説明

不透明化粒子

【課題】不透明化粒子
【解決手段】 0.005〜5ミクロンの平均粒子直径および少なくとも1.8の屈折率を有する顔料粒子、シラン残基を介して顔料粒子の表面に結合している第一ポリマーならびに結合した第一ポリマーを有する顔料粒子を実質的にカプセル化している第二ポリマーを含有する不透明化粒子が提供される。この不透明化粒子の形成方法ならびにこの不透明化粒子を含有するコーティング組成物およびプラスチック組成物も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーによって実質的にカプセル化されたある種の顔料を含有する不透明化粒子およびその形成方法に関する。特に、本発明は、0.005〜5ミクロンの平均粒子直径および少なくとも1.8の屈折率を有する顔料粒子;シラン残基を介して顔料粒子の表面に結合している第一ポリマー;ならびに結合した第一ポリマーを有する顔料粒子を実質的にカプセル化している第二ポリマーを含有する不透明化粒子に関する。本発明は、また、0.005〜5ミクロンの平均粒子直径および少なくとも1.8の屈折率を有する顔料粒子を提供する工程;第一ポリマーを、シラン残基を介して顔料粒子の表面に結合させる工程;ならびに結合した第一ポリマーを有する顔料粒子を第二ポリマーで実質的にカプセル化する工程を含む、不透明化粒子の形成方法に関する。更に、本発明は、この不透明化粒子を含有するコーティング組成物およびプラスチックに関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の顔料がそうであるように不透明化粒子は、典型的に、コーティング、たとえばペイントおよびプラスチックに、白色度および不透明度または「隠蔽」を与える。このような顔料は、コーティングが適用される基体表面を隠蔽するように設計されている、ほとんどのコーティング中に存在している。これらの顔料は、また、全体的にまたは部分的に不透明であるように設計されている、ほとんどのプラスチック中に存在している。ペイントおよびプラスチックにおいて、ペイントが白色、または着色されていても、不透明化顔料は典型的に存在する。不透明化コーティング、ペイントおよびプラスチックは、コーティングもしくはペイントまたはプラスチックの最小の厚さでありながら、鮮鋭にコントラストのある色の場合でも、コーティングまたはペイントが下にある表面を完全に隠蔽することができるように高い不透明化能力を有することが望ましい。コーティング、ペイントおよびプラスチックメーカーは、特別の種類のための隠蔽のレベルおよび不透明化顔料のレベルを最大にすることによって、所望の不透明度を有するコーティング、ペイントおよびプラスチックを提供することを、長い間探求してきた。増加した隠蔽効率は、不透明化顔料粒子の凝集(crowding)を減少させ、そして不透明化顔料粒子のクラスターの形成を最小にすることによって得ることができる。これを達成する一つの方法は、不透明化顔料粒子の表面上にポリマーを形成することによって、ポリマー組成物内に不透明化顔料粒子をカプセル化することである。
【0003】
米国特許第4,771,086号にはペイント顔料粒子を含有する微細に分割された水不溶性固体粒子が開示されており、この粒子には、粒子と水不溶性モノマー(非イオン性界面活性剤の存在下で重合してイオン電荷を有しない一般的に水不溶性のポリマーを生成することができる)とを、水性反応媒体中で混合し、かつイオン基を有しないレドックス系でレドックス重合を実施することによって、一般的に均一ポリマーカプセル化が付与されている。この方法は、ポリマー物質中にカプセル化された顔料粒子を提供すると記載されているが、「顔料粒子、ポリマー、およびモノマーエマルジョンを安定化するために使用される界面活性剤がイオン電荷を実質的に有しない」という必要条件が、顔料およびポリマー組成物および界面活性剤の選択を非常に制限しており、そして重合の間に粒子安定性を維持することを困難にしている。本発明の不透明化粒子およびその形成方法は、これらの欠点を回避する。
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,771,086号明細書
【特許文献2】米国特許第6,733,884号明細書
【特許文献3】米国特許第4,594,363号明細書
【特許文献4】米国特許第4,427,836号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の態様によると、0.005〜5ミクロンの平均粒子直径および少なくとも1.8の屈折率を有する顔料粒子;シラン残基を介して該顔料粒子の表面に結合している第一ポリマー;ならびに該結合した第一ポリマーを有する該顔料粒子を実質的にカプセル化している第二ポリマーを含有する不透明化粒子が提供される。
【0006】
本発明の第二の態様によると、0.005〜5ミクロンの平均粒子直径および少なくとも1.8の屈折率を有する顔料粒子を提供する工程;第一ポリマーを、シラン残基を介して該顔料粒子の表面に結合させる工程;ならびに該結合した第一ポリマーを有する該顔料粒子を第二ポリマーで実質的にカプセル化する工程を含む、不透明化粒子の形成方法が提供される。
【0007】
本発明の第三および第四の態様によると、本発明の第一の態様の不透明化粒子を含有するコーティング組成物およびプラスチックが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、顔料粒子、即ち0.005〜5ミクロン、好ましくは100nm〜500nm、更に好ましくは200nm〜300nmの平均粒子直径、および少なくとも1.8、好ましくは少なくとも1.9、更に好ましくは少なくとも2.0の屈折率を有する顔料粒子を含有する不透明化粒子に関する。顔料粒子の平均直径は、典型的に、顔料粒子供給者によって提供される。種々の顔料についての屈折率は既知であり、そして、たとえば、「CRC Handbook of Chemistry and Physics」、第80版、D.R.Lide編、CRC Press、フロリダ州ボカ・レイトン、1999年刊、4−139〜4−146頁に列挙されている。好適な顔料粒子としては、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、酸化鉛、硫化亜鉛、リトポンおよび二酸化チタンが挙げられる。好ましくは、顔料粒子は、二酸化チタンおよび酸化鉛から選択される。更に好ましくは、顔料粒子は、ルチル二酸化チタンおよびアナターゼ二酸化チタンから選択される。最も好ましくは、顔料粒子はルチル二酸化チタンである。
【0009】
顔料粒子の形状は重要ではない。顔料粒子の好適な形状としては、球形状、たとえば正球(regular sphere)、偏球、長球および不規則球;立方体形状、たとえば正立方体および菱面体;平板、凹面板および凸面板を含む板状形状;ならびに不規則形状が挙げられる。非球形状を有する顔料粒子の平均直径は、それらの最大寸法として定義される。顔料粒子は、均一組成または2以上の相を有する不均一組成を有していてもよい。ある種の不均一顔料粒子は、1種の顔料がコアを形成し、そして他の種類の顔料がシェルを形成する、内部コアおよび周囲シェルの構造を有する。コアおよびシェル不均一顔料粒子としては、コアを完全にまたは不完全にカプセル化しているシェルを有するコア/シェル粒子;2以上のコアを有するコア/シェル粒子;双極性粒子;および他方の相の表面上の一方の相の多重ドメインを有する粒子が挙げられる。二酸化チタンのような顔料粒子は、たとえば、少なくとも1個の、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛およびジルコニアの1以上のコーティングを有していてもよい。たとえば、本発明の不透明化粒子において使用するために適しているある種の二酸化チタン粒子は、シリカのコーティングおよびアルミナのコーティングを有する。
【0010】
本発明の不透明化粒子には、前記のようなある種の顔料粒子が含有されており、第一ポリマーが、シラン残基を介して顔料粒子の表面に結合している。本明細書において、「シラン残基を介して表面に結合している」によって、シラン部分が、共有結合形成反応によって、顔料粒子の利用可能な表面と反応したこと、および第一ポリマーが、シランと顔料表面との反応生成物を介して顔料粒子に結合されたことが意味される。本明細書において「シラン」としては、エステル{Si−O−C(O)}、エーテル{Si−O−C}、アミン{Si−N−C}、アミド{Si−N−C(O)}、シラザン{Si−N−Si}およびケイ素のハロゲン化物{Si−X;X=Cl、Br、I}ならびにシラノール{Si−OH}が挙げられる。
【0011】
一つの態様において、シラン部分を含有する第一ポリマーが使用される。第一ポリマーは、代替的に、単一のシラン部分を有するポリマーまたは単一のシラン含有ブロックと少なくとも1個のシラン非含有ブロックとを有するブロックコポリマーとすることができる。シラン部分またはシラン含有ブロックを、ポリマーの末端またはポリマー鎖の内部に位置させることができる。シラン部分がポリマー鎖の末端にあることが好ましい。シラン官能性ポリマーは、非水性溶媒中の溶液ポリマーとしてまたは塊状ポリマーとして製造することができる。第一ポリマーは、任意の好適な重合方法、たとえば、アクリル系、スチレン系またはビニルモノマーのようなエチレン性不飽和モノマーの付加重合によって製造することができる。ポリマー鎖の末端に単一のシラン部分を含有するポリマーは、このようなポリマーを製造することが可能な任意の既知の方法によって製造することができる。たとえば、単一の末端シラン部分を含有するポリマーは、米国特許第6,733,884号に記載されているようなメルカプタン官能性シランの存在下での、エチレン性不飽和モノマーの付加重合によって製造することができる。別の例として、単一の末端シラン部分を含有するポリマーは、メルカプタン基および官能基Qの両方を含有する化合物の存在下での、エチレン性不飽和モノマーの付加重合、ならびにこのポリマーを官能基Zを含有するシランと後反応させること(ここで、官能基Qと官能基Zとは、お互いに反応して、シラン化合物をポリマー鎖に結合するようなものである)によって製造することができる。