説明

中低周波数における音響性能を向上させたマフラ

本発明は、内燃機関用の排気サイレンサ又はマフラに関し、特に消散型サイレンサの吸収特性とともに共鳴器の制振特性を備えるサイレンサに関する。本発明のサイレンサ(500)は、消散型サイレンサ(510)及び共鳴器(520)の両方を標準的な自動車組立技術に使用するのに好適な単一のマフラ組立部品において組み込んだ、内燃機関に使用するための改良型のサイレンサ又はマフラを提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
図1に示される典型的な吸収タイプのサイレンサ又はマフラ10(消散型サイレンサとしても知られる)は、外側シェル12、及び内燃機関からの排気を流体連通するための入口パイプ14Aと出口パイプ14Bとを接続する多孔性パイプを含む。吸音材料18は、多孔性パイプ14とマフラチャンバの内側面との間に充填されている。吸収型サイレンサは、吸音材料18の吸音特性によって中高周波数(通常200Hzを超える)の音響エネルギを効率的に低減させる。自動車の排気用途においては、音響エネルギの「広帯域」の吸収が求められ、これは、エンジンによって発生する音響エネルギが、エンジン回転速度(RPM)の変化及び排気ガスの温度変化に伴って変化することに起因する。
【0002】
別のタイプのサイレンサは、通常、反射型サイレンサと呼ばれる。反射型サイレンサにおいては、構成要素は、エンジンから生じる音波と打ち消すように干渉する音波を反射又は発生するように設計されている。1つのタイプの音響反射要素は、ヘルムホルツ共鳴器として公知である。ヘルムホルツ共鳴器は、オープンスロート部を備えたチャンバである。チャンバ及びスロート部内に収容されたある容積の空気は、チャンバ内の空気の周期的な圧縮によって振動する。ヘルムホルツ共鳴器は、図3に示されるように内燃機関の排気ダクトに取り付けて、内燃機関のピストンの燃焼によって生じる雑音(通常30〜400Hz)を相殺することができる。図3は、硬質の外側シェル52、内径DT及び長さLTを有するスロート部分54a、並びに内径DC及び長さLCを有するチャンバ部分54bを含むヘルムホルツ共鳴器54を備えたマフラ50を概略的に示している。
【0003】
典型的には、音エネルギの最大減衰周波数、すなわち最大透過損失が生じる周波数は、ヘルムホルツ共鳴器54のチャンバ部分54bの容積、並びにスロート部分の内径DT及び長さLTの関数である。例えば、チャンバ容積が増大し且つスロート部分の内径DT及び長さLTが同じままである場合には最大減衰周波数は減少し、チャンバの容積が減少すると、最大減衰周波数は増加する。
【0004】
図3に示されているようにヘルムホルツ共鳴器がサイドブランチとして取り付けられる場合には、該サイドブランチは質量(慣性)とコンプライアンスの両方を有する。この音響システムは、ヘルムホルツ共鳴器と呼ばれ、単一の質量ばね制振システムと極めて類似した動作を行う。共鳴器は、直径DT及び面積Sbのスロート部、Leff=L+0.85DTの有効ネック長、並びにキャビティ容積V(DC及びLCの関数)を有する。キャビティ容積は、ある周波数で共鳴し、共鳴の過程においてエネルギと相互作用する。音響サイクルの一部の間に共鳴器によって吸収された全エネルギは、サイクルの後半でパイプに戻される。位相関係は、エネルギがエネルギ源に戻り、ダクトには送られないようにされる。システムからエネルギが除去されないので、ブランチインピーダンスの実数部は、Rb=0となる。インピーダンスの虚数部は、共鳴器のコンプライアンス項及び慣性項で表すことができ、すなわちXb=p(ωLeff/Sb−c2/ωV)となり、その結果、音圧伝達係数の式は、式(1)で示すように記述することができる。

【0005】
式(1)において共鳴器の共鳴周波数であるω=ω0の時に伝達される力はゼロであり、この時、全エネルギはエネルギ源に向かって反射して戻される。これらのフィルターは、共鳴周波数近傍の帯域内で音を低減し、他の全ての周波数を通過させる。エンジン回転速度(RPM)の変化及び排気ガス温度の変化に伴い音響エネルギの周波数が変化することになるので、干渉が生じる周波数領域が狭いことは、通常は自動車の排気における望ましい条件ではない。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、内燃機関用の排気サイレンサ又はマフラに関し、特に、内燃機関用のヘルムホルツ共鳴器の制振特性及び消散型サイレンサの吸収特性を備えたサイレンサに関する。本発明の1つの目的は、1つ又はそれ以上の消散型サイレンサ要素及び1つ又はそれ以上のヘルムホルツ共鳴器のような反射要素の両方を組み込んだ内燃機関に使用するための改良型サイレンサ又はマフラを提供することである。本発明の別の目的は、このようなマフラで使用するための改良型の分散要素及び共鳴器を提供することである。本発明の更なる目的は、従来技術と比べて性能がより優れ、標準的な自動車組立技術の使用に好適な単一のマフラ組立部品において消散型サイレンサと共鳴器の組み合わせを提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1Aのマフラ10は、第1及び第2のシェル部品12a及び12bによって定められる硬質の外側シェル12を含む。シェル部品12a及び12bは、金属、樹脂、又は、例えば強化繊維及び樹脂材料からなる複合材料で形成される。好適な外側シェルの複合材料の実施例は、名称「バンパ/マフラ組立体」の米国特許第6,668,972号において記載されている。また外側シェルは、単一のシェル部品、或いは2つ又はそれ以上のシェル部品を択一的に含み得ることが企図される。外側シェル12を通って延びているのは、例えばステンレス鋼で形成された有孔金属パイプ14である。また、外側シェルの内側チャンバ13aには、鋼、他の金属、樹脂、又は米国特許第6,668,972号で開示された外側シェル複合材料のうちの1つなどの複合材料で作られたバッフル15又は隔壁が備えられている。バッフル15は、内側チャンバ13aを実質的に同じ大きさの第1及び第2の内側チャンバ13b、13cに分離する。またバッフル15は、内側チャンバ13aを異なる大きさの第1及び第2のチャンバに分離できることも企図される。
【0008】
繊維材料18が外側シェル12内に設けられ、且つパイプ14及びシェル12間に位置付けられている。繊維材料18は、第1及び第2のチャンバ13b及び13cの両方を実質的に充填する。繊維材料18は、1つまたはそれ以上の連続ガラスフィラメント・ストランドで形成することができ、各ストランドは、加圧空気によって分離又は製織されて外側シェル12内で緩いウールタイプの生成物を形成するようになる複数のフィラメントを含む(例えば、米国特許第5,976,453号及び第4,569,471号を参照されたい)。フィラメントは、例えばE−ガラス、S2−ガラス、又は他のガラス組成物などの連続ガラスストランドで形成することができる。連続ストランド材料は、Owens Corningから商標ADVANTEX(登録商標)で市販されている、低ホウ素、低フッ素、高温ガラス等のE−ガラスロービング、又はOwens Corningから商標ZenTron(登録商標)で市販されているS2−ガラスロービングを含むことができる。
【0009】
また、外側シェル12の充填に、ガラス繊維材料の代わりにセラミック繊維材料を用いることも企図される。セラミック繊維を用いて、シェルに直接充填してもよく、或いはマフラの予備成形品を形成した後でシェル12内に配置してもよい。また予備成形品は、ロックウール処理、又は住宅用及び商業用途の繊維ガラス断熱材を作るのに用いられるスピナー処理のうちの1つなどのスピナー処理により生成された不連続ガラス繊維生成物、もしくはガラスマット生成物で作ることも企図される。
【0010】
更に、連続ガラスストランドは、製織されて1つ又はそれ以上の予備成形品に形成可能であきることが企図され、これは、予備成形品を形成するために該シェル部品12a及び12bを結合する前に、シェル部品12a及び12b内に配置することができる。このような予備成形品を形成するための処理及び装置は、米国特許第5,766,541号及び第5,976,453号において開示されている。繊維材料18は、例えばEガラス繊維のような緩やかな不連続のガラス繊維、又はセラミック繊維を含有することができ、シェル12内に手作業で又は機械的に挿入される。
