説明

二次バッテリー用の電気的接続部材

【課題】電気的接続が可能であり、組立工程を容易に行うことができ、必要に応じて接続部材を自由に取り付け及び取り外しできる特殊な構造に構築されている、二次バッテリー用の接続部材を提供する。
【解決手段】下側バッテリーセルの電極端子の外周区域に沿って表面接触様式で電気的に接触する外周接触部分110と、及び上側バッテリーセルの電極端子または該バッテリーパックの側壁の中央区域と接触する中央接触部分160と、を包含する、2個以上の円筒形二次バッテリーを包含するバッテリーパック中で電気的接続を物理的接触様式で達成するための二次バッテリー用接続部材。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、二次バッテリー用の電気的接続部材に関し、より詳しくは、2個以上の円筒形二次バッテリーを包含するバッテリーパック中で電気的接続を物理的接触様式で達成するための二次バッテリー用接続部材であって、外周接触部分と、該外周接触部分は、下側バッテリーセルの電極端子に、該下側バッテリーセルの該電極端子の外周区域に沿って接触し、該外周接触部分が、該下側バッテリーセルの該電極端子に表面接触様式で電気的に接続し、該接触区域における外部力に対する抵抗変化を最小に抑え、該下側バッテリーセルの該電極端子が凹む可能性(押し込む可能性;押し下げる可能性)を抑制することができ、及び中央接触部分と、該中央接触部分は、上側バッテリーセルの電極端子または該バッテリーパックの側壁の中央区域と接触し、それぞれのバッテリーセルの該電極端子間または該バッテリーセルの該電極端子と該バッテリーパックの該側壁との間に取り付けられた該接続部材全体に弾性接触力を与える、を包含する、接続部材に関する。
【発明の背景】
【0002】
可動装置が益々多く開発され、そのような可動装置の需要が増加するにつれて、可動装置用のエネルギー源として二次バッテリーの需要も急速に増加している。
【0003】
二次バッテリーが使用される外部装置の種類に応じて、二次バッテリーは、単一バッテリーの形態で、または複数の単位電池が互いに電気的に接続されているバッテリーパックの形態で使用することができる。例えば、小型の装置、例えば携帯電話、は、一個のバッテリーの出力及び容量で予め決められた時間操作することができる。他方、中または大型装置、例えばラップトップコンピュータ、携帯用デジタル万能ディスク(DVD)プレイヤー、小型パーソナルコンピュータ(PC)、電気自動車、及びハイブリッド電気自動車、では、高出力及び大容量が中または大型装置に必要なので、二次バッテリーパックを使用する必要
がある。
【0004】
バッテリーパックは、複数の単位電池(二次バッテリー)を互いに直列及び/または並列接続したコアパックに保護回路を接続することにより、製造される。プリズム形バッテリーまたは小袋形バッテリーを単位電池として使用する場合、プリズム形バッテリーまたは小袋形バッテリーを、プリズム形バッテリーまたは小袋形バッテリーの大きな表面同士が互いに向き合うように積み重ね、次いで、プリズム形バッテリーまたは小袋形バッテリーの電極端子を、接続部材、例えば母線、により、互いに接続する。従って、六面体構造を有する三次元的二次バッテリーパックを製造する場合、プリズム形バッテリーまたは小袋形バッテリーを二次バッテリーパックの単位電池として使用するのが好ましい。
【0005】
一方、円筒形二次バッテリーは、電気的容量が、一般的にプリズム形バッテリーまたは小袋形バッテリーよりも大きい。しかし、円筒形バッテリーの外側形状のために、円筒形バッテリーを積重構造に配置するのは困難である。しかし、二次バッテリーパックを全体的に線型構造または平面型構造に構築する場合、円筒形二次バッテリーは、プリズム形バッテリーや小袋形バッテリーよりも構造的により有利である。
【0006】
従って、ラップトップコンピュータ、携帯用DVDプレイヤー、及び携帯用PCには、複数の円筒形二次バッテリーを互いに直列または並列及び直列に接続したバッテリーパックが広く使用されている。二次バッテリーパックは、様々なコアパック構造に構築することができる。例えば、バッテリーパックのコアパックは、一般的に2P(並列)-3S(直列)線型構造、2P-3S平面型構造、2P-4S線型構造、または2P-4S平面型構造、1P-3S線型構造、または1P-3S平面型構造に構築することができる。
【0007】
並列接続構造は、2個以上の円筒形二次バッテリーを、円筒形バッテリーの電極端子を同じ方向に向けた状態で、それらの横方向に隣接するように配置し、円筒形バッテリーの電極端子同士を、接続部材を使用して溶接により接続することにより、達成される。互いに並列に接続された円筒形二次バッテリーは、「バンク」と呼ぶことがある。
【0008】
直列接続構造は、2個以上の円筒形二次バッテリーを、縦方向で、円筒形バッテリーの反対の極性を有する電極端子が次々に連続して配置されるように配置するか、または2個以上の円筒形バッテリーを、横方向で、円筒形バッテリーの電極端子が反対方向を向いた状態で配置し、円筒形二次バッテリーの電極端子を互いに、接続部材を使用して溶接により接続することにより、達成される。
【0009】
円筒形二次バッテリー間の電気的接続は、一般的に接続部材、例えば金属板(例えばニッケル板)を使用し、スポット溶接により達成される。
【0010】
図1は、バッテリーがスポット溶接により互いに電気的に接続されている、2P-3S平面型構造に構築されたバッテリーパックを典型的に例示する。分かり易くするために、2P-3S平面型構造のバッテリーパックを構成するバッテリー間の連結は、分解組立図で示す。
【0011】
図1に示すように、各対毎に互いに並列に接続された3対の二次バッテリー20及び21が、金属板30を経由して互いに直列に接続され、コアパック10を構成する。
【0012】
図2は、保護回路モジュールが図1のコアパックに接続されているバッテリーモジュール50を例示する典型的な図である。
【0013】
図2に示すように、二次バッテリー20及び21は、金属板30に接続されたカソード導電性ワイヤ60及びアノード導電性ワイヤ70、及び導電性ワイヤに接続されたたわみ性プリント回路基板(FPCB)80を経由して、保護回路モジュール90に接続されている。金属板30と保護回路モジュール90との間の電気的接続は、大部分はんだ付けにより達成される。
【0014】
一般的に、単位電池として二次バッテリーを使用するバッテリーパックは、バッテリーパックの使用中に繰り返し充電及び放電され、バッテリーパックは、異常状態、例えば外部衝撃、落下、針形状物体の貫通、過充電、過電流、等における安全性が低いリチウム二次バッテリーを単位電池として使用する。従って、そのような安全性に関連する問題を解決するために、安全性素子、例えば保護回路モジュール、をバッテリーパック中に組み込む。安全性素子は、バッテリーパックの対応する端子接続区域で、電圧のような情報を獲得し、予め決められた安全性処理を行い、それによってバッテリーパックの安全性を確保する。従って、対応する区域の接続状態が変動すると、例えば振動のために端子接続区域の抵抗値が変化すると、検出される情報が不正確になり、従って、安全性素子は望ましい処理を行うことができない。この理由から、バッテリーパック中のバッテリーセルと保護回路との間の電気的接続は、一般的にはんだ付けにより達成される。
【0015】
また、高出力、大容量バッテリーパックを構成するには、複数のバッテリーセルを互いに直列または並列に接続する必要がある。さらに、バッテリーパックの効率を均等に維持するには、端子接続区域の抵抗変動を最少に抑えることができる安定した連結方法が必要である。一般的に、バッテリーセル間の電気的接続は、はんだ付けまたは溶接、好ましくはスポット溶接により行う。
【0016】
しかし、バッテリーセル間の溶接またははんだ付けには、下記の問題がある。
【0017】
特に、溶接またははんだ付け工程は、作業員の熟練した技術及び知識が必要である。さらに、溶接の強度を決定するのに必要なパラメータの制御を常に行う必要がある。その結果、製造工程が複雑になり、製造コストが増加するために、生産効率が低下する。また、バッテリーセルを直接的に溶接またははんだ付けする時に、バッテリーパックから発生する振動またはバッテリーパックに作用する外部衝撃のために、溶接した区域で短絡が生じることがある。さらに、バッテリーセルと接続部材との間に電気的または熱的な損傷が引き起こされ、それによって、バッテリーの安全性が脅かされ、欠陥製品発生率が増加する。さらに、バッテリーセルの製造または使用中にバッテリーセルの幾つかに欠陥が生じると、バッテリーパックを構成する全てのバッテリーセルを廃棄しなければならない。
【0018】
従って、そのような、バッテリーの安全性を脅かし、複雑な作業工程を必要とする溶接またははんだ付けによる接続方法に置き換えることができ、同時に、幾つかのバッテリーセルに欠陥があっても、残りのバッテリーを再使用することができ、バッテリーセル間の接続構造を安定して確保することができる技術が強く求められている。
【0019】
一方、一次バッテリーを使用するバッテリーパックでは、それぞれのバッテリー間を電気的に接続するための様々な試みがなされている。例えば、韓国特許第0413381号明細書は、バッテリー同士を電気的に接続するために、バッテリーケースの対向する末端で導電性コイルを形成する技術を開示している。米国特許第525037号明細書は、バッテリーの対向する末端で、弾性を与えるために屈曲させた金属板を取り付け、それぞれのバッテリー間に電気的接続を達成する技術を開示している。
【0020】
しかし、上記の技術には、バッテリーセルを固定し、電極端子同士を安定して接続するために、接続部材が十分な弾性を示すことが必要であり、従って、弾性が低い接続部材は使用が制限される、という問題がある。特に、導電性コイルを使用する技術には、各コイルを構成するワイヤの断面積が小さく、ワイヤの接続長さが比較的大きいために、電気抵抗が増加する、という問題がある。電気抵抗の増加は、電力損失を引き起こし、発熱量を増加するので、バッテリー間の安定した接続が損なわれる。また、弾性を与えるために屈曲させた金属板を使用する技術では、バッテリーセルをバッテリーケース中に挿入する時に、または金属板を繰り返し使用する時に、過剰の力が金属板に作用すると、金属板がそれらの弾性を失うか、または破損することがあり、その結果、外部衝撃がバッテリーセルに作用した時に、バッテリーセルがパックケースから分離するか、またはバッテリーセル間の電気的接続が切断されることがある。
【0021】
さらに、上記の接続部材は、対応する区域における接続状態が変動するために、前に記載した二次バッテリーパックへの使用に限定される。
【0022】
また、バッテリーセル間の電気的接続を、溶接またははんだ付けを使用せずに、機械的接触様式で達成するには、従来技術におけるように、パックケースに接続部材を取り付けるのに必要な仕切りをバッテリーセル間に配置する必要がある。しかし、仕切りを設けることにより、バッテリーパックのサイズが増加するが、これは、サイズ、重量、及び厚さの低下を求める最新の傾向から遠く離れている。さらに、作動効率の観点から、複数のバッテリーセルを包含するバッテリーパックは、一様な作動条件下にあることが好ましい。しかし、仕切りにより分割された受入部分中に取り付けたバッテリーセルの作動状態は、仕切りの設置により、外部衝撃がバッテリーパックに作用した時に、それぞれの受入部分で互いに異なることがある。
【0023】
この態様で、バッテリーセル間に機械的接触型接続部材を、仕切りが無い構造で、非常に高い弾性圧迫力(押圧力)で取り付ける方法が考えられる。しかし、この方法では、パックケース用の材料、例えば重合体樹脂、が、パックケースを長期間使用する間に、応力により徐々に変形するが、これはクリープ現象と呼ばれる。従って、接続部材の過度に高い弾性圧迫力は、パックケースに応力の発生を引き起こし、これがクリープ現象につながる。その結果、バッテリーセル間の間隔が徐々に増加し、従って、バッテリーセル間の電気的接続が不安定になる。この現象は、長期間の使用が求められる装置には特に深刻である場合がある。従って、一次バッテリー用の接続部材は、充電及び放電を繰り返すことにより長期間使用する必要がある二次バッテリーを基礎とするバッテリーパックに、修正なしに使用することはできない。
【0024】
一方、円筒形バッテリーは、ゼリー-ロールが金属容器中に取り付けられている構造に構築され、容器の一端に突き出たカソード端子が形成され、容器の他端には平らなアノード端子が形成される。ゼリー-ロールの最上部にはキャップアセンブリーが折り曲げ構造で取り付けられ、カソード端子区域は外部力に対する構造的安定性を示す。他方、ゼリー-ロールは、容器の内側底部に直接面しているので、アノード端子(すなわち、容器の底部)が外部力により変形し、その結果、ゼリー-ロールの電極板間に短絡が生じることがある。
【0025】
複数のバッテリーセルを包含するバッテリーパックでは、そのような短絡が、安全性の観点から非常に深刻な問題を引き起こす。本発明者らは、接続部材、例えばニッケル板、がバッテリーセルの電極端子に溶接により連結されている構造で、そのような短絡が起こることを実験的に確認している。
【0026】
従って、溶接またははんだ付けによる接続方法の代わりに使用し、バッテリーセル間の安定した接続構造及びバッテリーの安全性を確保することができ、バッテリーパックのサイズ増加を引き起こさない、二次バッテリー用の接続部材が強く求められている。
【発明の概要】
【0027】
従って、本発明は、上記の問題及び他の未解決の技術的問題を解決するためになされたものである。
【0028】
具体的には、本発明の目的は、複雑な作業工程を必要とするはんだ付けまたは溶接工程を行わずに、2個以上の二次バッテリーセル間に安定した電気的接続を達成することができ、電気的接続が可能であり、組立工程を容易に行うことができ、必要に応じて接続部材を自由に取り付け及び取り外しできる特殊な構造に構築されている、二次バッテリー用の接続部材を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、バッテリーパックのサイズ増加を引き起こさず、長期間使用してもバッテリーセル間の接続を安定して維持し、外部力に対するバッテリーの安全性を確保することができる、二次バッテリー用の接続部材を提供することである。
【0030】
本発明の一態様により、上記の、及び他の目的は、2個以上の円筒形二次バッテリーを包含するバッテリーパック中で電気的接続を物理的接触様式で達成するための二次バッテリー用接続部材であって、
外周接触部分と、及び
該外周接触部分は、該接続部材の下に位置するバッテリーセル(下側バッテリーセル)の電極端子に、該下側バッテリーセルの該電極端子の外周区域に沿って接触し、該外周接触部分が、該下側バッテリーセルの該電極端子に表面接触様式で電気的に接続し、該接触区域における外部力に対する抵抗変化を最小に抑え、該下側バッテリーセルの該電極端子が凹む可能性を抑制することができ、
