上向式エレクトロスピニング装置及びこれを用いて製造されたナノ繊維
従来のエレクトロスピニング装置は、生産性が低く、且つ紡糸溶液が繊維に形成されず、液滴形態に落下する現象(ドロップレット現象)が発生することにより、不織布の品質が悪い問題点があった。上記の問題点を解決するために、本発明は、紡糸溶液主タンク(1);計量ポンプ(2);ノズルブロック(4);上記ノズルブロックに設置されたノズル(5);上記ノズルブロックから紡糸される繊維などを集積するコレクター(7);及びノズルブロック(4)とコレクター(7)に電圧を印加するための電圧発生装置(9)から構成されるエレクトロスピニング装置において、〔A〕ノズルブロック(4)に設けられたノズル(5)の出口が上部方向に形成されており、〔B〕コレクター(7)がノズルブロック(4)の上部に位置し、〔C〕ノズルブロック(4)の最上部に紡糸溶液排出装置(12)が連結されていることを特徴とする上向式エレクトロスピニング装置によって、ナノ繊維を製造する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その繊度がナノ水準である繊維(以下、“ナノ繊維”とする)を大量生産することができる上向式エレクトロスピニング装置及びこれを用いて製造されたナノ繊維に関するものである。
【0002】
ナノ繊維から構成された不織布、メンブレイン(membrane)、ブレイド(braid)などの製品は生活用品や農業用、衣類用、産業用などで広く応用されている。具体的に、人工皮革、人工スエード(suede)、生理用ナプキン、衣服、おむつ、包装材、雑貨用素材、各種フィルター素材、遺伝子伝達体などの医療用素材、防弾胴衣などの国防用素材など多様な分野で使われている。
【背景技術】
【0003】
米国第4,044,404号などに記載されている従来のエレクトロスピニング装置及びこれを用いたナノ繊維の製造方法は下のようである。従来のエレクトロスピニング装置は、紡糸溶液を保管する紡糸溶液主タンク;紡糸溶液の定量供給のための計量ポンプ;紡糸溶液を吐出する多数個のノズルが配列されたノズルブロック;上記ノズルの下段に位置して紡糸される繊維などを集積するコレクター;及び電圧を発生させる電圧発生装置などからなっている。
【0004】
つまり、従来のエレクトロスピニング装置はコレクターがノズルの下段に位置する下向式エレクトロスピニング装置である。
【0005】
上記下向式エレクトロスピニング装置を用いた従来のナノ繊維の製造方法をより具体的に説明すると、紡糸溶液主タンク内の紡糸溶液を計量ポンプを通じて高電圧が印加されている多数のノズル内に連続的に定量供給する。
【0006】
次いで、ノズルなどに供給された紡糸溶液は、ノズルを通じて高電圧が印加されているコレクターに紡糸、集束されることにより、単繊維ウエブを形成する。
【0007】
次いで、上記単繊維ウエブをエンボシング又はニードルパンチング(needle−punching)して不織布を製造する。
【0008】
このような従来の下向式エレクトロスピニング装置及びこれを用いたナノ繊維の製造方法は、高電圧が印加されているノズルに紡糸溶液が連続的に供給されるため、付与される電気力効果が低下される問題があった。
【0009】
なお、ノズルとコレクターを水平方向に配列させた従来の水平式エレクトロスピニング装置は、紡糸するための多数のノズルを配列させることが非常に難しいという短所がある。即ち、ノズルと紡糸溶液とを含むノズル板をコレクターと水平方向に立てるために、最上部ラインに位置するノズルと、最下部ラインに位置するノズルと、コレクターとを同一紡糸距離(先端からコレクターまでの距離)になるように配列することが難しいので、限定された個数のノズルしか配列することができないという問題点があった。
【0010】
一般的に、エレクトロスピニングすることにおいて、ノズル当たり吐出量が10−2乃至10−3g/分程度と非常に少ないので、商業化に要する大量生産のためには、狭い空間内に多数のノズルを配列せねばならない。
【0011】
しかし、上記の従来エレクトロスピニング装置は、前述したように、所定の空間に限定された個数のノズルしか配列することができないので、商業化に要する大量生産が困難であった。
【0012】
上記した従来の水平式エレクトロスピニング装置は、殆ど1ホールの水準にエレクトロスピニングするものであって、大量生産が不可能ので、商業化しにくい問題があった。
【0013】
さらに、従来の水平式エレクトロスピニング装置は、ノズルから紡糸されなかった高分子溶液の塊がそのままコレクター板に付着される現象〔以下、“ドロップレット”(droplet)とする〕が発生し、製品の品質が低下される問題も有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、ナノ繊維の大量生産が可能で、かつ多数のノズルを狭い領域内に配列することにより、単位時間当たり高い生産性を確保することだけでなく、ドロップレット現象を防止することにより、高品質のナノ繊維及びその不織布を製造することができる、上向式エレクトロスピニング装置を提供する。このために、本発明は、ノズルブロックがコレクターの下段に位置する上向式エレクトロスピニング装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記のような課題を達するために、〔A〕ノズルブロック(4)に設けられたノズルの出口が上部方向に形成されており;〔B〕コレクターがノズルブロック(4)の上部に位置し;〔C〕ノズルブロックの最上部に紡糸溶液排出装置(12)が連結されている上向式エレクトロスピニング装置が本発明によって提供される。
【0016】
以下、添付された図面などを参考として、本発明を詳細に説明する。
【0017】
図1のように、本発明の上向式エレクトロスピニング装置は、紡糸溶液を保管する紡糸溶液主タンク(1);紡糸溶液の定量供給のための計量ポンプ(2);多数個のピンから構成されるノズル(5)がブロック形態に組み合われており、紡糸溶液を繊維状に吐出する上向式ノズルブロック(4);上記ノズルブロックの上部に位置して紡糸される単繊維などを集積するコレクター(7);高電圧を発生させる電圧発生装置(9);及びノズルブロックの最上部に連結された紡糸溶液排出装置(12)などを含む。
【0018】
本発明において、ノズルブロック(4)に設けられているノズル(5)の出口が上部方向に形成されており、コレクター(7)がノズルブロック(4)の上部に位置して紡糸溶液を上部方向に紡糸する。
【0019】
図4のように、上記ノズルブロック(4)は、〔A〕ノズル(5)が配列されたノズルプレイト(4e);〔B〕ノズル(5)を包んでいるノズル外径ホール(4b);〔C〕ノズル外径ホール(4b)と連結されて、ノズルプレイト(4e)の直上段に位置する紡糸溶液臨時貯蔵板(4d);〔D〕紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)の直上段に設置された絶縁体板(4c);〔E〕ノズルの配列方式と同一にピンが配列されており、ノズルプレイト(4e)の直下段に位置する導電体板(4h);〔F〕導電体板(4h)を含んでいる紡糸溶液主供給板(4f);〔G〕紡糸溶液主供給板(4f)の直下段に位置する加熱装置(4g);及び〔H〕紡糸溶液主供給板(4f)の内部に設置された攪拌機(11c)から構成される。
【0020】
図5及び図7のように、ノズル(5)の出口は、一つ以上の喇叭管形態に出口部分が拡大された形を有する。この時、角度(θ)を90乃至175°、より好ましくは95乃至150°になるようにすることが、ノズル(5)の出口で同一形態の紡糸溶液の滴を安定的に形成するために好ましい。
【0021】
ノズル出口の角度(θ)が175°を超える場合は、ノズル部位で液滴が大きく形成され、表面張力が増加する。その結果、ナノ繊維を形成するためには、もっと高い電圧が必要になり、液滴の中央部位ではなく、 外周部分から紡糸されることにより、液滴の中央部位が固化されて、ノズルが詰まる現象が生じるという問題点がある。
【0022】
一方、ノズル出口の角度(θ)が90°未満である場合には、ノズル出口部位に形成された液滴がかなり小さくて、 電場が瞬間的に不均一になるか、ノズル出口部位での供給が多少不均一になることにより、液滴が非正常的に形成され、繊維を形成することができず、ドロップレット現象が生じる。
【0023】
本発明では、ノズルの長さ(L、L1、L2)を特に限定することではない。
【0024】
しかし、ノズル内径(Di)は0.01〜5mm、ノズル外径(Do)は0.01〜5mmであることが好ましい。ノズルの内径または外径が0.01mm未満であると、ドロップレット現象が頻繁に発生され、5mmを超えると、繊維を形成することができない。
【0025】
図5及び図6は、ノズル出口に一つの拡大部(角度)が形成されているノズルの側面と平面を示し、図7及び図8は、ノズル出口に二つの拡大部(角度)が形成されているノズルの側面と平面を示す。即ち、図7に図示されたθ1は、紡糸溶液が紡糸される部分である第1ノズル出口の角度であり、θ2は、紡糸溶液が供給される部分である第2ノズル出口の角度である。
【0026】
ノズルブロック(4)内の多数のノズル(5)は、ノズルプレイト(4e)に配列されており、ノズル(5)を包んでいるノズル外径ホール(4b)などがノズル(5)の外部に設置されている。
【0027】
上記ノズル外径ホール(4b)は、ノズル(5)の出口で過量に形成された紡糸溶液が全部繊維化されない場合に発生するドロップレット現象を防止するだけでなく、溢れる紡糸溶液を回収する目的に設置され、ノズル出口で繊維化されなかった紡糸溶液を溜めて、これをノズルプレイト(4e)の直上段に位置する紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)に移送する役割をする。