【0011】
また、繊維材料18は、プラスチックシート、或いはガラス又は有機材料のメッシュで作られたバッグに充填され、続いてシェル部品12a及び12b内に配置されることも企図される(例えば、米国特許第6,068,082号及び米国特許第6,607,052号、「マフラシェルの充填処理及び繊維材料が充填されたマフラ」を参照)。更に繊維材料18は、名称「マフラシェルを繊維材料で充填するための処理」の米国特許第6,446,750号、名称「マフラを充填するための処理及び繊維材料で充填されたマフラ」の米国特許第6,412,596号、及び名称「マフラシェル充填処理、繊維材料で充填されたマフラ、及び真空充填装置」の米国特許第6,581,723号で開示されている何れかの処理によって外側シェル12に挿入可能であることが企図される。
【0012】
更に、1つ又はそれ以上の連続ガラスフィラメント・ストランドが、シェル部品12a及び12bが一緒に結合された後に、加圧空気と共に外側シェル12の開口(図示せず)内へ送られ、その結果、繊維が互いに分離されて外側シェル12内で膨張し、外側シェル12内で「綿毛状の」又はウールタイプの生成物を形成することも企図される。マフラシェルへ送られるガラスストランド材料を製織する処理及び装置は、米国特許第4,569,471号及び第5,976,453号において記載されている。更に、繊維材料18は、連続又は不連続繊維のマット形態でマフラに挿入可能であることが企図される。不連続ガラス繊維の刺し縫いされたフェルトマットは、予備成形品としてマフラへ挿入することができ又は、後でマフラへ挿入される有孔チューブ内へ巻き入れることができる。
【0013】
音響エネルギは、有孔パイプ14を介して音響エネルギを分散するよう機能する繊維材料18まで通る。繊維材料18はまた、パイプ14を通過する高温排気ガスから伝達される熱の形態のエネルギから外側シェル12を熱的に保護又は遮断するように機能する。
【0014】
上述のように、サイレンサの内側チャンバ13aが2つの吸収チャンバ13b及び13cへ分割されるように、バッフル又はプレート15をサイレンサの内側チャンバ13a内に配置することにより、吸収性材料18が充填されたサイレンサ又はマフラ10の透過損失を特定の周波数領域において高めることができる。以下の寸法:シェル長L=60cm;外側シェル直径DS=20.32cm;有孔チューブ14の内径DP=5.08cm;チューブ14の各穿孔の直径0.25cm;有孔チューブ14における全体の多孔率、すなわち有孔表面積/有孔及び無孔チューブ表面積×100=25%;及び100グラム/リットルの吸収性材料充填密度を有する単一のバッフルを備え、図5に示されるように構成されたマフラ10について、モデル化された透過損失(dB)データが図2Aに示されている。
【0015】
透過損失は、音波がマフラを通過するときに減衰される音エネルギの量のdBでの測定である。換言すると、所与の周波数での透過損失は、所与の周波数でのサイレンサ又は他の方法によって減衰が生じない音レベル(dB)から、同じ周波数でサイレンサ等によりある減衰が生じた音レベル(dB)を差し引いたものに等しい。図2Aに示されているように、バッフル15が内側チャンバ13a内に設けられている場合には、透過損失又は減衰された音エネルギは、約150Hzから約1900Hzまでの領域に入る周波数帯において、同じ寸法であるがバッフル15がないマフラを用いたときの同じ周波数で生じる透過損失に比べて増大している。従って、バッフル15により内側チャンバ13aを第1及び第2吸収チャンバ13b及び13cに分離することにより、中高域周波数において音レベルの低減、すなわち音エネルギ減衰の増大を達成することができる。更に1つより多いバッフル15が備えられ、内側チャンバ13を3つ又はそれ以上の内側チャンバ(図示せず)に分離可能であることも企図される。
【0016】
0、1又は2つのバッフルを有するマフラについて実測された透過損失(dB)データが図2Bに示されている。1つのバッフル15を備えている場合には、サイレンサの内側チャンバ13は、2つの実質的に等しい容積のチャンバに分離されており、2つのバッフルが備えられていた場合には、サイレンサの内側チャンバ13は、3つの実質的に等しい容積のチャンバに分離された。各マフラは、以下の寸法:シェル長L=50.8cm;外側シェル直径DS=16.4cm;有孔チューブ14の内径DP=5cm;チューブ14の孔の各直径が0.25cm;有孔チューブ14の全体多孔率、すなわち有孔表面積/無孔チューブ表面積×100=8%;及び100グラム/リットルの吸収性材料充填密度を備え、図1Aに示されている構成であった。
【0017】
図2Bから明らかであるように、1つ又は2つのバッフルを備えていた場合には、透過損失又は減衰音エネルギは、約150Hzから約1900Hzまでの領域に入る周波数帯において、同じ寸法であるがバッフルがないマフラを用いたときの同じ周波数帯で生じる透過損失に比べて増大した。従って、1つまたは2つのバッフル15によりサイレンサの内側チャンバを2つ又は3つのチャンバに分離することにより、中高域周波数において音レベルの低減、すなわち音エネルギ減衰の増大を達成することができる。
【0018】
図3は、金属、樹脂、又は、例えば強化繊維及び樹脂材料を含む複合材料で形成された硬質の外側シェル52を含むマフラ50を概略的に示している。外側シェルの複合材料の実施例は、名称「バンパ/マフラ組立体」の米国特許第6,668,972号で説明されている。マフラ50は、無孔の排気管60に結合される。
【0019】
マフラ50は、内径DT及び長さLTを有するスロート部54a、及び内径DC及び長さLCを有するチャンバ部54bを備えたヘルムホルツ共鳴器54を含む。
【0020】
通常、音エネルギの最大減衰周波数、すなわち最大透過損失が生じる周波数は、ヘルムホルツ共鳴器54のチャンバ部54bの容積及びスロート部の内径DT並びに長さLTの関数である。例えば、チャンバ容積が増大し且つスロート部の内径DT及び長さLTが一定のままである場合には、最大減衰周波数は減少し、チャンバ容積が減少すると最大減衰周波数は増加する。
【0021】
チャンバ部分54bの1つ又はそれ以上の内壁を吸音材料70で覆うことによって、チャンバ部分54bの容積を増大させることなく最大減衰周波数が低減される。図3の実施形態では、チャンバ部分54bの第1及び第2の内壁55a及び55bは、繊維材料70aで覆われている。第3の壁55cは覆われていない。或いは、内壁55a〜55cのいずれか1つ又はそれ以上を覆ってもよい。
【0022】
繊維材料70aは、1つ又はそれ以上の連続ガラスフィラメント・ストランドで形成することができ、各ストランドは、緩いウールタイプの生成物を形成するように加圧空気により分離又は製織された複数のフィラメントを含む(米国特許第5,976,453号及び第4,569,471号を参照されたい)。フィラメントは、例えば、E−ガラス又はS2−ガラス、或は他のガラス組成物で形成することができる。連続ストランド材料は、Owens Corningから商標ADVANTEX(登録商標)で市販されているE−ガラスロービング、又は商標Owens CorningからZenTron(登録商標)で市販されているS2−ガラスロービングを含むことができる。
【0023】
また、連続又は不連続のセラミック繊維材料を、チャンバ部分54bの壁55a〜55bを覆うガラス繊維材料の代わりに用いることも企図される。繊維材料70aはまた、緩い不連続ガラス繊維(例えばEガラス繊維)、又はセラミック繊維、或いはロックウール処理又は住宅用及び商業用途の繊維ガラス断熱材を作るのに使用される処理に類似するスピナー処理によって生成された不連続ガラス繊維生成物、又はガラスマットを含むことができる。図3は、硬質の外側シェル52、内径DT及び長さLTのスロート部分54a及び内径DC及び長さLCのチャンバ部分54bを有するヘルムホルツ共鳴器54を含むこうしたマフラ50の概略図である。
【0024】