相補的官能基QおよびZの例としては、アミン基とイソシアネート基、アミン基とイソチオシアネート基、アミン基とエポキシ基、アルコール基とイソシアネート基、酸基とカルボジイミド基、およびアミン基とハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリール基が挙げられる。単一のシラン含有ブロックを含有するブロックコポリマーは、このようなポリマーを製造することが可能な任意の既知の方法によって製造することができる。たとえば、単一のシラン含有ブロックを含有するブロックコポリマーは、エチレン性不飽和モノマーのリビングフリーラジカル重合(ここで、モノマー供給物の一つのモノマー組成物には、少なくとも1種のシラン官能性不飽和モノマー、たとえば、3−(メタクリルオキシ)プロピルトリメトキシシランが含有されている)によって製造することができる。別の例として、シラン含有ブロックを含有するブロックコポリマーは、エチレン性不飽和モノマー(ここで、モノマー供給物の一つのモノマー組成物には、官能基Qを有する少なくとも1種の不飽和モノマーが含有されている)のリビングフリーラジカル重合、ならびにこのポリマーを官能基Zを含有するシランと後反応させること(ここで、官能基Qと官能基Zとは、お互いに反応して、シラン化合物をポリマー鎖に結合するようなものである)によって製造することができる。相補的官能基QおよびZの例としては、アミン基とイソシアネート基、アミン基とイソチオシアネート基、アミン基とエポキシ基、アルコール基とイソシアネート基、酸基とカルボジイミド基、およびアミン基とハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリール基が挙げられる。別の例として、シラン含有ブロックを含有するブロックコポリマーは、単一のシラン部分を含有する化合物を、2以上のシラン基を含有する分子で置き換えて、単一の末端シラン部分を有するポリマーを製造するための前記の方法によって製造することができる。シラン官能性ポリマーは、単一の末端シラン基またはシラン含有ブロック(ここで、シラン含有ブロックの分子量は225〜1000である)を有することが好ましい。シラン官能性ポリマーは単一の末端シラン基を有することが更に好ましい。
【0012】
シラン官能性第一ポリマーは、典型的に、エチレン性不飽和モノマーの付加重合によって調製される。好適なモノマーとしては、スチレン、ブタジエン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、ビニルバーサテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸の種々のC1−C40アルキルエステル、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレートおよびステアリル(メタ)アクリレート;他の(メタ)アクリレート、たとえば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ブロモエチル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレートおよび1−ナフチル(メタ)アクリレート;アルコキシルアルキル(メタ)アクリレート、たとえばエトキシエチル(メタ)アクリレート;エチレン性不飽和ジ−およびトリカルボン酸および無水物のモノ−、ジ−、トリアルキルエステル、たとえば、エチルマレエート、ジメチルフマレート、トリメチルアコニテートおよびエチルメチルイタコネート;アルコール含有モノマー、たとえば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;無機酸含有モノマー、たとえば、ホスホエチル(メタ)アクリレート、ビニルホスホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、および2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸;カルボン酸含有モノマー、たとえば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、およびマレイン酸、ならびにアミン含有モノマー、たとえば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、およびt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。シラン官能性ポリマーに、単一の末端シラン基が含有される場合、ポリマーは、750〜200,000、好ましくは1500〜50,000、更に好ましくは2500〜25,000、最も好ましくは5000〜15,000の分子量を有することができる。シラン官能性ポリマーがブロックコポリマーである場合、シラン含有ブロックは、225〜10,000、更に好ましくは225〜5000、最も好ましくは225〜1000の分子量を有することができる。シラン官能性ポリマーがブロックコポリマーである場合、シラン非含有ブロック(群)は、750〜200,000、更に好ましくは1500〜50,000、更に好ましくは2500〜25,000、最も好ましくは5000〜15,000の分子量を有することができる。
【0013】
他の態様において、第一ポリマーは、顔料粒子の存在下で、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーの付加重合を実施することによって、シラン残基を介して顔料粒子の表面に結合しており、ここで顔料粒子は、予め重合のための連鎖移動剤として作用することができる表面基を含有するように変性されている。このような表面基としては、たとえば、メルカプト官能性シラン、たとえば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランまたはメルカプトメチルメチルジエトキシシランから得られるアルキルメルカプタンおよびたとえば、ハロアルキル官能性シラン、たとえば3−(ブロモプロピル)トリメトキシシラン、(トリクロロメチル)トリエトキシシランまたは(3,3,3−トリブロモプロピル)ジメチルクロロシランから得られるハロゲン化アルキルが挙げられる。連鎖移動剤のレベルは、顔料粒子を基準として、0.001重量%〜10重量%、更に好ましくは0.01重量%〜5重量%、最も好ましくは0.1重量%〜2重量%とすることができる。付加重合のための好適なモノマーおよびポリマーの好適な分子量は、単一のシラン基を含有するシラン官能性第一ポリマーについて、本明細書中に開示したものと同一である。
【0014】
他の態様において、第一ポリマーは、顔料粒子の存在下で、エチレン性不飽和モノマーの付加重合を実施することによって、シラン残基を介して顔料粒子の表面に結合しており、ここで顔料粒子は、予め重合のための開始剤として作用することができる表面基を含有するように変性されている。このような表面基としては、たとえば、一般的なフリーラジカル重合の場合にはアゾまたはペルオキシド基、あるいは原子移動ラジカル重合(ATRP)の場合にはハロアルキル基が挙げられる。顔料粒子の表面は、好適なシラン部分との反応により開始剤で変性することができる。たとえば、顔料粒子は、アゾ官能性シラン、たとえば、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−(3−(トリメトキシシリル)プロピルウレタン)エチル)プロピオンアミド]とまたはペルオキシド官能性シラン、たとえば、ジ−(3−(メチルジクロロシリル)−1,1−ジメチルプロピル)ペルオキシドとまたはハロアルキルシラン、たとえば、((クロロメチル)フェニル)トリエトキシシランもしくは3−(ブロモプロピル)ジメチルクロロシランと反応させることができる。開始剤のレベルは、顔料粒子を基準として、0.001重量%〜10重量%、更に好ましくは0.01重量%〜5重量%、最も好ましくは0.1重量%〜2重量%とすることができる。ATRPの場合に、重合は、任意の好適なATRP触媒、たとえば、ジピリジンによって錯化されたCuBrまたは1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミンによって錯化されたCuBrによって触媒される。この触媒レベルは、モルを基準として、表面結合開始剤の5%〜5000%、更に好ましくは10%〜1000%、更に好ましくは20%〜500%、最も好ましくは50%〜200%とすることができる。第一ポリマーの分子量は、当該技術分野でよく知られているように、表面結合開始剤対エチレン性不飽和モノマーの比を変化させることによって制御することができる。付加重合のための好適なモノマーおよびポリマーの好適な分子量は、単一のシラン基を含有するシラン官能性第一ポリマーについて、本明細書中に開示したものと同一である。
【0015】
