説明

不正防止カバーとこの不正防止カバーを備えるスロットマシン

【課題】 設定変更操作後に閉め忘れのないよう確実に操作部に覆い、さらに操作部毎に覆うことで、不正操作を困難にするとともに、前扉の僅かな開放では、覆いを解除できない不正防止カバーとこれを備えるスロットマシンを提供できる。
【解決手段】 正面方向に開口した筐体1bと、筐体1bの正面方向開口を開閉可能に覆う前扉1aと、筐体1b内部に設けられ、抽せん確率を設定変更する場合に操作される複数の操作部8a,8bが配置された電源装置8と、を備えるスロットマシン1であって、複数の操作部8a,8b毎に設けられ、各々独立して垂直方向に回動する扉体であり、自重により落下された状態で、各操作部8a,8bを操作不能に覆うカバー部110と、前扉1aが封閉状態において、各カバー部110の回動が規制される規制手段1cと、を備える構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部抽せんにおける抽せん確率の設定変更に関連する操作対象となる操作部を操作不能に覆う不正防止カバーとこの不正防止カバーを備えるスロットマシンに関し、特に、通常時の操作性を確保しつつ、不正操作を確実に排除する不正防止カバーとこの不正防止カバーを備えるスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機は、ゲームの結果獲得される遊技媒体が有価価値を有するがため、不正に遊技媒体を窃取しようとする者が後を絶たない。
このような不正行為は、ゴト行為と称され、例えば、遊技機の扉などの隙間より、ピアノ線やセル等を挿入して、不正にメダル等の遊技媒体を獲得する行為などが知られている。
また、最近では、スロットマシンにおいて、大当たりの抽せん確率の設定変更に関連する操作部を不正に操作する行為が見受けられる。
【0003】
一般的な抽せん確率の設定変更は、設定キースイッチ(シリンダ部)に対応する設定キーを挿入・回転し、オン状態とした後に、電源スイッチをオンすることで、スロットマシンを設定可能状態として行うようになっている。
このような電源スイッチや設定キースイッチなどの抽せん確率の設定変更に関する操作部は、通常スロットマシンの各回路基板等に電源を供給する電源装置に備えられている。
電源装置は、スロットマシン筐体内部に配置され、筐体が施錠可能な前扉に覆われることで、操作不能となっており、設定変更の権限を有する遊技場の管理者などが、スロットマシンの前扉を開放することで、はじめて外部に露出され、設定変更の操作を行うことができるようになっている。
【0004】
このような構成からなるスロットマシンの抽せん確率の設定変更に関連する操作部に対して、不正行為者は、スロットマシンの前扉と筐体の隙間、又は、強引に前扉にドリル等を用いて孔を開け、そこからピアノ線やセル、偽造した設定キー等の異物を挿入して、電源スイッチや設定キースイッチを不正に操作する。
このような不正行為に対する対策として、以下のような技術が開示されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、電源装置の操作板を上下スライド可能に覆うカバーパネルが開示されており、自重によりカバーが下に位置した状態で、操作板を操作不能に覆うようになっている。
これにより、設定変更操作後の閉め忘れが防止され、操作板を保護することができるようになっている。
さらに、カバーパネルの開閉動作を規制するカバープッシャーが、前扉の裏面側に設けられている。
これにより、前扉が閉じられると、カバーパネルが押圧されることで、開閉動作が規制され、前述のようなスロットマシンの前扉と筐体の隙間から、異物が挿入されても、カバーパネルが開閉できないようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−65493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、以上のようなこれまで開示されている技術では、上述したような問題を十分に解決し得るものではなかった。
特許文献1に記載された発明では、カバーパネルが自重により、下方にスライド移動して、操作部を覆うようになっているが、スライド移動の場合には、カバーパネルが、スライドするガイド面に摺接しつつ、落下する構成のため、ガイド面との摩擦の抵抗を受け、操作部が完全に覆われる位置まで、スライド移動せず、途中で停止することがあった。このため、閉め忘れが完全に防止されるものではなかった。
また、カバーパネルを操作部が配置されている操作板を一体的に覆うような面状に設けると、特にポリカーボネートやABSなどの樹脂材料の場合、射出成形による反り等の変形が大きくなるため、円滑なスライド移動を妨げるように作用していた。
さらに、前述したように、設定変更に関連する操作部は電源スイッチや、設定キースイッチなど複数存在している。
このようなことから、これらの操作部を一体的にカバーする構成とすると、カバーが外された場合には、すべての操作部が露出され、操作可能となってしまっていた。
【0008】
また、特許文献1に記載された発明では、カバーパネルの開閉動作を規制するカバープッシャーは、カバーパネル表面を押圧する前扉の裏面から突出させた支柱からなるため、前扉と筐体との間隙より、不正な工具が挿入され、カバープッシャーの支柱が切断・破壊されるおそれがあった。
さらに、前扉が僅かに開放されただけでも、カバーパネルの開閉動作の規制が解除されるため、前扉を僅かにこじ開けて行う不正操作に十分対処できなかった。
