説明

不良品分別装置

【課題】従来の製箱機に付加して使用することができ、折り畳まれた状態で所定枚数積み重ねられた段ボール箱のブロックから不良品を分別し、良品のみを所定枚数積み重ねて搬出することができる不良品分別装置を提供する。
【解決手段】不良品分別装置110は、折り畳まれた段ボール箱が複数積み重ねられた積重体Sから段ボール箱Cを一枚ずつ分離する分離装置1と、分離装置から段ボール箱を一枚ずつ受け取り搬送する搬送装置2と、搬送装置による搬送の途中で段ボール箱の不良品を排除する排除装置3と、排除装置によって排除されることなく搬送装置によって搬送された段ボール箱の良品を一枚ずつ受け取り積み重ねる良品積重装置4と、分離装置、搬送装置、排除装置、及び、良品積重装置を制御し、不良品を含む積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離して搬送しつつ不良品を分別し、良品のみを所定枚数積み重ねる分別搬送を行わせる分別搬送制御手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール箱の製造工程において、折り畳まれた状態で所定枚数が積み重ねられた段ボール箱のブロックの中から不良品を分別し、良品のみを積重する不良品分別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボール箱の製造工程では、中芯とライナとの貼合により形成された段ボールシートに横罫線(スコア)入れと断裁が行われた後、更に製箱ラインにおいて、印刷、縦罫線(クリーズ)入れ、切り込み溝(スロット)と継ぎ代片の形成、継ぎ代片への糊の塗布、折り曲げ及び継ぎ代片の接合が連続的に行われる。そして、継ぎ代片の接合により筒状となった段ボール箱は、折り畳まれた状態で所定枚数積み重ねられ、製箱ラインの下流端から搬出される。
【0003】
上記のような段ボール箱の製造工程では、種々の原因により不良品が発生することがある。例えば、印刷にずれやかすれが生じる等の印刷上の不良、打ち抜きミスや折り曲げミスの結果として生じる寸法上の不良、継ぎ代片に塗布される糊の過不足による糊付け不良、継ぎ代片の接合位置にずれが生じる接合不良などである。このような不良は、従来、折り畳まれた状態で所定枚数が積み重ねられ製箱ラインから搬出された段ボール箱のブロックから、抜き取り検査を行うことよって検出するのが一般的であった。そのため、検出漏れにより不良品が出荷されてしまうおそれがあった。
【0004】
そこで、製箱ライン上で不良品の発生を検出する装置が、種々提案されている。例えば、継ぎ代片の接合位置のずれによる接合部の間隔の不良を検出するために、製箱ライン上にCCDカメラを設置し、画像データにおける各画素の光度に基づいてエッジを抽出することにより、接合部の間隔を検出し、その間隔が許容範囲であるか否かを判定する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1のように、製箱ライン上で不良品を検出する装置に関して従来なされていた提案には、不良品を排除する技術までを提案しているものはない。従って、上記のような検出装置によって製箱ライン上で不良品が検出された場合、所定枚数の段ボール箱が積み重ねられた状態で製箱ラインから排出されたブロックの内、不良品が混入するものをブロックごと排除することになる。そのため、不良品と共に、不良品よりは枚数が多いであろう良品も、一緒に排除されてしまうという問題があった。そして、良品を無駄にしないためには、ブロックごと排除された段ボール箱の中から不良品を抽出し、良品のみを再び所定枚数積み重ねる処理を、人手によって行う必要があり、多大な手間や時間を要するという問題があった。
【0006】
一方、不良品を検出する手段を提案するものではないが、何らかの不良品が検出された場合に、製箱ラインの下流側において不良品をライン外に排除する不良箱体除去装置が提案されている(特許文献2参照)。これは、折り畳まれた状態の段ボール箱が、計数され積み重ねられる前の工程で、段ボール箱を搬送するベルトを傾動させることにより、不良品を製箱ライン外に排除するものである。
【0007】
しかしながら、この場合、製箱機として、特許文献2の不良箱体除去装置を備えた特殊な製箱機が必要となる。通常、段ボール箱の製箱を行う事業者は、印刷、クリーズ入れ、スロットと継ぎ代片の形成、糊の塗布、折り曲げ、継ぎ代片の接合、及び折り畳まれた段ボール箱の計数及び積み重ねを、一連の動作として行う製箱機を工場内に備えている。そのため、特許文献2の装置で不良品を排除するためには、不良箱体除去装置を備える特殊な製箱機を新たに導入し、それまで使用していた製箱機に代替させる必要がある。すなわち、製箱ラインの全体を新たな装置に交換する必要がある。そのため、投資負担が大きいと共に、従来から使用していた製箱機が無駄となるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、従来の製箱機に付加して使用することができ、折り畳まれた状態で所定枚数積み重ねられた段ボール箱のブロックから不良品を分別し、良品のみを所定枚数積み重ねて搬出することができる不良品分別装置の提供を、課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明にかかる不良品分別装置は、「折り畳まれた段ボール箱が複数積み重ねられた積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離する分離装置と、該分離装置から段ボール箱を一枚ずつ受け取り搬送する搬送装置と、該搬送装置による搬送の途中で段ボール箱の不良品及び良品の一方を搬送路から排除する排除装置と、該排除装置によって不良品と分別された良品を一枚ずつ受け取り積み重ねる良品積重装置と、前記分離装置、前記搬送装置、前記排除装置、及び、前記良品積重装置を制御し、不良品を含む積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離して搬送しつつ不良品を分別し、良品のみを所定枚数積み重ねる分別搬送を行わせる分別搬送制御手段とを具備し、前記分離装置は、積重体を幅方向にはみ出させた状態で載置し水平方向に搬入する搬入コンベアと、該搬入コンベアを挟んで配置され、それぞれ上下方向に無端状に周回する一対の昇降コンベア、及び、一対の該昇降コンベアの対向位置にそれぞれ突設された複数対の載置台を備える昇降装置と、該昇降装置の上方に位置し、積重体の最上の段ボール箱を前記搬送装置に向けて水平方向にスライドさせるスライド装置とを備えており、前記搬送装置は、前記分離装置に隣接して配置され、無端状に周回する第一多孔ベルト、及び、開口部が設けられた底面で前記第一多孔ベルトの内側面と当接し内部空間が脱気されている第一吸引ボックスを備える第一吸引コンベアを備えており、前記排除装置は、第一吸引コンベアに搬送される段ボール箱を、前記第一多孔ベルトの側方で上方から押し下げる排除用プッシャを備えており、前記良品積重装置は、前記排除装置が不良品を排除する場合は、前記排除装置によって排除されることなく前記搬送装置によって搬送され前記第一多孔ベルトの周回に伴い前記搬送装置から送り出される良品を載置し、前記排除装置が良品を排除する場合は前記搬送路から排除される良品を載置する第二載置台と、前記第二載置台に載置される前記良品を計数する計数装置とを備えており、前記分別搬送制御手段は、前記昇降コンベアを周回させ、前記搬入コンベアに載置された積重体を前記載置台の一対に載置し、積重体の最上の段ボール箱が前記スライド装置によってスライドさせられる高さまで上昇させ、最上の段ボール箱がスライドさせられ前記搬送装置の前記第一多孔ベルトの下面に吸着された後に前記昇降コンベアを更に周回させ、段ボール箱一枚の厚さ分前記載置台を上昇させる昇降コンベア制御手段と、前記第一多孔ベルトの下面に吸着された段ボール箱が、前記第一多孔ベルトの周回により下流側に搬送される途中で、不良品を特定する不良品特定信号に基づき、前記排除用プッシャを下降させて段ボール箱を下方に押圧し、不良品及び良品の一方を前記第一多孔ベルトから引き離して落下させる排除用プッシャ制御手段と、前記第二載置台上に載置された段ボール箱が所定枚数に達したか否かを、前記計数装置の計数に基づき判定し、所定枚数に達した段階で、前記第二載置台上に良品のみが所定枚数積み重ねられた良品積重体を搬出させる良品積重制御手段とを備える」ことを特徴とする。
【0010】
「折り畳まれた段ボール箱」は、製箱ラインにおいて、罫線加工や切り込み溝加工が行われたブランクシートが折り曲げられ、継ぎ代片の接合が行われて筒状となった状態で、平らに折り畳まれている段ボール箱を指している。また、「積重体」は、折り畳まれた段ボール箱が所定枚数積み重ねられている集合体を指しており、一般的な製箱ラインから排出される積重体は、10〜30枚の段ボール箱が積み重ねられている。
【0011】
「積重体を水平方向に搬入する搬入コンベア」としては、ベルトコンベアやローラコンベアを使用可能である。また、「積重体を幅方向にはみ出させた状態で載置」するため、搬入コンベアの幅の長さ、すなわち、送り方向に直交する方向の長さは、処理対象の段ボール箱の幅より短く設定される。
【0012】
「無端状に周回する昇降コンベア」としては、チェーンコンベアやベルトコンベアを使用可能である。また、「載置台」は、一対で段ボール箱の一対の辺をそれぞれ載置するものであり、段ボール箱を載置できるものであれば特に形状は限定されない。例えば、一対の載置台のそれぞれを、段ボール箱の一辺を一つの部材で載置する長尺の部材で構成させることができる。或いは、一対の載置台のそれぞれを、複数の部材で段ボール箱の一辺を載置する、複数部材のセットとして構成させることができる。