【0028】
上記ノズル外径ホール(4b)の直径は、ノズル(5)より当然大きく、好ましくは、絶縁体にて構成される。
【0029】
上記紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)は、絶縁体にて製造され、ノズル外径ホール(4b)を通じて流入される残余紡糸溶液を一時貯蔵した後、これを紡糸溶液主供給板(4f)に移送する役割をする。
【0030】
絶縁体板(4c)は、上記紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)の直上段に設置され、ノズル部位でのみ円滑に紡糸されるように、ノズルの上部を保護する役割をする。
【0031】
ノズルプレイト(4e)の直下段には、ノズルの配列方式と同一にピンが配列されている導電体板(4h)が設置され、導電体板(4h)を含んでいる紡糸溶液主供給板(4f)が設置される。
【0032】
また、紡糸溶液主供給板(4f)の直下段には、間接加熱方式の加熱装置(4g)が設けられる。
【0033】
上記導電体板(4h)は、ノズル(5)に高電圧を印加する役割をし、紡糸溶液主供給板(4f)は、紡糸溶液ドロップ装置(3)から紡糸ブロック(4)に流入される紡糸溶液を貯蔵した後、ノズル(5)に供給する役割をする。この時、紡糸溶液主供給板(4f)は、紡糸溶液の貯蔵量を最小化することができるように、最小空間を占めるように製作することが好ましい。
【0034】
一方、本発明の紡糸溶液ドロップ装置(3)は、全体的に図14(a)及び図14(b)のように、密閉された円筒状の形状を有するように設計されて、紡糸溶液主タンク(1)から連続的に流入される紡糸溶液をノズルブロック(4)に液滴形態に供給する役割をする。
【0035】
上記紡糸溶液ドロップ装置(3)は、図14(a)及び図14(b)のように、全体的に密閉された円筒状の形状を有する。図14(a)は、紡糸溶液ドロップ装置の断面図であり、図14(b)は、紡糸溶液ドロップ装置の斜視図である。紡糸溶液ドロップ装置(3)の上端部は、紡糸溶液をノズルブロックに誘導する紡糸溶液誘導管(3c)と気体流入管(3b)が並んで配列されている。この時、紡糸溶液誘導管(3c)を気体流入管(3b)より若干長く形成することが好ましい。
【0036】
気体は上記気体流入管の下端から流入され、気体が初めて流入される部分はフィルター(3a)と連結される。紡糸溶液ドロップ装置(3)の下端部には、ドロップされた紡糸溶液をノズルブロック(4)に誘導する紡糸溶液排出管(3d)が形成されている。紡糸溶液ドロップ装置(3)の中間部は、紡糸溶液が紡糸溶液誘導管(3c)の末端部でドロップ(drop)されることができるように、中空状態に形成されている。
【0037】
上記紡糸溶液ドロップ装置(3)に流入された紡糸溶液は、紡糸溶液誘導管(3c)を沿って流れ、その末端部でドロップ(drop)されて、紡糸溶液の流れが一回以上遮断される。
【0038】
紡糸溶液がドロップされる原理を具体的に説明する。気体がフィルター(3a)及び気体流入管(3b)を沿って密閉された紡糸溶液ドロップ装置(3)の上端部に流入されると、気体渦流などによって、紡糸溶液誘導管(3c)の圧力が自然的に不規則になり、この時発生する圧力差によって紡糸溶液がドロップすることになる。
【0039】
本発明において、流入される気体としては、空気または窒素などの不活性ガスを使用することができる。
【0040】
本発明のノズルブロック(4)全体は、エレクトロスピニングされたナノ繊維の分布を均一にするために、ノズルブロックの左右往復運動装置(10)によって、エレクトロスピニングされたナノ繊維の進行方向と直角方向に左右往復運動する。
【0041】
また、上記ノズルブロック(4)の内部には、より具体的には、紡糸溶液主供給板(4f)の内部には、紡糸溶液がノズルブロック(4)の内でゲル化されることを防止するために、ノズルブロック(4)の内に保管されている紡糸溶液を攪拌する攪拌機(11c)が設置されている。
【0042】
上記攪拌機(11c)は、非伝導性絶縁棒(11b)によって、攪拌機用モーター(11a)と連結されている。
【0043】
ノズルブロック(4)内に攪拌機(11c)が設置されると、無機金属を含有する溶液をエレクトロスピニングするか、長時間混合溶媒を使用して溶解させた紡糸溶液をエレクトロスピニングする時、ノズルブロック(4)内の紡糸溶液のゲル化を効果的に防止することができる。
【0044】
また、上記ノズルブロック(4)の最上部には、ノズルブロックに過剰供給された紡糸溶液を紡糸溶液主タンク(1)に強制移送させる紡糸溶液排出装置(12)が連結されている。
【0045】
上記紡糸溶液排出装置(12)は、ノズルブロック内に過剰供給された紡糸溶液を吸気などによって紡糸溶液主タンク(1)に強制移送させる。
【0046】
また、本発明のコレクター(7)には、直接加熱方式または間接加熱方式の加熱装置(図示せず)が設置(付着)されており、上記コレクター(7)は固定または連続回転する。
【0047】
ノズルブロック(4)上に位置するノズル(5)などは、対角線状または一直線状に配列される。
【0048】
次いでは、上記本発明の上向式エレクトロスピニング装置を用いて不織布を製造する方法について説明する。
【0049】
まず、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の紡糸溶液を計量ポンプ(2)にて計量して、定量的に紡糸溶液ドロップ装置(3)に供給する。この時、紡糸溶液を製造するに使用される熱可塑性または熱硬化性の樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリ(グリコライド(glycolide)/L−ラクチド)共重合体、ポリ(L−ラクチド)樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、ポリビニールクロライド樹脂などが含まれる。紡糸溶液としては、上記樹脂の溶融液を使用してもよく、またはその他の樹脂溶液を使用してもよい。
【0050】
このように、紡糸溶液ドロップ装置(3)内に供給された紡糸溶液は、紡糸溶液ドロップ装置(3)を通過しながら不連続的に、即ち、紡糸溶液の流れが一回以上遮断されながら、本発明に係る高電圧が印加されており、且つ攪拌機(11c)が設置されたノズルブロック(4)の紡糸溶液主供給板(4f)に供給される。上記紡糸溶液ドロップ装置(3)は、紡糸溶液の流れを遮断して、紡糸溶液主タンク(1)に電気が通じないようにする役割もする。
【0051】
次いで、上記ノズルブロック(4)では、紡糸溶液を上向式ノズル(5)を通じて、高電圧が掛かっている上部のコレクター(7)に上向吐出して不織布ウエブ(web)を製造する。
【0052】
紡糸溶液主供給板(4f)に移送された紡糸溶液は、ノズル(5)を通じて上部コレクター(7)に吐出されることにより、繊維を形成する。ノズル(5)で繊維化できなかった過剰の紡糸溶液は、ノズル外径ホール(4b)で集まって、紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)を経て紡糸溶液主供給板(4f)に再び移動することになる。
【0053】
さらに、ノズルブロックの最上部に過剰供給された紡糸溶液は、紡糸溶液排出装置(12)によって紡糸溶液主タンク(1)に強制移送される。
【0054】
この時、電気力によって繊維形成を促進するために、ノズルブロック(4)の下段部に設置された導電体板(4h)とコレクター(7)には、電圧発生装置(6)で発生された1kV以上、より好ましくは、20kV以上の電圧を印加する。上記コレクター(7)としては、エンドレス(endless)ベルトを使用することが、生産性側面からより有利である。上記コレクター(7)は、不織布の密度を均一にするために、左右に一定距離を往復運動することが好ましい。
【0055】
このように、コレクター(7)上に形成された不織布ウエブは、ウエブ支持ローラー(14)を経て、巻き取りローラー(16)に巻き取られることにより、不織布の製造工程が完了される。
【0056】
前説した上向式ノズルブロック(4)を使用することにより、本発明の製造装置は、ドロップレット現象を効果的に防止して、不織布の品質を向上することができ、電気力が増加するにつれて繊維形成効果が高くなって、ナノ繊維及び不織布を大量に生産することができる。さらに、本発明の製造方法は、多数個のピンから構成されるノズルなどをブロック形態に配列することにより、不織布の幅及び厚さを自由に変更、調節することができる。
【0057】
本発明の装置によって製造されるナノ繊維の不織布は、人口皮革、生理用ナプキン、フィルター、人造血管などの医療用素材、防寒胴衣、半導体用ウエハー、電池用不織布など、多様な用途として使われる。
【0058】
本発明は、上記上向式エレクトロスピニング装置を用いて、不織布、織物、編物、フィルム、メンブレイン膜(以下、“コーティング用材料”とする)の上にナノ繊維をコーティングする方法を含む。
【0059】
図2は、本発明の上向式エレクトロスピニング装置を用いてコーティング用材料上にナノ繊維をコーティングする工程概略図である。
【0060】
具体的に、コーティング用材料の供給ローラー(17)から移動しているコレクター(7)の上にコーティング用材料を連続的に供給しながら、コレクター(7)の上に位置するコーティング用材料の上に本発明の上向式エレクトロスピニング装置によってナノ繊維をエレクトロスピニングした後、ナノ繊維がコーティングされたコーティング用材料を巻き取りローラー(16)によって巻き取る。
【0061】
