三相スラリー反応器を動作させる方法
【課題】三相スラリー反応器を動作させる方法を提供する。
【解決手段】低いレベルで、少なくとも1つの気体反応物を、垂直に延在する、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリー体中に供給する工程であって、スラリー体が、共通反応器シェル12の内側の、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路16内に収容され、スラリー流路16が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレート14の間に画定され、各スラリー流路16は、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有する工程を含む、三相スラリー反応器10を動作させる方法。気体反応物は、スラリー流路16内に存在するスラリー体を通って上方に進むとき、反応させられ、それにより、非気体および/または気体生成物を形成する。気体生成物および/または未反応の気体反応物は、スラリー体の上のヘッド空間内で、スラリー体から離脱される。
【解決手段】低いレベルで、少なくとも1つの気体反応物を、垂直に延在する、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリー体中に供給する工程であって、スラリー体が、共通反応器シェル12の内側の、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路16内に収容され、スラリー流路16が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレート14の間に画定され、各スラリー流路16は、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有する工程を含む、三相スラリー反応器10を動作させる方法。気体反応物は、スラリー流路16内に存在するスラリー体を通って上方に進むとき、反応させられ、それにより、非気体および/または気体生成物を形成する。気体生成物および/または未反応の気体反応物は、スラリー体の上のヘッド空間内で、スラリー体から離脱される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三相スラリー反応器を動作させる方法、および三相スラリー反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
規模の経済性の利益を得るために、技術がパイロットプラント規模から商業プラント規模にスケールアップされるとき、かなりのリスクに直面する。三相スラリー反応器は、典型的には、規模依存マクロ混合効果を示し、したがって、三相スラリー反応器がスケールアップされるとき、上述のリスクがあてはまる。したがって、三相スラリー反応器のアップスケールと関連するリスクを著しく低減することができる方法を見出すことができる場合、有利であろう。さらに、反応器の内側の混合パターンを、実験から、より容易にモデル化または予測することができる反応器設計が、通常望ましくない逆混合の程度を制限することができ、それにより、おそらく、望ましい栓流特徴(通常、良好な生産性および良好な選択性)および十分な混合特徴(しばしば、望ましい固形分分布およびさらには温度プロファイルに必要とされる)の最適な組合せを可能にするという利益がある。
【0003】
一つの提案されている解決策は、より小さい特徴的な直径を有する反応器の挙動を実際には模倣する反応器内のゾーンを作ることである。このように、大規模反応器の挙動をある程度予測することができ、というのは、それは、実際には、いくつかの、実際にはパイロットプラント規模のより小さい反応器からなるからである。しかし、依然として、より小さい特徴的な直径を有する反応器内で確立されるマクロ混合パターンの範囲内で作業することに大いに依存する。したがって、設計者に、三相スラリー反応器内で確立される混合パターンを少なくともある程度制御する付加的な自由度を与える方法を見出すことができる場合、有利であろう。
【0004】
三相スラリー反応器は、一般に、それらの優れた熱除去特徴によって、高発熱反応のために使用される。しかし、さらに活性の触媒の導入、および反応器容積のより集中的な使用では、三相スラリー反応器の熱除去能力でさえ、テスト中である。
【発明の概要】
【0005】
したがって、上述したことに鑑み、設計者に、反応器内の混合パターンに対していくらかの制御を用いる付加的な自由度を与え、同時に、反応器の熱除去能力を増加させることによって、三相スラリー反応器のアップスケールと関連するリスクを著しく低減することができる方法を見出すことができる場合、有利であろう。
【0006】
本発明の一態様によれば、三相スラリー反応器を動作させる方法であって、
低いレベルで、少なくとも1つの気体反応物を、垂直に延在する、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリー体(slurry body)中に供給する工程であって、スラリー体が、共通反応器シェルの内側の、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路内に収容され、スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、各スラリー流路は、高さおよび横幅(breadth)が、幅(width)よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有する工程と、
気体反応物を、スラリー流路内に存在するスラリー体を通って上方に進むときに反応させ、それにより、非気体および/または気体生成物を形成する工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、スラリー体の上のヘッド空間内で、スラリー体から離脱させる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、ヘッド空間から取出す工程と、
必要に応じて、存在する場合には非気体生成物を含むスラリーまたは懸濁液を取出すことによって、または、スラリーまたは懸濁液を加えることによって、スラリー体を所望のレベルに維持する工程とを含む方法を提供する。
【0007】
本方法は、反応器シェルの内側の1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管を使用して、スラリーを、スラリー体中の高いレベルから、そのより低いレベルに下方に進ませる工程を含むことができる。
【0008】
スラリー流路の少なくともいくつかが、スラリー流路の上端の上でスラリー流連通することができる。
【0009】
スラリー流路の少なくともいくつかの仕切り壁またはプレートは、スラリー流路を隣接した熱伝達媒体流空間から分離することができる。本方法は、熱伝達媒体を、熱伝達媒体流空間を通過させて、スラリー流路内に存在するスラリー体と間接的な関係で熱を交換する工程を含むことができる。
【0010】
仕切り壁またはプレートの熱伝達表面などの、反応器の熱伝達表面を、任意に、滑らかな仕切り壁またはプレートの表面積と比較して、それらの熱伝達表面積を増加させるために、または、熱伝達係数を向上させるために、成形またはテクスチャー加工することができる。成形またはテクスチャー加工は、当業者に知られている他の方法の中で、ディンプル付、リブ付、またはフィン付壁またはプレートの使用を含むことができる。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、三相スラリー反応器を動作させる方法であって、
低いレベルで、少なくとも1つの気体反応物を、垂直に延在する、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリー体中に供給する工程であって、スラリー体が、共通反応器シェルの内側の、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路内に収容され、スラリー流路の少なくともいくつかが、スラリー流路の開いた上端の上でスラリー流連通し、スラリー流路の少なくともいくつかが、スラリー流路を1つまたは複数の熱伝達媒体流空間から分離する壁によって画定される工程と、
気体反応物を、スラリー流路内に存在するスラリー体を通って上方に進むときに反応させ、それにより、非気体および/または気体生成物を形成する工程と、
熱伝達媒体を、1つまたは複数の熱伝達媒体流空間を通過させて、スラリー流路内に存在するスラリー体と間接的な関係で熱を交換する工程と、
反応器シェルの内側の1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管を使用して、スラリーを、スラリー体中の高いレベルから、そのより低いレベルに下方に進ませる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、スラリー体の上のヘッド空間内で、スラリー体から離脱させる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、ヘッド空間から取出す工程と、
必要に応じて、存在する場合には非気体生成物を含むスラリーまたは懸濁液を取出すことによって、または、スラリーまたは懸濁液を加えることによって、スラリー体を所望のレベルに維持する工程を含む方法を提供する。
【0012】
スラリー流路は、好ましくは、それらの開いた上端と開いた下端との間で、互いに隔離され、好ましくは、熱伝達媒体流空間によって、互いに分離される。換言すれば、本方法は、好ましくは、スラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止する工程を含み、スラリー流路は、別個であり、完全に個別化された反応チャンバを画定する。
【0013】
本発明の第2の態様による方法で使用されるスラリー流路は、チューブシート間の垂直に延在するチューブによって画定することができ、熱伝達媒体流空間は、チューブシート間に画定され、チューブを囲む。チューブは、典型的には、少なくとも約10cmの直径を有する。
【0014】
代わりに、スラリー流路は、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定することができ、熱伝達媒体流空間が、また、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、スラリー流路の少なくともいくつかが、隣接した熱伝達媒体流空間から、共通のまたは共有の仕切り壁またはプレートによって分離される。
【0015】
仕切り壁またはプレートは、互いに平行であることができ、高さおよび横幅が、典型的には、幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有するスラリー流路および熱伝達媒体流空間を画定する。換言すれば、各仕切り壁は、充分な(substantial)高さおよび横幅と、比較的小さい厚さとを有し、隣接した仕切り壁から比較的密接に隔置され、それにより、1つの寸法が他の2つの寸法よりはるかに小さい、垂直に延在する平行六面体流路または空間を画定する。
【0016】
仕切り壁またはプレートまたはチューブの熱伝達表面などの、反応器の熱伝達表面を、任意に、滑らかな仕切り壁または滑らかな円筒形チューブの表面積と比較して、それらの熱伝達表面積を増加させるために、または、熱伝達係数を向上させるために、成形またはテクスチャー加工することができる。成形またはテクスチャー加工は、当業者に知られている他の方法の中で、ディンプル付、リブ付、またはフィン付壁またはプレートまたはチューブの使用を含むことができる。
【0017】
スラリー流路が仕切り壁によって画定される場合、スラリーおよび熱伝達媒体は、交互に配列されたスラリー流路および熱伝達媒体流空間内に存在することができる。したがって、おそらくは半径方向に外側のスラリー流路以外、各スラリー流路の両側に2つの熱伝達媒体流空間を配置するか、各スラリー流路を2つの熱伝達媒体流空間の間に挟むことができる。
【0018】
下降管ゾーンまたは下降管内のスラリーの下方流は、スラリー流路内にスラリーの下方流が実質的にないほど十分に高くてもよい。
【0019】
本方法が、少なくとも原理的には、より広い用途を有することができると考えられるが、固体粒子が、通常、1つまたは複数の気体反応物の、液体生成物および/または気体生成物への反応を触媒するための触媒粒子であると予想される。懸濁液は、通常、液体生成物であるが、必ずしも液体生成物であるとは限らず、したがって、液相またはスラリーが、スラリー体から取出されて、スラリー体を所望のレベルに維持する。
【0020】
さらに、原理的には、本方法がより広い用途を有することができるとも考えられるが、それが炭化水素合成における特定の用途を有し、気体反応物が、スラリー体中で触媒作用によって発熱を伴って反応して、液体炭化水素生成物、および任意に気体炭化水素生成物を形成することができると予想される。特に、反応または炭化水素合成は、フィッシャー−トロプシュ合成であることができ、気体反応物は、主として一酸化炭素と水素とを含む合成ガス流の形態であり、液体炭化水素生成物および気体炭化水素生成物の両方が生成され、熱伝達媒体は、冷却媒体、たとえば、ボイラ供給水である。
【0021】
炭化水素合成の場合、スラリー流路は、典型的には、少なくとも0.5m、好ましくは少なくとも1m、より好ましくは少なくとも2mの高さを有するが、4mまたはより高いことさえできる。スラリー流路は、典型的には、少なくとも2cm、好ましくは少なくとも3.8cm、より好ましくは少なくとも5cmの幅を有する。スラリー流路の幅は、典型的には50cmを超えず、より好ましくは、幅は25cmを超えず、より好ましくは、幅は15cmを超えない。スラリー流路は、典型的には、約0.2mから1mの範囲内の横幅を有する。反応器シェルは、典型的には、少なくとも1m、好ましくは少なくとも2.5m、より好ましくは少なくとも5mの直径を有するが、本発明の目的が、反応器直径の、反応器挙動に及ぼす影響をなくすことであることに留意するべきである。
【0022】
理解されるように、各スラリー流路は、仕切り壁間に画定されようと、チューブによって画定されようと、反応器シェルから独立して機能し、大部分は他のスラリー流路から独立して機能するように構成することができる。パイロット規模の1つのスラリー流路またはスラリー流路の小さいサブグループの設計およびテストが実行可能であり、そこで、規模依存マクロ混合効果が適切に管理されるならば、複数のスラリー流路を含む商業規模反応器へのスケールアップが、非常に容易になり、よりリスクが小さい。
【0023】
さらに、下降管または下降管ゾーンが、スラリー流路内にスラリーの下方流が実質的にないように十分な下方スラリー流で使用される場合、反応器にわたる、画定された下降流ゾーンおよび上昇流ゾーンによって決められるもの以外のマクロ混合パターンの確立は、実際には不可能である。
【0024】
本方法は、ヘッド空間からのガスを冷却して、液体生成物、たとえば液体炭化水素および反応水を凝縮する工程と、液体生成物をガスから分離して、テールガスを提供する工程と、テールガスの少なくともいくらかを、リサイクルガス流としてスラリー体にリサイクルする工程とを含むことができる。
【0025】
垂直に延在する水平に配置された反応器ゾーンを、反応器シェルの内側に画定することができ、各水平に配置された反応器ゾーンは、複数のスラリー流路と、任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とを含む。本方法は、隣接した垂直に延在する水平に配置された反応器ゾーンの間で、および、水平に配置された反応器ゾーン内のスラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止する工程を含むことができる。これは、水平に配置された反応器ゾーンに、垂直に延在する側壁を設けることによって、または、水平に配置された反応器ゾーンの1つの中の端部仕切り壁が、実際には、隣接した水平に配置された反応器ゾーンの側壁を形成するように、仕切り壁を、隣接した水平に配置された反応器ゾーン内に直角の角度で配置することによって、達成することができる。
【0026】
本方法は、各々が、複数のスラリー流路と、任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とを含む、垂直に隔置された反応器ゾーン内に、スラリー体を収容する工程を含むことができる。中間スラリーゾーンを、垂直に隔置された反応器ゾーンの間に画定することができる。
【0027】
本方法は、少なくとも1つの気体流を、2つの垂直に隔置された反応器ゾーンの間の中間ゾーン内に供給する工程を含むことができる。気体流はリサイクルガス流であることができる。必要に応じて、気体流は、反応器の断面積の一部が気体流を供給されないように供給することができる。
【0028】
下降管ゾーンまたは下降管の1つ以上が、スラリー流路、または上部の垂直に隔置された反応器ゾーン内のスラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、スラリー流路、または底部の垂直に隔置された反応器ゾーン内のスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで延在することができる。
【0029】
代わりに、下降管ゾーンまたは下降管の1つ以上が、垂直に隔置された反応器ゾーンのスラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、垂直に隔置された反応器ゾーンのスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで、しばしば、垂直に隔置された反応器ゾーンの下の中間ゾーン内に延在することができる。より低いまたはより高い垂直に隔置された反応器ゾーンが、同様の下降管ゾーンまたは下降管を含むことができ、これは、上のまたは下の垂直に隔置された反応器ゾーン内の下降管ゾーンまたは下降管から、平面図において互い違いであることができるか、これは、上のまたは下の垂直に隔置された反応器ゾーン内の下降管ゾーンまたは下降管と位置合せされることができる。
