説明

乾燥装置

【課題】全体をコンパクトにしながら供給される被乾燥物を速やかに乾燥する。
【解決手段】乾燥装置は、多孔板13を筒状としたろ過筒11の両端を端板12で閉塞して、内側を乾燥チャンバー2とする回転ドラム1と、この回転ドラム1を回転させる回転機構3と、回転ドラム1内に加熱空気を強制送風する加熱送風機構4とを備える。回転ドラム1は、ろ過筒11の内側に離して複数のロッド15を円筒状に配置したロッド筒5を設けて、乾燥チャンバー2を第1の乾燥チャンバー2Aと第2の乾燥チャンバー2Bとに区画している。乾燥装置は、開口部20から第1の乾燥チャンバー2Aに供給された被乾燥物を、回転される回転ドラム1の第1の乾燥チャンバー2Aで乾燥し、落下隙間16を通過させて第2の乾燥チャンバー2Bに落下させ、第2の乾燥チャンバー2Bでさらに乾燥された被乾燥物を多孔板13の貫通孔14を通過させて外部に排出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥して粉粒体となる被乾燥物の乾燥装置に関し、例えば、メッキ工場や製紙工場、製薬工場等の種々の工場から排出される廃液や汚泥をフィルタープレス等で脱水して発生する廃棄物等の乾燥に最適な乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥装置としてトロンメルが使用される。(特許文献1参照)
トロンメルは、回転する円筒を、回転の中心軸を下り勾配に配置している。内部に供給した被乾燥物は、回転されながら下り勾配に傾斜する円筒内を移動して乾燥される。トロンメルは、内部に供給される被乾燥物を、回転し撹拌しながら移送して乾燥させるので、円筒が長くなって装置全体が大きくなる欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−198483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、この欠点を解消することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、全体をコンパクトにしながら供給される被乾燥物を速やかに乾燥できる乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0005】
本発明の乾燥装置は、多孔板13を筒状としてなるろ過筒11の両端を端板12で閉塞して、ろ過筒11の内側を乾燥チャンバー2としてなる回転ドラム1と、この回転ドラム1をろ過筒11の中心軸を中心として回転させる回転機構3と、回転ドラム1内の乾燥チャンバー2に加熱空気を強制送風して乾燥チャンバー2内に供給された被乾燥物を乾燥する加熱送風機構4とを備えている。回転ドラム1は、ろ過筒11の内側に離して複数のロッド15を回転軸10と平行な姿勢でスリット状の落下隙間16を設けて円筒状に配置してロッド筒5を設けており、このロッド筒5でもって、回転ドラム1内の乾燥チャンバー2を、ロッド筒5の内側にある第1の乾燥チャンバー2Aと、ロッド筒5の外側にある第2の乾燥チャンバー2Bとに区画している。さらに、回転ドラム1は、その一部に、被乾燥物を第1の乾燥チャンバー2Aに供給する開閉自在な開口部20を有している。乾燥装置は、開口部20から第1の乾燥チャンバー2Aに供給された被乾燥物を、回転される回転ドラム1の第1の乾燥チャンバー2Aで乾燥し、落下隙間16を通過させて第2の乾燥チャンバー2Bに落下させ、第2の乾燥チャンバー2Bでさらに乾燥された被乾燥物を多孔板13の貫通孔14を通過させて外部に排出している。
【0006】
以上の乾燥装置は、全体をコンパクトにしながら供給される被乾燥物を速やかに効率よく乾燥できる特徴がある。それは、以上の乾燥装置が、回転ドラムの内部に設けている乾燥チャンバーを、複数のロッドを円筒状に配置しているロッド筒でもって、第1の乾燥チャンバーと第2の乾燥チャンバーとに区画し、第1の乾燥チャンバーで乾燥された被乾燥物をロッドの落下隙間から第2の乾燥チャンバーに供給し、第2の乾燥チャンバーでさらに乾燥して外部に排出するようにしているからである。乾燥チャンバー内を、ロッド筒で第1の乾燥チャンバーと第2の乾燥チャンバーとに区画している回転ドラムは、供給される被乾燥物を第1の乾燥チャンバーと第2の乾燥チャンバーに分離して、すなわち被乾燥物を分散させる状態で効率よく乾燥する。また、第1の乾燥チャンバーで乾燥した被乾燥物を第2の乾燥チャンバーで乾燥するので、第1の乾燥チャンバーから第2の乾燥チャンバーに供給する被乾燥物の大きさをロッドの落下隙間で調整でき、また、第2の乾燥チャンバーから排出される被乾燥物の大きさを、ろ過筒の多孔板の貫通孔の大きさで調整できるので、被乾燥物を効率よく乾燥しながら、所定の大きさに選別して外部に排出できる特徴も実現する。
【0007】
本発明の乾燥装置は、ロッド15を中空パイプ15Aとして、この中空パイプ15Aの内部を加熱送風機構4に連結して、加熱送風機構4から強制送風される加熱空気を供給することができる。
以上の乾燥装置は、ロッドを中空パイプとしてその内側に加熱空気を強制送風するので、ロッドでもって被乾燥物をより効率よく乾燥できる特徴が実現される。
【0008】
本発明の乾燥装置は、ろ過筒11に設けている貫通孔14の最小内形を、ロッド筒5の落下隙間16の間隔よりも小さくすることができる。
