーボに用いられるトラッキングエラー信号のエンベロープ信号レベルと予
め定めた閾値とを比較し、エンベロープ信号レベルが閾値未満になったとき、Y/C信号
からコンポジット信号に切り換え、コンポジット信号を前記テレビ部のRGB信号を出力
する信号処理回路に入力し、エンベロープ信号レベルが閾値以上になったときコンポジッ
ト信号からY/C信号に切り換え、Y/C信号を前記テレビ部の信号処理回路に入力する
制御を行うシステムコントローラを備えたことを特徴とする一体型テレビ装置。
【請求項3】
前記チューナ部からのコンポジット信号と前記ビデオカセットレコーダ部のコンポジッ
ト信号と外部入力端子からのコンポジット信号との何れかを選択して前記DVDレコーダ
部の信号処理回路に入力するコンポジット選択手段と、前記コンポジット信号が前記DV
Dレコーダ部の信号処理回路にて処理されて出力されたY/C信号のうちのY信号と前記
コンポジット選択手段からのコンポジット信号との何れかを選択するY/コンポジット選
択手段と、前記DVDレコーダ部の信号処理回路からのC信号と前記コンポジット信号か
ら取り出した3.58MHz搬送色信号との何れかを選択するC/3.58選択手段とを
備え、前記システムコントローラは、前記コンポジット選択手段と前記Y/コンポジット
選択手段と前記C/3.58選択手段と装置全体をコントロールバスを介して制御するこ
とを特徴とする請求項2に記載の一体型テレビ装置。
【請求項4】
Y/C信号からコンポジット信号への切り換え、およびコンポジット信号からY/C信
号への切り換えは、リアルタイムまたはタイムラグを持たせて切り換えを行うことを特徴
とする請求項2に記載の一体型テレビ装置。
【請求項5】
磁気記録再生部はビデオカセットレコーダ部であり、光ディスク記録再生部はDVDレ
コーダ部であることを特徴とする請求項2に記載の一体型テレビ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−13933(P2006−13933A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188648(P2004−188648)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】