説明

乾燥装置

【課題】連続的な減圧乾燥が可能であり、短時間で温度ムラのない状態に材料を乾燥する。
【解決手段】乾燥装置10は、材料Wの減圧乾燥を行う第1ドラム12,乾燥材料を減圧下で保温する第2ドラム70,これらドラムを個別に加熱する加熱手段,減圧手段,減圧解除手段や、材料の輸送経路及び輸送手段により構成される。輸送経路の垂直部42A,56A,84Aには、輸送経路の密閉・開放を行うコントロールバルブ44,58,86が設けられる。外部への材料Wの供給を第2ドラム70から行うことで、第1ドラム12では乾燥中に減圧を解除する必要がなくなり連続的な減圧乾燥が可能となる。また、第1ドラム12に攪拌手段を設けたため、乾燥ムラのない均一な品質の材料を短時間で提供できる。更に、コントロールバルブを輸送経路の垂直部に設けたことで、確実な密封を確保し、開閉部の耐久性も向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被乾燥物の乾燥を行う乾燥装置に関し、更に具体的には、減圧下における乾燥を行う乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
樹脂の射出成形の原料としては、例えば、ペレット状の樹脂材料が用いられている。一般的に、樹脂材料は吸湿しやすいものが多く、製造場所から射出成形を行う場所まで搬送する間や保管中に、空気中の水分を含んでしまう。樹脂材料に水分が含まれていると、射出成形時に水蒸気が発生し、成形品にシルバーと呼ばれる線状の模様が発生したり、加水分解によって成形品の強度が低下したりするなど、不良の発生原因となる。このため、製品品質を高め不良率を低減する上で、成形前に樹脂材料を乾燥することが不可欠となっている。また、樹脂材料によっては、大気中の酸素によって酸化を起こし、成形品が黄変する場合があり、こうした樹脂材料に対しては、減圧し、酸素濃度を低下させた状態で乾燥することが一般的になっている。
【0003】
ペレット状の樹脂材料を乾燥する装置としては、既に様々な構造の乾燥装置が存在している。代表的なものとしては、大気圧下の乾燥ドラム内に熱風を送り込み、材料を所定の温度に加熱することで、材料中の水分を放出させる熱風式乾燥装置(例えば、下記特許文献1)や、熱風に低露点の乾燥エアを混入させ、乾燥効率を向上させた除湿式乾燥装置,更には、乾燥ドラム内で材料を停留させている間、材料を加熱すると共にドラム内を減圧し、酸素濃度を低下させる減圧式乾燥装置が存在している。
【0004】
上述した減圧式乾燥装置は、一般的に、減圧によって黄変を防ぐとともに、沸点が低下することを利用し、水分の放出を促進させることで乾燥効率を高めたものである。代表的な減圧乾燥装置の構成を図9に示す。同図に示す減圧乾燥装置200では、乾燥ドラム202内を減圧するとともに、ドラム内外に設置された複数個のヒータ204A〜204Cによって、樹脂材料が接触する壁面206A〜206Dを加熱するとともに、これら壁面206A〜206Dの近接間隔を同一、又は、ほぼ同一に設置することにより、前記壁面206A〜206Dから前記樹脂材料への伝導熱を均一化している。また、各壁面206A〜206Dの形態は、樹脂材料に対する伝熱効率を高める,あるいは、より均一な加熱がなされるように工夫されており、フィン状に加工した複数の加熱壁を緊密に配置し、それらの間に材料を停留させる等の方法が知られている。また、減圧室である前記乾燥ドラム202は、原材料部218からの樹脂材料の投入時や、成形機220への樹脂材料の排出時以外は、材料投入口208に設けられた開閉シャッタ210や、材料排出口212に設けられた開閉シャッタ214によって密封されるとともに、減圧発生装置216等で吸気することにより大気圧よりも減圧する構造となっている。
【0005】
前記乾燥ドラム202で乾燥された材料は、成形機220上に設置された成形機ホッパー222へ排出され成形機220へ供給される。成形機ホッパー222には、材料の残量を検出する材料検出センサ224が設置されており、残量が所定の量になると材料検出センサ224が「空」を検出し、乾燥ドラム202の減圧を解除するとともに、乾燥ドラム下部の排出口212から成形機ホッパー222へ所定量を供給することで連続成形を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−301535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記成形機ホッパー222は、一般的には減圧されていない場合が多く、成形機ホッパー222内の乾燥材料が酸化や吸湿することを防止するため、成形機ホッパーは容積を小さくし停留時間を短くするようにしている。従って、成形機ホッパー222への材料供給は頻繁に行われることになる。一方、乾燥ドラム202内の材料は、前記成形機ホッパー222へ供給を繰り返すことにより次第に減少する。そのため、乾燥ドラム202には材料の残量を検出する材料検出センサ226が設置されており、残量が所定の量に達した時点で、乾燥ドラム202の減圧を解除するとともに、原材料部218から送られた未乾燥材を、上部の投入口208から補充投入するように設定されている。このため、前記背景技術においては、材料の補充投入や成形機ホッパー222へ材料を供給する度に乾燥ドラム202の減圧が解除されることになるため、乾燥ドラム202内の材料は頻繁に大気と接触することになり、甚だ効率の悪い乾燥となっていた。
