説明

不織布基体のためのフレキソ印刷およびグラビア印刷インキ

ポリウレタン樹脂、溶媒および着色剤を含む、不織布基体に使用される、フレキソ印刷および/またはグラビア印刷インキ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野
本発明は不織布基体のためのフレキソ印刷および/またはグラビア印刷インキに関する。
【0002】
発明の背景:
市場にはおむつ、トレーニング用パンツおよび一時的下着を始めとして様々な失禁使い捨てのための子供および成人用のケア製品がある。これらの製品の多くは、これらに限定はされないが、不織布のポリエチレンまたは不織布のポリプロピレン・フィルムを含む不織布の基体で構成される。単なる装飾または濡れの表示のような有用性のために、これらの不織布基体上の外側表面にグラフィックスを印刷することに対する市場の要望がある。これらの基体は、これらの用途においては典型的にはフレキソ印刷または輪転グラビア印刷プレスで印刷される。しかしながら、印刷されたインキは小さい色移り耐性を有し、衣類、カーペットおよび家具のような不織布基体が接触することがあるものをすべて変色させる。不織布基体は紙のように多孔性ではない。したがって、印刷されたインキは、容易に接触した基体/物体上に基体から移る。したがって、色移り耐性特性を向上した、不織布の基体上に印刷されたグラフィックスに対する要望がある。
【0003】
米国特許5,458,590は、改善された色堅牢度および色移り耐性を有する不織布基体上へのブロック・ウレタンインキを開示する。特に言及されたブロック・ウレタン・インキ・システムは、ブロック・ウレタン樹脂、ビニル樹脂、ワックスおよびエポキシ化大豆油並びにピグメントからなるサン・ケミカル社製のParabondである。米国特許5,695,855は、改善された不織布生成物のための接着性インキを開示する。米国特許5,853,859は、広範囲のpH液体に暴露された時の色堅牢度のために、ラテックス・ポリマー、ピグメントおよび硬化助触媒の組み合わせを開示する。国際公開WO02/051644A1は、2成分の架橋されたインキと2成分の架橋されたコーティングを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許5,458,590
【特許文献2】米国特許5,695,855
【特許文献3】米国特許5,695,855
【特許文献4】国際公開WO02/051644A1
【0005】
しかしながら、既存のいずれのインキも、不織布基体への従来のフレキソ印刷またはグラビア印刷において、他の基体でのような向上された色移り耐性と同様の特性を有するインキを提供できなかった。従って、不織布基体上へのグラビア印刷およびフレキソ印刷の両方において、向上された耐色移り特性を示し維持するインキに対する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の要約
上記の課題が、溶剤、着色剤、少なくとも6のラビングレイティングを有するポリウレタン樹脂、および任意に好ましくはニトロセルロース樹脂を含んで構成された、不織布基体上に使用されるフレキソ印刷および/またはグラビア印刷インキにより達成されることが見出された。好ましいポリウレタン樹脂は、脂肪族ジイソシアネートと芳香族ジイソシネートの混合物に由来する組成を有する。
【0007】
他の目的および本発明の効果は、以下の説明および特許請求の範囲の記載から明白になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の詳細な説明
本発明はポリウレタン樹脂、溶剤、着色剤、および任意の好ましいニトロセルロース樹脂で構成された、不織布基体上へ使用されるフレキソ印刷および/またはグラビア印刷インキを提供する。配合物には少なくとも6のラビングレイティングを与える任意のポリウレタン樹脂が使用できる。好ましくは、ラビングレイティングは少なくとも7、最も好ましくは少なくとも8である。ラビングレイティングは、ポリエチレン/ポリプロピレン不織布基体上にインキ組成物を印刷し、印刷された不織布基体をサザーランド摩擦試験装置(KVPサザーランドペーパー社製、ミシガン州、カラマズー)にマウントし、白リネン布見本をそれでこすることにより決定される。10人の個人が、どれだけの色が印刷された不織布基体からリネンに移ったかを1−10からのスケールで評価した。最高が10(色移り無し)で、最低は1(本質的に完全に移る)である。ラビングレイティングは10人のレイティングの平均値である。
【0009】
ポリウレタン樹脂の好ましい1つのクラスは、少なくとも10,000、好ましくは少なくとも約20,000、より好ましくは少なくとも約23,000、最も好ましくは少なくとも約30,000の重量平均分子量を有する。
【0010】
