説明

二成分エポキシ接着剤組成物

本発明は、a)第一のエポキシ樹脂および第二のエポキシ樹脂からなる第一の成分(ただし、第二のエポキシ樹脂は弾性体によって可撓化されている。)およびb)1つまたは2つ以上の第一級および/または第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミン化合物(ただし、アミン化合物は分子量が450g/モル未満である。)からなる第二の成分を含む二成分エポキシ接着剤組成物に関する。アミン化合物のアミノ基の総数とエポキシ樹脂のエポキシ基の総数の比率は0.01:1〜0.5:1である。2つの成分a)およびb)を混合すると、洗い落とされにくい組成物が生じる。その洗い落とされにくい組成物は、熱硬化すると、衝突安定性構造用接着剤を生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二成分エポキシ接着剤組成物、2つの成分を混合することによって得ることができる洗い落とされにくい(wash-off resistant)エポキシ接着剤組成物、少なくとも2つの表面を一体に接着する方法、およびエポキシ接着剤組成物によって一体に接着された部品に関する。本発明は、さらに、油で汚れた金属表面を一体に接着するための、および車両の部品を一体に接着し衝突安定性組立品(crash-stable assembly)にするための、二成分エポキシ接着剤組成物の用途に関する。本発明は、また、エポキシ接着剤組成物における反応剤(reactive agent)としてのアミン化合物の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ接着剤組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤および通常潜伏性促進剤からなる反応接着剤組成物である。加熱すると、エポキシ樹脂のエポキシ基が硬化剤と反応し、重付加反応によってエポキシ樹脂化合物が連結し、硬化した生成物が得られる。
【0003】
そのような硬化した生成物は、他の反応接着剤の硬化した生成物より優れた、良好な機械的性質および耐食性を有することが知られている。これらの特性は、エポキシ系接着剤組成物を、例えば自動車産業において、厳格な機械的な必要条件を満足しなければならない用途を要求するのに特に有用にする。車両、例えば自動車、貨物自動車(トラック)、バスまたは列車の構体(body structure)の部品を結合するための接着剤は、構造用接着剤と呼ばれる。
【0004】
一般に、熱硬化性エポキシ接着剤は構造用接着剤として使用される。
【0005】
車両の製造工程において、未完成車体(body-in-white)構造に適用されてきた、熱硬化性構造用接着剤は、噴霧洗浄または他の洗浄法を受け、それに続いて燐酸塩化およびイーコートを受け、その後、イーコートオーブンで構造用接着剤の最終熱硬化を受ける。熱硬化性構造用接着剤が洗い落とされるのを防ぐために、それは、伝統的に、誘導予備硬化(inductive pre-curing)のような熱的方法によって、または未完成車体オーブンの使用によって予備硬化される。しかし、そのような追加の予備硬化の工程は製造工程を面倒なものにする。さらに、未完成車体オーブンは費用がかかる。
【0006】
熱硬化性エポキシ接着剤の代わりとして、二成分エポキシ接着剤を構造用接着剤として使用することが検討されてきた。二成分エポキシ接着剤は2つの別個の成分を含み、第一の成分はエポキシ樹脂を含み、第二の成分はエポキシと反応する化合物を含む。そのような二成分エポキシ接着剤は、一般に、2つの成分を混合するとすぐに硬化し、熱硬化性エポキシ接着剤の硬化や予備硬化のために使用する設備を必要としない。
【0007】
これまでにも多くの二成分エポキシ接着剤が報告されている。
【0008】
米国特許第4,728,737号明細書は、エポキシ樹脂成分および硬化剤成分を含む二成分構造用接着剤を開示している(引用によってここに含まれる)。
【0009】
米国特許第4,916,187号明細書は、第一のポリエポキシド成分と、液体の付加物の中に細かく分散させたポリアミンおよびポリフェノールの固体塩を含む第二の硬化成分とから成る二成分エポキシ樹脂接着剤組成物に関する(引用によってここに含まれる)。
【0010】
米国特許第5,629,380号明細書は、エポキシ触媒とアミン硬化剤を含む第一の成分および1を超える官能価(functionality)を有するエポキシ樹脂を含む第二の成分からなる二成分エポキシ接着剤を開示している(引用によってここに含まれる)。
【0011】
米国特許出願公開第2002/0164485号明細書および米国特許第6,577,971号明細書は両方とも、エポキシ樹脂とシランカップリング剤を含む第一の成分および脂肪族アミンとポリアミンを含む第二の成分からなる二成分エポキシ接着剤組成物に関する(引用によってここに含まれる)。
【0012】
米国特許第6,248,204号明細書は、エポキシ樹脂を含む第一の成分とアミン系硬化剤を含む第二の成分とからなる室温硬化性エポキシ樹脂組成物を開示している(引用によってここに含まれる)。
【特許文献1】米国特許第4728737号明細書
【特許文献2】米国特許第4916187号明細書
【特許文献3】米国特許第5629380号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2002/0164485号明細書
【特許文献5】米国特許第6577971号明細書
