説明

乗員撮影装置

【課題】安価な構成で、必要な波長域の光を遮蔽せずに、ドライバの通常運転にとって有害な発光色の光を遮蔽する技術を提供すること。
【解決手段】撮影装置100の投光器3は、複数のLEDが回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有しており、具体的には、この並べられたLEDのうち回路基板3d上には赤み低減LED3bと近赤外LED3aが配置される。赤み低減LED3bの駆動周波数を近赤外LED3aよりも予め高く設定されており、図示しない制御回路により、カメラ2のシャッターと連動して点灯するように制御されている。同時に目に届く光のうちその出力が他方よりも強い光の色を強く意識するため、起動当初から、その出力が他方よりも弱い光の色については相対的に気にならなくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安価な構成で、必要な波長域の光を遮蔽せずに、ドライバの通常運転にとって有害な発光色の光を遮蔽する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車内におけるメータ付近に設置され、近赤外光を含む光をドライバの顔に向けて照射する投光器と、同様にメータ付近に設置され、投光器によって照射された後にドライバの顔で反射された反射光を撮像するカメラと、を備える撮影装置が知られている。
【0003】
このような撮影装置では、ドライバの眠気や脇見運転などといった不安全な状態を、顔画像を含むセンシング手段を用いて検出し、昼夜問わず安定して顔画像を撮像するために、参照光として投光器から近赤外光を含む光をドライバの顔画像に向けて点灯させる。
【0004】
このような撮影装置の中には、撮影対象である人間に撮影していることを気付かせないため、上述のような投光器と、人間に不感な波長領域の電磁波により人間を撮影する撮影手段と、人間に不感な波長領域の電磁波を透過すると共に可視光を遮蔽する可視光遮蔽手段を備え、撮影手段と人間の間の光路に可視光遮蔽手段を設置して、撮影手段を人間が可視できないように構成し、さらに、人間に不感な波長領域の電磁波を撮影対象に照射する照射手段を備えるものがある(例えば、特許文献1参照。)。なお、投光器の具体例としてはLEDなどが挙げられる。すなわち、近赤外の光源としては、LEDが適している。また、LEDは、単一波長だけでなくある幅をもった波長域を有している。
【0005】
また、このような撮影装置の中には、近赤外領域に対して感度の高い撮像素子を用いることでより長波長側の感度を高めたものがある(例えば、特許文献2〜4参照。)。
なお、従来の投光器の中には、通常、十分な撮像を行うためには1個のLEDでは光量が不足するため、回路基板204上にLED203をアレイ状に並べて、カメラが所望の画像を得られるように輝度を稼ぐとともに、顔面に均一に近赤外光を照射するように拡がりを持たせているものがある。このような発光器においては、LEDは連続発光させても良いが、通常はカメラのシャッタースピードに同期させてパルス発光させる。この目的は、LEDの長寿命化と消費電流の低減である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−189166号公報
【特許文献2】特開平6−233306号公報
【特許文献3】特開2001−18717号公報
【特許文献4】特開2001−194161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述の特許文献1に記載の撮影装置においては、上述のようなLEDが単一波長だけでなくある幅をもった波長域を有しているため、安価な可視光遮蔽手段が可視光波長を完全に遮蔽しようとすると、同時に必要な不可視光波長域も遮蔽してしまうという問題があった。なお、上述の可視光遮蔽手段を、可視光波長を完全に遮蔽可能なフィルタにて構成することも考えられるが、このような場合、高価な多層膜で構成された薄膜フィルタが必要となり実用的ではない。
【0008】
また、LEDとして長波長のものを用いると安価な撮像素子の分光感度の低い領域を使うことになるため、効率が悪いという問題がある。なお、上述の特許文献2〜4に記載の撮影装置のように、近赤外領域に対して感度の高い撮像素子を用いることでより長波長側の感度を高めることも考えられるが、そのような撮像素子は高価であるため実用性に乏しい。
【0009】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、安価な構成で、必要な波長域の光を遮蔽せずに、ドライバにとって有害な発光色の光を遮蔽する技術を提供することにある。ここで有害とは、はっきりした意識と適度な緊張感を持って正常に運転しているドライバに対して、正常運転を妨げるような意味の無いメッセージを与えるようなことをいう。例えば、赤色の発光色は車両故障時や警告メッセージに通常用いられる色であり、それが常時点灯しているような状態は、緊急メッセージを伝えるときに紛らわしいため好ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る投光器は、それぞれ波長が異なる複数の光源から照射される光が混色されてドライバの目に届く位置関係で前記複数の光源が車室内に配置されており、前記複数の光源の発光量を光源ごとに制御する制御手段を備え、前記複数の光源のうちの二種類の波長の光源については、その一方の波長の光源が可視光を含む近赤外線を照射可能であり、前記制御手段は、起動時における他方の波長の光源の発光量が高くなるよう制御することを特徴とする。