【0009】
本発明は、以上のような問題を解決するために提案されたものであり、設定変更操作後に閉め忘れのないよう確実に操作部に覆い、さらに操作部毎に覆うことで、不正操作を困難にするとともに、前扉の僅かな開放では、覆いを解除できない不正防止カバーとこの不正防止カバーを備えるスロットマシンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のスロットマシンは、請求項1に記載するように、正面方向に開口した筐体と、前記筐体の正面方向開口を開閉可能に覆う前扉と、前記筐体内部に設けられ、抽せん確率を設定変更する場合に操作される複数の操作部が配置された所定の装置と、を備えるスロットマシンであって、前記複数の操作部毎に設けられ、各々独立して垂直方向に回動する扉体であり、自重により落下された状態で、各操作部を操作不能に覆うカバー部と、前記前扉が封閉状態において、前記各カバー部の回動が規制される規制手段と、を備える構成としてある。
【0011】
このような構成からなる本発明のスロットマシンによれば、抽せん確率を設定変更する場合に操作される複数の操作部を、操作部毎に操作不能に覆うカバー部が設けられることで、各操作部に対する不正操作を困難にさせることができる。
一般的に、抽せん確率の設定変更に関する電源スイッチや設定キースイッチなどの操作部は、スロットマシンの筐体内部に点在する各種装置や回路基板に電源を供給する電源装置に設けられている。
さらに各操作部は、スロットマシンの前扉を開放したときに遊技場の管理者などが操作し易いように、各操作部が正面側に露出されるよう電源装置の正面に集中して配置されている。
このような操作部を、カバー等で操作不能に覆う場合は、従来技術における発明のように、一面を一体的に覆う方が部品点数も少なく効率も良い。
しかしながら、一度カバーが外された場合には、すべての操作部が露出され、容易に操作可能となってしまう。
そこで、本発明のカバー部は、あえて操作部毎に操作不能に覆う構成とすることで、各操作部を操作する場合において、操作部毎に、個々にカバー部の覆いを解除して設定変更の操作しなければならないようにしてある。
これにより、各操作部に対する不正操作が煩雑かつ困難となり、不正行為者に不正を躊躇させることで、不正行為を抑止することができる。
【0012】
さらに、カバー部が自重により垂直方向に回動する扉体として形成されることで、カバー部が所定の軸に保持された状態で回動される。
その結果、設定変更を行う場合には、カバー部を回動させて持ち上げることで操作部が操作可能となるとともに、操作後には自重によって、カバー部が落下・回動して、各操作部が覆われる。
これにより、設定変更を行う場合には、カバー部を取り外し、別置きする必要もなく、取付け忘れが防止されるとともに、軸を中心とした回動のため、抵抗も少なく抑えられ、カバー部を確実に最下端まで回動させることができ、閉め忘れを確実に防止することができる。
また、カバー部は、電源スイッチや設定キースイッチなどの比較的覆う面積の少ない操作部に対応した大きさに形成すれば足りるため、射出成形時の変形も最小限に抑えることができ、これにより、さらに回動摩擦を減少させるように作用し、円滑な自重による回動が図られる。
また、遊技場の管理者が正規に設定変更の操作をする場合でも、カバー部を回動して持ち上げるだけで、操作部を外部に露出できるため、手間も掛からず、操作性が確保されるようになっている。
【0013】
さらに、本発明のカバー部の場合、設定変更の操作を行う際には、カバー部が自重により垂直方向に回動するため、持ち上げ状態で行わなければならない。その結果、設定変更の操作を行う際には、少なくともカバー部を回動して持ち上げる手と、偽造の設定キー等を挿入・操作する手のふたつの手が必要となる。
一般的なゴト行為は、一の針金やセル等の長物を筐体内部に不正侵入させて行うが、本発明のカバー部の場合、少なくともふたつの長物を挿入しなければならず、さらに各長物を巧みに操作しなければならない。
このように、不正行為をより煩雑かつ困難にすることで、不正行為を躊躇させ、抑止することができる。
【0014】
また、各カバー部の回動が規制される規制手段を備えることで、前扉が封閉状態において、カバー部が回動操作不能となり、各操作部がカバー部に覆われている状態を保持することができる。
これにより、前扉が封閉状態において、スロットマシンの前扉と筐体の隙間、又は、強引に前扉にドリル等を用いて孔を開け、ピアノ線やセル等を挿入して行う、カバー部を回動させて、覆いを解除する行為を排除することができる。
この場合の規制手段としては、例えば、カバー部の回動方向を筐体の正面方向に向かって開くようにするとともに、カバー部が自重により落下した状態の当該カバー部の下端が、その回動軌跡において、前扉の裏面に干渉するように設けることも含まれる。
また、必ずしもカバー部の回動方向を筐体の正面方向とする必要はなく、前扉の裏面に筐体内部に向かって突設された部材が、カバー部の回動を妨げるように設けることで足りる。
【0015】
また、請求項2記載のスロットマシンは、前記規制手段が、前記前扉が封閉状態において前記筐体内部に突出する当該前扉裏面の開閉軸近傍に設けられた前扉当接部と、前記カバー部の回動軌跡において前記前扉当接部と当接する当該カバー部に設けられたカバー当接部と、を備える構成とすることができる。
【0016】