【0013】
「スライド装置」は、後述の第一吸引コンベアと同様の吸引式のコンベアが、水平方向に周回する装置とすることができる。或いは、シリコン系のゴムなど、段ボール紙との摩擦係数が段ボール紙同士の摩擦係数より大きな材料で形成されたローラを、積重体の最上の段ボール箱に上方から押圧し、ローラの回転により水平方向にスライドさせる構成の装置とすることもできる。また、或いは、積重体の最上の段ボール箱を押し出すようにスライドさせる部材を、水平方向に往復運動させる構成の装置とすることもできる。この場合、水平方向への往復運動は、例えば、エアや油圧で作動し、ピストンロッドを水平方向に前進後退させるシリンダ装置、水平方向に延びるボール螺子とこれを正逆回転させるモータ、水平方向に延びるラックと噛合したピニオンとこれを正逆回転させるモータ等を使用して駆動することができる。
【0014】
「第一吸引コンベア」はベルトコンベアであり、コンベアベルトとしての「第一多孔ベルト」は、多数の貫通孔が形成されたベルトである。また、「第一吸引ボックス」は、内部空間を脱気することにより、開口部が設けられている面を当接させた物品を吸引する箱体である。第一吸引ボックスにおいて開口部が設けられている面を、第一多孔ベルトの内側面に当接させることにより、貫通孔を介して吸気され、第一多孔ベルトの外側の面に物品が吸着される。
【0015】
第一吸引ボックスの「開口部」は、第一多孔ベルトの周回に伴い第一多孔ベルトの貫通孔と連通するものであれば、形状及び個数は特に限定されない。例えば、第一多孔ベルトの貫通孔と第一吸引ボックスの開口部とを、同形・同サイズ・同ピッチとすることができる。或いは、第一吸引ボックスの開口部を、第一吸引コンベアの搬送方向に延びる長孔とすることにより、第一多孔ベルトの周回に伴って貫通孔と開口部とが常時連通しやすい構成とすることができる。
【0016】
なお、昇降コンベアは、一対が搬入コンベアを挟むように離隔して設けられるため、段ボール箱のサイズに応じて間隔を調整できる構成とすれば、処理対象の段ボール箱の範囲が広いものとなり、より好適である。更に、搬入コンベアや第一吸引コンベアは、搬送方向に平行に延びる複数のコンベアで構成させ、その複数が同期して周回するものとすれば、段ボール箱を安定的に搬送することができ、好適である。加えて、平行に延びる複数のコンベア間の距離を、段ボール箱のサイズに応じて調整できる構成とすれば、処理対象の段ボール箱の範囲が広いものとなり、より好適である。ここで、コンベア間の距離を調整する機構としては、ボール螺子やラックとピニオンによりモータの回転運動を直線運動に変換することにより、コンベアが支持されている部材や架台を相対的に往復動させる機構を例示することができる。
【0017】
「排除用プッシャ」は、段ボール箱を上方から押圧する構成であるが、かかる排除用プッシャを上方から下方に押し下げる構成としては、エアシリンダや油圧シリンダの駆動によりピストンロッドを降下させて排除用プッシャを押し下げる構成、或いは、モータの回転をクランク機構やラックとピニオン機構で往復運動に変換することにより、上下方向に往復する部材で排除用プッシャを押し下げる構成を、例示することができる。
【0018】
「良品積重装置」は、例えば、上記の昇降装置と同様の構成とすることができる。すなわち、それぞれ上下方向に無端状に周回する一対の第二昇降コンベアが、搬入コンベアと同様に段ボール箱を幅方向にはみ出させた状態で載置する搬出コンベアを挟んで配置され、第二載置台は、一対の第二昇降コンベアの対向位置にそれぞれ突設されて、複数対が設けられる構成とすることができる。この場合、第二昇降コンベアの周回によって第二載置台を下降させることにより、良品積重体を第二載置台から搬出コンベア上に移すことができる。或いは、第二載置台を、水平方向に周回するベルトコンベアやローラコンベアで構成させることも可能である。この場合、第一吸引コンベアの下流端から落下するように送り出される段ボール箱を、停止状態の第二載置台上に載置し、所定枚数の段ボール箱が積み重ねられた段階で第二載置台としてのベルトコンベア或いはローラコンベアを周回駆動させることにより、良品積重体を搬出することができる。
【0019】
「計数装置」としては、排除装置によって排除されることなく搬送装置によって段ボール箱が搬送される経路と交差する方向、或いは、搬送装置から良品積重装置に段ボール箱が受け渡される経路と交差する方向に、光を投射することによって物体の通過を検知するセンサを使用し、通過数を計数する装置を使用することができる。或いは、第二載置台に載置された段ボール箱の重量を計測し、その結果から段ボール箱の枚数を算出する装置を使用することができる。
【0020】
「不良品特定信号」は、積重体が本発明の搬入コンベアに搬入される前の製箱ラインにおいて、段ボール箱が積み重ねられる前の段階で行われた検査に基づいて送信されるものであっても、本発明の不良品分別装置において、積重体から段ボール箱が一枚ずつ分離された後に行われる検査に基づいて送信されるものであっても良い。前者の場合は、不良品が含まれる積重体と、その積重体の何枚目に不良品が存在するかが不良品特定信号によって特定されれば良く、後者の場合は、不良品を検知した時点で不良品特定信号が送信される。そして、例えば、搬送される段ボール箱を通過センサ等を用いて計数することにより、搬送路から排除すべき不良品または良品が排除用プッシャの設けられた位置まで達するタイミングで、排除用プッシャを降下させることができる。
【0021】
不良品特定信号における「不良」は、特に限定されるものではないが、継ぎ代片の接合間隔の不良、継ぎ代片の糊付け不良、折り曲げ不良、印刷上の不良を例示することができる。
【0022】
上記構成により、本発明では次のように積重体から不良品が分別され、良品のみが所定枚数積み重ねられた良品積重体が搬出される。すなわち、一般的な製箱機の下流端から送り出された積重体は、まず、搬入コンベアの周回によって、搬入コンベアに載置される。一対の昇降コンベアが周回すると、積重体において幅方向に搬入コンベアからはみ出している部分が、上昇する載置台にすくい上げられるように載置される。更に昇降コンベアの周回により載置台が上昇すると、スライド装置によって積重体の最上の段ボール箱が水平方向に搬送装置側にスライドさせられ、搬送装置の第一多孔ベルトに吸着される。一方、最上の段ボール箱が除かれた積重体は、昇降コンベアの周回により段ボール箱一枚の厚さ分上昇する。これにより、最上に位置することとなった二枚目の段ボール箱が、スライド装置によって水平方向にスライドさせられ、以降は上記の動作が繰り返される。
【0023】
第一多孔ベルトに吸着された段ボール箱は、第一多孔ベルトの周回に伴い第一吸引コンベアの下流側に送られる。その際、不良品特定信号に基づき、不良品または良品が排除用プッシャの下方に到達するタイミングで、排除用プッシャが作動する。これにより、不良品または良品の段ボール箱は、第一吸引コンベアによる吸引力に抗して排除用プッシャによって下方に押圧され、第一多孔ベルトの下面から引き離され搬送ラインから排除される。一方、排除用プッシャによって排除されなかった段ボール箱は、第一吸引コンベアの下流端まで達し、更に、第一多孔ベルトの周回により下流端から送り出される。
【0024】
そして、排除装置によって不良品が排除される場合は、第一吸引コンベアの下流端から送り出される段ボール箱が第二載置台に載置され、排除装置によって良品が排除される場合は、排除された段ボール箱がその場で第二載置台に載置される。この際、第二載置台に載置された段ボール箱の枚数が計数装置によって計数され、所定枚数に達すると、良品のみが所定枚数積重された良品積重体として搬出される。
【0025】
従って、本発明によれば、所定枚数の段ボール箱が折り畳まれた状態でいったんは積み重ねられた積重体から、不良品を分別し、良品のみを所定枚数積み重ねて搬出することができる。これにより、従来の製箱機をそのまま使用しながら、多大な労力や手間をかけることなく、積重体から不良品を排除し、良品を有効に利用することができる。
【0026】
ここで、積重体を上昇させるに当たっては、パンタグラフ式に伸長してステージを昇降させる構成も想到し得るところ、その場合は、上昇したステージが再度下降するまで、次の積重体を受け入れることができない。これに対し、本発明では、上下方向に無端状に周回する一対の昇降コンベアによって載置台を周回させる構成であるため、昇降コンベアの周回に伴い、次の載置台が、次の積重体を受け入れる高さに待機することが可能である。これにより、積重体を効率よく受け入れて上昇させ、段ボール箱一枚ずつに分離する処理を効率よく行うことができる。
【0027】
更に、段ボール箱の不良品または良品を搬送路から排除するに当たっては、特許文献2のようにコンベア自体を傾動させることにより、コンベアに載置されていた段ボール箱をライン外に排除する構成も想到し得るところ、この場合は、コンベアの傾動動作に時間を要するため、排除処理の効率が悪い。これに対し、本実施形態では、第一吸引コンベアに吸着されている段ボール箱を、上方から排除用プッシャで押圧してコンベアから引き離す構成であり、動作時間を短くすることができるため、排除処理を効率よく行うことができる。
【0028】