【0008】
その対策として、乾燥ドラム202の投入口208や排出口212に小型の減圧室(図示せず)を追加設置する方法が考えられる。しかしながら、この場合、乾燥ドラム202の入口の開閉シャッタ210,出口の開閉シャッタ214の他に、小型投入口減圧室の投入口,小型排出口減圧室の排出口にも開閉シャッタが必要となるため、開閉シャッタの設置数が増え、構造が複雑になるとともに、コストが上がってしまうという不都合がある。
【0009】
また、減圧下における熱伝達の大半は接触部位における熱伝導となるが、一般的に樹脂材料は金属と比較し、熱伝導率が低いため熱移動がなされにくい。このため、乾燥ドラム202内に停留している樹脂材料は、熱源(壁面)から離れた材料ほど熱移動が緩慢になって昇温しにくいという状態になる。従って、前記背景技術においては、乾燥ドラム202内に投入された材料を均一に加熱することは困難であり、結果的に温度ムラが発生し、均一な乾燥品質が保ちにくくなるとともに、乾燥時間も長くなり、決して乾燥効率が良いとはいえなかった。
【0010】
また、背景技術における乾燥ドラム(上述の小型減圧室を含む)の材料投入口,材料排出口に設置されている開閉シャッタ210,214などにおいて、特に乾燥ドラム202の排出口212に設置される開閉シャッタ214の開閉部は、材料が接触している状態で開閉することになる。従って、特に粉砕材を混入させた材料の場合は、粉砕材は形状が様々であるため、シャッタの開閉部に咬み込みが発生し、開閉不良や密封不良といった不具合が発生する懸念がある。更に、開閉部には乾燥ドラム内材料のほぼ全重量がかかるため、荷重を受けた状態でスムースに開閉可能な構造にする必要があり、構造の複雑化及びコストアップの要因となっている。
【0011】
本発明は、以上の点に着目したもので、減圧を解除することなく被乾燥物を連続的に乾燥するとともに、短時間で温度ムラのない均一な状態に乾燥することができる乾燥装置を提供することを、その目的とする。他の目的は、開閉シャッタを用いずに、乾燥ドラム等の減圧室の材料投入口及び材料排出口の密閉が可能な乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の乾燥装置は、減圧下において被乾燥物である材料を所定の温度に加熱することによって減圧乾燥を行う第1ドラムと、該第1ドラム内の全材料が一括投入可能であって、投入された乾燥材料を減圧下で所定の温度に保温する第2ドラムと、前記第1及び第2ドラムを個別に加熱可能な加熱手段と、前記第1及び第2ドラムを個別に減圧可能な減圧手段と、前記第1及び第2ドラムを個別に減圧解除可能な減圧解除手段と、前記第1ドラムへの材料の供給,該第1ドラムから排出した材料の前記第2ドラムへの供給,前記第2ドラムからの材料の排出をそれぞれ行う複数の輸送経路と、該複数の輸送経路にそれぞれ設置されており、各輸送経路を個別に密封及び開放可能な複数のコントロールバルブと、前記複数の輸送経路における材料の輸送を行う輸送手段と、を備えるとともに、外部への乾燥材料の供給を、前記第2ドラムからの材料の排出を行う輸送経路から行うことで、前記第1ドラムにおける減圧乾燥中に、減圧状態の維持を可能としたことを特徴とする。
【0013】
主要な形態の一つは、前記第1ドラム及び第2ドラムのうち、少なくとも前記第1ドラムに、前記材料を攪拌する攪拌手段を設けたことを特徴とする。他の形態は、前記コントロールバルブを、前記輸送経路が略垂直方向に設置された部分に設けたことを特徴とする。更に他の形態は、前記第2ドラムから材料を排出する輸送経路に接続されており、前記第2ドラム内の空気を吸引する2次エア取込み部を有するとともに、前記第2ドラム内の材料を吸引する吸引パイプと、該吸引パイプ又は前記材料を排出する輸送経路に、前記2次エア取込み部と前記コントロールバルブの間に設けられており、外部の空気を取込むための3次エア取込み部と、該3次エア取込み部に接続されており、3次エアを遮断及び開放する開閉バルブと、を備えており、前記開閉バルブの閉塞による2次エアの取込みによって前記吸引パイプから材料を吸引し、所定量を排出した時点で前記開閉バルブを開放し、3次エアの取込みによって材料の吸引力を低下させて材料の排出を停止させるとともに、前記輸送経路を空輸送させて材料の残留を防止したことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、減圧下において被乾燥物である材料を所定の温度に加熱することによって減圧乾燥を行う第1ドラムと、該第1ドラム内の全材料が一括投入可能であって、投入された乾燥材料を減圧下で所定の温度に保温する第2ドラムと、前記第1及び第2ドラムを個別に加熱可能な加熱手段と、前記第1及び第2ドラムを個別に減圧可能な減圧手段と、前記第1及び第2ドラムを個別に減圧解除可能な減圧解除手段と、前記第1ドラムへの材料の供給,該第1ドラムから排出した材料の前記第2ドラムへの供給,前記第2ドラムからの材料の排出をそれぞれ行う複数の輸送経路と、該複数の輸送経路にそれぞれ設置されており、各輸送経路をそれぞれ個別に密封及び開放可能な複数のコントロールバルブと、前記複数の輸送経路における材料の輸送を行う輸送手段と、を備える。
