説明

上下開閉式ロールスクリーン装置とこの上下開閉式ロールスクリーン装置を備えたサッシ

【課題】遮光や目隠し等の目的に応じた位置と広さのみスクリーンを確実に配置でき、巻取り軸とボトムパイプの昇降操作を軽い力で容易に行え、ロールスクリーン装置を屋外に配設する場合に、巻取り軸やボトムパイプ,スクリーンが風や外力でばたついたり煽られないようにする。
【解決手段】ガイドフレーム4と、両側端を側枠4a,4aの内部に収容して横架される巻取り軸5と、巻取り軸5に懸回されるスクリーン6と、スクリーン6を常時巻取り方向へ付勢する付勢手段と、スクリーン6の下端を支持し、両側端を前記側枠4a,4aの内部に収容して横架されるボトムパイプ7と、巻取り軸昇降手段27及び巻取り軸用の第1操作手段8と、ボトムパイプ昇降手段28及びボトムパイプ用の第2操作手段9とを備え、巻取り軸5とボトムパイプ7のそれぞれを昇降させることにより、スクリーン6をガイドフレーム4の任意の高さに任意の面積で配置できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の窓やパーテンション等に日除けや雨除けあるいは目隠し等のプライバシーを目的に設けられるロールスクリーン装置とサッシであって、詳しくは、スクリーンの配置高さと面積を遮光や目隠し等の目的の変化に応じて自由に変更できるようにした上下開閉式ロールスクリーン装置と、この上下開閉式ロールスクリーン装置を用いたサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的なロールスクリーン装置として、建物の窓上部に取付けられる巻取り軸と、この巻取り軸に懸回されるシート状のスクリーンと、このスクリーンを巻取り軸から下方向へ繰り出すための操作コードと、巻取り軸から下方へ引き出されたスクリーンの下端を支持するボトムパイプと、前記巻取り軸の内部で前記スクリーンを常時巻取り方向へ付勢するスプリングと、同じく前記巻取り軸の内部で該巻取り軸の回転を制御するクラッチ機構とを備えたものが知られており、スプリングの付勢力に抗して巻取り軸から引き出されたスクリーンをクラッチ機構が任意の位置に停止させ、またクラッチ機構による停止状態を解除して、スクリーンをスプリングの付勢力によって巻取り軸に巻き上げるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そのほか、巻取り軸用の昇降コードを巻取り軸の内部に挿通し、昇降コードの中間部2箇所を巻取り軸の上方へ引き出して窓枠の上枠に設けた滑車に掛け渡し、巻取り軸の一側端から下方へ引き出した昇降コードの端部を操作することにより、巻取り軸を昇降させて窓の下側部分のみ覆うことができるようにしたブラインドも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2860230号公報
【特許文献2】実開昭63−156399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のロールスクリーン装置では、巻取り軸が建物の窓の上部壁や窓枠の上枠に固定され、スクリーンはこの巻取り軸に懸回される構造であるため、例えば目隠しを目的に、巻取り軸から離れた下方の一部のみ遮蔽したい場合でも、巻取り軸から目的の遮蔽部分までのすべてをスクリーンで覆わなければならないという不具合がある。さらに特許文献1は、遮蔽を目的としない上部をスクリーンで遮ることから採光や採熱が妨げられ、室内が必要以上に暗くなったり寒くなるという弊害を生じる。
【0006】
特許文献2のブラインドは、巻取り軸を昇降できるようして上記した特許文献1の欠点を解消するようにしたものであるが、特許文献2のブラインドやボトムパイプは巻取り軸から吊り下げられるため、巻取り軸を昇降させるとボトムパイプも一体に昇降してしまうことから、ブラインドの位置決め、すなわちブラインドを所要の高さで所要の大きさに設定することが困難である。
また、大きな窓ではブラインド全体も大きく重いものとなるが、巻取り軸の昇降コードには、巻取り軸とブラインドとボトムパイプの荷重が作用するため、これらを吊り上げるには相当な力で昇降コードを操作しなければならないという困難が予想される。
【0007】
