説明

丁合機

【課題】被丁合物またはその丁合物の寸法が変化しても簡単に対応することができて不良の発生を抑えることができる丁合機を提供する。
【解決手段】横方向に延びる搬送通路と、搬送通路に沿って被丁合物を搬送する搬送手段と、搬送通路に沿って一方の側に横方向に一列に並んで被丁合物を載置する給紙台を備える複数の給紙コマと、各給紙コマの給紙台に載置された被丁合物を順次搬送通路に供給する給紙手段と、を備える。搬送通路には、重ね合わされた被丁合物が搬送される下段テーブル120と、各給紙コマに対応して、各給紙コマから取り出された被丁合物を一旦受ける上段テーブル130と、が設けられ、下段テーブル120が上段テーブル130及び給紙台に対して上下方向に調整可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折丁等の被丁合物の丁合を行う丁合機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の丁合機としては、例えば、特許文献1に示すものが知られている。この丁合機では、ほぼ水平方向に延びる搬送通路に沿って折丁等の被丁合物を搬送する搬送手段と、その搬送通路に沿って一方の側に横方向に一列に並んだ複数の給紙コマと、各給紙コマに載置された被丁合物を最端部(一般には最下位)のものから順次搬送通路に供給する給紙手段を備えている。
【0003】
そして、各給紙コマから給紙手段によって供給された被丁合物は、搬送手段によって搬送通路を搬送されながら、その上に順次、被丁合物が重ね合わされて、丁合が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3324885号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、被丁合物または完成した丁合物の寸法または厚みは、作業毎に変化する可能性があるにもかかわらず、従来の丁合機においては、搬送通路が固定的であるために、搬送において不良が発生するおそれがあるという課題がある。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、被丁合物またはその丁合物の寸法が変化しても簡単に対応することができて不良の発生を抑えることができる丁合機を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、横方向に延びる搬送通路と、搬送通路に沿って被丁合物を搬送する搬送手段と、搬送通路に沿って一方の側に横方向に一列に並んで被丁合物を載置する給紙台を備える複数の給紙コマと、各給紙コマの給紙台に載置された被丁合物を搬送通路へと取り出す給紙手段と、を備えた丁合機において、
前記搬送通路には、重ね合わされた被丁合物が搬送される下段通路と、各給紙コマに対応して、各給紙コマから取り出された被丁合物を一旦受ける上段テーブルと、が設けられ、
下段通路が上段テーブル及び給紙台に対して上下方向に調整可能に構成されることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記下段通路を上下方向に移動させる駆動手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記下段通路は、1つ以上の給紙コマに割り当てられたテーブルから構成されることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記下段通路を下方向に調整する際には、搬送方向下流側のテーブルから順に下方に移動し、前記下段通路を上方向に調整する際には、搬送方向上流側のテーブルから順に上方に移動することを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発明において、前記給紙手段は、給紙台に載置された被丁合物を把持するべく給紙台に対して接離するように移動する把持機を備え、把持機の移動面上には、検査用撮像装置が固定されており、把持機には検査用撮像装置との干渉を防ぐ凹部が形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発明において、丁合機の外部には、本体ケースと、本体ケースに対して開閉可能となったカバーと、各給紙コマに割り当てられた設定手段が設けられた上部筐体と、が設けられており、カバーは、透明板が嵌めこまれたフレームと、フレームの両側から延びる一対の揺動アームとを有し、揺動アームは、上部筐体を常時露出した状態で揺動運動を行うことで、カバーが開閉動作を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、下段通路が、上段テーブル及び給紙台に対して上下方向に調整可能となっているために、被丁合物の厚みに応じて下段通路を調整することで下段通路と上段テーブルとの間が適切な間隔になるように簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による丁合機の全体斜視図であり、(a)はカバーが閉じた状態、(b)はカバーが開いた状態を示す。