以上の乾燥装置は、第1の乾燥チャンバーから第2の乾燥チャンバーにスムーズに被乾燥物を供給しながら、ろ過筒の貫通孔でもって乾燥して排出する被乾燥物の粒径を所定の大きさに調整して外部に排出できる。
【0009】
本発明の乾燥装置は、ろ過筒11を、第1のろ過筒11Aの外側に第2のろ過筒11Bを配設してなる二重構造として、第2のろ過筒11Bを構成する多孔板13の貫通孔14の内径(d2)を、第1のろ過筒11Aを構成する多孔板13の貫通孔14の内径(d1)よりも小さくし、さらに、第1のろ過筒11Aと第2のろ過筒11Bの間に第3の乾燥チャンバー2Cを設けて、第2の乾燥チャンバー2Bで乾燥された被乾燥物を、第3の乾燥チャンバー2Cでさらに小さく粉砕して外部に排出することができる。
以上の乾燥装置は、第2の乾燥チャンバーで乾燥されて所定の粒径に粉砕された被乾燥物を、第1のろ過筒の貫通孔に通過させて第3の乾燥チャンバーに供給し、さらに、この第3の乾燥チャンバーで乾燥させてより小さな粒径に粉砕された被乾燥物を第2のろ過筒の貫通孔に通過させて外部に排出するので、回転ドラムから排出される被乾燥物の粒径をさらに小さくできる。
【0010】
本発明の乾燥装置は、ロッド筒5の内側に、ロッド筒5の落下隙間16よりも広い間隔の透過隙間18を設けて複数のロッド17を筒状に配置してなる内側ロッド筒6を配設して、この内側ロッド筒6でもって、第1の乾燥チャンバー2A内の被乾燥物を撹拌しながら乾燥することができる。
以上の乾燥装置は、内側ロッド筒でもって第1の乾燥チャンバーに供給された被乾燥物を撹拌するので、第1の乾燥チャンバー内の被乾燥物をより速やかに乾燥できる。
【0011】
本発明の乾燥装置は、内側ロッド筒6を構成するロッド17を中空パイプ17Aとして、この中空パイプ17Aに加熱送風機構4から加熱空気を供給することができる。
以上の乾燥装置は、内側ロッド筒のロッドを加熱空気で加熱するので、第1の乾燥チャンバー内の被乾燥物を撹拌しながら加熱して、より速やかに乾燥できる特徴がある。
【0012】
本発明の乾燥装置は、閉鎖構造の外装ケース7を有し、この外装ケース7内に回転ドラム1を配設し、加熱送風機構4が外装ケース7内に加熱空気を強制送風することができる。
以上の乾燥装置は、外装ケースに加熱空気を強制送風して、回転ドラムに供給される被乾燥物を効率よく乾燥できる。
【0013】
本発明の乾燥装置は、回転ドラム1の下方に位置して、回転ドラム1から排出される被乾燥物を外部に排出するロータリーフィーダー8を備えることができる。このロータリーフィーダー8は、回転ドラム1から排出される被乾燥物が供給される回転体80を備えて、加熱送風機構4から外装ケース7内に強制送風される加熱空気を回転体80の内部に通過させて、この加熱空気の熱を利用して回転体80の被乾燥物を乾燥することができる。
以上の乾燥装置は、回転体の内部を通過する加熱気体の輻射熱を有効に利用して回転体を内部から加熱することで、回転体に供給される被乾燥物を、さらに加熱して乾燥できる。
【0014】
本発明の乾燥装置は、回転体80が、回転ドラム1の回転軸10と平行な姿勢で回転できるように支持された円筒状の回転筒81と、この回転筒81の外周面から半径方向に放射状に突出する複数の隔壁82を有し、さらに、回転体80を回転駆動する駆動キー84を回転ドラム1の外周部に設けて、回転する回転ドラム1が駆動キー84で回転体80の隔壁82を移動させて、回転する回転ドラム1に対して所定の周期で回転体80を回転させて被乾燥物を排出することができる。
以上の乾燥装置は、回転体を回転させるための動力を必要とせず、回転する回転ドラムのエネルギーを有効に利用して回転体を回転させながら、回転体に供給されて乾燥された被乾燥物を排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例にかかる乾燥装置の斜視図である。
【図2】図1に示す乾燥装置の垂直横断面図である。
【図3】図1に示す乾燥装置の垂直縦断面図である。
【図4】図1に示す乾燥装置の断面斜視図である。
【図5】図1に示す乾燥装置の内部構造を示す分解斜視図である。
【図6】図2に示す回転ドラムのロッド筒とろ過筒を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための乾燥装置を例示するものであって、本発明は乾燥装置を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0017】
本発明の乾燥装置は、例えば、メッキ工場の廃液をフィルタープレスで脱水した脱水ケーキを所定の粒径の粉粒体に乾燥するのに使用される。脱水ケーキは、70重量%〜90重量%もの水分を含有するので、廃棄する重量が極めて大きく、廃棄に費用がかかる欠点がある。水分率を半分に乾燥して、全体の重量を半減でき、また1/3に乾燥して、重量を1/3に減少できる。さらに、本発明の乾燥装置は、被乾燥物をメッキ工場の脱水ケーキには特定せず、乾燥して粉粒体となる全ての物、たとえば、製紙工場や製薬工場等の種々の工場から排出される廃液や汚泥を脱水した脱水ケーキなどの乾燥にも使用できるので、用途を特定するものではない。
【0018】