【特許文献6】米国特許第6248204号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記の組成物は、それらを構造用接着剤として使用するのを制限するいくつかの欠点を持っている。それらのポットライフ、すなわち成分を混合したあとエポキシ接着剤組成物を使用するために利用可能な時間は、混合した後すぐに室温で硬化が始まるので、短い。したがって、一体に接着される部品の組み立ては、エポキシ接着剤を適用した後すぐに行なわなければならない。さらに、それらの二成分エポキシ接着剤組成物は、構造用接着剤に一般に要求される必要条件を満たさない硬化生成物に至る。特に、それらの二成分エポキシ接着剤の硬化生成物の衝突安定性は、この用途の厳格な必要条件を満足しない。一般に、硬化した二成分エポキシ接着剤のガラス転移温度は低い。それらの油の吸収(uptake)は貧弱であり、それは油で汚れた鋼鉄を一体に接着するような車両の製造において特に不利である。
【0014】
本発明の目的は、熱的に予備硬化しないでも洗い落とされにくく、数時間の組み立て時間を有し、数週間まで未硬化の状態で貯蔵することができ、そして高い衝突安定性、高いガラス転移点および良好な油の吸収を有する硬化生成物が得られる二成分構造用接着剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、a)第一のエポキシ樹脂と第二のエポキシ樹脂を含む第一の成分(ただし、第二のエポキシ樹脂は弾性体(elastomer)によって可撓化されて(flexibilized)いる。)、およびb)1つまたは2つ以上の第一級および/または第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミン化合物を含む第二の成分(ただし、アミン化合物は分子量が約450g/モル未満である。)を含む二成分エポキシ接着剤組成物であって、アミン化合物のアミノ基の総数とエポキシ樹脂のエポキシ基の総数の比が約0.01:1〜約0.5:1であり、かつ2つの成分a)およびb)を混合すると洗い落とされにくい(wash-off resistant)組成物が生成し、該洗い落とされにくい組成物が熱硬化により衝突安定性構造用接着剤になることを特徴とする二成分エポキシ接着剤組成物によって達成された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
成分b)中のアミン化合物は、洗い落とされにくくする反応剤として作用する。2つの成分を混合した後、エポキシ樹脂とアミン化合物の反応により、エポキシ接着剤組成物の粘度は、(23℃、剪断速度0.01において)約1,000Pa・s未満の値から少なくとも約2,000Pa・sの実質的に一定の値に増加する。そのような予備的に反応させた組成物、すなわち個々の成分より高い粘度を有する不完全硬化組成物は、洗い落とされにくい。結果的に、未完成車体構造物に適用された該エポキシ接着剤組成物は、噴霧洗浄または他の洗浄法にさらされたときに、洗い落とされない。
【0017】
2つの成分を混合してから洗い落とされにくさ(wash-off resistance)が形成されるまでの時間は、組成物中のアミン化合物の量に依存し、約30分から約24時間までの範囲で変化する。したがって、洗い落とされにくさの形成が遅くなるように組成物中のアミン化合物の量を適切に選ぶことによって、2つの表面は、その上にエポキシ接着剤を適用したあと長い間、一体に接着することができ、接着剤の適用と実際の組み立てを離れた製造場所でできるようにする。
【0018】
適用されたエポキシ接着剤は洗い落とされにくくなった後、予備反応させた状態のままにおかれる。本発明の予備反応させたエポキシ接着剤組成物は、非常に低い湿度感受性を示す。それは、23℃、50%相対湿度において約4週間までの非常に長いオープンタイムを有する。
【0019】
随意に、誘導予備硬化のような予備硬化方法は、予備反応を加速または促進するために適用することができる。
【0020】
望ましい特性を有する硬化生成物を得るために、エポキシ接着剤組成物は、最終硬化工程として、少なくとも約120℃で、好ましくは約140℃以上の温度で、少なくとも約10分間、好ましくは少なくとも約20分間、加熱される。最終硬化の後、本発明のエポキシ接着剤組成物は、優れた構造用接着剤のすべての特性を示す。特に、その重ね剪断強さ(lap shear strength)と衝撃剥離強度は、従来の二成分構造用接着剤のそれより高い。したがって、本発明の硬化したエポキシ接着剤の衝突安定性は、非常に改善される。
【0021】
好ましくは、硬化した接着剤は、例えば1403型の1mm冷間圧延鋼材(CRS)上でISO11343によって試験したとき、少なくとも約20N/mm以上、より好ましくは約25から約50N/mmまでの鋼鉄上の衝撃剥離強度を示す。
【0022】
そのガラス転移温度は約80℃よりも高い。さらに、本発明のエポキシ接着剤組成物は、従来の二成分エポキシ接着剤と比較して、よりよい油吸収を示す。これは、油で汚れた金属表面が一体に接着されるような、車両の製造において特に重要である。最終硬化工程においてエポキシ接着剤組成物を加熱するとき、それは接着される表面の上に残っている油を柔らかくし効果的に吸収する。好ましくは、第一のエポキシ樹脂は硬質(rigid)エポキシ樹脂である。本発明の組成物に用いることができるエポキシ樹脂は、次式に示される基を含むものである。
【0023】
【化1】