【0030】
必要に応じて、下降管ゾーンが、1つまたは複数の熱伝達媒体流空間、および/または固体粒子を懸濁液から分離するためのフィルタを含むことができる。
【0031】
スラリーを、下降管ゾーンまたは下降管内で下方に進ませる工程が、たとえば、バッフルを設けることによって、1つまたは複数の気体反応物が下降管ゾーンに入ることを防止または阻止する工程を含むことができ、および/または、それは、たとえば、デガッサを下降管ゾーンまたは下降管の上端に設けることによって、下降管ゾーンまたは下降管内のスラリーを脱ガスする工程を含むことができる。
【0032】
本方法は、中間ゾーンの1つ以上の中の水平に配置された反応器ゾーンの間で、および/または、スラリー流路の開いた下端の下の反応器の底部内で、スラリー流連通を可能にする工程を含むことができる。
【0033】
本方法は、反応器全長にわたって、固体粒子の軸方向の混合を制限する工程を含むことができる。これは、垂直に隔置された反応ゾーン、および1つの反応ゾーンの長さにわたる下降管の選択によって達成することができる。
【0034】
本発明の第3の態様によれば、三相スラリー反応器であって、
使用中、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリーを収容する、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路を収容する反応器シェルであって、スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、各スラリー流路は、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有する、反応器シェルと、
1つまたは複数の気体反応物を反応器に導入するための反応器シェル内のガス入口と、
スラリー流路の上のシェル内のヘッド空間からガスを取出すためのシェル内のガス出口とを含む三相スラリー反応器を提供する。
【0035】
仕切り壁またはプレートの少なくともいくつかが、熱伝達媒体流空間または流路を画定することができる。熱伝達媒体流流路は、また、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、横幅、および幅を有することができる。
【0036】
仕切り壁またはプレートの熱伝達表面などの、反応器の熱伝達表面を、任意に、それらの熱伝達表面積を増加させるために、または、熱伝達係数を向上させるために、成形またはテクスチャー加工することができる。成形またはテクスチャー加工は、当業者に知られている他の方法の中で、ディンプル付、リブ付、またはフィン付壁またはプレートの使用を含むことができる。
【0037】
流路は、上に説明された通りであることができる。
【0038】
したがって、スラリー流路は、反応器シェルの内側のスラリーゾーン内に配置される。スラリーゾーンは、スラリー流路の少なくともいくつかが、それらの開いた上端の上でスラリー流連通することができるように、スラリー流路の開いた上端より上の標準スラリーレベルを有することができる。
【0039】
反応器は、使用中、スラリーが、スラリーゾーン内の高いレベルから、そのより低いレベルに進むことができる1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管を含むことができる。
【0040】
本発明の第4の態様によれば、三相スラリー反応器であって、
使用中、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリーを収容する、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路を収容する反応器シェルであって、スラリー流路が、反応器シェルの内側のスラリーゾーン内に配置され、スラリーゾーンは、スラリー流路の少なくともいくつかが、それらの開いた端部の上でスラリー流連通するように、スラリー流路の開いた上端より上の標準スラリーレベルを有する、反応器シェルと、
1つまたは複数の熱伝達媒体流空間であって、使用中、間接的な熱伝達関係の熱伝達が、スラリー流路内のスラリーと1つまたは複数の熱伝達媒体流空間内の熱伝達媒体との間で生じることができるように、スラリー流路を1つまたは複数の熱伝達媒体流空間から分離するスラリー流路の壁によって画定される、1つまたは複数の熱伝達媒体流空間と、
スラリーが、スラリーゾーン内の高いレベルから、そのより低いレベルに進むことができる1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管と、
1つまたは複数の気体反応物を反応器に導入するための反応器シェル内のガス入口と、
スラリー流路の上のシェル内のヘッド空間からガスを取出すためのシェル内のガス出口と、
必要に応じて、スラリーまたは懸濁液を、反応器に加えるか、反応器から取出すための液体入口とを含む三相スラリー反応器を提供する。
【0041】
スラリー流路の少なくともいくつかが、スラリー流路の開いた下端の下でスラリー流連通することができる。スラリー流路は、スラリー流路の開いた上端および開いた下端を通る以外の、スラリー流路からのまたはスラリー流路内へのスラリー流を防止するように構成された壁を有することができる。換言すれば、壁は、典型的には、スラリー流路間の、半径方向のまたは横方向のスラリー流を防止し、スラリー流路は、完全に個別化された反応チャンバである。
【0042】
本発明の第4の態様による反応器内のスラリー流路は、チューブシート間の垂直に延在するチューブによって画定することができ、熱伝達媒体流空間は、チューブシート間に画定され、チューブを囲む。チューブは、典型的には、少なくとも約10cmの直径を有する。
【0043】
代わりに、スラリー流路は、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定することができ、熱伝達媒体流空間は、また、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、少なくともいくつかのスラリー流路が、共通のまたは共有の仕切り壁またはプレートによって、隣接した熱伝達媒体流空間から分離される。
【0044】
仕切り壁またはプレートは、互いに平行であることができ、上に説明されたように、スラリー流路および熱伝達媒体流空間を画定する。典型的には、仕切り壁またはプレートは、平面図で見ると、円筒形反応器シェルの弦と対応する。
【0045】
スラリー流路が仕切り壁によって画定される場合、スラリー流路および熱伝達媒体流空間を交互に配列することができる。したがって、おそらくは半径方向に外側のスラリー流路以外、各スラリー流路の両側に2つの熱伝達媒体流空間を配置するか、各スラリー流路を2つの熱伝達媒体流空間の間に挟むことができる。
【0046】
仕切り壁またはプレートまたはチューブの熱伝達表面などの、反応器の熱伝達表面を、任意に、滑らかな仕切り壁または滑らかな円筒形チューブのものと比較して、それらの熱伝達表面積を増加させるために、または、熱伝達係数を向上させるために、成形またはテクスチャー加工することができる。成形またはテクスチャー加工は、当業者に知られている他の方法の中で、ディンプル付、リブ付、またはフィン付壁またはプレートまたはチューブの使用を含むことができる。
【0047】
任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とともに、スラリー流路は、反応器モジュールまたは副反応器(sub−reactors)でともにグループ化することができる。副反応器は、反応器シェルの断面積にわたって水平に配置することができる。副反応器が、それを隣接した水平に隔置された副反応器から分離する、垂直に延在する側壁を有することができる。垂直に延在する側壁は、隣接した水平に配置された副反応器の間で、隣接した水平に配置された副反応器のスラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止するように構成することができる。
【0048】
水平に配置されたまたは水平に隔置された隣接した副反応器のスラリー流路は、スラリー流路が仕切り壁またはプレートによって画定される場合、各々、横幅軸を有することができ、隣接した水平に配置された副反応器のスラリー流路の横幅軸は平行である。代わりに、隣接した水平に配置された副反応器の横幅軸は直角であることができる。したがって、そのような実施形態において、副反応器の端部仕切り壁が、副反応器を水平に配置された隣接した副反応器から分離する側壁を形成することができる。
【0049】
反応器は、垂直に隔置された反応器モジュールまたは副反応器を含むことができ、1つまたは複数の下部副反応器のスラリー流路の開いた上端は、1つまたは複数の上部副反応器のスラリー流路の開いた下端の下にある。
【0050】
反応器は、上部副反応器と下部副反応器との間の中間ゾーンを含むことができる。中間ゾーンは、1つまたは複数の上部副反応器のスラリー流路と、および1つまたは複数の下部副反応器のスラリー流路と流れ連通することができる。換言すれば、中間ゾーン内に開くスラリー流路の開いた端部の間の横方向流を防止するバリヤがない中間ゾーンを有することによって、中間ゾーン内のスラリーの横方向のまたは水平の流れまたは混合を可能にすることができる。
【0051】
反応器は、上部副反応器と下部副反応器との間の中間ゾーン内へのガス入口を含むことができる。ガス入口はリサイクルガス入口であることができる。ガス入口は、反応器シェルの断面積の一部にのみガスを導入するように構成することができる。換言すれば、ガス入口は、使用時に反応器の選択された断面領域のみに、たとえば、特定の副反応器または特定のスラリー流路のみにガスを供給するように、配置することができる。
【0052】
1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管が、スラリー流路、または上部副反応器のスラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、スラリー流路、または下部副反応器のスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで延在することができる。
【0053】
代わりに、下降管ゾーンまたは下降管の1つ以上が、副反応器内のスラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、副反応器のスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで、しばしば、副反応器の下の中間ゾーン内に延在することができる。垂直に隔置された副反応器の下降管ゾーンまたは下降管が、平面図において互い違いであることができるか、位置合せされることができる。
【0054】
下降管または下降管ゾーンを、下降管または下降管ゾーンとして機能するように適合されたスラリー流路によって画定することができる。そのような適合されたスラリー流路は、たとえばバッフルなどのガス供給防止デバイスを有することができるか、それと関連させることができるか、そのような適合されたスラリー流路は、その上端においてデガッサを有することができるか、それと関連させることができる。
【0055】
下降管ゾーンまたは下降管が、1つまたは複数の熱伝達媒体流空間を含むことができ、および/または、それは、固体粒子を懸濁液から分離するためのフィルタを含むことができる。
【0056】
熱伝達媒体流空間は、流路の形態の場合、端部が閉じており、熱伝達媒体インレットアレイ(arrangement)およびアウトレットアレイが設けられる。熱伝達媒体インレットアレイおよびアウトレットアレイは、閉端を通って、すなわち、軸方向にまたは垂直に、流路内に開くことができるか、熱伝達媒体流流路または空間は、横方向にまたは水平に流れ連通することができ、1つおきの流れ空間が、流れ連通し、間にある流れ空間からシールされるプレート熱交換器を連想させる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による三相スラリー反応器の一実施形態の概略断面立面図を示す。
【図2】本発明による三相スラリー反応器の別の実施形態の概略断面立面図を示す。
【図3】本発明による三相スラリー反応器のいくつかの反応器モジュールまたは副反応器および下降管または下降管ゾーンの概略三次元図を示す。
【図4】図3の反応器モジュールおよび下降管の概略上面図を示す。
【図5】本発明による三相スラリー反応器のいくつかの上部および下部反応器モジュールまたは副反応器ならびに下降管の概略三次元図を示す。
【図6】下降管があるまたは下降管がない、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図7】下降管があるまたは下降管がない、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図8】下降管があるまたは下降管がない、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図9】下降管があるまたは下降管がない、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図10】ガスの段階導入およびさまざまな下降管配列を伴う、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図11】ガスの段階導入およびさまざまな下降管配列を伴う、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図12】ガスの段階導入およびさまざまな下降管配列を伴う、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図13】本発明による三相スラリー反応器の仕切り壁のさまざまな配列の概略上面図を示す。
【図14】本発明による三相スラリー反応器の仕切り壁のさまざまな配列の概略上面図を示す。
【図15】本発明による三相スラリー反応器の仕切り壁のさまざまな配列の概略上面図を示す。
【図16】本発明による三相スラリー反応器の仕切り壁のさまざまな配列の概略上面図を示す。
【図17】さまざまな下降管配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図18】さまざまな下降管配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図19】さまざまな下降管配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図20】さまざまな下降管配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図21】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図22】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図23】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図24】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図25】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図26】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図27】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図28】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
ここで、本発明を、添付の概略図面を参照して、例として説明する。
【0059】
図面の図1を参照すると、参照符号10は、一般に、本発明による三相スラリー反応器の一実施形態を示す。反応器10は、複数の垂直に延在する水平に隔置された平行な仕切り壁またはプレート14を収容する反応器シェル12を含む。プレート14は複数のスラリー流路16を画定する。
【0060】
シェル12は円筒形であり、プレート14は、平面図で見ると、シェル12の弦と対応するか、シェル12の弦上に位置する。各スラリー流路16は、その高さおよびその横幅と比較して、比較的小さい幅、すなわち、プレート14間の間隔を有し、その横幅は、図面が示されたページ面に直行する軸に沿っている。
【0061】
図面に示されていないが、仕切り壁またはプレート14の少なくともいくつかを、それらの熱伝達表面積を増加させるために、または、熱伝達係数を向上させるために、成形またはテクスチャー加工することができる。成形またはテクスチャー加工は、当業者に知られている他の方法の中で、ディンプル付、リブ付、またはフィン付壁またはプレートの使用を含むことができる。
【0062】
反応器10はまた、スラリー流路16の下のスパージャアレイ20内に通じるガス入口18を含む。スラリー流路16の上のヘッド空間24と流れ連通するガス出口22が設けられる。液体出口26は、スラリー流路16の下の、反応器10の底部から通じているが、任意の好都合なレベルに位置することができる。
【0063】
反応器10は、反応器10の底部から、参照符号28および30によって示された標準スラリーレベルまで延在するスラリーゾーンを有する。図1に見ることができるように、標準スラリーレベル28は、こうして、スラリー流路16の開いた上端より下であることができるか、標準スラリーレベル30は、スラリー流路16の開いた上端より上であることができ、それにより、使用中、プレート14を完全に沈める。
【0064】
反応器10などのスラリー反応器において、スラリー流路16が反応器10の底部内に開くところで、スラリー流路16間には、制限された相互作用があるか、あるいは実質的にはないであろう。スラリー流路16によって画定された反応空間は、本質的に二次元であり、スラリー流路が本質的に互いに独立して動作される場合、反応器シェル12の直径への依存が大いにまたは完全になくなる。これは、スケールアップを促進し、というのは、1つまたは少数のスラリー流路からなる代表的なユニットを、商業規模反応器寸法から、別々にかつ独立して、研究することができるからである。