中央接触部分とを備えてなり、
該中央接触部分は、該接続部材の上に位置するバッテリーセル(上側バッテリーセル)の電極端子または該バッテリーパックの側壁の中央区域と接触し、それぞれのバッテリーセルの該電極端子間または該バッテリーセルの該電極端子と該バッテリーパックの該側壁との間に取り付けられた該接続部材全体に弾性接触力を与える、
接続部材を提供することにより、達成される。
【0031】
従って、本発明の二次バッテリー用接続部材は、バッテリーセルの電極端子間を電気的に接続するための溶接またははんだ付け工程を必要としない。バッテリーセル間の接続は、接続部材をバッテリーセルに連結するだけで、安定して維持される。従って、はんだ付けまたは溶接の際に引き起こされることがあるバッテリーセルの短絡発生を阻止することができる。また、外部衝撃がバッテリーパックに作用しても、接続区域における抵抗変動は望ましい信頼性程度から逸脱することがなく、下側バッテリーセルの電極端子の凹みによる下側バッテリーセルの短絡を阻止することができる。同時に、バッテリーパック組立工程を容易に行い、バッテリーセルの電極端子間に安定した連結を達成することができる。
【0032】
また、バッテリーパックの組立または使用の際にバッテリーセルの幾つかに欠陥を生じても、それらのバッテリーセルを他のバッテリーセルから容易に分離することができるので、一部のバッテリーセルまたは接続部材の欠陥のために、バッテリーパックを構成する全てのバッテリーセルが廃棄される、という問題を解決することができる。また、バッテリーパックの製造中、接続部材をバッテリーセル間に取り付ける時に、仕切りを必要としない。従って、溶接またははんだ付けを使用せずに、接続部材をバッテリーセルの電極端子に接続しても、バッテリーパックのサイズは増加しない。
【0033】
さらに、接続部材は、幾分圧迫された状態で、バッテリーセルの電極端子に弾性的に接続されるので、外部衝撃がバッテリーパックに作用しても、接続区域における抵抗の変化は、信頼性の望ましい程度から逸脱することはない。すなわち、上記の構造により、制御部材、例えばバッテリー管理装置(BMU)、はバッテリーセルの温度及び電圧を正確に検出することができ、それによって、バッテリーの正常な作動を確保することができる。他方、対応する区域に取り付けられた接続部材の弾性的に圧迫された状態は、前に説明したようなバッテリーパックのクリープ現象を引き起こす程十分に大きくはない。
【0034】
本発明の接続部材は、バッテリーセルのそれぞれの電極端子間に取り付け、バッテリーセル間に電気的接続を達成することができるか、またはバッテリーセルの電極端子とバッテリーパックの側壁との間に取り付けることができる。
【0035】
前者の場合、接続部材は、下側バッテリーセルの電極端子に物理的接触様式で接続することができ、上側バッテリーセルの電極端子には機械的連結様式で接続することができる。後者の場合、接続部材は、下側バッテリーセルの電極端子に物理的接触様式で接続することができ、バッテリーパックの側壁により支持することができる。
【0036】
本発明の接続部材の特徴は、外周接触部分が、下側バッテリーセルの電極端子に、下側バッテリーセルの電極端子の外周区域に沿って接触するので、外周接触部分が、下側バッテリーセルの電極端子に表面接触様式で電気的に接続できることである。
【0037】
本発明者らは、物理的接触様式で電気的接続を達成するための様々な構造に構築された接続部材に対して様々な試験を行い、外部衝撃がバッテリーパックに作用しても、接続区域における抵抗変化が望ましい信頼性程度から逸脱しないためには、接続部材またはバッテリーセルの位置が変化しても、最大限の接触面積を確保することが必要であり、そのような最大限の接触面積を確保するには、接続部材が、下側バッテリーセルの電極端子に、下側バッテリーセルの外周区域に沿って、大きな半径による表面接触様式で接続することが必要であることを見出した。すなわち、上記のように、接続部材が、下側バッテリーセルの電極端子に、下側バッテリーセルの外周区域に沿って、大きな半径による表面接触様式で接続する場合、外部衝撃のために接続部材またはバッテリーセルの位置が変化しても、接触面積の低下は最小に抑えられる。
【0038】
上記の説明で、「外周区域」の表現は、下側バッテリーセルの電極端子の外周末端及び電極端子の外周末端から電極端子の中央軸に向かって伸びる区域を包含する概念である。従って、接続部材は、下側バッテリーセルの電極端子に、外周接触部分を通して最大半径で接触する。
【0039】
また、上記のように、接続部材の外周接触部分は、下側バッテリーセルの外周区域に表面接触様式で接触するので、外部力がバッテリーパックに作用した時に、接続部材及び/または上側バッテリーセルの電極端子により、下側バッテリーセルの電極端子が凹む可能性を最小に抑えることができる。
【0040】
前に説明したように、円筒形二次バッテリーは、ゼリー-ロールが金属容器にアノード区域で直接向き合う構造に構築されているので、電極端子は外部力により容易に凹むことがある。従って、下側バッテリーセルの電極端子がアノードであり、上側バッテリーセルの電極端子がカソードであるのが好ましい。
【0041】
電極端子の凹みによる短絡発生が阻止されることは、実験により確認することができる。
【0042】
図3は、図2のバッテリーモジュールがパックケース中に取り付けられている構造に構築された(従来の)バッテリーパックを例示するX線蛍光透視鏡写真である。
【0043】
図4は、バッテリーパックを高さ1 mから、バッテリーパックの左側末端を床に向けて落下させた後の、バッテリーパックの変化を例示するX線蛍光透視鏡写真である。
【0044】
図4に示すように、接続部材(ニッケル板)は、バッテリーセルaのアノード端子及びバッテリーセルbのカソード端子に溶接により連結されている。落下による衝撃がバッテリーパックに作用した時、突き出たカソード端子が強い衝撃を、ニッケル板を通して、平らなアノード端子に加え、その結果、金属容器の下側末端にあるアノード端子が凹んでいる(x区域参照)。図4は、バッテリーパックの落下後に、バッテリーセルaのアノード端子及びバッテリーセルbのカソード端子が、ニッケル板の回復力により、再び互いに分離した構造を示している。しかし、金属容器の下側末端におけるアノード端子が部分的に凹んでいることが分かる。凹んだアノード端子が、金属容器中でゼリー-ロールの対応する区域に接触し、その結果、短絡が生じている。
【0045】
他方、図5は、カソード端子及びアノード端子が本発明の好ましい実施態様による接続部材により、物理的接触様式で互いに電気的に接続される構造に構築されたバッテリーパックの、同じ条件下でバッテリーパックを落下させた後の変化を例示するX線蛍光透視鏡写真である。
【0046】
図5に示すように、接続部材の外周接触部分が下側バッテリーセルaのアノード端子の外周区域に表面接触様式で接続され、接続部材の中央接触部分が上側バッテリーセルbのカソード端子に機械的連結様式で連結している。バッテリーパックの落下により強い衝撃がバッテリーパックに作用したが、衝撃の非常に大きな量が中央接触部分の弾性的構造により減衰し、残りの衝撃が外周接触部分によりアノード端子の外周に向けて伝達された。その結果、図4では生じたアノード端子の凹みが発生せず(y区域参照)、従って、ゼリー-ロールの短絡は起きなかった。
【0047】
上記の実験結果から分かるように、本発明の接続部材は、外周接触部分及び中央接触部分の構造的特徴により、外部衝撃による内部短絡の発生を効果的に阻止することができる。
【0048】
好ましい実施態様では、外周接触部分が、一般的に下側バッテリーセルの電極端子の外周形状に対応する形状に形成される。外周接触部分は、上記の形状に形成されるので、外周接触部分と下側バッテリーセルの電極端子との間の接触は、上記のように、最大半径で達成される。この構造では、外周接触部分が、上側バッテリーセルの電極端子の表面積の10%〜70%に等しいサイズの接触界面を有するのが好ましい。接触区域における抵抗を考えると、接触界面の表面接触のためのサイズを増加することが好ましいが、外周接触部分のサイズ増加は、中央接触部分のサイズ低下を引き起こす。従って、接触界面は、上記の範囲内にある必要がある。
【0049】
好ましくは、外周接触部分は、下側バッテリーセルの上側末端側部を覆い、接続部材と下側バッテリーセルの電極端子との間の連結を確実に維持するための一個以上の下方延長部を包含する。従って、この下方延長部を備えることにより、接続部材と下側バッテリーセルとの間に、より安定した連結を達成することができる。下方延長部は、様々な形状で形成することができる。例えば、下方延長部は、下方延長部が外周接触部分から伸びる可変スカート構造に構築することができる。可変スカート構造は、下側バッテリーセルの外側に対応して屈曲し、従って、可変スカート構造は、外部力がバッテリーパックに作用しても、接続部材が下側バッテリーセルの電極端子に安定して固定されるのに役立つ。しかし、無論、下方延長部は、非可変スカート構造に構築することもできる。
【0050】
本発明の接続部材のもう一つの特徴は、中央接触部分が、上側バッテリーセルの電極端子またはバッテリーパックの側壁の中央区域と接触し、接続部材全体に弾性的接触力を与えることである。接続区域における抵抗の変化が望ましい信頼性程度から逸脱しないように、外周接触部分が接続部材の外周部に形成されており、外部力による下側バッテリーセルの電極端子の凹みが阻止され、中央接触部分が接続部材の中央区域に配置されているので、接続部材またはバッテリーセルの位置が外部衝撃により変化しても、接続の不安定性は引き起こされない。さらに、中央接触部分が、それぞれのバッテリーセル間またはバッテリーセルとバッテリーパックの側壁との間に取り付けられた接続部材全体に弾性的接触力を与えるので、追加の取付部品、例えば仕切り、を設けずに、バッテリーパックに望ましい電気的接続を達成することができるので、バッテリーパックのサイズを増加させることはない。また、加えられる外部衝撃のかなりの量が弾性的構造により減衰し、外周接触部分に伝達される外部衝撃の量が最小に抑えられるので、前に説明したように、下側バッテリーセルの電極端子の凹みによるゼリー-ロールの短絡発生が防止される。
【0051】
好ましい実施態様では、中央接触部分が、外周接触部分に対して弾性的に上向きに突き出ている。中央接触部分は、上側バッテリーセルの電極端子の、中央接触部分またはバッテリーパックの側壁の形状に対応する形状に基づいて、様々な構造で突き出ることができる。
【0052】
例えば、中央接触部分が上側バッテリーセルのカソード端子に接続されている場合、中央接触部分は、上側バッテリーセルのカソード端子に形成されたガス排出口または連結開口部に変形できるように(variably)連結された連結部分を包含することができる。
【0053】
一般的に、バッテリーセルの異常時に発生する内部ガスを排出するための複数のガス排出口が円筒形二次バッテリーのカソード端子に形成されている。従って、中央接触部分の連結部分は、上側バッテリーセルのカソード端子に形成されたガス排出口の中に連結され、外部衝撃または振動がバッテリーパックに作用した時に、接続部材と上側バッテリーセルとの間の安定した接続を維持する。
【0054】
連結部分は、様々な構造に構築することができ、これは以下に、関連する図面を参照しながら詳細に説明する。
【0055】
好ましくは、中央接触部分は、上向きに突き出た、開口部を有するブリッジ構造に構築する。
【0056】
様々な構造に構築された接続部材に対する実験から、本発明者らは、中央接触部分を、上向きに突き出た、開口部を有するブリッジ構造に構築した場合、中央接触部分が、限られた設置空間で、接続部材全体に弾性的接触力を与えることを見出した。ブリッジ構造は、容易に変形し、対応する区域に取り付けられる。他方、ブリッジ構造は、接続部材の材料特性による弾性により高いレジリエンスを示す。また、ブリッジ構造は、外部衝撃がバッテリーパックに加えられた時に、外部衝撃を分散させ、下側バッテリーセルに伝達される衝撃の量を最小に抑え、それによって、接続部材による下側バッテリーセルの電極端子の凹みを抑制する。
【0057】
開口部の数及び形状は、ブリッジ構造の形状に応じて変えることができる。
【0058】
好ましい実施態様では、開口部は、上側バッテリーセルの電極端子、下側バッテリーセルの電極端子、または上側及び下側バッテリーセルの電極端子に、弾性的に圧迫された状態で接続された一個以上の補助接続部分を包含する。
【0059】
補助接続部分は、接続部材の弾性力をさらに増加させる。さらに、補助接続部分は、外部力、例えば振動または曲げ、がバッテリーパックに作用した時に、電極端子の瞬間的な短絡の発生を阻止する。
【0060】
好ましくは、補助接続部分は、外周接触部分の内側から下向きまたは上向きにテーパーが付いている[tapered:漸次的減少(テーパー加工)されてなる;テーパー状とされてなる]。
【0061】
本発明の別の態様により、複数の二次バッテリーセルを電気的に接続するための二次バッテリー用接続部材を提供するが、該接続部材は、縦方向または縦方向と横方向の両方で配置されたバッテリーセル間に配置され、該接続部材は、弾性的接触様式で、縦方向における前方バッテリーセルの下側電極端子に、または縦方向における後方バッテリーセルの上側電極端子に接続され、該接続部材は、該接続部材がバッテリーセル間に配置された状態で弾性的に圧迫される。
【0062】
以下に、二次バッテリー用接続部材の幾つかの具体例を説明する。
【0063】
第一の好ましい実施態様では、接続部材が、縦方向で互いに直列に配置されたバッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、該端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、該外周接触部分は、下側バッテリーセルの電極端子の外部形状に対応するように形成され、該外周接触部分は、該下側バッテリーセルの該電極端子に、該電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、該外周接触部分は、予め決められた幅を有し、(b)上向きに突き出た部分と、該上向きに突き出た部分は、該外周接触部分から該端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付いており、該下側バッテリーセルを弾性的に支持し、及び(c)突き出た連結部分と、該突き出た連結部分は、それぞれの上向きに突き出た部分にブリッジ構造で接続され、該突き出た連結部分は、該突き出た連結部分が該上側バッテリーセルの予め決められた区域に弾性的に連結できるように突き出ている、を備えてなる。
【0064】
従って、縦方向で互いに直列接続で配置された複数のバッテリーセルがパックケース中に取り付けられる構造に構築されたバッテリーパックでは、突き出た連結部分がそれぞれの上向きに突き出た部分にブリッジ構造で接続され、従って、接続部材は、バッテリーセルの電極端子を弾性的接触様式で容易に電気的に接続することができる。