このような構成とすることにより、筐体内部に突出する前扉当接部が開閉軸近傍に設けられているため、前扉が僅かに開放された状態では、規制手段が解除されず、カバー部による覆いを容易に解除できないようにすることができる。
すなわち、まず前提として、各操作部を正面方向に配置し、これを覆うカバー部の回動方向も正面方向に沿う前開きとなることで、前扉裏面に設けられた筐体内部に突出する前扉当接部が、直接的にカバー部の回動を妨げるように作用させることができる。
さらに、操作部が配置された所定の装置を前扉の開閉軸近傍に設置し、これに伴い、各操作部を覆うカバー部も開閉軸近傍に位置するとともに、前扉当接部を開閉軸近傍に設ける。
その結果、例えば、前扉当接部を、前扉裏面から筐体内部に突出する支柱状に形成するとともに、前扉当接部を前扉が封閉状態においてカバー部のカバー当接部(例えば、カバー部の表面)に当接させた場合には、前扉当接部によって、カバー部の回動が規制される(カバー部の回動軌跡において、カバー当接部が前扉当接部に干渉する)。
【0017】
このような構成とした場合、前扉の開閉動作に対応した前扉当接部の正面方向に対する移動量は、同一の開放角のときには、開閉軸(中心)に近いほど、開閉半径が小さいため、小さくなる。
このため、開閉軸近傍に設けられた前扉当接部による当接を解除するには、前扉の開放角を大きくする、すなわち前扉を大きく開放することが必要とされる。
つまり、前扉当接部及びこれに回動が規制されるカバー当接部が開閉軸近傍に位置することで、カバー部を回動可能とするためには、前扉を大きく開放しなければならない。
一方、不正行為者による、前扉をこじ開けるような不正行為は、外部から疑われないように、最小限度に留められるため、前扉を大々的に開放するようなことは行わない。
その結果、不正行為者が前扉を僅かに開放しただけでは、前扉当接部による規制が解除できず、カバー部は回動不能であるため、操作部も操作不能となり、不正行為者が前扉を僅かに開放した状態で行うような、操作部への不正操作を確実に排除することができる。
【0018】
また、前扉当接部は、前記前扉が封閉状態において筐体内部に突出するよう当該前扉裏面の開閉軸近傍に設けられている。
スロットマシンの前扉は、一枚板状に形成されており、歪みや拗れの防止のために、周囲に補強用にリブが設けられている。
したがって、この補強用リブを本発明の前扉当接部として機能させれば、新たな部品等を追加する必要がなくなり、不正対策に費やすコストの低減が図られる。
【0019】
また、請求項3記載のスロットマシンは、前記前扉当接部が、前記前扉が封閉状態において前記筐体の内側壁とほぼ平行となるリブ状に形成される構成とすることができる。
このような構成とすることにより、前扉当接部は、前述のように、開閉軸近傍にあり、かつ、筐体内部に突出しているとともに、筐体の内側壁とほぼ平行となるリブ状に形成されるため、前扉と筐体との間隙を妨げるように作用する。
これにより、開閉軸側の間隙より、針金やセル等の長物を挿入する場合、リブの側面がこれらの侵入を阻むことになり、不正行為を防止することができる。
また、従来技術の発明のように、前扉当接部が支柱状でないため、切断や破壊が困難となり、強固にカバー部を回動不能に保護することができる。
さらに、前述の前扉に設けられた補強用のリブを前扉当接部として利用することで、不正対策に費やすコストの低減が図られるとともに、遊技場の管理者が正規に行う設定変更の操作時においても、従来技術の発明における支柱状に形成されたカバープッシャーの場合、操作の邪魔になることもあるが、前扉当接部は、前扉の全周に設けられたリブであるため、操作の邪魔となることもなく、設定変更の操作を円滑に行うことができる。
【0020】
また、請求項4記載のスロットマシンは、前記前扉当接部の開閉軸側の側面が、前記前扉が封閉状態において、前記筐体の内側壁と接するように形成される構成とすることができる。
このような構成とすることにより、リブ状に形成された前扉当接部の開閉軸側の側面が、筐体の内側壁と接するため、前扉が封閉状態において、前扉と筐体との間隙が、リブ側面で閉塞される。
これにより、前扉と筐体との間隙からの針金やセル等の長物などの挿入を完全に排除することができる。
【0021】
また、請求項5記載のスロットマシンは、前記各カバー部が各々回動可能に支持されるベース部を備え、前記ベース部に、前記各操作部が外部に露出される開口部と、前記所定の装置に当該ベース部が取付けられる取付手段と、が設けられた構成とすることができる。
このような構成とすることにより、ベース部を備えることで、抽せん確率の設定変更に関連する操作部である電源スイッチや設定キースイッチ等が配置された電源装置などの所定の装置に簡単にベース部を取付けることで、各カバー部が各操作部を操作不能に覆うことができる。
すなわち、各カバー部を回動可能に支持する一体的なカバー部ユニット(不正防止カバー)として形成することができ、所定の装置への装着が容易になるとともに、汎用性を向上させることができる。
これにより、カバー部を取り付ける作業効率が向上するとともに、リサイクル等により繰り返し使用できるため、コストの低減が図られる。
また、既に市場に設置してある未装着のスロットマシンにも簡単に装着することができるため、早急な不正対策を講じることもできる。
【0022】
また、請求項6記載のスロットマシンは、前記ベース部に、前記カバー部の回動方向に沿って、側方から各カバー部が回動操作されることを制限する制限リブが立設された構成とすることができる。
このような構成とすることにより、制限リブを備えるため、側方から各カバー部が回動操作されることを制限することができる。