【0065】
プレート14がスラリー体中に完全に沈められないとき、すなわち、標準スラリーレベルがレベル28であるとき、反応器10は、本質的に、平行な垂直に延在する二次元三相スラリー塔のスタックとして挙動する。混合、ガスホールドアップ、ならびに熱伝達および物質移動に関連する、これらの二次元塔と従来の三次元塔との間の差を、有利に用いることができる。
【0066】
標準スラリーレベルがレベル30によって示される、完全に沈められたプレート14の場合、さらに多くの可能性を示す。スラリー流路16にわたるスラリー循環流パターンを確立することができ、スラリー流路16内の相のより良好な栓流特徴、スラリー全体にわたる、より均一な固形分分布、およびより高い熱伝達係数(熱伝達配列を有する反応器を、後で、より詳細に説明する)を考慮する。
【0067】
図面の図2を参照すると、参照符号100は、一般に、本発明による三相スラリー反応器の別の実施形態を示す。反応器100は、多くの点で反応器10と同様であり、したがって、特に明記しない限り、同じ参照符号は、同じまたは同様の部分または特徴を示すために使用される。反応器100において、熱伝達媒体流路32が、また、プレート14のいくつかの間に画定される。熱伝達媒体流路32は、閉じた下端および上端を有するが、それらの端部で互いに、および熱伝達媒体インレットアレイおよびアウトレットアレイ(図示せず)と流れ連通する。したがって、使用中、熱伝達媒体を、上方にまたは下方に、熱伝達媒体流路32を通過させることができる。
【0068】
スラリー流路16および熱伝達媒体流路32は交互に配列され、反応器100の特定の構造によって、おそらくは半径方向に外側のスラリー流路16以外、各スラリー流路16の両側に2つの熱伝達媒体流路32が配置されるか、各スラリー流路16が2つの熱伝達媒体流路32の間に挟まれる。
【0069】
反応器100において、スラリー流路16および熱伝達媒体流路32は、上部プレートバンクまたは上部副反応器34を画定する上部グループ、および下部プレートバンクまたは下部副反応器36を画定する下部グループにグループ化される。上部副反応器34は下部副反応器36から垂直に隔置され、上部副反応器34のスラリー流路16の開いた下端は、下部副反応器36のスラリー流路16の開いた上端の上である。上部副反応器34と下部副反応器36との間に、中間ゾーン38が画定される。リサイクルガス入口であり、参照符号40によって示されるガス入口が、反応器100の2つの対角線上に反対の側から中間ゾーン38に入る。各リサイクルガス入口40は、スパージャアレイ42と関連する。
【0070】
デガッサ46を有する下降管44が、反応器シェル12内に中心に設けられ、上部副反応器34のスラリー流路16の開いた上端の上から、上部副反応器34のスラリー流路16の開いた下端の下まで、すなわち、中間ゾーン38内に延在する。反応器シェル12と下部副反応器36のプレート14との間に、環状下降管ゾーン48が画定される。認められるように、スパージャアレイ42は、下降管44にガスを供給しないように構成され、スパージャアレイ18は、下降管ゾーン48にガスを供給しないように構成される。理解されるように、下降管44は、実際には、下降管ゾーン48に対して互い違いであり、矢印50によって示されているようなスラリーリサイクル流または再分配流を確実にする。
【0071】
反応器100は、原理的には、三相スラリー反応器を必要とする、およびスラリーへのまたはスラリーからの熱伝達を必要とする多くのプロセスに適している。しかし、ここで、1つの用途のみ、すなわち、炭化水素合成を説明する。
【0072】
使用中、気体反応物としての、主として、一酸化炭素と、水素とを含む新しい合成ガスが、ガス入口18およびスパージャアレイ20を通って、反応器100の底部内に供給される。スパージャアレイ20によって、合成ガスは、反応器100の底部内に存在するスラリー全体にわたって均一に分配される。同時に、典型的には、水素と、一酸化炭素と、メタンと、二酸化炭素とを含むリサイクルガス流(典型的には冷却された)が、リサイクルガス入口40およびスパージャアレイ42を通って反応器100に戻される。リサイクルガス流のすべてを、リサイクルガス入口40によって、中間ゾーン38内に供給することができるか、必要に応じて、リサイクルガス流の一部を、ガス入口18によって、反応器100の底部に戻すことができる。
【0073】
スパージャアレイ42によって、上部副反応器34のスラリー流路16は、リサイクルガスで特にターゲットにされ、下降管44は回避される。リサイクルガス入口40を使用することによって、リサイクルガスの一部が、反応器100の、スパージャアレイ42の下の部分内に配置されたスラリーを迂回するようにさせることが可能である。このように、反応器100内の総ガスホールドアップを低減することができ、それにより、意外なことに、反応器の能力を向上させる。
【0074】
新しい合成ガスと、あらゆるリサイクルガスとを含む気体反応物は、上部副反応器34および下部副反応器36のスラリー流路16を占め、反応器100の底部からレベル30まで延在するスラリー体52を通って上方に進む。スラリー体52は、液体生成物(主にろう)中に懸濁された、フィッシャー−トロプシュ触媒粒子、典型的には鉄またはコバルト系触媒を含む。スラリー体52は、上部副反応器34のスラリー流路16の開いた上端より上の、かつデガッサ46より上のスラリーレベル30を有するように制御される。
【0075】
合成ガスがスラリー体52を通って泡立つとき、その中の気体反応物は、触媒作用によって、かつ発熱を伴って反応して、液体生成物を形成し、したがって、これはスラリー体52の一部を形成する。ときどき、または連続的に、液体生成物を含むスラリーまたは液相が、液体出口26を通って取出され、それにより、スラリーレベル30は制御される。触媒粒子は、たとえばフィルタ(図示せず)を使用する、適切な内部または外部分離システム内で、液体生成物から分離される。分離システムが反応器100の外部に配置される場合、分離された触媒粒子を反応器100に戻すための付加的なシステム(図示せず)が設けられる。
【0076】
新しい合成供給ガスおよびリサイクルガスは、沈降を伴わずに、反応器100の内側の触媒粒子のすべてを撹拌し懸濁させるのに十分な速度で、反応器100に導入される。ガス流量は、用いられるスラリー濃度、触媒密度、懸濁媒体密度および粘度、ならびに特定の粒度によって選択される。適切なガス流量は、たとえば、約5cm/sから約50cm/sを含む。しかし、約85cm/sまでのガス速度が気泡塔においてテストされている。より高い速度の使用は、それが、触媒含有スラリーを収容するために比較的より小さい空間を残す、反応器内のより高いガスホールドアップを伴うという欠点を有する。いかなるガス流量がいかに選択されようとも、それは、反応器100内の粒子沈降および凝集を回避するのに十分でなければならない。
【0077】
多少のスラリーが、矢印50によって示されているように、下降管44および下降管ゾーン48を通って下方に連続的に進み、それにより、スラリー体52中の触媒粒子の再分配を達成し、かつ、スラリー体52全体にわたる均一な熱再分配を促進する。理解されるように、下降管または下降管ゾーンの配列によって、反応器100の選択された垂直に延在する領域にわたるスラリー再分配が可能である。
【0078】
反応器100は、スラリー流路16内のスラリー体52が、不均質または撹拌乱流(churn−turbulent flow)領域内にあり、かつ、スラリー体52を事実上栓流態様で横切る、速く上昇する気体反応物および気体生成物のより大きい気泡からなる希薄相と、液体生成物、固体触媒粒子、および同伴された気体反応物および気体生成物のより小さい気泡を含む高密度相とを含むように動作される。スラリー流路16の使用によって、反応器100全体の栓流挙動は促進され、というのは、各スラリー流路16が、反応器シェル12のアスペクト比を十分に超える、高さおよび幅が考慮されたときの高アスペクト比を有するからである。
【0079】
好ましくは、下降管ゾーン44および48内のスラリーの下降流速度は十分に高く、スラリー流路16内にスラリーの下方流は実質的にない。このように、下降管ゾーン44および48内の下方、およびスラリー流路16内の上方以外のマクロ混合パターンの確立は、大幅になくなる。
【0080】
スラリー体52は、上部副反応器34および下部副反応器36内の、交互の、端部の開いたスラリー流路16内に存在する。冷却媒体としてのボイラ供給水が、端部の閉じた熱伝達媒体流路32を通って循環されて、発熱反応の熱を除去する。理解されるように、プレート14は、ボイラ供給水への間接的な熱伝達によって、スラリー体52から熱を除去するための大きい熱伝達表面積を提供する。
【0081】
C20以下のフラクションなどの軽質炭化水素生成物が、反応器100からガス出口22を通って取出され、分離ユニット(図示せず)に送られる。典型的には、分離ユニットは、一連の冷却器と、気液分離器とを含み、任意に、さらなる冷却器および分離器、ならびに場合により、C20以下の炭化水素フラクションからの、水素、一酸化炭素、メタン、および二酸化炭素の除去のための極低温ユニットも含むことができる。膜ユニット、圧力スイング吸着ユニット、および/または二酸化炭素の選択的な除去のためのユニットなどの他の分離技術を用いることができる。窒素と、一酸化炭素と、他のガスとを含む分離されたガスは、圧縮機(図示せず)によって圧縮されリサイクルされて、リサイクルガス流を提供する。凝縮された液体炭化水素および反応水が、さらなる後処理(working−up)のため、分離ユニットから取出される。
【0082】
示されているような反応器100は、反応器100へのガスのリサイクルを可能とするものであるが、必ずしもその態様とは限らずに、リサイクルガス流がすべての実施形態において使用されることが理解されるべきである。
【0083】
プレート14の存在の結果として、スラリー流路16間で、それらの開いた上端とそれらの開いた下端との間のすべての高さにおいて、スラリー流連通は行なわれない。しかし、上部副反応器34のスラリー流路16の開いた上端の上では、スラリーの流れに制限はない。同様に、中間ゾーン38内では、および下部副反応器36のスラリー流路16の開いた下端の下では、スラリーの流れに制限はない。
【0084】
本発明による三相スラリー反応器が、複数の水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器を含むことができ、したがって、これらは、反応器シェル12の内側で同じ高さにあるが、反応器シェル12の断面積にわたって配置される。図3および図4において、少数のこれらの水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器またはプレートバンクが示され、参照符号60によって示されている。参照符号62によって示された下降管ゾーンが、副反応器60と関連する。スパージャアレイ64が、副反応器60および下降管ゾーン62の下に設けられる。
【0085】
認められるように、下降管ゾーン62は、また、副反応器60と同じように、複数の垂直に延在する仕切り壁またはプレート14を含む。しかし、スパージャアレイ64は、下降管ゾーン62にガスを供給せず、ゾーン62が、副反応器またはライザとしてではなく、下降管として機能することを可能にする。
【0086】
副反応器60と同様に、下降管ゾーン62は、交互に配列されたスラリー流路および熱伝達媒体流路を有する。
【0087】
図3および図4において、副反応器60および下降管ゾーン62の高さは、等しいように示されている。しかし、それらが、高さ、幅、および流路横幅が異なることができることが理解されるべきである。
【0088】
図4に交差矢印61によって示されているように、スラリー流路の開いた上端の上、およびスラリー流路の開いた下端の下以外は、副反応器60間で、または副反応器60と下降管ゾーン62との間で、スラリー交換がない。
【0089】
副反応器またはプレートバンクの平行なプレートは、図13に示されているように、開いた側を有する流路16を画定することができるか、副反応器は、図14に示されているように、側壁63を有することができる。流路16の側が、図14に示されているように、側壁63によって閉じられるとき、開口が側壁63に設けられない限り、1つのそのような副反応器の流路16内のスラリーと隣接した副反応器の流路16内のスラリーとの間に相互作用がないことができる。当然、側壁は、1つを超える副反応器またはプレートバンクを囲むことができる。
【0090】
2つの副反応器が、図15に示されているように、それらのプレート14が平行な状態で、かつ、側壁の不在下で、配列されるとき、1つの副反応器の流路16内のスラリーが、隣接した副反応器の流路16内のスラリーと相互作用することができる。図16に示されているように、隣接した副反応器のプレート14が直角であるとき、1つの副反応器の端部プレートが、実際には、側壁を画定し、2つの副反応器の流路16内のスラリーの間の相互作用を防止する。
【0091】
図面の図5を参照すると、上部副反応器34および下部副反応器36、ならびに2つの下降管または下降管ゾーン62が、示されている。1つが上部副反応器34の下、1つが下部副反応器36の下の、2つのスパージャアレイ64も、示されている。図5に示された反応器レイアウトにおいて、下降管または下降管ゾーン62は、上部副反応器34のスラリー流路の開いた上端から、中間ゾーン38を通って、下部副反応器36の開いた下端の下まで、実際には、下部スパージャアレイ64の下まで延在する。この配列では、既知の制御されたパターンの、スラリーの大規模軸方向循環を達成することができる。隣接した副反応器34.aおよび34.bまたは36.aおよび36.bの間の制限されたスラリー交換を考慮することも可能である。理解されるように、スラリー流路は、所望の熱伝達表面積、水力直径などを有するように設計することができ、必要に応じて、付加的なガススパージングを、中間ゾーン38内に、垂直に隔置された副反応器の間に設置することができ、内部濾過デバイスを、中間ゾーン38内に、または下降管もしくは下降管ゾーン62の1つに設置することができる。フィルタなどの内部装置(internals)を下降管または下降管ゾーン内に配置することの1つの利点は、下降管ゾーン内で生じる、低減されたガスホールドアップおよび比較的高い速度である。下降管または下降管ゾーン62の位置を選択し、それらを反応器シェル12の断面積上の特定の位置に配置することによって、大規模スラリー循環に激しく影響を及ぼして、所望の目的を達成することができる。
【0092】
下降管または下降管ゾーンは、三相スラリー反応器の高さに対して、固形分ホールドアッププロファイルおよび温度プロファイルを平らにするのに役立つことができる。しかし、同時に、それらは、時には望ましくないことがある軸方向の混合を誘起する。設計によって、軸方向の混合を促進することができる(一種のライザ−下降管動作モードをもたらす)か、反応器の栓流特徴を促進するために、それを抑制することができる。
【0093】
図6から図9は、さまざまな下降管配列を有する、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態を示す。図6において、反応器は、4の垂直に隔置された副反応器またはプレートバンクを有し、下降管がない。図3において、副反応器またはプレートバンクを通って直線状に軸方向に延在する頂部から底部までの下降管を使用することができることが示されている。図8は、どのように、各副反応器またはプレートバンク内の下降管を、下降管が、平面図で見ると、上部副反応器またはプレートバンクと下部副反応器またはプレートバンクとの間で互い違いであるように配列することができるかを示す。図9は、仕切り壁またはプレートが、実質的に、反応器の全長、底部領域からヘッド空間領域まで延在し、1つの下降管が、ヘッド空間から底部領域まで延在する三相スラリー反応器を示す。
【0094】
下降管または下降管ゾーンのさまざまな配列が、図17から図20に示されており、下降管または下降管ゾーンは、参照符号70によって示されている。図17において、下降管ゾーン70は、反応器シェル12の断面積にわたって分配される。図18において、下降管ゾーン70は、反応器シェル12に隣接し、平面図でほぼ環状である。図19の下降管ゾーン70は、反応器シェル12の1つの側に対してあり、図20において、下降管ゾーン70は中心に配置される。
【0095】
副反応器および下降管または下降管ゾーンのために選択された配列によって、反応器内の異なる上昇流ゾーン(スラリー流路によって画定された)の間のスラリー流相互作用を可能にするか防止すること、ならびに、これらの上昇流ゾーンと下降流ゾーン(下降管または下降管ゾーンによって画定された)との間の相互作用を防止または拒否することが可能である。したがって、反応器100などの反応器において、図2に参照符号72によって示された高さなどの特定の高さで、多くの構成が可能であり、これらのいくつかが、図面の図21から図28に示されている。
【0096】
図21において、下降流ゾーン70は、反応器シェル12の複数の側に対してある。参照符号74によって示された各副反応器は、側壁を有し、それにより、副反応器74間の、および副反応器74と下降流ゾーン70との間のスラリー相互作用を防止する。
【0097】
図22の副反応器74は側壁を有さず、隣接した副反応器74のスラリー流路は平行である。したがって、これらのスラリー流路内のスラリーは、相互作用することができる。対照的に、図23において、隣接した副反応器74のスラリー流路は直角に配列される。個別の副反応器74は側壁を有さないが、25個の副反応器のグループは側壁76を有する。副反応器74はわずかに隔置され、隣接した副反応器74の間の制限されたスラリー相互作用を可能にするが、プレートの直角の配列は、隣接した副反応器74の間のより自由なスラリー相互作用を防止する。上昇流ゾーン、すなわち、副反応器74と下降管ゾーン70との間でのスラリー相互作用は行なわれない。
【0098】
