説明

二官能性マクロライド複素環式化合物およびそれらの化合物を調製および使用する方法

本発明は、一般に、抗感染性因子、抗増殖性因子、抗炎症性因子、および消化管運動促進因子の分野に関する。より具体的には、本発明は、治療因子として有用な二官能性化合物のファミリーに関する。これらの化合物は、マクロライド環と少なくとも1個の複素環部分との両方を有する。本発明は、さらにそのような化合物の調製のためのプロセス、それらの調製に有用な中間体、治療因子としてのそれらの化合物の使用、そしてそれらを含有する医薬品組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国特許出願第60/515,909号(2003年10月30日出願)の利益およびその出願に対する優先権を主張し、その開示は、本明細書において参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、抗感染性因子、抗増殖性因子、抗炎症性因子、および消化管運動促進因子の分野に関する。より具体的には、本発明は、そのような因子として有用な二官能性マクロライド複素環式化合物のファミリーに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
1920年代のペニシリンおよび1940年代のストレプトマイシンの発見以来、多くの新規の化合物が、発見されるか,または具体的に抗生物質としての使用のために設計されている。かつて、感染性疾患は、そのような治療因子を使用して完全に制御され得るか、または絶滅され得ると信じられていた。しかし、そのような考えは、現在効果的な治療因子に耐性である微生物の株が進化し続けるという事実によって疑われている。臨床使用のために開発されたほとんど全ての抗生物質は、耐性細菌の出現で問題に遭遇している。例えば、メチシリン耐性ブドウ球菌、ペニシリン耐性連鎖球菌、およびバンコマイシン耐性腸球菌のようなグラム陽性細菌の耐性菌株が発生し、そして、そのような耐性細菌に感染した患者に対して深刻で、多くの場合致命的な結果を起こし得る。上記マクロライド系抗生物質に耐性である細菌が発生した。また、H.influenzaeおよびM.catarrhalisのようなグラム陰性菌株が確認されている。例えば、非特許文献1、および非特許文献2を参照のこと。
【0004】
この耐性の問題は、抗感染性因子の領域に制限されない。というのは、耐性はまた、癌化学療法で使用される抗増殖性因子で遭遇している。従って、耐性細菌および細胞の株の両方に対して有効であり、そして細菌および細胞の株がより耐性を発生しにくい、新規の抗感染性因子および抗増殖性因子を開発する必要性がある。
【0005】
増加する抗生物質耐性のこの問題にもかかわらず、オキサゾリジノン環を含む抗生物質N−[[(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチルアセトアミド(構造1を参照のこと)の2000年の米国での承認以来、臨床使用のための、新たな主要なクラスの抗生物質は、開発されていない。上記抗生物質は、リネゾリド(linezolid)として公知であり、そして商品名Zyvox(登録商標)として販売されている(化合物Aを参照のこと)。非特許文献3を参照のこと。
【0006】
【化18】

リネゾリドは、グラム陽性生物に対し活性な抗細菌因子としての使用が承認された。しかし、リネゾリド耐性の生物株がすでに報告されている。非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6を参照のこと。しかし、研究者らは、他の有効なリネゾリド誘導体を開発するために研究している。研究から、上記オキサゾリジノン環が、リネゾリド活性に対して重要であり得ることが示唆されている。この文献は、オキサゾリジノン環のC−5で置換された小さい基を有する分子を記載している。初期の構造活性の関係から、C−5位で、より大きい基を有する化合物は、抗細菌因子としてより活性が小さいことが示唆されている。結果として、研究者らは、新規の抗微生物因子を開発する際に、オキサゾリジノン環のC−5位に大きな置換基を配置することを嫌っている。
【0007】
別のクラスの抗生物質は、上記マクロライドであり、これは、このクラスの化合物の主要な構造的特徴である14〜16員環のためにそのように命名されている。最初に開発されたマクロライド系抗生物質は、エリスロマイシンであり、これは、1952年にフィリピンの土壌試料から単離された。エリスロマイシンは、最も広く処方される抗生物質の一つであるが、比較的低いバ硫黄アベイラビリティ、胃腸管系への副作用、および限られた活性領域の不都合を有する。非特許文献7、および非特許文献8を参照のこと。
【0008】
新規の治療因子に対する探索において、製薬研究者は、抗生物質分子の種々の部分を結合するか、または連結することを試みている。しかし、このアプローチでは成功が限られている。
【0009】
1997年12月2日に発行されたTruettの特許文献1は、以下の式の抗生物質を記載している:
A−L−B
ここで、AおよびBは、スルホンアミド、ペニシリン、セファロスポリン、キノロン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン(すなわち、マクロライド系抗生物質)、メテロニダゾール(metronidzole)、テトラサイクリンおよびアミノグリコシドからなる群より選択される抗生物質である。Lは、二官能基の結合剤から形成されるリンカーである。
【0010】
1999年12月16日に公開された、Advanced Medicine,Inc.の特許文献2は、以下の式を有する抗生物質として有用な複数インデックスの化合物を記載している:
(L)(X)
ここでLは、マクロライド系抗生物質、アミノグリコシド、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、または細菌リボソームRNAおよび/または細菌中でリボソームタンパク質合成に関わる1個以上のタンパク質に結合する別の化合物からなる群より選択される。上記式中で、pは2〜10の整数であり、qは1〜20の整数であり、そしてXはリンカーである。
【0011】
2000年3月7日に発行されたOrらの特許文献3は、以下に示されるような一連の3’−N−修飾6−O−置換エリスロマイシンケトライド誘導体を記載している。
【0012】
【化19】

R、R、およびRは、アリール−アルコキシ−ヘテロアリール−アルキレンを含む、種々の基からなる群より選択される。Rは、Hであるか、またはヒドロキシ保護基である。Wは存在しないか、またはO、NH、もしくはNCHである。Rは、Hであるか、または必要に応じて置換されたアルキル基である。
【特許文献1】米国特許第5,693,791号明細書
【特許文献2】国際公開第99/63937号パンフレット
【特許文献3】米国特許第6,034,069号明細書
【非特許文献1】F.D.Lowry,Antimicrobial resistance:the example of Staphylococcus aureus,J Clin.invest.,2003年、第111巻、第9号、p.1265−1273
【非特許文献2】Gold,H.S.またはMoellering,R.C.,Jr.、Antimicrobial−drug resistance. N.Engl.J.Med.、1996年、第335巻、p.1445−53
【非特許文献3】R.C.Moellering、Jr.、Linezoid:The First Oxazolidinone Antimicrobial、Annals of Internal Medicine、2003年、第138巻、第2号、p.135−142
【非特許文献4】Tsiodrasら、Lancet、2001年、第358巻、207
【非特許文献5】Gonzalesら、Lancet、2001年、357、1179
【非特許文献6】Zurenkoら、Proceedings Of The 39th Annual Interscience Conference On Antibacterial Agents And Chemotherapy(ICAAC);San Francisco、CA、USA、1999年、9月、p.26−29
【非特許文献7】Yong−Ji Wu、Highlights of Semi−synthetic Developments from Erythromycin A、Current Pharm.Design 6、2000年、p.181−223
【非特許文献8】Yong−Ji WuおよびWei−uo Su、Recent Developments on Ketolides and Macrolidess、Curr.Med.Chem.、2001年、8(14)、p.1727−1758
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記にもかかわらず、新規の抗感染性因子および抗増殖性因子に対する持続的な必要性が存在する。本発明では、オキサゾリジノン環のC5位および他の複素環での同様な位置に比較的大きい置換基を有する因子を含む、良好な活性を有する、新規のマクロライド複素環因子が調製され得ることが見出されている。さらに、多くの抗感染性因子および抗増殖性因子は、抗炎症因子として有用であり、また消化管運動促進(胃腸管系の調節)因子としても有用であるので、抗感染性因子および消化管運動促進因子として有用な新規の化合物に対する持続的な必要性も存在する。本発明は、これらの必要性を満たす化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、例えば、抗微生物因子、抗細菌因子、抗生物質、抗真菌因子、抗寄生虫因子、抗ウィルス因子、および化学療法因子のような抗感染性因子および/または抗増殖性因子として有用な化合物を提供する。本発明はまた、抗炎症因子および/または消化管運動促進(すなわち、胃腸管系の調節)因子として有用な化合物を提供する。本発明はまた、それらの薬学的に受容可能な塩、エステル、またはプロドラッグを提供する。
【0015】
本発明は、以下の式:
【0016】
【化20】

を有するマクロライド環および少なくとも1個の複素環部分の両方を有する化合物またはその立体異性体、またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグを提供し、ここでD−Hetは、以下:
【0017】
【化21】