【0011】
このように構成された本発明の投光器によれば、例えば、可視光に近い波長の近赤外投光器を用いた場合でも、他波長の光を混色することで赤みを低減し、ドライバに赤色が見えないようにでき、また、赤色に敏感に反応するドライバに混乱が起こさせないようにすることができる。したがって、安価な構成で、必要な波長域の光を遮蔽せずに、ドライバの通常運転にとって有害な発光色の光を遮蔽することができる。
【0012】
そして、上述の複数の光源のうちの二種類の波長の光源については、一方の光源が可視光を含む近赤外線を照射可能であり、複数の光源の制御値を光源ごとに制御する制御手段が、起動時における他方の光源の発光量を高くなるよう制御しているため、次のような効果を発揮する。
【0013】
例えば、可視光である赤色を含む光を照射可能な光源と、可視光である緑色を含む光を照射可能な光源と、が上述の複数の光源に含まれる場合に、後者の出力を前者の出力よりもドライバの視感度として高くなるよう出力制御するといった具合に、同時に目に届く光のうちその出力が他方よりも強い光の色を強く意識するため、その出力が他方よりも弱い光の色については相対的に気にならなくすることができる。
【0014】
また、請求項2に記載の投光器は、それぞれ波長が異なる複数の光源から照射される光が混色されてドライバの目に届く位置関係で前記複数の光源が車室内に配置される投光器であって、複数の光源の制御値を光源ごとに制御する制御手段を備え、複数の光源のうちの二種類の波長の光源については、その一方の波長の光源が可視光を含む近赤外線を照射可能であり、起動時における他方の波長の可視光部分の視感度が、近赤外光を含む光源の可視光成分の視感度より発光量が予め高くなるよう設定されており、制御手段は、その予め設定された発光量に応じて前記他方の光源の制御値を制御することを特徴とする。
【0015】
このように構成された本発明の投光器によれば、例えば、可視光に近い波長の近赤外投光器を用いた場合でも、他波長の光を混色することで赤みを低減し、ドライバに赤色が見えないようにでき、また、赤色に敏感に反応するドライバに混乱が起こさせないようにすることができる。したがって、安価な構成で、必要な波長域の光を遮蔽せずに、ドライバの通常運転にとって有害な発光色の光を遮蔽することができる。
【0016】
そして、上述の複数の光源のうちの二種類の波長の光源については、一方の光源が可視光を含む近赤外線を照射可能であり、起動時における他方の光源の発光量が予め高く設定されており、複数の光源の制御値を光源ごとに制御する制御手段が、その予め設定された発光量に応じて前記他方の光源の制御値を制御しているため、次のような効果を発揮する。
【0017】
例えば、可視光である赤色を含む光を照射可能な光源と、可視光である緑色を含む光を照射可能な光源と、が上述の複数の光源に含まれる場合に、後者の出力を前者の出力よりも高くなるよう出力制御するといった具合に、同時に目に届く光のうちその出力が他方よりも強い光の色を強く意識するため、起動当初から、その出力が他方よりも弱い光の色については相対的に気にならなくすることができる。
【0018】
また、請求項3に記載の投光器は、それぞれ波長が異なる複数の光源から照射される光が混色されてドライバの目に届く位置関係で前記複数の光源が車室内に配置される投光器であって、複数の光源の制御値を光源ごとに制御する制御手段を備え、複数の光源のうちの二種類の波長の光源については、その一方の波長の光源が可視光を含む近赤外線を照射可能であり、制御手段が、他方の波長の可視光成分の視感度が、近赤外光を含む光源の可視光成分の視感度より高くなるよう光源の発光量を当該投光器の起動後に制御することを特徴とする。
【0019】
このように構成された本発明の投光器によれば、例えば、可視光に近い波長の近赤外投光器を用いた場合でも、他波長の光を混色することで赤みを低減し、ドライバに赤色が見えないようにでき、また、赤色に敏感に反応するドライバに混乱が起こさせないようにすることができる。したがって、安価な構成で、必要な波長域の光を遮蔽せずに、ドライバの通常運転にとって有害な発光色の光を遮蔽することができる。
【0020】
そして、上述の複数の光源のうちの二種類の波長の光源については、一方の光源が可視光を含む近赤外線を照射可能であり、複数の光源の制御値を光源ごとに制御する制御手段が、他方の光源の発光量を起動後に高めるよう制御しているため、次のような効果を発揮する。
【0021】
例えば、可視光である赤色を含む光を照射可能な光源と、可視光である緑色を含む光を照射可能な光源と、が上述の複数の光源に含まれる場合に、後者の出力を前者の出力よりも高くなるよう出力制御するといった具合に、同時に目に届く光のうちその出力が他方よりも強い光の色を強く意識するため、その出力が他方よりも弱い光の色については相対的に気にならなくすることができる。
【0022】
なお、上述した各発明においては、上述の複数の光源のうちの二種類の波長の光源については、その一方の光源が可視光を含む近赤外線を照射可能であるため、人間にとって注意を引く可視光をドライバに照射することにより、ドライバに対して監視されているという緊張感を与えることができ、予防安全に良い効果を与えることもできる。
【0023】