ポリウレタン樹脂の別の好ましいクラスは、少なくとも1つの脂肪族イソシアネート(好ましくはジイソシアネート)および少なくとも1つの芳香族イソシアネート(好ましくはジイソシアネート)との混合物と、例えばジオール、ジアミンまたはその他同種のものであることができる、少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物との反応生成物である。本明細書において、便宜的にこの樹脂は半脂肪族ポリウレタン樹脂と呼ばれることがある。イソシアネートの合計モル数に対して、1つまたは複数の脂肪族イソシアネート成分の量は、約10%から約90%、および好ましくは約20%から約80%である。従って、1つまたは複数の芳香族イソシアネート成分の量は、イソシアネートの合計モル数に対して、約90%から約10%、および好ましくは約80%から約20%である。
【0011】
脂肪族のイソシアネートまたはジイソシアネートとしては、直鎖脂肪族および分岐鎖脂肪族化合物の両方、並びに脂環式化合物を含む。好ましくは、イソシアネートは約1から約10の炭素原子を有するジイソシアネートである。好ましいジイソシアネートの例としては、1,4−ジイソシアネートブタン、1,6−ジイソシアネートヘキサン、1,5−ジイソシアネート−2,2−ジメチルペンタン、4−トリメチル−1,6−ジイソシアネートヘキサン、1,10−ジイソシアネートデカン、1,3−および1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1−イソシアネート−5−イソシアネートメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソフォロン・ジイソシアネートまたはIPDI)、2,3−、2,4−、および2,6−ジイソシアネート−1−メチルシクロヘキサン、4,4’−、および2,4’−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタン、1−イソシアネート−3−(4)−イソシアネートメチル−1−メチル−シクロヘキサン、4,4’および2,4’−ジイソシアネートジフェニルメタンおよびそれらの混合物、あるいは2,2,4−、または2,4,4−トリメチルジイソシアネートヘキサン(TMDI)があげられる。
【0012】
芳香族のイソシアネートまたはジイソシアネートは、芳香族または環式芳香族部位を含んでおり、さらに脂肪族部位も含むことができるイソシアネートである。好ましくは、イソシアネートは1から約10の炭素原子を有するジイソシアネートである。好ましいジイソシアネートの例は1,1’−メチレンビス[4−イソシアネート−ベンゼン(MDI)、および1,6−ジイソシアネート−ヘキサン(HDI)、トルエン・ジイソシアネートなどである。
【0013】
いくつかの用途においては、TDI(1,3−ジイソシアネートメチル−ベンゼン)は、規定による制限のため使用できない。そのような用途においては、TDIは、約10%から約90%の間のモル量で存在する芳香族ジイソシアネートの群には含まれない。しかし、もし用途の規制により可能であれば、TDIは付帯的に、約10%以下の量で存在することができる。
【0014】
本発明のポリウレタン樹脂を調製するために使用できる1つまたは複数のジオールは、式R(OH)によって一般に定義される。ここでRは2から約10の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基である。好ましくは、Rは2から約4炭素原子を有するアルキレン基である。好ましいジオールの例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)およびポリテトラメチレングリコール(PoIy−THF)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびネオペンチルグリコールおよびそれらの混合物があげられる。本発明によれば、PPGの使用が特に好ましい。
【0015】
ジアミンは樹脂を調製するために使用できるさらなるイソシアネート反応成分である。ジアミンは、1級または2級のアミノ基を有する、任意の脂肪族、脂環式、芳香族、または複素環のジアミンであることができる。例としては、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(イソフォロン・ジアミン)、m−キシレン・ジアミンまたは1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンがあげられる。
【0016】
ポリウレタン樹脂の別の好ましいクラスは、少なくとも20,000、より好ましくは少なくとも23,000、最も好ましくは少なくとも30,000の重量平均分子量を有する半脂肪族樹脂である。
【0017】
ポリウレタン樹脂は約10重量%から約60重量%の間の量で存在することができる。ポリウレタン樹脂は、約30重量%から約40重量%の間の量で存在することが好ましい。
【0018】
本発明のインキにおいて好適な溶剤としては、高い活性の溶媒およびそれらの様々な組み合わせを含んでいる。そのような溶剤としては、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤等があげられ、調製される印刷インキのタイプ、すなわちフレキソ印刷またはグラビア印刷であるかにより変わる。溶剤は1:99から99:1、好ましくは10:90から20:80の比率の1つまたは複数のエステルと1つまたは複数のアルコールの組み合わせであることが好ましい。溶剤の合計量は、一般に約1から70%、好ましくは約10から50%、最も好ましくは約20から40%である。