からなる群より選択され;
Bは、−C(O)NH−、−C(S)NH−、−NHC(O)−、−NHC(S)−、−S(O)NH−、−NHS(O)−、−OC(O)NH−、−OC(S)NH−、−NHC(O)NH−、−NHC(S)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(S)O−、および−NR11−からなる群より選択され;
nは、0または1であり、そして変数A、D、E、M、R、R、R、R、R、R、R、R6’、R、R、R、およびR10は、「詳細な説明」において後で定義される、それぞれの化学部分からなる群より選択され得る。
【0018】
さらに、本発明は、上記化合物および上記化合物を合成するための有用な化学的中間体を合成する方法を提供する。合成後に、1個以上の上記化合物の治療的に有効量は、抗癌因子、抗微生物因子、抗生物質、抗真菌因子、抗寄生虫因子、または抗ウィルス因子としての使用のため哺乳動物への投与のためにまたは増殖性疾患、炎症性疾患、もしくは胃腸運動障害を処置するために、薬学的に受容可能なキャリアと一緒に処方され得る。従って、上記化合物または上記処方物は、上記哺乳動物に上記化合物の有効量を提供するために、例えば、経口、非経口、または局所的経路を介して投与され得る。
【0019】
本発明のこれらおよび他の局面および実施形態は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲を参照することによって、より十分に理解され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(発明の詳細な説明)
本発明は、抗増殖性因子および/または抗感染性因子として使用され得る化合物のファミリーを提供する。上記化合物は、例えば、抗癌因子、抗微生物因子、抗細菌因子、抗真菌因子、抗寄生虫因子および/または抗ウィルス因子として、制限なく、使用され得る。さらに、本発明は、例えば、慢性の炎症気道疾患を処置する際の使用のための抗炎症因子として、および/または、例えば、胃食道逆流性疾患、胃不全麻痺(糖尿病および術後)、過敏腸症候群および便秘のような胃腸管系運動性障害を処置する際に使用するための消化管運動促進因子として、制限なく使用され得る化合物のファミリーを提供する。
【0021】
本明細書で記載される上記化合物は、非対称中心を有し得る。非対称に置換された原子を含む、本発明の化合物は、光学活性体またはラセミ体に単離され得る。例えば、ラセミ体の分離によるか、または光学活性体の出発物質からの合成による、光学活性体の調製法は、当該分野において周知である。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体はまた、本明細書で記載される上記化合物に存在し得、そしてそのような安定な異性体は全て、本発明で企図される。本発明の化合物のシス幾何異性体およびトランス幾何異性体が、記載され、そして異性体の混合物として、または分離された異性体として単離され得る。特定の立体化学形態または異性体形態が具体的に示されない場合には、構造の全てのキラル体、ジアステレオマー体、ラセミ体、および幾何異性体が意図される。本発明の化合物および本明細書で作られた中間体を調製するのに使用する全てのプロセスは、本発明の一部と見なされる。示されるか、または記載される化合物の全ての互変異性体もまた、本発明の一部と見なされる。
【0022】
(1.定義)
本明細書中で使用される場合、用語「置換された」は、指定された原子上の任意の1個以上の水素が、示された基からの選択基で置換されることを意味する。ただし、上記指定原子の通常の価数を超えず、また置換によって安定な化合物が生じるものとする。置換基がケト(すなわち、=O)の場合、上記原子上の2個の水素が置換される。ケト置換基は、芳香環部分には存在しない。本明細書中で使用される場合、環二重結合は、2個の隣接する環原子(例えば、C=C、C=N、またはN=N)間で形成される二重結合である。本発明は概して、N−ハロ、S(O)H、およびSOHのような基を包含しない。
【0023】
本発明は、本発明の化合物に存在する原子の全ての同位体を含むことが意図される。同位体は、同じ原子番号を有するが異なった質量数を有する原子を含む。一般的例として、水素の同位体としては、三重水素および重水素が挙げられるが、これらに限定されない。炭素の同位体としては、C−13およびC−14が挙げられる。
【0024】
任意の変数(例えば、R)が、化合物の任意の成分または式に2回以上存在する場合、各々の存在でのその定義は、ほかの全ての存在でのその定義に独立している。従って、例えば、ある基が0〜2個のR部分で置換されていることが示される場合、その基は、必要に応じて最大で2個までのR部分で置換され得、そして各々の存在でのRは、Rの定義から独立して選択される。また、安定な化合物を生じる場合のみ置換基および/または変数の組み合わせが許容される。
【0025】
ある置換基への結合がある環の2個の原子を結びつける結合を横断することが示される場合、このような置換基は、その環上の任意の原子に結合され得る。置換基が、所定の式の化合物の残りの部分に結合している原子を示すことなく列挙される場合、その置換基は、その置換基の任意の原子を介して結合され得る。しかし、安定な化合物を生じる場合のみ置換基および/または変数の組み合わせが許容される。
【0026】
本発明の化合物に窒素が存在する場合、これらの窒素は、酸化剤(例えば、MCPBAおよび/または過酸化水素)で処理することでN酸化物に変換され、本発明の他の化合物を与え得る。従って、示された、そして特許請求された窒素は全て、その示された窒素およびそのN酸化物(N→O)誘導体の両方を包含すると見なされる。
【0027】
本明細書中で使用される場合、「アルキル」は、特定数の炭素原子を有する、分枝鎖飽和脂肪族炭化水素基および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことが意図される。C1〜6アルキルは、C、C、C、C、C、およびCのアルキルを含むことが意図される。C1〜8アルキルは、C、C、C、C、C、C、C、およびCアルキル基を含むことが意図される。アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書中で使用される場合、「アルケニル」は、直鎖構造または分枝鎖構造のいずれか、ならびにエテニルおよびプロペニルのようなその鎖上の任意の安定な点に存在し得る1個以上の不飽和炭素―炭素結合の炭化水素鎖を含むことが意図される。C2〜6アルケニルは、C、C、C、C、およびCのアルケニル基を含むことが意図される。C2〜8アルケニルは、C、C、C、C、C、C、およびCのアルケニル基を含むことが意図される。
【0029】
本明細書中で使用される場合、「アルキニル」は、直鎖構造または分枝鎖構造のいずれかの炭化水素鎖、ならびにエチニルおよびプロピニルのような、その鎖上の任意の安定な点に存在し得る1個以上の三重炭素―炭素結合の炭化水素鎖を含むことが意図される。C2〜6アルキニルは、C、C、C、C、およびCのアルキニル基を含むことが意図される。C2〜8アルキニルは、C、C、C、C、C、C、およびCのアルキニル基を含むことが意図される。
【0030】
本明細書中で使用される場合、「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルのような飽和環基を含むことが意図される。C3〜8シクロアルキルは、C、C、C、C、C、およびCのシクロアルキル基を含むことが意図される。
【0031】
本明細書中で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードをいう。「対イオン」は、クロリド、ブロミド、ヒドロオキシド、アセテート、およびサルフェートのような小さい、負に荷電した種を表すために使用される。
【0032】
本明細書中で使用される場合、「ハロアルキル」は、分枝鎖飽和脂肪族炭化水素基および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことが意図され、これらの基は、特定数の炭素原子を有し、これらの基は、1個以上のハロゲンで置換されている(例えば、−C、ここでv=1〜3およびw=1〜(2v+1))。ハロアルキルの例としては、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、およびペンタクロロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書中で使用される場合、「アルコキシ」は、酸素架橋を介して結合した、表示した数の炭素原子を有する、既に定義したアルキル基をいう。C1〜6アルコキシは、C、C、C、C、C、およびCアルコキシ基を含むことが意図される。C1〜8アルコキシは、C、C、C、C、C、C、C、およびCのアルコキシ基を含むことが意図される。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、s−ペントキシ、n−ヘプトキシ、およびn−オクトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書中で使用される場合、「アルキルチオ」は、硫黄架橋を介して結合した、表示した数の炭素原子を有する、既に定義したアルキル基をいう。C1〜6アルキルチオは、C、C、C、C、C、およびCのアルキルチオ基を含むことが意図される。C1〜8アルキルチオは、C、C、C、C、C、C、C、およびCのアルキルチオ基を含むことが意図される。
【0035】
本明細書中で使用される場合、「炭素環」または「環状炭素」は、他に指定しない限り、任意の安定な3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12員の単環、二環または三環を意味することが意図され、それらのいずれも飽和、不飽和、または芳香族であり得、特定数の員を有する環は二環でも三環でもあり得ず、例えば、3員環は単環でのみ存在し得る。そのような炭素環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、およびテトラヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。上記したように、架橋環はまた、炭素環の定義に含まれる(例えば、[2.2.2]ビシクロオクタン)。1個以上の炭素原子が2個の非隣接炭素原子に結合している場合、架橋環が存在する。好ましい架橋は、1個または2個の炭素原子である。架橋は、常に単環を三環に変換することが注目される。環が架橋される場合、その環に列挙された置換基はまた、その架橋に存在し得る。融合環(例えば、ナフチルおよびテトラヒドロナフチル)およびスピロ環もまた含まれる。
【0036】
本明細書中で使用される場合、用語「複素環」は、他に記載されない限り、安定な3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12員の単環複素環、二環複素環、または三環複素環(例えば、3員環は、単環でのみ存在し得る、特定数の員を有する環は二環または三環であり得ないことを認識すること。)を意味し、これは飽和、不飽和、または芳香族であり、そして炭素原子および1個以上の環ヘテロ原子からなる。例えば、1個または1〜2個または1〜3個または1〜4個または1〜5個または1〜6個のヘテロ原子は、独立して窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択され、そして既に定義した複素環のいずれかが縮合して第二の環(例えば、ベンゼン環)に融合した任意の二環基を含む。上記窒素ヘテロ原子および硫黄ヘテロ原子は、必要に応じて酸化され得る(すなわち、N→OおよびS(O)、ここでp=1または2)。窒素原子が上記環に含まれる場合、それがその環の二重結合に結合しているか否かに依存して、NまたはNHのいずれかである(すなわち、その窒素原子の三価を保持することが必要な場合、水素が存在する)。上記窒素原子は置換されてもよく、またはされなくてもよい(すなわち、定義されたように、NまたはNRであり、Rは、Hまたは別の置換基である)。上記複素環は、安定な構造を生じる任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合され得る。本明細書で記載される複素環は、生じる化合物が安定な場合、炭素原子上でまたは窒素原子上で置換され得る。上記複素環の窒素は、必要に応じて四価になり得る。上記複素環のS原子およびO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しないことが好ましい。上記複素環のS原子およびO原子の総数が1以下であることが好ましい。架橋環はまた、複素環の定義に含まれる。1個以上の原子(すなわち、C、O、N、またはS)が2個の非隣接炭素原子または窒素原子に結合する場合、架橋環が存在する。好ましい架橋としては、1個の炭素原子、2個の炭素原子、1個の窒素原子、2個の窒素原子、および炭素―窒素基が挙げられるが、これらに限定されない。架橋は常に単環を三環に変換することが注目される。環が架橋されるとき、その環に列挙されている置換基はまた、その架橋上に存在し得る。スピロ環および縮合環もまた含まれる。
【0037】
本明細書中で使用される場合、用語「芳香族複素環」または「ヘテロアリール」は、安定な5、6、7、8、9、10、11、または12員の単環複素環芳香環、二環複素環芳香環(例えば、5員環は、単環芳香環でのみ存在し得る、特定数の員を有する環は二環芳香環であり得ないことを認識すること。)を意味することが意図され、これは炭素原子および1個以上のヘテロ原子からなる。例えば、1個または1〜2個または1〜3個または1〜4個または1〜5個または1〜6個のヘテロ原子は、独立して窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される。二環複素環芳香環の場合、この二環の一環のみが芳香環である必要がある(例えば、2,3−ジヒドロインドール)が、両環が芳香環であり得る(例えば、キノリン)。上記第二の環はまた、既に複素環に対して定義されたように融合または架橋され得る。上記窒素原子は、置換されるか、または非置換であり得る(すなわち、定義されたように、NまたはNRで、Rは、Hまたは別の置換基である)。上記窒素ヘテロ原子および硫黄ヘテロ原子は、必要に応じて酸化され得る(すなわち、N→OおよびS(O)、ここでp=1または2)。芳香族の複素環におけるSおよびO原子の総数は1以下であることが注目されるべきである。
【0038】
複素環の例としては、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル,イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書中で使用される場合、句「薬学的に受容可能な」は、正常な医療判断の範囲内で、過剰の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題、または合併症なしで、理に合った利益/危険比に見合って、ヒトおよび動物の組織に接触しての使用に適する化合物、物質、組成物、および/または投薬形態をいう。
【0040】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に受容可能な塩」とは、開示された化合物の誘導体をいい、ここでその親化合物は、その酸性塩または塩基性塩を作ることによって修飾される。薬学的に受容可能な塩の例としては、ミネラル、または塩基性残基の有機酸塩(例えばアミン);カルボン酸のような酸性残基のアルカリ性または有機塩;などが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に受容可能な塩としては、例えば、非毒性無機酸または非毒性有機酸から形成した親化合物の従来の非毒性塩または四価のアンモニウム塩が挙げられる。例えば、そのような従来の非毒性塩としては、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル酸(glycollyarsanilic)、ヘキシルレゾルシン酸(hexylresorcinic)、ヒドラバミン酸(hydrabamic)、臭化水素酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸(napsylic)、硝酸、シュウ酸、パモ酸(pamoic)、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸(salicyclic)、ステアリン酸、塩基性酢酸(subacetic)、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、およびトルエンスルホン酸から選択される無機酸および有機酸から誘導される塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
本発明の薬学的に受容可能な塩は、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から従来的な化学的な方法により合成され得る。一般に、そのような塩は、水中で、または有機溶媒中で、またはその二つの混合物中で、遊離酸形態または遊離塩基形態のこれらの化合物を化学量論的な量の上記適切な塩基または酸と反応させることによって調製され得る;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水媒体が好ましい。適切な塩の一覧が、Remington’s Pharmaceutical Sciences、(18版)、Mack Publishing Company、Easton、PA、1990、1445に見出される。
【0042】
プロドラッグは、医薬品の多くの望ましい品質(例えば、溶解度、バイオアベイラビリティ、製造など)を向上させることが公知であるので、本発明の化合物は、プロドラッグ形態で送達され得る。従って、本発明は、本明細書で特許請求した化合物のプロドラッグ、それらの化合物を送達する方法、それらの化合物を含有する組成物を包含することが意図される。「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグが哺乳動物の被験体に投与される場合、インビボで本発明の活性な親薬物を放出する共有結合したキャリアを含有することが意図される。本発明のプロドラッグは、修飾が、通常操作またはインビボのいずれかにおいて、上記親化合物に切断されるように、上記化合物に存在する官能基を修飾することによって、調製される。プロドラッグは、本発明の化合物を含み、ここでヒドロキシ基、アミノ基、またはスルフヒドリル基が任意の基に結合し、本発明のプロドラッグが哺乳動物の被験体に投与される場合、このプロドラッグは、切断して、それぞれ、遊離ヒドロキシ基、遊離アミノ基、または遊離スルフヒドリル基を形成する。プロドラッグの例としては、本発明の化合物におけるアルコールおよびアミン官能基のアセテート誘導体、ホルメート誘導体、およびベンゾエート誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度で単離、および有効な治療因子に処方されるにもかかわらず残存するなどに十分に強固である化合物を示すことを意味する。本発明で列挙した化合物は、N−ハロ、S(O)H基、またはS(O)H基を含まないことが好ましい。
【0044】
本明細書中で使用される場合、「処置すること」または「処置」は、哺乳動物における、特にヒトにおける疾患状態の処理を意味し、そして(a)哺乳動物における状態、特に、そのような哺乳動物が疾患状態に罹患しやすくなっているが、まだ疾患に罹患していないと診断されている場合の状態から疾患状態を予防すること;(b)疾患状態を阻害すること、すなわち、その進行を止めること;および/または(c)疾患状態を軽減すること、すなわち、その疾患状態の後退を引き起こすこと、を包含する。
【0045】
本明細書中で使用される場合、「哺乳動物」は、ヒト患者および非ヒト患者をいう。
【0046】
本明細書中で使用される場合、用語「治療有効量」は、単独または併用して抗増殖性因子および/または抗感染性因子として投与された場合に有効である、本発明の化合物、または化合物の組み合わせの量をいう。化合物の組み合わせは、好ましくは、相乗的な組み合わせである。例えば、ChouおよびTalalay、Adv.Enzyme Regul.1984、22:27−55によって記載される相乗性は、単一の因子として単独で投与される場合の、化合物の相加効果より、組み合わせで投与されたときの効果が大きい場合に生じる。概して、相乗効果はそれらの化合物の準最適濃度で最も明瞭に実証される。相乗性は、個々の成分と比べて、より低い細胞毒性、抗増殖効果の増大、および/または抗感染効果の増大、またはいくつかの他の、組み合わせの有益な効果に基づき得る。
【0047】
本明細書で使用される、全てのパーセントおよび比は、他に記載がない限り、重量による。
【0048】
記載を通して、組成物が特定の成分を有するか、含むか、または含むと記載されている場合、あるいはプロセスが特定の処理工程を有するか、含むか、または備えると記載されている場合、本発明の組成物はまた、上記列挙された成分から本質上成るか、または上記列挙された成分から成る、そして本発明のプロセスがまた、上記列挙された処理工程から本質的になるか、または成ることが企図される。さらに、工程の順序、または特定の行為を行う順序は、本発明が実施可能である限り重要ではないことが理解されるべきである。さらに、2つ以上の工程または行為は同時に行われ得る。
【0049】
(2.本発明の化合物)
一つの局面では、本発明は、式:
【0050】
【化22】

を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグを提供し、
ここで、
D−Hetは、
【0051】
【化23】

からなる群より選択され、
Aは、
a)カルボニル、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、d)−C(O)−C1−6アルキル、およびe)−C(O)−C2−6アルケニルからなる群より選択され、
ここで
i)b)〜e)のいずれかにおける、該C1−6アルキル基および該C2−6アルケニル基の0〜2個の炭素原子は、必要に応じてO、S(O)、およびNR11からなる群より選択される部分により置換され、そして
ii)b)〜e)のいずれかは、必要に応じて1個以上のR12基で置換され;
Bは、
a)−C(O)NH−、b)−C(S)NH−、c)−NHC(O)−、d)−NHC(S)−、e)−S(O)NH−、f)−NHS(O)−、g)−OC(O)NH−、h)−OC(S)NH−、i)−NHC(O)NH−、j)−NHC(S)NH−、k)−NHC(O)O−、l)−NHC(S)O−、およびm)−NR11−からなる群より選択され;
nは、0または1であり;
Dは、
a)−CH−、b)−C(O)−、c)−C(S)−、d)−C(=NOR11)−、e)−CHCH−、f)−OCH−、g)−SCH−、h)−S(O)CH−、i)−S(O)CH−、j)−NR11CH−、k)−C(O)CH−、l)−C(S)CH−、およびm)−C(=NOR11)CH−からなる群より選択され;
Eは、
【0052】
【化24】

d)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、5〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環であって、そして必要に応じて1個以上のR12基で置換される複素環;
e)必要に応じて1個以上のR12基で置換される、C5−10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環;
f)C1−8アルキル、
g)C2−8アルケニル、
h)C2−8アルキニル、
i)C1−8アルコキシ
j)C1−8アルキルチオ、
k)C1−8アシル
l)S(O)11;ならびに
m)水素
からなる群より選択され、
ここで、f)〜k)のいずれかは、必要に応じて
i)1個以上のR12基;
ii)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、5〜6員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環であって、そして必要に応じて1個以上のR12基で置換される複素環;または
iii)必要に応じて1個以上のR12基で置換される、C5−10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環で置換され;
Mは、
a)−C(O)−、b)−C(=NOR11)−、c)−CH(−OR11)−、d)−NR11−CH−、e)−CH−NR11−、f)−CH(NR1111)−、g)−C(=NNR1111)−、h)−NR11−C(O)−、i)−C(O)NR11−、およびj)−C(=NR11)−からなる群より選択され;
Rは、HおよびC1〜6アルキルからなる群より選択され;
は、
a)H、b)Cl、c)F、d)Br、e)I、f)−NR1111、g)−NR11C(O)R11、h)−OR11、i)−OC(O)R11、j)−OC(O)OR11、k)−OC(O)NR1111、l)−O−C1〜6アルキル−R12、m)−OC(O)−C1〜6アルキル−R12、n)−OC(O)O−C1〜6アルキル−R12、o)−OC(O)NR11−C1〜6アルキル−R12、p)C1〜6アルキル、q)C1〜6アルケニル、r)C1〜6アルキニルからなる群より選択され、
ここで、l)〜r)のいずれかは必要に応じて1個以上のR12基で置換され;
は、Hであり;
は、
a)H、b)−OR11、c)−O−C1〜6アルキル−R12、d)−OC(O)R11、e)−OC(O)−C1〜6アルキル−R12、f)−OC(O)OR11、g)−OC(O)O−C1〜6アルキル−R12、h)−OC(O)NR1111、i)−OC(O)NR11−C1〜6アルキル−R12、および
j)
【0053】
【化25】

からなる群より選択されるか;
あるいは、RおよびRは、一緒になってカルボニル基を形成し;
は、
a)H、b)R11、c)−C(O)R11、d)−C(O)OR11、e)−C(O)NR1111、f)−C1〜6アルキル−G−R11、g)−C2〜6アルケニル−G−R11、およびh)−C2〜6アルキニル−G−R11からなる群より選択されるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって
【0054】
【化26】

を形成し、
Gは、
a)−C(O)−、b)−C(O)O−、c)−C(O)NR11−、d)−C(=NR11)−、e)−C(=NR11)O−、f)−C(=NR11)NR11−、g)−OC(O)−、h)−OC(O)O−、i)−OC(O)NR11−、j)−NR11C(O)−、k)−NR11C(O)O−、l)−NR11C(O)NR11−、m)−NR11C(=NR11)NR11−、およびo)−S(O)−からなる群より選択され;
は、
a)R11、b)−OR11、c)−NR1111、d)−O−C1〜6アルキル−R12、e)−C(O)−R11、f)−C(O)−C1〜6アルキル−R12、g)−OC(O)−R11、h)−OC(O)−C1〜6アルキル−R12、i)−OC(O)O−R11、j)−OC(O)O−C1〜6アルキル−R12、k)−OC(O)NR1111、l)−OC(O)NR11−C1〜6アルキル−R12、m)−C(O)−C2〜6アルケニル−R12、およびn)−C(O)−C2〜6アルキニル−R12からなる群より選択されるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって
【0055】
【化27】