図24において、副反応器74には、すべて、側壁が設けられ、下降管ゾーン70は分配される。したがって、副反応器74間で、または副反応器74と下降管ゾーン70との間でスラリー相互作用がない。対照的に、図25において、副反応器74は側壁を有さず、下降管ゾーン70はシェル12に隣接しているだけである。副反応器74間の、および副反応器74と下降管ゾーン70との間の実質的なスラリー相互作用が、生じることができる。図26において、副反応器74は、再び、側壁がないが、多くが、それらのスラリー流路が隣接した副反応器74のスラリー流路に直角である状態で配列される。したがって、隣接した副反応器74の間で、および副反応器74と下降管ゾーン70との間でいくらかの相互作用があるが、スラリー相互作用は、図25に示された反応器の場合より制限される。
【0099】
図27は、図26に示された反応器と同様の反応器を示すが、図27の反応器の場合、下降管ゾーン70は反応器の断面積にわたって配置される。
【0100】
図28において、下降管ゾーン70は、反応器シェル12の1つの側に対して配置される。副反応器74間のわずかな間隔の結果として、それらは直角の角度で配列されるが、副反応器74間で制限されたスラリー相互作用がある。バリヤまたは側壁76が、副反応器74内のスラリーと下降管ゾーン70内のスラリーとの間のスラリー相互作用を実質的に防止する。
【0101】
さまざまなガススパージング手法が、図10から図12に示されている。図10において、ガスは2つの段階で導入され、ガスの一部が、反応器の底部領域に入り、ガスの別の部分が、2つの副反応器またはプレートバンクの間の中間ゾーンに入る。図11および図12において、ガススパージャは、下降管または下降管ゾーンとの組合せで示されている。はっきり見ることができるように、底部および中間ゾーンの両方において、反応器の断面積の一部のみにガスを供給することが可能である。
【0102】
したがって、本発明の方法および装置は、スラリー流反応器設計をアップスケールするときのリスクを大きく低減することができる。というのは、マクロ規模混合パターンの形成が、スラリー流路の存在によって大いに防止されるからである。さらに、特に下降管または下降管ゾーンを含む設計の場合に、反応ゾーンは、既知の見かけ上方液体流量(upward superficial liquid flow rate)および既知の見かけ上方ガス速度(upward superficial gas velocity)が存在する、いくつかのスラリー流路からなる。これらのスラリー流路は、試行およびモデル化が可能であり、設計者に、大規模反応器混合パターンの、より大きい程度の制御を与える。さらに、スラリー流路は、熱交換器表面によって形成される。これは、蛇状冷却コイルが使用される標準設計に比べ、これらの設計に対し、大いに向上された熱除去能力をもたらす。利用可能な熱除去表面積が、増加されるだけでなく、また、反応器中により均一に広がる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、三相スラリー反応器を動作させる方法、および三相スラリー反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
規模の経済性の利益を得るために、技術がパイロットプラント規模から商業プラント規模にスケールアップされるとき、かなりのリスクに直面する。三相スラリー反応器は、典型的には、規模依存マクロ混合効果を示し、したがって、三相スラリー反応器がスケールアップされるとき、上述のリスクがあてはまる。したがって、三相スラリー反応器のアップスケールと関連するリスクを著しく低減することができる方法を見出すことができる場合、有利であろう。さらに、反応器の内側の混合パターンを、実験から、より容易にモデル化または予測することができる反応器設計が、通常望ましくない逆混合の程度を制限することができ、それにより、おそらく、望ましい栓流特徴(通常、良好な生産性および良好な選択性)および十分な混合特徴(しばしば、望ましい固形分分布およびさらには温度プロファイルに必要とされる)の最適な組合せを可能にするという利益がある。
【0003】
一つの提案されている解決策は、より小さい特徴的な直径を有する反応器の挙動を実際には模倣する反応器内のゾーンを作ることである。このように、大規模反応器の挙動をある程度予測することができ、というのは、それは、実際には、いくつかの、実際にはパイロットプラント規模のより小さい反応器からなるからである。しかし、依然として、より小さい特徴的な直径を有する反応器内で確立されるマクロ混合パターンの範囲内で作業することに大いに依存する。したがって、設計者に、三相スラリー反応器内で確立される混合パターンを少なくともある程度制御する付加的な自由度を与える方法を見出すことができる場合、有利であろう。
【0004】
三相スラリー反応器は、一般に、それらの優れた熱除去特徴によって、高発熱反応のために使用される。しかし、さらに活性の触媒の導入、および反応器容積のより集中的な使用では、三相スラリー反応器の熱除去能力でさえ、テスト中である。
【発明の概要】
【0005】
したがって、上述したことに鑑み、設計者に、反応器内の混合パターンに対していくらかの制御を用いる付加的な自由度を与え、同時に、反応器の熱除去能力を増加させることによって、三相スラリー反応器のアップスケールと関連するリスクを著しく低減することができる方法を見出すことができる場合、有利であろう。
【0006】
本発明の一態様によれば、三相スラリー反応器を動作させる方法であって、
低いレベルで、少なくとも1つの気体反応物を、垂直に延在する、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリー体(slurry body)中に供給する工程であって、スラリー体が、共通反応器シェルの内側の、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路内に収容され、スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、各スラリー流路は、高さおよび横幅(breadth)が、幅(width)よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有する工程と、
気体反応物を、スラリー流路内に存在するスラリー体を通って上方に進むときに反応させ、それにより、非気体および/または気体生成物を形成する工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、スラリー体の上のヘッド空間内で、スラリー体から離脱させる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、ヘッド空間から取出す工程と、
必要に応じて、存在する場合には非気体生成物を含むスラリーまたは懸濁液を取出すことによって、または、スラリーまたは懸濁液を加えることによって、スラリー体を所望のレベルに維持する工程とを含む方法を提供する。
【0007】
本方法は、反応器シェルの内側の1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管を使用して、スラリーを、スラリー体中の高いレベルから、そのより低いレベルに下方に進ませる工程を含むことができる。
【0008】
スラリー流路の少なくともいくつかが、スラリー流路の上端の上でスラリー流連通することができる。
【0009】
スラリー流路の少なくともいくつかの仕切り壁またはプレートは、スラリー流路を隣接した熱伝達媒体流空間から分離することができる。本方法は、熱伝達媒体を、熱伝達媒体流空間を通過させて、スラリー流路内に存在するスラリー体と間接的な関係で熱を交換する工程を含むことができる。
【0010】
仕切り壁またはプレートの熱伝達表面などの、反応器の熱伝達表面を、任意に、滑らかな仕切り壁またはプレートの表面積と比較して、それらの熱伝達表面積を増加させるために、または、熱伝達係数を向上させるために、成形またはテクスチャー加工することができる。成形またはテクスチャー加工は、当業者に知られている他の方法の中で、ディンプル付、リブ付、またはフィン付壁またはプレートの使用を含むことができる。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、三相スラリー反応器を動作させる方法であって、
低いレベルで、少なくとも1つの気体反応物を、垂直に延在する、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリー体中に供給する工程であって、スラリー体が、共通反応器シェルの内側の、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路内に収容され、スラリー流路の少なくともいくつかが、スラリー流路の開いた上端の上でスラリー流連通し、スラリー流路の少なくともいくつかが、スラリー流路を1つまたは複数の熱伝達媒体流空間から分離する壁によって画定される工程と、
気体反応物を、スラリー流路内に存在するスラリー体を通って上方に進むときに反応させ、それにより、非気体および/または気体生成物を形成する工程と、
熱伝達媒体を、1つまたは複数の熱伝達媒体流空間を通過させて、スラリー流路内に存在するスラリー体と間接的な関係で熱を交換する工程と、
反応器シェルの内側の1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管を使用して、スラリーを、スラリー体中の高いレベルから、そのより低いレベルに下方に進ませる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、スラリー体の上のヘッド空間内で、スラリー体から離脱させる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、ヘッド空間から取出す工程と、
必要に応じて、存在する場合には非気体生成物を含むスラリーまたは懸濁液を取出すことによって、または、スラリーまたは懸濁液を加えることによって、スラリー体を所望のレベルに維持する工程を含む方法を提供する。
【0012】
スラリー流路は、好ましくは、それらの開いた上端と開いた下端との間で、互いに隔離され、好ましくは、熱伝達媒体流空間によって、互いに分離される。換言すれば、本方法は、好ましくは、スラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止する工程を含み、スラリー流路は、別個であり、完全に個別化された反応チャンバを画定する。
【0013】
本発明の第2の態様による方法で使用されるスラリー流路は、チューブシート間の垂直に延在するチューブによって画定することができ、熱伝達媒体流空間は、チューブシート間に画定され、チューブを囲む。チューブは、典型的には、少なくとも約10cmの直径を有する。
【0014】
代わりに、スラリー流路は、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定することができ、熱伝達媒体流空間が、また、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、スラリー流路の少なくともいくつかが、隣接した熱伝達媒体流空間から、共通のまたは共有の仕切り壁またはプレートによって分離される。
【0015】
仕切り壁またはプレートは、互いに平行であることができ、高さおよび横幅が、典型的には、幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有するスラリー流路および熱伝達媒体流空間を画定する。換言すれば、各仕切り壁は、充分な(substantial)高さおよび横幅と、比較的小さい厚さとを有し、隣接した仕切り壁から比較的密接に隔置され、それにより、1つの寸法が他の2つの寸法よりはるかに小さい、垂直に延在する平行六面体流路または空間を画定する。
【0016】
仕切り壁またはプレートまたはチューブの熱伝達表面などの、反応器の熱伝達表面を、任意に、滑らかな仕切り壁または滑らかな円筒形チューブの表面積と比較して、それらの熱伝達表面積を増加させるために、または、熱伝達係数を向上させるために、成形またはテクスチャー加工することができる。成形またはテクスチャー加工は、当業者に知られている他の方法の中で、ディンプル付、リブ付、またはフィン付壁またはプレートまたはチューブの使用を含むことができる。
【0017】
スラリー流路が仕切り壁によって画定される場合、スラリーおよび熱伝達媒体は、交互に配列されたスラリー流路および熱伝達媒体流空間内に存在することができる。したがって、おそらくは半径方向に外側のスラリー流路以外、各スラリー流路の両側に2つの熱伝達媒体流空間を配置するか、各スラリー流路を2つの熱伝達媒体流空間の間に挟むことができる。
【0018】
下降管ゾーンまたは下降管内のスラリーの下方流は、スラリー流路内にスラリーの下方流が実質的にないほど十分に高くてもよい。
【0019】
本方法が、少なくとも原理的には、より広い用途を有することができると考えられるが、固体粒子が、通常、1つまたは複数の気体反応物の、液体生成物および/または気体生成物への反応を触媒するための触媒粒子であると予想される。懸濁液は、通常、液体生成物であるが、必ずしも液体生成物であるとは限らず、したがって、液相またはスラリーが、スラリー体から取出されて、スラリー体を所望のレベルに維持する。
【0020】
さらに、原理的には、本方法がより広い用途を有することができるとも考えられるが、それが炭化水素合成における特定の用途を有し、気体反応物が、スラリー体中で触媒作用によって発熱を伴って反応して、液体炭化水素生成物、および任意に気体炭化水素生成物を形成することができると予想される。特に、反応または炭化水素合成は、フィッシャー−トロプシュ合成であることができ、気体反応物は、主として一酸化炭素と水素とを含む合成ガス流の形態であり、液体炭化水素生成物および気体炭化水素生成物の両方が生成され、熱伝達媒体は、冷却媒体、たとえば、ボイラ供給水である。
【0021】
炭化水素合成の場合、スラリー流路は、典型的には、少なくとも0.5m、好ましくは少なくとも1m、より好ましくは少なくとも2mの高さを有するが、4mまたはより高いことさえできる。スラリー流路は、典型的には、少なくとも2cm、好ましくは少なくとも3.8cm、より好ましくは少なくとも5cmの幅を有する。スラリー流路の幅は、典型的には50cmを超えず、より好ましくは、幅は25cmを超えず、より好ましくは、幅は15cmを超えない。スラリー流路は、典型的には、約0.2mから1mの範囲内の横幅を有する。反応器シェルは、典型的には、少なくとも1m、好ましくは少なくとも2.5m、より好ましくは少なくとも5mの直径を有するが、本発明の目的が、反応器直径の、反応器挙動に及ぼす影響をなくすことであることに留意するべきである。
【0022】
理解されるように、各スラリー流路は、仕切り壁間に画定されようと、チューブによって画定されようと、反応器シェルから独立して機能し、大部分は他のスラリー流路から独立して機能するように構成することができる。パイロット規模の1つのスラリー流路またはスラリー流路の小さいサブグループの設計およびテストが実行可能であり、そこで、規模依存マクロ混合効果が適切に管理されるならば、複数のスラリー流路を含む商業規模反応器へのスケールアップが、非常に容易になり、よりリスクが小さい。
【0023】
さらに、下降管または下降管ゾーンが、スラリー流路内にスラリーの下方流が実質的にないように十分な下方スラリー流で使用される場合、反応器にわたる、画定された下降流ゾーンおよび上昇流ゾーンによって決められるもの以外のマクロ混合パターンの確立は、実際には不可能である。
【0024】
本方法は、ヘッド空間からのガスを冷却して、液体生成物、たとえば液体炭化水素および反応水を凝縮する工程と、液体生成物をガスから分離して、テールガスを提供する工程と、テールガスの少なくともいくらかを、リサイクルガス流としてスラリー体にリサイクルする工程とを含むことができる。
【0025】
垂直に延在する水平に配置された反応器ゾーンを、反応器シェルの内側に画定することができ、各水平に配置された反応器ゾーンは、複数のスラリー流路と、任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とを含む。本方法は、隣接した垂直に延在する水平に配置された反応器ゾーンの間で、および、水平に配置された反応器ゾーン内のスラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止する工程を含むことができる。これは、水平に配置された反応器ゾーンに、垂直に延在する側壁を設けることによって、または、水平に配置された反応器ゾーンの1つの中の端部仕切り壁が、実際には、隣接した水平に配置された反応器ゾーンの側壁を形成するように、仕切り壁を、隣接した水平に配置された反応器ゾーン内に直角の角度で配置することによって、達成することができる。
【0026】
本方法は、各々が、複数のスラリー流路と、任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とを含む、垂直に隔置された反応器ゾーン内に、スラリー体を収容する工程を含むことができる。中間スラリーゾーンを、垂直に隔置された反応器ゾーンの間に画定することができる。
【0027】
本方法は、少なくとも1つの気体流を、2つの垂直に隔置された反応器ゾーンの間の中間ゾーン内に供給する工程を含むことができる。気体流はリサイクルガス流であることができる。必要に応じて、気体流は、反応器の断面積の一部が気体流を供給されないように供給することができる。
【0028】
下降管ゾーンまたは下降管の1つ以上が、スラリー流路、または上部の垂直に隔置された反応器ゾーン内のスラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、スラリー流路、または底部の垂直に隔置された反応器ゾーン内のスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで延在することができる。
【0029】
代わりに、下降管ゾーンまたは下降管の1つ以上が、垂直に隔置された反応器ゾーンのスラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、垂直に隔置された反応器ゾーンのスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで、しばしば、垂直に隔置された反応器ゾーンの下の中間ゾーン内に延在することができる。より低いまたはより高い垂直に隔置された反応器ゾーンが、同様の下降管ゾーンまたは下降管を含むことができ、これは、上のまたは下の垂直に隔置された反応器ゾーン内の下降管ゾーンまたは下降管から、平面図において互い違いであることができるか、これは、上のまたは下の垂直に隔置された反応器ゾーン内の下降管ゾーンまたは下降管と位置合せされることができる。