図1ないし図5に示す乾燥装置は、外装ケース7内に回転ドラム1を回転できるように配置している。回転ドラム1は、多孔板13を筒状としているろ過筒11の両端を端板12で閉塞して、ろ過筒11の内部に乾燥チャンバー2を設けている。この回転ドラム1は、回転機構3で回転される。回転ドラム1は、両端の端板12の中心に回転軸10を固定している。両側の端板12は、その中心に直線状に回転軸10を固定して、回転軸10をベアリング31で外装ケース7の端面プレート71に連結して、回転軸10を水平姿勢として、外装ケース7に連結している。回転軸10は、外装ケース7から突出する部分にスプロケット32を固定し、このスプロケット32をチェーン33を介して回転機構3のモータ30に連結している。
【0019】
ろ過筒11の多孔板13は、無数の貫通孔14を設けてパンチングメタルである。パンチングメタルの貫通孔14は、乾燥して排出される粉粒体の粒径を特定する。この乾燥されて小さい粉粒体となった被乾燥物が貫通孔14から外部に排出されるからである。メッキの脱水ケーキを乾燥する乾燥装置は、貫通孔14の内径を2mm〜4mmとする。ただし、貫通孔14の内径、例えば、1mm以上、好ましくは2mm以上とする。また、貫通孔14の内径は、例えば10mmよりも小さく、好ましくは8mmよりも小さくすることができる。貫通孔14の内径が小さくなると、排出される粉粒体の水分率は少なくなる。水分率が小さくなるにしたがって、被乾燥物が小さい粉末状に粉砕されるからである。貫通孔の内径を大きくして、排出される粉粒体の水分率を高くできるので、要求される水分率と粒径を考慮して貫通孔の内径は特定される。また、貫通孔は、円形とすることもできるが、多角形、楕円形、十字状の孔、星形の孔など種々な形状とすることができる。
【0020】
回転ドラム1は、ろ過筒11の内部に複数のロッド15を円筒状に並べているロッド筒5を設けて、乾燥チャンバー2を第1の乾燥チャンバー2Aと第2の乾燥チャンバー2Bとに区画している。ロッド筒5は、円筒状に配置している複数のロッド15からなる。複数のロッド15は、ろ過筒11から内側に離して、回転軸10と平行な姿勢で、スリット状の落下隙間16を設けて円筒状に配置されて、その両端を端板12に固定している。ロッド筒5は、隣接するロッド15の間を被乾燥物の落下隙間16としている。落下隙間16の間隔は、被乾燥物の種類によって最適値に設定されるが、メッキ工場の脱水ケーキの乾燥装置にあっては、落下隙間16の間隔を約5mmとする。ただし、この落下隙間16は、例えば、2mm以上、好ましくは3mm以上とする。また、落下隙間16は、例えば20mmよりも狭く、好ましくは15mmよりも狭くする。第1の乾燥チャンバー2Aの被乾燥物は、落下隙間16を通過して第2の乾燥チャンバー2Bでさらに乾燥され、ここで乾燥されて粉粒体となった状態で多孔板13の貫通孔14から排出される。したがって、ロッド筒5の落下隙間16の間隔は、ろ過筒11の多孔板13の貫通孔14の内形よりも広くしている。多孔板13の貫通孔14を円形とする回転ドラム1は、落下隙間16の間隔を貫通孔14の内径よりも広くする。貫通孔が多角形、楕円形、十字状などの場合は、ロッドの落下隙間を貫通孔の最小内形よりも大きくする。
【0021】
さらに、図2ないし図4に示す回転ドラム1は、ろ過筒11を二重構造としている。二重構造のろ過筒11は、内側に配置される第1のろ過筒11Aと、この第1のろ過筒11Aの外側に同心に配設している第2のろ過筒11Bとからなる。第1のろ過筒11Aと第2のろ過筒11Bとの間には、第3の乾燥チャンバー2Cを設けている。この第3の乾燥チャンバー2Cは、第2の乾燥チャンバー2Bで乾燥されて、第1のろ過筒11Aの多孔板13の貫通孔14を通過して供給される粉末状の被乾燥物を乾燥して、さらに、小さな粉末状に粉砕して第2のろ過筒11Bから排出する。第1のろ過筒11Aを通過した被乾燥物を第3の乾燥チャンバー2Cでさらに小さく粉砕して第2のろ過筒11Bから排出するために、ろ過筒11は、図6に示すように、第2のろ過筒11Bを構成する多孔板13の貫通孔14の内径(d2)を、第1のろ過筒11Aを構成する多孔板13の貫通孔14の内径(d1)よりも小さくしている。ろ過筒11は、例えば、第1のろ過筒11Aの多孔板13の貫通孔14の内径(d1)を3mmとし、第2のろ過筒11Bの多孔板13の貫通孔14の内径(d2)を2mmとしている。このろ過筒11は、第2の乾燥チャンバー2Bで乾燥されて3mm以下の粒径に粉砕された被乾燥物を、第1のろ過筒11Aに通過させて第3の乾燥チャンバー2Cに供給し、この第3の乾燥チャンバー2Cにおいて、さらに小さく粉砕して、2mm以下の粒径に粉砕された被乾燥物を第2のろ過筒11Bに通過させて外部に排出する。
【0022】
以上の回転ドラム1は、図6に示すように、第1の乾燥チャンバーで2A乾燥された被乾燥物を、落下隙間16に通過させて第2の乾燥チャンバー2Bに供給し、さらに第2の乾燥チャンバー2Bで乾燥して粉粒体となった状態で、第1のろ過筒11Aの多孔板13の貫通孔14を通過させて第3の乾燥チャンバー2Cに供給し、さらに、第2の乾燥チャンバー2Cで乾燥して、より小さな粉粒体となった状態で、第2のろ過筒11Bの多孔板13の貫通孔14を通過させて外部に排出する。図6に示す回転ドラム1は、ロッド15の落下隙間16の間隔(t)を約5mmとし、第1のろ過筒11Aの多孔板13の貫通孔14の内径(d1)を3mmとし、第2のろ過筒11Bの多孔板13の貫通孔14の内径(d2)を2mmとしている。この回転ドラム1は、内部で乾燥されて粉砕される乾燥物を、第1の乾燥チャンバー2A→第2の乾燥チャンバー2B→第3の乾燥チャンバー2C→回転ドラムの外部と、その粒径を次第に小さくしながら移送して外部に排出する。ただ、回転ドラムは、ロッドの落下隙間の間隔(t)と、第1のろ過筒の貫通孔の内径(d1)と、第2のろ過筒の貫通孔の内径(d2)を以上の大きさに特定しない。回転ドラムは、被乾燥物の材質や状態に応じて最適な大きさとなるように種々に変更することができる。