なお、上述した各発明における複数の光源については、請求項4に示すように、ドライバの正面方向から光を照射可能な位置に配置することが考えられる。このように構成すれば、上述の各光源が照射する光をドライバの正面方向から照射することができ、カメラでの撮影時に顔面を均一に照明することができる。
【0024】
ところで、上述の複数の光源の出力レベルを手動で調整可能とすることが考えられる。具体的には、請求項5のように、複数の光源の制御値の変更量を光源ごとに入力可能な入力手段を備え、制御手段が、入力手段に入力された前記変更量に基づき、複数の光源の制御値を光源ごとに調整することが考えられる。このように構成すれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0025】
なお、本発明については、撮影装置として実現することができる。具体的には、請求項6のように、請求項1〜請求項5の何れかに記載の投光器と、前記投光器によって照射された後にドライバの顔で反射された反射光を撮像するカメラと、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)は第一実施形態の撮影装置の構成を示す説明図であり、(b)は、車両の室内の様子を示す説明図である。
【図2】第一実施形態の撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図3】赤み低減LEDの発光パターンを示す説明図である。
【図4】(a)は投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(1)であり、(b)は投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(2)であり、(c)は投光器によって投光された光の構成を説明する説明図であり、(d)は投光器内における赤外LEDを示す説明図であり、(e)は赤外LEDの指向特性の一例を示す説明図である。
【図5】近赤外LEDおよび赤み低減LEDの発光を制御する発光制御処理を示すフローチャートである。
【図6】(a)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(1)であり、(b)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(2)であり、(c)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(3)であり、(d)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(4)であり、(e)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(5)であり、(f)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(6)であり、(g)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(7)である。
【図7】(a)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(8)であり、(b)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(9)であり、(c)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(10)であり、(d)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(11)であり、(e)は別実施形態の投光器内におけるLEDの配置を示す説明図(12)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[第一実施形態]
図1および図2に、第一実施形態の撮影装置100の構成を示す。
【0028】
[撮影装置100の構成の説明]
図1に示すように、撮影装置100は、個人認証と閉眼検出とを実行するシステムであり、重量検知スイッチ1と、カメラ2と、光源としての投光器3と、LED制御回路4と、制御手段としての画像処理回路5とを備えている。
【0029】
[重量検知スイッチ1の構成の説明]
重量検知スイッチ1は、運転者の存在を検知するためのものであり、運転席のシート座面に組み込まれている。重量検知スイッチ1は、運転者を検知したとき、画像処理回路5にその旨の信号を出力するようになっている。
【0030】
[カメラ2の構成の説明]
カメラ2は、運転席に着座している運転者の顔画像を撮影するものであり、例えば、近赤外線カメラが用いられている。また、カメラ2は、自動車内部のうち、運転席に着座している運転者の顔を撮れる位置に配置されている。具体的には、カメラ2は、図1に示すように、インストルメントパネル内の計器盤またはその近傍に設置されており、目立たないように奥まった場所に位置している。
【0031】
なお、カメラ2を、例えば、インストルメントパネル中央のエアコンのフェイス吹き出し口近傍に設置することもできる。しかし、カメラ2の設置場所としては、運転者の顔を正面から撮れる位置が適しているため、インストルメントパネルの中央よりも、運転席の前に位置する場所(例えばインストルメントパネル内の計器盤)が好ましい。
【0032】
このカメラ2は、画像処理回路5の作動指示信号を受けて作動し、取得した運転者の顔画像を画像処理回路に出力するようになっている。
