説明

二次監視レーダ

【課題】オールコール期間にモードS応答の多重検出が発生した場合に信号の適否を判定して航空機の捕捉に有効に利用する。
【解決手段】候補機リストを記憶する候補機リスト記憶部135hと、受信手段がオールコール期間に受信した応答信号が含む航空機のモードSアドレスが、候補機リストに含まれる候補機のモードSアドレスと一致するか否かを判定するアドレス判定手段135cと、アドレス判定手段で応答信号が含む航空機のモードSアドレスと候補機のモードSアドレスとが一致すると判定されると、応答信号の受信タイミングが、候補機リストで候補機のモードSアドレスと関連付けられる相関範囲に含まれるか否かを判定する相関判定手段135dと、相関判定手段で応答信号の受信タイミングが相関範囲に含まれると判定されると、航空機のモードSアドレスを追加してロールコール捕捉対象リストを更新する更新手段135fとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、航空機の飛行の監視に利用する二次監視レーダに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の飛行の監視には、モードS二次監視レーダ(SSRモードS:Secondary Surveillance Radar Mode S)等のレーダ装置が利用される。図5に示すように、モードS二次監視レーダ1aは、航空機2に搭載されているトランスポンダ20に質問信号を送信し、トランスポンダ20から送信される応答信号を受信し、解析して航空機を監視する。
【0003】
トランスポンダには、処理や送受信する信号が異なるモードSトランスポンダとATCRBSトランスポンダとがある。したがって、モードS二次監視レーダ1aは、オールコール期間とロールコール期間とを設定し、各トランスポンダを備える航空機を監視する。具体的には、オールコール期間には、モードSトランスポンダを搭載する航空機に対するモードS一括質問とATCRBSトランスポンダを備える航空機に対するATCRBS一括質問とを送信し、各質問に対する応答を受信する。また、モードS二次監視レーダ1aは、ロールコール期間には、オールコール期間で捕捉したモードSトランスポンダを搭載する航空機にモードS個別質問を送信し、この質問に対する応答を受信する。
【0004】
例えば、モードS二次監視レーダ1aでは、図6に示すように、信号を反射する反射物が存在するとき、同一スキャンのオールコール期間に同一のモードSアドレスを含む応答を複数受信することがある。また、オールコール期間に、ロールコール期間で捕捉している航空機のモードSアドレスを含む応答を受信することもある。このような多重検出が発生した場合、モードS二次監視レーダ1aでは、その原因に関わらず、無条件で多重検出したモードSアドレスの航空機をロールコールへ移行することはない。また、ロールコール期間の捕捉対象の航空機と同一のモードSアドレスを含む応答を受信した場合にも、ロールコールを継続している航空機のロールコール期間での捕捉対象から外す。
【0005】
したがって、図6に示すように、実在の航空機2から送信された応答R1と反射信号である応答R2とを受信する場合のように実在する航空機からの応答であっても、多重検出が発生した場合にはロールコール期間での捕捉が実施されず、オールコール期間で捕捉しなければならない。
【0006】
しかしながら、オールコール期間には処理可能な機体数に制限があるため、多重検出が原因でオールコール期間にモードSトランスポンダを搭載する航空機を捕捉することとなった場合、オールコール期間にて捕捉を継続しているATCRBSトランスポンダを搭載する航空機の検出率や新規航空機の検出率を低減させるおそれがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Michael C. Stevens “Secondary Surveillance Radar” 1998, ISBN 0-89006-292-7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、多重検出が原因でモードSトランスポンダを搭載する航空機をオールコール期間で捕捉することとなった場合、ATCRBSトランスポンダを搭載する航空機や新規航空機の検出率が低下するおそれがあった。
【0009】