これにより、側方から各カバー部を持ち上げて、不正操作する行為を排除することができる。
【0023】
また、請求項7記載の不正防止カバーは、正面方向に開口した筐体と、前記筐体の正面方向開口を開閉可能に覆う前扉と、前記筐体内部に設けられ、抽せん確率を設定変更する場合に操作される複数の操作部が配置された所定の装置と、を備えるスロットマシンに配設される不正防止カバーであって、前記複数の操作部毎に設けられ、各々独立して垂直方向に回動する扉体であり、自重により落下された状態で、各操作部を操作不能に覆うカバー部を備え、前記カバー部が、前記前扉が封閉状態において前記筐体内部に突出する当該前扉裏面の開閉軸近傍に設けられた前扉当接部と当接するカバー当接部を備える構成とすることができる。
【0024】
このような構成からなる本発明の不正防止カバーによれば、カバー部を備えることで、遊技場の管理者等が行う正規の操作時には、当該カバー部を垂直方向に回動させることで複数の操作部が操作可能とするとともに、自重により落下された状態では、各操作部を操作不能に覆うことができる。
また、カバー部が、前扉が封閉状態において筐体内部に突出する当該前扉裏面の開閉軸近傍に設けられた前扉当接部と当接するカバー当接部を備えることで、スロットマシンの前扉が封閉状態においては、カバー当接部が、前扉当接部に当接することで、回動が規制され、スロットマシンの前扉が封閉状態において行われる、前扉と筐体との間隙などから不正な長物を挿入して、カバー部の覆いを外す行為を排除することができる。
【0025】
また、請求項8記載の不正防止カバーは、前記各カバー部が各々回動可能に支持されるベース部を備え、前記ベース部に、前記各操作部が外部に露出される開口部と、前記所定の装置に当該ベース部が取付けられる取付手段と、が設けられた構成とすることができる。
このような構成とすることにより、ベース部を備えることで、抽せん確率の設定変更に関連する操作部である電源スイッチや設定キースイッチ等が配置された電源装置などの所定の装置に簡単にベース部を取付けることで、各カバー部が各操作部を操作不能に覆うことができる。
すなわち、各カバー部が回動可能に一体的に支持されるため、所定の装置への装着が容易になるとともに、汎用性を向上させることができる。
これにより、カバー部を取り付ける作業効率が向上するとともに、リサイクル等により繰り返し使用できるため、コストの低減が図られ、既に市場に設置してある未装着のスロットマシンにも簡単に装着することができるため、早急な不正対策を講じることもできる。
【0026】
また、請求項9記載の電源装置は、正面方向に開口した筐体と、前記筐体の正面方向開口を開閉可能に覆う前扉と、を備えるスロットマシンの前記筐体内部に設けられ、抽せん確率を設定変更する場合に操作される複数の操作部が配置された電源装置であって、前記各操作部を覆う不正防止カバーを備え、前記不正防止カバーが、請求項7又は8記載の不正防止カバーからなる構成とすることができる。
このような構成からなる本発明の電源装置によれば、スロットマシンの各装置に適した電源を生成し、供給する電源装置には、通常、抽せん確率の設定変更機能も搭載されており、これより確率設定変更に関連する操作部が配置されているため、各操作部を覆う不正防止カバーを備えることで、遊技場の管理者等が行う正規の操作時の操作性を確保しつつ、各操作部に対する不正行為を排除することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の不正防止カバー及びこれを備えるスロットマシンによれば、設定変更操作後に閉め忘れのないよう確実に操作部に覆い、さらに操作部毎に覆うことで、不正操作を困難にするとともに、前扉の僅かな開放では、設定変更操作できない不正防止カバー及びこれを備えるスロットマシンを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る不正防止カバー及びこれを備えるスロットマシンの好ましい実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図であり、図2は、当該スロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
また、図3は、当該スロットマシンの電源装置に不正防止カバーが装着される組立図であり、図4は、本発明に係るスロットマシンの電源装置に不正防止カバーが装着された状態を示す斜視図である。
また、図5は、本実施形態に係るスロットマシンの断面斜視図であり、図6は、本実施形態に係るスロットマシンの前扉が閉じた状態の断面斜視図であり、図7は、本実施形態に係るスロットマシンの前扉が開いた状態の断面斜視図である。
【0029】
図1及び図2に示すように、本実施形態のスロットマシンは公知の回胴式遊技機として構成されている。
本実施形態のスロットマシンでは、図2に示すように、抽せん確率の設定変更に関連する操作部が配置された電源装置8は、スロットマシン1の筐体1b内部であって開閉軸近傍に設けられおり、当該電源装置8に不正防止カバー10が装着されることで、各操作部が不正防止カバー10のカバー部110に操作不能に覆われるようになっている。
本実施形態に係るスロットマシンの基本的な構成について以下に説明する。
【0030】
本実施形態のスロットマシン1は、正面方向(A)に開口した筐体1bと、筐体1bの正面方向(A)開口を開閉可能に覆う前扉1aからなる。