【0023】
図に示すように、ろ過筒11を二重構造として、第2の乾燥チャンバー2Bの外側に第3の乾燥チャンバー2Cを設ける回転ドラム1は、第2のろ過筒11Bの貫通孔14の内径(d2)を、第1のろ過筒11Aの貫通孔14の内径(d1)よりも小さくして、被乾燥物をさらに小さな粉末状に粉砕して排出できる特徴がある。ただ、回転ドラムは、必ずしもろ過筒を二重構造とする必要はなく、単層の筒体とすることもできる。この回転ドラムは、ろ過筒の内部に形成される乾燥チャンバーを、ロッド筒で第1の乾燥チャンバーと第2の乾燥チャンバーに分割し、内部で乾燥されて粉砕される乾燥物を、第1の乾燥チャンバー2A→第2の乾燥チャンバー2B→回転ドラムの外部と、その粒径を次第に小さくしながら移送して外部に排出する。さらに、回転ドラムは、ろ過筒を三重構造として、さらに乾燥チャンバーの数を増やして、各々の乾燥チャンバーで被乾燥物をさらに乾燥しながら小さく粉砕して排出することもできる。
【0024】
さらに、図2ないし図4の回転ドラム1は、ロッド筒5の内側に、複数のロッド17を円筒状に配置して内側ロッド筒6を設けている。内側ロッド筒6は、複数のロッド17を回転軸10と平行な姿勢で円筒状に配置している。内側ロッド筒6は、隣接するロッド17の間に被乾燥物の透過隙間18を設けている。透過隙間18は、ロッド筒5の落下隙間16よりも広くしている。図の回転ドラム1は、ロッド17を円筒状に配置して内側ロッド筒6としているが、ロッドは必ずしも円筒状に配置する必要はなく、たとえば、多角筒状に配置することもできる。内側ロッド筒6は、回転ドラム1が回転されることで、第1の乾燥チャンバー2Aに供給される被乾燥物を透過隙間18に通過させて撹拌しながら乾燥させる。したがって、透過隙間18は被乾燥物が透過しやすいように、2cm以上とする。
【0025】
図3と図4の回転ドラム1は、ロッド筒5のロッド15と、内側ロッド筒6のロッド17を中空パイプ15A、17Aとして、その両端を端板12に溶接などの方法で固定している。端板12は、中空パイプ15A、17Aの両端を開口する開口孔12A、12Bを設けている。この回転ドラム1は、外装ケース7内に強制送風される加熱空気を中空パイプのロッド15、17に通過させて、ロッド15、17を内部から加熱する。
【0026】
回転ドラム1は、第1の乾燥チャンバー2Aに被乾燥物を供給する開閉自在な開口部20を設けている。回転ドラム1の開口部20は、脱着できる開閉蓋21で開閉される。開閉蓋21を取り除いて、被乾燥物が第1の乾燥チャンバー2Aに供給され、開閉蓋21を固定して、開口部20を閉塞する。図5に示す開閉蓋21は、開口部20の内部において、ロッド筒5に設けた開口部5aを開閉する第1の開閉蓋21Aと、第1のろ過筒11Aに設けた開口部11aを開閉する第2の開閉蓋21Bと、開口部20の外周部において、第2のろ過筒11Bに設けた開口部11bを開閉する第3の開閉蓋21Cとを備えている。この回転ドラム1は、第3の開閉蓋21Cが取り外される状態で、第2のろ過筒11Bの開口部11bが開口され、さらに、第2の開閉蓋21Bが取り外される状態で、第1のろ過筒11Aの開口部11aが開口され、さらにまた、第1の開閉蓋21Aが取り外される状態で、ロッド筒5が部分的に取り除かれて開口部5aが開口されて第1の乾燥チャンバー2Aが開放される。
【0027】
第1の開閉蓋21Aは、図5に示すように、端板12の内側に配設される対向プレート24に、ロッド筒5を構成する複数のロッド15を固定している。対向プレート24は、円筒状のロッド筒5に沿う湾曲された帯状で、外周をロッド筒5の外形よりも大きい円弧に沿う湾曲形状とし、内周をロッド筒5の内形よりも小さく、かつ内側ロッド筒6の外形よりも大きい円弧に沿う湾曲形状としている。第1の開閉蓋21Aは、複数のロッド15の両端に対向プレート24を固定すると共に、各ロッド15の間には、ロッド筒5と同じ間隔の落下隙間16を設けて、ロッド筒5と同じ外形の円筒に沿う形状としている。さらに、対向プレート24は、中空パイプ15Aであるロッド15の両端を開口する開口孔24Aを設けている。この開口孔24Aは、端板12に開口された開口孔12Aに対向して設けており、回転ドラム1に第1の閉塞蓋21Aを固定する状態で、外装ケース7内に強制送風される加熱空気を第1の開閉蓋21Aのロッド15に通過させて加熱するようにしている。
【0028】
第2の開閉蓋21Bは、第1のろ過筒11Aの外周に沿う形状であって、第1のろ過筒11Aに設けた開口部11aに配設されて、この開口部11aを閉塞する。第2の開閉蓋21Bは、図5に示すように、端板12の内側に配設される対向プレート23に、第1のろ過筒11Aの多孔板13と同じの曲率半径の円筒に沿う形状の多孔板13を固定している。この多孔板13も無数の貫通孔14を開口しており、この貫通孔13の内径は、第1のろ過筒11Aの貫通孔14の内径(d1)と等しくしている。一対の対向プレート23は、端板12の中間部の円弧に沿う、湾曲された帯状としている。