他の態様において、第一ポリマーは、少なくとも1個の官能基Fを含有しており、そして第一ポリマーを顔料粒子と反応させることによって、顔料粒子の表面に共有結合しており、ここで顔料粒子は、予め表面官能基Pを含有するように変性されており、該官能基PとFとは反応して、第一ポリマーと顔料粒子との間に共有結合を形成する。顔料粒子の表面は、好適なシランカップリング剤と反応させることによって官能基Pで変性することができる。たとえば、顔料粒子を、P基官能性シランと反応させることができる。たとえば、Pがエポキシ基である場合、顔料粒子をエポキシシラン、たとえば、(3−グリシドオキシプロピル)トリメトキシシランと反応させることができる。P官能基のレベルは、顔料粒子を基準として、0.001重量%〜10重量%、更に好ましくは0.01重量%〜5重量%、最も好ましくは0.1重量%〜2重量%とすることができる。相補的官能基FおよびPの例としては、アミン基とイソシアネート基、アミン基とイソチオシアネート基、アミン基とエポキシ基、アルコール基とイソシアネート基、酸基とカルボジイミド基、およびアミン基とハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリール基が挙げられる。第一ポリマーは、代替的に、単一のF基を有するポリマー、または、単一のF基含有ブロックと少なくとも1個のF基非含有ブロックとを有するブロックコポリマーとすることができる。F基またはF基含有ブロックは、ポリマーの末端またはポリマー鎖の内部に位置していてもよい。F基がポリマー鎖の末端にあることが好ましい。F基官能性ポリマーは、水中もしくは非水性溶媒中の溶液ポリマーとしてまたは塊状ポリマーとして製造することができる。F基含有ポリマーは、任意の好適な重合方法、たとえば、アクリル系、スチレン系またはビニルモノマーのようなエチレン性不飽和モノマーの付加重合によって製造することができる。ポリマー鎖の末端に単一のF基を含有するポリマーは、このようなポリマーを製造することが可能な任意の既知の方法によって製造することができる。たとえば、単一の末端F基を含有するポリマーは、メルカプタン官能性でF基官能性の両方である分子の存在下での、エチレン性不飽和モノマーの付加重合によって製造することができる。単一のF基含有ブロックを含有するブロックコポリマーは、このようなポリマーを製造することが可能な任意の既知の方法によって製造することができる。たとえば、単一のF基含有ブロックを含有するブロックコポリマーは、エチレン性不飽和モノマーのリビングフリーラジカル重合によって製造することができ、ここで、モノマー供給物の一つのモノマー組成には、少なくとも1種のF基官能性不飽和モノマーが含有されている。F基官能性ポリマーは、単一の末端F基またはF基含有ブロックを有することが好ましく、ここで、F基含有ブロックの分子量は225〜1000である。F基官能性ポリマーは単一の末端F基を有することが更に好ましい。この付加重合のための好適なモノマーは、本明細書において単一のシラン基を含有するシラン官能性第一ポリマーについて開示したものと同一である。F基官能性ポリマーに、単一の末端F基が含有される場合、ポリマーは、750〜200,000、好ましくは1500〜50,000、更に好ましくは2500〜25,000、最も好ましくは5000〜15,000の分子量を有することができる。F基官能性ポリマーがブロックコポリマーである場合、このF基含有ブロックは、225〜10,000、更に好ましくは225〜5000、最も好ましくは225〜1000の分子量を有することができる。F基官能性ポリマーがブロックコポリマーである場合、F基非含有ブロック(群)は、750〜200,000、更に好ましくは1500〜50,000、更に好ましくは2500〜25,000、最も好ましくは5000〜15,000の分子量を有することができる。
【0016】
本発明の不透明化粒子には、結合した第一ポリマーを有する顔料粒子を実質的にカプセル化している第二ポリマーが含有されている。典型的に、結合した第一ポリマーを有する顔料粒子は、水中に分散されている。この分散工程は、シラン官能性第一ポリマーが、未結合組成物として、水中に可溶性である場合、一層容易であると信じられる。シラン官能性第一ポリマーは、水溶性モノマー、たとえば、アルコール官能性モノマー、たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;アミド官能性モノマー、たとえば(メタ)アクリルアミド;酸官能性モノマー、たとえば(メタ)アクリル酸、ホスホエチル(メタ)アクリレートおよびスルホエチル(メタ)アクリレートならびにアミン官能性モノマー、たとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートまたはこれらの組合せを含有させることによって、水溶性にすることができる。シラン官能性第一ポリマーを水溶性にするために必要な、これらの水溶性モノマーのレベルは、当該技術分野で理解されるように、シラン官能性第一ポリマーの組成物中に含有されるコモノマーの分子量および特性に依存するであろう。シラン官能性第一ポリマーが水溶性であることが好ましい。
【0017】
結合した第一ポリマーを有する顔料粒子は、第二ポリマーによって、好ましくは、顔料粒子の存在下で乳化重合を実施することによって、実質的にカプセル化される。本明細書において、「実質的にカプセル化される」によって、第二ポリマーが、不透明化粒子の表面の少なくとも33%、好ましくは少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは100%の最外表面を与えることが意味される。乳化重合は、一段階および多段階重合方法を含む当該技術分野で知られる方法によって実施することができる。種々の合成アジュバント、たとえば、開始剤、連鎖移動剤および界面活性剤を、重合において任意に使用することができる。
【0018】
第二ポリマーは、典型的に、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した場合、少なくとも50,000、好ましくは少なくとも250,000、最も好ましくは少なくとも500,000の重量平均分子量、Mを有する。
【0019】
好適な第二ポリマーには、1個のポリマー相または2以上のポリマー相を含むことができる。また、第二ポリマーは、非球形状、たとえば、楕円体または棒状形状を有する。好ましくは、第二ポリマーは、結合した第一ポリマーを有する顔料粒子をカプセル化する球面シェルを形成し、このポリマーシェルは、5nm〜1ミクロンの範囲内、好ましくは50nm〜500nmの範囲内、更に好ましくは80nm〜250nmの範囲内、最も好ましくは80nm〜150nmの範囲内の平均厚さを有することができる。しかしながら、顔料粒子として二酸化チタンを含有する粒子または同様のサイズの他の顔料粒子のために、最大隠蔽力は、典型的に、40nm〜250nmの範囲内、好ましくは60nm〜200nmの範囲内、更に好ましくは80nm〜150nmの範囲内の平均厚を有するポリマーシェルで得られる。
【0020】
第二ポリマーのガラス転移温度は、典型的に、下記、1/T=w/Tg(1)+w/Tg(2)のフォックス式(Bulletin of the American Physical Society、第1巻、第3号、第123頁(1956年))を使用して計算すると、−60℃〜150℃の範囲内である。コポリマーについて、wおよびwは、2種のコモノマーの重量分率であり、Tg(1)およびTg(2)は、2種の対応するホモポリマーの、ケルビン度でのガラス転移温度である。3種以上のモノマーを含有するポリマーについて、追加の項(w/Tg(n))が追加される。ホモポリマーT値は、たとえば、「Polymer Handbook」、J.BrandrupおよびE.H.Immergut編、Interscience Publishers刊に記載されている。
【0021】
第二ポリマーは、典型的に、エチレン性不飽和モノマー、たとえば、シラン官能性第一ポリマーの製造のために前記列挙したモノマーの付加重合によって調製される。このエチレン性不飽和モノマーとしては、多エチレン性不飽和モノマー、たとえば、アリル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジアリル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルベンゼンおよびジビニルナフタレンを含有することができる。
【0022】
本発明の粒子には、それぞれ、第二ポリマーによって実質的にカプセル化された1以上の顔料粒子が含有されている。粒子には、それぞれ、1個の顔料粒子が含有されることが最も好ましいが、実際には、典型的に、乳化重合の開始時に存在している顔料粒子の分散度によって部分的に決定される、異なった数の顔料粒子を含有する粒子が存在するであろう。粒子の大部分が、1個の実質的にカプセル化された顔料粒子を含有することが好ましい。
【0023】
一つの態様において、粒子が、シラン官能性ポリマーと反応しており、そして、少なくとも2種のポリマー組成物を含む特定の第二ポリマーによってカプセル化されている1以上の顔料粒子を含む、不透明化粒子が提供され、ここにおいて、一方のポリマー組成物が十分な酸官能性のモノマーを含有し、アルカリ性水中に可溶性または膨潤性であり、他方のかかるポリマー組成物が粒子の外側に配置されており、アルカリ性水中で可溶性またはかなりの程度膨潤性ではないが、塩基に対して浸透性でり、塩基の添加によって、膨潤性/可溶性ポリマー相が、非膨潤性/可溶性ポリマー組成物の内側で膨張して、水が充填されたボイドを作る。これは米国特許第4,594,363号および第4,427,836号に教示されている。
【0024】
本発明の不透明化粒子の形成方法には、0.005〜5ミクロンの平均粒子直径および少なくとも1.8の屈折率を有する顔料粒子を提供する工程;第一ポリマーを、シラン残基を介して顔料粒子の表面に結合させる工程;ならびに結合した第一ポリマーを有する顔料粒子を第二ポリマーで実質的にカプセル化する工程が含まれる。
【0025】
第一ポリマーを、シラン残基を介して提供した顔料粒子の表面に結合することには、シラン官能性第一ポリマーを顔料粒子と反応させることが含まれる。この反応は、「Applying a Silane Coupling Agent」、Silanes,Silicones and Metal−Organics、Gelest、2000、第88頁およびその中の参考文献に記載されているもののような、任意の既知の技術によって実施することができる。典型的に、シラン官能性ポリマーと顔料粒子とを、それらをバルクでまたはシラン官能性ポリマーのための好適な溶媒中で一緒にし、そして成分を1分間〜1週間反応させることによって反応させる。反応は、0℃〜200℃、好ましくは15℃〜150℃の温度で実施することができる。典型的に、反応を起こさせるために、水の存在が必要である。水は、シラン官能性第一ポリマーと顔料粒子とのバルク混合物、または溶液中のシラン官能性第一ポリマーと顔料粒子との混合物に添加することができ、または代替的に、反応を、シラン官能性第一ポリマーのための溶媒として水を使用して実施することができ、または代替的に、水は一般的に自然に生じるように、顔料粒子の表面上に吸着している水由来であってもよい。水を、シラン官能性第一ポリマーと顔料粒子とのバルク混合物または溶液中のシラン官能性第一ポリマーと顔料粒子との混合物に添加する場合、一般的に、全混合物の重量を基準として、0.1%〜10%の水が添加されるが、より多いおよびより少ない量の水の添加を使用することができる。一般的に、この反応は、酸または塩基を、シラン官能性第一ポリマー、顔料粒子および任意に溶媒の混合物に添加することによって触媒することができる。シラン官能性第一ポリマーが、酸またはアミン基を含有している場合、ポリマーはこの反応を自己触媒することができる。シラン官能性第一ポリマーと顔料粒子との反応を完結するために必要な正確な時間は、反応の温度、存在するならば使用する溶媒の性質、ならびに存在するならば使用する酸または塩基触媒の種類および濃度に依存するであろう。