前扉1aには、遊技者の操作に係るメダルが投入されるメダル投入口2やスタートレバー3、停止ボタン5a,5b,5cなどの操作部が配設され、筐体1bには、スロットマシンを制御する主基板をはじめ各種回路基板や回動する3つのリール4a,4b,4c、遊技媒体であるメダルを払出すメダル払出装置6、払出されたメダルを外部に排出する遊技メダル払出口7、これらの各装置に適した電源を生成し、供給する電源装置8などが配設されている。
【0031】
また、本実施形態のスロットマシン1は、大当たりとなる抽せん確率を設定変更することができる確率設定機能が設けられている。
抽せん確率の設定変更は、電源装置8の正面方向(A)に集中して配置され、確率設定変更に関連する操作部として機能する電源スイッチ8aや設定キースイッチ8bなどを所定の手順で操作することにより行うことができるようになっている。
具体的には、設定キースイッチ8bに対応する設定キーを挿入してオン操作した後に、電源スイッチ8aをオンすることにより、設定変更可能状態とし、さらに、設定切替スイッチやスタートレバーを押下することで、所望する設定確率が決定されるようになっている。
【0032】
このようなスロットマシンにおいて、本実施形態では、本発明のカバー部がユニット化して設けられた不正防止カバー10が、電源装置8の正面側に装着されることで、電源スイッチ8a及び設定キースイッチ8bが、不正防止カバー10のカバー部110に覆われるようになっている。
具体的には、不正防止カバー10は、図3に示すように、2つのカバー部110と、本体ベース101からなるカバー部ユニットとして構成され、各々容易に破壊・変形しないように、ポリカーボネートやABSなどの樹脂材料で成形加工されている。
【0033】
カバー部110は、覆う対象である電源スイッチ8a及び設定キースイッチ8bの外形より大きく形成されるとともに、カバー部110が垂直方向に回動する中心軸となる軸111a,111bと、本発明のカバー当接部として機能する規制アーム112a,112bが設けられている。
【0034】
本体ベース101には、操作不能に覆う対象である電源スイッチ8aと設定キースイッチ8bの外形に合わせた大きさの開口部103a,103bが形成され、本体ベース101のみが電源装置8の正面側に取付けられた状態で、電源スイッチ8aと設定キースイッチ8bが外部に露出されるようになっている。
また、本体ベース101には、2つのカバー部110a,110bを回動可能に支持する軸受104a,104bが各々独立して設けられている。
軸受104a,104bは、半円状に形成されるとともに、カバー部110a,110bの軸111a,111bを前述した開口部103a,103bに正面側から挿入するとともに、正面側に戻すように軸受104a,104bに押し込む(嵌入)ことで、カバー部110a,110bが回動可能に支持される。
その結果、カバー部110a,110bが回動可能に支持された状態で、本体ベース101が電源装置8に取付けられることで、カバー部110a,110bの軸111a,111bが、半円状に形成された軸受104a,104bに正面側から覆われ、カバー部110a,110bを取り外し不能とすることができる。
これにより、カバー部110a,110bは、常に本体ベース101に支持された状態となり、設定変更する際には、カバー部を取り外して、別置きすることがないため、取り付け忘れの心配がなくなる。
さらに、軸及び軸受の関係をもってカバー部110a,110bが回動するため、従来技術のようなスライド移動と異なり、自重による回動の際の摩擦抵抗が少なくなり、円滑な回動が担保される。
このような構成により、カバー部110a,110bが、軸111a,111bを中心として、垂直方向に回動されるようになっている。
【0035】
なお、カバー部110a,110bは、規制アーム112a,112bの上端面が、本体ベース101の表面に当接することで、回動して持ち上げられる回動範囲が制限されるようになっている。本実施形態では、ほぼ水平まで、カバー部110a,110bは、回動して持ち上げることができるようになっている。
その結果、回動して持ち上げた状態で、カバー部110a,110bは、カバー部110a,110bの自重が垂直方向に作用し、均衡を保つことができず、持ち上げ操作を止めた際には、カバー部110a,110bが自重により落下し、上記の各開口部103a,103bを閉塞する位置で停止するようになっている。
これにより、カバー部110a,110bを持ち上げ、電源スイッチ8aと設定キースイッチ8bを操作した後には、カバー部110a,110bが自重により、落下し、各開口部103a,103bの閉塞位置に戻るため、カバー部110a,110bを閉め忘れることをなくすことができる。
【0036】
本体ベース101の左側には、カバー部110a,110bが、自重により落下した状態で、規制アーム112a,112bの裏面が当接する当接面105a,105bが設けられている。
前扉1aが閉じられた状態において、規制アーム112a,112bが後述する本発明の前扉当接部として機能する押圧リブ1cと当該当接面105a,105bの間に挟持されることで、カバー部110a,110bが回動不能となり、覆いを解除できないようになっている。
【0037】
本体ベース101の左端には、本発明の制限リブ106が立設されている。
この制限リブにより、規制アーム112a,112bが左側方から回動操作されることを排除できるようになっている。
