説明

乾燥カルニチン粉末又は顆粒を製造するための噴霧乾燥方法

本発明はカルニチン化合物を含有する実質的に未精製原料から乾燥した実質的に純粋及び/又は技術的カルニチン粉末又は顆粒を製造する新規方法及びそうして得られた製造した乾燥カルニチン粉末又は顆粒に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルニチン(carnitine)を含有する液状出発原料から、実質的に純粋及び/又は技術的グレードの純度を有する、特に乾燥L-カルニチン粉末又は顆粒である乾燥カルニチン粉末又は顆粒を製造する新規方法及びそうして製造されたカルニチン粉末又は顆粒に関する。
【0002】
L-カルニチンは天然に広く分布するビタミン状物質であり、広範囲の医薬、食品及び飼料用途を有する。L-カルニチンはサイトソルからベータ酸化のためのミトコンドリアマトリックスに移送することによって脂肪酸の代謝に中心的役割を果たす。エネルギー源として長鎖脂肪酸酸化は全ての組織でカルニチン依存性である。L-カルニチンの投与によって体内での不十分なL-カルニチン製造が補償できる。L-カルニチンの積極的効果はエネルギー代謝に向けられるだけではなく、動物又は人体の心臓血管系、循環、及び筋及び神経系に向けられる。更に、L-カルニチンはイースト及びバクテリア成長の刺激を含む他の目的に用いられ得る。
【0003】
L-カルニチンの世界的需要の増大は光学的純粋形態におけるその合成方法のサーチを促進している。その化学的合成はラセミ混合物を製造するが該方法の経済性はL-異性体単離に必要な高価な選択的沈殿によって損なわれる。また、収量は低く、かつコストを減少する為に溶剤を回収及びリサイクルすることが必要である。現在製造されるL-カルニチンの一定の部分はこれらの方法を含むが、廉価で容易に利用できる基質をバイオトランスフォーメーションによって得る傾向が成長している。化学合成に比べてバイオトランスフォーメーションの利点の1つはバイオ技術法は環境的に一層フレンドリであることである。廃水の量、全有機炭素、塩、及び焼却用の廃物はバイオトランスフォーメーションでは全てかなり低い。L-カルニチンのバイオ技術的製造の数種の方法は既知である。
【0004】
EP0158194B1は、出発化合物としてクロトノベタイン及び/又は4-ブチロベタインに基づくL-カルニチンのマイクロバイオロジー的生成方法を記載する。この方法では、例えば4-ブチルベタインからL-カルニチンを製造することができるが、L-カルニチンを異化できない微生物を成長基質の存在下で出発化合物クロトノベタイン及び/又はブチロベタインを培養する。
【0005】
EP0722500B1は、先駆体クロトノベタイン及び/又はγ-ブチロベタインを適当な炭素及び窒素源の存在下でL−カルニチン生合成に関与するこれらの酵素をエンコードする1以上の遺伝子を含む組換え体微生物によって発酵させるL-カルニチン製造のバイオ技術法を記載する。
【0006】
WO02/061094は、第1工程でベタインエステルを単離したヒドロラーゼ又はそのようなヒドロラーゼを含む微生物によって4-ブチロベタインエステルに変換し、及び第2工程においてこのベタインをL-カルニチンに変換することができる微生物によってL-カルニチンに変換するという、先駆体としてのベタインエステルに基いてL-カルニチンを製造する微生物学的方法を記載する。
【0007】
これらの全細胞バイオ接触法において、製造されたL-カルニチンは培地、即ち単離されかつ精製される発酵ブロスに排出される。こうして、発酵後に、L-カルニチンを含む培地で更に処理でき、純粋形態でL-カルニチンを得るために数種の精製工程に付される。通常は、発酵培地は先ずバイオマスを分離する限外濾過に付されてL-カルニチンを含有する透過物(permeate)が回収される。得られた透過物は、濃縮工程、脱色のための活性炭素処理、脱塩工程、及び再度濃縮工程に付され、それによって濃縮された極めて純粋なL-カルニチン溶液が得られる。高純度を有するこの精製されたカルニチン溶液を次いで乾燥工程に付す。
【0008】
その高吸湿性のために、固体L-カルニチン物質及びその単純粉末混合物も貯蔵性及び安定性、特に色安定性に乏しく、カルニチンを含む純粋固体カルニチン又は人の食物、動物飼料又は医薬工業におけるカルニチンを含む粉末混合物の更なる処理の間の不適切な流動性のような深刻な問題を生じる。従って、乾燥L-カルニチン製品の吸湿性を減少する為に、最後の濃縮工程後に得られたL-カルニチンはしばしば結晶化、再結晶及び/又は噴霧乾燥法に付される。こうして得られた乾燥L-カルニチン製品に意図される用途に応じて緊密化のような更なる処理工程等が続き得る。
【0009】
こうして、L-カルニチンの生化学的製造の従来法においては、常に多くの異なる精製法を発酵ブロスに適用して得られる極めて純粋なL-カルニチンは乾燥した吸湿性の少ない又は非吸湿性のL-カルニチン製品を得るために結晶化又は再結晶化及び/又は噴霧乾燥工程に付され、その後に貯蔵又は所期の用途に従って更に処理できる。然し、これまではこれらの従来法が発酵後に又は例えばただ1回又は複数の精製工程を適用することによる予備精製の後に得られる未精製培養媒体からL-カルニチンの直接取得を与えない。L-カルニチンを含む発酵ブロスの通常の下流処理で行われる各種分離及び精製工程は、面倒で時間がかかるだけではなく、各種の精製工程を行うために必要な各種技術装置により全体のバイオ技術製造法をコスト集約的にする。従って、操業的及び経済的観点の両者から従来の下流処理は数々の欠点を有する。
【0010】
従って、本発明の基礎となる技術的課題は、カルニチンを含む未精製又は予備精製出発材料、特にカルニチンに加えて複数の異なる低分子量随伴物質をも含む出発材料からカルニチンの単純で効率的な精製方法を提供して、一方では出発材料からカルニチンの精製の全体的効率及び速度を改良することを可能にし、かつコストを極めて減少し、かつ他方では単離されるカルニチンの高収率及び高純度を保証することである。
【0011】
本発明は、カルニチンを含む液体出発材料から、
a)出発材料を担体と混合し、
b)a)で得られた混合物を乾燥方法に付し、及び
c)安定な乾燥カルニチン粉末又は顆粒を回収する
工程を包含する乾燥カルニチン粉末又は顆粒を製造する第1方法を提供して、この技術的課題を解決する。
【0012】
本発明は、カルニチンを含む液体出発材料から
a)出発材料を乾燥方法に付して乾燥生成物を得て
b)a)で得られた乾燥生成物を担体と混合し、及び
c)安定な乾燥カルニチン粉末又は顆粒を回収する
工程を包含するカルニチン含有液体出発材料から乾燥カルニチン粉末又は顆粒を調製する第2方法を提供することによってもこの技術的課題を解決する。
【0013】
驚くべきことにはかつ予期しなかったことには、本発明の発明者等は、L-カルニチンの製造のためのバイオ技術的方法から誘導されたプレ精製又は実質的に未精製の発酵ブロス、特にこの発酵ブロスを限外濾過することによって得られたL-カルニチン含有透過物を噴霧乾燥に付すと、通常の方法、即ち極めて純粋なL-カルニチン溶液の噴霧乾燥で得られる乾燥L-カルニチン製品の特性と極めて比肩できる特性を有する安定な乾燥L-カルニチン製品を得ることができることを見出した。