[投光器3の構成の説明]
次に、投光器3の構成について説明する。なお、図4(a)は投光器3内におけるLEDの配置を示す説明図(1)であり、図4(b)は投光器3内におけるLEDの配置を示す説明図(2)であり、図4(c)は投光器3によって投光された光の構成を説明する説明図であり、図4(d)は投光器3内における赤外LEDを示す説明図であり、図4(e)は赤外LED3aの指向特性の一例を示す説明図である。
【0033】
投光器3は、運転者の顔に向けて近赤外線を照射するものであり、近赤外LED3aと、赤み低減LED3bと、から構成される。具体的には、図4(a)、図4(b)および図7(d)に示すように、投光器3は、複数のLEDが回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有している。
【0034】
そして、この並べられたLEDのうち回路基板3d上のほぼ中央のLEDは赤み低減LED3bであり、それ以外のLEDは近赤外LED3aである。なお、投光器3も、カメラ2と同様に、インストルメントパネル内の計器盤に設置されており、カメラ2の近傍(例えばインストルメントパネル内の計器盤)に配置されている。
【0035】
また、投光器3の近赤外LED3aは、その一方が近赤外LED制御回路4a(後述)に接続され、他方が抵抗器を介して設置されている。また、投光器3の赤み低減LED3bも同様に、その一方が赤み低減LED制御回路4b(後述)に接続され、他方が抵抗器を介して設置されている。
【0036】
なお、回路基板3dにおけるLEDの配置については、アレイ状のLEDのピッチが、通常の運転姿勢における人間の眼の視細胞より粗い場合、局所的に赤や他の色が見えてしまい十分に混色できないため、図4(b)におけるアレイ状のLEDのピッチは十分小さくする必要がある。
【0037】
次に、図4(c)の色度座標で混色について説明する。例えば、近赤外LED3aから発する可視光(赤)の座標と、純度の高い緑色が同じパワーで混ざった場合、人間には黄色に知覚される(図中の真ん中の○)。そのため、それぞれのパワーがアンバランスな場合は、赤と緑の直線状のどちらかにシフトする。よって、赤みを低減したい場合、色度座標上の離れた場所の光を発する光源を選択して混色するとより効果的であり、且つ常にその色のパワーを強めに設定すると効果的である。使用する赤み低減LED3bが色度座標の中央にくる白色である場合は、ドライバが眩しく感じない範囲で白色を強く設定すると良い。色の比視感度には個人差があるので、一概に数値で抑えることはできない。ドライバが色の混ざり具合を調整つまみにより可変できるようにしても良い。
【0038】
また、投光器3は、LED制御回路4から電流が供給されることで、点灯するようになっている。また、投光器3は、図示しない制御回路により、カメラ2のシャッターと連動して点灯するように制御されている。例えば、カメラ2が取得する画像は、1秒間に30フレームである。したがって、カメラ2が1フレームの画像を取得するタイミングで投光器3は点灯する。すなわち、投光器3は、カメラ2のシャッターが開くときに合わせて、点灯を開始し、カメラ2のシャッターが閉じると点灯を終了するようになっている。
【0039】
[LED制御回路4の構成の説明]
LED制御回路4は、投光器3の制御値を制御する回路であり、投光器3の近赤外LED3aの制御値を制御する近赤外LED制御回路4aと投光器3の赤み低減LED3bの制御値を制御する赤み低減LED制御回路4bとから構成され、車両に搭載されている。なお、LED制御回路4は、投光器3の制御値の設定値を複数の大きさの制御値に切り替えることができるようになっている。
【0040】
この複数の大きさの制御値とは、画像処理回路5が有する機能に応じて設定された制御値のことである。本実施形態では、顔画像を用いた個人認証を実行する場合と閉眼検出を実行する場合とで制御値を適切に与えるように制御している。
LED制御回路4は、画像処理回路5の指示信号を受けて、投光器3に与える制御値の設定変更を行うようになっている。
【0041】
また、LED制御回路4は、設定された制御値を、画像処理回路5の指示信号を受けて、投光器3の発光量を微調整するように、変更することもできるようになっている。
なお、この微調整は、カメラ2が取得した顔画像の輝度値が、所定範囲から外れた場合に、フィードバックしてカメラ2が顔画像を取得する際に行われるものである。すなわち、この微調整は、顔画像の輝度値が低すぎたり、高すぎたりした場合に、初めて行われる機能であり、顔画像を用いた個人認証処理や閉眼検出処理に応じて、設定値を変更する上記した機能とは異なる。
【0042】
[画像処理回路5の構成の説明]
画像処理回路5は、個人認証処理や閉眼検出処理、画像処理、撮像制御処理を実行する機能を有するものである。この画像処理回路5は、車両に搭載されており、主に、DSP(Digital Signal Processor)、CPU、メモリ、電圧変換回路を有している。
【0043】
このうちDSPは、CPUからの作動指示信号を受けて、カメラ2から入力された顔画像を処理して、個人認証や閉眼検出を実行するものである。
また、CPUは、システム全体を制御するものである。すなわち、CPUは、カメラ2、LED制御回路4、DSPに対してそれぞれ作動指示信号を出力する。これにより、LED制御回路4が設定値を変更したり、カメラ2が運転者の顔画像を取得して、その顔画像を画像処理回路5に出力したり、DSPが個人照合や閉眼検出を実行したりする。