を形成し、
ここで、
Qは、CHまたはNであり、そして
23は、−OR11、またはR11であり;
は、
a)−OR11、b)−C1〜6アルコキシ−R12、c)−C(O)R11、d)−OC(O)R11、e)−OC(O)OR11、f)−OC(O)NR1111、およびg)−NR1111からなる群より選択されるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、
a)−OC(R12O−、b)−OC(O)O−、c)−OC(O)NR11−、d)−NR11C(O)O−、e)−OC(O)NOR11−、f)−NOR11−C(O)O−、g)−OC(O)NNR1111−、h)−NNR1111−C(O)O−、i)−OC(O)C(R12−、j)−C(R12C(O)O−、k)−OC(S)O−、l)−OC(S)NR11−、m)−NR11C(S)O−、n)−OC(S)NOR11−、o)−NOR11−C(S)O−、p)−OC(S)NNR1111−、q)−NNR1111−C(S)O−、r)−OC(S)C(R12−、およびs)−C(R12C(S)O−からなる群より選択されるリンカーを介して互いに結合することにより5員環を形成するか;
あるいは、M、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって
【0056】
【化28】

を形成し、
ここで、Jは、OおよびNR11からなる群より選択され;
R6’は、
a)−H、b)−C1〜4アルキル、c)さらにC1〜12アルキルまたは、1種以上のハロゲンで置換され得る、C2〜4アルケニル、d)さらにC1〜12アルキルまたは、1種以上のハロゲンで置換され得る、C2〜4アルキニル、e)さらにC1〜12アルキルまたは、1種以上のハロゲンで置換され得る、アリールまたはヘテロアリール、f)−C(O)H、g)−COOH、h)−CN、i)−COOR11、j)−C(O)NR1111、k)−C(O)R11、およびl)−C(O)SR11からなる群より選択され、ここでb)は、さらにaa)−OR11、bb)ハロゲン、cc)−SR11、dd)さらにハロゲン、ヒドロキシル、C1〜6アルコキシ、またはアミノで置換され得る、C1〜12アルキル、ee)−OR11、ff)−SR11、gg)−NR1111、hh)−CN、ii)−NO、jj)−NC(O)R11、kk)−COOR11、ll)−N、mm)=N−O−R11、nn)=NR11、oo)=N−NR1111、pp)=N−NH−C(O)R11、およびqq)=N−NH−C(O)NR1111からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されるか;
あるいは、RおよびR6’は、それらが結合する原子と一緒になって、エポキシド、カルボニル、オレフィン、または置換されたオレフィン、またはC〜Cの炭素環、カーボネート、またはカルバメートを形成し、ここで該カルバメートの窒素は、さらにC1〜6アルキルで置換され得;
は、a)C1〜6アルキル、b)C2〜6アルケニル、およびc)C2〜6アルキニルからなる群より選択され、
ここで、a)〜c)のいずれかは、必要に応じて1個以上のR12基で置換され;
は、Hおよび−C(O)R11からなる群より選択され;
は、H、OH、および−OR11からなる群より選択され;
10は、
a)H、b)R11、c)−C1〜6アルキル−G−R12、d)−C2〜6アルケニル−G−R12、およびe)−C2〜6アルキニル−G−R12からなる群より選択され、
ここで、c)〜e)のいずれかにおいてC1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、およびC2〜6アルキニル基は、必要に応じて1個以上のR12基で置換され;
11は、
各出現において、独立にa)H、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)C6〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3〜12員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環、g)−C(O)−C1〜6アルキル、h)−C(O)−C2〜6アルケニル、i)−C(O)−C2〜6アルキニル、j)−C(O)−C6〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、k)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)−3〜12員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環、l)−C(O)O−C1〜6アルキル、m)−C(O)O−C2〜6アルケニル、n)−C(O)O−C2〜6アルキニル、o)−C(O)O−C6〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、p)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)O−3〜12員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環、およびq)−C(O)NR1313からなる群より選択され、
ここでb)〜p)のいずれかは、必要に応じて1個以上のR12基で置換されるか、
あるいは、NR1111は、R11基が結合している窒素原子ならびに必要に応じてO、S(O)、およびNR15からなる群より選択される1個以上の部分を含む、3〜7員の飽和、不飽和の環、または芳香環を形成し、
12は、
a)R14、b)C1〜8アルキル、c)C2〜8アルケニル、d)C2〜8アルキニル、e)C3〜12の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3〜12員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環、ならびにg)−NR15C(O)OR15からなる群より選択され、
ここでb)〜f)のいずれかは、必要に応じて1個以上のR14基で置換され、
13は、各出現において、独立に、
a)H、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、ならびにf)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環からなる群より選択され、
ここでb)〜f)のいずれかは必要に応じて、カルボニル;ホルミル;F;Cl;Br;I;CN;NO;OR15;−S(O)15;−C(O)R15;−C(O)OR15;−OC(O)R15;−C(O)NR1515;−OC(O)NR1515;−C(=NR15)R15;−C(R15)(R15)OR15;−C(R15OC(O)R15;−C(R15)(OR15)(CHNR1515;−NR1515;−NR15OR15;−NR15C(O)R15;−NR15C(O)OR15;−NR15C(O)NR1515;−NR15S(O)15;−C(OR15)(OR15)R15;−C(R15NR1515;=NR15;−C(S)NR1515;−NR15C(S)R15;−OC(S)NR1515;−NR15C(S)OR15;−NR15C(S)NR1515;−SC(O)R15;C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル;C2〜8アルキニル、C1〜8アルコキシ;C1〜8アルキルチオ;C1〜8アシル;飽和、不飽和、または芳香族のC3〜10の炭素環;ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和、または芳香族の3〜10員複素環、からなる群より選択される1個以上の部分で置換されるか、
あるいは、NR1313は、R13基が結合している窒素原子ならびに必要に応じてO、S(O)、NR15およびNからなる群より選択される1個以上の部分を含む、3〜10員の飽和、不飽和の環、または芳香環を形成するか;
あるいは、CR1313は、カルボニル基を形成し;
14は、各出現において、
a)H、b)カルボニル、c)F、d)Cl、e)Br、f)I、g)(CR1313CF、h)(CR1313CN、i)(CR1313NO、j)(CR1313NR13(CR131316、k)(CR1313OR16、l)(CR1313S(O)(CR131316、m)(CR1313C(O)(CR131316、n)(CR1313OC(O)(CR131316、o)(CR1313SC(O)(CR131316、p)(CR1313C(O)O(CR131316、q)(CR1313NR13C(O)(CR131316、r)(CR1313C(O)NR13(CR131316、s)(CR1313C(=NR13)(CR131316、t)(CR1313C(=NNR1313)(CR131316
u)(CR1313C(=NNR13C(O)R13)(CR131316
v)(CR1313C(=NOR16)(CR131316
w)(CR1313NR13C(O)O(CR131316
x)(CR1313OC(O)NR13(CR131316
y)(CR1313NR13C(O)NR13(CR131316
z)(CR1313NR13S(O)(CR131316
aa)(CR1313S(O)NR13(CR131316、bb)(CR1313NR13S(O)NR13(CR131316、cc)(CR1313NR1313、dd)C1〜6アルキル、ee)C2〜6アルケニル、ff)C2〜6アルキニル、gg)(CR1313−C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、ならびにhh)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、(CR1313−3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環からなる群より選択され、
ここで、dd)〜hh)のいずれかは必要に応じて、1個以上のR16基で置換されるか、
あるいは、2個のR14基は、−O(CHO−を形成し得;
15は、
a)H、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環、g)−C(O)−C1〜6アルキル、h)−C(O)−C1〜6アルケニル、g)−C(O)−C1〜6アルキニル、i)−C(O)−C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、ならびにj)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)−3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環からなる群より選択され、
ここで、b)〜j)のいずれかは必要に応じて、H;F;Cl;Br;I;CN;NO;OH;NH;NH(C1〜6アルキル);N(C1〜6アルキル);C1〜6アルコキシ;アリール;置換アリール;ヘテロアリール;置換ヘテロアリール;ならびに必要に応じてアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、F、Cl、Br、I、CN、NO、およびOHからなる群より選択される1個以上の部分で置換されたC1〜6アルキルからなる群より選択される1個以上の部分で置換され;
16は、各出現において、独立に、
a)R17、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)−C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、ならびにf)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環からなる群より選択され、
ここで、b)〜f)のいずれかは必要に応じて、1個以上のR17基で置換され、
17は、各出現において、独立に、
a)H、b)カルボニル、c)F、d)Cl、e)Br、f)I、g)(CR1313CF、h)(CR1313CN、i)(CR1313NO、j)(CR1313NR1313、k)(CR1313OR11、l)(CR1313S(O)13、m)(CR1313C(O)R13、n)(CR1313C(O)OR13、o)(CR1313OC(O)R13、p)(CR1313NR13C(O)R13、q)(CR1313C(O)NR1313、r)(CR1313C(=NR13)R13、s)(CR1313NR13C(O)NR1313、t)(CR1313NR13S(O)13、u)(CR1313S(O)NR1313、v)(CR1313NR13S(O)NR1313、w)C1〜6アルキル、x)C2〜6アルケニル、y)C2〜6アルキニル、z)(CR1313−C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、ならびにaa)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、(CR1313−3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環からなる群より選択され、
ここで、w)〜aa)のいずれかは必要に応じて、R13;F;Cl;Br;I;CN;NO;−OR13;−NH;−NH(C1〜6アルキル);−N(C1〜6アルキル);C1〜6アルコキシ;C1〜6アルキルチオ;およびC1〜6アシルからなる群より選択される1個以上の部分で置換され;
18は、各出現において、独立に、
a)H、b)OR15、c)−O−C1〜6アルキル−OC(O)R15、d)−O−C1〜6アルキル−OC(O)OR15、e)−O−C1〜6アルキル−OC(O)NR1515、f)−O−C1〜6アルキル−C(O)NR1515、g)−O−C1〜6アルキル−NR15C(O)R15、h)−O−C1〜6アルキル−NR15C(O)OR15、i)−O−C1〜6アルキル−NR15C(O)NR1515、j)−O−C1〜6アルキル−NR15C(=NH)NR1515、k)−O−C1〜6アルキル−S(O)15、l)−O−C2〜6アルケニル−OC(O)R15、m)−O−C2〜6アルケニル−OC(O)OR15、n)−O−C2〜6アルケニル−OC(O)NR1515、o)−O−C2〜6アルケニル−C(O)NR1515、p)−O−C2〜6アルケニル−NR15C(O)R15、q)−O−C2〜6アルケニル−NR15C(O)OR15、r)−O−C2〜6アルケニル−NR15C(O)NR1515、s)−O−C2〜6アルケニル−NR15C(=NH)NR1515、t)−O−C2〜6アルケニル−S(O)15、u)−O−C2〜6アルキニル−OC(O)R15、v)−O−C2〜6アルキニル−OC(O)OR15、w)−O−C2〜6アルキニル−OC(O)NR1515、x)−O−C2〜6アルキニル−C(O)NR1515、y)−O−C2〜6アルキニル−NR15C(O)R15、z)−O−C2〜6アルキニル−NR15C(O)OR15、aa)−O−C2〜6アルキニル−NR15C(O)NR1515、bb)−O−C2〜6アルキニル−NR15C(=NH)NR1515、cc)−O−C2〜6アルキニル−S(O)15;およびdd)−NR1515からなる群より選択されるか、
あるいは、2個のR18基は、一緒になって=O、=NOR15、または=NNR1515を形成し;
19は、R12であり;
20は、
a)R13、b)F、c)Cl、d)Br、e)I、f)CN、g)NO、およびh)−OR11からなる群より選択されるか;
あるいは、R19およびR20は、一緒になって−O(CHO−であり;
21は、各出現において、独立に、
a)H、b)F、c)Cl、d)Br、e)I、f)CN、g)−OR11、h)NO、i)−NR1111、j)C1〜6アルキル、k)C1〜6アシル、およびl)C1〜6アルコキシからなる群より選択され;
22は、
a)C1〜6アルキル、b)C2〜6アルケニル、c)C2〜6アルキニル、d)C1〜6アシル、e)C1〜6アルコキシ、f)C1〜6アルキルチオ、g)飽和、不飽和、または芳香族のC5〜10の炭素環、h)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和、または芳香族の5〜10員の複素環、i)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−O−C1〜6アルキルの飽和、不飽和、または芳香族の5〜10員の複素環、j)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−NR11−C1〜6アルキルの飽和、不飽和、または芳香族の5〜10員の複素環、k)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、飽和、不飽和、または芳香族の10員の2環系、l)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、飽和、不飽和、または芳香族の13員の3環系、m)−OR11、n)−NR1111、o)S(O)11、ならびにp)R21からなる群より選択され、
ここで、a)〜l)のいずれかは必要に応じて1個以上のR12基で置換されるか;
あるいは、R22基および1個のR21基は、それらが結合している原子と一緒になって、必要に応じて1個以上のR12基で置換された、5〜7員の飽和または不飽和の炭素環を形成するか;または窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上の原子を含み、そして必要に応じて1個以上のR12基で置換される、5〜7員の飽和または不飽和の複素環を形成し;
23は、各出現において、独立に、
a)水素;b)電子吸引基;c)アリール;d)置換アリール;e)ヘテロアリール;f)置換ヘテロアリール;およびg)必要に応じて1個以上のR12基で置換される、C1〜6アルキルからなる群より選択されるか;
あるいは、任意のR23および任意のR20は、それらが結合している原子と一緒になって、必要に応じて1個以上のR12基で置換される、5〜7員の飽和または不飽和の炭素環を形成するか;または窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上の原子を含み、そして必要に応じて1個以上のR12基で置換される、5〜7員の飽和または不飽和の複素環を形成し;
pは、各出現において、0、1、および2からなる群より選択され;
rは、各出現において、0、1、および2からなる群より選択され;
sは、各出現において、1、2、3、または4からなる群より選択され;
tは、各出現において、0、1、または2からなる群より選択され;
uは、各出現において、1、2、3、4、または5からなる群より選択され;そして、
vは、各出現において、0、1、2、または3からなる群より選択される。
【0057】
前述の化合物の実施形態としては、式:
【0058】
【化29−1】

【0059】
【化29−2】

【0060】
【化29−3】

を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグが挙げられ、ここでA、B、n、D、E、R、R、R、R、R、R’、R、R、R、およびR10は、本明細書で定義されるとおりである。
【0061】
前述の化合物の他の実施形態としては、式:
【0062】
【化30−1】

【0063】
【化30−2】

【0064】
【化30−3】

【0065】
【化30−4】

を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグが挙げられ、ここでA、B、n、E、R、およびR10は、本明細書で上に定義されているとおりである。
【0066】
前記化合物のさらなる他の実施形態としては、以下:
【0067】
【化31−1】

【0068】
【化31−2】

【0069】
【化31−3】

【0070】
【化31−4】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくははプロドラッグが挙げられ、ここでA、B、n、E、およびR10は、本明細書で上に定義されているとおりである。
【0071】
本発明の特定の実施形態においては、nは1である。他の実施形態においては、A−(B)−Dは、式A−C(O)NH−D、式A−SONH−D、または式A−C(S)NH−Dを有する。
【0072】
本発明の他の実施形態としては、式:
【0073】
【化32−1】