【図2A】本発明による丁合機の一部分を示す概略斜視図である。
【図2B】本発明による丁合機の概略模式図である。
【図3A】本発明による丁合機の給紙コマ及び給紙手段を主として示す横断面図である。
【図3B】図3Aに示す状態から給紙手段が給紙を行う動作を示す横断面図である。
【図4】本発明による丁合機の調整手段を表す前方方向から見た斜視図である。
【図5】本発明による丁合機の調整手段を表す後方方向から見た斜視図である。
【図6A】本発明による丁合機の調整手段を主として示す横断面図である。
【図6B】図6Aに示す状態から上下方向の調整を行った状態を示す横断面図である。
【図6C】図6Aに示す状態から前後方向の調整を行った状態を示す横断面図である。
【図7】本発明による丁合機のたたき駆動手段を主として示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1及び図2に示したように、丁合機10は、概略、横方向に延びる搬送通路12と、該搬送通路12に沿って折丁等の被丁合物を搬送する搬送手段14と、搬送通路14に沿って一方の側に横方向に一列に並んだ複数(図1では8コマとしているが、その数は任意である)の給紙コマ16と、各給紙コマ16の給紙台に載置された被丁合物を順次搬送通路に供給する給紙手段18と、各給紙コマ16に対応して設けられ各給紙コマ16に対する動作の設定等を行う設定手段20と、モニター22と、図示しないコントローラとを備えている。
【0017】
尚、全体の説明において基本的に、前後方向は、搬送通路12が延びる横方向に対して直交する方向を指すものとし、搬送通路12に対して給紙コマ16側を後側、反給紙コマ16側を前側とする。
【0018】
丁合機10の外部は、主として、前面部242と側面部244と後面部を備える本体ケース24と、本体ケース24に対して開閉可能となって前面部242の上方を覆うカバー26と、上部に設けられて前記設定手段20及び前記モニター22が備えられた上部筐体28と、からなる。カバー26及び上部筐体28は、複数の給紙コマ16毎に設けられる。各カバー26は、ガラスまたは合成樹脂からなる透明板262が嵌めこまれたフレーム264と、フレーム264の両側から延びる一対の揺動アーム266とを有しており、揺動アーム266は上部筐体28の横方向両側(即ち、左右)において揺動運動を行うように、取り付けられる。そのため、カバー26は、上部筐体28を常時露出した状態で開閉動作を行うようになっている。よって、上部筐体28には前記設定手段20が備えられているため、カバー26を開けていても(図1(a))または閉めていても(図1(b))、設定手段20への操作が可能となっている。また、カバー26のフレーム264は開閉時にモニター22に干渉しないようになっている。
【0019】
図2Bに概略示すように、本体ケース24内には、固定のメインフレーム200と、メインフレーム200に対して前後動可能となったサブフレーム400(後述)とが、設けられる。
【0020】
各給紙コマ16は、メインフレーム200に対して支持される給紙台162を備えており、給紙台162には、通常、同種類の被丁合物が積み重ねられて載置される。
【0021】
図3に示すように、各給紙コマ16に割り当てられる給紙手段18は、被丁合物を挟持可能となった挟持機182と、給紙台162の残りの被丁合物を保持する爪184と、給紙台162から1つの被丁合物を吸着する吸着手段186を備える。挟持機182は、図示しない主駆動源からの動力により、回動軸182aの周りを、給紙台162に接離するように前後に往復回動動作を行う万力型挟持機となっている。万力型挟持機とする代わりに、ロータリ型挟持機とすることも可能である。また、爪184も主駆動源により回動軸184aの周りを、給紙台162に接離するように、往復回動動作を行うようになっている。吸着手段186は、給紙台162の下方にあって、爪184の往復回動動作と反対の往復回動動作を行うようになっている。吸着手段186を被丁合物に接近する位置に移動させることにより、吸着手段186が給紙台162の最も下にある被丁合物を吸着し、被丁合物を吸着した状態で給紙台162から遠ざかるようにして被丁合物と共に所定量回動し、次いで挟持機182に被丁合物を挟持させて吸着手段186による吸着力を解除する。挟持機182は、被丁合物を挟持しつつ回動して、搬送通路12へと被丁合物を取り出すようになっている。