【0019】
好適なエステル系溶剤としては、酢酸プロピル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステル、およびその他同種のものおよびそれらの組み合わせがあげられるが、これらに制限されるものではない。エステル系溶剤は酢酸プロピルであることが好ましい。エステル系溶剤は約1重量%から約70重量%の間の量で存在することが好ましい。エステル系溶剤は、好ましくは約10重量%から約40重量%、最も好ましくは約10から約20重量%の量で存在する。
【0020】
アルコール溶剤としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリコールエーテル、1−エトキシル−2−プロパノール、プロピレングリコール n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール・エチルエーテル、ジアセトンアルコール、メチルアミルアルコール、ジエチレングリコールモノブチル・エーテル、プロピレングリコールメチルエーテルおよびその他同種のもの、およびそれらの組み合わせがあげられるが、これらに制限されるものではない。好ましくはアルコール溶剤はプロパノールまたはエタノールであり、最も好ましくはエタノールである。アルコール溶剤は約10重量%から約70重量%の量で存在することができる。アルコール溶剤は、好ましくは約20重量%から約60重量%、より好ましくは約40重量%から約50重量%の量で存在する。
【0021】
好適な着色剤としては、染料、有機顔料および無機顔料があげられるが、これらに制限されるものではない。染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、キサンテン染料、アジン染料、それらの組み合わせなどがあげられるが、これらに制限されるものではない。有機顔料は以下の非制限的な例示であるピグメントの1つまたは組み合わせであることができる:ピグメント・イエロー#12、13、14、17、74、83;ピグメントレッド#2、22、23、48:1、48:2、52、53、57:1、122、166、170、266;ピグメントオレンジ#5、16、34、36;ブルー#15:3、15:4;バイオレット#3、27;および/またはピグメントグリーン#7。無機顔料は以下のピグメントのうちの1つであることができる:酸化鉄、ピグメントホワイト#6、7、および/またはピグメントブラック#7。これらの例は例示であり、所望の色に適切なように他の有機および無機顔料も使用できる。ピグメントは約0.1重量%から約20重量%の量で存在することができる。好ましくはピグメントは約0.1重量%から約10重量%の間の量で存在する。
【0022】
印刷インキは、さらに好ましくはニトロセルロース樹脂を含む。好適なニトロセルロース樹脂は、組成物に可溶なものであり、広範囲の粘度および溶解度のグレードを有するものがあげられるが、これらに制限されるものではない。例えば、溶解度グレードは、たとえばAS(窒素含有量10.7−11.3%)、RS(窒素含有量11.3−11.8%)およびSS(窒素含有量11.8−12.3%)のような公知のグレードのものおよびそれらの組み合わせの1つであることができる。ニトロセルロース樹脂が溶解度グレードSSであることが好ましい。鉄球降下試験によって測定された時に、粘度範囲は約1/16秒から5秒の間にあることができる。ニトロセルロースが1/8秒から約1/4の間の粘度を有していることが好ましい。ニトロセルロース樹脂が約1/8秒の粘度と、溶解度グレードSSであることが最も好ましい。存在する場合には、ニトロセルロース樹脂は、15重量%以下、好ましくは約1重量%から約10重量%、最も好ましくは約1.0重量%から約4.0重量%の間の量で存在することができる。印刷インキはさらにワックス、これらに制限されるものではないが、たとえばアミド・ワックス、エルカミドワックス、ポリプロピレン・ワックス、パラフィンワックス、ポリエチレン・ワックス、テフロン、カルナウバワックスおよびその他同種のものを含むことができる。ワックスはワックスの組み合わせであることができる。ワックスはアミドとエルカミドワックスのブレンドであることが好ましい。ワックスは存在する場合、約4重量%以内の量である。ワックスが、約0.1重量%から約2重量%までの量であることが好ましい。
【0023】
多くの印刷インキのように、他の添加剤が単独でまたは組み合わせて使用できる。この添加剤としては、他の樹脂、チタネート、アンモニア、消泡剤、安定剤、シリコーン類、可塑剤およびその他同種のものがあげられるが、これらに制限されるものではない。
【0024】
印刷インキの成分は、任意の順で混合されることができる。典型的には、ピグメント分散物は、樹脂と溶剤を含むインキビヒクルと組み合わされる。別の例では、ピグメント、ニトロセルロース樹脂、エステル溶剤、およびアルコール溶剤とを組み合わせることによりピグメント分散物を形成し、次にこの分散物とポリウレタン樹脂とを組み合わせる。