【0074】
【化32−2】

【0075】
【化32−3】

を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグが挙げられる。
【0076】
別の局面では、本発明は、治療有効量の1種以上の前述の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物を提供する。さらに別の局面では、本発明は、本発明の化合物の有効量か、または本発明の薬学的組成物を投与することによって、哺乳動物における、微生物感染、真菌感染、寄生虫性疾患、増殖性疾患、ウィルス感染、炎症性疾患、または胃腸管系の運動性障害を処置するための方法を提供する。本局面の実施形態においては、上記化合物は、経口的か、非経口的か、または局部的に投与される。さらに別の局面では、本発明は、いずれか1個の、前述の化合物を合成するための方法を提供する。別の局面では、本発明は、医療機器、例えば、1個以上の前述の化合物を含むか、または1個以上の前述の化合物で被覆される医療用ステントを提供する。
【0077】
本発明はさらに、マクロライドに非芳香族リンカーを介して結合した、少なくとも複素環の側鎖部分を含む、ハイブリッド抗生物質のファミリーを提供する。上記抗生物質の合成に有用な、例示的なマクロライド、リンカー、および複素環の側鎖としては、以下に示される化学的部分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
(マクロライド)
【0079】
【化33−1】

【0080】
【化33−2】

【0081】
【化33−3】

(リンカー)
【0082】
【化34】

上記リンカー基に関して、「M」および「O」は、本発明の化合物を定義する上記他の構造に対する上記リンカー基の配向を示すために含まれることが理解されるべきである。より具体的には、「M」は、上記マクロライドを含む化合物の部分を示し、そして「O」は、複素環側鎖を含む化合物の部分を示す。
【0083】
(複素環側鎖)
【0084】
【化35】

リンカーを介してマクロライドの複素環側鎖への連結を示す例示的スキームを、以下に示し、ここで、mは1、2、3、または4であり得る。
【0085】
【化36】

上記例示的スキームは、次のように表わせ得る:
M−(CH−B−O
ここで、Mは、上記したように、M1からM22までからなる群より選択されるマクロライドであり、Bは、上記したように、B1からB9までからなる群より選択されるリンカーであり、Oは、上記したように、O1からO16までからなる群より選択される複素環側鎖であり、そしてmは、1〜4の整数である。
【0086】
上記種々のマクロライドは、既に考察した化学のように、当該分野で公知の従来化学を使用して、リンカーを介して複素環側鎖に連結され得る。提供された化学部分の種々の組み合わせを使用することによって、当業者は、本発明の1種以上の例示的化合物を合成し得る。これらの例示的な部分に基づいて生成し得る化合物の非限定的な例は、マクロライド部分は、M1から選択され、リンカー部分は、m=1から選択される可変長鎖部分を有するB1から選択され、そして複素環側鎖部分は、O1から選択される。当業者は、これらの例示された部分だけでも、組み合わせて12,672の固有の化合物、すなわち、[22マクロライド]×[9リンカー]×[各リンカーに対する4鎖長]×[16複素環側鎖]=12,672、を記載し得ることを認識する。
【0087】
(3.本発明の化合物の合成)
別の局面において、本発明は、本発明の化合物を作るための方法を提供する。以下のスキームは、本発明の化合物を合成するために利用可能な、いくつかの例示的な化学を示す。しかし、所望の化合物は、当該分野で公知の他の代替的な化学を使用して合成され得ることが理解される。
【0088】
マクロライド系抗生物質のデソサミン糖のジメチルアミノ基は、モノ脱メチル化されて対応する第二級アミンを生成し得る(米国特許第3,725,385号、Flynnら、(1954)J.AM.CHEM.SOC.76:3121;Kuら、(1997)BIOORG.MED.CHEM.LETT.7:1203;Stenmarkら(2000)J.ORG.CHEM.65:3875)。例えば、デソサミン誘導体1は、エリスロマイシンの分解から得られる。同じ化学が、アジスロマイシンからアミン2を生成するのに使用され得る。
【0089】
【化37】

スキーム1は、アミン1および2が、適切な救電子物質を用いてどのようにアルキル化され、リンカー基L1を使用する本発明の化合物が生成され得るかを例示する。公知のアミン3(合成については、Bricknerら、(1996)J.MED.CHEM.39:673を参照のこと)を、適切な臭素酸を用いてアシル化して、臭化物4および5を得た。次に、臭化物4および5を、使用してアミン1をアルキル化して目的物6および7を得、そしてアミン2をアルキル化して8および9を得た。タイプ6〜9の化合物は、それらのローソン試薬、すなわちP、との反応によるか、または当業者に公知の多くの他の試薬の組み合わせによって、リンカータイプL2のチオアミド目的物に変換され得る。3と同様な種々のアミンが、スキーム1(および続く全てのスキーム)の化学に使用され、本発明の化合物を提供し得ることが理解される。これらは、本発明の範囲内であることが意図される。
【0090】
【化38】

リンカー基L3を含む化合物は、例えば、スキーム2に示される化学によって作られ得る。タイプ3のオキサゾリジノンアミンは、市販の臭素酸10か、または公知の臭素酸11(Bellassouedら、(1985)TETRAHEDRON 41:1299)を用いてアシル化され、タイプ12およびタイプ13の中間体を与える。タイプ1およびタイプ2(非限定的な例として)のアミンのアルキル化によって、タイプ14〜17の誘導体が提供される。
【0091】
【化39】

スキーム3は、22〜25(リンカー基L4を有する)のような目的物のシスオレフィンがどのようにタイプ20およびタイプ21のアセチレンタイプアミドから作られ得るかを示す。タイプ3のアミンは、公知のアセチレン型酸18(Tsouら、(2001)J.MED.CHEM.44:2719)およびアセチレン型酸19(Careyら、(2001)J.ORG.CHEM.66:2526)を用いてアシル化され、それぞれ、アルキン20および21を与え得る。水素およびリンドラー触媒(またはジイミド還元のような他の条件)を用いる20および21の水素化によって、テトラブチルアンモニウムフッ化物(またはテトラヒドロフランおよび水中の酢酸の混合物のような酸性条件)を用いて脱シリル化され、対応するアルコールを生じ得るシスオレフィン中間体が得られる。これらのアルコールは、当該分野における周知の化学を使用してトシル化物(またはハロゲン化物のような他の吸電子種)に変換され得る。これらの中間体は、1および2(しかし、これらに限定されない)のようなアミン用のアルキル化剤として役立ち、目的物22〜25を与え得る。
【0092】
【化40】

22〜25のような目的物に対する代替の手法を、スキーム4に示す。
アルキン20および21のシロキシ基は、トシル化物に変換され得、アミン1および2に対するアルキル化剤として役立つ。次いで、アルキル化反応の生成物は、還元されて上記のように、上記シスオレフィンを与え得、目的物22〜25を提供する。
【0093】
【化41】

スキーム5は、3(しかし、これに限定されない)のようなアミンが、タイプL5のリンカー基を含む、本発明の化合物にどのようにして変換され得るかを例示する。アミン1および2は、ω−ブロモー1−アルカノールを用いてアルキル化され、26〜29のようなアルコールを与え得る。30と同様のイソシアネートは、ホスゲン、カルボニルジイミダゾールまたは当業者に周知な他の試薬を使用することによって3のようなアミンから作られ得る。30のようなイソシアネートを有する化合物26〜29の第一級アルコールの反応によって、31〜34のようなカルバメート目的物が得られる。タイプ3のアミンは、30に対応するイソチオシアネートに変換され得、またこれらの中間体は、タイプL6のリンカー基を含む、31〜34に関連するチオカルバメート誘導体を作ることに使用され得ることが理解される。さらに、26〜29のような中間体の第一級アルコールは、当該分野において周知の化学によって第一級アミンに変換され得、これらのアミンは、その後、イソシアネート30または対応するイソチオシアネートと反応させるために使用され得、本発明の尿素−連結化合物およびチオ尿素−連結化合物が得られることが理解される。上記尿素誘導体およびチオ尿素誘導体は、本発明の範囲に含まれることが意図される。
【0094】
【化42】