【0030】
必要に応じて、下降管ゾーンが、1つまたは複数の熱伝達媒体流空間、および/または固体粒子を懸濁液から分離するためのフィルタを含むことができる。
【0031】
スラリーを、下降管ゾーンまたは下降管内で下方に進ませる工程が、たとえば、バッフルを設けることによって、1つまたは複数の気体反応物が下降管ゾーンに入ることを防止または阻止する工程を含むことができ、および/または、それは、たとえば、デガッサを下降管ゾーンまたは下降管の上端に設けることによって、下降管ゾーンまたは下降管内のスラリーを脱ガスする工程を含むことができる。
【0032】
本方法は、中間ゾーンの1つ以上の中の水平に配置された反応器ゾーンの間で、および/または、スラリー流路の開いた下端の下の反応器の底部内で、スラリー流連通を可能にする工程を含むことができる。
【0033】
本方法は、反応器全長にわたって、固体粒子の軸方向の混合を制限する工程を含むことができる。これは、垂直に隔置された反応ゾーン、および1つの反応ゾーンの長さにわたる下降管の選択によって達成することができる。
【0034】
本発明の第3の態様によれば、三相スラリー反応器であって、
使用中、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリーを収容する、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路を収容する反応器シェルであって、スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、各スラリー流路は、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有する、反応器シェルと、
1つまたは複数の気体反応物を反応器に導入するための反応器シェル内のガス入口と、
スラリー流路の上のシェル内のヘッド空間からガスを取出すためのシェル内のガス出口とを含む三相スラリー反応器を提供する。
【0035】
仕切り壁またはプレートの少なくともいくつかが、熱伝達媒体流空間または流路を画定することができる。熱伝達媒体流流路は、また、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、横幅、および幅を有することができる。
【0036】
仕切り壁またはプレートの熱伝達表面などの、反応器の熱伝達表面を、任意に、それらの熱伝達表面積を増加させるために、または、熱伝達係数を向上させるために、成形またはテクスチャー加工することができる。成形またはテクスチャー加工は、当業者に知られている他の方法の中で、ディンプル付、リブ付、またはフィン付壁またはプレートの使用を含むことができる。
【0037】
流路は、上に説明された通りであることができる。
【0038】
したがって、スラリー流路は、反応器シェルの内側のスラリーゾーン内に配置される。スラリーゾーンは、スラリー流路の少なくともいくつかが、それらの開いた上端の上でスラリー流連通することができるように、スラリー流路の開いた上端より上の標準スラリーレベルを有することができる。
【0039】
反応器は、使用中、スラリーが、スラリーゾーン内の高いレベルから、そのより低いレベルに進むことができる1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管を含むことができる。
【0040】
本発明の第4の態様によれば、三相スラリー反応器であって、
使用中、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリーを収容する、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路を収容する反応器シェルであって、スラリー流路が、反応器シェルの内側のスラリーゾーン内に配置され、スラリーゾーンは、スラリー流路の少なくともいくつかが、それらの開いた端部の上でスラリー流連通するように、スラリー流路の開いた上端より上の標準スラリーレベルを有する、反応器シェルと、
1つまたは複数の熱伝達媒体流空間であって、使用中、間接的な熱伝達関係の熱伝達が、スラリー流路内のスラリーと1つまたは複数の熱伝達媒体流空間内の熱伝達媒体との間で生じることができるように、スラリー流路を1つまたは複数の熱伝達媒体流空間から分離するスラリー流路の壁によって画定される、1つまたは複数の熱伝達媒体流空間と、
スラリーが、スラリーゾーン内の高いレベルから、そのより低いレベルに進むことができる1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管と、
1つまたは複数の気体反応物を反応器に導入するための反応器シェル内のガス入口と、
スラリー流路の上のシェル内のヘッド空間からガスを取出すためのシェル内のガス出口と、
必要に応じて、スラリーまたは懸濁液を、反応器に加えるか、反応器から取出すための液体入口とを含む三相スラリー反応器を提供する。
【0041】
スラリー流路の少なくともいくつかが、スラリー流路の開いた下端の下でスラリー流連通することができる。スラリー流路は、スラリー流路の開いた上端および開いた下端を通る以外の、スラリー流路からのまたはスラリー流路内へのスラリー流を防止するように構成された壁を有することができる。換言すれば、壁は、典型的には、スラリー流路間の、半径方向のまたは横方向のスラリー流を防止し、スラリー流路は、完全に個別化された反応チャンバである。
【0042】
本発明の第4の態様による反応器内のスラリー流路は、チューブシート間の垂直に延在するチューブによって画定することができ、熱伝達媒体流空間は、チューブシート間に画定され、チューブを囲む。チューブは、典型的には、少なくとも約10cmの直径を有する。
【0043】
代わりに、スラリー流路は、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定することができ、熱伝達媒体流空間は、また、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、少なくともいくつかのスラリー流路が、共通のまたは共有の仕切り壁またはプレートによって、隣接した熱伝達媒体流空間から分離される。
【0044】
仕切り壁またはプレートは、互いに平行であることができ、上に説明されたように、スラリー流路および熱伝達媒体流空間を画定する。典型的には、仕切り壁またはプレートは、平面図で見ると、円筒形反応器シェルの弦と対応する。
【0045】
スラリー流路が仕切り壁によって画定される場合、スラリー流路および熱伝達媒体流空間を交互に配列することができる。したがって、おそらくは半径方向に外側のスラリー流路以外、各スラリー流路の両側に2つの熱伝達媒体流空間を配置するか、各スラリー流路を2つの熱伝達媒体流空間の間に挟むことができる。
【0046】
仕切り壁またはプレートまたはチューブの熱伝達表面などの、反応器の熱伝達表面を、任意に、滑らかな仕切り壁または滑らかな円筒形チューブのものと比較して、それらの熱伝達表面積を増加させるために、または、熱伝達係数を向上させるために、成形またはテクスチャー加工することができる。成形またはテクスチャー加工は、当業者に知られている他の方法の中で、ディンプル付、リブ付、またはフィン付壁またはプレートまたはチューブの使用を含むことができる。
【0047】
任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とともに、スラリー流路は、反応器モジュールまたは副反応器(sub−reactors)でともにグループ化することができる。副反応器は、反応器シェルの断面積にわたって水平に配置することができる。副反応器が、それを隣接した水平に隔置された副反応器から分離する、垂直に延在する側壁を有することができる。垂直に延在する側壁は、隣接した水平に配置された副反応器の間で、隣接した水平に配置された副反応器のスラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止するように構成することができる。
【0048】
水平に配置されたまたは水平に隔置された隣接した副反応器のスラリー流路は、スラリー流路が仕切り壁またはプレートによって画定される場合、各々、横幅軸を有することができ、隣接した水平に配置された副反応器のスラリー流路の横幅軸は平行である。代わりに、隣接した水平に配置された副反応器の横幅軸は直角であることができる。したがって、そのような実施形態において、副反応器の端部仕切り壁が、副反応器を水平に配置された隣接した副反応器から分離する側壁を形成することができる。
【0049】
反応器は、垂直に隔置された反応器モジュールまたは副反応器を含むことができ、1つまたは複数の下部副反応器のスラリー流路の開いた上端は、1つまたは複数の上部副反応器のスラリー流路の開いた下端の下にある。
【0050】
反応器は、上部副反応器と下部副反応器との間の中間ゾーンを含むことができる。中間ゾーンは、1つまたは複数の上部副反応器のスラリー流路と、および1つまたは複数の下部副反応器のスラリー流路と流れ連通することができる。換言すれば、中間ゾーン内に開くスラリー流路の開いた端部の間の横方向流を防止するバリヤがない中間ゾーンを有することによって、中間ゾーン内のスラリーの横方向のまたは水平の流れまたは混合を可能にすることができる。
【0051】
反応器は、上部副反応器と下部副反応器との間の中間ゾーン内へのガス入口を含むことができる。ガス入口はリサイクルガス入口であることができる。ガス入口は、反応器シェルの断面積の一部にのみガスを導入するように構成することができる。換言すれば、ガス入口は、使用時に反応器の選択された断面領域のみに、たとえば、特定の副反応器または特定のスラリー流路のみにガスを供給するように、配置することができる。
【0052】
1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管が、スラリー流路、または上部副反応器のスラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、スラリー流路、または下部副反応器のスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで延在することができる。
【0053】
代わりに、下降管ゾーンまたは下降管の1つ以上が、副反応器内のスラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、副反応器のスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで、しばしば、副反応器の下の中間ゾーン内に延在することができる。垂直に隔置された副反応器の下降管ゾーンまたは下降管が、平面図において互い違いであることができるか、位置合せされることができる。
【0054】
下降管または下降管ゾーンを、下降管または下降管ゾーンとして機能するように適合されたスラリー流路によって画定することができる。そのような適合されたスラリー流路は、たとえばバッフルなどのガス供給防止デバイスを有することができるか、それと関連させることができるか、そのような適合されたスラリー流路は、その上端においてデガッサを有することができるか、それと関連させることができる。
【0055】
下降管ゾーンまたは下降管が、1つまたは複数の熱伝達媒体流空間を含むことができ、および/または、それは、固体粒子を懸濁液から分離するためのフィルタを含むことができる。
【0056】
熱伝達媒体流空間は、流路の形態の場合、端部が閉じており、熱伝達媒体インレットアレイ(arrangement)およびアウトレットアレイが設けられる。熱伝達媒体インレットアレイおよびアウトレットアレイは、閉端を通って、すなわち、軸方向にまたは垂直に、流路内に開くことができるか、熱伝達媒体流流路または空間は、横方向にまたは水平に流れ連通することができ、1つおきの流れ空間が、流れ連通し、間にある流れ空間からシールされるプレート熱交換器を連想させる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による三相スラリー反応器の一実施形態の概略断面立面図を示す。
【図2】本発明による三相スラリー反応器の別の実施形態の概略断面立面図を示す。
【図3】本発明による三相スラリー反応器のいくつかの反応器モジュールまたは副反応器および下降管または下降管ゾーンの概略三次元図を示す。
【図4】図3の反応器モジュールおよび下降管の概略上面図を示す。
【図5】本発明による三相スラリー反応器のいくつかの上部および下部反応器モジュールまたは副反応器ならびに下降管の概略三次元図を示す。
【図6】下降管があるまたは下降管がない、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図7】下降管があるまたは下降管がない、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図8】下降管があるまたは下降管がない、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図9】下降管があるまたは下降管がない、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図10】ガスの段階導入およびさまざまな下降管配列を伴う、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図11】ガスの段階導入およびさまざまな下降管配列を伴う、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図12】ガスの段階導入およびさまざまな下降管配列を伴う、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態の概略断面立面図を示す。
【図13】本発明による三相スラリー反応器の仕切り壁のさまざまな配列の概略上面図を示す。
【図14】本発明による三相スラリー反応器の仕切り壁のさまざまな配列の概略上面図を示す。
【図15】本発明による三相スラリー反応器の仕切り壁のさまざまな配列の概略上面図を示す。
【図16】本発明による三相スラリー反応器の仕切り壁のさまざまな配列の概略上面図を示す。
【図17】さまざまな下降管配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図18】さまざまな下降管配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図19】さまざまな下降管配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図20】さまざまな下降管配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図21】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図22】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図23】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図24】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図25】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図26】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図27】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【図28】水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器および下降管ゾーンのさまざまな配列を示す、本発明によるさまざまな三相スラリー反応器の概略断面平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
ここで、本発明を、添付の概略図面を参照して、例として説明する。
【0059】
図面の図1を参照すると、参照符号10は、一般に、本発明による三相スラリー反応器の一実施形態を示す。反応器10は、複数の垂直に延在する水平に隔置された平行な仕切り壁またはプレート14を収容する反応器シェル12を含む。プレート14は複数のスラリー流路16を画定する。
【0060】
シェル12は円筒形であり、プレート14は、平面図で見ると、シェル12の弦と対応するか、シェル12の弦上に位置する。各スラリー流路16は、その高さおよびその横幅と比較して、比較的小さい幅、すなわち、プレート14間の間隔を有し、その横幅は、図面が示されたページ面に直行する軸に沿っている。
【0061】
図面に示されていないが、仕切り壁またはプレート14の少なくともいくつかを、それらの熱伝達表面積を増加させるために、または、熱伝達係数を向上させるために、成形またはテクスチャー加工することができる。成形またはテクスチャー加工は、当業者に知られている他の方法の中で、ディンプル付、リブ付、またはフィン付壁またはプレートの使用を含むことができる。
【0062】
反応器10はまた、スラリー流路16の下のスパージャアレイ20内に通じるガス入口18を含む。スラリー流路16の上のヘッド空間24と流れ連通するガス出口22が設けられる。液体出口26は、スラリー流路16の下の、反応器10の底部から通じているが、任意の好都合なレベルに位置することができる。
【0063】
反応器10は、反応器10の底部から、参照符号28および30によって示された標準スラリーレベルまで延在するスラリーゾーンを有する。図1に見ることができるように、標準スラリーレベル28は、こうして、スラリー流路16の開いた上端より下であることができるか、標準スラリーレベル30は、スラリー流路16の開いた上端より上であることができ、それにより、使用中、プレート14を完全に沈める。
【0064】