【0014】
これらの実験において本発明者等が用いた出発材料、即ち発酵ブロスの限外濾過によって得られた透過物は複数の各種随伴物質を含むかなり複雑な媒体であることは知られている。限外濾過のような予備精製工程によって、例えば50,000kDAカットオフの膜を用いることで所定のサイズの随伴物質のみ、特に懸濁固体及び浮遊粒子、コロイド、マクロ分子、細胞及び細胞破片のような50000kDaより大きい分子量の溶質が除かれるが、全随伴物質の大半を示す低分子量廃生成物及び塩類と共に有機物質のような随伴物質が透過水に得られる。噴霧乾燥法に用いるかなり未精製の出発材料に鑑みて、透過水を先ず適当な特定の担体物質と混合し、かつ次いで乾燥法、特に噴霧乾燥法に付すか、代案として先ず乾燥法、特に噴霧乾燥に付しかつ次いで直ちにそのような特定の担体物質と混合することによって、それから得ることができる実質的に純粋及び/又は技術的に乾燥したL-カルニチン製品を得ることができることを本発明者等が示すことができたことは驚くべきことである。これは、通常法と対照的にバイオ技術的カルニチン製造において伝統的に下流処理で行われた精製工程の大部分を省略することが可能であることを示す。
【0015】
本発明方法で得られる安定な乾燥粉末カルニチン生成物は主としてカルニチン化合物及び混合した担体材料からなるが、低分子量有機物質のような出発物質に当初存在する全ての他の成分は僅かの量のみが存在する。通常法で精製された極めて純粋なカルニチン溶液の噴霧乾燥で得られた粉末と比較すると、本発明方法で得られたカルニチン生成物は実質的に高い量の随伴物質を包含しない。従って、本発明方法で得られたカルニチン製品は実質的に純粋である。更に、本発明方法で得られたカルニチン製品は、純粋なカルニチン溶液の噴霧乾燥によって得られたカルニチン製品と比較して同様の低い吸湿性、同様の高い流動性、同様の優れた貯蔵性及び同等の加工性を示す。この優れたかつ有利な特性によって本発明方法で得られた乾燥カルニチン製品は、純粋なカルニチン溶液の噴霧乾燥で得られたカルニチン粉末と同様に処理できる。本発明方法で得られた乾燥カルニチン製品は有利には水含量が少なく、かつ動物飼料の製造に特に適しているが、食品、医薬組成物及び化粧品組成物の製造にも用いることができる。
【0016】
従って通常の精製方法と比較して、本発明方法は操業及び経済特性の両者において大きな利点を示す。本発明方法によれば従来方法のような5工程以上ではなく僅か1回の精製又は分離工程が行われるために、本発明方法は噴霧乾燥純粋カルニチン粉末又は顆粒の迅速生成を可能にする。従って、本発明の噴霧乾燥によれば、既に利用できる従来の噴霧乾燥装置を重要なコスト利点を伴って本発明の方法に利用できる。
【0017】
従って、本発明は、特に単純で、効率的で経済的方法を提供して、実質的に純粋及び/又は技術的に乾燥し、優れた流動可能性、安定性、及び貯蔵可能性及び低い吸湿性のカルニチン粉末を提供する。
【0018】
本発明の文脈において、「カルニチン」又は「カルニチン化合物」は、例えばL-カルニチン、アルカノイル-L-カルニチン、その誘導体、その塩又はそれらの混合物を、それらに限定されることなく含む。アルカノイル-L-カルニチンは、アルカノイル基が2〜8炭素原子、より好ましくは2〜6炭素原子を有する、好ましくは直鎖又は分岐鎖であるカルニチン化合物である。特に好ましいアルカノイル-L-カルニチンは、アセチル-、プロピオニル-、ブチリル-、バレリル-、又はイソバレリル-L-カルニチンである。
【0019】
カルニチン化合物の塩は、L-カルニチン及びアルカノイル-L-カルニチンの例えばアスパルテート、サイトレート、フォスフェート、フマレート、ラクテート、マレエート、オキザレート、ヒドロキシサイトレート又はタルトレート塩を含み得る。
【0020】
本発明によれば、液体出発材料は実質的に未精製液体出発材料、精製した液体出発材料又はそれらの混合物であり得る。本発明の文脈において、「実質的に未精製液体出発材料」は、低吸湿性を示しかつ食品及び飼料用途、特に動物飼料用途に使える実質的に純粋な粉末状又は顆粒状カルニチン製品を得るために乾燥工程、特に噴霧乾燥工程に用いることができるカルニチン化合物を含むプレ精製液体原料である。このプレ精製液体原料は僅かな精製及び/又は分離工程が行われる予備精製に付された未精製液体原料から誘導される。本発明の文脈において、「精製工程」は一定の純度グレードの所定の化学物質を得るために適した方法である。精製方法の例には、限定するのではなく、限外濾過のような濾過、活性炭素脱色、遠心分離、結晶化、沈殿などを含む。「予備精製(preliminary purification)」は、未処理出発材料に当初存在する随伴物質の部分を除くために、好ましくは単純精製及び/又は全体濾過法、例えば限外濾過、又は遠心分離のような分離工程を含む。本発明の文脈において、「随伴物質の一部を除く」の表現は、予備精製によって特定の随伴物質又はマクロ分子が完全に又はほぼ完全に出発材料から除かれるが他の随伴物質はプレ精製出発材料に完全に又はほぼ完全に残ることを意味し得る。例えば、予備精製によって、特定のサイズのような共通の特性の特定の群に入る随伴物質は完全に又はほぼ完全に出発材料から除かれるが、他のサイズの群に入る随伴物質は完全に又はほぼ完全にプレ精製出発材料に止まる。然しながら、「随伴物質の一部を除く」は、全ての又は殆んど全ての異なる随伴物質の量は部分的に減少することをも意味し得る。本発明によると予備精製は未精製出発材料に当初存在する随伴物質の約20%〜90%、好ましくは随伴物質の約40%〜90%、及びより好ましくは当初存在する随伴物質の約60%〜90%を除く。最も好ましくは予備精製は当初存在する随伴物質の約80%〜90%を除く。
【0021】
従って、本発明の文脈では、プレ精製液状出発材料は、カルニチン化合物とは別に及び流体又は溶媒、特に水、少なくとも一群の付加的汚染物又は随伴物質、例えば1以上の塩、発酵方法の1以上の廃生成物、カルニチン化合物の未変換先駆体などを含む。通常はプレ精製出発材料は複数の異なる随伴物質を含む。本発明に用いる未精製液体出発材料は典型的に5〜約70重量%の乾燥物質を含む。従って、乾燥物質の含量に応じて実質的に未精製液体出発材料は、溶液、懸濁液又はペーストの形態を有し得る。プレ精製出発材料において全乾燥物質におけるカルニチン化合物の割合は50%〜90%、より好ましくは60%〜90%の範囲内及び最も好ましくは約80〜90%である。全乾燥材料における全随伴物質又は汚染物の割合は10%〜50%未満、好ましくは10%〜40%未満及びより好ましくは約10%〜20%の範囲内である。
【0022】
本発明の好ましい態様では、実質的未精製液体原料はバイオ技術的カルニチン製造法で得られた発酵ブロスの限外濾過から誘導される透過物である。この発酵ブロスは、例えば4-ブチロベタインのような適当な反応体をカルニチン化合物に変換するために微生物が培養される培養媒体のような全セルバイオ触媒方法から誘導され得る。