また、段ボール箱を搬送するコンベアを、良品が搬送されるコンベアと不良品が搬送されるコンベアとに途中で分岐させ、デフレクタ板によって何れかに振り分ける構成も想到し得る。しかしながら、折り畳まれた段ボール箱は単葉の段ボールシートに比べて剛性が高く、反りにくいため、デフレクタ板によって進行方向を変えることは難しい。そのため、デフレクタ板とコンベアとの間隙に段ボール箱が挟まりやすく、段ボール箱を搬送するラインが停止してしまうおそれがある。これに対して、本発明では段ボール箱を第一多孔ベルトから引き離し、自然落下させるように搬送路から排除する構成であるため、段ボール箱のつまりが生じるおそれがなく、搬送路からの排除処理を効率よく行うことができる。
【0029】
本発明にかかる不良品分別装置は、上記構成において、「前記スライド装置は、水平方向に無端状に周回する第二多孔ベルト、及び、開口部が設けられた底面で前記第二多孔ベルトの内側面と当接し内部空間が脱気されている第二吸引ボックスを備える」ものとすることができる。
【0030】
上記構成のスライド装置の基本的な構成は、上述の「第一吸引コンベア」と同じである。すなわち、「第二多孔ベルト」は上述の第一多孔ベルトと、「第二吸引ボックス」は上述の第一吸引ボックスと同様の構成である。
【0031】
上記構成の不良品分別装置において、分離装置では次のように段ボールの分離が行われる。すなわち、昇降コンベアの周回により載置台が上昇し、積重体の最上の段ボール箱が第二多孔ベルトの下面に当接すると、最上の段ボール箱は第二多孔ベルトに吸着される。そして、第二多孔ベルトに吸着された段ボール箱は、第二多孔ベルトの周回に伴い搬送装置側に搬送される。更に、第二多孔ベルトの周回に伴い、段ボール箱は、第二多孔ベルトの下流端から送り出され、搬送装置の第一多孔ベルト吸着される。一方、最上の段ボール箱が除かれた積重体は、昇降コンベアの周回により段ボール箱一枚の厚さ分上昇する。これにより、最上に位置することとなった二枚目の段ボール箱が第二多孔ベルトの下面に吸着し、以降は上記の動作が繰り返される。
【0032】
従って、本発明によれば、積重体の最上の段ボール箱を、上方から脱気によって吸着するスライド装置によって、確実に水平方向にスライドさせ、積重体から分離することができる。
【0033】
本発明にかかる不良品分別装置は、上記構成に加え、「前記分離装置は、前記第二多孔ベルトの側方で上下運動する吸着阻止用プッシャと、前記搬送装置に向けて送られる前記段ボール箱の通過を検知する通過センサとを更に具備し、前記分別搬送制御手段は、前記通過センサの検知に基づき、前記吸着阻止用プッシャを下降させて積重体の二枚目の段ボール箱を下方に押圧し、最上の段ボール箱が前記搬送装置に向けて所定距離搬送されるまで、二枚目の段ボール箱が前記第二多孔ベルトに吸着されることを阻止する阻止用プッシャ制御手段を更に備える」ものとすることができる。
【0034】
「吸着阻止用プッシャ」は、段ボール箱を押圧可能な部材が上下運動するものであり、上記の排除用プッシャと同様に、エアや油圧によるシリンダ駆動により、或いは、モータの回転を往復運動に変換することにより、上下運動を行わせることができる。
【0035】
「通過センサ」としては、第二多孔ベルトによる段ボール箱の搬送路と交差する方向に光を投射し、透過光量の変化や反射光により物体の通過を検知する光学式の通過センサを使用可能である。
【0036】
積重体の最上の段ボール箱が第二多孔ベルトに吸着された状態で、第二多孔ベルトの周回に伴い水平方向に搬送される際は、二枚目の段ボール箱が引き摺られるように摩擦力が作用する。仮に、最上の段ボール箱と部分的に重畳する状態で、二枚目の段ボール箱が第二多孔ベルトに吸着されてしまうと、最上の段ボール箱と共に二枚目の段ボール箱も搬送装置側に搬送される。そのため、段ボール箱を一枚ずつ完全に分離することができない。
【0037】
これに対し、上記構成の本発明では、最上の段ボール箱が所定距離搬送されるまでは、吸着阻止用プッシャで二枚目の段ボール箱を下方に押圧し、第二多孔ベルトによる吸着力が二枚目の段ボール箱に作用することを妨げることができる。従って、二枚目の段ボール箱と重なり得ない位置まで最上の段ボール箱が搬送されるまで、吸着阻止用プッシャを下降させる制御により、段ボール箱を一枚ずつに確実に分離することができる。
【0038】
本発明にかかる不良品分別装置は、上記構成に加え、「前記スライド装置によりスライドさせられた段ボール箱が前記第一多孔ベルトに吸着される位置より下流側かつ前記排除用プッシャより上流側に設けられ、段ボール箱が良品か不良品かを判定する検査装置を、更に具備する」ものとすることができる。
【0039】
上記構成により、積重体から段ボール箱を一枚ずつに分離した上で、全数について、良品か不良品かを判定する検査を行い、不良品があれば分別して良品のみを積重することができる。これにより、出荷される段ボール箱の品質を高めることができる。また、本構成の不良品分別装置があれば、従来の製箱機に検査装置を後付けで設ける必要がない。
【0040】
加えて、段ボール箱が一枚ずつに分離された後、搬送される途中で検査が行われるため、不良品特定信号は不良品を検出したことを意味する信号で足りる。これにより、何番目の積重体の何枚目に不良品があるという内容の不良品特定信号が送出される場合に比べて、処理すべき情報が単純であるため、排除装置の制御が容易かつ正確なものとなる。
【0041】
本発明にかかる不良品分別装置は、上記構成に加え、「前記搬入コンベアの下流端から前記良品積重装置における良品積重体の搬出位置まで、物品を載置して搬送可能な載置搬送コンベアを更に具備し、前記搬入コンベアに搬入された積重体を前記昇降装置によって上昇させる分離搬送、及び、前記搬入コンベアに搬入された積重体を前記搬入コンベアの下流端から前記載置搬送コンベアに受け渡す無分離搬送に切り替え可能である」ものとすることができる。
【0042】
「載置搬送コンベア」としては、ローラコンベアやベルトコンベアを使用可能である。
【0043】
「分離搬送」と「無分離搬送」との切り替えは、例えば、製箱ラインにおいて検査がなされた結果、製箱ラインから搬出される積重体について、不良品が含まれていない積重体が連続して所定の数以上存在する場合に、分別搬送制御手段によって自動的に無分離搬送に切り替えられるものとすることができる。或いは、段ボール箱の用途や納品先の事情等によって、段ボール箱の品質として求められる品質が相違する場合は、これに応じて、手動入力により分離搬送または無分離搬送に切り替えることができる。
【0044】
従って、上記構成により、従来の製箱ラインに付加して本発明の不良品分別装置を設置したとしても、積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離する処理が不要な場合は、積重体のままで装置外に搬出することができるため、不要な処理のための工程を経る無駄を排除することができる。そして、一つの装置でありながら、分離搬送と無分離搬送の何れも選択可能であるため、処理の自由度が高い装置となる。
【発明の効果】
【0045】
以上のように、本発明の効果として、従来の製箱機に付加して使用することができ、折り畳まれた状態で所定枚数積み重ねられた段ボール箱のブロックから不良品を分別し、良品のみを所定枚数積み重ねて搬出することができる不良品分別装置を、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第一実施形態の不良品分別装置の構成図である。
【図2】図1のX−X視の構成図である。
【図3】図1の不良品分別装置における分離装置の構成図である。
【図4】図1の不良品分別装置における搬送装置、検査装置及び排除装置の構成図である。
【図5】図1の不良品分別装置における良品積重装置の構成図である。
【図6】図1の不良品分別装置におけるスライド装置近傍の(a)正面図、及び(b)側面図である。
【図7】図1の不良品分別装置における吸着阻止用プッシャの動作の説明図である。
【図8】図1の不良品分別装置における排除装置の概略斜視図である。
【図9】図1の不良品分別装置における排除装置の動作の説明図である。
【図10】図1の不良品分別装置の機能的構成のブロック図である。
【図11】本発明の第二実施形態の不良品分別装置の構成図である。
【図12】本発明の第三実施形態の不良品分別装置の一部省略構成図である。
【図13】第一多孔ベルトが第二多孔ベルトを兼ねる場合の構成図である。
【図14】スライド装置の他の実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の第一実施形態である不良品分別装置110について、図1乃至図10に基づいて説明する。本実施形態の不良品分別装置110は、折り畳まれた段ボール箱が複数積み重ねられた積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離する分離装置1と、分離装置1から段ボール箱を一枚ずつ受け取り搬送する搬送装置2と、搬送装置2による搬送の途中で段ボール箱の不良品を搬送路から排除する排除装置3と、排除装置3によって不良品と分別された良品を一枚ずつ受け取り積み重ねる良品積重装置4と、分離装置1、搬送装置2、排除装置3、及び、良品積重装置4を制御し、不良品を含む積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離して搬送しつつ不良品を分別し、良品のみを所定枚数積み重ねる分別搬送を行わせる分別搬送制御手段9とを具備し、分離装置1は、積重体を幅方向にはみ出させた状態で載置し水平方向に搬入する搬入コンベア10と、搬入コンベア10を挟んで配置され、それぞれ上下方向に無端状に周回する一対の昇降コンベア21、及び、一対の昇降コンベア21の対向位置にそれぞれ突設された複数対の載置台29を備える昇降装置20と、昇降装置20の上方に位置し、積重体の最上の段ボール箱を搬送装置2に向けて水平方向にスライドさせるスライド装置30とを備えており、搬送装置2は、分離装置1に隣接して配置され、無端状に周回する第一多孔ベルト51、及び、開口部が設けられた底面で第一多孔ベルト51の内側面と当接し内部空間が脱気されている第一吸引ボックス57を備える第一吸引コンベア50を備えており、排除装置3は、第一吸引コンベア50に搬送される段ボール箱を、第一多孔ベルト51の側方で上方から押し下げる排除用プッシャ60を備えており、良品積重装置4は、搬送装置2に隣接して配置され、排除装置2によって排除されることなく搬送装置2によって搬送され第一多孔ベルト51の周回に伴い搬送装置2から送り出される良品を載置する第二載置台79と、第二載置台79に載置される良品を計数する計数装置とを備えている。