従って実施形態によれば、モードS応答の多重検出を原因とする他の航空機の検出率の低下を防止する二次監視レーダを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の二次監視レーダは、監視空域を飛行する航空機にオールコール期間には一括して質問信号を送信し、ロールコール期間にはロールコール捕捉対象リストで捕捉対象として登録されている航空機に個別に質問信号を送信する送信手段と、前記質問信号に応答して航空機から送信された応答信号を受信する受信手段とを備え、受信した応答信号を利用して航空機の飛行を監視する二次監視レーダであって、ロールコール期間の捕捉対象の候補である候補機のモードSアドレスと当該候補機が次のスキャンで応答信号を受信する可能性のあるタイミングを特定する相関範囲とを含む候補機リストを記憶する候補機リスト記憶部と、前記受信手段がオールコール期間に受信した応答信号が含む航空機のモードSアドレスが、前記候補機リストに含まれる候補機のモードSアドレスと一致するか否かを判定するアドレス判定手段と、前記アドレス判定手段で応答信号が含む航空機のモードSアドレスと候補機のモードSアドレスとが一致すると判定されると、前記応答信号の受信タイミングが、前記候補機リストで当該候補機のモードSアドレスと関連付けられる相関範囲に含まれるか否かを判定する相関判定手段と、当該相関判定手段で応答信号の受信タイミングが相関範囲に含まれると判定されると、当該航空機のモードSアドレスを追加して前記ロールコール捕捉対象リストを更新する更新手段とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係るモードS二次監視レーダの構成を説明する機能ブロック図である。
【図2】図1のモードS二次監視レーダの処理で利用する期間について説明する図である。
【図3】図1のモードS二次監視レーダにおける処理について説明するフローチャートである。
【図4】図1のモードS二次監視レーダにおける応答の受信について説明する図である。
【図5】一般的なモードS二次監視レーダとトランスポンダを表わす概略図である。
【図6】図5のモードS二次監視レーダにおける応答の受信について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を用いて実施形態に係るモードS二次監視レーダ1について説明する。モードS二次監視レーダ1は、地上局に設置されており、航空機に備えられるトランスポンダとの質問応答に基づいて航空機の飛行を監視する装置である。
【0013】
図1に示すように、モードS二次監視レーダ1は、アンテナ11と、アンテナ11を介して信号を送受信する送受信部12と、送受信部12に接続され、質問応答を制御するとともに受信する応答を処理してターゲットレポートを生成及び出力する信号処理部13とを備えている。
【0014】
送受信部12は、送受切替器121、送信器122及び受信器123を有し、アンテナ11を介して質問(質問信号)を送信するとともに、アンテナ11で受信する応答(応答信号)を信号処理部13に出力している。
【0015】
また、信号処理部13は、質問の送信制御を制御する送信制御部131、モードSトランスポンダを備える航空機から受信したモードS応答を処理するモードS応答処理部132、ATCRBSトランスポンダを備える航空機から受信したATCRBS応答を処理するATCRBS応答処理部133、図2に示すようにオールコール期間及びロールコール期間をスケジューリングするチャネル管理部134、応答に応じてターゲットレポートを生成する監視処理部135を有している。
【0016】
監視処理部135は、ロールコール期間に捕捉する航空機の情報に関するロールコール捕捉対象リストを記憶するロールコール捕捉対象リスト記憶部135gと、ロールコール期間の捕捉対象の候補である航空機(候補機)の情報に関する候補機リストを記憶する候補機リスト記憶部135hとを有している。モードS二次監視レーダ1では、例えば、複数のオールコール期間に渡って同一の航空機(候補機)から応答を所定回数受信すると、この候補機をロールコール期間の捕捉対象としてロールコール捕捉対象リストに登録する。モードS二次監視レーダ1では、ロールコール期間にはこのロールコール捕捉対象リストで登録されている航空機に対して質問応答のスケジュールを設定し、質問を送信するとともに応答を受信する。
【0017】
また、監視処理部135は、航空機から送信された応答を復号処理する応答処理手段135aと、応答処理手段135aで復号処理された応答を利用して航空機の監視に利用するターゲットレポートを生成するレポート生成手段135bと、オールコール期間に受信したモードS応答が候補機から送信されたか否かを判定するアドレス判定手段135cと、モードS応答を受信した場合に過去に受信したモードS応答との相関範囲を判定する相関判定手段135dと、受信したモードS応答に対して相関範囲を求める相関処理手段135eと、ロールコール捕捉対象リスト及び候補機リストを更新する更新手段135fとを有している。
【0018】