【0023】
本発明の文脈において、「限外濾過(ultrafiltration)」はマクロ分子を含む溶液のための選択的分離技術である。限外濾過は静水圧を適用して行われる膜分離技術である。通常は145psi(10バール)までの圧力が適用される。用いられる膜は平らな膜、スパイラル膜、環状/ストロー膜、及びセラミック膜が含まれる。限外濾過によって懸濁固体及び1,000kDA以上の分子量、好ましくは50000kDA以上の分子量の溶質、例えば浮遊粒子、コロイド、マクロ分子、バクテリア又はウイルスなどが分離できる。得られる限外濾過物又は透過物は低分子量有機溶質及び塩を含む。
【0024】
本発明の他の好ましい態様では、実質的に未精製出発材料は、予備精製、例えばクロマトグラフ工程に付されたカルニチン化合物の大規模化学合成から誘導された液体反応混合物である。例えば、L-カルニチンの大規模合成の既知の技術は、特にラセミ混合物の光学解析を含み、それによって解析剤が用いられかつ望まれないエナンチオマーが分離され、クロトノベタイン又はγ-ブチロベタインの立体特異的水和、モノ-又はビ金属ルテニウム触媒によるブチリック4−クロロ-3-オキソエステルのエナンチオ選択的還元、トリメチルアミンとの反応及びエステル基の加水分解によって対応する3-ヒドロキシ誘導体の生成をもたらし、L-カルニチンに変換し又はアルキル4クロロ-3-オキシブチレート又は4-クロロ-3-オキシブチルアミドのエナンチオ選択的還元をする。
【0025】
本発明の文脈において、「精製した液体出発材料」は、随伴物質又は汚染物が完全に又はほぼ完全に除かれる数々の精製及び/又は分離工程に付される未精製液体出発材料が誘導される液体原料である。本発明によればこれらの精製及び/又は分離工程によって未精製の出発材料に当初存在する随伴物質の約90%以上、好ましくは随伴物質の約95%以上及びより好ましくは随伴物質の約97%以上が除かれる。
【0026】
本発明の特定の好ましい態様は、a)出発材料を担体と混合し、b)得られる混合物を乾燥方法に付し、かつc)安定なL-カルニチン粉末又は顆粒を回収する工程を包含する、L-カルニチンを含有する実質的に未精製液体出発材料から乾燥L-カルニチン粉末又は顆粒を調製する方法に関する。
【0027】
本発明の他の好ましい態様は、a)出発材料を乾燥工程に付して乾燥生成物を得て、b)a)で得られた乾燥生成物を担体と混合し、かつc)安定な乾燥L-カルニチン粉末又は顆粒を回収する工程を包含する、L-カルニチンを含む実質的に未精製の液状出発材料から乾燥L-カルニチン粉末又は顆粒を調製する方法に関する。
【0028】
本発明の文脈において、「担体」、又は「担体材料」は好ましくは個別の粒子からなる化学的に不活性の物質である。好ましくは担体は所定のサイズ範囲のマイクロ粒子からなる。適当な担体材料は、一方では無機材料、例えば塩又はシリカに基づく材料、及び他方ではショ糖のような有機化合物を含む。担体の選択は本発明方法の末端で回収される乾燥L-カルニチンの所定の用途に依存する。
【0029】
カルニチン粉末又は顆粒、例えばL-カルニチン粉末又は顆粒が治療又は用途のための最終製品に進む場合、特に動物疾患を処理又は予防する場合、使用する担体はガレン(galenic)助剤からなる群から選ばれるのが好ましい。ガレン助剤の例に含まれるのは、制限されるものではなく、ラクトースのような化合物、マルトデキストリン、デキストリン、乾燥グルコース、澱粉、ミクロ結晶性セルロース、化学的及び/又は物理的に変性したミクロ結晶性セルロース又はその誘導体、ミクロ結晶性セルロースと二酸化珪素のブレンド、ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、沈殿珪酸、沈殿シリカ、分散シリカ、ソルビトール、マンニトール又はその混合物である。
【0030】
カルニチン粉末又は顆粒、例えばL-カルニチン粉末又は顆粒が動物飼料の製造に用いられる場合は、小麦のふすま(pollard)、沈殿シリカ、シリカ粒子、粉状又は顆粒状珪藻土、炭酸カルシウム、及び/又はその混合物を担体として用いることが好ましい。
【0031】
小麦のふすまは製粉工業の副産物である。小麦のふすまはペレット化飼料に優れた結合材料である。粗蛋白、粗脂肪及び粗繊維含量のために小麦のふすまはオート麦とほぼ同様のエネルギー水準を有する。
【0032】
沈殿シリカは、例えば「Silicasil」の商標でBayer AGによって市販されている。これらの製品は酸で水ガラスの沈殿によって製造された無定形合成シリカである。100μm以上の平均粒子サイズの特別のタイプのSilicasilは粉末飼料用担体として及び抗ケーキング効果を更に有する流動促進剤として用いることができる。他の無定形沈殿シリカはRhodia Silicasによって市販されるTixosilを含む。
【0033】
広いサイズ範囲及び異なる形態のシリカ粒子は例えば「Sipernat」商標でDegussaによって市販されている。例えばSipernat50は粒子サイズが約7.5μmの主として球形粒子のシリカである。Sipernat22は7.07.5μmの平均粒子サイズを有する。Sipernat2200は約320μmの粒子サイズを有するマクロ粒状シリカである。粉状及び粒状珪藻土は「Diamol」の商標で市販されている。粉末状Diamolsの粒子の90%以上は5及び63ミクロンの間の大きさを有するが、粒状Diamolの粒子はmmの範囲の大きさを有する。
【0034】
炭酸カルシウム、例えば方解石は粉砕形態で用いるのが好ましい。
【0035】
乾燥カルニチン粉末又は顆粒を調製する本発明の第1の方法によれば、カルニチンを含む精製又は実質的に未精製液体出発材料を先ず担体又は異なる担体の混合物と混合し、次いで乾燥工程に付す。対照的に、乾燥カルニチン粉末又は顆粒を調製する本発明の第2の方法によれば、精製した又はプレ精製した出発材料を先ず乾燥工程に付し、及び次いで担体と混合する。後者の方法では、出発材料の乾燥後に得られた乾燥製品を直ちに担体と混合して塊を除くために乾燥製品を篩い分けすべきである。
【0036】
本発明の文脈において、「乾燥法」は化学的に結合していない流体例えば水又は無機又は有機溶媒を液状、気体状又は固体状材料から加熱又は湿分結合剤の添加によって除く方法である。熱的乾燥においては湿分は蒸発によって除かれる。
【0037】
本発明の好ましい態様においては、カルニチンと担体の混合物に用いる乾燥法は噴霧乾燥法の実施を含む。本発明によれば、噴霧乾燥は溶液又は懸濁液のような液体出発材料の乾燥に用いるのが好ましい。このような液体出発材料は約40%〜80%又はそれ未満の乾燥物質含量を有し得る。好ましくは乾燥物質含量は重量を基準にして40%未満、30%未満又は20%未満である。特に好ましいのは噴霧乾燥に付する液体出発材料は重量基準で10%未満の乾燥物質含量を有する。
【0038】