【0015】
そして、外部への乾燥材料の供給を、前記第2ドラムからの材料の排出を行う輸送経路から行うこととしたので、第1ドラムは乾燥途中で減圧を解除することなく連続的な減圧乾燥が可能になるという効果が得られる。また、第1又は第2ドラムのうち、少なくとも第1ドラムに攪拌手段を設けることで、短時間で乾燥ムラのない均一の乾燥材料の提供が可能となり、被乾燥物の乾燥効率の向上を図ることができる。更に、減圧下において乾燥処理を行うため、酸化による黄変を防止することができる。また、第1及び第2ドラムに対する材料の供給及び排出を行う輸送経路の適切な位置に、該輸送経路の密封及び開放が可能なコントロールバルブを設けることで、材料の咬み込み等による不具合がなく、従来必要とされていた開閉シャッタを不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1の全体構成を示す図である。
【図2】前記実施例1における原材料部から第1ドラムへの材料輸送動作を示す図である。
【図3】前記実施例1における第1ドラムから第2ドラムへの材料輸送動作を示す図である。
【図4】前記実施例1における第2ドラムから成形機ホッパーへの材料輸送動作を示す図である。
【図5】前記実施例1における第2ドラムから成形機ホッパーへの材料輸送(3次エアによる空輸送)動作を示す図である。
【図6】前記実施例1における第1ドラム及び第2ドラムの減圧動作を示す図である。
【図7】前記実施例1の各動作における第1ドラム,第2ドラム,成形機ホッパー内の材料の残量を示す模式図である。
【図8】前記実施例1の各動作における第1ドラム,第2ドラム,成形機ホッパー内の材料の残量を示す模式図である。
【図9】背景技術の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
最初に、図1〜図8を参照しながら、本発明の実施例1を説明する。図1は、本実施例の全体構成を示す図である。図2〜図6は、本実施例の各種輸送動作における各ユニットの動作状態を示す図であって、図2は、原材料部から第1ドラムへの材料輸送動作を示し、図3は、第1ドラムから第2ドラムへの材料輸送動作を示し、図4は、第2ドラムから成形機ホッパーへの材料輸送動作を示し、図5は、第2ドラムから成形機ホッパーへの材料輸送における3次エアによる空輸送の動作を示し、図6は、第1及び第2ドラムにおける減圧動作を示している。また、図7及び図8は、前記各部の動作に対応する第1ドラム,第2ドラム,成形機ホッパー中の材料の残量を示す図である。なお、本実施例においては、被乾燥物として、射出成形材料のペレット状の樹脂材料を例にあげて説明しているが、本発明の乾燥装置の適用対象は、前記樹脂材料に限定されるものではなく、樹脂材料以外のものであってもよい。また、被乾燥物の形状は、ペレット状に限らず、粒状等の各種形状のものが適用可能である。
【0019】
図1に示すように、本実施例の乾燥装置10は、減圧下において被乾燥物である樹脂材料(以下「材料W」)を所定の温度に加熱することによって減圧乾燥を行う第1ドラム12と、該第1ドラム12内の全材料が一括投入可能であって、投入された乾燥材料を減圧下で所定の温度に保温して吸湿や酸化を防止する第2ドラム70を中心に構成されている。このほか、前記乾燥装置10には、前記第1ドラム12及び第2ドラム70を個別に加熱する加熱手段,個別に減圧する減圧手段,個別に減圧解除する減圧解除手段,複数の輸送経路,輸送ブロワ54,複数のコントロールバルブ44,58,86などを含んでいる。以下、各部について順に説明する。
【0020】
まず、前記第1ドラム12について説明すると、該第1ドラム12の壁面12Aの周囲には、加熱用の空気が送り込まれる外周空間15を形成するジャケット14が設けられている。該ジャケット14には、熱風供給路16A及び熱風回収路16Bが接続されており、これら熱風供給路16A,熱風回収路16Bはともに送風ブロワ18に接続されている。前記熱風供給路16Aには、送風ブロワ18によって排出された空気を加熱するためのヒータ20が設けられており、該ヒータ20によって加熱した空気(熱風)を前記外周空間15に送風することで、第1ドラム壁面12Aを通じて内部の材料Wに伝熱し、材料Wを加熱する。なお、第1ドラム12の外周空間15を通過した熱風は、熱風回収路16Bを介して送風ブロワ18に戻り、再度排出され、図1に矢印F1で示すように、循環回路が形成されている。
【0021】
前記第1ドラム12の内部には、前記材料Wを攪拌するための攪拌スクリュー26が外周部に設けられた吸引パイプ27が略垂直方向に設けられている。該吸引パイプ27は、下端側が、第1ドラム12の底面側に設けられた攪拌モータ22の回転軸24に接続されており、前記攪拌モータ22の駆動によって回転可能となっている。また、前記吸引パイプ27は、下端近傍に複数の穴27Aを有するとともに、上端側が後述する輸送経路56の端部に対して回転可能に接続されている。また、前記第1ドラム壁面12Aの外側上方,すなわち、材料Wの投入口付近には、第1ドラム12内の材料Wの有無を検出するための材料検出センサ28が設けられている。更に、第1ドラム12の内部を減圧する減圧手段は、減圧発生装置36と、該減圧発生装置36と第1ドラム12を接続する配管34と、該配管34に設けられた真空電磁弁38Aにより構成される。また、減圧を解除する減圧解除手段は、第1ドラム12の外部に設けられた減圧解除ユニット30と、その弁体30Aと、前記減圧解除ユニット30と第1ドラム12を接続する配管32により構成される。