【0024】
ここで、R8は水素またはC1-4アルキル基であり、好ましくは水素またはメチルであり、最も好ましくは水素である。ここで使用するときは、硬質エポキシ樹脂とは、エポキシ樹脂の主鎖の中にビスフェノール部分を有するエポキシ樹脂をいう。本発明に有用な好ましいビスフェノール樹脂の代表は、米国特許第5,308,895号明細書の第8欄、第6行に開示され、式6によって表わされたものである。その特許の関連する部分は、引用によってここに含まれる。好ましくは、硬質エポキシ樹脂は、液体のエポキシ樹脂、または液体のエポキシ樹脂の中に分散した固体のエポキシ樹脂の混合物である。最も好ましい硬質エポキシ樹脂は、ビスフェノールとビスフェノール−F A系樹脂である。第一のエポキシ樹脂は、好ましくは、D.E.RTM 330およびD.E.R.TM 331ビスフェノールA系エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)から入手可能)のような液体のエポキシ樹脂、またはビスフェノールA系エポキシ樹脂D.E.R.TM 671(ダウ・ケミカル社から入手可能)のような固体のエポキシ樹脂、またはそれらの混合物であってもよい。
【0025】
第二のエポキシ樹脂は、一般に、例えば欧州特許出願公開第1,359,202号明細書および米国特許出願公開第2005/159511号明細書(引用によってここに含まれる)に記述されている既知の可撓化技術によって可撓化される。それは、例えば、STRUKTOLTM 3604(シル・アンド・ザイラハー(Schill+Seilacher)社から入手可能)のようなアクリロニトリルブタジエン共重合体によって可撓化されたエポキシ樹脂であってもよい。
【0026】
1つまたは2つ以上の第一級および/または第二級アミノ基を有するアミン化合物は、脂肪族または脂環式ジまたはポリアミンから選ぶことができ、それらにはポリエーテルジおよびポリアミンのほかポリイミンが含まれる。好ましい実施態様においては、アミン化合物は、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、アミノエチルピペラジンとともに、例えばJEFFAMINETMポリエーテルポリアミン型(ハンツマン社(Huntsman Corporation)から入手可能)のポリエーテルジアミンおよびポリエーテルトリアミンからなる群から選ばれる。
【0027】
さらに好ましい実施態様においては、第一および第二の成分は、23℃、剪断速度0.01において約1,000Pa・s未満の粘度を有し、2つの成分が容易に混合されるのを可能にし、エポキシ接着剤組成物がロボットによるビーズ塗布またはカートリッジからの手動塗布のような従来方式によって基体に適用されるのを可能にする。
【0028】
好ましくは、2つの成分a)とb)のうちの少なくとも1つは、さらに強化剤(toughener)を含む。より好ましくは、強化剤は、式Iの化合物および式IIの化合物からなる群から選ばれる。
【0029】
【化2】

【0030】
ここで、mは1または2であり、nは2〜6であり、R1は、末端イソシアネート、アミノまたは水酸基を取り除いた後の弾性プレポリマー(該弾性プレポリマーはエポキシ樹脂中に溶解または分散しうる。)のn価の基であり、WとXは独立して−O−または−NR3−であり、ただしWとXの少なくとも1つは−NR3−であり、R2はフェノール性水酸基および随意にアミノ基を取り除いた後のポリフェノールまたはアミノフェノールのm+1価の基であり、そしてR3は水素、C1〜C6アルキルまたはフェノールである。
【0031】
【化3】

【0032】
ここで、pは1または2であり、qは2〜6であり、Yは−O−、−S−または−NR6−であり、Zは−OH、−NHR6、−OCN、
【0033】
【化4】

