説明

不織印刷媒体

連続多成分フィラメントのスパンボンド不織ウェブと、場合により、スパンボンド不織層の少なくとも1つの表面上のコーティングとから形成された不織印刷媒体が提供される。このスパンボンドフィラメントは、コア中の高強度成分と耐摩耗性表面が得られるシース成分とを有するシース−コア構造で形成される。この印刷媒体は、引張特性、屋外耐久性、および高温印刷機での印刷のための高温安定性の改善された組み合わせを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー印刷、サーマル印刷、インクジェット印刷、またはその他の従来の印刷方法による印刷に好適な不織印刷媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷媒体としてポリマー不織シート材料が使用されることが知られている。たとえば、米国特許公開第2004/0248492A1号明細書には、たとえばインクジェット印刷およびレーザー印刷、ならびにフレキソ印刷、リソグラフィー、凸版印刷、グラビア印刷、およびオフセット印刷のより従来的な印刷技術などの種々の商業印刷作業における使用に好適となる十分に均一な厚さおよび坪量、ならびに十分な構造的性質を得るために2つ以上の不織層を互いに積層することによって製造された不織印刷媒体が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の不織層、および関連の費用がかかる積層ステップが不要となり、さらに種々の商業印刷作業における使用に好適となる質の高い印刷処理、十分に均一な厚さおよび坪量、ならびに十分な構造的性質が得られる、商業印刷作業における使用に好適な印刷媒体が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態においては、本発明は、実質的に連続のポリマーシース−コアスパンボンド繊維から形成された1つのスパンボンド不織ウェブと、場合により、印刷可能なコーティングとを有してもよい不織印刷媒体であって、約75g/m2〜約152g/m2の坪量と、縦方向および横方向において少なくとも約35ポンドの引張強度と、縦方向および横方向において少なくとも約0.3ポンドの引裂抵抗とを有する不織印刷媒体に関する。
【0005】
別の一実施形態においては、本発明は、実質的に連続のポリマーシース−コアスパンボンド繊維から形成された2つのスパンボンド不織層と、それらの間に挟まれたフィルムまたは紙またはメルトブローンノンウーブンの1つの層とを有する多層印刷媒体に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
用語「スパンボンドノンウーブン」、「スパンボンド層」、「スパンボンド不織布」、および「スパンボンド不織ウェブ」は、「スパンボンド繊維」または「スパンボンドフィラメント」とも呼ばれる溶融紡糸連続フィラメントから形成された不織シートを意味するために同義的に本明細書において使用される。本明細書において使用される場合、用語「スパンボンド」フィラメントは、押し出されるフィラメントの直径を有する紡糸口金の複数の細いキャピラリーから、溶融した熱可塑性ポリマー材料をフィラメントとして押し出し、次に延伸して急速に細くすることにより形成されるフィラメントを意味する。スパンボンドフィラメントは、一般に連続であり、通常は約5ミクロンを超える平均直径を有する。スパンボンド不織布は、小孔を有するスクリーンまたはベルトなどの捕集面上に不規則にスパンボンドフィラメントを載せることによって形成される。スパンボンドウェブは、熱カレンダー加工、スルーエアボンディングなどの当該技術分野において周知の方法によって、または高圧において飽和蒸気室にウェブを通すことによって接合することができる。
【0007】
用語「ノンウーブン」、「不織ウェブ」、および「不織層」は、多数の不規則に分布した繊維を含むウェブを意味する。これらの繊維は一般に互いに接合される場合もあり、接合されていない場合もある。これらの繊維は単一成分または多成分を含むことができる。
【0008】
本明細書において使用される場合、用語「多成分フィラメント」および「多成分繊維」は、少なくとも2種類の異なるポリマーで構成され、それらが共に紡糸されて1つのフィラメントまたは繊維が形成された、あらゆるフィラメントまたは繊維を意味する。この多成分繊維またはフィラメントは、多成分繊維の断面を横断する別の領域内に配置され繊維の長さに沿って延在する2種類の異なるポリマーでできた複合繊維またはフィラメントである。多成分繊維は、ポリマー材料の均一な溶融ブレンドから押し出された繊維とは区別される。本発明において有用な多成分繊維は、好ましくはシース−コア繊維である。本発明において有用な多成分連続フィラメントスパンボンドウェブは、当該技術分野において周知のスパンボンド法を使用して作製することができる。スパンボンドフィラメントは一般に円形であるが、種々の他の形状(たとえば楕円形、三葉、または多葉、平坦、中空など)および構成(たとえば対称のシース−コア、偏心のシース−コアなど)で作製することもできる。