(4.本発明の化合物の特徴付け)
上記の方法によって設計、選択、および/または最適化された化合物は、一度生成されると、それらの化合物が、生物学的活性を有するか否かを決定するために当事者に公知の種々のアッセイを使用することによって特徴付けられ得る。例えば、分子は、以下に記載されるアッセイを含むがそれらに限定されない、従来のアッセイによって特徴付けされ、それらが、予測された活性、結合活性、および/または結合特異性を有するか否かが決定され得る。
【0095】
さらに、高処理能力スクリーニングが、そのようなアッセイを使用する分析を高速化するのに使用され得る。その結果、本明細書で記載される分子の、例えば、抗癌因子、抗細菌因子、抗真菌因子、抗寄生虫因子、または抗ウィルス因子としての、活性について迅速にスクリーニングすることが可能であり得る。また、上記化合物が、当該分野において公知の技術を使用して、どのようにリボソームまたはリボソームサブユニットと相互作用するか、および/またはタンパク質合成の修飾因子(例えば、インヒビター)としてどのように有効であるかをアッセイすることが可能であり得る。高処理能力スクリーニングを実施するための一般的方法は、例えば、Devlin(1998)High Throughput Screening、Marcel Dekkerおよび米国特許第5,763,263号に記載されている。高処理能力アッセイでは、以下に記載される技術を含むがこれらに限定されない、1つ以上の異なったアッセイ技術が使用され得る。
【0096】
((1)表面結合研究)
種々の結合アッセイが、新しい分子の結合活性をスクリーニングする際に有用であり得る。一つの手法には、表面プラズモン共鳴(SPR)が挙げられ、この手法は、リボソーム、リボソームサブユニット、またはそのフラグメントに関して、目的の分子の結合特性を評価するのに使用され得る。
【0097】
SPR法は、量子力学的表面プラズモンの生成を介してリアルタイムで2個以上の高分子間の相互作用を測定する。ある装置(Pharmacia Biosensor、Piscatawy,N.J.からのBIAcore Biosensor RTM)は、金フィルム(使い捨てバイオセンサー「チップ」として供給される)と使用者により調節され得る緩衝液区画との間の界面に、多色光の集束ビームを供給する。目的検体の共有結合固定化のためのマトリックスを提供する、カルボキシル化されたデキストランからなる100nmの厚さの「ヒドロゲル」を、上記金フィルムに付着させる。集束光が、上記金フィルムの遊離電子雲と相互作用すると、プラズモン共鳴が増強される。生じた反射光は、共鳴を最適に引き起こす波長においてスペクトル的に減損される。反射多色光をその成分波長に分離することによって(プリズムを用いて)、そして減損される周波数を決定することによって、BIAcoreは、発生した表面プラズモン共鳴の挙動を正確に記録する光学界面を確立する。上記のように設計すると、プラズモン共鳴(従って、減損スペクトル)は、一過性の場において質量(ほぼヒドロゲルの厚さに対応する)に敏感になる。相互作用している対の1成分が、ヒドロゲルに固定され、そしてその相互作用している相手が緩衝液区画を介して供給されると、その2成分間の相互作用は、上記一過性の場における質量の蓄積、およびプラズモン共鳴の、減損スペクトルによって測定される、その対応する効果に基づいて、リアルタイムで測定され得る。このシステムによって、いずれの成分をもラベルする必要がなく、上記分子の相互作用の迅速で感度のよいリアルタイム測定が可能となる。
【0098】
((2)蛍光偏光)
蛍光偏光(FP)は、2個の分子間の会合反応のIC50およびKdを誘導するために、タンパク質−タンパク質、タンパク質−リガンド、またはRNA−リガンド相互作用に容易に適用され得る測定技術である。この技術においては、目的分子の1個が、フルオロフォアと接合する。これは一般的に、上記系において、より低分子である(この場合、目的の化合物)。上記リガンド−プローブ接合体と上記リボソーム、上記リボソームサブユニットまたはそのフラグメントとの両方を含む上記試料混合物は、垂直に偏光した光によって励起される。光は、プローブフルオロフォアによって吸収され、そして短時間後に再放射される。放射された光の偏光度を測定する。放射された光の偏光は、いくつかの因子に依存するが、最も重要なことには上記溶液の粘度および上記フルオロフォアの見かけ分子量に依存する。適切に調節すると、放射された光の偏光度の変化は、上記フルオロフォアの見かけ分子量の変化のみに依存し、これはプローブ−リガンド接合体が溶液中で遊離しているか否か、または受容体に結合しているか否かに依存する。FPに基づく結合アッセイは、多くの重要な利点を有し、これらには、真に均一な平衡状態の下でのIC50およびKdの測定、分析の速度および自動化に対する快適さ、ならびに曇った懸濁液および着色液中におけるスクリーニングする能力が含まれる。
【0099】
((3)タンパク質合成)
前述の生化学的アッセイによる特徴付けに加え、目的の化合物はまた、上記リボソームまたはリボソームサブユニットの機能的活性の修飾因子(例えば、タンパク質合成のインヒビター)として特徴付けられることが企図される。
【0100】
さらに、より特異的なタンパク質合成阻害アッセイは、上記化合物を生物体全体、組織、器官、細胞小器官、細胞、細胞抽出物もしくは細胞より小さい抽出物、または精製したリボソーム調製物に投与することによって、そして、例えば、タンパク質合成を阻害するための上記化合物の阻害定数(IC50)を決定することによって上記化合物の薬理学的特性および阻害的特性を観察することによって実施され得る。Hロイシンもしくはまたは35Sメチオニンの取り込み、または同様の実験が、タンパク質合成活性を調査するために実施され得る。目的分子の存在下で上記細胞中におけるタンパク質合成の量変化または速度変化によって、上記分子がタンパク質合成の修飾因子であることが示される。タンパク質合成の量減少または速度減少によって、上記分子がタンパク質合成のインヒビターであることが示される。
【0101】
さらに、上記化合物は、細胞レベルで抗増殖特性または抗感染特性をアッセイされ得る。例えば、標的の生物が微生物である場合、目的の化合物の活性は、上記化合物を含むか、または含まないかのいずれかの培地中で、目的の微生物を増殖させることによってアッセイされ得る。増殖阻害は、上記分子がタンパク質合成のインヒビターとして作用し得ることを示し得る。より具体的には、細菌病原体に対する目的の化合物の活性は、上記化合物がヒト病原体の規定した株の増殖を阻害する能力により実証され得る。この目的のために、細菌株のパネルは、種々の標的病原体種を含むように集められ得、いくつかは、特徴付けられた耐性機序を含む。生物のそのようなパネルを使用して、効力および範囲に関するばかりでなく、耐性機序を除去する観点からも、構造−活性関係の決定が可能となる。アッセイは、The National Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)手引き(NCCLS.M7−A5−Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically;Approved Standard−Fifth Editionによって出版されるとおり従来の方法に従ってマイクロタイタートレイで実施され得る。NCCLS Document M100−S12/M7(ISBN 1−56238−394−9))。
【0102】
(5.処方および投与)
本発明の化合物は、例えば、細菌感染、真菌感染、ウィルス感染、寄生虫性疾患、および癌を含む、種々のヒトまたは他の動物の障害の予防または処置において有用であり得る。一度同定されると、本発明の活性分子は、使用前に任意の適切なキャリア中に組み込まれ得ることが企図される。活性分子の用量、投与の形態、および適切なキャリアの使用は、意図されたレシピエントおよび標的生物に依存する。本発明の化合物の上記処方物(獣医学的医療使用のため、およびヒト医療使用のための両方)は、代表的には、薬学的に受容可能なキャリアと関連してこのような化合物を含有する。
【0103】
上記キャリアは、上記処方物の他の成分と適合性があり、そしてレシピエントにとって有害ではないという意味で「受容可能」であるべきである。薬学的に受容可能なキャリアは、この点で、薬学的な投与に適合性がある、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗細菌因子および抗真菌因子、等張化因子および吸収遅延因子などを含むことが意図される。薬学的に活性な物質に対するこのような媒体および因子の使用は、当該分野において公知である。任意の従来の媒体または因子が活性化合物に不適合である範囲を除いて、上記組成物におけるそれらの使用は企図される。補助的活性化合物(本発明に従って同定または設計された化合物、および/または当該分野で公知の化合物)はまた、上記組成物中に組み込まれ得る。上記処方物は、便利にも投薬単位形態で存在され得、そして薬学/微生物学の分野において周知の任意の方法によって調製され得る。一般に、いくつかの処方物は、上記化合物を液体キャリアまたは微細に分割された固体キャリアまたはその両方と会合させることによって調製され、そしてそれから、必要なら、その生成物を所望の処方物に形作ることによって調製される。
【0104】
本発明の薬学的組成物は、投与の意図した経路に適合するように処方されるべきである。投与の経路の例としては、経口または非経口、例えば、静脈内投与、皮内投与、吸入投与、経皮投与(局所的投与)、経粘膜投与、および直腸投与が挙げられる。非経口適用、皮内適用、または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含有し得る:注入用の水のような滅菌希釈剤、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような抗細菌因子;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤;アセテート、シトレートまたはホスフェートのような緩衝液および塩化ナトリウムまたはデキストロースのような張度の調節用の因子。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基を用いて調整され得る。
【0105】
経口投与または非経口投与のための有用な溶液は、薬学分野において周知の方法(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、(Gennaro,A.(編)、Mack Pub.、(1990)に記載される)のいずれかによって調製され得る。非経口投与用の処方物はまた、頬側投与用のグリココレート(glycocholate)、直腸投与用のメトキシサリチレート、または膣投与用のクエン酸が挙げられ得る。上記非経口製剤は、ガラスまたはプラスチックで作られた、アンプル、使い捨てのシリンジまたは複数投薬バイアルに封入され得る。直腸投与用の坐剤はまた、上記薬物を室温では固体で体温では液体になる、カカオ脂、または他のグリセリド、他の組成物のような非刺激性賦形剤と混合することによって調製され得る。処方物はまた、例えば、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、植物起源の油、および水素化ナフタレンが挙げられ得る。直接投与用の処方物としては、グリセロールおよび高粘度の他の組成物が挙げられ得る。これらの薬物用の他の潜在的に有用な非経口キャリアとしては、エチレン−ビニルアセテートコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、移植可能注入系、およびリポソームが挙げられる。吸入投与用の処方物は、賦形剤として、例えば、ラクトースを含有し得、または、例えば、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココーレートおよびデオキシコーレートを含有する水溶液、または点鼻薬の形態での投与のためのゲルとしてであり得る。保持浣腸剤もまた、直腸送達用に使用され得る。
【0106】
経口投与に適した本発明の処方物は、カプセル、ゼラチンカプセル、サシェ、錠剤、トローチ、またはロゼンジのような別々のユニットの形態であり得る。各々の処方物は、所定の量の上記薬物;粉末組成物または顆粒状組成物;溶液または水溶液もしくは非水溶液中の懸濁液;または水中油型エマルジョンもしくは油中水型エマルジョンを含む。上記薬物はまた、ボーラス、し剤またはペーストの形態で投与され得る。錠剤は、必要に応じて1種以上の補助的成分を含む上記薬物を圧縮するか、または成形することによって作られ得る。圧縮された錠剤は、必要に応じて、結合剤、潤滑剤、不揮発性希釈剤、界面活性剤または分散剤で混合した、粉末または顆粒のような流動性形態での因子を、適切な機械で圧縮することによって調製され得る。形成された錠剤は、粉末化薬剤および不揮発性液体希釈剤で湿らせた適切なキャリアの混合物を、適切な機械で成形することによって作られ得る。
【0107】
経口用組成物は一般に、不揮発性希釈剤または食用キャリアを含有する。経口用治療投与の目的のために、活性化合物は、賦形剤と混合され得る。うがい薬としての使用のために液体キャリアを使用して調製された経口組成物は、上記液体キャリア中に上記化合物を含有し、そして経口的に適用され、スウィッシュ(swished)され、吐出され、または飲み込まれる。薬学的に適合性のある結合剤および/または補助物質は、上記組成物の一部として含有され得る。上記錠剤、ピル、カプセル、トローチなどは、以下の成分、または類似の性質の化合物のいずれかを含有し得る:微晶性セルロース、トラガラントガムもしくはゼラチンのような結合剤;デンプンもしくはラクトースのような賦形剤;アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、もしくはコーンスターチのような崩解剤;ステアリン酸マグネシウムまたはステロート(Sterote)のような潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素のようなグリダント(glidant);スクロースもしくはサッカリンのような甘味剤;またはペパーミント、メチルサリチレート、もしくはオレンジ香料添加剤のような香料添加剤。
【0108】
注射用使用に適した薬学的組成物には、滅菌注射用溶液または滅菌注射用分散物の即座の調製用の滅菌水溶液(水に可溶)または分散物および滅菌粉体が含まれる。静脈内投与のために、適切なキャリアとして、生理食塩水、静菌性水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。上記キャリアは、製造および保存の条件化で安定であるべきであり、そして細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されるべきである。上記キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、ならびにそれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンのような被覆剤の使用によって、分散の場合における必要とされる粒径の保持によって、および界面活性剤の使用によって維持され得る。多くの場合、例えば、上記組成物中に、砂糖、マンニトール(manitol)、ソルビトールのようなポリアルコール、塩化ナトリウムのような等張化因子が含まれることが好ましい。上記注射用組成物の長期に渡る吸収は、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンのような、吸収を遅延させる因子を上記組成物に含有させることによって引き起こされ得る。
【0109】
滅菌注射用溶液は、上に列挙された成分の1個または組み合わせで、必要な量で、上記活性化合物を適切な溶媒に組み入れることによって調製され得、必要であれば、その後フィルター滅菌を行う。一般に、分散物は、上に列挙されたものから、基本的な分散媒体および必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に上記活性化合物を組み入れることによって調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製法は、上記活性成分の粉末、およびそれの、以前に滅菌ろ過した溶液からの任意のさらなる所望の成分を生じる、減圧乾燥する工程および凍結乾燥を包含する。
【0110】
関節内投与に適した処方物は、微晶性形態で、例えば、水性微晶性懸濁液の形態であり得る薬物の滅菌水性製剤の形態であり得る。リポソームの処方物または生分解ポリマー系はまた、関節内投与と眼投与の両方のための薬物を与えるために使用され得る。
【0111】
眼処置を含む、局所投与に適切な処方物としては、リニメント剤、ローション、ゲル、塗布剤(applicants)、クリームのような水中油滴エマルジョンまたは油中水滴エマルジョン、軟膏もしくはペーストのような液体調製物または半液体調製物;あるいは滴下剤のような溶液または懸濁液が挙げられる。皮膚表面への局所的投与用の処方物は、上記薬物をローション、クリーム、軟膏または石鹸のような皮膚科学的に受容可能なキャリアを用いて分散させることによって調製され得る。皮膚上に膜または層を形成し、塗布を局在化させ、そして剥れを阻止する、キャリアが特に有用である。内部組織表面への局所的な投与のために、上記因子は、液体組織粘着剤に分散され得るか、または組織表面への吸着を促進することが公知の他の物質に分散され得る。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースまたはフィブリノゲン/トロンビン溶液は、有利に使用され得る。あるいは、組織を被覆する溶液、例えばペクチンを含有する処方物が使用され得る。
【0112】
吸入処置剤のために、スプレー缶、ネブライザー、またはアトマイザーを用いて分配した粉末(自力推進処方物またはスプレー処方物)の吸入が使用され得る。このような処方物は、粉末吸入装置からまたは自力推進粉末分配処方物からの肺投与用の微粉末の形態であり得る。自力推進溶液およびスプレー処方物の場合、効果は、所望のスプレー剤特徴(すなわち、所望の粒径を有するスプレーを生成することができること)を有するバルブの選択によるか、または活性成分を浮遊粉末として制御された粒径で組み込むことによるかのいずれかで達成され得る。吸入による投与のために、上記化合物はまた、例えば、二酸化炭素のような気体である適切な噴霧剤を含む、圧力容器またはディスペンサー、またはネブライザーから、エアロゾルスプレーの形態で送達され得る。
【0113】
全身投与はまた、経粘膜手段または経皮手段により得る。経粘膜投与または経皮投与のために、浸透されるべき障壁に適切な浸透剤が、上記処方物中で使用される。そのような浸透剤は一般的に、当該分野で公知であり、そして、例えば、経粘膜投与のために、洗剤および胆汁酸性塩を含む。経粘膜投与は、鼻内スプレーまたは座剤の使用を介して、達成され得る。経皮投与のために、上記活性化合物は代表的には、当該分野で一般に公知な、軟膏(ointment)、軟膏(salve)、ゲル、またはクリームに処方される。
【0114】
上記活性化合物は、身体からの急激な除去に対して上記化合物を保護する、インプラントおよびマイクロカプセル化送達系を含む、徐放処方物のようなキャリアを用いて調製され得る。エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のような、生分解可能な、生体適合性ポリマーが使用され得る。そのような処方物の調製方法は、当業者に明白である。リポソームの懸濁液はまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用され得る。これらの懸濁液は、当業者に公知の方法(例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるように)に従って調製され得る。
【0115】
経口組成物または非経口組成物は、投与および投薬の均一性の容易性のために投薬単位形態で処方され得る。投薬単位形態は、処置されるべき被験体に対する単位投薬として適した物理的に別々のユニットをいう;各単位は、所望の製薬キャリアと関連した所望の治療効果を生み出すために計算された、所定の量の活性化合物を含有する。本発明の投薬単位形態のための仕様は、上記活性化合物の固有の特徴および達成されるべき特定の治療効果、ならびに固体の処置のためのそのような活性化合物を調合する当該分野に固有の制限により決定され、そして直接的に依存する。さらに、投与は、ボーラスの周期的注入によって行われ得るか、あるいは外部リザーバ(例えば、静脈注射バッグ)からの静脈内投与、筋肉内投与、または腹腔内投与によってより連続的に成され得る。
【0116】
組織表面への付着が所望される場合、上記組成物には、フィブリノゲン−トロンビン組成物に分散させた薬物または他の生体粘着剤(bioadhesive)が含まれ得る。次に、上記化合物は塗布されるか、噴霧されるか、または別な方法で所望の組織表面に塗布され得る。あるいは、上記因子は、治療有効量で、例えば、所望の効果を誘導するための十分な時間の間、適切な濃度の上記薬物を標的組織に提供する量で、例えば、ヒトまたは他の哺乳動物への非経口投与または経口投与のために処方され得る。
【0117】
上記活性化合物が、移植手順の一部として使用される予定の場合、その化合物は、ドナーからの組織または臓器の除去前に、移植されるべき生存組織または器官に供給され得る。上記化合物は、ドナーホストに供給され得る。あるいは、またはさらに、一旦ドナーから除去されると、上記臓器または生存組織は、上記活性化合物を含有する保存溶液中に置かれ得る。全ての場合、上記活性化合物は、所望の組織に注射することによって所望の組織に直接投与され得るか、またはこの化合物は、本明細書に記載された方法および処方物ならびに/または当該分野で公知の方法および処方物のいずれかを使用して、経口投与または非経口投与のいずれかによって、全身に供給され得る。上記薬物が組織または臓器保存溶液の一部を含む場合、任意の市販の保存溶液が好都合に使用され得る。例えば、当該分野で公知の有用な溶液としては、コリンズ(Collins)溶液、ウィスコンシン(Wisconsin)溶液、ベルザー(Belzer)溶液、ユーロコリンズ(Eurocollins)溶液および乳酸化リンゲル液が挙げられる。
【0118】
本明細書で記載される方法によって同定または設計される活性化合物は、障害を処置するために(予防的にまたは治療的に)固体に投与され得る。このような処置と組み合わせて、薬理ゲノム科学(すなわち、固体の遺伝子型とその固体の異質化合物または異質薬物に対する反応との間の関係の研究)が考えられ得る。治療法の物質代謝の差異は、投薬と薬理学的に活性な薬物の血液濃度との間の関係を変えることによって、激しい毒性または治療の失敗をもたらし得る。従って、内科医または臨床医は、薬物を投与するか否か、ならびにその薬物を用いた処置の投薬計画および/または治療計画を調整するか否かを決定する際に、薬理ゲノム学研究で得られた知識を応用することを考慮し得る。
【0119】
哺乳動物における細菌感染を処置する、または細菌感染に取り組むための治療への使用において、上記化合物またはその薬学的組成物は、濃度すなわち、抗微生物的に有効な処置を受ける動物において有効成分の量、もしくは血液レベルもしくは組織レベルを達成する、また維持するための投薬で、経口的に、非経口的に、および/または局所的に投与される。用語「有効量」は、本発明の化合物が、生物学的活性、例えば、抗微生物活性、抗真菌活性、抗ウィルス活性、抗寄生虫活性、および/または抗増殖性活性を引き出すために十分な量で、レシピエント中またはレシピエントに接して存在することを意味することが理解される。一般に、活性成分の投薬有効量は、1日あたり1kgの体重に対して、約0.1〜約100mgの範囲内であり、より好ましくは約1.0〜約50mg範囲内である。投与される量はまた、疾患の型および程度または処置されるべき適応症、特定の患者の全体的健康状態、送達される化合物の相対的生物学的効力、上記薬物の処方物、処方中の賦形剤の存在および型、ならびに投与経路のような変数に依存しやすい。また、投与される初期投薬は上記上限超えて増加され得る。また、理解されるべきである。投与された初期の投薬量は、迅速に所望の血液レベルまたは組織レベルを達成するために、上記上限レベルを超えて増加され得るか、または上記初期の投薬量が最適値より小さく、そして毎日の投薬量が特定の状況に依存する処置の過程の間に徐々に増加され得ることが理解されるべきである。所望の場合、毎日の投薬量はまた、例えば、一日につき2〜4回の投与用に、複数の投薬量に分割され得る。
【実施例】
【0120】
(6.実施例)
以下の実施例では、核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、Bruker Avance 300分光計もしくはAvance 500分光計、またはいくつかの場合にはGE−Nicolet 300分光計を用いて得た。共通の反応溶液は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)グレード品またはAmerican Chemical Society(ACS)グレード品のいずれかであり、無水品は、別に指定しない限り、製造業者から入手した。「クロマトグラフィー」または「シリカゲルで精製した」は、別に指定しない限り、シリカゲル(EM Merck、シリカゲル60、230〜400メッシュ)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーをいう。
【0121】
(実施例1−例示的化合物)
本発明に従って合成した例示的化合物を表1に列挙する。
【0122】
(表1)
【0123】
【表1−1】