さらに特許文献2では、巻取り軸を任意の位置に停止させるために、巻取り軸の内部にリフトロック装置を設けるが、このリフトロック装置は、昇降コードを把持することによって巻取り軸を停止させることから、巻取り軸の昇降と同様に、巻取り軸とブラインドとボトムパイプの荷重が昇降コードを通してリフトロック装置に作用する。このため、リフトロック装置が昇降コードを摩擦力で把持するといった安直な構造だと、昇降コードが滑って巻取り軸がずり滑り落ちてしまうことが予想され、また昇降コードを確実に把持するにはリフトロック装置が大型化してしまい、巻取り軸に収容することが困難になることが予想される。
【0008】
また、特許文献2のブラインドは、巻取り軸とブラインドとボトムパイプの全体を単に昇降コードで吊り下げるだけであるから安定性がわるく、昇降する際にこれらが揺れ動いて操作性を損なう。特に、日光を遮断して室内の温度上昇を防ぐには、スクリーン装置を屋外である窓の外に配設することが効果的であるが、スクリーン装置を屋外に配設した場合には、巻取り軸やブラインド,ボトムパイプが風やその他の外力を受けて煽られたりバタ付く虞があり、巻取り軸やボトムパイプを昇降させる際には一層の妨げとなる。
【0009】
本発明は、かかる実情を背景にしてなされたもので、その目的とするところは、遮光や目隠し等の目的に応じた位置と広さのみスクリーンを配置することを可能としつつ、上記した特許文献2の不具合を解消することのできる上下開閉式ロールスクリーン装置とこの上下開閉式ロールスクリーン装置を備えたサッシを提供ことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明の上下開閉式ロールスクリーン装置は、両側部に側枠を有する枠状のガイドフレームと、該ガイドフレームの内部上側で、両側端を前記側枠の内部に収容して横架される巻取り軸と、該巻取り軸に懸回されるシート状のスクリーンと、前記巻取り軸の内部で前記スクリーンを常時巻取り方向へ付勢する付勢手段と、前記ガイドフレームの内部下側で、前記巻取り軸から引き出された前記スクリーンの下端を支持し、両側端を前記側枠の内部に収容して横架されるボトムパイプと、前記巻取り軸を昇降させる巻取り軸昇降手段及びこの巻取り軸昇降手段を操作する第1操作手段と、前記ボトムパイプを昇降させるボトムパイプ昇降手段及びこのボトムパイプ手段を駆動する第2操作手段とを備え、前記巻取り軸とボトムパイプのそれぞれを昇降させることにより、前記スクリーンを前記ガイドフレームの任意の高さに任意の面積で配置し得るようにしたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の上下開閉式ロールスクリーン装置は、巻取り軸の昇降を側枠に沿って案内する巻取り軸昇降ガイド手段を追加することも有益である。
巻取り軸昇降ガイド手段は、巻取り軸の両側端から突出する支軸に枢支されるガイドローラと、側枠の内部でこのガイドローラを上下方向へ案内するガイドレールの構成とすることができる。
【0012】
本発明の上下開閉式ロールスクリーン装置は、ガイドフレームの内部上側でスクリーンを懸回した巻取り軸が、第1操作手段の操作により巻取り軸昇降手段を介して両側枠の間を案内されながら昇降し、またガイドフレームの内部下側でスクリーンの下端を坦持するボトムパイプが、第2操作手段の操作によりボトムパイプ昇降手段を介して両側枠の間を案内されながら昇降し、巻取り軸とボトムパイプとの間にスクリーンが配設される。
【0013】
スクリーンの広がり面積は巻取り軸とボトムパイプの間隔によって異なり、また巻取り軸とボトムパイプの停止位置によって、スクリーンが配置される高さが異なる。スクリーンには、巻取り軸内部の付勢手段が常時巻取り方向へ作用するため、スクリーンは巻取り軸とボトムパイプとの間に弛みなく張設される。
【0014】
巻取り軸とボトムパイプは、第1操作手段と第2操作手段の操作によって、それぞれガイドフレーム内側の任意の高さに移動し、スクリーンは、ガイドフレームの内側で遮光や目隠し等の目的に応じた位置(高さ)で必要な広さ(面積)だけ配置される。
また、スクリーンの位置(高さ)や広さ(面積)を変更したい場合には、第1操作手段と第2操作手段を操作して、巻取り軸とボトムパイプの高さ位置を変えることにより対応が可能である。
【0015】
このように、本発明のスクリーンは、窓やパーテンションの遮光や目隠しをしたい目的に応じた位置に必要な広さで必要最小限に配置される。したがって、遮蔽が不要であったりあるいは遮蔽したくない箇所にはスクリーンを広げないで済む。これにより、室内への採光や採熱が意に反して妨げられることはなく、室内が必要以上に暗くなったり寒くなるといった不具合がなくなる。