【0009】
「カレンダー加工」は、2つのロールの間のニップにウェブを通すプロセスである。これらのロールは互いに接触していてもよく、ロール表面間で一定または変動する間隙が存在してもよい。ニップのロールは「軟質」であってもよく、すなわち適用された圧力下で変形する表面を有することができ、または「硬質」であってもよく、すなわちカレンダープロセス中に適用される圧力下で変形が生じない表面を有することもできる。ニップのロールは、パターンを有さなくてもよく、すなわちウェブがニップを通るときにウェブ上にパターンを意図的に形成するための点またはパターンを有さなくてもよい。「点接合」は、ばらばらの箇所でウェブを接合するパターンを有する2つのロールの間のニップにウェブを通すプロセスである。あるいは、ロールはパターンを有さず、すなわち平滑な表面を有することもできる。「領域接合」は、2つの平滑なロールの間のニップにロールを通すプロセスである。
【0010】
用語「印刷媒体」および「印刷基材」は、同義的に使用され、印刷画像を上に形成するために従来の印刷装置によって処理することができる可撓性シート材料を意味する。
【0011】
本発明の印刷媒体は、多成分連続熱可塑性ポリマーフィラメントで形成された多成分スパンボンド不織シートである。このスパンボンド不織層は、主としてまたは排他的に、米国特許第6,831,025号明細書および米国特許第7,008,888号明細書に示されるような溶融紡糸によって製造された多成分スパンボンド繊維から形成することができる。このような複合スパンボンド繊維は、複合繊維が高い引張強度および引裂強度を提供するコア成分と、平滑で耐摩耗性の表面を形成する接合性を提供するシース成分とを併せ持つことができるため、本発明の印刷媒体中への使用に特に適していることが分かった。
【0012】
コア成分としての使用に好適なポリマーとしては、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリエステルが挙げられる。シース成分としての使用に好適なポリマーとしては、コア成分よりも少なくとも約10℃低い溶融温度または軟化温度を示す、コポリエステルなどのポリマーが挙げられる。接合プロセス中、より低温で溶融するシース成分は、軟化し流動してスパンボンド層に接合し、その後、連続バインダーフィラメントとして容易に識別される必要はなくてもよい。シース成分対コア成分の重量比は約10:90〜90:10である。スパンボンド不織層のポリマーは、高温抵抗性を有する印刷媒体が得られ、そのため高温印刷用途に適している。シースおよび/またはコアのポリマーは、染料、顔料、酸化防止剤、安定剤、白色体質顔料、艶消し剤、蛍光増白剤などの従来の添加剤を含むことができる。
【0013】
スパンボンドウェブの坪量は約75g/m2〜約152g/m2であってよい。スパンボンドウェブの厚さは約5〜約10ミルであってよい。
【0014】
スパンボンド不織層は、希望通りにそれぞれ平滑またはテクスチャー加工された印刷面を本発明の印刷媒体に付与するために、領域接合または点接合によって熱カレンダー加工することができる。スパンボンド不織層は、2つのロールの間のカレンダーニップ中に供給することができ、このロールの少なくとも1つは、ポリマーがガラス状態からゴム状態に転移する温度と、ポリマーの溶融が開始する温度との間の温度に維持されており、そのためスパンボンド不織層の繊維は、カレンダーニップを通過するときに可塑化状態になる。ロールの組成および硬度は、布の所望の最終使用特性が得られるように変化させることができる。2つのロールの間のニップ中のスパンボンド不織層の滞留時間はウェブのライン速度によって制御される。ライン速度、温度、および圧力などの接合条件は、当業者に明らかなように変動させることができる。
【0015】
印刷媒体は、縦方向(MD)と横方向(CD)との両方で少なくとも35ポンドの引張強度を有することを特徴とする。さらに、印刷媒体は、耐摩耗性が優れているために使用時に優れた表面安定性を有し、屋外耐久性および引裂抵抗の優れた組み合わせを有する。媒体は、MDおよびCDの両方向で同程度に、引裂伝播に対して優れた抵抗性を有することができる。
【0016】
基材の適合性に影響を与える別の重要な性質は、そのインク輸送特性である。媒体中にインクまたはトナーがある程度浸透するが、くすんだ色となるまでウェブの内部までインクまたはトナーが移動するほどは浸透しないことが望ましい。
【0017】
印刷媒体の好適な製造方法の1つにおいては、スパンボンド不織ウェブ第1のカレンダーニップに通され、そこで、より低温で溶融するシース成分は、軟化し始めてフィラメントが互いに溶融して付着する温度に加熱される。協働するカレンダーロールは、不織ウェブが目標間隙厚さより狭いニップを出ないように、一定の間隙のニップが得られることが好ましい。種々のポリマーに関するニップの温度および圧力などの接合条件は当該技術分野において周知である。コポリエステルのシースとポリエチレンテレフタレートのコアとを有するシース/コアフィラメントから形成されたスパンボンド不織ウェブの場合、ニップが好ましくは約115℃〜200℃、好ましくは約150〜170℃の温度に加熱される。ニップは典型的には約200〜約1000ポンド/直線インチ(PLI)の圧力で動作される。