【0022】
前記第1ドラム12は、輸送経路42によって、原材料部(例えば、バージンタンクなど)40と接続されている。前記輸送経路42の垂直部42Aには、該輸送経路42の密封及び開放を行うコントロールバルブ44が設けられている。前記輸送経路42には、前記第1ドラム12の近傍において輸送エア吸引路46が接続されている。該輸送エア吸引路46は、他方が輸送エア切換ユニット50の弁体50Aに接続されている。また、輸送エア切換ユニット50自体は、配管52によって輸送ブロワ54に接続されている。これら輸送経路42,輸送エア吸引路46,輸送エア切換ユニット50,輸送ブロワ54によって、原料部40から第1ドラム12への材料輸送機構が形成されている。
【0023】
以上のような構成の第1ドラム12は、輸送経路56によって、第2ドラム70に接続されている。該輸送経路56は、第1ドラム12からの材料Wの排出路であると同時に、第2ドラム70への材料Wの供給路でもある。前記輸送経路56は、図示の例では、略コ字状であって、第1ドラム12側の垂直部56Aに、輸送経路56の密封及び開放を行うためのコントロールバルブ58を備えている。前記垂直部56Aの先端には、前記吸引パイプ27が回転可能に接続されており、第1ドラム12内の材料Wは、吸引パイプ27の穴27Aを介して吸引され、輸送経路56へ送られる。また、輸送経路56の第2ドラム70側の垂直部56Bには、輸送エア吸引路60が接続されている。該輸送エア吸引路60の他端は、前記輸送エア切換ユニット50の弁体50Bに接続されている。前記輸送経路56,輸送エア吸引路60,輸送エア切換ユニット50,輸送ブロワ54によって、第1ドラム12から第2ドラム70への材料輸送機構が形成されている。
【0024】
次に、第2ドラム70について説明する。第2ドラム70は、壁面70Aの外側のほぼ全面にヒータ72を備えており、前記壁面70Aを通じて内部の材料Wに伝熱し、材料Wを所定の温度に保っている。本実施例では、前記ヒータ72として、ラバーヒータを使用している。また、第2ドラム壁面70Aの外側の中間部付近と上方寄りの位置には、第2ドラム70中の材料Wの残量を検出するための第1バッチ上限レベル計80と、第2バッチ上限レベル計82が設けられている。本実施例では、第2ドラム70は、第1ドラム12から全量排出される材料Wを、2回以上貯留できる容量に設定されている。そのため、前記第1バッチ上限レベル計80の高さは、空の状態の第2ドラム70に、第1ドラム12中の全材料を投入したときに材料Wがあることを検出できる高さに設定されている。また、第1バッチ上限レベル計80から第2バッチ上限レベル計82までの容量は、第1ドラム12の全排出量よりも若干少なく設定してある。従って、第1バッチ上限レベル計80が空を検出した後に、2バッチ分の原料を輸送すると、第2バッチ上限レベル計82を超えて材料が入ることなる。
【0025】
前記第2ドラム70の内部を減圧する減圧手段は、前記減圧発生装置36と、該減圧発生装置36と第2ドラムを接続する配管78と、該配管78に設けられた真空電磁弁38Bにより構成される。また、減圧を解除する減圧解除手段は、第2ドラム70の外部に設けられた減圧解除ユニット74と、その弁体74Aと、前記減圧解除ユニット74と第2ドラム70を接続する配管76により構成される。更に、前記第2ドラム70は、輸送経路84によって、成形機100のホッパー102に接続されている。該成形機ホッパー102には、成形機100寄りの位置に、材料Wの有無を検出するための材料検出センサ104が設けられている。前記輸送経路84の第2ドラム70側の垂直部84Aには、該輸送経路84の密封及び開放を行うコントロールバルブ86が設けられている。一方、前記成形機ホッパー102には、前記輸送エア切換ユニット50の弁体50Cに接続された輸送エア吸引路106が接続されている。これら輸送経路84,輸送エア吸引路106,輸送エア切換ユニット50,輸送ブロワ54によって、第2ドラム70から成形機ホッパー102への材料輸送機構が形成されている。
【0026】
前記輸送経路84には、前記第2ドラム70内の空気(2次エア)を吸引する2次エア取込み口96を有する吸引パイプ88が接続されている。該吸引パイプ88は、第2ドラム70に先に投入された材料Wを優先的に排出することができるように、先端が第2ドラム70の底部近傍に達する長さに設定されている。第2ドラム70外部における前記輸送経路垂直部84Aには、前記コントロールバルブ86と前記2次エア取込み口96の間に、外部の空気(3次エア)を取込むための3次エア取込み口94が設けられている。該3次エア取込み口94には、3次エアを遮断及び開放する3次エア切換バルブ92が設けられている。該3次エア切換バルブ92を閉塞すると、前記2次エア取込み口96からの2次エアの取込みによって前記吸引パイプ88から材料Wが吸引され、材料Wが成形機ホッパー102へ輸送される。所定量を排出した時点で前記3次エア切換バルブ92を開放し、3次エアを取込むと、材料Wの吸引力を低下させて、材料Wの排出を停止させるとともに、前記輸送経路84を空輸送させて材料Wの残留を防止する。