この時、コーティング用材料の上に2種以上の紡糸溶液を別の上向式エレクトロスピニング装置によって各々エレクトロスピニングすることにより、ナノ繊維を多層にコーティングすることもできる。
【0062】
コーティングの厚さは、用途によって適切に調節することができる。
【0063】
また、本発明は、図3のように、二つ以上の上記上向式エレクトロスピニング装置を並んで連続配列させてから、2種以上の紡糸溶液を各々の上向式エレクトロスピニング装置によってエレクトロスピニングして、ハイブリッド(hybrid)形態のナノ繊維のウエブを製造する方法と、上記上向式エレクトロスピニング装置によって各々エレクトロスピニングされた2種以上のナノ繊維のウエブを積層してハイブリッド形態のナノ繊維のウエブを製造する方法も含む。
【0064】
図3は、 並んで配列された二つの上向式エレクトロスピニング装置を用いて、ハイブリッド形態のナノ繊維のウエブを製造する工程概略図であって、図面の主要部に対する符号は省略した。
【発明の効果】
【0065】
本発明は、ナノ繊維をエレクトロスピニングすることにおいて、多数のノズルを平らなノズルブロック板に配列することにより、無限のノズル配列が可能であり、繊維形成能が改まって、単位時間当たりの生産性を向上させることができる。
【0066】
その結果、本発明によってナノ繊維ウエブが商業的に製造可能である。また、本発明はドロップレット現象を効果的に防止することにより、高品質のナノ繊維を大量生産することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明する。
【0068】
しかし、本発明は下記の実施例のみに限定されることではない。
【実施例1】
【0069】
相対粘度が3.2である(96%硫酸溶液で)ナイロン6のチップをギ酸に溶解して、25%紡糸溶液を製造した。上記紡糸溶液は、レオメーター(Rheometer−DV、III、Brookfield Co.、米国)を用いて測定した粘度が1200センチポアズ(cPS)であり、導電率計(conductivity meter、CM−40G、TOA electronics Co.,日本)にて測定した電気伝導度が350mS/mであり、テンションメーター(K10St、Kruss Co.,ドイツ)にて測定した表面張力が58mN/mであった。
【0070】
主タンク(1)に保管されている上記紡糸溶液を計量ポンプ(2)にて定量計量した後、紡糸溶液ドロップ装置(3)に供給して、紡糸溶液の流れを不連続的に転換させた。続いて、上記紡糸溶液を35kVの電圧が掛かっている図1のような上向式エレクトロスピニング装置のノズルブロック(4)に供給して、ノズル(5)を通じて繊維状に上向紡糸して、上部に位置するコレクター(7)の上で集積して、幅が60cmで、重量が3.0g/m2である不織布のウエブを製造した。この時、ノズルブロック(4)に配列されたノズル(5)は対角線に配列し、ノズルの数は3,000とし、紡糸距離は15cmとし、ノズル当たりの吐出量は1.2mg/分とし、ノズルブロック(4)の往復運動は2m/分とし、コレクター(7)に電気ヒーターを設置してコレクターの表面温度を35℃として、エレクトロスピニングを行った。紡糸過程中、ノズルブロック(4)の最上部に溢れる紡糸溶液は、吸気を用いる紡糸溶液排出装置(12)によって強制に紡糸溶液主タンク(1)に移送した。ウエブの生産速度は2m/分とした。ここで、ノズルとしては、ノズルの出口角度(θ)が120°であり、ノズル内径(Di)が0.9mmであるノズルを使った。電圧発生装置としては、Simco Company製のモデルCH50を用いた。製造されたナイロン6のナノ繊維の不織布を電子顕微鏡によって写真撮影した結果は図9の通りであり、ナノ繊維の直径は200nmで、ドロップレット現象が全く発生しなかった。
【実施例2】
【0071】
相対粘度が3.2である(96%硫酸溶液で)ナイロン6のチップをギ酸に溶解して、20%紡糸溶液を製造した。上記紡糸溶液は、レオメーター(Rheometer−DV、III、Brookfield Co.、米国)を用いて測定した粘度が1050センチポアズ(cPS)であり、導電率計(conductivity meter、CM−40G、TOA electronics Co.,日本)にて測定した電気伝導度が350mS/mであり、テンションメーター(K10St、Kruss Co.,ドイツ)にて測定した表面張力が51mN/mであった。
【0072】
主タンク(1)に保管されている上記紡糸溶液を、計量ポンプ(2)にて定量計量した後、紡糸溶液ドロップ装置(3)に供給して、紡糸溶液の流れを不連続的に転換させた。続いて、上記紡糸溶液を35kVの電圧が掛かっている図1のような上向式エレクトロスピニング装置のノズルブロック(4)に供給して、ノズル(5)を通じて繊維状に上向紡糸して、上部に位置するコレクター(7)の上にエレクトロスピニングした。一方、上記コレクター(7)の上には幅が60cmで、重量が157g/m2であるポリプロピレン不織布を連続供給して、エレクトロスピニングされるナノ繊維が上記ポリプロピレン不織布の上にコーティングされるようにした。この時、3,000個のノズルから構成された二枚のノズルブロックの紡糸板を連続に並んで位置させ、総6,000個のノズルを用いてコーティングした。ポリプロピレン不織布の進行速度は40m/分とした。ノズル当たりの吐出量は1.0mg/分とし、ノズルブロック(4)の往復運動は4m/分とし、コレクター(7)に電気ヒーターを設置してコレクターの表面温度を35℃として、エレクトロスピニングを行った。紡糸過程中、ノズルブロック(4)の最上部に溢れる紡糸溶液は、吸気を用いる紡糸溶液排出装置(12)によって強制的に紡糸溶液主タンク(1)に移送した。ウエブの生産速度は2m/分とした。ここで、ノズルとしては、ノズルの出口角度(θ)が120°であり、ノズル内径(Di)が0.9mmであるノズルを使った。電圧発生装置としては、Simco Company製のモデルCH50を用いた。製造されたナイロン6のナノ繊維がポリプロピレン不織布にコーティングされた状態を電子顕微鏡によって写真撮影した結果は図10の通りであり、ナノ繊維の直径は156nmで、ドロップレット現象が全く発生しなかった。
【実施例3】
【0073】
酸化ニオブ(Niobium oxide、NbO2、50重量部の溶液状態)のゾル(sol)溶液を一般のゾル−ゲル(sol−gel)工程によって、ニオビウムエトキシド(Niobium ethoxide)から製造した。即ち、ニオブ(Niobium)1,000gをエタノール1,000gに溶解し、ここに酢酸3gを添加した。その後、40℃で100rpm程度に攪拌した。2時間後、淡黄色のゾル溶液を得た。酢酸はゾルの製造時に沈殿が起こられないようにし、且つ加水分解及び凝縮の触媒として作用する。ポリビニールアセテート14重量部をアセトンに溶解した溶液2,500gと酸化ニオブのゾル溶液2,000gを混合した。混合溶液を5時間、35℃、60rpmで攪拌した。この溶液を用いて上向式エレクトロスピニング装置によってエレクトロスピニングを行った。主タンク(1)に保管されている上記紡糸溶液を、計量ポンプ(2)にて定量計量した後、紡糸溶液ドロップ装置(3)に供給して、紡糸溶液の流れを不連続的に転換させた。続いて、上記紡糸溶液を30kVの電圧が掛かっている図1のような上向式エレクトロスピニング装置のノズルブロック(4)に供給して、ノズル(5)を通じて繊維状に上向紡糸して、上部に位置するコレクター(7)の上で集積して、幅が60cmで、重量が4.0g/m2である不織布のウエブを製造した。この時、ノズルブロック(4)に配列されたノズル(5)は対角線に配列し、ノズルの数は4,000とし、ノズル当たりの吐出量は1.6mg/分とし、ゲル化を防止するために、ノズルブロックの温度を40℃とし、ノズルブロックに攪拌機を設置して溶液を30rpmで回転させた。攪拌回転モーターの安全を確保するために、絶縁体として、その中間がテフロン(登録商標)からなる棒を連結して電気の流れを遮断した。ノズルブロック(4)の往復運動は2m/分とし、コレクター(7)に電気ヒーターを設置してコレクターの表面温度を40℃として、エレクトロスピニングを行った。紡糸過程中、ノズルブロック(4)の最上部に溢れる紡糸溶液は、吸気を用いる紡糸溶液排出装置(12)によって強制に紡糸溶液主タンク(1)に移送した。ウエブの生産速度は1.6m/分とし、ノズルとしては、ノズルの出口角度(θ)が120°であり、ノズル内径(Di)が1.0mmであるノズルを使った。電圧発生装置としては、Simco Company製のモデルCH50を用いた。製造された酸化ニオブ/ポリビニールアセテート〔niobium oxide/poly(vinyl acetate)〕のナノ繊維の不織布を電子顕微鏡によって写真撮影した結果は図11の通りであり、ナノ繊維の直径は250nmで、ドロップレット現象が全く発生しなかった。また、純粋な酸化ニオブのナノ繊維を製造するために、1000℃で3時間焼結処理した結果、図12のような無機ナノ繊維が製造された。結晶構造を確認するためにX線にて確認した結果、純粋な酸化ニオブであることがわかった。
【実施例4】
【0074】