【0044】
また、メモリには、カメラ2から入力された顔画像が一時的に記憶される。また、メモリには、個人認証に用いられる運転者の特徴量があらかじめ記憶されている。DSPは、例えば、個人認証の際では、このメモリに一時的に記憶された顔画像を処理して、特徴量を検出し、検出した特徴量を、このメモリにあらかじめ記憶されている運転者の特徴量と照合するようになっている。
【0045】
また、電圧変換回路は、バッテリから供給される電圧を必要な電圧に変換するものである。この電圧変換回路を介して、バッテリから、カメラ2、LED3、LED制御回路4、画像処理回路5のCPU、DSP等に対して、必要な大きさの電圧が供給される。
【0046】
また、画像処理回路5は、図示していないが、重量検知スイッチ1から乗員検知信号がCPUに入力されるようになっている。そして、画像処理回路5は、ドアがロック状態からアンロック状態となることで、その旨の信号が図示しないドアECUから入力された場合に、スタンバイ状態となる。さらに、画像処理回路5は、重量検知スイッチ1から乗員検知信号が入力されたとき、CPUから、カメラ2、LED制御回路4、DSPに対して起動指示信号を出力するようになっている。
【0047】
なお、画像処理回路5が制御する近赤外LED3aおよび赤み低減LED3bの発光パターンの一例を図3に示す。基本的には、近赤外LED3aの可視発光色を薄めることが目的であるので、同じ周波数でかつ若干デューティを広く取れば良い。ただ、近赤外LED3aの発光周波数が例えば30Hzより低い場合など、ドライバがフリッカを感じるような場合においては、この赤み低減LED3bの駆動周波数は近赤外LED3aよりも高く設定した方が良い。また、消費電力やLED寿命の制限がない場合はDC駆動でも良いが、常に一定の明るさではなく環境光に対しアクティブに変化させた方が良いため、この場合は制御値を制限できるようにした方が良い。
【0048】
また、近赤外LED3aと赤み低減LED3bの駆動回路を共通化してもよい。その場
合、近赤外LED3aと赤み低減LED3bを同時点灯しても良いが、スイッチング回路を用いて交互に駆動するとよい。そうすることにより、回路削減とともにコンデンサの容量を小さくすることができる。
【0049】
[発光制御処理の説明]
次に、撮影装置100のLED制御回路4および画像処理回路5が実行する発光制御処理を、図5のフローチャートを参照して説明する。この処理は、撮影装置100の電源が投入された際に実行される。
【0050】
まず、重量検知スイッチ1からの出力信号に基づいて乗員(運転者)を検出する(S110)。重量検知スイッチ1が、運転者を検知したとき、画像処理回路5にその旨の信号を出力する。
【0051】
続いて、待機中の画像処理回路5が、重量検知スイッチ1からの信号を受信した際に起動する(S120)。画像処理回路5の起動に続いて、近赤外LED制御回路4aおよびカメラ2が起動し(S130)、さらに、赤み低減LED制御回路4bが起動する(S140)。
【0052】
続いて、画像処理回路5が、近赤外LED制御回路4aに対して近赤外LED3aへ電圧を出力するよう指示をする(S150)。
続いて、画像処理回路5が、赤み低減LED制御回路4bに対して赤み低減LED3bへ電圧を出力するよう指示をする(S160)。この際、画像処理回路5が、近赤外LED3aおよび赤み低減LED3bを上述の発光パターンに従って発光するよう制御する(図3参照)。
【0053】
なお、このS160を実行する際の赤み低減LED3bへの制御値は、外光に応じて可変しても良い。具体的には、外光照度を検出するための照度センサから外光照度を示す信号が出力されており(S220)、画像処理回路5が、照度センサからの出力信号(外光照度を示す信号)に基づき、赤み低減LED制御回路4bに対して赤み低減LED3bへ電圧を出力するよう指示をするといった具合である。この場合の照度センサはフォトダイオードやフォトトランジスタなどで構成されている。例えば、昼間、明るくてドライバの瞳孔が十分に開いている場合は、この赤み低減LED3bは明るくても良いが、夜間、暗い場合は、ドライバが眩しく感じないように制御値を制御しても良い。また、ヘッドライトのON/OFFによりメータの照明やナビ画面のバックライト輝度が変化するが、それと同期させても良い。また、環境光を測定するための光センサを搭載しても良い。また、画像認識するための取得画像と、カメラゲイン等の制御値を比較して画像処理にて環境光を推定しても良い。
【0054】
続いて、閉眼検出を開始する(S170)。具体的には、カメラ2が、顔画像を撮影し(S180)、画像処理回路5が、閉眼検出処理を開始する(S190)。
そして、画像処理回路5が、閉眼検出処理が終了したか否かを判断する(S200)。
【0055】
閉眼検出処理が終了していないと判断された場合には(S200:NO)、S150に戻る。一方、閉眼検出処理が終了したと判断された場合には(S200:YES)、各部の作動を停止させ(S210)、本処理を終了する。
【0056】
[第一実施形態の効果]
(1)このように第一実施形態の撮影装置100によれば、投光器3が次のように構成されている。すわなち、投光器3は、図4(a)、図4(b)および図7(d)に示すように、複数のLEDが回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有し