【0029】
さらに、第3の開閉蓋21Cは、第2のろ過筒11Bの外周、すなわち、回転ドラム1の外周に沿う形状であって、第2のろ過筒11Bに設けた開口部11bに配設されて、この開口部11bを閉塞する。第3の開閉蓋21Cは、図5に示すように、端板12の内側に配設される対向プレート22に、第2のろ過筒11Bの多孔板13と同じの曲率半径の円筒に沿う形状の多孔板13を固定している。この多孔板13も無数の貫通孔14を開口しており、この貫通孔13の内径は、第2のろ過筒11Bの貫通孔14の内径(d2)と等しくしている。一対の対向プレート22は、端板12の外周部の円弧に沿う、湾曲された帯状としている。ただ、第2の開閉蓋と第3の開閉蓋とは、一体構造とすることもできる。すなわち、第1のろ過筒に沿う円弧状の多孔板と、第2のろ過筒に沿う円弧状の多孔板とを一対の対向プレートで連結して二重構造のろ過筒に沿う形状の開閉蓋とすることもできる。さらに、図示しないが、ろ過筒を単層の多孔板で構成する回転ドラムにおいては、この開閉蓋を単層の多孔板に沿う形状とする。
【0030】
以上の開閉蓋21は、回転ドラム1の開口部20に固定される状態で、開口部20を閉塞する。第1の開閉蓋21Aは、開口部20に配設される状態で、対向プレート24を端板12の内側に接近して配置すると共に、対向プレート24に固定された複数のロッド15を、ロッド筒5の開口部5aに配置して、ロッド筒5の開口部5aを第1の開閉蓋21Aのロッド15で閉塞する。すなわち、この第1の開閉蓋21Aは、ロッド筒5の一部を構成しており、端板12の内面に固定された複数のロッド15と第1の開閉蓋21Aのロッド15とで円筒状のロッド筒5を形成する。
【0031】
さらに、回転ドラム1は、第1の開閉蓋21Aが配置された開口部20に第2の開閉蓋21Bが配置され、さらに、第2の開閉蓋21Bが配置された開口部20に第3の開閉蓋21Cが配置されて、回転ドラム1の開口部20が閉塞される。この状態で、第2の開閉蓋21Bと第3の開閉蓋21Cの間には、第3の乾燥チャンバー2Cとなる隙間が設けられる。第3の開閉蓋21Cは、図5に示すように、外側の多孔板13から外側に突出させてフランジ25を設け、このフランジ25を止ネジ26でろ過筒11の多孔板13に固定している。ただ、第3の開閉蓋は、連結具等を介して回転ドラムに固定することもできる。ここで、第1の開閉蓋21Aと第2の開閉蓋21Bは、第3の開閉蓋21Cが止ネジ26を介してろ過筒11に固定される状態で、第3の開閉蓋21Cを介して開口部20の内部の定位置に固定される。ただ、第1の開閉蓋と第2の開閉筒も、止ネジや連結具等を介して回転ドラムに固定することもできる。
【0032】
外装ケース7は、図1ないし図3に示すように、回転ドラム1に被乾燥物を供給するために、上面プレート76に供給口77を開口しており、この供給口77を開閉プレート78で閉塞している。この乾燥装置は、回転ドラム1の開口部20を上向きとする姿勢で回転ドラム1を停止し、この状態で開閉プレート78を開いて供給口77を開口すると共に、回転ドラム1の開閉蓋21を外して開口部20を開放して回転ドラム1の内部に被乾燥物を供給する。非乾燥物が投入された回転ドラム1の開口部20を閉塞蓋21で閉塞し、外装ケース7の供給口77を開閉プレート78で閉塞する。
【0033】
さらに、外装ケース7には、回転ドラム1内の乾燥チャンバー2に加熱空気を強制送風して乾燥チャンバー2内に供給された被乾燥物を乾燥する加熱送風機構4を備えている。図の加熱送風機構4は、加熱空気を外装ケース7に強制送風する加熱空気源40と、この加熱空気源40から供給される加熱空気を回転ドラム1に供給する送風ダクト41とを備えている。図に示す加熱空気源40は、石油を燃焼させるバーナーとしている。ただ、加熱空気源には、石油以外の燃料を燃焼させるバーナーや、バーナー以外の温風源も使用できる。送風ダクト41は、外装ケース7の外部から内部まで配管されており、加熱空気源40から供給される加熱空気を回転ドラム1に供給している。さらに、図に示す外装ケース7は、送風ダクト41から外装ケース7内に供給された加熱空気を外装ケース7の外部に排気する排気筒42も備えている。
【0034】
図2ないし図4に示す外装ケース7は、送風ダクト41を回転ドラム1の下方に位置して、回転ドラム1の回転軸10と平行に配設している。この送風ダクト41は、一端を外装ケース7の外部まで延長してバーナー40に連結すると共に、他端には、バーナー40から供給される加熱空気を回転ドラム1に強制送風する供給部43を設けている。図に示す供給部43は、外装ケース7の端面プレート71の内側に垂直姿勢で配置されたダクトで、下端を送風ダクト41に連結すると共に、上端部には、加熱空気の噴出口44を開口して設けている。図の供給部43は、加熱空気を回転ドラム1の内部に供給する第1の噴出口44Aと、ロッド筒5を構成するロッド15の内部に加熱空気を供給する第2の噴出口44Bとを備える。第1の噴出口44Aと第2の噴出口44Bは、回転ドラム1の端板12に対向して開口している。