【0034】
および
【0035】
【化5】

【0036】
からなる群から選ばれる基であり、R4はヒドロキシル、メルカプトもしくはアミノ末端ポリエーテルプレポリマーの残基、またはヒドロキシル、メルカプトもしくはアミノ末端プレポリマーのセグメントに分けられたポリエステル、ポリチオエステルもしくはポリアミドの残基であり、R5は、p+1価の炭素環式の芳香族または芳香族脂肪族(araliphatic)基(ただし、基Zはその芳香環に直接結合している。)であり、R6は水素、C1〜C6アルキルまたはフェニルであり、そしてR7はメチルまたは水素である。
該組成物は式Iの強化剤と式IIの強化剤の両方の混合物を含んでもよい。
【0037】
式Iの強化剤の詳細な説明は、欧州特許出願公開第0,308,664号明細書(第5頁第14行〜第13頁第24行)、米国特許第5,278,257号明細書(第2欄第14行〜第32行および第4欄第19行〜第31行および第4欄第57行、第16欄第18行および実施例1〜6、第20欄第40行〜第68行)に与えられており、それらの開示は引用によってここに含まれる。式IIの強化剤の詳細な説明は、欧州特許出願公開第0,353,190号明細書(第3頁第51行〜第6頁第62行)、米国特許第5,073,601号明細書(第1欄第59行〜第2欄第16行、第3欄第60行〜第9欄第21行)および米国特許出願公開第2005/0760634号明細書(第0014段落〜第0053段落)に与えられており、それらの開示は引用によってここに含まれる。強化剤の具体例は、FLEXIBILIZERTM DY965(引用によってここに含まれた欧州特許出願公開第308,664号明細書の実施例13に記述された方法で調製される)およびDY3333(米国特許出願公開第2005/070634号明細書の第0074段落および第0075段落(引用によってここに含まれる)に記述された強化剤B)である。強化剤の他の具体例は、国際公開第2005/007766号パンフレット(米国特許出願公開第2005/070634号明細書の第0072段落〜第0073段落および第0076段落〜第0077段落(引用によってここに含まれる))に記述された「強化剤A」および「強化剤C」である。
【0038】
好ましい実施態様によれば、第二のエポキシ樹脂を可撓化する弾性体はアクリロニトリルブタジエンゴムである。
【0039】
さらに好ましい実施態様においては、2つの成分a)およびb)の少なくとも1つは、該組成物の全質量基準で10質量%未満の量の潜伏性硬化剤(latent hardener)を含む。潜伏性硬化剤は、室温では不活性であるが、高温で硬化剤として作用する化合物である。好ましい潜伏性硬化剤は、欧州特許第197,892号明細書(米国特許第4,659,779号明細書の第4欄第17行〜第34行および米国特許出願公開第2005/070,634号明細書の第62段落(引用によってここに含まれる)に記載されている。もっとも好ましくは、潜伏性硬化剤はジシアンジアミドである。
【0040】
第二の成分b)が疎水性希釈剤を含むことがさらに好ましい。疎水性希釈剤は、好ましくは少なくとも200℃、より好ましくは少なくとも220℃、最も好ましくは少なくとも250℃の沸点を有する。これは、成分b)の粘度を望むようにさらに調節することを可能にする。
【0041】
好ましくは、疎水性希釈剤は炭化水素系物質である。好ましくは、それは室温(23℃)で液体である。より好ましくは、芳香族アルキル置換芳香族、例えばアルキル置換ナフタレン。より好ましい希釈剤の中には、ジイソプロピルナフタレンおよびトリイソプロピルナフタレンがある。
【0042】
好ましくは、2つの成分a)およびb)の少なくとも1つは、潜伏性促進剤、接着促進剤、エポキシシラン、ヒュームドシリカ、湿潤剤および無機充填剤(たとえば、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、珪灰石または滑石)の群から選ばれた1つまたは2つ以上の添加剤を含む。
【0043】
さらに好ましい実施態様においては、2つの成分a)およびb)の少なくとも1つは、促進剤として少なくとも1つの第三級モノもしくはポリアミンまたはそれらの混合物を含む。用語「ポリアミン」はジアミンを含む。促進剤により、初期の生強度(green strength)すなわち約0.2MPa以上の強度が、2つの成分を混合したあと数時間内に達成される。好ましいアミン促進剤は、国際公開第2005/07,766号パンフレットの第15頁第29行〜第32行および米国特許出願公開第2005/070,634号明細書の第65段落(引用によってここに含まれる)に記載されている。そのような促進剤の具体例は、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールである。
【0044】
モノまたはポリアミンが成分a)に含まれる場合は、それは、欧州特許第197,892号明細書(米国特許第4,659,779号明細書の第2欄第39行〜第57行および第4欄第34行〜第6欄第51行(引用によってここに含まれる)に開示されているように、ポリマー母材(matrix)に埋め込まれる。そのような埋め込まれたポリアミンの具体例は、欧州特許第0,197,892号明細書(米国特許第4,659,779号明細書(引用によってここに含まれる))に開示されているようなEP796である。
【0045】
好ましい実施態様によれば、第一の成分a)と第二の成分b)の質量比は約2:1〜約10:1であり、アミン化合物のアミノ基の総数とエポキシ樹脂のエポキシ基の総数の比は約0.06:1〜0.2:1である。