【0048】
また、不良品分別装置110では、スライド装置30は、水平方向に無端状に周回する第二多孔ベルト31、及び、開口部36hが設けられた底面で第二多孔ベルト31の内側面と当接し内部空間が脱気されている第二吸引ボックス36を備えている。
【0049】
更に、不良品分別装置110では、分離装置1は、第二多孔ベルト31の側方で上下運動する吸着阻止用プッシャ40と、搬送装置2に向けて送られる段ボール箱の通過を検知する通過センサ38,38bとを更に具備している。また、不良品分別装置110は、スライド装置30によりスライドさせられた段ボール箱が第一多孔ベルト51に吸着される位置、すなわち第一多孔ベルト51の上流端より下流側かつ排除用プッシャ60より上流側に設けられ、段ボール箱が良品か不良品かを判定する検査装置5を具備している。
【0050】
より詳細に説明すると、搬入コンベア10は、水平方向に平行な一対の回転軸15の間にベルトが掛け回されたベルトコンベア11a,11bが、平行に二本並設されているものである。そして、それぞれのベルトコンベア11a,11bは、別個の基台91a,91bに支持されている。また、ベルトコンベア11a,11bそれぞれの回転軸15は、モータ15Mにより同期して回転駆動される。
【0051】
昇降コンベア21は、それぞれ上下方向に周回する一対のチェーンコンベア21a,21bからなり、それぞれのチェーンコンベア21a,21bは、鉛直方向に離隔した平行な一対の回転軸25それぞれの両端に取り付けられたスプロケット25s間に掛け回された、二本のチェーンを備えている。そして、それぞれのチェーンコンベア21a,21bにおいて、断面略L字形の長尺部材である載置台29が、それぞれ二本のチェーン間に架け渡されるように、一定間隔で複数取り付けられている。この載置台29は、一対のチェーンコンベア21a,21bのそれぞれに、同数が対向する位置に設けられて対をなしている。また、それぞれのチェーンコンベア21a,21bの回転軸25は、モータ25Mにより回転駆動される。
【0052】
ここで、一方のチェーンコンベア21aはベルトコンベア11aと同じ基台91aに支持されていると共に、他方のチェーンコンベア21bはベルトコンベア11bと同じ基台91bに支持されている。これらの基台91a,91bは、共にレール92Rによって基台90上をスライド可能であり、ボール螺子92及びこれを回転させるモータ92Mにより、二つの基台91a,91bを離隔接近させることができる。従って、基台91a,91b間の距離を変更することにより、搬入コンベア10における二本のベルトコンベア11a,11b間の距離、及び、昇降コンベア21におけるチェーンコンベア21,21b間の距離、ひいては対をなす載置台29間の距離を、対象とする段ボール箱の幅方向の長さに応じて調整することができる。
【0053】
スライド装置30では、水平方向に平行な一対の回転軸35の間に、二本の第二多孔ベルト31が掛け回されており、それぞれの第二多孔ベルト31には多数の貫通孔31hが穿設されている。そして、二つの第二吸引ボックス36が、それぞれの底面を第二多孔ベルト31の内側面に当接させて配されている。これらの第二吸引ボックス36は、底面に第二多孔ベルト31の貫通孔31hと同形・同サイズの貫通する開口部36hが同ピッチで設けられており、その内部空間はブロワ96aと連結されるダクト97aと連通している。また、二つの第二吸引ボックス36は、二つの第二多孔ベルト31の間を通り上方に延びる支持部材37によって架台フレーム(図示しない)に固定されており、この支持部材37には吸着阻止用プッシャ40を上下運動させるための回転軸45、及び回転軸を回転駆動するモータ45Mが支持されている。
【0054】
ここで、吸着阻止用プッシャ40は、回転軸45と一体回転する円盤45aに対して偏心した偏心軸41によって回動自在に軸支されたアーム42と、アーム42の端部に回動自在に軸支されていると共に、上下方向に延びるガイド43に沿ってスライドする押圧アーム44とを備えている。かかる構成により、モータ45Mの駆動によって回転軸45が回転すると、図7に示すように、円盤45aの回転に伴い、アーム42を軸支する偏心軸41が回転軸45の軸心周りに回転し、押圧アーム44がガイド43に沿って上下方向に往復運動する。なお、このような吸着阻止用プッシャ40は、回転軸45の両端に、スライド装置30を挟むように一対設けられており、単一のモータ45Mの駆動による回転軸45の回転に伴い、一対の押圧アーム44が同時に上下運動する構成となっている。
【0055】
スライド装置30の下流側には、段ボール箱の通過を検知する通過センサ38として、段ボール箱の搬送路に交差するように光を投射し、透過により物品の存在の有無を検知する一対の光学式センサが設けられている。また、スライド装置30の下流端と第一吸引コンベア50の上流端との間で、段ボール箱の搬送路に直交するように光を投射し、反射により物品の存在の有無を検知する光学式の通過センサ38bが設けられている。
【0056】
更に、スライド装置30の下流側の下方には、間隙調整部材39が設けられている。これは、第二多孔ベルト31との間隙を段ボール箱一枚分の厚さに合わせて調整することにより、第二多孔ベルト31の下流端から第一吸引コンベア50に向かって送られる段ボール箱を、一枚に規制するものである。具体的には、第二多孔ベルト31の下方から上方に向かって延び、更に搬送方向に向かって湾曲しつつ直角に曲がっている部材であり、全体的として昇降可能に構成されている。
【0057】
第一吸引コンベア50の構成は、基本的にはスライド装置30と同様である。すなわち、水平方向に平行な一対の回転軸55の間に、二本の第一多孔ベルト51が掛け回されており、それぞれの第一多孔ベルト51には多数の貫通孔(図示しない)が穿設されている。そして、二つの第一吸引ボックス57が、それぞれの底面を第一多孔ベルト51の内側面に当接させて配されている。これらの第一吸引ボックス57は、底面に第一多孔ベルト51の貫通孔と同形・同サイズの貫通する開口部(図示しない)が同ピッチで設けられており、その内部空間はブロワ96bと連結されるダクト97bと連通している。ただし、第一吸引コンベア50の上流端から下流端までの長さ、すなわち、一対の回転軸55間の距離は、スライド装置30における回転軸35間の距離に比べてかなり長く設定されている。これに伴い、第一吸引ボックス57も、搬送方向に長く延びる構成となっている。
【0058】
なお、第一多孔ベルト51の上流端の下方には、回転自在で昇降可能な間隙調整ローラ39bが設けられている。この間隙調整ローラ39bを昇降させ、第一多孔ベルト51との間隙を段ボール箱一枚分の厚さに合わせて調整することにより、間隙調整ローラ39bと第一多孔ベルト51との間で段ボール箱をしっかりと挟持し、第一多孔ベルト51の周回に伴い段ボール箱を確実に搬送させることができる。
【0059】
また、本実施形態では、同一構成の第一吸引コンベア50が二つ、搬送方向に平行に設けられている。これら二つの第一吸引コンベア50の回転軸55は、単一のモータ55Mの駆動により回転する軸部(図示しない)に取り付けられたプーリに巻装されたベルトを介して、同期して回転駆動される構成となっている。そして、それぞれの第一吸引コンベア50において、二つの第一吸引ボックス57の上面には、二つの第一多孔ベルト51の間を通り上方に延びる支持部材58が取り付けられており、二つの第一吸引コンベア50の支持部材58は、共に一本のレール94Rを介して架台フレームFに支持されている。このような支持部材58及びレール94Rは、第一吸引コンベア50の上流側及び下流側にそれぞれ設けられている。更に、二つの第一吸引コンベア50の上流側の支持部材58どうし及び下流側の支持部材58どうしは、モータ(図示しない)により回転駆動されるボール螺子94の回転により、同期してレール94Rに沿ってスライドする。
【0060】
そして、支持部材58を介して架台フレームFに支持された第一吸引ボックス57には、一対の回転軸55が、第一吸引コンベア50の上流側及び下流側の近傍において、それぞれ連結プレート(図示しない)を介して支持されている。従って、二つの第一吸引コンベア50において回転軸55を支持している第一吸引ボックス57が、支持部材58を介してレール94Rに沿ってスライド可能であることにより、二つの第一吸引コンベア50間の距離を変化させることができる。すなわち、搬送する段ボール箱の幅に応じて、二つの第一吸引コンベア50間の距離を調整することができる。
【0061】
検査装置5は、本実施形態では、継ぎ代片の接合部における接合間隔が不適正な不良品であるか否かを判定する装置であり、第一吸引コンベア50の上流側で、搬送される段ボール箱の下面に向けて斜めにレーザ光を照射する照射部5aと、レーザ光が照射された面の段ボール箱を撮影するデジタル式のカメラ5bと、撮影された画像のデジタルデータに基づいて良品及び不良品の判定を行う不良品検出手段104から構成されている。