反応器10などのスラリー反応器において、スラリー流路16が反応器10の底部内に開くところで、スラリー流路16間には、制限された相互作用があるか、あるいは実質的にはないであろう。スラリー流路16によって画定された反応空間は、本質的に二次元であり、スラリー流路が本質的に互いに独立して動作される場合、反応器シェル12の直径への依存が大いにまたは完全になくなる。これは、スケールアップを促進し、というのは、1つまたは少数のスラリー流路からなる代表的なユニットを、商業規模反応器寸法から、別々にかつ独立して、研究することができるからである。
【0065】
プレート14がスラリー体中に完全に沈められないとき、すなわち、標準スラリーレベルがレベル28であるとき、反応器10は、本質的に、平行な垂直に延在する二次元三相スラリー塔のスタックとして挙動する。混合、ガスホールドアップ、ならびに熱伝達および物質移動に関連する、これらの二次元塔と従来の三次元塔との間の差を、有利に用いることができる。
【0066】
標準スラリーレベルがレベル30によって示される、完全に沈められたプレート14の場合、さらに多くの可能性を示す。スラリー流路16にわたるスラリー循環流パターンを確立することができ、スラリー流路16内の相のより良好な栓流特徴、スラリー全体にわたる、より均一な固形分分布、およびより高い熱伝達係数(熱伝達配列を有する反応器を、後で、より詳細に説明する)を考慮する。
【0067】
図面の図2を参照すると、参照符号100は、一般に、本発明による三相スラリー反応器の別の実施形態を示す。反応器100は、多くの点で反応器10と同様であり、したがって、特に明記しない限り、同じ参照符号は、同じまたは同様の部分または特徴を示すために使用される。反応器100において、熱伝達媒体流路32が、また、プレート14のいくつかの間に画定される。熱伝達媒体流路32は、閉じた下端および上端を有するが、それらの端部で互いに、および熱伝達媒体インレットアレイおよびアウトレットアレイ(図示せず)と流れ連通する。したがって、使用中、熱伝達媒体を、上方にまたは下方に、熱伝達媒体流路32を通過させることができる。
【0068】
スラリー流路16および熱伝達媒体流路32は交互に配列され、反応器100の特定の構造によって、おそらくは半径方向に外側のスラリー流路16以外、各スラリー流路16の両側に2つの熱伝達媒体流路32が配置されるか、各スラリー流路16が2つの熱伝達媒体流路32の間に挟まれる。
【0069】
反応器100において、スラリー流路16および熱伝達媒体流路32は、上部プレートバンクまたは上部副反応器34を画定する上部グループ、および下部プレートバンクまたは下部副反応器36を画定する下部グループにグループ化される。上部副反応器34は下部副反応器36から垂直に隔置され、上部副反応器34のスラリー流路16の開いた下端は、下部副反応器36のスラリー流路16の開いた上端の上である。上部副反応器34と下部副反応器36との間に、中間ゾーン38が画定される。リサイクルガス入口であり、参照符号40によって示されるガス入口が、反応器100の2つの対角線上に反対の側から中間ゾーン38に入る。各リサイクルガス入口40は、スパージャアレイ42と関連する。
【0070】
デガッサ46を有する下降管44が、反応器シェル12内に中心に設けられ、上部副反応器34のスラリー流路16の開いた上端の上から、上部副反応器34のスラリー流路16の開いた下端の下まで、すなわち、中間ゾーン38内に延在する。反応器シェル12と下部副反応器36のプレート14との間に、環状下降管ゾーン48が画定される。認められるように、スパージャアレイ42は、下降管44にガスを供給しないように構成され、スパージャアレイ18は、下降管ゾーン48にガスを供給しないように構成される。理解されるように、下降管44は、実際には、下降管ゾーン48に対して互い違いであり、矢印50によって示されているようなスラリーリサイクル流または再分配流を確実にする。
【0071】
反応器100は、原理的には、三相スラリー反応器を必要とする、およびスラリーへのまたはスラリーからの熱伝達を必要とする多くのプロセスに適している。しかし、ここで、1つの用途のみ、すなわち、炭化水素合成を説明する。
【0072】
使用中、気体反応物としての、主として、一酸化炭素と、水素とを含む新しい合成ガスが、ガス入口18およびスパージャアレイ20を通って、反応器100の底部内に供給される。スパージャアレイ20によって、合成ガスは、反応器100の底部内に存在するスラリー全体にわたって均一に分配される。同時に、典型的には、水素と、一酸化炭素と、メタンと、二酸化炭素とを含むリサイクルガス流(典型的には冷却された)が、リサイクルガス入口40およびスパージャアレイ42を通って反応器100に戻される。リサイクルガス流のすべてを、リサイクルガス入口40によって、中間ゾーン38内に供給することができるか、必要に応じて、リサイクルガス流の一部を、ガス入口18によって、反応器100の底部に戻すことができる。
【0073】
スパージャアレイ42によって、上部副反応器34のスラリー流路16は、リサイクルガスで特にターゲットにされ、下降管44は回避される。リサイクルガス入口40を使用することによって、リサイクルガスの一部が、反応器100の、スパージャアレイ42の下の部分内に配置されたスラリーを迂回するようにさせることが可能である。このように、反応器100内の総ガスホールドアップを低減することができ、それにより、意外なことに、反応器の能力を向上させる。
【0074】
新しい合成ガスと、あらゆるリサイクルガスとを含む気体反応物は、上部副反応器34および下部副反応器36のスラリー流路16を占め、反応器100の底部からレベル30まで延在するスラリー体52を通って上方に進む。スラリー体52は、液体生成物(主にろう)中に懸濁された、フィッシャー−トロプシュ触媒粒子、典型的には鉄またはコバルト系触媒を含む。スラリー体52は、上部副反応器34のスラリー流路16の開いた上端より上の、かつデガッサ46より上のスラリーレベル30を有するように制御される。
【0075】
合成ガスがスラリー体52を通って泡立つとき、その中の気体反応物は、触媒作用によって、かつ発熱を伴って反応して、液体生成物を形成し、したがって、これはスラリー体52の一部を形成する。ときどき、または連続的に、液体生成物を含むスラリーまたは液相が、液体出口26を通って取出され、それにより、スラリーレベル30は制御される。触媒粒子は、たとえばフィルタ(図示せず)を使用する、適切な内部または外部分離システム内で、液体生成物から分離される。分離システムが反応器100の外部に配置される場合、分離された触媒粒子を反応器100に戻すための付加的なシステム(図示せず)が設けられる。
【0076】
新しい合成供給ガスおよびリサイクルガスは、沈降を伴わずに、反応器100の内側の触媒粒子のすべてを撹拌し懸濁させるのに十分な速度で、反応器100に導入される。ガス流量は、用いられるスラリー濃度、触媒密度、懸濁媒体密度および粘度、ならびに特定の粒度によって選択される。適切なガス流量は、たとえば、約5cm/sから約50cm/sを含む。しかし、約85cm/sまでのガス速度が気泡塔においてテストされている。より高い速度の使用は、それが、触媒含有スラリーを収容するために比較的より小さい空間を残す、反応器内のより高いガスホールドアップを伴うという欠点を有する。いかなるガス流量がいかに選択されようとも、それは、反応器100内の粒子沈降および凝集を回避するのに十分でなければならない。
【0077】
多少のスラリーが、矢印50によって示されているように、下降管44および下降管ゾーン48を通って下方に連続的に進み、それにより、スラリー体52中の触媒粒子の再分配を達成し、かつ、スラリー体52全体にわたる均一な熱再分配を促進する。理解されるように、下降管または下降管ゾーンの配列によって、反応器100の選択された垂直に延在する領域にわたるスラリー再分配が可能である。
【0078】
反応器100は、スラリー流路16内のスラリー体52が、不均質または撹拌乱流(churn−turbulent flow)領域内にあり、かつ、スラリー体52を事実上栓流態様で横切る、速く上昇する気体反応物および気体生成物のより大きい気泡からなる希薄相と、液体生成物、固体触媒粒子、および同伴された気体反応物および気体生成物のより小さい気泡を含む高密度相とを含むように動作される。スラリー流路16の使用によって、反応器100全体の栓流挙動は促進され、というのは、各スラリー流路16が、反応器シェル12のアスペクト比を十分に超える、高さおよび幅が考慮されたときの高アスペクト比を有するからである。
【0079】
好ましくは、下降管ゾーン44および48内のスラリーの下降流速度は十分に高く、スラリー流路16内にスラリーの下方流は実質的にない。このように、下降管ゾーン44および48内の下方、およびスラリー流路16内の上方以外のマクロ混合パターンの確立は、大幅になくなる。
【0080】
スラリー体52は、上部副反応器34および下部副反応器36内の、交互の、端部の開いたスラリー流路16内に存在する。冷却媒体としてのボイラ供給水が、端部の閉じた熱伝達媒体流路32を通って循環されて、発熱反応の熱を除去する。理解されるように、プレート14は、ボイラ供給水への間接的な熱伝達によって、スラリー体52から熱を除去するための大きい熱伝達表面積を提供する。
【0081】
C20以下のフラクションなどの軽質炭化水素生成物が、反応器100からガス出口22を通って取出され、分離ユニット(図示せず)に送られる。典型的には、分離ユニットは、一連の冷却器と、気液分離器とを含み、任意に、さらなる冷却器および分離器、ならびに場合により、C20以下の炭化水素フラクションからの、水素、一酸化炭素、メタン、および二酸化炭素の除去のための極低温ユニットも含むことができる。膜ユニット、圧力スイング吸着ユニット、および/または二酸化炭素の選択的な除去のためのユニットなどの他の分離技術を用いることができる。窒素と、一酸化炭素と、他のガスとを含む分離されたガスは、圧縮機(図示せず)によって圧縮されリサイクルされて、リサイクルガス流を提供する。凝縮された液体炭化水素および反応水が、さらなる後処理(working−up)のため、分離ユニットから取出される。
【0082】
示されているような反応器100は、反応器100へのガスのリサイクルを可能とするものであるが、必ずしもその態様とは限らずに、リサイクルガス流がすべての実施形態において使用されることが理解されるべきである。
【0083】
プレート14の存在の結果として、スラリー流路16間で、それらの開いた上端とそれらの開いた下端との間のすべての高さにおいて、スラリー流連通は行なわれない。しかし、上部副反応器34のスラリー流路16の開いた上端の上では、スラリーの流れに制限はない。同様に、中間ゾーン38内では、および下部副反応器36のスラリー流路16の開いた下端の下では、スラリーの流れに制限はない。
【0084】
本発明による三相スラリー反応器が、複数の水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器を含むことができ、したがって、これらは、反応器シェル12の内側で同じ高さにあるが、反応器シェル12の断面積にわたって配置される。図3および図4において、少数のこれらの水平に配置された反応器モジュールまたは副反応器またはプレートバンクが示され、参照符号60によって示されている。参照符号62によって示された下降管ゾーンが、副反応器60と関連する。スパージャアレイ64が、副反応器60および下降管ゾーン62の下に設けられる。
【0085】
認められるように、下降管ゾーン62は、また、副反応器60と同じように、複数の垂直に延在する仕切り壁またはプレート14を含む。しかし、スパージャアレイ64は、下降管ゾーン62にガスを供給せず、ゾーン62が、副反応器またはライザとしてではなく、下降管として機能することを可能にする。
【0086】
副反応器60と同様に、下降管ゾーン62は、交互に配列されたスラリー流路および熱伝達媒体流路を有する。
【0087】
図3および図4において、副反応器60および下降管ゾーン62の高さは、等しいように示されている。しかし、それらが、高さ、幅、および流路横幅が異なることができることが理解されるべきである。
【0088】
図4に交差矢印61によって示されているように、スラリー流路の開いた上端の上、およびスラリー流路の開いた下端の下以外は、副反応器60間で、または副反応器60と下降管ゾーン62との間で、スラリー交換がない。
【0089】
副反応器またはプレートバンクの平行なプレートは、図13に示されているように、開いた側を有する流路16を画定することができるか、副反応器は、図14に示されているように、側壁63を有することができる。流路16の側が、図14に示されているように、側壁63によって閉じられるとき、開口が側壁63に設けられない限り、1つのそのような副反応器の流路16内のスラリーと隣接した副反応器の流路16内のスラリーとの間に相互作用がないことができる。当然、側壁は、1つを超える副反応器またはプレートバンクを囲むことができる。
【0090】
2つの副反応器が、図15に示されているように、それらのプレート14が平行な状態で、かつ、側壁の不在下で、配列されるとき、1つの副反応器の流路16内のスラリーが、隣接した副反応器の流路16内のスラリーと相互作用することができる。図16に示されているように、隣接した副反応器のプレート14が直角であるとき、1つの副反応器の端部プレートが、実際には、側壁を画定し、2つの副反応器の流路16内のスラリーの間の相互作用を防止する。
【0091】
図面の図5を参照すると、上部副反応器34および下部副反応器36、ならびに2つの下降管または下降管ゾーン62が、示されている。1つが上部副反応器34の下、1つが下部副反応器36の下の、2つのスパージャアレイ64も、示されている。図5に示された反応器レイアウトにおいて、下降管または下降管ゾーン62は、上部副反応器34のスラリー流路の開いた上端から、中間ゾーン38を通って、下部副反応器36の開いた下端の下まで、実際には、下部スパージャアレイ64の下まで延在する。この配列では、既知の制御されたパターンの、スラリーの大規模軸方向循環を達成することができる。隣接した副反応器34.aおよび34.bまたは36.aおよび36.bの間の制限されたスラリー交換を考慮することも可能である。理解されるように、スラリー流路は、所望の熱伝達表面積、水力直径などを有するように設計することができ、必要に応じて、付加的なガススパージングを、中間ゾーン38内に、垂直に隔置された副反応器の間に設置することができ、内部濾過デバイスを、中間ゾーン38内に、または下降管もしくは下降管ゾーン62の1つに設置することができる。フィルタなどの内部装置(internals)を下降管または下降管ゾーン内に配置することの1つの利点は、下降管ゾーン内で生じる、低減されたガスホールドアップおよび比較的高い速度である。下降管または下降管ゾーン62の位置を選択し、それらを反応器シェル12の断面積上の特定の位置に配置することによって、大規模スラリー循環に激しく影響を及ぼして、所望の目的を達成することができる。
【0092】
下降管または下降管ゾーンは、三相スラリー反応器の高さに対して、固形分ホールドアッププロファイルおよび温度プロファイルを平らにするのに役立つことができる。しかし、同時に、それらは、時には望ましくないことがある軸方向の混合を誘起する。設計によって、軸方向の混合を促進することができる(一種のライザ−下降管動作モードをもたらす)か、反応器の栓流特徴を促進するために、それを抑制することができる。
【0093】
図6から図9は、さまざまな下降管配列を有する、本発明による三相スラリー反応器のさまざまな実施形態を示す。図6において、反応器は、4の垂直に隔置された副反応器またはプレートバンクを有し、下降管がない。図3において、副反応器またはプレートバンクを通って直線状に軸方向に延在する頂部から底部までの下降管を使用することができることが示されている。図8は、どのように、各副反応器またはプレートバンク内の下降管を、下降管が、平面図で見ると、上部副反応器またはプレートバンクと下部副反応器またはプレートバンクとの間で互い違いであるように配列することができるかを示す。図9は、仕切り壁またはプレートが、実質的に、反応器の全長、底部領域からヘッド空間領域まで延在し、1つの下降管が、ヘッド空間から底部領域まで延在する三相スラリー反応器を示す。
【0094】
下降管または下降管ゾーンのさまざまな配列が、図17から図20に示されており、下降管または下降管ゾーンは、参照符号70によって示されている。図17において、下降管ゾーン70は、反応器シェル12の断面積にわたって分配される。図18において、下降管ゾーン70は、反応器シェル12に隣接し、平面図でほぼ環状である。図19の下降管ゾーン70は、反応器シェル12の1つの側に対してあり、図20において、下降管ゾーン70は中心に配置される。
【0095】
副反応器および下降管または下降管ゾーンのために選択された配列によって、反応器内の異なる上昇流ゾーン(スラリー流路によって画定された)の間のスラリー流相互作用を可能にするか防止すること、ならびに、これらの上昇流ゾーンと下降流ゾーン(下降管または下降管ゾーンによって画定された)との間の相互作用を防止または拒否することが可能である。したがって、反応器100などの反応器において、図2に参照符号72によって示された高さなどの特定の高さで、多くの構成が可能であり、これらのいくつかが、図面の図21から図28に示されている。
【0096】
図21において、下降流ゾーン70は、反応器シェル12の複数の側に対してある。参照符号74によって示された各副反応器は、側壁を有し、それにより、副反応器74間の、および副反応器74と下降流ゾーン70との間のスラリー相互作用を防止する。
【0097】
図22の副反応器74は側壁を有さず、隣接した副反応器74のスラリー流路は平行である。したがって、これらのスラリー流路内のスラリーは、相互作用することができる。対照的に、図23において、隣接した副反応器74のスラリー流路は直角に配列される。個別の副反応器74は側壁を有さないが、25個の副反応器のグループは側壁76を有する。副反応器74はわずかに隔置され、隣接した副反応器74の間の制限されたスラリー相互作用を可能にするが、プレートの直角の配列は、隣接した副反応器74の間のより自由なスラリー相互作用を防止する。上昇流ゾーン、すなわち、副反応器74と下降管ゾーン70との間でのスラリー相互作用は行なわれない。
【0098】