【0026】
他の態様において、第一ポリマーを、シラン残基を介して顔料粒子の表面に結合することは、前に詳述したように2以上の工程で実施することができる。
【0027】
幾つかの態様において、シラン官能性第一ポリマーを、他の表面コーティングが顔料粒子の表面上に析出するのと同時に、顔料粒子と反応させることができる。たとえば、TiO粒子は、しばしば、ケイ酸アルカリ金属溶液および/またはアルミン酸アルカリ金属溶液を、水溶液からTiOの表面の上に析出させることによって、シリカおよび/またはアルミナ表面処理を受ける。シラン官能性ポリマーは、ケイ酸塩および/またはアルミン酸塩溶液と共に共析出させることができる。代替的に、シラン官能性第一ポリマーは、何らかの表面処理が適用される前または後に、顔料粒子と反応させることができる。
【0028】
シラン官能性第一ポリマーの顔料粒子に対する重量比は、0.1%〜100%、好ましくは0.5%〜50%、更に好ましくは1%〜25%の範囲内とすることができる。シラン官能性第一ポリマーの顔料粒子に対する重量比、および反応工程の詳細によっては、シラン官能性第一ポリマーの全てが顔料粒子と反応することができるわけではない。任意に、幾らかもしくは全ての未反応のシラン官能性第一ポリマーおよび何らかの任意の有機溶媒、任意の酸もしくは塩基触媒または任意の表面処理物の未反応の残余を、次の工程によるカプセル化の前に、第一ポリマー変性顔料粒子から、固体顔料粒子を水または有機溶媒可溶性種から分離するために適している任意の技術、たとえば、遠心分離、限外濾過による上ずみ交換(serum replacement)、または真空ロータリー濾過によって除去することができる。
【0029】
結合した第一ポリマーを有する顔料粒子を第二ポリマーで実質的にカプセル化することは、重合、好ましくは乳化重合を、第一ポリマー変性顔料粒子の存在下で実施することによって行うことができる。乳化重合は、当該技術分野で知られる方法によって実施することができる。ポリマー粒子の水性分散液を調製するための乳化重合技術は、ポリマー技術分野でよく知られており、これには多段階重合方法が含まれる。種々の合成添加物、たとえば、開始剤、連鎖移動剤および界面活性剤が、この重合で任意に使用される。一般的に、乳化重合は、第一ポリマー変性顔料粒子がシードとして作用するシード型乳化重合である。本発明の一つの態様において、反応容器に、水、第一ポリマー変性顔料および任意に界面活性剤ならびにその他の重合アジュバントを装填し、次いで、第二ポリマーのためのモノマーをケトルに添加する。本発明の他の態様において、反応容器に、水、第一ポリマー変性顔料および任意に界面活性剤ならびにその他の重合アジュバントを装填し、次いで、第二ポリマーのためのモノマーの一部をケトルに添加し、次いで、別個に製造した乳化した第三ポリマー粒子を添加し、最後に第二ポリマーのためのモノマーの残りをケトルに添加する。本発明の更に他の態様において、反応容器に、水および任意に界面活性剤ならびにその他の重合添加物ならびに任意に第三ポリマーシードを装填し、次いで、第二ポリマーのためのモノマーの一部をケトルに添加し、次いで、第一ポリマー変性顔料粒子をケトルに添加し、最後に第二ポリマーのためのモノマーの残りをケトルに添加する。
【0030】
この重合は、単一ショットとして、または複数ショットとして、あるいは時間の経過と共にモノマーを連続的に供給することによって、行うことができる。モノマーは、ニートで添加することができ、または好適な界面活性剤と共に水中に乳化させることができる。第二ポリマーのためのモノマーの重合は、重合開始剤の添加によって実施することができる。重合開始剤は、モノマー添加の前に、もしくはモノマー添加と同時に、モノマー添加の後に、またはこれらの組合せとして、ケトルに添加することができる。好適な重合開始剤の例としては、重合温度で熱的に分解してフリーラジカルを発生する重合開始剤が挙げられる。例としては、水溶性種および水不溶性種の両方が挙げられる。好適なフリーラジカル発生開始剤の例としては、過硫酸塩、たとえば過硫酸アンモニウムおよびアルカリ金属(カリウム、ナトリウムおよびリチウム);アゾ化合物、たとえば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)およびt−ブチルアゾシアノシクロヘキサン;ヒドロペルオキシド、たとえばt−ブチルヒドロペルオキシドおよびクメンヒドロペルオキシド;ペルオキシド、たとえばベンゾイルペルオキシド、カプリルイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、エチル 3,3’−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブチレート、エチル 3,3’−ジ(t−アムルペルオキシ)ブチレート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートおよびt−ブチルペルオキシピビレート;ペルエステル、たとえばt−ブチルペルアセテート、t−ブチルペルフタレートおよびt−ブチルペルベンゾエート、ならびにペルカーボネート、たとえばジ(1−シアノ−1−メチルエチル)ペルオキシジカーボネートおよびペルホスフェートが挙げられる。重合開始剤は、単独で、混合物で、そして代替的に、レドックス系の酸化成分として、使用することができる。レドックス系には、還元成分、たとえば、アスコルビン酸、リンゴ酸、グリコール酸、シュウ酸、乳酸およびチオグリコール酸からなる群から選択された酸;亜硫酸アルカリ金属、更に特に、ハイドロサルファイト、たとえばナトリウムハイドロサルファイト;次亜硫酸塩、たとえば次亜硫酸カリウム;およびメタ重亜硫酸塩、たとえばメタ重亜硫酸カリウム;ならびにホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムもまた含有されている。開始剤および任意の還元成分の好適なレベルとしては、重合させるべきモノマー混合物中のモノマーの重量を基準として、それぞれ0.001%〜5%の比率が挙げられる。コバルト、鉄、ニッケルおよび銅の塩化物および硫酸塩のような加速剤が、一般的に少量で使用される。レドックス触媒系の例としては、t−ブチルヒドロペルオキシド/ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム/Fe(II)、および過硫酸アンモニウム/重亜硫酸ナトリウム/次亜硫酸ナトリウム/Fe(II)が挙げられる。
【0031】
水性反応媒体は典型的に界面活性剤を含有し、重合の間に成長する不透明化粒子を安定化し、かつ得られる水性分散液中の不透明化粒子の凝集を妨害する。アニオン性および非イオン性界面活性剤ならびにこれらの混合物を含む1以上の界面活性剤が通常使用される。乳化重合のために適している界面活性剤の多数の例は、「McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers」、MC Publishing Co.、ニュージャージー州グレンロック、年刊に記載されている。保護コロイドのような他の種類の安定剤が任意に使用される。
【0032】
連鎖移動剤を、任意に、水性反応媒体に添加し、ポリマーマトリックスの分子量を調節する。連鎖移動剤の例としては、アルキルメルカプタン、たとえばエチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、t−アミルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン;3−メルカプトプロピオン酸;2−ヒドロキシエチルメルカプタン;アルコール、たとえばイソプロパノール、イソブタノール、ラウリルアルコールおよびt−オクチルアルコール;ならびにハロゲン化化合物、たとえば四塩化炭素、テトラクロロエチレンおよびトリクロロブロモエタンを含む、メルカプタン、ポリメルカプタンならびに多ハロゲン化合物が挙げられる。一般的に、モノマー混合物中のモノマーの重量を基準として0〜10重量%が使用され、第二ポリマーを調製する。
【0033】
触媒および/または連鎖移動剤は、任意に、別々のまたは同一の流体媒体中に溶解または分散され、そして重合容器に徐々に添加される。ニートのまたは流体媒体中に溶解もしくは分散されたモノマーは、任意に、触媒および/または連鎖移動剤と同時に添加される。
【0034】
乳化重合が完結した後、不透明化粒子を水性分散液として提供することができ、または代替的に、これらは粉末もしくはペレットの形態で固体として提供することができる。不透明化粒子は、乳化重合からの水から、たとえば、蒸発乾燥、噴霧乾燥、濾過、遠心分離または凝析を含む、任意の好適な技術によって取り出すことができる。不透明化粒子が固体として提供される場合、第二ポリマーに複数の相が含まれている場合に、第二ポリマーの最外相のTが、不透明化粒子を貯蔵し、輸送しそして任意に、最終適用の前に加工する温度よりも高いことが好ましい。
【0035】
本発明のコーティング組成物には不透明化粒子が含有されている。コーティングには、また、コーティング中に通常存在する他の材料、たとえば、本発明のものではない顔料粒子;増量剤;バインダーポリマー、たとえばアクリル系(コ)ポリマー、酢酸ビニルポリマー、ビニル/アクリルコポリマー、スチレン/アクリルコポリマー、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエポキシド、ポリ塩化ビニル、エチレン/酢酸ビニルポリマー、スチレン/ブタジエンポリマー、ポリエステルポリマー、ポリエーテルおよびこれらの混合物;架橋性ポリマー;反応性基を有するポリマー;中空球ポリマー顔料;溶媒、造膜助剤、湿潤剤、脱泡剤、レオロジー調節剤、架橋剤、染料、真珠箔、接着促進剤、分散剤、レベリング剤、光学増白剤、紫外線安定剤、保存剤、殺生物剤および酸化防止剤を含有することができる。このようなコーティングには、インク、紙コーティング;建築用コーティング、たとえば屋内用および屋外用の家庭用ペイント、木材用コーティングおよび金属用コーティング;皮革、織物および不織布用コーティング;接着剤;粉末コーティングならびに道路表示用ペイント、たとえば道路、舗装道路および滑走路にマークを付けるために使用されるペイントが含まれる。コーティングが溶媒ベースのコーティングである場合、ポリマーカプセル化顔料粒子のポリマーマトリックスは、コーティング中に使用される溶媒または溶媒の混合物中に実質的に可溶性でないことが好ましい。