【0035】
図3と図5に示す供給ダクト43は、送風ダクト41から供給される加熱空気を、ロッド筒5を構成する中空パイプ15Aであるロッド15の内部に強制送風できるように、第2の噴出口44Bを、中空パイプ15Aが連結された開口孔12Aの回転軌跡上に設けている。この構造により、第2の噴出口44Bから供給される加熱空気を効率よく開口孔12Aからロッド15の内部に強制送風できるようにしている。さらに、供給ダクト43は、図3の鎖線で示すように、送風ダクト41から供給される加熱空気を、内側ロッド筒6を構成する中空パイプ17Aであるロッド17の内部に強制送風するための第3の噴出口44Cを、第1の噴出口44Aよりも内側に設けることもできる。この第3の噴出口44Cは、中空パイプ17Aが連結された開口孔12Bの回転軌跡上に設けられる。
【0036】
さらに、図3と図5の回転ドラム1は、送風ダクト41の供給部43から供給される加熱空気を回転ドラム1の内部に送風するために、端板12に送風孔12Cを設けている。図の回転ドラム1は、ロッド筒5と内側ロッド筒6との間に、複数の送風孔12Cを設けている。複数の送風孔12Cは、回転軸10を中心とする円周上に等間隔で設けている。ただ、送風孔は、ロッド筒とろ過筒との間に設けることもできる。図の回転ドラム1は、端板12を供給部43の噴出口44に接近するように配置して、端板12と供給部43の噴出口44との間隔を狭くしている。さらに、送風ダクト41から供給される加熱空気を、送風孔12Cから回転ドラム1の内部に送風するために、供給部43に設けた第1の噴出口44Aを、送風孔12Cの回転軌跡上に設けている。この構造により、第1の噴出口44Aから供給される加熱空気を効率よく送風孔12Cに通過させて回転ドラム1の内部に供給できるようにしている。さらに、図3と図4に示す回転ドラム1は、供給ダクト43側の端板12とは反対側の端板12に設けた送風孔12Cを、加熱空気と一緒に被乾燥物が漏れないように、網材45で閉塞している。
【0037】
回転ドラム1に送風された加熱空気は、回転ドラム1の内部を通過して被乾燥物を乾燥し、また、外装ケース7内に対流されて回転ドラム1内の被乾燥物を乾燥し、さらに、排気筒42から外装ケース7の外部に排気される。図1と図3に示す外装ケース7は、互いに対向する端面プレート71にそれぞれ排気筒42を連結している。図に示す排気筒42は、垂直姿勢の筒体で、排気される気体の流入口42Aを外装ケース7の下部であって、回転ドラム1の下部に対向する位置に開口すると共に、排気口42Bを上端に設けており、さらに、この排気口42Bを開閉自在な蓋46で閉塞している。このように、流入口42Aを外装ケース7の下部に開口する構造は、温度が高く、密度の低い気体を外装ケース7内の上部に残存させて、温度が低く、密度の高い気体を、外装ケース7の下部に開口された流入口42Aから効率よく排出する。したがって、被乾燥物を乾燥して気化された水蒸気を多く含む気体を効率よく排気筒42から外部に排気し、高温で湿度の低い気体を外装ケース7の内部に籠もらせる状態として、回転ドラム1内の被乾燥物を効率よく乾燥できる。この排気筒42は、加熱送風機構4から供給される加熱空気の供給状態や回転ドラム1内の被乾燥物の乾燥状態を考慮しながら、上端に設けた蓋46の開閉状態を調整して、外装ケース7内の加熱空気を最適な状態にコントロールする。図に示す外装ケース7は、供給部43と反対側の端面プレート71に設けられる排気筒42の流入口42Aを、供給部43の噴出口44と対向する位置には設けることなく、互いに位置ずれする位置に配置して、供給部43から強制送風される加熱空気が、回転ドラム1をストレートに通過して、排出されないようにしている。さらに、供給部43が配置される側の端面プレート71に設けられる排気筒42は、反対側の端面プレート71に設けられる排気筒42と異なる位置に設けている。図の外装ケース7は、対向する端面プレート71に各々排気筒42を設けているが、排気筒は一方の端面プレートにのみ設けることもできる。
【0038】
さらに、図2ないし図4に示す外装ケース7は、回転ドラム1から排出される被乾燥物を排出する排出部73を下端部に設けている。図に示す排出部73は、外装ケース7の側面プレート72に対して内側に傾斜する傾斜面74を両側に備えており、これらの傾斜面74を下方に向かって互いに接近する姿勢で配置して、傾斜面74の下端に被乾燥物の排出口75を設けている。この排出部73は、回転ドラム1から排出される被乾燥物を傾斜面74に沿って落下させて、外装ケース7の下端の中央部に設けた排出口75から排出する。
【0039】
さらに、図2ないし図5に示す乾燥装置は、回転ドラム1の下方に位置して、回転ドラム1から排出される被乾燥物を外部に排出するロータリーフィーダー8を備えている。このロータリーフィーダー8は、外装ケース7の下方に設けれており、外装ケース7の排出部73から排出される被乾燥物を一時的に収集すると共に、収集された被乾燥物を再び乾燥しながら排出する。図に示すロータリーフィーダー8は、回転ドラム1から排出される被乾燥物が供給される回転体80を備えており、加熱送風機構4から外装ケース7内に強制送風される加熱空気を回転体80の内部に通過させて、この加熱空気の熱を利用して回転体80の被乾燥物を乾燥している。図に示すロータリーフィーダー8は、この回転体80の内部に、外装ケース7の下方に配設された送風ダクト41を配設しており、被乾燥物が供給される回転体80を、この送風ダクト41に沿って回転できるように支持している。