ており、具体的には、この並べられたLEDのうち回路基板3d上のほぼ中央のLEDは赤み低減LED3bであり、それ以外のLEDは近赤外LED3aである。また、この投光器3は、カメラ2と同様に、インストルメントパネル内の計器盤に設置されており、カメラ2の近傍に配置されている。そして、投光器3は、図示しない制御回路により、カメラ2のシャッターと連動して点灯するように制御されている。このことにより、それぞれ波長が異なる複数の光源から照射される光が混色されてドライバの目に届く位置関係で複数の光源が車室内に配置されており、ドライバに赤色が見えないようにすることにより、赤色に敏感に反応するドライバに混乱が起こさせないようにすることができる。したがって、安価な構成で、必要な波長域の光を遮蔽せずに、ドライバの通常運転にとって有害な発光色の光を遮蔽することができる。
【0057】
(2)また、第一実施形態の撮影装置100によれば、投光器3が、複数のLEDが回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有しており、この並べられたLEDのうち回路基板3d上のほぼ中央のLEDは赤み低減LED3bであり、それ以外のLEDは近赤外LED3aである。つまり、投光器3が備える二種類の波長の光源については、その一方の波長の光源が可視光である赤色を含む光を照射可能である。このことにより、ドライバに対し不可視光だけを与えると自身が撮影されていることに気づかないが、人間にとって注意を引く可視光をドライバに照射することにより、ドライバに対して監視されているという緊張感を与えることができ、予防安全に良い効果を与えることもできる。
【0058】
(3)また、第一実施形態の撮影装置100によれば、投光器3が、車両のインストルメントパネル内の計器盤に配置されている。このことにより、各光源が照射する光をドライバの正面からドライバの目に照射することができる。
【0059】
(4)また、第一実施形態の撮影装置100によれば、画像処理回路5が、LED制御回路4を介して投光器3の発光量を制御する。このことにより、各光源の出力を適切に制御することができる。
【0060】
(5)また、第一実施形態の撮影装置100によれば、画像処理回路5が、照度センサからの出力信号(外光照度を示す信号)に基づき、赤み低減LED制御回路4bに対して赤み低減LED3bへ電圧を出力するよう指示をする。このことにより、外光照度によってドライバが感じる各光源の照度が変化しても、各光源の出力を適切に制御することができる。
【0061】
(6)また、第一実施形態の撮影装置100によれば、画像処理回路5が、LEDの制御値をLEDごとに制御する。このことにより、同時に目に届く光のうちその出力が他方よりも強い光の色を強く意識するため、その出力が他方よりも弱い光の色については相対的に気にならなくなるなり、したがって、安価な構成で、必要な波長域の光を遮蔽せずに、ドライバの通常運転にとって有害な発光色の光をより効果的に遮蔽することができる。
【0062】
(7)また、第一実施形態の撮影装置100によれば、例えば、近赤外LED3aの発光周波数が例えば30Hzより低い場合など、ドライバがフリッカを感じるような場合においては、この赤み低減LED3bの駆動周波数は近赤外LED3aよりも高く設定する。このように、起動時における一方の光源の発光量を起動時における他方の光源の発光量よりも高くなるよう制御することにより、同時に目に届く光のうちその出力が他方よりも強い光の色を強く意識するため、その出力が他方よりも弱い光の色については相対的に気にならなくすることができる。
【0063】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0064】
(1)上記実施形態では、投光器3が、赤み低減LED3bを備えているが、このようなLEDには限られず、例えば面状発光体のELでもいいし、それ以外の電球でも良いし、環境光を反射するようにしても良い。このようにすれば、LEDの周波数特性や電球の周波数特性を考慮して、より適切なLEDと電球との組み合わせを選択することができる。
【0065】
(2)また、上述の赤み低減LED3bの発光色については、白色や緑色である必要はなく、他の色でもよい。つまり、色度座標上(色温度)でドライバが直感的に危険を感じない色や、車室内に存在する他の意味のある色と混同されないように赤色から遠ざけるようにすれば良い。
【0066】
(3)LEDの寿命差による色変化を補償することで、経時変化によっても、画像処理回路5が制御値を制御して色合いがかわらないようにすると良い。このようにすれば、当該投光器の経年変化によって各光源の出力レベルが変化しても各光源の出力を適切に制御することができる。
【0067】
(4)また、温度により2種類のLEDの電流−輝度特性が変化するため、周囲の温度値をフィードバックして、画像処理回路5が制御値を変えても良い。このようにすれば、周囲の温度によって各光源の出力レベルが変化しても各光源の出力を適切に制御することができる。
【0068】
(5)また、赤みの感じ方は個人差があるので、ドライバが好みの色に調整できるようにしてもよい。具体的には、ドライバからの入力値をフィードバックして、画像処理回路5が、ドライバからの入力値に応じて、制御値を変化させる。このようにすれば、ユーザ(ドライバ)の利便性を向上させることができる。
【0069】