本発明の文脈において、「噴霧乾燥」は、乾燥粉末状及び/又は顆粒状製品の形態で回収される1以上の化合物を含む流体を脱水又は乾燥する方法である。噴霧乾燥は、溶液、乳濁液及びポンプ化できる懸濁液のような液状供給原料から粉末、顆粒又は凝集体のいずれかで乾燥固体を連続的に製造するのに極めて適している。好ましくは、噴霧乾燥法の製品は粒子サイズ分布、残留湿分含量、バルク密度及び粒子形状に関する良く定められた特性を有するフリーフロー粒子製品である。
【0039】
噴霧乾燥は、少なくとも4の分離方法段階からなる。即ち、a)液体供給原料の滴の噴霧への霧化、b)滴と熱空気との乾燥室内での接触、c)乾燥、即ち滴から湿分の蒸発及び乾燥粒子の生成、及びd)乾燥空気から乾燥生成物の分離である。霧化は所望の滴サイズ分布の滴の形成を包含する。霧化は一般に単一流体ノズル、二流体ノズル又はロータリーアトマイザーの使用によって行われる。滴の形成後、これらは乾燥機内で乾燥空気と接触させる。乾燥機のデザイン及び操業条件は製品及び粉末明細の乾燥特性によって選定される。乾燥機内での滴と乾燥空気の間の接触は共流(co-current)モード、向流(counter-current)モード、又は混合流モードで起こり得る。滴からの湿分の蒸発及び乾燥粒子の形成は制御された温度及び空気流条件下で進行する。乾燥工程は2相で起きる。第1相は定速工程で、湿分は迅速に表面から蒸発し、及び毛細管作用が粒子内から湿分を引く。第2相では、表面からの水の拡散は乾燥速度を制御する。湿分含量が低下すると、拡散速度も低下する。単一工程乾燥機における湿分の最後の数パーセントの除去は乾燥機における残留時間の多くの原因である。
【0040】
本発明によれば、液体出発原料の霧化、即ち所望の滴サイズ分布を有する噴霧の形成は、単一流体(又は圧力)ノズル、2流体ノズル、又はスピニングディスク又はホイールとして知られるロータリーアトマイザーによって実施できる。単一流体ノズルは、噴霧室での位置決めについての多様性を許容し噴霧角及び噴霧方向を変更できる。粒子サイズは少なくとも部分的に供給速度に依存するのでノズルは製品特性及び操作速度に関してより制限される。ノズルが一旦配置されると速度は圧力によってのみ変更できる。高速操作においては、数ノズルがしばしば室内に位置しかつ配置され、一定の蒸発条件が各ノズルの回りに維持される。より粘稠な供給物については、2流体ノズルを、供給物を移動しかつ効率的に霧化する第2媒体である空気と共に用いることができる。空気はノズル内で内部的に又はノズルの外側で混合できる。液体供給物も分散され及び遠心力でロータリディスク又は紡糸ディスクに霧化できる。この場合、粒子サイズは主として車の速度によって制御される。ロータリーディスクを用いることによって、液体供給物はディスクの中心に分配され、薄いフィルムとして表面を移動し、小滴として端から飛び出す。一般にノズル及び車は実質的に同一の粒子タイプを製造することができる。粒子の外観は付加的手段で更に変更できる。例えば、蒸気射出は滴内の空気を除き、高度に密で、高度にバルク密度力を生じる。
【0041】
本発明によれば、乾燥室内の熱空気の霧化によって形成される滴の間の接触は共流モード、向流モード又は混合流モードによって行い得る。共流モードは乾燥空気及び粒子が同一方向に室内を移動することに特徴がある。向流移動においては乾燥空気及び粒子が逆方向に移動する。このモードが適用されるときには、乾燥機を離れる粉末の温度は排出空気温度より高い。混合流モードでは、粒子移動は共流及び交流相の両者を経験する。このモードはより荒い粉末を含む生成物に適している。混合流モードは、滴が導入空気流内を上方に噴霧する又は滴が統合流動床に向かって下方に噴霧する、ノズルアトマイザーを用いることによって行い得る。
【0042】
本発明によれば、噴霧乾燥の最終相において乾燥カルニチン製品は汚染物質のない状態で空気から除かれ、好ましくは微粉は例えばサイクロン、バッグフィルター、静電沈降体又はスクラッバーで別個に回収される。こうして回収された微粉は他の凝集工程に戻されるのが好ましい。
【0043】
WO92/18164号及びWO94/08627号に詳細に開示されているように、噴霧乾燥の条件は所定のサイズ範囲例えば0.1〜50μmを有するミクロ粒子又は5〜500μmのサイズのマイクロ粒子を得ることができる。噴霧乾燥の精密な条件は、用いられた液体出発材料例えば流体のタイプ、及び用いた担体材料によって変る。流体が水である場合には、本発明によるより供給乾燥空気は一般に120〜350℃の範囲の温度を有する。特に好ましいのは供給乾燥空気の温度は約210〜270℃である。最も好ましいのは噴霧乾燥は供給乾燥空気の温度が230〜250℃の温度範囲で行う。本発明によれば出口の空気の温度は100〜140℃の範囲が好ましく、115〜125℃の範囲が特に好ましい。
【0044】
本発明の他の好ましい態様では、カルニチン化合物及び担体物質の混合物の乾燥に用いる乾燥法は回転乾燥機で行われる。本発明によれば、回転乾燥機における乾燥は重量基準で40%以上、特に約50%以上から約70%までの乾燥物質含量を有する液体出発物質の乾燥に用いるのが好ましい。
【0045】
本発明方法の更なる態様によれば、1以上の追加化合物を出発物質に及び/又は乾燥前の担体に及び/又は乾燥カルニチン粉末又は乾燥後に得られた顆粒に添加することができる。この方法は例えばカルニチン化合物とは別に追加の活性成分を含む結合生成物を得ることができる。
【0046】
これらの追加の化合物は食品成分又は食品添加物に適した物質であり得る。本発明の文脈において、「食品成分」の語は、単一物質又は物質の混合物であって、場合によって1以上の添加物を含むことができ、かつヒトの栄養に役立ち及び未処理、処理及び/又は処方状態でヒトによって消費できるものを意味する。「食品添加物」は、食品に添加してその食品の外観、構成、密度、味覚、匂い、貯蔵性、加工性など又は生理学的又は栄養学的理由から一定の特性を変更するために加えられた物質である。食品添加物の例には、限定するものではないが、甘味剤、バルク剤、香味剤、酸性化剤、保存剤、ミネラル物、ビタミン、アミノ酸、抗酸化剤、酵素、顔料、乳化剤、圧縮改良剤、などが含まれる。
【0047】
これらの追加化合物は飼料成分又は飼料添加物として適当である物質でもあり得る。本発明の文脈において、「飼料成分」の語は、単一物質又は物質の混合物であって、場合によって1以上の添加物を含むことができ、未処理、処理及び/又は処方状態で家禽、豚、牛、馬、魚、及びペットのような動物に向けられるものを意味する。「飼料添加物」は、飼料に添加されて外観、構成、密度、味覚、匂い、貯蔵性、加工性、などの一定の特性を変更し又は生理学的又は栄養学的理由から添加されるものである。飼料添加物の例には、限定するものではないが、ミネラル物、ビタミン、アミノ酸、ウレア、バルク剤、保存剤、香味剤、酸性化剤、成長又は食品成分の利用改良剤、抗酸化剤、酵素、顔料、乳化剤、圧縮改良剤などが含まれる。
【0048】