二つの紡糸溶液(紡糸溶液A及び紡糸溶液B)を用い、図3の上向式エレクトロスピニング装置によってナノ繊維をエレクトロスピニングした。具体的に、紡糸溶液Aとしては、実施例1のようなナイロン6の紡糸溶液を用い、紡糸溶液Bとしては、平均分子量が80,000であるポリウレタン樹脂(Dow Chemical製 Pellethane 2103−80AE)をN,N−ジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)に10重量%溶解して製造した紡糸溶液を用いた。上記紡糸溶液Bをレオメーター(Rheometer、DVIII、Brookfield Co.,米国)にて測定した粘度が700センチポアズ(cPs)であり、導電率計(conductivity meter、CM−40G、TOA electronics Co.,日本)にて測定した電気伝導度0.15mS/mであり、テンションメーター(K10St、Kruss Co.,ドイツ)にて測定した表面張力が38mN/mであった。上記紡糸溶液Aを実施例1と同一の工程及び条件で、図3のように二つの上向式エレクトロスピニング装置の中で一つの上向式エレクトロスピニング装置によってエレクトロスピニングした。それと同時に、上記紡糸溶液Bを下のように、残りの一つの上向式エレクトロスピニング装置によってエレクトロスピニングした。具体的に、主タンク(1)に保管されている上記紡糸溶液Bを、計量ポンプ(2)にて定量計量した後、紡糸溶液ドロップ装置(3)に供給して紡糸溶液の流れを不連続的に転換させた。続いて、上記紡糸溶液を35kVの電圧が掛かっている図3のような上向式エレクトロスピニング装置のノズルブロック(4)に供給して、ノズル(5)を通じて繊維状に上向エレクトロスピニングした。この時、ノズルブロック(4)に配列されたノズル(5)は対角線に配列し、ノズルの数は3,000とし、紡糸距離は15cmとし、ノズル当たりの吐出量は1.6mg/分とし、ノズルブロック(4)の往復運動は2m/分とし、コレクター(7)に電気ヒーターを設置してコレクターの表面温度を85℃として、エレクトロスピニングを行った。紡糸過程中、ノズルブロック(4)の最上部に溢れる紡糸溶液は、吸気を用いる紡糸溶液排出装置(12)によって強制に紡糸溶液主タンク(1)に移送した。ノズルとしては、ノズルの出口角度(θ)が120°であり、ノズル内径(Di)が0.8mmであるノズルを使った。電圧発生装置としては、Simco Company製のモデルCH50を用いた。製造されたナイロンのナノ繊維の不織布を電子顕微鏡によって写真撮影した結果は図13の通りであり、ナノ繊維の直径は320nmで、ドロップレット現象が全く発生しなかった。
【0075】
上記のように製造したナイロンのナノ繊維ウエブとポリウレタンのナノ繊維ウエブを進行速度2m/分に合わせて、ハイブリッド形態のナノ繊維ウエブを製造した。ナイロン6−ポリウレタンのハイブリッド形態のナノ繊維ウエブの機械的物性を測定した結果、引張強度が9MPaで、伸度が150%で、弾性率が35MPaであった。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の上向式エレクトロスピニング装置を用いて、ナノ繊維ウエブを製造する工程概略図。
【図2】本発明の上向式エレクトロスピニング装置を用いて、コーティング用材料上にナノ繊維をコーティングする工程概略図。
【図3】本発明の上向式エレクトロスピニング装置を用いて、ハイブリッド形態のナノ繊維ウエブを製造する工程概略図。
【図4】ノズルブロック(4)の模式図。
【図5】ノズル(5)の側面を示す模式図。
【図6】ノズル(5)の平面例示図。
【図7】ノズル(5)の側面を示す模式図。
【図8】ノズル(5)の平面例示図。
【図9】本発明の実施例1から製造したナノ繊維の不織布を撮影した電子顕微鏡の写真。
【図10】本発明の実施例2から製造したナノ繊維の不織布を撮影した電子顕微鏡の写真
【図11】本発明の実施例3から製造したナノ繊維の不織布を撮影した電子顕微鏡の写真
【図12】図11のナノ繊維不織布を焼結処理した後の電子顕微鏡の写真であり。
【図13】本発明の実施例4から製造したポリウレタンナノ繊維の不織布を撮影した電子顕微鏡の写真。
【図14a】本発明の中で、紡糸原液ドロップ装置(3)の断面図。
【図14b】本発明の中で、紡糸原液ドロップ装置(3)の斜視図。
【符号の説明】
【0077】
1:紡糸溶液主タンク
2:計量ポンプ
3:紡糸溶液ドロップ装置
3a:紡糸溶液ドロップ装置のフィルター
3b:気体流入管
3c:紡糸溶液誘導管
3d:紡糸溶液排出管
4:ノズルブロック
4b:ノズル外径ホール
4c:絶縁体板
4d:紡糸溶液臨時貯蔵板
4e:ノズルプレイト
4f:紡糸溶液主供給板
4g:加熱装置
4h:導電体板
5:ノズル
6:ナノ繊維
7:コレクター(コンベヤーベルト)
8a、8b:コレクター支持ローラー
9:電圧発生装置
10:ノズルブロックの左右往復運動装置
11a:攪拌機用モーター
11b:非伝導性絶縁棒
11c:攪拌機
12:紡糸溶液排出装置
13:移送管
14:ウエブ支持ローラー
15:ウエブ
16:ウエブ巻き取りローラー
17:コーティング用材料の供給ローラー
θ:ノズル出口角度
L:ノズルの長さ
Di:ノズル内径
Do:ノズル外径
【技術分野】
【0001】
本発明は、その繊度がナノ水準である繊維(以下、“ナノ繊維”とする)を大量生産することができる上向式エレクトロスピニング装置及びこれを用いて製造されたナノ繊維に関するものである。
【0002】
ナノ繊維から構成された不織布、メンブレイン(membrane)、ブレイド(braid)などの製品は生活用品や農業用、衣類用、産業用などで広く応用されている。具体的に、人工皮革、人工スエード(suede)、生理用ナプキン、衣服、おむつ、包装材、雑貨用素材、各種フィルター素材、遺伝子伝達体などの医療用素材、防弾胴衣などの国防用素材など多様な分野で使われている。
【背景技術】
【0003】
米国第4,044,404号などに記載されている従来のエレクトロスピニング装置及びこれを用いたナノ繊維の製造方法は下のようである。従来のエレクトロスピニング装置は、紡糸溶液を保管する紡糸溶液主タンク;紡糸溶液の定量供給のための計量ポンプ;紡糸溶液を吐出する多数個のノズルが配列されたノズルブロック;上記ノズルの下段に位置して紡糸される繊維などを集積するコレクター;及び電圧を発生させる電圧発生装置などからなっている。
【0004】
つまり、従来のエレクトロスピニング装置はコレクターがノズルの下段に位置する下向式エレクトロスピニング装置である。
【0005】
上記下向式エレクトロスピニング装置を用いた従来のナノ繊維の製造方法をより具体的に説明すると、紡糸溶液主タンク内の紡糸溶液を計量ポンプを通じて高電圧が印加されている多数のノズル内に連続的に定量供給する。
【0006】
次いで、ノズルなどに供給された紡糸溶液は、ノズルを通じて高電圧が印加されているコレクターに紡糸、集束されることにより、単繊維ウエブを形成する。
【0007】
次いで、上記単繊維ウエブをエンボシング又はニードルパンチング(needle−punching)して不織布を製造する。
【0008】
このような従来の下向式エレクトロスピニング装置及びこれを用いたナノ繊維の製造方法は、高電圧が印加されているノズルに紡糸溶液が連続的に供給されるため、付与される電気力効果が低下される問題があった。
【0009】
なお、ノズルとコレクターを水平方向に配列させた従来の水平式エレクトロスピニング装置は、紡糸するための多数のノズルを配列させることが非常に難しいという短所がある。即ち、ノズルと紡糸溶液とを含むノズル板をコレクターと水平方向に立てるために、最上部ラインに位置するノズルと、最下部ラインに位置するノズルと、コレクターとを同一紡糸距離(先端からコレクターまでの距離)になるように配列することが難しいので、限定された個数のノズルしか配列することができないという問題点があった。
【0010】
一般的に、エレクトロスピニングすることにおいて、ノズル当たり吐出量が10−2乃至10−3g/分程度と非常に少ないので、商業化に要する大量生産のためには、狭い空間内に多数のノズルを配列せねばならない。
【0011】
しかし、上記の従来エレクトロスピニング装置は、前述したように、所定の空間に限定された個数のノズルしか配列することができないので、商業化に要する大量生産が困難であった。
【0012】
上記した従来の水平式エレクトロスピニング装置は、殆ど1ホールの水準にエレクトロスピニングするものであって、大量生産が不可能ので、商業化しにくい問題があった。
【0013】
さらに、従来の水平式エレクトロスピニング装置は、ノズルから紡糸されなかった高分子溶液の塊がそのままコレクター板に付着される現象〔以下、“ドロップレット”(droplet)とする〕が発生し、製品の品質が低下される問題も有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、ナノ繊維の大量生産が可能で、かつ多数のノズルを狭い領域内に配列することにより、単位時間当たり高い生産性を確保することだけでなく、ドロップレット現象を防止することにより、高品質のナノ繊維及びその不織布を製造することができる、上向式エレクトロスピニング装置を提供する。このために、本発明は、ノズルブロックがコレクターの下段に位置する上向式エレクトロスピニング装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記のような課題を達するために、〔A〕ノズルブロック(4)に設けられたノズルの出口が上部方向に形成されており;〔B〕コレクターがノズルブロック(4)の上部に位置し;〔C〕ノズルブロックの最上部に紡糸溶液排出装置(12)が連結されている上向式エレクトロスピニング装置が本発明によって提供される。
【0016】
以下、添付された図面などを参考として、本発明を詳細に説明する。
【0017】
図1のように、本発明の上向式エレクトロスピニング装置は、紡糸溶液を保管する紡糸溶液主タンク(1);紡糸溶液の定量供給のための計量ポンプ(2);多数個のピンから構成されるノズル(5)がブロック形態に組み合われており、紡糸溶液を繊維状に吐出する上向式ノズルブロック(4);上記ノズルブロックの上部に位置して紡糸される単繊維などを集積するコレクター(7);高電圧を発生させる電圧発生装置(9);及びノズルブロックの最上部に連結された紡糸溶液排出装置(12)などを含む。