【0025】
不織布の基体上に印刷された時、水性の印刷インキは優れた色移り抵抗性を与える。不織布の基体としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンおよびその他同種のもの、並びにこれらの組み合わせのような基体で構成されることができる。不織布の基体はポリエチレンまたはポリプロピレンであることが好ましい。不織布の基体は、ポリマー、コポリマー、天然繊維から構成されることができ、エアーレイド、ウェットレイド、溶液スパンファイバーウエブ等であることができる。
【0026】
本発明の印刷インキはフレキソ印刷またはグラビア印刷(直接または間接)プロセスにより、不織布基体の上にコーティングすることができる。印刷されたインキは種々の基体の上で利用することができ、たとえばパーソナルケアプロダクト、たとえばおむつ、トレーニングパンツ、食器拭き、生理用品および成人用の失禁用品、病院/医療用ガウンおよび関連製品、および被服、たとえば作業着およびクリーニング用被服に利用することができる。
【0027】
本発明の印刷インキは以下の非制限的な例により詳細に説明されるが、特記のない限り、すべての部およびパーセントは重量基準であり、すべての温度は摂氏度である。
【0028】
実施例1
印刷インキはニトロセルロース樹脂としてSS 20 IPA Wetを使用し、ポリウレタン樹脂Aとしてほぼ81,000の分子量を有するTDI、MDI、およびPPGとの反応生成物である半脂肪族のものを使用し、ピグメントとしてlrgalite Blue GLVOを使用し、以下の配合により調製された。
【0029】
【表1】

【0030】
実施例2
種々のインキが調製され、不織布基体からの色移りに対する抵抗を表わすラビング抵抗性についてテストされた。このテストでは、インキはそれぞれポリエチレン/プロピレン不織布基体上に印刷され、色移転が視覚的に観察された。印刷された不織布基体は、サザーランド摩擦試験装置(KVPサザーランドペーパー社製、ミシガン州、カラマズー)にマウントされ、白リネン布見本に対してこすられ、10人により、どれだけの色が印刷された不織布基体からリネンに移ったかを視覚的に評価した。その後、インキは1から10までにランク付けされた。10が最良であり、最も少ないごくわずかの量の色が白リネン布見本に移ることにより、色移り耐性が示される。平均値が計算された。10は最も高い評価で、白リネン布見本上に移った色がほとんどないことを示す。ランク6以上が、組成物が色移り抵抗性を有し、合格であると考えられる。好ましくはランクは少なくとも7であり、最も好ましくは少なくとも8である。便宜上、表に示された数値は最も近い整数に丸められている。
【0031】
組成と結果は、表2に示される。2−D以外の全てのインキにおいてニトロセルロースとしてSS 20 IPA Wet(Isochem North America LLC製)が使用された。2−Dにおいては100部のインキに基づいて2.4部のSS 20 IPA Wetと2.8部の1/4”SS(Votoatim International社製)との組み合わせが使用された。ポリウレタン樹脂Bは、異なる分子量の様々なジオールとの半脂肪族の反応生成物である。
【0032】
【表2】

【0033】
a:B15:3ピグメントおよびニトロセルロースの分散液、52DT 913分散液、CDR Pigments & Dispersions社、エリザベスタウン、ニュージャージー州製。
b:DOW 51、ダウケミカル社、ミッドランド、ミシガン州製
c:Vertec IA−10、Johnson Matthey Catalysts社、クリーブランド、英国製
d:エルカミドワックス/ステアリルアミドワックスブレンド 11−K−14、サンケミカルコーポレーション、パーシパニー、ニュージャージー州製
【0034】
実施例3
2.4部のSS 20 IPA Wetニトロセルロース樹脂、35部のポリウレタン、10.6部の酢酸プロピル、47部のエタノール、および5部の着色剤(52DT 913分散液、CDR Pigments & Dispersions社、エリザベスタウン、ニュージャージー州製)を含むインキが調製された。ポリウレタンC、DおよびEは、異なる柔軟性を有するポリエーテルポリオールベースの脂肪族ポリウレタン樹脂であり、DはCより柔らかく、EはCより硬い;ポリウレタンFは水酸基官能性の脂肪族ポリウレタン樹脂;Gはアミド−ウレタンハイブリッドの脂肪族ポリウレタン樹脂;Hはニトロセルロース相溶性の脂肪族ポリウレタン樹脂。
【0035】
インキはそれぞれ、実施例2のテスト方法に準じて、ポリエチレン/プロピレン不織布基体上に印刷され、色移転について視覚的に観察された。組成と結果は、表3中に示される。
【0036】
【表3】

【0037】
実施例4
実施例1のインキは、実施例2の方法によってテストすることにより、様々な従来のインキ配合物と比較された。インキ4−Aは平板印刷に使用された従来のフレキソ印刷インキである。4−Bはラミネーション印刷のための従来のグラビア印刷インキである。インキ4−C、4−Dおよび4−Eは、ラミネーション印刷のため従来のフレキソ印刷インキであり、4−Fは平板印刷またはラミネーション印刷のためのフレキソ印刷またはグラビア印刷用インキである。