【0046】
そのような実施態様においては、a)第一の成分は、約30〜約80質量%の第一のエポキシ樹脂、約5〜約30質量%の第二のエポキシ樹脂および約20質量%未満の強化剤を含み、b)第二の成分は、約1〜約40質量%のアミン化合物、約10〜約80質量%の強化剤および約10〜約30質量%の疎水性希釈剤を含み、そして2つの成分a)およびb)の少なくとも1つは無機充填剤、エポキシシラン、湿潤剤、ヒュームドシリカ、潜伏性硬化剤、潜伏性促進剤またはそれらの混合物を含むことが好ましい。
【0047】
本発明の二成分エポキシ接着剤は、その高い油吸収により、油で汚れた金属表面を一体に接着するのに特に適している。
【0048】
それは、自動車、バン、貨物自動車(トラック)、バスおよび列車のような車両の部品を一体に接着するために好ましく使用される、すなわち構造用接着剤として好ましく使用される。それはまた、船と航空機の部品を組み立てるのにも使用することができる。
【0049】
本発明は、さらに、上述の二成分エポキシ接着剤組成物の第一の成分a)および第二の成分b)を混合することにより得ることができる洗い落とされにくいエポキシ接着剤組成物に関する。その混合された組成物は、約1時間から数日後に、好ましくは約1時間から約24時間後に、洗い落とされにくくなるように十分に予備硬化される。その予備混合された接着剤は、混合直後に、好ましくは混合後20分以内に、より好ましくは10分以内に、基体と好ましくは接触させられる。
【0050】
本発明は、また、上述の二成分エポキシ接着剤組成物の第一の成分a)と第二の成分b)を混合し、その結果生じる混合物を熱的方法により予備硬化することにより得ることができる洗い落とされにくいエポキシ接着剤組成物に関する。
【0051】
別々の表面を一体に接着する方法においては、上述の二成分エポキシ接着剤組成物の成分a)と成分b)を混合し、その結果生じる混合物を少なくとも1つの表面に適用し、それらの表面を集め、それらの表面の間のエポキシ接着剤組成物を約120℃以上、好ましくは約140℃以上の温度で、少なくとも約10分間、好ましくは少なくとも約20分間、硬化する。好ましくは、硬化は、約200℃以下で行なう。
【0052】
そのような方法においては、エポキシ接着剤組成物は、表面を集めた後、約4週間までは硬化することができる。
【0053】
本発明は、また、車両の部品を一体に接着し衝突安定性組立品とするために、二成分エポキシ接着剤組成物を使用することに関する。したがって、本発明は、また、衝突安定性組立品とするために二成分エポキシ接着剤組成物によって一体に接着される部品にも関する。
【実施例】
【0054】
本発明の二成分エポキシ接着剤組成物の成分a)およびb)の調製の実施例を次に記載する。
【0055】
成分a)
成分a)の実施例として、成分A1を以下のように調製した。
ニトリルゴム変性エポキシ樹脂(シル・アンド・ザイラハー社から入手可能なSTRUKTOLTM3604変性エポキシ樹脂)14.1質量%、液体エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル社から入手可能なD.E.RTM330エポキシ樹脂)48.6質量%、固体エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル社から入手可能なD.E.R.TM671エポキシ樹脂)10.1質量%、ネオデカン酸グリシジルエステル1.5質量%、高分子(polymeric)エポキシシラン(ジーイーシリコーン社(GE Silicones)から入手可能なSILQUESTTMA187)1質量%、および強化剤(ハンツマン社から入手可能なRAMTM965強化剤)12.1質量%を真空下で30分間混合した。25℃まで冷却した後、表面改質SiO2(デグサ社(Degussa Corporation)から入手可能なAEROSILTMヒュームドシリカ)6.8質量%を加え、反応混合物を真空下で注意深く混合した。最後に、保護された(blocked)脂肪族アミン(エアプロダクツ社(Air-Products)から入手可能なANCAMINETM2441保護されたアミン)1質量%およびジシアンジアミド4.7質量%を加え、反応混合物を真空下で約15分間十分に混合した。
【0056】
成分A2は、STRUKTOLTM3604変性エポキシ樹脂14.0質量%、D.E.RTM330エポキシ樹脂58.2質量%、ネオデカン酸グリシジルエステル1.5質量%、SILQUESTTMA187 1.0質量%、RAMTM965強化剤12.0質量%、AEROSILTMヒュームドシリカ6.8質量%、ANCAMINETM2441保護されたアミン1.0質量%およびジシアンジアミド5.5質量%を使用したこと以外は、A1について記述した手順によって調製した。
【0057】
成分A3は、STRUKTOLTM3604変性エポキシ樹脂13.2質量%、D.E.RTM330エポキシ樹脂54.7質量%、ネオデカン酸グリシジルエステル1.4質量%、SILQUESTTMA187 0.9質量%、RAMTM965強化剤11.3質量%、AEROSILTMヒュームドシリカ6.4質量%、ANCAMINETM2441保護されたアミン0.9質量%、およびジシアンジアミド5.2質量%を使用したこと以外は、A1について記述した手順によって調製した。
さらに、CaO 6.0質量%を加えた。
【0058】