【0016】
また、本発明の上下開閉式ロールスクリーン装置を窓やパーテンションあるいはガラス壁の一部に適用し、スクリーンを窓やパーテンション、ガラス壁の中間部に位置させて、これらの上下部を分断して解放したり、あるいは窓やパーテンション,ガラス壁の下部に位置させて、これらの上部と中間部と連続して解放するといった使い方ができる。
【0017】
さらに、本発明の上下開閉式ロールスクリーン装置は、巻取り軸とボトムパイプのそれぞれを他方に関わりなく単独で昇降させるので、ブラインドの位置決めが容易となる。また、巻取り軸とボトムパイプの両側端を側枠の内部に位置させることから、巻取り軸とボトムパイプは側枠に沿って昇降する。
巻取り軸とボトムパイプのいずれか一方が他方に接近する昇降では、一方に自身の荷重のみが作用し、またいずれか一方が他方から離反する昇降では、一方に自身の荷重とスクリーンを引き出す程度の抵抗しかかからない。したがって、巻取り軸とボトムパイプのいずれも小さな力で容易に操作できる。
【0018】
また、本発明のサッシは、上記した本発明のいずれかの上下開閉式ロールスクリーン装置を備えたことを特徴としている。この場合に、サッシの一側部に上下開閉式ロールスクリーン装置を一体または別体に設ける。サッシは、建物の壁に開設したサッシ取付け用の開口部に組付けされ、またロールスクリーン装置は建物の壁の外側に配置される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の上下開閉式ロールスクリーン装置によれば、巻取り軸とボトムパイプのそれぞれを昇降させるので、スクリーンの位置決めが容易であり、スクリーンを窓やパーテンションの遮光や目隠等の目的に応じた位置に必要な広さで簡便に設定することができる。
また、巻取り軸とボトムパイプを昇降する場合に、巻取り軸とボトムパイプのいずれか一方が他方に接近する昇降では、一方に自身の荷重のみが作用し、いずれか一方が他方から離反する昇降では、一方に自身の荷重とスクリーンを引き出す程度の抵抗しかかからない。したがって、ロールスクリーン装置が大型であっても、巻取り軸とボトムパイプのいずれも小さな力で容易に操作できる。
【0020】
さらに、巻取り軸とボトムパイプはそれぞれ側枠に沿って昇降するので安定性に優れ、昇降時に巻取り軸やボトムパイプが揺れ動くといった不具合がない。したがって、ロールスクリーン装置を屋外である窓の外に配設した場合にも、風やその他の外力によって巻取り軸やボトムパイプ,ブラインドが煽られたりバタ付くこと有効に防止し、巻取り軸やボトムパイプの昇降する際の影響も極力抑えることができる。
また、巻取り軸とボトムパイプは、巻取り軸昇降手段やボトムパイプ昇降手段との連結によって昇降位置を保持されるので、巻取り軸にクラッチ機構やリフトロック装置を設ける必要がなく、巻取り軸を軽量で簡素な構造とすることができ、しかも巻取り軸の昇降をより軽い操作で行うことができる。
【0021】
さらに、巻取り軸の昇降を側枠に沿って案内する巻取り軸昇降ガイド手段を設けたり、この巻取り軸昇降ガイド手段を、巻取り軸の両側端から突出する支軸に枢支されるガイドローラと、側枠の内部でガイドローラを上下方向へ案内するガイドレールとの組み合わせとすることにより、巻取り軸の昇降をよりブレなく安定して行うことができる。
【0022】
また、本発明のサッシによれば、上記した特徴のある上下開閉式ロールスクリーン装置のいずれかを備えているためにサッシとしての付加価値が高く、サッシを使用するにあたってロールスクリーン装置の持つ高い利便性が一体に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施例を示すロールスクリーン装置を室内側から見た正面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すロールスクリーン装置を屋外側から見た背面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示すロールスクリーン装置の断面側面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示すロールスクリーン装置の断面底面図である。