【0124】
【表1−2】

【0125】
【表1−3】

(実施例2ー化合物6〜9の合成)
(アミン2の合成)
アジスロマイシン(0.80g、1.02mmol)および酢酸ナトリウム(NaOAc)(0.712g、8.06mmol)を80%水溶性メタノール(MeOH)(25mL)中に溶解した。この溶液を50℃に保ち、その後ヨウ素(I)(0.272g、1.07mmol)を3回に分けて3分(min)以内に添加した。この反応を、1N 水酸化ナトリウム(NaOH)(1mL)を10分および45分の間隔で添加して8〜9のpHに維持した。この溶液は45分以内に無色になったが、攪拌を2時間(hr)続けた。2時間経った後のTLC(塩化メチル/メタノール/水酸化アンモニウム(CHCl/MeOH/NHOH)10:1:0.05)によって、単一の主要生成物(Rf=0.66)が示された。この反応を室温(RT)まで冷却し、NHOH(1.5mL)を含有する水(HO)(75mL)に注ぎ、そしてクロロホルム(CHCl)(3×30mL)を用いて抽出した。合わせた有機層をNHOH(1.5mL)を含有するHO(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥し、そして溶媒をエバポレートして、白色残留物を得た。粗製物をシリカゲルカラムを用いてCHCl/MeOH/NHOH(18:1:0.05〜10:1:0.05)で溶出して精製し、アミン2(0.41g、55%収率)を得た。
【0126】
(臭化物4の合成)
無水テトラヒドロフラン(THF)(10mL)中のアミン3(0.43g、1.46mmol)の溶液に、3−ブロモプロピオン酸(0.23g、1.5mmol)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(0.36g、1.72mmol)を添加した。沈殿物が2分以内に発生した。攪拌を室温で2時間続け、そして反応物をろ過し、沈殿した尿素を除去した。CHCl(60mL)および飽和塩化アンモニウム(NHCl)をろ液に添加した。2層も分離し、そして有機層を飽和NHCl(2×30mL)で洗浄し、次に飽和ブライン(1×30mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥した。溶媒をエバポレートし、残留物をシリカゲルカラムを使用して酢酸エチル(EtOAc)/ヘキサン8:1〜9:1で溶出して精製し、白色固体として4を得た(0.42g、67%収率)。H−NMR(300MHz、重水素化クロロホルム(CDCl);部分):δ7.30(dd、J=14,3Hz、1H)、6.95(dd、J=9,2Hz、1H)、6.78(t、J=9Hz、1H)、6.19(t、J=6Hz、1H)、4.67(m、1H)、3.45〜3.89(m、10H)、2.92(t、J=5Hz、4H)、2.65(m、2H)。
【0127】
(臭化物5の合成)
化合物5を、アミド4について記載したようにしてアミン3および4−ブロモ酪酸から合成した。H−NMR(300MHz、CDCl;部分):δ7.36(dd、J=14,3Hz、1H)、7.01(dd、J=9,2Hz、1H)、6.85(t、J=9Hz、1H)、5.95(t、J=6Hz、1H)、4.69(m、1H)、3.79(t、J=5Hz、4H)、3.57〜3.70(m、4H)、3.33(t、J=6Hz、2H)、2.92(t、J=5Hz、4H)、2.32(m、2H)、2.05(m、2H)。
【0128】
(化合物8の合成)
無水THF(15mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基またはi−PrNEt)(3mL)中のアミン2(0.128g、0.174mmol)および臭化物4(0.12g、0.28mmol)の混合物を一晩、還流しながら熱した。上記反応(物)をCHCl(60mL)中に注ぎ、飽和NHCl(3×30mL)で洗浄し、次に飽和ブライン(1×30mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥した。この溶媒をエバポレートし、粗製物をシリカゲルカラムを用い、最初にCHCl中の2〜6% MeOHで溶出し、次いでCHCl/MeOH/NHOH(15:1:0.05〜12:1:0.05〜10:1)で溶出して精製し、化合物8(0.0392g、21%収率)を得た。H−NMR(300MHz、CDCl;部分):δ9.01(bs、1H)、7.46(dd、J=14,2Hz、1H)、7.05(dd、J=9,2Hz、1H)、6.91(t、J=9Hz、1H)、5.10(bs、1H)、4.72(m、3H)、4.41(d、J=7Hz、1H)、4.26(bs、1H)、3.99(m、2H)、3.86(t、J=5Hz、4H)、3.05(t、J=5Hz、4H)。
【0129】
(化合物9の合成)
化合物9を、化合物8について上で記載したようにしてアミン2および臭化物5から生成した。H−NMR(300MHz、CDCl;部分):δ8.99(bs、1H)、7.40(dd、J=14,3Hz、1H)、7.05(dd、J=9,2Hz、1H)、6.87(t、J=9Hz、1H)、5.02(d、J=2Hz、1H)、4.85(m、1H)、4.69(m、1H)、4.34(d、J=7Hz、1H)、3.82(t、J=4Hz、4H)、3.01(t、J=4Hz、4H)。
【0130】
(化合物6の合成)
化合物6を、化合物8について上で記載したようにしてアミン1およびアミド4から生成した。H−NMR(300MHz、CDCl;部分):δ8.97(t、J=6Hz、1H)、7.39(dd、J=14,3Hz、1H)、7.04(dd、J=9,2Hz、1H)、6.87(t、J=9Hz、1H)、5.01(d、J=2Hz、1H)、4.84(d、J=4Hz、1H)、4.69(m、1H)、4.33(d、J=7Hz、1H)、3.82(t、J=4Hz、4H)、3.01(t、J=5Hz、4H)。
【0131】
(化合物7の合成)
化合物7を、化合物8の場合で記載したようにしてアミン1およびアミド5から合成した。H−NMR(300MHz、CDCl;部分):δ8.99(bs、1H)、7.40(dd、J=14,3Hz、1H)、7.05(dd、J=9,2Hz、1H)、6.87(t、J=9Hz、1H)、5.02(d、J=3Hz、1H)、4.85(m、1H)、4.69(m、1H)、4.34(d、J=7Hz、1H)、3.82(t、J=4Hz、4H)、3.01(t、J=4Hz、4H)。
【0132】
(実施例3−化合物35の合成)
(臭化物36の合成)
化合物36を、アミド4について記載したようにしてアミン3およびブロモ酢酸から合成した。H−NMR(300MHz、CDCl;部分):δ7.36、(dd、J=11,2Hz、1H)、7.02(m、2H)、6.93(dd、J=9,2Hz、1H)、4.68(m、1H)、3.93〜3.53(m、10H),3.01(t、J=5Hz、4H)。LCMS(ESI)m/z418(M+H)。
【0133】
(化合物35の合成)
化合物35を、化合物8について記載したようにしてアミン2およびアミド36から生成した。H−NMR(300MHz、CDCl;部分):δ8.25、(t、J=6Hz、1H)、7.40(dd、J=14.3Hz、1H)、6.99(dd、J=9.2Hz、1H)、6.84(t、J=9Hz、1H)、4.96(d、J=4Hz、1H)、4.69(m、2H)、4.31(d、J=8Hz、2H)、4.19(bs、1H)、3.80(t、J=5Hz、4H)、2.98(t、J=5Hz、4H)。LCMS(ESI)m/z1070(M+H)。
【0134】
(実施例4−スルホンアミド37の合成)
スキーム6は、スルホンアミド37の合成を示す。公知のアミンの塩酸塩(41)(Barbachyn、M.ら、国際公開第WO95/07271号を参照のこと)をスルホンアミド42に変換した。スルホンアミド42を使用してアミン171をアルキル化し、スルホンアミド37を得た。
【0135】
【化43】

(スルホンアミド42の合成)
CHCl中のアミン塩41(332mg、1.0mmol)の攪拌した溶液にトリエチルアミン(EtN)(0.5mL)、および2−クロロ−エタンスルホニルクロリド(ClCHCHSOCl)(163mg、1.0mmol)を連続して加えた。この反応混合物を室温(RT)で16時間攪拌し、次にCHClで50mLに希釈し、そして飽和水溶性炭酸水素ナトリウム(NaHCO)(50mL)およびブライン(25mL)で洗浄した。有機画分を炭酸カリウム(KCO)で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して490mgの黄色固体を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(15mm×6インチカラム、1:1アセトン/ヘキサンで溶出)で精製し、スルホンアミド42を無色の固体(380mg、0.90mmol)として得、これを次の反応に使用した。
【0136】
(スルホンアミド37の合成)
3mLのi−PrNEt中のアミン2(0.10g、0.14mmol)の攪拌した溶液に、42(0.10g、0.24mmol)を加えた。この溶液を1ドラムバイアルに密封し、100℃の油浴中で16時間、加熱した。この反応混合物を冷却し、次いでCHClで50mLに希釈し、そして飽和水溶性NaHCO(50mL)およびブライン(25mL)で洗浄した。有機画分をKCOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮して170mgの黄色油を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(15mm×6インチカラム、MeOH中33:1 CHCl/2N NHで溶出)で精製し、スルホンアミド37を白色の固体(105mg、0.094mmol)として得た。H−NMR(300MHz、CDCl;部分):δ7.46、(dd、J=14,2Hz、1H)、7.06(t、J=6Hz、1H)、6.97(dd、J=9,2Hz、1H)、6.84(t、J=9Hz、1H)、4.83(d、J=2Hz、1H)、4.58(d、J=8Hz、1H)、4.38(d、J=7Hz、1H)、4.15(d、J=6Hz、1H)、(3.22、s、3H)、2.23(s、3H)、2.31(s、3H)、1.34〜1.27(m、8H)、1.27〜1.15(m, 10H)、1.10〜0.99(m、9H)、0.89〜0.78(m、6H)。LCMS(ESI)m/z1120(M+H)、560.8(M+2H)2+
【0137】
(実施例5−化合物38の合成)
スキーム7は、チオアミド38の合成を示す。臭化物4をチオアミド43およびチオアミド44の混合物に変換し、これをその後、アミン2をアルキル化するために使用し、チオアミド38を得た。
【0138】
【化44】

(チオアミド43およびチオアミド44の合成)
ブロモプロピオンアミド4(0.190g、0.440mmol)およびローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)(0.092g,0.220mmol)を、無水THF(10mL)に溶解し、そしてこの溶液を還流しながら2時間加熱した。溶媒をエバポレートし、粗製物をシリカゲルカラムを使用して、EtOAc/ヘキサン(1:1〜2:1)で溶出して精製し、淡褐色固体を得た。LCMS分析から、単離生成物は、それぞれ、チオアミド43[m/e 448.1(M+H)]およびチオアミド44[m/e 366.0(M+H)]のおおよそ7:3の混合物であった(0.072g、合わせた収率)。
【0139】
(チオアミド38の合成)
無水THF(5mL)およびヒューニッヒ塩基(5mL)中のアミン2(0.250g、0.323mmol)およびチオアミド43およびチオアミド44(43に対して0.072g、0.160mmol)の混合物を、100℃で12時間、加熱した。この反応物をCHCl(60mL)中に注ぎ、飽和NHCl/NH0H(pH=9.5、1×30mL)および飽和ブライン(1×30mL)を含む混合物で抽出し、そして上記有機層をNaSOで乾燥した。この溶媒をエバポレートし、粗製物を最初にシリカゲルカラムを使用して、CHCl/MeOH(18:1)で溶出し、次にCHCl/MeOH/NHOH(18:1:0.03〜18:1:0.05〜15:1:0.05)で溶出して精製し、38を白色固体として得た(0.027g、15%収率)。H−NMR(300MHz、CDCl;部分):δ11.56(bs、1H)、7.40(dd、J=14,2Hz、1H)、6.95(dd、J=9,3Hz、1H)、6.83(t、J=9Hz、1H)、4.93(m、2H)、4.61(m、1H)、4.33(d、J=7Hz、1H)、3.78(t、J=5Hz、4H)、2.96(t、J=5Hz、4H)。LCMS(ESI)m/z 1100.4(M+H)
【0140】
(実施例6−化合物39の合成)
スキーム8は、アミン39の合成を例示する。アミン45を3−ブロモプロパノールでアルキル化し、生じたジオール46をモノトシレート47に変換した。アミン2をトシレート47でアルキル化して、アミン39を得た。
【0141】
【化45】

(ジオール46の合成)
THF(10mL)およびi−PrNEt(10mL)中のアミン45(0.50g、2.38mmol;文献で報告されている化学的性質を使用して合成した(Brickner、S.J.ら、J.Med.Chem.1996、39、673により合成されたアジド;次にそのアジドを上記アミンに還元))および3−ブロモプロパノール(0.42mL、4.68mmol)の混合物を100℃で48時間加熱した。この溶媒をエバポレートし、その粗製物をシリカゲルカラムを使用してCHCl/MeOH(14:1〜12:1)で溶出して精製し、アルコール46を粘ちょうな油として得た(0.71g、91%収率)。LCMS(ESI)m/z 326.9(M+H)
【0142】
(トシレート47の合成)
CHCl(10mL)およびEtN(0.19mL、1.30mmol)中のアルコール46(0.35g、1.07mmol)の溶液に、0℃でp−トルエンスルホニルクロリド(TsCl)(0.21g、1.07mmol)を加えた。この反応物を室温(RT)に暖め、20時間攪拌した。この溶媒をエバポレートし、粗製物をシリカゲルカラムを使用して、CHCl/MeOH(20:1〜18:1〜16:1)で溶出して精製し、トシレート47を得た(0.096g、19%収率)。LCMS(ESI)m/z 481.0(M+H)
【0143】
(アミン39の合成)
無水THF(5mL)およびi−PrNEt(5mL)中のアミン2(0.250g、0.323mmol)およびトシレート47(0.092g、0.192mmol)の混合物を100℃で24時間加熱した。この溶媒をエバポレートして、粗製物をシリカゲルカラムを使用して、CHCl/MeOH/NHOH(18:1:0.04〜16:1:0.04〜14:1:0.05〜12:1:0.05)で溶出して精製し、アミン39を白色固体として得た(0.050g、25%収率)。H−NMR(300MHz、CDCl;部分):δ7.37(m、1H)、7.25(m、1H)、7.18(m、1H)、6.77(m、1H)、4.94(d、J=4Hz、1H)、4.73(m、1H)、4.60(d、J=9Hz、1H)、4.37(d、J=7Hz、1H)、4.20(d、J=4Hz、4H)、3.69(m、3H)、0.83(m、6H)。LCMS(ESI)m/z 1043.6(M+H)
【0144】
(実施例7−化合物102の合成)
スキーム9は、化合物102の合成を例示する。アミン45をコハク酸モノメチルエステルと縮合して、アミドエステル110を得、これをカルボン酸111に加水分解した。このカルボン酸111を4’α−ヒドロキシ−アジスロマイシン114と縮合(実施例9で提供される合成)して、化合物102を得た。
【0145】
【化46】

(アミドエステル110の合成)
2mL CHCl中のアミン45(50mg、0.24mmol)、およびコハク酸モノメチルエステル(47mg、0.36mmol)の溶液に、74mg DCC(0.36mmol)を加え、この混合物をRTで4時間攪拌した。この反応混合物をシリカゲルカラムに直接注入し、ヘキサン/アセトン(3:1)で溶出し、アミドエステル110(80mg)を白色固体として得た。
【0146】
(カルボン酸111の合成)
アミドエステル110を5mL エタノール(EtOH)に溶解し、0.5mL 2N水酸化カリウム(KOH)(水溶液)を加えた。室温で4時間の攪拌後、この反応混合物を0.1N塩酸(HCl)(水溶液)で50 mLまで希釈し、CHCl(3×30mL)で抽出した。合わせた有機画分をNaSOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮してカルボン酸111を白色固体として得た。
【0147】
(化合物102の合成)
0.5mL CHCl中の、このカルボン酸111(24mg、0.07mmol)および4’−α−ヒドロキシアジスロマイシン2(38mg 0.05mmol)の攪拌溶液に、CHCl中の76μLの20%w/vDCC溶液を加えた。この混合物を室温で15時間攪拌し、次にこの全反応混合物を直接シリカゲルフラッシュカラムに注入し、1:20:0.1 MeOH/CHCl/NHで溶出し、化合物102を白色固体(41mg、0.04mmol)として得た。LCMS(ESI)m/z 529.5(M+2H)
【0148】
(実施例8−化合物103の合成)
スキーム10は、化合物103の合成を例示する。アミン45をBoc−L−グルタミン酸5−ベンジルエステルと縮合して、アミドエステル112を得、これを加水分解してカルボン酸113を得た。このカルボン酸113をアミン114と縮合し、化合物103を得た。
【0149】
【化47】