【0027】
次に、図2〜図8も参照しながら、本実施例の作用を説明する。乾燥装置10の運転開始前においては、図7(A)に示すように、第1ドラム12の材料検出センサ28,第2ドラム70の第1バッチ上限レベル計80及び第2バッチ上限レベル計82,成形機ホッパー102の材料検出センサ104は、それぞれ空を検出している。この状態から、原材料部40から第1ドラム12への材料W(第1バッチW1)の供給が開始される。なお、第1バッチW1の供給開始時点では、第1ドラムは大気圧状態のため、減圧解除ユニット30の弁体30Aは閉塞状態のままである。材料供給時は、輸送経路42のコントロールバルブ44を開放するとともに、輸送エア切換ユニット50の弁体50Aを開放すると、輸送ブロワ54の運転によって、図2に矢印FA及びF2aに示すように輸送エアが吸引され、同図に矢印F2bで示すように、原材料部40から第1ドラム12へ材料が吸引輸送される。
【0028】
その後、図7(B)に示すように、第1ドラム12の材料検出センサ28が材料の満タンを検出すると、輸送ブロワ54が停止し、輸送経路42のコントロールバルブ44が閉塞するとともに、輸送エア切換ユニット50の弁体50Aが閉塞し、第1ドラム12は密封状態となる。本実施例では、前記コントロールバルブ44が輸送経路垂直部42Aに設けられているため、前記輸送ブロワ54が停止すると、コントロールバルブ44よりも上側の輸送経路42中にある材料は、コントロールバルブ44よりも下方に落下するため、コントロールバルブ44の開閉時には材料がない状態になる。従って、コントロールバルブ44を輸送開始前に開放し、輸送終了後に閉塞することによって、開閉時は材料との接触がなくなるため、咬み込み等による不具合を解消できる。
【0029】
次に、第1ドラム12の攪拌スクリュー26によって第1ドラム12内の材料(第1バッチW1)を攪拌するとともに、減圧発生装置36を駆動して真空電磁弁38Aを開き、図6に矢印F6aで示すように第1ドラム12を減圧する。なお、図6には、第2ドラム70側の減圧動作も同時に示されているが、これら第1ドラム12,第2ドラム70の減圧は、状況に応じて同時に行うこともあれば、独立して行うこともある。
【0030】
このように第1ドラム12内を減圧した状態で、送風ブロワ18及びヒータ20を駆動すると、ジャケット14内に供給された熱風により壁面12Aが加熱され、該壁面12Aを通じて材料が加熱乾燥される。一般的に、減圧下における熱伝達の大半は接触部位における熱伝導であるが、本実施例で被乾燥物として例に挙げた樹脂材料は熱伝導率が低いため、従来の技術では熱源からの距離によって材料温度にムラが発生する懸念があった。しかしながら、本実施例では、第1ドラム12に設けた攪拌機能によって均一な熱交換が可能となり、材料温度のムラの発生が抑えられるとともに、短時間で均一な乾燥状態にすることができる。なお、乾燥中は、図示しない材料温度検出センサと前記ヒータ20を連動させることにより、第1ドラム12内の材料が所定の温度を保つように制御されている。
【0031】
第1ドラム12で所定時間乾燥された材料は、第2ドラム70へ全量排出される。なお、本実施例では、乾燥装置10の運転開始直後の2バッチ以外は、第1ドラム12で乾燥された材料は、第2ドラム70の第1バッチ上限レベル計80が空を検出するまで第1ドラム12内で待機し、空検出したら第2ドラム70へ全量排出されるものとする。第1ドラム12からの材料の排出は、減圧解除ユニット30の弁体30Aが開放し、第1ドラム12の減圧が解かれた状態で行う。なお、第1バッチW1の輸送時は、第2ドラム70は大気圧状態のため、減圧解除ユニット74の弁体74Aは閉塞状態のままである。第2バッチW2以降の輸送においては、減圧解除ユニット30の弁体30Aと同時に、減圧解除ユニット74の弁体74Aを一度開放し、両ドラムの減圧を解除したあと、減圧解除ユニット74の弁体74Aのみすぐに閉塞し、輸送を開始する。これは、減圧解除ユニット74が開放したままだと、弁体74Aから入ったエアが吸引されて材料の輸送ができなくなるためである。次に、輸送経路56のコントロールバルブ58を開放するとともに、輸送エア切換ユニット50の弁体50Bが開放されると、輸送ブロワ54の運転によって、図3に矢印FA及びF3aで示すように輸送エアの吸引が行われ、同図に矢印F3bで示すように、第1ドラム12から第2ドラム70へ材料(第1バッチW1)が吸引輸送される。
【0032】