図3Aで示されているように、ヘルムホルツ共鳴器54がサイドブランチとして取り付けられており、実施例1で検討されるような繊維材料を含み、或いは該繊維材料で内側が覆われている場合には、透過損失対周波数曲線は、実質的に広くなり、より広い周波数領域において損失が改善された。
【実施例1】
【0025】
図3Aに示されているように、塩化ポリビニル(PVC)で形成された硬質の外側シェル52を含むマフラ50が準備された。マフラ50は、直径DT=4cm及び長さLT=8.5cmのスロート部分54a、並びに内径DC=15.24cm及び長さLC=20.32cmのチャンバ部分54bを含むヘルムホルツ共鳴器54を備えていた。第1の試験では、内側チャンバ部分54bの内壁は繊維材料70aで覆われなかった。第2の試験では、第1及び第2の壁55a〜55bは、約100グラム/リットルの充填密度で、およそ1インチ(2.54センチメートル)の繊維材料70aで覆われた。第3の試験では、第1及び第2の壁55a〜55bは、約100グラム/リットルの充填密度において、およそ2インチ(5.08センチメートル)の繊維材料70aで覆われた。第4の試験では、チャンバ部分54b全体が、約100グラム/リットルの充填密度において、繊維材料70aで充填された。第5の試験では、第1及び第2の壁55a〜55bは、約63グラム/リットルの充填密度において、およそ1インチ(2.54センチメートル)の繊維材料70aで覆われた。試験2〜5については、繊維材料70aは、Owens Corningから製品名ADVANTEX(登録商標)162Aで市販されている製織ガラスフィラメントを含んでいた。試験2、3、及び5については、繊維材料70aは、75%の開口面積又は多孔率を有するワイヤメッシュスクリーンにより内壁55a〜55bに固定された。
【0026】
図4は、実施された5つの試験の各々についての周囲温度における透過損失対周波数を示している。図4から明らかなように、チャンバ部分54b内に充填がなされなかった第1の試験では、最大周波数減衰は約97Hzにおいて生じた。97Hzにおける透過損失はおよそ39dBであった。その曲線上の半値周波数減衰点は、89Hz及び106Hzの周波数において生じた。89Hz及び106Hzにおける透過損失はおよそ20dBであった。
【0027】
第1及び第2の壁55a〜55bが約100グラム/リットルの充填密度においておよそ1インチ(2.54センチメートル)の繊維材料70aで覆われた第2の試験では、最大周波数減衰は約90Hzにおいて生じた。90Hzにおける透過損失はおよそ30dBであった。第2の試験の曲線上の半値周波数減衰点は、75Hz及び108Hzの周波数においてであった。75Hz及び108Hzにおける透過損失はおよそ15dBであった。
【0028】
第1及び第2の壁55a〜55bが約100グラム/リットルの充填密度においておよそ2インチ(5.08センチメートル)の繊維材料70aで覆われた第3の試験では、最大周波数減衰は、約81Hzにおいて生じた。81Hzにおける透過損失はおよそ22dBであった。第3の試験の曲線上の半値周波数減衰点は、58Hz及び117Hzの周波数に存在した。58Hz及び117Hzにおける透過損失はおよそ11dBであった。
【0029】
チャンバ部分54b全体が約100グラム/リットルの充填密度において繊維材料70aで充填された第4の試験では、最大周波数減衰は、約74Hzにおいて生じた。74Hzにおける透過損失はおよそ12dBであった。透過損失曲線は、実質的に平坦な形状であった。
【0030】
第1及び第2の壁55a〜55bが約63グラム/リットルの充填密度においておよそ1インチ(2.54センチメートル)の繊維材料70aで覆われた第5の試験では、最大周波数減衰は、約91Hzにおいて生じた。91Hzにおける透過損失はおよそ30dBであった。第5の試験の曲線上の半値周波数減衰点は、75Hz及び113Hzの周波数においてであった。75Hz及び113Hzにおける透過損失はおよそ15dBであった。
【0031】
チャンバ部分54bの壁55a〜55bが繊維材料70aで覆われた試験2、3、及び5の各々に関しては、最大音エネルギ吸収が生じた周波数は低下し、最大減衰周波数において生じる透過損失のおよそ半分に等しい透過損失における周波数の領域は広がった。従って、チャンバ部分54bの壁55a〜55bを繊維材料70aで覆うことによって、より広い半値減衰領域(すなわち、最大減衰周波数の透過損失のおよそ1/2に等しい透過損失が生じた透過損失曲線上の端点間の周波数領域)が得られた。最大吸収又は減衰周波数は通常、温度変化とともにシフトすることに留意されたい。また、減衰されることになる最大騒音周波数は通常、エンジンRPMとともにシフトする点に留意されたい。従って、車両の運転中、すなわちエンジン速度が変化するときに、最大騒音周波数が減衰領域から外れる可能性があるため、狭い半値減衰領域を有するマフラ又はサイレンサは許容できないと考えられる場合がある。本発明の態様によって広い半値減衰領域が提供されるので、車両の運転中、すなわち車速が変化し、二次的にはマフラ温度が変化するときにマフラ50によりもたらされる減衰は、おそらくは許容可能と考えられることになる。更に、試験2、3及び5に関しては、チャンバ部分54b又はスロート部分54aの寸法を増大させることなく、最大減衰の周波数が減少することに留意されたい。
【0032】
また、チャンバ部分54bの壁55a〜55bを繊維材料70aで覆うことによって、壁55a〜55bへの熱伝達が減少し、これによりマフラの外側シェル52をより低温に保つことができる。この結果、外側シェル52は、複合材料などの熱耐性閾値が低い材料で形成することができる。
【0033】
図5は、本発明の別の態様の第1実施形態に従って構成されたマフラ又はサイレンサ500の断面図である。サイレンサ500は、消散型サイレンサ構成部品510及び反応要素構成部品520、すなわちヘルムホルツ共鳴器を含む混成サイレンサを含む。サイレンサ500は更に、消散型サイレンサ構成部品510をヘルムホルツ共鳴器構成部品520と接合又は接続するための接続構成部品530を含む。消散型サイレンサ構成部品510は、繊維材料512aなどの吸音材料512を含み、約150Hzを超える周波数において望ましい広帯域騒音減衰を示す。ヘルムホルツ共鳴器構成部品520は、低速内燃機関騒音並びに低次の空気伝播騒音に特有の、例えば25℃で約50Hzから約120Hzまでの低周波数において望ましい騒音減衰を示す。従って、サイレンサ500は、広範な周波数にわたる有効な減衰器である。
【0034】
サイレンサ500は、金属、樹脂、又は、例えば強化繊維及び樹脂材料を含む複合材料で形成される硬質の外側シェル502を含む。外側シェル複合材料の実施例は、名称「バンパ/マフラ組立体」の米国特許第6,668,972号に記載されている。図示された実施形態では、外側シェル502は実質的に楕円形である。外側シェル502は、消散型サイレンサ構成部品510及びヘルムホルツ共鳴器構成部品520が所要の減衰をもたらすのに必要な容積が保持される限り、他の任意の幾何形状であってもよい。
【0035】
通常図5に示されているほぼ直線状のパイプ600のような急激な曲げがないパイプは、硬質の外側シェル502に結合され、外側シェル502の全長にわたって延びる。急激な曲げのないパイプは、若干の曲げ又は角度を有するパイプ、すなわちS字型パイプ等を含むことができる。図示されてはいないが、従来型の排気管は、パイプ600の外側の端部と結合することができる。パイプ600は急激な曲げがなく形成されているので、サイレンサ500全体の背圧及び流れ損失は低減される。好ましくは、パイプ600は外側シェル502の内壁502aから十分な間隔を置いて配置して、パイプ600とシェルの内壁502aとの間に十分な量の繊維材料512を設けるようにして、外側シェル502の十分な熱的及び音響的絶縁を可能にし、且つ消散構成部品510による音響減衰に関する外側シェル502による干渉を防ぐようにする。
【0036】