【0018】
印刷媒体は、コーティングされずカレンダー加工された状態で使用することができ、一方または両方の表面上に印刷可能なコーティングを設けることもできる。このコーティングは、カレンダー加工の前または後、またはその両方で適用することができる。好適なコーティングとしては、コート紙の製造に従来使用されてきた種類のコーティング組成物が挙げられる。このようなコーティング組成物は典型的には水性バインダーまたは他の溶媒系バインダーを有し、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成(cacined)カオリン、クレー、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化スズ、水酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、タルク、硫酸バリウムおよびケイ酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト、珪藻土、スチレンプラスチック顔料、尿素樹脂プラスチック顔料、およびベンゾグアナミンプラスチック顔料などの顔料およびフィラーを含むことができる。代表的なバインダーとしては、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエンポリマー、アクリルポリマー、スチレン−アクリルポリマー、ならびに酢酸ビニルおよびエチレン−酢酸ビニルポリマーが挙げられる。このようなバインダーの市販の例としては、すべてRohm and Haas Company製のRHOPLEX B−15およびRHOPLEX P−376などのアクリルポリマー、ならびにPolyco 2152およびPolyco 3250などの酢酸ビニル/アクリルポリマー、ならびにDow Chemical Company製のCP 620などのスチレン/ブタジエンポリマーが挙げられる。このコーティング組成物は、難燃剤、蛍光増白剤、耐水化剤、抗菌剤、UV安定剤および吸収剤などの添加剤をさらに含むことができる。このコーティング組成物は、印刷作業中に使用されることが意図された個別の印刷技術に合わせることができる。したがって、たとえば、インクジェット印刷が意図された印刷媒体には、インクジェットプロセス中に使用される溶媒または水性染料または顔料を受容するコーティングを設けることができ、レーザー印刷用の媒体はレーザー印刷に使用されるトナーを受容するコーティングを有する。この種類の好適なコーティング組成物は種々の製造元より市販されており、個別の最終使用者の印刷用途に適切なコーティング配合物を容易に入手することができる。
【0019】
本発明によるコーティングされた印刷媒体は、スパンボンド不織ウェブおよびコーティングの重量を含む重量が約80g/m2〜約240g/m2となることができる。コーティングされた印刷媒体は、約4.5マイクロメートル〜約10マイクロメートルの平滑度を有することができる。
【0020】
本発明の別の一実施形態によると、印刷媒体は、前述の2つの多成分スパンボンド不織層を含み、それらの間に挟まれた紙、フィルム、またはメルトブローンノンウーブンの1層をさらに含む積層体から、あるいは前述の1つの多成分スパンボンド不織層と1つのフィルム層とを含む積層体から製造することができる。
【実施例】
【0021】
以上の説明および以下の実施例において、報告される種々の特性および性質を測定するために以下の試験方法を使用した。ASTMは、American Society for Testing and Materialsを意味する。TAPPIは、Technical Association of the Pulp and Paper Industryを意味する。
【0022】
坪量は、布またはシートの単位面積当たりの質量の測定単位の1つであり、本明細書に参照として援用されるASTM D−3776によって測定され、g/m2の単位で報告される。
【0023】
引張強度は、縦方向および横方向においてASTM D5035に準拠して測定した。結果はポンドの単位で測定した。
引裂強度は、縦方向および横方向においてASTM D5734に準拠して測定した。結果はポンドの単位で測定した。
【0024】
厚さは、TAPPI T411に準拠して測定した。
【0025】
平滑度は、TAPPI T555に準拠して測定した。
【0026】
不透明度は、TAPPI T425に準拠して測定した。
【0027】
実施例1