【0062】
排除装置3は、本実施形態では、二つの第一吸引コンベア50それぞれの下流側の支持部材58の近傍に設けられている。二つの排除装置3の構成は同一であるため、以下、一方を例にとり説明する。一つの排除装置3は、第一吸引コンベア50の両側方で動作する一対の排除用プッシャ60と、一対の排除用プッシャ60を同期して駆動する一つのエアシリンダ65を備えている。より具体的には、図4及び図8に示すように、一対の排除用プッシャ60は、軸61によって揺動自在に軸支されており、この軸61は第一吸引コンベア50の下流側の支持部材58の近傍で、第一吸引ボックス57の上面に固定されている。そして、一対の排除用プッシャ60は、軸61と離れた位置であって軸61より下流側で、第一吸引コンベア50の上方を横架する連結バー63によって連結されている。下流側の支持部材58には、上方に延びると共に逆L字状に上流側に向けて屈曲した吊り下げ支持部材59が設けられており、この吊り下げ支持部材59の上端部からエアシリンダ65が垂下されている。そして、エアシリンダ65のピストンロッド66の先端は、連結バー63の中央に取り付けられている。
【0063】
このような構成により、図9(a),(b)に示すように、エアシリンダ65の駆動によりピストンロッド66が下降すると、連結バー63が下方に押し下げられる。その結果、一対の排除用プッシャ60はそれぞれ軸61周りに下方に揺動し、段ボール箱Cを押圧する。なお、排除用プッシャ60の下方には、排除されて自然落下する不良品の段ボール箱を収容するトレー状の不良品収容容器69が設けられている。
【0064】
良品積重装置4は、本実施形態では、昇降コンベア21とほぼ同様の構成である。すなわち、良品積重装置4は一対のチェーンコンベア71からなる第二昇降コンベア70と第二載置台79を備えている。それぞれのチェーンコンベア71は、鉛直方向に離隔した平行な一対の回転軸75の両端間に掛け回された二本のチェーンを備えており、二本のチェーン間に架け渡されるように、断面略L字形の長尺部材である第二載置台79が、一定間隔で複数取り付けられている。そして、一対のチェーンコンベア71において、第二載置台79は対向する位置に複数対が設けられている。また、チェーンコンベア71の回転軸75は、モータ75Mにより回転駆動される。
【0065】
なお、良品積重装置4は、昇降コンベア21にはない構成として、第二載置台79に載置する段ボール箱の端部を揃える前端ストッパ78a及び後端ストッパ78bを備えている。具体的には、前端ストッパ78a及び後端ストッパ78bは平板状の部材であり、共に平面を鉛直方向かつ搬送装置2の搬送方向に直交する方向に一致させ、間隔をあけて対面している。ここで、前端ストッパ78aは、搬送装置2の搬送方向に平行な方向に延びるレール77Rに沿って摺動する摺動支持部77によって支持されている。一方、後端ストッパ78bは、第一多孔ベルト51の下流端の下方に固定されている。このような構成により、摺動支持部77を介して前端ストッパ78aをレール77Rに沿って摺動させ、段ボール箱の長さに合わせて前端ストッパ78aと後端ストッパ78bとの間の距離を調整することにより、第二載置台79に載置される複数の段ボール箱の前端及び後端を揃えることができる。
【0066】
計数装置は、第一吸引コンベア50の下流端と第二昇降コンベア70の上流端との間で、段ボール箱の搬送路と交差するように光を投射し、物品の存在の有無を検知する一対の光電センサからなる通過センサ6aと、通過センサ6aの検知に基づいて通過した物品の数を計数する計数手段106から構成されている。
【0067】
搬出コンベア80は、本実施形態では、搬入コンベア10と同様の構成である。すなわち、搬出コンベア80は、第二昇降コンベア70の一対のチェーンコンベア71間に配されており、水平方向に平行な一対の回転軸85の間にベルトが掛け回された二つの平行なベルトコンベア81を備えている。また、一対のベルトコンベア81それぞれの回転軸85は、モータ85Mにより同期して回転駆動される。
【0068】
なお、第二昇降コンベア70の一対のチェーンコンベア71及び搬出コンベア80の一対のベルトコンベア81において、それぞれ対をなす一方と他方が異なる基台91c(図5では一方のみを図示)に支持されており、ボール螺子93及びこれを回転させるモータ93Mにより、二つの基台をレール93Mに沿ってスライドさせて離隔接近させることができる構成については、昇降コンベア21及び搬入コンベア10に関して上述したものと同様であり、詳細な説明は省略する。
【0069】
なお、不良品分別装置110は、搬入コンベア10の下流端から搬出コンベア80の上流端まで物品を載置して搬送可能な載置搬送コンベア95を更に具備し、搬入コンベア10に搬入された積重体を昇降装置20によって上昇させる分離搬送、及び、搬入コンベア10に搬入された積重体を搬入コンベア10の下流端から載置搬送コンベア95に受け渡す無分離搬送に切り替え可能なものとなっている。
【0070】
また、不良品分別装置110は図示しないコンピュータを備えており、コンピュータはハード構成として、主記憶装置と、主記憶装置に記憶されたプログラムに従って処理を行う中央処理装置(CPU)と、ハードディスク等の補助記憶装置とを具備している。更に、コンピュータは、カメラ5bから送信された画像データや不良品の排除処理の結果等を表示するモニタやプリンタ等の出力装置、コンピュータに対して種々の命令やデータの入力を行うキーボードやポインティングデバイス等の入力装置を更に具備している。
【0071】
ここで、主記憶装置には、コンピュータを分別搬送制御手段9として機能させるプログラムが記憶されている。また、補助記憶装置には、Aフルート、Bフルート等の段種と段ボールシートの厚さとを対応付けたテーブルや、段ボール箱の型番とブランクの形状・サイズとを対応付けたテーブル等が記憶されている。また、補助記憶装置には、カメラ5bから送信された画像データ、検査装置5による検査結果、不良品の分別処理の結果等を記憶させることができる。
【0072】
そして、コンピュータは、製箱機の生産管理装置、及び、製箱事業者の事務所コンピュータと、有線通信または無線通信可能に接続することができる。
【0073】
ここで、図10を用いて不良品分別装置110の機能的構成を説明すると、搬入コンベア制御手段101は、製箱ラインを制御する生産管理装置109からの信号を受信し、モータ15Mの回転を制御して搬入コンベア10の周回による積重体の搬入を行わせる。昇降コンベア制御手段は102、モータ25Mの回転を制御して昇降コンベア21を周回させることにより、搬入コンベア10に載置された積重体を載置台29の一対に載置させて、積重体の最上の段ボール箱が第二多孔ベルト31の下面に当接するまで載置台29を上昇させると共に、通過センサ38bから送信される通過検知信号及び段種情報に基づき、段ボール箱一枚の厚さ分載置台29を上昇させる。吸着阻止用プッシャ制御手段103は、通過センサ38から送信される通過検知信号に基づき、モータ45Mを制御して吸着阻止用プッシャ40を上下運動させ、下降により積重体の二枚目の段ボール箱を下方に押圧し、最上の段ボール箱が搬送装置2に向けて所定距離搬送されるまで、二枚目の段ボール箱が第二多孔ベルト31に吸着されることを阻止する。不良品検出手段104は、カメラ5bから撮影画像のデジタルデータを取り込み、段ボール箱が良品か不良品かの判定を行い、不良品の場合に不良品特定信号を排除用プッシャ制御手段105に送出する。排除用プッシャ制御手段105は、不良品特定信号に基づき、エアシリンダ65へのエアの供給を制御し、排除用プッシャ60を上下運動させ、下降により第一吸引コンベア50に搬送されている段ボール箱を下方に押圧し、第一多孔ベルト51から引き離して落下させる。計数手段は106、通過センサ6aの検知に基づき、通過した段ボール箱の数を計数し、第二載置台79に載置された段ボール箱が所定枚数に達した否かを判定し、所定枚数に達した段階で良品積重制御手段107に所定枚数到達信号を送出すると共に、第二載置台79が降下するタイミングを第二載置台降下信号として搬出コンベア制御手段108に向けて送出する。良品積重制御手段107は、通過センサ6aから送信される検知信号及び段種情報に基づき、モータ75Mの回転を制御して第二昇降コンベア70を周回させ、段ボール箱一枚の厚さ分第二載置台79を下降させると共に、計数手段106から送出された所定枚数到達信号に基づき、モータ75Mの回転を制御して第二昇降コンベア70を周回させて第二載置台79を降下させ、良品積重体を第二載置台79から搬出コンベア80上に載置させる。搬出コンベア制御手段108は、計数手段106から送出された第二載置台降下信号に基づき、モータ85Mの回転を制御して搬出コンベア80の周回による良品積重体の搬出を行わせる。
【0074】
上記構成の不良品分別装置110は、製箱ラインの下流端に付加して設置される。ここで、製箱ラインは、一般的には、段ボール原紙が供給される給紙部、縦罫線入れと切り込み溝及び継ぎ代片の形成が行われるクリーザ・スロッタ部、継ぎ代片への糊の塗布が行われるグルー部、段ボールシートの折り畳み及び継ぎ代片の接合が行われるフォールディング部、接合された箱を直角矯正板で加圧するスケアリング部、形成された箱を計数しつつ排出するカウンタエジェクタ部を備える製箱機(フォルダグルア)における製箱ラインである。なお、製箱機は、フレキソ印刷機との複合機であるフレキソフォルダグルアであっても良い。
【0075】