【0022】
また、各給紙コマ16に対応して、検査用撮像装置170が設けられる。検査用撮像装置170は、固定軸172に対してブラケット174によって取り付けられる。検査用撮像装置170は、給紙コマ16の給紙台162の横方向中央に対応するように位置付けられている。挟持機182も、被丁合物が傾斜することなく把持するために、給紙台162の横方向中央に対応するように位置付けられている。このため、検査用撮像装置170と挟持機182との干渉を防ぐべく、挟持機182には凹部182bが形成される。これによって図3Bに示すように、挟持機182が給紙コマ16に最も接近したときに、検査用撮像装置170が凹部182bの一部に入り込んで、挟持機182と検査用撮像装置170との干渉を防ぐことができる。これによって、検査用撮像装置170は、挟持機182によって取り出される途中にあって、挟持された部分と同一線上となる被丁合部の中央部分の撮影をすることができるために、安定した検査画像を得ることができ、検査画像を正しい丁合がなされているかどうかの検査に供することができる。尚、図示しない撮影用照明に関しては、横方向中央からずれた位置で斜めに、撮影地点を照射するようにすればよい。
【0023】
搬送通路12には、下段通路としての下段テーブル120と、上段テーブル130と、が設けられる。
【0024】
下段テーブル120は、全給紙コマ16共通に1つの下段テーブル120を設けるか、または、複数の給紙コマ16で共通に1つの下段テーブル120として(図2B参照)、または1つの給紙コマ16毎に1つの下段テーブル120として全体で複数の下段テーブル120を設けることができる。複数の下段テーブルを設ける場合、図2Bに図示したように、搬送通路12に沿って上流側の下段テーブル120は、下流側の下段テーブル120に対して若干高い位置にあるようになっていると好ましく、これによって、下段テーブル120上を移動する被丁合物が上流から下流へと円滑に流れるようになっている。
【0025】
さらに下段テーブル120は、給紙コマ16側に配置された後側下段テーブル122と、給紙コマ16から離れた側に配置された前側下段テーブル124との前後に分離した2つのテーブルを有している。後側下段テーブル122は、給紙コマ16から離れるにつれて下降する斜面を有している。前側下段テーブル124は、さらに第1前側下段テーブル124aと、第1前側下段テーブル124aの上側に配置される第2前側下段テーブル124bとの分離した2つのテーブルから構成される。第2前側下段テーブル124bの前側端には、上方に90度屈曲されて垂直方向に延びる位置決め部としての下段位置決め板126が一体的に設けられる。
【0026】
後述のように、後側下段テーブル122と第1前側下段テーブル124aは、メインフレーム200に対して上下動可能に支持される。また、第2前側下段テーブル124bは、サブフレーム400に対して上下動可能に支持される。
【0027】
後側下段テーブル122の前端と、第1前側下段テーブル124aの後端には、それぞれ下方に90度屈曲された鍔122a、124cが形成される。
【0028】
上段テーブル130は、1つの給紙コマ16毎に割り当てられる。そして下段テーブル120と同様に、各上段テーブル130は、給紙コマ16側に配置された後側上段テーブル132と、給紙コマ16から離れた側に配置された前側上段テーブル134との前後に分離した2つのテーブルを有している。後側上段テーブル132は、給紙コマ16から離れるにつれて下降する斜面となっている。前側上段テーブル134は、さらに第1前側上段テーブル134aと、第1前側上段テーブル134aの下側に配置される第2前側上段テーブル134bとの分離した2つのテーブルから構成される。第2前側上段テーブル134bの前側には、上方に90度屈曲されて垂直方向に延びる位置決め部としての上段位置決め板136が設けられる。
【0029】
後側上段テーブル132は、メインフレーム200に固定された給紙コマ16に取り付けられ、図6Aに示すように、第1前側上段テーブル134aは、被丁合物と干渉しない横方向位置で取付アーム138aによってメインフレーム200に対して取り付けられ、第2前側上段テーブル134bは、取付アーム138bによって、サブフレーム400に取り付けられる。
【0030】
上段位置決め板136は、下段位置決め板126と上下方向に整列するようにして、サブフレーム400に取り付けられる。