【図5】本発明の第2実施例を示すロールスクリーン装置の断面側面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示すロールスクリーン装置の断面底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜図4の第1実施例に示す上下開閉式のロールスクリーン装置1は、サッシ(図示しない)を組付けするための開口部2を開設した建物の壁3の外側に枠状のガイドフレーム4が固着されており、このガイドフレーム4の内部に、巻取り軸5とシート状のスクリーン6とボトムパイプ7とが設けられている。建物の壁3の内側である室内には、巻取り軸3を操作するための第1操作手段8と、ボトムパイプ7を操作するための第2操作手段9とが配設されており、屋外に配設したロールスクリーン装置1の巻取り軸5とボトムパイプ7を室内の第1,第2操作手段8,9でそれぞれに昇降させて、スクリーン6の高さと広さとを自由に変更できるようにしている。
【0025】
前記ガイドフレーム4は、断面L字状の金属板を用いて左右の側枠4a,4aと上枠4b及び下枠4cを形成しており、側枠4a,4aの内部には、それぞれ2つのエンドレスベルト10,11と2条のガイドレール12,12とが縦方向に設けられている。
上枠4bの内部には、2つのギアボックス13,14とこのギアボックスを貫通して上枠4bの両端部近傍に至る2つの動力伝達軸13a,14aとが設けられている。動力伝達軸13a,14aの両端は、図示しないブラケットを用いてガイドフレーム4に支持されており、巻取り軸5の昇降に用いる一方の動力伝達軸13aの両端近傍にはプーリ15,15が固着され、ボトムパイプ7の昇降に用いる他方の動力伝達軸14aの両端近傍にはプーリ16,16が固着されている。
【0026】
エンドレスベルト10,11は、ガイドフレーム4の厚さ方向(室内外方向)に位相をずらせて配設されており、巻取り軸5の昇降に用いる外側のエンドレスベルト10は、上枠4bから開口部2の中間部よりやや下側までの上下長であるのに対し、ボトムパイプ7の昇降に用いる内側のエンドレスベルト11は、これよりも長い上枠4bから下枠4cに亘る上下長に形成されている。
なお本発明は、巻取り軸側のエンドレスベルト10を、図3の断面側面図に二点鎖線で示すように、ボトムパイプ用のエンドレスベルト11と同一長さに延長することも妨げない。
【0027】
巻取り軸側のエンドレスベルト10は、上端を動力伝達軸13aのプーリ15に懸装され、下端を側枠4aに支持されたプーリ17に懸装されている。また、ボトムパイプ用のエンドレスベルト11は、上端を動力伝達軸14aのプーリ16に懸装され、下端を側枠4aに支持されたプーリ18に懸装されている。
【0028】
前記巻取り軸5は、前記ガイドフレーム4の内部上側で両側端を前記側枠4a,4aの内部に収容して横架されており、巻取り軸5の胴部に前記スクリーン6が懸回されている。巻取り軸5の外側及び下側と両側端は化粧板20にて覆われており、屋外にさらされる巻取り軸5とスクリーン6が極力塵埃や雨滴を受けないようにしている。
巻取り軸5の両側端には、支軸5a,5aが化粧板20を貫通して設けられ、これら支軸5a,5aは巻取り軸用のエンドレスベルト10に連結されており、巻取り軸5は、エンドレスベルト10の回動によってガイドフレーム4の内側を昇降するようになっている。また巻取り軸5には、ゼンマイ等を用いた付勢手段(図示しない)が内蔵されており、スクリーン6を常時巻取り方向へ付勢している。
【0029】
化粧板20の側端には、それぞれ3つの支軸21aが突設され、該支軸21aの先端それぞれに、側枠4a内部のガイドレール12,12を転動するガイドローラ21が枢支されており、これらガイドレール12,12と3つのガイドローラ21,21,21とで巻取り軸昇降ガイド手段22が構成されている。
【0030】
前記ボトムパイプ7は、前記ガイドフレーム4の内部下側で両側端を前記側枠4a,4aの内部に収容して横架されており、その胴部には前記巻取り軸5から引き出されたスクリーン6の下端が固着されている。
ボトムパイプ7の両側端には支軸7a,7aが突設され、これら支軸7a,a7はボトムパイプ用のエンドレスベルト11に連結されており、ボトムパイプ7は、エンドレスベルト11の回動によってガイドフレーム4の内側を昇降するようになっている。
【0031】
前記建物の壁3には、巻取り軸5に用いる伝達軸23とボトムパイプ7に用いる伝達軸24とが、それぞれ両端を屋外及び室内に突出させて設けられており、巻取り軸用の伝達軸23の屋外側の端部は前記ギヤボックス13に連結され、またボトムパイプ用の伝達軸24の屋外側の端部は前記ギヤボックス14に連結されている。