また、本体ベース101には、貫通孔102が設けられ、当該貫通孔102に所定のネジを貫通させて電源装置8に設けられたネジ穴8cに螺合させることで、不正防止カバー10が電源装置8に装着される。
そして、不正防止カバー10は、図4に示すように、電源装置8の正面側に装着され、各カバー部110を正面方向(A)に沿って、持ち上げて回動することで、電源スイッチ8a及び設定キースイッチ8bが外部に露出され、操作することができるようになっている。
【0038】
以上のように構成された不正防止カバー10を備えることで、抽せん確率の設定変更に関連する操作部である電源スイッチ8aや設定キースイッチ8bが配置された電源装置8に容易に装着でき、各カバー部110が各操作部8a,8bを簡易に操作不能に覆うことができる。
すなわち、各カバー部101が回動可能に一体的に支持されるため、電源装置8への装着が容易になるとともに、汎用性を向上させることができる。
これにより、カバー部101を取り付ける作業効率が向上するとともに、リサイクル等により繰り返し使用できるため、コストの低減が図られ、既に市場に設置してある未装着のスロットマシンにも簡単に装着することができるため、早急な不正対策を講じることもできる。
【0039】
そして、不正防止カバー10が取付けられた電源装置8は、図5に示すように、筐体1b内部の左隅に設置され、特に、前扉1aの開閉軸近傍に設置されるようになっている。
【0040】
前扉1aは、一枚板状に形成されており、歪みや拗れから前扉1aの強度を確保するため、全周に亘って補強用のリブが形成されている(図2参照)。
そして、この補強用のリブにおける開閉軸近傍の縦方向に形成された押圧リブ1cが本発明の前扉当接部として機能するようになっている。
具体的には、図6に示すように、前扉1aが閉じられた状態では、押圧リブ1cの最上面が前述のカバー部110の規制アーム112の表面に当接又は接近している。
その結果、カバー部110a,110bの規制アーム112a,112bが押圧リブ1cの最上面と本体ベース101の当接面105a,105bの間に挟持されることで、カバー部110a,110bが回動不能となり、覆いを解除できないようになっている。
これにより、前扉1aが閉じられた状態では、電源スイッチ8a及び設定キースイッチ8bを覆うカバー部110a,110bを回動させることができなくなり、前扉1aと筐体1bとの間隙等より、針金やセル等の長物を挿入しても、回動操作不能となり、このような不正行為を排除できる。
【0041】
また、補強用のリブを前扉当接部として機能させることで、新たな部品を装着する必要がなく、不正対策に費やすコストを抑えることができる。
また、前扉当接部が従来技術の発明のように支柱状とせずに、リブ状に形成されているため、切断や破壊が困難となり、カバー部110a,110bの回動不能を強固に保持することができる。
【0042】
さらに、押圧リブ1cは、前扉1aが閉じられた状態で、筐体1b内部に突出するように設けられるとともに、筐体1bの左側内壁とほぼ平行となるように立設されている。
その結果、前扉1aと筐体1bとの間隙を妨げるように作用する。
これにより、開閉軸側の間隙より、針金やセル等の長物を挿入する場合、押圧リブ1cの側面がこれらの侵入を阻むことになり、不正行為を防止することができる。
【0043】
また、本実施形態では、本体ベース101の制限リブ106が、前扉1aが閉じられた状態で、押圧リブ1cの左側面と筐体1bの左側内壁との間に位置するようになっている。
その結果、押圧リブ1cと筐体1bとの間隙をなくすように作用し、針金やセル等の長物の挿入を完全に遮断することができる。
なお、本実施形態では、制限リブ106が、筐体1b側壁の前面より奥に位置する高さに形成されているが、筐体1b側壁の前面より突出する高さに形成しても良い。
これにより、押圧リブ1cと筐体1bとの間隙をなくすように作用するとともに、前扉1aと筐体1bとの間隙を外部から強引に広げる力が加わっても、押圧リブ1cと制限リブ106が交差するラビリンス状に形成されることで、針金やセル等の長物の挿入をより困難にすることができる。
【0044】
一方、図7に示すように、前扉1aが大きく開放された状態で、押圧リブ1cによるカバー部110の規制アーム112の当接が解除され、規制アーム112の回動方向に対して障害がなくなり、各カバー部110を回動操作できるようになる。
その結果、遊技場の管理者等が正規に行う設定操作は、各カバー部110を待ち上げ、各カバー部110による覆いを解除した後に、電源スイッチ8a及び設定キースイッチ8bを操作することで行うことができる。
【0045】
この場合において、電源スイッチ8a及び設定キースイッチ8bが操作可能になる前扉1aの開放は、ある程度大きく開放しなければ、カバー部110の回動軌跡において、規制アーム112の表面やカバー部110の最下端が押圧リブ1cの最上面に干渉するため、カバー部110を、各操作部8a,8bが操作可能となる位置まで回動して持ち上げることができないようになっている。
これは、押圧リブ1c及びカバー部110を、開閉軸近傍に位置させることで、前扉1aが開放する角度が同一の場合には、押圧リブ1cが前扉1aの開閉軸に近いところに位置するほど、開閉半径が小さいため、押圧リブ1cの正面方向の移動量が少なくなることを利用したものである。
その結果、押圧リブ1cによる規制アーム112やカバー部110の回動規制が解除され、回動可能とするためには、規制アーム112の表面やカバー部110の最下端が押圧リブ1cの最上面に干渉しない角度まで、前扉1aを大きく開放しなければならない。