(アミドエステル112の合成)
2mL CHCl中の、アミン45(50mg、0.24mmol)、およびBoc−L−グルタミン酸−5−ベンジルエステル(97mg、0.29mmol)の溶液に、74mg DCC(0.36mmol)を加え、この混合物を室温(RT)で4時間攪拌した。この反応混合物をシリカゲルカラムに直接注入し、ヘキサン/アセトン(4:1)で溶出し、アミドエステル112(138mg)を白色固体として得た。
【0150】
(カルボン酸113の合成)
アミドエステル112を5mL EtOHに溶解し、0.5mL 2N KOH(水溶液)を加えた。室温で4時間の攪拌後、この反応混合物を0.1NHCl(水溶液)で50mLまで希釈し、CHCl(3×30mL)で抽出した。合わせた有機画分をNaSOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮してカルボン酸113を白色固体(129mg)として得た。
【0151】
(化合物103の合成)
0.5mL CHCl中の、このカルボン酸113(33mg、0.08mmol)および4’−α−ヒドロキシアジスロマイシン2(38mg 0.05mmol)の攪拌溶液に、CHCl中の76μLの20%w/v DCC溶液を加えた。この混合物を室温で15時間攪拌し、次にこの全反応混合物を直接シリカゲルフラッシュカラムに注入し、1:20:0.1 MeOH/CHCl/NHで溶出し、化合物103を白色固体(41mg、0.04mmol)として得た。LCMS(ESI)m/z 544.0(M−Boc+2H)2+
【0152】
(実施例9−化合物114の合成)
スキーム11は、アミンオキシド116を介してアジスロマイシン115からの4’−α−ヒドロキシ−アジスロマイシン114の合成を例示する。上記アミドオキシド116は、アルケニル化合物117に変換され、この化合物はエポキシドN−オキシド118に変換され、次いでアジドアルコール119に変換され、そして化合物114に変換される。
【0153】
【化48】

(アジスロマイシン−3’−N−オキシド116の合成)
アジスロマイシン115(50g、66.8mmol)を、150mLの溶液を生成するのに十分暖かいアセトンに溶解した。この溶液を、40mlの30%w/w 水溶性Hを加える前に、室温に冷却した。温和な放熱の後に、この溶液を室温まで冷却し、3.5時間攪拌した。この反応混合物をCHClで2Lに希釈し、生じたゼラチン混合物を激しく1時間攪拌して濁った懸濁液を得た。この懸濁液を飽和水溶性NaHCOおよび10%w/v水溶性Na(2×600mL)の5:1混合物で洗浄し、そしてブライン(1×800mL)で洗浄した。この水溶性洗浄液を合わせて、2N KOHでpH12に調整し、次にさらにCHCl(3×300mL)で抽出した。この合わせた有機抽出物をKCOで乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。上記抽出物の体積が減少するにつれて、結晶が形成し始めた。抽出物の全体積を700mLまで減少させたとき、この溶液をストッパーの付いたフラスコに入れ、室温で一晩保存した。固体を減圧ろ過で回収し、冷却エーテルでリンスし、減圧下で乾燥し、34gの白色針状結晶を得た。このろ液を以前のように処理し、結晶性生成物201の2個のさらなる塊を得た。全収率は51g(66.7mmol 99%)であった。LCMS(ESI)m/z 765.6(M+H)
【0154】
(3’デスジメチルアミノ−4’−デヒドロ−アジスロマイシン(アルケニル化合物)117の合成)
300mLの西洋ナシ形の回収フラスコをアジスロマイシン−3’−N−オキシド116(35g、45.8mmol)で充填し、回転エバポレーターに配置した。圧力を0.5トルに減圧し、このフラスコを油浴中でゆっくりと回転させ、温度を徐々に175℃まで上昇させた。この混合物をこの温度で1.5時間減圧下に保ち、次に室温まで冷却し、そしてアルゴンを流した。生じた黄褐色固体を800mLの沸騰アセトニトリル(CHCN)に溶解した。この溶液をゆっくりと室温まで冷却し、そして−20℃の冷凍機中に一晩置いた。上記固体を減圧ろ過で回収し、冷却したアセトニトリルで洗浄し、19.1gの117を灰色の結晶として得た。上記ろ液を濃縮し、残留物を上記のように処理し、117生成物の2個のさらなる塊を得た。全収率は27.7g(39.4mmol、86%)であった。LCMS(ESI)m/z 704.5(M+H)
【0155】
(3’デスジメチルアミノ−4’−デヒドロ−3’,4’−エポキシ−9’N−オキソ−アジスロマイシン(エポキシド N−オキシド)118の合成)
117(100mL中に25.0g、35.5mmol)のメタノール溶液に、メタクロロ過安息香酸(20.4g、89mmol)を加えた。この反応混合物を室温で14時間攪拌し、この時間中にmCPBAのさらなる10g部分を加えた。この溶液をさらに4時間攪拌し、次に1200mL CHClで希釈し、そして飽和水溶性NaHCO(2×500 mL)およびブライン(1×500mL)で洗浄した。この水溶性洗浄液をCHCl(2×500mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物をKCOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮して白色泡状物(foam)(30.7g)を得た。この泡状物をシリカゲルクロマトグラフィー(125mm×6インチカラム、MeOH/CHCl中の7.5% 2N アンモニア(NH)で溶出して)を用いて精製し化合物118を白色固体(25.7g、35.0mmol、98%)として得た。LCMS(ESI)m/z 779.6(M+H)
【0156】
(3’β−アジド−4’α−ヒドロキシ−9’N−オキソ−3’−デスジメチルアミノ−アジスロマイシン(アジドアルコール)119の合成)
エポキシドN−オキサイド118(20.0g、27.2mmol)を88mLの10:1のジメチルスルホキシド−水(DMSO−HO)に溶解し、これにナトリウムアジド(NaN)(17.7g、270mmol)および過塩素酸マグネシウム八水和物(Mg(ClO)・8HO)(13.5g、40.8mmol)を加えた。この混合物をアルゴン下で85℃で16時間、攪拌し、次いで室温まで冷却し、そして飽和水溶性NaHCO(1L)中に注ぎ、CHCl(5×500mL)で抽出した。合わせた抽出物をKCOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮して白色泡状物(foam)(29g)を得た。この物質を熱したCHCN(1.2L)に溶解し、室温で一晩放置した。固体をその溶液からろ過し、そしてさらにCHCNでリンスした。このようにして得た8.7gの結晶性固体をNMRおよびx−線分析で、上記エポキシドの4’炭素においてアジドを付加することによって形成された、純粋な3’α−ヒドロキシ−4’β−アジド−9’N−オキソ−3’−デスジメチルアミノ−アジスロマイシンであることを確認した。上記母液を濃縮し、そして残留物を再度沸騰CHCNに溶解し、そこからもう1つの3.0gの塊の所望しない異性体を純粋形態で得た。生成物119に富んだ、上記母液を濃縮し、そして残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(50mm×8インチカラム、MeOH/CHCl中の0〜8% 2N NHで溶出して)によって精製し、化合物119(6.5g、8.3mmol、31%)と共に、さらに先に溶出した2.9gの4’β−アジドを得た。LCMS(ESI)m/z 736.6(M+H)
【0157】
(4’α−ヒドロキシ−アジスロマイシン114の合成)
厚い壁の圧力管を119のエタノール溶液(1.73g、20mL中2.22mmol)および木炭(C)上の20% パラジウム(Pd)(50% HOを含む0.14g)を充填した。上記反応混合物を水素(H)雰囲気(15psig)下、室温で14時間攪拌し、この時間中に2mL 37%水溶性ホルムアルデヒド(CHO)、1mL ギ酸(HCOH)、およびさらなるC上の50mg Pdを加えた。上記水素圧力を30psigまで増加させ、攪拌を24時間続け、この時間中にさらなる100mg Pdを充填し、上記H圧力を90psigまで増加させた。この圧力でさらなる24時間の経過後、この反応混合物をアルゴンでパージし、ろ過し、100mL トルエンで希釈し、そして減圧下で濃縮して、1.9gの無色のガラス状物を得た。この粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(25mm×6インチカラム、MeOH/CHCl中の7% 2N NHで溶出する)により精製し、化合物114を白色固体(0.78g、1.0mmol、45%)として得た。LCMS(ESI)m/z 765.5(M+H)
【0158】
(参考としての援用)
本明細書において参照する、特許文献および科学文献の各々の全開示は、全ての目的で参考として援用される。
【0159】
(等価物)
本発明は、その精神または本質的特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。従って、上記実施形態は、本明細書に記載される本発明を制限するのではなく全ての点で例証的であると見なされるべきである。従って、本発明の範囲は、上記記載によるのではなく添付の特許請求の範囲により示され、そして本特許請求の範囲の同等の意味および範囲の内に入れる全ての変化は、本明細書内に包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであって、
ここで
D−Hetは、以下:
【化2】

からなる群より選択され、
Aは、以下:
a)カルボニル、b)C1−6アルキル、c)C2−6アルケニル、d)−C(O)−C1−6アルキル、およびe)−C(O)−C2−6アルケニルからなる群より選択され、
ここで
i)b)〜e)のいずれかにおける、該C1−6アルキル基および該C2−6アルケニル基の0〜2個の炭素原子は、必要に応じてO、S(O)、およびNR11からなる群より選択される部分により置換され、そして
ii)b)〜e)のいずれかは、必要に応じて1個以上のR12基で置換され;
Bは、以下:
a)−C(O)NH−、b)−C(S)NH−、c)−NHC(O)−、d)−NHC(S)−、e)−S(O)NH−、f)−NHS(O)−、g)−OC(O)NH−、h)−OC(S)NH−、i)−NHC(O)NH−、j)−NHC(S)NH−、k)−NHC(O)O−、l)−NHC(S)O−、およびm)−NR11−からなる群より選択され;
nは、0または1であり;
Dは、以下:
a)−CH−、b)−C(O)−、c)−C(S)−、d)−C(=NOR11)−、e)−CHCH−、f)−OCH−、g)−SCH−、h)−S(O)CH−、i)−S(O)CH−、j)−NR11CH−、k)−C(O)CH−、l)−C(S)CH−、およびm)−C(=NOR11)CH−からなる群より選択され;
Eは、以下:
【化3】

d)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、5〜10員の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環であって、そして必要に応じて1個以上のR12基で置換される複素環;
e)必要に応じて1個以上のR12基で置換される、C5−10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環;
f)C1−8アルキル、
g)C2−8アルケニル、
h)C2−8アルキニル、
i)C1−8アルコキシ
j)C1−8アルキルチオ、
k)C1−8アシル
l)S(O)11;ならびに
m)水素
からなる群より選択され、
ここで、f)〜k)のいずれかは、必要に応じて
i)1個以上のR12基;
ii)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、5〜6員の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環であって、そして必要に応じて1個以上のR12基で置換される複素環;または
iii)必要に応じて1個以上のR12基で置換される、C5−10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環で置換され;
Mは、以下:
a)−C(O)−、b)−C(=NOR11)−、c)−CH(−OR11)−、d)−NR11−CH−、e)−CH−NR11−、f)−CH(NR1111)−、g)−C(=NNR1111)−、h)−NR11−C(O)−、i)−C(O)NR11−、およびj)−C(=NR11)−からなる群より選択され;
Rは、HおよびC1−6アルキルからなる群より選択され;
は、以下:
a)H、b)Cl、c)F、d)Br、e)I、f)−NR1111、g)−NR11C(O)R11、h)−OR11、i)−OC(O)R11、j)−OC(O)OR11、k)−OC(O)NR1111、l)−O−C1〜6アルキル−R12、m)−OC(O)−C1〜6アルキル−R12、n)−OC(O)O−C1〜6アルキル−R12、o)−OC(O)NR11−C1〜6アルキル−R12、p)C1〜6アルキル、q)C1〜6アルケニル、r)C1〜6アルキニルからなる群より選択され、
ここで、l)〜r)のいずれかは必要に応じて1個以上のR12基で置換され;
は、Hであり;
は、以下:
a)H、b)−OR11、c)−O−C1〜6アルキル−R12、d)−OC(O)R11、e)−OC(O)−C1〜6アルキル−R12、f)−OC(O)OR11、g)−OC(O)O−C1〜6アルキル−R12、h)−OC(O)NR1111、i)−OC(O)NR11−C1〜6アルキル−R12、および
j)
【化4】

からなる群より選択されるか;
あるいは、RおよびRは、一緒になってカルボニル基を形成し;
は、以下:
a)H、b)R11、c)−C(O)R11、d)−C(O)OR11、e)−C(O)NR1111、f)−C1〜6アルキル−G−R11、g)−C2〜6アルケニル−G−R11、およびh)−C2〜6アルキニル−G−R11からなる群より選択されるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって
【化5】

を形成し、
Gは、以下:
a)−C(O)−、b)−C(O)O−、c)−C(O)NR11−、d)−C(=NR11)−、e)−C(=NR11)O−、f)−C(=NR11)NR11−、g)−OC(O)−、h)−OC(O)O−、i)−OC(O)NR11−、j)−NR11C(O)−、k)−NR11C(O)O−、l)−NR11C(O)NR11−、m)−NR11C(=NR11)NR11−、およびo)−S(O)−からなる群より選択され;
は、以下:
a)R11、b)−OR11、c)−NR1111、d)−O−C1〜6アルキル−R12、e)−C(O)−R11、f)−C(O)−C1〜6アルキル−R12、g)−OC(O)−R11、h)−OC(O)−C1〜6アルキル−R12、i)−OC(O)O−R11、j)−OC(O)O−C1〜6アルキル−R12、k)−OC(O)NR1111、l)−OC(O)NR11−C1〜6アルキル−R12、m)−C(O)−C2〜6アルケニル−R12、およびn)−C(O)−C2〜6アルキニル−R12からなる群より選択されるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって
【化6】

を形成し、
ここで、
Qは、CHまたはNであり、そして
23は、−OR11、またはR11であり;
は、以下:
a)−OR11、b)−C1〜6アルコキシ−R12、c)−C(O)R11、d)−OC(O)R11、e)−OC(O)OR11、f)−OC(O)NR1111、およびg)−NR1111からなる群より選択されるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、
a)−OC(R12O−、b)−OC(O)O−、c)−OC(O)NR11−、d)−NR11C(O)O−、e)−OC(O)NOR11−、f)−NOR11−C(O)O−、g)−OC(O)NNR1111−、h)−NNR1111−C(O)O−、i)−OC(O)C(R12−、j)−C(R12C(O)O−、k)−OC(S)O−、l)−OC(S)NR11−、m)−NR11C(S)O−、n)−OC(S)NOR11−、o)−NOR11−C(S)O−、p)−OC(S)NNR1111−、q)−NNR1111−C(S)O−、r)−OC(S)C(R12−、およびs)−C(R12C(S)O−からなる群より選択されるリンカーを介して互いに結合することにより5員環を形成するか;
あるいは、M、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって
【化7】