パイプ600の無孔の第1の部分602は、ヘルムホルツ共鳴器構成部品520のキャビティ522を貫通して延びている。パイプ600の第2の部分604は、有孔であり、消散型サイレンサ構成部品510の一部を形成する。パイプ600の第3の部分606もまた有孔であり、上述のように消散構成部品510を反応構成部品520と接合する接続構成部品530の一部を形成する。パイプ600の第2の部分604は、約5%〜約60%の間の多孔率(すなわち閉鎖面積に対する開口面積のパーセンテージ)を有するように穿孔されている。パイプ600の第3の部分606は、約20%〜約100%の間の多孔率になるように穿孔されている。
【0037】
図示された実施形態では、消散型サイレンサ構成部品510は、長さL2、高さL5、幅L4の実質的に楕円形のキャビティ510aを含む(図5及び図5Aを参照)。キャビティ510aを通って消散型サイレンサ構成部品510の一部を形成しているのはパイプ部分604である。ヘルムホルツ共鳴器構成部品520のネック部分524aを形成するパイプ524もまた、キャビティ510aを通るが、消散型サイレンサ構成部品510の一部を形成してはいない。
【0038】
消散型サイレンサ構成部品510は更に、繊維材料512aを含む。繊維材料512aは、1つ又はそれ以上の連続ガラスフィラメント・ストランドで形成することができ、各ストランドは緩いウールタイプ生成品を形成するように加圧空気によって分離又は製織された複数のフィラメントを含む(米国特許第5,976,453号及び第4,569,471号を参照)。フィラメントは、例えば、E−ガラス又はS2−ガラス、或いは他のガラス組成物で形成することができる。連続ストランド材料は、Owens Corningから商標ADVANTEX(登録商標)で市販されているE−ガラスロービング又は商標Owens Corningから商標ZenTron(登録商標)で市販されているS2−ガラスロービングを含むことができる。
【0039】
また、キャビティ510aを充填するために、ガラス繊維材料の代わりに連続又は不連続のセラミック繊維材料を用いることが企図される。繊維材料512aはまた、緩い不連続ガラス繊維、例えばEガラス繊維、又はセラミック繊維、或いはロックウール処理又は住宅用及び商業用途の繊維ガラス断熱材を作るのに使用される処理に類似するスピナー処理によって生成された不連続ガラス繊維生成物、又はガラスマットを含むことができる。
【0040】
直径D2を備えた第1の開口514c及び直径D1を備えた第2の開口514dを各々が有する端部プレート514a及び514bは、キャビティ510aにおいて繊維材料512aを保持するために備えられる。端部プレート514a及び514bは、外側シェル502に結合されており、楕円形である。端部プレート514a及び514bは、キャビティ510aの繊維材料による充填を容易にするために1つ又はそれ以上の追加の穴を有することができる。
【0041】
ヘルムホルツ共鳴器構成部品520は、キャビティ部分522及びネック部分524aを含む。キャビティ部分522は、断面においてほぼ楕円形であり、長さL1、高さL5、及び幅L4を有する(図5及び図5Aを参照)。キャビティ部分522を通っており、ヘルムホルツ共鳴器構成部品520の一部を形成していないのは、パイプ部分602である。ネック部分524aは、断面積An、直径D2及び長さL2のパイプ524によって定められる。
【0042】
接続構成部品530は、長さL3、高さL5及び幅L4のほぼ楕円形のキャビティ530aを含む(図5Aを参照)。キャビティ530aを通って接続構成部品530の一部を形成しているのは、パイプの第3の部分606である。長さL3は、例えば約1cm〜約10cmで、できる限り短いことが好ましく、これは通常短い長さL3が低周波数での最大減衰周波数に対応するためである。パイプ600の第3の部分606が、約20%〜約100%の間の高い多孔率(すなわち閉鎖面積に対する開口面積のパーセンテージ)を有するように穿孔されることが更に望ましい。
【0043】
図6は、本発明の別の態様に従って構成されたマフラ又はサイレンサ700の断面図である。サイレンサ700は、消散型サイレンサ構成部品710及び反応要素構成部品720、すなわちヘルムホルツ共鳴器を含む混成サイレンサを含む。サイレンサ700は更に、消散型サイレンサ構成部品710をヘルムホルツ共鳴器構成部品720と接合する接続構成部品730を含む。消散型サイレンサ構成部品710は、繊維材料512aなどの吸音材料512を含み、約150Hzよりも高い周波数において望ましい広帯域騒音減衰を示す。ヘルムホルツ共鳴器構成部品720は、例えば、25℃で約50Hzから約120Hzまでの、低速内燃機関騒音並びに低次の空気伝播騒音に特有の低周波数において望ましい騒音減衰を示す。従って、サイレンサ700は、幅広い周波数領域にわたる有効な減衰器である。
【0044】
サイレンサ700は、金属、樹脂、又は例えば強化繊維及び樹脂材料を含む複合材料で形成される硬質の外側シェル702を含む。外側シェル複合材料の実施例は、名称「バンパ/マフラ組立体」の米国特許第6,668,972号に記載されている。図示された実施形態では、外側シェル702は、ほぼ円筒状の形状を有する。外側シェル702は、消散型サイレンサ構成部品710及びヘルムホルツ共鳴器構成部品720が要求される減衰をもたらすために必要な容積が保持される限り、他のどのような幾何形状をも有することができる。
【0045】
ほぼ直線状のパイプ800は、外側シェル702に結合され、外側シェル702の全長にわたって延びる。従来の排気管(図示せず)は、パイプ800の外側端部に結合することができる。パイプ800は急激な曲げがなく形成されているので、サイレンサ700全体の背圧及び流れ損失が減少する。
【0046】
パイプ800の実質的に中実で孔の無い第1の部分802は、ヘルムホルツ共鳴器構成部品720のキャビティ722を通って延びている。パイプ800の第2の部分804は、穿孔され消散型サイレンサ710の一部を形成する。パイプ800の第3の部分806もまた穿孔され、上述のように消散構成部品710を反応構成部品720と接合する接続構成部品730の一部を形成する。パイプ800の第2の部分804は、約5%〜約60%の間の多孔率になるように穿孔されている。パイプ800の第3の部分806は、約20%〜約100%の間の多孔率になるように穿孔されている。
【0047】
図示されている実施形態では、消散型サイレンサ構成部品710は、内側のほぼ直線状の無孔パイプ711とパイプ800との間に形成されるほぼ円筒状キャビティ710aを含む。キャビティ710aは、外径D3、内径D1、及び長さL2を有する(図6及び図6Aを参照)。キャビティ710aを通って消散型サイレンサ構成部品710の一部を形成するのはパイプ部分804である。消散型サイレンサ構成部品710は更に、図5及び図5Aにおいて示されている実施形態に関して上述されたような繊維材料512aを含む。
【0048】
各々が直径D1を備えた第1の開口714cを有する端部プレート714a及び714bは、キャビティ710aにおいて繊維材料512aを保持するために備えられる。端部プレート714a及び714bは、パイプ800に溶接、或いは接合することができる。更に、支持要素(図示せず)は、プレート714a及び714bから延びて、外側シェル702に結合することが可能である。端部プレート714a及び714bは、キャビティ710aの繊維材料による充填を容易にするために1つ又はそれ以上の追加の穴を有することができる。
【0049】
ヘルムホルツ共鳴器構成部品720は、キャビティ部分722及びネック部分724aを含む。キャビティ722は、断面においてほぼ円筒形であり、長さL1、外径D2、及び内径D1を有する。キャビティ部分722を通り、ヘルムホルツ共鳴器720の一部を形成していないのは、パイプ部分802である。ネック部分724aは、長さL2、外径D2、及び内径D3を有する中空の環状キャビティ724bを定める(図6及び図6Aを参照)。
【0050】
接続構成部品730は、長さL3、外径D2、及び内径D1を有するほぼ円筒状キャビティ730aを含む(図6及び図6Aを参照)。キャビティ730aを通り、接続構成部品730の一部を形成しているのは、パイプ部分806である。長さL3は、例えば約1cm〜約10cmで、できる限り短いことが好ましく、これは通常短い長さL3が低周波数での最大減衰周波数に対応するためである。パイプ800の第3の部分806が、約20%〜約100%の間の高い多孔率(すなわち閉鎖面積に対する開口面積のパーセンテージ)を有するように穿孔されることが更に望ましい。