図24において、副反応器74には、すべて、側壁が設けられ、下降管ゾーン70は分配される。したがって、副反応器74間で、または副反応器74と下降管ゾーン70との間でスラリー相互作用がない。対照的に、図25において、副反応器74は側壁を有さず、下降管ゾーン70はシェル12に隣接しているだけである。副反応器74間の、および副反応器74と下降管ゾーン70との間の実質的なスラリー相互作用が、生じることができる。図26において、副反応器74は、再び、側壁がないが、多くが、それらのスラリー流路が隣接した副反応器74のスラリー流路に直角である状態で配列される。したがって、隣接した副反応器74の間で、および副反応器74と下降管ゾーン70との間でいくらかの相互作用があるが、スラリー相互作用は、図25に示された反応器の場合より制限される。
【0099】
図27は、図26に示された反応器と同様の反応器を示すが、図27の反応器の場合、下降管ゾーン70は反応器の断面積にわたって配置される。
【0100】
図28において、下降管ゾーン70は、反応器シェル12の1つの側に対して配置される。副反応器74間のわずかな間隔の結果として、それらは直角の角度で配列されるが、副反応器74間で制限されたスラリー相互作用がある。バリヤまたは側壁76が、副反応器74内のスラリーと下降管ゾーン70内のスラリーとの間のスラリー相互作用を実質的に防止する。
【0101】
さまざまなガススパージング手法が、図10から図12に示されている。図10において、ガスは2つの段階で導入され、ガスの一部が、反応器の底部領域に入り、ガスの別の部分が、2つの副反応器またはプレートバンクの間の中間ゾーンに入る。図11および図12において、ガススパージャは、下降管または下降管ゾーンとの組合せで示されている。はっきり見ることができるように、底部および中間ゾーンの両方において、反応器の断面積の一部のみにガスを供給することが可能である。
【0102】
したがって、本発明の方法および装置は、スラリー流反応器設計をアップスケールするときのリスクを大きく低減することができる。というのは、マクロ規模混合パターンの形成が、スラリー流路の存在によって大いに防止されるからである。さらに、特に下降管または下降管ゾーンを含む設計の場合に、反応ゾーンは、既知の見かけ上方液体流量(upward superficial liquid flow rate)および既知の見かけ上方ガス速度(upward superficial gas velocity)が存在する、いくつかのスラリー流路からなる。これらのスラリー流路は、試行およびモデル化が可能であり、設計者に、大規模反応器混合パターンの、より大きい程度の制御を与える。さらに、スラリー流路は、熱交換器表面によって形成される。これは、蛇状冷却コイルが使用される標準設計に比べ、これらの設計に対し、大いに向上された熱除去能力をもたらす。利用可能な熱除去表面積が、増加されるだけでなく、また、反応器中により均一に広がる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相スラリー反応器を動作させる方法であって、
低いレベルで、少なくとも1つの気体反応物を、垂直に延在する、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリー体中に供給する工程であって、前記スラリー体が、共通反応器シェルの内側の、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路内に収容され、前記スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、各スラリー流路は、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有する工程と、
前記気体反応物を、前記スラリー流路内に存在する前記スラリー体を通って上方に進むときに反応させ、それにより、非気体および/または気体生成物を形成する工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、前記スラリー体の上のヘッド空間内で、前記スラリー体から離脱させる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、前記ヘッド空間から取出す工程と、
必要に応じて、存在する場合には非気体生成物を含むスラリーまたは懸濁液を取出すことによって、または、スラリーまたは懸濁液を加えることによって、前記スラリー体を所望のレベルに維持する工程とを含む方法。
【請求項2】
前記スラリー流路の少なくともいくつかが、前記スラリー流路の上端の上でスラリー流連通する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スラリー流路の少なくともいくつかの仕切り壁またはプレートが、前記スラリー流路を隣接した熱伝達媒体流空間から分離し、前記方法が、熱伝達媒体を、前記熱伝達媒体流空間を通過させて、前記スラリー流路内に存在する前記スラリー体と間接的な関係で熱を交換する工程を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
三相スラリー反応器を動作させる方法であって、
低いレベルで、少なくとも1つの気体反応物を、垂直に延在する、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリー体中に供給する工程であって、前記スラリー体が、共通反応器シェルの内側の、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路内に収容され、前記スラリー流路の少なくともいくつかが、前記スラリー流路の開いた上端の上でスラリー流連通し、前記スラリー流路の少なくともいくつかが、前記スラリー流路を1つまたは複数の熱伝達媒体流空間から分離する壁によって画定される工程と、
前記気体反応物を、前記スラリー流路内に存在する前記スラリー体を通って上方に進むときに反応させ、それにより、非気体および/または気体生成物を形成する工程と、
熱伝達媒体を、前記1つまたは複数の熱伝達媒体流空間を通過させて、前記スラリー流路内に存在する前記スラリー体と間接的な関係で熱を交換する工程と、
前記反応器シェルの内側の1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管を使用して、スラリーを、前記スラリー体中の高いレベルから、そのより低いレベルに下方に進ませる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、前記スラリー体の上のヘッド空間内で、前記スラリー体から離脱させる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、前記ヘッド空間から取出す工程と、
必要に応じて、存在する場合には非気体生成物を含むスラリーまたは懸濁液を取出すことによって、または、スラリーまたは懸濁液を加えることによって、前記スラリー体を所望のレベルに維持する工程とを含む方法。
【請求項5】
前記スラリー流路の少なくともいくつかが、前記スラリー流路の開いた下端の下でスラリー流連通し、前記方法が、前記スラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止する工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記スラリー流路が、チューブシート間の垂直に延在するチューブによって画定され、前記熱伝達媒体流空間が、前記チューブシート間に画定され、前記チューブを囲む、請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定され、熱伝達媒体流空間が、また、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、前記スラリー流路の少なくともいくつかが、共通のまたは共有の仕切り壁またはプレートによって、隣接した熱伝達媒体流空間から分離され、前記仕切り壁またはプレートの少なくともいくつかが、互いに平行であり、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有するスラリー流路および熱伝達媒体流空間を画定する、請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記下降管ゾーンまたは下降管内のスラリーの下方流が、前記スラリー流路内にスラリーの下方流が実質的にないほど十分に高い、請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記固体粒子が、前記1つまたは複数の気体反応物の、液体生成物および/または気体生成物への反応を触媒するための触媒粒子であり、前記懸濁液が、場合によっては前記液体生成物を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記反応がフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記スラリー流路が、少なくとも0.5mの高さを有し、前記スラリー流路が、水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定され、前記スラリー流路が、2cmから50cmの範囲内の幅を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スラリー流路が、0.2mから1mの範囲内の横幅を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記反応器シェルが、少なくとも1mの直径を有する、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
垂直に延在する水平に配置された反応器ゾーンが、前記反応器シェルの内側に画定され、各水平に配置された反応器ゾーンが、複数のスラリー流路と、任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とを含み、前記方法が、隣接した垂直に延在する水平に配置された反応器ゾーンの間で、および、水平に配置された反応器ゾーン内の前記スラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止する工程を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
スラリー流路が、水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定され、水平に配置された反応器ゾーンは、前記水平に配置された反応器ゾーンの1つの中の端部仕切り壁またはプレートが、実際には、前記隣接した水平に配置された反応器ゾーンの側壁を形成するように、前記仕切り壁またはプレートを、隣接した水平に配置された反応器ゾーン内に直角の角度で配置することによって画定される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
各々が、複数のスラリー流路と、任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とを含む、垂直に隔置された反応器ゾーン内に、前記スラリー体を収容する工程を含み、中間スラリーゾーンが、前記垂直に隔置された反応器ゾーンの間に画定される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記下降管ゾーンまたは下降管の1つ以上が、前記スラリー流路の、または存在する場合には上部の垂直に隔置された反応器ゾーン内のスラリー流路の、開いた上端またはそれらの上から、前記スラリー流路の、または存在する場合には底部の垂直に隔置された反応器ゾーン内のスラリー流路の、開いた下端またはそれらの下まで延在し、および/または、前記下降管ゾーンまたは下降管の1つ以上が、反応器ゾーンのスラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、前記反応器ゾーンのスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで延在する、請求項4または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
三相スラリー反応器であって、
使用中、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリーを収容する、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路を収容する反応器シェルであって、前記スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、各スラリー流路は、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有する、反応器シェルと、
1つまたは複数の気体反応物を前記反応器に導入するための前記反応器シェル内のガス入口と、
前記スラリー流路の上の前記シェル内のヘッド空間からガスを取出すための前記シェル内のガス出口とを含む三相スラリー反応器。
【請求項19】
前記仕切り壁またはプレートの少なくともいくつかが、少なくとも部分的に、熱伝達媒体流空間または流路を画定する、請求項18に記載の反応器。
【請求項20】
スラリーゾーンは、前記スラリー流路の少なくともいくつかが、それらの開いた上端の上でスラリー流連通するように、前記スラリー流路の開いた上端より上の標準スラリーレベルを有する、請求項18または請求項19に記載の反応器。
【請求項21】
三相スラリー反応器であって、
使用中、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリーを収容する、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路を収容する反応器シェルであって、前記スラリー流路が、前記反応器シェルの内側のスラリーゾーン内に配置され、前記スラリーゾーンは、前記スラリー流路の少なくともいくつかが、それらの開いた端部の上でスラリー流連通するように、前記スラリー流路の開いた上端より上の標準スラリーレベルを有する、反応器シェルと、
1つまたは複数の熱伝達媒体流空間であって、使用中、間接的な熱伝達関係の熱伝達が、前記スラリー流路内のスラリーと前記1つまたは複数の熱伝達媒体流空間内の熱伝達媒体との間で生じることができるように、前記スラリー流路を前記1つまたは複数の熱伝達媒体流空間から分離する前記スラリー流路の壁によって画定される、1つまたは複数の熱伝達媒体流空間と、
スラリーが、前記スラリーゾーン内の高いレベルから、そのより低いレベルに進むことができる1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管と、
1つまたは複数の気体反応物を前記反応器に導入するための前記反応器シェル内のガス入口と、
前記スラリー流路の上の前記シェル内のヘッド空間からガスを取出すための前記シェル内のガス出口と、
必要に応じて、スラリーまたは懸濁液を、前記反応器に加えるか、または前記反応器から取出すための液体入口とを含む三相スラリー反応器。
【請求項22】
前記スラリー流路の少なくともいくつかが、前記スラリー流路の開いた下端の下でスラリー流連通し、前記スラリー流路が、前記スラリー流路の開いた上端および開いた下端を通る以外の、前記スラリー流路からのまたは前記スラリー流路内へのスラリー流を防止するように構成された壁を有する、請求項21に記載の反応器。
【請求項23】
前記反応器内の前記スラリー流路が、チューブシート間の垂直に延在するチューブによって画定され、前記熱伝達媒体流空間が、前記チューブシート間に画定され、前記チューブを囲む、請求項21または請求項22に記載の反応器。
【請求項24】
前記スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定され、前記熱伝達媒体流空間がまた、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、前記仕切り壁またはプレートの少なくともいくつかが、互いに平行であり、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有するスラリー流路および熱伝達媒体流空間を画定する、請求項21または請求項22に記載の反応器。
【請求項25】
任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とともに、前記スラリー流路が、反応器モジュールまたは副反応器でともにグループ化される、請求項21〜24のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項26】
前記反応器モジュールまたは副反応器が、前記反応器シェルの断面積にわたって水平に配置される、請求項25に記載の反応器。
【請求項27】
前記副反応器が、それらを隣接した水平に隔置された副反応器から分離する、垂直に延在する側壁を有し、前記垂直に延在する側壁が、隣接した水平に隔置された副反応器の間で、前記隣接した水平に配置された副反応器のスラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止するように構成される、請求項26に記載の反応器。
【請求項28】
前記スラリー流路は、前記隣接した副反応器が、各々、横幅軸を有し、隣接した水平に配置された副反応器の横幅軸が直角であるように、各副反応器内で平行である仕切り壁またはプレートによって画定される、請求項26または請求項27に記載の反応器。
【請求項29】
垂直に隔置された反応器モジュールまたは副反応器を含み、1つまたは複数の下部副反応器のスラリー流路の開いた上端が、1つまたは複数の上部副反応器のスラリー流路の開いた下端の下にある、請求項26〜28のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項30】
上部副反応器と下部副反応器との間の中間ゾーンを含み、前記中間ゾーンが、1つまたは複数の上部副反応器のスラリー流路と、および1つまたは複数の下部副反応器のスラリー流路と流れ連通する、請求項29に記載の反応器。