【0036】
本発明のプラスチックには、不透明化粒子が含有されている。このようなプラスチックには、顔料化されたアクリル、ポリエステル、スチレン、多相ポリマーブレンドなどが含まれる。プラスチックには、また、プラスチックに通常存在する他の材料、たとえば、本発明のものではない顔料粒子、増量剤、他のポリマー、中空球顔料、可塑剤、流動剤および架橋剤を含有することができる。
【0037】
本発明のコーティングまたはプラスチックには、典型的に、コーティングまたはプラスチックの全体積を基準として、1〜50体積%、好ましくは3〜30体積%、更に好ましくは5〜20体積%の不透明化粒子が含有されている。コーティングまたはプラスチックには、コーティングまたはプラスチックの全体積を基準として、10〜99体積%、好ましくは20〜97体積%、更に好ましくは25〜80体積%のバインダーポリマーが含有されている。コーティングまたはプラスチックには、コーティングまたはプラスチックの全体積を基準として、0〜70体積%、好ましくは0〜65体積%、更に好ましくは0〜60体積%の増量剤粒子が含有されている。
【実施例】
【0038】
下記の実施例は、本発明および試験手順によって得られた結果を例示するために示す。
【0039】
略語
g=グラム;mm=ミリメートル;cm=センチメートル;vol=体積;DI=脱イオンした
BA=ブチルアクリレート
MMA=メチルメタクリレート
MAA=メタクリル酸
ADE=無水変性エタノール
HEA=ヒドロキシエチルアクリレート
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを指し、そして用語「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを指す。
【0041】
顔料粒子のそれぞれの種類の顔料体積濃度(PVC)は、コーティングまたはプラスチック組成物の全体積を基準として、その顔料の粒子によって占められる体積のパーセンテージである。1以上のタイプの顔料粒子を含有するコーティングまたはプラスチックについて、1種類の顔料粒子についてのPVC、Vは、式1a:V=100Vp,i/V(式中、Vは、その1種類の顔料粒子の体積であり、そしてVは、コーティングまたはプラスチックの全体積である)によって表される。
【0042】
コーティング中の不透明化顔料についてBの値を決定するための方法
【0043】
顔料粒子の特別の種についてのB値は、顔料種の顔料体積濃度(PVC)のみを変化させた、一連の少なくとも5種のコーティングを調製することによって決定した。コーティングを、黒色剥離チャート(Black Release Charts)(Leneta Form RC−BC)上で、1.5ミルのバードブレード(Bird blade)で4回キャストし、そして室温で少なくとも16時間乾燥させた。10.1mm×8.2mmの寸法の直方形領域を、それぞれのドローダウンコーティングにナイフブレードで切り込み、次いで5回のY−反射率測定を、Pacific Scientific Colorgard 45/0反射率計を使用して、切り込まれた領域内で行い、平均(Yave1.5)を計算した。切り込まれた領域のコーティングを剥離紙から剥がし、そして0.0001gまでの精度の天秤で秤量した。同じコーティングを、黒色スクラブチャート(black scrub chart)(Leneta Form P121−10N)上に、50ミルギャップドローダウンバーでキャストし、そして室温で少なくとも16時間乾燥させた。これらの比較的厚いフィルムのY−反射率(Y50)をまた反射率計で測定した。クベルカ・ムンク散乱係数Sを、式S=(Y50/(1−Y50))×ln((1−Yave,1.5×Y50)/(1−Yave,1.5/Y50))/Ft(但し、Yave,1.5およびY50は、前記定義された通りであり、そしてFtはミル中のコーティングのフィルム厚であり、Ftはコーティングの切り込まれた領域の重量(Wt)およびコーティングの乾燥密度(DD)から、式Ft=4.7537×Wt/DD(式中、Wtはグラムで表され、そしてDDはg/cmで表される)によって決定される)によって計算した。
【0044】
コーティングまたはプラスチック中の顔料によって与えられる隠蔽効率は、光散乱理論から、Official Digest、第31巻(408)、第52頁(1959年)でStiegによって記載されているモデルを使用して計算される。このモデルは、この顔料についてのクベルカ・ムンク光散乱係数、Sを、この顔料の粒子のPVCの関数として、式2:S=A(1−B1/3eff,i)(式中、AおよびBは定数である)に従って計算する。この顔料の粒子について理論的隠蔽効率を与える顔料を有するコーティングまたはプラスチックは、Vに対して直線的に比例する、光散乱係数、Sを有する。式2において、理論的隠蔽効率を与える顔料は、ゼロに等しいB値を有する。ポリマー中に少なくとも部分的にカプセル化されている顔料は、凝集し難く、より小さいB値を有し、そしてポリマーカプセル化されていない同じ顔料よりも一層不透明性を与える。
【0045】
シラン残基を介して顔料粒子の表面に結合している第一ポリマーを有する、0.005〜5ミクロンの平均粒子直径および少なくとも1.8の屈折率を有する顔料粒子の調製
【0046】
サンプル1.
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、マグネチックスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。このフラスコに、86.5gのADE、1.16gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8.52gのBA、15.61gのMMA、4.26gのMAAおよび0.15gのVazo(商標)52を添加した。このフラスコを乾燥Nでパージし、次いで窒素下で60℃の温度まで加熱し、この時点で加熱マントルを切り、反応物を77℃まで発熱させた。このフラスコを77℃で1時間維持し、次いで室温にまで冷却した。シラン官能性ポリマー溶液の固形分は25.0%であった。
【0047】
粉砕ポットに、105.6gのシラン官能性ポリマー溶液を装填し、次いで、250gのTiPure(商標)R−706(TiPureは、E.I.DuPont de Nemours and Companyの商標である)を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、10分間粉砕を続け、次いで10gの水を粉砕ポットに添加し、そして粉砕を更に10分間続け、次いで0.19gのNH(28%)を添加し、そして粉砕を更に5分間続け、次いで6.82gの水および3.0gのNH(28%)を添加し、そして粉砕を更に7分間続けた。粉砕ポットの内容物をペイント缶に移し、そしてローラの上に一晩置いた。次いでTiOを未反応のシラン官能性ポリマーおよび溶媒から、3回の遠心分離/洗浄サイクル(その間に、TiOスラリーを5000RPMで30分間回転沈降させた)によって分離し、上ずみ相を除去し、そして固体相を回収し、水を固体相に添加し、次いでペイント振盪機の上に約15分間置くことによって水中に再分散させた。最終TiOスラリーの固形分は65%であった。
【0048】
サンプル2.
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、マグネチックスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。このフラスコに、86.5gのADE、1.16gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8.52gのBA、15.61gのMMA、4.26gのMAAおよび0.2gのVazo(商標)52を添加した。このフラスコを乾燥Nでパージし、次いで窒素下で60℃まで加熱し、この時点で加熱マントルを切り、反応物を77℃まで発熱させた。このフラスコを77℃で1時間維持し、次いで2.0gのADE中の0.1gのVazo(商標)52を添加し、この混合物を更に45分間77℃で保持し、次いで室温にまで冷却した。シラン官能性ポリマー溶液の固形分は19.0%であった。
【0049】
粉砕ポットに、全部のシラン官能性ポリマー溶液を装填し、次いで、292gのTiPure(商標)R−706を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、10分間粉砕を続け、次いで10gの水を粉砕ポットに添加し、そして粉砕を更に10分間続け、次いで5.0gのNH(28%)および5.0gの水を添加し、そして粉砕を更に5分間続け、次いで25.0gのADEを添加し、粉砕ポットの内容物をペイント缶に移し、そしてローラの上に一晩置き、次いで追加の50.0gのADEを添加した。次いでTiOを未反応のシラン官能性ポリマーおよび溶媒から、4回の遠心分離/洗浄サイクル(その間に、TiOスラリーを5000RPMで30分間回転沈降させた)によって分離し、上ずみ相を除去し、そして固体相を回収し、ADEまたは水を固体相に添加し、次いでペイント振盪機の上に約30分間置くことによって再分散させた。固形分を、最初の回転沈降(spin down)の後、エタノール中に、そして第二および第三回転沈降の後、水中に再分散させた。第四の回転沈降の後、14.0gの水を粉砕ポットの中に入れ、そしてディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、216.0gの湿潤固形分をゆっくり添加することによって、TiOを再分散させた。TiOの添加が完結した後、20分間粉砕を続け、次いで15.0gの水を粉砕ポットに添加した。最終TiOスラリーの固形分は73.6%であった。
【0050】
サンプル3.