【0051】
図6及び図6Aに示されている円筒状キャビティ710aのように単純な消散型サイレンサ構成部品の幾何形状及び低周波数に対しては、以下に説明するように、1次元分析法を用いて、消散型サイレンサ構成部品710の音響特性を予測することができる。図6及び図6Aのパイプ部分804及び円筒状キャビティ710aの両方における高調平面波伝播では、平均流が無い場合において、連続及び運動量方程式を与える。



【0052】
ここでρ0及びkは、それぞれ空気中の密度及び波数を示し、

円筒状キャビティ710aの壁におけるデカップリング法及び厳しい境界条件(u=0)を考慮すると、消散型サイレンサ構成部品のパイプ部分804の入口(x=0)及び出口(x=L2)における音響圧(p)並びに粒子速度(u)は、以下の式(4)で関係付けることができる。

【0053】
これは、転送行列成分Tij(c0=音速)を定義する。一定の断面積を有するパイプ部分804に対しては、透過損失は転送行列により以下のように計算することができる。

【0054】

境界面での音響圧を関係付ける。吸収性繊維材料512aに面する孔の半経験的音響インピーダンスは、穴幾何形状及び吸収性繊維材料512aの音響特性に関して以下のように表すことができる。

【0055】
ここでtwはパイプ部分804の壁の厚さ、dkは孔の穴径、φはパイプ部分804の多孔率、C1及びC2は経験的に決定される係数である。吸収性材料の音響特性もまた、実験的に得ることができ、周波数(f)及び流れ抵抗(R)の関数として表される。



【0056】
ここで係数C3〜C6及び指数n1〜n4は、吸収性繊維材料512aの特性に依存する。この分析の詳細は、A.Selamet、I.J.Lee、Z.L.Ji、及びN.T.Huffの「有孔吸収型サイレンサの音響減衰性能」、SAE騒音及び振動会議並びに展示会、4月30日〜5月3日、SAE論文No.2001−01−1435、ミシガン州トラバースシティに記載されている。
【0057】
ヘルムホルツ共鳴器構成部品520及び720は、低周波数における有効な音響減衰装置である。各々は、キャビティ部分522、722及びネック部分524a、724aの組み合わせによって決定付けられる共鳴、すなわち最大減衰周波数、これらの寸法、並びに相対的な向きを有する。共鳴周波数は、以下により与えられる典型的な集中分析によって概算することができる。

【0058】
ここでC0は音速、Anはネック部分の断面積、Vcはキャビティ部分の容積、lnはネック部分の長さである(図5、図6及び図6Aを参照のこと)。従って、内燃機関の減衰応用などの音減衰応用における望ましい低共鳴周波数は、大きなキャビティ部分容積(図5における長さL1、L4、及びL5、並びに直径D1、又は図6における長さL1並びに直径D1及びD2に相当)及び長いネック部分(主として、図5における長さL2及び直径D2、又は図6における長さL2及びD3に相当)により達成することができる。大きな断面積An(図5における長さL2及び直径D2、並びに図6における直径D2及びD3の間に形成される面積に相当)は低共鳴周波数にとっては好ましくないが、望ましい広域の透過損失をもたらすことができる。図5及び図6のヘルムホルツ共鳴器構成部品520及び720は、これらの基準に基づいて設計されている。ヘルムホルツ共鳴器520、720の特定の寸法は、減衰対象の用途において支配的な低周波数音源によって決定されることになる。前述の方程式に基づいた初期の設計は、有限要素法などの多次元の音響予測手段を用いて改善及び確定することができる(A.Selamet、I.J.Lee、Z.L.Ji、及びN.T.Huffの「有孔吸収型サイレンサの音響減衰性能」、SAE騒音及び振動会議並びに展示会、4月30日〜5月3日、SAE論文No.2001−01−1435、ミシガン州トラバースシティを参照されたい)。
【実施例2】
【0059】
サイレンサは、図5及び図5Aに示されているように、以下の寸法:L1=9cm;L2=48cm;L3=3cm、パイプ600の第3の部分606において約30%の多孔率で生成された孔;L4=17.8cm;L5=22.9cm、;L6=1.9cm;L7=5.7cm;D1=5.1cm;D2=8.9cmを有するように構成された。楕円形のキャビティ510aは、Owens Corningから製品名ADVANTEX(登録商標)162Aで市販されている製織ガラスフィラメントを含む繊維材料512aにより約100グラム/リットルの充填密度で充填された。
【0060】
音エネルギ源、パイプ600の入口に結合された入口パイプ、及びパイプ600の出口に結合された出口パイプを含む試験装置(図示せず)が準備された。入口及び出口パイプにマイクを備え、これらの位置において約20Hz〜約3200Hzの周波数に対して音圧レベルを感知した。各周波数での音透過損失は、これらのマイクによって生成された信号から求められた。実験は全ての要素を用いて周囲温度で行われた。
【0061】
第1の試験動作中、入口及び出口パイプは、直径2インチであり、パイプ600の直径とおよそ同じであった。第2の試験動作中、入口及び出口パイプは直径3インチであった。入口及び出口パイプとパイプ600の入口及び出口端部との間に3インチから2インチの移行区間が設けられた。
【0062】
図7A及び図7Bは、2つの試験動作の各々についての透過損失対周波数曲線を示している。第1の試験動作は「試作品OCファイナル2インチ」で示されている。第2の試験動作は「試作品OCファイナル3インチ」で示されている。
【0063】
また図7A及び図7Bに示されているのは、従来型の三路反射型製品マフラ、すなわちどのようなタイプの繊維材料も含まない、試作品マフラと同じ外形寸法を有していたマフラに相当する2つのプロットである。製品マフラは、該マフラを貫通して延びる3インチの有孔パイプを含んでいた。図7A及び7Bで示されるように、「製品OC2インチ」で示された第1の試験動作では、試験機器の入口及び出口パイプは直径が2インチであった。2インチ(5.08センチメートル)−3インチ(7.62センチメートル)の移行区間が試験装置の入口及び出口パイプと有孔パイプの入口及び出口の端部との間に設けられた。図7A及び7Bにおいて、「製品OC3インチ」で示された第2の試験動作では、入口及び出口パイプは直径が3インチ(7.62センチメートル)であった。
【0064】
図7A及び図7Bから明らかなように、「試作品OCファイナル2インチ」の試験動作は、約92Hzで最大減衰周波数を有し、この時透過損失は約20dBであった。約92Hz〜約150Hzの周波数では、透過損失曲線は約3dBを超えない範囲で若干減少した。約175Hz以降では、透過損失曲線は約20dBより上を維持した。「試作品OCファイナル3インチ」の試験動作は、約96Hzで最大減衰周波数を有し、この時透過損失は約22dBであった。約92Hz〜約112Hzの周波数では、透過損失曲線は、約2dBを超えない範囲で若干減少した。約140Hz以降では、透過損失曲線は約22dBより上を維持した。これとは対照的に、従来型の製品マフラの両方の動作とも、透過損失が15dBを上回るのが約200Hzより下の狭い周波数領域である透過損失曲線が得られる結果となった。
【実施例3】
【0065】
サイレンサは、図5及び図5Aに示されているように、以下の寸法:L1=12cm;L2=45cm;L3=3cm、パイプ600の第3の部分606において生成された多孔率30%の孔;L4=17.8cm;L5=22.9cm;L6=1.9cm;L7=5.04cm;D1=5.08cm;D2=8.9cmを有するように構成された。楕円形のキャビティ510aは、Owens Corningから製品名ADVANTEX(登録商標)162Aで市販されている低ホウ素、高温の製織ガラスフィラメントを含む繊維材料512aにより約125グラム/リットルの充填密度で充填された。
【0066】