追加の化合物も、それ自体が活性成分又は剤であるかを問わず、通常医薬組成物の調製に用いられる物質又は物質混合物であり得る。「薬学的組成物」は、動物又は人体に適用されて又は体内で治療又は癒す及び/又は一定の条件、病気、苦しみを防ぎ又は該体の組織又は器官の一定の機能を回復して通常にできる物質又は処方である。一般に薬学的組成物の調製に用いられ、及びそれ自体活性剤でないものは、制限するものではなく、賦形剤、潤滑剤、香味剤、崩壊剤、結合剤、などが含まれる。
【0049】
追加の化合物が化粧組成物の調製に一般に用いられる物質であることも可能である。
【0050】
追加の物質がカルニチン化合物に比較して同様の又は異なる生物学的活性を有する活性剤であることも可能である。
【0051】
1以上の追加化合物を加え、追加した特定の化合物に応じて、それぞれ食品、飼料、化粧料調合品及び医薬組成物としてそれぞれ直接に用いることができる組合せ製品を得ること又はその調合のために用いることが可能である。
【0052】
本発明によれば、この追加化合物は出発物質を担体と混合する前又は出発物質を乾燥する前に、出発物質に加えることが可能である。然し、この追加化合物を液体に加える前又は既に乾燥した出発材料に加えることも可能である。本発明によれば、この追加化合物をカルニチンと担体を包含する乾燥カルニチン粉末に加えることも可能である。
【0053】
好ましい態様では、追加化合物はアミノ酸、特にリシンである。米国特許第5,124,357号からは、その全ての開示を引用によって本願に導入するが、L-カルニチンとリシンを補足したダイエットを仕上げ豚に食べさせると体重取得と飼料利用が増大することが知られている。
【0054】
他の好ましい態様では、追加物質はクロム化合物である。クロムは、炭水化物、リピド、蛋白及び核酸の代謝に活性的に含まれる痕跡ミネラルである。クロムは、グルコース及び細胞内炭水化物の摂取及びリピド代謝を増大することによってインスリン作用を増強する。全開示を引用によって本願に導入するUS2002/0198185A1から、L-カルニチン プラス ピコリン酸クロム(III)又はニコチン酸クロムのような3価のクロム塩で補足したダイエットを妊娠、授乳、養育の間に及び/又は出産前の豚に与えると再生成能を向上させることが知られている。
【0055】
更に好ましい態様では、添加する追加物質はナイアシン(niacin)又はナイアシンアミドのようなビタミン、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、などである。追加物質はコエンザイムQ10でもあり得る。
【0056】
他の好ましい態様では、追加物質はアルファ−リポ酸である。アルファ−リポ酸は糸粒体基質におけるピルビン酸デヒドロゲナーゼコンプレックス用のコエンザイムである。これはアルファ−ケト酸デヒドロゲナーゼ反応における代謝のための本質的共同因子である。このビタミン様物質は健康利益のために経口的に補足されてもいるし、各種の肝臓及び神経系疾患における治療剤としても用いられる。
【0057】
本発明の他の態様では、追加物質はベータアドレナリン作用性レセプタと結合し及び体脂肪を減少しながら筋肉蛋白の付着成長を促進する化合物の群に属するラクトパミン(ractopamine)である。その全開示を引用によって本願に導入するUS2003/0235646号からL-カルニチン プラス ラクトパミンで補足した食餌を仕上げ豚に与えたると肉の品質の改良をもたらすことが知られている。
【0058】
本発明の他の観点は、
a) 出発材料を予備精製、特に1の精製工程に付し、
b) この予備精製した出発材料と担体を混合し、
c) b)で得られた混合物を乾燥法に付し、
d) 低水含量の安定な乾燥カルニチン粉末又は顆粒を回収する工程
を包含する、カルニチン化合物を含む未精製液状出発材料から乾燥カルニチン化合物を含有する乾燥カルニチン粉末又は顆粒を調製する方法に関する。
【0059】
本発明の他の観点は、
a) 出発材料を予備精製、特に1の精製工程に付し、
b) プレ精製出発材料を乾燥法に付して乾燥製品を得て、
c) b)で得られた乾燥生成物を担体と混合し、
d) 低水含量の安定な乾燥カルニチン粉末又は顆粒を回収する工程
を包含する、カルニチン化合物を含有する未精製液状出発材料から乾燥カルニチン粉末又は顆粒を調製する方法に関する。
【0060】
本発明の基礎となる技術的課題も乾燥L-カルニチン粉末又は顆粒を調製する方法、特に飼料製品の製造に適した方法を提示することで解決され、これは
a) 液状媒体内でL-カルニチンを製造するバイオ触媒法を行い、
b) 該媒体をプレ精製工程に付してL-カルニチンを含むプレ精製液体を得て、
c) 乾燥製品を得るためにプレ精製した液体を乾燥法に付しかつ乾燥した乾燥生成物を担体と混合し、又はプレ精製した液体を担体と混合しかつ得られた混合物を乾燥法に付し、及び
d) L-カルニチンの乾燥粉末を得る工程を包含する方法である。
【0061】
このように、本発明方法の第1工程はL-カルニチンを製造するバイオ触媒(biocatalitic)法を包含する。本発明によれば「バイオ触媒(biocatalytic)法」又は「バイオトランスフォーメーション(biotransformation)」は非天然基質、即ち先駆体から所望の生成物への酵素触媒変換である。本発明の文脈において、バイオ触媒法は1以上の化学合成工程、例えば中間体を得る合成工程を含み、所望の製品又は更に中間体に生物学的手段で変換し得るものをも包含し得る。バイオ触媒法に必要な酵素は数多くの形態で用い得る。野生型又は組替え型又は遺伝的に特性又は酸性を変性又は増大したものがあり得る。バイオ触媒法に必要な酵素の1以上又は全ては全セル、特に生きている又は死んだ細胞であり得る微生物又は哺乳類細胞でも存在することもできる。生きている細胞は例えば成長、休止、固定化細胞を含む。或いは、細胞フリー酵素、特に単離及び/又は精製酵素を用いることもできる。用いる酵素は溶液内、膜反応器内、懸濁液として、交差結合形態で、又は固定化酵素として用い得る。酵素反応の媒体は水性、有機又は2相であり得る。
【0062】
従って、本発明によればバイオ触媒反応は細胞、好ましくは微生物細胞、又は単離酵素がブチロベタインのような先駆体化合物をL-カルニチンに変換するのに用いられる方法であり得る。然し、バイオ触媒反応は全細胞及び単離酵素の組合せ使用をも包含できる。
【0063】
好ましい態様において、L-カルニチンの製造のためのバイオ触媒方法は適当な先駆体化合物からL-カルニチンを製造できる少なくとも1の微生物の使用を包含する。この微生物は、例えば4-ブチロベタインクロトンベタイン及び/又はクロトノベタインを含む発酵媒体のような、この先駆体のL-カルニチンへのバイオトランスフォーメーション及び媒体内への排泄を許容する条件下でL-カルニチンの先駆体を含む適当な媒体内で培養する。
【0064】