【0031】
後側下段テーブル122と前側下段テーブル124との間及び後側上段テーブル132と前側上段テーブル134との間には、搬送手段14の搬送爪142が通過可能となっており、前記鍔122a、124cによって前後方向に倒れないように支持されている。搬送爪142は、各テーブル120、130上の被丁合物を横方向に上流から下流へと搬送通路12に沿って押し出すためのものである。搬送爪142は、コンベア装置144によって搬送通路12に沿って移動する。
【0032】
以上のように構成される丁合機10の丁合動作は次のようにして行われる。前述のように給紙手段18によって各給紙コマ16から取り出された被丁合物が上段テーブル130に移動されると、上段テーブル130においては、上段位置決め板136によって被丁合物の前端が規定されて、被丁合物が位置決めされる。そして、被丁合物は搬送手段14の搬送爪142によって押し出されて、上段テーブル130から下段テーブル120へと移動するようになっている。下段テーブル120では、上流側で既に、重ね合わされた被丁合物が搬送爪142によって押し出されており、これらは、下段位置決め板126によって被丁合物の前端が規定されて位置決めされているので、各上段テーブル130から被丁合物が上流で重ね合わされた被丁合物に互いの前端を基準としてさらに重ね合わされるようになっている。
【0033】
さらに、本発明の丁合機10には、下段テーブル120を上下方向に調整可能に移動する第1調整手段30及び第2調整手段32が設けられる。
【0034】
図4〜6に示すように、第1調整手段30は、後側下段テーブル122の下方から延びる上下動ガイド302と、第1前側下段テーブル124aの下方から延びて上下動ガイド302に連結される連結アーム304を有しており、上下動ガイド302は、メインフレーム200に対して上下方向に移動可能に連結される。
【0035】
上下動ガイド302にはラック310が設けられており、ラック310はピニオンギヤ314に噛み合っている。ピニオンギヤ314はシャフト315によって駆動され、シャフト315はギヤ316、318を介してメインフレーム200に固定された駆動手段としての第1モータ312の出力軸に連結される。シャフト315は、メインフレーム200に軸支されている。また、上下動ガイド302の上下位置を規制するストッパ306がメインフレーム200に設けられる。
【0036】
また、第2調整手段32は、下段位置決め板126に連結された上下動ガイド322を有しており、上下動ガイド322は、サブフレーム400に対して上下方向に移動可能に連結される。
【0037】
上下動ガイド322にはラック330が設けられており、ラック330は、ピニオンギヤ334に噛み合っている。ピニオンギヤ334はシャフト335によって駆動され、シャフト335はギヤ336、338を介してサブフレーム400に固定された駆動手段としての第2モータ332の出力軸に連結される。シャフト335は、サブフレーム400に軸支されている。また、上下動ガイド322の上下位置を規制するストッパ324、326がサブフレーム400に設けられる。
【0038】
さらに、本発明の丁合機10には、第2前側下段テーブル124b、下段位置決め板126、第2前側上段テーブル134b及び上段位置決め板136を前後方向に調整可能に移動する第3調整手段40が設けられる。
【0039】
第3調整手段40は、前述のサブフレーム400を含み、サブフレーム400にはラック410が設けられており、ラック410は、ピニオンギヤ414に噛み合っている。ピニオンギヤ414はシャフト415によって駆動され、シャフト415はギヤ416、418を介してメインフレーム200に固定された駆動手段としての第3モータ412の出力軸に連結される。シャフト415は、メインフレーム200に軸支されている。また、サブフレーム400の前後位置を規制するストッパ402、404がメインフレーム200に設けられる。
【0040】
さらに、メインフレーム200及びサブフレーム400には、たたき駆動手段42が取付けられる。たたき駆動手段42は、図7に示すように、主駆動源からの動力により、回動する原動カム422と、原動カム422に追随するカムフォロアロッド424と、カムフォロアロッド424を原動カム422に向かって付勢するスプリング425と、カムフォロアロッド424の先端が一端に軸着されると共にメインフレーム200に対して軸支されるレバー426と、レバー426の他端に軸着された連結ロッド428と、連結ロッド428に一端が軸着される第2レバー430と、第2レバー430の他端を相対回転不能に貫通するシャフト432とを備える。シャフト432は、サブフレーム400に軸支されると共に横方向に延びており、シャフト432の適宜個所には各給紙コマ16に対応して一対のたたき取付部434が取り付けられている。カムフォロアロッド424が前後動することで、レバー426が揺動し、連結ロッド428が上下動し、第2レバー430が揺動し、シャフト432及びたたき取付部434を介して、たたき436が揺動して、給紙手段18によって給紙コマ16から取り出された被丁合物を上段テーブル130で安定させるようになっている。