音エネルギ源、パイプ600の入口に結合された入口パイプ、及びパイプ600の出口に結合された出口パイプを含む試験装置(図示せず)が準備された。入口及び出口パイプにマイクを備え、これらの位置において約20Hz〜約3200Hzの周波数に対して音圧レベルを感知した。各周波数における音透過損失は、これらのマイクの出力によって求められた。実験は全ての試験要素を用いて周囲温度で行われた。
【0067】
図8A及び図8Bは、第1のサイレンサを用いた2つの試験動作の各々についての透過損失対周波数曲線を示している。第1の試験動作は「試作品OSU」で示されている。第2の試験動作は「試作品OC」で示されている。
【0068】
図8A及び図8Bの「試作品OSU」及び「試作品OC」で示されている試験動作では、入口及び出口パイプは、直径が2インチであり、パイプ600の直径とおよそ同じであった。
【0069】
図8A及び図8Bにはまた、従来型の三路反射型製品マフラに対応する2つのプロットが示されている。このマフラは、どのようなタイプの繊維材料も含んでおらず、試作品マフラと同じ外形寸法を有していた。マフラは、該マフラを貫通して延びる3インチの有孔パイプを含んでいた。第1及び第2の試験動作で、試験機器の入口及び出口パイプは直径が約2インチ(5.08センチメートル)であった。従って、2インチ−3インチ移行区間が試験装置の入口及び出口パイプと有孔パイプの入口及び出口の端部との間に設けられた。
【0070】
図8A及び図8Bから明らかであるように、「試作品OSU」及び「試作品OC」の試験動作は、約88Hzで最大減衰周波数を有し、この時透過損失は約25dBであった。約70Hz以上の周波数では、透過損失曲線は約15dB以上であった。対照的に、従来型の製品マフラの両方の動作とも、透過損失が15dBを上回るのが約200Hzより下の狭い周波数領域である透過損失曲線が得られる結果となった。
【0071】
図9は、本発明の第3の態様の実施形態に従って構成されたマフラ又はサイレンサ900の断面図である。サイレンサ900は、第1及び第2の消散型サイレンサ構成部品910a及び910b、並びに反応要素構成部品920、すなわちヘルムホルツ共鳴器を含む混成サイレンサを備える。サイレンサ900は、消散型サイレンサ構成部品910a及び910bをヘルムホルツ共鳴器構成部品920と接合する接続構成部品を含んでいない。消散型サイレンサ構成部品910a及び910bは、繊維材料512aのような吸音材料512を含む。
【0072】
サイレンサ900は、金属、樹脂、又は例えば強化繊維及び樹脂材料を含む複合材料で形成される硬質の外側シェル902を含む。外側シェル複合材料の実施例は、名称「バンパ/マフラ組立体」の米国特許第6,668,972号に記載されている。図示された実施形態では、外側シェル902は、ほぼ円筒状の形状を有する。しかしながら、外側シェル902は、消散型サイレンサ構成部品910a及び910b並びにヘルムホルツ共鳴器構成部品920が要求される減衰をもたらすために必要な容積が保持される限り、他のどのような幾何形状をも有することができる。
【0073】
各々が急激な曲げがなく形成されている第1及び第2の有孔パイプ980a及び980bは、外側シェル902に結合され通常は外側シェル902を貫通して途中まで延びて、シェル902内で2つのパイプ980a及び980b間に間隙982が設けられるようにする(図9を参照)。従来型の排気管(図示せず)は、シェル902の外側に位置するパイプ980a及び980bの外側端部に結合することができる。パイプ980a及び980bは、急激な曲げがなく形成されているので、サイレンサ900全体にわたる背圧及び流れ損失が減少される。パイプ980a及び980bは、約5%〜60%の多孔率を有するように形成される。
【0074】
図示された実施形態では、消散型サイレンサ構成部品910a及び910bは各々、内部のほぼ直線状の無孔パイプ914a、914bとパイプ980a、980bのうちの1つとの間で定められるほぼ円筒状キャビティ912a、912bを含む。支持ブラケット(図示せず)は、パイプ914a、914bから延びて、外側シェル902に結合することができる。キャビティ912aは、外径D2、内径D1及び長さL1を有し、キャビティ912bは、外径D2、内径D1及び長さL3を有する。各消散型サイレンサ構成部品910a、910bは、図5及び図5Aで図示された実施形態に関して上述されたように、繊維材料512aで充填することができる。更に、パイプ980aは、消散型サイレンサ構成部品910aの一部を含み、パイプ980bは、消散型サイレンサ構成部品910bの一部を含む。
【0075】
各々が直径D1を備えた第1の開口925cを有する円盤状端部プレート925a及び925bは、キャビティ912a及び912bにおいて繊維材料512aを保持するために備えられる。端部プレート925a及び925bは、パイプ980a、980b、914a、914bに溶接、或いは結合することができる。
【0076】
ヘルムホルツ共鳴器構成部品920は、キャビティ部分922及び間隙982によって定められるネック部分924を含む。キャビティ922は、断面において円筒形状であり、長さ=L1+L2+L3、外径D3及び内径D2を有する。ネック部分924は、内径D1、外径D4、及び長さL2を有する円盤状開口を定める。ネック部分924は、端部プレート925a及び925bで定められる。或いは、ネック部分924は、円錐、円柱及び正方形管体のような他の幾何形状を有することができる。キャビティ部分922への延長部を用いてネック部分924を長くすることは、より低い共鳴周波数を実現するのに役立つ(上記式(7)を参照)。消散型サイレンサ構成部品910aと910bとの間の長さL2を短くすることもまた、低周波数で高い透過損失を達成するのに役立つ場合がある。ネック部分の位置を含む幾何形状の影響は、有限要素法を用いて正確に予測することができる。
【0077】
図10は、本発明の他の態様の実施形態に従って構成されたマフラ又はサイレンサ1000の断面図である。サイレンサ1000は、消散型サイレンサ構成部品1010及び反応要素構成部品1020、すなわちヘルムホルツ共鳴器を含む混成サイレンサを備える。サイレンサ1000は更に、消散型サイレンサ構成部品1010をヘルムホルツ共鳴器構成部品1020と接合又は接続するための接続構成部品1030を含む。消散型サイレンサ構成部品1010は、吸音材料1012を含み、周囲温度で約150Hzを超える周波数において望ましい広帯域騒音減衰を示す。ヘルムホルツ共鳴器1020は、例えば室温で約50から約120Hzまでの、低速内燃機関騒音並びに低次の空気伝播騒音に特有の低周波数において望ましい騒音減衰を示す。従って、サイレンサ1000は、幅広い周波数領域にわたる有効な減衰器である。図10Aは、消散型サイレンサ構成部品1010を別個のチャンバ1010a及び1010bに分離するため該構成部品においてバッフル1014cを含む本発明の消散型サイレンサを示している。
【0078】
サイレンサ1000は、金属、樹脂、又は例えば強化繊維及び樹脂材料を含む複合材料で形成される硬質の外側シェル1002を含む。外側シェル複合材料の実施例は、名称「バンパ/マフラ組立体」の米国特許第6,668,972号に記載されている。図示された実施形態では、外側シェル1002は、ほぼ楕円の形状を有する。外側シェル1002は、消散型サイレンサ構成部品1010及びヘルムホルツ共鳴器構成部品1020が要求される減衰をもたらすために必要な容積が保持される限り、他のどのような幾何形状をも有することができる。
【0079】
ほぼ直線状のパイプ1060、1064のようなパイプは、硬質の外側シェル1002に結合され、外側シェル1002の全長にわたって延びる。パイプは、若干の曲げ又は角度を有するパイプ、すなわちS字パイプ等を含むことができる。図示されてはいないが、従来型の排気管は、パイプ1060、1064の外側の端部と結合することができる。好ましくは、パイプ1064は外側シェル1002の内壁1002aから十分な間隔を置いて配置して、パイプ1064とシェルの内壁1002aとの間に十分な量の繊維材料1012を設けるようにして、外側シェル1002の十分な断熱を可能にし、且つ消散構成部品1010による音響減衰に関する外側シェル1002による干渉を防ぐようにする。