伝達軸23,24の屋内側の端部には、作動力変換ボックス25,26が連結されており、巻取り軸用の一方の作動力変換ボックス25の下部には前記第1操作手段8が、またボトムパイプ用の他方の作動力変換ボックス26の下部には前記第2操作手段9がそれぞれ取付けられている。
【0032】
第1操作手段8には、比較的重量のある巻取り軸5を容易に昇降させることができるように、大きなトルクを発生できるクランクハンドルが用いられ、また第2操作手段9には、ボトムパイプ7の重量が軽いことからチェーンが用いられている。
作動力変換ボックス25,26は、第1操作手段8,9から入力された縦方向の回転力を、ベベルギア等を用いて横方向の回転力変換してそれぞれのギヤボックス13,14に伝達するもので、作動力変換ボックス25と伝達軸23,ギヤボックス13,動力伝達軸13a,プーリ15,17及びエンドレスベルト10とで本実施例の巻取り軸昇降手段27が構成され、また作動力変換ボックス26と伝達軸24,ギヤボックス14,動力伝達軸14a,プーリ16,18及びエンドレスベルト11とで本実施例のボトムパイプ昇降手段28が構成される。
【0033】
つぎに、以上のように構成された作用を説明する。
室内に配置した巻取り軸用の第1操作手段8を一方向へ回転させると、その回転力は巻取り軸昇降手段27の作動力変換ボックス25で横向きに変換されてギアボックス13に入り、さらに動力伝達軸13a,13aとプーリ15,15を通してエンドレスベルト10,10を一方向に回動させ、両側端をエンドレスベルト10,10に連結した巻取り軸5を上昇または下降のいずれかにいずれが一方へ作動させる。
また、前記第1操作手段8を他方向へ回転させると、逆向きの回転力が巻取り軸昇降手段27を通して巻取り軸5に入り、該巻取り軸5を上記とは逆の方向へ作動させる。
【0034】
一方、室内に配置したボトムパイプ用の第2操作手段9を一方向へ回転させると、その回転力は巻取り軸昇降手段28の作動力変換ボックス26で横向きに変換されてギアボックス14に入り、さらに動力伝達軸14a,14aとプーリ16,16を通してエンドレスベルト11,11を一方向に回動させ、両側端をエンドレスベルト11,11に連結したボトムパイプ7を上昇または下降のいずれかにいずれが一方へ作動させる。
また、前記第2操作手段9を他方向へ回転させると、逆向きの回転力がボトムパイプ昇降手段28を通してボトムパイプ7に入り、該ボトムパイプ7を上記とは逆の方向へ作動させる。
【0035】
巻取り軸5とボトムパイプ7は、両側端をガイドフレーム4の側枠4a,4aの内部に収容し、該側枠4a,4aの内部でエンドレスベルト10,10,11,11と連結することによって、巻取り軸5とボトムパイプ7を側枠4a,4aに沿って昇降させるので、巻取り軸5やボトムパイプ7の傾きやブレ等の不具合がなく、またスクリーン6によじれやたるみを生じる虞もない。
さらに、ボトムパイプ7よりも重量のある巻取り軸5では、両側端に設けた各巻取り軸昇降ガイド手段22のガイドローラ21が巻取り軸5の上昇または下降に伴ってガイドレール12を転動し、巻取り軸5の上昇と下降を良好に案内する。
【0036】
図1〜図3では、巻取り軸5が略上昇限に位置し、またボトムパイプ7も略下昇限に位置していて、巻取り軸5とボトムパイプ7との間に張設されたスクリーン6が、サッシ組付け用の開口部2の全体を覆った状態を示している。
この状態において、巻取り軸用の第1操作手段8を巻取り軸5の下降方向へ回転させると、巻取り軸5がスクリーン6の上部を巻き込みながら下降し、下降が進むに連れてサッシ組付け用の開口部2の上部が徐々に解放されていき、巻取り軸5を所望の位置で停止させることにより、下方のボトムパイプ7との間に面積を縮小したスクリーン6が張設される。
【0037】
また、ボトムパイプ用の第2操作手段9をボトムパイプ7の上昇方向へ回転させると、ボトムパイプ7が上昇するに連れてスクリーン6の上部が巻取り軸5に巻き取られ、同時サッシ組付け用の開口部2の下部が徐々に解放されていき、ボトムパイプ7を所望の位置で停止させることにより、上方の巻取り軸5との間に面積を縮小したスクリーン6が張設される。
【0038】
本実施例はこのように、室内の巻取り軸5とボトムパイプ7のいずれか一方または双方昇降させることにより、屋外のスクリーン6を所望の位置(高さ)で所望の広さ(面積)だけ配置することができ、しかも本実施例の特徴的構成から、巻取り軸5とボトムパイプ7の昇降を軽い操作力で確実且つ簡便に行えるといったメリットがある。