さらに、押圧リブ1cの筐体1bの内部に突出する高さも短く設定されるため、前扉1aの開放に伴う、押圧リブ1cの最上面の横方向(開放の場合右方向)の移動量も少なくなっている。
【0046】
これらが相乗的に作用することで、前扉1aの開放が一定の範囲まで、規制アーム112の表面やカバー部110の最下端の回動軌跡において、押圧リブ1cの最上面と干渉することになり、カバー部110の回動が規制され、カバー部110による覆いの解除が妨げられることで、不正による操作を困難にすることができるようになっている。
そして、前扉1aが完全に開放状態となることで、はじめて各カバー部110が回動可能となり、各操作部8a,8bが設定変更の操作ができるようになる。
これにより、不正行為者が、前扉1aを僅かに開放して行う、不正操作を抑止することができるようになっている。
【0047】
以上のような本実施形態に係るスロットマシン1によれば、抽せん確率を設定変更する場合に操作される電源スイッチ8a及び設定キースイッチ8bなどの操作部を、操作部毎に操作不能に覆うカバー部110a、110bが設けられることで、各操作部8a,8b対する不正操作を困難にさせることができる。
【0048】
抽せん確率の設定変更に関する電源スイッチ8aや設定キースイッチ8bなどの操作部は、スロットマシン1の筐体内部に点在する各種装置や回路基板に電源を供給する電源装置8に設けられている。
さらに各操作部8a,8bは、スロットマシン1の前扉1aを開放したときに遊技場の管理者などが操作し易いように、各操作部8a,8bが正面側に露出されるよう電源装置8の正面に集中して配置されている。
このような操作部8a,8bを、カバー等で操作不能に覆う場合は、従来技術における発明のように、一面を一体的に覆う方が部品点数も少なく効率も良い。
しかしながら、一度カバーが外された場合には、すべての操作部8a,8bが露出され、容易に操作可能となってしまう。
【0049】
そこで、本発明のカバー部110a、110bは、あえて操作部8a,8b毎に操作不能に覆う構成とすることで、各操作部8a,8bを操作する場合において、操作部毎に、個々にカバー部110a、110bの覆いを解除して設定変更の操作をしなければならないようにしてある。
これにより、各操作部8a,8bに対する不正操作が煩雑かつ困難となり、不正行為者に不正を躊躇させることで、不正行為を抑止することができる。
【0050】
さらに、カバー部110が自重により垂直方向に回動する扉体として形成されることで、カバー部110が所定の軸に保持された状態で回動される。
その結果、設定変更を行う場合には、カバー部110を回動させて持ち上げることで操作部が操作可能となるとともに、操作後には自重によって、カバー部が落下・回動して、各操作部が覆われる。
これにより、設定変更を行う場合には、カバー部を取り外し、別置きする必要もなく、取付け忘れが防止されるとともに、軸を中心とした回動のため、抵抗も少なく抑えられ、カバー部を確実に最下端まで回動させることができ、閉め忘れを確実に防止することができる。
また、カバー部110a,110bは電源スイッチ8aや設定キースイッチ8bなどの比較的覆う面積の少ない操作部に対応した大きさに形成すれば足りるため、射出成形時の変形も最小限に抑えることができ、これにより、さらに回動摩擦を減少させるように作用し、円滑な自重による回動が図られる。
また、遊技場の管理者が正規に設定変更の操作をする場合でも、カバー部110a,110bを回動して持ち上げるだけで、操作部8a,8bを外部に露出できるため、手間も掛からず、操作性が確保されるようになっている。
【0051】
さらに、本実施形態のカバー部110の場合、設定変更の操作を行う際には、カバー部110a,110bが自重により垂直方向に回動するため、持ち上げ状態で行わなければならない。その結果、設定変更の操作を行う際には、少なくともカバー部110a,110bを回動して持ち上げる手と、偽造の設定キー等を挿入・操作する手のふたつの手が必要となる。
一般的なゴト行為は、一の針金やセル等の長物を筐体1b内部に不正侵入させて行うが、本実施形態のカバー部110a,110bの場合、少なくともふたつの長物を挿入しなければならず、さらに各長物を巧みに操作しなければならない。
このように、不正行為をより煩雑かつ困難にすることで、不正行為を躊躇させ、抑止することができる。
【0052】
また、各カバー部110a,110bの規制アーム112a,112bの回動が前扉1aの押圧リブ1cの最上面によって規制される規制手段を備えることで、前扉1aが封閉状態において、カバー部110a,110bが回動操作不能となり、各操作部8a,8bがカバー部110a,110bに覆われている状態を保持することができる。
これにより、前扉1aが封閉状態において、スロットマシン1の前扉1aと筐体1bの隙間、又は、強引に前扉にドリル等を用いて孔を開け、ピアノ線やセル等を挿入して行う、カバー部110a,110bを回動させて、覆いを解除する行為を排除することができる。
その他の規制手段としては、例えば、カバー部110a,110bの回動方向を筐体1bの正面方向に向かって開くようにするとともに、カバー部110a,110bが自重により落下した状態の当該カバー部110a,110bの最下端が、その回動軌跡において、前扉1aの押圧リブ1cの最上面や、前扉1aの裏面のいずれかの部位に干渉するように設けてもよい。
【0053】