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、マグネチックスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。このフラスコに、86.5gのADE、1.16gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、27.5gのHEA、0.85gのMAAおよび0.15gのVazo(商標)52を添加した。このフラスコを乾燥Nでパージし、次いで窒素下で60℃まで加熱し、この時点で加熱マントルを切り、反応物を77℃まで発熱させた。このフラスコを77℃で1時間維持し、次いで室温にまで冷却した。シラン官能性ポリマー溶液の固形分は24.9%であった。
【0051】
粉砕ポットに、全部のシラン官能性ポリマー溶液を装填し、次いで、200gのTiPure(商標)R−706を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、10分間粉砕を続け、次いで10gの水を粉砕ポットに添加し、そして粉砕を更に10分間続け、次いで2.0gのNH(28%)を添加し、そして粉砕を更に10分間続け、次いで8.0gの水を添加し、粉砕ポットの内容物をペイント缶に移し、そしてローラの上に一晩置いた。次いでTiOを未反応のシラン官能性ポリマーおよび溶媒から、4回の遠心分離/洗浄サイクル(その間に、TiOスラリーを5000RPMで30分間回転沈降させた)によって分離し、上ずみ相を除去し、そして固体相を回収し、水を固体相に添加し、次いでペイント振盪機の上に30分間置くことによって水中に再分散させた。最終TiOスラリーの固形分は65.8%であった。
【0052】
サンプル4.
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、マグネチックスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。このフラスコに、120.0gのADE、2.89gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、32.25gのHEAおよび0.15gのVazo(商標)52を添加した。このフラスコを乾燥Nでパージし、次いで窒素下で60℃まで加熱し、この時点で加熱マントルを切り、反応物を75℃まで発熱させた。このフラスコを75℃で1時間維持し、次いで温度を78℃まで上昇させ、そして30分間保持し、次いで室温にまで冷却した。シラン官能性ポリマー溶液の固形分は22.5%であった。
【0053】
粉砕ポットに、全部のシラン官能性ポリマー溶液および90.0gのADEを装填し、次いで350gのTiPure(商標)R−706を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、10分間粉砕を続け、次いで5gの水および1.25gのNaOH(水中10%)を粉砕ポットに添加し、そして粉砕を更に10分間続け、次いで5.0gの水を添加し、粉砕ポットの内容物をペイント缶に移し、そしてローラの上に一晩置いた。次いでTiOを未反応のシラン官能性ポリマーおよび溶媒から、5回の遠心分離/洗浄サイクル(その間に、TiOスラリーを3500RPMで45分間回転沈降させた)によって分離し、上ずみ相を除去し、そして固体相を回収し、水を固体相に添加し、次いでペイント振盪機の上に約60分間置くことによって水中に再分散させた。最終TiOスラリーの固形分は66.4%であった。
【0054】
サンプル5.
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、マグネチックスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。このフラスコに、85.0gのADEおよび73.3gのポリエチレングリコールモノメチルエーテル、Mn=5000を添加し、次いで温度を90℃まで上昇させた。このフラスコを乾燥Nでパージし、次いで温度を75℃まで低下させ、そして3.72gの3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランをこの混合物に添加し、そしてこのフラスコを75℃で1時間維持し、次いで室温にまで冷却した。シラン官能性ポリマー溶液の固形分は50.1%であった。
【0055】
粉砕ポットに、125gのシラン官能性ポリマー溶液および105.0gのADEを装填し、次いで、385gのTiPure(商標)R−706を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、10分間粉砕を続け、次いで5gの水および1.25gのNaOH(水中10%)を粉砕ポットに添加し、そして粉砕を更に10分間続け、次いで5.0gの水を添加し、粉砕ポットの内容物をペイント缶に移し、そしてローラの上に一晩置いた。次いでTiOを未反応のシラン官能性ポリマーおよび溶媒から、5回の遠心分離/洗浄サイクル(その間に、TiOスラリーを3500RPMで45分間回転沈降させた)によって分離し、上ずみ相を除去し、そして固体相を回収し、水を固体相に添加し、次いでペイント振盪機の上に約60分間置くことによって水中に再分散させた。最終TiOスラリーの固形分は63.5%であった。
【0056】
サンプル6.
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、マグネチックスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。このフラスコに、84.5gのADE、0.60gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、8.52gのBA、15.61gのMMA、4.26gのMAAおよび0.20gのVazo(商標)52を添加した。このフラスコを乾燥Nでパージし、次いで窒素下で60℃まで加熱し、この時点で加熱マントルを切り、反応物を77℃まで発熱させた。このフラスコを77℃で1.5時間維持し、次いで室温にまで冷却した。シラン官能性ポリマー溶液の固形分は19.2%であった。
【0057】
粉砕ポットに、107.0gの水を装填し、次いで、150gのTronox(商標)RU−2(Tronoxは、Kerr−McGee Chemical LLCの商標である)を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、10分間粉砕を続け、次いで3.75gのシラン官能性ポリマー溶液続いて2.5%の28%NHを粉砕ポットに添加し、そして粉砕を更に15分間続けた。
【0058】
221.13gのTiOスラリーを、オーバーヘッドパドルスターラー、還流凝縮器および熱電対を取り付けた四つ口2リットル丸底フラスコに移した。撹拌しながら、300.0gの水を添加し、次いで30.4gのケイ酸ナトリウム溶液(200gのSiO/リットル)を、30分間かけて滴下により添加した。次いで、62.0gのシラン官能性ポリマー溶液を、90分間かけて滴下により添加し、温度を90℃まで上昇させ、そして56.0gの水および4.0gの濃HSOの混合物を、5時間かけて滴下により添加した。HSOの添加後、温度を90℃で45分間維持し、次いでフラスコを室温にまで冷却した。pHは4.5であった。フラスコの内容物をペイント缶に移し、そしてローラの上に一晩置き、次いで4.8gの28%NHを添加して、pHを8.5に調節した。次いでTiOを未反応のシラン官能性ポリマー、塩および溶媒から、3回の遠心分離/洗浄サイクル(その間に、TiOスラリーを6000RPMで30分間回転沈降させた)によって分離し、上ずみ相を除去し、そして固体相を回収し、水を固体相に添加し、次いでペイント振盪機の上に約30分間置くことによって水中に再分散させた。最終TiOスラリーの固形分は63.7%であった。
【0059】
サンプル7.
粉砕ポットに、199.0gのエチレングリコールおよび6.0gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを装填し、次いで、300gのTiPure(商標)R−706を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、10分間粉砕を続け、次いで5gの水を粉砕ポットに添加し、そして粉砕を更に10分間続け、次いで1gのNH(28%)および4gの水をポットに添加し、そして粉砕を更に10分間続け、次いで95gのエチレングリコールをポットに添加し、サンプルをローラの上に3日間置いた。次いでTiOを未反応のメルカプトシランおよびエチレングリコールから、4回の遠心分離/洗浄サイクル(その間に、TiOスラリーを8000RPMで30分間回転沈降させた)によって分離し、上ずみ相を除去し、そして固体相を回収し、ADEを固体相に添加し、次いでペイント振盪機の上に30分間置くことによってエタノール中に再分散させた。最終洗浄の後、265gのTiOを集め、乳鉢および乳棒で、それが1mmシーブを通過するまで粉砕した。次いで、粉砕ポットに、82.0gのADEを装填し、そして265gのメルカプトシラン変性TiOを、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、30分間粉砕を続けた。固形分は66.5%であった。
【0060】
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、オーバーヘッドスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。このフラスコに、140gのスラリー化したメルカプトシラン変性TiO、42gのADE、5.59gのBA、10.24gのMMA、2.79gのMAAおよび0.12gのVazo(商標)52を添加した。このフラスコを乾燥Nでパージし、次いで窒素雰囲気下で60℃まで加熱し、この時点で加熱マントルを切り、反応物を75℃まで発熱させ、この時点で加熱マントルを元に戻し、そしてフラスコを80℃まで加熱した。フラスコを80℃で30分間維持し、次いで追加の4gのADE中の0.15gのVazo(商標)52を添加し、そしてフラスコを80℃で1時間保持した。このフラスコに60gのADEを添加し、内容物を室温にまで冷却した。フラスコの内容物を缶の中に注ぎ、次いでフラスコを60gのADEですすぎ、すすぎ液を缶に添加した。ポリマー変性TiOスラリーの固形分は、32.7%であった。
【0061】
次いでポリマー変性TiOを未反応のポリマーおよび溶媒から、2回の遠心分離/洗浄サイクル(その間に、TiOスラリーを8000RPMで30分間回転沈降させた)によって分離し、上ずみ相を除去し、そして固体相を回収し、水を固体相に添加し、次いでペイント振盪機の上に30分間置くことによって水中に再分散させた。最終TiOスラリーの固形分は、59.6%であった。
【0062】
サンプル8.