以下、不良品分別装置110の動作及び処理について説明する。まず、分離搬送及び無分離搬送の切り替えを行う。本実施形態では、作業者の入力により切り替えが行われる場合を例示する。無分離搬送が選択されると、搬入コンベア10、載置搬送コンベア95、及び搬出コンベア80の回転軸のそれぞれを回転させるモータが作動し、それぞれのコンベアが連続的に周回する。これにより、製箱ラインの下流のコンベア98から送り出された積重体は、そのまま搬入コンベア10、載置搬送コンベア95、及び搬出コンベア80上を搬送されて出口コンベア99に送られる。
【0076】
一方、分離搬送が選択された場合は、次のような動作及び処理が行われる。処理を開始すると、搬入コンベア10の周回により、製箱ラインの下流のコンベア98から送り出された積重体Sを受け入れて載置し、搬入コンベア10は停止する。次に、一対の昇降コンベア21が、それぞれ対面する側が上昇するように相反する方向に周回すると、搬入コンベア10上に載置されている積重体Sにおいて幅方向に搬入コンベア10からはみ出している部分が、上昇する載置台29にすくい上げられるように載置される。載置台29に載置された積重体Sが更に上昇し、第二多孔ベルト31の下面に当接すると、積重体Sの最上の段ボール箱Cが第二多孔ベルト31に吸着され、昇降コンベア21は停止する。第二多孔ベルト31に吸着された段ボール箱Cは、第二多孔ベルト31の周回に伴い、下流側(搬送装置2側)に搬送される。
【0077】
通過センサ38からの通過検知信号に基づき、最上の段ボール箱Cがスライド装置30の下流端から送り出され、第一吸引コンベア50の第一多孔ベルト51に段ボール箱Cの前端部が吸着されたタイミングで、吸着阻止用プッシャ40が下降する。これにより、最上の段ボール箱Cの後端側と共に二枚目の段ボール箱が下方に押圧され、二枚目の段ボール箱の第二多孔ベルト31への吸着が阻止される。一方、最上の段ボール箱Cは第一多孔ベルト51と間隙調整ローラ39bとの間に挟持されつつ、第一多孔ベルト51の周回に伴い下流側に搬送される。これにより、最上の段ボール箱の一枚のみが、分離装置から搬出装置に確実に受け渡される。そして、通過センサ38bからの検知信号に基づき、最上の段ボール箱Cの後端部が第一吸引コンベア50の第一多孔ベルト51に吸着されたタイミングで、吸着阻止用プッシャ40は上昇し、昇降コンベア21の周回により載置台29は段ボール箱一枚の厚さ分上昇する。
【0078】
その結果、段ボール箱一枚が既に搬送されて積重体Sの最上に位置することとなった二枚目の段ボール箱が第二多孔ベルト31の下面に吸着される。以降は、分離装置1において、すなわち搬入コンベア10、昇降装置20、スライド装置30により、上記の動作が繰り返される。
【0079】
搬送装置2において第一多孔ベルト51に吸着された段ボール箱Cは、第一多孔ベルト51の周回に伴い、第一吸引コンベア50の下流側に送られる。その際、第一吸引コンベア50の上流側において、検査装置5による検査が行われる。そして、不良品が検出された場合は、不良品検出信号が送出される。この不良品検出信号に基づき排除用プッシャ60が制御され、不良品が排除用プッシャ60の下方に到達するタイミングでエアシリンダ65が動作する。これにより、不良品の段ボール箱Cは、第一吸引コンベア50による吸引力に抗して排除用プッシャ60によって下方に押圧され、第一多孔ベルト51の下面から引き離され、自然落下して不良品収容容器69に収容される。
【0080】
検査装置5による検査によって良品と判定された段ボール箱が通過する際は、排除用プッシャ60は動作することなく、良品は第一吸引コンベア50の下流端まで達する。このとき、良品積重装置4では、既に第二昇降コンベア70の周回により第二載置台79が上昇し、第一多孔ベルト51の下面の高さより段ボール箱一枚分低い高さより、僅かに低い高さに第二載置台79が位置している。これにより、第一多孔ベルト51の周回に伴い下流端から送り出される段ボール箱Cは、僅かに落下するように第二載置台79に載置される。
【0081】
また、第一多孔ベルト51の下流端から送り出された段ボール箱Cが第二載置台79に載置される際、段ボール箱Cは通過センサ6aの光路を横断して検知され、通過検知信号が送出される。この通過検知信号に基づき、第二載置台79に載置された段ボール箱の枚数が一枚カウントされる共に、第二昇降コンベア70が周回し、第二載置台79は段ボール箱一枚の厚さ分下降する。
【0082】
第二載置台79に載置された段ボール箱の数が、予め定めた所定枚数に達すると、第二昇降コンベア70は高速で周回して、第二載置台79は瞬時に降下し、良品が所定枚数積み重ねられた良品積重体S’が搬出コンベア80上に載置される。このとき、第二昇降コンベア70の周回により、次の一対の第二載置台79が、第一吸引コンベア50から送り出される段ボール箱を載置可能な位置に待機する。そして、搬出コンベア80に載置された段ボール箱は、搬出コンベア80の周回により出口コンベア99上に送り出される。
【0083】
上記のように、本実施形態の不良品分別装置110によれば、既に所定枚数の段ボール箱が積み重ねられた状態で製箱ラインから搬出された積重体から、段ボール箱を一枚ずつ分離し、不良品と分別された良品を所定枚数積み重ねる処理を自動的に行うことができる。従って、従来の製箱機の下流に付加して使用し、多大な労力や手間をかけることなく、不良品のみを排除して良品を有効に利用することができる。
【0084】
また、昇降装置2では、上下方向に無端状に周回する一対の昇降コンベア21により、積重体を載置させる載置台29を周回させる構成であるため、昇降コンベア21の周回に伴い、次の載置台29の対が、次の積重体を受け入れるべく待機する。これにより、積重体を効率よく受け入れて上昇させ、一枚ずつの段ボール箱に分離する処理を効率よく行うことができる。
【0085】
加えて、搬送装置2から送り出される良品を積重する良品積重装置4として、本実施形態では、昇降コンベア21と同様の構成の第二昇降コンベア70を使用している。これにより、良品積重体を搬出するために第二載置台79を降下させたとき、第二昇降コンベア70の周回に伴い、次の第二載置台79の対が、次に搬出装置から送り出される段ボール箱を載置するべく待機する。従って、搬送装置2において段ボール箱を高速で搬送しても、その速度を維持しつつ、段ボール箱の良品を所定枚数積み重ね、効率よく良品積重体を搬出することができる。
【0086】
また、分離装置1においては、積重体の最上にあった段ボール箱がスライド装置30によって搬送される際、吸着阻止用プッシャ40によって二枚目の段ボール箱が第二多孔ベルト31に吸着されることが規制されるため、段ボール箱を一枚だけ搬送装置2側に送る処理を確実に行うことができる。加えて、本実施形態では、スライド装置30の第二多孔ベルト31の下流端近傍に間隙調整部材39が設けられているため、仮に複数枚の段ボール箱が重畳した状態で搬送されそうになっても、一枚の段ボール箱しか通過できず、段ボール箱を一枚ずつに分離する処理を、より確実に行うことができる。
【0087】
更に、本実施形態では、排除装置3として、第一吸引コンベア50に吸着されている段ボール箱を、排除用プッシャ60で上方から押圧してコンベアから引き離す構成を採用している。この排除用プッシャ60は、エアシリンダ65の駆動により素早く動作させることができるため、不良品の排除処理を高速で行うことができる。
【0088】
加えて、排除用プッシャ60は、第一多孔ベルト51を介した吸引力に抗して、段ボール箱を下方に押圧するため、段ボール箱には曲げ応力が作用するところ、本実施形態では、一つの排除装置3において排除用プッシャ60は第一吸引コンベア50を挟むように一対が配され、第一多孔ベルト51のすぐ近傍で段ボール箱を押圧する。これにより、第一多孔ベルト51から引き離す際に、段ボール箱が折り曲げられにくいものとなっている。
【0089】
なお、吸着阻止用プッシャ40も排除用プッシャ60も、共に段ボール箱を下方に押圧するためのものであるが、本実施形態では両者に異なる構成を採用している。すなわち、吸着阻止用プッシャ40は、段ボール箱が通過するタイミングに合わせて、二枚目の段ボール箱を押圧するものであるため、回転軸45の回転をクランク機構で上下の往復運動に変換することにより、簡易な構成で、規則的に上下運動を繰り返すものとしている。一方、排除用プッシャ60の場合は、不良品が存在するときのみに動作させるものであるため、規則的に上下運動させる必要はない点で、吸着阻止用プッシャ40と相違する。加えて、排除用プッシャ60は、吸引力に抗して段ボール箱を落下させるものであるため、上記のようにエアシリンダ65で駆動させることにより、素早く動作させることができ、不良品をより確実に自然落下によって排除することができる。
【0090】
また、不良品分別装置110は、載置搬送コンベア95を備えており、分離搬送及び無分離搬送に切り替え可能な構成であるため、処理の選択の自由度が高い。加えて、本実施形態では、分離された段ボール箱を搬送する第一吸引コンベア50と、無分離搬送を行う載置搬送コンベア95とが上下に二層となった構成であるため、選択可能な処理を増加させるために、装置全体の設置面積が増加しないという利点も有している。
【0091】
そして、一旦は積重された段ボール箱を分離装置1で一枚ずつに分離する際に、昇降装置20で昇降させていることにより、段ボール箱は高い位置を搬送されることとなり、分離搬送を行う第一吸引コンベア50と無分離搬送を行う載置搬送コンベア95とを、上下の二層構造とすることが可能となっている。加えて、段ボール箱を分離する際に昇降装置20で昇降させ、段ボール箱を高い位置で搬送することにより、排除装置30として、段ボール箱を自然落下させるように搬送路から排除する排除用プッシャ60という構成を採用することが可能となっている。