【0018】
本発明において、ノズルブロック(4)に設けられているノズル(5)の出口が上部方向に形成されており、コレクター(7)がノズルブロック(4)の上部に位置して紡糸溶液を上部方向に紡糸する。
【0019】
図4のように、上記ノズルブロック(4)は、〔A〕ノズル(5)が配列されたノズルプレイト(4e);〔B〕ノズル(5)を包んでいるノズル外径ホール(4b);〔C〕ノズル外径ホール(4b)と連結されて、ノズルプレイト(4e)の直上段に位置する紡糸溶液臨時貯蔵板(4d);〔D〕紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)の直上段に設置された絶縁体板(4c);〔E〕ノズルの配列方式と同一にピンが配列されており、ノズルプレイト(4e)の直下段に位置する導電体板(4h);〔F〕導電体板(4h)を含んでいる紡糸溶液主供給板(4f);〔G〕紡糸溶液主供給板(4f)の直下段に位置する加熱装置(4g);及び〔H〕紡糸溶液主供給板(4f)の内部に設置された攪拌機(11c)から構成される。
【0020】
図5及び図7のように、ノズル(5)の出口は、一つ以上の喇叭管形態に出口部分が拡大された形を有する。この時、角度(θ)を90乃至175°、より好ましくは95乃至150°になるようにすることが、ノズル(5)の出口で同一形態の紡糸溶液の滴を安定的に形成するために好ましい。
【0021】
ノズル出口の角度(θ)が175°を超える場合は、ノズル部位で液滴が大きく形成され、表面張力が増加する。その結果、ナノ繊維を形成するためには、もっと高い電圧が必要になり、液滴の中央部位ではなく、 外周部分から紡糸されることにより、液滴の中央部位が固化されて、ノズルが詰まる現象が生じるという問題点がある。
【0022】
一方、ノズル出口の角度(θ)が90°未満である場合には、ノズル出口部位に形成された液滴がかなり小さくて、 電場が瞬間的に不均一になるか、ノズル出口部位での供給が多少不均一になることにより、液滴が非正常的に形成され、繊維を形成することができず、ドロップレット現象が生じる。
【0023】
本発明では、ノズルの長さ(L、L1、L2)を特に限定することではない。
【0024】
しかし、ノズル内径(Di)は0.01〜5mm、ノズル外径(Do)は0.01〜5mmであることが好ましい。ノズルの内径または外径が0.01mm未満であると、ドロップレット現象が頻繁に発生され、5mmを超えると、繊維を形成することができない。
【0025】
図5及び図6は、ノズル出口に一つの拡大部(角度)が形成されているノズルの側面と平面を示し、図7及び図8は、ノズル出口に二つの拡大部(角度)が形成されているノズルの側面と平面を示す。即ち、図7に図示されたθ1は、紡糸溶液が紡糸される部分である第1ノズル出口の角度であり、θ2は、紡糸溶液が供給される部分である第2ノズル出口の角度である。
【0026】
ノズルブロック(4)内の多数のノズル(5)は、ノズルプレイト(4e)に配列されており、ノズル(5)を包んでいるノズル外径ホール(4b)などがノズル(5)の外部に設置されている。
【0027】
上記ノズル外径ホール(4b)は、ノズル(5)の出口で過量に形成された紡糸溶液が全部繊維化されない場合に発生するドロップレット現象を防止するだけでなく、溢れる紡糸溶液を回収する目的に設置され、ノズル出口で繊維化されなかった紡糸溶液を溜めて、これをノズルプレイト(4e)の直上段に位置する紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)に移送する役割をする。
【0028】
上記ノズル外径ホール(4b)の直径は、ノズル(5)より当然大きく、好ましくは、絶縁体にて構成される。
【0029】
上記紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)は、絶縁体にて製造され、ノズル外径ホール(4b)を通じて流入される残余紡糸溶液を一時貯蔵した後、これを紡糸溶液主供給板(4f)に移送する役割をする。
【0030】
絶縁体板(4c)は、上記紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)の直上段に設置され、ノズル部位でのみ円滑に紡糸されるように、ノズルの上部を保護する役割をする。
【0031】
ノズルプレイト(4e)の直下段には、ノズルの配列方式と同一にピンが配列されている導電体板(4h)が設置され、導電体板(4h)を含んでいる紡糸溶液主供給板(4f)が設置される。
【0032】
また、紡糸溶液主供給板(4f)の直下段には、間接加熱方式の加熱装置(4g)が設けられる。
【0033】
上記導電体板(4h)は、ノズル(5)に高電圧を印加する役割をし、紡糸溶液主供給板(4f)は、紡糸溶液ドロップ装置(3)から紡糸ブロック(4)に流入される紡糸溶液を貯蔵した後、ノズル(5)に供給する役割をする。この時、紡糸溶液主供給板(4f)は、紡糸溶液の貯蔵量を最小化することができるように、最小空間を占めるように製作することが好ましい。
【0034】
一方、本発明の紡糸溶液ドロップ装置(3)は、全体的に図14(a)及び図14(b)のように、密閉された円筒状の形状を有するように設計されて、紡糸溶液主タンク(1)から連続的に流入される紡糸溶液をノズルブロック(4)に液滴形態に供給する役割をする。
【0035】
上記紡糸溶液ドロップ装置(3)は、図14(a)及び図14(b)のように、全体的に密閉された円筒状の形状を有する。図14(a)は、紡糸溶液ドロップ装置の断面図であり、図14(b)は、紡糸溶液ドロップ装置の斜視図である。紡糸溶液ドロップ装置(3)の上端部は、紡糸溶液をノズルブロックに誘導する紡糸溶液誘導管(3c)と気体流入管(3b)が並んで配列されている。この時、紡糸溶液誘導管(3c)を気体流入管(3b)より若干長く形成することが好ましい。
【0036】
気体は上記気体流入管の下端から流入され、気体が初めて流入される部分はフィルター(3a)と連結される。紡糸溶液ドロップ装置(3)の下端部には、ドロップされた紡糸溶液をノズルブロック(4)に誘導する紡糸溶液排出管(3d)が形成されている。紡糸溶液ドロップ装置(3)の中間部は、紡糸溶液が紡糸溶液誘導管(3c)の末端部でドロップ(drop)されることができるように、中空状態に形成されている。
【0037】
上記紡糸溶液ドロップ装置(3)に流入された紡糸溶液は、紡糸溶液誘導管(3c)を沿って流れ、その末端部でドロップ(drop)されて、紡糸溶液の流れが一回以上遮断される。
【0038】
紡糸溶液がドロップされる原理を具体的に説明する。気体がフィルター(3a)及び気体流入管(3b)を沿って密閉された紡糸溶液ドロップ装置(3)の上端部に流入されると、気体渦流などによって、紡糸溶液誘導管(3c)の圧力が自然的に不規則になり、この時発生する圧力差によって紡糸溶液がドロップすることになる。
【0039】
本発明において、流入される気体としては、空気または窒素などの不活性ガスを使用することができる。
【0040】
本発明のノズルブロック(4)全体は、エレクトロスピニングされたナノ繊維の分布を均一にするために、ノズルブロックの左右往復運動装置(10)によって、エレクトロスピニングされたナノ繊維の進行方向と直角方向に左右往復運動する。
【0041】
また、上記ノズルブロック(4)の内部には、より具体的には、紡糸溶液主供給板(4f)の内部には、紡糸溶液がノズルブロック(4)の内でゲル化されることを防止するために、ノズルブロック(4)の内に保管されている紡糸溶液を攪拌する攪拌機(11c)が設置されている。
【0042】
上記攪拌機(11c)は、非伝導性絶縁棒(11b)によって、攪拌機用モーター(11a)と連結されている。
【0043】
ノズルブロック(4)内に攪拌機(11c)が設置されると、無機金属を含有する溶液をエレクトロスピニングするか、長時間混合溶媒を使用して溶解させた紡糸溶液をエレクトロスピニングする時、ノズルブロック(4)内の紡糸溶液のゲル化を効果的に防止することができる。
【0044】
また、上記ノズルブロック(4)の最上部には、ノズルブロックに過剰供給された紡糸溶液を紡糸溶液主タンク(1)に強制移送させる紡糸溶液排出装置(12)が連結されている。
【0045】
上記紡糸溶液排出装置(12)は、ノズルブロック内に過剰供給された紡糸溶液を吸気などによって紡糸溶液主タンク(1)に強制移送させる。
【0046】
また、本発明のコレクター(7)には、直接加熱方式または間接加熱方式の加熱装置(図示せず)が設置(付着)されており、上記コレクター(7)は固定または連続回転する。
【0047】
ノズルブロック(4)上に位置するノズル(5)などは、対角線状または一直線状に配列される。
【0048】
次いでは、上記本発明の上向式エレクトロスピニング装置を用いて不織布を製造する方法について説明する。
【0049】
まず、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の紡糸溶液を計量ポンプ(2)にて計量して、定量的に紡糸溶液ドロップ装置(3)に供給する。この時、紡糸溶液を製造するに使用される熱可塑性または熱硬化性の樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリ(グリコライド(glycolide)/L−ラクチド)共重合体、ポリ(L−ラクチド)樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、ポリビニールクロライド樹脂などが含まれる。紡糸溶液としては、上記樹脂の溶融液を使用してもよく、またはその他の樹脂溶液を使用してもよい。