【0038】
【表4】

【0039】
a: 1/4”SSニトロセルロース、Votoratim International 社、キュラソ、オランダ、Antilles
b:30−35 SSニトロセルロース、Nobel Trading社、Duncanville、テキサス州製
c:脂肪族ポリウレタン樹脂
d:脂肪族ポリウレタン樹脂
e:脂肪族ポリウレタン樹脂
f:脂肪族ポリウレタン樹脂
g:フェノール樹脂、Beckacite 004−01、ライヒホールド社、ダーハム、ノースカロライナ州製
h:スチレン化アクリル、Reactol 100, Lawter International社、 Pleasant Prairie、ウィスコンシン州製
i:スチレン/無水マレイン酸ポリマー、SMA 17352G, Sartomer 社、Exton,ペンシルバニア州製
j:ロジン アクリル溶液、TV94−5991、サンケミカルコーポレーション、パーシパニー、ニュージャージー州製
k:R2764−133, Lubrizol Dock Resins社、リンデン、ニュージャージー州製
l:lrgalite Blue GLVO
m:B15:3 界面活性剤/アクリル分散液、BCD’9730,サンケミカルコーポレーション、パーシパニー、ニュージャージー州製
n:SST−3テフロン、Shamrock Technologies社、Newark、ニュージャージー州製
o:Vertec IA−10、Johnson Matthey Catalysts社、クリーブランド、英国製、チタン酸塩
p:ビスアミドワックス、 Printwax A70 Pulver, Deurex Micro Technology社、Troglitz ドイツ製
q:ポリジメチルシロキサン、DC−200 Fluid、ダウケミカル、ミッドランド、ミシガン州製、シリコーン
r:水素化ロジンエステル、Hercolyn D、Chemcentral社、 Bedford、イリノイ州製、可塑剤
s:ポリグリコール・エステル・シリカブレンド、Nalco 2303, Nalco Chemical、Naperville社、イリノイ州製、消泡剤
t:パラフィンブレンド、Dapro DF−975、Elementis Specialites社、Highstown、ニュージャージー州製、消泡剤
u:ソルビトール溶液、Univar、Kirkland社、ワシントン州製、消泡剤
v:クレー、ASP 600、A.E. Fleming社、Warren,ミシガン州製、クレー
【0040】
実施例5
印刷インキが以下の配合によって調製された:
【0041】
【表5】

【0042】
実施例6
印刷インキが以下の配合によって調製された:
【0043】
【表6】

【0044】
実施例6
インキ組成物は、異なる分子量のポリウレタンを使用して、実施例1および5の配合物に従って調製され、耐ラビング性に関してテストされた。ポリウレタンの概略分子量とラビングテストの結果を表7に示す。
【0045】
【表7】

【0046】
ポリウレタンIはMDIとPPGの反応生成物である;Jは、TDIとIPDIの混合物とPPGとの反応生成物である;KはIPDIとPPGの反応生成物である;LはMDIとIPDIの混合物とPPGとの反応生成物である。
【0047】
本発明はそれの好ましい実施態様の点から記載されられたが、当業者によって理解されるように、より広く適用可能である。
本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.少なくとも6のラビングレイティングを有するポリウレタン樹脂;
b.有機溶媒;および
c.着色剤を含む印刷インキ。
【請求項2】
ポリウレタン樹脂が、少なくとも1つの脂肪族のジイソシアネートと少なくとも1つの芳香族ジイソシアネートの混合物と、少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物との反応生成物である、請求項1記載の印刷インキ。
【請求項3】
ポリウレタン樹脂が少なくとも10,000の分子量を有している、請求項1記載の印刷インキ。
【請求項4】
ポリウレタン樹脂が約10重量%から約60重量%の量で存在し、溶剤が約1重量%から約70重量%の量で存在し、着色剤が約0.1重量%から約20重量%の量で存在する、請求項1記載の印刷インキ。
【請求項5】
溶剤がエステル、アルコールまたはそれの組み合わせである、請求項4記載の印刷インキ。
【請求項6】
エステル溶剤は、酢酸プロピル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステルおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、
アルコール溶剤は、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−エトキシル−2−プロパノール、プロピレングリコール n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール n−ブチルエーテル、ジアセトンアルコール、メチルアミルアルコールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5記載の印刷インキ。