(6)また、ドライバの状態によって色を調整できるようにしてもよい。具体的には、ドライバから取得した生体情報をフィードバックして、画像処理回路5が、車両のドライバの状態に応じて、制御値を変化させて混色の具合を調整する。このようにすれば、本人では気づきにくいドライバの状態を気づかせてあげることができる。また、混色の具合の変化によってドライバに対して注意喚起することができる。
【0070】
(7)また、画像処理回路5が、近赤外LED3aの制御値を変化させるときには、それに応じて赤み低減LED3bの制御値も変化させるようにしてもよい。
(8)また、上記実施形態の撮影装置100では、例えば、近赤外LED3aの発光周波数が例えば30Hzより低い場合など、ドライバがフリッカを感じるような場合においては、この赤み低減LED3bの駆動周波数は近赤外LED3aよりも高く設定するが、これには限られず、ドライバがフリッカを感じるような場合に限定せずに、赤み低減LED3bの駆動周波数を近赤外LED3aよりも予め高く設定しておいてもよい。
【0071】
このように、起動時における一方の光源の発光量を起動時における他方の光源の発光量よりも予め高くなるよう制御することにより、同時に目に届く光のうちその出力が他方よりも強い光の色を強く意識するため、起動当初から、その出力が他方よりも弱い光の色については相対的に気にならなくすることができる。
【0072】
(9)近赤外LED3aや赤み低減LED3bから発光される光の光路上に、その光を反射可能な反射部材を配置してもよい。このようにすれば、光源の搭載位置に関する自由
度が増すとともに、光源から放射された光のうち、特定の波長成分のみを反射したり吸収することが可能になりドライバにとって有害な光を低減させることが可能になるなどドライバに到達する赤み成分を低減することができる。また、自然光についても、その反射成分の波長成分を積極的に赤み低減に利用することができる。
【0073】
(10)また、上記実施形態の撮影装置100では、投光器3が、図4(a)、図4(b)および図7(d)に示すように、複数のLEDが回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有しており、具体的には、この並べられたLEDのうち回路基板3d上のほぼ中央のLEDは赤み低減LED3bであり、それ以外のLEDは近赤外LED3aであるが、これには限られず、投光器3を以下のように様々に構成してもよい。
【0074】
(10−1)例えば、図6(a)に例示するように、投光器3において、近赤外LED3aおよび赤み低減LED3bが光を発光する方向に拡散板3cを配置し、近赤外LED3aおよび赤み低減LED3bから発光された光を拡散するようにしてもよい。
【0075】
(10−2)また、図6(b)に例示するように、投光器3において、赤み低減LED3bが光を照射する方向に拡散板103cを配置し、赤み低減LED3bから発光された光を拡散するようにしてもよい。
【0076】
(10−3)また、図6(c)に例示するように、投光器3において、近赤外LED3aおよび赤み低減LED3bが光を発光する方向に、窓部113dを有する安価な可視光カットフィルタ113cを配置し、近赤外LED3aから発光された可視光成分を吸収または反射するとともに、赤み低減LED3bから発光された光を窓部113dから通過させるようにしてもよい。
【0077】
(10−4)また、図6(d)に例示するように、投光器3において、複数のLEDが回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有しており、この並べられたLEDのうち回路基板3d上のほぼ中央のLEDを白色や緑色ではなく他の色の光を発光するLED123bとし、それ以外のLEDを近赤外LED3aとしてもよい。
【0078】
(10−5)また、図6(e)に例示するように、投光器3において、赤み低減LED3bが光を照射する方向に反射板133cを配置し、赤み低減LED3bから発光された光を回路基板3dの方へ向けて反射するようにしてもよい。なお、回路基板3dに照射された反射光は、さらに回路基板3dによって反射される。
【0079】
(10−6)また、図6(f)に例示するように、投光器3において、複数のLEDが回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有しており、この並べられたLEDを近赤外LED3aとし、さらに、近赤外LED3aが光を発光する方向に導光板143aを配置するとともに、導光板143aの導光口付近に赤み低減LED3bを配置し、赤み低減LED3bによって発光された光が、近赤外LED3aが光を発光する方向へ導光板143aによって導かれるようにしてもよい。
【0080】
(10−7)また、図6(g)に例示するように、投光器3において、複数のLEDが回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有しており、この並べられたLEDを近赤外LED3aとし、さらに、近赤外LED3aが光を発光する方向に導光板143aを配置するとともに、導光板143aの導光口付近に、電球などLED以外の光源143bを配置し、光源143bによって発光された光が、近赤外LED3aが光を発光する方向へ導光板143aによって導かれるようにしてもよい。
【0081】
(10−8)また、図7(a)に例示するように、投光器3において、複数のLEDが