を形成し、
ここで、Jは、OおよびNR11からなる群より選択され;
R6’は、以下:
a)−H、b)−C1〜4アルキル、c)さらにC1〜12アルキルまたは、1種以上のハロゲンで置換され得る、C2〜4アルケニル、d)さらにC1〜12アルキルまたは、1種以上のハロゲンで置換され得る、C2〜4アルキニル、e)さらにC1〜12アルキルまたは、1種以上のハロゲンで置換され得る、アリールまたはヘテロアリール、f)−C(O)H、g)−COOH、h)−CN、i)−COOR11、j)−C(O)NR1111、k)−C(O)R11、およびl)−C(O)SR11からなる群より選択され、ここでb)は、さらにaa)−OR11、bb)ハロゲン、cc)−SR11、dd)さらにハロゲン、ヒドロキシル、C1〜6アルコキシ、またはアミノで置換され得る、C1〜12アルキル、ee)−OR11、ff)−SR11、gg)−NR1111、hh)−CN、ii)−NO、jj)−NC(O)R11、kk)−COOR11、ll)−N、mm)=N−O−R11、nn)=NR11、oo)=N−NR1111、pp)=N−NH−C(O)R11、およびqq)=N−NH−C(O)NR1111からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されるか;
あるいは、RおよびR6’は、それらが結合する原子と一緒になって、エポキシド、カルボニル、オレフィン、または置換されたオレフィン、またはC〜Cの炭素環、カーボネート、またはカルバメートを形成し、ここで該カルバメートの窒素は、さらにC1〜6アルキルで置換され得;
は、a)C1〜6アルキル、b)C2〜6アルケニル、およびc)C2〜6アルキニルからなる群より選択され、
ここで、a)〜c)のいずれかは、必要に応じて1個以上のR12基で置換され;
は、Hおよび−C(O)R11からなる群より選択され;
は、H、OH、およびOR11からなる群より選択され;
10は、以下:
a)H、b)R11、c)−C1〜6アルキル−G−R12、d)−C2〜6アルケニル−G−R12、およびe)−C2〜6アルキニル−G−R12からなる群より選択され、
ここで、c)〜e)のいずれかにおいてC1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、およびC2〜6アルキニル基は、必要に応じて1個以上のR12基で置換され;
11は、各出現において、独立にa)H、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)C6〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3〜12員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環、g)−C(O)−C1〜6アルキル、h)−C(O)−C2〜6アルケニル、i)−C(O)−C2〜6アルキニル、j)−C(O)−C6〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、k)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)−3〜12員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環、l)−C(O)O−C1〜6アルキル、m)−C(O)O−C2〜6アルケニル、n)−C(O)O−C2〜6アルキニル、o)−C(O)O−C6〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、p)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)O−3〜12員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環、およびq)−C(O)NR1313からなる群より選択され、
ここでb)〜p)のいずれかは、必要に応じて1個以上のR12基で置換されるか、
あるいは、NR1111は、R11基が結合している窒素原子ならびに必要に応じてO、S(O)、およびNR15からなる群より選択される1個以上の部分を含む、3〜7員の飽和、不飽和の環、または芳香環を形成し、
12は、以下:
a)R14、b)C1〜8アルキル、c)C2〜8アルケニル、d)C2〜8アルキニル、e)C3〜12の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3〜12員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環、ならびにg)−NR15C(O)OR15からなる群より選択され、
ここでb)〜f)のいずれかは、必要に応じて1個以上のR14基で置換され、
13は、各出現において、独立に、以下:
a)H、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、ならびにf)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環からなる群より選択され、
ここでb)〜f)のいずれかは必要に応じて、カルボニル;ホルミル;F;Cl;Br;I;CN;NO;OR15;−S(O)15;−C(O)R15;−C(O)OR15;−OC(O)R15;−C(O)NR1515;−OC(O)NR1515;−C(=NR15)R15;−C(R15)(R15)OR15;−C(R15OC(O)R15;−C(R15)(OR15)(CHNR1515;−NR1515;−NR15OR15;−NR15C(O)R15;−NR15C(O)OR15;−NR15C(O)NR1515;−NR15S(O)15;−C(OR15)(OR15)R15;−C(R15NR1515;=NR15;−C(S)NR1515;−NR15C(S)R15;−OC(S)NR1515;−NR15C(S)OR15;−NR15C(S)NR1515;−SC(O)R15;C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル;C2〜8アルキニル、C1〜8アルコキシ;C1〜8アルキルチオ;C1〜8アシル;飽和、不飽和、または芳香族のC3〜10の炭素環;ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和、または芳香族の3〜10員複素環、からなる群より選択される1個以上の部分で置換されるか、
あるいは、NR1313は、R13基が結合している窒素原子ならびに必要に応じてO、S(O)、NR15およびNからなる群より選択される1個以上の部分を含む、3〜10員の飽和、不飽和の環、または芳香環を形成するか;
あるいは、CR1313は、カルボニル基を形成し;
14は、各出現において、以下:
a)H、b)カルボニル、c)F、d)Cl、e)Br、f)I、g)(CR1313CF、h)(CR1313CN、i)(CR1313NO、j)(CR1313NR13(CR131316、k)(CR1313OR16、l)(CR1313S(O)(CR131316、m)(CR1313C(O)(CR131316、n)(CR1313OC(O)(CR131316、o)(CR1313SC(O)(CR131316、p)(CR1313C(O)O(CR131316、q)(CR1313NR13C(O)(CR131316、r)(CR1313C(O)NR13(CR131316、s)(CR1313C(=NR13)(CR131316、t)(CR1313C(=NNR1313)(CR131316
u)(CR1313C(=NNR13C(O)R13)(CR131316
v)(CR1313C(=NOR16)(CR131316
w)(CR1313NR13C(O)O(CR131316
x)(CR1313OC(O)NR13(CR131316
y)(CR1313NR13C(O)NR13(CR131316
z)(CR1313NR13S(O)(CR131316
aa)(CR1313S(O)NR13(CR131316、bb)(CR1313NR13S(O)NR13(CR131316、cc)(CR1313NR1313、dd)C1〜6アルキル、ee)C2〜6アルケニル、ff)C2〜6アルキニル、gg)(CR1313−C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、ならびにhh)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、(CR1313−3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環からなる群より選択され、
ここで、dd)〜hh)のいずれかは必要に応じて、1個以上のR16基で置換されるか、
あるいは、2個のR14基は、−O(CHO−を形成し得;
15は、以下:
a)H、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、f)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環、g)−C(O)−C1〜6アルキル、h)−C(O)−C1〜6アルケニル、g)−C(O)−C1〜6アルキニル、i)−C(O)−C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、ならびにj)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−C(O)−3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環からなる群より選択され、
ここで、b)〜j)のいずれかは必要に応じて、H;F;Cl;Br;I;CN;NO;OH;NH;NH(C1〜6アルキル);N(C1〜6アルキル);C1〜6アルコキシ;アリール;置換アリール;ヘテロアリール;置換ヘテロアリール;ならびに必要に応じてアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、F、Cl、Br、I、CN、NO、およびOHからなる群より選択される1個以上の部分で置換されたC1〜6アルキルからなる群より選択される1個以上の部分で置換され;
16は、各出現において、独立に、以下:
a)R17、b)C1〜6アルキル、c)C2〜6アルケニル、d)C2〜6アルキニル、e)−C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、ならびにf)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環からなる群より選択され、
ここで、b)〜f)のいずれかは必要に応じて、1個以上のR17基で置換され、
17は、各出現において、独立に、以下:
a)H、b)カルボニル、c)F、d)Cl、e)Br、f)I、g)(CR1313CF、h)(CR1313CN、i)(CR1313NO、j)(CR1313(CR1313)、k)(CR1313OR11、l)(CR1313S(O)13、m)(CR1313C(O)R13、n)(CR1313C(O)OR13、o)(CR1313OC(O)R13、p)(CR1313NR13C(O)R13、q)(CR1313C(O)NR1313、r)(CR1313C(=NR13)R13、s)(CR1313NR13C(O)NR1313、t)(CR1313NR13S(O)13、u)(CR1313S(O)NR1313、v)(CR1313NR13S(O)NR1313、w)C1〜6アルキル、x)C2〜6アルケニル、y)C2〜6アルキニル、z)(CR1313−C3〜10の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環、ならびにaa)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、(CR1313−3〜10員の飽和、不飽和、または芳香族の複素環からなる群より選択され、
ここで、w)〜aa)のいずれかは必要に応じて、R13;F;Cl;Br;I;CN;NO;−OR13;−NH;−NH(C1〜6アルキル);−N(C1〜6アルキル);C1〜6アルコキシ;C1〜6アルキルチオ;およびC1〜6アシルからなる群より選択される1個以上の部分で置換され;
18は、各出現において、独立に、以下:
a)H、b)OR15、c)−O−C1〜6アルキル−OC(O)R15、d)−O−C1〜6アルキル−OC(O)R15、e)−O−C1〜6アルキル−OC(O)NR1515、f)−O−C1〜6アルキル−C(O)NR1515、g)−O−C1〜6アルキル−NR15C(O)R15、h)−O−C1〜6アルキル−NR15C(O)OR15、i)−O−C1〜6アルキル−NR15C(O)NR1515、j)−O−C1〜6アルキル−NR15C(=NH)NR1515、k)−O−C1〜6アルキル−S(O)15、l)−O−C2〜6アルケニル−OC(O)R15、m)−O−C2〜6アルケニル−OC(O)OR15、n)−O−C2〜6アルケニル−OC(O)NR1515、o)−O−C2〜6アルケニル−C(O)NR1515、p)−O−C2〜6アルケニル−NR15C(O)R15、q)−O−C2〜6アルケニル−NR15C(O)OR15、r)−O−C2〜6アルケニル−NR15C(O)NR1515、s)−O−C2〜6アルケニル−NR15C(=NH)NR1515、t)−O−C2〜6アルケニル−S(O)15、u)−O−C2〜6アルキニル−OC(O)R15、v)−O−C2〜6アルキニル−OC(O)OR15、w)−O−C2〜6アルキニル−OC(O)NR1515、x)−O−C2〜6アルキニル−C(O)NR1515、y)−O−C2〜6アルキニル−NR15C(O)R15、z)−O−C2〜6アルキニル−NR15C(O)OR15、aa)−O−C2〜6アルキニル−NR15C(O)NR1515、bb)−O−C2〜6アルキニル−NR15C(=NH)NR1515、cc)−O−C2〜6アルキニル−S(O)15;およびdd)−NR1515からなる群より選択されるか、
あるいは、2個のR18基は、一緒になって=O、=NOR15、または=NNR1515を形成し;
19は、R12であり;
20は、以下:
a)R13、b)F、c)Cl、d)Br、e)I、f)CN、g)NO、およびh)OR11からなる群より選択されるか;
あるいは、R19およびR20は、一緒になって−O(CHO−であり;
21は、各出現において、独立に、以下:
a)H、b)F、c)Cl、d)Br、e)I、f)CN、g)−OR11、h)NO、i)−NR1111、j)C1〜6アルキル、k)C1〜6アシル、およびl)C1〜6アルコキシからなる群より選択され;
22は、以下:
a)C1〜6アルキル、b)C2〜6アルケニル、c)C2〜6アルキニル、d)C1〜6アシル、e)C1〜6アルコキシ、f)C1〜6アルキルチオ、g)飽和、不飽和、または芳香族のC5〜10の炭素環、h)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、飽和、不飽和、または芳香族の5〜10員の複素環、i)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−O−C1〜6アルキルの飽和、不飽和、または芳香族の5〜10員の複素環、j)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を含む、−NR11−C1〜6アルキルの飽和、不飽和、または芳香族の5〜10員の複素環、k)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、飽和、不飽和、または芳香族の10員の2環系、l)窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を必要に応じて含む、飽和、不飽和、または芳香族の13員の3環系、m)−OR11、n)−NR1111、o)S(O)11、ならびにp)R21からなる群より選択され、
ここで、a)〜l)のいずれかは必要に応じて1個以上のR12基で置換されるか;
あるいは、R22基および1個のR21基は、それらが結合している原子と一緒になって、必要に応じて1個以上のR12基で置換された、5〜7員の飽和または不飽和の炭素環を形成するか;または窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上の原子を含み、そして必要に応じて1個以上のR12基で置換される、5〜7員の飽和または不飽和の複素環を形成し;
23は、各出現において、独立に、以下:
a)水素;b)電子吸引基;c)アリール;d)置換アリール;e)ヘテロアリール;f)置換ヘテロアリール;およびg)必要に応じて1個以上のR12基で置換される、C1〜6アルキルからなる群より選択されるか;
あるいは、任意のR23および任意のR20は、それらが結合している原子と一緒になって、必要に応じて1個以上のR12基で置換される、5〜7員の飽和または不飽和の炭素環を形成するか;または窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1個以上の原子を含み、そして必要に応じて1個以上のR12基で置換される、5〜7員の飽和または不飽和の複素環を形成し;
pは、各出現において、0,1、および2からなる群より選択され;
rは、各出現において、0,1、および2からなる群より選択され;
sは、各出現において、1,2、3、または4からなる群より選択され;
tは、各出現において、0,1、または2からなる群より選択され;
uは、各出現において、1,2、3、4、または5からなる群より選択され;そして
vは、各出現において、0,1、2、または3からなる群より選択される、
化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
以下:
【化8−1】

【化8−2】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、n、D、E、R、R、R、R、R、R6’、R、R、R、およびR10は、請求項1において定義されるとおりである、化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、またはプロドラッグ。
【請求項3】
以下:
【化9−1】

【化9−2】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、n、D、E、R、R、R、R、R、R6’、R、R、R、およびR10は、請求項1において定義されるとおりである、化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項4】
以下:
【化10−1】

【化10−2】

【化10−3】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、n、E、R、およびR10は、請求項1において定義されるとおりである、化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項5】
以下:
【化11−1】

【化11−2】

【化11−3】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、n、E、R、およびR10は、請求項1において定義されるとおりである、化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項6】
以下:
【化12−1】

【化12−2】

【化12−3】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、n、E、およびR10は、請求項1において定義されるとおりである、化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項7】
以下:
【化13−1】

【化13−2】

【化13−3】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであって、
ここで、A、B、n、E、およびR10は、請求項1において定義されるとおりである、化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項8】
nは、1である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
A−(B)−Dは、A−C(O)NH−Dである、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
A−(B)−Dは、A−SONH−Dである、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
前記A−(B)−Dは、A−C(S)NH−Dである、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
式:
M−(CH−B−O
を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであって、
ここで、Mは、以下:
【化14−1】

【化14−2】

からなる群より選択されるマクロライドであり、
Bは、以下:
【化15】

からなる群より選択されるリンカーであり、
Oは、以下:
【化16−1】

【化16−2】

からなる群より選択される複素環側鎖であり、
そしてmは、1〜4の整数である、
化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項13】
以下:
【化17−1】

【化17−2】

からなる群より選択される式を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグ。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物。
【請求項15】
哺乳動物における微生物感染を処置する方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物の有効量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項16】
哺乳動物における真菌感染を処置する方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物の有効量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項17】
哺乳動物における寄生虫性疾患を処置する方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物の有効量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項18】
哺乳動物における増殖性疾患を処置する方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物の有効量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項19】
哺乳動物におけるウィルス感染を処置する方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物の有効量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項20】
哺乳動物における炎症性疾患を処置する方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物の有効量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項21】
哺乳動物における胃腸の運動性障害を処置する方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物の有効量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項22】
前記化合物が経口的に、非経口的に、または局所的に投与される、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
請求項1〜13のいずれかに記載の化合物を合成する方法。
【請求項24】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物を含有する医療デバイス。
【請求項25】
前記デバイスがステントである、請求項に記載24の医療デバイス。

【公表番号】特表2007−509980(P2007−509980A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538361(P2006−538361)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/036146
【国際公開番号】WO2005/042554
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(502427253)リブ−エックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】Rib−X Pharmaceuticals, Inc.
【住所又は居所原語表記】New Haven, Connecticut,U.S.A.
【Fターム(参考)】