【請求項7】
エステル系溶剤は約10重量%から約40重量%の量で存在し、アルコール溶剤は10重量%から約70重量%の量で存在する、請求項6記載の印刷インキ。
【請求項8】
エステル系溶剤が酢酸プロピル、エタノールまたはそれの組み合わせを含む、請求項7記載の印刷インキ。
【請求項9】
アルコール溶剤が20重量%から約60重量%の量で存在し、ポリウレタン樹脂が少なくとも約23,000の分子量を有し、約30重量%から約40重量%の量で存在し、着色剤が0.1重量%から約10重量%の量で存在する、請求項8記載の印刷インキ。
【請求項10】
着色剤が、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー83、ピグメントレッド2、ピグメントレッド22、ピグメントレッド23、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド52、ピグメントレッド53、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド122、ピグメントレッド166、ピグメントレッド170、ピグメントレッド266、ピグメントオレンジ5、ピグメントオレンジ16、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ36、ピグメント・ブルー15:3、ピグメント・ブルー15:4、ピグメントバイオレット3、ピグメントバイオレット27、ピグメントグリーン7、酸化鉄、ピグメントホワイト6、ピグメントホワイト7、ピグメントブラック7、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるピグメントである、請求項9記載の印刷インキ。
【請求項11】
着色剤がアゾ染料、アントラキノン染料、キサンテン染料、アジン染料およびそれらの組み合わせからなる群から選択される染料である、請求項1記載の印刷インキ。
【請求項12】
アミド・ワックス、エルカミドワックス、ポリプロピレン・ワックス、パラフィンワックス、ポリエチレン・ワックス、ポリエチレン・テレフタレート、カルナウバワックスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるワックスをさらに含む、請求項4記載の印刷インキ。
【請求項13】
ワックスが約0.1重量%から約2重量%の量で存在する、請求項12記載の印刷インキ。
【請求項14】
15重量%以下の量でニトロセルロース樹脂をさらに含む、請求項1記載の印刷インキ。
【請求項15】
溶解度グレードSSのニトロセルロース樹脂を 約1重量%から約10重量%の量でさらに含み、溶剤はエステル、アルコールまたはそれらの組み合わせで、約1重量%から約70重量%の量で存在する、請求項1記載の印刷インキ。
【請求項16】
ニトロセルロース樹脂が0.1重量%から約4重量%の量で存在し、ポリウレタン樹脂は少なくとも20,000の分子量を有し、約30重量%から約40重量%の量で存在し、溶剤はエステルおよびアルコールの組み合わせであり、合計で約10重量%から40重量%の量で存在する、請求項15記載の印刷インキ。
【請求項17】
着色剤が有機含量および無機顔料から成る群から選ばれ、0.1重量%から約20重量%の量で存在し、ポリウレタン樹脂は半脂肪族の樹脂であり、少なくとも約23,000の分子量を有し;インキは、さらに約4重量%までの量のワックスを含む、請求項16記載の印刷インキ。
【請求項18】
着色剤が0.1重量%から約1重量%の間の量で存在し;ワックスは、約0.1重量%から2重量%の量で存在する、請求項17記載の印刷インキ。
【請求項19】
インキが基体に適用されるフレキソ印刷方法であって、該インキとして請求項1、2、3または16記載のインキを使用する、フレキソ印刷方法。
【請求項20】
インキが基体に適用されるグラビア印刷方法であって、該インキとして請求項1、2、3または16記載のインキを使用する、グラビア印刷方法。
【請求項21】
請求項1、2、3または16記載の印刷インキで印刷された不織布基体。
【請求項22】
基体がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項21記載の不織布基体。

【公表番号】特表2011−504521(P2011−504521A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530983(P2010−530983)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/083096
【国際公開番号】WO2009/058137
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(596024024)サン・ケミカル・コーポレーション (39)
【Fターム(参考)】