なお、ここでは、本実施形態に係るオールコール期間で受信したモードS応答の処理及びこれらの処理に必要な構成について説明するため、ロールコール期間で実行する他の処理及びこれらの処理に利用する構成等については省略している。
【0019】
応答処理手段135aは、モードS応答処理部132又はATCRBS応答処理部133から応答を入力すると、入力した応答を復号し、復号結果のデータをレポート生成手段135bに出力する。また、応答処理手段135aは、応答がモードSトランスポンダから送信されたモードS応答であるとき、モードS応答の復号結果をアドレス判定手段135cにも出力する。このモードS応答には、航空機の識別子であるモードSアドレスや航空機の位置情報を含んでいる。
【0020】
レポート生成手段135bは、応答処理手段135aから入力するデータを用いてターゲットレポートを生成する。例えば、ターゲットレポートは、モードSアドレス、時刻、その時刻における飛行位置の位置情報及び応答の受信時刻(受信タイミング)等を含むデータである。
【0021】
アドレス判定手段135cは、応答処理手段135aからオールコール期間に新たに受信したモードS応答の復号結果を入力すると、候補機リスト記憶部135hに記憶されている候補機リストを読出し、入力した復号結果に含まれるモードSアドレスが候補機リストに含まれているか否かを判定する。
【0022】
候補機リストでは、過去のオールコール期間に送信したオールコール一括質問の応答であるモードS応答の復号結果に含まれるモードSアドレスや位置情報、このモードSアドレスの受信タイミングとともに、このモードS応答を受信した受信タイミングに基づいて求められた相関範囲を含むデータである。この相関範囲は、あるスキャンで応答を受信した受信タイミングに対して、次のスキャンで同一の航空機からの応答を受信し得るタイミングの範囲としてビームドエルタイムを基準とした範囲として求められ、候補機リスト記憶部135hで記憶されているものである。ここで、ビームドエルタイムは、ビーム幅とアンテナ回転角度から割り当てられる時間であって、図2に示すように、オールコール期間とロールコール期間とを1周期とする複数の周期で形成されるものである。
【0023】
航空機は移動しているため、スキャン毎に応答を受信するタイミングは異なるが、航空機の移動の速度には限界があるため、次のスキャンで応答を受信するタイミングの範囲は予測することができる。したがって、本実施形態に係るモードS二次監視レーダ1では、次のスキャンで応答を受信すると予測された範囲を相関範囲として記憶しておき、相関範囲を利用して応答の適否を判定する。
【0024】
また、アドレス判定手段135cは、入力した応答の復号結果に含まれるモードSアドレスが候補機リストに含まれていると判定した場合、相関範囲内か判定する為、復号結果を相関判定手段135dに出力する。一方、アドレス判定手段135cは、入力した応答の復号結果に含まれるモードSアドレスが候補機リストに含まれていないと判定した場合、新規目標として応答の復号結果を相関処理手段135eに出力する。
【0025】
相関判定手段135dは、入力した応答の復号結果に含まれる応答の受信タイミングが、復号結果とともに入力した候補機リストの相関範囲内であるか否かを判定する。また、相関判定手段135dは、相関範囲内に存在すると判定した場合には、前回のスキャンで受信した応答と今回のスキャンで受信した応答とは同一の航空機から送信されたものであると判定し、復号結果を更新手段135fに出力する。一方、相関判定手段135dは、相関範囲内に存在しないと判定した場合には、前回のスキャンで受信した応答と今回のスキャンで受信した応答とは同一の航空機から送信されたものではないと識別し、復号結果を相関処理手段135eに出力する。
【0026】
なお、相関判定手段135dでは、前回のスキャンで設定された相関範囲内で応答を受信したときに同一の航空機からの正確な応答であると判定している。しかし、判定の適否の精度を向上するため、複数回のスキャンに渡ってそれぞれ前回のスキャンで設定された相関範囲内で同一の航空機から送信された応答を受信できた場合に同一の航空機から送信された応答であると判定することもできる。
【0027】
相関処理手段135eは、応答を受信した航空機に対して候補機リストで記憶する相関範囲を求める。具体的には、相関処理手段135eは、アドレス判定手段135c又は相関判定手段135dから応答の復号結果を入力すると、入力した複合結果に含まれる応答の受信タイミングからこの応答を送信した航空機から次のスキャンに応答を受信すると予測されるタイミングを相関範囲として算出する。その後、相関処理手段135eは、入力した複合結果とともに、算出した相関範囲を更新手段135fに出力する。
【0028】