成分A4は、STRUKTOLTM3604変性エポキシ樹脂17.0質量%、D.E.RTM330エポキシ樹脂70.5質量%、ネオデカン酸グリシジルエステル1.8質量%、1.2質量%、AEROSILTMヒュームドシリカ8.3質量%およびANCAMINETM2441保護されたアミン1.2質量%を使用したこと以外は、A1について記述した手順によって調製した。
【0059】
成分A5は、STRUKTOLTM3604変性エポキシ樹脂17.2質量%、D.E.RTM330エポキシ樹脂69.2質量%、ネオデカン酸グリシジルエステル1.7の質量%、1.0質量%、AEROSILTM酸化ケイ素5.2質量%およびジシアンジアミド5.2質量%を使用したこと以外は、A1について記述した手順によって調製した。
【0060】
成分b)
成分b)の実施例として、二成分エポキシ接着剤の成分B1を以下のように調製した。
RAMTM965強化剤57質量%、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン20質量%およびジイソプロピルナフタレン21質量%を、真空下、40℃で30分間混合した。その混合物は、2質量%の表面改質SiO2およびAEROSILTMヒュームドシリカを加える前に25℃まで冷却した。最後に、その組成物を真空下でさらに15分間混合した。
【0061】
成分B2は、ジイソプロピルナフタレンの代わりにトリイソプロピルナフタレンとテトライソプロピルナフタレンの混合物21質量%を使用したこと以外は、B1について記述した手順によって調製した。
【0062】
成分B3は、RAMTM965強化剤47.1質量%、ジシアンジアミド14.9質量%、AEROSILTM酸化ケイ素1.6質量%、CaO 12.0質量%、トリオキサトリデカンジアミン5.4質量%、およびトリイソプロピルナフタレンとテトライソプロピルナフタレンの混合物17.9質量%を使用したこと以外は、B1について記述した手順によって調製した。
【0063】
成分B4は、RAMTM965強化剤44.4質量%、シアンジアミド14.8質量%、AEROSILTMヒュームドシリカ1.6質量%、CaO 11.3質量%、トリオキサトリデカンジアミン10.0質量%、およびトリイソプロピルナフタレンとテトライソプロピルナフタレンの混合物19.0質量%を使用したこと以外は、B1について記述した手順によって調製した。
【0064】
成分B5は、RAMTM965強化剤62.1質量%、潜伏性EP796潜伏性促進剤(ハンツマン社から入手可能)(米国特許第4,713,432号明細書(引用によってここに含まれる)の促進剤2または13)0.9質量%、アミノエチルピペラジン9.6質量%、ポリエチレンイミンLUPASOLTM(バスフ社(BASF Corporation)から入手可能)9.6質量%、AEROSILTMヒュームドシリカ0.8質量%およびジイソプロピルナフタレン17.0質量%を使用したこと以外は、B1について記述した手順によって調製した。
【0065】
粘度
成分a)を成分b)と混合した後、ボーリン(Bohlin)レオメーター(コーン(4°)−プレート)を用い、剪断速度0.01で振動によって23℃で、粘度を連続的に測定した。7時間にわたるA5/B5混合物(質量比2:1)の粘度増加を図1に示す。約30時間にわたるA3/B2混合物(質量比10:1)の粘度増加、および約30時間にわたるA4/B4混合物の粘度増加を、それぞれ図2および図3に示す。
【0066】
さらに、2つの成分a)とb)を混合した後の粘度および降伏応力を、ボーリンレオメーター(コーン(4°)−プレート)を用い、室温、振動数0.1〜20s-1で14日間、測定した。粘度と降伏応力の評価のために、キャッソン(Casson)モデルを適用した。1時間後、24時間後、3日後、8日後、および14日後の対応する結果を、A3/B2混合物については表1に、A4/B4混合物については表2に示す。これらの結果を、A3/B2については図4に、A4/B4については図5に図示した。ここで、横座標の目盛りは時間を日数で示し、左の縦座標の目盛りは粘度をPa・sで示し、右の縦座標の目盛りは降伏応力をPaで示す。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
硬化されたエポキシ接着剤組成物の機械的性質
成分a)と成分b)の質量比 10:1
成分a)の実施例A1、A2およびA3を、それぞれ、成分b)の実施例B1およびB2と質量比10:1で混合した。このように、熱硬化性エポキシ接着剤組成物A1/B1、A2/B1およびA3/B2を調製した。表1に特定された持続時間(duration)(「オープンタイム」という。)の後、組成物を30分間180℃に加熱し、かくして最終硬化させた。重ね剪断強さおよび衝撃剥離強度(油で汚れた鋼鉄上およびグリースを除去された鋼鉄上)を、それぞれDIN EN 1465およびISO 11343にしたがって測定した。重ね剪断強さの測定のために、CRS 1403(冷間圧延鋼材)1.5mmを基板として使用した。衝撃剥離強度の測定のために、CRS 140(冷間圧延鋼材)、3 1.0mmを基板として使用した。試験に使用した油はAnticorit 5012S油であった。
【0070】
さらに、A3/B2組成物について、ガラス転移温度を、25℃から180℃までの範囲で示差走査熱量測定法(DSC)によって測定した。
【0071】
結果を表3に示す。A3/B2について油で汚れた鋼鉄上で測定した重ね剪断強さ(正方形で表示)および衝撃剥離強度(三角形で表示)を図6に図示する。A2/B1の組み合わせについて油で汚れた鋼鉄上で測定された重ね剪断強さ(正方形で表示)および衝撃剥離強度(菱形で表示)を図7に図示する。
【0072】
【表3】