粉砕ポットに、190.0gのADEおよび0.3gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを装填し、次いで、300gのTiPure(商標)R−706を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、10分間粉砕を続け、次いで5gの水を粉砕ポットに添加し、そして粉砕を更に10分間続け、次いで1gのNH(28%)および4gの水をポットに添加し、そして粉砕を更に10分間続け、次いで50gのADEをポットに添加し、サンプルをローラの上に3日間置いた。次いでTiOを未反応のメルカプトシランから、2回の遠心分離/洗浄サイクル(その間に、TiOスラリーを8000RPMで30分間回転沈降させた)によって分離し、上ずみ相を除去し、そして固体相を回収し、ADEを固体相に添加し、次いでペイント振盪機の上に30分間置くことによってエタノール中に再分散させた。最終洗浄の後、120gの湿潤TiOを集め、90gのADEと共に缶の中に入れ、次いでこの缶をペイント振盪機の上に1時間置いてTiOを分散させた。固形分は51.7%であった。
【0063】
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、オーバーヘッドスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。このフラスコに、180gのスラリー化したメルカプトシラン変性TiO、5.59gのBA、10.24gのMMA、2.79gのMAAおよび0.17gのVazo(商標)52を添加した。このフラスコを乾燥Nでパージし、次いで窒素下で60℃まで加熱し、この時点で加熱マントルを切り、反応物を75℃まで発熱させ、この時点で加熱マントルを元に戻し、そしてフラスコを80℃まで加熱した。フラスコを80℃で30分間維持し、次いで追加の4gのADE中の0.15gのVazo(商標)521を添加し、そしてフラスコを80℃で1時間保持した。このフラスコに60gのADEを添加し、内容物を室温にまで冷却した。ポリマー変性TiOスラリーの固形分は、41.1%であった。
【0064】
サンプル9.
粉砕ポットに、250.0gの無水ジオキサンおよび9.0gの3−ブロモプロピルトリクロロシランを装填し、次いで、300gのTiPure(商標)R−706を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、20分間粉砕を続け、次いでこのサンプルを、オーバーヘッドスターラー、N入口、熱電対および還流凝縮器を取り付けた500mLのフラスコ内に入れた。このフラスコを100℃に6時間加熱し、次いでこのサンプルを缶に移し、そしてローラの上に一晩置いた。次いでTiOを未反応のブロモプロピルシランおよびジオキサンから、4回の遠心分離/洗浄サイクル(その間に、TiOスラリーを8000RPMで30分間回転沈降させた)によって分離し、上ずみ相を除去し、そして固体相を回収し、ADEを固体相に添加し、次いでペイント振盪機の上に30分間置くことによってエタノール中に再分散させた。最終洗浄の後、250gのTiOを集め、乳鉢および乳棒で、それが1mmシーブを通過するまで粉砕した。95gの変性TiOを缶の中に入れ、そして95gのHEAを添加した。この缶をペイント振盪機の上に1時間置いてTiOを分散させた。
【0065】
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、オーバーヘッドスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。このフラスコに、TiOスラリーの全内容物を添加した。このフラスコに、撹拌しながら、1.15gの1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、0.72gのCuBrおよび5gのADEを添加した。フラスコを乾燥Nでパージし、次いで窒素下で95℃の温度に加熱し、5時間保持した。
【0066】
サンプル10.
粉砕ポットに、130.0gのADEおよび3.5gの((クロロメチル)フェニルエチル)−トリメトキシシランを装填し、次いで、300gのTiPure(商標)R−706を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、10分間粉砕を続け、次いで5.0gの水および2滴の酢酸を、粉砕を続けながら5分間かけて添加した。次いでこのサンプルを、ローラの上に4日間置いた。このサンプルを、3回の遠心分離サイクルにより、最後のサイクル後、ADEを使用して清浄にした。次いで、TiOを、乳鉢および乳棒で、1mmシーブを通過するまで粉砕した。
【0067】
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、オーバーヘッドスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。缶内の、100gの上記のTiO、100gのHEAおよび20gのジオキサンを、ペイント振盪機の上に45分間置いた。このフラスコに、211.11gのTiO/HEA/ジオキサンスラリーを添加した。このフラスコに、撹拌しながら、2.52gの1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミンおよび10gのジオキサン中の1.56gのCuBrを添加した。フラスコを乾燥Nでパージし、次いで窒素下で75℃の温度に加熱し、3時間保持した。次いで、TiOを、未反応モノマー、ジオキサンおよび触媒から、エタノールを使用する3回の遠心分離サイクルにより分離した。
【0068】
サンプル11.
粉砕ポットに、200.0gのADEおよび0.2gの(3−イソチオシアナトプロピル)ジメチルクロロシランを装填し、次いで、300gのTiPure(商標)R−706を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルで粉砕しながら、ゆっくり添加した。TiOの添加が完結した後、20分間粉砕を続けた。次いで、TiOを未反応シランからダイアフィルトレーション(diafiltration)によって分離した。固形分は65%であった。
【0069】
250ミリリットルの三つ口丸底フラスコに、オーバーヘッドスターラー、温度計、窒素入口および還流凝縮器を取り付けた。このフラスコに、86.5gのADE、0.40gの2−(ブチルアミノ)エタンチオール、8.52gのBA、15.61gのMMA、4.26gのMAAおよび0.15gのVazo(商標)52を添加した。このフラスコを乾燥Nでパージし、次いで窒素下で60℃まで加熱し、この時点で加熱マントルを切り、反応物を77℃まで発熱させた。フラスコを77℃で1時間維持し、次いで室温にまで冷却した。末端アミン官能性ポリマー溶液の固形分は25.0%であった。
【0070】
オーバーヘッドスターラーを取り付けた250mLのフラスコに、153.85gのTiOスラリーを装填した。撹拌しながら、20.0gの末端アミン官能性ポリマー溶液を添加した。撹拌を15分間続けた。次いで、TiOを、未反応ポリマーおよびエタノールから、エタノールと交換するために水を使用するダイアフィルトレーションによって分離した。固形分は60%であった。
【0071】
実施例1〜3
不透明化粒子の製造
【0072】
【表1】

【0073】
実施例1
500mLの四つ口フラスコ内でNブランケット下で、62.4gのDI水を、穏やかに撹拌しながら45℃まで加熱した。72.7gのサンプル1をケトルに装填し、続いて5gのDI水洗浄液を装填した。2分後に、2.8gの0.15%FeSO・7HOおよび2.5gの1%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の予備混合した溶液を装填した。その直後に、下記の開始剤成分の少しずつの添加を開始した。
25gのDI水中の0.49gの70%t−ブチルヒドロペルオキシド
25gのDI水中の0.31gのイソアスコルビン酸。
【0074】
2分間経過後に、モノマーエマルジョンの少しずつの添加を開始した。モノマーエマルジョン供給中の30分で、工程内モノマーエマルジョン添加物(MAAおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を、良好な撹拌下で添加した。次いで、モノマーエマルジョンのpHを、29%アンモニアで6.5〜7.0に調節した。全ての供給を、完結まで続けた。このバッチを、始めから終わりまで44〜46℃で保持した。全部の開始剤溶液供給時間は約85分間であり、そしてモノマーエマルジョン添加供給時間は、その間の約80分間であった。全ての供給が終わった場合、バッチをこの温度で10分間保持した。次いで、1.5gのDI水中の0.09gの70%tBHPを添加し、続いて直ちに1.5gのDI水中の0.06gのイソアスコルビン酸を添加した。10分間保持した後、1.5gのDI水中の0.09gの70%tBHPを添加し、続いて0.06gのイソアスコルビン酸を添加した。このバッチを更に15分間保持し、次いで室温にまで空冷した。バッチのpHを、29%アンモニアで調節した。このバッチを濾過し、直ちに容器に入れ、そして沈降を防止するためにローラの上に置いた。このバッチの全固形分%は38.8であり、最終pHは8.1であり、そして粒子サイズは、Brookhaven BI−90によって測定して502nmであった。
【0075】
実施例2
500mLの四つ口フラスコ内でNブランケット下で、50.5gのDI水を、穏やかに撹拌しながら45℃まで加熱した。41.4gのサンプル2をケトルに装填し、続いて5gのDI水洗浄液を装填した。2分後に、2.8gの0.15%FeSO・7HOおよび2.5gの1%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の予備混合した溶液を装填した。その直後に、下記の開始剤溶液の少しずつの添加を開始した。
25gのDI水中の0.49gの70%t−ブチルヒドロペルオキシド
25gのDI水中の0.31gのイソアスコルビン酸。
【0076】