【0080】
パイプ1060の無孔の部分1062は、ヘルムホルツ共鳴器1020のキャビティ1022を貫通して延びている。パイプ1064は有孔であり、消散型サイレンサ1010の一部を形成する。パイプ1060と1064との間には、接続構成部品1030があり、これは消散型サイレンサ構成部品1010及び反応構成部品1020をパイプ1062に接合する。通常パイプ1064は、約5%〜約60%の間の多孔率(すなわち閉鎖面積に対する開口面積のパーセンテージ)になるように穿孔されている。
【0081】
ヘルムホルツ共鳴器のキャビティ1022は、任意選択的に音響特性を改善するガラス、鉱物、又は金属繊維などの繊維材料1070を含むことができる。従って、本発明のサイレンサは、周囲温度で約150Hzより高い周波数において望ましい広帯域騒音減衰を示す消散型サイレンサ、及び例えば周囲温度で約50から約120Hzまでの低周波数において望ましい騒音減衰を示す共鳴構成部品を含み、広範囲の周波数にわたって有効な減衰器を形成する。
【0082】
当該者であれば、本説明及び図面が種々の形態で実施することができる広範な教示を形成することが理解されるであろう。本発明は、特定の実施例及び図面を参照しながら説明してきた。しかしながら、図面、明細書及び請求の範囲を精査すると、当業者であればその修正及び変形は明らかであることから、本発明の真の範囲は特定の実施例及び図面に限定されるものはない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】従来技術の吸収型マフラの平面図である。
【図1A】内部バッフルを含む吸収型マフラの平面図である。
【図2A】内部バッフルを備えた消散型サイレンサ及びこうしたバッフルが無い消散型サイレンサについて境界要素法(BEM)予測の空気流の無い透過損失(y)対周波数(x)のグラフである。
【図2B】1つ及び2つの内部バッフルを含む消散型サイレンサ及びこのようなバッフルが無い消散型サイレンサについて生成された実験データの空気流の無い透過損失(y)対周波数(x)のグラフである。
【図3】排気システムにサイドブランチとして配置された従来技術のヘルムホルツ共鳴器の平面図である。
【図3A】排気システムにサイドブランチとして配置された、繊維材料で内側を覆われた従来技術のヘルムホルツ共鳴器の平面図である。
【図4】様々な量の繊維質充填材料を含むヘルムホルツ共鳴器について生成された実験データの空気流の無い透過損失(y)対周波数(x)のグラフである。
【図5】本発明のサイレンサの平面図である。
【図5A】線5Aに沿って取られた図5の断面図である。
【図6】本発明のサイレンサの平面図である。
【図6A】線6Aに沿って取られた図6の断面図である。
【図7A】本発明の実施形態によるサイレンサの4つの試作品と、2つの異なる寸法の入口及び出口パイプを備えた従来技術による反射型マフラを用いたサイレンサとについて生成された実験データの空気流の無い透過損失(y)対周波数(x)のグラフである。
【図7B】本発明の実施形態によるサイレンサの4つの試作品と、2つの異なる寸法の入口及び出口パイプを備えた従来技術による反射型マフラを用いたサイレンサとについて生成された実験データの空気流の無い透過損失(y)対周波数(x)のグラフである。
【図8A】本発明による4つのマフラの実施形態について生成された実験データの空気流の無い透過損失(y)対周波数(x)のグラフである。
【図8B】本発明による4つのマフラの実施形態について生成された実験データの空気流の無い透過損失(y)対周波数(x)のグラフである。
【図9】本発明によるサイレンサの平面図である。
【図9A】線9Aに沿って取られた図9の断面図である。
【図10】本発明の少なくとも1つの実施形態によるバッフルを含むサイレンサの平面図である。
【図10A】図10のサイレンサに有用なバッフルを含む吸収型マフラの平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部分並びに第1及び第2の端部を有する外側シェルと、
前記本体部分を通って排気ガスを移送する排気ダクトと、
前記本体内に配置され、前記排気ダクトを囲む消散型サイレンサと、
前記本体内に配置されるチャンバ及びスロート部を含むヘルムホルツ共鳴器とを備え、
前記排気ダクトが有孔排気ダクトであり、少なくとも1つの孔が前記共鳴器のスロート部に音響的に結合されていることを特徴とする内燃機関用サイレンサ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの孔が前記消散型サイレンサと音響的に結合されていることを特徴とする請求項1に記載のサイレンサ。
【請求項3】
前記排気ダクトが前記消散型サイレンサ及び前記ヘルムホルツ共鳴器チャンバを貫通し、前記排気ダクトが該ダクトの第1及び第2の部分に沿って複数の孔を有し、且つ前記ダクトの第3の部分に沿って無孔であり、前記排気ダクトの前記第1の部分が前記ヘルムホルツ共鳴器のスロート部と音響的に結合されており、前記ダクトの第2の部分が前記消散型サイレンサと音響的に結合され、前記ダクトの第3の部分が前記共鳴器を貫通することを特徴とする請求項1に記載のサイレンサ。
【請求項4】
各々がチャンバ及びスロート部を含む第1及び第2の共鳴器と、
第1及び第2の消散型サイレンサと、
を更に備え、
前記排気ダクトが前記第1及び第2の消散型サイレンサ並びに前記第1及び第2の共鳴器チャンバを貫通し、且つ前記排気ダクトの第1、第2及び第3の部分に沿って複数の孔を有し、前記排気ダクトの第4及び第5の部分に沿って無孔であり、
前記排気ダクトの第2の部分が、前記第1及び第2の共鳴器のスロート部と音響的に結合されており、前記ダクトの第1及び第3の部分が前記消散型サイレンサに音響的に結合され、前記排気ダクトの第4及び第5の部分が前記共鳴器を貫通することを特徴とする請求項1に記載のサイレンサ。
【請求項5】
前記排気ダクトの第3の部分が前記共鳴器と音響的に結合されていないことを特徴とする請求項4に記載のサイレンサ。
【請求項6】
前記共鳴器チャンバが多孔性材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のサイレンサ。
【請求項7】
前記多孔性材料が、繊維材料であることを特徴とする請求項6に記載のサイレンサ。
【請求項8】
前記多孔性材料が本質的にガラス繊維及びミネラルウール繊維からなるグループから選択されることを特徴とする請求項6に記載のサイレンサ。
【請求項9】
前記多孔性材料が耐熱ガラス繊維であることを特徴とする請求項8に記載のサイレンサ。
【請求項10】
前記消散型サイレンサが該消散型サイレンサ内に少なくとも1つのバッフルを含むことを特徴とする請求項1に記載のサイレンサ。
【請求項11】
前記少なくとも1つのバッフルが前記消散型サイレンサを複数の独立した音響チャンバに分離することを特徴とする請求項10に記載のサイレンサ。
【請求項12】
前記サイレンサの第1の端部と、
前記サイレンサの第2の端部と、
を更に備え、
前記ヘルムホルツ共鳴器チャンバが前記サイレンサの第2の端部に配置され、
前記消散型サイレンサが前記第1及び第2の端部の間に配置され、且つ前記ヘルムホルツ共鳴器のスロート部が、前記サイレンサの第1の端部に隣接する前記排気ダクトに音響的に結合された前記消散型サイレンサの長さに沿って実質的に延びていることを特徴とする請求項1に記載のサイレンサ。
【請求項13】
前記サイレンサの第1の端部において前記サイレンサに排気が入力されることを特徴とする請求項12に記載のサイレンサ。
【請求項14】
前記サイレンサの第2の端部において前記サイレンサに排気が入力されることを特徴とする請求項12に記載のサイレンサ。
【請求項15】
前記スロート部がほぼ輪状の断面を有し、且つ前記消散型サイレンサを囲むことを特徴とする請求項12に記載のサイレンサ。
【請求項16】
前記スロート部がほぼ円形の断面を有することを特徴とする請求項12に記載のサイレンサ。
【請求項17】
前記共鳴器内に繊維質充填材料を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のサイレンサ。
【請求項18】