好ましくはバイオ触媒反応で、4-ブチロベタイニル−CoAシンセターゼ、4-ブチロベタイニルCoAデヒドロゲナーゼ、クロトノベタイニルCoAヒドロラーゼ及び4-ブチロベタインをL-カルニチンに変換する天然に生じる通路を形成するチオエステラーゼをコードする遺伝子の1又はそれ以上又は全てを含む微生物が用いられる。酵素4-ブチロベタイニル−CoAシンセターゼは4-ブチロベタインを4-ブチロベタイニル−CoAに変換でき、これは次いで4-ブチロベタイニル−CoAデヒドロゲナーゼによってクロトノベタニル−CoAに変換できる。クロトノベタイニル−CoAはクロトノベタイニル−CoAヒドロゲナーゼによってL-カルニチル−CoAに次いで変換され、これは次いでチオエステラーゼによってL-カルニチンに変換される。このような微生物の使用によってLーカルニチン製造のバイオトランスフォーメーション法はコファクター再生及び媒体に添加された先駆体4-ブチロベタインの細胞膜を通って細胞への移送及び細胞から生産されたL-カルニチンの細胞膜を通って媒体への移送の必要性によって高エネルギーを必要とする。このためにバイオ触媒反応は維持状態にある成長細胞又は細胞群で行われるべきであり、これは低バイオマス生産及び高代謝活性の利点を有する。
【0065】
使用する微生物細胞は天然に1又はそれ以上又は全ての4-ブチロベタイニル−CoAシンセターゼ、4-ブチロベタイニル−CoAデヒドロゲナーゼ、クロトノベタイニル−CoAヒドロラーゼ及びチオエステラーゼをコードする1又はそれ以上又は全遺伝子を含む。代案として、使用する微生物細胞はDNA組換体技術によってこれらの遺伝子の1又はそれ以上又は全ての遺伝子が導入された組換え細胞であることができる。好ましくはL-カルニチンの製造のバイオ接触法に用いられる微生物はL-カルニチンを異化(catabolize)することはできない、又はL-カルニチンを異化する能力は完全に又は部分的に抑制される。従って、L-カルニチンの分解を防ぐためにバイオ触媒反応に用いる微生物細胞はカルニチンデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を含まないか又はこの遺伝子において変異を行わない。
【0066】
特に好ましくはバイオ接触法に用いる微生物はZimmermannらによってChirality in Industry II (Eds,:A.N.Collins,G.N.Sheldrake,J.Crosby),JohnWileyandSonsLtd,Chichester(1997),pp.287-305,に記載され、この全開示を引用によって本明細書に導入する。この微生物はAgrobacterium及びRhizobiumに関する属に属する。
【0067】
これらの微生物も勿論、EP0722500B1に記載されたバイオ触媒反応に用いることができ、その全開示は引用によって本願に導入する。この態様において、L-カルニチンバイオ合成経路の1以上の遺伝子bocC、bocA/B及びbocDを含み得る組換え微生物が用いられる。これらの微生物は遺伝子Escherichia、Pseudomonas、Agrobacterium、Rhizobium、及びCormanonasに属し得る。これらの微生物は先駆体化合物クロトノベタイン及び/又は4-ブチロベタインをL-カルニチンに変換し得る。
【0068】
更にL-カルニチンのバイオ触媒製造に用いられる微生物はWO02/06194号に記載されたものを含み、その全開示は引用によって本明細書に導入する。これらの微生物は、4-ブチロベタインメチルエステルのようなベタインエステルを4-ブチロベタインに変換できるヒドロラーゼを含む。
【0069】
本発明によれば、バイオ触媒法に用いられるL-カルニチンの先駆体の好ましい例は、限定するものではないが、クロトンベタイン、4-ブチロベタイン及び4-ブチロベタインメチルエステルのようなベタインエステルを含む。
【0070】
先駆体化合物のL-カルニチンへのバイオトランスフォーメーションを行うための微生物細胞の培養に用いる適当な媒体の組成物及び微生物細胞の培養の条件は当該技術において既知である。適当な媒体及び培養条件は例えばWO02/061095号、EP0722500B1及びEP0158194B1号に記載されており、媒体組成及び培養条件に関する開示は引用によって本願に導入する。
【0071】
本発明の他の観点は、本発明方法のいずれかによって得ることができる乾燥カルニチン粉末又は顆粒に関する。
【0072】
本発明の方法によって得られるカルニチン粉末は分離した粒子、特にマイクロ粒子の均質混合物からなる。通常はこれらの粒子は約0.1〜50μmの範囲の大きさを有する。カルニチン顆粒は顆粒、特にマイクロ粒子の均質混合物からなる。顆粒は実際上集積した粒子である。通常は顆粒は約5〜500μmの範囲の大きさである。
【0073】
本発明の乾燥粉末又は顆粒はカルニチン及び乾燥法に用いた量の担体物質からなり、「実質的に純粋」であるが、液体出発材料に当初から存在する汚染物又は随伴物質は小量存在するのみである。得られる乾燥カルニチン粉末における随伴物質の量は液体原料物質の純度に依存する。例えば、用いた原料がL-カルニチン含有透過物、即ち実質的に未精製原料であり、そのときは随伴物質はL-カルニチン含量に対して10%より多くない量で存在する。従って本発明のカルニチン粉末又は顆粒は少なくとも技術的グレードのものである。然し、精製液体出発材料を用いる場合、本発明のカルニチン粉末又は顆粒は高純度を有する。本発明のカルニチン粉末又は顆粒における随伴物質の含量は10%未満、より好ましくは7%未満、更に好ましくは5%未満及び最も好ましくは2〜3%未満である。本発明の乾燥粉末又は顆粒におけるカルニチンの含量は少なくとも約8〜10%、好ましくは約30%以上、より好ましくは約40%以上及び最も好ましくは約50%以上、例えば60%、70%又は80%以上である。アミノ酸又はクロム化合物が乾燥カルニチン粉末又は顆粒の調製の間に加えられた場合には粉末又は顆粒は対応する量の該追加化合物含まれる。
【0074】
本発明の粉末又は顆粒は低水含量であることで乾燥している。「乾燥」は特に22%未満の水含量を意味する。特にL-カルニチン粉末の含水量は12%未満、8%未満又は6%未満であることが好ましい。より好ましくは、本発明による粉末状L-カルニチン製品の含水量は4%未満又は更に2%未満である。
【0075】
本発明の乾燥粒状カルニチン粉末は優れた流動性、良好な安定性及び貯蔵性を有する。乾燥カルニチン化合物、例えば乾燥L-カルニチンと比較して、かなり減少した吸湿性を示す。従って、本発明によるカルニチン粉末又は顆粒は、そのまま、即ち乾燥粉末又は顆粒として容器内に長期間水を吸収することなく保持できる。容器の性質は臨界的ではない。例えば、ガラスジャー又はプラスチックボックスであり得る。湿分を除く必要又は条件を制御する必要はないが貯蔵環境を定めるだけである。貯蔵中又は処方において、本発明粉末又は顆粒カルニチン製品は任意のバルク剤、他の活性成分、栄養剤等と混合でき、かつ最終的な食品、飼料又は治療的用途を意図する特性を有する最終製品を与えるために望まれる任意の技術によって処理できる。このような技術は当該技術において既知である。
【0076】
本発明の特に好ましい態様では、乾燥カルニチン粉末又は顆粒はL-カルニチン粉末又は顆粒である。本発明によれば、乾燥L-カルニチン粉末又は顆粒は、全乾燥物に対して約8〜10%、好ましくは約30%以上、より好ましくは約40%以上及び最も好ましくは約50%以上、例えば60%、70%、又は80%以上の量のL-カルニチンを含む。