【0050】
このように、紡糸溶液ドロップ装置(3)内に供給された紡糸溶液は、紡糸溶液ドロップ装置(3)を通過しながら不連続的に、即ち、紡糸溶液の流れが一回以上遮断されながら、本発明に係る高電圧が印加されており、且つ攪拌機(11c)が設置されたノズルブロック(4)の紡糸溶液主供給板(4f)に供給される。上記紡糸溶液ドロップ装置(3)は、紡糸溶液の流れを遮断して、紡糸溶液主タンク(1)に電気が通じないようにする役割もする。
【0051】
次いで、上記ノズルブロック(4)では、紡糸溶液を上向式ノズル(5)を通じて、高電圧が掛かっている上部のコレクター(7)に上向吐出して不織布ウエブ(web)を製造する。
【0052】
紡糸溶液主供給板(4f)に移送された紡糸溶液は、ノズル(5)を通じて上部コレクター(7)に吐出されることにより、繊維を形成する。ノズル(5)で繊維化できなかった過剰の紡糸溶液は、ノズル外径ホール(4b)で集まって、紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)を経て紡糸溶液主供給板(4f)に再び移動することになる。
【0053】
さらに、ノズルブロックの最上部に過剰供給された紡糸溶液は、紡糸溶液排出装置(12)によって紡糸溶液主タンク(1)に強制移送される。
【0054】
この時、電気力によって繊維形成を促進するために、ノズルブロック(4)の下段部に設置された導電体板(4h)とコレクター(7)には、電圧発生装置(6)で発生された1kV以上、より好ましくは、20kV以上の電圧を印加する。上記コレクター(7)としては、エンドレス(endless)ベルトを使用することが、生産性側面からより有利である。上記コレクター(7)は、不織布の密度を均一にするために、左右に一定距離を往復運動することが好ましい。
【0055】
このように、コレクター(7)上に形成された不織布ウエブは、ウエブ支持ローラー(14)を経て、巻き取りローラー(16)に巻き取られることにより、不織布の製造工程が完了される。
【0056】
前説した上向式ノズルブロック(4)を使用することにより、本発明の製造装置は、ドロップレット現象を効果的に防止して、不織布の品質を向上することができ、電気力が増加するにつれて繊維形成効果が高くなって、ナノ繊維及び不織布を大量に生産することができる。さらに、本発明の製造方法は、多数個のピンから構成されるノズルなどをブロック形態に配列することにより、不織布の幅及び厚さを自由に変更、調節することができる。
【0057】
本発明の装置によって製造されるナノ繊維の不織布は、人口皮革、生理用ナプキン、フィルター、人造血管などの医療用素材、防寒胴衣、半導体用ウエハー、電池用不織布など、多様な用途として使われる。
【0058】
本発明は、上記上向式エレクトロスピニング装置を用いて、不織布、織物、編物、フィルム、メンブレイン膜(以下、“コーティング用材料”とする)の上にナノ繊維をコーティングする方法を含む。
【0059】
図2は、本発明の上向式エレクトロスピニング装置を用いてコーティング用材料上にナノ繊維をコーティングする工程概略図である。
【0060】
具体的に、コーティング用材料の供給ローラー(17)から移動しているコレクター(7)の上にコーティング用材料を連続的に供給しながら、コレクター(7)の上に位置するコーティング用材料の上に本発明の上向式エレクトロスピニング装置によってナノ繊維をエレクトロスピニングした後、ナノ繊維がコーティングされたコーティング用材料を巻き取りローラー(16)によって巻き取る。
【0061】
この時、コーティング用材料の上に2種以上の紡糸溶液を別の上向式エレクトロスピニング装置によって各々エレクトロスピニングすることにより、ナノ繊維を多層にコーティングすることもできる。
【0062】
コーティングの厚さは、用途によって適切に調節することができる。
【0063】
また、本発明は、図3のように、二つ以上の上記上向式エレクトロスピニング装置を並んで連続配列させてから、2種以上の紡糸溶液を各々の上向式エレクトロスピニング装置によってエレクトロスピニングして、ハイブリッド(hybrid)形態のナノ繊維のウエブを製造する方法と、上記上向式エレクトロスピニング装置によって各々エレクトロスピニングされた2種以上のナノ繊維のウエブを積層してハイブリッド形態のナノ繊維のウエブを製造する方法も含む。
【0064】
図3は、 並んで配列された二つの上向式エレクトロスピニング装置を用いて、ハイブリッド形態のナノ繊維のウエブを製造する工程概略図であって、図面の主要部に対する符号は省略した。
【発明の効果】
【0065】
本発明は、ナノ繊維をエレクトロスピニングすることにおいて、多数のノズルを平らなノズルブロック板に配列することにより、無限のノズル配列が可能であり、繊維形成能が改まって、単位時間当たりの生産性を向上させることができる。
【0066】
その結果、本発明によってナノ繊維ウエブが商業的に製造可能である。また、本発明はドロップレット現象を効果的に防止することにより、高品質のナノ繊維を大量生産することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明する。
【0068】
しかし、本発明は下記の実施例のみに限定されることではない。
【実施例1】
【0069】
相対粘度が3.2である(96%硫酸溶液で)ナイロン6のチップをギ酸に溶解して、25%紡糸溶液を製造した。上記紡糸溶液は、レオメーター(Rheometer−DV、III、Brookfield Co.、米国)を用いて測定した粘度が1200センチポアズ(cPS)であり、導電率計(conductivity meter、CM−40G、TOA electronics Co.,日本)にて測定した電気伝導度が350mS/mであり、テンションメーター(K10St、Kruss Co.,ドイツ)にて測定した表面張力が58mN/mであった。
【0070】
主タンク(1)に保管されている上記紡糸溶液を計量ポンプ(2)にて定量計量した後、紡糸溶液ドロップ装置(3)に供給して、紡糸溶液の流れを不連続的に転換させた。続いて、上記紡糸溶液を35kVの電圧が掛かっている図1のような上向式エレクトロスピニング装置のノズルブロック(4)に供給して、ノズル(5)を通じて繊維状に上向紡糸して、上部に位置するコレクター(7)の上で集積して、幅が60cmで、重量が3.0g/m2である不織布のウエブを製造した。この時、ノズルブロック(4)に配列されたノズル(5)は対角線に配列し、ノズルの数は3,000とし、紡糸距離は15cmとし、ノズル当たりの吐出量は1.2mg/分とし、ノズルブロック(4)の往復運動は2m/分とし、コレクター(7)に電気ヒーターを設置してコレクターの表面温度を35℃として、エレクトロスピニングを行った。紡糸過程中、ノズルブロック(4)の最上部に溢れる紡糸溶液は、吸気を用いる紡糸溶液排出装置(12)によって強制に紡糸溶液主タンク(1)に移送した。ウエブの生産速度は2m/分とした。ここで、ノズルとしては、ノズルの出口角度(θ)が120°であり、ノズル内径(Di)が0.9mmであるノズルを使った。電圧発生装置としては、Simco Company製のモデルCH50を用いた。製造されたナイロン6のナノ繊維の不織布を電子顕微鏡によって写真撮影した結果は図9の通りであり、ナノ繊維の直径は200nmで、ドロップレット現象が全く発生しなかった。
【実施例2】
【0071】
相対粘度が3.2である(96%硫酸溶液で)ナイロン6のチップをギ酸に溶解して、20%紡糸溶液を製造した。上記紡糸溶液は、レオメーター(Rheometer−DV、III、Brookfield Co.、米国)を用いて測定した粘度が1050センチポアズ(cPS)であり、導電率計(conductivity meter、CM−40G、TOA electronics Co.,日本)にて測定した電気伝導度が350mS/mであり、テンションメーター(K10St、Kruss Co.,ドイツ)にて測定した表面張力が51mN/mであった。
【0072】
主タンク(1)に保管されている上記紡糸溶液を、計量ポンプ(2)にて定量計量した後、紡糸溶液ドロップ装置(3)に供給して、紡糸溶液の流れを不連続的に転換させた。続いて、上記紡糸溶液を35kVの電圧が掛かっている図1のような上向式エレクトロスピニング装置のノズルブロック(4)に供給して、ノズル(5)を通じて繊維状に上向紡糸して、上部に位置するコレクター(7)の上にエレクトロスピニングした。一方、上記コレクター(7)の上には幅が60cmで、重量が157g/m2であるポリプロピレン不織布を連続供給して、エレクトロスピニングされるナノ繊維が上記ポリプロピレン不織布の上にコーティングされるようにした。この時、3,000個のノズルから構成された二枚のノズルブロックの紡糸板を連続に並んで位置させ、総6,000個のノズルを用いてコーティングした。ポリプロピレン不織布の進行速度は40m/分とした。ノズル当たりの吐出量は1.0mg/分とし、ノズルブロック(4)の往復運動は4m/分とし、コレクター(7)に電気ヒーターを設置してコレクターの表面温度を35℃として、エレクトロスピニングを行った。紡糸過程中、ノズルブロック(4)の最上部に溢れる紡糸溶液は、吸気を用いる紡糸溶液排出装置(12)によって強制的に紡糸溶液主タンク(1)に移送した。ウエブの生産速度は2m/分とした。ここで、ノズルとしては、ノズルの出口角度(θ)が120°であり、ノズル内径(Di)が0.9mmであるノズルを使った。電圧発生装置としては、Simco Company製のモデルCH50を用いた。製造されたナイロン6のナノ繊維がポリプロピレン不織布にコーティングされた状態を電子顕微鏡によって写真撮影した結果は図10の通りであり、ナノ繊維の直径は156nmで、ドロップレット現象が全く発生しなかった。