更新手段135fは、相関判定手段135dから応答の復号結果を入力すると、この復号結果に含まれるデータを追加してロールコール捕捉対象リストを更新するとともに、該当する航空機に関するデータを削除して候補機リストを更新する。すなわち、候補機リストには、候補機に関する直前のスキャンのデータを記憶する必要があるため、候補機がロールコールの捕捉対象となった場合には、削除される。また、ロールコール捕捉対象リストにはロールコール期間における捕捉対象の航空機に関するデータのみ記憶されているため、ロールコール期間における捕捉対象でなくなった場合には削除される。例えば、該当する航空機がモードS二次監視レーダ1の監視範囲に存在しなくなった場合にはこの航空機のデータは削除される。
【0029】
また、更新手段135fは、相関処理手段135eから応答の復号結果及び相関範囲を入力すると、この復号結果に含まれるデータ及び相関範囲を追加して候補機リストを更新する。すなわち、候補機リストには、候補機に関する直前のスキャンのデータを記憶する必要があるため、新たな候補機が検出された場合にはこの航空機に関するデータを追加する。
【0030】
続いて、図3に示すフローチャートを用いてモードS二次監視レーダ1においてオールコール期間にモードS応答を受信した場合の処理の流れを説明する。
【0031】
モードS二次監視レーダ1では、応答処理手段135aは、モードS応答処理部132から復号された応答を入力する(S11)。応答処理手段135aは、入力した応答をレポート生成手段135b及びアドレス判定手段135cに出力する。
【0032】
応答処理手段135aから応答を入力したアドレス判定手段135cは、この応答のモードSアドレスと候補機リストに含まれるモードSアドレスとを比較して、入力した応答が候補機リストで登録されている候補機から送信されたか否かを判定する(S12)。
【0033】
アドレス判定手段135cで応答が候補機から送信されたものではないと判定されると(S12でNO)、相関処理手段135eは、入力する受信タイミングを利用して、この航空機の相関範囲を算出する(S13)。その後、更新手段135fは、応答に含まれるデータと求めた相関範囲とを追加して候補機リストを更新する(S14)。
【0034】
一方、アドレス判定手段135cで応答が候補機から送信されたものであると判定されると(S12でYES)、相関判定手段135dは、入力した受信タイミングと候補機リストに含まれる相関範囲とを比較して、この応答の受信タイミングが相関範囲内であるか否かを判定する(S15)。
【0035】
相関判定手段135dで受信タイミングが相関範囲内であると判定され(S15でYES)、過去に当該候補機から受信した位置情報と新たに受信した位置情報が所定の相関範囲内であるとき(S16でYES)、更新手段135fは、この航空機をロールコールの対象とするため、この航空機のデータを追加してロールコール捕捉対象リストを更新するとともに、この航空機のデータを削除して候補機リストを行進する(S17)。
【0036】
一方、相関判定手段135dで相関範囲内でないと判定されると(S15でNO)、ロールコールの対象とせずに候補機として扱うため、相関処理手段135eで応答の受信タイミングを利用してこの航空機の相関範囲を算出し(S13)、更新手段135fで候補機リストに追加する(S14)。
【0037】
また、相関判定手段135dで受信タイミングが相関範囲内であると判定されても(S15でYES)、過去に当該候補機から受信した位置情報と新たに受信した位置情報が所定の相関範囲外であるとき(S16でNO)、リストは更新しない。
【0038】
例えば、図4に示す例では、航空機2のモードSトランスポンダが送信した応答R1がモードS二次監視レーダ1で受信されるとともに、応答R1が反射物に反射した応答R2もモードS二次監視レーダ1で受信されたとする。この応答R1と応答R2とは、同一の航空機から送信されたものであるため、同一のモードSアドレスを含んでいる。従来、このように同一のモードSアドレスを有する応答を複数受信した場合、全ての応答を候補の対象外としていた。これに対し、上述した二次監視レーダ1の場合、応答R1及び応答R2についてそれぞれ関するデータをそれぞれ相関範囲とともに候補機リストで記憶する。
【0039】
その後のスキャンでも、モードS二次監視レーダ1がオールコール期間に質問(モードS一括質問)を送信すると航空機2から応答が送信されるが、航空機2の位置は移動するため反射物で反射しなくなる。したがって、次回以降のスキャンは、同一のモードSアドレスを有する応答R1について設定した相関範囲内で応答を受信できても、応答R2について設定した相関範囲内で応答を受信することができなくなる。したがって、モードSアドレスを相関範囲とともに記憶し、次回以降は相関範囲内で受信した場合にロールコール期間での捕捉対象に移行することで、実在する航空機については確実にロールコール期間での捕捉対象とすることができる。