2分間経過後に、モノマーエマルジョンの少しずつの添加を開始した。モノマーエマルジョン供給中の約30分で、工程内モノマーエマルジョン添加物(MAAおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を、良好な撹拌下で添加した。次いで、モノマーエマルジョンのpHを、29%アンモニアで6.5〜7.0に調節した。全ての供給を、完結まで続けた。このバッチ温度を、始めから終わりまで44〜46℃で保持した。全部の開始剤溶液供給時間は約85分間であり、そしてモノマーエマルジョン添加供給時間は、約80分間であった。全ての供給が終わった場合、バッチをこの温度で10分間保持した。次いで、1.5gのDI水中の0.09gの70%tBHPを添加し、続いて直ちに1.5gのDI水中の0.06gのイソアスコルビン酸を添加した。10分間保持した後、1.5gのDI水中の0.09gの70%tBHPを添加し、続いて0.06gのイソアスコルビン酸を添加した。このバッチを更に15分間保持し、次いで室温にまで空冷した。バッチのpHを、29%アンモニアで調節した。このバッチを濾過し、直ちに容器に入れ、そして沈降を防止するためにローラの上に置いた。このバッチの全固形分%は37.8であり、最終pHは8.4であり、そして粒子サイズは、BrookhavenBI−90によって測定して545nmであった。
【0077】
実施例3
500mLの四つ口フラスコ内でNブランケット下で、87.2gのDI水を、穏やかに撹拌しながら45℃まで加熱した。51gのサンプル7をケトルに装填し、続いて5gのDI水洗浄液を装填した。2分後に、2.8gの0.15%FeSO・7HOおよび2.5gの1%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の予備混合した溶液を装填した。その直後に、下記の開始剤溶液の少しずつの添加を、0.2mL/分で開始した。
25gのDI水中の0.49gの70%t−ブチルヒドロペルオキシド
25gのDI水中の0.31gのイソアスコルビン酸。
【0078】
2分間経過後に、モノマーエマルジョンの少しずつの添加を、0.71mL/分の供給速度で開始した。モノマーエマルジョン供給中の20分で、0.3gの23%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを、モノマーエマルジョンに良好な撹拌下で添加した。モノマーエマルジョン供給中の30分で、1.1gの14%アンモニアを、共供給したt−BHP溶液に装填し、そして十分に混合した。モノマーエマルジョン供給中の35分で、1.78gのMAAをモノマーエマルジョンに良好な撹拌下で添加した。全ての供給を、完結まで続けた。このバッチ温度を、始めから終わりまで44〜46℃で保持した。バッチのpHを、7%アンモニアのアリコートを添加することによって6〜7で維持した。全部の少しずつの添加時間は120分間であった。全ての供給が終わった場合、バッチをこの温度で10分間保持した。次いで、1.5gのDI水中の0.09gの70%tBHPを添加し、続いて直ちに1.5gのDI水中の0.06gのイソアスコルビン酸を添加した。10分間保持した後、1.5gのDI水中の0.09gの70%tBHPを添加し、続いて0.06gのイソアスコルビン酸を添加した。このバッチを更に15分間保持し、次いで室温にまで空冷した。バッチのpHを、29%アンモニアで調節した。このバッチを濾過し、直ちに容器に入れ、そして沈降を防止するためにローラの上に置いた。このバッチの全固形分%は30.6であり、最終pHは8.1であり、そして粒子サイズは、BrookhavenBI−90によって測定して504nmであった。
【0079】
比較例A
125gのDI HO中の125gのTiPure(商標)R−706を、ディスクブレードを取り付けたPremiere Mill Corp.モデル50ミルを使用して、10分間分散させた。このスラリーをミルから取り出し、そして22.29gのDI水で希釈した2.72gの23%DS−4を添加した。この材料を、次の乳化重合でそれを使用する前に、実験室超音波処理機の上に置いた。
【0080】
【表2】

【0081】
500mLの四つ口フラスコ内でNブランケット下で、230gのDI水を、穏やかに撹拌しながら62℃まで加熱した。260gの上記のTiOスラリーをケトルに装填し、続いて45gのDI水洗浄液を装填した。2分後に、7.0gの0.15%FeSO・7HOを装填した。その直後に、下記の開始剤溶液の少しずつの添加を、それぞれ0.51mL/分で開始した。
25gのDI水中の1.23gの70%t−ブチルヒドロペルオキシド
25gのDI水中の0.78gのイソアスコルビン酸。
【0082】
2分間経過後に、モノマーエマルジョンの少しずつの添加を、2.9mL/分で開始した。モノマーエマルジョン供給中の30分で、非常に柔らかいゲルが観察された。100gのDI水をケトルに添加して、バッチを希釈した。工程内モノマーエマルジョン添加物(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を、良好な撹拌下でモノマーエマルジョンに添加し、そして全ての供給を続けた。次いで、供給中の45分で、柔らかい粘着したゲルが過剰となり、そしてバッチを中断した。
【0083】
実施例4
不透明化粒子を含有するコーティング組成物の調製および評価
【0084】
15.65PVCのTiOを含有するコーティング(4.1)を、オーバーヘッドベンチトップ実験室スターラーで撹拌しながら、100.00gの実施例1、1.68gのTexanol(商標)(Texanolは、Eastman Chemical Co.の商標である)、0.25gの水、および0.40gのNatrosol(商標)250HRを組み合わせることによって調製した。
【0085】
0PVCのTiOを含有するコーティング(4.2)を、オーバーヘッドベンチトップ実験室スターラーで撹拌しながら、54.34gのRhoplex(商標)AC−261(Rhoplexは、ローム・アンド・ハース社の商標である)、1.95gのTexanol(商標)、30.19gの水、および0.50gのNatrosol(商標)250HRを組み合わせることによって調製した。
【0086】
中間のTiO PVCを有するコーティングを、下記の量の2種の前記のコーティングを混合することによって調製した。
【0087】
【表3】

【0088】
B値は、0.23の、カプセル化していないTiPure(商標)R−706についての既知のB値に比較して、0.00であると決定され、これは、本発明の不透明化粒子が、最新の技術水準の顔料より、顔料凝集に起因する隠蔽効率における損失が少ない傾向があることを示している。
【0089】
実施例5
不透明化粒子を含有するコーティング組成物の製造および評価
【0090】
7.25PVCのTiOを含有するコーティング(5.1)を、オーバーヘッドベンチトップ実験室スターラーで撹拌しながら、102.17gの実施例2、1.95gのTexanol(商標)、および0.40gのNatrosol(商標)250HRを組み合わせることによって調製した。
【0091】
0PVCのTiOを含有するコーティング(5.2)を、オーバーヘッドベンチトップ実験室スターラーで撹拌しながら、60.75gのRhoplex(商標)AC−261、2.16gのTexanol(商標)、31.64gの水、および0.40gのNatrosol(商標)250HRを組み合わせることによって調製した。
【0092】
中間のTiO PVCを有するコーティングを、下記の量の2種の前記のコーティングを混合することによって調製した。
【0093】
【表4】

【0094】
B値は、0.23の、カプセル化していないTiPure(商標)R−706についての既知のB値に比較して、0.03であると決定され、これは、本発明のポリマーカプセル化顔料粒子が、最新の技術水準の顔料より、顔料凝集に起因する隠蔽効率における損失が少ない傾向があることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.005〜5ミクロンの平均粒子直径および少なくとも1.8の屈折率を有する顔料粒子;シラン残基を介して該顔料粒子の表面に結合している第一ポリマー;ならびに該結合した第一ポリマーを有する該顔料粒子を実質的にカプセル化している第二ポリマー
を含有する不透明化粒子。
【請求項2】
該顔料粒子が二酸化チタンを含む、請求項1に記載の不透明化粒子。
【請求項3】
0.005〜5ミクロンの平均粒子直径および少なくとも1.8の屈折率を有する顔料粒子を提供する工程;
第一ポリマーを、シラン残基を介して該顔料粒子の表面に結合させる工程;ならびに
該結合した第一ポリマーを有する該顔料粒子を第二ポリマーで実質的にカプセル化する工程
を含む、不透明化粒子の形成方法。
【請求項4】
該結合した第一ポリマーを有する該顔料粒子が水性分散液の形態である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
該結合した第一ポリマーを有する該顔料粒子の存在下で、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーを乳化重合することによって、該カプセル化が実施される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
該第一ポリマーを、シラン残基を介して該顔料粒子の表面に結合する該工程が、ケイ酸アルカリ溶液またはアルミン酸アルカリ溶液の存在下で実施される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の不透明化粒子を含有するコーティング組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の不透明化粒子を含有するプラスチック組成物。

【公開番号】特開2006−45551(P2006−45551A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−198419(P2005−198419)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】