【実施例3】
【0073】
酸化ニオブ(Niobium oxide、NbO2、50重量部の溶液状態)のゾル(sol)溶液を一般のゾル−ゲル(sol−gel)工程によって、ニオビウムエトキシド(Niobium ethoxide)から製造した。即ち、ニオブ(Niobium)1,000gをエタノール1,000gに溶解し、ここに酢酸3gを添加した。その後、40℃で100rpm程度に攪拌した。2時間後、淡黄色のゾル溶液を得た。酢酸はゾルの製造時に沈殿が起こられないようにし、且つ加水分解及び凝縮の触媒として作用する。ポリビニールアセテート14重量部をアセトンに溶解した溶液2,500gと酸化ニオブのゾル溶液2,000gを混合した。混合溶液を5時間、35℃、60rpmで攪拌した。この溶液を用いて上向式エレクトロスピニング装置によってエレクトロスピニングを行った。主タンク(1)に保管されている上記紡糸溶液を、計量ポンプ(2)にて定量計量した後、紡糸溶液ドロップ装置(3)に供給して、紡糸溶液の流れを不連続的に転換させた。続いて、上記紡糸溶液を30kVの電圧が掛かっている図1のような上向式エレクトロスピニング装置のノズルブロック(4)に供給して、ノズル(5)を通じて繊維状に上向紡糸して、上部に位置するコレクター(7)の上で集積して、幅が60cmで、重量が4.0g/m2である不織布のウエブを製造した。この時、ノズルブロック(4)に配列されたノズル(5)は対角線に配列し、ノズルの数は4,000とし、ノズル当たりの吐出量は1.6mg/分とし、ゲル化を防止するために、ノズルブロックの温度を40℃とし、ノズルブロックに攪拌機を設置して溶液を30rpmで回転させた。攪拌回転モーターの安全を確保するために、絶縁体として、その中間がテフロン(登録商標)からなる棒を連結して電気の流れを遮断した。ノズルブロック(4)の往復運動は2m/分とし、コレクター(7)に電気ヒーターを設置してコレクターの表面温度を40℃として、エレクトロスピニングを行った。紡糸過程中、ノズルブロック(4)の最上部に溢れる紡糸溶液は、吸気を用いる紡糸溶液排出装置(12)によって強制に紡糸溶液主タンク(1)に移送した。ウエブの生産速度は1.6m/分とし、ノズルとしては、ノズルの出口角度(θ)が120°であり、ノズル内径(Di)が1.0mmであるノズルを使った。電圧発生装置としては、Simco Company製のモデルCH50を用いた。製造された酸化ニオブ/ポリビニールアセテート〔niobium oxide/poly(vinyl acetate)〕のナノ繊維の不織布を電子顕微鏡によって写真撮影した結果は図11の通りであり、ナノ繊維の直径は250nmで、ドロップレット現象が全く発生しなかった。また、純粋な酸化ニオブのナノ繊維を製造するために、1000℃で3時間焼結処理した結果、図12のような無機ナノ繊維が製造された。結晶構造を確認するためにX線にて確認した結果、純粋な酸化ニオブであることがわかった。
【実施例4】
【0074】
二つの紡糸溶液(紡糸溶液A及び紡糸溶液B)を用い、図3の上向式エレクトロスピニング装置によってナノ繊維をエレクトロスピニングした。具体的に、紡糸溶液Aとしては、実施例1のようなナイロン6の紡糸溶液を用い、紡糸溶液Bとしては、平均分子量が80,000であるポリウレタン樹脂(Dow Chemical製 Pellethane 2103−80AE)をN,N−ジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)に10重量%溶解して製造した紡糸溶液を用いた。上記紡糸溶液Bをレオメーター(Rheometer、DVIII、Brookfield Co.,米国)にて測定した粘度が700センチポアズ(cPs)であり、導電率計(conductivity meter、CM−40G、TOA electronics Co.,日本)にて測定した電気伝導度0.15mS/mであり、テンションメーター(K10St、Kruss Co.,ドイツ)にて測定した表面張力が38mN/mであった。上記紡糸溶液Aを実施例1と同一の工程及び条件で、図3のように二つの上向式エレクトロスピニング装置の中で一つの上向式エレクトロスピニング装置によってエレクトロスピニングした。それと同時に、上記紡糸溶液Bを下のように、残りの一つの上向式エレクトロスピニング装置によってエレクトロスピニングした。具体的に、主タンク(1)に保管されている上記紡糸溶液Bを、計量ポンプ(2)にて定量計量した後、紡糸溶液ドロップ装置(3)に供給して紡糸溶液の流れを不連続的に転換させた。続いて、上記紡糸溶液を35kVの電圧が掛かっている図3のような上向式エレクトロスピニング装置のノズルブロック(4)に供給して、ノズル(5)を通じて繊維状に上向エレクトロスピニングした。この時、ノズルブロック(4)に配列されたノズル(5)は対角線に配列し、ノズルの数は3,000とし、紡糸距離は15cmとし、ノズル当たりの吐出量は1.6mg/分とし、ノズルブロック(4)の往復運動は2m/分とし、コレクター(7)に電気ヒーターを設置してコレクターの表面温度を85℃として、エレクトロスピニングを行った。紡糸過程中、ノズルブロック(4)の最上部に溢れる紡糸溶液は、吸気を用いる紡糸溶液排出装置(12)によって強制に紡糸溶液主タンク(1)に移送した。ノズルとしては、ノズルの出口角度(θ)が120°であり、ノズル内径(Di)が0.8mmであるノズルを使った。電圧発生装置としては、Simco Company製のモデルCH50を用いた。製造されたナイロンのナノ繊維の不織布を電子顕微鏡によって写真撮影した結果は図13の通りであり、ナノ繊維の直径は320nmで、ドロップレット現象が全く発生しなかった。
【0075】
上記のように製造したナイロンのナノ繊維ウエブとポリウレタンのナノ繊維ウエブを進行速度2m/分に合わせて、ハイブリッド形態のナノ繊維ウエブを製造した。ナイロン6−ポリウレタンのハイブリッド形態のナノ繊維ウエブの機械的物性を測定した結果、引張強度が9MPaで、伸度が150%で、弾性率が35MPaであった。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の上向式エレクトロスピニング装置を用いて、ナノ繊維ウエブを製造する工程概略図。
【図2】本発明の上向式エレクトロスピニング装置を用いて、コーティング用材料上にナノ繊維をコーティングする工程概略図。
【図3】本発明の上向式エレクトロスピニング装置を用いて、ハイブリッド形態のナノ繊維ウエブを製造する工程概略図。
【図4】ノズルブロック(4)の模式図。
【図5】ノズル(5)の側面を示す模式図。
【図6】ノズル(5)の平面例示図。
【図7】ノズル(5)の側面を示す模式図。
【図8】ノズル(5)の平面例示図。
【図9】本発明の実施例1から製造したナノ繊維の不織布を撮影した電子顕微鏡の写真。
【図10】本発明の実施例2から製造したナノ繊維の不織布を撮影した電子顕微鏡の写真
【図11】本発明の実施例3から製造したナノ繊維の不織布を撮影した電子顕微鏡の写真
【図12】図11のナノ繊維不織布を焼結処理した後の電子顕微鏡の写真であり。
【図13】本発明の実施例4から製造したポリウレタンナノ繊維の不織布を撮影した電子顕微鏡の写真。
【図14a】本発明の中で、紡糸原液ドロップ装置(3)の断面図。
【図14b】本発明の中で、紡糸原液ドロップ装置(3)の斜視図。
【符号の説明】
【0077】
1:紡糸溶液主タンク
2:計量ポンプ
3:紡糸溶液ドロップ装置
3a:紡糸溶液ドロップ装置のフィルター
3b:気体流入管
3c:紡糸溶液誘導管
3d:紡糸溶液排出管
4:ノズルブロック
4b:ノズル外径ホール
4c:絶縁体板
4d:紡糸溶液臨時貯蔵板
4e:ノズルプレイト
4f:紡糸溶液主供給板
4g:加熱装置
4h:導電体板
5:ノズル
6:ナノ繊維
7:コレクター(コンベヤーベルト)
8a、8b:コレクター支持ローラー
9:電圧発生装置
10:ノズルブロックの左右往復運動装置
11a:攪拌機用モーター
11b:非伝導性絶縁棒
11c:攪拌機
12:紡糸溶液排出装置
13:移送管
14:ウエブ支持ローラー
15:ウエブ
16:ウエブ巻き取りローラー
17:コーティング用材料の供給ローラー
θ:ノズル出口角度
L:ノズルの長さ
Di:ノズル内径
Do:ノズル外径
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紡糸溶液主タンク(1);計量ポンプ(2);ノズルブロック(4);上記ノズルブロックに設置されたノズル(5);上記ノズルブロックから紡糸される繊維などを集積するコレクター(7);及びノズルブロック(4)とコレクター(7)に電圧を印加するための電圧発生装置(9)から構成されるエレクトロスピニング装置において、〔A〕ノズルブロック(4)に設けられたノズル(5)の出口が上部方向に形成されており、〔B〕コレクター(7)がノズルブロック(4)の上部に位置し、〔C〕ノズルブロック(4)の最上部に紡糸溶液排出装置(12)が連結されていることを特徴とする上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項2】
上記紡糸溶液主タンク(1)とノズルブロック(4)の間に紡糸溶液ドロップ装置(3)が設置されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項3】
上記ノズルブロック(4)全体が左右往復運動することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項4】
上記コレクター(7)の内に加熱装置が設置されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項5】