以上、本発明の不正防止カバー及びこれを備えるスロットマシンについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る不正防止カバー及びこれを備えるスロットマシンは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明のスロットマシンは、遊技媒体をメダルとするスロットマシンとしたが、これに限らず、パチンコ玉を遊技媒体とするパチロット,パロットなどの回胴式遊技機も本発明の適用対象とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、確率設定変更を有するスロットマシンに広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの電源装置に不正防止カバーが装着される組立図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの電源装置に不正防止カバーが装着された状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの断面斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの前扉が閉じた状態の断面斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの前扉が開いた状態の断面斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 スロットマシン
2 メダル投入口
3 スタートレバー
4(4a,4b,4c) リール
5(5a,5b,5c) 停止ボタン
6 メダル払出装置
7 遊技メダル払出口
8 電源装置
10 不正防止カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面方向に開口した筐体と、前記筐体の正面方向開口を開閉可能に覆う前扉と、前記筐体内部に設けられ、抽せん確率を設定変更する場合に操作される複数の操作部が配置された所定の装置と、を備えるスロットマシンであって、
前記複数の操作部毎に設けられ、各々独立して垂直方向に回動する扉体であり、自重により落下された状態で、各操作部を操作不能に覆うカバー部と、
前記前扉が封閉状態において、前記各カバー部の回動が規制される規制手段と、を備えることを特徴としたスロットマシン。
【請求項2】
前記規制手段が、前記前扉が封閉状態において前記筐体内部に突出する当該前扉裏面の開閉軸近傍に設けられた前扉当接部と、前記カバー部の回動軌跡において前記前扉当接部と当接する当該カバー部に設けられたカバー当接部と、を備える請求項1記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記前扉当接部が、前記前扉が封閉状態において前記筐体の内側壁とほぼ平行となるリブ状に形成される請求項2記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記前扉当接部の開閉軸側の側面が、前記前扉が封閉状態において、前記筐体の内側壁と接するように形成される請求項3記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記各カバー部が各々回動可能に支持されるベース部を備え、
前記ベース部に、前記各操作部が外部に露出される開口部と、前記所定の装置に当該ベース部が取付けられる取付手段と、が設けられた請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットマシン。
【請求項6】
前記ベース部に、前記カバー部の回動方向に沿って、側方から各カバー部が回動操作されることを制限する制限リブが立設された請求項5記載のスロットマシン。
【請求項7】
正面方向に開口した筐体と、前記筐体の正面方向開口を開閉可能に覆う前扉と、前記筐体内部に設けられ、抽せん確率を設定変更する場合に操作される複数の操作部が配置された所定の装置と、を備えるスロットマシンに配設される不正防止カバーであって、
前記複数の操作部毎に設けられ、各々独立して垂直方向に回動する扉体であり、自重により落下された状態で、各操作部を操作不能に覆うカバー部を備え、
前記カバー部が、前記前扉が封閉状態において前記筐体内部に突出する当該前扉裏面の開閉軸近傍に設けられた前扉当接部と当接するカバー当接部を備えることを特徴とする不正防止カバー。
【請求項8】
前記各カバー部が各々回動可能に支持されるベース部を備え、
前記ベース部に、前記各操作部が外部に露出される開口部と、前記所定の装置に当該ベース部が取付けられる取付手段と、が設けられた請求項7記載の不正防止カバー。
【請求項9】
正面方向に開口した筐体と、前記筐体の正面方向開口を開閉可能に覆う前扉と、を備えるスロットマシンの前記筐体内部に設けられ、抽せん確率を設定変更する場合に操作される複数の操作部が配置された電源装置であって、
前記各操作部を覆う不正防止カバーを備え、
前記不正防止カバーが、請求項7又は8記載の不正防止カバーからなることを特徴とする電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−100847(P2009−100847A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273500(P2007−273500)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】