【0065】
好ましくは、端子接続ユニットが、外周接触部分の内側から下向き及び/または上向きにテーパが付いている複数の補助接続部分をさらに含んでなる。
【0066】
補助接続部分は、接続部材の弾性力をさらに増加させ、外部力、例えば振動または曲げ、がバッテリーパックに加えられた時に、電極端子の瞬間的な短絡発生を防止する。
【0067】
各上向きにテーパが付いている補助接続部分は、各上向きにテーパが付いている補助接続部分の末端が接続部材の中央軸に向かって、外周接触部分の高さより上の高さまで、傾斜する構造に構築される。外周接触部分の高さより上の高さまで上向きに伸びる補助接続部分は、接続部材が下側バッテリーセルの電極端子と接触した状態で、上向きに突き出た部分を弾性的に支持する。また、上向きにテーパが付いている補助接続部分は、上側バッテリーセルの電極端子に接続されたままである。従って、上向きにテーパが付いている補助接続部分は、前に説明したように、外部力がバッテリーパックに加えられた時の不安定な接続状態による瞬間的な短絡の発生を防止する。さらに、上向きにテーパが付いている補助接続部分の数が2個以上である場合、上記の効果が、より安定して与えられる。
【0068】
他方、各下向きにテーパが付いている補助接続部分は、各下向きにテーパが付いている補助接続部分の末端が接続部材の中央軸に向かって、外周接触部分の高さより下の高さまで、傾斜し、上記の効果を得る構造に構築される。
【0069】
この場合、上向きにテーパが付いている補助接続部分は、上側バッテリーセルの電極端子(a)と接触することができ、下向きにテーパが付いている補助接続部分は下側バッテリーセルの電極端子(b)と接触することができる。
【0070】
好ましい実施態様では、上向きに突き出た部分が外周接触部分の上側の内側及び下側の内側から伸び、上向きに突き出た部分は、外周接触部分から接続部材の中央軸に向けて上向きにテーパが付いている。従って、上向きに突き出た部分は、バッテリーセルの電極端子に形成された予め決められた区域の中に容易に挿入することができ、外周接触部分は、下側バッテリーセルに弾性的に接触することができる。
【0071】
好ましくは、突き出た連結部分は、左側及び右側にそれぞれ、外周接触部分と上向きに突き出た部分との間の接続区域に対して直角に形成される。また、突き出た連結部分は、それぞれの上向きに突き出た部分にブリッジ構造で接続される。従って、突き出た連結部分とバッテリーセルの予め決められた区域との間に、より弾性的な連結を達成することができる。
【0072】
バッテリーセルの予め決められた区域とは、バッテリーセルの電極端子の外側に位置する区域を意味する。例えば、この予め決められた区域は、バッテリーセルの異常時に発生する内部ガスをバッテリーセルの外に排出するために電極端子の外側に形成されたガス排出口を包含することができる。
【0073】
突き出た連結部分の形状には、突き出た連結部分がバッテリーセルの電極端子の予め決められた区域に容易に連結される限り、特に制限は無い。例えば、突き出た連結部分は、それぞれの突き出た連結部分を接続する2個以上のブリッジが対称的な様式で配置される構造に構築することができ、それによって、一般的により弾性的な構造に構築された突き出た連結部分を通して、より弾性的な連結力を与える。
【0074】
例えば、それぞれの上向きに突き出た部分を電極端子の予め決められた区域の中に容易に挿入できるように、各上向きに突き出た部分の最上部は、その垂直断面形状で上向きに突き出ている。この場合、それぞれの上向きに突き出た部分は、電極端子の予め決められた区域の中に、より容易に挿入され、上向きに突き出た部分に接続されたブリッジとバッテリーセルの電極端子との間の接触力は、それぞれの上向きに突き出た部分を電極端子の予め決められた区域の中に挿入した後に、さらに改良される。
【0075】
前に説明したように、下向きまたは上向きにテーパが付いている補助接続部分は、外周接触部分の内側に形成され、従って、補助接続部分は、接続部材の弾性力をさらに増加させ、外部力、例えば振動または曲げ、がバッテリーパックに加えられた時に、電極端子の瞬間的な短絡発生を防止することができる。
【0076】
別の例では、それぞれの補助接続部分を、対応する補助接続部分のテーパ方向と反対の方向に曲げる。これによって、バッテリーパックを組み立てる際に、補助接続部分の末端が、バッテリーセルの電極端子に損傷、例えば引掻き傷、を与えるか、または作業員に怪我をさせるのを防止することができる。
【0077】
第二の好ましい実施態様では、接続部材が、接続部材がバッテリーセルのアノード端子とバッテリーパックの側壁との間に物理的接触様式で配置される構造に構築され、物理的接触型接続部材は、物理的接触様式で横方向に配置された2個以上のバッテリーセルを電気的に接続するための端子接続ユニットを備えてなり、端子接続ユニットのそれぞれが、(a)外周接触部分と、該外周接触部分は、対応するバッテリーセルの電極端子の外部形状に対応するように形成され、該外周接触部分は、該対応するバッテリーセルの該電極端子に、該電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、該外周接触部分は、予め決められた幅を有し、及び(b)上向きに突き出た部分と、該上向きに突き出た部分は、該外周接触部分から各端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付いており、該対応するバッテリーセルを弾性的に支持し、を備えてなり、該端子接続ユニットは、該横方向で配置された該バッテリーセルの数に対応して、互いに電気的に接続されている。
【0078】
バッテリーセルが互いに電気的に接続された状態で、複数のバッテリーセルが、パックケース中に2列以上で横方向に配置される構造に構築されたバッテリーパックでは、接続部材は、バッテリー列の末端の横方向で(並列または直列に)配置されたバッテリーセルの電極端子を物理的接触様式で容易に電気的に接続することができる。
【0079】
この場合、端子接続ユニットのそれぞれは、端子接続ユニットを対応する電極端子に弾性的に接続できるように、外周接触部分の内側から下向きにテーパが付いている補助接続部分をさらに包含することができる。
【0080】
第三の好ましい実施態様では、接続部材が、接続部材がバッテリーセルのアノード端子とバッテリーパックの側壁との間に物理的接触様式で配置される構造に構築され、該接続部材は、横方向に配置された2個以上のバッテリーセルを物理的接触様式で電気的に接続するための端子接続ユニットを備えてなり、端子接続ユニットのそれぞれが、(a)外周接触部分と、該外周接触部分は、該対応するバッテリーセルの該電極端子の外部形状に対応するように形成され、該外周接触部分は、該対応するバッテリーセルの該電極端子に、該電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、該外周接触部分は、予め決められた幅を有し、(b)上向きに突き出た部分と、該上向きに突き出た部分は、該外周接触部分から該端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付いており、該対応するバッテリーセルを弾性的に支持し、(c)圧迫部分と、該圧迫部分は、該上向きに突き出た部分から、各端子接続ユニットの該中央軸に向けて予め決められた高さに突き出ており、該バッテリーセルと該接続部材との間の物理的接触を達成し、及び(d)凹んだ部分と、該凹んだ部分は、各端子接続ユニットの該中央軸上に、該上向きに突き出た部分の高さと該圧迫部分の高さの合計より小さい深さだけ凹んだ形状で形成され、該端子接続ユニットは、該横方向で配置された該バッテリーセルの数に対応して、互いに電気的に接続されている。
【0081】
例えば、上向きに突き出た部分は、各端子接続ユニットの中央軸に向けて形成された2個以上の、予め決められた幅を有する、弾性力を制御するためのカット-オフ部分(cut-off parts)を備えることができる。無論、上向きに突き出た部分は、上向きに突き出た部分にカット-オフ部分を設けてなくても、弾性力を発揮する。しかし、望ましい弾性力は、バッテリーパックの種類に応じて変えることができる。従って、上向きに突き出た部分にカット-オフ部分を形成することにより、弾性力を適切に制御することが好ましい。また、弾性力が上向きに突き出た部分の片側に集中せず、一様に分散されるように、接続部材の中央軸の周りに、カット-オフ部分を対称的構造で配置するのが好ましい。カット-オフ部分は、様々な形状で配置することができる。例えば、カット-オフ部分は、渦巻形状に配置し、たわみ性の弾性力を効果的に与える。
【0082】
第四の好ましい実施態様では、接続部材が、縦方向で互いに直列に配置されたバッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、該端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、該外周接触部分は、該下側バッテリーセルの該電極端子の外部形状に対応するように形成され、該外周接触部分は、該下側バッテリーセルの該電極端子に、該電極端子の該外周部に隣接する区域で接触し、該外周接触部分は、予め決められた幅を有し、(b)上向きに突き出た部分と、該上向きに突き出た部分は、該外周接触部分から該端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付いており、該下側バッテリーセルを弾性的に支持し、及び(c)突き出た連結部分と、該突き出た連結部分は、該突き出た連結部分が該上側バッテリーセルの該電極端子に連結できるように、予め決められた高さに突き出ている、を備えてなる。
【0083】
これによって、縦方向で互いに直列接続で配置された複数のバッテリーセルがパックケース中に取り付けられる構造に構築されたバッテリーパックで、接続部材は、バッテリーセルの電極端子を弾性的接触様式で容易に電気的に接続することができる。
【0084】
端子接続ユニットは、端子接続ユニットの中央軸上に配置された凹んだ接触部分をさらに備えてなり、凹んだ接触部分が突き出た連結部分から予め決められた深さに凹み、凹んだ接触部分が上側バッテリーセルの電極端子に接触することができる。
【0085】
突き出た連結部分の形状には、その突き出た連結部分がバッテリーセルの電極端子の予め決められた区域と容易に連結する限り、特に制限は無い。例えば、突き出た連結部分は、2個以上の、上向きに突き出た部分と凹んだ接触部分を接続するブリッジが対称的様式で配置される構造に構築し、これによって、一般的により弾性的な構造に構築された突き出た連結部分を通して高い連結力を与えることができる。
【0086】
一例として、突き出た連結部分を、バッテリーセルの電極端子の予め決められた区域の中に容易に挿入できるように、「∩」に近い垂直断面積形状に形成することができる。この場合、バッテリーセルの電極端子の予め決められた区域に突き出た連結部分を連結する工程がより容易に行われる。突き出た連結部分とバッテリーセルの電極端子の予め決められた区域との間を連結した後、突き出た連結部分は、外部振動によっても、バッテリーセルの電極端子の予め決められた区域から容易に分離しない。状況に応じて、各突き出た連結部分は、それらの片側に、各端子接続ユニットの中央軸に向かって突き出る連結突起を備え、突き出た連結部分と、バッテリーセルの電極端子の予め決められた区域との間の連結をさらに強化することができる。
【0087】
連結突起は、様々な構造に構築することができる。例えば、連結突起は、各突き出た連結部分の内側末端が接続部材の中央軸に向かって屈曲する構造に構築するか、または連結突起が、半球状突起の形状で、各突き出た連結部分の内側から突き出ることもできる。しかし、連結突起は、上記の構造に限定されるものではない。
【0088】
上記のように、突き出た連結部分が、複数のブリッジが対称的様式で配置される構造に構築され、突き出た連結部分が、「∩」に近い垂直断面積形状に形成されるので、突き出た連結部分をバッテリーセルの電極端子の予め決められた区域と連結させる時に、それぞれの突き出た連結部分の側部に形成された連結突起に関係なく、突き出た連結部分が弾性的に挿入及び連結される。
【0089】
状況に応じて、接続部材は、上向きに突き出た部分と凹んだ接触部分を接続する各ブリッジ間に、それぞれの上向きに突き出た部分の末端から下向きに伸びる補助接続部分をさらに包含することができる。これによって、前に説明したように、上向きに突き出た部分の弾性力がさらに増加し、外部力、例えば振動または曲げ、がバッテリーパックに作用した時に、電極端子の瞬間的な短絡発生が防止される。
【0090】
第五の好ましい実施態様では、接続部材が、縦方向で互いに直列に配置されたバッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、連結開口部が、該バッテリーセルの少なくとも一個の該電極端子に形成されており、該端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、該外周接触部分は、下側バッテリーセルの電極端子の外部形状に対応するように形成され、該外周接触部分は、該下側バッテリーセルの該電極端子に、該電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、該外周接触部分は、予め決められた幅を有し、(b)上向きに突き出た部分と、該上向きに突き出た部分は、該外周接触部分から該端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付いており、該下側バッテリーセルを弾性的に支持し、及び(c)連結部分と、該連結部分は、それぞれの上向きに突き出た部分上に、該連結部分が、該バッテリーセルの少なくとも一個の該電極端子に形成された該連結開口部の中に弾性的に連結できるように形成されている、を備えてなる。
【0091】
従って、接続部材は、接続部材とバッテリーセルの電極端子との間の連結によるだけで、電気的接続のための安定した接続構造を形成し、従って、外部衝撃がバッテリーパックに加えられても、接続区域における抵抗の変化が、望ましい信頼性程度から逸脱しない。同時に、バッテリーパックの組立工程を容易に行い、バッテリーセルの電極端子間に安定した連結を達成することができる。
【0092】
また、連結開口部は、その連結開口部を通して接続部材をバッテリーセルの対応する電極端子に取り付けることができるように、バッテリーセルの対応する電極端子に形成する。これによって、接続部材の使用できる構造または形状をさらに多様化することができ、接続部材をより簡単な構造に構築することができる。
【0093】
例えば、接続部材を、バッテリーセルが突き出たカソード端子を包含し、複数のガス排出口をカソード端子の突き出た部分に、カソード端子の周方向で形成し、連結開口部をカソード端子の中央区域に形成する構造に構築することができる。
【0094】