第1ドラム12から第1バッチW1の全量排出が終了し、輸送ブロワ54が停止すると、輸送経路56のコントロールバルブ58と、輸送エア切換ユニット50の弁体50Bが閉塞し、第2ドラム70は密封状態となる。ここで、前記コントロールバルブ58は、第1ドラム12内の材料を全量輸送した後で閉塞することにより、開閉時は材料が接触していない状態になるため、咬み込み等の不具合を解消できる。また、仮に、輸送ブロワ54が停止する間際に材料の粒子が輸送されて、輸送経路56中に粒子が停止することがあったとしても、本実施例では、前記コントロールバルブ58を垂直部56Aに設けているため、材料を落下させて咬み込みを防止することが可能である。その後、真空電磁弁38Bを開き、図6に矢印F6bで示すように第2ドラム70内を減圧する。なお、第2ドラム70の外周は、ヒータ72により予め加熱されており、ドラム内の材料の温度低下を防止するとともに、減圧することによって酸化や吸湿を防いでいる。また、第2ドラム70の外周には、図示しない温度センサが設置されており、ヒータ72と連動して、所定の温度を保つように制御されている。
【0033】
第1ドラム12から第2ドラム70への第1バッチW1の輸送後の状態は、図7(C)に示す通りであり、第2ドラム70では、第1バッチ上限レベル計80の空の検出が消え、第2バッチ上限レベル計82が空を検出している。また、第1ドラム12の材料検出センサ28は空を検出している。このため、前述と同様の手順で、新たな未乾燥材料が第1ドラム12へ吸引輸送され、第2バッチW2の減圧攪拌乾燥が行われる(図7(D))。本実施例では、減圧乾燥装置10の運転開始時は、第2ドラム70に2バッチ分を貯留してから成形機ホッパー102への材料供給を開始することとしているため、減圧乾燥が完了した第2バッチW2は、前述と同様の手順で第2ドラム70へ吸引輸送される(図7(E))。
【0034】
このとき、上述したように、第1バッチ上限レベル計80から第2バッチ上限レベル計82までの容量は、第1ドラム12の1バッチ分の全排出量よりも若干少なく設定しているため、第2バッチW2の全量を輸送すると、第2バッチ上限レベル計82を超えて材料が入ることになる。従って、第2バッチ上限レベル計82が材料を検出した後も、輸送ブロワ54を所定時間運転することで、第2バッチW2の全量輸送を可能としている。一方、再び材料検出センサ28で空が検出された第1ドラム12には、新たな未乾燥材料が吸引輸送され、第3バッチW3の減圧攪拌乾燥が行われる(図8(A))。減圧攪拌乾燥が完了したら、第2ドラム70の第1バッチ上限レベル計80が空を検出するまで、第3バッチW3は第1ドラム12内で待機する。
【0035】
第2ドラム70に貯留された乾燥材料は、成形機ホッパー102に所定量排出(供給)される。該第2ドラム70から成形機ホッパー102への材料の供給は、第2ドラム70に2バッチ分貯留されてからは、前記成形機ホッパー102の材料検出センサ104が空を検出する都度、行われる。材料の排出時は、まず、減圧解除ユニット74の弁体74Aが開放し、第2ドラム70のみ減圧が解除される。次に、輸送経路84のコントロールバルブ86が開放するとともに、輸送エア切換ユニット50の弁体50Cが開放し、輸送ブロワ54の運転によって、図4に矢印FA及びF4aで示すように輸送エアを吸引することによって、同図に矢印F4bで示すように材料が吸引輸送される。このときの材料は、図8(B)に示すように、第1バッチW1から優先して輸送される。
【0036】
なお、材料の輸送時は、前記3次エア切換バルブ92を閉塞すると共に減圧解除ユニット74の弁体74Aを開放し、第2ドラム70内に設置された吸引パイプ88の2次エア取込み口96から、図4に矢印F4cで示すように2次エアを取込むことによって材料を吸引排出する。そして、所定量排出した時点で、3次エア切換バルブ92を開放し、図5に矢印F5aで示すように3次エアを取込むことによって、材料吸引力が低下して材料排出が停止するとともに、輸送経路84が空輸送され、3次エア取込み口94以降(すなわち、成形機ホッパー102側)の輸送経路84内の材料が、全て成形機ホッパー102へ輸送される(矢印F5b)。輸送ブロワ54は所定時間だけ空輸送すると停止し、その後、3次切換バルブ92が閉塞し、輸送経路84のコントロールバルブ86が閉塞するとともに、減圧解除ユニット50の弁体50Bと減圧解除ユニット74の弁体74Aが閉塞し、第2ドラム70は密閉状態となる。その後、減圧発生装置36により減圧され、乾燥材料(第1バッチW1及び第2バッチW2)の酸化や吸湿を防止する。なお、前記コントロールバルブ86を、前記3次エア取込み口94の下流側に設けたことによって、開閉時は材料が接触していない状態になるため、咬み込み等の不具合を解消できる。また、コントロールバルブ86を輸送経路84の垂直部84Aに設けたことによる効果は、前記コントロールバルブ58の場合と同様である。
【0037】
前記第2ドラム70内の材料は、図8(C)に示すように、成形機ホッパー102の材料検出センサ104が空を検出する度に、上述と同様の動作によって、成形機ホッパー102への輸送が繰り返されるため、残量が次第に減少する。そして、図8(D)に示すように、第2ドラム70の第1バッチ上限レベル計80が空を検出すると、第1ドラム12で待機していた乾燥材料(第3バッチW3)が、前述と同様の動作によって、第2ドラム70へ全量輸送される。空になった第1ドラム12には、前記図8(A)と同様に新たな未乾燥材が投入される。以降は、前記図8(A)〜(E)までの動作を繰り返すことにより、材料Wの連続乾燥が可能となる。
【0038】