約218℃の融点を有するコポリエステル(coPET)をシース成分として使用し、約260℃の融点および0.64の固有粘度を有するポリエチレンテレフタレート(PET)をコア成分として使用して複合スパンボンド法で作製したシース−コアスパンボンド繊維からこれらの各実施例の印刷媒体を作製した。これらのPETおよびcoPET樹脂は、使用前に結晶化させ乾燥させた。これらのPETおよびcoPETポリマーを別々の押出機中で加熱して押し出し、濾過して、シース−コアフィラメント断面が得られるように設計された複合スピンブロックに計量供給した。これらのポリマーは、各成分の重量を基準として所望のシース/コア比の繊維が得られるように計量供給した。スパンボンド繊維中のポリエステル成分対コポリエステル成分の比は70:30であった。得られたフィラメントは、向かい合った2つの急冷ボックスから供給される急冷空気を使用して急冷ゾーン中で冷却した。次にフィラメントを空気延伸ジェット中に通して、そこでフィラメントを延伸し、次に真空吸引によって補助されたレイダウンベルト上に配置した。次にスパンボンド層を熱点接合した。
【0028】
使用した接合ロールは、140℃(285°F)に制御した熱油によって両方のロールを加熱した。接合圧力は200ポンド/直線インチ(PLI)に設定した。次にスパンボンドウェブを領域接合した。使用した接合ロールは、157℃(315°F)に制御した熱油によって両方のロールを加熱した。接合圧力は約800PLIに設定した。2つの高温の金属ロールと第3の加熱していないコットンロールとでニップを形成した。上記スパンボンドウェブを2つの金属ロールの周囲にS字型に巻き付け、第1のニップが金属ロールおよびコットンロールとなり、第2のニップが2つの金属ロールとなるようにした。
【0029】
次に、バインダー、顔料、およびフィラーを含むレーザー印刷可能なコーティングを上記スパンボンド層の両面に適用した。このコーティングは、エアナイフコーティング法を使用しコーティング重量13.6g/m2で適用した。コーティングしたスパンボンド層をロール上に巻き取り、続いて層の反対側にコーティングするためにもう一度機械に通した。
【0030】
実施例2
実施例1におけるようなスパンボンド層を形成することによってコーティングされていない印刷媒体を作製した。
【0031】
使用した接合ロールは、135℃(275°F)に制御した熱油によって両方のロールを加熱した。接合圧力は170ポンド/直線インチ(PLI)に設定した。次にスパンボンドウェブを領域接合した。使用した接合ロールは、第1のロールは160℃(320°F)に制御した熱油によって加熱し、第2のロールは179℃(355°F)に制御した熱油によって加熱した。接合圧力は約800PLIに設定した。2つの高温の金属ロールと第3の加熱していないコットンロールとでニップを形成した。上記スパンボンドウェブを2つの金属ロールおよびコットンロールの周囲にS字型に巻き付け、第1のニップが2つの金属ロールとなり、第2のロールが金属ロールおよびコットンロールとなるようにした。
【0032】
次にバインダー、顔料、およびフィラーを含む印刷可能なコーティングを上記スパンボンド層の両面に適用した。コーティングは、Meyerロッドコーティング法を使用し、機械に1回通す間に2つの別々のステップにおいて全コーティング重量48g/m2で適用した。コーティングしたスパンボンド層をロール上に巻き取り、続いて布の反対側に全コーティング重量74g/m2でコーティングするためにもう一度機械に通した。
【0033】
実施例3
実施例1におけるようなスパンボンド層を形成することによってコーティングされていない印刷媒体を作製した。
【0034】
使用した接合ロールは、166℃(330°F)に制御した熱油によって両方のロールを加熱した。接合圧力は500ポンド/直線インチ(PLI)に設定した。
【0035】
実施例4
実施例1〜2におけるようなシース−コアスパンボンド繊維からスパンボンド層を形成した。
【0036】
使用した接合ロールは、149℃(300°F)に制御した熱油によって両方のロールを加熱した。接合圧力は200PLIに設定した。
【0037】
次に、上記スパンボンドウェブを紙の層および第2のスパンボンドウェブとともに領域接合して、2つのスパンボンドウェブ層の間に紙層を有するサンドイッチ構造を形成した。使用した接合ロールは、127℃(260°F)に制御した熱油によって両方の金属ロールを加熱した。接合圧力は約800PLIに設定した。これら2つの高温の金属ロールは互いにニップを形成せず、非加熱の第3および第4の複合ロールとニップを形成した。上記スパンボンドウェブを2つの金属ロールの周囲にS字型に巻き付け、第1のニップが金属ロールおよび複合ロールとなり、第2のニップが金属ロールおよび複合ロールとなるようにした。
【0038】
実施例5
押出機の前に、結晶化させ乾燥させた二酸化チタン含有PETをコア中に1重量%の二酸化チタン固形分となる速度で計量供給したことを除けば、実施例1〜2におけるようなシース−コアスパンボンド繊維からスパンボンド層を形成した。
【0039】