接続部材に連結されるように形成された連結開口部は、突き出たカソード端子に容易に形成され、従って、連結開口部は、そのような突き出たカソード端子を包含する円筒形バッテリーに容易に使用することができる。また、電極端子の中央区域に配置された連結開口部の周りに、その周方向で配置された複数のガス排出口は、前に説明したように、バッテリーセル中の高圧ガスを効果的に排出し、それによって、バッテリーセルの安全性を確保する。
【0095】
しかし、連結開口部は、接続部材に機械的連結様式で連結するので、連結開口部は、接続部材により完全には密封されない。従って、連結開口部もガス排出口として機能することができる。この構造では、カソード端子の突き出た部分にガス排出口を形成しなくてもよい。この構造は、本発明(prevent invention)の範囲内に含まれると解釈しなければならない。
【0096】
連結開口部は、様々な構造または形状に構築することができる。例えば、連結開口部は、バッテリーセルの電極端子の外周部の中央区域に、バッテリーセルの電極端子の平面上に形成された2個の、長い、及び短い側部を有するスリットが、それらの2個のスリットが直角に交差するように形成される、交差形状の構造に構築することができる。
【0097】
従って、長い側部の形状に対応する形状に形成された連結部分を包含する接続部材を使用し、バッテリーセル同士を互いに容易に連結することができる。接続部材の連結部分を、連結開口部の長い側部を通して挿入し、次いで接続部材の連結部分が連結開口部の短い側部に対して平行になる位置に回転させ、それによって、接続部材と、対応するバッテリーセルとの間の弾性的連結を達成する。従って、接続部材と、対応するバッテリーセルとの間の連結及び、同時に、接続部材と、対応するバッテリーセルとの間の電気的接続を簡単に、容易に達成することができる。
【0098】
別の例として、連結開口部を、2個の円弧状スリットが、電極端子の中央軸の周りに対称的様式で配置される構造に構築することもできる。
【0099】
連結部分が垂直断面で「└」に近い形状に構築されるように、スリットの縦方向で水平に曲げた接続部材の連結部分を、対称的様式で配置された2個の円弧状スリットの中に挿入し、次いで回転させ、「└」形状の連結部分の水平に曲げた部分を、電極端子の、スリットを持たない下側末端に弾性的に接続することにより、接続部材とバッテリーセルとの間の安定した連結が達成される。
【0100】
連結部分は、連結部分の末端が上向きに突き出るように曲げることができる。この構造では、連結部分をバッテリーセルの連結開口部の中に容易に挿入し、それによって、接続部材とバッテリーセルとの間の電気的接続を達成することができる。
【0101】
好ましくは、連結部分が対称的様式で配置されるように、連結部分がそれぞれの上向きに突き出た部分から伸び、それによって、連結部分と、対応するバッテリーセルの連結開口部との間に、より弾性的な連結が達成される。
【0102】
上向きに突き出た部分は、上向きに突き出た部分に外周接触部分から接続部材の中央軸に向かって上向きのテーパが付くように、外周接触部分の上側の内側及び下側の内側から伸びる。これによって、上向きに突き出た部分を、バッテリーセルの電極端子に形成された予め決められた区域の中に容易に挿入することができ、外周接触部分が下側バッテリーセルに弾性的に接触することができる。
【0103】
端子接続ユニットは、外周接触部分の内側から下向き及び/または上向きにテーパが付いている、複数の補助接続部分をさらに備えてなることができる。
【0104】
第六の好ましい実施態様では、接続部材が、縦方向で互いに直列に配置されたバッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、該端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、該外周接触部分は、該接続部材の下に位置するバッテリーセル(下側バッテリーセル)の電極端子の外部形状に対応するように形成され、該外周接触部分は、該下側バッテリーセルの該電極端子に、該電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、該外周接触部分は、予め決められた幅を有し、(b)上向きに突き出た部分と、該上向きに突き出た部分は、該外周接触部分から該端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付いており、該下側バッテリーセルを弾性的に支持し、及び(c)中央接触部分と、該中央接触部分は、該接続部材の上に位置するバッテリーセル(上側バッテリーセル)の電極端子と接触し、該端子接続ユニットが、該上向きに突き出た部分及び該中央接触部分にカット-アウト部分(cut-out parts)が形成される構造に構築されており、該カット-アウト部分が、該上向きに突き出た部分から該中央接触部分に伸び、続いて該中央接触部分から該上向きに突き出た部分に伸び、該バッテリーセルの該電極端子に対する弾性的に支持する力を増加する、を備えてなる。
【0105】
接続部材は、カット-アウト部分が上向きに突き出た部分及び中央接触部分に形成され、そのカット-アウト部分は、上向きに突き出た部分から中央接触部分に伸び、続いて中央接触部分から上向きに突き出た部分に伸びるので、バッテリーセルの電極端子に対する弾性的に支持する力が増加し、従って、外部衝撃がバッテリーパックに加えられても、接続区域における抵抗変化は望ましい信頼性程度から逸脱しない。さらに、下側バッテリーセルの電極端子の凹みによる下側バッテリーセルの短絡発生を阻止することができる。
【0106】
また、接続部材は、幾分圧迫された状態でバッテリーセルの電極端子に弾性的に接続し、カット-アウト部分が上向きに突き出た部分の弾性を下げるので、上向きに突き出た部分はたわみ性がより高くなる。従って、外部衝撃がバッテリーパックに加えられても、接続区域における抵抗変化は望ましい信頼性程度から逸脱しない。
【0107】
好ましくは、中央接触部分は、上側バッテリーセルの電極端子の表面積の20%〜80%に等しいサイズの接触界面を有する。接触区域における抵抗を考えると、表面接触のための接触界面のサイズを増加することが好ましいが、中央接触部分のサイズを増加すると、外周接触部分のサイズ低下を引き起こす。従って、接触界面は、上記の範囲内にある必要がある。
【0108】
例えば、外周接触部分及び中央接触部分は、バッテリーセルのアノード端子及びカソード端子に物理的接触様式でそれぞれ電気的に接続することができる。すなわち、ある円筒形バッテリーセルのカソード端子を中央接触部分に電気的に接続し、中央接触部分が上向きに突き出た部分により取り囲まれた状態で、中央接触部分を接続部材の上向きに突き出た部分に接続し、別の円筒形バッテリーセルのアノード端子を、予め決められた幅で形成された外周接触部分に、接続部材の外周部に隣接する区域で電気的に接続する。
【0109】
カット-アウト部分は、上向きに突き出た部分及び中央接触部分に形成され、上向きに突き出た部分をたわみ性にする特徴的な構造である。例えば、各カット-アウト部分は、カット-アウト部分のそれぞれが接続部材の中央軸に達しない条件下で、カット-アウト開始点及びカット-アウト終点が20〜160度の角度を形成する構造に構築することができる。好ましくは、カット-アウト開始点及びカット-アウト終点が90度の角度を形成する。
【0110】
カット-アウト部分は、様々な構造に構築することができる。例えば、カット-アウト部分は、ブリッジ構造に構築することができる。ブリッジ構造のカット-アウト部分は、上向きに突き出た部分及び中央接触部分に容易に形成することができる。また、ブリッジ構造のカット-アウト部分は、上向きに突き出た部分にたわみ性を効果的に与えることができる。
【0111】
状況に応じて、カット-アウト部分は、各カット-アウト部分が、1個のカット-アウト部分の開始点に対して2個以上の終点を有する構造に構築することができる。この構造では、幾つかのカット-アウト部分を上向きに突き出た部分に形成し、それによって、その上向きに突き出た部分は、より大きなたわみ性を発揮する。
【0112】
好ましくは、接続部材の中央軸と、各カット-アウト部分の、各カット-アウト部分が接続部材の中央軸に最も近い区域と間の距離は、中央接触部分の幅の10〜50%である。接続部材の中央軸と、各カット-アウト部分の、各カット-アウト部分が接続部材の中央軸に最も近い区域と間の距離が、中央接触部分の幅と比較して大きすぎる場合、カット-アウト部分の全体的なサイズが小さくなり、その結果、上向きに突き出た部分のたわみ性が大きく低下する。反対に、接続部材の中央軸と、各カット-アウト部分の、各カット-アウト部分が接続部材の中央軸に最も近い区域と間の距離が、中央接触部分の幅と比較して小さすぎる場合、接続部材の全体的な弾性が大きく低下し、好ましくない。
【0113】
一方、カット-アウト部分の構造には、カット-アウト部分が、上向きに突き出た部分から中央接触部分に伸び、続いて中央接触部分から上向きに突き出た部分に伸びる限り、特に制限は無い。好ましくは、それぞれのカット-アウト部分が上向きに突き出た部分の最上部を通過する。この場合、それぞれのカット-アウト部分が上向きに突き出た部分の最上部を通過するので、上向きに突き出た部分のたわみ性がさらに増加する。
【0114】
例えば、2個以上のカット-アウト部分を、接続部材の中央軸を中心にして対称構造で放射状に配置することができる。対称的に放射状のカット-アウト部分は、対称的なカット-アウト部分を接続部材に容易に形成できる点で有利である。さらに、カット-アウト部分の数が2以上なので、上向きに突き出た部分のたわみ性を所望の程度に制御することができる。
【0115】
また、上向きに突き出た部分が適切なたわみ性ならびに弾性を示すように、接続部材の厚さを考慮してカット-アウト部分のサイズを調節するのが好ましい。例えば、カット-アウト部分を、接続部材の厚さの50〜300%に等しい幅で切り取ることができる。それぞれのカット-アウト部分の幅は、接続部材の部分を切り取ることにより、接続部材に形成した空間である。それぞれのカット-アウト部分の幅により、上向きに突き出た部分は、上向きに突き出た部分の変形または破損を阻止しながら、適切なたわみ性ならびに弾性を示す。
【0116】
状況に応じて、カット-アウト部分は、線またはスリットの形状で接続部材に形成することができる。
【0117】
上記の接続部材の代表的な例の中で、接続部材の第一、第四、第五、及び第六の好ましい実施態様では、接続部材が、2個以上の互いに接続された端子接続ユニットを包含し、縦方向に配置されたバッテリーセル間に直列接続及び横方向に配置されたバッテリーセル間に並列接続を同時に達成することができる。従って、接続部材は、直列接続及び並列接続型バッテリーパックならびに直列接続型バッテリーパックに適用できる構造に構築することができる。
【0118】
また、接続部材の第一〜第六の好ましい実施態様では、端子接続ユニットの片側に回路接続端子部分を設けることができる。回路接続端子部分は、電源用の入力及び出力端子、電圧検出用の検出端子、またはそれらの組合せでよい。回路接続端子部分は、様々な形状に形成することができる。例えば、回路接続端子部分は、外周接触部分から伸びる細片の形状に形成することができる。細片形状の回路接続端子部分は、接続部材を下側バッテリーセルに取り付けた状態で、回路接続端子部分が下側バッテリーセルの側部に緊密に接触するように、曲げることができる。
【0119】
上記の接続部材の代表的な例の中で、外周接触部分の、バッテリーセルと接触する幅は、好ましくは端子接続ユニットの半径の5〜30%である。外周接触部分の接触幅が5%未満である場合、接触面積が小さいために、接触区域の抵抗が増加する。また、外部衝撃のためにバッテリーセルの電極端子が所定の位置から外れ、電気的接続が容易に切断されることがある。反対に、外周接触部分の接触幅が30%を超えると、上向きに突き出た部分を含む残りの部分のサイズが低下し、その結果、予め決められた弾性力を与えるのが困難になり、突き出た連結部分をバッテリーセルの対応する区域に連結するのが困難になる。
【0120】
また、それぞれの上向きに突き出た部分は、端子接続ユニットの半径の20〜60%に等しい幅及び5〜30度の傾斜角度を有する。それぞれの上向きに突き出た部分の幅が端子接続ユニットの半径の20%未満である場合、前に説明したように、予め決められた弾性力を与えることが困難になる。反対に、それぞれの上向きに突き出た部分の幅が端子接続ユニットの半径の60%を超えると、接触部分の、バッテリーセルの電極端子と接触する面積が比較的小さくなり、その結果、所望の電気的接続が達成されない。また、それぞれの上向きに突き出た部分の傾斜角度が、端子接続ユニットの下側末端、すなわち外周接触部分、に対して5度未満である場合、外部衝撃に対して予め決められた弾性力を与えることが困難になる。反対に、それぞれの上向きに突き出た部分の傾斜角度が30度を超えると、バッテリーパックの内側空間が減少し、外部の圧力がそれぞれの上向きに突き出た部分に加えられた時に、それぞれの上向きに突き出た部分が破損することがある。
【0121】
また、突き出た連結部分(または連結部分)は、接続部材の全高の30〜70%に等しい高さを有するのが好ましい。突き出た連結部分の高さが30%未満である、すなわち突き出た区域のサイズが小さい場合、突き出た連結部分をバッテリーセルの電極端子の予め決められた区域に連結することが困難になる。反対に、突き出た連結部分の高さが70%を超えると、バッテリーパックの内側空間をさらに増加する必要があり、それによって、バッテリーパックのサイズが増加する。
【0122】
また、補助接続部分は、接続部材の水平部分に対して20〜70度の角度で上または下に傾斜しているのが好ましい。補助接続部分が20度未満の角度で傾斜している場合、補助接続部分がバッテリーセルの電極端子と接触した時に、補助接続部分は、その弾性を維持することが困難である。反対に、補助接続部分が70度を超える角度で傾斜している場合、補助接続部分が電極端子に損傷、例えば引掻き傷、を与えるか、またはバッテリーパックの組立または使用の際に補助接続部分が破損することがある。
【0123】
好ましい実施態様では、接続部材は、外周接触部分が、その外周部に、下側バッテリーセルの上側末端側部を部分的に覆う構造に構築された、一個以上の下方延長部をさらに備えることを特徴とする。前に説明したように、下方延長部は、可変スカート構造または非可変スカート構造に構築することができる。
【0124】
下方延長部は、下側バッテリーセルの上側末端側部を部分的に覆う構造に構築されるので、外部衝撃により、接続部材の位置が下側バッテリーセルから逸脱するのを防止することができ、従って、より安定した接続が達成される。
【0125】
好ましくは、一個以上の下方延長部は、外周接触部分の外周部に沿って対称的な構造に配置する。これによって、接続部材の位置が、下側バッテリーセルから逸脱することが防止され、安定した接続が、より効果的に達成される。