【0040】
また、仮に次のスキャンでも反射した応答R2を受信し、ロールコール期間での捕捉対象として登録した場合でも、その後ロールコール期間では登録した方向に存在する航空機が存在しないために送信した質問に対する応答は得られないためこの対象への応答は中止される。したがって、ロールコール期間に不要な質問応答の期間の設定を継続する問題もない。
【0041】
上述したモードS二次監視レーダ1によれば、同一モードSアドレス多重検出の場合でも、応答で得られたデータを利用しないのではなく、相関範囲を設定して別目標として記憶しておき、次回以降のスキャンで判定に利用して確実にロールコールへ移行することができる。したがって、オールコール期間で捕捉するモードSトランスポンダを備える航空機の数を低減することができるため、モードSトランスポンダを搭載する航空機が監視対象外となることを防止することができるとともに、ATCRBSトランスポンダの検出率の低減を防止し、オールコール期間における新規な航空機の検出率の低減を防止することが可能になる。
【符号の説明】
【0042】
1…二次監視レーダ
11…アンテナ
12…送受信部
121…送受切替器
122…送信器
123…受信器
13…信号処理部
131…送信制御部
132…応答処理部
133…ATCRBS応答処理部
134…チャネル管理部
135…監視処理部
135a…応答処理手段
135b…レポート生成手段
135c…アドレス判定手段
135d…相関判定手段
135e…相関処理手段
135f…更新手段
135g…ロールコール捕捉対象リスト記憶部
135h…候補機リスト記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視空域を飛行する航空機にオールコール期間には一括して質問信号を送信し、ロールコール期間にはロールコール期間にはロールコール捕捉対象リストで捕捉対象として登録されている航空機に個別に質問信号を送信する送信手段と、前記質問信号に応答して航空機から送信された応答信号を受信する受信手段とを備え、受信した応答信号を利用して航空機の飛行を監視する二次監視レーダであって、
ロールコール期間の捕捉対象の候補である候補機のモードSアドレスと当該候補機が次のスキャンで応答信号を受信する可能性のあるタイミングを特定する相関範囲とを含む候補機リストを記憶する候補機リスト記憶部と、
前記受信手段がオールコール期間に受信した応答信号が含む航空機のモードSアドレスが、前記候補機リストに含まれる候補機のモードSアドレスと一致するか否かを判定するアドレス判定手段と、
前記アドレス判定手段で応答信号が含む航空機のモードSアドレスと候補機のモードSアドレスとが一致すると判定されると、前記応答信号の受信タイミングが、前記候補機リストで当該候補機のモードSアドレスと関連付けられる相関範囲に含まれるか否かを判定する相関判定手段と、
当該相関判定手段で応答信号の受信タイミングが相関範囲に含まれると判定されると、当該航空機のモードSアドレスを追加して前記ロールコール捕捉対象リストを更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする二次監視レーダ。
【請求項2】
前記アドレス判定手段で応答信号が含む航空機のモードSアドレスと候補機のモードSアドレスとが一致しない判定されると、当該応答信号の受信タイミングを用いて、次のスキャンに当該航空機から応答信号を受信すると予想される範囲である相関範囲を求める相関処理手段をさらに有し、
前記更新手段は、航空機のモードSアドレスに当該航空機に対して前記相関処理手段で求められた相関範囲を関連付けて前記候補機リストを更新することを特徴とする請求項1に記載の二次監視レーダ。
【請求項3】
前記相関処理手段は、前記相関判定手段で応答信号の受信タイミングが相関範囲に含まれないと判定されると、当該応答信号の受信タイミングを用いて新たな相関範囲を求め、
前記更新手段は、航空機のモードSアドレスに当該航空機に対して前記相関処理手段で求められた新たな相関範囲を関連付けて前記候補機リストを更新することを特徴とする請求項2に記載の二次監視レーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−252744(P2011−252744A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125626(P2010−125626)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】