、その表面に分散型ELなどの面状発光体153eが配置された回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有しており、この並べられたLEDを近赤外LED3aとしてもよい。
【0082】
(10−9)また、図7(b)に例示するように、投光器3において、複数のLEDが回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有しており、この並べられたLEDを近赤外LED3aとし、さらに、電球などLED以外の光源163bを回路基板3d近傍に配置し、光源163bによって発光された光が、回路基板3d上を照射するようにしてもよい。なお、回路基板3dに照射された光は、さらに回路基板3dによって反射される。
【0083】
(10−10)また、図7(c)に例示するように、投光器3において、複数のLEDが回路基板173d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有しており、この並べられたLEDを近赤外LED3aとし、さらに、回路基板173dの表面祖度を荒くすることで、近赤外LED3aによって発光された光を回路基板173dが散乱反射するようにしてもよい。また、回路基板173dは特定波長の光を反射または吸収しやすいような光学膜を表面に施しても良い。
【0084】
(10−11)また、図7(e)に例示するように、投光器3において、複数のLEDが回路基板3d上にアレイ状に規則的に並べて配置された構成を有しており、この並べられたLEDのうち回路基板3d上のほぼ中央のLEDおよび隅部のLEDを赤み低減LED3bとし、それ以外のLEDを近赤外LED3aとしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…重量検知スイッチ、2…カメラ、3…投光器、3a…近赤外LED、3b…赤み低減LED、3c,103c…拡散板、3d,173d…回路基板、4…LED制御回路、4a…近赤外LED制御回路、4b…赤み低減LED制御回路、5…画像処理回路、100…撮影装置、113c…可視光カットフィルタ、113d…窓部、133c…反射板、143a…導光板、143b…光源、153e…面状発光体、163b…光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ波長が異なる複数の光源から照射される光が混色されてドライバの目に届く位置関係で前記複数の光源が車室内に配置される投光器であって、
前記複数の光源の発光量を光源ごとに制御する制御手段を備え、
前記複数の光源のうちの二種類の波長の光源については、その一方の波長の光源が可視光を含む近赤外線を照射可能であり、
前記制御手段は、起動時における他方の波長の光源の発光量が高くなるよう制御すること
を特徴とする投光器。
【請求項2】
それぞれ波長が異なる複数の光源から照射される光が混色されてドライバの目に届く位置関係で前記複数の光源が車室内に配置される投光器であって、
前記複数の光源の発光量を光源ごとに制御する制御手段を備え、
前記複数の光源のうちの二種類の波長の光源については、その一方の波長の光源が可視光を含む近赤外線を照射可能であり、起動時における他方の波長の光源の発光量については予め高く設定されており、
前記制御手段は、その予め設定された発光量に応じて前記他方の光源の制御値を制御すること
を特徴とする投光器。
【請求項3】
それぞれ波長が異なる複数の光源から照射される光が混色されてドライバの目に届く位置関係で前記複数の光源が車室内に配置される投光器であって、
前記複数の光源の制御値を光源ごとに制御する制御手段を備え、
前記複数の光源のうちの二種類の波長の光源については、その一方の波長の光源が可視光を含む近赤外線を照射可能であり、
前記制御手段は、他方の波長の光源の発光量を当該投光器の起動後に高めるよう制御すること
を特徴とする投光器。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載の投光器において、
前記複数の光源は、前記ドライバの正面方向から光を照射可能な位置に配置されていることを特徴とする投光器。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載の投光器において、
前記複数の光源の制御値の変更量を光源ごとに入力可能な入力手段を備え、
前記制御手段は、前記入力手段に入力された前記変更量に基づき、前記複数の光源の制御値を光源ごとに調整することを特徴とする投光器。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載の投光器と、
前記投光器によって照射された後にドライバの顔で反射された反射光を撮像するカメラと、
を備えることを特徴とする撮影装置。

【図3】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−121564(P2012−121564A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−267161(P2011−267161)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【分割の表示】特願2008−22819(P2008−22819)の分割
【原出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】