【0073】
成分a)と成分b)の質量比 2:1
成分a)の実施例A4を、それぞれ、成分b)の実施例B3およびB4と質量比2:1で混合した。このように、熱硬化性エポキシ接着剤組成物A4/B3およびA4/B4を調製した。表2に特定された持続時間(「オープンタイム」という。)の後、その組成物を30分間180℃に加熱することにより最終硬化させた。重ね剪断強さおよび衝撃剥離強度(それぞれ油で汚れた鋼鉄上およびグリースが除去された鋼鉄上)を、それぞれDlN EN 1465およびISO 11343にしたがって測定した。重ね剪断強さの測定については、CRS 1403(冷間圧延鋼材)1.5mmを基板として使用した。衝撃剥離強度の測定については、CRS 1403(冷間圧延鋼材)1.0mmを基板として使用した。試験に使用した油はAnticorit 5012S油であった。
【0074】
さらに、A4/B4組成物について、ガラス転移温度を25℃から180℃までの範囲で示差走査熱量測定法(DSC)によって測定した。結果を表4に示す。
【0075】
【表4】

【0076】
表3および表4、図6および図7から分かるように、本発明の硬化されたエポキシ接着剤組成物は、少なくとも18MPaの重ね剪断強さおよび20N/mm超の衝撃剥離強度を有する。油で汚れた鋼鉄上で測定された衝撃剥離強度の結果は、グリースが除去された鋼鉄上で測定された結果に匹敵する。
【0077】
室温における未硬化エポキシ接着剤組成物の重ね剪断強さ
さらなる試験において、熱硬化していないA4/B4の2:1混合物の重ね剪断強さを、室温で、14日後、21日後、および28日後に測定した。結果を表5に示す。
【0078】
【表5】

【0079】
上記の混合物について、取り扱い強度を21日後に測定した。
【0080】
初期の洗い落とされにくさが必要な場合は、重ね剪断強さの増進は、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのような第三級アミンを促進剤として使用することによって、加速することができる。これは、23℃で7日間および14日間貯蔵した後の熱硬化していないA5/B5の2:1混合物の重ね剪断強さを示す表6によって例証される。
【0081】
【表6】

【0082】
誘導(induction)予備硬化後の未硬化エポキシ接着剤組成物の重ね剪断強さ
さらなる試験において、上記の混合物を誘導予備硬化した。その混合物を基板に塗布し、その基板を組み立てた後に、温度を10秒の間に室温からそれぞれ130℃および140℃に上げ、30秒間これらの温度に保持した。
【0083】
重ね剪断強さの測定結果を表7に示す。CRS 1403(冷間圧延鋼材)1.5mmを基板として使用した。試験に使用した油はAnticorit 5012S油であった。
【0084】
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】組成物A5/B5の粘度の時間的変化を示す。
【0086】
【図2】組成物A3/B2の粘度の時間的変化を示す。
【0087】
【図3】組成物A4/B4の粘度の時間的変化を示す。
【0088】
【図4】組成物A3/B2の粘度と降伏応力の時間的変化を示す。
【0089】
【図5】組成物A4/B4の粘度と降伏応力の時間的変化を示す。
【0090】
【図6】組成物A3/B2の重ね剪断強さと衝撃剥離強度の時間的変化を示す。
【0091】
【図7】組成物A2/B1の重ね剪断強さと衝撃強度の時間的変化を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)第一のエポキシ樹脂および第二のエポキシ樹脂を含む第一の成分(ただし、第二のエポキシ樹脂は弾性体によって可撓化されている。)、および
b)1つまたは2つ以上の第一級および/または第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミン化合物を含む第二の成分(ただし、アミン化合物は分子量が450g/モル未満である。)
を含む二成分エポキシ接着剤組成物であって、
アミン化合物のアミノ基の総数とエポキシ樹脂のエポキシ基の総数の比が0.01:1〜0.5:1であり、かつ2つの成分a)およびb)を混合し反応させると洗い落とされにくい組成物が生成し、該洗い落とされにくい組成物が熱硬化により衝突安定性構造用接着剤になる、二成分エポキシ接着剤組成物。
【請求項2】
アミン化合物が、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、アミノエチルピペラジン、ポリエーテルジアミンおよびポリエーテルトリアミンからなる群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
2つの成分a)およびb)の少なくとも1つが強化剤を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
強化剤が、式Iの化合物、および式IIの化合物、またはそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項3に記載の組成物。
【化1】