【0077】
他の好ましい態様では、乾燥カルニチン粉末又は顆粒は、カルニチン化合物としてカルニチンとL-酒石酸の塩を包含する。特に好ましい乾燥カルニチン粉末又は顆粒はカルニチンタルトレイトを包含し、US5,073,376号に開示されており、その全開示は引用して本文に加入する。本発明によれば乾燥カルニチン−酒石酸塩粉末又は顆粒は、カルニチン酒石酸塩、特にL-カルニチン酒石酸塩を全乾燥物に対して少なくとも約8〜10%、好ましくは約30%以上、より好ましくは約40%以上、及び最も好ましくは約50%以上、例えば60%、70%、80%以上の量で含む。
【0078】
更に好ましい態様では、乾燥カルニチン粉末又は顆粒はカルニチン化合物としてカルニチンの塩、特にL-カルニチンをクエン酸、(-)−ヒドロキシクエン酸又はアスコルビン酸と共に含む。カルニチンの塩、特にL-カルニチンはクエン酸、(−)−ヒドロキシクエン酸又はアスコルビン酸と共に、更に、好ましくはマグネシウム及びカルシウムの群から選ばれる少なくとも1のアルカリ土類金属カチオンを包含できる。このような塩はEP1326502B1に開示され、その全開示は引用によって本文に挿入する。
【0079】
特に好ましい態様では、乾燥カルニチン粉末又は顆粒はL-カルニチン マグネシウム サイトレイトを包含する。L-カルニチン マグネシウム サイトレイトはUS5,071,874号に開示されており、その全開示は引用によって本文に挿入する。本発明によれば、L-カルニチン−マグネシウム サイトレイトはUS5,071,874号に開示され、その全開示は引用によって本文に導入する。本発明によれば、乾燥L-カルニチン−マグネシウム−サイトレイト粉末又は顆粒は、L-カルニチン−マグネシウム サイトレイトを乾燥物に対して少なくとも約8〜10%、好ましくは約30%以上、より好ましくは約40%以上及び最も好ましくは約50%以上、例えば60%、70%、又は80%以上の量を含む。本発明のL-カルニチン−マグネシウム−サイトレイト粉末又は顆粒はL-カルニチン マグネシウム サイトレイト塩に比較して劇的に減少した吸湿性を有する。
【0080】
他の特に好ましい態様では、乾燥カルニチン粉末又は顆粒はカルニチン−ヒドロキシサイトレイト、好ましくはL-カルニチン−ヒドロキシサイトレイトを包含する。カルニチン−ヒドロキシサイトレイト粉末又は顆粒はカルニチンヒドロキシサイトレイトを乾燥物に対して少なくとも約8−10%、好ましくは約30%以上、より好ましくは約40%以上及び最も好ましくは約50%以上、例えば60%、70%、又は80%以上の量で含む。
【0081】
更に特に好ましい態様では、乾燥カルニチン粉末又は顆粒はEP1326502B1号に開示されたカルニチン−マグネシウム ヒドロキシサイトレイトを包含し、マグネシウム、カルニチン化合物及びヒドロキシサイトレイトは1:1:1のモル比で存在することが好ましい。カルニチン−マグネシウム−ヒドロキシサイトレイト粉末又は顆粒はカルニチンーマグネシウム−ヒドロキシサイトレイトを乾燥物に対して少なくとも約8〜10%、好ましくは約30%以上、より好ましくは約40%以上及び最も好ましくは約50%以上、例えば60%、70%又は80%以上の量で包含する。
【0082】
本発明法のいずれかで得られた乾燥カルニチン粉末又は顆粒は、それぞれ食料、飼料、化粧調合品及び医薬組成物として直接に又はその調合のために用いることができる。
【0083】
従って、本発明の他の観点は本発明の少なくとも1の乾燥カルニチン粉末又は顆粒を含む最終製品、特に本発明の少なくとも1のカルニチン粉末又は顆粒を含有する固体最終製品に関する。
【0084】
このような仕上げ製品は例えば本発明の乾燥した実質的に純粋及び/又は技術的なカルニチン粉末又は顆粒を1以上の追加物質例えばリシンのようなアミノ酸又はクロム化合物と混合することによって得ることができる。代案として、このような最終製品はこのような追加物質の1以上を原料に加えられる担体物質と混合することによって製造できる。特定の好ましい態様では、最終製品は食料、飼料、医薬組成物又は化粧調合品である。
【0085】
特に好ましい態様では、最終製品は本発明によるL-カルニチン粉末を包含する飼料製品である。
【実施例】
【0086】
用いた材料:
L-カルニチンを含むプレ精製原料
L-カルニチン限外濾過透過物1(L-カルニチン=8.02%W/W、乾燥物9.87%W/W、塩+不純物1.85%、pH=6.5)
L-カルニチン限外濾過透過物2(L-カルニチン=7.90%W/W、乾燥物9.35%W/W、塩+不純物1.45%W/W、pH=7.0)
担体材料:
小麦ふすまバッチNo.S−224/04、製粉したCaCO3(S−219/04)
Sipernat50、Sipernat2200、Sipernat22、SilicasilMG、TIX−O−SIL68、DiamolDI100g
装置:
キッチンブレンダーETA0010
実験室スプレイドライヤ 渦巻アトマイザー付き(Anhydro)
ペーストの乾燥用実験室渦巻ドライヤ Funnel試験用セット
方法:
a)混合物の調製
計算量のL-カルニチン限外濾過透過物又は粉末を対応量の担体(及びピコリン酸クロム)を実験室ビーカー又は台所ブレンダーで混合した。
【0087】
b)乾燥
L-カルニチン限外濾過透過物又は懸濁液又はクリームを4℃で貯蔵し、及び実験室噴霧乾燥機で入口/出口温度=250/115−120℃、又は実験室渦巻乾燥機で入口/出口温度=250/115−115℃で乾燥した。
【0088】
c)他の方法
L-カルニチン、4-ブチロベタイン、クロトノベタイン及びノルカルニチン濃度をHPLCで定めた。乾燥物含量を105℃の炉内で定重量になるまで乾燥して定めた。水の含量は古典的なCarlFisher滴定で定めた。最終製品の流動性は流動性測定のための漏斗試験で測定した(Degussaの技術ブレテン顔料No.3参照)。
【0089】
例1−スプレイ乾燥L-カルニチン透過物と担体との混合
この実験では、L-カルニチン透過物を噴霧乾燥機で噴霧乾燥し、次いで適当な担体と混合した。透過物をNiroアトマイザー(能力10LHO/時)で入口温度230℃(出口温度=115℃)で乾燥した。それによって乾燥したが高い吸湿性の粉末(L-カルニチン含量約86.2%)が塊を含んで得られた。粉末は迅速に篩い分けして塊を除き、次いで台所ブレンダーでピコリン酸クロムと場合によって混合する前に各種の量の各種の担体物質と混合した。表1はこうして得られたL-カルニチン粉末の組成を示す。
【表1】

【0090】
乾燥透過物の吸湿性によって乾燥に用いた装置における乾燥物の搭載及び乾燥物の形成を防ぐことは困難であった。篩い分け物質の再湿潤の危険性は窒素雰囲気を用いて防ぐことができた。
【0091】
例2−L-カルニチン透過物と担体との混合物の乾燥
この実験では、L-カルニチン透過物を担体と混合し、次いで適当な乾燥装置で乾燥した。混合物が液体である場合には噴霧乾燥機を用いた。混合物がペーストの形態を有する場合には渦巻乾燥機を用いた。表2はこうして得られた乾燥L-カルニチン粉末の組成を示す。