【0092】
更に、不良品分別装置110は検査装置5を備えているため、分離搬送を行うことにより、全数の段ボール箱について検査を行った上で搬出することができる。これにより、高速で処理を行いながら、出荷される段ボール箱の品質を高めることができる。
【0093】
次に、本発明の第二実施形態である不良品分別装置120について、図11に基づいて説明する。不良品分別装置120は、折り畳まれた段ボール箱が複数積み重ねられた積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離する分離装置1と、分離装置1から段ボール箱を一枚ずつ受け取り搬送する搬送装置2と、搬送装置2による搬送の途中で段ボール箱の良品を搬送路から排除する排除装置3と、排除装置3によって排除された良品を一枚ずつ受け取り積み重ねる良品積重装置4bと、分離装置1、搬送装置2、排除装置3、及び、良品積重装置4bを制御し、不良品を含む積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離して搬送しつつ不良品を分別し、良品のみを所定枚数積み重ねる分別搬送を行わせる分別搬送制御手段とを具備している。
【0094】
第二実施形態の不良品分別装置120が第一実施形態の不良品分別装置110と相違する点は、第一実施形態では排除装置3によって不良品が搬送路から排除され、良品は排除されることなく搬送装置2の下流端まで至り、下流端から送り出されて良品積重装置4によって積重されたのに対し、第二実施形態では排除装置3によって搬送路から排除されるのは良品であり、不良品は排除されることなく搬送装置2の下流端まで至り不良品収容容器69bに収容される点である。
【0095】
より具体的には、第二実施形態の良品積重装置4bは第一実施形態の良品積重装置4と同様の構成であるが、第一実施形態では良品積重装置4は搬送装置2の下流側に隣接して配されるのに対し、第一実施形態の良品積重装置4bは、排除装置3の下方に第二載置台79が位置するように配置される。すなわち、良品積重装置4bは、搬送装置2における搬送路の途中において、一対のチェーンコンベア71間に第一吸引コンベア50を挟むように配置される。
【0096】
また、第一実施形態では不良品収容容器69は排除装置3の下方に設けられるのに対し、第二実施形態の不良品収容容器69bは、第一吸引コンベア50の下流端の下方に設けられる。第二実施形態の他の構成については、第一実施形態と同様である。
【0097】
上記構成の不良品分別装置120では、分離搬送において、分離装置1によって一枚ずつに分離された段ボール箱が、搬送装置2の搬送路を搬送される際、検査装置5による検査によって良品と判定された段ボール箱が通過する際に、排除装置3が動作するように制御される。そして、排除装置3により第一多孔ベルト51から引き離された良品の段ボール箱は、下方で待機する第二載置台79に載置される。そして、上記の不良品分別装置110における処理と同様に、所定枚数の良品が積重された良品積重体は、第二昇降コンベア70の周回により搬出コンベア80に受け渡され、出口コンベア99に搬出される。
【0098】
一方、不良品と判定された段ボール箱は、排除装置3によって排除されることなく第一吸引コンベア50の下流端まで搬送され、第一多孔ベルト51の周回に伴って下流端から送り出されて自然落下し、不良品収容容器69bに収容される。
【0099】
従って、上記のように動作する不良品分別装置120によっても、第一実施形態の不良品分別装置110と同様に、既に所定枚数の段ボール箱が積み重ねられた状態で製箱ラインから搬出された積重体から、段ボール箱を一枚ずつ分離し、不良品と分別された良品を所定枚数積み重ねる処理を自動的に行うことができる。
【0100】
次に、本発明の第三実施形態である不良品分別装置130について、図12に基づいて説明する。不良品分別装置130は、折り畳まれた段ボール箱が複数積み重ねられた積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離する分離装置1と、分離装置1から段ボール箱を一枚ずつ受け取り搬送する搬送装置2bと、搬送装置2bによる搬送の途中で段ボール箱の不良品を搬送路から排除する排除装置3と、排除装置3によって排除されることなく搬送された良品を一枚ずつ受け取り積み重ねる二台の良品積重装置4,4cと、分離装置1、搬送装置2、排除装置3、及び、良品積重装置4,4cを制御し、不良品を含む積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離して搬送しつつ不良品を分別し、良品のみを所定枚数積み重ねる分別搬送を行わせる分別搬送制御手段とを具備している。
【0101】
不良品分別装置130が第一実施形態の不良品分別装置110と相違する点は、搬送装置2bの搬送路が不良品分別装置110の搬送装置2の搬送路と比べて長く、良品積重装置4,4cが二台並設されている点である。具体的には、二台の内の一方の良品積重装置4は、不良品分別装置110の場合と同様に搬送装置2の下流側に隣接して配置されている。他方の良品積重装置4cは、搬送装置2bにおける搬送路の途中において、一対のチェーンコンベア71間に第一吸引コンベア50を挟むように配置される。
【0102】
加えて、搬送装置2bには、良品積重装置4cの第二載置台79の上方に位置するように、排除装置3と同一構成の良品排除装置3bが設けられている。第三実施形態の他の構成については第一実施形態とで同一であり、図12では分離装置1を省略して図示している。
【0103】
上記構成の不良品分別装置130では、分離搬送において、分離装置1によって一枚ずつに分離された段ボール箱が搬送装置2bの搬送路を搬送される際、第一実施形態と同様に、検査装置5による検査によって不良品と判定された段ボール箱が通過する際に、排除装置3が動作するように制御される。そして、排除装置3により第一多孔ベルト51から引き離された不良品の段ボール箱は、自然落下して下方の不良品収容容器69に収容される。
【0104】
一方、良品と判定された段ボール箱は、排除装置3によって排除されることなく更に搬送装置2bの搬送路を搬送されるが、この良品を所定枚数積重する処理は、搬送路の途中に配置された良品排除装置4cと、搬送装置2bの下流に配置された良品積重装置4とで交互に行われる。すなわち、良品排除装置4cによって良品を積重する際には、良品排除装置3bが作動し、良品は良品積重装置4cの第二載置台79に載置される。良品積重装置4cにおいて所定枚数の良品の積重が行われると、第二載置台79が降下し良品積重体の搬出コンベア80への受け渡しが行われるが、その間は、搬送装置2bの搬送路を搬送される段ボール箱は、良品排除装置3bの動作を受けることなく搬送路の下流端まで搬送され、良品積重装置4によって積重される。
【0105】
従って、上記のように動作する不良品分別装置130によっても、第一実施形態の不良品分別装置110及び第二実施形態の不良品分別装置120と同様に、既に所定枚数の段ボール箱が積み重ねられた状態で製箱ラインから搬出された積重体から、段ボール箱を一枚ずつ分離し、不良品を分別し良品のみを所定枚数積み重ねる処理を自動的に行うことができる。
【0106】
加えて、不良品分別装置130は良品積重装置4,4cを二台備えており、良品積重装置4cによる所定枚数の良品の積重と、良品積重装置4による所定枚数の良品の積重とが交互に行われる。そのため、良品積重装置が一台の場合は、第二載置台79の降下は高速で行われるとはいえ、第二載置台79が降下して搬出コンベア80に良品積重体が受け渡されるまでの僅かな時間、搬送装置による良品の搬送を待機させる必要があるところ、不良品分別装置130ではその必要がないため、不良品を分別し良品のみを所定枚数積み重ねる処理を、極めて高い効率で行うことができる。
【0107】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0108】
例えば、上記の不良品分別装置110,120の搬送装置2の第一多孔ベルト51、或いは、不良品分別装置130の搬送装置2bの第一多孔ベルト51に、分離装置1におけるスライド装置30の第二多孔ベルトを兼ねさせることができる。この場合、図13に示すように、第一多孔ベルト51の上流端を昇降装置20の載置台29の上方まで延出する。そして、第一多孔ベルト51の上流側で、その内側面に第二吸引ボックス36の底面を当接させ、その内部空間をブロワ96aと連結されたダクト97aと連通させる。その他の構成については、上記の実施形態と同様とする。
【0109】
上記構成では、第一多孔ベルト51は搬送装置2,2bの構成であると同時に、上流側では、分離装置1の構成であるスライド装置30の第二多孔ベルトとして機能する。このような構成としても、昇降コンベア21の周回により載置台29を上昇させ、積重体の最上の段ボール箱を第一多孔ベルト51の上流側の下面に当接させれば、最上の段ボール箱が第二吸引ボックス36を介して第一多孔ベルト51に吸着され、第一多孔ベルト51の周回に伴い下流側に送られて積重体から分離される。そして、更に、第一吸引ボックス57を介して第一多孔ベルト51に吸着され、下流側に搬送される。
【0110】