使用した接合ロールは、140℃(285°F)に制御した熱油によって両方のロールを加熱した。接合圧力は200PLIに設定した。
【0040】
上記スパンボンドウェブをMelinex(登録商標)二軸延伸ポリエステルフィルム(DuPont Teijin Films(Hopewell,Virginia)より入手可能)の層および第2のスパンボンドウェブとともに領域接合して、2つのスパンボンドウェブ層の間にフィルム層を有するサンドイッチ構造を形成した。使用した接合ロールは、180℃(356°F)に制御した熱油によって両方の金属ロールを加熱した。接合圧力は約800PLIに設定した。これら2つの高温金属ロールは、非加熱の第3および第4の複合ロールとニップを形成した。上記スパンボンドウェブを2つの金属ロールの周囲にS字型に巻き付け、第1のニップが金属ロールおよび複合ロールとなり、第2のニップが金属ロールおよび複合ロールとなるようにした。
【0041】
実施例6
実施例1〜2におけるようなシース−コアスパンボンド繊維からスパンボンド層を形成した。
【0042】
使用した接合ロールは、149℃(300°F)に制御した熱油によって両方のロールを加熱した。接合圧力は200PLIに設定した。
【0043】
次に上記スパンボンドウェブを、80重量%のPET(3重量%の二酸化チタンを含有)および20重量%のコポリエステルの並行する複合繊維のメルトブローンウェブ層、ならびに第2のスパンボンドウェブとともに領域接合して、2つのスパンボンドウェブ層の間にメルトブローン層を有するサンドイッチ構造を形成した。使用した接合ロールは、181℃(358°F)に制御した熱油によって加熱した。接合圧力は約600PLIに設定した。この高温の金属ロールは非加熱の複合ロールとニップを形成した。上記スパンボンドウェブは、金属ロールと複合ロールとの間をまっすぐに移動させた。このサンドイッチ構造をロール上に巻き取り、続いてこの構造の反対側を接合するためにもう一度カレンダーに通した。
【0044】
上記実施例の印刷媒体の不透明度、厚さ、表面平滑度、引張強度、および引裂強度を試験し、それらの結果を表1に示している。
【0045】
表1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの主面を有する1つのスパンボンド不織ウェブを含む不織印刷媒体であって、前記スパンボンド不織ウェブが、実質的に連続のポリマーシース−コアスパンボンド繊維を含み;
不織印刷媒体が、75g/m2〜約152g/m2の坪量と、縦方向および横方向において少なくとも約35ポンドの引張強度と、縦方向および横方向において少なくとも約0.3ポンドの引裂抵抗とを有する、不織印刷媒体。
【請求項2】
80%〜99%の不透明度を有し、前記スパンボンド不織ウェブの少なくとも1つの表面上に、バインダーと、場合により顔料および/またはフィラーとを含む印刷可能なコーティングをさらに含み、コーティングされた印刷媒体が、80g/m2〜240g/m2の坪量と、4.5マイクロメートル〜10マイクロメートルの平滑度とを有する、請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項3】
前記コーティングが前記スパンボンド不織ウェブの両主面上に存在する、請求項2に記載の印刷媒体。
【請求項4】
シース成分対コア成分の重量比が10:90〜90:10である、請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項5】
前記スパンボンド繊維のシース成分がコポリエステルを含み、前記スパンボンド繊維のコア成分がポリ(エチレンテレフタレート)を含む、請求項1に記載の印刷媒体。
【請求項6】
実質的に連続のポリマーシース−コアスパンボンド繊維を含む2つのスパンボンドノンウーブン表面層と;
前記2つの表面層の間に挟まれたメルトブローンノンウーブン、フィルム、または紙の中央層と
を含む不織印刷媒体であって;
縦方向および横方向において少なくとも約35ポンドの引張強度と、縦方向および横方向において少なくとも約0.3ポンドの引裂抵抗とを有する、不織印刷媒体。
【請求項7】
実質的に連続のポリマーシース−コアスパンボンド繊維を含むスパンボンド不織層と;
前記不織層に積層されたフィルム層と
を含む不織印刷媒体であって;
縦方向および横方向において少なくとも約35ポンドの引張強度と、縦方向および横方向において少なくとも約0.3ポンドの引裂抵抗とを有する、不織印刷媒体。

【公表番号】特表2010−521592(P2010−521592A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553624(P2009−553624)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/003322
【国際公開番号】WO2008/112271
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】