【0126】
下方延長部の長さには、下方延長部が上記の効果を与える構造に構築される限り、特に制限は無い。例えば、下方延長部の長さは、接続部材の全高の20〜150%に等しい長さを有することができる。
【0127】
一方、上記のように様々な構造に構築される接続部材は、導電性シートをプレス加工することにより、単一物体に製造することができる。具体的には、導電性シートを、接続部材の形状に従ってパンチ加工または圧延し、従って、特定の形状を有する接続部材を容易に、簡単に製造することができる。
【0128】
好ましくは、接続部材は、特に円筒形バッテリーセルに使用する。この場合、接続部材の特定区域を、各円筒形バッテリーセルの電極端子の形状に対応する、全体的に同心円構造に構築し、その結果、それらの間の接触面積が最大限になる。
【0129】
本発明の別の態様により、接続部材をバッテリーセルの電極端子間に取り付け、バッテリーセル間に電気的接続を達成する構造に構築されたバッテリーパックを提供する。
【0130】
バッテリーパックは、パックケース中で複数のバッテリーセルが互いに電気的に接続される構造に構築することができる。列の数は1以上でよい。
【0131】
接続部材は、各列で縦方向に配置されたバッテリーセルを電気的に接続するのに使用することができる。2列以上のバッテリーを包含する構造では、接続部材を、横方向に配置されたバッテリーセル(バンク)の電気的接続に使用することができる。
【0132】
例えば、接続部材をバンクの電気的接続にのみ使用する場合、バッテリーパックは、受入部分を包含するパックケース中にバッテリーセルが取り付けられる構造に製造することができ、該受入部分は、2個以上の二次バッテリーセルが、横方向で互いに隣接する状態でそれぞれの受入部分の中に取り付けられる構造に構築され、接続部材が、パックケースを構成する側壁の中で、バッテリーセルの電極端子と接触する側壁に連結されるで、接続部材の外周接触部分が、バッテリーセルの電極端子の方に向けられる。
【0133】
本発明のバッテリーパックは、高出力及び大容量を必要とする家電製品、例えば携帯用DVDプレイヤー、小型PC、等の電源として使用することができる。
【0134】
より好ましくは、本発明のバッテリーパックは、ラップトップコンピュータ用の電源として使用する。従って、本発明の別の態様では、電源としてバッテリーパックを包含するラップトップコンピュータを提供する。
【0135】
ラップトップコンピュータの一般的構造及びその製造方法は、当業者には良く知られており、従って、さらなる説明は行わない。
【0136】
本発明の上記の、及び他の目的、特徴及び他の利点は、添付の図面を参照しながら記載する下記の詳細な説明により、より深く理解される。
【好ましい実施態様の詳細な説明】
【0137】
ここで、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施態様を詳細に説明する。しかし、本発明の範囲は、例示する実施態様に限定されるものではない。
【0138】
図6及び7は、本発明の好ましい実施態様によるバッテリーパックの組立方法を典型的に例示する透視図である。
【0139】
これらの図に関して、バッテリーパック400は、仕切りが無いパックケース200中に、複数の円筒形バッテリーセル302、304、306、及び308が予め決められた接続部材100及び102を経由して互いに電気的に接続される構造に構築されている。
【0140】
具体的には、2種類の接続部材100及び102及び4個の円筒形バッテリーセル302、304、306、及び308がパックケース200の受入部分の中に配置されており、カソード端子が接続部材100の突き出た連結部分130と機械的連結様式で接続されるように、4個の円筒形バッテリーセル302、304、306、及び308が互いに緊密に接触している。
【0141】
従って、円筒形バッテリーセル306及び308のカソード端子は、円筒形バッテリーセル306及び308のカソード端子が弾性的に圧迫された状態で、突き出た連結部分130を有する接続部材100に機械的連結様式で接続され、円筒形バッテリーセル302及び304のアノード端子は、接続部材100に物理的接続様式で接続され、それによって、バッテリーパックを容易に組み立て、バッテリーセルの電極端子間の接続構造を安定して維持することができる。
【0142】
また、突き出た連結部分130が無い接続部材102は、円筒形バッテリーセル306及び308のアノード端子がパックケースの側壁と接触する区域に配置され、それによって、横方向に配置された円筒形バッテリーセル306及び308のアノード端子は、互いに電気的に並列接続される。
【0143】
組立後のバッテリーパック400の構造を図7に示す。図7に関して、バッテリーパック400は、2P-2S平面型構造に構築され、2個の円筒形バッテリーセル300が横方向で互いに接触して配置され、同時に、2個の円筒形バッテリー300が縦方向で配置されている。
【0144】
図8は、図6で使用する接続部材100を例示する拡大透視図であり、図9は、図6で使用する接続部材の典型的な平面図である。
【0145】
これらの図に関して、接続部材100は、2個の端子接続ユニットA及びBが互いに接続され、外部回路に接続するための回路接続端子部分150が接続部材100中に包含される構造に構築される。
【0146】
端子接続ユニットのそれぞれは、予め決められた幅を有し、下側バッテリーセル(図には示していない)の電極端子に表面接触様式で電気的に接続される外周接触部分110、ブリッジ型中央接触部分160、及び外周接触部分110の内側から上向き及び下向きにテーパがそれぞれ付いている補助接続部分140及び142を包含する。
【0147】
ブリッジ型中央接触部分160は、外周接触部分110から各端子接続ユニットの中央軸180に向かって、上向きにテーパが付くように伸びる上向きに突き出た部分120と、及びブリッジ190を経由し、上向きに突き出しながら、それぞれの上向きに突き出た部分120に接続された突き出た連結部分130とを包含する。
【0148】
外周接触部分110は、下側バッテリーセルの電極端子(図には示していない)に表面接触様式で電気的に接続しており、下側バッテリーセルの電極端子に、下側バッテリーセルの電極端子の外周部に沿って接触し、外部力に対する接触区域における抵抗変化を最小に抑え、下側バッテリーセルの電極端子が凹む可能性を抑えている。外周接触部分110は、外周接触部分110が下側バッテリーセルの電極端子に表面接触様式で接触できるように、下側バッテリーセルの電極端子の形状に対応するリング形状構造に構築されている。
【0149】
中央接触部分160は、中央接触部分160が外周接触部分110よりも高い所に位置できるように、突き出ている。中央接触部分160は、弾性的ブリッジ構造に構築され、高い接触弾性を示し、外部衝撃が中央接触部分160に加えられた時に、その外部衝撃を分散させ、それによって、外周接触部分110に伝達される衝撃量を最小に抑える。
【0150】
各上向きに突き出た部分120の最上部は、その垂直断面形状で上向きに突き出ている。また、各突き出た連結部分130は、その内側に、端子接続ユニットの中央軸180に向かって突き出た連結突起132を備えている。各突き出た連結部分130の連結突起132は、接続部材が上側バッテリーセルの電極端子の予め決められた区域に連結された後、接続部材が上側バッテリーセル(図には示していない)から分離するのを防止する。この時、上向きに突き出た部分120及びブリッジ190は、上側バッテリーセルの電極端子の中央区域と接触し、それによって、電気的接続が達成される。
【0151】
突き出た連結部分130と上向きに突き出た部分120を接続する4個のブリッジ190は、放射状に対称的構造に配置されている。具体的には、予め決められた間隔で配置されたブリッジ190は、上向きに突き出た部分120及び突き出た連結部分130を接続する。ブリッジ190は、上向きに突き出ている。
【0152】
また、4個の補助接続部分140は、それぞれのブリッジ190と外周接触部分110との間に限定された空間内で、外周接触部分110から上向きにテーパが付いている。他の4個の補助接続部分142は、外周接触部分110から下向きにテーパが付いている。それぞれの補助接続部分140の末端は、下向きに、すなわち対応する補助接続部分の上向きテーパ方向と反対の方向に曲げられており、それぞれの補助接続部分142の末端は、上向きに、すなわち対応する補助接続部分の下向きテーパ方向と反対の方向に曲げられている。従って、接続部材100を下側バッテリーセル(図には示していない)のカソードまたはアノード端子に取り付けると、補助接続部分140及び142は、弾性的に圧迫された状態で、下側バッテリーセルまたは上側バッテリーセルの電極端子に接続される。
【0153】
補助接続部分140及び142は、幾分低い弾性率を示すが、4個の補助接続部分140及び4個の補助接続部分142が、バッテリーセルの電極端子に独立して接続される。従って、補助接続部分140及び142は、外部ファクター、例えば振動、によるバッテリーセルの瞬間的短絡発生を阻止し、それによって、バッテリーセル間の電気的接続を連続的に維持する。
【0154】
図10は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材を例示する透視図であり、図11は、図10に示す接続部材の垂直断面図であり、図12は、変形した接続部材を例示する透視図である。
【0155】
これらの図に関して、接続部材100aは、互いに接続された2個の端子接続ユニットAa及びBb、及び外部回路に接続するための回路接続端子部分170aを包含する。
【0156】
端子接続ユニットのそれぞれは、下側バッテリーセル(図には示していない)の電極端子に表面接触様式で電気的に接続される、予め決められた幅cを有する外周接触部分110aと、外周接触部分110aから各端子接続ユニットの中央軸180に向かって突き出た中央接触部分160aと、及び外周接触部分110a内側末端から突き出た補助接続部分140及び142とを包含する。
【0157】
中央接触部分160aは、上向きにテーパが付く形状に形成された上向きに突き出た部分120aと、それぞれの上向きに突き出た部分120aから予め決められた高さdに突出している突き出た連結部分130aと、及び各端子接続ユニットの中央軸180a上に配置された凹んだ接触部分134aとを包含し、該凹んだ接触部分134aは、それぞれの突き出た連結部分130aの上側末端表面から予め決められた深さeに凹むように配置されており、上側バッテリーセル(図には示していない)の電極端子に電気的に接続される。
【0158】
外周接触部分110aは、下側バッテリーセルの電極端子の外側に対応する同心円の形状に形成されている。
【0159】
それぞれの上向きに突き出た部分120aは、各端子接続ユニットの半径Cの約30%に等しい幅fを有する。それぞれの上向きに突き出た部分120aは、外周接触部分110aから各端子接続ユニットの中央軸180aに向かって、予め決められた角度aで上向きにテーパが付いている。従って、外周接触部分110aと下側バッテリーセルの電極端子との間の弾性的接続が上向きに突き出た部分120aにより維持される。
【0160】
各突き出た連結部分130aの高さdは、接続部材100aの全高Dの約50%である。各突き出た連結部分130aは、「∩」に近い垂直形状に形成されている。また、各突き出た連結部分130aは、その内側に、各端子接続ユニットの中央軸180aに向かって突き出た連結突起132aを備えている。従って、突き出た連結部分130aは、接続部材を上側バッテリーセルの電極端子の予め決められた区域に連結した後、接続部材が上側バッテリーセルから分離するのを阻止する。この時、凹んだ接触部分134aが上側バッテリーセルの電極端子の中央区域と接触し、それによって、電気的接続が達成される。
【0161】
突き出た連結部分130aは、それぞれの上向きに突き出た部分120aと凹んだ接触部分134aとを接続する4個のブリッジ190aが対称的様式で放射状に配置される構造に構築されている。具体的には、予め決められた間隔で配置されたブリッジ190aが、それぞれの上向きに突き出た部分120aと凹んだ接触部分134aを接続する。ブリッジ190aは、上向きに突き出し、それぞれの突き出た連結部分330を構成する。
【0162】
補助接続部分140aは、各端子接続ユニットの中央軸180aに向かって予め決められた角度bで傾斜している。それぞれの補助接続部分140aの下側末端144aは、外周接触部分110aの高さより低い高さに伸びている。従って、接続部材100aを下側バッテリーセル(図には示していない)のアノード端子に取り付けた時、補助接続部分140aは、弾性的に圧迫された状態で、下側バッテリーセルの電極端子に接続される。
【0163】
図12の接続部材100a'は、回路接続端子部分が、外周接触部分110aの一方から伸びる細片の形状に形成され、2個以上の下方延長部110a'が、各外周接触部分110aの外周部に形成されて下側バッテリーセルの上側末端側部を部分的に覆っており、突き出た連結部分130a'が、半球状突起の形状で突き出た連結部分130aの内側側部から突き出ている点で、図10の接続部材100aとは異なっている。
【0164】
下方延長部110a'は、下側バッテリーセルの上側末端側部を部分的に覆う構造に構築されている。従って、下方延長部312は、外部衝撃により接続部材100a'の位置が下側バッテリーセルから逸脱するのを阻止し、接続部材100a'と下側バッテリーセルとの間の確実な連結を維持する。
【0165】
この構造により、接続部材は、上側バッテリーセルと下側バッテリーセルを連結様式で接続することができる。すなわち、接続部材の突き出た連結部分が上側バッテリーセルの電極端子に連結され、接続部材の下方延長部が下側バッテリーセルの電極端子に連結される。従って、接続部材は、上側及び下側バッテリーセルの両方に連結される。
【0166】
図13は、図6で使用する接続部材の一例を例示する拡大透視図であり、図14は、図6で使用する接続部材の例の典型的な平面図である。
【0167】
これらの図に関して、接続部材100bは、2個の端子接続ユニットAbおよびBbが互いに接続され、接続部材が、その片側に側方延長部分150bを備え、その側方延長部分に外部回路に接続するための回路接続端子部分152bが配置される構造に構築されている。
【0168】
端子接続ユニットのそれぞれは、予め決められた幅を有し、下側バッテリーセル(図には示していない)の電極端子に表面接触様式で電気的に接続される外周接触部分110bと、外周接触部分110bから各端子接続ユニットの中央軸180bに向かって、上向きにテーパが付くように伸びるブリッジ型中央接触部分130bと、及び外周接触部分110bの内側から下向きにテーパが付いている補助接続部分140bとを包含する。
【0169】
中央接触部分130bは、接続部材100bの全高Hより小さい予め決められた高さhを有する。中央接触部分130bの4個のブリッジは、十字形状構造で対称的に配置されている。