また、上記の不良品分別装置110,120,130では、スライド装置30として、第二多孔ベルト31と第二吸引ボックス36を備え、脱気による吸引力によって段ボール箱を水平にスライドさせる装置を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、図14に示すように、水平方向にピストンロッド30bを往復動させるシリンダ装置30aと、ピストンロッド30bの先端に取り付けられ、ピストンロッド30bの前進により一枚の段ボール箱Cを押し出すようにスライドさせる押し出し部材30cを備えるスライド装置30’とすることができる。なお、図14では、押し出し部材30cに、段ボール箱を引き掛ける段部30dが形成されている場合を例示している。
【0111】
上記構成のスライド装置30’で積重体Sの最上の段ボール箱Cをスライドさせる場合は、まず、昇降コンベア21の周回により、積重体Sの最上の段ボール箱Cが押し出し部材30cの段部30dに引き掛る高さまで、載置台29を上昇させる。そして、シリンダ装置30aの駆動により、ピストンロッド30bを介して押し出し部材30cを前進させれば、段部30dに引き掛けられた最上の段ボール箱Cが搬送装置2(または2b)側に水平に押され、段ボール箱Cの前端側が第一多孔ベルト51に吸着される。
【0112】
また、上記の不良品分別装置110,120,130において、段ボール箱の段種や寸法により、装置の各構成間の距離などの調整を、コンピュータ制御で自動的に行うことができる。すなわち、分離搬送の開始に先立ち、まず、コンピュータは段ボール箱に関する情報、例えば、段ボールシートの段種に関する段種情報、段ボール箱の型式に関する情報、寸法に関する情報、継ぎ代片の接合部の間隔の許容範囲等の情報を取得し、補助記憶装置に記憶する。このような情報は、製箱事業者の事務所コンピュータから取得することも、事務所コンピュータから製箱機の生産管理装置に送信された情報を、生産管理装置から取得することもできる。
【0113】
そして、処理対象の段ボール箱の段種情報に基づき、補助記憶装置に記憶されているテーブルを参照して段ボール箱一枚分の厚さを抽出し、この厚さに基づいて間隙調整部材39や間隙調整ローラ39bを昇降させる。一方、段ボール箱の形式や型番に基づき、テーブルから段ボール箱の幅の長さを抽出する。この幅長さに基づき、モータ92M等の回転を制御することにより、基台の離隔接近による搬入コンベア10の一対のベルトコンベア間の距離の調整、及び昇降コンベア21の一対のチェーンコンベア間の距離の調整、支持部材のスライドよる二つの第一吸引コンベア50間の距離の調整、基台の離隔接近による第二昇降コンベア70の一対のチェーンコンベア間の距離の調整、及び搬出コンベア80の一対のベルトコンベア間の距離の調整を行うことができる。
【0114】
また、上記の不良品分別装置110,120,130において、第二多孔ベルト31は、積重体の最上の段ボール箱を吸着し水平方向にスライドさせるように分離させるために、水平方向に周回する構成としている。一方、第一多孔ベルト51については、図示したように水平方向に周回させることは、必ずしも必要ではない。例えば、第一多孔ベルト51の軸方向が、上流端から良品積重装置に向かって傾斜している構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 分離装置
2,2b 搬送装置
3 排除装置
4,4b,4c 良品積重装置
5 検査装置
9 分別搬送制御手段
10 搬入コンベア
20 昇降装置
21 昇降コンベア
29 載置台
30 スライド装置
31 第二多孔ベルト
36 第二吸引ボックス
38,38b 通過センサ
40 吸着排除用プッシャ
50 第一吸引コンベア
51 第一多孔ベルト
57 第一吸引ボックス
60 排除用プッシャ
79 第二載置台
80 搬出コンベア
95 載置搬送コンベア
102 昇降コンベア制御手段
103 吸着阻止用プッシャ制御手段
105 排除用プッシャ制御手段
107 良品積重制御手段
110,120,130 不良品分別装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0116】
【特許文献1】特開平9−22464号公報
【特許文献2】特開2006−69034号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれた段ボール箱が複数積み重ねられた積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離する分離装置と、
該分離装置から段ボール箱を一枚ずつ受け取り搬送する搬送装置と、
該搬送装置による搬送の途中で段ボール箱の不良品及び良品の一方を搬送路から排除する排除装置と、
該排除装置によって不良品と分別された良品を一枚ずつ受け取り積み重ねる良品積重装置と、
前記分離装置、前記搬送装置、前記排除装置、及び、前記良品積重装置を制御し、不良品を含む積重体から段ボール箱を一枚ずつ分離して搬送しつつ不良品を分別し、良品のみを所定枚数積み重ねる分別搬送を行わせる分別搬送制御手段とを具備し、
前記分離装置は、
積重体を幅方向にはみ出させた状態で載置し水平方向に搬入する搬入コンベアと、
該搬入コンベアを挟んで配置され、それぞれ上下方向に無端状に周回する一対の昇降コンベア、及び、一対の該昇降コンベアの対向位置にそれぞれ突設された複数対の載置台を備える昇降装置と、
該昇降装置の上方に位置し、積重体の最上の段ボール箱を前記搬送装置に向けて水平方向にスライドさせるスライド装置とを備えており、
前記搬送装置は、
前記分離装置に隣接して配置され、無端状に周回する第一多孔ベルト、及び、開口部が設けられた底面で前記第一多孔ベルトの内側面と当接し内部空間が脱気されている第一吸引ボックスを備える第一吸引コンベアを備えており、
前記排除装置は、
第一吸引コンベアに搬送される段ボール箱を、前記第一多孔ベルトの側方で上方から押し下げる排除用プッシャを備えており、
前記良品積重装置は、
前記排除装置が不良品を排除する場合は、前記排除装置によって排除されることなく前記搬送装置によって搬送され前記第一多孔ベルトの周回に伴い前記搬送装置から送り出される良品を載置し、前記排除装置が良品を排除する場合は前記搬送路から排除される良品を載置する第二載置台と、
前記第二載置台に載置される前記良品を計数する計数装置とを備えており、
前記分別搬送制御手段は、
前記昇降コンベアを周回させ、前記搬入コンベアに載置された積重体を前記載置台の一対に載置し、積重体の最上の段ボール箱が前記スライド装置によってスライドさせられる高さまで上昇させ、最上の段ボール箱がスライドさせられ前記搬送装置の前記第一多孔ベルトの下面に吸着された後に前記昇降コンベアを更に周回させ、段ボール箱一枚の厚さ分前記載置台を上昇させる昇降コンベア制御手段と、
前記第一多孔ベルトの下面に吸着された段ボール箱が、前記第一多孔ベルトの周回により下流側に搬送される途中で、不良品を特定する不良品特定信号に基づき、前記排除用プッシャを下降させて段ボール箱を下方に押圧し、不良品及び良品の一方を前記第一多孔ベルトから引き離して落下させる排除用プッシャ制御手段と、
前記第二載置台上に載置された段ボール箱が所定枚数に達したか否かを、前記計数装置の計数に基づき判定し、所定枚数に達した段階で、前記第二載置台上に良品のみが所定枚数積み重ねられた良品積重体を搬出させる良品積重制御手段とを備える
ことを特徴とする不良品分別装置。
【請求項2】
前記スライド装置は、
水平方向に無端状に周回する第二多孔ベルト、及び、開口部が設けられた底面で前記第二多孔ベルトの内側面と当接し内部空間が脱気されている第二吸引ボックスを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の不良品分別装置。
【請求項3】
前記分離装置は、
前記第二多孔ベルトの側方で上下運動する吸着阻止用プッシャと、
前記搬送装置に向けて送られる前記段ボール箱の通過を検知する通過センサとを更に具備し、
前記分別搬送制御手段は、
前記通過センサの検知に基づき、前記吸着阻止用プッシャを下降させて積重体の二枚目の段ボール箱を下方に押圧し、最上の段ボール箱が前記搬送装置に向けて所定距離搬送されるまで、二枚目の段ボール箱が前記第二多孔ベルトに吸着されることを阻止する吸着阻止用プッシャ制御手段を更に備える
ことを特徴とする請求項2に記載の不良品分別装置。
【請求項4】
前記スライド装置によりスライドさせられた段ボール箱が前記第一多孔ベルトに吸着される位置より下流側かつ前記排除用プッシャより上流側に設けられ、段ボール箱が良品か不良品かを判定する検査装置を、
更に具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の不良品分別装置。
【請求項5】
前記搬入コンベアの下流端から前記良品積重装置における良品積重体の搬出位置まで、物品を載置して搬送可能な載置搬送コンベアを更に具備し、
前記搬入コンベアに搬入された積重体を前記昇降装置によって上昇させる分離搬送、及び、前記搬入コンベアに搬入された積重体を前記搬入コンベアの下流端から前記載置搬送コンベアに受け渡す無分離搬送に切り替え可能である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の不良品分別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−240510(P2011−240510A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111943(P2010−111943)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(508243570)有限会社ベステム (2)
【出願人】(593155330)株式会社ホニック (8)
【Fターム(参考)】