【表2】

【0092】
L-カルニチン粉末4−8の外観、流動性、安定性及び加工性のような全体的特性は例1で調製したL-カルニチン粉末1−3のものより良好であった。L-カルニチン粉末No.4の物理的挙動は優秀であった。生成物は粗い粒子からなり、かつ粉末No.6,7及び8の粉末と比較して湿気傾向を有し、粉末No.4は若干粗い粒子からなり、かつ湿気傾向を有しない。
【0093】
L-カルニチン粉末4−8の組成を表3に示す。
【表3】

【0094】
例3−製造規模におけるL-カルニチン透過物及びマイクロ粒状担体の混合物の乾燥
この製造実験では、L-カルニチン透過物は担体と混合しかつ次いで適当な乾燥装置で乾燥して流体混合物を得た。乾燥のために流動床を用いた。表4はこうして得られた乾燥L-カルニチンマイクロ粒状物の組成を示す。
【表4】

【0095】
L-カルニチン粉末9及び10の外観、流動性、安定性及び加工性のような全体的特性は、粉末3、6、7及び8のものより良好であった。両製品は粗い規則的粒子(製品の70%が106〜212μmで無視できる量のダスト(53μm以下のサイズが0.1%)からなる。
【0096】
表5はL-カルニチン粉末9−10の組成を示す。
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 出発材料を担体と混合し、
b) a)で得られた混合物を乾燥工程に付し、及び
c) 乾燥カルニチン粉末又は顆粒を回収する
工程を包含するカルニチンを含む液状出発物質から乾燥カルニチン粉末又は顆粒を調製する方法。
【請求項2】
a) 出発材料を乾燥工程に付して乾燥生成物を得て、
b) a)で得られた乾燥生成物を担体と混合し及び
c) 安定な乾燥カルニチン粉末又は顆粒を回収する
工程を包含するカルニチンを含む液状出発物質から乾燥カルニチン粉末又は顆粒を調製する方法。
【請求項3】
乾燥製品を篩い分けて固まりを除きかつ次いで担体と混合する請求項2にに記載の方法。
【請求項4】
カルニチンがL-カルニチン、アルカノイル−L-カルニチン、その誘導体、その塩又はその混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
出発材料が溶液、懸濁液又はペーストの形態を有する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
出発材料が発酵ブロスの限外濾過で得られた透過物である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
乾燥工程が噴霧乾燥である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
乾燥が渦巻乾燥機で行われる請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
担体が小麦ふすま、沈殿シリカ、シリカ粒子、粉状又は顆粒状珪藻土及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれる請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
1以上の追加化合物が出発材料又は乾燥前の担体又は乾燥後に得られた乾燥カルニチン粉末に加えられる請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
追加成分がクロム化合物である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
追加成分がアミノ酸である請求項10に記載の方法。
【請求項13】
乾燥カルニチン粉末が12%未満、好ましくは4%未満の含水量を有する請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
乾燥カルニチン粉末が飼料製品の製造に適する請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
a)液状媒体中でL-カルニチン製造のバイオ触媒法を実施し、
b) 媒体をプレ精製工程に付してL-カルニチン含有液体を得、
c) プレ精製液体を請求項1〜14のいずれかに付し、かつ
d) 安定な乾燥L-カルニチン粉末又は顆粒を得る
工程を包含する飼料製品の製造に特に適した乾燥した実質的に純粋なL-カルニチン粉末又は顆粒の製造方法。
【請求項16】
バイオ触媒法が先駆体を含有する媒体中でL-カルニチンの製造を許容する条件下で適当な先駆体化合物からL-カルニチンを製造することができる少なくとも1の微生物の培養及び媒体中への排出を包含する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
プレ精製工程がL-カルニチン含有透過物を得るためのL-カルニチン含有液体媒体の限外濾過を包含する請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
L-カルニチンの先駆体がクロトンベタイン、y−ブチロベタイン、ベタインエステル、又はそれらの混合物である請求項15〜17に記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載の方法で得らることができる乾燥カルニチン粉末又は顆粒。
【請求項20】
含水量が12%未満、好ましくは4%未満である請求項19に記載の乾燥カルニチン粉末又は顆粒。
【請求項21】
カルニチン化合物がL-カルニチンである請求項19又は20に記載の乾燥カルニチン粉末又は顆粒。
【請求項22】
カルニチン化合物がカルニチンとクエン酸、(−)−ヒドロキシクエン酸又はアスコルビン酸の塩である請求項19又は20に記載の方法。
【請求項23】
カルニチンとクエン酸、(−)−ヒドロキシクエン酸又はアスコルビン酸の塩、更にマグネシウム又はカルシウムから選ばれる少なくとも1のアルカリ土類金属カチオンを包含する請求項22に記載の乾燥カルニチン粉末又は顆粒。
【請求項24】
カルニチン塩がカルニチン ヒドロキシクエン酸マグネシウムである請求項22に記載の乾燥カルニチン粉末又は顆粒。
【請求項25】
請求項19又は20に記載され又は請求項1〜18のいずれかに記載の方法で得ることができるカルニチン粉末を包含する飼料製品。

【公表番号】特表2009−500026(P2009−500026A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519856(P2008−519856)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006551
【国際公開番号】WO2007/003425
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(398075600)ロンザ ア−ゲ− (58)
【Fターム(参考)】