【0170】
また、各端子接続ユニットの中央軸180bを中心にして放射状に対称的構造に配置された4個の補助接続部分140bは、中央接触部分130bと外周接触部分110bとの間に限定された空間内で、外周接触部分110bから下向きにテーパが付いている。それぞれの補助接続部分140bの末端144bは、上向きに、すなわち対応する補助接続部分の下向きテーパ方向と反対の方向に曲げられている。従って、接続部材100bを下側バッテリーセル(図には示していない)のアノード端子に取り付けた時、補助接続部分140bは、接続部材100bの下に位置するバッテリーセルの電極端子に、弾性的に圧迫された状態で接続される。
【0171】
図15は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材を例示する典型的な平面図であり、図16は、図15の線E-Eに沿って見た垂直断面図と部分Fの拡大図である。
【0172】
これらの図に関して、接続部材100cは、2個の端子接続ユニットAc及びBcが互いに接続されている2P構造に構築された単一金属板である。端子接続ユニットのそれぞれは、皿形状ディスク構造に構築されている。端子接続ユニットのそれぞれは、同心円状構造を形成する、外周接触部分110cと中央接触部分160cとを包含する。
【0173】
外周接触部分110cは、外周接触部分110cがその外周部でバッテリーセル端子に接触するように、バッテリーセル端子(図には示していない)の円形外側に対応する。
【0174】
中央接触部分160cは、弾性力を与えるために各端子接続ユニットの中央軸に向かって伸びる予め決められた傾斜でテーパが付いている圧迫部分130c、及び圧迫部分130cの中央部分に形成された凹んだ部分140cを包含する。接続部材100cの各側方延長部分152cには、外部回路に接続するための回路接続端子部分150cが配置されている。
【0175】
バッテリーセルは、予め決められた傾斜を有する中央接触部分160cに接続される。中央接触部分160cの圧迫部分130cには、各端子接続ユニットの中央軸を中心にして渦巻形状に配置されたカット-オフ部分132cが形成されている。従って、中央接触部分160cの弾性力を所望の程度に制御することができる。
【0176】
図17及び18は、本発明の別の実施態様による連結開口部を有する電極端子をそれぞれ例示する透視図である。
【0177】
これらの図に関して、本発明のバッテリーセルの電極端子100d、101dは、その突出部の周方向に形成されたガス排出口120dを有する。電極端子100d、101dは、その中央区域に連結開口部110d、111dを備えており、それらの開口部の中に電気的接続部材が機械的連結様式で連結される。しかし、連結開口部110d、111dがガス排出口としても機能する場合、ガス排出口120dをさらに形成する必要は無い。
【0178】
連結開口部110dは、例えば十字形状に近い構造(電極端子100dの構造参照)に形成し、連結開口部111dを、例えば2個の円弧状スリットが対称的様式で配置される(電極端子101dの構造参照)構造に形成する。従って、電気的接続部材及びその連結部分は、電極端子の連結開口部110d、111dの構造または形状に応じて様々な構造に形成することができる。
【0179】
具体的には、十字形状連結開口部110dの長い側部の形状に対応する形状に形成された連結部分を電極端子の連結開口部110sの中に挿入し、次いで90度回転させることにより、電気的接続部材と電極端子100dとの間の弾性的連結が達成される。
【0180】
他方、連結部分が垂直断面形状で「└」に近い形状に構築されるように、スリットの縦方向で水平に曲げた連結部分を、2個の円弧状スリットが対称的様式で配置されている構造に構築された連結開口部111dの中に挿入し、次いで、連結部分が曲げられている方向で回転させることにより、電気的接続部材と電極端子との間の弾性的連結が達成される。
【0181】
図19及び20は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材をそれぞれ例示する透視図である。
【0182】
先ず図19に関して、本発明の接続部材100eは、2個の端子接続ユニットAe及びBeが互いに接続され、外部回路に接続するための回路接続端子部分150eが接続部材100eに含まれる構造に構築されている。
【0183】
端子接続ユニットAe及びBeのそれぞれは、予め決められた幅を有し、下側バッテリーセル(図には示していない)の電極端子に電気的に接続される外周接触部分110eと、外周接触部分110eから各端子接続ユニットの中央軸120aに向かって上向きにテーパが付いている上向きに突き出た部分120eの上に形成された連結部分130eと、及び外周接触部分110eの内側から上向き及び下向きにテーパがそれぞれ付いている補助接続部分140e及び142eとを包含する。
【0184】
下側バッテリーセルの電極端子と接触する外周接触部分110eの幅は、各端子接続ユニットの半径の約10%である。外周接触部分110eは、下側バッテリーセルの電極端子の外側に対応する同心円形状に形成されている。
【0185】
連結部分130eは、各連結部分130eの末端が外向きに曲げられる構造に構築されている。従って、連結部分130eを図17に示すような電極端子100dの連結開口部110dの中に挿入し、次いで回転させると、接続部材と電極端子との間に電気的接続が達成され、接続部材と電極端子との間の連結が確実に維持される。
【0186】
また、4個の補助接続部分140eは、外周接触部分110eから予め決められた高さだけ上向きに傾斜しており、他の4個の補助接続部分142eは、外周接触部分110eから予め決められた深さだけ下向きにテーパが付いている。各補助接続部分140eの末端は下方向に、すなわち対応する補助接続部分の上向きテーパ方向と反対の方向に曲げられており、各補助接続部分142eの末端は上方向に、すなわち対応する補助接続部分の下向きテーパ方向と反対の方向に曲げられている。従って、接続部材100eを下側バッテリーセル(図には示していない)のカソードまたはアノード端子に取り付けると、補助接続部分140e及び142eが、下側バッテリーセルまたは上側バッテリーセルの電極端子に、弾性的に圧迫された状態で、接続される。
【0187】
補助接続部分140e及び142eは、幾分低い弾性率を示すが、4個の補助接続部分140e及び4個の補助接続部分142eは、下側バッテリーセルの電極端子に独立して接続される。従って、補助接続部分140e及び142eは、外部のファクター、例えば振動、によるバッテリーセルの瞬間的短絡の発生を阻止し、それによって、バッテリーセル間の電気的接続を連続的に維持する。
【0188】
図20の接続部材101eは、図20の接続部材101eが単一の端子接続ユニットを包含する以外は、図19の接続部材と同じ構造にある。すなわち図20の接続部材101eの端子接続ユニットは、外周接触部分110e、上向きに突き出た部分120e、突き出た連結部分130e及び132e、及び補助接続部分140e及び142e、及び回路接続端子部分150eを包含し、これらの全てが図19の部品と同一である。従って、同じ構成部品の詳細な説明は行わない。
【0189】
図21は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材を典型的に例示する平面図であり、図22は、図21に示す接続部材の典型的な断面図である。
【0190】
これらの図に関して、接続部材100fは、互いに接続された2個の端子接続ユニットAfとBf、及び外部回路に接続するための回路接続端子部分が位置する側方延長部分150fを包含する。ここで、外部回路接続端子部分は、電源用の入力及び出力端子、電圧検出用の検出端子、またはそれらの組合せでよい。
【0191】
各端子接続ユニットは、外周接触部分110fと、該外周接触部分110fは、バッテリーセルの電極端子の外側形状に対応し、下側バッテリーセル(図には示していない)の電極端子と、接続部材の外周部に隣接する区域で接触する形状に形成され、外周接触部分110fは、予め決められた幅を有し、上向きに突き出た部分120fと、該上向きに突き出た部分120fは、外周接触部分110fから各端子接続ユニットの中央軸に向かって、上向きにテーパが付くように伸び、及び接続部材100fの上に位置するバッテリーセル(図には示していない)の電極端子と接触する中央接触部分130fとを包含する。
【0192】
上向きに突き出た部分120f及び中央接触部分130fには、ブリッジ構造に構築されたカット-アウト部分140fが形成され、そのカット-アウト部分140fが、上向きに突き出た部分120fから中央接触部分130fに伸び、続いてその中央接触部分130fから上向きに突き出た部分120fに伸びている。
【0193】
中央接触部分130fは、上側バッテリーセル(図には示していない)の電極端子の表面積Wの約60%に等しいサイズの接触界面wを有する。
【0194】
一方、外周接触部分110f及び中央接触部分130fは、下側バッテリーセルのアノード端子(図には示していない)及び上側バッテリーセルのカソード端子(図には示していない)とそれぞれ物理的接触様式で接触する。
【0195】
各カット-アウト部分140fは、カット-アウト開始点141f及びカット-アウト終点143fが、各カット-アウト部分140fが接続部材100fの中央軸131fには到達しないという条件下で、約90度の角度を形成する構造に構築されている。また、カット-アウト部分140fは、対称的構造に放射状に配置され、その際、4個のカット-アウト部分140fが接続部材100fの中央軸131fを中心にして対称的に配置される。さらに、接続部材100fの中央軸131fと、接続部材100fの、接続部材100fが接続部材100fの中央軸131fに最も近接する区域との間の間隔d1は、中央接触部分130fの幅d2の約20%である。
【0196】
また、それぞれのカット-アウト部分140fは、接続部材の厚さTの約130%に等しい幅d3で切り取る。さらに、それぞれのカット-アウト部分140fは、上向きに突き出た部分120fの最上部121fを通過する。
【0197】
カット-アウト部分140fを設けることにより、上向きに突き出た部分120fは、適切なたわみ性ならびに弾性を示すことができる。従って、外部のファクター、例えば振動、によるバッテリーセルの瞬間的短絡の発生を阻止し、それによって、バッテリーセル間の電気的接続を連続的に維持することができる。
【0198】
図23は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材を典型的に例示する平面図であり、図24は、図23に示す接続部材の典型的な断面図であり、図25は、図23に示す接続部材の透視図である。
【0199】
これらの図に関して、接続部材100gは、互いに接続された2個の端子接続ユニットAgとBg、及び外部回路に接続するための回路接続端子部分が位置する側方延長部分150gを包含する。
【0200】
各端子接続ユニットは、下側バッテリーセル(図には示していない)の電極端子に接続される外周接触部分110gと、外周接触部分110gから各端子接続ユニットの中央軸に向かって上向きにテーパが付くように伸びる上向きに突き出た部分120gと、及び接続部材100gの上に位置するバッテリーセル(図には示していない)の電極端子と接触する中央接触部分130gとを包含する。上向きに突き出た部分120g及び中央接触部分130gには、スリット構造に構築されたカット-アウト部分140gが形成され、その際、カット-アウト部分440は、上向きに突き出た部分120gから中央接触部分130gに伸び、さらに中央接触部分130gから上向きに突き出た部分120gに伸びる。
【0201】
図26は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材を典型的に例示する平面図であり、図27は、図26に示す接続部材の典型的な断面図である。
【0202】
これらの図に関して、接続部材100hは、互いに接続された2個の端子接続ユニットAhとBh、及び外部回路に接続するための回路接続端子部分が位置する側方延長部分150hを包含する。
【0203】
各端子接続ユニットは、下側バッテリーセル(図には示していない)の電極端子に接続される外周接触部分110hと、外周接触部分110hから各端子接続ユニットの中央軸に向かって上向きにテーパが付くように伸びる上向きに突き出た部分120hと、及び接続部材100hの上に位置するバッテリーセル(図には示していない)の電極端子と接触する中央接触部分130hとを包含する。
【0204】
上向きに突き出た部分120h及び中央接触部分130hには、スリット構造に構築されたカット-アウト部分140hが形成され、その際、各カット-アウト部分140hは、上向きに突き出た部分120hのカット-アウト開始点141hから中央接触部分130hに伸び、さらに中央接触部分130hから上向きに突き出た部分120hのカット-アウト終点142c及び143hに伸びる。
【0205】
カット-アウト部分140hを設けることにより、上向きに突き出た部分120hの弾性を所望の程度に制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0206】
上記の説明から明らかなように、本発明の二次バッテリー用接続部材は、バッテリーセルの電極端子間を電気的に接続するための溶接またははんだ付け工程を必要としない。従って、溶接の際に引き起こされることがあるバッテリーセルの短絡発生を阻止し、不良品製造率を大きく下げることができる。また、二次バッテリーセルの電極端子間の安定した連結構造により、接続区域における抵抗の変動を最少に抑え、製造効率を大きく改良することができる。さらに、外部力、例えば落下または振動、がバッテリーパックに加えられても、バッテリーセルを外部力から保護することができる。さらに、バッテリーパックが、溶接を使用せずに電気的接続構造に構築されているにも関わらず、バッテリーパックのサイズ増加を引き起こさずに、長期間使用しても、バッテリーパックの安定した接続を維持することができる。
【0207】
本発明の好ましい態様
本願発明にあっては、以下の態様が提案される。
〔1〕2個以上の円筒形二次バッテリーを包含するバッテリーパック中で電気的接続を物理的接触様式で達成する、二次バッテリー用部材(接続部材)であって、
外周接触部分と、及び、中央接触部分を備えてなるものであり、
前記外周接触部分が、前記接続部材の下に位置するバッテリーセル(下側バッテリーセル)の電極端子に、前記下側バッテリーセルの前記電極端子の外周区域に沿って接触し、前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に表面接触様式で電気的に接続してなり、前記接触区域における外部力に対する抵抗変化を最小に抑えてなり、かつ、前記下側バッテリーセルの前記電極端子が凹む可能性を抑制することができるものであり、