【0040】
回転体80は、回転ドラム1の回転軸10と平行な姿勢で回転できるように支持された円筒状の回転筒81と、この回転筒81の外周面から半径方向に放射状に突出する複数の隔壁82とを備えている。回転体80は、回転筒81の内部に送風ダクト41を配管しており、その外周面に、複数の隔壁82を固定している。回転筒81の両端部は、回転筒81の外周に沿って配置された複数のローラー85で支持されており、回転体80を送風ダクト41に沿って回転できるようにしている。複数の隔壁82は、軸方向に延長して設けられており、互いに隣接する隔壁82の間を回転ドラム1から排出される被乾燥物を一時的に収集する収集部83としている。この回転体80は、送風ダクト41を通過する加熱気体によって加熱される送風ダクト41の輻射熱によって内部から加熱される。回転体80の収集部83に収集された粉流体である被乾燥物は、この熱でさらに加熱されて乾燥される。
【0041】
図に示すロータリーフィーダー8は、回転体80を所定のタイミングで回転させる駆動キー84を回転ドラム1の外周部に設けている。図に示す駆動キー84は、回転ドラム1の外周縁から半径方向に突出するロッドで、回転ドラム1の両端の端板12から一方向に突出して設けている。この駆動キー84は、回転ドラム1が回転する状態で、回転する回転ドラム1に対して所定の周期で回転体80の隔壁82に当接して、この隔壁82を押しながら移動させて回転させる。したがって、駆動キー84は、隔壁82に所定の時間接触して、回転体80を所定の角度だけ回転できる突出長さとしている。この構造は、回転ドラム1が1回転する毎に回転体8を所定の角度回転させて、収集部83に一時的に収集されて乾燥された被乾燥物を落下させる。ただ、駆動キーは、回転ドラムの複数箇所に設けることもできる。この構造は、さらに、短い周期で回転体を回転させて、収集部に収集されて乾燥された被乾燥物を落下させる。
【0042】
さらに、図に示す乾燥装置は、ロータリーフィーダー8の下方に、回転体80から落下した被乾燥物を回収する回収部86を設けている。この回収部86は、排出口87を開口しており、この排出口87を開閉自在な開閉蓋88で閉塞している。この乾燥装置は、開閉蓋88を開いて回収部86に集められた被乾燥物を外部に排出する。
【0043】
以上の加熱送風機構4は、以下のようにして被乾燥物を乾燥する。
(1)開口部20を上方とする姿勢で回転ドラム1を停止し、開閉蓋21を開いて第1の乾燥チャンバー2Aに被乾燥物を供給し、開閉蓋21を閉じる。
(2)回転ドラム1を回転させながら、加熱送風機構4を運転して加熱空気を回転ドラム1に強制送風する。加熱空気は、回転ドラム1の内部を通過し、被乾燥物を乾燥して外部に排出される。
(3)第1の乾燥チャンバー2A内の被乾燥物が乾燥されて小さな粒径に粉砕されると、ロッド筒5の落下隙間16を通過して第2の乾燥チャンバー2Bに供給される。
(4)さらに、第2の乾燥チャンバー2B内で乾燥されてより小さな粉粒体となった被乾燥物は、第1のろ過筒11Aの多孔板13の貫通孔14を通過して第3の乾燥チャンバー2Cに供給される。
(5)さらに、第3の乾燥チャンバー2Cでさらに乾燥されてより細かい粉粒体となった被乾燥物は、第2のろ過筒11Bの多孔板13の貫通孔14を通過して外部に排出される。
(6)回転ドラム1のろ過筒11を通過して排出された小さな粉粒体の被乾燥物は、外装ケース7の下端部に設けた傾斜面74に沿って落下して、ロータリーフィーダー8に供給される。
(7)ロータリーフィーダー8は、外装ケース7から排出される被乾燥物を、送風ダクト41で加熱される回転体80を介して再び加熱して乾燥させながら排出する。
(8)ロータリーフィーダー8を通過した被乾燥物は、回収部86の排出口87から排出されて回収される。
【符号の説明】
【0044】
1…回転ドラム
2…乾燥チャンバー 2A…第1の乾燥チャンバー
2B…第2の乾燥チャンバー
2C…第3の乾燥チャンバー
3…回転機構
4…加熱送風機構
5…ロッド筒 5a…開口部
6…内側ロッド筒
7…外装ケース
8…ロータリーフィーダー
9…
10…回転軸
11…ろ過筒 11A…第1のろ過筒
11a…開口部
11B…第2のろ過筒
11b…開口部
12…端板 12A…開口孔
12B…開口孔
12C…送風孔
13…多孔板
14…貫通孔
15…ロッド 15A…中空パイプ
16…落下隙間
17…ロッド 17A…中空パイプ
18…透過隙間
20…開口部
21…開閉蓋 21A…第1の開閉蓋
21B…第2の開閉蓋
21C…第3の開閉蓋
22…対向プレート
23…対向プレート
24…対向プレート 24A…開口孔
25…フランジ
26…止ネジ
30…モータ
31…ベアリング
32…スプロケット
33…チェーン
40…加熱空気源
41…送風ダクト
42…排気筒 42A…流入口
42B…排気口
43…供給部
44…噴出口 44A…第1の噴出口
44B…第2の噴出口
44C…第3の噴出口
45…網材
46…蓋
71…端面プレート
72…側面プレート
73…排出部
74…傾斜面
75…排出口
76…上面プレート
77…供給口
78…開閉プレート
80…回転体