前記共鳴器が少なくとも1つの壁を含み、前記繊維質充填材料が前記共鳴器の少なくとも1つの壁を覆うことを特徴とする請求項17に記載のサイレンサ。
【請求項19】
前記消散型サイレンサ内に少なくとも1つのバッフルを更に備える請求項1に記載のサイレンサ。
【請求項20】
本体部分並びに第1及び第2の端部を有する外側シェルと、
第1及び第2の部分に沿って複数の孔を有する排気ダクトと、
前記本体内に配置された、チャンバ及び前記排気ダクトの第1の区分において少なくとも1つの孔に音響的に結合されているスロート部を含む共鳴器と、
前記本体内に配置され且つ前記排気ダクトの第2の部分を囲む消散型サイレンサと、
を備え、
前記排気ダクトが前記消散型サイレンサ及び前記共鳴器チャンバを貫通し、前記排気ダクトが前記ダクトの第1及び第2の部分に沿って複数の孔を有し、前記ダクトの第3の部分が無孔であり、前記ダクトの第1区分が前記共鳴器のスロート部に音響的に結合され、前記ダクトの第2区分が前記消散型サイレンサに音響的に結合され、前記ダクトの第3区分が前記共鳴器を貫通することを特徴とする内燃機関用サイレンサ。
【請求項21】
前記排気ダクトが前記消散型サイレンサ及び前記共鳴器チャンバを貫通し、前記排気ダクトが前記ダクトの第1及び第2の部分に沿って複数の孔を有し、前記ダクトの第3の部分が無孔であり、前記ダクトの第1の部分が前記共鳴器のスロート部に音響的に結合され、前記ダクトの第2の部分が前記消散型サイレンサに音響的に結合され、前記ダクトの第3の部分が前記共鳴器を貫通することを特徴とする請求項20に記載のサイレンサ。
【請求項22】
前記共鳴器のチャンバが前記外側シェルの第2の端部に配置され、前記消散型サイレンサが前記第1及び第2の端部間に配置され、前記共鳴器のスロート部が前記消散型サイレンサの長さに沿って実質的に延びており、且つ前記シェルの第1の端部に隣接する前記排気ダクトに音響的に結合されていることを特徴とする請求項20に記載のサイレンサ。
【請求項23】
前記チャンバの第1の端部において前記サイレンサに排気が入力されることを特徴とする請求項22に記載のサイレンサ。
【請求項24】
前記サイレンサの第2の端部において前記サイレンサに排気が入力されることを特徴とする請求項22に記載のサイレンサ。
【請求項25】
前記スロート部がほぼ輪状の断面を有し、且つ前記消散型サイレンサを囲むことを特徴とする請求項22に記載のサイレンサ。
【請求項26】
前記スロート部がほぼ円形の断面を有することを特徴とする請求項22に記載のサイレンサ。
【請求項27】
前記共鳴器内に繊維質充填材料を更に含むことを特徴とする請求項20に記載のサイレンサ。
【請求項28】
前記共鳴器が少なくとも1つの壁を含み、前記繊維質充填材料が前記共鳴器の少なくとも1つの壁を覆うことを特徴とする請求項27に記載のサイレンサ。
【請求項29】
前記消散型サイレンサ内に少なくとも1つのバッフルを更に備える請求項20に記載のサイレンサ。
【請求項30】
本体部分並びに第1及び第2の端部を有する外側シェルと、
前記本体内に配置されたチャンバ及びスロート部を含む共鳴器と、
前記本体内に配置された消散型サイレンサと、
前記第1の端部を通って前記外側シェルに入り、前記本体部分を通って排気ガスを移送して前記第2の端部から出る、第1及び第2の部分に沿って複数の孔を有する排気ダクトと、
を備え、
前記排気ダクトが前記消散型サイレンサ及び前記共鳴器チャンバを貫通し、前記ダクトの第1の部分が前記共鳴器のスロート部に音響的に結合され、前記ダクトの第2の部分が前記消散型サイレンサに音響的に結合されていることを特徴とするサイレンサ。
【請求項31】
前記共鳴器を貫通する無孔の前記排気ダクトの第3の部分を更に備えることを特徴とする請求項30に記載のサイレンサ。
【請求項32】
前記共鳴器のチャンバが前記外側シェルの第2の端部に隣接して配置され、前記消散型サイレンサが前記第1と第2の端部間に配置され、前記共鳴器の前記スロート部が前記消散型サイレンサの長さに沿って実質的に延び、且つ前記シェルの第1の端部に隣接する前記排気ダクトに音響的に結合されていることを特徴とする請求項30に記載のサイレンサ。
【請求項33】
前記外側シェルの第1の端部において前記サイレンサに排気が入力されることを特徴とする請求項32に記載のサイレンサ。
【請求項34】
前記外側シェルの第2の端部において前記サイレンサに排気が入力されることを特徴とする請求項32に記載のサイレンサ。
【請求項35】
前記スロート部がほぼ輪状の断面を有し、且つ前記消散型サイレンサを囲むことを特徴とする請求項32に記載のサイレンサ。
【請求項36】
前記スロート部がほぼ円形の断面を有することを特徴とする請求項32に記載のサイレンサ。
【請求項37】
前記共鳴器内に繊維質充填材料を更に含む請求項30に記載のサイレンサ。
【請求項38】
前記共鳴器が少なくとも1つの壁を含み、前記繊維質充填材料が前記共鳴器の少なくとも1つの壁を覆うことを特徴とする請求項37に記載のサイレンサ。
【請求項39】
前記消散型サイレンサ内に少なくとも1つのバッフルを更に含む請求項30に記載のサイレンサ。
【請求項40】
第1及び第2の端部を有する外側シェルと、
前記外側シェル内にチャンバ及びスロート部を含む共鳴器と、
前記本体内に配置された消散型サイレンサと、
前記第1の端部を通って前記外側シェルに入り、前記消散型サイレンサを通って排気ガスを移送する、前記消散型サイレンサ内に複数の孔を有する第1の排気ダクトと、
前記共鳴器を貫通して、前記第2の端部を通って出る第2の排気ダクトと、
前記外側シェル内にあり、前記第1及び第2の排気ダクト並びに前記共鳴器と流体連通した中間チャンバと、
前記消散型サイレンサ内で前記サイレンサを別個の音響チャンバに分離するバッフルと、
を有することを特徴とするサイレンサ。
【請求項41】
前記共鳴器内にある繊維質充填材料を更に含む請求項40に記載のサイレンサ。
【請求項42】
前記共鳴器が更に少なくとも1つの壁を含み、前記繊維質充填材料が前記共鳴器の少なくとも1つの壁を覆うことを特徴とする請求項41に記載のサイレンサ。
【請求項43】
前記消散型サイレンサ内に複数のバッフルを更に備えることを特徴とする請求項40に記載のサイレンサ。
【請求項44】
第1及び第2の端部を有する外側シェルと、
前記外側シェル内に配置されたチャンバ及びスロート部を含む共鳴器と、
前記本体内に配置された消散型サイレンサと、
前記第1の端部を通って外側シェルに入って前記消散型サイレンサを通って排気ガスを移送する、前記消散型サイレンサ内に複数の孔を有する第1の排気ダクトと、
前記共鳴器を貫通して前記第2の端部を通って出る第2の排気ダクトと、
前記外側シェル内にあり、前記第1及び第2の排気ダクト並びに前記共鳴器と流体連通した中間チャンバと、
前記共鳴器内にある繊維質充填材料と、
を有することを特徴とするサイレンサ。
【請求項45】
前記共鳴器が更に少なくとも1つの壁を含み、繊維質充填材料が前記共鳴器の少なくとも1つの壁を覆うことを特徴とする請求項44に記載のサイレンサ。
【請求項46】
前記消散型サイレンサ内で前記サイレンサを別個の音響チャンバに分離するバッフルを更に備えることを特徴とする請求項44に記載のサイレンサ。
【請求項47】
前記消散型サイレンサ内に複数のバッフルを更に備えることを特徴とする請求項44に記載のサイレンサ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−525471(P2006−525471A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513432(P2006−513432)
【出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/013224
【国際公開番号】WO2004/099576
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(595080337)オウェンス コーニング (19)
【出願人】(505407656)ザ オハイオ ステイト ユニヴァーシティー リサーチ ファウンデーション (1)
【Fターム(参考)】