【0041】
以上のように構成される丁合機10においては、丁合する被丁合物の寸法に合わせて、テーブルの上下方向の調整が可能となっている。
【0042】
即ち、被丁合物または完成された丁合物の厚みが厚いときには、下段テーブル120と上段テーブル130との間の上下寸法は大きくする必要がある反面で、被丁合物または完成された丁合物の厚みが薄いときには、下段テーブル120と上段テーブル130との間の上下寸法は小さい方が上段テーブル130から下段テーブル120へと落下する距離が小さくなり落下不良のリスクを排除して、不良品を低減させることができる。しかしながら、上段テーブル130と給紙コマ16との上下関係を変化させると、給紙コマ16から被丁合物を引き出すときの状態が変化してしまうため、好ましくない。
【0043】
このため本発明においては、図6Bに示すように第1モータ312を駆動して上下動ガイド302をメインフレーム200に対して上下動させることで、後側下段テーブル122及び第1前側下段テーブル124aを上段テーブル130及び給紙コマ16に対して上下動させる。また、第2モータ332を駆動して上下動ガイド322をメインフレーム200及びサブフレーム400に対して上下動させることで、第2前側下段テーブル124bを上段テーブル130及び給紙コマ16に対して上下動させる。
【0044】
こうして、下段テーブル120を上下方向に調整することができる。このとき、下段テーブル120を下方向に調整する場合には、第1モータ312を駆動して後側下段テーブル122及び第1前側下段テーブル124aを下方に移動させてから、第2モータ332を駆動して第2前側下段テーブル124bを下方に移動させるとよく、これによって、第1前側下段テーブル124aと第2前側下段テーブル124bとが衝突するといった不測の事態を防ぐことができる。反対に、下段テーブル120を上方向に調整する場合には、第2モータ332を駆動して第2前側下段テーブル124bを上方に移動させてから、第1モータ312を駆動して後側下段テーブル122及び第1前側下段テーブル124aを上方に移動させるとよい。
【0045】
また、複数の下段テーブル120が設けられる場合、下段テーブル120を下方向に調整する場合には、下流側の下段テーブル120から順に下方に移動していくとよく、下段テーブル120を上方向に調整する場合には、上流側の下段テーブル120から順に上方に移動していくとよく、これによって、隣接する下段テーブル120同士が衝突するといった不測の事態を防ぐことができる。
【0046】
このようにして、給紙コマ16と上段テーブル130との位置関係を変化させずに、上下方向の調整を行うことができる。
【0047】
また、以上のように構成される丁合機10においては、丁合する被丁合物の寸法に合わせて、前後方向のテーブルの調整も可能となっている。
【0048】
即ち、被丁合物の前後幅が変化した場合、搬送爪142が被丁合物を押し出す位置と被丁合物の前後方向中央部との距離が変化するおそれがある。押し出す位置が前後方向中央部から大きく離れると、被丁合物に回転モーメントが作用するので、被丁合物が傾くおそれがあり、丁合不良の要因となる。
【0049】
このため本発明においては、図6Cに示すように第3モータ412を駆動してサブフレーム400をメインフレーム200及び搬送爪142に対して前後動させることで、第2前側下段テーブル124b、第2前側上段テーブル134b及び位置決め板126、136を前後動させることができる。
【0050】
位置決め板126、136が前後動することで、被丁合物の前端の基準位置が変化するので、搬送爪142の被丁合物を押し出す位置と被丁合物の前後方向中央部との距離を小さくするように調整することができて、被丁合物を傾くことなく、正しく搬送することができる。
【0051】
尚、このとき、後側下段テーブル122、第1前側下段テーブル124a、後側上段テーブル132及び第1前側上段テーブル134aは前後動しないために、鍔122a、124cが搬送爪142の前後方向を保持すると共に、搬送爪142と各テーブルとの前後方向の隙間が変化することを防ぐことができる。