81…回転筒
82…隔壁
83…収集部
84…駆動キー
85…ローラー
86…回収部
87…排出口
88…開閉蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔板(13)を筒状としてなるろ過筒(11)の両端を端板(12)で閉塞して、ろ過筒(11)の内側を乾燥チャンバー(2)としてなる回転ドラム(1)と、この回転ドラム(1)をろ過筒(11)の中心軸を中心として回転させる回転機構(3)と、回転ドラム(1)内の乾燥チャンバー(2)に加熱空気を強制送風して乾燥チャンバー(2)内に供給された被乾燥物を乾燥する加熱送風機構(4)とを備え、
前記回転ドラム(1)が、前記ろ過筒(11)の内側に離して複数のロッド(15)を回転軸(10)と平行な姿勢でスリット状の落下隙間(16)を設けて円筒状に配置してロッド筒(5)を設けており、このロッド筒(5)でもって、前記回転ドラム(1)内の乾燥チャンバー(2)を、ロッド筒(5)の内側にある第1の乾燥チャンバー(2A)と、ロッド筒(5)の外側にある第2の乾燥チャンバー(2B)とに区画しており、
さらに前記回転ドラム(1)は、その一部に被乾燥物を第1の乾燥チャンバー(2A)に供給する開閉自在な開口部(20)を有し、この開口部(20)から第1の乾燥チャンバー(2A)に供給された被乾燥物が、回転される回転ドラム(1)の第1の乾燥チャンバー(2A)で乾燥されて落下隙間(16)を通過して第2の乾燥チャンバー(2B)に落下し、第2の乾燥チャンバー(2B)でさらに乾燥された被乾燥物が多孔板(13)の貫通孔(14)を通過して外部に排出されるようにしてなる乾燥装置。
【請求項2】
前記ロッド(15)が中空パイプ(15A)で、この中空パイプ(15A)の内部が前記加熱送風機構(4)に連結されて、加熱送風機構(4)から強制送風される加熱空気が供給される請求項1に記載される乾燥装置。
【請求項3】
前記ろ過筒(11)に設けている貫通孔(14)の最小内形が、ロッド筒(5)の落下隙間(16)の間隔よりも小さい請求項1又は2に記載される乾燥装置。
【請求項4】
前記ろ過筒(11)が、第1のろ過筒(11A)の外側に第2のろ過筒(11B)を配設してなる二重構造で、第2のろ過筒(11B)を構成する多孔板(13)の貫通孔(14)の内径(d2)を、第1のろ過筒(11A)を構成する多孔板(13)の貫通孔(14)の内径(d1)よりも小さくしており、前記第1のろ過筒(11A)と前記第2のろ過筒(11B)の間に第3の乾燥チャンバー(2C)を設けて、前記第2の乾燥チャンバー(2B)で乾燥された被乾燥物を、前記第3の乾燥チャンバー(2C)でさらに小さく粉砕して外部に排出するようにしてなる請求項1ないし3のいずれかに記載される乾燥装置。
【請求項5】
前記ロッド筒(5)の内側に、ロッド筒(5)の落下隙間(16)よりも広い間隔の透過隙間(18)を設けて複数のロッド(17)を筒状に配置してなる内側ロッド筒(6)を配設しており、この内側ロッド筒(6)でもって、第1の乾燥チャンバー(2A)内の被乾燥物を撹拌しながら乾燥するようにしてなる請求項1ないし4のいずれかに記載される乾燥装置。
【請求項6】
前記内側ロッド筒(6)を構成するロッド(17)が中空パイプ(17A)で、この中空パイプ(17A)に前記加熱送風機構(4)から加熱空気が供給される請求項5に記載される乾燥装置。
【請求項7】
閉鎖構造の外装ケース(7)を有し、この外装ケース(7)内に前記回転ドラム(1)が配設され、前記加熱送風機構(4)が外装ケース(7)内に加熱空気を強制送風する請求項1ないし6のいずれかに記載される乾燥装置。
【請求項8】
前記回転ドラム(1)の下方に位置して、前記回転ドラム(1)から排出される被乾燥物を外部に排出するロータリーフィーダー(8)を備えており、このロータリーフィーダー(8)が、前記回転ドラム(1)から排出される被乾燥物が供給される回転体(80)を備えると共に、前記加熱送風機構(4)から前記外装ケース(7)内に強制送風される加熱空気を前記回転体(80)の内部に通過させて、この加熱空気の熱を利用して前記回転体(80)の被乾燥物を乾燥するようにしてなる請求項7に記載される乾燥装置。
【請求項9】
前記回転体(80)が、前記回転ドラム(1)の回転軸(10)と平行な姿勢で回転できるように支持された円筒状の回転筒(81)と、この回転筒(81)の外周面から半径方向に放射状に突出する複数の隔壁(82)を有しており、さらに、前記回転体(80)を回転駆動する駆動キー(84)を前記回転ドラム(1)の外周部に設けており、回転する回転ドラム(1)が前記駆動キー(84)で前記回転体(80)の隔壁(82)を移動させて、回転する回転ドラム(1)に対して所定の周期で前記回転体(80)を回転するようにしてなる請求項8に記載される乾燥装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−229902(P2012−229902A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100151(P2011−100151)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(392032085)睦技研株式会社 (9)
【Fターム(参考)】