【請求項31】
上部副反応器と下部副反応器との間の前記中間ゾーン内へのガス入口を含む、請求項30に記載の反応器。
【請求項32】
1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管が、前記スラリー流路の、または存在する場合には上部副反応器のスラリー流路の、開いた上端またはそれらの上から、前記スラリー流路の、または存在する場合には下部副反応器のスラリー流路の、開いた下端またはそれらの下まで延在し、および/または、1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管が、副反応器内の前記スラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、前記副反応器のスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで延在する、請求項21〜31のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項1】
三相スラリー反応器を動作させる方法であって、
低いレベルで、少なくとも1つの気体反応物を、垂直に延在する、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリー体中に供給する工程であって、前記スラリー体が、共通反応器シェルの内側の、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路内に収容され、前記スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、各スラリー流路は、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有する工程と、
前記気体反応物を、前記スラリー流路内に存在する前記スラリー体を通って上方に進むときに反応させ、それにより、非気体および/または気体生成物を形成する工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、前記スラリー体の上のヘッド空間内で、前記スラリー体から離脱させる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、前記ヘッド空間から取出す工程と、
必要に応じて、存在する場合には非気体生成物を含むスラリーまたは懸濁液を取出すことによって、または、スラリーまたは懸濁液を加えることによって、前記スラリー体を所望のレベルに維持する工程とを含む方法。
【請求項2】
前記スラリー流路の少なくともいくつかが、前記スラリー流路の上端の上でスラリー流連通する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スラリー流路の少なくともいくつかの仕切り壁またはプレートが、前記スラリー流路を隣接した熱伝達媒体流空間から分離し、前記方法が、熱伝達媒体を、前記熱伝達媒体流空間を通過させて、前記スラリー流路内に存在する前記スラリー体と間接的な関係で熱を交換する工程を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
三相スラリー反応器を動作させる方法であって、
低いレベルで、少なくとも1つの気体反応物を、垂直に延在する、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリー体中に供給する工程であって、前記スラリー体が、共通反応器シェルの内側の、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路内に収容され、前記スラリー流路の少なくともいくつかが、前記スラリー流路の開いた上端の上でスラリー流連通し、前記スラリー流路の少なくともいくつかが、前記スラリー流路を1つまたは複数の熱伝達媒体流空間から分離する壁によって画定される工程と、
前記気体反応物を、前記スラリー流路内に存在する前記スラリー体を通って上方に進むときに反応させ、それにより、非気体および/または気体生成物を形成する工程と、
熱伝達媒体を、前記1つまたは複数の熱伝達媒体流空間を通過させて、前記スラリー流路内に存在する前記スラリー体と間接的な関係で熱を交換する工程と、
前記反応器シェルの内側の1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管を使用して、スラリーを、前記スラリー体中の高いレベルから、そのより低いレベルに下方に進ませる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、前記スラリー体の上のヘッド空間内で、前記スラリー体から離脱させる工程と、
気体生成物および/または未反応の気体反応物を、前記ヘッド空間から取出す工程と、
必要に応じて、存在する場合には非気体生成物を含むスラリーまたは懸濁液を取出すことによって、または、スラリーまたは懸濁液を加えることによって、前記スラリー体を所望のレベルに維持する工程とを含む方法。
【請求項5】
前記スラリー流路の少なくともいくつかが、前記スラリー流路の開いた下端の下でスラリー流連通し、前記方法が、前記スラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止する工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記スラリー流路が、チューブシート間の垂直に延在するチューブによって画定され、前記熱伝達媒体流空間が、前記チューブシート間に画定され、前記チューブを囲む、請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定され、熱伝達媒体流空間が、また、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、前記スラリー流路の少なくともいくつかが、共通のまたは共有の仕切り壁またはプレートによって、隣接した熱伝達媒体流空間から分離され、前記仕切り壁またはプレートの少なくともいくつかが、互いに平行であり、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有するスラリー流路および熱伝達媒体流空間を画定する、請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記下降管ゾーンまたは下降管内のスラリーの下方流が、前記スラリー流路内にスラリーの下方流が実質的にないほど十分に高い、請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記固体粒子が、前記1つまたは複数の気体反応物の、液体生成物および/または気体生成物への反応を触媒するための触媒粒子であり、前記懸濁液が、場合によっては前記液体生成物を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記反応がフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記スラリー流路が、少なくとも0.5mの高さを有し、前記スラリー流路が、水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定され、前記スラリー流路が、2cmから50cmの範囲内の幅を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スラリー流路が、0.2mから1mの範囲内の横幅を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記反応器シェルが、少なくとも1mの直径を有する、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
垂直に延在する水平に配置された反応器ゾーンが、前記反応器シェルの内側に画定され、各水平に配置された反応器ゾーンが、複数のスラリー流路と、任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とを含み、前記方法が、隣接した垂直に延在する水平に配置された反応器ゾーンの間で、および、水平に配置された反応器ゾーン内の前記スラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止する工程を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
スラリー流路が、水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定され、水平に配置された反応器ゾーンは、前記水平に配置された反応器ゾーンの1つの中の端部仕切り壁またはプレートが、実際には、前記隣接した水平に配置された反応器ゾーンの側壁を形成するように、前記仕切り壁またはプレートを、隣接した水平に配置された反応器ゾーン内に直角の角度で配置することによって画定される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
各々が、複数のスラリー流路と、任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とを含む、垂直に隔置された反応器ゾーン内に、前記スラリー体を収容する工程を含み、中間スラリーゾーンが、前記垂直に隔置された反応器ゾーンの間に画定される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記下降管ゾーンまたは下降管の1つ以上が、前記スラリー流路の、または存在する場合には上部の垂直に隔置された反応器ゾーン内のスラリー流路の、開いた上端またはそれらの上から、前記スラリー流路の、または存在する場合には底部の垂直に隔置された反応器ゾーン内のスラリー流路の、開いた下端またはそれらの下まで延在し、および/または、前記下降管ゾーンまたは下降管の1つ以上が、反応器ゾーンのスラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、前記反応器ゾーンのスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで延在する、請求項4または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
三相スラリー反応器であって、
使用中、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリーを収容する、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路を収容する反応器シェルであって、前記スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、各スラリー流路は、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有する、反応器シェルと、
1つまたは複数の気体反応物を前記反応器に導入するための前記反応器シェル内のガス入口と、
前記スラリー流路の上の前記シェル内のヘッド空間からガスを取出すための前記シェル内のガス出口とを含む三相スラリー反応器。
【請求項19】
前記仕切り壁またはプレートの少なくともいくつかが、少なくとも部分的に、熱伝達媒体流空間または流路を画定する、請求項18に記載の反応器。
【請求項20】
スラリーゾーンは、前記スラリー流路の少なくともいくつかが、それらの開いた上端の上でスラリー流連通するように、前記スラリー流路の開いた上端より上の標準スラリーレベルを有する、請求項18または請求項19に記載の反応器。
【請求項21】
三相スラリー反応器であって、
使用中、懸濁液中に懸濁された固体粒子のスラリーを収容する、複数の垂直に延在する水平に隔置されたスラリー流路を収容する反応器シェルであって、前記スラリー流路が、前記反応器シェルの内側のスラリーゾーン内に配置され、前記スラリーゾーンは、前記スラリー流路の少なくともいくつかが、それらの開いた端部の上でスラリー流連通するように、前記スラリー流路の開いた上端より上の標準スラリーレベルを有する、反応器シェルと、
1つまたは複数の熱伝達媒体流空間であって、使用中、間接的な熱伝達関係の熱伝達が、前記スラリー流路内のスラリーと前記1つまたは複数の熱伝達媒体流空間内の熱伝達媒体との間で生じることができるように、前記スラリー流路を前記1つまたは複数の熱伝達媒体流空間から分離する前記スラリー流路の壁によって画定される、1つまたは複数の熱伝達媒体流空間と、
スラリーが、前記スラリーゾーン内の高いレベルから、そのより低いレベルに進むことができる1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管と、
1つまたは複数の気体反応物を前記反応器に導入するための前記反応器シェル内のガス入口と、
前記スラリー流路の上の前記シェル内のヘッド空間からガスを取出すための前記シェル内のガス出口と、
必要に応じて、スラリーまたは懸濁液を、前記反応器に加えるか、または前記反応器から取出すための液体入口とを含む三相スラリー反応器。
【請求項22】
前記スラリー流路の少なくともいくつかが、前記スラリー流路の開いた下端の下でスラリー流連通し、前記スラリー流路が、前記スラリー流路の開いた上端および開いた下端を通る以外の、前記スラリー流路からのまたは前記スラリー流路内へのスラリー流を防止するように構成された壁を有する、請求項21に記載の反応器。
【請求項23】
前記反応器内の前記スラリー流路が、チューブシート間の垂直に延在するチューブによって画定され、前記熱伝達媒体流空間が、前記チューブシート間に画定され、前記チューブを囲む、請求項21または請求項22に記載の反応器。
【請求項24】
前記スラリー流路が、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートによって画定され、前記熱伝達媒体流空間がまた、垂直に延在する水平に隔置された仕切り壁またはプレートの間に画定され、前記仕切り壁またはプレートの少なくともいくつかが、互いに平行であり、高さおよび横幅が幅よりはるかに大きいような高さ、幅、および横幅を有するスラリー流路および熱伝達媒体流空間を画定する、請求項21または請求項22に記載の反応器。
【請求項25】
任意に、1つ以上の熱伝達媒体流空間とともに、前記スラリー流路が、反応器モジュールまたは副反応器でともにグループ化される、請求項21〜24のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項26】
前記反応器モジュールまたは副反応器が、前記反応器シェルの断面積にわたって水平に配置される、請求項25に記載の反応器。
【請求項27】
前記副反応器が、それらを隣接した水平に隔置された副反応器から分離する、垂直に延在する側壁を有し、前記垂直に延在する側壁が、隣接した水平に隔置された副反応器の間で、前記隣接した水平に配置された副反応器のスラリー流路の開いた上端と開いた下端との間のすべての高さで、スラリー流連通を防止するように構成される、請求項26に記載の反応器。
【請求項28】
前記スラリー流路は、前記隣接した副反応器が、各々、横幅軸を有し、隣接した水平に配置された副反応器の横幅軸が直角であるように、各副反応器内で平行である仕切り壁またはプレートによって画定される、請求項26または請求項27に記載の反応器。
【請求項29】
垂直に隔置された反応器モジュールまたは副反応器を含み、1つまたは複数の下部副反応器のスラリー流路の開いた上端が、1つまたは複数の上部副反応器のスラリー流路の開いた下端の下にある、請求項26〜28のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項30】
上部副反応器と下部副反応器との間の中間ゾーンを含み、前記中間ゾーンが、1つまたは複数の上部副反応器のスラリー流路と、および1つまたは複数の下部副反応器のスラリー流路と流れ連通する、請求項29に記載の反応器。
【請求項31】
上部副反応器と下部副反応器との間の前記中間ゾーン内へのガス入口を含む、請求項30に記載の反応器。
【請求項32】
1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管が、前記スラリー流路の、または存在する場合には上部副反応器のスラリー流路の、開いた上端またはそれらの上から、前記スラリー流路の、または存在する場合には下部副反応器のスラリー流路の、開いた下端またはそれらの下まで延在し、および/または、1つ以上の下降管ゾーンまたは下降管が、副反応器内の前記スラリー流路の開いた上端またはそれらの上から、前記副反応器のスラリー流路の開いた下端またはそれらの下まで延在する、請求項21〜31のいずれか一項に記載の反応器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2013−39564(P2013−39564A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−187600(P2012−187600)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【分割の表示】特願2008−501481(P2008−501481)の分割
【原出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(500159211)サソール テクノロジー(プロプライエタリー)リミテッド (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−187600(P2012−187600)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【分割の表示】特願2008−501481(P2008−501481)の分割
【原出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(500159211)サソール テクノロジー(プロプライエタリー)リミテッド (25)
【Fターム(参考)】
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