【0052】
このサブフレーム400が前後動したときに、サブフレーム400に軸支されるたたき駆動手段42のシャフト432及びそれに取り付いたたたき取付部434もサブフレーム400と共に前後動するが(図7の仮想線)、連結ロッド428の角度が変化することで、対応することができる。
【0053】
尚、以上の実施形態では、第1調整手段30、第2調整手段32及び第3調整手段40を備えていたが、必ずしもこれらを全部備える必要はなく、例えば、前後方向の調整が不要である場合には、第3調整手段40を省略すると共に、前側下段テーブル124及び前側上段テーブル134は、それぞれ1つのテーブルで構成することができ、第2調整手段32も省略することが可能である。または、上下方向の調整が不要である場合には、第1調整手段30と第2調整手段32とを省略することができる。また、電動式の駆動手段を用いて調整手段を駆動するようにしていたが、機械式の駆動手段または手動で調整手段を駆動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 丁合機
12 搬送通路
14 搬送手段
16 給紙コマ
162 給紙台
18 給紙手段
20 設定手段
24 本体ケース
26 カバー
28 上部筐体
120 下段テーブル(下段通路)
130 上段テーブル
170 検査用撮像装置
182 把持機
182b 凹部
262 透明板
264 フレーム
266 揺動アーム
312 第1モータ(駆動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に延びる搬送通路と、搬送通路に沿って被丁合物を搬送する搬送手段と、搬送通路に沿って一方の側に横方向に一列に並んで被丁合物を載置する給紙台を備える複数の給紙コマと、各給紙コマの給紙台に載置された被丁合物を搬送通路へと取り出す給紙手段と、を備えた丁合機において、
前記搬送通路には、重ね合わされた被丁合物が搬送される下段通路と、各給紙コマに対応して、各給紙コマから取り出された被丁合物を一旦受ける上段テーブルと、が設けられ、
下段通路が上段テーブル及び給紙台に対して上下方向に調整可能に構成されることを特徴とする丁合機。
【請求項2】
前記下段通路を上下方向に移動させる駆動手段を備えることを特徴とする請求項1記載の丁合機。
【請求項3】
前記下段通路は、1つ以上の給紙コマに割り当てられたテーブルから構成されることを特徴とする請求項1または2記載の丁合機。
【請求項4】
前記下段通路を下方向に調整する際には、搬送方向下流側のテーブルから順に下方に移動し、前記下段通路を上方向に調整する際には、搬送方向上流側のテーブルから順に上方に移動することを特徴とする請求項3記載の丁合機。
【請求項5】
前記給紙手段は、給紙台に載置された被丁合物を把持するべく給紙台に対して接離するように移動する把持機を備え、把持機の移動面上には、検査用撮像装置が固定されており、把持機には検査用撮像装置との干渉を防ぐ凹部が形成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の丁合機。
【請求項6】
丁合機の外部には、本体ケースと、本体ケースに対して開閉可能となったカバーと、各給紙コマに割り当てられた設定手段が設けられた上部筐体と、が設けられており、カバーは、透明板が嵌めこまれたフレームと、フレームの両側から延びる一対の揺動アームとを有し、揺動アームは、上部筐体を常時露出した状態で揺動運動を行うことで、カバーが開閉動作を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の丁合機。

【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−254619(P2012−254619A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271175(P2011−271175)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【分割の表示】特願2011−129576(P2011−129576)の分割
【原出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【特許番号】特許第5061340号(P5061340)
【特許公報発行日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【出願人】(593048043)芳野マシナリー株式会社 (17)
【Fターム(参考)】