前記中央接触部分が、前記接続部材の上に位置するバッテリーセル(上側バッテリーセル)の電極端子又は前記バッテリーパックの側壁の中央区域と接触し、それぞれのバッテリーセルの前記電極端子間に、又は前記バッテリーセルの前記電極端子と前記バッテリーパックの前記側壁との間に、取り付けられた前記接続部材全体に弾性接触力を付与してなる、接続部材。
〔2〕前記接続部材が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に物理的接触様式で接続され、前記上側バッテリーセルの前記電極端子に機械的連結様式で接続されてなる、〔1〕に記載の接続部材。
〔3〕前記接続部材が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に物理的接触様式で接続され、前記バッテリーパックの前記側壁により支持されてなる、〔1〕に記載の接続部材。
〔4〕前記下側バッテリーセルの前記電極端子がアノードであり、かつ、
前記上側バッテリーセルの前記電極端子がカソードである、〔1〕に記載の接続部材。
〔5〕前記外周接触部分が、一般的に前記下側バッテリーセルの前記電極端子の外周形状に対応する形状に形成されてなり、かつ
前記外周接触部分が、前記上側バッテリーセルの前記電極端子の表面積の10%〜70%に等しいサイズの接触界面を有してなる、〔1〕に記載の接続部材。
〔6〕前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの上側末端側部を覆い、前記接続部材と前記下側バッテリーセルの前記電極端子との間の連結を確実に維持するための一個以上の下方延長部を包含するものである、〔1〕に記載の接続部材。
〔7〕前記中央接触部分が、前記外周接触部分に対して弾性的に上向きに突き出ている、〔1〕に記載の接続部材。
〔8〕前記中央接触部分が前記上側バッテリーセルのカソード端子に接続されてなり、かつ、前記中央接触部分が前記上側バッテリーセルの前記カソード端子に形成されたガス排出口または連結開口部に変形できるように連結された連結部分を包含してなる、〔7〕に記載の接続部材。
〔9〕前記中央接触部分が、上向きに突き出た、開口部を有するブリッジ構造に構築されてなるものである、〔1〕に記載の接続部材。
〔10〕前記開口部が、前記上側バッテリーセルの前記電極端子、前記下側バッテリーセルの前記電極端子、または前記上側及び下側バッテリーセルの前記電極端子、に弾性的に圧迫された状態で接続された一個以上の補助接続部分を包含してなる、〔9〕に記載の接続部材。
〔11〕前記補助接続部分が、前記外周接触部分の内側から下向き又は上向きにテーパーが付いている、〔10〕に記載の接続部材。
〔12〕前記接続部材が、縦方向で互いに直列に配置された前記バッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、
前記端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、(b)上向きに突き出た部分と、及び(c)突き出た連結部分とを備えてなるものであり、
前記(a)外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子の外部形状に対応するように形成され、前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に、前記電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、前記外周接触部分が、予め決められた幅を有してなるものであり、
前記(b)上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分から前記端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付いており、前記下側バッテリーセルを弾性的に支持してなるものであり、
前記(c)突き出た連結部分が、それぞれの上向きに突き出た部分にブリッジ構造で接続され、前記突き出た連結部分が、前記突き出た連結部分が前記上側バッテリーセルの予め決められた区域に弾性的に連結できるように突き出ている、〔1〕に記載の接続部材。
〔13〕前記端子接続ユニットが、前記外周接触部分の内側から下向きまたは上向きにテーパが付いている複数の補助接続部分をさらに含んでなる、〔12〕に記載の接続部材。
〔14〕前記上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分の上側の内側及び下側の内側から伸びてなる、〔12〕に記載の接続部材。
〔15〕前記突き出た連結部分が、左側及び右側にそれぞれ、前記外周接触部分と前記上向きに突き出た部分との間の接続区域に対して直角に形成されてなる、〔12〕に記載の接続部材。
〔16〕前記突き出た連結部分が、前記端子接続ユニットの前記中央軸に向かって弾性に押し下げられてなる、〔12〕に記載の接続部材。
〔17〕前記接続部材が、横方向に配置された2個以上のバッテリーセルを物理的接触様式で電気的に接続するための端子接続ユニットを備えてなり、
前記端子接続ユニットのそれぞれが、(a)外周接触部分と、及び(b)上向きに突き出た部分とを備えてなり、
前記(a)外周接触部分が、前記対応するバッテリーセルの前記電極端子の外部形状に対応するように形成され、前記外周接触部分が、前記対応するバッテリーセルの前記電極端子に、前記電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、前記外周接触部分が、予め決められた幅を有してなるものであり、
前記(b)上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分から各端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付与されてなり、前記対応するバッテリーセルを弾性的に支持し、前記端子接続ユニットが、前記横方向で配置された前記バッテリーセルの数に対応して、互いに電気的に接続されてなる、〔1〕に記載の接続部材。
〔18〕前記接続部材が、横方向に配置された2個以上のバッテリーセルを物理的接触様式で電気的に接続するための端子接続ユニットを備えてなり、
前記端子接続ユニットのそれぞれが、(a)外周接触部分と、(b)上向きに突き出た部分と、(c)圧迫部分と、及び(d)凹んだ部分とを備えてなり、
前記(a)外周接触部分が、前記対応するバッテリーセルの前記電極端子の外部形状に対応するように形成され、前記外周接触部分が、前記対応するバッテリーセルの前記電極端子に、前記電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、前記外周接触部分が、予め決められた幅を有してなるものであり、
前記(b)上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分から前記端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付与されてなり、前記対応するバッテリーセルを弾性的に支持してなるものであり、
前記(c)圧迫部分が、前記上向きに突き出た部分から、各端子接続ユニットの前記中央軸に向けて予め決められた高さに突き出ており、前記バッテリーセルと前記接続部材との間の物理的接触を達成してなるものであり、
前記(d)凹んだ部分が、各端子接続ユニットの前記中央軸上に、前記上向きに突き出た部分の高さと前記圧迫部分の高さの合計より小さい深さだけ凹んだ形状で形成され、前記端子接続ユニットが、前記横方向で配置された前記バッテリーセルの数に対応して、互いに電気的に接続されてなる、〔1〕に記載の接続部材。
〔19〕前記上向きに突き出た部分が、各端子接続ユニットの前記中央軸に向けて形成された2個以上の、予め決められた幅を有する、弾性力を制御するためのカット-オフ部分を備えてなる、〔18〕に記載の接続部材。
〔20〕前記カット-オフ部分が、渦巻形状に配置され、たわみ性の弾性力を効果的に与える、〔19〕に記載の接続部材。
〔21〕前記接続部材が、縦方向で互いに直列に配置されたバッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、
前記端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、(b)上向きに突き出た部分と、及び (c)突き出た連結部分とを備えてなり、
前記(a)外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子の外部形状に対応するように形成され、前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に、前記電極端子の前記外周部に隣接する区域で接触し、前記外周接触部分が、予め決められた幅を有し、
前記(b)上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分から前記端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付与されてなり、前記下側バッテリーセルを弾性的に支持してなり、
前記(c)突き出た連結部分が、前記上側バッテリーセルの前記電極端子に連結できるように、予め決められた高さに突き出てなるものである、〔1〕に記載の接続部材。
〔22〕前記端子接続ユニットが、前記端子接続ユニットの前記中央軸上に配置された凹んだ接触部分をさらに備えてなり、前記凹んだ接触部分が、突き出た連結部分から予め決められた深さに凹み、前記凹んだ接触部分が、前記上側バッテリーセルの前記電極端子に接触する、〔21〕に記載の接続部材。
〔23〕前記突き出た連結部分が、2個以上の、前記上向きに突き出た部分と前記凹んだ接触部分とを接続するブリッジが対称的様式で配置される構造に構築されてなる、〔21〕に記載の接続部材。
〔24〕前記接続部材が、縦方向で互いに直列に配置されたバッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、連結開口部が、前記バッテリーセルの少なくとも一個の電極端子に形成されており、
前記端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、 (b)上向きに突き出た部分と、及び(c)連結部分とを備えてなるものであり、
前記(a)外周接触部分が、下側バッテリーセルの電極端子の外部形状に対応するように形成され、前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に、前記電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、前記外周接触部分が、予め決められた幅を有してなるものであり、
前記(b)上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分から前記端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付与されてなり、前記下側バッテリーセルを弾性的に支持してなるものであり、
前記(c)連結部分が、それぞれの上向きに突き出た部分上に、前記連結部分が、前記バッテリーセルの少なくとも一個の電極端子に形成された前記連結開口部の中に弾性的に連結できるように形成されてなる、〔1〕に記載の接続部材。
〔25〕前記端子接続ユニットが、前記外周接触部分の内側から下向き及び/または上向きにテーパが付与されてなる、複数の補助接続部分をさらに備えてなる、〔24〕に記載の接続部材。
〔26〕前記連結部分が、前記連結部分の末端が上向きに突き出るように曲げられている、〔24〕に記載の接続部材。
〔27〕前記接続部材が、縦方向で互いに直列に配置された前記バッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、
前記端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、(b)上向きに突き出た部分と、及び(c)中央接触部分とを備えてなり、
前記(a)外周接触部分が、前記接続部材の下に位置するバッテリーセル(下側バッテリーセル)の電極端子の外部形状に対応するように形成され、前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に、前記電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、前記外周接触部分が、予め決められた幅を有してなるものであり、
前記(b)上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分から前記端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付与されてなり、前記下側バッテリーセルを弾性的に支持してなるものであり、
前記(c)中央接触部分が、前記接続部材の上に位置するバッテリーセル(上側バッテリーセル)の電極端子と接触してなるものであり、
前記端子接続ユニットが、前記上向きに突き出た部分及び前記中央接触部分にカット-アウト部分が形成される構造に構築されてなり、前記カット-アウト部分が、前記上向きに突き出た部分から前記中央接触部分に伸びてなり、かつ、続いて前記中央接触部分から前記上向きに突き出た部分に伸びてなり、前記バッテリーセルの前記電極端子に対する弾性的に支持する力を増加してなるものである、〔1〕に記載の接続部材。
〔28〕前記カット-アウト部分のそれぞれが、前記カット-アウト部分のそれぞれが前記接続部材の前記中央軸に達しない条件下で、カット-アウト開始点及びカット-アウト終点が20〜160度の角度を形成する構造に構築されてなる、〔27〕に記載の接続部材。
〔29〕2個以上の端子接続ユニットが互いに接続され、縦方向に配置された前記バッテリーセル間に直列接続及び横方向に配置された前記バッテリーセル間に並列接続を同時に達成してなる、〔12〕、21〕、〔24〕、及び〔27〕のいずれか一項に記載の接続部材。
〔30〕前記外周接触部分が、その外周部に、前記下側バッテリーセルの前記上側末端側部を部分的に覆う構造に構築された、一個以上の下方延長部をさらに備えてなる、〔12〕、〔17〕、〔18〕、〔21〕、〔24〕、及び〔27〕のいずれか一項に記載の接続部材。
〔31〕前記端子接続ユニットが、その片側に回路接続端子部分を備えている、〔12〕、〔17〕、〔18〕、〔21〕、〔24〕、及び〔27〕のいずれか一項に記載の接続部材。
〔32〕〔1〕に記載の二次バッテリー用接続部材をバッテリーセルの電極端子間に取り付け、前記バッテリーセル間に電気的接続を達成する構造に構築されたバッテリーパック。
〔33〕〔32〕に記載のバッテリーパックを電源として包含する、ラップトップコンピュータ。