また、本実施例の大まかな使用態様としては、スクリーン6を窓の上部・中間部・下部のいずれかに位置させるものであるが、特にスクリーン6を、窓の中間部または下部のみに好みの大きさで位置させる態様は、巻取り軸を窓の上部に固定して使用する従来のものではなせなかった開放感や楽しみが味わえる。
【0039】
図5,図6に示す第2実施例は、パーテーションや店舗等の外壁の一部を二重ガラス30,30とし、両ガラス30,30の間に空間部を設定して、この空間部分に第1実施例と同様のロールスクリーン装置1を配設したものであり、第1実施例に較べて、伝達軸23,24が建物の壁を貫通しない分、伝達軸23,24の長さが短くなっており、その他は第1実施例と同様に構成されている。
【0040】
ロールスクリーン装置1を二重ガラス30,30の間に配置した本実施例では、例えばビル内のオフィスや店舗を仕切るパーテーションに適用し、スクリーン6を目線の高さに位置させることにより、室内のプライバシーを保ちながらスクリーン6の上下に解放した部分から室外を見通したり採光や再熱を図ることが可能であり、またこのロールスクリーン装置1入りの二重ガラス30,30が道路に面した飲食店等の店舗の外壁の一部とした場合には、スクリーン6を二重ガラス30,30の下側に配置して店内の客席の足元付近を遮蔽することにより、飲食を楽しむ顧客のプライバシーを保ちながら店内の景観を視覚的に訴えるといった使い方もできる。
【符号の説明】
【0041】
1…上下開閉式のロールスクリーン装置
2…サッシ組付け用の開口部
3…建物の壁
4…ガイドフレーム
4a…側枠
4b…上枠
4c…下枠
5…巻取り軸
6…シート状のスクリーン
7…ボトムパイプ
8…第1操作手段
9…第2操作手段
10,11…エンドレスベルト
12…ガイドレール
13,14…ギアボックス
13a,14a…動力伝達軸
15,16,17,18…プーリ
20…化粧板
21…ガイドローラ
21a…支軸
22…巻取り軸昇降ガイド手段
23,24…伝達軸
25,26…作動力変換ボックス
27…巻取り軸昇降手段
28…ボトムパイプ昇降手段
30…ガラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側部に側枠を有する枠状のガイドフレームと、
該ガイドフレームの内部上側で、両側端を前記側枠の内部に収容して横架される巻取り軸と、
該巻取り軸に懸回されるシート状のスクリーンと、
前記巻取り軸の内部で前記スクリーンを常時巻取り方向へ付勢する付勢手段と、
前記ガイドフレームの内部下側で、前記巻取り軸から引き出された前記スクリーンの下端を支持し、両側端を前記側枠の内部に収容して横架されるボトムパイプと、
前記巻取り軸を巻昇降させる巻取り軸昇降手段及びこの巻取り軸昇降手段を操作する第1操作手段と、
前記ボトムパイプを昇降させるボトムパイプ昇降手段及びこのボトムパイプ手段を駆動する第2操作手段とを備え、
前記巻取り軸とボトムパイプのそれぞれを昇降させることにより、前記スクリーンを前記ガイドフレームの任意の高さに任意の面積で配置し得るようにした
ことを特徴とする上下開閉式ロールスクリーン装置。
【請求項2】
前記巻取り軸の昇降を前記側枠に沿って案内する巻取り軸昇降ガイド手段を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の上下開閉式ロールスクリーン装置。
【請求項3】
前記巻取り軸昇降ガイド手段は、前記巻取り軸の両側端から突出する支軸に枢支されるガイドローラと、前記側枠の内部で前記ガイドローラを上下方向へ案内するガイドレールとを備えている
ことを特徴とする請求項2に記載の上下開閉式ロールスクリーン装置。
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれかに記載の上下開閉式ロールスクリーン装置を備えたサッシ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−163780(P2010−163780A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6196(P2009−6196)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【出願人】(390027498)株式会社ヨコタ (29)
【Fターム(参考)】