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)減圧乾燥可能な第1ドラム12及び第2ドラム70を設け、外部への材料Wの供給を、前記第2ドラム70から行うこととしたので、第1ドラム12においては、乾燥中に減圧を解除する必要がなくなるため、大気に触れない状態で連続的な減圧乾燥が可能となる。
(2)前記第1ドラム12に攪拌スクリュー26を設けたため、乾燥ムラのない均一な乾燥品質の材料を提供することが可能となる。
(3)減圧乾燥により材料Wの酸化が防止でき、黄変対策として効果がある。
(4)減圧による沸点低下により、大気圧下における乾燥装置よりも乾燥温度を低温にできるとともに、乾燥時間の短縮を図ることができる。
【0039】
(5)輸送経路の垂直部42A,56A,84Aに、コントロールバルブ44,58,86を設けるとともに、第2ドラム70の排出路(輸送経路84)のコントロールバルブ86の上流側(第2ドラム70の排出口側)に、3次エア取込み口94及び3次エア切換バルブ92を設けることとした。このため、背景技術における開閉シャッタが不要になる,材料Wに混入された粉砕材等の咬み込みによる開閉動作不良の解消による確実な密封の確保,コントールバルブの開閉部にかかる負荷の解消による開閉部の耐久性の向上,を見込むことができる。
【0040】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した各部の形状,寸法,材質は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。
(2)前記実施例では、第2ドラム70の加熱手段としてラバーヒータを使用しているが、ドラム壁面70Aを加熱可能なものであれば、第1ドラム12と同様の加熱手法としてもよいし、他の公知の各種の加熱手段を用いてよい。
(3)同様に、第1ドラム12の加熱方法も適宜変更可能であるが、前記実施例で採用した熱風式とすると制御が容易であるので都合がよい。
(4)前記実施例では、第1ドラム12にのみ攪拌手段を設けたが、第2ドラム70のみ,あるいは第1ドラム12及び第2ドラム70の双方に設けるようにしてもよい。
【0041】
(5)前記実施例では、第2ドラム70の容量を、第1ドラム12のほぼ2倍としたが、これも一例であり、第1ドラム12内の材料の一括投入が可能であれば、第2ドラム70の容量は必要に応じて適宜変更してよい。
(6)前記実施例では、吸引パイプ88に2次エア取込み口96を設けることとしたが、輸送経路84が第2ドラム70内部に達する長さに設定されているときは、輸送経路84に2次エア取込み口96を設けるようにしてもよい。同様に、前記実施例では、輸送経路84に3次エア取込み口94を設けることとしたが、吸引パイプ88が、コントロールバルブ86の直近まで設けられているときは、吸引パイプ88に3次エア取込み口94を設けてもよい。
【0042】
(7)前記実施例では、輸送経路42,56,84の垂直部42A,56A,84Aにコントロールバルブ44,58,86を設けることとしたが、これも一例である。例えば、コントロールバルブ58,86については、輸送経路56,84の垂直部56A,84A以外の部分に設けても材料Wの輸送後に閉塞するため咬み込みが生じず、従来の開閉シャッタの省略が可能である。
(8)本発明の乾燥装置の適用対象は、樹脂材料に限定されるものではなく、公知の各種の被乾燥物に対して適用可能である。また、その形態についてもペレット状に限定されるものではなく、各種形状の被乾燥物に対して適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、減圧下において被乾燥物である材料を所定の温度に加熱することによって減圧乾燥を行う第1ドラムと、該第1ドラム内の全材料が一括投入可能であって、投入された乾燥材料を減圧下で所定の温度に保温する第2ドラムと、前記第1及び第2ドラムを個別に加熱可能な加熱手段と、前記第1及び第2ドラムを個別に減圧可能な減圧手段と、前記第1及び第2ドラムを個別に減圧解除可能な減圧解除手段と、前記第1ドラムへの材料の供給,該第1ドラムから排出した材料の前記第2ドラムへの供給,前記第2ドラムからの材料の排出をそれぞれ行う複数の輸送経路と、該複数の輸送経路にそれぞれ設置されており、各輸送経路を個別に密封及び開放可能な複数のコントロールバルブと、前記複数の輸送経路における材料の輸送を行う輸送手段と、を備える。そして、外部への乾燥材料の供給を、前記第2ドラムからの材料の排出を行う輸送経路から行うこととしたので、第1ドラムは乾燥途中で減圧を解除することなく連続的な減圧乾燥が可能になる。また、第1又は第2ドラムのうち、少なくとも第1ドラムに攪拌手段を設けることで、短時間で乾燥ムラのない均一な乾燥材料の供給を可能としたので、被乾燥物の乾燥効率が高い自動乾燥装置の用途に適用できる。また、減圧下において乾燥処理を行うため、酸化による黄変の防止が望まれる被乾燥物の乾燥装置に適用できる。
【0044】