上記ノズルブロック(4)の内部に攪拌機(11c)が設置されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項6】
上記紡糸溶液排出装置(12)が吸気によって過剰供給された紡糸溶液を紡糸溶液主タンク(1)に強制移送させることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項7】
上記コレクター(7)が固定または連続回転することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項8】
上記ノズルブロック(4)上にノズル(5)が対角線状または一直線状で配列されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項9】
上記ノズル(5)の出口が、90乃至175°の角度(θ)を有する一つ以上の喇叭管形態に形成されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項10】
上記ノズルブロック(4)が、〔A〕ノズル(5)が配列されたノズルプレイト(4e);〔B〕ノズル(5)を包んでいるノズル外径ホール(4b);〔C〕ノズル外径ホール(4b)と連結されて、ノズルプレイト(4e)の直上段に位置する紡糸溶液臨時貯蔵板(4d);〔D〕紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)の直上段に設置する絶縁体板(4c);〔E〕ノズルの配列方式と同一にピンが配列されており、ノズルプレイト(4e)の直下段に位置する導電体板(4h);〔F〕導電体板(4h)を含む紡糸溶液主供給板(4f);〔G〕紡糸溶液主供給板(4f)の直下段に位置する加熱装置(4g);及び〔H〕紡糸溶液主供給板(4f)の内部に設置された攪拌機(11c)から構成されることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項11】
特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置を用いて製造されたナノ繊維。
【請求項12】
特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置を用いて、コーティング用材料上にナノ繊維を連続または不連続的にコーティングすることを特徴とするナノ繊維のコーティング方法。
【請求項13】
上記コーティング用材料が不織布、織物、編物、フィルムまたはメンブレイン膜であることを特徴とする特許請求の範囲第12項記載のナノ繊維のコーティング方法。
【請求項14】
上記コーティング用材料上に、二種以上の紡糸溶液を各々の上向式エレクトロスピニング装置によって、エレクトロスピニングして、ナノ繊維を多層にコーティングすることを特徴とする特許請求の範囲第12項記載のナノ繊維のコーティング方法。
【請求項15】
特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置二つ以上を連続配列した後、二種以上の紡糸溶液を各々の上向式エレクトロスピニング装置によって、コレクター(7)上に順にエレクトロスピニングして、ハイブリッド(Hybrid)形態のナノ繊維ウエブを製造する方法。
【請求項16】
特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置によって、各々エレクトロスピニングされた二種以上のナノ繊維ウエブを積層して、ハイブリッド形態のナノ繊維ウエブを製造する方法。
【請求項1】
紡糸溶液主タンク(1);計量ポンプ(2);ノズルブロック(4);上記ノズルブロックに設置されたノズル(5);上記ノズルブロックから紡糸される繊維などを集積するコレクター(7);及びノズルブロック(4)とコレクター(7)に電圧を印加するための電圧発生装置(9)から構成されるエレクトロスピニング装置において、〔A〕ノズルブロック(4)に設けられたノズル(5)の出口が上部方向に形成されており、〔B〕コレクター(7)がノズルブロック(4)の上部に位置し、〔C〕ノズルブロック(4)の最上部に紡糸溶液排出装置(12)が連結されていることを特徴とする上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項2】
上記紡糸溶液主タンク(1)とノズルブロック(4)の間に紡糸溶液ドロップ装置(3)が設置されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項3】
上記ノズルブロック(4)全体が左右往復運動することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項4】
上記コレクター(7)の内に加熱装置が設置されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項5】
上記ノズルブロック(4)の内部に攪拌機(11c)が設置されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項6】
上記紡糸溶液排出装置(12)が吸気によって過剰供給された紡糸溶液を紡糸溶液主タンク(1)に強制移送させることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項7】
上記コレクター(7)が固定または連続回転することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項8】
上記ノズルブロック(4)上にノズル(5)が対角線状または一直線状で配列されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項9】
上記ノズル(5)の出口が、90乃至175°の角度(θ)を有する一つ以上の喇叭管形態に形成されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項10】
上記ノズルブロック(4)が、〔A〕ノズル(5)が配列されたノズルプレイト(4e);〔B〕ノズル(5)を包んでいるノズル外径ホール(4b);〔C〕ノズル外径ホール(4b)と連結されて、ノズルプレイト(4e)の直上段に位置する紡糸溶液臨時貯蔵板(4d);〔D〕紡糸溶液臨時貯蔵板(4d)の直上段に設置する絶縁体板(4c);〔E〕ノズルの配列方式と同一にピンが配列されており、ノズルプレイト(4e)の直下段に位置する導電体板(4h);〔F〕導電体板(4h)を含む紡糸溶液主供給板(4f);〔G〕紡糸溶液主供給板(4f)の直下段に位置する加熱装置(4g);及び〔H〕紡糸溶液主供給板(4f)の内部に設置された攪拌機(11c)から構成されることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置。
【請求項11】
特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置を用いて製造されたナノ繊維。
【請求項12】
特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置を用いて、コーティング用材料上にナノ繊維を連続または不連続的にコーティングすることを特徴とするナノ繊維のコーティング方法。
【請求項13】
上記コーティング用材料が不織布、織物、編物、フィルムまたはメンブレイン膜であることを特徴とする特許請求の範囲第12項記載のナノ繊維のコーティング方法。
【請求項14】
上記コーティング用材料上に、二種以上の紡糸溶液を各々の上向式エレクトロスピニング装置によって、エレクトロスピニングして、ナノ繊維を多層にコーティングすることを特徴とする特許請求の範囲第12項記載のナノ繊維のコーティング方法。
【請求項15】
特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置二つ以上を連続配列した後、二種以上の紡糸溶液を各々の上向式エレクトロスピニング装置によって、コレクター(7)上に順にエレクトロスピニングして、ハイブリッド(Hybrid)形態のナノ繊維ウエブを製造する方法。
【請求項16】
特許請求の範囲第1項記載の上向式エレクトロスピニング装置によって、各々エレクトロスピニングされた二種以上のナノ繊維ウエブを積層して、ハイブリッド形態のナノ繊維ウエブを製造する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−517991(P2007−517991A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546795(P2006−546795)
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【国際出願番号】PCT/KR2004/000166
【国際公開番号】WO2005/073441
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(506153756)
【出願人】(506154409)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【国際出願番号】PCT/KR2004/000166
【国際公開番号】WO2005/073441
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(506153756)
【出願人】(506154409)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]