本発明の好ましい実施態様を例示のために開示したが、当業者には明らかなように、請求項に記載する本発明の範囲及び精神から離れることなく、様々な修正、追加、及び置き換えが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】図1は、従来の接続部材、例えば金属板、により互いに電気的に接続したバッテリー間の連結を例示する分解組立透視図である。
【図2】図2は、保護回路モジュールが図1のコアパックに接続されているバッテリーモジュールを例示する典型的な図である。
【図3】図3は、図2のバッテリーモジュールがパックケース中に取り付けられている構造に構築されたバッテリーパックを例示するX線蛍光透視鏡写真である。
【図4】図4は、図3のバッテリーパック及び本発明の好ましい実施態様による接続部材を使用して構築したバッテリーパックの、バッテリーパックを落下させた後の変化をそれぞれ例示するX線蛍光透視鏡写真である。
【図5】図5は、図3のバッテリーパック及び本発明の好ましい実施態様による接続部材を使用して構築したバッテリーパックの、バッテリーパックを落下させた後の変化をそれぞれ例示するX線蛍光透視鏡写真である。
【図6】図6は、本発明の好ましい実施態様によるバッテリーパックの組立方法を典型的に例示する透視図である。
【図7】図7は、本発明の好ましい実施態様によるバッテリーパックの組立方法を典型的に例示する透視図である。
【図8】図8は、図6で使用する接続部材を例示する拡大透視図である。
【図9】図9は、図6で使用する接続部材の典型的な平面図である。
【図10】図10は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材を例示する透視図である。
【図11】図11は、図10に示す接続部材の垂直断面図である。
【図12】図12は、変形した接続部材を例示する透視図である。
【図13】図13は、図6で使用する接続部材の一例を例示する拡大透視図である。
【図14】図14は、図6で使用する接続部材の例の典型的な平面図である。
【図15】図15は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材を例示する典型的な平面図である。
【図16】図16は、図15の線E-Eに沿って見た垂直断面図と部分Fの拡大図である。
【図17】図17は、本発明の別の実施態様による連結開口部を有する電極端子をそれぞれ例示する透視図である。
【図18】図18は、本発明の別の実施態様による連結開口部を有する電極端子をそれぞれ例示する透視図である。
【図19】図19は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材をそれぞれ例示する透視図である。
【図20】図20は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材をそれぞれ例示する透視図である。
【図21】図21は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材を典型的に例示する平面図である。
【図22】図22は、図21に示す接続部材の典型的な断面図である。
【図23】図23は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材を典型的に例示する平面図である。
【図24】図24は、図23に示す接続部材の典型的な断面図である。
【図25】図25は、図23に示す接続部材の透視図である。
【図26】図26は、本発明の別の好ましい実施態様による接続部材を典型的に例示する平面図である。
【図27】図27は、図26に示す接続部材の典型的な断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個以上の円筒形二次バッテリーを包含するバッテリーパック中で電気的接続を物理的接触様式で達成する、二次バッテリー用部材(接続部材)であって、
外周接触部分と、及び、中央接触部分を備えてなるものであり、
前記外周接触部分が、前記接続部材の下に位置するバッテリーセル(下側バッテリーセル)の電極端子(カソード)に、前記下側バッテリーセルの前記電極端子(アノード)の外周区域に沿って接触し、前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に表面接触様式で電気的に接続してなり、前記接触区域における外部力に対する抵抗変化を最小に抑えてなり、かつ、前記下側バッテリーセルの前記電極端子が凹む可能性を抑制することができるものであり、
前記中央接触部分が、前記接続部材の上に位置するバッテリーセル(上側バッテリーセル)の電極端子又は前記バッテリーパックの側壁の中央区域と接触し、それぞれのバッテリーセルの前記電極端子間に、又は前記バッテリーセルの前記電極端子と前記バッテリーパックの前記側壁との間に、取り付けられた前記接続部材全体に弾性接触力を付与してなり、
前記接続部材が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に物理的接触様式で接続され、前記バッテリーパックの前記側壁により支持されてなる、接続部材。
【請求項2】
前記下側バッテリーセルの前記電極端子がアノードである、請求項1に記載の接続部材。
【請求項3】
前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子の外周形状に対応する形状に形成されてなる、請求項1に記載の接続部材。
【請求項4】
前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの上側末端側部を覆い、前記接続部材と前記下側バッテリーセルの前記電極端子との間の連結を確実に維持するための一個以上の下方延長部を包含するものである、請求項1に記載の接続部材。
【請求項5】
前記中央接触部分が、前記外周接触部分に対して上向きに突き出ている、請求項1に記載の接続部材。
【請求項6】
前記接続部材が、横方向に配置された2個以上のバッテリーセルを物理的接触様式で電気的に接続するための端子接続ユニットを備えてなり、
前記端子接続ユニットのそれぞれが、(a)外周接触部分と、(b)上向きに突き出た部分と、(c)圧迫部分と、及び(d)凹んだ部分とを備えてなり、
前記(a)外周接触部分が、前記対応するバッテリーセルの前記電極端子の外部形状に対応するように形成され、前記外周接触部分が、前記対応するバッテリーセルの前記電極端子に、前記電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、前記外周接触部分が、予め決められた幅を有してなるものであり、
前記(b)上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分から前記端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付与されてなり、前記対応するバッテリーセルを弾性的に支持してなるものであり、
前記(c)圧迫部分が、前記上向きに突き出た部分から、各端子接続ユニットの前記中央軸に向けて予め決められた高さに突き出ており、前記バッテリーセルと前記接続部材との間の物理的接触を達成してなるものであり、
前記(d)凹んだ部分が、各端子接続ユニットの前記中央軸上に、前記上向きに突き出た部分の高さと前記圧迫部分の高さの合計より小さい深さだけ凹んだ形状で形成され、前記端子接続ユニットが、前記横方向で配置された前記バッテリーセルの数に対応して、互いに電気的に接続されてなる、請求項1に記載の接続部材。
【請求項7】
前記上向きに突き出た部分が、各端子接続ユニットの前記中央軸に向けて形成された2個以上の、予め決められた幅を有する、弾性力を制御するためのカット-オフ部分を備えてなる、請求項6に記載の接続部材。
【請求項8】
前記カット-オフ部分が、渦巻形状に配置され、たわみ性の弾性力を効果的に与える、請求項7に記載の接続部材。
【請求項9】
前記接続部材が、縦方向で互いに直列に配置されたバッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、
前記端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、(b)上向きに突き出た部分と、及び (c)突き出た連結部分とを備えてなり、
前記(a)外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子の外部形状に対応するように形成され、前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に、前記電極端子の前記外周部に隣接する区域で接触し、前記外周接触部分が、予め決められた幅を有し、
前記(b)上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分から前記端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付与されてなり、前記下側バッテリーセルを弾性的に支持してなり、
前記(c)突き出た連結部分が、前記上側バッテリーセルの前記電極端子に連結できるように、予め決められた高さに突き出てなるものである、請求項1に記載の接続部材。
【請求項10】
前記端子接続ユニットが、前記端子接続ユニットの前記中央軸上に配置された凹んだ接触部分をさらに備えてなり、前記凹んだ接触部分が、突き出た連結部分から予め決められた深さに凹み、前記凹んだ接触部分が、前記上側バッテリーセルの前記電極端子に接触する、請求項9に記載の接続部材。
【請求項11】
前記突き出た連結部分が、2個以上の、前記上向きに突き出た部分と前記凹んだ接触部分とを接続するブリッジが対称的様式で配置される構造に構築されてなる、請求項9に記載の接続部材。
【請求項12】
前記接続部材が、縦方向で互いに直列に配置されたバッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、連結開口部が、前記バッテリーセルの少なくとも一個の電極端子に形成されており、
前記端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、 (b)上向きに突き出た部分と、及び(c)連結部分とを備えてなるものであり、
前記(a)外周接触部分が、下側バッテリーセルの電極端子の外部形状に対応するように形成され、前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に、前記電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、前記外周接触部分が、予め決められた幅を有してなるものであり、
前記(b)上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分から前記端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付与されてなり、前記下側バッテリーセルを弾性的に支持してなるものであり、
前記(c)連結部分が、それぞれの上向きに突き出た部分上に、前記連結部分が、前記バッテリーセルの少なくとも一個の電極端子に形成された前記連結開口部の中に弾性的に連結できるように形成されてなる、請求項1に記載の接続部材。
【請求項13】
前記端子接続ユニットが、前記外周接触部分の内側から下向き及び/または上向きにテーパが付与されてなる、複数の補助接続部分をさらに備えてなる、請求項12に記載の接続部材。
【請求項14】
前記連結部分が、前記連結部分の末端が上向きに突き出るように曲げられている、請求項12に記載の接続部材。
【請求項15】
前記接続部材が、縦方向で互いに直列に配置された前記バッテリーセルを接続するための端子接続ユニットを備えてなり、
前記端子接続ユニットが、(a)外周接触部分と、(b)上向きに突き出た部分と、及び(c)中央接触部分とを備えてなり、
前記(a)外周接触部分が、前記接続部材の下に位置するバッテリーセル(下側バッテリーセル)の電極端子の外部形状に対応するように形成され、前記外周接触部分が、前記下側バッテリーセルの前記電極端子に、前記電極端子の外周部に隣接する区域で接触し、前記外周接触部分が、予め決められた幅を有してなるものであり、
前記(b)上向きに突き出た部分が、前記外周接触部分から前記端子接続ユニットの中央軸に向けて上向きにテーパが付与されてなり、前記下側バッテリーセルを弾性的に支持してなるものであり、
前記(c)中央接触部分が、前記接続部材の上に位置するバッテリーセルの電極端子と接触してなるものであり、
前記端子接続ユニットが、前記上向きに突き出た部分及び前記中央接触部分にカット-アウト部分が形成される構造に構築されてなり、前記カット-アウト部分が、前記上向きに突き出た部分から前記中央接触部分に伸びてなり、かつ、続いて前記中央接触部分から前記上向きに突き出た部分に伸びてなり、前記バッテリーセルの前記電極端子に対する弾性的に支持する力を増加してなるものである、請求項1に記載の接続部材。
【請求項16】
前記カット-アウト部分のそれぞれが、前記カット-アウト部分のそれぞれが前記接続部材の前記中央軸に達しない条件下で、カット-アウト開始点及びカット-アウト終点が20〜160度の角度を形成する構造に構築されてなる、請求項15に記載の接続部材。
【請求項17】
2個以上の端子接続ユニットが互いに接続され、縦方向に配置された前記バッテリーセル間に直列接続及び横方向に配置された前記バッテリーセル間に並列接続を同時に達成してなる、請求項9、12、及び15のいずれか一項に記載の接続部材。
【請求項18】
前記外周接触部分が、その外周部に、前記下側バッテリーセルの前記上側末端側部を部分的に覆う構造に構築された、一個以上の下方延長部をさらに備えてなる、請求項6、9、12、及び15のいずれか一項に記載の接続部材。
【請求項19】
前記端子接続ユニットが、その片側に回路接続端子部分を備えている、請求項6、9、12、及び15のいずれか一項に記載の接続部材。
【請求項20】
請求項1に記載の二次バッテリー用接続部材をバッテリーセルの電極端子間に取り付け、前記バッテリーセル間に電気的接続を達成する構造に構築されたバッテリーパック。
【請求項21】
請求項20に記載のバッテリーパックを電源として包含する、ラップトップコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−41849(P2013−41849A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236545(P2012−236545)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2010−516923(P2010−516923)の分割
【原出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】