更に、前記コントロールバルブを、前記輸送経路が略垂直方向に設けられた部分に配置するとともに、前記第2ドラムから材料を排出する輸送経路に接続されており、前記第2ドラム内の空気を吸引する2次エア取込み部を有するとともに、前記第2ドラム内の材料を吸引する吸引パイプと、該吸引パイプ又は前記材料の排出を行う輸送経路中であって、前記2次エア取込み部と前記コントロールバルブの間に設定されており、外部の空気を取込むための3次エア取込み部と、該3次エア取込み部に接続されており、3次エアを遮断及び開放する開閉バルブと、を設ける。そして、第2ドラム内の材料を外部へ供給するときは、前記開閉バルブの閉塞による2次エアの取込みによって前記吸引パイプから材料を吸引し、所定量を排出した時点で前記開閉バルブを開放し、3次エアの取込みによって材料の吸引力を低下させて材料の排出を停止させるとともに、前記輸送経路を空輸送させて材料の残留を防止する。このため、従来の乾燥ドラムの材料投入口や排出口に設置される開閉シャッタを廃止でき、開閉部に対する材料の咬み込みも防止可能となるため、特に、減圧乾燥装置の用途に好適である。
【符号の説明】
【0045】
10:乾燥装置
12:第1ドラム
12A:壁面
14:ジャケット
15:外周空間
16A:熱風供給路
16B:熱風回収路
18:送風ブロワ
20:ヒータ
22:攪拌モータ
24:回転軸
26:攪拌スクリュー
27:吸引パイプ
27A:穴
28:材料検出センサ
30:減圧解除ユニット
30A:弁体
32,34:配管
36:減圧発生装置
38A,38B:真空電磁弁
40:原材料部
42:輸送経路
42A:垂直部
44:コントロールバルブ
46:輸送エア吸引路
50:輸送エア切換ユニット
50A,50B,50C:弁体
52:配管
54:輸送ブロワ
56:輸送経路
56A,56B:垂直部
58:コントロールバルブ
60:輸送エア吸引路
70:第2ドラム
70A:壁面
72:ヒータ
74:減圧解除ユニット
74A:弁体
76,78:配管
80:第1バッチ上限レベル計
82:第2バッチ上限レベル計
84:輸送経路
84A:垂直部
86:コントロールバルブ
88:吸引パイプ
92:3次エア切換バルブ
94:3次エア取込み口
96:2次エア取込み口
100:成形機
102:成形機ホッパー
104:材料検出センサ
106:輸送エア吸引路
200:減圧乾燥装置
202:乾燥ドラム
204A〜204C:ヒータ
206A〜206D:壁面
208:投入口
210,214:開閉シャッタ
212:排出口
216:減圧発生装置
218:原材料部
220:成形機
222:成形機ホッパー
224,226:材料検出センサ
W:材料
W1:第1バッチ
W2:第2バッチ
W3:第3バッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧下において被乾燥物である材料を所定の温度に加熱することによって減圧乾燥を行う第1ドラムと、
該第1ドラム内の全材料が一括投入可能であって、投入された乾燥材料を減圧下で所定の温度に保温する第2ドラムと、
前記第1及び第2ドラムを個別に加熱可能な加熱手段と、
前記第1及び第2ドラムを個別に減圧可能な減圧手段と、
前記第1及び第2ドラムを個別に減圧解除可能な減圧解除手段と、
前記第1ドラムへの材料の供給,該第1ドラムから排出した材料の前記第2ドラムへの供給,前記第2ドラムからの材料の排出をそれぞれ行う複数の輸送経路と、
該複数の輸送経路にそれぞれ設置されており、各輸送経路を個別に密封及び開放可能な複数のコントロールバルブと、
前記複数の輸送経路における材料の輸送を行う輸送手段と、
を備えるとともに、
外部への乾燥材料の供給を、前記第2ドラムからの材料の排出を行う輸送経路から行うことで、前記第1ドラムにおける減圧乾燥中に、減圧状態の維持を可能としたことを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
前記第1ドラム及び第2ドラムのうち、少なくとも前記第1ドラムに、前記材料を攪拌する攪拌手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記コントロールバルブを、前記輸送経路が略垂直方向に設置された部分に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記第2ドラムから材料を排出する輸送経路に接続されており、前記第2ドラム内の空気を吸引する2次エア取込み部を有するとともに、前記第2ドラム内の材料を吸引する吸引パイプと、
該吸引パイプ又は前記材料を排出する輸送経路に、前記2次エア取込み部と前記コントロールバルブの間に設けられており、外部の空気を取込むための3次エア取込み部と、
該3次エア取込み部に接続されており、3次エアを遮断及び開放する開閉バルブと、
を備えており、
前記開閉バルブの閉塞による2次エアの取込みによって前記吸引パイプから材料を吸引し、所定量を排出した時点で前記開閉バルブを開放し、3次エアの取込みによって材料の吸引力を低下させて材料の排出を停止させるとともに、前記輸送経路を空輸送させて材料の残留を防止したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−194623(P2011−194623A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61719(P2010−61719)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(503235525)株式会社シュトルツ (8)
【Fターム(参考)】