ここで、mは1または2であり、nは2〜6であり、R1は、末端イソシアネート、アミノまたは水酸基を取り除いた後の弾性プレポリマー(該弾性プレポリマーはエポキシ樹脂中に溶解または分散しうる。)のn価の基であり、WとXは独立して−O−または−NR3−であり、ただしWとXの少なくとも1つは−NR3−であり、R2は、フェノール性水酸基、および随意にアミノ基を取り除いた後のポリフェノールまたはアミノフェノールのm+1価の基であり、そしてR3は水素、C1〜C6アルキルまたはフェノールである。
【化2】

ここで、pは1または2であり、qは2〜6であり、Yは−O−、−S−または−NR6−であり、Zは−OH、−NHR6、−OCN、
【化3】

および
【化4】

からなる群から選ばれる基であり、R4はヒドロキシル、メルカプトもしくはアミノ末端ポリエーテルプレポリマーの残基、またはヒドロキシル、メルカプトもしくはアミノ末端プレポリマーのセグメントに分けられたポリエステル、ポリチオエステルもしくはポリアミドの残基であり、R5は、p+1価の炭素環式の芳香族または芳香族脂肪族基(ただし、基Zはその芳香環に直接結合している。)であり、R6は水素、C1〜C6アルキルまたはフェニルであり、そしてR7はメチルまたは水素である。
【請求項5】
第二のエポキシ樹脂を可撓化する弾性体がアクリロニトリルブタジエンゴムである、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
2つの成分a)およびb)の少なくとも1つが、該組成物の総質量基準で、10質量%未満の合計量の潜伏性硬化剤を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
潜伏性硬化剤がジシアンジアミドである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
第二の成分b)が疎水性希釈剤を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
2つの成分a)およびb)の少なくとも1つが、潜伏性促進剤、接着促進剤、エポキシシラン、ヒュームドシリカ、湿潤剤および無機充填剤の群から選ばれた1つまたは2つ以上の添加剤を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
2つの成分a)およびb)の少なくとも1つが、促進剤として少なくとも1つの第三級モノもしくはポリアミンまたはそれらの混合物を含み、該第三級モノもしくはポリアミンはもし成分a)に含まれる場合はポリマー母材に埋め込まれている、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
第一の成分a)と第二の成分b)の質量比が2:1〜10:1であり、アミン化合物のアミノ基の総数とエポキシ樹脂のエポキシ基の総数の比が0.06:1〜0.2:1である、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
a)第一の成分が30〜80質量%の第一のエポキシ樹脂、5〜30質量%の第二のエポキシ樹脂および20質量%未満の強化剤を含み、
b)第二の成分が1〜40質量%のアミン化合物、10〜80質量%の強化剤および10〜30質量%の疎水性希釈剤を含み、
そして該2つの成分a)およびb)の少なくとも1つが無機充填剤、エポキシシラン、湿潤剤、ヒュームドシリカ、潜伏性硬化剤、潜伏性促進剤またはそれらの混合物を含む、請求項11項に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の第一の成分a)と第二の成分b)を混合することにより得ることができる洗い落とされにくいエポキシ接着剤組成物。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の第一の成分a)と第二の成分b)を混合し、得られた混合物を熱的方法によって予備硬化することにより得ることができる洗い落とされにくいエポキシ接着剤組成物。
【請求項15】
別々の表面を一体に接着する方法であって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物の成分a)と成分b)を混合し、得られた混合物を少なくとも1つの表面に適用し、該表面を集め、そして該表面の間の該エポキシ接着剤組成物を120℃以上の温度で硬化する方法。
【請求項16】
エポキシ接着剤組成物が、少なくとも20分間、140℃以上の温度で硬化される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
エポキシ接着剤組成物が、表面を集めた後、約4週間までに硬化される、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の二成分エポキシ接着剤組成物によって一体に接着され、衝突安定性組立品に組み立てられた部品。
【請求項19】
油で汚れた金属表面を一体に接着するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の二成分エポキシ接着剤組成物の使用。
【請求項20】
車両の部品を一体に接着し衝突安定性組立品にするための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の二成分エポキシ接着剤組成物の使用。
【請求項21】
エポキシ接着剤組成物における反応剤としてのアミン化合物の使用であって、該アミン化合物が1つまたは2つ以上の第一級および/または第二級アミノ基を有し、分子量が450g/モル未満であり、その使用により洗い落とされにくいエポキシ接着剤組成物が得られることを特徴とするアミン化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−531817(P2008−531817A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558128(P2007−558128)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/007053
【国際公開番号】WO2006/093949
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】